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ドキドキ❤ぬるぬる💦トラップダンジョン💪

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 全身ぬめぬめになった学生が地面を滑っていく。
 滑った先に待ち構えていたウレタンっぽいポールに打ち返され、学生は回転しながら戻っていった。
 ウレタンげなふかふかマットをバウンドする学生(ぬめぬめ)。
 そんな彼を見て、クラスメイトたちは歯噛みした。
「くっ……クラスいちけんけんが上手いと評判の彼をもってしてもこのトラップは突破できないのか……!」
「プロケンケニストを自称する彼ですら……!」
「けんけんすること以外なんのとりえもない彼ですら……!」
「やめてハートが死ぬ」
 むくりと起き上がる自称プロケンケニスト(ぬめぬめ)。
 彼はすごいシリアス顔で語り始めた。
「このダンジョンはつい昨日見つかった隠しダンジョンだ。
 最深部にはダンジョントラップを設計したであろう謎のオブリビオンが力を蓄えているはずだ。もしダンジョンを放置すれば奴はたくわえた力をガッてやってこちらへと侵攻してくるだろう。
 俺たちはダンジョンに仕掛けられたトラップを突破して、奴を倒さなければならないんだ!」
 トウッ! 自称プロケンケニストは再び飛び出した。
「第一のトラップ!
 それはこのローションプールで片足だけを使ってうまいこと向こう岸までたどり着くこと!
 途中にしかけられた自動ウレタンポールに吹き飛ばされれば振り出しに戻されるが……俺のけんけんさばきなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
「「ケンケニストーーーーー!!」」
 盛大に足をぐきっていわせた自称プロケンケニスト。このあとどうなるかは、皆もう知ってるよな。

●なんだこのバラエティ番組みたいなダンジョンは
「と、いうことなんだ」
 ここまで真顔で話したナンシー・アラタメの心境を君は理解できるか。
 所変わってグリモアベース。
 アルダワ魔法学園に発見されたという新しいダンジョンを攻略し、発生したオブリビオンを倒すというのがイェーガである皆の目標である。
「皆には今からこのダンジョンの入り口へテレポートしてもらう。
 そうだ。オブリビオンを倒すには、どうしてもこのトラップを突破しなければならないんだ。
 第一のトラップを……まずは全員突破してくれ!」
 ぐっと拳を握るナンシー。
「しかしこんなおかしなダンジョンを作る謎のオブリビオンとは……一体誰キュバスマスクなんだ!」


空白革命
 一体誰キュバスマスクなんだ!

 お好きなバラエティ番組的BGMを流しつつダンジョンに挑もう!
 君の参戦を、待つ!
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第1章 冒険 『ぬるぬるダンジョントラップ』

POW   :    気合いでぬるぬるトラップを突破しろ!

SPD   :    ぬるぬるをかわすのだ! かわせるものなら!

WIZ   :    うまいことなんやかんやしたらぬるぬるしたままいけるのでは?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


第一の試練!
 それは片足だけつかって浅いローションプールをけんけんしていって向こう岸までたどり着くというもの!
 なんでかしらんけど両足突いたらぶっ飛ばされるらしいぞ! 本当になんでだよ! だれだ考え奴は!
 力を駆使して渡りきるのだ! のだ!
リョウ・サイバ
んんー、オジサンはシーフでアーチャーだから身軽なのさ!片足でけんけんなんて余裕のよっちゃんだ!・・・アッーーーー!(落ちるかも)

まあなんだ、様子見は大事だよ。千里眼で先に行く子をしっかり観察して攻略法を見つけないとね!けっして!だんじて!女の子が落ちてぬるぬるなのを見たいわけじゃないんだよ!ちゃんと頑張るよ!ヌルヌルの子を助けようとして落ちてくんずほずれつなんて・・・ねえ?

まぁ、うん、けんけんしなきゃね!っはっはっは。



「んんーっ」
 どこからともなくふらっと現われたオジサンが石○運昇みたいな声で唸った。もしかしたら神○明かもしれないけどそこは触れたくない。
「オジサンこう見えて身軽なのさ! 片足でけんけんなんて余裕だから。余裕のよっちゃアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
 ローションプールに飛び込んでコンマ二秒で足をぐきってやるリョウ。
 そのまま仰向けに転倒してプールサイドに後頭部を強打した。
「ぐ……ウレタン素材じゃなきゃ最悪死んでたかもしんない……」
「知らないオジサン!」
 男たちが駆け寄ってきた。
「頼むぜオジサン! あんたが頼りなんだ!」
「うーん」
 渋く顔を左右非対称にするリョウ。
 ミニスカのまぶしい女学生がローションまみれで身を乗り出した。
「おねがいオジサ――」
「やるぜー!」
 リョウの必殺ダイナミックハイジャンプ三回転ひねりが炸裂した。
「「これは……!」」
 そして着地と共に足をグキッていわせた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
「オジサアアアアアアアアアアアアン!!」

苦戦 🔵​🔴​🔴​


みんな忘れてるかもしれないので補足しておくが、アルダワ魔法学園にテレポートしているイェーガーたちは謎の転校生ってことになってるらしい。
 えっつまりこのおじさん転校生あつかいなの?

 とか思ってる間に次なる生徒がトライしはじめた。
「ククク、この程度のトラップ私にかかればコロイチですよ」
「お前はっ、クラスいちのインテリ気取り!」
「対して成績良くないのに眼鏡と直線前髪だけを理由にインテリのふりをしているというあの……!」
「だまれぃ! こんなローション。アイススケートの要領でいけば簡単にすべることができアアアアアアアアアンッ!?」
 インテリ気取りはバランスを崩して顔から倒れた。
「「インテリ気取りいいいいいいいいいいい!!」」
シャルロット・クリスティア
なんですかこのアルダワが誤解されそうな迷宮は!?
いえ、割と最近この手のダンジョン増えてきたような噂は聞かないでもないですけど!
ついでになんで片足限定なんですかこのトラップ!

……まぁ、ツッコミしてるばかりじゃ進みませんから、やるしかありませんね、はい……。

ヌルヌルのプールと言うことであれば、対処は単純です。
即ち、固めればいい!氷結弾の出番、というわけです!
これで足場を固めて安全に渡りきってしまいましょう。危ないですから皆さんプールから出てくださいねー。

では改めてれっつごー、です!
あ、これはこれで氷の床がすべっt



プロケンケニストもオジサンもインテリ気取りも倒れた今、もはや美少女に託すしか無い。
「なんですかこの迷宮(ダンジョン)は!」
 ライフルをくるくるっとやって現われたシャルロット・クリスティアに、学生たちがハッと振り返った。
「こんなダンジョンばっかりだとアルダワが誤解されるじゃないですか」
「けどこういうダンジョン多くないかここ」
「よしんば多くてもです!」
 シャルロットはライフルのウッドストックで相手をガッとおしのけると、プールサイドに立った。
 言う割にはちゃんとやるんだな。
 やりますとも。シャルロットちゃんはダークセイヴァーの田舎育ちでとっても真面目なののだから。
「それに、勝算もあるんです。ぬるぬるとはいえプールである以上……固めればいいのです! ――術式刻印弾『氷結』」
 シャルロットはライフルに特殊弾をこめると、自らの進むラインめがけて連射した。
 たちまちローションプールが凍り付いていく!
「では改めてれっつごーで――ンッ!?」
 シャルロットは凍ったローションの上で盛大に滑った。

 が、なんやかんやで滑りながらも向こう岸に渡ることはできたらしい。途中でぬっめぬめにはなったが。

成功 🔵​🔵​🔴​


「よっしゃあ、凍ったプールなら簡単に通ることが出来るぜ!」
 生徒たちが意気揚々とローションプールに飛び込んだその途端、急にジュワッと音を立ててローションが溶けてしまった。
「「グワーッ!?」」
 そう、ゆーてもダンジョンのトラップ。凍らせても一人が通るのがやっと。それもウレタンポールがぐわんぐわん動いてはね飛ばすもんだから通ること自体が難しい。
 どうする!? イェーガー! このトラップ、案外強敵だぞ!
燈夜・偽葉
そんな…ぬるぬるのプールだなんて…
なんか面白そうですね!
頑張りますよー!

まずは普通にけんけんで行ってみます!
覚悟とパフォーマンス(けんけん)とダッシュ(けんけん)とスライディング(けんけん)を駆使して、ってこれあまり関係ありませんね!
まぁとにかく、気合いで!転倒を耐えます!
ふふふ、サブジョブスカイダンサーの足さばきを見せてやるのです!

