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冬だし南に行ってきませんか?

#UDCアース #南極遺跡

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「……あ、えっと?寒くなってきた、ね?」

 グリモア猟兵である御霊・タタリが気まずそうに話を切り出した。

「南に、ね?ちょっと遺跡調査してきて欲しい、所があるんだ」

 どうやらUDC組織からの要請で調査員の護衛を、頼まれたらしく今回は集まってもらったとのこと。
 今の季節ならば、南にバカンスとなれば嬉しいものだ。

「調査員は、えっと?『雀野・なみだ』さんかな?かなり優秀らしいけど、怖がりで、一般人だから……無理はさせられない、ね」

  UDC組織に属しているとはいえ、一般人が占めている様な部署からきたのだから、彼女が命を落とさない、効率や安全の対策を考えて対象しなければ達成は難しい依頼であるだろう。

「実際には、訓練は受けているんだけど……」

 もごもごと言い淀むグリモア猟兵に視線が集まり、観念したように語り出す。

「彼女は特殊な装備を、身に着けていくから、動きが制限されてしまう、生命維持とかそれなりに重量はかさむから」

 集められた猟兵に疑問が浮かぶ

【そんな重装備。何処の南なのだろうか】

「……………………そ、それは、南極か、かな?」

 南に行き過ぎであった。

「実は、かなり以前から南極には怪しい、疑わしい報告が上がっていた、けれど、人材?時期?……問題が不確かだから、優先が下がってた」

 どこでも人では足りない、ならば優先は自然と生まれてしまうものである。

「そこで、今回は雀野なみださんが、手を上げてくれたの。怪しいなら、白黒着けましょうって」

「だから、どうか皆、彼女の調査手伝って上げて欲しいの、どうやら敵もいるのは見えちゃったから」


雪宮みゆき
  まったくもってお久しぶりです。
  または、初めまして。
  雪宮みゆきと申します。お目に止まったら宜しく御願いします。

今回は、南極遺跡への調査となります。

  1番の注意して欲しい所は、一般研究員の護衛警護となります、猟兵だけではあまり結果は見込めません!
  餅は餅屋ですので、どうか助けて上げてください。

☆研究員
・雀野・なみだ(すずめの・なみだ
・赤みのかかった茶色の髪のアラサーの女性
ショートカットでアホ毛がひと房頭上から跳ねる、165cmくらいで普通な体型である。
・明るい性格で知りたがりである故にUDCに関わりを持ってしまった。
・現地で最低限はサバイバルできる知識と訓練は受けていますが、手助けなしでは生還は難しいかと



○第一章
基本は遺跡への道案内と警護
遺跡入り口の発見です。

だいたいの道順は調べてありますが、入り口付近が曖昧らしいです。

○第二章
遺跡にはオブリビオンがいるようです。
一般人は調査に集中いたします。
その間にやってくる敵から守り倒す事が必要となります。

○第三章
行きは良い良い、帰りは怖い
親玉が帰るのを許してくれるでしょうか?
答えは否、皆さんの腕っぷしをみせる場と成りますが


  それでは、よい調査を
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第1章 冒険 『南極遺跡調査』

POW   :    荷運びやUDC職員の護衛を行い、調査の安全を確保する

SPD   :    先行偵察や後方の警戒を行い、危険に備える

WIZ   :    UDC職員と共に遺跡周辺を調査し、入口となる場所を探す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


第1章詳細は夜に上げます。
プレイングはその後の募集となります、しばらくお待ち頂けたら幸いです。


 今回の南極へ向かうルートは海と空を使ったものであった。
 陸からはヘリを使い飛び立つと、規制された海域に待つ船を使って件の南極への旅路となる。

 そんな、猟兵と顔を合わせた今回の護衛対象『雀野・なみだ』だが、当初は気まずそうにしていたものの船に乗り換えた辺りで知りたがりが騒ぎ始めた。
 猟兵とはどんな生活をしているのか、どんな戦いをしているのか、力はどんなものなのか……聞かれる猟兵が、苦笑いを浮かべてしまう程であった。

 時は過ぎ、間も無く南極に着く頃、船の一室に猟兵達は集まっていた。

「改めて皆さん!この度はよろしくお願いします、雀野・なみだと申します。今回の目的は『遺跡の調査』となっております」

 やや緊張した面持ちの雀野なみだが、ホワイトボードを使い説明を始める。

「まずは船を使っての進行と、拠点となる某国の基地までは安全は確保されています」

 ホワイトボードにも、かなり正確に船から基地のルートは書かれていたのだが

「問題はその先です、大まかに場所は特定されていますが。基地から何も無ければ半日の徒歩、山脈の根元にある洞窟が入口になります」

 キュッキュと書き出されるルートだが、それまでのルートに詳細が書き出されることは無い。

「行きに手こずれば雪原でのビバーク、吹雪に巻き込まれれば足止めも……更に、油断出来ないのは裂け目です。落ちれば一巻の終わりでしょう」

 マジックにキャップをはめると、意を決して雀野なみだが口を開いた。

「足でまといで、戦力外でしかありませんが、世界の真相を知るために……どうか、私を移籍に連れて行ってください!」

 深々と頭を下げ雀野なみだは改めて御願いしたのであった。



・雀野・なみだ
装備は防寒生命維持が着いたスーツ型アーマーを着ていますが、全重量が30キロあります。
食料や研究に必要な物資などもあり、かさばると思われる。

・危険
クレバスや天候悪化はダイスに任せますが、対処が的確な場合は確定回避が入ります。

・入口
雪に隠れておりますが、注意次第ではそこまで分かりにくいものではありません。
紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

