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思い出の在処、己の魂の価値は

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #魂喰らいの森

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#魂喰らいの森


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●霊魂喰らう森の中で
 貴方の原点は何?

 覚えてる?そこに至った道を。

 魂って……なんだろう?

 それは自己の全てを司る燃料。

 想い、願い、抱えた物を持って。

 貴方は今ここに居る筈。

 教えて、教えて、猟兵さん。

 私達は、我はここで待っているよ。

 森の中で貴方達を待っているよ。

 頂戴、頂戴、想いが深い程、それは蜜の味。

 甘くて、美味しい、記憶と共にいただきます。

 さぁ、教えてちょうだい。

 貴方の原点は、何?

●グリモアベース
「魂喰らいの森、なんともまぁらしい名前だよね」
 改造制服に身を包んだ少女、賀茂・影虎は棒付きキャンディを咥えたまま集まった猟兵達を見渡す。
「群竜大陸……だっけ?アックス&ウィザーズ、俺達が新しく踏み入れた大陸が今回の予知の舞台」
 千の竜が支配する呪われた大地、自然現象や野生の動植物も敵となる事が多い過酷な地で視たのは、その中でも人的被害が多いと呼ばれているらしいとある森だ。
「魂喰らいの森。そう、さっき俺が言った森の事。ここに存在する物全て、草木、虫、動物……あらゆる生命体が『魂』を糧としているらしい」
 一度中に入れば瞬く間にその魂を吸い出し食料にされてしまうだろう。
「んで、喰われて意思も無くなったソイツ等は森の番人とやらにされて動かなくなるまで名前の通り森を守る兵士にされる訳だ。くっそ厄介というか面倒だよね。そんで、アンタらにやってもらいたいこと、奥にふんぞり返っている森の区画を牛耳るボスを倒してもらいたい」
 猟兵達の視線を掲示板に促し説明を再開する。
「ボスの中に眠ってるコア……この核を破壊する事に成功できれば、辺りの動植物全てが消滅する。奴等の魂そのものだね。大事だからこそ一番強いボスの胎内にしまいこんでるってこと」
 しかし猟兵と言えどもそのまま森へ向かえば苦戦もありえない事では無い。
「ここのオブリビオン共って、強い想い、楽しかった思い出とかが苦手なんだって、変わってるよね」
 画面が切り替わり、小さな集落が映る。テーブルには肉や魚、大きな樽には大量の水のようなものが入っているのがわかる。
「だからさ、先ずは森に行く前に腹拵え。そして教えてよ、アンタらが猟兵になった訳を、楽しかった思い出、辛かった出来事、面白そうだったから、復讐の為、人を護りたいから……なんでも良いよ。アンタらが持つ、強い想いこそが魂喰らいへの一番の武器になるんだ」
 一息に話し終わり、影虎はゲートを開く。
「入口を守る番人達は心の隙間を狙ってくる。それを跳ね除ける気迫があれば恐れ、隙が出来るはず。さぁ、頼んだよ」

 さっさと行った行った、と言いたげに送り出す影虎。そっけない態度の裏、彼等への信頼に己自身も気付かぬまま、キャンディの袋をあけるのであった。


グラサンマン
 どうも、グラサンマンです。ぐんりゅーたいりくですよ!!さて、少し変わった依頼なので早速説明を。
『一章』
 日常依頼、集落で用意された祭り……貴方達はエールorジュースを飲みながら自身の猟兵になった理由をプレイングで語って頂ければと思います。これを基点に二章以降でリプレイが進んでいきます。祭りの描写というより、皆様の語りが主になりますね。
『二章』
 集団戦、意思も無くなった番人オブリビオンが相手です。ただひたすらに魂を吸おうと心の中に襲いかかってきます。
 此方では皆様に猟兵となった自身への答え。楽しかったなら、これからももっとこうしたい!辛かったのなら、乗り越えたり、今の考えを語って欲しいです。とにかく喰らおうとしたオブリビオンを跳ね返すような思い出に対する答えをプレイングに書いて頂ければ。
 戦闘は戦闘でも物理的な戦闘はありません。
『三章』
 ボス戦です。二章までのリプレイにより魂喰らいの森の効果は薄れている筈。存分にボスを殴りましょう。皆様の猟兵になった覚悟を見せて頂ければ、更にプレイングボーナスとなって振り直しが発生致します。

 普段とは変わったシナリオになりますが、お付き合い頂ければ幸いです。一章は承認後、二章以降は断章を挟んだ後にプレイング募集となります。
 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『魂の祝祭』

POW   :    大いに食べて飲んで、力の限り騒ぎ楽しむ

SPD   :    記憶に残る華麗な芸や踊り、話術などを披露する

WIZ   :    魂が力強くあれるよう、歌や祈りを捧げる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

護堂・結城
猟兵になった理由、か
まずは巨大狐のユキを背もたれに、エールでも飲もう…素面で語るのは苦手だ

この黒い眼も、紅い髪も俺が故郷じゃあ災いの予兆だとか散々な言われようで
瀕死のユキを守る為に戦った時だって『化物同士の相打ち』を望まれたくらいだ

まさに孤立無援、結果だけ言えば満身創痍で勝てたからよかったものの
生まれや見ためだけで救いの手がないってのはやるせないもんよ

故郷を出た後の旅でだって似たような奴を沢山みた
実際には何もないのに迷信に縋って…情けない

だから…あの日救われなかった自分を救う為、誰にも手を差し伸べてもらえない悲劇を覆す為、になるかな

ん?今も戦う理由?……その話はまた後で、な


アスカ・ユークレース
アドリブ、絡み歓迎

ルーツを探して

元々はなんとなくでなったのだけど

転機が訪れたのは少ししてから
のある依頼で

その時私は気づかされた、いえ、ずっと目を背けていたことを突きつけられたというべき?
自分はあまりにも【空白】だってことを、トラウマとなり得る過去すらないことを

堪らなく、怖くなったわ
自分が何者か判らないってことが

そのまま見ぬふりをして過ごすことも出来た
その方が楽だし
だけどそれじゃ根本の解決にはならない
なら立ち向かおうって、猟兵の立場を最大限利用させて貰おうって。情報収集の為に、いつか会う真実に打ち負けない為に…

きっと私にとっての原点はそこね



 「───あの日に救えなかった、救われなかった自分を救う為……誰にも手を差し伸べて貰えない悲劇を覆し、その手を掴む為

「───……情報を集め、いつか会う真実に打ち負けない為に」


●護堂・結城(雪見九尾・f00944)
 貴方はどうして猟兵になったんだ?
 何気ない村人の質問に、結城は雪見九尾のユキにもたれながら盃に口をつけて傾ける。喉を通るエールが熱い、苦笑いしながら村人にこう返すのだ。
「エール、もう一杯もらえるか?ふふ……素面で語るのは苦手なんでな……」

 今でこそ雪見屋という拠点もある、狐の宿には恋人も居る。幸せ……充実していない……なんて、決して言えないだろう。
 時には腐れきった外道を見る事もある、それを力で捩じ伏せる場面もある。全てが全て上手く行くわけでも無い。思ってたんだよ、自分はこの世界で一番不幸だって、意識はせずとも、心からそう思ってた。
 猟兵になる前から俺はあちこち旅をしていてな。ん?なんでかって?

 忌み嫌われていたからさ。

 この黒い瞳も

 紅い髪も
 
 その目は災いを呼ぶ、その髪のせいで村が破壊される予兆を見た……
 くだらないと思うか?真剣だったんだよそいつ等にとってはな。
 魔物に襲われ瀕死になったユキを助け、村長に報告する為に向かっている道中。聞こえてしまった、わかってはいたが、実際に聞いてしまったんだよ。
『化物同士、同士討ちにされりゃ良い』
 
 俺はなんの為に力を振るったのか、誰の為に戦ったのか、気づいたら俺はユキを連れて故郷をでていた。元より荷物も少ない身、俺達を止める者なんて誰も居ない。居るはずも無いけどな。
 ただひたすらに歩いた、早く離れたかった。ユキもそれがわかったのか何も言わずに着いてきてくれて。そしてこれは……珍しいもんじゃない、意思ある者にとってはありふれた悲劇でしかなかった。実際は何も無いのに、迷信に縋り、敵と思い込んで排除する……

 おっと逸れたな、猟兵になった理由か。
 ん……あの日に救えなかった、救われなかった自分を救う為……誰にも手を差し伸べて貰えない悲劇を覆し、その手を掴む為、になるかな。

 今?ふふふ……まぁ慌てるなって、他にも話す奴は居るしな。また後で、な……?

●アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)
「これは……」
 渡される飲み物、橙色に濁る液体はゆらゆらと器の中を揺らし、薄く持ち主を写している。
 果実を絞った飲み物と説明されたそれは果肉も混ざり酸味を感じさせられる柑橘の香りが読み取れる。

 猟兵になった理由……と言われても、元々私はなんとなくでなっただけなのだ。猟兵以前の記憶が無かった私は、その事を不思議に思っても、追求はしてこなかった。必要無いと判断したからなのか、無意識に避けていたのかはわからないけれど。
 私に転機が訪れたのはある依頼に参加していた時……
 流れる砂嵐に響くノイズ、何が起きたのか分からないまま、家族に追われることになったあの日。
 気付かされてしまった、いえ、ずっと目を背けてきた事を突きつけられたんです。
 自分があまりにも空白だってことに、トラウマとなり得る過去すら無い事に。
 堪らなく怖くなったわ。自分の記憶の筈なのに何処か他人事の夢の様に見えてしまう、自分が何者なのかわからない怖さ。そのまま見て見ぬふりをしてこれまでと同じく過ごせば良い、そんな気持ちが無いと言うと嘘になってしまう。

 でもそれで解決になる訳じゃない。
 それなら、それなら立ち向かおうって、猟兵の立場を最大限利用させて貰おうって思ったんです。私は部外者じゃない、外から眺めてるだけなんて嫌……情報を集め、いつか会う真実に打ち負けない為に。
 私の原点は、そこにある。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アゼリア・リーンフィールド
猟兵になった理由、ですか。
ええと、出来そうだなーって思ったからなんですけど……そういう事じゃないですよね。うーん。

わたし一応神様やっているのですけれど、あんまり人の運命だとか、そういうものに干渉しない主義なんです。
例えばわたしや誰かがどうしようもない不運に襲われても、それが運命ですからって割り切ってしまうんですね。あ、目の前で困っている人がいたら、もちろん常識の範疇で助けますよ?