普通にけんけんで渡れなかった場合はスカイステッパーで行きますね。
両足着いたらダメらしいですけど空中はダメって書いてないですしー。
でも空中も禁止にされてそうですね



「みんな、こんなぬるぬるのプールに飛び込まされて……」
 燈夜・偽葉は両手を頬に当ててぷるぷるした。
 ぷるぷるして。
「おもしろそうですね!」
「おもしろそうですか?」
「がんばりますよー!」
 ひゃっほーと飛び出した偽葉。
 ノーマルけんけんでローションプールを三度はねた……あたりでグキッといった。
 身を乗り出す生徒(ぬめぬめ)たち。
「ああっ、だめだ! やはりローションにすべって――」
「とみせかけてー!?」
 偽葉は片足でくるくる回転しながら滑り、チャンプからの華麗なる着地。両足を開いた新体操みたいなポーズでつるーっと滑っていく。
「ふふふ、スカイダンサーのあしさばきを見せてやみゅん!?」
 ウレタンポールが直撃した。
 うあーと言いながら飛ばされた偽葉(ぬめぬめ)は回転しながらウレタンマットをバウンド。
「思ったよりも強敵でしたね」
「途中から完全に両足ついてましたけどね」
「けど、ご安心ください!」
 偽葉(ぬめぬめ)はすっくと立ち上がると、助走をつけてプールサイドからジャンプした。
 ああだめだ、また足ぐきっていくにきまってるんだ。
 誰もがそう考えたが、しかし。
「すかいすてっぱー!」
 偽葉は空中をけんけんってステップして軽やかに向こう岸までたどり着いた。
「みんなもこうやればいいんですよ!」
「「できるかァ!」」

成功 🔵​🔵​🔴​


「フッ、勝機は見えましたわね!?」
「お前は……ジェネリックお嬢!」
「クラスにお嬢様キャラがいないからって髪をドリルぽい金髪にしたというあの……!」
「おだまり!」
 ジェネリックお嬢はドリル髪をふぁさってやると、向こう岸で手を振る美少女二人とオジサン(おまえいつの間に渡った!)を指さした。
「このローションプールの攻略法は主に三つ。触れないか、固めるか、あとなんかですわ!」
「三つ目言えよ」
「ご覧なさい! 実戦してさしあげまキャアアアアアアアアアアア!?」
 盛大なジャンプだけでプールを飛び越えようと考えたジェネリックお嬢はジャンプ力が足りずに大の字にプールに落ちた。
「「ジェネリックお嬢おおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
郁芽・瑞莉
【WIZ】使用

同じグリモアの力を授かりし猟兵として一言言わせてください。
ナンシーさん、ご苦労様です……。

災厄―オブビリオンが力を蓄えて大迷宮を突破されては大変ですし、
郁芽・瑞莉、頑張らせて貰います!

要はローション塗れでもうまく行ければいいんです!
開き直ってませんよ?むしろ仕様ですよね。そうですよね?
何度ウレタンのポールに跳ね飛ばされて戻されてもチャレンジです!

チャレンジしている内にぬるぬる塗れで服装が大変な事にもなってきて、
別の意味で注目されているが本人はチャレンジに夢中で気づかず。
むねもゆさゆさ、お尻もちらちらと男性陣には目の毒に。

渡り切ったらやり切りました!と振り返って
皆が赤面なのに?を。


黒木・摩那
★松葉杖で勝負

ぬるぬるトラップとか、いい趣味してるわね(呆れ顔)。
こんなところで転んだら、メガネにローション付くし、髪べとべとになるし、
マジ最悪。なんとかうまく乗り切らないと。

両足ダメで片足けんけんならいいのよね?

ならば、ここは松葉杖で勝負してみましょ。
足は1本だけど、実質3本になるから、安定感は少しは良いはず……だといいなー。

ウレタンボールは松葉杖で打ち込みます。
伝説の一本後打法を見せてやるわ!


アルテミス・カリスト
「どんなトラップが待ち受けていようと、正義の騎士であるこのアルテミスを止めることはできません!
首を洗って待っているのですね、迷宮の主!」

迷宮の奥にいる災魔を倒すため、このトラップに挑戦です!

「騎士として鍛えたこのバランス感覚ならっ!」

自慢の身体感覚でトラップに挑戦です!

足元が悪かろうと、ポールが襲ってこようと、
実戦の戦いに比べればっ!

比べれば……

「って、実戦で、こんなにぬるぬるしたことなんてないですーっ!」

【不幸な事故】により足を滑らせて、全身ぬるぬるになってしまいます。

「きゃ、きゃああっ!」

さらにいろいろな不幸が重なって、観衆の前で恥ずかしい目に逢うのでした。



「ナンシーさん……ご苦労様です……っ」
 ぱちんと手を合わせる郁芽・瑞莉。
「そして皆さん! オブリビオンが力を蓄えて大迷宮を突破すれば大変なことになります。力を合わせてこのトラップを攻略しましょう!」
「あ、そういう話だったわね」
「すみませんかなり忘れてました」
 一緒についてきていた黒木・摩那とアルテミス・カリストがはっとして手を打った。
「ま、そうよね。ローションとか最悪だけど一お――」
「どんなトラップが待ち受けていようと、正義の騎士であるこのアルテミスを止めることはできません! 首を洗って待っているのですね、迷宮の主!」
「圧、圧がすごい……!」
 目をカッと輝かせるアルテミス。同じくカッてする瑞莉。
「要はローション塗れでもうまく行ければいいんです!」
「なるほど! 終わりよければ全てよしですね!」
「圧、二人とも圧が……」
 黒髪ポニテ忍者と金髪女騎士に挟まれた眼鏡女子中学生の気持ちを考えろ!
 ……えっなにどういう気持ちなのそれ異次元すぎる。
 瑞莉は『こうすればいいんですよ!』と言ってローションプールに片足をつけた。
 でもって片足を上げ、ついでに両手もY字に上げ、ぷるぷるしながらちょっとずつジャンプしていった。
「あ……案外普通にやるのね」
「オジサン、ああいうの好きだな」
「いつのまに!?」
 プールサイドにかがんで観察していたリョウ(お前、出番が終わったはずでは!?)。摩那は彼をプールに蹴落としてから一旦なりゆきを見守ることにした。
「騎士として鍛えたこのバランス感覚……災魔を倒すため、いざ!」
 アルテミスも同じように片足を上げ本能的になのか両腕もあげ、ちょっとずつぴょんぴょんしはじめた。
「うっ!」
「あっ!?」
 腹を打ち付けるように襲いかかるウレタンポール。
 はずむあれやらこれやら。
 それを耐えながらもぴょんぴょんする。
「オジサンね、これが見たくて一番乗りしたんだ」
「落としたのに黙らない……!?」
 奇跡の再登場をはたすリョウをウレタンのポールでぐいぐい突き落としながらも、摩那ははっと顔を上げた。
「アルテミスさん、危ない!」
「えっ、あ、きゃあああああああああああ!?」
 アルテミスはローションプールに大の字に倒れていたジェネリックお嬢に躓き、そのまま盛大に転倒。ごろごろ転がりながらなんでかしらんけど鎧やらなにやらを吹っ飛ばしウレタンポールにでろーんとねそべる形で目を回した。
「あ、ああっ、大丈夫ですかっ!? もう少しです! がんばって……ううっ……!」
 一方で瑞莉もあちこちぷるぷるしながら(相変わらずYの字ポーズで)向こう岸を目指している。
「「……………………」」
 生徒たち(主に男子)は、賢者の顔でグッと拳を握った。
「いいな……」
「ああ……」
「特に……」
「いや、言うな。野暮になる」
「なにこの人たち」
 摩那は冷たい視線で彼らを遠ざけると、どっからか持ってきた松葉杖を取り出した。
「ちょっとスタイルは違うけど、二人と同じようなものね。バランスさえとれればぬめぬめしてても平気なのよ」
 摩那は松葉杖をついて実質三本足になりながら、ローションプールをかなりスムーズに渡りきった。
 男子たちの『優等生め』という視線は、松葉杖をガッて投げることで遠ざけた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

九・祇園
我輩にかかればこのようなぬるぬるなど造作もないのである!

マスターケンケンとご近所でも評判だった我輩の力を魅せてくれるわ!

