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空を追い求める者と空より奪う者

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 青く広がる空に、一羽の鳥が自由に空を飛ぶ様を見た時、一度はこう思うのではないだろうか。
 青く輝くあの空を、自由に飛び回ってみたいと。
 その一羽の鳥が、無残にも炎に焼かれて地に堕ちる。そして人は空への夢を捨てるのだ。
 あの、自由に空を飛び回るドラゴンたちがいる限り。

「カメラート(戦友よ)。出撃だ! 世界がお前達を欲しているぞ!」
 年が明け、そろそろ体を動かそうか。等といった空気を一掃する声が部屋中に響き渡る。
 小さな体に大きな態度。ミーティア・シュヴァルベ(流星は燕が如く・f11420)は両手で丸まった紙を持ちながら、勢いよくグリモアベースに突撃すると、猟兵達を集め自身の予知を伝える。
「アックス&ウィザーズで、ドラゴンの群れのオブリビオンが出現した。これ等の殲滅が作戦目標になる。これから作戦概要を伝える。少々危険だがお前達の実力ならば何ら問題はあるまい」

 では作戦を伝える。そう言うと、机の傍に椅子を持ってきて、その上に両足で立ちながら机の上に丸まった紙を広げる。どうやら、アックス&ウィザーズの簡単な地図の用だ。
「見ての通り、戦場は辺り一面の荒野だ。岩のくぼみや自然にできた穴など隠れる場所がない事はないが、お前達全員が隠れられるような場所はない。幸いにも敵の正確な位置は判明している。よって、敵の近くに転移を行いすぐさま戦闘へ移行、群がる敵軍団を突破の後、敵指揮官に相当するオブリビオンの撃破。すなわち奇襲からの電撃戦を行う。敵指揮官……まあ、群れのボスだな。奴さえいなければ所詮、ドラゴンといえど烏合の衆。楽に殲滅できる」
 当然、ただ漠然と立ち止まってしまえば四方八方からドラゴン達が殺到するだろう。小型のドラゴンと相対する際は走りながら攻撃できる手段や、連射の利く攻撃方法、短い詠唱で済む魔法。それかいっその事、立ち止まろうとも広範囲のドラゴンを一気に殲滅できる手段があると望ましいとミーティアは語る。

「それと作戦終了後だが、新年の祝いもかねてキャンプをしないか?戦場となる荒野から離れた所に川に沿って、自然の豊かな場所がある。悠然と流れる川と共に、自然の中で新しい年を祝うというのも悪くないと思うのだがどうだろうか? よかった参加への検討を頼む。さてそろそろ転移を始める。私も空を駆ける物だ。このような爬虫類どもに空への夢を奪われてはならないと思っている! なお今回の作戦名は『簒奪された空の奪還』作戦とする。お前たちの活躍、期待しているぞ!」


風狼フー太
 いつか、この世界の空が自由でありますように。

 初めまして皆様。当シナリオの閲覧、誠にありがとうございます。風狼フー太と申します。どうぞ名前だけでも覚えて帰っていただけたら幸いです。

 さて、長々と書きましたが簡単に言ってしまえば手早く小型のドラゴンを撃破し、ボスである大型のドラゴンを撃破。最後に自然の中で新年を祝う為のキャンプという流れになっております。寝正月でなまった体を動かす運動……にしては、少々過激かも知れませんが、美馬様のご参加の程、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『戯れる仔竜』

POW   :    じゃれつく
【爪 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    未熟なブレス
自身に【環境に適応した「属性」 】をまとい、高速移動と【その属性を纏わせた速いブレス】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    可能性の竜
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――電撃戦。
 この言葉は今や様々な意味や解釈がなされている為、正確に説明する事が難しくなっている。だが、大まかな使われ方としては、速さをもって相手または物事からの有利を取る。という意味で使われやすい。

「進め!ぐずぐずするな!!」
 敵のすぐ傍で転移を終えた猟兵達は、驚きや困惑の声を上げる仔竜を蹴散らしながら、群れを率いるボスがいると思われる方向へと走り続ける。
 転移による奇襲は成功したものの、奇襲の効果は時間と共に少なくなる物だ。それ故、相手が混乱し後手が確定しているこの間に、最低でも再び相手が後手に回るような手を打ち、その状況を作り出さなければならない。
 さもなければ今は竜を狩る自分達がこの竜達の狩場の獲物に代わることになる。
 食うか、食われるか。戦いの火蓋は切って落とされた。
エステシア・プライド
竜討伐か
良いぞ、黄金竜の女王たる余に相応しき偉業であるな

骸の海より蘇りし竜の群れが如何ほどのものか、余が直々に試してくれようぞ

喩え仔竜と謂えども竜は竜
戦場に立つことの意味は本能で理解していよう

生命を賭した愉悦しき戯れの時である

余は<存在感>を誇示して仔竜たちを<おびき寄せ>てくれる

余の元に殺到する仔竜たちを<高速詠唱>からの<全力魔法>で一網打尽に薙ぎ払ってくれるぞ

仔竜たちは属性を操る術に堪能である様子よな
しかし余の<属性攻撃>は、其方らを凌駕するぞ

余の魅せる魔導の絶技、骸の海へ還る其方らへの餞と受け取るが良い

「雷」の「雨」

百条、千条と降り注ぎ、打ち付ける黄金の雷霆こそ余の暴威と臥して仰げ



「骸の海より蘇りし竜の群れが如何ほどのものか、余が直々に試してくれようぞ」
 黄金の髪を風にたなびかせながら、エステシア・プライド(黄金竜の女王・f02772)はそう宣言するなり立ち止まる。かつて宇宙を支配した偉大なる竜王の末裔であり、自らを永遠を生きる者と称する彼女は、まず自らの力をこの戦場に刻む事を選ぶ。
「『光魔』、『進化』お前たちの力を余に示せ」
 喩え仔竜と謂えども竜は竜。戦場で同族と当たらば全力で答えるが礼儀。自らの神器の力を開放し、高速で紡がれる力。それに呼応する様に、天を覆う雷鳴の雲。その様に。
 ここにきて愚者のあり様だと彼女に惹かれ、いたぶるが為上空に集まった仔竜達は思い出し、あるいは初めて体験した。
 ――戦場。
 今までの、一方が一方を食らう狩りとはまた違う、牙と爪と吐息の使い道。自らの生を、死によって体感させる心躍る場所! ならば、自らが力をもってこの敵に答えなければならない! 
 そして、自らとその同族達が放つ雷のブレスが黄金の竜を巻き込む轟音のそのさなかで、
『よかろう、ならば。これを骸の海へ還る其方らへの餞と受け取るが良い』
 確かに聞いた。と、同時に雷鳴が轟き、仔竜の一匹を灰にする。それを皮切りに、仔竜の頭上から幾百、幾千と降り注ぐ黄金の雷霆。
 ある者は、何が起こったのかわからずにいた。
 ある者は、全てを悟り微笑んだ。
 ある者は、それでもとばかりに自らを雷霆に打たれながらも力を振るった。
 そしてその全てを灰燼に帰す黄金の竜が持つ暴威。空に再び太陽が戻る頃、雷鳴の戦場に立つのはエステシアただ一人であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィオ・グラート
【WIZ】
よし!ドラゴン退治!ドラゴン退治だよ! ドラゴンのお肉…食べられるかなぁ?
でもまずは戦闘に勝たないとだよね!

先に地図は見せてもらってるから、移転したらすぐに目星をつけていた岩陰に向けて影の追跡者を召喚!
相手が少しでもそっちに気をとられたならこっちが本命!【謎を喰らう触手の群れ】を出して触手でバンバンなぎ倒していくよ。
触手で締め上げたりしたドラゴンから生命力吸収で、少しでも活動を鈍くさせておくよ。


寺内・美月
味方を庇うなどして敢えて敵の一撃を受け【真鋭なる双刀の魂】を発動し時間を稼ぐ。【航空攻撃・空挺降下発動】を使用し、空挺降下による敵軍勢の拘束、航空攻撃と【戦闘団召喚】にて歩兵大隊・戦車大隊を召喚しボスまでの血路を開く。


アイシャ・ソルラフィス
ボクでもお手伝いできることがあるんじゃないかと思い、この作戦に参加しました。
どうかボクの祈りが、みなさんの手助けになりますように…

ボクの支援型ユーベルコードでみんなを強化したら、ボクも《全力魔法3》《なぎ払い2》《属性攻撃2》といった特技で、後方から援護法撃します。
こんなに数が多いのなら、こちらの攻撃の手も、多い方がいいよね?
基本は風属性攻撃で、敵の仔竜と状況を見て、ほかの属性も使い分けます。

ケガをした人がいたら《医術1》《救助活動1》や、『生まれながらの光』といったユーベルコードも使えるのなら使って、癒します。
けが人を放っておくことなんて、できませんから!



