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血塗られた活動写真

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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 実らず悲劇に終わる恋。または、悲しいほどに届かぬ相手を思い慕う恋。
 その切なくも美しい繊細な模様は、幸せな模様に負けず劣らず人気があり、古来より描いた物語や曲が多い。
「そんな悲恋物の映画が近々クランクインするそうで。……あちらの言い方だと映画じゃなくて『活動写真』でしたか」
 ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は原稿のデータが入ったタブレットをいじりながら猟兵達に話しかけた。
「帝都の街で、敵対する任侠の下っ端である男と跡取りである女が運命の出会いを果たしてしまい、両勢力の動向に振り回される、みたいな内容だそうです」
 UDCアースやヒーローズアースでも聞いたことがあるような内容だが、別の世界から来た者が持ち込んできたわけではない。どのような世界でも似たような物語を思い浮かべる者はいるのだろう。
 それだけ「苦難の多い恋愛」という物語は人々を魅了するのだ。
「で、この活動写真には任侠と任侠の争いのシーンが入るそうで」
 争いのシーンでは殺陣あり銃撃戦ありの派手なアクションが予定されている。ここにとある問題が確認された。
「このシーンで使われる武器が全て本物で、スタントマンや防具、合成技術の類は全く用意されていないそうです。まともに受けたら普通の人間は間違いなく死にます」
 ちなみにこのシーンの描写は、観た人々を飲み込ませるにはリアルな描写に拘らなくてはならない、と脚本家がゴリ押ししたらしい。
 常人ならば一笑に付してボツにしただろう。しかし監督もスタッフもスポンサーもなぜかその企画を通してしまった。
「調べた結果、どうやら脚本家が影朧で、何らかのユーベルコードを使って彼らを洗脳し、この企画を通させたようなのです」
 だが撮影の現場に当の脚本家の姿はない。演出の発動タイミングは監督らに一任しているからだというが、正味人が死にさえすればどのような形で終わろうと構わない、ということだろう。
「スタッフは洗脳によって人が死んでも粛々と撮影を続けるようです。つまり、死んでいるように見せかけられば完全にマークが外れるということです」
 撮影が終わったことを知らされればどこにいるか分からない脚本家も姿を現すだろう。そこを死んだふりをしていた猟兵達が一斉に起き上がって叩く……というのが猟兵側の真のシナリオである。当然この事実を相手側に悟らせてはならない。
「ちなみにこの活動写真が撮られることは当然まだ公にはなっておらず、この情報をリークした時点ではまだ主演以外の配役は決まっていませんでした。なので事前にこちらで皆様を斡旋しておきました」
 猟兵達が演じるのは主人公のカップルの身の回りにいる使用人や友人……総じて裏社会の住人達である。
 なおここで配るために事前に受け取っておいた台本を見聞したところ、「○○退場」という記述が多く見られた。
 この「退場」が「この世からの退場」という意味だとは台本を読んだ限りで看破することは極めて難しいだろう。
「最初に恋愛のシーンを撮って、それが終わってから抗争のシーンを撮るようです。抗争を先に撮ってしまって恋愛のシーンに出てくるはずの登場人物を死なせたくないんですかね? 矛盾しているようにも感じますが、くれぐれもこれは内密にお願いいたします」
 なおスタッフもあくまでも操られているだけで、この演出に心の底から賛同しているわけではない。なので彼らがうっかり巻き込まれないように立ち回る必要もあるだろう。
「それでは皆様を撮影現場にお送りいたします。くれぐれも『いのちだいじに』でお願いしますね!」


平岡祐樹
 サクラミラージュでも映画は撮れる。

 皆様、お疲れ様です。平岡祐樹です。

 ヒーローズアースでは平和に映画を撮れますが、サクラミラージュでは命がけの模様です。

 悪趣味な映画の脚本家となった影朧の暴挙を止めるべく皆様には俳優となってもらい、事故にわざと巻き込まれて死んだふりをしていただきます。

 全てのシーンが撮り終わったところでのこのこ現れた脚本家に種明かし、ドッキリ大成功と参りましょう。

 希望の配役や死に方、絶対に言っておきたいセリフなどがございましたらプレイングにお願い致します。なお役柄が被ってしまった場合は「先着順」で対応させていただきます。

 では撮影を始めます。よーい、アクション!
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第1章 日常 『帝都純愛浪漫譚』

POW   :    力業で助ける

SPD   :    搦め手で助ける

WIZ   :    緻密な作戦で助ける

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルタ・ユーザック
【跡取りのお嬢様を寡黙に護衛する役の一人として参加。あるシーンで、お嬢様が防弾使用の車から降りた際に、敵対勢力が銃器を持って突撃してきてマシンガンの類を乱射】
「・・・っ!!」
咄嗟にお嬢様を自分の体で隠しながら、車に押し込み発車して貰う・・・
わたしは、足止めのために少しでも敵の目の前に立ち続けると当然・・・わたしに撃ってくるよね・・・

【乱射で蜂の巣にされ】
「っ・・・・ぁっ・・・」
【大量出血しながら倒れ】

『死への旅路からの引き戻し』を体内で発動し、弾が貫通し次第回復・・・
これで、見た目には大量出血して死んでるように見せつつ、実際は無傷なんだけど・・・めちゃくちゃ痛い・・・

ネタバレまで休ませて・・・


フィカラッテ・トーカ
アドリブ歓迎、配役調整OK
[WIZ]誰か一人でも庇えたら。多少の怪我も気にせずに
通常口調は中性的、スタッフ相手には敬語です
基本的な演技力は中の上

「(恋、か。僕にはよく解らないけれど)」

羽は畳んで、花は…まあ誤魔化せるかな?
【使用人の一人に扮して】帝都らしい装いも初で少しそわそわ
綺麗な恰好だけど、血糊で汚れちゃうのか
でも本物の血よりはずっといいよね

端役の立ち位置を生かして、一般人への被害にも気を配りつつ
「あぶなーい!」
ここぞというときにちょっと微妙な演技力
誰かを庇って派手にばたり 渾身のしんだふり!
少しでも被害を減らせたなら、フィカはとても嬉しいです!



