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9つの命

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 皆さま、事件です。赤月・句穏が困った顏で猟兵達の顏を見渡す。姿勢を正すと泣き出しそうな顏で続けた。
「事件ですっ。どうか、猫さんを助けて頂きたいです。」
彼女がいう『予知』はこうだ。

 場所はサムライエンパイアのとある小さな村。藩の統治が届かない外れに、その村はあった。この村は独自な神様、『猫神様』なるものを崇めている。村の入り口には猫が好きそうな『煮干し』を吊るし、『ねこまんま』 なるものを主食とする村―。
「お猫さまーを!崇めるのじゃ!」
「のじゃ!」
「のじゃ!」
激しい熱気の中、村人達が村長らしき者に続く。
「お猫さまーに!煮干しを捧げるのじゃ!!」
「のじゃ!」
「のじゃ!」
「のじゃ!!」
熱気が増していく。そして―。村長が一匹の三毛柄の猫を掲げた。
「今宵、お猫さまは我らが厄を一心に浴びて『贄』となられるっ!!」
(ざわっ。ざわっ。)
新入りの村人が騒めいた。村長は彼らを安心させるように諭す。
「安心せよ!お猫さまには9つの命があるのじゃ!」
「のじゃ!」
「のじゃ!」
「のじゃ!」
「のじゃ!!」
猫には9つの命があるという変な理屈の元、村人達と村長は『猫』を籠に納めた。そして―。句穏は、思い出したくない記憶を振り払う様に首をぶんぶんと振る。そして猟兵に向き直ると頭をさげた。
「元々は猫好きの、猫好きによる、猫好きのための村だったようなのですが…。最近になって村長が村人を先導して、猫を贄するような恐ろしい儀式をおこない始めたようなのです。」
数日前から、村長の様子がおかしくなった。村人達も村長に、なぜだか逆らえず従っている。なんらかのオブリビオンが関与している可能性が高いと句穏は言う。
「村人から情報を入手して、『贄』に選ばれた猫さんを救出してください。そして、オブリビオンが関わっていれば、これを『討伐』して頂きたいのです。」

 村は随時、移住者を募っていて、村人は同じ猫好きにはフレンドリーだ。野良猫を捕まえ、猫好きアピールしたり自分が猫のコスプレでもすれば…たぶん?警戒される事はないだろう。
「なんでもいいので!村人から情報を入手して『贄』になる猫を助けてください。」
うるうると涙目のまま句穏は猟兵たちに、お願い致しますと、再び頭を下げるのだった。


月灯
 月灯です。3作目、サムライエンパイアの世界になります。
どうぞ、よろしくお願いします。

●猫好きの村
村人から情報を聞き出して、贄になる『猫』を救出してください。
OPの内容が現在分かっている情報の全てになります。ネタでもシリアスでも、好きに動いてください。描写がんばります。

(猫さんへの、詳細な―虐待描写はこっそりマスタリングするかもです。…猫さん好きだ!)
13




第1章 冒険 『柱の家は』

POW   :    力づくで村人から聞き出す

SPD   :    村人の行動を観察する

WIZ   :    伝承や村の記録を元に調べる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ペイン・フィン
・・・・・・猫か。
うん。猫は自分も好きだね。多分。
・・・・・・それを生け贄にするのか。
それは、あまり気持ちの良いことじゃないかな。