「UDCアース出身と言えど、南極となると流石に遠い……けど、無視もできないでありますね」
【選択UC】を電脳魔術で召喚して、【情報収集】する。格好はいつもの軍服ワンピースだけど、身体が身体(サイボーグ、【氷結耐性】)だし、問題ないであります。……ないんだからね(素)?
それはともかく、カバリングアームズ(動きかたは虫をイメージ)の走破性能と私の電脳魔術での【運転(操縦)】で入口まで安全に護衛対象を連れて行くでありますよ。

「ゑ、カワイイでありますよね、コレ(カバリングアームズ)。――カワイイでしょ(威圧・素)」
「こういう事できるからカワイイんだコイツらは……こほん、であります」



月 8日・天候は良好
 気温はマイナスから上がることはないが、穏やかな出発日と言えるだろう。
 嵐の前の静けさには、なって欲しくないものだ……
研究員の書記より1部抜粋

……………………………………………………

○出発!

 それはよく晴れた日、猟兵と雀野なみだは万全の期をもって基地から出発した。

 そして、先頭より少し下がった位置に雀野・なみだが配置され、対象を守るように猟兵が並ぶ隊列に紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)も加わっていた。

「UDCアース出身と言えど、南極となると流石に遠い……けど、無視もできないでありますね」
「本当に無理を言ってすいません……と、ところでお寒くないんですか?」
「なにがでありますか?」
「いえ、ワンピースは流石に見ていても寒いと思うんですが?」

 紅葉・智華の身体はアンドロイドであり寒冷地仕様にもなっており、本人からすれば動き慣れた軍服モチーフのワンピースはあまりにも当たり前な服装であったが、やはり周りからすれば見ていて寒いものだろう。

「大丈夫であります。こう見えても頑丈でありまして、寒さには強い身でありますゆえ」

 微笑みかえす紅葉・智華であったが、逆に気になる点を雀野・なみだに問いかけた。

「しかし、やはり想定より足場は悪いでありますね……些か早いですか、なみださんには足を準備するであります」
「え?そうですか、体力温存は願ってもないのですが、どこに足が?」
「此処に!」

 待っていましたとばかりに、紅葉・智華は電脳空間より自身のユーベルコードである『戦場覆う四足歩行兵器CA-X-001(カバリングアームズ)』を選び呼び寄せる。

 大きく手を広げて天を仰ぐ、すると空中に静電気が爆ぜる様な音を響く。
 そして、それは1度大きく弾け、雀野・なみだは驚き顔を逸らして戻しみると、そこには……

「え?」

「ゑ、カワイイでありますよね、コレ(カバリングアームズ)。――カワイイでしょ(威圧・素)」

 それは、人が乗れる位には大きく、四足歩行で佇む鉄の蜘蛛と言うべき、その姿はかなりの威圧を放っていた。

「多脚戦車?でしょうか、それにしては洗礼されたフォルムで…ひぇ?ちょっ?」

 研究心からか観察していると、カバリングアームズは二本足で立ち、残りの二本足で雀野・なみだをすくい上げると自身の人が座れるであろうスペースにのせると言う絶妙なバランスをみせてドヤっていた。

「こういう事できるからカワイイんだコイツらは……こほん、であります」

 慌てて取り繕う紅葉・智華であったが、周りにいる猟兵たちからバッチリ見られていたりする。
 そして、余りにも唐突な出来事に目をぱちぱちしていた、雀野・なみだであったが無事に頼りになる足を手にいれることが出来たのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロベルタ・ヴェルディアナ
愛剣やゴーグルの鉄の部分に布を巻き付けておくね。
ゴーグルは精密機械だから防寒に。剣は凍傷防止に。
肌に触れる部分は念入りに布を巻く。凍傷は怖いじぇ。
そうだ。銃はプラスチックフレームのグロックだけ装備ね。
「僕こそよろしくねぃv」と雀ねーに笑顔で挨拶♪
僕は殿でも最前列でもどっちでも大丈夫。少ない方にいく。
一面同じ白色だから何時もよりも十分注意して周囲警戒。
安全ロックかけたまま手に銃は手放さないで道案内するじょ。
最前列の場合は長い先に鉄のついた杖でサクサク突いて移動。
雪に隠れて穴とか色々ありそうだ。怖いよね。見えないのって。
少しでも違和感や危険かなと思ったら経験者さんに聞く。
銃は利き手。杖は別の手。



○静かな世界は牙を隠す

 仲間により一般研究員である雀野・なみだは体力温存しながら、そして予想より早いペースでの進行を行えていた。

 その隊列の先頭にいたロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は白銀の世界を眺めている際、些か違和感を感じゆっくりと仲間に停止の合図を送る。

 参加した猟兵のなかでも特に幼い風貌であったが、しっかりとした防寒に凍傷対策、そして戦いになった際の自身の武器周りの気配りなど戦いをしっかり熟知している者をしめす証は先頭を任されている事に、なんのら疑いも持たせないものであった。

「あそこは迂回しようか、雪の積りが微妙なんだよ…」

 指指す先には一見すれば雪原が続いているだけに見えるのだが、どうやらロベルタ・ヴェルディアナには違って見えているようであった。
 それを、了承し一同が大回りになってしまうが、なだらかな丘を利用し迂回していくルートを行くことにした。

 そして、丘を登りきり一同が休憩をとっていた時である。

「す、凄いですね。なんで分かったんですか?」
「どうしたであります?」
「先程の通るはずの場所見てください、上からみたら……あっちの遠方にクレバスがあるの……そして、こっちの手前にも切れ目がある」

