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蒸気猟兵譚~過去と幽霊~

#アルダワ魔法学園 #蒸気幽霊

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#アルダワ魔法学園
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#蒸気幽霊


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●旧校舎に佇むゴースト
「うーん……困ったなぁ」
 災魔の扉のさらに奥。
 そこには蒸気と魔法っで作り上げられた廃墟の学園が広がっていた。しかしそこにいるのは大半が魔導により作り上げられたゴーレムたち。生きている者はいなかった。
 そんな状況を憂う者がここに1人。
「どうにかしたいんだけど……どうしようもないなぁ」
 よく見れば彼女の姿はほんの少しだけ透けている。それが意味することは一つだろう。この場所には彼女のような者たち———『蒸気幽霊』と呼ばれるかつて大魔王と戦った英雄達の幽霊が数多く存在していた。
「誰かここのお掃除手伝ってくれないかなぁ」
 荒れ果てた旧校舎の片隅で蒸気幽霊の少女『ソフィア』は一人頭を悩ませる。

 ここは旧校舎。
 大魔王を封じた『ファーストダンジョン』の上に建造された、はじまりの学園。

●グリモアベースにて
「皆様お疲れ様です。今回はアルダワ魔法学園で新たな発見がありました」
 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)。いつものメイド服に身を包みアマータは猟兵たちに説明を続ける。
「以前皆様に調査をしていただいた『災魔の扉』。その奥に『旧校舎』と呼ばれる区画が存在することが判明しました。地底深くに築かれたこの旧校舎をさらに拡張する形で、究極の地下迷宮アルダワは完成したようです」
 アマータが言うには現在そこは災魔の大軍勢が占拠してしまっているらしい。「今回皆様にはこの旧校舎を災魔の手から解放していただきたいのです。とはいえ相手は数も多く一筋縄ではいかないでしょう。ですが旧校舎には助っ人もいるようです」
 助っ人、それは蒸気幽霊と呼ばれる過去の英雄たち。死して実体こそ失ってはいるが彼らの手を借りることができれば災魔討伐の一助になるだろう。
「彼らの手を借りるにはそうですね……彼らの望んでいることをしてみるといいかもしれません。そうすれば向こうから話しかけてくれると思います」
 つまり彼らの好感度を上げればいいということ。そうすればきっと災魔討伐も手伝ってくれるだろう。
「今回の災魔は数も多く困難を極めるとは思いますが蒸気幽霊たちと協力した皆様なら問題なく討伐できると当機は信じております。皆様、ご武運を」

 こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 今回は災魔の扉の奥に広がる旧校舎が舞台です。そこに蔓延る災魔の大群を討伐していただきます。
 そのためにもまずは蒸気幽霊と仲良くなるとスムーズでしょう。
 蒸気幽霊は掃除がしたいようですね。お手伝いしてあげるといいと思います。

 注意事項などは特にございません。
 いつもの如くOPで開示される情報は1章のもののみとなります。以後の情報はリプレイ内で開示されますので皆様どうか思い思いのプレイングを投げてくださいませ。

 シナリオの状況や注意事項がMSページにございますので一読よろしくお願いします。

 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『掃除の時間』

POW   :    力を使って学園を綺麗にする!

SPD   :    技を活かして学園を綺麗にする!

WIZ   :    知恵を働かせて学園を綺麗にする!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スチームゴーストは思案する

「あ、やっぱりだめだぁ」
 落ちているぬいぐるみを拾い上げようと伸ばしたソフィアの手はあっけなく空を切る。既に実体のなくなってしまったソフィアではぬいぐるみの一つも片付けることはできない。
「むむむ……」
 そんなことをどれくらい続けただろう。ここに誰も来なくなってもう久しい。昔は後輩たちがいっぱいいて活気もあったが気がついたら誰も来なくなってしまった。

 そして荒れ放題になってしまったこの校舎を掃除する者は誰もいない。

「コレは動かせるけどお掃除はできないしなぁ」
 ソフィアの背後にあるのは蒸気を噴き出し歯車を回すなにかの機械。それが何なのかはきっと当人たちだけが知っている。

「誰か来ないかなぁ」


 こうして今日も旧校舎の幽霊は来るはずもない来訪者を待ち続ける。
シャルロット・クリスティア
かつて厄災を封印した英雄たち……。
……過去の残滓とは言え、オブリビオンと違って害は無いようですね。まずは一安心、というところでしょうか。
コミュニケーションは大事です。まずは交流を図ってみるとしましょう。

……と言っても、どこから手を付けたものか。
まずは長い年月で溜まってしまった埃からでしょうかね。
大まかなところを処理できたら、物品の整理をやりつつ、細かいところも綺麗にしていきましょう。
いるもの、いらないもの……。昔の遺産です、本人には無価値でも我々にとって貴重なのもあるかもしれないですから、許可があればいくつか持って帰れるといいのですが。
……そも、整理したところで干渉できるんでしょうかね……?


黒木・摩那
災魔の扉の奥には校舎があったのですね。
でも、随分と長い間、人が来てないせいで荒れ果てているようです。

お掃除をしてほしい、ということですから、
是非ともやらせていただきます。
整理整頓は得意ですからね。

しかし、まじめに掃除をするには少々広すぎます。
これでは時間がかかりそうです。

ここは数で勝負です。

UC【墨花破蕾】でガレキを蟻にします。
この蟻さんに他のガレキを動かしたり、ごみを持って行ってもらいます。

蟻さん、力持ちだし、たくさんいますから、まさに万人力ですね。


ナイ・デス
蒸気、幽霊……?オブリビオンとは違う感じ、でしょうか
精霊のような、今に生る……在る、霊?
味方と認識していい、のですよね
ふーむ……どう力になってくれるか、わからない、ですが
助っ人、お願いできるように、お手伝いしましょう

ここを、掃除したい、ということで、あっています?
と、尋ねながら【念動力】を使ってぬいぐるみなどをふわりと浮かし
どこに片付ければいいですか?と尋ねお片付け
そうして、掃除しながら蒸気幽霊さんから【情報収集】
どう片付ければいいか、蒸気幽霊って何か、災魔退治しますが、助力をお願いできますか?と、どう力になってくれるかなど

だいたい聞いたら『生命力吸収光』を加減なく
汚れ、ごみだけ、消滅させます


宇冠・由
お母様(f00173)と連携
※すみません。時間ぎりぎりなので不受理でも構いません

私は空を飛ぶのは大の得意
高いところの埃も窓の外側も、天井の隅々だって掃除し尽くして差し上げます。えへんっ

時間がたって校舎の備品やぬいぐるみも傷んでしまっていることでしょう
【智天使の抱擁】で壊れた箇所も元通りに修復して回ります

虫やネズミさんの住処になっているところはビーストマスターの力で他に移り住んでもらうよう交渉しましょう
ネズミも種によっては雑草を食べる益獣ですし、駆除しては可哀想なので