村人の行動を観察。
装備の技能・・・・・・。情報収集、変装、目立たない、第六感、追跡、言いくるめ、礼儀作法と、このあたりを使っていこうかな。

基本的には目立たず、村人に紛れて情報を収集。
怪しい人物や場所もチェックしつつ、なるべく多くの情報を収集しようかな。



●穏やかな日常
 ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は逸早く猫好きの村に潜入していた。【目立たない】ように【変装】は完璧である。
「にゃぁー…。」
足元を見れば、猫が頭を擦り付けてきた。猫でいうところの匂い付け行動である。
(・・・・・猫か。)
ごろごろと喉を鳴らし、しまいにはお腹を出してしまう猫を眺めペインは思案する。
(うん。猫は自分も好きだね。多分。・・・・・・それを生け贄にするのか。)
お日様があって、猫が足元で寛いでいる。赤い髪をくしゃりとして、ペインは足元の猫の方へとしゃがむ。
「みゃーん。」
随分と人馴れしたお猫さまである。暖かで静かで穏やかな、昼下がり。其れは、ペインの望む日常でもあった。ヤドリガミであるペインの本体は、『指潰し』と呼ばれる拷問器具の一つである。『拷問』なんてモノが特技だった為か、彼が望む『静かな日常』はまだまだ遠そうであった。手を伸ばすと、お猫さまはペインに、懐くように体を寄せる。愛らしいその姿にペインはぽつりと呟く。
「それは、あまり気持ちの良いことじゃないかな。」
その時だ。ペインは【第六感】を以て、近づく村人達の存在に気が付き身を隠した。
「お猫さまー!お猫さまー!煮干しのお時間なのじゃー!」

●情報収集
 ペインが姿を隠し、【目立たない】ように村人を【追跡】する。
「お猫さまー!鰹節なのじゃー!」
「のじゃー!」
「のじゃー!!」
「のじゃー!!!」
村長を筆頭に、お付の村人が猫に餌をやって回っている。ペインは、怪しい人物との接触と、幅広い情報を得ようと村長周辺を尾行する。どう考えても頭の螺子の数本が抜けていそうな村人達である。見つかっても上手く【言いくるめ】れば何とでもなるだろう。
「あー、こほん。明日の贄のお猫さまの準備はどうなのじゃ?」
「万全です。村長、のじゃー!」
「今回のお猫さまも柱のお家で接待しています。のじゃー!!」
「愛らしい三毛柄の美人さんです。のじゃー!!!」
村長の言葉に村人達が声を高らかに返事をした。
「うむ。では、お猫さまの準備は任せるのじゃ!わしはあるお方にこの事をご報告にいくのじゃー!」
村長はなぜかるんるんで、村を出ていった。見晴らしの良い道である。仕方なく、ペインは村長の追跡を断念する。
「柱の家、それと…誰かに報告。か、オブリビオンかな。」
思索を巡らせるペインは先ずは猫の救出が先と、村人達のいう『柱の家』を案内させるべく、残った村人の尾行を続けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・しおん
【SPD】
「猫は大切にしないといけないですね」
自分は狼だけども猫も好きなので、解決しなければという義務感を持つ。

移住者として空き家を拠点として活動。
猫好きアピールとして猫用のおやつや、おもちゃなどを用意しておく。
移住者としてちゃんと見えるように仕込み竹箒で家の前を掃除しつつ、村人の行動を観察する。
猫が寄ってきた場合は、掃除する手を止めて、猫に話しかけたり、おやつをあげる。

「……不審な動きは、と」

猫と遊びつつも仕事は忘れない。
ちゃんと村人観察もします。

村人から話しかけられたら当たり障りなく引っ越しの挨拶をしておく。



●新しい住人
 此処は、猫好きの村。常に新しい猫好きの移住を歓迎している。今日もまた1人の猫好きが村に引っ越してきた。彼女は長い黒髪にすらりとした着物の似合う和美人。趣味が掃除なのか竹箒を手にしている。名前は、大神・しおん(霹靂神・f01306)24歳。尚、6月生まれである。
「村の移住希望ときいたのじゃ!証をしめすのじゃ!」
村長と思しき初老の爺が猫を掲げて、しおんの前に立ちはだかる。
「あら。困りました。」
困った顏をしながら、しおんはそっと手荷物からゴソゴソと何かを取り出した。彼女は、事前にしっかりと準備していた。取り出したのはお猫さま用のおやつや玩具。
「この位になってしまいますが?」
そっと差し出したる、お猫さまグッズに早朝の目がカッと見開かれる。
「あたらしーい住人を歓迎するのじゃ!!」
「のじゃ!」
「のじゃじゃ!!」
「のじゃじゃじゃ!!!」
変な熱気に包まれたしおんは、ぼんやりと村人に囲まれる。
「あら、よろしくお願いしますね?」
こんな状況でも動じる気配のない彼女はニコニコと微笑む。ともあれ、怪しい儀式の末、しおんは晴れて村の住人となったのである。
 