♢act.1「見合い」
 機械の羽を折り畳み、服の中に隠したフィカラッテ・トーカ(Miracle Replica・f25547)はキョロキョロと辺りを見渡す。
 桜の精、という頭部に桜の枝を生やした種族がいることでフィカの頭部につけられた偽物の花は違和感なく溶け込んでいた。
「どこを見ているのです、そろそろ車が来ますよ」
「は、はい!」
 料亭の門から出て来たアルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)に声をかけられ、フィカは襟をただして直立不動の体勢を取る。
 今日は自分達が仕える組長の娘のお見合いの日である。アルタとフィカは前もって会場となる料亭に入り、害する存在が紛れ込んでいないかどうかを確かめる役目も担っていた。
 そして毒物の類や暗殺者の類が料亭の中だけでなく周囲にもいないことを確認し終わり、組長一家が到着するのを待つのみとなっていた。
 今回その役目を与えられたのが女性だけなのは、男女等しく扱っているという相手へのアピールのためか、娘からのお願いだったのか、はたまた別の思惑があったのか、そこは定かではない。
 しかし命じられた以上粛々と行うのが組の掟であった。
「先輩、お館様方はどちらから来るんでしょう?」
「お館様を歩かせるわけが無いだろう、右からだ右」
 そんな会話をしているとスモークが貼られた、見覚えのある黒いリムジンがアルタの言う通り右からやって来た。見た目はただの高級車であるが、その辺の拳銃では相手にならないほどの防弾加工が施されている特注品である。
 2人は向かい合うようにして門の両脇に立ち、リムジンが止まるのを待つ。
 そしてアルタがドアを開けると、少し遅れて高い紋付袴に身を包んだ壮年の男性が現れ、続けて赤い柄物の着物を身につけた幼い少女が出て来た。
 彼らがアルタとフィカが守るべき長とその愛娘であった。
「お疲れ様でございます」
 門の奥にある家屋の前で料亭の仲居達が頭を下げる中、奥から割烹着を着た若い男性が走ってこちらにやってきた。
 しかしフィカはその動きに違和感を覚えた。もし直前まで仕込みをしていて遅れてしまったとしても、この場に出てくるのは料理長のはずである。あんなせいぜい一、二年しか働いてないペーペーが出て来る訳がない。
 そこまで考えたフィカは、履き物もせずに外に出て来た男が服の下から何かを取り出す前に、組長と娘を守るべく咄嗟に飛び出した。
「あぶなーい!」
 フィカの体がサブマシンガンから放たれる弾丸が蜂の巣にされる。
「フィカ!」
 仲居達から悲鳴が上がる中、アルタは咄嗟に刀を抜きながら前に出るとフィカを殺した曲者を両断しようとする。
 男はサブマシンガンを横に構えて盾にし、間一髪で胴体を守る。鉄砲玉だったとしてもかなりの名腕なのかもしれない。
 真っ二つにされてしまったマシンガンを投げ捨て、後ろを向いて料亭に駆け戻る男を深追いはせず、アルタはフィカが撃たれた方向以外からの刺客に備えながら組長の体が隠れるように割り込む。
 そしてフィカが全身血塗れになって倒れているのを見て、腰が抜かした娘を組長と一緒に車の中へ押し込んだ。
「くっ、すぐに車を出せ!」
 組長が運転手に大声で呼びかけながら扉が閉めると同時にアルタを轢きかねない勢いでアクセルが踏み込まれ、法定速度を無視して勢い良く車が料亭から離れていった。
 その直後、アルタの背中に立て続けに痛みと衝撃が走った。
「っ……ぁっ……」
 サブマシンガンやガトリング砲の類を持っている者は周囲にはいない。射程から逆算してもおそらく近くの建物から撃ったとしてもここまで届かない。
 つまりライフル銃を上手く隠し切った存在もこの周囲に、しかも何人も隠れていた……ということになる。
「……っ!!」
 自分達の目は節穴だったのか、と悔やみながらアルタの意識はブラックアウトした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三日月・蓮華(サポート)
 賢い動物のウィザード×クレリック、12歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、覚醒時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 天才を自称していますが知識は年相応。困った時は賢者の書(難解な字で書かれた分厚い絵付きの本)を取り出して読み解決法を探しますが、時により解決できたりできなかったり。
 敵には勿論自分に危害を加える相手には例えイェーガーでも容赦せず攻撃します。
 無垢ですぐ騙されます。
 頭を撫でられるのが大好きで撫でられるとほにゃほにゃと溶けます。
 甘い物が大好きですが最近は体型を気にするように(でも食べる)。


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



♢act.2「逢引」
「お嬢様、お父上と妹様が襲われたそうです」
 着慣れないきっちりとしたメイド服に身を包んだグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)がそう伝えると、お嬢様と呼ばれた女性は膝の上に乗せていた三日月・蓮華(自称天才ウィザード・f25371)の頭を撫でながら目を細めた。
「お二方に怪我はありませんでしたが、家の者に死人が出ました。そのため本日の見合い『も』中止となりました」
 もう何度同じ内容を告げたか分からない、届いたばかりの報告をグレナディンは述べる。
 聴き慣れてしまったのか、女性の反応も気薄だった。
「そう……また今回の殿方も縁がなかった、ということでしょうか」
「……残念では、なさそうですね?」
「そうかしら?」
 グレナディンからの問いかけに女性が首を傾げていると蓮華が「ふぁー」っと声を上げながら大きな欠伸を浮かべると膝の上から跳び降りて西洋式の庭へと歩き出した。
「あら蓮華、どこに行くの?」
 蓮華を追いかけた女性の姿が見えなくなったところで、グレナディンは大きなため息を吐くと女性が座っていた椅子にどっかりと座る。そしてポケットに忍ばせていた煙管を取り出し、火を寄せた。
「はぁ……幾つになってもこういう台詞っていうのは慣れないね。身震いするかと思うよ……」
 堂々と煙管を吸っていても撮影スタッフは一切注意も見向きもせずに次の現場へと向かっていく。その様子が単純なプログラミングしかされていない機械のように見えたグレナディンは灰色の煙を漂わせながら眉間にシワを寄せた。
「……まぁ、頼まれちまったもんはしょうがないさね。毒は食らわば皿まで、ってね……」
 一方その頃、撮影が続いている蓮華は小さな体を活かして迷路状になっている生垣を潜って突破し、目的地へとたどり着いていた。
「お、蓮華。元気にしてたか? ほら、お土産のクッキーだぞ?」
 蓮華の姿に気付いた青年は人懐っこそうな笑みを浮かべると屈んで、ポケットからクッキーが入った袋を取り出した。
「わー、クッキーだー!」
 差し出された袋を両手で受け取ると、蓮華は器用にリボンを解いて中身をサクサクと食べ始めた。
 メルヘンな世界観でもないのに関わらず、動物がお菓子を食べたり言葉を発していることは色々とアウトな気がするが、カチンコが鳴る気配は無かった。
「都郎!」
 そんな一人と一匹を見つけた女性が嬉しそうな声をあげて駆け寄る。
 都郎と呼ばれた青年は笑顔を浮かべながら両腕を広げるとその突進をしっかりと受け止めた。
「……今日も何とか凌げたわ。ありがとう」
「親父さんが聞いたら怒髪天をつくだろうな。……まさか愛しい娘が敵の組に情報を回しているだなんて」
「あなた以外の男性と契りを結ぶくらいなら、うちの人なんていくらでも差し出すわ」
「おお怖い怖い。……だけど、この手はもう使えそうにない」
 都郎は真面目な表情を浮かべると女性の肩に手をやりながら、体を引き離した。
「何度も見合いを邪魔されたことで親父さんがウチの組に喧嘩を吹っかけようとしている。……たぶん今度の見合いの日時に来る前に」
「そんな!」
 いくら敵対する組への強襲を成功させる情報を仕入れてきたと言えども、都郎はまだ抗争が起きたら真っ先に血の海に沈む立場である。告げられた事実に女性は顔を上げて首を振った。
「どうすればいいかしら蓮華……って言っても答えられないか」
 反射的に話しかけたが、蓮華はクッキー両手に頭を傾けるだけである。……さっきまで喋っていただろう、というツッコミはおそらく編集で共にカットされるのだろう。
「お嬢様、お嬢様?」
 生垣の奥からグレナディンの声が聞こえてくる。女性はその声がした方を向いた後、名残惜しそうにしながら蓮華を抱き上げた。
「ばあやが呼んでいるわ」
「……そうだな。また会おう」
 都郎は「親族しか知らないはずの隠し通路」の扉を開けて中に滑り込む。そして扉が閉まるのとほぼ同時にグレナディンが姿を見せた。
「こちらにおられましたか。お父上と妹様がお帰りになられました」
「そう、すぐに行くわ」
 グレナディンは上機嫌な蓮華の口と手に、お菓子の食べカスが付いているのをわざと見逃し、踵を返した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

南護・炎(サポート)
 人間の剣豪×パラディン、18歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、級友には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



♢act.3「風雲急」
「……遅かったな」
 都郎が組の支部がある建物に入ると、南護・炎(人間の剣豪・f23789)がちょうど出て来た所だった。
「お疲れ様です炎さん。少し道に迷ってしまいまして」
「……そうか。まぁいい」
 都郎の虚偽の言い訳に対し、炎は素っ気なく答える。
 最近相手の組の情報を的確に見抜き、結果を出して来ているとはいえ、1つ歳上でも立場的には下である都郎に興味はないのだろう……と都郎は思っていたが直立不動になった都郎を置いて炎は支部の中へ戻っていく。どうやら都郎に用があったらしい。
 都郎が慌ててその後を追うと、炎は不意に振り返った。
「明日だ。書きたいことがあったら残しておけ」
「あし……!?」
「そうだ、明日だ」
 今、この組で日にちが関わる事柄といえば、彼女の生家を襲うことである。次の見合いの日にちが決まるまでは余裕があると思っていた都郎は反射的に聞き返してしまった。
「それは、少し、早急過ぎでは……!?」
「いや、今回偶然にも組の頭の前で構成員を殺すことが出来た。あちらが泡を食っている今こそ一気呵成にやるべきだと上が判断した」
 組長のすぐ前に暗殺者が現れ、殺されはしなかったものの逃亡も許してしまった……という事実は組長の頭に血を昇らせるだけでなく、構成員の間に不安や疑問を生むことに成功させている。さらに相手は自分達から攻める気でいるため、守備側に回ることは考えていない。
 そんな状況で攻め込まれればすぐに相手は瓦解するだろう……と考えるのは当然のことだった。
「こう上手く行っているのはお前が相手の一挙一足を伝えてくれたからだ。……明日も期待しているぞ」
 そう言い残して炎は自分の部屋に入る。
 上が判断した以上、都郎程度がその結果を覆すことなど出来ない。都郎は一人、呆然と廊下に立ち尽くしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア(サポート)
「我が武を以て挑ませて貰うぞ!」



一人称
おれ

二人称
あんた(敵でも尊敬できる人
お前(敵
貴様(激怒した時

エルフの女の子だが突撃志向で戦闘を好む

基本戦術
【戦闘知識】で敵の動きや陣形等の捕捉と把握
闘いながら敵の性質や心の在り方の把握に努める

その後は敵陣に突撃して暴れまわる

【空中戦】を好んで空間全てを利用した闘い方を好む

敵の攻撃に対しては
【見切り・第六感・残像】を駆使して回避

ユベコで主に使うのは
グラビティブラスト(敵が多数の時
【一斉放射】で破壊力増強
メテオブラスト(敵が単体の時
【踏み付け】で破壊力増強

基本フォローが目的なんだろうが
おれはやっぱり之が一番得意だからな

全霊を以て暴れまわるぞーーーー!!!