宇冠・龍
由(f01211)と連携
※時間ぎりぎりの提出なので不受理でも構いません

これでも主婦です
掃除と料理は長年培ってきました
ここまでの大掃除は初経験ですけど、基本は変わらないはず
上から下へ、奥から手前へ。そして材質に気を使う

ただ、人手が足りませんから応援を呼びましょう
【談天雕竜】で百の霊を、主婦の武具たる掃除用具と共に召喚
ソフィアさんに校舎の勝手を聞きながら、由と掃除をしていきます

木材はそれ用の洗剤に浸けて液だれに気を付けつつ軽めに
布製品は毛並みの方向に注意しつつ、重曹を薄めたもので仕上げを
地下なので換気にも気を配りましょうか

綺麗になるのは気持ちがいいですね


茲乃摘・七曜
心情
旧校舎に蒸気幽霊……興味深いですが、まずは掃除ですね

指針
自己紹介や現状の説明などを交えながら蒸気幽霊との交流を図る。
※グリモア猟兵が当時いなければ補足する等
「えぇ、転校生として扱われています。後輩で間違いはありませんね。さて…、ここの掃除を望まれてましたよね?

行動
コツコツとかつての状態に戻すように掃除を行ってゆく
重いものがあればAngels Bitsで牽引する等して対応を実施
「では、どのようにしていきましょう?
・高い場所から低い場所、奥から手前にと基本的なことを守りつつてきぱきと
・小物の置いてあった場所やもろもろの配置はソフィアの望むように行動
「っと、そういえば…、茲乃摘・七曜と申します。



●スチームゴーストとお掃除と交流と

「おやぁ? おやおやおやぁ?」
 今日も今日とて手持ち無沙汰なソフィアはふらふらと歩いていたが今日はいつもと違うことに気が付いた。
「扉が開いていますねぇ。これはもしかしてぇ」
 待ち望んでいた誰が来たかもしれない。ソフィアは瓦礫の隙間を縫って開いた扉の元へと飛んでいく。

「あらぁ」
 ソフィアの前にいたのは見たこともない6人の誰か。それが猟兵だということすらソフィアは知らない。生きていた時代にそんな人はいなかったのだから。
「これはぁどうなさいましたぁ?」
「こんにちは。私たちは猟兵というものです。グリモア猟兵の予知で扉の奥……つまりここを探索にしにまいりました」
 まず自分たちの素性と目的をソフィアに告げたのは茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)。他の猟兵たちもそれに続き自己紹介をする。
 ここに集まったのはシャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)そして宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)と宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)母娘、そこに七曜を加えた6人の猟兵たち。
「なるほどぉ。転校生さんですねぇ、後輩さんですぅ」
 いまいち理解しているか怪しいソフィアだが事実ここ、アルダワ魔法学園で猟兵たちは転校生として扱われている。のほほんとしていてわかっているのか判断に困るが。
「えぇ、転校生として扱われています。後輩で間違いはありませんね。さて…、ここの掃除を望まれてましたよね?」
「あ、はい。見ての通りここは荒れ放題になっていましてぇ。誰かお掃除してくれたならぁって」
「それを私たちはお手伝いしに来たのです」
 七曜の説明に捕捉をするようにシャルロットが同調する。この旧校舎に最も詳しいのはここに長年いるソフィアたち蒸気幽霊だろう。ならば友好関係を築いた方がこの後のあれこれもスムーズに進むはず。
 そんな打算的な考えとかつての英雄たちがいた場所が荒れ果てたままというのは見過ごせない猟兵たちはソフィアの代わりの掃除を買って出た。
「ほんと!? 嬉しいわぁ。それじゃあこの校舎の瓦礫を退かしてぇ。落ちている物を集めてもらおうかしらぁ」
「わかりました。手分けをしてお掃除しましょう。っと、そういえば……、茲乃摘・七曜と申します」
「私はソフィアよぉ。よろしくね、いつかどこかの後輩さんたち」


 こうして猟兵たちは分担し掃除を開始した。


「……と言っても、どこから手を付けたものか」
「まずは埃を落としましょう」
「そうですね。まずは長い年月で溜まってしまった埃からでしょうかね」
「わぁ、お願いするわぁ」
 掃除と言うならまずは埃を落とさねば。率先して校舎に溜まって埃を落としていくのはシャルロットと由の2人。とりわけヒーローマスクである由はふわふわと宙に浮き炎の身体で器用にはたきを使って普通なら手の届かない天井の隅々にある埃も落としていく。シャルロットはそんな由とは違い丁寧に壊れた備品の上に積もった埃を払う。

「あら」
 天井付近を払っていた由の前に現れたのは人がいなくなってから住み着いたのであろうネズミの家族。よく見たら天井の一カ所に穴が開いていた。恐らく天井裏に巣があるのだろう。静かに暮らしていたネズミの家族には申し訳ないが彼らがいては掃除が終わらない。
「申し訳ありませんがここを綺麗にしなければいけませんの。何処かへお引っ越ししてはいただけませんか?」
 だが幸いなことにここには由がいた。ビーストマスターたる由ならばネズミと心を通わせることができる。ネズミの家族も暫し悩む様な素振りを見せたが了承してくれたようでチュウと一度鳴き一旦巣へと戻っていった。これでネズミたちを不必要に駆除する必要もうない。
「あなた優しいのねぇ。ポイント高いわよぉ」
「いきなりやってきて駆除をしては可哀想ですもの」

「これはここ、ですかね」
「ええ、それでいいわぁ」
 ある程度目につく箇所の埃も払い終え、シャルロットは備品の整理をしながら掃除を続けていた。
「……これはなんでしょう?」
 そんな中シャルロットが手にとったのは拳銃の様な形をした機械。ぱっと見ただけではそれが何なのかシャルロットには判断がつかなかった。
「蒸気機械ねぇ。多分それは魔法を撃ちだす奴ね。もういらないわぁ」
「い、いらないんですか?」
 確かにもう戦うことなどないソフィアにとっては無用の長物だろう。しかし今現在戦い続けているシャルロットたち猟兵にとっては価値があるかもしれない。
「欲しいならあげるわぁ。お掃除のお礼ねぇ」
「ありがとうございます!」
 こうしてよくわからない蒸気機械を貰ったシャルロットの脳裏にとある疑問が浮かぶ。
「……掃除してもソフィアさんたちは触れるんですか?」
「無理ねぇ。でも綺麗な方が気持ちいいじゃない?」
 なんとも拍子抜けな答え。だがそんな答えがシャルロットのやる気をさらに引き出した。