●情報収集
 しおんは、村に家を貸し与えられた。潜入成功である。ほのぼのとした村の裏で残酷にも猫が贄にされている。しおんは家の前を竹箒で【掃除】しながら、村人を観察していた。
「猫は大切にしないといけないですね。……不審な動きは、と。」
しおんは人狼である。
(私は狼だけども猫も好きなので、解決しなければ…。)
人狼でも猫が好き。しおんは助けなければという義務感を感じて、ぎゅっと竹箒を握る。箒の柄が僅かにずれる。柄の内側に隠されているのは刀。
(・・いけません。)
僅かにもれた殺気を綺麗に隠しニコニコとしおんは掃除を再開する。
「にぁー‥‥。にゃーん。みゃぁぁー。」
ふと、しおんの視線の先に一匹の猫が鳴く。
「あら、可愛らしいです。おやつ食べますか?」
猫の方へふらふらと近寄ると、猫はパシっと尻尾を曲げてしおんを誘うように歩く。しおんは猫に誘われるように猫を【追跡】する。そして、ピタリと猫がその歩みを止めた。猫の視線の先には何もない。猫飼いならよくある事だとわかるだろう。しかし、しおんはその視線の先に何かを感じ取る。
「猫さん、こちらなのですか?」
糸目のような瞳がゆっくりと見開かれる。金色の鋭い眼光は猫の視線の先を追った。
「…あの小屋。」
そして再び猫の方をみると安心させるように声をかけた。
「猫さん、ありがとうございました。必ず、助けます。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

九条・文織
【WIZで判定】

「お願いもされた事だし、しっかりと猫を救出したい所だね。」

「猫は良いものだよね。幾ら撫でていても飽きないし。」
視線を合わせる、構い過ぎないなどの鉄則を守る。
近寄ってくる猫、近づいても逃げない猫
がいれば猫じゃらしなどで遊ばせたり、
軽く撫でて餌を与えようとしたりして
猫好きをアピール

「猫好きとしては、この素晴らしい村の成り立ちやしきたりなどにも興味があってね。」
「良いしきたりや伝承などがあれば他の村にも広めさせて貰えたらと思うんだけど、教えて貰えないかな?」
そんな感じで村人たちから伝承や記録を調べ、現状について聞き取り差異を洗いだす
その差異について改めて調べようとする



●猫村の仕来り
 渡りの旅人を装って、九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)も猫好きの村に潜入していた。
「お願いもされた事だし、しっかりと猫を救出したい所だね。」
文織は自分にお願いした人を思い出しながら呟く。
「猫は良いものだよね。幾ら撫でていても飽きないし。」
お猫さまの扱いに慣れているのか。次第に文織の傍に猫達が集まっている。なでなでなでなで…。繰り返し撫で続ける文織、ゴロゴロと喉を鳴らし撫でられる順番待ちをする猫の行列。猫じゃらしを取り出す。
(フリフリフリフリッ。)
左右上下に巧みに揺れる猫じゃらし。
「みにゃー!」
はしっ。と、ふさふさのお手々で猫じゃらしを追う。
(パシッパシッ。)
視線を合わせる、構い過ぎないなどの鉄則を守る。近寄ってくる猫、近づいても逃げない猫など、猫の正確に合わせ適宜対応する文織の周りは猫だかり状態である。