アスワド・ウォールナッツ
WIZ判定/アドリブ&調整歓迎

【心情】
こんにちはぁ、エルフ医師のアスワドです。おやぁ、これが映画というものですか。あいにく芝居の経験はありませんが、折角ですから、派手に演出したいところですねぇ。

【行動】
それでは、私は「お屋敷のお抱え医師」に扮してお嬢様の診察を担当しましょうか。長耳は髪で隠し、定期検診と称して彼女の体調を伺います。

轟音が鳴り響くのはその直後です。
敵さんが窓越しに銃撃してくるので、「ーーお嬢様!!」と一声、私は【見切り】で素早く彼女を庇い、代わりに銃弾を受けて硝子の破片を頭から浴びます。
最後は「く……ッ、か、はッ……」と呻きながら、胸と口腔に仕込んだ血糊袋を破裂させましょう。



♢act.4「襲撃」
「アスワド先生!」
 後ろから声をかけられたアスワド・ウォールナッツ(褐色のエルフ医師・f27107)が振り返ると心配そうな面持ちの洋装の女性がパタパタと小走りで階段を駆け下りていた。
「おや、真理亜お嬢様。そんなに急いでどうされたのですか?」
「申し訳ありません、わざわざ来ていただいて」
 真理亜はアスワドの手前で足を止めると、ロングスカートを整えてからお辞儀をする。アスワドは手を振りつつ苦笑いを浮かべた。
「いえ、来るのは決まっていたことですから。……ただ、仕事量が昨日の今日で増えるとは思っていなかっただけで」
 今日は前もって決められていた定期検診の日だった。アスワドとしてはついでに真理亜お嬢様のお見合いの正否も聞く日か……と思っていたのだが、昨日の襲撃によって全ておじゃんになってしまった。
「……妹は、どうでしたか」
「やはり目の前で死なれたことが強いショックとなっております。亡くなられた方は、お付きとまではいかないものの、しょっちゅう遊んでくださっていた方だったのでしょう?」
 必死に庇ってくれた結果、妹の体には傷がつかなかったものの心には大きなヒビが入ってしまった。昨晩は夜泣きがすごく、母が徹夜で寝かしつけていた。
「……そうだと、聞いております」
「妹様が料亭のお庭を見て回りたい、と仰ったのでお嬢様よりも先に出て行かれたのですよね。……結果的にはそれによって難を逃れた、ということになりますが」
 父が、このようなことになるのであれば我儘を聞くのでは無かった、と嘆き怒り悲しむ様を真理亜は遠目で見た。
 家に転がり込んできた赤の他人が死ぬのは構わないが、肉親に害が及ぶことは全く考えてなかった。この出来事が自分が影で起こした我儘が原因だと知ったら、父はどう思うだろう……と真理亜は今更ながら想いを馳せていた。
「とりあえず、お父様の分を終えてからお嬢様の元に伺います。それまではお部屋でお待ち……」
 轟音によって言葉が遮られ、一つ上の階の壁ごと窓が壊される。
「お嬢様!!」
 素早く真理亜を庇ったアスワドが硝子や混凝土の破片を頭から浴びる中、背中にそれらとは違う勢いのある衝撃が起きた。
「く……ッ、か、はッ……」
「先生!?」
「まずは一人目、か」
 壁に開いた大穴から顔を出した赤い龍の背から飛び降りたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はニヤリと狂気じみた笑みを浮かべる。
「しかも上のお嬢様も一緒ときたもんだ。これは早速当たりくじを引いちまったみたいだな!」
「お、じょう、さま……おにげ、くだ、さ」
「死に損ないは黙っときな」
 普段は使い慣れない銃でアスワドの背中を撃ち抜くとゆっくりと真理亜へと視線を移す。
「さて、次はあんただ……と言いたいところだが人質に取った方がいいか」
 間近で主治医の死を見た真理亜は手足を動かそうとするが、腰が抜けてしまってる今、声も出せない上に大して距離を取ることは出来ない。
「宣戦布告なんだから、いっそのことこの屋敷に火を放ってから帰るとするか。あんたはどう思う?」
 ほんの数歩で追いついたテラは真理亜の首元を銃床で殴りつけ、気絶させた。
「これから先は見せられねぇからな。素人さんは眠っておきな……よっと」
 アドリブだと考えたのか、そもそもセリフなど重要だと考えていないのか、台本に無い言葉を発してもカメラは回り続ける。自分よりも大きな真理亜の体を抱き上げたテラは待っていた龍の背に飛び乗る。
「そんじゃ紅龍。一丁ド派手に頼むぞ!」
 紅龍は屋敷の周りを一回りして体に纏っている紅蓮の炎を移し、息を吹きかけてその勢いを増させる。あと数刻すればこの炎は勝手に周りへ延焼していくだろう。
 しかしこれだけのんびりと動いていれば、敵の構成員も流石に集まってくる。
 燃えていることに気づき、避難と消火のために奔走する人々の様子を高みから見物しながら、テラは悠々と本拠地へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『ここはキネマのパラダイス』

POW   :    スタントマンや警備員や肉体派俳優として参加する。

SPD   :    撮影や照明や録音等や演技派俳優として参加する。

WIZ   :    スタアのマネージャーや助監督や知性派俳優として参加する。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


♢ Behind the scenes
「おやおや、まだ本番でもないと言うのにこんなにもう死んでくれたのか」
 全身を緑色の肌に包んだ男は、舞台裏に乱雑に置かれた死体袋を見て満足そうに頷く。身動き一つしないそれらの中身を確認することなく、男はくるくるとダンスのステップを踏むように回る。
「次はお待ちかねの抗争のシーン。……アドリブでなくても人が勝手に死んでいく素晴らしき展開だ。さぁ、どんどんこの舞台をさらに血で染め上げてくれ……!」
 楽しげに笑う男の声を遮るように、カチンコの音が鳴り響いた。
隣・人(サポート)
『隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくd』
バーチャルキャラクターの殺人鬼 × パーラーメイド
年齢 20歳 女
外見 158.4cm 赤い瞳 茶色の髪 色白の肌
特徴 囚われていた 実は奴隷だった ハイテンション! いつも笑顔 刺激に敏感
口調 隣人【ジコ担当】(自分の名前+ちゃん、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)
恋人には 収容違反(私、アンタ、ね、よ、なの、かしら?)
人型のオブリビオンが相手だと三半規管を狙います
それはもう執拗に狙います
相手が『見せられなく』なるまで

真の姿の際は『殺人』特化
普段とは違い、シリアスな感じでお願い致します


クレア・ベルディモード(サポート)
かわいい忠犬系お嬢様。
ギャグやお色気シーンの被害者要因。
割とひどい目にあっても健気に頑張ります。
天然でボケて、常識でツッコミをするタイプ。
勉強は出来る方なので、知識面ではそれなりに。
礼儀作法はお手の物、内心はともかく自信に溢れた笑みを浮かべ貴族らしく振舞う事は出来ます。
戦闘面ではいまいちですが、精神面ではどんなにボロボロになりながらも折れない鋼メンタルです。
貴族としての矜持もあり、庶民を守る義務と責任の為に無茶をすることも。