「ここはもう大丈夫そうねぇ」


「災魔の扉の奥には校舎があったのですね」
「そう、ですね」
 摩那とナイの2人は校舎に転がる瓦礫の撤去と担当していた。とはいえ量が量。2人でやっていてはいつ終わるかわからない。故に摩那は【墨花破蓄】で周囲の瓦礫を蟻へと変え、撤去を手伝わせていた。個々の力もさることながら数の力は凄まじく、床に転がる瓦礫もゴミも蟻たちがどんどん外へと運んでいく。
 ナイはというと持ち前の念動力で床に転がる瓦礫や備品を器用に浮かせソフィアへ置き場所を尋ねていた。
「これは何処に片づければいいですか?」
「それはあっちで瓦礫はそっちぃ」

 摩那もナイもてきぱきと校舎に転がる瓦礫を外へ出し、その瓦礫は小山の如く積み上がっていた。あとはこの瓦礫をどうにかすればとりあえず一段落、と言ったところでナイがソフィアに疑問を投げかける。
「聞いても、いいですか?」
「なぁに?」
「蒸気幽霊って、なんでしょう?」
「私にもわからないわぁ」
 ソフィア曰く気づいたらこうなっていたとのこと。本人に記憶がないのなら探りようがない。今わかるのは彼女のような蒸気幽霊はオブリビオンとはまた別、ということくらいだろう。
「それじゃあ、この後災魔退治をするんだけど手伝ってくれるかしら?」
「私にできることならお手伝いするわよぉ。お掃除のお礼もしないとねぇ」
 摩那の頼みもソフィアは快く引き受けてくれた。掃除のお礼、というのもあるがソフィアもまたかつて災魔と戦っていた者。災魔をみすみす見逃すことはできないのだろう。

 聞くべきことをある程度聞き終えたナイは瓦礫へ一歩足を踏み出す。
「加減は、難しい」
「下がった方がいいですよ」
 摩那の言葉に従いほんの少し瓦礫から距離をとるソフィア。それを見たナイは瓦礫へと手を翳し、そこから放たれた光が瓦礫とゴミを包みこみ光が消える頃にはそこに合った筈の瓦礫もゴミもナイの【生命力吸収光】により存在するための力を吸い尽くされ消滅していた。
「ありがとねぇ。これでまた綺麗になったわぁ」
 そういい残しソフィアは再び次の掃除場所へとふらふらと向かっていった。


「では、どのようにしていきましょう?」
「これでも主婦です。お任せください。掃除と料理は長年培ってきました。ここまでの大掃除は初経験ですけど、基本は変わらないはず。上から下へ、奥から手前へ。そして材質に気を使って綺麗にしていきましょう」
「心強いですね」
 七曜と龍は最後の仕上げの担当。掃除の基本である高い所から低い所。奥から手前に。それを忠実に守り2人は瓦礫も無くなり埃も払われた校舎を今以上に綺麗にしていく。
 しかしやはりここも人手が足りない。細やかに掃除をしようとすればするほどもっと多くの人手が必要になる。だがそれすらも解決する術を龍は持っていた。ユーベルコード【談天雕竜】により呼び出される百の霊と主婦の武器たる掃除道具。武器を七曜にも手渡し龍は完全武装で応援と共に旧校舎の汚れと対峙する。

 重いものは七曜が浮遊させた『Angels Bit』で牽引し浮かせた所を洗剤をつけたモップで丁寧に拭きあげて。
 布製品は毛並みの方向に注意をしながら薄めた重曹で仕上げて元よりさらに美しく。
 それは全て猟兵ではなく主婦の技。
「流石、ですね」
「ふふふ、経験が豊富なだけです。七曜さんもいずれわかりますよ」
 霊たちの人海戦術も加わり旧校舎はみるみるかこ

 掃除も終わりが見えてきた。この旧校舎は地下故に換気にも気を配らなければ風の流れが滞ってしまう。備品の配置もソフィアの意見を聞きながら風の通り道を作りあげる。
「綺麗になるのは気持ちがいいですね」
「ええ、本当に」
「ありがとうございます。見違えるようですぅ」
 そんな仕上げの最中にソフィアがふらりとやってきた。見違えるように綺麗になった校舎を見渡し満足したように満面の笑みを浮かべている。
「あとはぁ……」
「あとは占拠している災魔たちの掃討、ですか」
「その為にもまずは準備をしなければいけませんね」

 旧校舎の掃除はひとまずこれで終了した。
 かつての英雄たちが眠るこの場所が綺麗になれば彼らも安らかに眠ることができるだろう。しかし彼らの安らぎを邪魔するのモノは他にもいる。
 これより先が猟兵たちの本当の仕事。


 こうして猟兵たちは掃除を切りあげ災魔の待ちうける学園迷宮へと向かっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『蒸気の街を往け』

POW   :    臆せず進む。何があっても、力で対処すればいい。

SPD   :    慎重に進む。迷宮の未知には、いつだって罠がつきものだ。

WIZ   :    調査しながら進む。何か新しい発見があるかもしれない。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スチームゴーストと蒸気の街

 旧校舎の周囲に広がっていた迷宮は蒸気の街。
 至る所に蒸気を噴き出しながら稼働する機械が設置されている。街の維持に使われている物もあれば罠として仕掛けられた物もあるのだろう。
 災魔たちと戦闘を行うのは恐らくこの蒸気の街。つまりここで先手を打ち、奇襲を仕掛けるため場所を探してもいいし罠を仕掛ければ後の戦闘を有利に進められるだろう。
 本来であれば探索に時間のかかる蒸気の街だが今回はこの場所に詳しい者がいる。長年ここにいたソフィアならばこの街を熟知している筈。話を聞けば有益な情報が得られるだろう。


 ―――猟兵よ、来るべき戦いに向け準備を整えよ。
宇冠・龍
由(f01211)と連携

この蒸気の街は、旧校舎と何か深い繋がりがあるんでしょうか。気になりますね

ソフィアさんに街を案内されながら
【枯木竜吟】で機械に触れ、その歴史や動かし方を探ってみます
(蒸気が噴き出る、ということはまだこの街は“生きている”)
あまり街にも旧校舎にも被害を出したくないのが本音です。折角みんなで綺麗にしたんですからね

(地下とはいえ、ここまで大規模な区画なら“あれ”が多分どこかにあるはず……)
探すのは蒸気技術の花形のひとつ、蒸気機関車
貨物運搬用のものを起動させ、他の方の準備負担の軽減や線路区間を調べて戦いに備えます
機関車はよくも悪くも目立ちますから、囮にも使えますので