しかし我輩も無策で飛び込むほど馬鹿ではない。じーっと接地面を見るであるぞ。
ふむふむ。この微妙な角度がぐきってなる罠であるな。なかなかのケンケニスト殺しである。
しかーし、見破った我輩には通じぬ!
角度とか正確に調べるの面倒くさいから自分を信じてとうっ…………うわ思ったより滑るこれァァァアアアアアアアアアア!!(すてーん、ずべしゃー)



多くの生徒たちが脱落し『もうやだお風呂はいる!』といって帰って行くなか、九・祇園はきらきらしたどや顔でプールサイドに仁王立ちした。
「我輩にかかればこのようなぬるぬるなど造作もないのである!」
 シャッと腕と片足を上げる祇園。
 ただのY字ポーズではない。
 帰ろうとした生徒たちが振り返る。
「あれは!?」
「知っているのかインテリ気取り!」
「マスターケンケン・フォーム! 道路にチョークで書いたけんけんぱの輪っかを秒で駆け抜けると噂の……まさか、奴が……!?」
「ふふふ、そのまさかなのである! ご近所でも評判だった我輩の力、『魅せて』くれるわァ!」

 3秒後。

 ローションプールに顔からいった祇園がいた。
 眼鏡をちゃきってやるインテリ気取り。ドリル髪をふぁさってやるジェネリックお嬢。顔を覆うプロケンケニスト。
「や、ちがうのだ。聞いて」
「うん」
 ぬちょーってしながら起き上がる祇園に、生徒たちは優しい視線を送った。
「ローションって思ったよりすべるのである。だから足でうまく着地しようとしたらこう、ぬぎゅって、ぬぎゅってなるであろ?」
「「なるね」」
「だから逆にふにゅって耐えるけど、それでのふってなるであろ?」
「「なるねえ」」
 いっしょにがんばろうねとめっちゃ優しくされた祇園は、割と口だけの生徒たちと励まし合いながらなんやかんやでローションプールのトラップを突破しきったのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『氷上で舞え』

POW   :    障害物など気にせず、破壊しながら進む。

SPD   :    華麗に滑り、障害物を避けていく。

WIZ   :    魔法で滑りを調整したり、滑る向きを調べて障害物を避けながら進む。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ローションプールのトラップを突破したダンジョンシーカー……いやさローションシーカーたち!
 彼らを待っていたのは、冷たくひえーる階段であった。
 それもなんか、一段の奥行きが60センチくらいある大きな階段である。
「これは……登るっていうよりよじ登るかんじになるかな」
「けどこれがトラップ? ただの段じゃないか」
「オーッホッホッホ! わたくしの華麗なるダンジョン突破術の見せ所ですわね!」
 ジェネリックお嬢。クラスにお嬢様キャラがいないからって金髪ドリルヘアにしたという彼女は目立ちたがりである。
 そいやーと言って階段に飛び乗ったその時。
「みゃん!?」
 階段の上から大量に落ちてきた巨大なウレタンボールが顔面に直撃した。
「「ジェネリックお嬢おおおおおおおおおお!!」」
「おい見ろ、よく見るとこの階段、めっちゃローション流れてくるぞ。それも滝のように!」
「しかも上は突風が吹いています! 身を低くしてうまいことよじ登り、かつあのボールを避け続けるなんて……僕に……できるのか……!?」
 おののく生徒たち。
 だがこの先に謎のオブリビオンが待っているのだ!
 いざゆけ! イェーガー!
リョウ・サイバ
っく!オジサン眼福過ぎて何か溢れそう!(真の姿…?煩悩?)

まあ、ダンジョンはまだまだ続く!ここで果てたり逝く(?)わけにはいかないねぇ!しっかり周りを見て障害を避けて猟兵仲間を助けて!(セクハラダメ絶対)ヌルヌルが残っててもオジサンがんばるさ!

華麗な滑りをみるんだ!アッーー!

もっこりが引っかからなったら即死だった…!ありがとう!

まぁ、冗談はさておきシーフが障害なんかに負けはしない!

アァァァァー!

オジサンは、いや、漢は不滅だぁぁぁ!そこに美少女がいる限り!うぉぉぉぉー!障害に負けるかー!突破するまでいくぜー!



「あっ、だめ……オジサン……あふれそう。脳から何かの汁があふれそう……っ」
 両手で顔を覆ってぷるぷるしているリョウ・サイバ。
 秒でこのぬめぬめダンジョンにやってきただけあって、見たかった物が見れて大満足なのである。
 ありがとうポニテ忍者。ありがとう女騎士。ありがとうどや顔ファラオ。
「けどダンジョンはまだ続く!」
 パッと顔を観音開きにひらくと、賢者の表情で階段を見た。
「ここで果てるわけにはいかないねぇ。皆をサポートしながら、このトラップを上り詰めてみせアアアアアアアアアッ!?」
 賢者の顔でよじ登ったリョウが秒でウレタンボールに激突した。
「まけない! オジサンにも意地があるんだ! うおおおおおおおおおお!」
 両手両足をめっちゃしゃかしゃかしてよじ登るオジサン。
 階段を八割がた登り切ったその時。
 上から滝みたいに流れてくるローションに手を滑らせた。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!?」
 階段をぬめんぬめん転げ落ちていくリョウ。
「うん。だめだね。帰ろうか」
「「オジサン!」」
 生徒たちが悲しみに顔をふせた。
「そうだよね。俺たちにこんなダンジョン無理だったんだ」
「オブリビオンも強そうだし」
「さっき写真貼ってあったけど、あんなの勝てるわけないですし」
「えっなに写真あったの?」
 リョウはインテリ気取りの差し出した写真を見た。
 改造ブルマに体操着の控えめに言ってドスケベなJKがうつっていた。
「ッシャア!!!!」
 リョウが秒で復活した。
 秒で階段を駆け上がり。
 秒で飛んでくるボールを破壊し。
 秒で階段を突破した。
「シャアアアアアアアアアアアアアア!」
「「オジサアアアアアアアアアアアン!!」」

成功 🔵​🔵​🔴​

燈夜・偽葉
スカイステッパー万能説!
…じゃないです!
突風が吹いているなら、今回は使えないようですね

それはそれでやりようがあるのではないでしょうか
太刀を二本抜きます
これを地面にぐさーって刺しつつ進みますね
ウレタンボールは見切った上で太刀一本使って剣刃一閃で斬り捨てます
このための二刀流なのです!

…刀が地面に刺さらなかったら泣く泣く気合いでよじ登ります!


九・祇園
我輩にかかれば赤子の手を捻るより容易いのである! 腰くらいまであるけど! あるけど!

我輩考えた。
前転の要領でぐるっと回りながら段を登り、そのまま寝転がって横回転に移行すれば良いのではないか!
寝転がればこれ以上に身を低くしていることなどあるまい!
よし、くるっと! そして横回転! うわすべるすべる止まらない止まらない止まらないびたーん!
は、鼻が……負けぬ! 負けぬであるからな!


シャルロット・クリスティア
……ひどい目に遭いました(鼻さすりさすり)。
しかしこれは……さっきのようにはいきませんね。最初から凍ってますし。

この際、ウレタンボールは我慢して喰らうの覚悟で行きましょう。叩き落とされないようにするのが最優先です。
手持ちで良いものは……ナイフがありますか。
これで階段を削って引っ掛けられるようにして、それを頼りに掴まって昇って行きましょう。
これでもルーンで強化してある武器。そう簡単には折れません。行けます!

……覗かないでくださいよ?



「スカイステッパー万能せ――じゃない!」
 ハイジャンプしようとしたら突風に飛ばされた燈夜・偽葉。
「この程度の階段我輩にかかれば赤子の手をくるってやるよりたやすいのであ、あ、ちょっとだめであアアアアアアアアアアアアア!?」
 うあーと言いながら階段を転げ落ちた彼女によって、九・祇園も一緒に転げ落ちていった。
「うう、酷い目にあいました。けれどもう同じ失敗は繰り返しません。だってもう凍っていますからね。今度は慎重に登って――えっあっちょっと待っ――!?」
 顔を上げたシャルロット・クリスティアの顔に偽葉と祇園が同時にのしかかった。
「むあああああああああああ!?」
 三人団子状になって転げ落ちていく。
 美少女団子と名付けよう。ぬめぬめしてるけど。