ヤラレ役、あるいは周囲を称賛する役大歓迎。
正直、貴族より農民が向いてる。



♢act.5「行儀見習」
 華族社会には、下級華族や商家の娘などが、縁のある上級華族のもとへ数年間奉公に出る際に、女中として仕える習わしがある。
 それは雇用者宅を訪ねる客人への接待を通じて、物言いや挨拶の仕方を会得しつつ、人物を見る目を養うためであった。
 その見返りとして雇用者夫妻の身の回りの世話をはじめ、外出のお伴に子弟の養育、仏壇回りや上座敷の掃除などを担った。
 そしてこの家も表向きの姿は華族として振る舞っている。そのため、何人かの令嬢を家に受け入れ、教育を行なっていた。
「ふう、これでお洗濯は終了ですわね!」
 そんな女中のうちの1人、クレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)は風にはためく大量の洗濯物で埋め尽くされた庭を見て、充実した息を吐いていた。
「お疲れ様ですクレアさん」
「あ、隣人先輩!」
 本邸からは見えない使用人用の別邸同士を繋ぐ通路を通りかかった隣・人(六六六番外・f13161)が声をかけてきた。クレアよりもこの家に来た時期は遅いが、他の家から移籍してきただけであってクレアよりも職歴は長い。
 そのためクレアは尊敬の意味も込めて親しげに先輩呼びをしていた。
「それでお洗濯はおしまいですか?」
「はい、そうです! 何かご用がありましたか?」
「良いタイミングですねちょうど今良いお茶の葉が入ったところなんですよ。休憩時間がてら一緒にお茶しませんこと?」
「あ、いただきます!」
 隣人からの申し出に一切の躊躇なく頷いたクレアは、先導に従って休憩用の部屋に入った。
「では、お茶を用意しますので少々お待ちくださいね」
「はい!」
 元気よく頷いたクレアは何の気無しに、開き放しになっている入り口から庭を眺める。
 すると本邸の方から炎の柱が立ったのが見えた。
「あれ、火……!?」
 見間違いかと思い、クレアは思わず前屈みになる。するとそれが決して見間違いではなく、徐々に燃え広がっていることが分かってしまった。
「た、大変です先輩! お屋敷が、本邸が燃えてます!」
「おや、はじまりましたか」
「はじまりましたか、って、ひぃやぁぁぁぁぁっ!?」
 後ろにいつのまにかいた隣人が平然と呟いたことに違和感を感じていると、座っていた椅子だった物がコーヒーカップに代わり、座っていたクレアの体は中に落ちてしまう。
『隣人ちゃんと一緒に遊びましょう。ほら。あなたの席は此処ですよ!!!』
 そしてコーヒーカップの中で原理不明の爆発が起こるとグルグルと地面が回り出した。
「あはははは! 楽しいですね!! 楽しいでしょう?!」
 自分自身もクルクル回りながら隣人は笑う。その狂ったような笑い声を聞きつけた荒事担当の使用人が部屋に飛び込む。
「おい、大丈夫か!」
「おやあなたも隣人ちゃんのお茶会に参加されたいのですか良いですよいくらでもお茶はご用意できますから遠慮せずに召し上がってくださいな!」
 マシンガントークで語る隣人とその周りで回るコーヒーカップのうちの一つが使用人を捕まえようと迫る。
 使用人は咄嗟に服の中に隠し持っていた銃を取り出すと、早撃ちでそのカップと隣人の頭を射抜いた。
「いったい、何だってんだ……!?」
 隣人が倒れて動かなくなったのを確認した使用人は続けて、まだ割れていないコーヒーカップの中を覗き込む。
 そこにクレアの姿は無く、代わりに鉄の臭いがする赤く生暖かい液体が満杯に近い量溜まっていた。
「これは、血……!? まさか、おい、誰かいないか!」
 本邸だけでなく別邸にも敵が忍び込んでいるかもしれない、という考えに至った使用人は大声をあげて飛び出していった。
 それは応援を呼ぶためか、それとも恐怖の現実から目を背けるためだったのか。本当の気持ちは彼のみぞ知る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アスワド・ウォールナッツ
アド◎WIZ

流れ弾が心配ですね。私は小回りのきくマネージャーに扮して、スタッフ陣を避難させます。結果的に猟兵達も動きやすくなれば、万々歳です。

しかし……影朧の洗脳下とあれば、彼等との意思疎通は難しそうですねぇ……、ここは物理的な手段を選びましょう。
撮影に夢中であろうスタッフ陣の背後に回り、【部位破壊】【医術】を用いて、相手を失神させる程度の急所突きを素早く行います。
これだけ死人が出ようと黙々とカメラを回す方々ですから、誰かが気絶した所で気にも止めないのでは。
失神者達は家屋の影など、安全な場所へ寝かせましょう。緊急時とは言え、冷たい地面に転がしてすみません。後程、温かい薬草茶をご用意致します。



♢act.6「通告」
 燃え盛る本邸を消火すべく、多くの使用人たちがバケツや消火器を持って走る。
「あ、アスワド先生!」
 そんな火の海から覚束ない足取りのアスワドが現れた。今にも倒れそうだったその体を近くに偶然いた組員が受け止める。
「こんな大怪我……何があったんすか!」
「大変だ……真理亜お嬢様が拐われた……」
「なっ……!?」
「この火は、犯人が、つけた。この混乱に乗じて、もう、逃げている、だろう……」
 アスワドの言葉によって、水を補充しに行こうとしていた使用人達の足が止まる。そして怒声があちこちで響き渡った。
「あの野郎ども、先を取りやがったか!」
「最近襲撃に成功してるからって、舐めてんじゃねぇぞ!」
「お前ら、すぐにカチコミの準備だ! 奴らの高くなった鼻をへし折るぞ!」
 組長の2人の娘が次々に拐われたり心に傷を負わされたという事実に、我慢の限界がついに超えられたらしい。血の気の多い者は、消火作業を投げ出し武器庫へと走り出していった。
「そらよりアスワドさん、怪我は……!?」
 あらゆる衣服が血で濡れているアスワドを壁に寄りかからせつつ、受け止めた組員が問いかける。
「大丈夫、私は医者だ。怪我の度合いなど簡単に分かる。今は私よりも優先すべき事柄がいくつもあるんじゃないか?」
 アスワドが鼻で笑ってみせると、組員は明らかにホッとしたように頷き、バケツ片手に井戸のある方へ走り出した。
「……そう。もう手遅れだ」
 誰にも聞こえないように、アスワドはボソッと言葉を紡ぐ。
 そんな中、頭にバンドを巻いた男性がバケツを持ちながら前を通りかかった。
 台本では確か、彼はあの燃え盛る家屋に突入して、中の物が壊れていく様を撮る役目のスタッフだったはず。
 アスワドは最後の力を振り絞って立ち上がると、男の首元を素早く突いた。
 医師として体の構造を熟知していた者による一撃はあっさりと男の意識を刈り取る。しかしそれに対して周囲にいる俳優陣やスタッフは何のアクションも起こさなかった。
「緊急時とは言え、冷たい地面に転がしてすみません。後程、温かい薬草茶をご用意致します、よ」
 そう言い残して、アスワドはその場に倒れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャスティス・ボトムズ(サポート)
★アドリブ大歓迎