宇冠・由
お母様(f00173)と連携

街に蒸気機関が張り巡らされている。となりますと、どこかにこの街の心臓部であるボイラー施設なりがあるはずです
燃焼等で発生した蒸気を利用しているのであれば、もしかしたら私の火力を加えることで、この街の出力自体を底上げできるかもしれません

ソフィア様に案内してもらい、私の地獄の炎を全力で使って出力向上を図りますわ
【七草仏ノ座】なら、時間経過で私の火力も際限なく上昇しますし、何より大きいので街全体が見渡しやすいです
敵の進軍に備えての見張りと、敵が第一に発見する囮として役立つようにしましょう



●蒸気の街と炎と霊

「この蒸気の街は、旧校舎と何か深い繋がりがあるんでしょうか。気になりますね」
「一応そうだよぉ。むかーしはここに人がいっぱいいたのぉ」
 まずはじめに探索を始めたのは宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)と宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)の母娘。ソフィアが言うにはここはかつて学生たちが住んでいたという。しかし新しい校舎が完成し、皆そちらへ行ってしまった。ここはもう使われていない街。
「まだ蒸気が出ているということはこの街は生きているのでしょうか?」
「うん、まだ動力部は生きてるよぉ」
 もはや使われていないとのことだが街の至る所から蒸気は沸きだし設備も稼働している。つまりまだこの街は動き続けているということだ。
「お母様」
「ええ、わかっています由。行ってみましょう。ソフィアさん、その動力部へ案内していただいても?」
「いいよぉ」
(地下とはいえ、ここまで大規模な区画なら“あれ”が多分どこかにあるはず……)
(燃焼で蒸気を利用しているのなら……)
 それぞれの思惑と共に龍と由はソフィアの後に続いて蒸気の街を進んで行く。


「よいしょぉ」
 ソフィアの掛け声とともに巨大な扉が開くが蒸気幽霊であるソフィアは実体に干渉できなかった筈。しかし今この扉は確かにソフィアの声に合わせて開いた。
「はいってどうぞぉ」
「今のはどういうことでしょう?」
 由がソフィアへ問いかけると返って来たのは思ってもみない答えだった。
「あー、今のはねぇ。ここの管理者が私だからぁお化けになっても私が来れば開くのぉ」
 ここ、つまりこの動力部の管理者が自分だとソフィアは言う。この規模でかつて学生たちが住んでいた街の動力を担う場所の管理者、ということはソフィアは生前それなりの地位にいたのだろう。
「さぁ、ここがこの街の動力源よぉ」
 動力部へあしを踏み入れた龍と由の前に現れたのは蒸気を噴き出し歯車を回すとてつもなく巨大な炉。絶えることなく燃え続けるそれがこの街をこれまで支え続けていた心臓部だった。
「何を燃料にして燃えているのでしょう?」
「基本は街で出るゴミねぇ。最近はよくわからない物も燃えてるけどぉ。なんでも燃やしてくれる便利な子なのよぉ」
「……そのようですね」
 龍が炉の操作板に触れ【枯木竜吟】の力でこの炉が歩んできた歴史を読みとっていく。
 流れ込んでくるのはかつて学生たちのために燃え続けた誇りとただ消えていないだけの今に対する悲しみ。そして今までずっと自分を見続けてくれているソフィアへの感謝。
 その感謝を形にすべく炉は龍に自身の手足たる秘密兵器の場所をこっそりと教える。
「やはりありましたか」
 それは炉へ燃料を運ぶために創られた蒸気技術の花型のひとつ、蒸気機関車。それを一つ起動し龍はこの後の戦いに向け万全の状態で動かせるよう準備を進める。

「あれも使うんですねぇ」
「ソフィア様。この炉の火力が上がればこの街の出力は上がりますか?」
「ええ、もちろんよぉ。でも今はこれ以上は……」
 管理者たるソフィアから確証を得られればやらぬ理由はない。ソフィアがいれば出力も安定させてくれるだろう。
「そこはお任せくださいませ」
 由の【七草仏ノ座】により溢れ出る炎が形を為し、それは炉と同じ大きさの鬼となる。そのまま由は燃え盛る炉の戸を開き自身の両腕をその中にねじ込んだ。
「これでよしですわ。調整はお願いしますソフィア様」
「りょーかーい」
 地獄の炎によりさらに勢いを増し燃え盛る動力部。これで街にある施設は全て問題なく今まで以上に動くだろう。


 街を巡る足と街を動かす心臓がここに。
 準備は着々と進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
【WIZ】
蒸気の街ですか。
配管だらけですね。
でも、まだ蒸気が供給され続けているのはすごいです。
いったいどこから来ているのでしょうか。

まずは街の地図が必要でしょう。
少し高いところから観測して、スマートグラスのセンサーで測量します。
ただ、地形や道路だけでは地図としてはわかりにくいので、
ソフィアにはそこに見える特徴のある建物について、
名前や何なのかを教えてもらいます。

地図ができれば、それを使って、待ち伏せとか、
守りやすいところも見えてくるでしょう。

宝さがしもできそうですね。



●蒸気の街と地図

「蒸気の街ですか。配管だらけですね」
「はぁい、蒸気はここの必需品ですからぁ。今は出力も上がっているのでいつもよりいっぱいですぅ」
 動力室から戻ったソフィアはそのまま黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の探索に同行することになった。
 摩那の目的はこの街の地図を作ること。ソフィアに確認をしてみたがこの街の正確な地図はもうなくなっているとのことだった。地図さえあればこの後の戦闘でも有利に立ち回ることができる。そのために摩那が目指すのはこの街が一望できる場所。
「地図はなくなってしまったんですね」
「というより最終的な地図を作り上げる前に皆さんお引越ししてしまったんですよぉ」
 拡張に拡張を重ねた結果、その全貌を把握しているものはおらず結局そのまま新たな校舎へと移ってしまったらしい。
「あ、ここですねぇ。ここなら街を見渡せますよぉ」
 ソフィアに案内され摩那が辿り着いたのはこの街の一角に建てられた展望台。そこからならばこの街を一望することができる。

「では……」
 展望台を登り終えた摩那は『スマートグラス『ガリレオ』』起動する。それを通して得た情報はすべて蓄積され地図の作成へ届く充てられる。
 だが視覚情報だけで作られた地図では最低限の機能しか有しておらず使い勝手もいいとは言えない。
「あの今、炎の巨人のような方がいるのがこの街の動力部ですか?」
「ですねぇ、今日はいつもより頑張ってますぅ」
「ではあの脇の建物は?」
「あそこは昔雑貨屋でしたぁ。でも何故か置いてあるクッキーが美味しいんですぅ」
 こうして摩那は見える範囲で特徴のある建物についてソフィアから聞き出し、その情報を地図へと加えていく。これで地図は視覚的な情報だけでなく特徴的な建物についての説明も加わり格段に見やすくなった。ソフィアから今はあまり必要のない情報も伝えられるのでちょっと説明が多くなったが。