「これ、思ったよりすべるのである。適当にしゃかしゃかやったらイケると思ったのであるが」
「むしろなんでそう思えたんですが」
 シャルロットは赤くなった鼻を中指でさすりながら階段の上を見た。
「階段はローションまみれ。ボールはたえず転がってきていて、ジャンプすれば風がふく……いえ、伏せていても風圧を感じるほどです。一体どうすれば」
「待ってください。なにも素手で登る必要はないのでは」
 偽葉がきらりと目を光らせた。
「なんと?」
「ハッ、ナイフで階段にこう、ガッてやれば滑り落ちずにすみますね!」
 シャルロットは銀のナイフを引き抜くと、それを試しに氷の階段に突き立ててみた。
 思った通り。石や鉄とちがって案外ざくっといくもんである。多分これナイフのほうがすごいんだと思うけど。
「私がこれを使って一段ずつ丁寧に登っていきます!」
「では私は……」
 偽葉はしゃらんと美しい音をたててふたふりの刀を抜いた。
 沈む黄昏のような刀が、ふたふり。とみせかけてよく見たら軽く五本くらいあった。
「これを等間隔にざくざくしていきつつ、落ちてくるボールをずばっと斬ります!」
「なるほど! そこで吾輩が……!」
 両手を『キツネの耳がないやつ』みたいな形にして振り上げる祇園。サメのサインらしい。ツインヘッドのサインらしい。
「吾輩やることないであるな?」
「「えっ」」
「ごめんである。わがはいさめはさめでもこばんざめである。かえってじぇんがでもするである」
「待って待って待ってくださいほらあるじゃないですかねえほら、ねえ!?」
「はははははいありますありますほらあのなんていうかそこはかとなくねえ!?」
 二人が迷っていると、彼女たちの下に寝そべっていたリョウがにやりと笑った。おまえまた戻って来やがったな。
「あるさ……ボールの接近を知らせる役割が、さ」
「「オジサン!」」
 どさまぎでスカートのなかを覗こうとするリョウの目に指をがってしてから、三人は階段に挑みかかった。
「いきますよ!」
 階段の一段目にナイフを突き立てるシャルロット。
 そんなシャルロットの腰にそれぞれ抱きついた祇園と偽葉。
 偽葉の差し出した刀を借り、ロッククライミングでいうところのピックをうつかんじでシャルロットは慎重によじのぼっていく。
「うおっ、来るぞ! ボールくるのである!」
「はい、お任せください!」
 偽葉は上半身だけぐわっと持ち上げ、祇園に腰を支えて貰いながら飛来するボールを刀ですぱっと左右に切断した。
 三人をよけるかのようにひらき、階下へ落ちていくハーフボール。
 祇園たち三人はこうして、なんとか階段の最上階まで上り詰めたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

郁芽・瑞莉
片足でジャンプしながらって結構きつかったです……。
男性の皆さんから賢者の如き表情を向けられていたのは何故でしょうか?

次のトラップは階段は大きく、ローションにウレタンボールですか。
突破して、トラップの設計主の元へ行きますよ!

階段の冷たさに眉を顰めつつも、
出来るだけ姿勢を低くしてローションの流れを見つつ登って行きますよ。
ウレタンボールはぬるぬるの身体を利用しつつ、
あちこちでタイミングを合わせて跳ね返します。

健康的な美脚やお尻を見せつつ、
ボールを跳ね返す際は胸やお尻などを使ったりします。
服装も階段と擦れて危ない感じになっていますが
やっぱり登る事に夢中で気づいていません。

登り切ったら無意識で直します。


黒木・摩那
★がりがり登る

こんなところで転んだら、メガネにローション付くし(以下略)。

今度は階段とは。
なかなかに険しいけど、今度は両足使えるしね。
慎重に登れば何とかなるかな? なるといいな。

ここは滑り止めに手や靴に包帯巻いて、よじ登ります。
手足を使って、3点を固定しながら登れば、多少滑っても大丈夫なはず。

ただ、下から覗こうとする輩には、わざと落ちて踏みましょう(げしげし)。


アルテミス・カリスト
「氷の階段ですね、今度こそ負けませんからねっ!
この正義の騎士アルテミス、見事障害を登りきって見せましょう!」

そう、さっきはゆっくり行っていたからいけないのです!
今度は速度にものを言わせて進みましょう!

「右足が滑る前に左足を前に出せば、滑らずに進めます!」(どやぁ)

正義の騎士の必殺技の一つ、【超加速攻撃】の加速力を利用して、
音速で階段を駆け上がります!

しかし、私は思い知ることになるのでした。

自分が速くなればなるほど、ぶつかってくるボールの勢いが相対的に速くなるということを!

「こ、これが相対性理論というやつですかーっ?!」(違います



「こんな所で転んだら眼鏡にローションがつあっ!?」
 氷の階段を慎重によじよじしていた黒木・摩那は、次の段にかけていた手がつるりと滑ったのを感じた。
 一瞬の判断。反動によって落ちた上半身は再び腕を出して掴み直すには位置が低すぎる。ここは足と残る腕を使って現状を維持することを優先にああああああああああああああああ。
「ああああああああああああああ」
 ずべーっと一番下の段でうつ伏せになった摩那は、ぬちょーっとする眼鏡をあげた。
「ボールの存在をわすれてたわ」
 ぺよんと頭をはずむボール。
「大丈夫です! 一緒に突破してダンジョンの奥をめざしましょう!」
 右からガッとくる郁芽・瑞莉。
「ああっ、また圧が……っ」
「この正義の騎士アルテミス、こんどこそ、見事障害を登りきって見せましょう! さああなたも一緒に!」
「ああこっちも……!」
 ポニテ忍者と金髪女騎士にまたしても挟まれる眼鏡女子中学生(ぬめぬめ)。
「登るのはいいけど、滑る床とボールがどう考えても邪魔よ。今度ばかりは道具で突破出来る気もしないし……」
「摩那さん。大事なことを忘れていますよ」
 瑞莉は肩をぽんと叩いて優しい笑みを浮かべた。
 ぽんっていうかねちょって感じだったけど。
「やればできる」
「この期に及んで根性論!?」
「確かに! やってでいないことはありませんね!」
「こっちも!?」
 根性論者にはさまれる眼鏡(ぬめぬめ)。
「見くびって貰っては困ります。私だってちゃんと考えてあるんです。それも、ボール対策を」
 立ち上がり、決め顔で振り返る瑞莉。
 後ろでなんかテーマソングみたいなイントロがかかりはじめた。
「ボールが来たら、いい感じに跳ね返せばいいんですよ」
「決め台詞みたいなイイ声で言っても最初と何も変わってないわよ」
「私にも考えがあります!」
 同じく立ち上がり、キッと階段の先をにらむアルテミス。
「右足が滑る前に左足を前に出せば、滑らずに進めますよ!」
「だからテーマソングかけながら言っても最初と何も変わってないってば」
「いきましょう!」
「さあ!」
 アルテミスと瑞莉は摩那の両手を掴むと、颯爽と階段へと跳躍した。
「ちょっとまってこれだと風が――」
「騎士の全速力、お見せします!」
 突如。アルテミスが光のように駆けだした。
 彼女の速度は音を置き去りにし、鎧も置き去りにし、ついでにぬめっとすべる摩那も置き去りにして落ちてくるウレタンボールに顔からいった。
「これが相対性理ろむきゅう!?」
 階段の一部にぶつかって回転しながら戻ってくるアルテミス(半裸)。
「「あっ」」
 瑞莉と摩那は、この後に起こる出来事を予測した。
「「あああああああああああああああああ」」
 三人ごろごろ転がりながら階段を滑り落ちていく。
 ……その様を。
「いいな」
「ああ、いい」
 コレが見たくて第一トラップを突破してきた男子生徒たちが深く頷きながら見つめていた。
「はっ、なぜか熱い視線を感じるような……!?」
「私のよろい、よろいはどこに……」
「めがね、めがね……」
 ぬめぬめになったアルテミスたちはローションだらけになった床を必死に手探りしていた。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

星羅・羽織
誰かとの絡み大歓迎。
アドリブ大歓迎。

道がなければ、作ればいい。
魔法は、そういうもの。

「面白そ……ピンチに、どこでも登場。ふしぎヤドリガミはおりん」(両手上げ)
フィールドを確認。なるほど、完全に理解した。
クレバーな、私に、かかれば、最適解をはじき出すのは一瞬。
「……」(首かしげ)

邪魔なものは、ふっ飛ばせば解決。当たり前。
私にかかれば、こんなのイチコロ。

「我が、行く手を阻むものよ。燃え尽き絶えよ」
チャーハンと、障害物排除は、火力が命。ドカンと決める。

「さすが、私。有能」(どやぁ)
後ろを向いて、後続にアピール。

「あっ」
(以下なにかとんでもないしくじりをして大変な目にあう。内容を決めるのはキミだ!)


レコ・ジェヒ
うーん、僕だと文字通りよじ登るしかないかなぁ。
爪立てて、最悪這いつくばる感じで……あ、でもローションが。
滝のように流れてくるローションが辛い……。

突風はとにかく体低くして……ケットシーだし、もともと小さいし!
階段上って転がってくるウレタンボールは氷とローションのツルツルを利用して横にスライドして避けられないかな?
何なら【猫の毛づくろい】で抵抗減らしたら、素早く避けれるんじゃないかなー。

……勢いついて止まらない可能性あるけど。
横の壁に激突とか……しないよね?