でも、オブリビオンさんは違うじゃないですか。
あれは運命とか、そういう理から外れた物です。それが誰かの運命を壊すって、許せなくって。
なのでやってみたら、あ、意外とできるなって思ったんです。
ふふ、結構他愛ない理由ですよね?


カタリナ・エスペランサ
猟兵になった理由、か
あまり話して聞かせるようなものでもないんだけどさ

人探しだよ。血の繋がった姉様……あっちは純正のオラトリオに目覚めたんだけどね
先に猟兵になってアタシや家族、村の皆を置いて居なくなった姉様ことアイリス・ユーフォリアを追いかけてるってワケ。どうにも避けられてるみたいだからアタシも偽名まで使ってさ
責める気は無いし、無理に連れ戻す気も無いんだ。姉様の事だから何か事情があるのは分かってる
ただ困ってるなら力になりたいし……たまには故郷に顔くらい見せてほしいなって
ま、ここだけの話なんだけどね

勿論、猟兵として冒険や人助けするのにやり甲斐感じてるのもホントだよ?
建前だけど嘘ではないって奴さ



「───オブリビオンさんは理の外からこじ開けて捻じ曲げていく……ちょっと頂けないなっと思いまして」

 「───少しでもその曇ってしまった人達に笑顔、僅かでも良い……希望を抱いて貰えたらなって思ったから」


●アゼリア・リーンフィールド(空に爆ぜた星の花弁・f19275)
「猟兵になった理由、ですか」
 器に注がれる飲み物を見つめながら村人から受けた質問を口にする。
 チビチビと器に口をつけながら言葉を探してみるが、なんと言って良いものなのか少し迷い……頭の中で整理しながら口を開き始めるのだった。

 わたし一応神様やっているのですけれど、あんまり人の運命だとか、そういうものに干渉しない主義なんです。
 神様全員がグイグイ誰かの人生を視て、助けたり、その運を弄ったり等々する訳じゃないんですよ。十人十色……いや、十神十色というやつですかね。
 わたしや誰かがどうしようもない不運に襲われても、それが運命、と割り切ってしまうんですよね。あ、見捨てるとかでは無くて勿論目の前に困ってる人が居たら助けますよ?常識の範疇で。
 困ってる人が居たらその力を使って助ける!って神様が居ても良いと思いますし、あくまでわたしの考えです。

 でも、オブリビオンさんは違うじゃないですか。あれは運命とか、生ける全ての理から外れた存在です。それが誰かの運命を壊すって許せなかったんですよ。誰かと誰かの道が交差し、絡み合い、運命となる、それが良きにしろ悪きにしろその人達次第となる訳です。それをオブリビオンさんは理の外からこじ開けて捻じ曲げていく……ちょっと頂けないなっと思いまして目指してみたのです。
 やってみたら、あ、意外とできるなって思って今に至っています。ふふ、結構他愛ない理由ですよね?

 思い通りになる事もあまり無いですけど、それもまた運命、ですね。これはこれで楽しいですよ?あ、ウニはちょっと……

●カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)
「猟兵になった理由、か。あまり話して聞かせるようなものでもないんだけどさ」
 聞いて楽しい物なのだろうか、と少し考えながらも口を開く。
「ま、聞かれて困る訳では無いし良いかな」
 カップの中で揺れる水の波紋を目で追いながら、カタリナは語り始めていく。

 人探しだよ、血の繋がった姉様……感染したアタシとは違ってあっちは純正のオラトリオに目覚めたんだけどね。先に猟兵になってアタシや家族、村の皆を置いて居なくなった……家宝を持ち去った姉様ことアイリス・ユーフォリアを追いかけてるってワケ。
 どうにも避けられてみたいでさ、アタシまで偽名使って追いかけてるんだけど、何処に居るのやら。
 無理に連れ戻す気も無いし責める気も無いんだ。姉様の事だから何か事情があるのは分かってる……ただ、困ってるなら力になりたいし、たまには故郷に顔くらいは見せて欲しいなってね。

 勿論、猟兵として冒険や人助けするのにやり甲斐感じてるのもホントだよ?ここまでやってきてさ、オブリビオンに虐げられてきた人達を沢山見てきた……こうやって猟兵をやりながら旅芸人として回っているのも、少しでもその曇ってしまった人達に笑顔、僅かでも良い……希望を抱いて貰えたらなって思ったから。
 姉様……この魂に宿る魔神、色々な事が絡み、追いかけて、出会い、交差して今のアタシがここに居る。これもまた、運命ってやつなのかもね。

 一応、ここだけの話だからね?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラティナ・ドラッケンリット
私からの差し入れだ
UDCアースのフランスという国の新酒のワインだ
今年の物は出来が良く気に入ったので樽で仕入れて来た
遠慮なく飲んでくれ
(担いで来た)

私が猟兵になった理由か
私の一族は代々冒険者や傭兵稼業を担っている
昔から才能のある者は猟兵になっていた
私が猟兵になったのは
そんな家に生まれて
幸運なことに猟兵に選ばれるだけの才能があった
そして私は一族のことを誇りに思っている
弱き者を守り助ける冒険者
『竜殺し』の名で知られているので
祖先達は竜を狩ってきたのだろう
一族でも竜との闘争を誉れとしている
恥ずかしながら私はまだ前線で竜を狩ったことがなくてな
千の竜が住まう大陸
否が応にも興奮に胸が高鳴る


弥久・銀花
私が猟兵になった理由ですか……(どんどん表情が落ち込んでいきます)、話さなきゃ駄目ですか?
駄目なんですね……。


昔からヒーローに憧れてたんです


ある時、私が一人で動けなくなるまで鍛錬した所に鋭い爪を持った大きなオブリビオンが現れて、私の体を押さえ付けて爪で私の左目を抉って食べて、そのまま立ち去ったんです。

で、次は負けない様にと鍛え上げて……。

また一人で動けなくなるまで鍛錬したら、悪の組織に捕まって実験動物にされました。


複数の要因で30分に数回死に掛ける様な生活が1年くらい続いた後、施設から遠く離れた所に運ばれて廃棄処分されたけど生き延びました。

猟兵になったのは、今度はちゃんと戦って勝つ為ですね。



「───弱き者を守り助ける冒険者……そして竜殺しの一族。昔も今もこれは変わらず、私の胸にある猟兵としての道」

「────今度はちゃんと勝つ為……ですね」

●ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)
「私からの差し入れだ」
 担いできた樽を降ろし、村の男衆に引き渡す。複数人で漸く持ち上げられた樽を横目に席に着き、あれはなんだと聞かれれば。
「UDCアースのフランスという国の新酒のワインだ。今年の物は出来が良く気に入ったので樽で仕入れて来た」
 事も無げに言っているが村人達にとっては大盤振る舞い所では無い。しかし今日は祭り、遠慮する事無く飲もうではないか、と皆で礼を述べ。
「気にする事は無い。美味い物は共有する物だからな」

 さて、私が猟兵になった理由か。家の一族は代々冒険者や傭兵稼業を担っている。その中でも、才ある者は猟兵になっていたんだ。
 私が猟兵になったのは、そんな家に生まれ、更には幸運なことに猟兵に選ばれるだけの才能があった。
『竜殺し』の名で通っている我が祖先達は竜を狩ってきたのだろう、民を守る為ならば魔物の大群や巨大な怪物の討伐依頼も率先して引き受ける、昔から今に続く私達の在り方。
 一族でも竜との闘争は誉れとされているのだが、恥ずかしながら私はまだ前線で竜を狩った事が無くてな。
 千の竜が住まう大陸……どの様な竜が居るのか、私の刃はどこまで届くのか、否が応にも興奮に胸が高鳴るというものだ。

 弱き者を守り助ける冒険者……そして竜殺しの一族。昔も今もこれは変わらず、私の胸にある猟兵としての道であり矜恃、この世界に生きる理由なのだ。

●弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)
「話さなきゃ駄目ですか?駄目なんですね……」
 椅子に座っている銀花の表情に曇りが見えてくる。聞いてはいけない事だったのだろうかと、村人達は顔を見合わせて非礼を詫びようとするが。
「あ、違います違います、貴方達は何も悪くない」
 その様子に気づいた銀花が制止、考え、息を吐き、口にするのは彼女の基点。
「私が猟兵になろうと思ったのは……」