 摩那の手により地図は完成し、重点的に防衛すべきところも待ち伏せに適した場所も一目で把握することができる。


 街を記す地図がここに。
 準備は着々と進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
敵を知り、己を知れば……ですが
そういえば、どんな敵が現れるか、聞いていません、ね
……地形の把握に、お散歩、しましょうか

【地形の利用】できるように、蒸気の街を歩き回ります
【動物と話す】にゃーんにゃーんと、精霊に声をかけながら
精霊猫さんと一緒にみてまわり
機械に地縛鎖刺して【ハッキング】電脳ゴーグルで解析【情報収集】
敵によっては効果ないかも、ですが。逆に効果あるかも、と記憶していって
【念動力】でふわりと、浮遊して街を高くから、見渡します



●蒸気の街と散歩

「敵を知り、己を知れば……ですが。そういえば、どんな敵が現れるか、聞いていません、ね」
 共有された地図を元にナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は蒸気の街を散策する。地図は手に入ったが一度歩いてみなければ実感もわかないもの。
地形の把握のためにナイは独り、散歩中。

「にゃーん、にゃーんにゃーん」
 散歩中、時折猫の様な声を出すナイ。もちろんそれにもちゃんと意味がある。これはこの街の至る所に存在する精霊へ語り掛けるための言葉。ナイの言葉を聞きつけ周囲には精霊猫たちが集まってくる。そのままナイは精霊猫と共に地図に従い蒸気の街のお散歩を続ける。

「あれ、は……」
 そんなナイの前に現れたのは何やら蒸気を噴き出し動き続ける機械。一目見ただけではそれが何なのかナイには判断できず、精霊猫たちもよくは知らないらしい。ソフィアがいれば答えてくれたかもしれないが生憎と今ここにはいなかった。
 しかしわからないなら調べればいい。ナイは袖から周辺環境から魔力と情報を得られる『地縛鎖』を伸ばし目の前の機械へと突き刺した。そこから流れ込んでくる情報を『電脳ゴーグル』を介し読み取り解析することで機械の機能を把握する。
「射出、装置……?」
 その情報によると目の前にあるのは蒸気の圧力を利用して物体を射出する装置。物を飛ばして攻撃するもよし、多少の危険も伴うがこれを使って移動することもできそうだ。

「これで、見終わった、かな?」
 ほかにもいくつかまだ動いている蒸気機械を解析し、動かし方も把握したナイ。仕上げとばかりに自身の身体を念動力で操作しふわりと宙へ浮く。そのまま建物の屋根も超え歩き回った街を上空から見渡した。
「よし……」


 街を回り知り得た者がここに。
 準備は着々と進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

茲乃摘・七曜
心情
さて、あまり周囲は壊さないようにしたいものですが……

指針
災魔がまっすぐ移動できないような構造の場所や道を塞ぐ罠がある場所がないかソフィアに確認
※地図があるなら見せてもらえるように頼む
「…、引き撃ちや分断に有利そうな場所あるでしょうか?

行動
周囲の蒸気魔法機械群の性能を聞きながら戦略を立ててゆく
「蒸気の濃度を変えたり、特定の音……例えば足音や会話を録音したもの等を再生させたりすることが出来るようなものもあったりしますか?


Angels Bitsを仕掛け指向性の衝撃波で誘導した敵の先陣を崩す罠を作成する
「数が多いのでしたら敵軍を分断できる装置のある場所も把握したいのですがお願いできるでしょうか?



●蒸気の街と罠

 茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)はソフィアと共に地図を片手に街を歩いていた。
「……引き撃ちや分断に有利そうな場所はあるでしょうか?」
「えーっとぉ……この辺とかぁ?」
 七曜が狙うのは罠による先手。災魔たちが容易に進めず、道を塞いで進行方向を制限できる場所があればこちらとしても行動しやすい。
 そんな場所を地図片手に捜し歩いていたのだがソフィアに心当たりがあるようだ。地図上のその場所を指差しながらソフィアは説明を続ける。
「開発途中でやめちゃったからぁいい感じにごちゃごちゃしてるのぉ」
「それならちょうどよさそうですね。案内していただけますか?」
「おっけぇよぉ」

 ソフィアの案内でたどり着いた区画は確かに入り組んで、周囲には蒸気魔法機械たちが数多く転がっている。確かにここは七曜の作戦にうってつけの場所の様だ。それにこれだけ周囲に蒸気魔法機械があるのならば利用しない手はない。
「蒸気の濃度を変えたり、特定の音……例えば足音や会話を録音したもの等を再生させたりすることが出来るようなものもあったりしますか?」
「濃度は出力を弄ればできるわぁ。再生も確か……ソレねぇ。レコーダーみたいなものよぉ」
 ソフィアが指差した先にあったのは蒸気で動く蓄音機のようなもの。しかしレコードらしきものはそこになく自動で録音と再生をしてれるようだ。
「ありがとうございます。それさえあれば罠が張れますね」

 七曜は入り組んだ道を巧みに調整し、通れるルートを限定。災魔たちがそこを目指すように蓄音機に足音や会話の音を設定し餌にする。それに加え自律式の多機能小型蒸気機関式拡声器『Angels Bit』を仕掛け、指向性の衝撃波で誘導した敵の先陣を崩す罠を作り上げる。
「数が多いのでしたら敵軍を分断できる装置のある場所も把握したいのですがお願いできるでしょうか?」
「資材運搬用の機械を使えばよさそうねぇ」

 それだけで飽き足らず七曜はさらに入念に罠を張る。全てはこの後に迫る災魔討伐のため。


 街を守る罠がここに。
 準備は着々と進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
地下都市?
それとも、何らかの要因で地下に沈んだ……?
うーん、旧校舎の成り立ちを考えると前者ですかね。

ともあれ、入り組んだ遮蔽の多い地形であれば、伏兵としては好都合です。
敵は軍勢、であれば大通りのような広い地形が主戦場になる。
身を隠して銃撃が可能な位置を幾つか絞り込んでおきましょう。
自分が潜んだ際に、警戒しなければいけない方向の把握も忘れずに。

そしてそのポイントから敵が移動する場合、どのようなルートが想定されるかもいくつかチェックしておきたいところですね。
次の奇襲ポイントの絞り込みに使えます。
全部確認するのはキリがないですから、上手くソフィアさんの情報を活かしていきましょう。