 エステシアの魔法による火力によって、初戦は猟兵達の有利に事を運んでいた。未だ猟兵達より数倍の数の仔竜達が上空を旋回しているとはいえ、今すぐに猟兵達が壊滅するという危機はひとまず遠のいたといえる。
「あっちはすごい事になってるなぁ。よし、ボクもドラゴン退治!ドラゴン退治だよ!」
 ドラゴンの肉が食べられるかぁ? そのような事を考えながらフィオ・グラート(おいしく!楽しく!元気よく!・f03872)は後方の戦場の様子を見て、改めて気合を入れなおす。兎にも角にもまずは、勝たねば何も始まらない。
「先に地図は見せてもらってるから――!?」
 言葉を詰まらせる。不意に何かが空気を切る音が聞こえる。そしてそれは突然の事だった。上空にいた仔竜の一匹がフィオに対してブレスを繰り出し襲い掛かる。轟音を立て迫りくるブレス。あまりの急な事にフィオは対処できない。
 身構えるフィオ。だが、いつまで経ってもブレスによる衝撃は来ない。何が起こったのか恐る恐る確認すると、
「貴様、怪我はないか。」
 フィオとブレスの間に割って入ったのは寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)。長身の肉体は完全にフィオの盾となり、ブレスはフィオの体に傷一つつけることはなかった。だがその代償は大きい。雷のブレスは容赦なく美月の体を蝕み、肌を黒く焦がし、一部石炭のように炭化している個所すらあった。
「あ、ありがとう! でも早く治療を」
「この体の方が任務の成功に繋がると判断したまでだ。気遣いは無用」
 その言葉を裏付けるが如く美月の持つ双刀から溢れ出る数多の魂。
 白鞘能多知、黑鞘能多知。二振りの名刀は美月の命の危機に応じてその力を発揮、その権能を開放させていく。
「全隊に命令…行動開始」
 そして、数多の魂が象ったのは命無き軍団達。総勢にして一個師団になろうか。それらが美月のただ一言によって、一斉に行動を始めた。
 仔竜が風を切る音よりも、さらに鋭い音を立て機銃掃射を行う航空団。
 言葉にならない咆哮の悲鳴の中、広がった敵陣の穴を戦車群が砲撃し蹂躙。
 混乱の中、何とか一矢報いる為上空からブレスによる攻撃を敢行した仔竜を、随伴する歩兵が訓練された動きで撃ち落としていく。
 先ほどのエステシアの戦場が命の華やかさに溢れた物ならば、美月の命を削り編成された一個師団は、ただ無慈悲に仔竜の命を薙ぎ払う冷徹さに溢れていた。
「すごい……はっ。ボクだって!」
 その姿に圧倒されていたフィオだったが、ここに立っている以上守られているばかりというわけにはいかない。自らの身もまた猟兵。ならば、眼前の敵を掃討するべく前へ躍り出る。事前に地図を確認し、このあたりの地形がどのようなものかは把握済み。ならばと。
 一斉に沸き立つフィオの影。それらはいくつかに分かれ、わざと仔竜達の足元に滑らせるようにして放ち周囲にある岩陰のいくつかに潜ませる。この混乱で、何が起こるかわからないという状況において、この囮は必要以上に仔竜達に警戒を、『疑問』を抱かせた。
「かかったね! こっちが本命だよ!」
 その『疑問』こそ格好の餌。フィオが召喚したのは謎を、疑問を主食とする奇妙な生態を持つ触手群。無数の触手でできた紫の塊は、いくつかに枝分かれすると岩陰を気にした仔竜達に絡みつき、その命を吸い取っていく。命その物を枯らしてゆく感覚から必死にもがき、抜け出そうとする仔竜達。
 だが、暴食の権化はその命を掴み、絡みつき、離さない。後に残ったのは、干からび、ミイラと化した仔竜の残骸の群れ。
「あ、あれー? ここまでやるつもりはなかったのだけどなぁ」
 全ては触手達の胸三寸ならぬ腹三寸であったのかもしれない。だが、この暴食が道を開いた事に変わりはない。急いで群れのボスへと向かおうとするフィオと美月。
 だが、美月の傷は相当に深い。痛みに耐える訓練は受けているとはいえ、全身に負った火傷は確実にこれからの行動に響く。二人の活躍によってできた、余裕のある今のうちに傷の手当てをしたいのだが――
「あ、あの、大丈夫ですか!?」
 声がした方向には金色の髪を持つエルフの少女、アイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)。
 自らの癒しの力が少しでもこの戦場の役に立つのなら。その思いでここまで来た彼女にとって、美月の怪我は放っておけるものではなかった。
「少し待っててください。すぐに治しますから」
 言うが早く、有無を言わさず美月を近くにあった岩の上に座らせ、アイシャは両膝を地面につけて、両手で組み祈る。刃が血を吹き、業火、氷塊、雷鳴等の魔法が飛び交い、上空から絶え間なくブレスが降り注ぐ戦場のコンチェルトの中、異様とも呼べる清浄で静謐な空間。心優しき聖者の祈りは、天より光のヴェールとなって、癒しを、そして奇跡をもたらす。
 そして、それは時間の巻き戻しのように、春に息吹を上げる新芽が如く。
 炭化した皮膚が、焼け爛れた足が、焦げ付いた手が。
 時を戻るのか、はたまた新しく生まれ変わったのか。
 所詮は異界の理。常人には理解の及ばない物なのかもしれない。だが一つ確実に言えるのは、美月の体を苛む傷の全てが癒されたということだった。
「……よかった」
 対するアイシャは額に汗を浮かべながら立ち上がろうとして、糸の切れた人形のように崩れ落ちる。慌てて支えた二人の腕の中で、大丈夫。と、声を震わせ、腕にもたれかかる様にして体勢を立て直す。
「どうしても、これで怪我を治すとちょっと疲れちゃって……」
 急激に体力を失った反動だったのだろう。幸い、これから仔竜の群れに突撃し、群れのボスまでたどり着くだけの力は全員に残っている。即席のスリーマンセルを組んだ3人は、意を決して群れの中に飛び込むのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

オリヴィア・ローゼンタール
SPD
【Fly High】【敵陣突貫組】
一体でも厄介なドラゴンが群れをなしましたか……
ですが皆さんがいれば恐れるに足りません

【守護霊獣の召喚】で獅子に騎乗、敵陣へ突貫(【ダッシュ】)
【属性攻撃】【破魔】で槍に聖なる魔力を纏い攻撃力増大
アメリアさんに激励されると、何でも出来そうな気がしてきますね
自由な空を取り戻しましょう

【怪力】にて槍を【なぎ払い】、炎の【衝撃波】を叩きつける
獅子の爪牙で蹂躙する
いずれは強大な竜なれど、今はまだ未熟
脅威となる前に殲滅させてもらいます

炎のブレスや魔法の前兆を感知(【第六感】)したら 皆さんの前に出て【かばう】
炎熱ならば対処可能です!(【オーラ防御】【火炎耐性】)


ヘスティア・イクテュス
【Fly High】【後方援護組】
子竜…可愛い…一匹持って帰っちゃダメかしら…?


ティターニアで飛行【空中戦+ダッシュ】
空中戦で決してドラゴンにだって劣らないって見せてあげるわ

アサルトモードは速度重視に設定【属性攻撃:ビーム+鎧無視】
まずは他の援護組と合わせて弾幕を
ビームにマイクロミサイルの雨あられ【範囲攻撃】
「オウカ、つかさ、正純、合わせるわよ!」

突撃組が突撃したら後から追うように移動して【援護射撃】
アメリアに合わせてマイクロミサイルで錯乱したり
エンに敵が群がってたら数を減らすのを手伝ったり
遊撃として動くわ

反撃は距離をとって対処よ

アドリブ、歓迎


エン・ジャッカル
【Fly High】【敵陣突貫組】空は誰のものではなく、常に頭の上にあるものであると考えていますので、占拠するなら解放させるまでです。アヌビス号の防御力を生かして敵陣へ斬り込むことにしましょう。

…えっ、私をアヌビス号ごと投げる…?ま、まあ、ブースターより早いでしたら歓迎ですが…。ともあれ、荒谷さんに投げ飛ばされてる間に体勢を整えてすぐにアヌビス号と合体し、ブースターを用いて敵陣に突撃することにしましょう。

敵から攻撃が来た場合はシールドガンで防ぎつつ肉薄して、シールドガンで攻撃します。ただ、突撃する故に総攻撃を浴びる可能性がありますが、そこは仲間たちの援護を信頼してひたすら攻撃することにします。


荒谷・つかさ
【Fly High】【後方援護組】
空飛ぶ敵の群れとの戦いは苦手なんだけれど。
ま、やれるだけのことはやりますか。
エン、射出してあげるから前衛よろしく。

まず【鬼神剛腕砲】を「怪力」技能込みで発動(命中率重視)
前線突撃の支援の一環として「騎乗状態のエン」を最前線へ向け投擲
その後は「神威」(※馬)に「騎乗」し動き回り、
主にその辺の石礫を【鬼神剛腕砲】で突貫組と戦ってるドラゴンの眼狙いで投げつける

もしヘイト稼ぎすぎてこっちに向かって来たら
逆に走ってる神威から「ジャンプ」技能で飛びついて
他のドラゴンに向けて【鬼神剛腕砲】で投げつけてやるわ

近づけば何とかなるとでも思った?
甘いわね。今度はお前が砲弾よ。


オウカ・キサラギ
【Fly High】【後方援護組】で参加。キラキラなお日様が見える空でも、こんなにオブリビオンがいるんじゃおちおち日向ぼっこもできないね! みんなで楽しくキャンプをするためにも、いつも以上に気合を入れて戦うぞー! まずボクは他の援護組とタイミングを合わせて【クイックドロウ】で弾幕を張るよ! もちろん反撃を受けないように【ダッシュ】で移動しながら! 攻撃が来たら【見切り】での回避か【迷彩】で近くのくぼみや岩影に隠れてやり過ごすよ!


アメリア・イアハッター
【Fly High】【敵陣突貫組】
空は誰のモノでもないわ
空は自由で、広くて、夢があって!
そんな空を奪うのは、許さないわ!
絶対に!