 昔からヒーローに憧れていたんです。
 剣を持ち、自身の正義を成して求める手を掴めるようなヒーローに。
 しかしある時、動けなくなるまで鍛錬をしていた日……巨大な爪を持つオブリビオンが私の前に現れたのです。体力も残っていなかった私は簡単に組み敷かれ、この左目を持っていかれました。見逃されたのか、気まぐれなのかはわかりませんが命はここにある通り無事で済んだのです。
 左目を失い、戦場に戻るべきか悩み、考え抜いて私は戻る事を選択した。今まで通り、とは行くわけが無く、身体の動かし方や鍛錬のやり方も変えました。そして鍛錬漬けな日々が続いていたあの日、私は何処かの組織に連れ去られたのです。電極を貼られ、モニタリングされながら様々な薬等を体内に注射されるという実験動物の様な扱いを一年程受けて……最後は施設から遠く離された所に運ばれて廃棄処分でした。地を這いずり、泥を啜り、全てを生き延びる事に費やして私は生きてここまでこれました。

「私が猟兵になったのは、今度はちゃんと勝つ為……ですね」

 そしてこの身、全てを費やしても……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サフィリア・ラズワルド
POWを選択

私が猟兵になったのは成り行きだった、施設で事故が起きて一人でさ迷ってた所をアルダワ魔法学園に拾われてそこで常識と世界を学んで、そして自分が猟兵だと知った。

育った施設は竜人を“君達は竜の幼体だ”と騙して本物の竜に変えて戦いに利用するための施設だった。理性が残ってた人、もしくは理性がなくても人に対して友好的な人は竜騎士の人と組んで戦場に、理性がない人は……どうなったかはわからない。

私もね、いつか本物の竜になっちゃうんだ、それは別に構わない、でも竜の谷の皆や他の人達に迷惑をかけてしまったら私は私を許せない

『人を助けたいのは勿論だけど猟兵を続けてる一番の理由がそれだよ』

アドリブ協力歓迎です


アリス・レヴェリー
お祭り!そうね、ぶどうジュースをいただけるかしら

えーっと、確か猟兵になった理由だっけ?
実はね、こう……何か理由があって猟兵に!ってわけじゃないのよね、わたし
わたしが目覚めた時にはそもそも自分のことすらほぼわからない状況だったし……あぁ、記憶喪失とかではないのよ?
その頃に出会った幻獣のお友達、ライオンのダイナと一緒に旅をはじめて……色んなお友達に出会って、とっても楽しい日々だったわ
だから……うん、そうね
お友達が居る世界を守りたいから。それと素敵なものを沢山見つけたい好奇心から結果的に猟兵になった感じ、かしらね?
後は世界を巡る内にいつか見つかったら良いなって思ってるものはあるけど、大体こんな感じ!



「───竜になっちゃっても、私が私でいる為に」

「────お友達が居る世界を守りたいから。そして、この広い世界で沢山、素敵なものを見つけたい」

●サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)
「どうぞ……」
 どこかぎこちない動作で給仕をしているサフィリア、笑いながら礼を言われれば頬を薄らと踵を返す。
「これでいいのかな?ちゃんとできたかな……?」
 声が届かぬ所まで来ると足を止め振り返る、大変そうだった給仕役の人達を見ていたので手伝いを申し出たのだが、緊張で上手くいったのかわからない。
 それを聞いていた女性に大丈夫さ、と肩を軽く叩かれ漸く緊張が解けていく。

 じゃあ、休憩を貰いますね……えっと、猟兵としての起源……?
 私が猟兵になったのは成り行きだったんです。囚われて入っていた施設で事故が起きて私一人が生き残った。何をして良いのか、何処に行けば良いのかもわからないで一人ふらふらとさまよってたんです。アルダワ魔法学園で拾われなかったら今でも何処かで……猟兵だということにも気づかずふらふらしていたかもしれません。
 施設の中が全てだった私は学園で常識と世界を学びました、そこで初めて私は自分が猟兵であると気づいたんです。人工のドラゴンを創る……実験体として連れてきた竜人達に“君達は竜の幼体だ”と騙し、姿を変えさせて戦に利用する……わかっています、今思うと無理がある、どこかで齟齬が出てくる筈……と。白い紙に刷り込まれ、上書きされる知識。幼く、何も知らなかった私達には施設しかなかった。
 理性が残ってた人、もしくは理性がなくても人に対して友好的な人は竜騎士の人と組んで戦場に、理性がない人は……どうなったかはわからない。

 私もね、いつか本物の竜になっちゃうんだ。それは別に構わない、でも竜の谷の皆や他の人達に迷惑をかけてしまったら私は私を許せない。
 だから出来ることはやりたいし、皆の迷惑にならない様な方法を見つけたい。
 竜になっちゃっても、私が私でいる為に。

「人を助けたいのは勿論だけど猟兵を続けてる一番の理由がそれだよ……あ、そろそろ戻りますね。初めてですけど楽しいですね!給仕のお仕事!」

●アリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)
「お祭り!えぇ、楽しいわ!明るい雰囲気なのは好きよ!」
 綺麗な青い瞳に果実水の入った器が映り込む。普段は大声で怒鳴る様に話す女性も、大柄で威圧的な雰囲気を出している男性も、アリスを前にすると人が変わったみたいに微笑み、柔らかな空気となるのだ。
「飲み物……そうね、ぶどうジュースを頂けるかしら!」
 はいよ!と快く器に注ぎ、アリスへ渡す姿を他の男衆にからかわれると、仏頂面に戻りからかいの元へ向かって怒鳴り始める。耳まで真っ赤な男性を見て、アリスも微笑んだ。

 えーっと、確か猟兵になった理由だっけ?
 実はね、こう……理由があって猟兵に!ってわけじゃないのよね、わたし。目覚めた時にはそもそも自分のことすらほぼわからない状況だった……あぁ、記憶喪失とかではないのよ?
 誰も居なかった廃墟……私はそこで目覚めたの。生活するのに最低限の知識は刷り込まれていたから生きるだけだったらそこまで不自由は無かったわね。
 ……でも、一人よりは誰かと御一緒してお話したりしたかったし、私の創造主……どんなお顔をしているのかもわからないけれど、手掛かりだけでもって旅にでたの。わたしの詩を気に入ってくれたダイナ……ライオンのダイナと出会って始めた旅は、やがて、アルテア、ムート……沢山のお友達と出会って、楽しい日々だったわ。
 だから……うん、そうね。
 お友達が居る世界を守りたいから。そして、この広い世界で沢山、素敵なものを見つけたい。その結果が今のわたし、猟兵としての理由かしらね?
 後……世界を巡る内にいつか見つかったら良いなって思ってるものはあるけど、え?何かって?……ふふ。

「今はまだ内緒!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『花と星の妖精』

POW   :    花を操る
自身が装備する【色とりどりの花】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    森の恵み
【食べると幻覚が見えるキノコ】【硬く巨大なきのみ】【どっしりと実った果実】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    星詠み
【占い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【様々な結果】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。

イラスト:lore

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


☆───────────────☆
 断章は12/12更新予定となります
☆───────────────☆
 妖精さん、妖精さん。

 僕の周りを飛んでいる妖精さん。

 いつも遊んでくれてありがとう。

 僕の秘密基地に来てくれてありがとう。

 ここなら僕は一人じゃない、からっぽの人形なんかじゃない。

 妖精さん、妖精さん。

 僕にお礼をさせてください。一緒に遊んでくれたお礼をさせてください。

 気にしないで、僕達も楽しかったから。少しずつ元気を貰ってるから。

 僕が気にするんだ。だから言って欲しい、君達の望みはなんだい?

 僕達が欲しいのは……

 欲しいのは?

「君の魂さ」

 啄まれる未熟なる生命の灯火。心の中へ入り込み、気付かぬままに吸われていく。求められるは心の強さ、そして確固たる己の意味。
 君達の起源は知れた。ならば後は現在の君達の祈り、苦悩への答え、オブリビオンに対する怒り、君達が君達を律する何かを強く想い描け。心を喰らうというのなれば、その思念の強さにて侵入者を滅するのだ。

☆────────────────────────☆
 一章で語って頂いた起源への答えや、悩みに対する答え、オブリビオンへの怒り、己の強く抱いている物を吐き出してください。
 オブリビオンの各UCは精神攻撃となって貴方の心に襲い掛かります。
 強い想いが、今回のオブリビオンを倒せる条件。
弥久・銀花
ふーむ、悪い妖精が出ましたか。

恥ずかしい話をさせられたので八つ当たりに丁度良い所で出てきてくれましたね。


悪童ならば拳骨。
悪漢ならば峰打ち。
オブリビオンなら斬殺しましょう。


酷い負けを何度も経験しましたが勝つまで戦えば良いんです。
何度だって立ち上がって、戦い続ければ勝てます。

このユーベルコードはその為の業です。

当然、今まで私を負かした者は必ず何時か斬ります。
既に死んでる者は、私より早く死んだのですから当然私の勝ちです。


で、貴方達は峰打ちからの圧し斬りが良いですか?
それとも私の手で螺子斬ってあげましょうか?
好きな方を選ばせてあげます。

決めないのでしたら末端から両方試すだけですが。



 “君も僕達と遊ぼう、遊ぼう”
 森を進み行けばいつの間にか他の猟兵達とはぐれてしまった様だ。
 “あそぼ?あそぼ?その足を止めて、さぁ……”

「悪い妖精、ですか。これが情報にあった通りの……?」
 ひたすらに歩いていた銀花も、止まらない声に辟易したのか無視を止めて天を仰ぐ。どこから聞こえてくるのか、何処を見渡しても木々と草花しか見当たらないのだ。

「ふむ、村では恥ずかしい話をさせられました。その八つ当たりには丁度良いですかね」

 “どうして?どうして戦うの?あそぼ?痛いのは嫌だ、あそぼ?”

「えぇ、だから遊んであげるというのですよ。悪童ならば拳骨、悪漢ならば峰打ち、オブリビオンなら斬殺。これに変わりはありません」

 “ぼくたちは悪いことしてないよ?ここに生きてるだけ。それでもぼくたちをたおすの?きるの?”