●情報収集
 此処まですれば猫好きアピールには十分だろう。それに気が付いた村人が声をかけてきた。
「新入りさんですか?猫好きなのですねー?猫さまもお喜びなーのじゃ!」
語尾にのじゃをつけるそれは、この村の仕来りだろうか?と文織は首を捻った。
「猫好きとしては、この素晴らしい村の成り立ちやしきたりなどにも興味があってね。立ち寄ってみたのだよ。」
猫好きを認めた発言を前に村人は目を輝かせる。あわよくば入居を進める勢いだ。これはもう新興宗教の勧誘に近いだろう。語る内容は猫の愛らしさ、猫の尊さ、猫の素晴らしさ、猫による恩恵など、村人はどや顏で話続ける。そして話題は村の成り立ちへ―。
「この村はかつて、猫さまが病で苦しむ飼い主を救ったという逸話がございます、のじゃ。猫さまは自分の持つ寿命を飼い主に分け与えたといいます、のじゃ」
それは、猫が恩返しをする昔話。猫に救われた飼い主は、猫を思い大事にした。それが村の始まりだったのだという。
「良いしきたりや伝承などがあれば他の村にも広めさせて貰えたらと思うんだけど、教えて貰えないかな?」
村人は視線を彷徨わせ少し考えると、同じ猫好き同士だからいっか!と少し興奮気味に口を開いた。
「明日、儀式がございます。お猫さまには9つの命があって、この村の村人はお猫さまが命を分けてくれるのです!のじゃ!」
此処まで、のじゃをつけるのだなと、やや呆れ気味の文織はそれでも、ありがとうと微笑み返す。
「それは、素晴らしいね。此処の村の人は猫に愛されているのだね?でも、命を分けるってどうやって。」
文織は猫を一匹、ひょいと抱き上げ撫でながら村人の方をみれば村人は猫じゃらしを手に遊びはじめた。
「村長が、選ばれたお猫柱さまを籠につめて霊験あらたかな巫女様の元にお届けするのです。のじゃ!のじゃ!」
フリフリと猫をじゃらす村人に文織はそっと目を細めた。
「猫柱さま・・・ね。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

エウトティア・ナトゥア
SPD適用

何故かのう。『ねこまんま』という言葉にときめきを感じるのじゃー

兎に角、情報を集めない事にはどうにもならんのう

「野生の勘」「迷彩」「忍び足」「聞き耳」「視力」「動物と話す」使用
村人の様子を探ってみるかのう
野生の勘を研ぎ澄まして、村の中を忍びながら調査するのじゃ
怪しそうな村人を発見したら、自慢の目と耳で情報収集するかの
あと当事者の猫達にも話を聞いておくのじゃ

《天空の守護者》使用
鷹を召喚して、村とその周辺を俯瞰視点で監視しておくかのう
これも怪しい所は鷹をはりつかせて情報収集じゃ

入手した情報は、鷹に手紙をくくりつけて他の猟兵と情報共有しておくかの



●ねこまんま
 此処は猫好きの村、そしてお昼時。
「何故かのう。」
エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は台所をのぞき込む。ぐつぐつと飯を炊く釜戸が美味しそうな煙を上げている。さらに鰹と煮干しで出汁をとっただろう味噌汁の芳しい香り。『ねこまんま』それは、魅惑の料理。ご飯に味噌汁がかかっていたり、鰹節と醤油で味が整えられていたりする日本伝統の手抜き料理である。古来から、犬猫のごはんは『ねこまんま』とされている由緒あるご飯なのだ。…実際には、塩分が高いなど犬さん猫さんの身体によくない事がわかっている。…現代日本では真似しないで欲しい。
「『ねこまんま』という言葉にときめきを感じるのじゃー。」
エウトティアもその魔力に魅かれた1人だ。双子猫耳巫女姫の姉として生まれた彼女は、キマイラだ。
「美味しそうじゃのぅ。」
猫好きの村の主食『ねこまんま』に釘付けである。エウトティアの猫耳がぴこぴこと愛らしく動く。しかし、今回の目的は『ねこまんま』ではない。猟兵は『ねこまんま』のみにて生きるにあらず、なのだ。
「兎に角、情報を集めない事にはどうにもならんのう。」
思い立ったように、エウトティアは空を見上げる。
『風の友よ、天空の守護者よ。我が呼びかけに応えよ。』
羽ばたきとともに一頭の鷹が空へ飛来した。彼女のユーベルコードだ。
「空からの情報収集は任せたのじゃ。」
そして、探索を開始するのだった。