●蒸気の街と道

「地下都市? それとも、何らかの要因で地下に沈んだ……? うーん、旧校舎の成り立ちを考えると前者ですかね」
「そうねぇ」
 シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)とソフィアは罠が張り巡らされた道を確認も兼ねて見て回る。シャルロットは罠と道の確認と共に身を隠し、銃撃を行うことができるポイントにも目星をつけていく。罠が誘導する先は多くの蒸気魔法機械が設置された広場。その周囲のポイントを重点的に把握していく。もちろんそのポイントに潜んだ時に死角となり警戒しなければならない方向も見落とすことなく確認しておく。
「ここからだと……どの道にいくでしょうか?」
「えっとぉ、こっちかしらぁ」
 そしてここから敵が移動する場合に想定されるルートのチェックも欠かさない。この街の道を知り尽くし、どんな種類の蒸気魔法機械が配置されているかを記憶しているソフィアの言葉に従えばそのルートも簡単に導き出せる。ルートさえわかってしまえば先回りして奇襲をかけるポイントの割り出しも容易に行える。
「こっちの道にだけわざと罠を少なめにしておいたのよぉ」
「そしてこの先の袋小路へ相手を押し込めるんですね」
 これだけ入り組んだ地形、そして多くの蒸気機械と建物。それだけあればシャルロットのような伏兵にとっては最高の戦場となり得る。敵の数は多くとも効率的に、無駄なく排除していけばいいだけの話。そのための準備は怠らない。
「となると……」
「今回はありがとうねぇ。お掃除も災魔退治も」
「いえ、お礼を言われるようなことではありません。これも猟兵の仕事ですから」
「それでも私は嬉しかったのぉ。あとでみんなにも言わないとねぇ」

 そんな話をしていたらいつの間にか2人は歩き始めた場所へと戻って来ていた。


 街を知る伏兵がここに
 準備はこれにて完了した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ラビリンスセンチネル』

POW   :    アクセルブースト
【脚部に内蔵した推進器で急接近し】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    マジックバーレッジ
【腕部に内蔵された魔術機関】から【多量の魔力の弾丸】を放ち、【弾幕を張ること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    コアスーサイド
【魔力炉を自壊させ暴走した魔力】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スチームゴーストと迷宮の番人

 こうして災魔を迎え撃つ準備を終えた猟兵たち。
 それと時を同じくして迷宮の奥底より現れたのは夥しい数の蒸気機械人形たち。しかしいくら数が増えようとそれを迎え撃つ準備は既に終えている。


 猟兵たちよ、万全たる備えを用いて災魔の大群を掃討せよ。
宇冠・由
お母様(f00173)と参加

私はこの巨体で囮となって、その存在感であえて敵に発見されます。そうすれば、他の方が動きやすく、敵に発見されづらく行動できますの
とはいえ、私のいる場所は街の心臓ボイラー部
敵の攻撃を受ける訳にも参りません

拠点防衛は心得があります
髪元から飛散した盛る炎の飛礫、それを自在に操り、飛翔してきた敵達を追跡、地獄の炎で撃ち落として差し上げます

それは迎撃用の弾として、時には街や味方をかばい守る盾として
上空の敵は残らず空中で燃やし尽くしますわ


宇冠・龍
由(f01211)と参加

無事起動できた蒸気機関車、それに【談天雕竜】で呼び出した百の霊を、氷属性と呪詛を付与した銃と共に乗せます
戦闘行動をとれない私ですが、運転なら問題ありません
(……とはいえ、これ、どこを押せば発車するんでしょう?)
機械には少々疎いので、動かなそうならソフィアさんにお手伝いしてもらいます

街に被害は出させません
走る列車で街を巡りながら、各地へ霊たちを下ろして迎撃にあたらせます
一人一人が私と同じ強さ、1体につき3人かかりで挑めば大丈夫。その凍てつかせる弾丸で魔力炉が暴走する前に仕留めて動作停止させます

(そういえば、ここより更に下。地下はどのような構造になってるのかしら?)


黒木・摩那
蒸気の街の地形も把握できました。
地の利はこちらにあります。

あとは攻め寄せる蒸気機械人形を倒して、街を安全にするだけです。

ただちょっと数が多いですね……
ここは先ほど作った地図を活用して、数を減らしていきましょう。

交差点の角で待ち伏せます。
ルーンソードにUC【トリニティ・エンハンス】の【水の魔力】を付与します【属性攻撃】。
交差点を通り過ぎたところで人形たちに攻撃して、
ソードの刃を伸ばす形で攻撃力を上げて、【なぎ払い】ます。

そして、一撃加えたら、場所を移動して、また待ち伏せて、を繰り返します。

防御は【第六感】とスマートグラスのAIで対応します。
飛び道具は【念動力】で軌道を逸らして回避します。



●蒸気の街での疾走劇

「それではお願いしますね、由」
「ええ、わかっておりますわお母様」
 動力部にいる宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)と宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)だったが由が街の向こうかあらやってくる災魔の軍勢を発見した。つまりここからが戦いの本番。そのためにこれまで準備を重ねてきたのだ。
 龍は起動に成功した蒸気機関車に【談天雕竜】で呼び出した百の霊に同じく呼び出された氷の呪詛を付与した銃を持たせ共に乗車する。ユーベルコードのデメリットで今回戦闘行動をとれない龍だが運転をするだけならば問題はない。
(……とはいえ、これ、どこを押せば発車するんでしょう?)
 機会に少々疎い龍は起動こそできたが運転方法がわからない。どうしたものかと悩んでいたら助っ人の蒸気幽霊がやって来た。
「この子はこのレバーで動かすんですよぉ」
「ありがとうございます、ソフィアさん。動かし方がわからず困っておりました」
「お気になさらずぅ。さぁれっつごーですぅ」

 こうして龍と百の霊、そして一人の蒸気幽霊が機関車に乗り街へと繰り出した。

「いってらっしゃいませ」
 機関車を見送りこの場に残ったのは30mほどの大きさの鬼の姿を取っている由。この街中でこれほどの巨体がいれば否が応でも周囲の目を引く。その存在感で災魔たちの第一目標が由となるのは当然のことだった。
 ここで由が囮となれば出発した龍も他の猟兵も動きやすくなる。隠れながら行動している者たちも発見されづらくなる。とはいえここはこの街の心臓部。敵の攻撃に晒されるわけにはいかない。