・方針
【敵陣突貫組】と【後方援護組】に別れて攻撃
援護組の攻撃後、突貫開始

・行動
攻撃開始前【ポジティブシンキング】で仲間を鼓舞
「空での戦いにおいて、私達に勝てるやつは、いない!
私達の、そして皆の空への夢を守るわよ!」
「簒奪された空の奪還作戦、開始ー!」

後方組攻撃後、宇宙バイク「エアハート」に騎乗して、オリヴィアと共に敵陣へ突撃
エンが投擲された方向に向かってバイクを走らせつつ、【マジック・ミサイル・ダンス】で攻撃
密集した敵なら爆発の爆煙と爆音で混乱させられる筈

アドリブ歓迎


納・正純
【Fly High】【後方援護組】
方針
重要視するべきは前衛達を守り敵の動きを邪魔すること
突貫組に爪での攻撃を狙ってる奴から撃っていくか
翼か胴体を集中的に狙って態勢を崩せれば、後は前衛が上手くやってくれるだろう

行動
他援護組とタイミングを合わせ熱線銃で弾幕を張る
穴に身を隠したり、大きく走って移動ながら敵の攻撃を回避
前衛に接近する奴が出てきたら惜しみなく拳銃の弾を使っていく
敵がまとまったり連携を取って前衛を襲おうとした場合、一番前に出ている子龍の頭を【魔弾論理】とスナイパー技能で狙い撃つ

台詞
甘いぜ龍共。一発勝負だ
流れを変えようとした渾身の行動の起点を崩せれば、一発の弾でもピンチをチャンスにできるのさ



「皆、集まってくれてありがとう!」
 赤い帽子のヤドリガミ、アメリア・イアハッター(想空流・f01896)は自らが立ち上げた旅団【Fly High】のメンバー達の前に立っていた。
「ここに集まっているって事は、やることはわかっているよね? 私達、Fly Highは今、一つの想い。空の自由を侵す奴らを許せないって気持ちで一つになっていると思う! 私達は空を愛する者! 誰のモノでもない空を愛する者! そう、空は誰のモノでもないわ。空は自由で、広くて、夢がある! そんな空を奪うのは、許されることじゃない! 絶対に!」
「団長!かっこいー!」
「中々様になってるじゃない」
「ええ、自由な空を取り戻しましょう。皆で。」
 目の前の団員達から次々に飛んでくるのは声援か、はたまた、ただのからかいの言葉か。だがアメリアにかけられるその全ての言葉は彼女を称える物であり、込められている物は目の前にいる団長への信頼、友情、尊敬。それら、また、それら以外も混ざった声にアメリアはえへへー。と、照れながらも、再び表情を整え仔竜達に向き直る。
「空での戦いにおいて私達に勝てるやつはいない! 私達の、そして皆の空への夢を守るわよ!」
 アメリアが激励の言葉と共に右手を天に掲げる。それに呼応する6人。
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)
 ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)
 エン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)
 荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)
 オウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)
 納・正純(インサイト・f01867)
 いずれも旅団【Fly High】のメンバーであり、歴戦の強者たちである彼らはこの戦場、作戦において最も大きな組織の一つといって過言ではない。その一団が今、アメリアの力強い言葉とともに動き出そうとしていた。
「準備はいいよね? 簒奪された空の奪還作戦、開始ー!」

 戦端は、後方援護組の一斉射撃から始まった
「オウカ、つかさ、正純、合わせるわよ!」
「よーし! いつも以上に気合入れてやるぞー!」
「おう、任せな!絶対外さねぇよ!」
「ま、やれるだけのことはやりますか」
 まず、響いたのは爆音。妖精の羽を象ったジェットパック【ティターニア】を背に空を駆けたヘスティアがマイクロミサイルとビームライフルによる同時攻撃を開始。眼前に広がる爆炎と、弾速を重視し、竜麟の隙間を縫うように放たれる熱線が、仔竜達に容赦なく襲い掛かる。
 そしてその爆炎の中、ヘスティアとは違う熱線が竜達の翼を焦がす。正純の正確な計算は、爆炎の中、混乱しながら空を飛ぶ敵の翼や胴体を見事熱線で射抜いていく。その様はまさに魔弾の射手、絶対必中の狩人が如く獲物を逃がさない。
 やがてミサイルの嵐が収まり、ようやく戦場に静けさが戻りかけていた時の事。突如、甲高い破裂音が戦場を埋め尽くす。オウカの持つスリングショットから放たれる弾丸が破裂しているのだ。ただの石に、オウカの魔力を込めることによって宝石となり完成するその弾は、異次元の空間に繋がるポーチの中に無数に納められ、それらを片手に掴みとれるだけ取ると熟練の早業により空中へ一斉に投下し、爆撃機でも通るが如く仔竜達へと降り注いだ。

 まさに阿鼻叫喚。だが空を侵す者たちにかけられる慈悲はない。今が頃合いと、敵陣突貫組として待機していた残りのメンバーが突撃体制へと入る。
「よし、じゃあ行きましょうかアヌビス」
 愛機、アヌビス号に乗りエンジンをかけるエン。
「よし――」
「あ、エン。ちょっといい?」
「え、あ、はいなんでしょう?」
 いざ、発進しようとした所をつかさに呼び止められる。耳を貸すよう言われ、告げられた内容は――
「え、まあ、はい。ブースターよりも早いというのならいいのですけど。」
「そう?じゃあやるわよ。前衛のお仕事、頑張ってね?」
 その言葉を受け取り、その華奢な体からは想像もつかないほどの怪力を発揮し、つかさはアヌビス号を片手で持ち上げる。羅刹たる彼女にとっては朝飯前とばかりに、エンごと投げ飛ばす。
「アヌビス、モードチェンジ!」
 そして、空中にてアヌビス号に搭載された変形機構の承認を下すエン。人が乗るために設計された精密な機械は、その姿を分解、再接続を繰り返しエンを守る機械の鎧へと変形。砲弾として発射されたスピードをそのままに、着地地点にいた仔竜に蹴りをお見舞いし、クッション代わりにすると、そのまま敵陣に向かいアヌビス号の機能の一つである、光波を噴射するシールドをもって肉薄。
 それ故に、仔竜達からは格好の的になる。だが例え、集中攻撃を受けようと守り抜く。そうすればきっと仲間が――
 その思いに答えるように、エンの横を仔竜が飛ぶ。いや、正確には正しくはない。投げ飛ばされているのだ。
「甘いわね。近づけば何とかなるとでも思った?」
 その謎の正体は、つかさの怪力。エンが乗ったアヌビス号すら投げ飛ばして見せたのだ。つかさにとって上に飛ぶ竜達は空飛ぶ砲弾と等しい。最早羅刹投人機といっても過言ではないつかさの頼もしさを感じながら、ジャッカルは何の迷いもなく猟兵達の道を切り開いていく。

「うわぁ……めちゃくちゃだな猟兵っつーのは。」
 自身もその猟兵の一人なのだが、目の前で起きた光景は自身の常識をはるかに凌駕した物であった。見る人間が見れば正純の正確な射撃も常人とはかけ離れた物であり、驚愕や称賛に値されるものなのではあるが、どうしてもインパクトという面でいえば空飛ぶアヌビス号に勝てるとは思えない。
「まあいいけどよ。俺は俺の仕事をやるだけ――」
「ちょっとぉー!そんなに追いかけてこないでよ!」
 甲高い悲鳴に似た声を聴き振り返れば、仔竜達に追われるオウカの姿。手持ちの宝石の弾丸を後ろにばらまく様に撃ち、仔竜達を撃ち落とそうとするが如何せんその数が多い。どうやら先ほどの一斉攻撃の際、運悪く多くの仔竜達に目を付けられ集中攻撃を受けているようだ。
「おっと、まずいなありゃあ。」
 オウカの姿を確認し、手にしたのは一発の弾丸が装填された狙撃銃。
 あの数を全て相手にするのは少し手が焼ける。だが、正純の頭脳はこの状況を数式に収め解を導く。不確定な要素を虚数に、確かな情報を実数に。そしてそこから導き出された、この状況を打開する可能性の高い方法を実行に移す。
「それじゃ、あいつ等を教育してやるとするか。」
 言うが早く、正純はオウカを襲おうとしていた先頭の仔竜の頭に狙いをつける。空中で揺れ動き、オウカという仲間に当てず、さらに今まさにオウカを襲おうとしている敵に対して行われる精密射撃。あまりにも大胆。そして繊細な技術を要求される射撃を、いともたやすく行うのは彼が優れた狙撃手の証。そして、突撃している先頭の竜が頭を失い、失速したことにより後方に飛んでいた竜達が巻き込まれオウカへの攻撃は失敗に終わる。
 ――渾身の行動の起点を崩せれば、一発の弾丸で事足りる。
 その一瞬の乱れを突くように、黄金がドラゴンの中に躍り出て、炎の衝撃波が竜達を襲う。
「二人共、ご無事ですか?」
 飛び込んできたのは黄金に輝く獅子の背に乗り、聖なる炎を纏う炎槍を手に持ったシスターオリヴィア。自身を守護する獅子の霊獣を召喚し、敵陣に突撃した団員たちの中で一早くオウカの危機に気が付いた彼女は方向を転身、オウカの救援に駆け付けた。だが、もし正純のあの一発がなければ――
「私が、助けに来る事も計算に入れていたのですね。流石です正純さん」
「スナイパーにとって状況把握は基本中の基本だからな!」
「た、助かったぁ。二人ともありがとう!」
 地面にへたり込むオウカ。二人にお礼を言うと数回、肩で息をして呼吸を整える。だが、すぐに跳ねるように立ち上がるとポーチの中にある宝石弾を片手に掴む。
「よーし、私も負けてられないよね!」
 再び空に煌めく宝石達。これまで数十、もしくは百を超える宝石が空を飛んだかもしれない。だが、石に魔力を込めて作られるこれらの代用品の生産性は高い。オウカの持つポーチの機能と合わさって、無数に煌めくそれらはまさに流星が落ちるようなそんな錯覚さえ覚える。
「ふふ、では私も負けていられませんね。」
 獅子の横腹を両足で軽くたたき、炎槍の聖女は再び走り出す。二人の射撃手の援護をもらい、獅子はその牙で、その爪で竜達を食らい、叩き落す。ひとたび炎槍が振るわれれば、その炎に巻かれ空の王者の子供達が灰と化す。
 この戦場でトップクラスの実力を持つオリヴィアの戦う様はまさに獅子奮迅。無人の荒野を往くが如く。3人は敵陣を駆け抜ける。