 雀野なみだが指差した軌道は、予定ルートを横断するクレバスを示しており、眺めたみなごくりと唾を飲み込んだ。

「多分、繋がってるんだよね」
「あ、ロベルタさん!」
「ん、なみだ君大丈夫?疲れてない?」
「はい、お陰様で……よく気が付かれましたね」
「ずっと見てたら違和感あったからね、それに前は任されてるんだから、これ位はしなきゃね」

 何となくだよとあどけなく笑ってはいたが、なみだからしてみれば常人には無い何かしらの感覚だったのではと、知りたがりがうずうずしてしまった。

「やはり、猟兵の皆さんに御願いしてよかったです。どうか、改めて宜しく御願いします!」
「僕こそよろしくねぃv」

 そして、任されたとばかりにロベルタ・ヴェルディアナは胸を叩き自信満々に見せた姿は可愛らしくもあり、とても頼もしく映ったことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
さて…相変わらず慣れんなこの寒さ。いやまあ慣れてもしゃーないんですが。

んじゃ目的地まで頑張りましょう。クレバスとか怖いですからね。面倒ですけど一々調べていきましょう。
クレバスは同じ箇所に出来やすいって聞きますし、情報収集しておいてある程度の位置を予測。また現地では衝撃波で雪を振動させてクレバスを覆ってるものを振るい落として視認出来るようにしときましょう。

さて後は…んー天候まで効くかね。まあやるだけやっときましょう。俺は全日程晴れることに全賭けしときましょう。化け転がしなー。…ま、一種のおまじないですよ。当たればいいなってくらいで行きましょう。
(アドリブ絡み歓迎)



…………………………………
月 9日 天 雪より吹雪
私たちの行く手を、阻み居座る リザードは、既に 経つが止まない。
帰還を、考え ならないと声があがる。
私は、諦めたく い
探査員の書記より1部抜粋
…………………………………

○無邪気なダイスは回り回り

  波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は懐かしみを感じながら、この大地に再び足を踏みしめていた。

「さて…相変わらず慣れんなこの寒さ。いやまあ慣れてもしゃーないんですが」

 違う研究員の探査依頼を受け持った事のある身としては、眼前に広がる自然の猛威に再度向き合うとは何の因果かと少し笑ってしまう。
 しかし、以前と同じに見えて全く違うのだからやはりこの地は、慣れや油断することを許してはくれない。

「んじゃ目的地まで頑張りましょう。クレバスとか怖いですからね。面倒ですけど一々調べていきましょう」

 それに先程は危なかったと思う、波狼・拓哉は片手にサイコロを握り深呼吸ひとつ、表情を切り替え進行方向を眺める。

 ここからは、あまり力技で事を処理できないなことにユーベルコードの使用を早めるかと思考する、巨大な裂け目や近づいてくる山脈を見れば振動がなにを引き起こすかは軽視できないものであったからである。

「しかも、大気が安定して無いときたか…まぁ、願掛けひとつ『さあ化け転がしなミミック…!ゴールは此処じゃない…まだ終わりではない!』」

 握りしめていたサイコロを投げれば、出目は……

「『26』……か、さてさて?」

 サイコロがぷるぷる動きだすとポンっっ弾け、ペンギンを模した箱がとてとて現れると口を開けるように箱があき放たれ。

『くけぇーけぇー』

 鳴き声の様な奇声が上がり、空に向かってひとしきり叫びきると、満足した様に消えてしまった。

「……満足したみたいだし、効果あるかな、ありゃいいんだが当たるも当たらずも八卦ってやつですかね」

 なんだか心無し空か明るくなった様な、暗雲も逸れたような……これからの進行に明るい未来が来たような

「さぁ、みんな行こうか……大丈夫、大丈夫、信じる者はってやつですよ」

 そうにこやかに先導する波狼・拓哉であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

防人・拓也
SPDで行動。
「極寒での実戦か。気を引き締めていこう」
と言いながら、マイ・バディ・ソルジャーを発動。分身に後方を警戒させながら、先へと進んで行く。進む先で怪しいものを見つけたら、皆を止めて、分身と共に調べに行く。
罠っぽいものであれば、『破壊工作』や『戦闘知識』などを駆使して解除。
解除したら
「解除完了だ。ま、こんなもんだろう」
と言う。
敵性のある生物であれば、隠れてやり過ごす。無理そうであれば狙撃銃『OB-D110 SASS』で静かに暗殺する。
暗殺した時は
「ターゲット沈黙。先へ進もう」
と言い、進んで行く。
味方を援護する必要があれば、後方から援護する。
アドリブ・連携可。





 猟兵たちが当初の目的地にキャンプを築きあげたのは、予定されていたスケジュールより半日以上も早かった。
 危険を避けて遠回りしたが結果は最良であり、天候すら味方する道中は余りにも順調であった。

 ……しかし、拠点もできたいま新たな課題が猟兵の前に立ち塞がってきたのだ。



「極寒での実戦か。気を引き締めていこう」

 全身の装備を確認する防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は眼前にそびえ立つ雪山を睨みつける。

 道中は順調であったのだが、肝心の入口探索に苦戦を強いられていた。

 それらしいモノには何度か仲間が見つけていたが、ことごとくカモフラージュされたデコイであった。

「逆に言ってしまえば、デコイを置くだけの何かは必ず隠されているかもしれない…それに、嫌な気配は雪山から時折とんでくるからなぁ」

 それには、一般人である雀野・なみだは気づいていないようだったが、気配に聡い猟兵の幾人かは微細な視線のようなものを感じ取っており、それはまさに監視されていると言うものであった。