「えぇ」

 “よいおぶりびおんもきるの?罪もなくそこにいるだけなのに?”

「えぇ」

 “かなしいな、かなしいな、でもおねえさんはここでは何もできない。先にいってもしんじゃうだけだよ”

「……ここまで戦い、剣を振るい、外敵を排除してきました。その中には酷い敗北もあります」
 白嵐玉椿の柄を撫でながら視線は地に向けて。
「良いんですよ、それでも、敗北しても、敗走ひても……死んでも…………剣さえ折れていないのならば、何度だって立って戦い続ければいつの日か私の勝ちとなるのです」

 “いたいよ、いたいよ、しんだらそこでおわり”

「いいえ、立ちます。あらゆる方法を使って私は立ち上がります。私が勝つまで、何度でも。私を負かした者の前に現れ続けます」

「私が勝利するまで」
 左眼、魔見の玉が僅かな空間の歪みを視る。

「それで、貴方達は峰打ちからの圧し斬りが良いですか?」
 手を伸ばし掴み取る小さき存在。
「それとも私の手で螺子斬ってあげましょうか?好きな方を選ばせてあげます」
 藻掻く其を銀花の眼は逃さない。
「決めないのでしたら末端から両方試すだけですが……さぁ、どれがお好みで?」

 瞬間、銀花の視界が晴れる。直接的な風景が変わった訳では無い。頭の靄と声が消えて、いつの間にかここまで共に来た猟兵達が傍に居た。
 拳を握りながら銀髪の少女は思う。

 ───この手足が落ちようと、私が私でいられるその時まで……

 誰が呼んだか「不死身の人狼」
 首輪を軽く撫で、彼女はその足を進める。先に待つ獣に敗北を与える為に。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
アタシには憧れてるものが三つあってね
一つ目はキマイラフューチャー、アタシが猟兵になって初めての異世界で出会ったアーティストたち。希望を教えてくれた皆。
二つ目は故郷、ダークセイヴァーに伝わる物語の中で吸血鬼から皆を守って戦った騎士様。強さを示してくれた人たち。
三つ目は泣き虫で弱虫の姉様。誰よりも優しかったアタシの大事な家族。
あの人たちみたいになりたいと思ったし、それを超えるくらいに皆を幸せにしたいって願った。
だから負けないよ。
会いたい人、救いたい人が居る限りアタシは立ち止まらない。誰よりも華やかに、強く、優しくなってみせる

使うUCは【架空神権】、悪意も攻撃も黒風で掻き消そう
――さぁ、先に進もうか



 “ねぇ、ねぇ、何処へいくの?何処へいくの?”

 “この先へいくの?この先へいくの?”

 “それよりここでぼくたちと一緒にあそぼ?あそぼ?”

 これが魂喰らう森と呼ばれる所以。カタリナの脳裏へ直接語りかけられる童子の声、共に森へ入り、歩いていた他の猟兵達の姿もいつの間にか消えていた。
「なるほど、強い想いが必要ってのはここなのね」
 グリモアベースで聞いたその言葉。想いが力となるならば、己が持つ道程、力、存分に食らわせてやろうではないか。

「アタシには憧れてるものが三つある」
 一つはキマイラフューチャー。アタシが猟兵になって初めての異世界。絶望に覆われていたダークセイヴァーとは真逆の様で、笑い、楽しみ、そして楽しませようとした人達で形成された世界。そこでアタシに希望という言葉を教えてくれて、旅芸人という道を示してくれた皆。
「二つ目は故郷、ダークセイヴァーに伝わる物語の中で吸血鬼から皆を守って戦った騎士様。強さを示してくれた人達」
 アタシの、明かしていない本当の名……リリー・ユーフォリアとしての根っこの部分。まだ希望も知らなかった時の夢であり、現在の……アタシ。人々を守る騎士で在る事。
「三つ目……三つ目は、泣き虫で弱虫。でも、誰よりも優しかった姉様。大事な、家族」
 何故家宝を持って去ってしまったのか、アタシ達に何も言わずに行ってしまったのか。何時か逢える日をアタシは諦めていない。

 “きみではその人たちにはなれないよ?なれないよ?ほんとうのなまえをかくしているきみでは希望も、騎士も、家族にだってせいじつにむきあえない”

「関係無いね、アタシはカタリナ・エスペランサ、偽名等では無くもう一つのアタシ自身。あの人達みたいになりたいと思ったし、それを超えるくらいに皆を幸せにしたいって願った。これを偽物だなんて、あなたが決める事では無い」

 “………………”

「会いたい人、救いたい人が居る限りアタシは立ち止まらない。誰よりも華やかに、強く、優しくなってみせる」
 足元から渦巻く黒き風、架空神権はこの空間においてもその威力に衰えは無い。

 ───さぁ、先に進もうか。

 カタリナの視界が晴れる。揺れる木々、共に居た猟兵達。視界の先には伽藍堂となった妖精の殻が、黒い風に呑まれて消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

護堂・結城
俺の故郷じゃ村も実の親もあの始末
俺は、人間が大嫌いで…残念なことにそれ以上に必死に生きる人間が大好きだ

故に天災なら仕方ないと諦めよう
だが外道に、抗いようのない理不尽に、踏み躙られる命を見過ごすわけないだろ


ダークセイヴァーで救えなかった子を思い出すな
たったの一日、それが俺達が敵を殺す為に、命を吸い尽くされた少女に残された時間だった
それでも少女は幸せだった、と見てる俺が泣きたくなる程幸せな笑顔で、死んだ

もう、あんな涙も、笑顔も見たくない

だから
『いくら数を増やそうとどれだけそいつが強かろうと
理不尽に流される涙がやむその時まで
一片の慈悲さえなく外道を殺し続ける』

それが俺の誓い、今も戦う理由だ



「故郷じゃ村も実の親もあの始末、俺は人間が大嫌いで……」

 息を吸い、吐く、この空間が敵の見せている何かだって事はなんとなくわかった。さっきまで居た俺と同じ猟兵達の姿が消えたと思ったら突然現れたフェアリー、の様な何か。空っぽの瞳からは生気という物が感じられず、ただ遊ぼう、遊ぼうと周囲を飛び回るだけ。何よりここは、土の匂いも、草花の香りも、風は何も乗せずに吹くだけ。
 という事はだ。ここは既にオブリビオンの術中なのだろう。俺の言葉に囀る反応を見せる妖精……情報が正しいというのならば見せてやろう。俺の───

「───残念なことにそれ以上に必死に生きる人間が大好きだ」

 誓いを。

「それが天災というならば仕方ないと諦めもする」
 とある依頼、ダークセイヴァーの少女の顔が脳裏を過ぎる。たった一日、俺達猟兵が敵を殺す為に命を吸い尽くされた少女に残された時間。
 それでも彼女は幸せだったと言える笑顔で逝ったんだ。見てる俺が泣きたくなってしまう程にな。
 もう、あんな涙も、笑顔も見たくない。故に。
「だが……外道に、抗いようのない理不尽に、踏み躙られる命を見過ごすわけないだろ。だから……」
 俺は俺の信念を貫く為に。

「いくら数を増やそうとどれだけそいつが強かろうと、理不尽に流される涙がやむその時まで、一片の慈悲さえなく外道を殺し続ける」
 これが俺の誓いであり、今も戦場へ立つ理由……

 結城の尾から飛び出していくレギオンフォックスは飛び回る妖精達を捉えて喰らう。伽藍堂の身体はただ霧の如く霧散させて消えていく。
 嗅覚が草花の匂いに反応する。靄がかった視界が晴れ、土を踏む感触がここが現実という事を教えてくれる。

「……行くか、外道退治の時間だ」
 歩みは止めない。彼の誓いが終わる事はまだ無いのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラティナ・ドラッケンリット
「さあ、私の進撃を阻めるなら止めてみせるがいい」
まず豆の木の種を敵集団手前の地面に投げて発芽させる
成長する豆の木を目隠しに駆け寄り
豆の木の根元に向かって
断山戦斧『しゅとれん』でUCを叩き込み、豆の木を伐り倒す
豆の木に押し潰されてくれる分にはいいし
避けようとすれば散開するしかなく動きが読み易い
避ける先を読んで飛び込み
密集しているところを戦斧で薙ぎ払う
そこから接近戦になるようなら
屠竜刀『まかろん』と守護者『しょこら』に持ち替え
手数で片っ端から妖精達を斬り伏せよう



「どうした……?」
 森の中へと入り込み足を進める猟兵達。殿を務めていたラティナは突然その場で止まり、動かなくなった猟兵達を見て異変に気づく。

 “……カタカタカタカタカタカタカタカタ”

 猟兵達の周囲を無軌道に飛び回る……虫にしては大きすぎる物体。
「そうか……お前らの仕業か」
 魂喰らいの森、動植物全てが魂を標的とする森、オブリビオンもその例外ではないのだ。もっとも、奴等もまた油断をすれば自然の餌食となるには変わりないのだが。
「殿だからこそ奇襲から免れたか、攻め手を漏らしたのがお前らの敗因だ。さあ、私の進撃を阻めるなら止めてみせるがいい」
 しゅとれんを担ぎ走り出すと同時、取り出した豆の木の種を思い切り前方へと投げる。
 ニョキニョキニョキ!!
 地面に落ちると同時に発芽する種、森という自然の中で豊かな栄養を含んだ土壌な事も加わり、爆発的な勢いを持って成長していく。伸びる豆の木に身を隠しながら駆けてその根元まで駆ければ、一歩、大地を踏みしめて自身を不動の土台とし、担いでいたしゅとれんと共に腰を捻り力を溜めて───
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 裂帛の気合いを吐き出しながら一気に斧を振り抜く。
 一瞬にして巨木となった豆の木を一撃にて伐り倒す。ゆっくりと傾き、やがてその重さで勢いが乗り、轟音立てて地に落ちていった。
「判断が甘いな、攻勢に出ていると分かっているのならば取れる手段は二つ」
 惑う時は与えない、木に潰れた個体はそのまま放置。避けた群に向けて振り抜いた勢いのまましゅとれんを振り落とす。
「防衛か……」
 地に刺さった斧はそのままに、片手剣のまかろんと盾のしょこらを構え更に走り出し。
「攻撃だ……っ!」
 硬直する妖精を突き刺し、盾で木に押し潰していく。
「抜け殻と言えど容赦はしない。このまま攻め抜かせてもらうぞ」

