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その悪しき者に断罪を

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●その悪しき者に……
「……何?」
 淡麗に整った顔立ちの男が下僕からの報告に顔をあげる。
 それは、戯れに使っていた街が開放されたと言う報告。
 そして、それに乗じてここに攻めようと言うものがいると言う報告。
「ふん、雑魚どもめ。自らの立場を弁えてないと見える」
 男は立ち上がり、下僕に命じる。
 全てを始末しろ、と。
 下僕はそれに応じて、またその姿を影へと消してゆく。

 果たして起こるは大虐殺。圧倒的な上位者に対しては塵芥の如く。
 オブリビオンと言う絶対者に対して抗う術を持たぬ一般の民は血色の華を咲かせて散る。
 その様を見下しながら、その男は高らかに笑う。所詮はこんなものだ、と高らかに笑う。
「自らの身を弁えぬからこそこうなるのだ」
 大人しく、従属していれば血袋程度にはしてやったものの。
 それこそが彼らにとっての慈悲であった。
 それに従えぬのならば、塵芥のように滅却されるが同然。
「弁えよ、雑魚ども。お前らは家畜でしかないのだから……」
 吸血鬼は玉座に座り、ひれ伏す者を睥睨する。
 それは僅かな生き残りであった――――そう、ほんの僅かな。

●と言う予知
「イエス、イェーガー。新たな予知がなされました」
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)がグリモアベースに集まった猟兵たちに告げた。
「ダークセイヴァーにて大規模反乱……があっと言う間に鎮圧されてしまうと言う予知です」
 彼女曰く、以前解放された街が領主館に対して攻め入るも、一瞬で全滅させられてしまうらしい。
 今は予知の段階ゆえ、反乱の準備が進んでいる段階ではあるようだ。
「そのまま殲滅されるのも胸糞が悪いですし、相手はどうやらオブリビオンのようです」
 なれば、こっちが先に乗り込んで潰してしまえば、反乱軍が壊滅することもなく、街は本当の解放を迎えられる。
「相手は吸血鬼のオブリビオン。なれば容赦など一切不要でしょう」
 淡々と無機質に語りながら、アリシエル・フィフスガーディは猟兵たちを見やる。
「イェーガーたちならば特にさしたる問題もなく殲滅可能な案件と判断します」
 そう告げながら彼女たちは君たちに向き直り、無機質な眼差しを送る。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」


虎河豚天
 虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
 前回、ダークセイヴァーでやったものの続きみたいなノリでやってます。
 今回は初の日常編混じりでやるので私としてもドキがむねむねしております。
 どうぞご参加の方をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミーナ・ヴァンスタイン
「吸血鬼殺しはダンピールで生者である私の使命。全力でいくわ」

二丁拳銃から【破魔】の光の魔力弾を【2回攻撃】で撃ち込みます。
「吸血鬼の犬め、邪魔よ」
敵が姿を消したら【聞き耳】で敵の大まかな位置を予測し、横薙ぎに連射し【なぎ払い】ます。
「姿が見えなくても実体があれば当たるわよ」

敵の攻撃は【聞き耳】【視力】で【見切り】【残像】で踊るように回避します。
「しつけがなってないワンちゃん達ね」

味方が危ない時は【援護射撃】でダガーを【投擲】し【毒使い】【マヒ攻撃】で刃に塗った麻痺毒で動きを封じます。
「余所見は危ないわよ?」

一度見た攻撃は【断罪撃】で【怪力】【鎧砕き】の一撃で吹き飛ばす。
「その攻撃はもう見たわ」


ミーア・レギンレイヴ
主よ、自由への意思を、どうかお守りください。
我は人の楯であるがゆえに!

まずは前哨戦ですね。

前線に出て、しっかり守って見せます。
えぇ、無敵城塞【POW】ですとも!

あれ、別に痛くないわけではないんですけどね!
盾持ってるせいか“平気ですか? 平気ですね?”とか聞かれますけど!

平気では! ないです!

ですが、退く理由もありません。
前哨戦の相手は魔獣。
速度と凶暴性が得手、と言ったところでしょうか。
同じ土俵で戦っては分が悪い。

我が盾で、しかと受け止めて見せましょう!
……防ぐ構えであれば透明だろうが範囲攻撃だろうが関係ないですし。

皆さん、しっかり仕留めてくださいよ?


セシリア・サヴェージ
民を虐げる領主…それもオブリビオンとあれば討たない理由はありませんね。
領主殿に謁見するためにもまずは配下を片づけるとしましょう。

戦いにおいては前線で剣を振るい味方を護るのが騎士の本分と心得ます。
後方に被害が及ばないように可能な限り敵を引き付け、【ブラッドウェポン】により強化された我が暗黒剣で一体ずつ闇に葬るとしましょう。

味方に攻撃が向いたときは【かばう】【武器受け】を駆使して必ず守り抜いてみせます。
士気を高めるために【鼓舞】するのもいいかもしれません。

この戦い、無辜なる民たちのために必ず勝利しましょう!



●聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな
「吸血鬼殺しはダンピールであり、生者である私の使命」
 正義のアルカナが示す通り、正義は我等に在り。
 ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)は破魔の力を込めた銀の弾丸を放つ。
 銃声、そして聖なる輝きが暗黒の獣の血肉を抉る。
「ギャウン!!」
 響くは獣の叫び。されど、人の血肉に飢えた獣たちは止まらない。
 血に飢えた叫びが響き渡り、衝撃が迸る。
「主よ、自由への意思をどうかお守りください。我は人の楯であるがゆえに!!」
 ミーア・レギンレイヴ(世界に祈る少女・f04070)が無敵の楯となり、その衝撃を受け止める。
 ミシ、ミシ、と言う音が響き、その顔が苦痛に歪む。
「……平気ですか?」
 セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)がそんなミーアに問いかける。
 衝撃が過ぎ去った後、ミーア・レギンレイヴは神秘の金剛石で鍛たれ天意で編まれた大楯を掲げる。
「平気では!! ないです!!」
 ドーン、と言う効果音が走りそうな堂々とした宣言に一瞬、場の空気が静止する。
 一瞬の沈黙、されど、長々と続いた……そんな弛緩した空気は。
「グルルルルル、グォオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
 獣の咆哮で動き出す。
「平気ではないです!! から!! 皆さん、しっかり仕留めてくださいよ!?」
 金剛の大楯で攻撃を捌きながらミーア・レギンレイヴが叫んだ。
 その声に呼応するようにセシリア・サヴェージは暗黒の剣に自身の血肉を溶け込ませる。
 解放、迸るは闇の波動、血肉を食み、骨身を食らう闇の刃。
「我が血の代償により解き放つ……。――――行くぞ」
 凛とした華のようであったセシリア・サヴェージは、ソレを解き放った瞬間、荒ぶる鬼が如く。
 振るう黒き刃が暗黒の獣をより深く、暗い闇にへと誘っていく。
「そうね、あの子も平気ではないようだし……」
 ガインガイン、と鈍い音を響かせ、獣の攻撃を一身に受けるミーア・レギンレイヴを一瞥してからミーナ・ヴァンスタインは拳に光を灯す。
 それは視覚にすら捉えられるようになった程の高密度の圧縮された魔力。
「アナタの罪、消し飛ばしてあげる」
 繰り出す拳は暗黒の獣に触れた瞬間、高密度魔力が相手を炸裂させる。
 光は遍く闇を照らす。それを示すようにその光り輝く拳に触れた獣たちは弾け飛ぶ。
「グオオオオォォォォォォォォッ!!」
 それでも、暗黒の獣たちは止まらない。止まれない。
 自らの本能があれが敵だと言う事を察しているから。
 そして、何よりも止まって逃げた所で待っているのは主からの粛清。
 故に獣たちの活路は目の前の敵を喰らい尽くす事のみ。
 だからこそ、獣たちはなおも止まらず、目の前の敵を噛み砕こうと吼えた。
「吸血鬼の犬め、邪魔よ」
 吐き捨てるように、ミーナ・ヴァンスタインは言う。
 そんな様すら不愉快だ、と言わんばかりに。
「この戦い、無辜なる民たちのために必ず勝利しましょう!!」
 セシリア・サヴェージも暗黒の剣を掲げ、獣の叫びに負けぬと声をあげる。
 猟兵たちの戦いはいまだ終わらない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リミティア・スカイクラッド
胸糞が悪い。単純ですが理解できる動機です
元よりオブリビオン絡みならこれも使命
リムは目標を殲滅します

敵が集団であれば、ここは広域攻撃で薙ぎ払いましょう
距離を保ち、魔力と詠唱を紡ぎ、発動直前には味方に注意を促し
【属性攻撃】リムはエレメンタル・ファンタジアを発動します
現出させるのは「雷」属性の「嵐」
暗闇に潜む獣を雷光で暴き出し、透明になろうとも関係なく無数の落雷で面制圧します

この戦いも、吸血鬼は見ているのでしょうか
傲慢なその足元が揺らぐ様を、雷光と共に目に焼き付けて貰いましょう


ナイア・アルハズラット
んもう、やる気出すの良いけど、出来る事と出来ない事は区別しなきゃダメじゃない。
ま、吸血鬼の居城を攻めるならお宝の一つや二つはありそうだし……お手伝いしましょうかね。

ゆうゆうと近づいて、相手の攻撃に『ダルダロイスの槍』をそっと合わせる。
軽くでも傷を付ければコチラの物、《猟犬は標的を逃さない》で背後に転移して首をはねるわ。

それにしても数が多いわね……一匹一匹仕留めるのは手間がかかりそう……。
……弱音を吐いてはいられないか、チャッチャと討伐していきましょう!
この世界の人達じゃぁ1匹残ってるだけで大惨事になりかねなしね。



●開戦の雷光、猟犬の槍
「んもう、やる気出すのは良いけど、出来る事と出来ない事は区別しなきゃダメじゃない」
 それは攻め入ろうとした民たちに対する苦言であったか。
 この場にいるには相応しくない程に整った容姿端麗な少女人形・ナイア・アルハズラット(いずれ深淵に至る魔導書・f04959)は槍を取り回して言う。
「ま、吸血鬼の居城ならお宝の一つや二つあるわよね」
 この深淵に至る魔導書人形の目的はあくまでトレジャーにあり。
 なかったらどうするのであろうか? あるところから持ってくるんだよ。
 悠々と近づく美しき少女人形、されど獣にその美貌は無意味。
 力いっぱい振りかぶられた巨腕が振り下ろされる。
 されど、それに合わせられるは禍々しき緋色の刃。
 さくり、と言う軽い音と共に巨腕にその刃が突き立ったその瞬間。
 少女の体はブレて霞み、そして消えゆく。
 先程までそこにあったはずの姿はなく、獣は困惑の呻きをあげ周りを見回した。
 しかして、またさくり、と軽い音が響き、緋色の切っ先は獣の喉笛を貫いていた。
「よそ見していると危ないわよ? 私の槍はしつこいんだから」
 空間転移によって、少女人形はすでに背後に回っていたのだ。
 その一撃で断末魔さえもなく、獣は倒れ伏し、その生命を散らす。
 されど、少女人形を取り囲むは無数の獣の群れ。
「……一匹一匹仕留めるのは手間がかかりそうね」
「なら、その手間はリムが払いましょう」
 リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は魔力を迸らせる。
 その迸った魔力を察したのか、ナイア・アルハズラットが飛び退く。
「リムは目標を殲滅します」
 縦横無尽に走るは雷属性の魔力、それが魔法陣を描く。
 立ち上る高濃度の魔力はやがて紫電を帯びて奔る。
「現出せよ、雷の嵐」
 巻き起こるは雷の嵐、逆巻く風の一つ一つすらそれは天よりの神威。
 オゾンを焼く匂いを漂わせながら、雷は逆巻き、獣たちを焼き払う。
 潜む暗闇も雷光が暴き、透明化しようとも、無数の雷が無造作に薙ぎ払う。
「胸糞が悪い。単純ですが理解できる動機です」
 元よりオブリビオン絡みならば屠るが猟兵の使命であり定めである。
 二人の魔女はその使命を果たさんと戦いを続ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アノニム・ヴァリアント
 相手が魔獣であれば一切の情けも容赦も不要とみる。
 ゆえに、行うことは貪り喰らい進むのみ。
「……刻印、解放」
 胸の中央の刻印を開放し、機械化した四肢の形状を変える。魔獣へと喰らい付くための顎となった腕で、襲い掛かってくるモノをそのまま喰らい返す。
 スタイルは【捨て身の一撃】。回避を考慮から省き、喰らった傷は【生命力吸収】で強引に癒しながら退くことなく、怖れることなくただただ愚直に歩みを進める。
「……怖れるならば、どけ。怖れぬならばこい。おれは怖れない」
 その姿は、魔獣よりもより終わってしまった化け物のように。