「あまりよろしくは無いんだよな、ここは『頼んだぜ、もう1人の俺。しっかりサポートを頼む』」

 防人・拓也もその気配に嫌気が差す程度には感じてはいた、見られていると言う焦りを抑えながらユーベルコード【マイ・バディ・ソルジャー】を、発動させたのも早めに事態を打開したかったからであった。

「さて、迅速に決めないとな、次は当たりであってくれよ…」
『気配は感じる辺り、油断はできないがな』

 積雪に埋もれた洞窟を発見し、雪を除去する作業をしていたのだが時折感じる気配は今までで1番強く、嫌な汗が流れたのを感じていた。

「解除完了だ。ま、こんなもんだろう」

 防人・拓也が発見した洞窟は紛れもない当たりであった、雪をどけてみればポッカリと空いた穴はまるで獲物を丸呑みする大蛇の口の様に不気味であった。
 しかし、その不気味さこそがこの洞窟には何かあるのだと強く主張していたのだった。

「やっと進めるな、さてさて改めて気を張って行くとするか……」

 ここからは、未踏の洞窟である。
 しかし、猟兵達は歩を進めた。中に何があるのか分からないが、必ず何かがあるという確信を直感的に感じなが……

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『傍観者達』

POW   :    静観
【自身から溢れ出続ける赤い液体】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
SPD   :    観戦
【自身の身体の一部】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【自身は弱体化。対象の装備武器を殺戮捕食態】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    観賞
【対象の精神に「生きる力」を削ぎ落とす衝動】【を放ち、耐えきった、或いは回避した者に】【強制的に自身の力の一部】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

調査員の方には調査に集中してもらうとして、守る必要があるでありますから、そうなってくると【選択UC】の出番でありますね。

護衛対象の周囲に壁を展開。敵勢力が攻撃を仕掛けてきたら防御(盾受け)して高圧電流(属性攻撃、追跡)による【カウンター】。索敵も同時にできるケド、一応自分自身の眼でも警戒は怠らない。
直感(第六感、見切り)や経験(戦闘知識)も判断基準に入れながら、迎撃に徹する。アサルトライフル『刹那』による連続攻撃(2回攻撃、クイックドロウ)や、場合によっては近接戦闘(串刺し)で敵を仕留める。

「――引っ掛かったでありますね! 護衛対象を放置するとでも?」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月日は何時だ、天候はどうなっている

もうわからない
闇ある所に光はあり、強き光は畏怖である
私は今それを目にしているのだ、光があるから人は心休まるのではないのだと、無知な私を誰か責めてくれないか。
あぁ、やつらが観ている…あの隙間の陰から、私の背後の影から…私がくるっているのだろうか?
探索員の書記より一部抜粋
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 洞窟に足を踏み入れた猟兵と雀野・なみだの一同は大なり小なり動揺を隠せないでいた。
 なぜならば、光の差し込まない洞窟内を想像していた雀野・なみだは高性能のライトを携えていた、眼前に広がる光景を眺めそれは腕からぶら下げて地面を照らす。

「あ、あの…此処って地下、洞窟内ですよね?」
「そうであります、入口は確かに自然でありました…しかし、これは」

 それは、まさに昼間のように明るく穏やかで力強い光であった。
 洞窟を進むにつれ監視されている様な視線は強くなり警戒を強めながら進んでいたが、ドーム状に開けた空間へと足を踏み入れた時その空間全てを照らすような光に一同は包まれた。
 そして、目が光になれ辺りを見渡せばドーム状の空間には小規模であるがそこの部分には都市の様な建築物がそびえ、都市上空には暖かな光源が光り輝き浮いていたのである。

「地下都市っと、仮に名付けておいた方が名称には困らないでありますな」
「そ、そうですね…でも、どれも倒壊しそうで危ないです」
「…一層気を引き締めて行かねばならないであります…」

 そう呟くと辺りに視線をおくる紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は、チリチリと首の後ろに違和感を覚える。
 その正体は定かではないが、どうやらかなりまずい状況にいるのではないか?そんな気がしてやまないのである。

「早急に探索を始めた方がよさそうでありますな、長居することは推奨しかねるのであります…」
「そうですか…ならば、あのタワーのようなところまで行きたいのですがお願いできますか?」

 雀野・なみだが指さす先には、倒壊を免れている建物の中でも綺麗な状態で残っている様に見える塔があり、収穫があるとすればそこが一番可能性があるのではと研究をしない猟兵でも感じるものがあった。

「一応聞くのでありますが、なぜあそこへ?」
「建物の配置は一見してバラバラに見えますが、あの塔に道でしょうか…集まるような作りになっていますから」
「なるほどであります、ならば急いでいくでありますよ!貴女は必ず守って見せますから」
「え、いきなりって、ひゃぁぁー!」

 紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)が他の猟兵たちに目配せすると、仲間が雀野・なみだを担ぐと走り出した。
 それを囲うように猟兵は陣を作るとスピードを上げる。

「来た!」

 誰かが発した声…振り返り見たそれは影からあふれる様に現れ、ぐしゃぐしゃに顔の崩れた異形がのそりと怠慢な動きで追る姿であった。
 
「え?いつの間に!いたっ!」
「口は塞いでおくであります…さて、そのまま」

 走りながら下っているのか、落ちているのか分からないスピードで進行する猟兵達のしんがりを務めていた紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は冷静にUCを発動させると、反射的に側面に展開させた。