う、うにゃああああーーー!?!



 なんやかんやで第二のトラップを突破したイェーガーたち。
 しかしこの先に待つ謎のオブリビオンの誰キュバスマスクに打ち勝つには、より多くの戦力が必要だ。具体的には1.5倍くらい必要だ!
「面白そ……ピンチに、どこでも登場。ふしぎヤドリガミはおりん」
 ぽえーんという効果音と共に現われたはおりん。
 バンザイ姿勢のまま右を見て左を見て折り重なるローションまみれのアルダワ生徒たちを見て、こっくりと頷いた。
「大体分かった。完全に理解した」
「ほんとかなぁ」
 レコ・ジェヒがぺーろぺーろと毛繕いしながら行く末を見守っている。
「はおりんににごんはない」
 羽織はどっからか取り出したスプーンを空中に翳すと、くーるくーると大気をかき混ぜるようにしはじめた。
「チャーハンと、障害物排除は、火力が命」
 しだいに周囲の気温が高まり、羽織の頭上に炎の渦ができはじめる。
「あ、なんか嫌な予感してきた」
「我が、行く手を阻むものよ――燃え尽き絶えよ」
 スプーンを振り込んだその途端、炎の渦が氷の階段を舐めるように吹きつけた。
 ぼおうという暴力的な音と共に、氷の溶ける音がする。ローションを無理に加熱しちゃった時みたいなむっとしたにおいに包まれる。
 様子を見ていたレコは、目をぱっと見開いた。
「こ、これは……」
「さすが、私。有能」
 振り向いて、ぴーすサインを出す羽織。
 氷の階段が!
 なんと!
 氷の斜面になっている!





「「難易度上がってんじゃねえかああああああああああああああ!!!!」」
 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛といって地面に崩れ落ちる生徒たち。
 レコはこんなことだろうと思ったよという顔をして、爪をきゅっと出しながら氷の斜面へと挑みかかった。
「みんな落ち着いて。ローションの坂道はこうして爪をひっかければすべらずにすむはず。ボールだってローションのつるつるを利用して横によければ大丈夫だよ。ほらみて、僕がぺろぺろなめたら坂道の摩擦抵抗を減らせるからすごいはやさでよけられあああああああああああああ」
 ただでさえつるっつるだったローション坂道がさらにつるつるになりレコはすっげー速さで坂道を滑り落ちていった。
「難易度がさらに上がってる!」
「ごめんこれは考えてなかった」
 こうなった気合いで登るしか無い。
 残るメンバーの気合いが、試されている!

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シズル・カンドーヤ
 お困りですの? そういうシーンが見たくて見たくて見たくて見たくてしょうがなくて――お困りですの? ですのね!?
 はい決定。お困りですわね。
 困りましたわー、お困りの人がいるなんて、困りましたわー。
 でも、性分ですからしかたなく……ええ。
 困っている方は、見過ごせませんから。

 というわけで正々堂々、正面突破いたしますわ。
 衣装変更なしで。
 なんかレザーっぽい服を着て、すごくすごいハイヒールをはいたままで。
 でもマスクは守りますの。Absolutely(絶対)。

 このシズル・カンドーヤは……注目されることにも! 感動しておりますので!
 ええ、ええッ!(随喜)


ユキノ・サーメッティア
単純「面白そう!」ってだけで来た!
ろー…しょん?すっごいぬちゃぬちゃするにゃー
とにかくこの階段を登ればー

四つん這いになって這うように登っていくよ
全身がローションでぬちゃぬちゃになるけど
すっごい滑るから気にしてられないのー
(体勢も低いからボールも避けやす…)

滑り落ちたなら!
なかなかに危な目な格好で(足の間から顔覗いてる格好)
階段下に滑り落ちちゃう
隙間から微妙に小さい三角の布地が見えちゃうかそもしれない…
「み、見たですか!?」

結局は力業?で~
スカイステッパーで早々に登っちゃうです
(顔を赤らめながら)


メイガス・オブメイズ
聖者はだいたい把握した

不定形の我が身にとって
第一関門の攻略は造作も無し!
…多分、きっと……おそらく?


【WIZ】にて突破を試みんとする
ぬるぬると液状化してしまえばいいのだ

これでうまいことなんやかんやで
「地形の利用」をして
向こうまで辿り着けるであろう
ぬるぬるであるからな!

すっかりトラップと同化している感はあるが
余力があれば「バウンドボディ」で
我が身を伸ばして突破を支援しよう
幾らかは手助けにはなるであろうよ
おそらく……もしかしたら?



「こうなったら頑張って登ってみよう。うわーすっごいぬちゃぬちゃするにゃー」
 ユキノ・サーメッティアはつるっつるになった斜面に手をつけ足をつけ、ひたっすらしゃかしゃかやることで坂中腹まで登ることに成功……したところで力尽きてずべーっと滑っていった。
「……これ、ちょっとおもしろい」
「言ってる場合ではないな」
 メイガス・オブメイズがうにょんうにょんしながらやってきた。
「ここはまかせてもらおう。不定形の我が身にとって第一トラップの突破は造作もな――ここ第二トラップだ!」
 ブラックタールの二度見。
「すまない。聖者のプレが微妙にタイミングを外したばっかりに……帰ってコーラでも飲む」
「まってまって」
 帰って全身しゅわしゅわさせようとしているメイガスをわしっと掴むと、ユキノは彼女を引っ張り戻した。
「最初のトラップ、どうやって突破したの?」
「ん、え? ああ、それは……」
「ふふっ、お困りですのね!?」
 ババーンという謎の効果音と共に現われたのは誰あろうシズル・カンドーヤ。
 なんかの性癖の発露みたいな格好をしたシズル・カンドーヤである。
 シズルは都合良く置いてあった木箱に片足をガッと乗せると、長い後ろ髪を大胆に払ってみせる。
「困っている人々を見過ごせない……それがこのこのシズル・カンドーヤ!」
「何か考えが?」
「勿論」
 シズルは自ら坂道に這いつくばると、全身にローションをあびまくった。
「そういうシーンが見たくて見たくて見たくて見たくてしょうがない深夜のボーイたちの夢……叶えてさしあげますわ! このシズル・カンドーヤは……注目されることにも! 感動しておりますので!」
「まって違うそういう方面では困ってない」
「困っていらっしゃらない……?」
 ならわたくしローションの浴び損では?
 首を傾げるシズルに、むくりと起き上がった生徒たちや坂道を上れなくて困っている羽織たちが寄ってきた。
「あの坂道を全員で登りたいんですよ」
「……なるほど?」
 なんとなく理解したシズルは、氷の斜面にがっと足をかけた。
 具体的にはハイヒールの踵ぶぶんをピッケル変わりにして体勢を無理矢理固定すると、そのままがっしがっし坂道を登っていった。
 筋肉。
 そう、筋肉は全てを解決する。
 かくして最上階までほぼごり押しで登り切ったシズルは、下にいるユキノめがけてなんかぬめぬめした物体を発射した。
「うわっなに! なんかぬちゃぬちゃするです!」
「少女よ、それは私の肉体だ」
 メイガスだった。
 それも、自分の肉体をこうびみょーんって伸ばしたメイガスだった。
 今その先端を持っているユキノ。
 もう一方の先端を持っているのはシズル。
 つまり?
「これを使えば無理矢理登ってこれるということ、ですわ!」
「あっそれさっき私が言おうとしたやつです!」
 けど好都合!
 他の生徒たちもユキノにガッとつかまり、ユキノはユキノでローションに触れるか触れないかくらいの位置をスカイステッパーで多段ジャンプ。
 風に飛ばされないようにメイガスの伸縮能力とシズルの腕力で引っ張って貰い、なんとかかんとか、全員ローション階段ゾーン(途中からローション坂道ゾーン)を突破することに成功したのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サキュバスマスク』