●鋼のケモノ
「刻印……解放」
 アノニム・ヴァリアント(名無しの怪物・f03241)の四肢がベキベキと言ういびつな音をあげて形状を変える。
 その姿は異形の獣。最早、目の前にいる血肉に飢えた獣たちよりもよほどに怪物じみた姿を晒す。
 胸の中央に刻まれた刻印が赤く明滅する度に、鋼がきしむ音をあげる。
 それこそが彼の鋼の獣の鳴き声であると言わんばかりが如く。
 その鋼の獣に食らいつく暗黒の獣たち。
 鋼のきしむ音が響く。されど、されど鋼の獣には関係ないと。
 振り上げられた鋼の腕が獣に振り下ろされる。
 鈍い音が響き、血肉に飢えた獣がまた一匹、弾け飛ぶ。
 へしゃげた血肉を啜り、獣に傷つけられた身は癒やされていく。
 その戦いぶりは……まるで獣、否、断じて否。
 獣であれど己が身が傷つけば退こう。されど、彼の鋼は退く事すらしない。
 捨て身で敵に食らいつき、その血肉を啜り癒やして進む様は強引にも程がある。
 自己を保存しないその戦いぶりは――――。
「……怖れるならば、どけ。怖れぬならば来い」
 その姿は、血肉に飢えた獣などよりもよっぽど、よっぽど。
「おれは、怖れない」
 ――――果てに行き着いて"しまった"バケモノのようで。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●血の領主
「ふん、雑魚が祓われたと思えば」
 辿り着いた先、玉座に座るはこの地を治める者。
 圧政を敷き、苦しみ、惑う人々を嗤い、楽しむ者。
「それ相応の戦力を投入してきた、と言うことか?」
 しかして、何故それほどの力を持つものがやってきたのか。
 それが心底疑問そうに首を傾げる。
「しかし、甚だ疑問よな」
 玉座に頬杖をついたまま、吸血鬼は睥睨する。
 何故、猟兵たちがここにいるのか、と疑問げにする。
「それほどの力があれば、享楽に身をやつす事こそが一番の愉悦であろうに」
 力ある者こそが正義。それがこの吸血鬼の原動力。
 故に力ある者、強き自分は思うがままに振るまうのは至極当然。
「故に甚だ疑問よ。脆弱な者を守ろうと言うその気概が。あんなもの、我等を興じさせる為の玩具ではないか」
 決して、決してこの吸血鬼には分かるまい。
 人を慈しむと言う事、人を愛すると言う事。
 この吸血鬼は完全に自己完結している故。
「まあ、よい。貴様らも我等を興じさせる為の玩具に過ぎん」
 吸血鬼が立ち上がり、その闇色の魔力を迸らせる。
 豪奢に飾り立てられた剣が浮かび上がり、虚空を舞う。
「全力で鳴け。それが貴様らの存在理由で存在価値よ」
ミーア・レギンレイヴ
主は申されました。“右の頬を打たれたら、まずやられた分をお返しし、その後二度と攻撃されないよう完膚なきまでに叩くべし”と。至言です!

同様に。“自らの行いに、応報は必ずある”。
良きことには良きことが。悪しきことには、悪しきことが。
それらすべてを理解し、覚悟したうえで、人は生きるのです。
つまり――恨まれる覚悟は出来ておりますので、ボコボコにして差し上げますね!

【POW】を活かし、我が聖楯の一撃を打ち込みます。
一撃で無理なら、斃れるまで。
人の身で悪を滅さんとするならば――基本にして最終的には、意地と根性です!

……正面を引き受ければ、他の皆さんも攻撃し易いでしょうし、ね。


ミーナ・ヴァンスタイン
相手の言葉を聞き、静かに眼鏡を外す。
「力を持つものが正義というなら」
真の姿である、真紅の魔眼を持つ吸血鬼へと変化する。
「わたし達が正義よ。だって、今からあなたは敗北するのだから」

二丁拳銃で【2回攻撃】を放ちます。【破魔】の弾丸は邪悪な者に対して【マヒ攻撃】と【毒】になります。
「その傲慢な思想のまま、消えなさいな」

敵の攻撃は【視力】【聞き耳】で【見切り】【残像】で回避します。
「まだまだこれからよ」

敵が蝙蝠を呼び出したら【使い魔召喚】で同じように蝙蝠をぶつけるわ。
「そういうの、こっちにもあるわよ」
蝙蝠を使って、敵の蝙蝠のいる場所を把握し射撃で殲滅させる。
「質で劣ってるのなら、物量で圧倒するだけよ」


セシリア・サヴェージ
正義とは、それを語る者によってころころと意味を変えるもの…魔道に堕ちた私が正義を語るのはおこがましいことかもしれません。
それでも…罪なき者を苦しめる正義などあってたまるものか!