「----引っかかったでありますね!護衛対象を放置するとでも?」

 下る最中にあった物陰から生まれ怪物は『矛反転する見えぬ壁(ヴェンジェンス・ウォール)』に接触すると、一瞬の火花ののちに生まれた電流の奔流が飲み込むように包み込む。

「--------!!!」

 絶叫を上げる暇を与えることなく怪物は消えていく、それに目もくれずに猟兵は走る。

「急ぐであります!目的を果たすであります!」

 そう、今回は戦いに来たのではない目的は探索である。
 理解しているからこそ足は止まらない、目指す塔までは猟兵は全力で走っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


※新しい情報です。

○塔
 ここに地下都市の中核としての機能があるようです。
 調べるには時間が掛かるでしょうが、幸いなことに時間さえかければ情報は得られる環境です。
 雀野・なみだは次回から調査に移るため、猟兵の皆様には基本防衛となります。
 
●怪物[傍観者]
 現状では猟兵たちはまだ知りませんが、基本この傍観者は危害を与えては来ません。
 それでも、複数の同個体が監視するように集まってきております。
 そうなると、一般人の雀野・なみだが長期接触すれば精神がどうなるか…倒しても、倒さなくてもよい敵となりますが、対処は皆さまにお任せいたします。
ロベルタ・ヴェルディアナ
おー。なんだかスプラッタなのが出てきたねぃ。
呼び方は…グロさんでいいや♪グロでも可ッ!
僕の方からはグロさんに攻撃はしないでおこうかな。
切り口や銃創から有毒物質が出るかもしれないしね。
猟兵なら耐えられそうでも雀野ねーがいることだし。
今は洞窟の中で物質が籠ったら嫌な感じだからねぃ。
僕はとりあえず戦えるように構えつつ様子見かな?
それはそうと…雀野ねーは大丈夫かな?グロさん見て。
少し声かけてみるじょ。
雀野ねーを囲むようにして周囲の厳重警戒は常にする。
グロさん以外にも壁壊して登ぉー場!とかいるかもだし。
面倒だからグロさんをUCの迷宮内に封じ込めちゃえ!
何人いるか判らないけど目の前のグロさんを優先だじぇ♪





 輝く塔に近づくにつれ猟兵の眼に拡がる景色は光に包まれていく、洞窟の暗闇から光り輝く世界になっていく。
 その光景が綺麗と見えるか恐怖を覚えるか…これは、きっと後者であろうここは未知の地下都市である、塔を目指し大通りを走る猟兵だが後方を確認する事はない。
 
ヒタヒタ・・・ペタペタ・・・

 その音はゆっくりではあったが、距離は離れる事はない。
 
「み・みなさん、敵がもう少で…もう!!きゃぁー!」
「雀野ねーちゃん!見ないで目をつぶって!もうすぐだから!」
「は、はいぃぃ!」

 担がれながら運ばれている雀野・なみだは恐怖で悲鳴を上げてしまうが、ロベルタ・ヴェルティアナ(ちまっ娘アリス・f22361)はそれを遮る様に進行をとり叱咤する。
 この存在は雀野・なみだには害でしかないと判断したためだ。

「もう、なんなんだよー雀野ねーちゃんにちょっかいだすなよー」
『ウロォォ、ウオォォォ』
「グロさんでいいや♪グロでも可ッ!いい加減にしてよね!」

 グロと呼ばれた傍観者は何も感じないのか、そのままヒタヒタと距離を保ってくる姿にロベルタ・ヴェルティアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は薄気味悪さを感じる。
 無機質にしか見えない傍観者たちにロベルタ・ヴェルティアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は違和感を覚える。

「もしかして…グロちゃん、なんかあるの?なに、なにかな?」

 その一言で猟兵たちの動きを変える雀野・なみだを庇うように壁を作る者がいれば、元凶たる傍観者を殲滅すべきと動くものが現れた。

「んーグロさん以外にも壁壊して登ぉー場!とかいるかもだし。面倒だからグロさんをUCの迷宮内に封じ込めちゃえ!」

 塔の入口に仲間が入っていくのを確認すると、ガラスの迷宮を展開させ敵を隔離させる。
 光り輝く都市が全体が身震いしたように震えた、大地から透き通るガラスの壁が次々に現れると傍観者たちを囲むように迷宮が出現した。

「さて、何人いるか判らないけど目の前のグロさんを優先だじぇ♪」

 ロベルタ・ヴェルティアナ(ちまっ娘アリス・f22361)が迷宮が生まれるのを確認すると、塔に突入する。

 その塔の頭上、光の塊がゆらりと震えた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

防人・拓也
「…おい、感じるか、相棒? あちこちから見られているのが」
と分身に語り掛ける。返答を聞いたら
「何かと面倒事になりそうだな。動きながら数を減らしていくぞ」
と言い、自分が前に行って分身に後方を警戒させながら進む。敵を見つけたら止まって狙撃銃『OB-D110 SASS』で頭や左胸を狙撃していく。
「仕留めるなら確実に仕留めていけ。こんなのはウォーミングアップに過ぎん。本番はこれからなのだからな」

アドリブ・連携可。





 塔に入った雀野・なみだが出来る限り迅速に調査を開始した頃… 防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は、塔の周辺を囲む様に現れたガラスの迷宮と建物を利用し辺りを伺う。

「…おい、感じるか、相棒? あちこちから見られているのが」

 既に発動させていたUC『マイ・バディ・ソルジャー(マイ・バディ・ソルジャー)』で生まれた分身に語り掛ける。
すると、同じ姿からの返答は……

「何かと面倒事になりそうだな。動きながら数を減らしていくぞ」

 考えていたいたのか数瞬の思考のあと、冷静な判断を下した、それを聞いた防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は満足そうに頷く。