POW   :    エナジー・ドレイン
【接近しての掴み 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【抱擁→精気吸収攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    サキュバス・アーツ
【拳・脚・お尻など、身体の一部を使った打撃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    セクシー・パフォーマンス
自身の【過剰に色気を振りまくアピール 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ついにダンジョン最深部へと到達したイェーガーとごく僅かなアルダワ生徒たち。
 そんな彼らを待ち受けていたのは……。
「フフフ……ハーッハッハッハッハ! よく私の作ったぬるぬるローショントラップを突破してきたわね! けれど、その快進撃もここまでよ!」
 控えめに言ってドスケベな服装をしたドスケベなJKがバッと両腕を広げた。
「あいつは……!」
「知っているのかインテリ気取り!?」
 眼鏡と直線前髪だけでインテリを気取っているという生徒が、身を乗り出して叫んだ。
「女ローション相撲で不動の横綱として知られる――パーフェクトヌメリスト潤子!」
「パーフェクトヌメリスト潤子だと!?」
「だが見てください。あの仮面にあの雰囲気……しかも羽根やしっぽも生えています。きっと仮面に操られているのです!」
「説明口調ご苦労!」
 パーフェクトヌメリスト潤子……もといサキュバスマスクは、ぽちっと手元のスイッチを押し込んだ。
 するとどうだろう!
 部屋の四方に備え付けられたシャチホコ飾りから滝のようにローションがあふれ出し、部屋の床がローションまみれになったではないか!
「ローションの扱いにひたすらに長けているこの肉体と――ローションもののあれがドストライクなこの私(マスク)! 二つの力が一つになったとき、我々は無敵のヌメリストとなるのよ!」
 無敵のヌメリストが華麗なるローションスケートテクニックによって襲いかかる!
 ここばっかりは外せないぞ! 戦え、イェーガー!
「質問!」
 ビッと手を上げたプロケンケニスト。
 クラスでいちばんけんけんがうまいがそれ以外なんの取り柄も無いという彼は真剣な顔で問いかけた。
「マスクに操られているということは、パーフェクトヌメリストの肉体を攻撃したらまずいのでは?」
「心配いりません。どこを攻撃してもダメージは全てマスクに入るため、パーフェクトヌメリストの身体は無事に取り戻すことができるでしょう」
 眼鏡をちゃきってやるインテリ気取り。
「ということはナイフでざくざく刺しても?」
「問題ありません!」
「銃でばんばん撃っても!?」
「問題ありません!」
「あちこちなで回しても!?」
「それは立派な犯罪です!」
「よっしゃあ皆行くぞ!」
「三つ目! 三つ目は絶対やるなよ!?」
リョウ・サイバ
ふぅぅぅ、ここからはオジサンも真面目にしないとね(キリっと賢者)

プロケンケニスト、インテリ気取り、ジェネリックお嬢達の犠牲は無駄にしないさ(勝手に犠牲にしない)

オジサンはドスケベなJKの格好をした敵なんかに負けはしないんだよ!(ビクンビクン)
とぅーう!大怪盗のお孫さん直伝のだーいぶで接近して超高速連続タッチ…じゃなく攻撃だ!(ユーベルコード使用らしい)

決して!触りたいとか揉みたいとか発散したいとかじゃないよ!猟兵だから戦うんだよ!だからローションまみれの女の子を見てたいとかなんて決して!

学園の平和はオジサン達が守るのさ!

あ、攻撃がローションで…な、これはプロのテクニシャン!オジサンもうダメかも



 このダンジョン攻略の中で誰よりも早く動き誰よりも好き勝手やってきた男、それがリョウ・サイバ。
「ふう……オブリビオンが相手なら、オジサン真面目に戦うね」
「あれっ、なんでこの人賢者みたいな顔してるの」
「さっき何してきたの」
「オジサンはドスケベなJKの格好をした敵なんかに負けはしないんだよ! トゥッ!」
 リョウはアイススケートの要領でぬめぬめ走り出した。
「フフ、ローションの上でこの私より早く動けるとおもって!?」
「それが、案外できちゃうんだな」
 リョウは突如としてスピードアップ。
「なんという速度!? まさかさっきまでの動きは私を油断させるための――」
「ハアッ……!」
 リョウは自身ですら認識できないような速さでサキュバスマスクの横をすり抜けると、キラリと目を光らせた。
「学園の平和は……オジサン達が守るのさ!」
「「オジサン!!」」
 生徒たちがグッと拳を握って身を乗り出した。
 一方のサキュバスマスクは!
 全身を!
 ローションまみれにしていた!
「はっ、いつのまに!?」
「「オジサアアアアアアアアアアアアン!!」」
 生徒たちはガッツポーズで飛び上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
ローション相撲……障害物や遮蔽の無い空間……地の利は相手に在り……そこまで広くも無い屋内……。
……あれ、私これもしかして狙撃手としては詰みなのでは……?
ってこっち来ないでくださいぬるぬるが!ぬるぬるが!!

接近戦であればライフルを使っている暇はありませんし、毒煙も私にまで影響が出る……。
頼みの綱はパラライズナイフのみ!
ギリギリまで銃での反撃を試みて油断を誘いつつ、接近されるようでしたら、ナイフでどうにか抵抗してみます。
宿主の方には申し訳ないですが……太ももや腕あたりの露出した部分に狙いを定めて、確実に麻痺毒を入れさせてもらいますよっ!



「くっ……ここへ来てこんな不利が生じるなんて……!」
 シャルロット・クリスティアはライフルと膝を床へとついた。
 障害物も遮蔽物もなく、地面はローションまみれ。
 狙撃手としての利点はひとつとして活かされない、この状況!
 いやよく考えたら今まで一つたりとも狙撃手っぽいことしてなかったからいいっちゃいいけど!
「よそ見しているとローションに沈めるわよ!」
「まふっ!?」
 なんか言おうとしたシャルロットは高速接近と共に高速回転ダブルラリアットを繰り出したサキュバスマスクによって派手に吹き飛ばされた。
 ローションプールと化した床をぬめーっと滑っていくシャルロット。
「こうなったら!」
 シャルロットはライフルを片腕持ちすると、さっき氷の階段をざくざくやっていたナイフを再び握り尚した。
「さあ、来なさい!」
 シャルロットの乱射するライフルの銃弾は二発がはずれ、一発はローションにまみれた腕によってぬるっと弾かれた。
「何度やっても同じこと!」
 ローションの潤滑さ、パーフェクトヌメリストの見こなし、そしてマスクのローション趣味の三つが合わさった高速ダブルラリアットがシャルロットを襲う!
 その瞬間!
「そこです!」
 飛び込むように転がったシャルロット。
 逆手に握ったナイフ。
 サキュバスマスクの太ももに走る一筋の赤いライン!
「何っ!? 自らの小柄さを利用して私の足だけを……!」
 ナイフに込められた魔力が発動し、サキュバスマスクの動きがわずかに鈍る……!

成功 🔵​🔵​🔴​

郁芽・瑞莉
気合と根性でどうにかなるのならトラップって言いませんよね。
すっかり全身ぬめぬめです……。

相手はぬめりのスペシャリストの身体を乗っ取っているんですね。
敵の動きに対応できずに最初は振り回されます。
「くっ!戦闘でこうも足元が滑ると厳しいですね」

動きの鈍さに敵の抱擁やら、生徒のセクハラも受け放題。
「やっ……そ、そこはだめっ……、ち、力が……吸われて……」
「ちょっ……、今触りませんでしたか?」

流石に近接攻撃は分が悪すぎるので、攻撃のサポートとして相手の動きを止めに回りますよ!
から符を取り出して、符の霊力を解放します。
「七星の名の下に、七つの縛りを我が眼前の敵へ、七星七縛符!」

さあ、今度はこちらの番です!



 ぬめる床を跳躍し、回し蹴りを繰り出す瑞莉。
 それをスライディングでかわすサキュバスマスク。一方の瑞莉は着地に失敗してぬめる地面をぬめぬめと転がった。
「ふふふ、慣れない地形は大変ね!」
「相手はぬめぬめのスペシャリスト。やはり地の利は相手に……やっ、ちょ、そこはだめですまってまって待ってください!」
 倒れた瑞莉の腰布みたいなやつをつまんでゆーっくり上げようとするサキュバスマスク。
 無言でガッツポーズをして身を乗りだす男子生徒たち。
「はっ、はなれなさい!」
 瑞莉は手にした薙刀を振り回すが、サキュバスマスクは軽やかに飛び退くのみ。
 どころかセクシーなポーズをとったままスピンジャンプを繰り出し生徒たちの熱い声援をうけていた。おまえは味方だろ。
「動きの良さでは勝てません。けれど……これでなら」
 胸の谷間に二本指をすっと突っ込み、取り出したるは一枚の護符。
「七星の名の下に、七つの縛りを我が眼前の敵へ、七星七縛符!」
 飛ばした瑞莉の護符がサキュバスマスクの太ももに張り付き、不思議な力が彼女を覆った。
 先程切りつけたナイフの魔力と相まって、増大したはずのサキュバスマスクの身体能力が元の状態まで引き戻される。
「つっ。私にとってローションが得意分野であるように、あなたにも得意分野があるというわけね……!」
「そういう……ことで……あっそこだめですめくったらだめなところです!」
 そーっと腰のやつをめくろうとするジェネリックお嬢をげしげしやる瑞莉であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユキノ・サーメッティア
ううー…全身ぬるぬるだよー…
トラップっていうか、ただの趣味じゃないのかー?
肌の露出部分は多目とはいえ
幼女のローション塗れなんて誰得だろうけど

なにか動きが先の人の攻撃で鈍ってるようだし
さらに鈍らせてやろー
【スナイパー】でよく狙って
シャルドンナ—による【マヒ攻撃】を乗せた銃撃!
…ん?ローションプールで雷放つのは危な…あばばばばば
(攻撃はちゃんとしてます)
って、【電撃耐性】持ってたわ

動きが鈍ったのなら
接近しての攻撃も当りやすくなるでしょっ
※床滑る+全身ローション塗れ
剣を抜いたと思ったら、転ぶ+剣すっぽ抜け
さっきの坂で手も滑ってるからね!
ただ、偶然にも不意打ち気味に相手の方に剣が飛んでく、偶然だけど!