●情報収集
 村人が『ねこまんま』でお腹を満たしている頃、エウトティアもどこからか手に入れた『ねこまんま』をもぐもぐしていた。【野生の勘】を頼りに村人の様子を探っていく。
「成程じゃ。ここの家は、ねこまんまに生卵を掛けるのか。奥が深いのじゃ。」
持ち前の特技、【忍び足】と【聞き耳】で各家の『ねこまんま』レシピを確実に収集している。そして、彼女は気が付いた。
「なんじゃ、あの家だけ『ねこまんま』が色々な種類用意されておるのじゃ。」
如何にも怪しげな村人が、いくつも『ねこまんま』を運んでいる。
「お猫さまーのじゃ!」
「お猫さまーのじゃじゃ!!」
「お猫さまーのじゃじゃじゃ!!!」
合言葉の様に、村人が出入りしていく。
「成程、怪しいのじゃ。」
エウトティアは、ふむと考える。【動物と話す】特技を持つ彼女は飛来する鷹とも心を通わせる。
「…山に大きな砦が?その奧へ村長が入っていったじゃと?」
鷹と情報を共有しエウトティアはさらに考え込む。
「裏で糸をひいておるというデウスエクスじゃろうか。」
他の猟兵達にも知らせねばと彼女は仲間との合流を急ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『開け!開かずの門』

POW   :    開けばいいのさ開けば!あえて真正面から門を破る。

SPD   :    急がば回れってね。迂回路を探したり忍び込んだり。

WIZ   :    頭を使ったらいいのさ。陽動?偽装?搦め手ですり抜る。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お猫さま救出劇
 猟兵達は、『贄』にされた猫が囚われている柱の家を突き止めた。しかし、村人に懐いている猫は解放しても村を離れる様子はない。隣の村までいって贄の猫を預けても、他の猫が贄にされてしまうだろう。猫は、明日の儀式までは安全である。今から村長を追って、明日の儀式までに、裏で糸を引くオブリビオンを討伐できれば儀式を中止できるだろう。一刻の猶予もなく、猟兵たちは砦へと急ぐのだった。

●砦の門
 村より離れた山間に、大きな砦が築かれていた。そこには、豪奢な装飾を施された門があり、門番と思しきものが門の内側で欠伸をしている。声をかければ、会話はできそうだ。その先に、さらに煌めく装飾をした城がそびえ立っていた。村長は、先を急ぐようにその城内へと入っていくのだった。


●何とかして門を潜り抜けて城へ向かってください。
地形は山間にどーんと趣味の悪い門があり、その先にばーんとやっぱり趣味の悪いお城があります。門番と会話は可能です。たぶんアルバイトですが、簡単には通してもらえません。門をくぐらないで遠回りする場合は罠があるかもしれません。
ペイン・フィン
さて・・・・・・。
この先にオブリビオンがいるのかな?

そういうことなら話は早い。
忍び込むとしようかな。

と言っても、そこまで忍び込むのは得意じゃないんだよね。
使えそうな技能は・・・・・・。
破壊工作、鍵開け、変装、目立たない、暗視、第六感、怪力、追跡、ロープワーク・・・・・・と、この辺かな。
レベルが高くない物が多いけど、能力の数で勝負しよう。
その場その場に応じて使い分ける。
基本的には変装して忍び込み、第六感を発動させて居場所なんかを探る。
怪しい鍵は開けるか壊すかしておこう。

・・・・・・人を傷つけない方法は、なるべく磨いておきたいな。



●門を前に―。
 門の前にペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は立っていた。
「さて・・・・・・。」
頑丈で大きな扉をペインは見上げる。
「この先にオブリビオンがいるのかな?」
村長はこの先に入っていったという『あるお方』とやらに報告をしているのだろう。村で得た情報を考察するペイン。
「そういうことなら話は早い。忍び込むとしようかな。」
敵城を前に、門を観察し忍び込めそうな隙を探す。
(と言っても、そこまで忍び込むのは得意じゃないんだよね。)
ペインは慎重だった。
「・・・・・・人を傷つけない方法は、なるべく磨いておきたいな。」
人を傷つける―。本来なら、『拷問具』のヤドリガミの得意とする事だろう。だが、ペインはそれを良しとしない。
「使えそうな技能は・・・・・・。」
扉の外側に鍵らしきモノはなかった。【目立たない】ように【ロープワーク】で塀を登ろうか。【変装】はオブリビオンに意味が在るかは分からないが、門番には有効だろう。これしかないかな。とペインは思い実行に移すのだった。