「仕留めるなら確実に仕留めていけ。こんなのはウォーミングアップに過ぎん。本番はこれからなのだからな」

 その言葉は自分に言い聞かせる様に、そして分身へと情報を共有する様に……

 かつぎ上げる狙撃銃『OB-D110 SASS』を確認すると2人は行動を、開始した。



 傍観者達はガラスの壁にぶつかりながらも塔に近づいていた、ゆっくりとだが確実に距離を詰めていたのだが

バスンッ

 サプレッサーで抑えられた発砲音が無機質に都市に響くと、傍観者は動きを止める。

『ア”ーガッ?』

バスンッ

 一発目は胸に風穴をあけた、間髪入れないで放たれた二発目は頭に風穴をあけた。
 正確に、そしてそれは無慈悲に

「着弾確認、誤差無し風なし」
「了解、次に行く…」

 それは、狙撃と観測に分かれた防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)のスナイプであり、傍観者に確認されないように撃っては次のポイントへ移動を繰り返しながら数を減らす。

「5時の方向、敵影更に増加…やはり、手は出して来ないか」
「何がしたいか分からないが、塔には近づかせない」

 僅かな疑問を感じる防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)であったが、傍観者の数は時間が経つにつれて増えてくる現状やはり万が一があるかも知れない。

「数は減らして置かないとな…」

 スコープを覗き込み、指はトリガーを引くと発砲音が響き更に傍観者は倒れる。

 それは、静かな戦場を支配する者だと言わんばかりの静かな音であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

波狼・拓哉
んー…?こっちに積極的に働きかけるわけではない…?いやまあUDCっているだけで害になるやつの方が多いんですけど。さて…倒していいものなんだろうか

取り敢えず化け撃ちなミミック。出来るだけ地形に被害出ないようになー。あと一応こっちに近い奴からで頼むわ。
何体か倒して周りの様子に変わったことがないか確認。ミミックも上からみて何か変わったとこあったら戻ってきなさい。自分に違和感あっても戻ってきてくれる?

自分は雀野さんの近くで防衛しましょう。衝撃波込めた弾で近い奴から戦闘知識、第六感使って適当に撃って行こう。倒した数で変化がおき、なんかやばそうなら相手を吹き飛ばすくらいの威力に変えとこ
(アドリブ絡み歓迎)





「わぁー凄いです、塔の中はこんなになってるなんて」
「いや、こりゃ圧巻ですなぁ…いや、本当に」

 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が雀野なみだを護衛しながら眺めた先、研究室だろうかテーブルが真ん中に置かれ壁には未知なる機械が埋め尽くされ、天井は吹き抜けの様になり最上部は確認できない。
 そして、テーブルには先程まで人がいたかのように湯気がたつカップがあり、食べかけのスナックがある。
異質である事はひと目でわかる、それでも圧巻と言わしめる機械はそれを上回っているだろう。

「どうやって接続を、いえ…それ以前になんの機械なのかしら、ほら!大戦前に使われていたコンソールから伸びるのは未知の機械なのに、そこから現在レベルまで下がってきて」
「雀野さんはこれが分かるのか?」
「いえ全く!でもお時間頂けたら分かるかも知れませんね、全体的には何らかの制御かも」

 ブツブツと雀野・なみだが唸っている中、
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)はこっそりと気配を伺う。

「んー…?こっちに積極的に働きかけるわけではない…?いやまあUDCっているだけで害になるやつの方が多いんですけど。さて…倒していいものなんだろうか」

 外に出していたミミックにあまりにも変化がない事に違和感をおぼえたが

「取り敢えず化け撃ちなミミック。出来るだけ地形に被害出ないようになー。あと一応こっちに近い奴からで頼むわ」

 驚異になるやもしれない、ミミックには指示を出し自らも改めて護衛に専念するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
トゥーリ・レイヴォネン(サポート)
敵が一杯、だね。全部潰すの、大変だ…
ああ、大丈夫。ぼくはまあ…一人でも、何とかするよ

行動指針
・他に行動指示などを行う猟兵が居る場合、「人を助ける」行為から外れるもの以外には従う
・自身の損害を軽視する傾向がある。デッドマン、ゾンビとして前に出て、囮と盾を兼ねる行動を取りたがる
・人格がある相手であれば、相手の言葉や行動に対して憤りを感じることもあるが、それを強く表情や行動には出さない
・ナタ、素手、拾った何かを使って泥臭く戦う

見た目と性格
基本的にはゾンビの女の子。肌を見せたがらない為常にコートとブーツを履いている
大雑把でがさつ。物事に頓着しない。苦しまずに殺す事も救いだと考えている
人並みの痛覚を持つ