 そしてまた一体、魂を求める殻が地に堕ちていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アスカ・ユークレース
…真実は残酷だったわ
知らない方が良かったと思うくらい
何より知ったことで自分やまわりが変わったり拒絶されることも考えた
でも私の友や大切な人は変わらず私を受け入れてくれた

そのとき私は、私の出会う全てが私を形作ると気づけたの
そしてこれからも私は私を創っていく
だから、私の魂はあげられないわ

星彩をごく短距離で断続的に使用、的を絞らせないように動き回りつつ範囲攻撃の援護射撃
動きに慣れた頃合いを狙いフェイント
移動と見せかけだましうちの誘導弾

アドリブ連携可



“あそぼ?あそぼ?”

 自らは生きて意思があると錯覚しながら動く人形。

 “おねーさんもからっぽ?なかま?なかま?”
 アスカの目の前に現れ飛び回る妖精。彼女から何を感じ取ったのか、執拗にその周囲を無軌道に飛ぶ事しかしていない。
「確かに真実は残酷だったわ」
 俯き零す言葉に感情は見えない。
「知らない方が良かったと思うくらい」
 そこに希望は無く、ただの事実しか在りはしない。
 “くるしまないで?くるしまないで?ぼくたちといっしょに行こう?行こう?”
 くるくる回る妖精は優しい優しい声でアスカの耳元へ語りかけるのだ。彼女の身を案じているのでは無く、ただ己の役目を果たす人形として。
 遠い昔の様に感じる。

───愛しているよ。
  ───いつもありがとう、これからも私の為に働いてくれ。
 ───本当の娘のように思っているよ。
   ───お前の為だ、辛いだろうが頑張ってくれ。

「貴方達も、何も知らないままにここに居るのね」
 “ぼくたちはいきてるよ?いきてるよ?”
「そう……」
 過去は無くなった事にはならない。記憶は摩耗はせども消えて無くなるには時間が必要なのだ。とある技師、姉妹達との時間。確かな幸福と受け取っていたあの時を思い出す。この抜け殻達は、もしかしたら存在した自身の可能性でもあるのかもしれない。
「確かに知らない方が良かったと思ったわ」
 “それなら、それならぼくた「───でも」”
 被せた言葉は今までとは違い。
「拒絶される事も考えていた私を友達や、大事な、人は変わらずに受け入れてくれた」
 宿る感情は決意。過去は変えられない、されど未来においてやり直す事は可能であり。
「私は、私の出会う全てが私を形作ると気づけたの。そしてこれからも、私は私を創り生きていく。だから……」
 “からっぽ?からっぽだよ。いつまでも、どこまでも、きみは──”
「私の魂はあげられないわ。例え、からっぽなのだとしても、この意思が私をそうさせる限りね」
 蒼く白い星彩はアスカの身体を転移させる。妖精達の頭上に光る誘導弾が鈍い光を生み出し奴等を飲み込んでいくだろう。

 視界が晴れる。妖精達は消え、道が現れる。さぁ先へ進もう……この確かな意思と、感情を持って。

成功 🔵​🔵​🔴​

アゼリア・リーンフィールド
なんとなく、ちょうどお花があるので冠でも作っていましょうか。

例えばなんですけれど、オブリビオンさんが現れると少なからず犠牲になる方も出てくるじゃないですか。
そして、その方を待っている誰かも居ると思うんですよね。

……帰ってこないと知らずに誰かを待つのって、思い返すととても悲しいんですよ。
知った途端、春の菜も夏のロビンも秋のベリーも冬のバラも、ぜーんぶ色を無くしてしまいました。
しわしわのおばあちゃんになってしまうくらいの長い想いが、色褪せてしまうんですよ。
ね、そういう思いをする方は少ない方がいいでしょう?
特にそれが、運命でないならば。

あ、綿毛。悲しい気持ちと一緒にふーしちゃいましょうね。



 心の中、本来はその持ち主だけが存在する空間。花と星の妖精と呼称されるオブリビオン……魂を喰われ、抜け殻となり霊魂を集める装置と成り果てたソレは、大勢で森に足を踏み入れた猟兵達の心を持ち帰る為、惑わせ、その中へと侵入するのだ。

「なんとなく、ちょうどお花があるので冠でも作っていましょうか」
 木々並ぶ道を抜けると小さな花畑が見える。アゼリアはしゃがんで一輪摘むとにこやかに背後に見えていた妖精に語りかける。
 “あそぶ?あそぶ?はなばたけより楽しいところへいこう?いこう?”
「まぁまぁそう急かさずに。お話しましょう?……例えばなんですけれど、オブリビオンさんが現れると少なからず犠牲になる方も出てくるじゃないですか」
 大事に摘んだ花達を器用に編み込んでいく。
「そして、その方を待っている誰かも確かに存在していると思うんですよね」
 人は一人、孤独で生きていくには難しい世界でもある。
「誰かと言っても在り方は様々です。家族、恋人、友達、仲間……敵対、執着。待つ、望むならなんでも良いんです。あ、後者の二つは自己責任ですよ?悪い事は、めっ!なんですから」
 その人を形成する関係に種別はあれど、繋がりというものはどれも等しく存在するのだ。縁とも言えるが。
「でも、それを帰ってこないとも知れずに待つのって思い返すととても悲しいんですよ」
 花冠を作る手は止めずになんの事も無く語っていく彼女、見る者によっては第三者からの視点で言っているかのように感じられる。
「知った途端、春の菜も夏のロビンも秋のベリーも冬のバラも、ぜーんぶ色を無くしてしまいました。しわしわのおばあちゃんになってしまうくらいの長い想いが、色褪せてしまうんですよ。それは……良くない事です」
 否、第三者視点では無い。それはただの事実として口にしているだけであった。悲しみも喜びも運命の名のもとに流れていくもので、ここにあるのはただの思い出なのだから。
 自身にせよ、他の誰かにせよ、アゼリアは悲しく、己の意義から反する物に変わりは無い。
「ね、そういう思いをする方は少ない方がいいでしょう?特に……」

 ───それが運命でないのならば。

 風に流れる花弁が妖精達を燃やす。立ち上がり、出来上がった冠を妖精に被せて微笑むと、元来た道へ歩き始める。

「綿毛……悲しい気持ちと一緒にふーしちゃいましょうね」
 歩きながら綿胞子を飛ばすアゼリアは、燃え尽きていく妖精を一瞥し……
「自然に淘汰されたとは言え、運命を外すのはいけないんですからね!」
 ここへ来た時と変わらない笑みで歩く少女。幻影は晴れ、奥への道が開かれる。
 さぁ、猟兵として仕事を果たしに行こう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サフィリア・ラズワルド
POWを選択

さっきも皆に言ったけど、私はいつか竜になる、そう竜になる、でも竜になった私が人のままでいられるかはわからない、人だったことを忘れるかもしれない、皆のことがわからなくなるかもしれない、それどころか敵だと獲物だと思い込むかもしれない、竜の谷の皆を、襲うかもしれない……

そうならないように猟兵として自分を鍛える、そうなってしまった時のために……そうなってしまった時になんとかしてもらえるように猟兵達の側にいる

人々の驚異になった仲間は私が殺してでも止めるって決めてるの、だから私がそうなったら、自分勝ってだけど皆に止めてもらうの

『だから戦うことに、生きることに迷いなんてない』

アドリブ協力歓迎です



 ひらひらと舞い揺らめく幻影。
 生気の無い濁った瞳に形だけの笑みを浮かべ此方の深淵を覗いては啄く。
 それに意思は無く、植えられた本能を自己と思い込み、餌を収集するのだ。
 意思もなく、意味もなく、永遠に、その身が朽ちるまで。

「そう、あなた達がここの門番なのね」
 ラピスラズリのペンダントを軽く撫で、眼前で浮く妖精達を見る。
 “あそぼ?あそぼ?ここは楽しい所、自然もたくさん、たべものもいっぱい”
「…………」
 送られる視線に動じる事も無く妖精達は嘯く。
 “りゅうってなぁに?きけんなの?きけんだから猟兵になったの?きけんだから彼等のそばにいるの?”
 啄み、荒らし、惑わしていく。奴等の常套手段であり、偽りの本能とも言える。
 “ここにいればだいじょうぶ、あんしんだよ、あんしんだよ。きみはここにいて良いんだ、居るべきなんだ”
 胃もたれしてしまいそうになるぐらい蕩けそうな甘い声音はサフィリアの脳内を麻痺させようと耳の中をくすぐりながら侵入してくる。
「村で言った事が全て……私はいつか竜になる、そう、竜に……危険だから彼等と同じ存在に、猟兵になったのも事実。そうならないように自分を鍛えたり……」
 “きたえる?きたえてどうにかなるの?かくじつ?かくじつ?”
「そうなってしまった時のために……そうなってしまった時になんとかしてもらえるように猟兵達の側にいる」
 “それはほんとうに?ほんとうにのぞんでいること?ここにいればすべてかいけつするんだよ!”
「……だめ、そんな言葉では私の歩みは止められない」

 閉じられた瞼が開き。
「人だったことを忘れるかもしれない」

 覗かせる紫眼には静かな決意の灯火が宿る。

「皆のことがわからなくなるかもしれない」

 理性を無くした仲間も。

「それどころか敵だと……獲物だと思い込むかもしれない」

 人では居られなくなった己も。

「竜の谷の皆を、襲うかもしれない……!」

 傷つけたくない、目を逸らしたく無いのだ。

「でも……それでも……」

 彼等が、自分が、脅威となってしまう事に……

「逃げたくない、私は逃げない……!だから!」

 だから……私は!