 かつてこの戦場は竜達によって埋め尽くされていた。それが今や、ふと上を見上げれば青く空が見えるほどに数を減らしている。当初の想定を上回る戦果に【Fly High】の各々は、他の猟兵達が群れの最奥に到達するまで出来上がった道を維持する方向へと戦術を切り変える事に。
「ところでその。あの仔竜達って可愛いわよね……一匹持って帰っちゃダメかしら? 」
「えーっと、どうなのだろう?……まあ、かわいいっていえば確かにかわいいよねー。」
 ティターニアで宙を舞い、遊撃を行うヘスティアがふと漏らした言葉にアメリアは疑問を抱く。確かに、成龍と化したドラゴンよりは手懐けられるかもしれないが、相手はあれでもオブリビオン。どうにかなる存在なのだろうか?
 もしかすれば、例え手懐けられなくとも骸の海より仔竜を呼び戻すような業もあるのやもしれない。様々な考えは浮かぶが、いずれの方法を試すにしてもこの戦いが終わった後になるだろう。星の巡りが良い方向へと転べば、見えてくる道もあると信じて。
 そして輝かしい未来への道を絶たぬよう、宇宙バイク【エアハート】に乗り群がる仔竜達への牽制として魔法でできたミサイルをばら撒いていく。
「それにしても、なんだかうまく行ったよね私達!」
 アメリアのその言葉通り、次々と【Fly High】のメンバーの横を他の猟兵達が駆け抜けていく。【Fly High】の消耗もほとんどないに等しく、これなら次の戦いも全力で臨むことができそうだ。
「ここまでうまくいったのも、アメリアさんに応援されたからかもしれませんね。」
「そうかなぁ……いや、でも。皆がいたからここまでこれたんだよ!」
 仔竜の炎のブレスを防ぎながら。返す槍で一匹を貫き、そして巻き上がる炎に巻き込み、三匹の仔竜を叩き落しながらアメリアの手腕を称えるオリヴィア。
 実際、アメリアの激励により【Fly High】の士気は大きく上がった。そして、その下には確かな実力という土台があり、そしてその上に少しの運が味方したのだろう。
 最早、仔竜達の戦意は無いに等しく、ただ飛竜の王がここに鎮座しているという事実から逃げずに、或いは逃げられずにいるといった様子。そして、【Fly High】のメンバーの横を再び猟兵が通り、オウカから声がかかる。
「だんちょー!今の人で最後だって!」
 その言葉にうなずくアメリア。それはすなわち、次の戦いの狼煙でもある。

 飛竜――ワイバーン。かの竜翼を堕とす時が来たのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 仔竜の群れを抜けた猟兵達の前に一匹の凶兆が姿を見せる
 数々の勇者が、その暴威の象徴に挑んだであろう
 今まで相手にした者達とははるかに格が違う。その名はワイバーン。真なる竜
 その竜鱗に手をかけ、剣を貫き、心の臓に刃を届かせた話は無数にあれど
 億万の命が儚く散った。単に、語り継がれなかった物語がある。それだけの事
 ドラゴンとはすなわち、栄光の象徴である
 ドラゴンとはすなわち、破滅の象徴である
 かの強者たちはどうであろうか?
 果たして何を得るのであろうか?
 すべては剣が語る。栄光か、それとも破滅かを
 ――さあ、猟兵よ。剣を持て。この話が子孫代々まで語り継がれるように
エステシア・プライド
翼竜よ
黄金竜の女王たる余を高所から睥睨するか

不遜であるな
しかし許そう

傲慢なりしは竜たる身の宿痾なれば

其の身に、女王たる余を前にしても無礼を押し通すだけの力が備わるならば、傲慢であれ増長であれ、好きに振る舞うが良い

しかし、余の前で自儘に振る舞うに相応しからぬ脆弱さしか有さぬのであれば、その時は理解っていような

貴様の自慢の翼、千切り裂いて、余の前に頭を垂れさせてくれるぞ

神話の景色は、何も竜と英雄の闘いだけではない
竜と竜の闘争もまた、地を砕き、天を震わす、伝説の再演である

仰ぎ見よ不遜の翼竜
遥か虚空の彼方より顕現せし三頭黄金竜の姿を

余の<高速詠唱>と<全力魔法>が此処に召喚ぶ、偉大なりし太祖の姿を



 空飛ぶ凶兆と、猟兵達が対峙してすぐの事。仔竜達は距離を開けて宙を旋回、或いは、翼が折れ、飛べなくなった者は地上に降り彼らを取り囲む。最早、彼らにできる事は猟兵達を逃がさないようにし、彼らの王が、自らの同胞の仇を討つその瞬間を、自らの目で見る事しか叶わない。
 故に、偶然かもしれないが仔竜達が作るは竜の劇場。空飛ぶ王の主と構え、不埒な猟兵達を勇者に仕立てる、力なき者と力ある者達との一種の相互理解。そして、それは神話に謳われる戦いのいずれかの再現といっても過言ではなかったかもしれない。
「不遜であるな。竜の王よ。女王たる余を空より睥睨するとは。」
 その舞台にいの一番に上がったのはエステシア・プライド(黄金竜の女王・f02772)。
「だが許す。その傲慢さは竜たる身の宿痾。故にだ。」
 力なき者が地を這いずり許しを請うことなく朽ち果てる。それが竜、それが力ある者の傲慢。そして互いに力あると譲らぬのであれば、己が爪、己が牙、己が吐息をもって証明する。それこそが、英雄が巨悪を打ち倒す物語とは別に語られる、竜と竜の決闘。
「我が太祖よ、宇宙を統べる偉大なる翼の主よ。」
 エステシアによって喚(よ)び出され、顕現した三つの頭を持つ黄金竜が勇ましい咆哮を、空飛ぶ竜王が不吉な咆哮を。その直後に繰り出された、二頭の雄が奏でる竜の吐息のぶつかり合いをもって、この舞台の幕が上がったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイシャ・ソルラフィス
『sting with blow(針と一撃)』チームで参加

即席でできたスリーマンセルだけれど、せっかくだから作戦を立ててみました
まずボクがユーベルコードでみんなの戦闘力を上げた後、そのまま陽動として、ボクがワイバーンに《属性攻撃》で火属性攻撃魔法を、目立つように撃ちます
ワイバーンの攻撃は《見切り》で回避しつつ、ワイバーンの注意をボクに集めます
そして注意がボクに集まったところで、寺内さんとフィオさんの出番です
余裕があったら、その後も《属性攻撃》と《全力魔法》で追い討ちをかけます

正直、すっごく怖いけど、負けないんだからっ!


寺内・美月
共同参加『sting with blow』
・最初に『完全管制制圧射撃』を発動して敵の目標を引きつける。
・ソルラフィス様の支援を受けて行動。
・グラート様の『黒風鎧装』を確実に命中させるように計算して攻撃を行う。
・グラート様とソルラフィス様に攻撃が流れた場合は『SSW式治療レーザー』にて治療する。
・前章から発動している(効果が切れていたら庇うなどして発動)『真鋭なる双刀の魂』にて、グラート様とソルラフィス様を守らせる。
・『黒風鎧装』が発動してワイバーンに打撃を与えた場合には白太刀の魂と黑太刀の魂を総攻撃に回す。


フィオ・グラート
『sting with blow』
「ドラゴン! ……どらごん? わいばぁん? なんだか食べる所が少なそうなんだよー…」

黒風鎧装を使って真の姿になりながら【漆黒の旋風】で体を包むよ。
アイシャちゃんからの支援を受けてから銀食器を手にして早速突撃だね!

迫り来る爪攻撃をナイフとフォークの腹で受けたり払ったりしながら防ぎつつ
美月くんからの支援を貰ってワイバーンが怯みや隙をみせたら、身体目掛けてフォークを力いっぱい突き刺すよっ
フォークが刺さったその後はナイフで何度も斬り付けて切り傷から出血(生命力吸収)を狙うよっ。
その後はただひたすらに攻撃攻撃! あ、でも避けることもちゃんと意識しないと危ないよねっ!


エン・ジャッカル
【FlyHigh】【一撃部隊】いよいよワイバーンとの対面ですか。ワイバーンは本の中でしか知りませんでしたので、実際に目にすると胸が踊りますね。

作戦としてはアメリアさんのUCの中に待機し、ワイバーンが降下してきたら飛び出してブースターで急接近し、一撃を叩きこむことによってワイバーンの足止めをし、あとは他の一撃部隊の仲間に任せるという流れで行きましょう。

【足止め後】足止めは成功ですね。あとは…おや、Aマシンヘルムの危険察知機能が後方を警告してる?おかしいですね、後方には一撃部隊の仲間である荒谷さんとオリヴィアさんの二人だけのは…ず…ブースター全開!