「さて、こちらはいらっしゃいませでしょうか?」
 その巨体で囮となった由の前には目論見通り道を埋め尽くすほどの災魔の軍勢がやって来ていた。想定より少しばかり数が多いが問題ない。何かを護りながら戦うことは由の得意分野。
燃え盛る髪を振り回し、飛散する炎の飛礫が災魔の軍勢を撃ち落とす。災魔たちは脚部の推進器を吹かし散開するが炎の飛礫はそれすらも追跡し撃ち貫き燃やし尽くす。
「街もここも壊させはしません。手加減は致しませんよ」
 近づいてくる敵はその巨椀で薙ぎ払い。
 離れる敵は炎の飛礫が燃やし尽くす。
 周囲の建物や機械へ目掛けて放たれる攻撃も炎の飛礫が集いて盾となり防ぎきる。
 数だけは勝る災魔の軍勢。しかし目の前に立ち塞がる巨大な炎の鬼を超える術は見いだせず、ただ闇雲に命令に従い前へ進んで燃やされる。どれだけ災魔が襲い掛かろうと炎の鬼は倒せない。燃え盛る地獄の炎はさらに勢いを増し大きく。

 燃え盛る炎の鬼は地獄の炎を振りかざし街とその全てを守りきるために戦い続ける。


 由が動力部で戦闘を始めたことを他の猟兵たちも察知していた。
 そんな中黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は作り上げた地図を片手に攻撃を仕掛ける場所を探していた。今回は多勢に無勢。闇雲に攻撃を加えても数の暴力で押し返されるかもしれない。
「ここなんてよさそうね」
 摩那が辺りをつけたのは少々大きな交差点。確かに奇襲をかけるには絶好の場所だが問題は少しばかり距離がある。
 走ってもいいがどうしたものかと悩む摩那の元へどこか懐かしい汽笛の音が。
「あらぁ、乗っていきますぅ?」
 それは龍とソフィアの乗った蒸気機関車。これならば多少距離があろうと関係ない。
「ええ、是非。こちらまで連れていってもらえる?」
 摩那は機関車に飛び乗ると目的の交差点を龍とソフィアに指し示す。機関車は進路を変え、向かう先は交差点。そこで災魔を待ち構えるために。

 災魔の行軍と機関車。どちらが機動力で優っているかは明らかだった。龍と摩那が交差点にたどり着いたときにはまだ災魔たちは後ろにいた。
「それではまず私が一撃を」
「そして私の霊たちが追撃ですね」
 作戦の共有は移動中に。『魔法剣『緋月絢爛』』の万華鏡のような刀身に刻まれたルーン文字。摩那が今回そこから選んだのは水の魔力。刀身が水に覆われ、その刃は伸縮自在の鞭となる。それに加え龍は呼び出した霊を3人ごとのチームに分け配置する。一人一人が龍と同じ強さの霊が3人で挑めば災魔に後れを取ることはない。

 令達が配置につき銃を構えたところで交差点にも災魔の軍勢が進軍する。

「いきます!」
 先手を取ったのは摩那。しなるその水の刀身が振るわれ前面に位置する災魔を薙ぎ払い両断する。水の刃はそれだけでなく後方を進軍している災魔たちにも魔力の籠もる水を浴びせ、次なる攻撃の布石となる。
 摩那の一撃に続くように霊たちの銃から放たれる凍てつく弾丸。水の魔力を浴びている災魔にとって最悪ともいえる一撃。最終手段の魔力炉の暴走すら全身が凍り付き機能が停止してしまえばできるはずがない。
「よし、次へ行きましょう」
「はい、準備はできています」
「ごーごー」
 交差点に訪れた災魔の過半数がこの一瞬で機能を停止した。それを確認した摩那と龍は残りを掃討できるだけの霊だけ残し、再び機関車へと乗り込み次の戦場を目指す。
(そういえば、ここより更に下。地下はどのような構造になってるのかしら?)

 災魔たちの現れたここよりもさらに下。そこに何があるのか想いを馳せながら龍は機関車を運転する。


 何かを運ぶために街を駆け巡る蒸気機関車。それが今、この街を護るために駆け巡る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

茲乃摘・七曜
心情
さて、準備は万端。仕上げを御覧じろといったところでしょうか?

指針
対大群の遅延・誘導戦闘
「惑わさせ阻害し、この場から退場願いましょうか

行動
高濃度の蒸気に潜伏し、蒸気式レコーダーに誘導される災魔群を見渡せる場所で待機
※武器は二挺拳銃。直進性のよい雷属性の弾丸を使用
「ソフィアさんもよい仕事をしてくださいました。それでは、参りましょうか
Angels Bitsは初撃後、災魔群への牽制に自律行動で運用
「数が減れば資材運搬用の機械で分断して殲滅を目指しましょう
※撃破した災魔が後続の邪魔となるように意識し戦う

対自爆
魔力炉の動きがおかしい個体を『流転』で捕らえ自爆のタイミングをずらし仲間を巻き込むように行動


シャルロット・クリスティア
ゴーレムですか……。
所詮は埋め込まれた命令に従うだけの兵器です。
であれば理詰めで処理できる。

いくら速く動こうと、予想進路は絞り込みました。
であれば当てることは容易い。
物陰からの狙撃で、手早く数を減らしていきましょう。

最高速度の点では相手に分があるでしょうから、こちらが気付かれると危険。
あまり一カ所でのスコアに固執せず、奇襲と撤退を繰り返し、少しずつ削り落としていく。
そうして、伏兵を警戒し進軍速度が落ちれば……その分猟兵の展開に余裕ができる。
こちらは場のメイクに徹しましょう。
猟兵は私だけではない。彼らなら、場さえ整えばしくじることはないでしょうしね。


ナイ・デス
あのタイプ、は……なるほど。それなら……
防衛は、任せて。私は単独行動で、暴れにいきましょう、か……!

【念動力】で浮遊して【情報収集】
敵が現れる迷宮の奥底の方角を確認
折角なので【地形の利用、ハッキング】射出装置で自身【吹き飛ばし】
勢いそのまま【踏みつけ】手足の黒剣鎧から刃をだして【鎧無視攻撃で串刺し】
街に入ってすぐで、悪いですが
ここで、倒させてもらいます

【覚悟、激痛耐性】私は、死なない。私は、死ねない
私はヤドリガミ。本体が『いつか壊れるその日まで』
急接近も弾幕も怯まず【カウンター】
無差別攻撃で範囲内の敵と一緒に吹き飛んでも、再生
そして斬って、触れて【生命力吸収】して疲労もなく【継戦】
掃討、です