相手が力に訴えるというならば、こちらも力で応えるまで。
真の姿に近づいた今こそ我が暗黒の力の全てを解き放ち、全力でお相手します。
奴の【クルーエルオーダー】…呪いの類でしょうか。
私の【呪詛耐性】程度でどうにかなるとも思えませんが、仮にダメージを負うことになっても【気合い】【激痛耐性】で耐え抜いてみせます。
ただ前へ、前へ…人を玩具と言い捨てる蒙昧の輩に、我が暗黒の制裁を与えるために。



●主は申された
「主は申されました!!」
 金剛で鍛たれ、天意にて編まれた大楯を掲げ、ミーア・レギンレイヴ(世界に祈る少女・f04070)は叫ぶ。
 その聖なる楯を掲げながら、信仰にて鍛たれた鋼の教えを。
「右の頬を打たれたら、まずやられた分をお返しし、その後二度と攻撃されないように完膚なきまでに叩くべし、と!!」
「貴様の信じる神はずいぶんと物騒だな」
 敵の吸血鬼からすらも突っ込まれた。主はそんな教えを説いてはいません。
 と言うか説かないで頂きたい。
「同様に、自らの行いには報いが必ず応じる、と……」
 良き事には良き事が、悪しき事には悪しき事が。
 善なる行いには善なる報いが、悪しき行いには、悪なる報いが。
「それらすべてを理解し、覚悟した上で人は生きるのです」
「その信仰の楯を我等に告げて貴様は何を言いたいのだ」
 血肉で編まれた剣が虚空を舞い踊り、ミーア・レギンレイヴを打ち据えようとする。
 しかし、金剛で鍛たれ、天意にて編まれ、信仰にて立つ聖なる楯はそれを弾き返す。
「つまり――――恨まれる覚悟当方にあり!! ボコボコにして差し上げますね!!」
「貴様本当に聖職者か?」
 激しい戦いを撒き散らしながら、吸血鬼は半眼でミーア・レギンレイヴを見やる。
「話し込んでいてずいぶんと余裕ね」
 割り込むように放たれるは破魔の弾丸。紅色に染まった瞳が吸血鬼を見やる。
 ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)が自らの真の姿を晒したのだ。
「ふん、貴様、我等と同胞か」
「一緒にされたくないわね、過去の亡者。――――嗚呼、さっき正義を説いたわね」
 激しく鳴り響く銃声、舞い踊る剣が甲高い音をあげ弾かれていく。
 使い魔のコウモリが乱舞し、吸血鬼に襲いかかる。
「なら、わたし達が正義よ。あなたにあるのは敗北この二文字」
「上等ではないか。示してみせろ貴様らの力を」
 コウモリが召喚され、コウモリとコウモリ同士が互いに食い合い、鮮血も乱舞する。
 されど、ミーナ・ヴァンスタインはさらにコウモリが召喚し、膨大な量の使い魔でそれを圧倒する。
「質で劣っているのなら、物量で圧倒するだけよ」
 古来より、人類は物量作戦よりも有能な作戦を編み出せた事はない。
 それは自然界においても変わる事はない、数が多ければそれだけ有利なのである。
 コウモリ同士の戦いが拮抗から猟兵有利に傾いた時。
 それを斬り裂くように、否。文字通り、吸血鬼を切り裂きに現れた者。
「正義とは……正義とは、それを語る者によってその姿を変じさせるもの……!!」
 暗黒の力を纏った、セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が闇の剣を抜き放つ。
 剣戟の音が打ち鳴らされ、舞い踊る剣は幾つも折られ霧散していく。
「冥府魔道に堕ちたこの身が正義を語る事などはできないやもしれません……それでも、罪なき者を苦しめる正義など、あって、あってたまるものかぁッ!!」
「力無き事こそ其の物が罪だと言っているのだ我が宿敵ども!!」
 その一喝に対して返されるのは吸血鬼の咆哮。
 血で描かれた誓約がセシリア・サヴェージを縛ろうと襲いかかる。
 されど、呪詛への耐性と、激痛に対する耐性、そして何よりも。
「この程度、気合で耐え抜いてみせるッ!!」
 精神論である。されど、その精神こそがその呪縛を打ち破る最大の力でもあった。
 ただ、前へ、前へ、と突き進み、放った剣戟は吸血鬼の身を斬り裂く。
「我が身に傷を与えるとはなぁ!! 力ある者として、強者として認めようぞ!!」
 故にこそ、吸血鬼はその力をより昂ぶらせ、より強力と化す。
 慢心を捨てた玉座の主は、さらなる多くの剣とコウモリを生み出し、君臨する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイア・アルハズラット
さてさて……、ごきげんよう、初めまして。ナイア・アルハズラットですわ。
貴方に恨みはないし、正義の味方って柄でもないんだけれど……お相手が吸血鬼様って話じゃない。
高貴な方ならさぞ素晴らしいコレクションの一つや二つお持ちでしょう?
それを頂戴に参上いたしましたわ♪
素敵なお宝も、貴方より私に所有されるほうが嬉しいでしょうし、構いませんよね?

まぁ、貴方がなんと言おうが頂くのですけれど!!