アメリア・イアハッター
【Fly High】【一撃部隊】

・全体
遠距離部隊陽動開始
→一撃部隊隠れる
→遠距離部隊2撃目。地上への誘引を図る
→一撃部隊突貫

・事前準備
地面や岩の色と似た布・コートを羽織り荒野でも目立たぬ格好に

・行動
【Evergreen】使用
ランプの中にエン・オリヴィア・つかさを収納
私は皆の運搬に注力

遠距離部隊の陽動後、敵から見え難い隠れ場所(岩の窪みや穴)に隠れて息を潜める

地上への誘引・目潰し後、隠れ場所から飛び出し敵の元へ駆ける
接近後可能ならスカイステッパーも駆使し敵の体を駆け上がり敵の上をとる
ランプを敵の背中に投げながら声をかけ収納した皆を呼び出す
「奪うものは奪われる覚悟もしなくちゃね! 皆、出番よ!」


ヘスティア・イクテュス
【FlyHigh】【遠距離部隊】
ワイバーン…流石に大きいと迫力があるわね… 奪われた空…海賊らしく頂いていくわよ

わたしの仕事はワイバーンの意思をこちらに向けること…
ティターニアとミサイル、フェアリーズの兵装で【一斉発射】
できるだけ当てることで怒らせて気を引くわ!【範囲攻撃】
「全兵装展開!ファイヤ!」

澪(f03165)のユーベルコード後にドラゴンが勢いよく突っ込んで来るなら
澪をお姫様抱っこでティターニアで地上から離れずに攻撃が当たらない範囲に一旦後退よ【逃げ足】

正純とオウカの目潰しが成功したら澪の氷の魔法の発動を待って安全地帯へと離脱ね
皆、後はよろしくね って澪痛い、痛いわ!


オリヴィア・ローゼンタール
POW
【FlyHigh】【一撃部隊】
つかささん(f02032)と連携
有象無象の仔竜は片付きましたし、ここからが大一番ですね
皆さんを信じて機を待ちましょう
アメリアさんに収納されます

ワイバーンの急降下に合わせて飛び出し突貫
【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】で聖槍に炎を纏い攻撃力増大
エンさんの足止めで出来た隙に、つかささんと一緒に一撃を叩き込む
つかささん、タイミングを合わせましょう

強靭な脚力で高く跳躍して上を取り(【ジャンプ】)、全霊で槍を投擲(【怪力】【槍投げ】【投擲】【鎧砕き】【串刺し】)
たまには上を取られる気分を味わってはいかがです?


オウカ・キサラギ
【Fly High】【遠距離部隊】に参加!
遂に大物の登場だね!ここはボクのとっておきを使っちゃうぞー!

他の遠距離組の攻撃には参加せず少しでも高所をとれる場所に移動してUC発動の機会を伺うよ。
地上から下手に撃っても当たらないから確実に当たるようにじっくり【力溜め】しながら撃つ瞬間を待つよ!
飛んでくる攻撃は【見切り】【ダッシュ】で回避しよう!
一緒に参加してる澪くんが地上まで引き寄せてくれたならUCを発動!
え?先に当てたら正純さんがご飯奢ってくれるの!?その勝負乗ったー!絶対に勝つぞー!
【輝き放つ金剛の弾丸】を【スナイパー】で狙うのは敵の右目玉!
さぁボクの豪華な晩御飯の礎となるのだー!


栗花落・澪
【Fly High】【遠距離部隊】で参加
空は皆のものだもん
独占するのは良くないよね

他の遠距離組が攻撃中
極力敵が視界に止めやすい位置から魔法攻撃
敵がこちらを向いたらすかさずUCで【誘惑、催眠術】をかけ
注意を引く

自ら降りて来てくれる
または僕を狙って技を仕掛けてくれれば成功
一撃班に意識がいかないよう確実にこちらに気を向けさせ
遠距離班の手数も少しでも増やさせるつもりで

勢い良く突っ込んで来る場合は地上からは離れないまま少し退き
納さん達の目潰しが効いたら氷の【全力魔法】を翼に撃ち込み
凍らせる事で飛行能力の封印を狙う
その後ヘスティアさんと安全圏へ

ってちょ、自分で飛べるからぁーー!!(恥/ぺちぺち)


荒谷・つかさ
【FlyHigh】【一撃部隊】
へえ、あの大きさ……中々食べ応えがありそうね。
(仕留めたら焼いて食べる気満々)

まずはエンやオリヴィアと一緒にアメリアのユーベルコード内で待機。
アメリアの合図(呼び声)があったらオリヴィアと共にエンの後から飛び出す。
予め大剣「零式・改二」に「風迅刀」の「属性攻撃」で発生させた風の刃を纏わせ、
「ジャンプ」技能で高所を取って重力加速度を存分に乗せ、
【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】を発動。
オリヴィアとタイミングを合わせて、ワイバーンの首を狙って叩き込む。
「怪力」で大剣を自在に操り「鎧砕き」で鱗を破砕し、例え首を両断できずとも「衝撃波」で内部までズタズタにしてあげるわ。


納・正純
【FlyHigh】【遠距離部隊】

方針
この人数と火力なら、倒しきる想定で動いた方が良さそうだ
となると、今回俺がするべきは味方の火力を活かす行動か
隙を作る一発を叩きこんでやるぜ

行動
澪のUCが当たりやすいよう敵の行動を阻害するように弾薬を惜しまず熱線銃と拳銃で弾幕を張る
丘などの高い場所で待機して自分が敵の眼下にいないことを確認
地形情報と気象情報を後方部隊で共有
オウカの狙撃をサポートしながら言葉で鼓舞し、着弾確認後に敵の動きを見て、左目玉を【魔弾論理】とスナイパー技能で狙い撃つ

台詞
せっかくだ、オウカ。俺とお前のどっちが先にアイツに隙を作らせるか賭けようぜ。報酬は次の飯のおかず一品でどうだ?


一発勝負だ



 戦いの第二幕は、遠距離への攻撃を得意とする猟兵達から始まった。空を飛ぶワイバーンに対して、近接戦闘は相手が下りてくるのを待つしかない。必然的に遠距離の攻撃が中心となる。だが、空を自由に飛び回るワイバーンに当てるのは至難の業であり、たとえ当たったとしても、体を覆う竜鱗に阻まれ、致命傷を与えるには至らない。
 対して、空を飛ぶ王の吐くブレスは容赦なく猟兵達を削っていく。エステシアの黄金竜のブレスさえしのぎ切った咆哮のブレスは、猟兵達の生半可な攻撃を防ぎながら、攻撃を行うまさに攻防一体の体現。自らの優位をそうやすやすと手放すつもりは無いとばかりに高度から攻撃、または速度を生かした急降下によって、地面を嘗めるような攻撃が中心となる。
「皆! 怪我しないように、気をつけて!」
 二頭のブレスの激突によって、砂煙の立ち込める中、アイシャの守護の祈りが猟兵達を包み込む。例えどれだけ戦いを重ねようと、何時までも戦いが怖く、慣れないのは、その心のせいだろう。だが、だからこそ。戦いに不向きだとわかっている者がそれでもと、勇気を振り絞り立ち続ける姿は誰かの力になるのだ。
 この戦場その全てにいる猟兵達に祈りの声は聞こえていた。彼ら全てがその言葉に頷いた。皆が皆、帰る場所がある。その為には、頂かねばならない。竜殺しの称号を。
 先ほどの戦闘において即席のチームを組み、そのままのメンバーで構成された

 アイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)
 寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)
 フィオ・グラート(おいしく!楽しく!元気よく!・f03872)
 三名からなるチーム【sting with blow(針と一撃)】。
 そして、

 アメリア・イアハッター(想空流・f01896)
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)
 オウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)
 納・正純(インサイト・f01867)
 ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)
 旅団【FlyHigh】の面々。
 彼らはある一つの結論にたどり着いていた。すなわち。 
 この王を倒すにはどうしても『隙』がいる。
「アイシャさん、だったよね?一緒に手伝ってくれるかな?」
「はい!私達で注意を集めればいいんですね澪さん!」
 まず、矢面に立ったのは澪とアイシャの二人。
 アイシャの火球の魔法が、ワイバーンの飛ぶ目の前をかすめるように放たれる。こちらに注意を引くために放たれた火球は目論見通り、ワイバーンの視線をこちらに向ける。そこには
「ほーら、おいでおいでー♪」
 それは、満面の笑顔。屈託の無い笑顔。誰が見てもそうであっただろう。だが、この場においてそれは、何より恐怖され、畏怖されるはずの存在にそのような笑顔を見せるという行為自体があまりにも異質であった。
 それがどうしても癪に障るのは、その笑顔に込められた精神を揺さぶる力のせいなのだろうか。くるりと旋回し、澪とアイシャの方へ向き直り……そこに合わせるように美月の、ヘスティアの射撃が飛んでくる。そしてそれがさらに飛竜の怒りを増大させる。
 それは、自身の高空への優位性などといった物を些事と、頭の隅に追いやるに十分な理由であった。2人の妨害など意に介せず、澪とアイシャへと突撃を開始するワイバーン。それこそが、猟兵達の狙いではあった。
 だが、一つ誤算があるとすれば怒りを買いすぎたということだろう。なりふり構わず振り回される尻尾、頭上より突如襲い掛かるアギトが、振り下ろされる爪が。容赦なく二人に襲い掛かる。何とか躱しているものの、いずれその爪が、或いは牙か、尻尾が二人の身を引き裂くのは時間の問題であった。
「澪!今行くわ!」
「ソルラフィス様!」
 二人の危機に、ヘスティアと美月が動く。ティターニアのクラスターを吹かせ、澪へと向かうヘスティア。対して二振りの名刀の力を引き出し、再び数多の魂を兵士と変え突貫、少しでも攻撃の手を防ごうとする美月。
「二人に手を出したらダメなんだよ!」
 そこに、真の姿を纏いフィオが、少しでも時間を稼ぐべく巨大な純銀製の食器ナイフをもって肉薄。降りかかる爪をナイフでいなし、胴の竜鱗を浅く、だが確実に削り取っていく。
「ソルラフィス様、ご無事で!?」
「大丈夫!美月さんありがとう!」
「無事よね澪!?」
「待ってよ!?お姫様抱っことか!自分で飛べるから!!」
「ちょっと、叩かないでよ!痛いって!それと、助けたんだからお礼くらい言いなさいよ!!」
 その隙にヘスティアが澪を、美月がアイシャを救出。それを見たフィオがワイバーンと大きく距離を取る。だが、執拗にワイバーンは澪へと執念を向ける。このままでは――