正義を執行することに全力を注ぐぜ。
敵と認識した相手は叩き潰す。
それが俺の正義だ。

俺は闘争や探索などあらゆるものをシンプルに考えて行動するのを好む。
戦い方は武器での攻撃と素手での格闘を敵を見て使い分けている。

物事はシンプルに考えて動いた方が白黒ついて分かりやすくなるってもんさ。

正義を執行するという意志は俺にとって絶対だ。
何があっても絶対にこれだけは曲げないぜ。

やること決めたら後は全力で突っ込んでいくだけだぜ。

技能は怪力、鎧砕き、存在感を使って力で問題解決を目指す。
正義を執行するのにはパワーをフルで発揮するのが俺好みだぜ。

正義の力で敵を叩き潰して、優しさを持って民間人に接するぜ。



♢act.7「反転」
 大量のワゴン車が列をなして住宅街を進んでいく。
「ここか? 一番近くのアジトってのは」
「ああ」
 運転席からの問いかけにジャスティス・ボトムズ(正義の執行者・f22965)は自信満々に頷いた。
 もちろん、こんなところにお嬢様が連れ込まれているとは誰も思っていない。
 ここに来たのは売られた喧嘩を買う、という意思表示のためだけである。
 見た目は普通の西洋式の一軒家を取り囲むように停車した車からゾロゾロと武装をした男たちが降りてくる。
「んじゃ、いくぜ」
 一切の逃走者を許さない、という固い意志を込めて同行者が頷いたのを見て、ジャスティスは拳を握り締めた。
『正義執行! ぶっ飛ばすぜ!』
 ひしゃげたシャッターが中にあった車の正面ガラスにぶつかって音をたてる。
 そして雪崩のようにそれぞれの得物を構えた突入部隊が突っ込んでいった。
 家の中では大量の構成員と武器で埋め尽くされており、さらなる追撃をかけようとしていたことが伺えたが、このタイミングで突っ込んでくるとは思っていなかったのか皆、目を丸くして狼狽していた。
「な、なんで我々のうご」
 驚愕の声を上げる者を殴って黙らせる。その間にも他の者達も金属バットを振り回したり、銃を連射することで敵を黙らせていった。
「おう、ここに隠し部屋の類はねぇのか? ああ?」
 襟を掴まれて無理矢理立ち上がらされた敵の男は、殴られた鼻と口から血を流しながら必死に首を振る。
 もしかしたら……という淡い想いを抱いていたジャスティスは息を吐く。仲間もその答えで興味を無くしたらしく男の体を引き寄せてから突き放した。
「ぐっ、くそ!」
 地面に叩きつけられた男は銃を懐から出して構える。
「危ない!」
 銃声が鳴ると同時に庇ったジャスティスの背中から鮮血が飛び散る。
「てめぇ!」
 別の者が素早く、銃を撃った男の頭を撃ち抜いたが、ジャスティスの体から力は抜け、その場に崩れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルンハルト・マッケンゼン(サポート)
『強大な敵と広大な戦場、共にあれかし!』
 人間の戦場傭兵×咎人殺し、21歳の男、しがない戦争屋にしてただの酔いどれです。
 普段の口調は「ハードボイルド」、酔った時は「酔いどれの誇り」です。

 UCはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



♢act.8「火蓋」
「あちらが先に動き出した、か」
 ベルンハルト・マッケンゼン(黄金炎の傭兵・f01418)は慌ただしさを増す屋敷の中でスキットルを煽っていた。
「ベルンハルト、何ボーッとしてるんだ! 早く体勢を取るんだ、奴らが来るぞ!」
 上の立場の男が怒鳴るとベルンハルトは口を拭って淡々と反論した。
「何を焦る必要がある? 元々今日はあちらに攻める日だったはずだ。全ての人員があの屋敷に篭っている訳がない、どのみち襲撃が成功したとしても戻ってくる時にはこうなっていたさ……フッ」
 鼻で笑われた男は顔を真っ赤にさせるが、さらに上の者に呼ばれ、忌々しげに睨みつけてから走り去っていった。
「さて、最寄の事務所が襲われてから10分。……そろそろ、か」
 鎖付きの懐中時計を懐から取り出し、中を確認したタイミングで木の板に何かが打ちつける音と怒声が聞こえて来る。
 ベルンハルトは傍らに立てかけていた得物を手に取ると、正面玄関へと歩き始めた。
 あれだけ示威行為として派手な動きをするのだ、こそこそと裏口から回るようなまどろっこしいことはしてこないだろう……という謎の信頼からくる予想は正しかった。
 正面玄関にはすでに殺気だった、見覚えのある仲間達が銃を構えていた。ベルンハルトは無言で陣取っている仲間を押し除けて前に出る。
 すると人混みで見えなくなっていた外を仕切る木製の門に外からひっきりなしに斧が打ち込まれ、ヒビが広がっているのが見えた。
 そのヒビからは多種多様な武器を持った敵組の構成員が、扉が壊れる時を今か今かと、待ち構えているのも見えた。
「かつて救ってもらったこの命。ここで散らすのも悪くはない、な」
 硬く閉ざされていた扉が壊されると同時に、ベルンハルトは片側の口角を上げながら、グレネードランチャーの引き金を引いた。
『Leck mich am Arsch!』
 扉が壊れた瞬間に前に出た者や、扉を壊していた者が爆風と弾の中に詰まっていた液体を浴びせかけられて、苦痛の声を上げる。
 そんな犠牲者達の惨状に怯むことなく、後ろに陣取っていた敵軍は一斉に突入してきた。
 機関銃を乱射し合う戦場に自ら足を踏み入れる決心をした者達は、お互いに守るべき物のために命を散らしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス、戦闘のみ
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技を使って、敵をしとめていこうか。

美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。


アーサー・ツヴァイク(サポート)
※何でも歓迎!

『貴様らの悪事は、お天道様はもちろん…何より俺が許さねぇ!』

俺はアーサー、改造人間だ。
普段は寝てばっかりだが…事件が起きたら即覚醒! 悪い奴らを太陽の向こう側までぶっ飛ばす正義のヒーロー【ドーンブレイカー】になって大暴れ、だぜ!
苦手な事は頭を使う事、得意な事はオブリビオンをぶっ飛ばす事だ!

NG行為はないつもりだが…ヒーローらしい動きの方がやりやすいな。まあ、策を弄する頭が無いから問題もないけどな!

冒険だと敵をぶっ飛ばしてどうのこうのって場面が少なそうだが…まあ何とかなるだろ!(無計画)

んじゃ、宜しく頼むぜ!!



♢act.9「乱戦」
 玄関口での防衛ラインが崩れて屋敷全体が戦場となる中、シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は用心棒と対峙していた。
「おうおうおう、人様の家で好き勝手してんじゃねぇぞ!」
 口上と共に上の階から飛び降りてきたアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)の拳をシェーラは咄嗟に取り出した二丁の銃で受け止める。
「……いつもの格好じゃないのかい?」
「あれじゃ雰囲気に合わないだろ? 今は舞台の上で精一杯舞ってやろうぜ」
 お互いに距離を取り合い、シェーラは防御に使った銃を確認する。どうやらあちら側は本気で殴りかかってきたようで銃身が僅かに歪んでいた。
「君がその気なら、僕も全力でやらせてもらおう。……今の言葉、後悔しないことだ」
 シェーラは息を吐くとジャグリングの要領で素早く銃を入れ替え、銃口に口付けた。
「『貴女の御前に傅く僕が、偉大な御身を讃える事をお許しください。貴女は例えば炎、果実、黄金。総てを降して天に座す、日輪が如き猛き花。』—— 金色夜叉」
 銃が金色に光り出し、シェーラの背を守るように金色に輝く騎士鎧を纏った女性の姿が浮かび上がる。その姿にアーサーは思わず口笛を吹いた。
「ドデカいの出してきやがったな……でもこっちも通すわけにはいかないんでね」
「やはり、この先にいるんだな?」
 シェーラの問いかけにアーサーは笑いかけるだけで答えない。しかしその反応と彼がここで待ち構えていたということだけでも十分だった。
「ならば、通させてもらう。雇い主のご希望だからな」
 女王が細身の剣を抜き払い、アーサーへ肉薄する。対してアーサーは左手に聖痕に力を集め、超高熱になった拳を突き出した。
『この手に宿る太陽の力…受けてみやがれえええええ!!!!』
 その熱によって周囲にある絨毯や壁が焦げ、精霊によって鍛え上げられた金属も変形し、その鋭さを失っていく。だが、敵の手はそれだけでは無かった。
「僕のことを忘れないでいただけるかな?」
 真横に飛び出し、放たれた弾丸がアーサーの体を立て続けに貫く。その痛みでアーサーの集中が切れて体勢が崩れた所を、女王が打ち抜いた。
 切れ味は失われても鈍器としての性能は残っている。バット代わりに振り回された剣に乗せられてしまったアーサーの体は窓を突き破って外の庭へと落ちていった。
 この場所は2階であり、近くに出入口は無い。壁や窓を壊さなければ遠回りするしかなく、壊したとしてもあれだけの傷を負っていれば常人ではすぐに動けない。
 さらにあちこちで派手な音が上がっている今、誰かが異変を察知し、様子を見にこちらへやって来ることはないだろう。
 しかし愛剣が半壊したのがショックだったのか、女王は鞘に戻さずじっと刀身を見つめている。兜を被っているため分からないが、ひょっとしたら涙目になっているかもしれない。
「……この仕事が終わったら一緒に謝りましょう。僕も銃を直さないといけませんし」
 シェーラは凹んだ様子の女王の肩を叩くと、視線を通路の先に向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UDCアース出身
技能の世界知識でほかの世界のこともわかるかも
あとボクが持ってる技能で
使えるのは…
情報収集、コミュ力、時間稼ぎ、救助活動、学習力、暗視、聞き耳あたりかな?
それに勇気と覚悟と気合い!