「戦うことに、生きることに迷いなんてない!」

 サフィリアのラピスラズリが閃光を放つ。光に包まれ、晴れたそこにはドラゴンランスを突き出され妖精が貫かれている光景が、その得物を握っているのはサフィリア自身。
 幻影ごと穿たれたオブリビオンの殻は砂塵となって風に流される。
「……行きましょう」
 ラピスラズリが淡く、優しい青き光沢を見せる。
 サフィリアは決して一人では無い。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・レヴェリー
実を言うとわたしはね、オブリビオンとか、世界がどうとか……あんまりそういう事を考えながら戦ってきたわけじゃないのよ。
世界が停まってしまうなんて……信じていないわけではないけれど、実感がわかないもの。

あなた達に対して、強い恨みや憎しみがあったわけでもなかったわ。
だけど、わたしのお友達や彼らが住むところを壊そうと傷つけたり、大切なものを奪おうとしたりするのは許せなかった。

だから……お友達が居る世界を守りたいから、お友達と一緒に戦うのよ。
躊躇はないわ。でも、過去になってしまう前のあなた達に出会えていたら……もしかしたら仲良くなれていたかもしれないって考えると、ちょっと寂しいのだけどね



 けたけた、けたけた。
 笑い、揺れる妖精達は能面の様。既に生は無く、森の走狗と化したという事も理解できはしない。
「過去になってしまう前のあなた達に出会えていたら……もしかしたら仲良くなれていたかもしれないって考えると、ちょっと寂しいのだけど」
 ただ獲物を狩るだけの為に笑わされている、それは既に過去の死者でしかない。
 “あそぼ……?あそぼ……?”
 あれだけ群れていた殻も既にアリスの前を浮いている個体のみ。この戦場も、もう少しで終わる。

「実は言うとわたしはね、オブリビオンの魔の手から護るとか、世界をどうとか……そういう事を考えながら戦ってきたわけじゃないのよ。世界が停まってしまうなんて……信じていないわけではないけれど、実感がわかないもの」
 彼女自身、猟兵となった理由がオブリビオンを倒す事を目的としていた訳では無い。旅を続ける延長線上で今の形に収まった、と言った方が正しい。故に……
「あなた達に対して、強い恨みや憎しみがあったわけでもないの。だけど、わたしの友達……アルテア、ダイナ、ムートや、ここまでわたしと出会ってくれた皆……彼等の住む所を傷つけたり、大切なものを奪おうとするのは許せなかった」
 恨みも、怒りも何も無い、だからこそ持ちうる彼女の根底。自身の大事な人達を護りたいという透明な心に隙を見つけることはできない。
「わたしはこの世界が好き、わたしを造ってくれた主にも感謝してるわ。一緒についてきてくれたお友達が大好き、これからも共に在りたい。わたしとお話してくれる皆が好き、仲間として横に立ちたい。だから……」

 ───彼等が居る世界を守りたいから、お友達と一緒に戦うのよ。

 箒が、三針が、懐中時計が、無数の花弁となり妖精達を包む。

 躊躇はしない、決めたのだから。

 迷わない、護りたいものを手放さない為に。

 そうだ、生きて成すべき事がある。

 わたしは確かに、望まれて生まれてきたのだから。

 花弁がアリスの元へ戻ると同時、森の道が変化している事を理解する。その先に待つのは森のヌシ……アリスは猟兵達と共に、奥へと歩みを進めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。

イラスト:えな

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


☆────────────────☆
断章は12/21(土)更新予定となります!
☆────────────────☆
 抜け殻となったオブリビオン達を退けた猟兵達が木々の合間、人による整備も成されてはいない獣道を進む。
 奥へと進むにつれて動物の鳴き声も聞こえなくなり、耳に届くのは風で揺れる葉擦れ音のみ。
 どのくらい歩いたのだろうか、漸く太陽の光が差し込む広い空間に出れば迎えるは鋭い角と堅固な蹄を持つ巨大な獣。

 此方をじっと見詰める水色の瞳は猟兵達を捉えて離さない。武器を取る彼等の姿に獣は天に咆哮を、戦闘開始の狼煙を上げるのだ。
 さぁ終わらせよう、囚われた魂を解放する時だ。
ラティナ・ドラッケンリット
この森を制圧する為にその森の核
奪わせてもらおうか
注意すべきは蹄による一撃だ
それさえ避ければ厄介な角の攻撃にも当たらない
断山戦斧『しゅとれん』を構え
接近しながら四つの蹄を警戒する
初撃を見切り敵の足許に向かって加速する
狙いは敵の足許だ
足首の一本も巻き込めれば僥倖だが
敵の足場に断山戦斧『しゅとれん』でUCを叩き込み
地形を破壊して敵の体勢を崩す
足許を崩したら間髪入れずに屠竜刀『まかろん』を抜き
更に一歩踏み込んで敵の脚を骨ごと断ち刎ねる
返す刀の連続斬撃で両脚とも斬り落とせれば最高の成果だな
それで頭まで降りてくれば首まで刎ねてやろう
その後は肉を捌いて核を切除してやる
大丈夫だ
有蹄類を肉にするのは慣れている


カタリナ・エスペランサ
さて、大詰めだ
今回は色々と語った事だしね、一番アタシらしいやり方で締め括るとしようか!

使うUCは【暁と共に歌う者】、不死鳥と共に響かせるは未来と希望を祝福する《歌唱+全力魔法》の歌声。
《ハッキング+地形の利用+拠点防御》の要領でアタシの支配する領域を形成
味方には《鼓舞+ドーピング+オーラ防御》の加護を、敵には《精神攻撃+誘惑+催眠術+マヒ攻撃》の呪縛を与えるよ
木霊で単純に増幅されるなら上々、異物が紛れるなら存在を炙り出す手掛かりになるね

後は歌を維持しつつ敵の動きを《見切り》ながら《空中戦+ダンス》の技能を活かし《早業+怪力》を発揮してダガーと体術、《属性攻撃》の炎や雷を組み合わせ攻めていこう


アスカ・ユークレース
アドリブ連携歓迎

私は戦い求め続けるわ
過去以外にも【真の姿】といい【回路】といいまだまだ気になることは山ほどあるの
あんな思いをした……もしかしたら次の真実もそうかもしれない。
でも求めずにはいられないの

自分でもね。生きにくいだろうなとは思うのよ?でも、私は、やると覚悟を決めた…!

……それに、守りたいと、力になりたいと願うものもできましたから。

真の姿解放
【流れ星の軌跡】で縦横無尽に動き回りつつ
中距離から弾幕の範囲攻撃で援護
射線と死角を意識して動く
好機が来たらUC



 猟兵達はここに来て初めて生物の声を聞いた、かもしれない。黒き獣は天に向かい咆哮するも返ってくるのは木霊のみ。
 喰らえ、喰らえ、出来なければお前が養分となるだけだ。
 森が獣に求めるは魂の収穫のみ。奪い、蓄え、養分を運ぶだけの生命、その為の核。既にその身は一度滅び、核を埋め込まれ立たされている人形と化していた。
 森で生きているのではない。森に囚われている。そうと理解しても黒き獣はここから出る事は無いだろう。
 もうそれしか、生きる術を覚えてはいないのだから、それしか、出来ることは無いのだから。

「さて、大詰めだ。今回は色々と語った事だし、一番アタシらしいやり方で締め括るとしようか!」
「あぁ、ここからが本番と言っても良いだろう。この森を制圧する為にその森の核。奪わせてもらおう」
 ラティナは巨大なバトルアックス『しゅとれん』を肩に担ぎ、腰を深く降ろし構えを取る。カタリナの言葉に頷きながらも、眼前の獣から目を逸らす事はしない。
 カッカッカッ……蹄で地を蹴る動作、来る───
 獣の首が僅かに下がり地を蹴りあげた瞬間。
「そこね……っ!」
 突如襲う不可視の光、否、放たれた矢に、その場で身動ぎする黒き獣。驚きはあれど対応する機微等既に無く、そのままカタリナ達へと突撃する……が。
「───っ!」
 居る。軽装の人間が近くまで。既にバトルアックスの間合いまで入り込まれている。
 数瞬ではあるが眼前から目を離してしまたっていた。易々と接近を許してしまった事を後悔しても仕方無い。角をのばし、人間のソレを超えた強靭な筋肉から繰り出される蹄の一撃を軽装の戦士、ラティナの肩目掛けて放たれる。
「させん」
 短い言葉と共に、構えていたしゅとれんを全力で振り下ろす。咄嗟の一撃を見切る事はそう難しい事ではない。動作が読みやすくなり、反撃の難易度も大幅に下がる。狙いは脚……では無く足許の地面。叩きつけられる超重量の戦斧は、爆音と共に大きな地割れを起こす。
 不味い、理性ではなく僅かに残っている本能が語る。この人数を相手取りここまでの隙を見せてしまえば、と、体勢を崩しながら咄嗟に天に向かって鳴く。現れるは木霊返す妖精、戦闘力は弱くとも誰か一人でも止められればまだ獣に勝機は残る筈。