「一つ、勝負と行かないかオウカ。」
 時は少し遡る。オウカと正純。彼らは大岩の上に陣取り機をうかがっていた。ただ、あの空の王に攻撃するだけでは効果が薄い。故に、決定的な隙を作る為、狙撃に向いた場所を探し、ただひたすらその時を伺っていた。
「うん?いいよ!どんな勝負?」
「俺とお前、どっちが先にあいつに致命的な一発を食らわせてやれるかってのはどうだ?条件は負けた方が次の飯、勝った方に飯を奢る。」
「先に当てたらご飯奢ってくれるの!?その勝負乗ったー!」
 最早、勝つことしか見えていないオウカに、ただ一言、負けるかよ。とつぶやき狙撃銃を構える正純。対してオウカは、金剛石の原石に魔力を込めたとっておきの一発を手に自らの相棒のスイングショットを引き絞る。単純な技量でいえば正純の方に分があるが、威力でいえばオウカの方に分があるだろう。
 力か技か?そして、ワイバーンが澪とヘスティアの方に向き直るその瞬間を二人は見逃さなかった。

 それは突然の事だった。ワイバーンの右目が突如爆発したのだ。それが、オウカの放った金剛石の魔弾に運命の女神が微笑んだということに間違いはなく、正純の放った弾丸は、ワイバーンの額をとらえたものの、その鱗に弾かれて致命的な一撃になることはなかった。
 竜の王の絶叫が響き、ここにきて、自身が嵌められた事を知ったワイバーンが羽ばたき、再び高所へ逃れようとする。だが、しかしだ。その絶叫に悶えた一瞬。全ての猟兵で紡ぎだしたその時間で。
「やっぱり、空って気持ちいいよね!」
 ――この戦いで初めて、空の王が飛ぶよりも高く空を飛んだ猟兵がいた。
 古びた赤い帽子のヤドリガミが空を飛ぶ。FlyHighの看板に偽りなく、アメリアのスカイステッパーは文字通り空を駆けた。
 だが、ただ一人の猟兵が何ができるというのか。
 否。彼女には、信じられる仲間がいる!
「奪うものは奪われる覚悟もしなくちゃね! 皆、出番よ!」
 彼女が手に持つ深緑黄のランプをワイバーンの背に向け投げる。
 そして、彼女のランプから――
「アヌビス、モードチェンジ!」
 突然現れたエン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)のアヌビス号が再びその姿を変えエンと合体。その身を巨体と変えワイバーンの文字通り鉄拳の一撃を食らわせる。
「たまには上を取られる気分を味わってはいかがです?」
「重剣術奥義……この剣に、打ち砕けぬもの無し!」
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)の炎を纏った槍が、荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)の必殺の一撃がその首に叩きこまれる。
 ――OLIVE GREEN
 それは、ユーベルコードで作られた異次元を内包した魔法のランプ。その中に、3人を収納。そして、ワイバーンの上を取ったその瞬間、3人がランプの中から飛び出し、急襲したのであった。突然の出来事にただ驚愕し、空より落ちる凶兆の王。地を這いずる王にさらに、澪の氷の魔法が翼を凍結させ、空を飛び回る自由を奪う。

 ついに翼を奪った猟兵達に、王はただ笑っていた。それは、空の王たる自分を地につけた猟兵達への称賛か、はたまた、自らの勝利しか考えない傲慢の表れか。ともかく、最終幕の舞台が切って落とされた。
「どらごん? えっと、わいばぁん? なんだか食べる所が少なそうなんだよー」
「そう? あの大きさなら、中々食べ応えがありそうだけど。」
「え、あれ食べる気だったのか!?」
 自らの獲物でワイバーンの攻撃をいなし、前衛を務めるフィオとつかさの言葉に思わず言葉を返す正純。あの大きさなら自らの分け前の一品ぐらいをオウカに譲ってもお釣りがくるだろうが、果たしてそれで、
「ふふん、勝負はボクの勝ちだからね!さぁ、豪華な晩御飯の礎となるのだー!」
 オウカの、肯定とみなしてよいだろう意気込みを聞き、果たして、この結果の前にあの勝負に何の意味があったのか。ふと、疑問を覚える正純。だが、まだ勝負は決していない。気を取り直し、熱線銃と拳銃で弾幕を張り援護をする。
「つかささん、合わせますよ!」
「よし、フィオ。足止めをお願い!」
「了解!」
 オリヴィアが、つかさに声を掛け、それを頷き、フィオに足止めを頼むつかさ。食べ物の話は人の心をつなげるというが、果たしてこれがそうなのだろうか?だが、間違いなく、この3人の連携は完璧に行われた。フィオの巨大なフォークを足に突き刺し、それと同じくらい巨大なナイフがワイバーンの体を今度はずたずたに引き裂いでいく。先ほどの炎の属性のこもった槍に、さらに属性の力を込めた【破邪の聖槍】とつかさの持つ【風迅刀】の力を一時的に受け継いだ、無骨な大剣、【零式・改二】。その二振りが再度ワイバーンの首をとらえる。
 最早、繋がっているだけですら奇跡。その奇跡こそワイバーンの強さの表れでもあったのだろう。そしてまたこれも奇跡の、
「危ない、三人とも!!」
ワイバーンが放ったテイルスイングをその身に受けて吹き飛ぶエン。
「エンさん!」
 オリヴィアがただ一言、だがそれ以降はワイバーンが許さない。フォークに突き刺さる部分を引きちぎり、再び地上の自由を得たワイバーンは最早、我が身に襲い掛かる傷など意に介さず、ただひたすら猟兵に挑む。
「つかささん、フィオさん!時間を稼ぎます!」
 吹っ飛ばされたエンが後退する時間を稼ぐため、つかさ、フィオと共にワイバーンの相手をするオリヴィア。
「大丈夫ですか!怪我を見せて!」
 負傷したエンはアメリアに引っ張られてアイシャの治療によってふたたび意識を取り戻す。襲い掛かる疲労に大粒の脂汗と共に肩で息をするアイシャ。それほどまでエンの傷は深い物であった。
「もう、あっちは立ってるだけでやっとのはずなのに……」
 そう、ワイバーンの負傷も最早戦闘不能といっていいレベルにまで達していた。それをまだ戦わせるのは、自身が王であるという、それなのか。はたまた――
「……次で終わらせます。ジャッカル様、動けますか?」
「ああ、問題ない!」
「イクテュス様、栗花落様、ソルラフィス様。イアハッター様と、ジャッカル様の援護の為、一斉攻撃を!」
 美月のその言葉と共に、次で決めるという猟兵達の全力の一撃がワイバーンを襲う。
「前方の敵に火力集中、敵の行動を封じ込める!」
 美月の召喚した複数の火器、火砲が一斉射撃。その様子を見て前衛組3人がワイバーンと距離を取る。
「全兵装展開!ファイヤ!」」
 その支援攻撃にヘスティアのマイクロミサイルの嵐が加わる。
そして、アイシャの炎が、澪の氷の魔法がさらに重なりワイバーンのいる場所を更地にしようかという攻撃の中、アメリア、エンの二人が駆ける。
「空の自由は、皆の物!」
「それを奪う貴方は、ここで終わりです!」
 アメリアの蹴りが、エンの拳が。
「いい加減しつこいんだよー!」
「とっとと倒れてろ!」
 オウカの宝石が、正純の銃弾が。
「ここであなたは終わりです!」
「荒谷流重剣術の神髄を、ここに!」
「これで、最後だぁ!!」
 槍が、大剣が、ナイフが。だが!
「あれで、まだ!」
 ワイバーンは倒れない、立ち上がる。
 ならばもう一度と、距離を取り猟兵達が構える中、ふと、アイシャが気が付いた。
「あの、待って!」
 そういうなり一人だけ無防備にワイバーンに近づくアイシャ。慌てて、他の猟兵達が護衛に回るが……ワイバーンからの攻撃は来ない。
「……死んでるんだよこれ。」
 いつから、そうだったのか?それはわからない。だが、最早ワイバーンには立ち上がるだけの力だけしかなかった。確実に言える。最早、後は死を待つばかりなのだと。
 果たして、そのような相手にわざわざ止めを刺すのはどうなのか。いや、そのような状態であるならば止めを刺すのも慈悲という物。様々な考えはあるが、その選択させる時間をワイバーンは与えない。
 ただ、雄たけびを上げる。戦闘中に何度も味わった咆哮ではなく、ただ、そう。それは、称賛だったのではないだろうか?そして、自らの部下への別れだったのだろう。雄たけびを境に、辺りを覆っていた竜の劇場が吠え立て、一匹、また一匹とその体から炎が上がる。それは、憎しみから来る憤怒の炎でもあり、勇者を称える炎であり、王の葬送に付き添う物たちの忠誠であり、哀歌であり。
 
 何はともあれ、その景色があまりにも幻想的だった事に、間違いはない。そして、この献火をもって、空の王との戦いが、終わったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『ごゆるりキャン△』

POW   :    気合で食材を調達

SPD   :    すばやくテントや装備を展開

WIZ   :    のんびりりらっくす

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 空の自由の為に戦った猟兵達。だが、まだ多くのオブリビオンがいるこの世界で未だ空は自由ではないのかもしれない。それでも、だ。空の王は倒れ、その眷属達も風とともに消えた。この星空に今は竜達がいない。風の囁きは穏やかで、川の流れは悠然と一つの流れに逆らうことなく流れている。
 これはキミたちが勝ち取った勝利である。
 この勝利を盃に、自然の恵みを、または、倒れた王からの進物を肴に。
 キミたちのこの物語の最後のページに、そして、新年という新しい物語に祝福あれ!
アメリア・イアハッター
【FlyHigh】
空を奪おうとした者にかける慈悲は無いけど
まぁ、ほんの少しだけ、お疲れ様って言ってあげてもいいかな
私も空に縛られすぎないように……

・行動
リヴィちゃん(オリヴィア)と共にワイバーン料理を作りましょう!
リヴィちゃんから渡されたチーズを薄い衣を纏わせて揚げちゃおう
揚げ料理は大の得意よ!
それ以外?
任せた!