と、いう事で、《盗賊の瞬撃》で切り結ぶわ。
マサクゥルブレイド……無数の剣を自在に操るユーベルコード……でも、懐に入られれば、自分への誤射が恐ろしくて自慢の剣も満足に振るえないんじゃないかしら?


リミティア・スカイクラッド
「その疑問は愚問です。リムは貴卿に回答します」
リムには使命があり、この力はその為にあります
この血の誇りに賭けて、オブリビオンを討つのがリムの存在理由
幸福な人生です。生きる意味に迷うことがないのだから

「全力を御所望とあれば、リムはそれに応えましょう」
宝石剣の封印を限定解除
術式の構築に専念、無防備な最中に攻撃を受けるのは覚悟の上
赤い光を放つ剣に、願いと魔力を収束させて

【全力魔法】エレメンタル・ファンタジア
属性は「光」現象は「晴天」
宝石剣で暗雲の空を切り裂き、この地に束の間の青空と太陽を
「闇と享楽に生きる貴卿を滅ぼすには、陽の光こそが相応しいでしょう」



●いただきます
「さてさて……ごきげんよう、はじめまして!! ナイア・アルハズラットですわ」
「ふん、鼠がこそこそと何を企んでいる」
 美しき魔導書にして人形たるナイア・アルハズラット(いずれ深淵に至る魔導書・f04959)は気ままに声をかける。
 コウモリと剣に囲まれた玉座の主を前にいつもと変わらぬ調子。
「あなたに恨みもないし、正義の味方って柄でもないのだけれど……」
「なれば早々に去ね。今ならばその生命、見逃してくれてやろう」
 尊大に言い放つ吸血鬼に対して、悠々と人形少女は歩みをやめぬ。
 むしろ楽しげにすら笑うその様は花園で戯れる乙女のよう。
「あなた、高貴な吸血鬼でしょう? ならさぞ素晴らしいコレクションの一つや二つお持ちでしょう? それを頂戴に参上致しましたわ!!」
 大仰に両手を広げて、それがさも当然かの如く言い放つ。
 素敵なお宝も、自身の手元にあった方が輝くと言わんばかりの不遜。
「はっ、盗人もここまで不遜になると腹も立たぬわ。速やかに解体(ばら)してくれる」
「でしょうね? けれども、答えなんて決まっているのよねぇ?」
 不遜に笑った少女人形の手元から一閃が迸る。
 一瞬の踏み込み、恐るべき疾駆。
 人形ならではの"有り得ない"挙動から放たれる瞬撃。
「不遜な女よなぁ!! 魔導書をその身に秘めながらもやることなすこと盗人の真似事とは!!」
 手元に入られれば虚空を舞う剣も思うように動かせず。
 手にした豪奢な剣で切り結び、鎬を削る。
「だってしょうがないじゃない? 私、魔女ですもの!!」
「魔女なれば魔女らしくしていろと言うのだ!!」
「ええ、そうさせて頂きますわ!!」
 とん、と言う音と共に少女人形の身が虚空に舞い、吸血鬼がその身に視線をやる。
 美しい顔が浮かべたのは美しい美の彫像のような笑顔。
「かかりまして? リミティア!!」
「合点承知です」
 リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は手にした宝石剣の封印を解き放つ。
 限定的な解除でしかないが、宝石剣エリクシルは赤い光を収束し、少女の願いと共に魔力を収束させていく。
「貴卿の疑問に回答します。その問は愚問であると」
 少女には使命があり、その使命の為にその力はある。
 この血に流れた誇りこそが彼女の存在理由であり、幸ある人の道行きであると。
 生きる意味に迷う事がなく、そう、まっすぐにそれを掲げて生きられる事の素晴らしさ!!
 誇りと願いは赤き緋色の魔力となりて、暗雲立ち込める空を文字通り斬り裂く。
 其の属性の名は光、斬り裂かれた暗雲より放たれるは晴天。
 一時の蒼空が姿を顕せば巻き起こるは光ある世界の顕現。
 其の名は太陽、闇を払い、悪しきを灼く聖光の化身。
「ぬ、うぅぅぅぅっ、オォォォォォォォッ!!」
「闇と享楽に生きる貴卿を滅びすもの、それは陽の光こそが相応しいでしょう」
 闇に生き、闇を孕む者。吸血鬼はその聖なる浄化光に灼かれ、全身から瘴気にも似た煙をあげる。
「なれど、我はまだこの膝を屈してはおらぬぞ……我が宿敵!!」
 されど、この闇の王を滅ぼすには足りず。
 この闇の王はいまだ膝を屈せず、豪奢なる剣を構える。
「しぶとい男は嫌われるわよ?」
「しぶといコウモリですね」
 ナイア・アルハズラットとリミティア・スカイクラッドの見解が一致する。
 光に満たされた世界で、玉座の主はなおも立ち上がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アノニム・ヴァリアント
彼の言葉に瞑目する。
なるほど、自分はそのために力を得たのかもしれない。
享楽に耽るために。ただ楽しいと思うもののために。
あぁ、だから。
【名無しの怪物】となりてそれを全うしよう。
この命は儚き笑顔を尊ぶために。
さぁ、
「――怪物が来たぞぉ!!」

変化した巨躯、増大した戦闘力を頼りに愚直に距離を積めただ殴り付け、捕まえて食らいつくのみ。
回避も防御もかなぐり捨てた【捨て身の一撃】、【生命力吸収】で死ななければ安いもの。
どんなルールであろうとも出来ることはただひとつ。
退かず、折れず、前に進む。どちらかの灯火がつきるまで