このあたりの技能を使って調べられることは調べたいし

もし力仕事とかで必要ならトリニティエンハンスやストロンゲストモードなどのパワーアップ系UCも使うよ

今日はここの世界か…どの世界も、ボクたちがちょっとずつ良くしていければいいね

アドリブ絡み歓迎



♢act.10「脱出」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 百地・モユル(ももも・f03218)は急に走ったせいで荒くなった息を必死に整えていた。
「なんで、なんで、こんなことに……」
 本来なら屋敷を襲うのはこちらだったはず、なのになぜ相手の組がこちらの屋敷に流れ込んできたのか、モユルには分からなかった。
「なぁ都郎、親父は無事に逃げれたのか?」
「分かりません……でもこれだけの騒ぎになったら隠し通路から逃げているでしょう」
 陣頭指揮を取りたがる組長もいるが、少なくとも自分達の親分はこのような事態になったら一時的に下がり、体勢を立て直そうとする考えの持ち主だった。
 この屋敷はほぼ完全にあちら側の手勢によって鎮圧されてしまった。……都郎がどこかから得ていた情報を元に不意打ちを成功させていただけであって、地力には大きな差があったのだろう。
「くそっ、俺達は夢を見過ぎたって言うのかよ!」
 モユルの言葉に、もし自分が彼女を結婚させたくないがために組を騙して妨害をさせていなければ……という後悔が都郎の心を襲う中、敵の怒声が響いた。
「敵の首はどこだ!」
「真理亜お嬢の居場所を吐かせるんだ! 誰かが知ってるはずだ!」
 その言葉に都郎は思わず頭を上げる。異変を察したモユルはすかさず都郎に話しかけた。
「……都郎、お前は親父達の後を追え。成人しているお前の方が助けになる」
「モユル? でも……」
「俺みたいなちびっ子でも時間稼ぎくらいは出来らぁ。……それに気になることがあるんだろ? ここで死んじまったらそれも分からないまま終わるぞ」
 それでも都郎は迷いを見せる。煮え切らないその態度にモユルは声を荒げた。
「いいから行け!」
「そこに誰かがいるぞ!」
 敵に気づかれたことで腹が決まったのか、都郎は隠し通路のある部屋へと駆け出す。それを見送ったモユルは満足そうに頷くとわざと見えやすい場所へと飛び出した。
「おうおうおう、俺はこの組の後継ぎ筆頭だ! 親父の後は追わせねぇぞ!」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『若くしてこの世を去った文人』

POW   :    草案『帝都の内乱と男女の悲恋を描いた架空戦記』
戦闘用の、自身と同じ強さの【刀と銃を持ち【先制攻撃】に優れた青年将校】と【【誘惑】と【優しさ】を振り撒く遊女】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    短編集『付喪神奇譚』
自身からレベルm半径内の無機物を【『錬成カミヤドリ』が使える即席ヤドリガミ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    未完『暴走シベリア特急殺人事件』
レベル×5本の【暴走】属性の【ブレーキを破壊された蒸気機関車】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


♢NG scene
「ブラボー! いやぁ、良い死の香りだ!」
 血だらけになった舞台に上がり、脚本家はステップを踏むように回る。
「第三者の介入によって勘違いを起こし、ボタンのかけ違いに気づかないまま、状況証拠が揃ってしまったが故に事態が悪化して大惨事! いやー、惨い惨い、惨すぎる!」
 この後、二つの組が互いに潰し合い、疲弊した所で第三の組が漁夫の利でまとめて潰した所で真理亜は解放される。
 何もかもを失った真理亜は絶望し、都郎の墓の前で自らの首を掻き切って死ぬ。
「第三の組が襲うのも、真理亜との縁談をことごとく潰されたから! いやー、身分知らずの恋を無理矢理押し通そうとした故の悲劇! 恋って本当に怖い!」
 自らの身を抱きしめ、震える脚本家の一人語りは続こうとしたが、自分がいることで撮影が中断していることに気付いた所で一旦収まった。
「……んん、ごほん。では次は都郎君の死体の上に花を散らすカットだったね。さぁーて、都郎君の死体は、どこに行った?」
 しかし都郎の死体はどこにも無い。当然だ、彼は本来別の俳優のみが使うはずの隠し通路から外へと脱出してしまったのだから。
「どういう、ことだ?」
 脚本が成立しなかったことにより、洗脳していたスタッフの脳内に不一致が発生し、動かなくなってしまう。
 このままでは自分の初脚本作品がポシャってしまうと、焦ったように館中に転がる死体を漁る脚本家は、後ろから何かが近づいて来るのを話しかけられる時まで気付けなかった。
回々・九流々々(サポート)
『僕だってやれば出来ます。はい』
 愉快な仲間のプリンセス×UDCメカニック、6歳の女です。
 普段の口調は「コーヒーカップ(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」、酔った時は「くるくる(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ああ、もう、くそっ……本当にどこに転がっているんだ……」
 苛つく脚本家は血だらけ傷だらけになったセットの中を歩く。
 そして大広間に達した時に、本来ならここにはないはずのそれがなぜか置いてあった。
「……ここは都郎の家だぞ、なんでこれがここにある?」
 それは真理亜の家のメイドの大虐殺を撮った時に使った巨大なティーカップ。片付け途中だとしてもこんな場所に運んできて良い物では無い。
「ちっ、ここのスタッフは大道具の片付けさえ出来ないのか全く……」
 悪態をつきながら脚本家はカップを蹴ろうとする。しかしその足はカップの中から伸びた触手に絡めとられた。
「僕はセットではありません。れっきとした出演者ですよ?」
 声がした方を向けば、そこにはパステルカラーの可愛い服に身を包んだ回々・九流々々(くるくるくるるく・f21693)が階段の手すりに腰かけて足を振っていた。
「ヤドリガミ……!?」
「え、違いますよ? よく間違えられますけどね、はい」
 笑顔の回々が右手を鳴らすと、触手は脚本家をカップの中に引き摺り込んだ。
『怪異が起こる時間、僕等はきっと溌溂なのです』
 そしてティーカップは楽しげな音楽を流しつつ最初はゆっくりと回転を始め、徐々に速度を上げていく。
 陶器の壁に押し付けられた脚本家の三半規管はめちゃくちゃに振り回され、絶叫と共に昼に食べた品が辺りに巻き散らかされた。
 そこへ警笛が鳴り響く。
 するとセットの壁を突き破って蒸気機関車が突っ込んできて、脚本家ごとティーカップをひっくり返した。
「うぇっ、ゲホゲホ……」
 衝撃と引き換えに拘束と重力と回転から解放された脚本家は転がりながら、口の中に残る吐瀉物の感覚と体を襲う痛みに悶え苦しむ。
 一方、目の前で横転した蒸気機関車を横目に回々はひらりとその場に舞い降り、バランスを崩してヨタヨタとよろける。
 しかし脚本家のようにその場で倒れることはなく、両の足をしっかりと揃えてカーテシーを行った。
「お遊びいただきありがとうございました。このお遊戯の風呂敷は『ちゃんと』畳んでくださいね」

成功 🔵​🔵​🔴​

四軒屋・綴(サポート)
※口調
・語尾に「ッ!」がつきます(重要)
・敵には『貴様ッ!』
・一般人には『貴方』
・『~なのだなッ!』
・身振り手振りを多用します

※台詞例
・「仲間の為ならえんやこらッ! だッ!!」(だんだん《!》が多くなります)
・「良い夜だな、ご令嬢"フロイライン"。」(ルビを《"○○"》の形で振ります)

※行動例
・「なるほどッ! 了解だッ!!」(素直)
・「流石だ○○さんッ!」(サムズアップ)
・「生憎だがな、貴様達は此処が『終点』だッ!!」(それっぽい台詞)