●蒸気の街での蹂躙劇

 災魔の軍勢による第一波を防ぎ切った猟兵たち。
 しかし迫りくる災魔たちはとめどなく街を進軍し旧校舎を目指して進む。防ぐだけでは倒しきれない数を前に猟兵たちは攻勢を開始する。
 そのための準備は既に万端。あとは全力を以って災魔たちを掃討するだけである。
「惑わせ阻害し、この場から退場願いましょうか」
「あのタイプ、は……なるほど。それなら……」
「ゴーレムですか……」
 迎撃に当たるのは茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)の3人の猟兵。
「防衛は、任せて。私は単独行動で、暴れにいきましょう、か……!」
 防衛は既に他の猟兵たちが担っている。3人の役目は仕込んだ罠を利用し災魔たちを一体でも多く破壊すること。そのためにも3人は各自行動を開始する。
「防衛は心配なさそうなので私たちは災魔の相手ですね」
「所詮は埋め込まれた命令に従うだけの兵器です。であれば理詰めで処理できる」
 ナイは自身の念動力で浮遊し災魔たちの侵攻ルートを確認。その間に七曜も進軍する災魔たちを見渡せる場所で蒸気に紛れ潜伏。シャルロットもまた事前に確認しておいた潜伏ポイントで災魔たちを待ち構える。
「こちらへ、向かって、来ます……」

 災魔たちは仕込んでおいた蒸気式レコーダーの音に従い、この袋小路へ誘い込まれる。

 待ち構える七曜とシャルロットとは対照的にナイは近場に設置された射出装置にその身体を滑り込ませる。飛ぶ先はもちろん街へと足を踏み入れた災魔たちのど真ん中。射出さえしてくれれば後の姿勢制御などは念動力で調整すれば問題ない。
 そのまま災魔の大群と接敵するとナイは勢いのままに災魔を踏みつけ手足の『黒剣鎧』から刃を伸ばし周囲の災魔に突き刺し破壊する。
 突如として現れた襲撃者。ナイに対応するために災魔たちは群れを2つに分ける。
 1つはそのまま侵攻を続け、もう1つはこの場に残り襲撃者を迎え撃つ。
「街に入ってすぐで、悪いですが……ここで、倒させてもらいます」

 相手がゴーレムとはいえナイは多勢に無勢。数の暴力で押されれば全ての攻撃を防ぐことなどできはしない。
「私は、死なない。私は、死ねない」
 しかしナイはそんなことでは止まらない。痛みも無視し傷は全身に纏う聖者の聖なる光で瞬時に回復し行動し続ける。振るわれる黒剣の刃が災魔を斬り飛ばし、災魔たちの弾幕も接近もためらうことなくカウンターを叩き込む。
どれだけ自身が傷つこうとその身に傷がつけばつくほどナイの身体は軽くなり振るう刃は鋭くなる。

 【いつか壊れるその日まで】ナイは止まらず動き続け戦い続ける。


「ソフィアさんもよい仕事をしてくださいました。それでは、参りましょうか」
「ええ、いきましょう」
 狙撃ポイントについたシャルロットと七曜。
 そしてそこに誘い込まれる災魔たちをまず出迎えたのは七曜の仕掛けた『Angels Bits』による指向性を持った衝撃波。災魔の先陣は震動で爆散し、後続たちの隊列が乱れ進行速度に遅れが出る。先制攻撃の成功を確認すると七曜は『Angels Bits』を自律行動へと移行し災魔の牽制を任せ自身は二挺の拳銃を構える。
どれだけ数がいようとどれだけ早く動こうと進路が決まっているのなら2人の弾丸で撃ち抜けぬ道理はない。気づかれぬ位置からの狙撃で着実に災魔たちの数を減らしていく。
 とはいえ機動力自体は災魔たちの方が上。同じ場所で撃ち続けて接近されるのは危険だと判断し2人は絶え間なく狙撃ポイントを移動する。奇襲と撤退を繰り返せば災魔の大群ですら少しずつ削り落とされその数は減っていき伏兵の存在に気づいた災魔たちは進軍速度を犠牲に周囲を警戒する。
「そろそろ……ですね」
 災魔の数も減り、七曜は次なる仕込みを起動すべく移動を開始する。二挺の拳銃から放たれる雷を纏う弾丸で災魔たちをけん制し、七曜が辿り着いたのはソフィアと共に移動させた資材運搬用の機械。大型のクレーンが蒸気を吹かしながら首を振り、災魔たちの通りすぎた道に廃材を落とし援軍と分断する。

これであとはこの道を進んだ災魔を倒しきりさえすればこの一帯の災魔殲滅は完了する。

二挺拳銃を手に前線で災魔を撃ち抜く七曜とそれをアシストするように狙撃に徹するシャルロット。シャルロットが七曜の戦いやすいように戦場をコントロールすれば七曜がしっかりと決めてくれる。2人のコンビネーションで分断された災魔たちは瞬く間に数を減らしてく。
 残り少なくなった災魔たち。当初の軍勢は見る影もなく、あと数分もすれば殲滅されてしまう数。もはや災魔たちにできることはたった一つだった。
 数少なくなった災魔たちが魔力炉を暴走させ、周囲の災魔の誘爆も含めこの一帯を吹き飛ばそう次々と魔力炉を暴走させようとする。
「七曜さん!」
「ええ、わかっています」
 しかしそれに対する策すらも既に七曜は仕掛けていた。災魔を撃ち抜いた雷の弾丸。消えずに浮遊し続けその瞬間を待っていた。魔力炉を暴走させようとした災魔たち。その周囲に魔導弾から放たれる七曜を象徴する杭。それが災魔たちを取り囲み、描かれるのは封印術式の刻まれた魔導回路。
「万物流転。有限が作り出す無限の円環……幽玄たる時間の監獄へようこそ」
 それこそが七曜のユーベルコード【封印術式『流転』】だった。封印術式により暴走を鎮静される災魔の魔力炉。自壊するはずの魔力炉が自壊せず、目論見の外れた災魔たちだが七曜の目論見はまだここから。
 魔力炉の暴走を封じられた災魔は再び猟兵を狙い進軍しようと隊列に戻る。災魔たちの隊列が再び組まれたその瞬間こそ七曜の狙っていたタイミング。そこで施した封印術式を解除し再度魔力炉を暴走させる。限界を超えた魔力炉は周囲を巻き込みながら暴走した魔力を放ちながら自壊する。隊列を組んでいた災魔たちは放たれる魔力に巻き込まれあとわずかだった災魔たちは1体残らず跡形もなく次々と爆散し消え去った。


 こうして猟兵たちの活躍により蒸気の街に蔓延る災魔の軍勢は一掃された。これでこの街に眠る蒸気幽霊たちも安らかに眠ることができるだろう。
「ありがとねぇ後輩さんたち」
 全てを終えた猟兵たちにソフィアから蒸気幽霊たちを代表して感謝の言葉が告げられる。彼女たちはこれからもずっとここにいるだろう。この過去が詰まった旧校舎に。

 災魔の掃討を終えた猟兵たちは過去の英霊たちの住む旧校舎を後にする。



 ―――過去の幽霊たちとの邂逅。蒸気猟兵譚~過去と幽霊~終。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月25日


挿絵イラスト