●Nameless Beast
 アノニム・ヴァリアント(名無しの怪物・f03241)は瞑目する。
「なるほど、一理ある」
「……ほう?」
 聖なる浄化光に灼かれながらも、なおも立つ玉座の主は声をあげる。
 一理ある、と説いた男を見やる。
 彼は……彼はその為に力を得たのかもしれない。
 享楽に耽る為に。ただ楽しいと思うものの為に。
 嗚呼、そうだ……故なればこそこの身は鋼で鍛たれ数多の命を尊ぶ為に編まれたのだ。
 胸の刻印が励起する。
 四肢が異形のソレへと変化する。
「……ははっ、はははははっ!! なんだ、そのバケモノは!! 我等よりよっぽど貴様の方がバケモノではないか!!」
 虚空を舞う刃金がその鋼の四肢を穿つ。
 鳴り響く甲高い音、されど、その身は決して揺らがない、動じない、気にも止めない。
 無数の傷跡をつけられようとも、その命は決して退く事はなく、折れる事はない。
「抑制解除」
 また一つ、枷が解き放たれる。
 放たれる剣戟はそれを打ち据えようとも何一つを壊せはしない。
「感情励起」
 また一つ、刻印が描かれる。
 血によって描かれた誓約が彼の身を襲おうとも何一つを縛れはしない。
「心魂焼炉……過重駆動」
 心の炉に火は灯された、心と魂を燃料に、それは動き出す。
 そう、だからこそ今ここで解き放とう。
「――――"名無しの怪物(アノニマス・ヴァリアント)"」
 高らかなる起動宣言。
 無数のコウモリがそれを止めようと殺到するが何一つを止められはしない。
「さあ、怖れろ、有象無象――――」
 正にその姿は怪物、如何なる神話にも、数多の伝説にも存在し得ぬ鋼の異形。
 故に"名無しの怪物(アノニマス・ヴァリアント)"、名を与えられぬ彼其の物。
 振り上げた鋼の腕が、吸血鬼を捉える。
 事ここに至って玉座の主は目の前の怪物と言うものを認識した。
「――――怪物が来たぞぉ!!」
 誰にも語られぬ、誰にも知られぬ、されど畏れのみを振りまくもの。
 鋼の巨腕が、果たして振り下ろされる。
「……は、はは……怪物が……怪物に……喰われるとは……な……」
 肉の爆ぜる音、咀嚼音。鋼の獣は玉座の主に喰らいつき、貪り尽くす。
 こうして街を脅かした怪物は、名も無き鋼の怪物によって喰らわれた。
 後に残るのは暗雲を切り裂かれ、しばしの青空を見せる世界と。
 玉座の主を喪い、つかの間の平和が訪れたと言う事実のみ。
 猟兵達の手によって、闇は斬り裂かれ、その悪しき者は裁かれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『救われた者の明日の為に』

POW   :    体の鍛え方や力仕事のコツを教える

SPD   :    生活に必要な技術を教える

WIZ   :    心を豊かにしてくれる芸術や知識を教える

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その束の間の平和に安息を
 果たして闇は祓われ、悪しき者は骸の海へと還る。
 されど、されど、民たちはただ呆然とするばかり。
「……これから……どうすればいいんだ?」
 搾取され続け、自由と言うものを奪われていた人々。
 光差す世界など夢見た事もなかった人々。
 今、それが果たされ、夢想が現実としてやってきたが故に。
 彼らは困惑していた。
 何から始めていいのか、何を始めればいいのか。
 何もわからなかった。故に呆然と立ち尽くしていた。

 その束の間の平和に安息を与えるのもよい。
 しかして、彼らに再び、その手を差し伸べてもよい。
 この光差す世界で夢で満たしてやってもよい。
 それは君たちの選択なのだから。
ミーア・レギンレイヴ
【WIZ】
フッフッフ……お任せください、主よ!
この期に、見事ファンを増やしてみせます!

と、言うわけで有難い教えを説いて回ります。
えぇ、えぇ。私の本業はこちらですから。
では、聴いてください。『ゴッドラブ』。

ラララー、主の愛はー無限ー。
でもたまにー機嫌が悪いとー、雷とか落としちゃうー。
そんなインフィニティラブのくせにー心の広さ1DKレベルの主ー。
もうちょっとー、信者にー、加護とかよーこーせー♪(まさかのユーロビート)

どうですかみなさん!
いえそういうキョトンとした表情は見慣れているので、別のリアクションをお願いします!

まぁ、真面目な話、気の持ちようからですよね、何事も。


ナイア・アルハズラット
うーん、屋敷をかたっぱしから調べみたものの……値打ものはあるけど、私好みの厄いのは無さそう。
まぁ、お金も美味しいお酒もいくらあっても困らないし、私の報酬だけ頂いてあとは住民に配っちゃいましょう。
美味しいお酒に、食糧庫の食糧も出して……祝勝会でもしましょうか♪

さぁさぁ、みなさん、お集りになって?
飲んで騒いで、大いに祝いましょう。
今日ここから、あなた達は自由を得て、自ら自由を勝ち取る『人生』が始まるのですから。
この先どうなるかは皆さま次第、それが人生というものだから。
ですが、その門出は、大いに祝福されるべきでしょう!
乾杯!!