「なんだろ、変な敵だね……全部潰さなくても、あの人の安全を確保すれば、大丈夫?」
 恐らくあと少しで、なみだのデータ採集も完了できる筈。ならば無理に敵の全滅を狙うよりも、彼女に向けられる異様な視線のみを集中して排除したほうがいいだろう。そう判断して、トゥーリ・レイヴォネン(タナトスのオートマトン・f26117)はひょいと鉈を担ぎ上げた。傍観者達は動かない。ただ濁った声を上げながら、こちらをじっと見続けている。猟兵であれば違和感で済ませられるそれも、一般人であるなみだにとってはいつ溢れ出す狂気へのトリガーとなるか分からない。であるなら。
「恨みはないけど、死んでもらうよ」
 振り下ろした鉈の無骨な刃が、深々と怪物の肩を抉る。怪物が緩慢な動きでトゥーリを見下ろし、その顔面から赤々とした液体をぼたりと落とした。
「……ッ!?」
 瞬間、トゥーリの喉の奥が不吉にざわついた。まるで生命そのものを否定するような、寒々とした衝動。それ自体は、トゥーリにとって大した害ではない。何せ彼女は既に一度死したデッドマンだ。それを自覚している心身に、今更自身の生へを削ぎ落とす攻撃など通用する筈もない。否、これは。
(「……違う、」)
 皮膚の下で血管が膨れ上がる。咄嗟にトゥーリは自らの手に肉切り包丁を突き立て、半ば強引に引き裂いた。瞬間、待ちわびたように溢れ出した赤は、生者の流す血などではなく――眼前の怪物が垂れ流す、それ。
「自分の力を、植え付けてる……そういうこと、か」
 異物を叩き出すように無造作に腕を振り抜き、少女は呟く。その手に握られていた刃が、怪物の腹部を歪んだ一文字に裂いた。己の力のみならず、恐らくは怪物に植え付けられた力も上乗せされているのだろう。その手応えは、平素よりも軽い。
「分かった。なら」
 腕の一本や二本、今更惜しくない。トゥーリの決断は早かった。植え付けられた力を即座に飲み込むことを選び、彼女は群れ成す怪物たちの狭間を北風のように駆けていく。そうして何体目かの怪物を薙ぎ斬った時、塔に設えられた機械に向かっていたなみだの声が響いた。
「あ、あの、もう大丈夫です! データは取れたので、後の解析作業は持ち帰れます!」
「了解」
 ならばもう、彼らのことは捨て置いていいだろう。不気味な存在ではあるが、今は無事の撤退が優先だ。帰路となる道に立つ敵だけを視界に収め、猟兵は再び走り出す。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『デカダント・ブラック』

POW   :    人の性は悪なり、その善なるものは偽なり
【悪意を暴く力】を籠めた【黒い波動】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【善心】のみを攻撃する。
SPD   :    集合無悪識
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【悪意】に染め、【デカダント・ブラック】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    退廃的な黒
【根源的な悪意に満ちた退廃的で底知れぬ黒】を披露した指定の全対象に【心の奥底から湧く嫌悪感と全てを破壊したい】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はウラン・ラジオアイソトープです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ある者は先頭を駆け、ある者は最後方を守り、そしてまたある者はなみだを軽々と担いで遺跡の出入り口を目指す。そのマラソンもいよいよ終わろうかと思えたその時、遺跡の内部に絹を裂くような悲鳴が響いた。
「ひ、や、いやあああああああ!?」
 ヒートアーマーを着込んだまま頭を抱えて震えるなみだだが、無理もない。そこに滲み出るように現れたのは、黒々と揺らめく人間のようなシルエットの塊だった。その輪郭が揺らめくたびに、ねっとりとした悪意が見る者の精神に踏み込んでくる。
 敵はこちらの行く手を塞ぐように浮遊している。だが、隙を突けば倒さずしてこの場を逃げ出せるかも知れない。或いはやりようによっては、この悪意の化身に真っ向勝負を挑み、倒して踏み越えてしまった方が早いのかもしれない。
 どうあれ猟兵のすべきことは、なみだの収集したデータ(と、できれば彼女自身も)を守り、帰還することだ。
虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー




黒いのはっけーん
これはG だね
まさにG だね
ならば駆除だね駆除だね
汚物は爆発だヒャッハー

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!

ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



「黒いのはっけーん」
 言うなり漆黒の液体が爆発した。侵入者を帰すまいとするデカダント・ブラックの悪意が、ではない。虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)その人が、デカダント・ブラックが自身のユーベルコードの射程に入ったと認識するなり躊躇なく自爆したのだ。
 踏み出すことすらせず、敵に対して何を語るでもなく、半ば不意打ち的に放たれた捨て身の自爆が、情け容赦なく悪意の影を巻き込んで吹っ飛ばす。大事なのはスピード。そう、スピードなのですぞ。そんな風に、虚空に浮かんだ半透明のうつろぎがサムズアップした――ような気がした。当人は自爆によってとっくに遺跡の床に垂れ落ちているが、いつものことなので問題ない。
 ともあれ突然の伏兵登場とその爆発に、さしもの敵も怯んだように見える。この隙を逃すまいと、うつろぎによる自爆の風圧をそれぞれ耐えるなりかわすなりした猟兵たちは、武器を手に、或いはなみだを庇いながら駆けていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン
救援に駆けつけたよっ!
此処はあたいが食い止めるから、なみさんは早く逃げてっ!
とにかく、あれを近付かせないよっ!

破壊衝動はオーラ防御・呪詛耐性・狂気耐性・継戦能力で抑え込む
キツかったらリュックの中の医薬品の中から、精神安定剤を噛み砕いて嚥下してでも無理矢理に

というか、そういうのってズルいから禁止~っ!
蛇神様、お仕置きしちゃってっ!
『全てを破壊線とする衝動……ならば、貴様を壊しても構わぬな?』
蛇神様の邪眼から発せられる破壊念動波でダメージを与えつつ、敵のユーベルコードと身動きを封じるよっ!
その間に、あたいは超霊力オーラガン(指鉄砲)に、妹ライムの神火を宿して、炎の呪詛弾の弾幕と衝撃波で乱れ打ち!