「“我在る限り汝等に滅びは在らず、即ち我等が宿願に果ては無し――来たれ我が眷属、焔の祝福受けし子等よ!”」

 ここまで静観していたカタリナが紡ぐ詩。周囲の陣から飛び出してくるのは暁の主の眷属である不死鳥。木霊の妖精の性質を利用し、カタリナの歌声が周囲を包み込む。魔力を乗せた声が反響し、ラティナと存在するであろうもう一人の射手を鼓舞していく。不死鳥の群が妖精達を呑み込み、獣の策を潰していく。
 好機、黒き獣はラティナから目を逸らせず、此方を捕捉しかねなかった木霊の妖精はカタリナの眷属が殲滅してくれた。なればこれ以上妨害する必要も無し。不可視の射手……アスカ・ユークレースはその身を自身の記憶の底に眠っているであろう姿へと変えてフェイルノートを獣へと向ける。

 ここまでほんの数分にも満たない戦闘は実の所既に終盤に来ていた。
 体勢を崩し、妖精を呼び出した獣が感じたのは脚に来る痛覚。しゅとれんを背に、屠竜刀『まかろん』へと持ち替えたラティナが横薙に一閃。更にその身ごと獣の方へと踏み込んで放ったのだ。骨の砕ける音……それは血肉で脂に塗れた刀身を力ずくで押し込んだ一撃。切れる、では無い、砕く行為。
 砕けた骨が肉と血管を破る、如何に強靭な精神を持っていたとしても耐える段階を越えていた。だが、それで終わりはしない。これは遊びでは無い、慈悲等そこには存在しないのだから。
 返す刃で逆の脚を斬り込む。脂で落ちた斬れ味を腕力で補い裂いていく。前脚が無くなりこれで移動方法は消えた。最早敵を排除するという思考しか残っては居ないのだろう。角を伸ばしラティナの眉間を貫こうとするが、読んでいたカタリナが宙を舞いながら角の根本にダガーを押し当て、炎熱と雷を帯びた刃で引き裂いていく。

 轟音と共に倒れる獣の巨体。だがその目は未だに猟兵達の魂を喰らわんと睥睨している。
 何故抵抗する。見ただろう?感じただろう?お前達の戦いは終わらない。オブリビオンはこれからも生まれ続ける、骸の海は無くならない。どれだけ努力しても、貴様達が報われる事は無いのだ。
 獣の思念が猟兵達へ届く。その身と命は森へ囚われども、唯一ここで自我を持つ黒き獣の諦念めいた声が。

「愚問だな。それでも生きている民を護る、その先へ立つ象徴として、一族の誇りと願いを次の世代へ渡すまで私は戦うだけだ」
 竜殺しの矜恃は決して折れず、護るべき物を護る為。

「諦めて絶望を待てって?そんなの許せる筈が無い。アタシにはまだやる事がある、折れてもいないのに待つだけだなんて嫌だね」
 居なくなった家族を見つける、まだ見ぬ広い世界をその目で確かめたいから。

「私は戦い求め続けるわ……私はまだ私の過去を知っただけ。真の姿ってなに?回路ってなんなの……?まだ知りたい事、知るべき事が山ほどあるの」
 自己のルーツ。例え、それが知りたくなかった事実であったとしても。
「次に知る真実も、決して良い事じゃないのかもしれないしどうしようも無く悲しい物をなのかもしれない。でも……求めずにはいられない」
 木の上に立つアスカが獣の背、その中心に光のマーカーを印す。
「生きにくいだろうなとは思うの……でも、守りたい、力になりたいと願うものも出来たから、私はやると、覚悟を決めた……」
 照準固定、その覚悟の証を力へと変えて。
 黒き獣が首をもたげて高らかに鳴く。最早動く事さえままならないその身体で。猟兵達の生命を獲る野生として、最期の抵抗を。
 ラティナが右、カタリナが左の後脚へと回り込み斬りつける。
「これで終わり……っ!」
 アスカが放つ砲撃の光、フレシェット・ノヴァが獣の背を焼き穿つ。反るように首を上げながら獣はその意識を手放していくだろう。

「見事な手さばきだね」
「有蹄類を肉にするのは慣れているからな。よし、切除完了だ」
 ラティナの手によって切除された核は大事に布袋へと保管され、持ち帰られる。
「森が……」
 アスカの声に二人は周囲を見渡してみれば、天に昇り、消えていく何かが視認できる。
 それは果たして囚われていた魂なのか、三人は静かに魂喰らいの森を後にしたのであった。

 此度の戦場は終わりを告げた。さぁ、次の可能性を見てみるとしよう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

サフィリア・ラズワルド
POWを選択

【白銀竜の解放】で四つ足の飛竜になり対峙します。私達はあなたを狩りに来た、魂を奪って喰らい続けたあなたが奪われる番が来たのよ!人間だって自分勝手にモノを奪うだろうって?そうよ、私は人間だからあなたを止めるの。

炎は使わずなぎ払いで戦います。あわよくば相手を喰らうために噛み付きます。ただ倒すんじゃ勿体ないからあなたの体は食べてあげる、私は竜だもの、狩った獲物を食べるのは常識よ?

あなたには私がどう見える?人?竜?答えは見た通りよ。


アドリブ、協力、歓迎です。


アリス・レヴェリー
ヒューレイオンと出会ったら、真っ先に【友なる金獅子、勇猛の調べ】でダイナを召喚。彼に騎乗して正面からヒューレイオンとぶつかり合うわ。

森の中とはいえ、魂を喰らうこの場所で炎を遠慮する必要はないわね。召喚された半透明の妖精は、ダイナの力で周囲に炎や砂塵、石片を渦巻かせることで逃さずに巻き込むわ。

わたしはダイナの背から『刻命の懐中時計』の結界でサポートしつつ、ヒューレイオンの動きの予兆を確認してダイナに伝えましょう。

……立派な角に、綺麗な光。
もし、もしも過去ではない、健やかに森を護るあなたに出会えていたならば、お友達になれたかしら?
こうなってしまった以上相容れることはないけれど、少し寂しいわ



 轟音が森の中に響く。

 蹄が地にめり込み土塊が周囲へ撒き散らされる。

 黒き獣は咆哮を立てながら攻勢を緩めない。様子を見るという段階無く、何故がむしゃらに攻め立てるのか。……動物の勘。意思をも取られ、僅かに残った理性が脳裏に警報を鳴らす。こいつらはダメだ、この二人を攻勢に回したら、己は消し飛ばされてしまう。
 なにかされる前に、魂を喰らわなければ───

 狩る力を失ってしまえば……喰われるのは己だ───

「怖いの?」
 突撃を宙へと回避したサフィリアが滞空しながら獣へと語りかける。ドラゴンランスの切っ先は敵に向けられたまま、紫眼は獣を見下したまま。
「魂を奪って喰らい続けたあなたが奪われる番が来たの」
 奪う?ふざけるんじゃない。貴様等人間が、ヒトに連なる者達がどれだけの物を、我等から奪い侵して来た。
「そうよ、私は人間……だから私は奪うわ、あなたのしている事を。何を言われても、私は私の成すべき事を成すの」
 サフィリアの身体が淡い青の光に包まれる。広がったそれが間もなくして視界が晴れてみれば、そこに居たのは人間の少女では無い。白銀の鱗にして紫の瞳。羽ばたけば周囲の空圧が揺れる翼……サフィリアの真の姿……やがて完全と成る竜の姿がそこに顕現する。

 待て、目の前の竜族に気をまわし過ぎていた。もう一体、無機物の輩はどこへ───「いくわ!」
 しまった!この竜の顕在化そのものが目眩しに使われていたというのか!
「猛る金獅子!」
 跳び退け、獣の本能がそう告げるが既に遅く。
「気高き王よ!」
 何処だ、何を企む!
「勇みて謳う……わたしの友よ!」
 金色の影が黒き獣の眼前へと躍り出る。竜と化したサフィリアに隠れ、この時を待っていたのだ。
「ダイナっ!」
 黄金の獅子と、その背に乗るアリスが時を置かずに接近、爪を振り下ろす。咄嗟に角で受けるも、怯み体勢を僅かに崩した獣が圧され退く。
 オォォォォォ───
 三種の人外による戦場は混沌と化し、森全体が強く揺らいでいた。黒き獣が角で受けようとすれば横合いからダイナが堅牢な爪で迎撃し、距離を取ろうとすればサフィリアに背後を取られる。竜の豪腕による薙ぎ払いはその鋭い爪もあって堅い筈の獣の皮膚も容易く裂いてしまう。
 ならば、と木霊返す精霊を呼びだし聴力鋭い彼奴等に爆音を見舞いしようにも。
「ダイナ、サフィリアさん!来るわ!」
 ダイナの背に乗り、十二回の結界を張ることが出来る魔具、『刻命の懐中時計』を駆使しながらダイナのサポートに回っているアリスが動きを読んでくる。
「大地の力よ!!」
 石混じりの砂塵が呼び出した精霊ごと巻き込んで消し去っていく。視界が朧気に、更に風に舞う砂嵐が周囲の臭いを消してしまい、アリスやサフィリアの居場所を見失ってしまう。