ミーナ・ヴァンスタイン
【生まれながらの光】を使い、怪我をした人や精神的に弱っている人達を癒します。
「まずは治療から始めないといけないわね」
また、優しく話しかけたり話術を使ってカウンセリングのようなことをおこないます。
一段落した後、静かに息を吐き
「体の傷だけじゃない、心の治療も大事なのよ」

その後、墓地の修繕や犠牲者の弔いなどを行います。
「もうあなた達が苦しむことはありません。安らかな眠りを――」
あとは他の猟兵たちの手伝いを行います。

村を去る時、振り返り静かに祈りを捧げます。
『主よ、永遠の安息を――せめて、これからは安らかに』
この村もこれ以上の災厄が起きないように、これまで犠牲になった人たちを弔うように聖女は願います。


アノニム・ヴァリアント
途方に暮れる彼らに近づき、静かに見つめて思う。
どうすればいいのか? ……おれも解らん。

一緒に途方に暮れたのち、何かイベントなり楽しいことなりをやろうとする他の猟兵がやることで力仕事が必要そうなら手伝いに回る。
なんかのそのそ動き回ってお仕事が一通り終わったらまた一緒に途方に暮れる。

最終的にとりあえずどうやって自分の体を鍛えたのかを伝えてみようとするのだが、しかして彼は怪物である。
「……死なない程度に、筋トレ。……後、死なない程度に獣狩って食う」
何の参考にもならねぇ!


リミティア・スカイクラッド
闇の領主は倒れ、太陽は姿を顕しました
ですが、この陽光は一時のもの
これからは、あなた方自身の魂の光で、自らの未来を照らしていかなければなりません

リムから伝えられることは少ないですが、魔女としての知識から役立ちそうなものを
薬となる野草の見つけ方、ささやかなまじないの呪文、産婆の知識などを

それからもう一度、エレメンタル・ファンタジアで「光」溢れる「晴天」を
この光景を心に刻むことが、彼らの未来の助けになることを願って


セシリア・サヴェージ
まずは民たちが圧政より解放されたことを喜びましょう。
ですが、彼らには自由になったが故に導きが必要ということですか。

導き、とは少々仰々しい言い方かもしれませんが、要は活を入れればいいわけですね。
剣術の心得がありますので教授することもできますし、力仕事も【怪力】を活かして素早く的確に…ま、まあ怪力は真似できないでしょうが…。
そして彼らを【勇気】ある言葉で励まし【鼓舞】しましょう!
なに、反乱を企てるくらいには気概のある人たちですから、少し発破をかければ活力も湧いてくることでしょう。

願わくば、彼らのこれからに幸多からんことを。



●爆誕の時
 呆然と立ち尽くしていた。
 途方に暮れていた。
 彼らに近づき静かに思う。
 アノニム・ヴァリアント(名無しの怪物・f03241)であった。
 怪物には平和はわからぬ。だがなんとしてでもこの状況を取り除かねばならぬ。
 だが怪物には平和はわからぬ。立ち尽くしていた。
「…………し、死なない程度に筋トレをする」
 途方に暮れた彼の放った一言。
 それに、お、おう、と答える声にも困惑混じり。
 ギュイィィィィィンと言う音が唐突に鳴り響き、人々がそちらを見る。
「イエーイ!! のってますかー!?」
 ミーア・レギンレイヴ(世界に祈る少女・f04070)であった。
 どこから取り出したのか、電子キーボードをかき鳴らしていた。
「えぇ、えぇ、有り難い教えを説きますよー!! ゴォォォッド、ラァブッ!!」
 どこから取り出したのか、アンプからは軽快なリズムが刻まれていた。
「ラララ~、主の愛は~無限~♪」
 それは主を讃える歌であった。
「でもたまに~機嫌が悪いと~雷とか落としちゃう~♪」
 それは主を賛美する……歌……。
「そんな~インフィニティラブのくせに~心の広さ1DKレベルの主~♪」
 本当にこれ主を賛美する歌なの?
「もうちょっと~信者に~加護とかよ~~こ~~せ~~♪」
 まさかのユーロビートである。
 ちっとも主を讃えてもいない賛美歌(?)が響き渡る。
 こいつ本当に聖職者か? アノニム・ヴァリアントは思った。
 きょとん、とした表情で街の民はミーア・レギンレイヴを見る。
「……別のリアクションでお願いします!!」
 そういうの見慣れてるんで!! ノー!! と手を突きつける。
 そんな事言われても、と民は困惑したように、アノニム・ヴァリアントを見た。
 ……刹那の電撃、そうか、そうだったのか……!!
「主は……筋肉を鍛えろと言う事と仰られている……!!」
「そうか……!! 主は鍛えろと……!!」
「健全な魂は健全な肉体に宿ると言う……!! 主は鍛えろと!!」
 民は歓喜した。嗚呼、神の教えはここにあったのだと。
 民は奮起した。嗚呼、神の教えを体現せねば、と。
「……あ、あれ? ……え? …………あれ?」
 まさかの方向性に神の教えを説いたミーア・レギンレイヴもこれ困惑。
 キーボード片手に、アノニム・ヴァリアントを見た。
「…………いや…………おれのせいではない」
 まさかの方向性にアノニム・ヴァリアントもこれ困惑。
 名無しの怪物にこの状況を放り投げられても。
「…………」
「…………」
 見つめ合うと素直にお喋り出来ないのか、数瞬の沈黙。
「…………ま、まぁ、真面目な話、気の持ちようですよね!! 何事も!!」
 ミーア・レギンレイヴは笑い飛ばすことにした。
 アノニム・ヴァリアントも笑い飛ばすことにした。