ヒーローであろうとする一方、自分のことをヒーローとは呼ばず、正義を名乗る敵には一層の憎悪を抱く、ヒーローの仮面を被った面倒な奴です。

被弾とか破損とか全然OKです



「お、お遊戯だと……!? 私の、初脚本作品が、幼稚園児の芝居扱いだと……!」
 わなわなと怒りで震えながら脚本家が起き上がる。そんな中、真横で脱線して転がっていた朱色の蒸気機関車が変形を始め、人型を取り始めた。
「な、何が起きている!?」
 脚本家が困惑する中、変形を終えた蒸気機関車の頭部辺りにゴーグルを身につけたヒーローマスク、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)がくっついた。
「勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!!」
 四軒屋は体の可動域を確かめるかのようにゆっくりとした動きから激しい動きに移り、カッコいいポーズを決めて叫ぶ。その姿を見て、脚本家は目を見開き、握り締めた拳を震わせた。
「な、なぜこんなところに変身英雄がいるのだ! これでは本当にお遊戯になってしまうではないか!」
「なぜここにいるかッ! それは簡単な理由ッ!! 貴様の望むクソッタレな芝居をぶち壊すためだッ!!!」
 身振り手振りを交えながら四軒屋は叫ぶ。
「今まで現場にいなかった貴様は気付くはずもないらがッ! この芝居の演者には俺の分身も混じっているッ!! 貴様の野望は初めから成立していなかったのだよッ!!!」
 その言葉を証明するかのように、後ろで死んでいたはずの面々がおもむろに起き上がり始める。
「では行くぞッ、『在・倍・列・車ッ!』」
 そう四軒屋が合図を出すとともに、起き上がっ前演者達にも別のSLや車掌を模した鎧が装着されていく。
「ぐっ、私を守れ機材達!」
 自ら死地に入ってしまったことを悟った脚本家の呼びかけに応え、宙に吊り下げられていたシャンデリアが分身し、そのまま墜落してくる。しかし本気を出した四軒屋軍団の前では無力であった。
「ふんッ!」
 拳、蹴り、張り手、様々な武術の型が上に目掛けて放たれ、ライトに反射して光り輝くガラスのシャワーが作り出される。
「エキストラにはセリフを一切回してくれてなくて助かったぞッ! 俺の分身は語尾が特徴的であるからなッ!!」
「そうジョキ!」
 話しかけていれば、盗み聞きをしていれば、、この場に同行していれば気づけたはずだと、暗に伝えながら四軒屋達の視線は脚本家に注がれる。
 そして、そのツケを払う時が訪れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイト、25歳の女です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「これは……あまりよろしくないお話ですね」
 楽しい音楽が鳴り響く中、舞台裏で出番に備えて台本を熟読していた高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)はため息をつきつつ閉じた。
 この後の展開としては、両家の抗争から数日後、真理亜は連れ去った家から隙を見て逃げ出そうとする。
 しかしその行為は早々に露見し、真理亜は大怪我を負わされる。それでも真理亜はトラックや電車に飛び乗り続けることでその追跡を乗り切ることが出来た。
 しかしその道中で、真理亜は都郎の葬式を執り行う寺を目にしてしまう。
 愛しい人が死んでしまった事実を前に、真理亜の視界はブラックアウトし、倒れ伏した彼女からカメラを引かせながらエンディングに至る……という内容だった。
「悲恋とアクション、両方の良い所取りを狙って失敗してしまった……と言ったところでしょうか。まるでネットの全く評価されてない小説を読んでいるかのようでした」
 いや、実際評価出来ない駄作であった。
 どれだけ撮ることが好きで熱意もあったとしても、全ての作品が酷評される映画監督がいたように、努力と実力が比例するとは限らないのだ。
 だからこそあの脚本家は生前、自らの夢を叶えることが出来なかった。オブリビオンとしての術を使わなければ、企画を通すことが出来なかったのだろう。
「……どれだけ努力しても手に入れられない物はたくさんありますからね」
 台本を脇に置き、メガネを外して目を手で解す。
 そんなことをしていると汽笛の音を高らかに上げながら巨大な蒸気機関車が勢いよく突っ込んできた。
「ですが、夢を叶える一環で人殺しを行うことは間違ってます」
 メガネを掛け直し、棚の上に置いていた魔導書を開くとそのページに書かれた文字が光り出す。
『無限に連なる太古の呪文よ、その力で邪悪なるものを退けなさい!』
 光によって目を眩まされた車掌が操縦を誤り、茉莉のすぐ隣を通り過ぎてセットの壁に突っ込んでいく。そして勢い余って横転した。
 粉砕された壁から砂埃や煙が噴き出し、咳き込む声が聞こえてくるがあれは味方ではなく先程まで高らかに笑っていた脚本家の物であろう。
 その混乱に乗じて何かが飛び込んだのを見届けつつ、茉莉は本を閉じた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゴリラ・シャーク(サポート)
 賢い動物の力持ち×鮫魔術士

ゴリラの身体にお腹にサメ(シャーク)が突き刺さってます
ゴリラは優しい「」で(おいら、~くん、~さん、うほ、だな)
例「よろしくうほ」「おいらが来たからにはもう安心だな」
シャークは荒々しい『』で(オレ、おめぇ、か、だろ、かよ、~か?)
例『よろしくたのむぜ!』
『なんだぁ、オレに喰われてえのか?』



シャークは元々UDCであり人やオブリビオンを食べていいかとゴリラによく聞きます。ゴリラは基本的に止めます。サメも大抵冗談で言ってます。

ゴリラは怪力を使い物事を解決します。基本的に戦術や行動方針もゴリラが決めます。
シャークは鋭い牙と水泳能力を使います。ゴリラに刺さったまま泳ぎます。



 分身達による空中コンボが終わり、ボロ切れのようになった脚本家が音を立てて落ちる。そんな哀れな様子を楽しそうに眺める一行がいた。
『アレが噂の奴か。河童だったか……どんな味がするんだろうな!』
「いやいやいやいや、あんなのを食べたらお腹を壊しちゃううほ」
 ゴリラの腹に鮫が突き刺さっているような見た目をしているゴリラ・シャーク(森の賢者×海の支配者・f24959)を、顔中にたんこぶを作らされた脚本家は睨みつけた。
「こ、今度は怪人か……!? 本当に子供向けになってしまうではないか……」
「怪人……」
『まー、確かにオレら見た目だけは1話か2話程度のゲスト敵だもんな!』
 怪人呼ばわりされたことにゴリラは落ち込み、鮫はケラケラと笑う。しかしこの映画の基本スタンスが壊されることを危惧した脚本家は歯を軋らせた。
「ぐっ、将校……早く来い! この暴徒達を鎮圧しろ!」
 その叫び声に応じて、青年将校がスタジオの奥から走り込んでくる。その隣にはなぜか、戦場というシチュエーションには似つかわしくない遊女の姿もあった。
「……活動写真って映画のことだったうほか?」
『そうだな、それが何だ?』
「いや、ゴリラで映画ならあの人を掴んで高所に行くべきかなって……」
 その言葉に遊女が口を手で隠しつつ小さな悲鳴を上げる。その反応を知ってか知らずか鮫は白目を剥いた。
『そんなのどうでもいいだろ、そもそもこの撮影ぶっ潰す気で来させられたんだから』
「そうかな……」
 心配そうに首を傾げるゴリラをよそに、将校が刀を抜いて攻めてくる。
「刀は、危ないうほ!」
 その刃を両手で受け止めるとそのまま振り上げ、青年将校の体を宙に投げ飛ばす。
 図らずとも巴投げのような形になってしまった青年将校は受け身を取れずに脚本家の体の上に落ちた。
「ぐぎゃ」
 脚本家が潰れた蛙の声をあげたかと思えば、掌2つで挟み込んでいた刀だけでなく、将校や遊女の姿までかき消えた。
「あれ?」
『あれは、アイツが呼び出した幻……? いや、実際に今の刀触ってたよな?』
 掌に残る金属の冷たさに戸惑いつつゴリラは手を開け閉めするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

柊・はとり(サポート)
※アドリブ連携歓迎、御自由に

また事件かよ…
俺は柊はとり
歩けば事件に遭遇する呪われた体質のせいで
殺された後も嫌々高校生探偵をやっている探偵ゾンビだ
謎解きは特技だが好きじゃない
この場に居合わせたのも偶然だろうが
関わっちまった以上は解決に尽力する
性格は察しろ