 とにかく、あの悪意の塊を一般人たるなみだに近付ける訳にはいかない。ならばと蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)はデカダント・ブラックの真正面に立ちはだかった。
「此処はあたいが食い止めるっ!」
 その隙になみだを逃がすか、或いは他の猟兵に敵を倒し切ってもらうか。ヒートアーマーを着用した研究者の動きは重い。下手に彼女ひとりを先行させるよりは、庇いながら戦う方がまだ安全か――ふとそんな可能性を考え、僅かにレモンが逡巡した刹那、目の前の黒が揺らめいた。
「――ッ!」
 人型の影がざわつくように揺らいだ。ただそれだけの筈だった。それなのにレモンの目の奥に熱が走り、あらゆる存在への言い表しがたい嫌悪が湧いてくる。純白の勾玉を強く強く握り締め、痛みによって呪詛じみた狂気を振り払いながら、ぎり、と彼女は奥歯を鳴らす。
「というか、そういうのってズルいから禁止~っ!」
 勾玉を握ったまま突き上げた拳から、貫くような光が迸る。やがて巨大な蛇神の姿を現したそれは、怒りに満ちた視線でぎろりと怪物を睥睨した。
『全てを破壊せんとする衝動、と。ふむ……ならば、貴様を壊しても構わぬな?』
 全てのうちに、よもや己ばかりは含まれぬなどと、そのような都合のいい話がある筈もあるまい。冷徹に、容赦なく、蛇神の念力は黒き悪意の影を縛り上げ、締め上げていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

架空・春沙
☆これはお任せプレイングです☆
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 神威を帯びた見えざる波によって、デカダント・ブラックの動きが止まる。今なら敵はユーベルコードを使うこともままならない。ここが好機と心得て、架空・春沙(緋の断罪・f03663)は緋色の大鎌を手に駆け出した。
「他者の心を蝕む悪意、ですか」
 捨て置けませんね、と零した声を嗤うように、ぴくりぴくりと黒い影の末端が震える。その様に、春沙は片目だけを僅かに細めた。
 彼女は処刑人だ。罪ある者を裁く者だ。針の先ほどの僅かな悪意すらも暴き立てて勝手に膨れ上がらせ、罪に仕立て上げる怪物など、野放しにしてやる訳にはいかない。
 振るい抜いた大鎌の刃が、影でできた怪物の多腕を千切り切る。即座に新たな腕が生え、波打つが、それをも春沙は返す刃で斬り飛ばす。そして。
「汝、罪有り。執行します」
 つと指差したそこを起点に、無数の拷問具や処刑器具で編まれた迷路が生まれ出る。今や、デカダント・ブラックを直接視界に収められるのは、ごく近くに立つ猟兵のみだ。
 どこか壁の向こう側で、なみだは悪意の腕を逃れて出口を目指してくれている筈。それでも迷路の中を延々と進むのは体力的にもきつかろう。
 一刻も早く敵を討ち、迷路を解除して、少しでも楽に帰還しよう。誓うように頷いて、春沙は再び大鎌を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戒道・蔵乃祐
酔八仙ドランクマスタリーを発動
聖骸布で腰に括り付けた瓢箪徳利から御神酒を口に含み。一気に吹き付ける除霊+浄化の毒霧攻撃でデカダント・ブラックをひるませてなみださんをかばう。焼却で人力火炎放射器です!地底からの物体エックス!!

(舌が痺れて呂律が怪しいですがここは任せて先に!というジェスチャー)

寒さを紛らわせる意図も含めて身体中に酒を浴びる様に飲み干すドーピングで更に自己強化
残像+フェイントの千鳥足歩法で接近し、黒い波動の放出は念動力で纏ったオーラ防御+グラップルの早業で回し受けして掻き消す

限界突破した怪力で大地を踏み締めながら身体を預ける体勢から、破魔+重量攻撃の鉄山靠で悪意の塊を吹き飛ばします



「なみださんは無事に引き離せましたか」
 僅かな安堵を含んだ声で、戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は呟く。どこかその呂律が怪しいのは、先程口に含んだ御神酒の度数のせいだ。彼はそれを飲み干すのではなくデカダント・ブラックに吹き付けて浄化を試み、更には対怪物毒霧たるアルコールの飛沫に躊躇なく火をつけ、『人力火炎放射器』をやってのけたのだ。
 ――とは言え、蔵乃祐がそうして武器に御神酒を用いたのは、その聖性や引火性ばかりを利用する為ではない。いつからか、彼の備えた鋼の筋肉は、元のそれよりも一層厚く固く膨れ上がって見えた。腰に括っていた瓢箪徳利の栓を再び抜き、残っていた御神酒を喉を鳴らして一気に干す。瞬間、肉の弾けるような音と共にその手甲が軋みを上げた。
 酔八仙ドランクマスタリー。呑めば呑むほどに己の肉体にかかった枷を壊し、戦闘力を跳ね上げるユーベルコード。その効能を最大限に引き出して、蔵乃祐は半ば倒れ掛かるようにデカダント・ブラックめがけて踏み込んだ。悪意に満ちた黒い波動をオーラを纏った拳のひと振るいで掻き消し、そうして彼は常人には千鳥足にしか見えない足捌きで遺跡の床を踏みしめる。ばきりと固い床が砕け、ひびが走る音を聞きながら、身体を傾け――一撃。背中で叩き込んだ破魔の一撃が、黒き悪意を完膚なきまでに吹き払い、消滅させた。
 脅威が払われたことにより、周囲を隔てる処刑器具の迷宮も崩れて消えていく。猟兵たちは再びなみだを守るように隊列を組み、帰還するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月09日


挿絵イラスト