 このままではじり貧だ、一旦下がって───
 熱い血潮が身体から飛び出す、体内を循環すべき血液が外に流れ出すのがわかる。わかってしまう。激しい痛み、身体を支える四肢から力が抜けていく事にも抵抗出来ない。
 首元に抉るサフィリアの牙、抜こうと藻掻くも両の腕で背を固定され、脱力した身体では満足に動く事も不可能。失われていく血液と共に急激に自身の身体が冷たくなっていく。

 致命傷だ。この傷では最早逆転の手は無い。
「立派な角……綺麗な光……もし、もしも過去ではない、健やかに森を護るあなたに出会えていたならば、お友達になれたかしら?」
 何処か寂しそうな瞳を此方に向けてくる少女。森を護る……そうだ、己は本来、そうだった…筈。だがそのもしも、という問答に意味は無い。あるのは、ここで貴様等に討たれる己と、討つ貴様等という事実だけだ。
「……そうね。でも、こうなってしまった以上相容れることはないけれど、少し寂しいわ」
 寂しい……?巫山戯るな……どの身が、どの口がその様な戯言をほざくのか。

「あなたには私がどう見える?」
サフィリアの顎の力が強まる。人か、竜か。それとも……
「答えは、見た通りよ───」
 食いちぎられる肉と皮、最期の咆哮が森の中を響き渡る。絶命する獣と、静かにそれを眺めていたアリス。サフィリアがふと問いかける。貴女には私がどう見える?、と。

 アリスはダイナのたてがみを撫でながらその青い瞳に白銀の竜を写し、こう答えるのだ。

 ───どちらにも、ね。

 サフィリアはどこか笑った様に鳴くと、任務を果たす為に獣の核を破壊する。

 魂喰らいの森はここに終わったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です




ここが件のオブリビオンのハウスですね

魂だけを食べるなんて全く悪食な
肉も野菜も食べないなんて生態系を逸脱した害獣も良い所です
これだからオブリビオンは……

【ダッシュ】で近付いて【怪力】で角を掴んだら、そのまま腕の力で自分の体重を保持して、相手の頭を下げさせて視界を狭めます
木にぶつけられそうになったら新体操の鞍馬みたいに体をずらして回避です

他の人が攻撃し始めたらそちらに注意が向くでしょう
そうしたら手を離して顔をそちらを向かせます、向かねばそのまま手放しません

その後、愛刀の【白嵐玉椿】で居合いの構えを取り、変な角ごと斬る積りで鋭刃線閃を放ち、斬首を狙います


護堂・結城
既に終わったお前がいつまでもでしゃばるな
再びの死をくれてやる

【POW】

氷牙をガントレットに変化させ【見切り・早業】で蹄の一撃を掴む【武器受け】
そのまま【限界突破】した【怪力】で動きを封じて指定UCを発動
劫火の群狼を召喚し一斉に噛み付きを仕掛ける【動物使い・属性攻撃】
喰らいついた牙から燃やし尽くす【全力魔法・焼却】だ

こいつはコードで作られた一時の紛い物
それでも、大事な誰かを想う、願いから生まれた
未来を塗り潰す夜を焼き払い、平和な朝を呼ぶ為の力だ!!

お前の生前がどんなものだったのかは知らない
例え悲惨な命だったとしてもオブリビオンとして命を脅かす以上は

「…外道、殺すべし」

そこに、慈悲はない


アゼリア・リーンフィールド
さあ、ようやく本領発揮ですね!
森は穏やかで厳しくて、あるべき姿であってほしいですから。

植物人間さんは範囲攻撃で凍らせてしまいましょうね。
その間に植物人間さんを飛び越えて接近しちゃいます。
なるべく頭上を取って、ここだ!と思ったらUCを解除、手元にお花のバスケットを戻して……
落下の勢いを乗せて頭を狙っちゃいます!!
オブリビオンさんだって頭を叩けばくらくらするはずですから、ひるませてぼこすか攻撃です!

植物人間さんの氷が解けてしまったらまたジャンプで距離を取って、再びUCで凍らせます。

ええと、ヒットあんどアウェイ、でしたっけ?あれ、違いました?



 高らかな鳴き声と共に駆ける四肢、人狼の少女を狙い、踏み砕かんと勢いをつけて迫る。
「させねぇよ」
 衝突音が鳴る。それは銀花とでは無い、突撃の衝撃を横合いからの奇襲で流す。装着されたガントレットは蹄の上部を掴み離さない、強靭な筋肉を持つ黒き獣、その一撃を掴んで止めるというのは容易では無い筈。ならば止められる力を発揮させれば良い。変幻自在の竜である氷牙を手甲へ変化させ装備、持ち前の怪力を発揮しながら獣の動き封じる。
「件のオブリビオンの住処……魂を喰らう悪食、逸脱した生態系とは害獣も良い所ですね」
 動きを止めた敵を立って見てるだけでは無い。結城が止めたと同時に走り出した銀花が正面から対峙していた獣に向かって跳躍、角を掴みそのまま体勢を保持する。
 ───ウオォォォォォォ!!!
 振り落とそうと藻掻くも脚を結城に抑えられ上手くいかない。
「既に終わったお前がいつまでもでしゃばるな」
 蹄を掴んでる手と尾が呼応するが如く淡く光りだして。
「俺達が再び死をくれたやる」
 リフレクトマリス、尾から召喚された劫火の群狼が矢継ぎ早に獣の四肢に食らいつく。引き抜こうとすればするほど狼の牙が肉に突き刺さる。首元を噛んで引き剥がし、蹄で踏み砕く。止まらない群狼の中、僅かな隙を作り出し獣は吼えれば土中から這い上がってくる植物人間。蔦で象られたそれは一体、また一体と増え続けていく。
「チッッ!数には数か……面倒な真似を……!」
「では私がそちらの対処に」
 結城の爪で引き裂き、群狼の一部も宛がっているがそれでもじわじわと増殖を続ける植物人間。妨害に徹していた銀花が角から離れ柄に手をかける。
「いえ、此方は任せてください。ようやく本領発揮ですね!」
 声と同時、風に流れる白い花弁が戦場を舞う。それはこの森で見られる草花では無く……
「先ずは動きを!」
 アゼリアの出す輝く花弁が植物人間の集団へ流れていく、花の道と接触した時が最後、その場で呑み込み氷柱となって動きを封じるだろう。
「続いてジャンプ!」
 氷柱を踏み台に、レースアップブーツで花の足場で獣の頭上まで駆ける。凍る花弁、幻想の花を解除し媒体としていたバスケットを手元へ戻すと、勢いを付けて獣の眉間を狙って花の道から落下する。当然獣も避けようとするが。
「意識が散漫してますね」
 硬質な響きが鳴る。白嵐玉椿による一閃が黒き獣の角とぶつかり合う。
「動くんじゃねぇ」
 結城がその怪力を持って脚を抑えつければ。
「せーのっ!」
 見た目に対して固いバスケットが狙い通り獣の眉間に叩きつけられ、地に頭を激突させればその巨体に揺れが生じ。
「…………」
 銀花は腰を深く降ろし、柄を握る手に力を込め、対象の動作を見極める。
 仰け反る、まだ……
 地に頭が激突、まだ……
 ゆっくりと首をもたげ……
「今っ!」
 放たれる剣閃の輝きは真っ直ぐに獣の角を撫で。
「……合いました」
 堅牢な角がゆらりと地面へ落ちる。
 吼える獣、それは痛みか斬られた怒りか、同調する様に活性化する植物人間が蔦を緩め植物同士で交わりその身を巨大な一と成していく。
「再度凍らせます」
 アゼリアのバスケットが光と共に再度花弁となって植物人間を覆うも、巨大化した植物が凍結されるより早く薙ぎ払われてしまう。

 どうして、どうして邪魔をする。森を侵す侵略者共。貴様等がここへ立ち入らねば、我等はここで静かに過ごしていた。死してまで何故存在を脅かされなければならない!

「お前の生前がどんなものだったのかは知らない。誇り高い守護者だったのかもしれない、だが今は違うのだろう?誰かの生命を啜り、森へ迷い込ませて魂を齧る……」

 それが今の我等が生きる術だ。

「いいや、オブリビオンである以上お前はもう死んでいる。生きる術じゃあない、ただ生命を喰らう悪鬼でしかないんだ。例え悲惨な命だったとしても、オブリビオンとして命を脅かす以上は……そこに慈悲等無い」
「全てが悪いとは言いません、でも本来外れる事の無い道を外して捻じ曲げるというのが貴方達だという事もまた事実。少なくともこの場を放置する事はできません」

 生きている!己はここに確かに生きているのだっ!

「違いますね、お前はオブリビオンであり、既に死を迎えた者です。……鋭刃線閃っ!」
 銀花の放つ一閃が黒き獣を仰け反らせる。先程の様な力は感じられず、獣毛に覆われた皮が割かれていく。アゼリアが足場を凍らせ結城が叫ぶ。
「大事な誰かを想う、願いから生まれた未来を塗り潰す夜を焼き払い、平和な朝を呼ぶ為の力だ!!喰らえ!リフレクトマリスッ!」
 首、脚、背……一斉に噛みつかれる獣には最早抵抗する力も残されておらず、鳴いて痛覚を表すのみ。
「……外道、殺すべし」
 噛んだ群狼の歯の根元から炎が湧き出るように噴出。藻掻く獣の断末魔が周囲へと響いていく。

「あ、森が……」
 核を取り出し立ち上がるアゼリアが天を仰ぐ。
「……森の終焉か」
「依頼完遂ですね」
 深く青々とした草花、木々に茂る葉が一斉に枯れていく。
 核を摘出した事により、森の生命力も枯れ朽ちていくのだ。

 これにて幕は閉じられた。群竜大陸の一端に過ぎなくはあるが、確かな一歩となるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年12月29日


挿絵イラスト