ステーキができれば揚げチーズをその上に乗せナイフで少しの切れ目を
上手くいけばとろりとチーズが溢れ出す!

団員は勿論、共闘してくれた人達もいれば一緒にご飯を食べましょ!

ご飯の後は守った星空の下で、空への想い、憧れを込めてひらりと踊り
ヘスちゃん(ヘスティア)の手もとり、歌に身を任せくるくると


荒谷・つかさ
【FlyHigh】
やっぱり、空を舞う敵は叩き落してから戦うに限るわね。
それでもあの強さなんだから、流石は竜種ってことなんでしょうけれど。
ともあれ、勝者の権利として、そして狩った者の義務として。
お前の肉体は、美味しく頂くとするわ。

といっても、調理担当の数は足りてるし、私はテントの展張を初めとした力仕事に回りましょうか。
テントの方はエンの指示通りに手伝うわ。流石、経験者は違うわね。
あとは丸太を割って薪にしたり、石でかまどを作ったりするわ。

お肉が焼けたら待ってましたとばかりに味付けもせず豪快にがぶり。
ああ、この命を喰らうような野性的な味……たまらないわ。(むしゃぁ)


ヘスティア・イクテュス
【FlyHigh】
空の支配者…貴方の戦い。敵ながら見事でした。
勝利したからには、その血肉しっかり頂くわ

・行動
アメリアとオリヴィアがお肉だから
わたしは豆や玉ねぎなど野菜を使ったさっぱり目のスープを作るわ。
あまり難しいのは出来ないけど、このくらいならね?【調理】

大鍋で煮込んでお皿に、皆のお口に合ったらいいけど…


共闘した人達とも一緒できたらいいわね?
あなた達のおかげで色々助かったわ


食事が終わったら、わたしもアメリアに続いてくるっとひと踊り…
そのまま手を取られて2人でくるくると

また、皆でキャンプできるといいわね


オリヴィア・ローゼンタール
【FlyHigh】
オブリビオンにしては潔い散り様でしたね
末期の咆哮を遮って叩き潰すような無粋はしないでおきましょう

さて、それはそれとして野生の原理としてその肉はいただきましょう
保存食のチーズはアメリアさんにお渡しして、私はステーキ作り
手足の形状的には鶏に近いでしょうか?
脚や胸、尻尾と可食部の多そうな部位の鱗を落としてから槍で斬り裂いていきます

UDCアースのような洗練された調理器具はありませんが……火力には自信があります
魔法の火も使って強火で焼き上げ
こんなところでしょうか
アメリアさんのチーズもいい匂いをしています
ステーキが出来上がりましたよ、どうぞお召し上がりください


栗花落・澪
【FlyHigh】
皆の呼び方→苗字か名前のうち先に来る方+さん

空は気持ちいいもん
飛びたかった気持ちもわかるよね
だから少しだけワイバーンさんに黙祷

まずは材料集め
徒歩より速いから飛行で果物や水を集めに行く
(非力ゆえ一度に持てる量は控えめ)
ご、ごめん、誰か、パス…!
荒谷さん達の近くに置いといて!

揃ったら果物の中身をくり抜き
皮を器代わりに
果物や木の実を一口サイズの花や星型に加工
大小の串に刺しフルーツブーケ風に飾り付け
天然の蜂蜜や
持参した飴を加熱し水飴状にしたものを
いくつかの果物の器に分けて入れておく
お好みで付けてどうぞ

食後はアメリアさんや皆が踊りやすいよう明るめの曲を
空を見上げながら伸びやかに歌います


オウカ・キサラギ
 【FlyHigh】
あのワイバーン強かったねー。
だからこそ勝者の特権として全力で楽しむよ!

野宿の経験があるからテントの設営!
あまり慣れてなくて苦戦してる人がいたらそっちのお手伝いにいくよ!
設営が終わったらいよいよ晩御飯だね!
さぁ正純さん!晩御飯を一品ボクにちょうだい!
賭けに勝ったからね、これは正当な報酬だよ!
でも全部はとらないよ!少しだけ!
んー!このステーキチーズの濃厚さとあわさってすごくおいしい!
さらに零くんの作ったデザートも素晴らしいね!
満足したよ!ごちそうさまでした!


エン・ジャッカル
【FlyHigh】
危うく死にかけましたが、無事にワイバーンを討伐できて良かったです。ワイバーンは本の通りにまさしく暴威の象徴そのものでした。皆さんが居なければ、私は呆気なくこの命を散らしていったことでしょう。皆さんには感謝しなければ。もし治療してくださった人に会うことが出来れば、お礼の言葉を述べたいところですね。

さて、勝利の宴を行うことになりましたので、私はテントの展開、もしくはその手伝いをさせて頂こうと思います。幸い、旅をしている身で野営の経験がありますので、素早くテントを展開させることはできるかと思います。

しかし、本当に楽しいですね。機会があれば、またこのようなことをやりたいものです。


エステシア・プライド
竜との愉しき戯れの刻も終わりか
また何れ相まみえようぞ

余は勝利の美酒の盃を傾けながら、
星空に同胞たちを送る篝火を炊くとしよう

それに野営には炎の彩りがあった方が良かろう

ユーベルコードの《エレメンタル・ファンタジア》というほどに大規模なものではないな

<属性攻撃>で強化した炎の魔術で、キャンプファイヤーを用意しよう

星空に立ち昇る火の粉の一粒一粒を、
骸の海より蘇り、そして還りし同胞たちと思い、静かに酒杯を傾けようぞ

さらばである、遥かなる過去の同胞たち
汝らの眠りが永久に穏やかなることを、余は心から祈るとしよう


アイシャ・ソルラフィス
WIZで行動…ってなるのかな?
お料理をしつつ、一緒に戦った皆さんに、お礼を述べたいと思います。

フィオさんと寺内さんはもちろん、一緒に囮になった澪さんや、【Fly High】の皆さんにも!
あと負傷したエンさんのお怪我の具合を聞いたり…
フィオさんとつかささんが、燃えて消滅しちゃったドラゴンのお肉を食べたがっていたから、代わりになるお肉を見つけて焼いてあげたり…
そんな感じで、その他の皆さんにもお料理をお出しして、世間話等もして、友好を深められたらいいなぁ~って思います。


フィオ・グラート
いっぱい戦闘したからね!今度は楽しむターン!
力いっぱいキャンプを満喫するぞーっ。

キャンプには色々役割があるけど……今回はお料理に挑戦するよ!
つい最近買ったこの「恐ろしいぐらい物凄く良く斬れる包丁」の出番なんだよ!

お料理するのはほぼ初めてに近いから、つい緊張して殺気が出ちゃうかも……。
で、でもこれはおいしいお料理を楽しむため……!
食材は近くの川や木の実なんかを調達できるから、ちゃんとおいしく捌いておいしいお料理に!

食材、覚悟!



 時は少し遡り――。

 日も落ちてきた頃。草木の生い茂る川辺で猟兵達はキャンプの準備をしていた。荒野に似つかわしくない生命の営みを司る大河、それを見ながらの野営というのは、一つの至高の贅沢であると言えるのではないだろうか。その自然の恵みを存分に享受すべく、猟兵達は食材探し、テントの設営、食材の調理に分かれて行動を開始する。

 テントの設営を行うのは荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)、オウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)、エン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)の3人。野宿の経験があるオウカとエンの二人が中心となり、腕力に自信のあるつかさが二人のサポートを行うという流れだ。
「テントの入り口は風下にしてくださいねつかささん。風で吹き飛ばされにくくなりますから」
「ペグは地面に対して45度の角度で!ロープに対して直角になるように固定するといいんだよ!」
「二人ともよく知ってるわね。」
 流石経験者。と、二人に教えを請いながら着実にテントを張っていくつかさ。そこでふと気になる物を見つけたのはオウカだった。
 明らかにそれはテントを固定する金具を地面に埋め込むための道具一式であり、これがなければテントを固定できないはず。慌ててつかさに道具を届けに行くオウカの前に飛び込んできた光景は
「ちょっと待ってつかささん!道具を忘れて――」
「え?」
 ガッ!という土が抉れる音と共につかさが金具に蹴りを入れているのだ。熟練の猟兵がなせる技と羅刹の怪力によって金具は見事に45度の角度で地面深くまで埋まっていた。
「オウカ、もしかして何か間違っていた?」
「えーあー。……うん!何も問題なし!!」
 こんな一幕も、また平和の証なのだろう。