●先に続く教え
 闇は払われ、光は顕現した。
 されど、それは一時の事。
「これからは、あなた方自身の魂の光で、自らの未来を照らしていかねばなりません」
 リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は語る。
 暗雲を切り裂き、光をもたらしはした。されど、それはほんの、ほんの僅かな時間。
 人が生きる長い時の中におけるほんの刹那の時間。
「だからリムは、皆さんの魂の光をほんのちょびっとだけ高めてあげます」
 魔女ゆえに持つ多くの知識をリミティア・スカイクラッドは披露する。
 薬となる野草の見つけ方、それの調合の仕方。
 それ一つで多くの命が救えるであろう知識。
 ささやかなおまじないの呪文。
 それ一つで多くの命が前を向けるであろう知識。
 産婆の、お産の為の知識。
 それ一つで多くの命が生まれるであろう知識。
 女子供や老人たちはそれを聞き取っていた。
「あなた方は解放されました。それ故にこの街はあなた方で守っていかねばなりません」
 セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は剣を片手に男たちの前に立っていた。
 女子供、老人たちが知識なれば、男たちに求めるは力。
 それは暴力ではない、それは武力……そう、戈を止める為の力と書く。
「あなた方に教えるのは剣の用い方。ただの暴力ではない、誰かを守るための力です」
 闇に堕ちた身であれど、その有り様は騎士其の物。
 故に、彼女は騎士道を説く。その誇りこそが、彼女の生き様であると。
 剣に誇りを掲げ、守りたい者たちを守る信念と言う楯を掲げる。
「あまり長くは教えられませんが、誰かを守りたいと思うならば、剣を掲げなさい」
 それに応じる声が高らかに響き、剣が掲げられる。
 街の守護の為に男たちは剣を振るい続ける。
 この街を守るのは自分たちなのだ、と強い自負を持ちながら。
 その様を見て、セシリア・サヴェージは安堵する。
「導き、とは少々仰々しい言い方でしたが……この分ならなんとかなるでしょう」
 光差す世界、彼らの道行きはまだ長く。
 けれど、闇を払うほのかな灯火は灯されていた。

●心の癒やし
「うーん……」
 美しき魔導人形、ナイア・アルハズラット(いずれ深淵に至る魔導書・f04959)は落胆していた。
 確かに値打ち物のお宝はあった。売ればそれなりにもなろう物はいっぱいあった。
 しかし、彼女の求める物はなかった。彼女は厄いネタが大好きなのである。
 魔導書は確かにあったが、それは一般的なモノであって、こう、違うのよ。求めているベクトルが!!
 確かに厄い魔導書もあったけれど!! 違うのよ!! 厄さの違い、わかるでしょう!? わからない!?
 一人憤慨していた。分かりません。一般人にはな。
「仕方ないわねぇ」
 自分の取り分、と言わんばかりに金銀財宝をがっぽがっぽと回収していく。
 え? 多くないって? これは正当な報酬よ。お金も美味しいお酒もある分には困らないもの!!
 ある程度回収してから満足したのか、お酒と食糧を持ち出し始めたナイア・アルハズラット。
 美しき少女人形がせこせこと何かを持ち出し始めたのに疑問そうに見る人々。
 その視線の多くは疑問であったが、美しさに見惚れている人間もちらほらといたようだが。
 ごめんなさいね、私が美しすぎて!!
「さぁさぁ、皆さん、お集まりになって?」
 仰々しく両手を広げた後にぱんぱん、と手を叩き衆目を集める。
 美しき魔導人形はひらり、ひらりと舞うように人の目を集めれば告げる。
「飲んで騒いで、大いに祝いましょう!! 今日よりここから、あなた達は自由を得て、自ら自由を勝ち取る"人生"が始まるのですから!!」
 そう、彼らは解き放たれた。
 枷から解き放たれ、自由の身と、圧政から解き放たれたのだ。
「この先がどうなるかは私は知らない。だってそれは皆様次第ですもの!! それが人生と言うものですから!!」
 歌うように少女人形は告げる。敷かれたレールは最早存在しない。
 この道行きは、ここより先の道は誰にも分からない未知に満ちた道行き。
「ですが、その門出は大いに祝福されるべきでしょう!! 故にかんぱーい!!」
 歓声が響き渡り、祭りは始まる。飲めや食えやの大騒ぎ。
 少女人形は微笑む。……美味しいお酒は正義よね!!

「まずは治療から始めないといけないわね」
 大騒ぎの祭りの最中、ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)は傷ついた人たちを癒やしていた。
 輝く光が人々の傷を癒やし、修復していく。
 されど、前を向く事を始めた人々は多いが、心に陰を落としたままの人間も多い。
 長きに渡る圧政で、心を殺された人も多い。
 その圧政で失われたものも多い。そうして出来た心の傷。
 体の傷は魔法で癒せても、心の傷は魔法では癒せない。
 だから、ミーナ・ヴァンスタインは丁寧に、丁寧に"治療"を施していく。
 慈しむように、彼女は彼らの心と向き合い、そして、その心に癒やしを与えんと。
「体の傷だけじゃない……心の傷も癒やさねばだめなのよ」
 静かに息を吐きながら、多くの人々の心の傷と向き合いながら、ミーナ・ヴァンスタインの戦いは続く。
 失われた者の為の墓地の修繕、弔いの葬り火もまた、その一環。
「あなた達を苦しめていた者は祓われたわ。もう苦しむ事もありません……どうか、安らかな眠りを――――」
 その祈りは果たして救いであったのか。
 死した者は語らず黙して。されどその弔いの炎は、人の心を区切る為の行いでもあり。
 弔いの火を見送った人々からの幾ばくかの感謝を受け取った。

●その未来に祝福の光あれ
 猟兵たちが旅立つ時は果たして訪れて。
 そうして彼らは歩みゆく。民に見送られながら。
「主よ……永遠の安息を――――せめて、これからは安らかに」
 罪人殺しの聖女は祈る。この街にこれ以上の厄災が起こらぬように、これまで犠牲になった人々を弔うように。
 その傍で、少女の宝石剣に緋色の魔力が灯り、放たれる。
 それは悪しき者を灼いた閃光、それが立ち上り再び暗雲を引き裂く。
 かくて起こるは太陽の奇跡、差した"光"は"晴天"なり。
 その蒼空の奇跡が、彼らの未来への助力になる事を願って。
 猟兵たちは征く。彼らの戦いに終わりなどはないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月11日


挿絵イラスト