九・祇園
もうヌルヌルのまま突撃してしまえばいい感じにどったんばったんなってぐにょぐにょでいけるのではなかろうか。
我輩、よくよく考えれば布地がローション吸ってもそんなに動きの妨げにならぬであるからな。キャラ設定アドバンテージ!
よし、やつが我輩にお尻を見せた時を狙って突撃である!
いっそすべってスピードアップアターック!


黒木・摩那
★ぬるぬるマスクに相撲を挑む
【WIZ】
やっとボスのところまで来ました。

あなたがサキュバスマスクですか。
てっきり、ナンシー・アラタメさんかと思ってました。
いや、失礼しました。

さて、メガネもローションまみれだし。
髪も濡れ濡れだし。
もう怖いものなんてないわ!

こうなればもう、ローションの上で相撲でもなんでもやってやろうじゃないですか。

マスクは元はローション相撲の横綱ということですから、
相撲スタイルで攻め込めば、がっぷり組んでくれると考えます。
組んだところをサイキックブラストで感電してもらいます。

メガネの恨み、許すまじ


レコ・ジェヒ
もうぬめぬめとか気にしないし。さっきぬめぬめになっちゃったし
……気にしないったら気にしないし!(めっちゃ気にしてる)

ライオンライドでライオンに乗って戦うよ。
四足歩行なら滑っても転ばなさそうだし、強くなれるし一石二鳥だよね?
……転ばないといいなぁ……
攻撃で狙うのはやっぱり足かな、怪我で動きが鈍くなるのを期待。

そうだ、ヌメリストさんは更に滑りが良くなったらどうなるのかな?
猫の毛づくろい使ってみよ。
限界が来て転んでくれたりしない?
床とか舐めると自分たちにも影響が出るから、ヌメリストさんを舐め……
いや待って、それは色々問題な気ががが。
そうだ、手とか! そういうとこなら!
(舐められるとは言っていない)


アルテミス・カリスト
「はぁ、はぁ、こ、ここに辿り着くまで苦労しましたが、ようやく迷宮の主と対決ですね!
いよいよ、この正義の騎士アルテミスの力を発揮する時です!」

相手はマスクに身体を操られていると言うなら、聖騎士としての力を解放するしかありません!
【聖なる大剣】でオブリビオンのみを斬り裂く光を剣に宿し、
敵のマスクだけを斬り裂いてあげましょう!

「って、なんですかー、このぬるぬるな足場はーっ!」

そう。重い大剣を振るうには、この足場はぬるぬるだったのです。
これでは敵の動きについていけませんっ!

【聖なる大剣】による代償でピンチに陥って、ミニスカートの中までぬるぬるになってしまうのでした。


星羅・羽織
パーフェクトヌメリスト潤子……いや、サキュバスマスク、恐ろしい奴……。
私の、完璧な作戦が、通用しないとは、強敵かもしれない(全身ローションまみれ)
あのあと、超えるのが、大変だった。
……この、ぬるぬるな恨みは、絶対に返す(ぐっ)

ローションまみれの床を、利用して、すばやく滑りながら、ユーベルコードをぶちこむ。
腐っても、魔術師。ここで、かっこよく決めて、皆に褒められたい。
「高速戦法。私について、これる?」(すいーっ、ぬりゅーん、すいーっ、ぬりゅーん)
「ふふふ、自分の策を、逆に利用されて、動揺してる。私には、わかる」(ぬりゅっ、すいーっ、すいーっ、すいーっ)


「ふふ……ふ?…………これ、ちょっと速すぎ」


燈夜・偽葉
あなたが黒幕なんですね!
ローショントラップ楽しかったですありがとうございます!
それはそれとして倒しますね!覚悟!

まずは見切りや残像やフェイントを駆使しての近接戦です
黄昏の太刀(サムライブレイド)で撃ち合います
くっ、やはりぬるぬるでうまく動けません…!

でも大丈夫!
あなたの動きの癖はもう見切りました!
頃合いを見計らって、潤子さんを視界内に捉え、太刀もう一本抜刀して「剣よ、空を分かちて」で斬り捨てます!
このユーベルコードの射程は324m
狭い部屋で戦うことを選んだ時点で、あなたに勝利など無かったのです!


アリス・セカンドカラー
でーおくれたー

せんせー、撫で回しがダメなら触手を絡み付かせるのはいいですか?
触手技のユーベルコードならいっぱいあるわよ?
大丈夫大丈夫、少年誌のお色気回程度に留めとくから☆

ダメ、そうダメなの。でも、こんなことがあろうかと☆
触手技UCをまとめあげたセルフ倫理結界技”真なる夜の到来”は開発済よ☆
外からでは夜の中は見通せない、すべては夜に覆われ、夜に融け、夜に堕ちていくの。
さぁ、ぬめぬめぐちゅぐちゅしましょうか♪


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ごにゃーぽ☆(挨拶&感嘆詞)
愛騎ハルキゲニアの上に腕を組んで仁王立ちで騎乗して推参☆
念動力でこっそりと浮いているのはナイショだ。

とはいえ、周り中がローションまみれでは動き難いな。
よし、カンブリア大爆発だ☆
ゆけ、古代の生物達よ、液体での活動はお前達が先輩なのだと教えてやるのだ☆



ローションマミレの女体に群がる妖しい生命体達、うん、これはなんというか、うん、絵面がなんというか、うん、なんかすまんね。

お詫びと言ってはなんだが、この特製回復薬の戦慄の蒼汁をご進呈しよう。



「フフ、肉体にかなりの制限をうけたけれど……それでも今この場の全員をぬめりたおすには充分よ!」
 サキュバスマスクは謎ののけぞり姿勢から健康的な太ももを振り上げる謎のモーションでこちらを威嚇している。
「ふふん! この戦い、貰ったのである!」
 九・祇園が謎のどや顔ポーズ(どや顔を最も効果的に見せるなんか偉そうなポーズ)で立ちはだかった。
 眼鏡をぬめっと直す黒木・摩那。
「何か秘策が……?」
「よく聞け」
 祇園は全力のシリアス顔で振りかえる。
「もうヌルヌルのまま突撃してしまえばいい感じにどったんばったんなってぐにょぐにょでいけるのではなかろうか」
「ごめん一ミリも分からないわ」
「わかれー!」
 あのしっぽげな物体を上下にびっちんびっちんする祇園。
「ああっ、やめてー! はねたろーしょんがびちびちかかるーっ」
 ユキノ・サーメッティアがうあーと言いながら顔を覆った。
「もう全身ぬるぬるだよー。ローションまみれな肌色幼女なんて誰も喜ばないよー」
「それはどうなんだろう」
 レコ・ジェヒが賢者みたいな目で、虚空を見ながら言った。
 これは僕の意見じゃ無いよという無言のアピールである。
「少なくとも相手は喜んでるんじゃないかな」
「「……そーなの?」」
 ユキノたちがいぶかしむようにサキュバスマスクを見ると、彼女は謎のY字ポーズで応えた。
「控えめに言って『たぎる』わ!」
「ど変態だよー!」
「変態!? どこですか! 今すぐ手打ちにします!」
 半裸のアルテミス・カリストが剣を振り上げて部屋に飛び込んできた。
「鏡見る?」
 冷静なレコとは対照的に、アルテミスは剣を両手で握ったまま目を見開きローションをてりつかせていた。
「ハァハァここにたどり着くまでハァハァ苦労しましたがハァハァいよいよ対けハァハァ」
「おちついて恐い恐い」
「この正義の騎士アルテミスの力を発揮する時ですっ!」
「その体勢のまま近づいてこないでこわいこわい」
「それだけ敵の罠が手強かった。しかたない」
 全身ぬっめぬめの星羅・羽織が無表情で振り返った。振り返っただけなのにぬちょっていう嫌な音がした。身長140センチの美少女から出ていい効果音じゃなかった。
「私の、完璧な作戦が通用しないとは……パーフェクトヌメリスト潤子……いや、サキュバスマスク、恐ろしい奴」
「あれは完璧に自滅だったよね! あっぼくもだねごめんね!」
 端から順にツッコミを入れるレコ(ぬめぬめ)。
 そろそろ息切れしてきたのか、別のツッコミ係が欲しくなったらしい。
 誰かまともな人こないかなーって振り返ると、キッとシリアスフェイスをした燈夜・偽葉が茜色の刀をぶらさげてゆらりゆらりとやってきた。
「パーフェクトヌメリスト潤子……いや、サキュバスマスク。あなたが黒幕なんですね! あのローショントラップ……」
「おっいいぞ言ってやれ」
「楽しかったですありがとうございます!」
「そうだぞ楽しかっ――なんて!?」
 二度見するレコ。
 拳を握って身を乗り出す偽葉。
「それはそれとして倒しますね!」
「まってさっきのなに、まって」
「待たせたわね!」
 ババーンというセルフ効果音と共に現われる二つの影。
 おお、第三章にしてやっとまともな助っ人が現われた。レコは祈る気持ちで逆光をあびるシルエットを見やる。
「『撫でるのがダメなら触手をからめればいいじゃない』――アリス・セカンドカラー!」
「『ローションがいやなら青汁まみれにすればいいじゃない』――蒼汁之人・ごにゃーぽさん!」
「「さんじょう!」」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
 レコのツッコミキャパシティが破裂した。
「さぁ、ぬめぬめぐちゅぐちゅしましょうか♪」
「ごにゃーぽ☆」