「澪さん!」
「うん?……あ、えっと。確かアイシャさんよね?」
 自然あふれる森の中、翼で空を飛びながら木々から木の実や果実を分けてもらっていた栗花落・澪(泡沫の花・f03165)に声がかかる。声の主はアイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)。先ほどの戦いで一緒に戦った皆にお礼をしたいというアイシャに、いいよと返す澪。共に戦った仲間。今更改めて礼を言われるのもこそばゆい。
「所で、こんな所にいるって事は、食材集め?」
「はい!フィオさんとか、つかささん。とっても食べそうですし……足りるかなぁって。」
 確かにと、頷き返す澪。それに、ただでさえ大人数なのだ。食べられるものは多ければ多いほどいいだろう。
「それじゃあ、お礼の代わりじゃないけど、手伝わない?私も食材集めをしようかなって思ってたの。アイシャさんが探して、集めた物を私が拠点にもっていく、っていうのはどうかな?」
 そんな提案に二つ返事で返すアイシャ。一人よりも二人で、やれば早く終わるはず……では、あったのだが。
 数十分後――
「……ちょっと、休憩、水が、欲しい……」
「うわわ!澪さん水です!ゆっくり、ゆっくり飲んで!」
 元々、腕力がない澪に、先ほどの激戦の疲れ。そしてそれを洗い流し奮い立たせていた勝利の熱気の収まり。それらが重なったのだろう。アイシャから受け取った水を飲みほして一息つく澪。
「……ちょっと浮かれすぎて、いつもより多く持ちすぎたかも」
「澪さんは悪くないですよ!……でもどうしましょうか?」
 張り切って集めた食材は既に、澪とアイシャの二人では往復をしなければいけない程度には溜まっていた。
「仕方ない。誰か人を呼んで――」
「ほう?お前達、こんな所にいたのか」
 木々の間から掛けられた声には聞き覚えがあった。エステシア・プライド(黄金竜の女王・f02772)。聞けば、野営に炎の彩を添える為のキャンプファイアーの材料となる木を探していたのだという。
「なるほど。では余に任せるがいい。その程度のなど荷物の内にも入らん。」
 ひょいと両手で抱えてしまうのは、竜の王を称するだけの力の証明。意気揚々と3人は野営地へと戻るのであった。

「手足の形は鶏に近い気がしますね」
「どういう所が食べられそうリヴィちゃん?」
「脚や胸、尻尾とかが、肉付きはいいように感じますね。」
 調理担当である内の二人であるアメリア・イアハッター(想空流・f01896)とオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)。UDCアースにあるような、洗練された調理器具がない以上、手持ちの物で何とかするしかないと、オリヴィアの獲物である槍で綺麗に鱗を削ぎ、ワイバーンを手早く解体していく。その様を横で見ながら料理に使えそうな部分を吟味するアメリア。
「ふふふ、今こそ、この【恐ろしいぐらい物凄く良く斬れる包丁】の出番なんだよ!食材、覚悟!」
フィオ・グラート(おいしく!楽しく!元気よく!・f03872)が手に持つのは依然ネットショッピングで買った【その刃はあらゆる物を切り裂く】という謳い文句が付けられたただの包丁……のはずなのだが。猟兵としての力がそうさせたのだろうか。十分武器にも対応できるだけのものになっていた。それを使いワイバーンの解体を手伝うフィオ。
「んー、リヴィちゃんからもらったチーズで……」
「アメリアさん、帰りましたー」
「お、もう解体が始まっているのね」
「澪ちゃんにつかさちゃん!お帰り!!」
 二人の帰還を祝う言葉に、自分は荷物を運びに来ただけだからと返すつかさ。エステシアによって運ばれた食材はつかさにバトンタッチ。木の実、ハーブ類を含む野草、果実等、自然の恵みともいえる物を前にして、それぞれが自身の作る料理のインスピレーションを働かせていく。
「アメリアとオリヴィアがお肉担当ってことでいいのよね?」
「そんな感じかな?ヘスちゃんは?」
「お肉料理は十分みたいだし、私は野菜のスープでもしてみようかしら」
 大鍋を両手にもつヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)。あまり難しいものをするつもりは無いけど。と、澪達が調達した食材からスープに使えそうな物を二つ、三つと選んでいく。
「あ、僕も果物をもらっていい?やってみたい物があるんだ」
 澪はデザート担当。自ら取ってきた瑞瑞しい果実をいくつか手に取ると、ナイフを片手に作業に入る。
「では、お先に調理に移らせていただきますねアメリアさん。トッピングはお任せしますね?」
「はーい。……んーステーキにあう……チーズ……うん、よし!」
 解体した肉をもってオリヴィアも調理に移る。それに少し遅れてアメリアもオリヴィアの作るステーキに合うトッピングの調理を開始するのだった。

「ふむ、なかなかうまくできたではないか。」
 組み上げたキャンプファイアーに炎の魔術で火をともすエステシア。轟々と音を立てて燃え上がる炎は、猟兵達の宴会を盛り上げる物でもあり、エステシアを含む幾人にとっては躯の海へと還った竜達の弔いでもあった。だが、弔い方というのはさまざまある。思いを寄せる物、黙祷をささげる物。様々ある中で一番はやはり、勝利を謳う事ではないだろうか。
「むー……正純さんどこ行ったのかな。帰っちゃったかな?」
 その中をきょろきょろと正純を探し回るオウカ。賭けの報酬をいただくべく探していたのだが、どこにも見つからない。猟兵という存在である以上、どうしても急用ができるということもあるだろう。賭けの清算は後日ということになりそうだ。
「皆ご飯だよー!」
 フィオのその言葉と共にこの場にいるすべての猟兵達が席に座り、出来上がった料理がテーブルの上へと順番に運ばれていく。
 まず並んだのはヘスティアの作った豆とタマネギのスープだ。黄金色に輝くスープの中には多少なり雑に切られた野菜がゴロゴロと転がっている。故に、食べ応えがあって、野菜の中にほんのりとしみ込んだスープが暖かな味。実に家庭的と言えるのではないだろうか。
「何これ美味しい!ヘスちゃんすごいー!」
「別に褒められるほどじゃないわよ。誰でもちょっと努力すればできることだって」 
 口ではそういうが内心、口に合うかわからないと思っていたこともあり、美味しいと言ってくれた事がとても嬉しいヘスティア。猟兵達から称賛される彼女の料理を皮切りに、次々と料理が運び込まれてくる。
「では次は私の料理ですね」
 そういうとオリヴィアが持ってきたのはワイバーン肉のステーキ。食べられそうな所を削げるだけ削いで作ったステーキ故、どこの場所かといわれると分からない。だがそんな事がどうでもよくなる位の赤身の肉のしっかりとした歯ごたえ、そして厚み。オリヴィアの魔法の炎の絶妙な火加減によって焼かれたそれが。それらが何枚も、大量になるというのであれば文句もないだろう。高級店の牛肉よりもこちらのほうが好きだという愛好家もこれからできてくるかもしれない。
「ふふん、そしてこのステーキにー」
「焼けたのね。じゃあ頂きまーす」
「ちょっと待ってつかさちゃん!?」
 むしゃりとかぶりつくのはつかさ。なんの味付けもなくただ肉のうま味だけを食うというという豪快な食べ方。
「ああ、いいわぁ。この命を喰らうような野性的な味……たまらないわ。」
「もう!ちゃんと見ててよ!こうするともっとおいしいんだから!」
 そういってアメリアは自分の作った小さな揚げ料理を持ってくる。
 いや、否。これは料理などではなかった。このステーキに合わせるために作られたトッピング。チーズに薄く衣をつけて揚げた物。未だチーズは固まっておらず、ステーキの上で揚げチーズにナイフを入れると、ドロリとチーズがステーキへと流れだし、少し油で焦げたチーズの匂いとワイバーンの持つ肉の匂いが交互に猟兵達の鼻をくすぐる。
 結論から言って、そんな料理がまずいわけがない。次々に舌鼓を打つ猟兵達の元に届けられたのは澪の料理。綺麗に中身をくりぬかれた果実の器に蜂蜜や水飴が入れられた物。これを食べるのかといえばそうではなく
「果物や木の実を一口サイズの花や星を作って、串に刺してみたのです」
 そしてフルーツブーケ風に飾り付けされたそれらを手に取って、蜂蜜や水飴をお好みでつける。自然の甘さに濃厚な甘さが重なり、先ほどの暴力的なうま味の肉を食べきった体を今度は甘く包み込む。この多幸感はそうそう味わえるものではないだろう。猟兵達が称賛や感謝の言葉を料理人たちへと投げかけ、ほんの少しの小休止が生まれた。

「本当にあの時はありがとうございました。おかげで命拾いしました」
「私もあなた達のおかげで色々助かったわ」
「いえ!私もお役に立ててよかったです!」
「うんうん、それにワイバーンも美味しかったし!」
 それは戦士の語らいから始まった。傷を負ったエンが治したアイシャにお礼を言いたいと会いに行ったのが始まりで、そこにフィオ、ヘスティアと加わりいつしか他愛ない会話で笑って、喜んで、驚いて。星空の下で、篝火の横で話す言葉というのはどうしてこんなにも楽しくなるのだろうか。
「ヘスちゃん!躍ろう!」
 それをにアメリアが混ざる。親友の手を引き、夜空のカーテンを篝火で照らしながら、体が求めるままに動いてダンスを紡ぐ。そんな親友につられてくるくると。次は二人でくるくると。そしていつの間にか澪の歌声が夜空に響く。ここまで行けば後は、燃え広がるように。歌いたい者が歌って、踊りたいものが躍って、この流れはきっと、疲れ果てるまで終わらなくて。それほどに楽しい物。
 そんな中、後ろの騒ぎを楽しみながらも、篝火の前で静かに勝利の美酒を盃に注ぐエステシア。
「竜との愉しき戯れの刻も終わりか。また何れ相まみえようぞ」
 星空に立ち昇る火の粉の一粒一粒を、骸の海より蘇り、そして還りし同胞たちと思い静かに酒杯を傾ける。願うはその眠りが永久に穏やかなる事。その祈りが届くのかどうかはわからない。だが、祈る事に間違いはないだろう。

 戦いは終わった。夜が明ければまた新しい朝が来る。その摂理は猟兵達の活躍で守られたのだ。願わくば――この営みが永久に続くことを。そしてまた、このような幸せな時間が訪れることを。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト