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尊みに溢れてしんどすぎる(作者 硅孔雀
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●妄想戦線
「ああ悔しいわ。誰も、何もわかってない。分かろうともしない」
「仕方がないじゃない青梅。人の数だけ『それ』が存在する故に……悲しいわね」
「竹芝。青海の嘆きは私達皆の嘆き、私にも分かるわ……青海の苦しみが」
 抱えきれない嘆きを零すように、やや乱暴に置いた珈琲カップから褐色が零れる。
 カップを弄んでいた女学生が目を見開く。
「ぬるま湯につかり切ったこの帝都、否、世界に必要なのは絶対的萌えシチュの確立! 全世界が共通に! 永久に! 絶対的に萌えに燃えられる完璧なる舞台をつくりだしましょう!」
 少女達が頷き合う。
「我らサアクル幻朧戦線がたどり着いた、最高にして絶対の萌シチュ──戦火の混乱の中にこそ最高に萌え有り。はあ……尊い」
「ほのぼの、悲恋、ロマンス。全てのベースに戦下シチュあればそれよし!」
「永きに渡る平和がいきなり破滅! 世がいくら乱れども苦境の中に新たな愛が咲き誇るとか……やっぱめっちゃ良い……さあ。これが炸裂すれば」
 座席の横に置かれていた『それ』に全員が目を向ける。
「「「めっちゃ燃えるし、めっちゃ萌える!」」」
 三人がお揃いでつけているのだろうか黒い鉄の首輪が鈍く光った。

 彼女達の物騒な発言。
 周囲の人々は一瞬振り返るが再び同席した者たちとのおしゃべりに興じる。
 ここはカフェー巨台場。
 大正文化が花開く中人々が自由に、各々の思い──妄想を自由に語れる解放の場。

●グリモアベース
「こうして自分達の萌えシチュの極みともいえる『戦火に包まれる帝都』を実際に作り出さんと彼女達は動き出すのじゃ……」
 氷長・霰(角型宝石人形、なわけないのじゃ角娘じゃ・f13150)は複雑な面持ちで口を開く。
「動機はひとまず置いておく。彼女達が己が願いを叶える手段として選んだ代物。それが実にまずい物での」
 サクラミラージュの世。帝都による世界の統一により安定するまでには大きな戦争が幾度も起きている。戦争はあらゆる科学を歪ませながら発展させ、ある兵器を創り出した。
「グラッジ弾──影朧兵器と呼ばれる兵装の一つ。人の心の『恨み』を収縮したその弾丸が人に当たれば『恨み』を浴び、周囲に影朧を呼び寄せる存在と化す」
 かつて医療施設の破壊を目的に作られたそれは、危険性から帝都による世界統一後全てが回収・破壊された。
「……はずであった。しかしそのグラッジ弾を彼女達は持っておる。サアクルといっていたが……」
 幻朧戦線と名乗っていたのを考えるとテロ組織の可能性もある。
「彼女達は一般人であることは間違いないのじゃ。『戦火シチュ』から最高の萌えが産まれると思っているだけの……普通の女学生で、あるぞ。うん、多分フツウ」

 彼女達は抑えきれない萌えパッション抱いた人々──彼らの間では同士とお互いに呼び合う者が集うカフェーに集まっている所まで予知ができたと言うと霰は唸る。
「これはわらわの考えじゃが恐らくカフェーで不用意な行動をすれば彼女達は逃げてしまうじゃろう。そこで!」
 グリモアベース中に本が何冊も浮かび上がる。
 と、同時にそれぞれのペエジが捲られ始めると同時に猟兵達の周りをぐるぐると回り始めた(100パーセント健全な内容で構成されています)。

 皆がカフェで萌えるシチュトークをする!店員や客が乗ってくれるかもしれない!
 幻朧戦線達は動揺し、決行場所をばらすかもしれない!
「名付けて『僕の私の考えた萌えシチュ暴露作戦』これは多分、絶対に効く、はずじゃ!」

 本達が光り出しゲートを作り出し始める。
「わらわは『自分の瞳と同じ色のアクセサリーをそっとつけてもらうシチュ』がめっちゃ好きじゃ~!」
 君の瞳に恋してるという感じで。

●カフェー巨台場
「書生かける舞台の花形俳優。親友の為に脚本を書いていく内に……俺はお前と一緒の舞台に……と深夜の稽古場で」
「……いいですわ。しかし、その、逆に書生が実は眼鏡外したらどんな女性より美しかった。これはいかがでして?」
「……解釈違いは介錯もの、でしてよ?」

「舞台は女学校女学校。寄宿舎でずっと一緒だった病弱なクラスメイトが、保険医のお兄さんに恋しているのを知ってしまった。そして彼女の苦悩が始まる」
「俺も混ぜてくれよのパターンじゃなければいいぞ。その道を進めるなら地獄を見ることになるであろう、な」
 議論は過熱する。





第3章 集団戦 『同人娘』

POW ●ア゛ッ…顔良゛!ん゛っ…(嗚咽)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【敵でもあり、公式でもある猟兵の顔 】が【良すぎて、嗚咽。立ち止まったり、倒れ伏し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD ●――散ッ!(公式である猟兵に察知されたので逃走)
肉体の一部もしくは全部を【同人エッセイ漫画とかでよくある小動物 】に変異させ、同人エッセイ漫画とかでよくある小動物 の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ ●同人娘達…? ええ、あっちに駆けて行きましたよ。
【オタク趣味を微塵も感じさせない擬態】を披露した指定の全対象に【「こいつ逆に怪しいな…」という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【第三幕:幻朧戦線その輝き】
「なによ、なによ、なんなのよ……!」
「戦乱こそが帝都を染めるべきなのに!」
 黒い鉄の首輪が舞台を照らすライトに当たって鈍く光っていた。
 猟兵達が己の萌えを見せ、それに魅せられた観客達は彼女達の鉄の黒より澱んだ瞳の色に違和感を覚え、騒めき立つ。
「私達の『悲劇シチュエーション』が負ける、ですって……?」
 観客の誰かが、猟兵が、皆が気が舞台の上に置かれたカートの不自然さに気が付いた──その時。
「幻朧戦線万歳! 戦乱万歳! 悲劇シチュ最高!」
 舞台の上の少女達──幻朧戦線のメンバーが叫ぶ。閃光と熱が炸裂する直前、観客達は悲鳴を上げながらも、避難と舞台の上の彼女達守ろうと動いた。
 ぼすん。
 何かが膨らみ、割れる音。緞帳が舞台の上へ降り注ぐ。

 幻朧戦線のテロ活動は未遂に終わった。
 しかし、最後の幕は上がったばかり。

『今日はコスOKイベか……推しキャラレイヤーさんきたらどうしよう……推しカプ同士だったら……』
『最後尾はこちらではありません! ぐるっと回って向こう側!』
『新刊駄目だった……でもこの無配最の高……』
 カートの中にはグラッジ弾だと気が付かれないよう薄い本が詰められていたという。
 グラッジ弾が炸裂し、薄い本が貫かれる。
 その悲しみに、影朧の群れは引き寄せられた。

※平坦な舞台の上での集団戦になります。
※幻朧戦線のメンバーはグラッジ弾の直撃を受け自爆しています。彼女達との戦闘は行えません。