 どうかしてる人たちに囲まれ干物みたいになったレコをそっと端っこ(ローションかけながしスポット)に安置すると、摩那は眼鏡をぬぐってサキュバスマスクへ向き直った。
「服も眼鏡もローションまみれだし、もう恐い物なんてないわ」
「そうね大好物よどこからでもありがとうございますかかってらっしゃい」
「サブリミナル方式で本音混ぜるのやめて。キャラ崩壊しない? 宿敵主的に大丈夫なの?」
 一二三MSは心の広さブッダだから大丈夫だと思う。
「ローション相撲でもなんでもやってやるわ! 投げ落としてあげる!」
 アイススケートの要領でぬめんぬめんと突進する摩那。
「望むところよ!」
 対するサキュバスマスクとがっぷり四つに組み合う。
「いかんぞ!」
 突進最初の一歩で躓いて顔からいっていた祇園がむくりと顔をあげる。
「だがローション相撲で無敗を誇るパーフェクトヌメリスト潤子のボディはやわらかくつかみ所が無いという! そんな奴にローション相撲を挑めば一方的に投げられるだけであるぞ!」
「そんなことは百も承知。狙いはこっちよ――『サイキックブラスト』!」
 突如、摩那の両手から高圧電流が流れた!
 そっとやってきたライオンさんの背中に乗せられ、がばっと起き上がるレコ。
「うまい! あの状態で電流をはなてば避けるのは不可能!」
「しかもローションはあの……あれだぞ、電気がすごくびりってなりやすいあのあれだから、あれだぞ!」
「ちゃんと解説して! ローションはその材質にもよるけど電流が通りやすく帯電もしやすいから電流のダメージが強くあっこれ僕らもやばいんじゃあばばばばばばば!」
「あばばばばばばばば!」
 レコと祇園がしびれるなか、ユキノがチャッと精霊銃を構えた。
「今のうちだ。雷の力をくらえー」
 雷の力がこもった銃弾がサキュバスマスクに命中。
「「あばばばばばばばば!?」」
 ばっしゅんという音と共に、摩那たちはその場に崩れ落ちた。
「く……サキュバスマスク……つよい……」
「ほぼ味方の攻撃だけどね」
「諦めてはなりません!」
 アルテミス(半裸)が剣を握って立ち上がった。
「この剣は今よりオブリビオンのみを切り裂く剣! これを使ってサキュバスマスクのマスクだけを切り裂くのです!」
「なるほどー。そうすればパーフェクトヌメリスト潤子の身体をスルーして攻撃できるってわけだね!」
 ユキノも協力するよーといって水との親和性が高いという剣を抜いた。
「剣の勝負なら、私も手伝います!」
 偽葉も愛用の刀を握り込み、二人と共にこっくりと頷いた。
「散ッ!」
 同時にしゅばっと(実際にはぬちょっと)別々の方向に散った三人は、サキュバスマスクを囲むようにぐるぐると回り始める。
「三人同時に切り込もうというわけね。けれど無駄だわ。この私の身体能力なら全ての攻撃をぬめらせることなど容易……!」
 身構えるサキュバスマスク。
 その様子をぼーっと見ていた羽織は、なんかうずうずした様子ですいーっと走り始めた。
 出番まだかなーという顔で待っていたアリスとごにゃーぽさんが首を傾げる。
「なにやってるの?」
「なんか、混ざりたくなった」
「そっかー」
 羽織はどんどん速度をあげると、精一杯のシリアスフェイス(素)をした。
「高速の魔術戦闘。私について、これる? ふふ、自分の策を、逆に利用されて、動揺してる。私には、わか――あっ」
 羽織の脳裏にこんな俳句が浮かんだ。
 『ぬめばしり ローションは急に とまれない』
 ローションという季語が入っている素敵な俳句ですね。
 ……とかいう現実逃避のさなか、羽織はアルテミスのおしりに衝突した。
「ひきゃ!?」
 その勢いでアルテミスは偽葉の足にしがみついた。
「はう!?」
 その勢いで偽葉はユキノの股の間にはさまった。
「ぴっ!?」
 一斉に転倒。
 一斉に顔からずべーっとすべり。
 一斉に部屋の端(ローション掛け流しスポット)へとぶつかった。
「うー、いたたたた……あれ?」
 ユキノの手には剣は無かった。
 アルテミスの手にも剣はなかった。
 振り返ると。
「ぐああああああああああああああ!!」
 全部サキュバスマスクにぶっささっていた。
 オブリビオンだけを斬る剣って話はどうなったんんだ。
「あ、今」
 羽織がここぞとばかりにウィザード・ミサイルを発射。
 なんかもう数えるのもめんどくなるくらいいっぱいに増えた炎の矢がサキュバスマスクを襲う。
「ごにゃーぽさんごにゃーぽさん、これって混ざる絶好のチャンスじゃない?」
「わかる」
 アリスとごにゃーぽさんがすっくと立ち上がり、それぞれ今日一番の決めポーズをとった。
「『真なる夜の到来(デモニックエクリプス)』!」
「『カンブリア大爆発』!」
 どこからともなく現われた大量のハルゲニアとあとなになんか名前知らないエグくてきもい海洋生物みたいなのがワッと飛び出し、さらには触手を大量に放ったアリスの変身体がサキュバスマスクを取り囲んでいく。
 予備の剣(全部で五本くらいある)を握って立ち上がる偽葉。
「あなたの動きの癖はもう見切りました! このユーベルコードの射程は324m……閉ざされた部屋で戦うことを選んだ時点で! あなたに勝利などなかったのです!」
「あっずるい! トドメ演出もっていく気だ!」
「ああっ、わたしも! 私もやります!」
 借りた剣を無理矢理聖なる大剣に変化させるアルテミス。
「ちょっとまってよ僕まだ必殺技打ってないんだから!」
「我輩もういいっていい? ゴーしていい?」
「とびこめー!」
「わーい!」
 ライドオンレコ、祇園、ユキノ、(頭をやられら)摩那が一斉に飛びかかっていく。
「ちょっとまってこれいっぺんにむりむりはいらないむりー!」
 サキュバスマスクは涙目になって腕をぶんぶん振ったが、最終的に全部触手とカンブリア大爆発に包まれた。全部である。さっき飛びかかった全員もである。
「あ、やっちゃった☆」
「なんかすまんね」

 後日談。もとい後始末。
 ローションまみれになったダンジョンは綺麗に掃除され、ただちょっと長いだけの通路となった。
 最後までついてきたけど最後まで一切役に立たなかったプロケンケニストやジェネリックお嬢はなんかやりきった顔でダンジョンをあとにし、サキュバスマスクに肉体を乗っ取られていたパーフェクトヌメリスト潤子も元気にローション相撲界へ復帰していた。
 だが忘れてはならない。
 これはアルダワ魔法学園保有ダンジョンのごく一部に過ぎないということを。
 第二第三のサキュバスマスクが復活し、地上侵攻をもくろんでいるということを!
 また出てきたときに『ローションのひとだ』とは言ってあげないでほしいということを!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月11日


挿絵イラスト