ちなみにこいつ(剣)はコキュートス
人工知能程度の会話ができる
『事件ですね。解決しますか? 柊 はとり』
うるせえ

●戦闘
コキュートスは莫大な負担と引き換えに
戦う力を与える氷の魔剣だ
基本的に代償のある技しか使えないが
高火力を出せる超攻撃型の前衛だと思っとけ
探偵要素はかなぐり捨てていく

弱点は脳
頭さえ無事なら何してもいい
痛覚はあるがいずれ再生する
人命最優先



 青年将校によるボディへのサンドイッチを食らったことで息を吹き返した脚本家はドタドタとセットの奥へと走る。
 そんな西洋風の屋敷の廊下を模した道では弾丸を上半身の至る所に喰らい、うつ伏せに倒れている死体が一つ転がっていた。
「はぁっ、はぁっ、はっ……」
 普段から運動不足なのか、脚本家はヘロヘロになりながらも歩みを止めない。
 しかしその足は突然動いた死体の手によって鷲掴まれ、転ばされた。
「まさか本当の死人が死体役で混ざっているとは思ってなかった、っていう反応だな」
 足首から伝わるあまりの冷たさに、脚本家は悲鳴をあげる。その声に柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は眉間にシワを寄せながら頭をあげた。
「こ、この、離せ、死に損ない風情が!」
「死に損ない……か」
 パニック状態になってもう一方の足で蹴ろうとした脚本家であったが、はとりの頭を捉える前に天井から落ちてきた大剣にふくらはぎを潰されて甲高い声を上げた。
「……どうせ潰すなら刀身を喰らわせろよ」
『私に空中で制御する機能は備わっておりません 柊 はとり」
 一丁前に反論してくる大剣を手に取り、立ち上がったはとりの目は暗い。
「本当に『死に損ない』ならどれほど良かったことか」
 内で暴れる怒りを表すかのようにはとりの腕が凍り始める。そしてその周囲の温度も下がり、霜も現れ出した。
 そこへ複数人の青年将校が駆けつけ、銃を構える。
「貴様、その手に持っている剣を捨てろ!」
 はとりが一瞥しただけで勧告を無視したのをみて、将校達は引き金を引いた。しかしはとりが剣を振った瞬間に将校達は白い氷の像へと変貌した。
 大剣を握っていた腕が根元から抜け、地面に落ちた衝撃で粉々となる。自らの身を犠牲にしつつも、将校達を一瞬で殺したのを見た脚本家は尻餅をつきながら後退る。
「……しまった。こうなったら切るのはもう厳しいな」
 両腕を失ったにも関わらず平然と近づいてくるはとりに恐怖を抱いた脚本家の動きが早まる。
 そして壁に勢いよくぶつかった瞬間、冷気の煽りを食らって脆くなっていたセットが崩れ出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ

攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

影朧などの場合は説得もしたい



 自分にカメラを向けていたスタッフの目から光が無くなった所で、モユルは【無敵城塞】をやめて止めていた息を吐く。
「これであの俳優さんが逃げられる時間は稼げた……よな?」
 柔らかそうな見た目からは想像できないほど硬い肌に弾痕は一切残っていない。しかし照明などの熱源が無くなったせいか、モユルは思わずくしゃみをしてしまった。
 鼻をすすっているとピシピシと壁に亀裂が生まれ始めた。何事かと眺めていると壁が崩れると同時に凄まじい冷気が襲いかかってきた。
「うわっ寒い寒い寒い寒い!」
 軽装だったモユルは震え上がると炎を起こして冷気と相殺を図る。そんな中、崩れ落ちた壁を背もたれにして河童がへたり込んでいた。
「こ、これだけの瓦礫があれば、あの特撮軍団も眼鏡も越えてこれないだろ……」
「あんたが脚本家さんか?」
 まさか話しかけられると思っていなかった脚本家は肩を跳ね上げてモユルを見て、絶望の面持ちになる。
 それはそうだろう、ヒーローのような鎧を着て炎を纏っていればどんなバカでも察しはつく。
「ずっと聞きたかったんだ。別に人が死ぬ展開の映画は悪くない。でも、なんでわざわざ現実でも死ななきゃいけなかったんだ?」
「あ? 人と違うことをやらなきゃ目立つことが出来ないんだよ! どれだけ書いても書いても選んでもらえなければそれは全部ゴミ箱行きだ! 何か違うことをやらなければこの業界で生き残ることは出来ないんだ!」
 作家として大成出来なかった者の慟哭が木霊する。その血走っている目に、正気は残されていなかった。
「だから思いついたんだ、フィクションをフィクションのままやっていたらインパクトは生まれない。リアルという1スパイスを振りかければいいんだ……。だから、私の名声のために君達は犠牲になるはずだったのに……!」
「……先生から聞いたことがあるよ。『誰もやらなかった事は先人が思いついたけどあえてやらなかったこと』だって」
「あえて? そうだな、先人方は私のために残してくださっていたのだからな! 拾わずして何になるという!」
 完全に自分に酔っている様子の脚本家にモユルは哀れみの視線を向ける。その意味を察せれた脚本家はさらに激昂する。
「……その目、なんだその目は。貴様もそんな目で、私を見るのか? やめろ、やめろ、そんな目で私を見るなぁぁぁ!」
 そう言って飛びかかってきた脚本家の体に小さな金属の拳は深々と入っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「悪趣味な活動写真を完成させる訳にはいかないので、製作中止の方向へ進めさせていただきます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】で、『若くしてこの世を去った文人』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「何となく事情は分かりました。……拗らせてしまわれたんですね」
 他の猟兵達と協力し、動かなくなってしまったスタッフ達の隔離に動いていた火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は外にまで響いてきた脚本家の慟哭に嘆息して首を振った。
 確かに誰にも認められないというのは辛いことである。
 だが、だからといって自分の意見を推し進めて他の人の意見を全く聞かないというのは間違っている。
 おそらくあの脚本家も駆け出しの時には相談してくれる同志や先輩方がいたことだろう。しかし彼自身の言動がそれを失わせてしまった。その事実に脚本家は一切気づいていないようだが。……いや、気づいていても真っ当っぽい理由で自分を正当化するのであろう。
 そんな中、セットから転がり出て来た脚本家に明は歩み寄った。
「ぐっ、くそ……なんで、みんな生きている」「残念でしたね、あなたの目論見はあらかじめ漏れていました。こんな悪趣味な活動写真を完成させる訳にはいかないので、製作中止の方向へ進めさせていただきます。」
「ふ、ふざけるな! この活動写真はきちんと許可と予算を得て撮ってるんだ、お前のような外野の指示は受けない! ここから出て行け!」
 わざわざ近寄ってきた明を追い出そうと、汽笛を鳴らした蒸気機関車が瓦礫を蹴散らしてくる。
 あれに突っ込まれたら外どころかあの世に吹っ飛ばされそうだと思いつつ、明は両の手を合わせて叫んだ。
『全ての属性を収束して、今、放つ!』
 明の周りに浮かび上がった色とりどりのオーラを纏った矢が機関車に撃ち込まれていく。
 強烈な光に車掌は目を潰され、火室は冷まされ、煙管は凍り、石炭は貯蔵庫で燃える。
 そして車輪を巨大な石に引っかけて倒れてきた機関車を避けることは、満身創痍となった脚本家には出来なかった。
「活動写真では機関車に轢かれそうな登場人物を助けるヒーローがよく居ますが……あなたにはもうそんな手を差し伸べてくださる方はいらっしゃらないのでしょうね」
 重い金属が床に叩きつけられると同時に肉と骨が砕け散る音がした。すると黙っていたスタッフ達から戸惑いの声が漏れ始めた。
「……洗脳が解けましたか」
 スタッフ達は曖昧な記憶をすり合わせるためにさっきまで自分達が撮っていた作品を確認する。
「なんだこれは、ひっでぇな……」
 そして、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら台本を破り捨てた。
 きっとあのカメラの中にあるフィルムも廃棄されるか上書きされ、脚本家が作り上げようとしていた世界は初めから無かったことにされるだろう。
 有名になるために人を排除しようとし、逆に排除されてしまった脚本家……その妥当ながら悲しい結末を憶えてくれる者は、いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月01日


挿絵イラスト