●平和的な方法
「よし、準備は充分かな。」
門番は、恐らく反対側に居るだろう。素早く、無駄のない動きで【ロープワーク】を使い塀を登る。そして、ペインは門番の位置を確認した。
「ふぁぁ―。」
欠伸をする門番、暇そうである。
こちら気づく様子はない。【目立たないように】ゆっくりと侵入を試みる。近くに飛び移るのに便利そうな木、此れを使えば容易に下まで降りることができるだろう。―ペインの【第六感】が警鐘を鳴らした。見れば、木々の間に吊るされた板と鈴。塀からの侵入者に対する備え。引っかかっていれば音で門番に気づかれただろう。ペインは難なく、この罠を潜り抜け塀の中へと着地した。未だ、門番は欠伸をしている。あまり時間はないな、とペインは先を急いだ。

レベルが高くない物が多いけど、能力の数で勝負しよう。
その場その場に応じて使い分ける。
基本的には変装して忍び込み、第六感を発動させて居場所なんかを探る。
怪しい鍵は開けるか壊すかしておこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・しおん
【SPD】
「ここが敵の本陣……」

まずは門と周辺の調査。
迂回路や隠し通路があるかもしれない。
何事もまずは情報を仕入れるところからである。

「…折角村に忍び込んだことですし、ここの砦にも忍び込むのがお約束ですよね…?」

迂回路や隠し通路の類があれば、内部へ侵入を試みる。
もちろん罠に対する警戒はしておく。
常に周囲に気を配りつつ進む。
攻撃が飛んできても避けられるように、罠が発動しても避けられるように。

もしも忍び込んで猟兵以外の誰かに見つかった場合は迅速に【咎力封じ】を使用。
「…御免」
拘束後、箒の柄などで気絶させてどこかの物影などに運ぶ。



●本陣を前に
 大神・しおん(霹靂神・f01306)は砦の周りをぐるり歩く。
「ここが敵の本陣……」
まずは門と周辺の調査からと、彼女は迂回路や隠し通路を探していた。何事も情報を仕入れるところからである。
「…折角村に忍び込んだことですし、ここの砦にも忍び込むのがお約束ですよね…?」

 砦を一周回りきる頃、何故か派手に壊れた『塀』があった。
「これは…。」
流石のしおんも、動揺を隠しきれない。何があったのだろうか。
「折角です。」
気を取り直すとしおんは、何事もなかったように壊れた塀から侵入を始めた。箒を手に中の様子を慎重に伺う。―傍から見れば壊れた塀のお片付けをしているお姉さんにしか見えない。―罠を警戒しつつ、常に周囲に気を配り、そして―。敵に見つかってしまった。
「あれ?待って!その先は落とし穴がっ!」
敵の言葉にしおんはその先をみる。明らかにある違和感。落とし穴だ。もちろん、しおんでも、簡単に罠を発見できただろう。
「…新しいお仲間さん?お掃除してくれてるの?今暇?手伝おうか?この後、お茶とかどう?美味しいお菓子あるよ?」
一目で人間だと解る目の前のお兄さんは槍を持っている、衛兵だ。しおんの傍まで寄ると一方的に『おしゃべり』を始める。どうやら、掃除のアルバイトと間違えられている様だった。
「あら。ありがとうございます。」
にこにこと、しおんは衛兵に挨拶をする。衛兵のテンションが上がった気がした。そして、どや顏でご丁寧に罠の位置まで語り始める。心なし、鼻の下が伸びていなくもない。どうしましょうか。と、しおんは目の前の衛兵をみる。一瞬の隙―。衛兵の視線がしおんから外れる。しおんの糸目が開いたように見えた。
「…御免」
手に持った『箒』の柄で衛兵の首筋を一刀。崩れる衛兵の身体を抱きかかえると、安全な場所へ運び、念のため拘束する。
「さて、先を急がなければ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

エウトティア・ナトゥア
POW適用

可能なら他の猟兵の為の陽動に

(狼に乗って、ねこまんまのお茶碗を持って門までやってくる)
立派な門じゃのう。力押しでは苦労しそうじゃな、しかしこんな時は知恵を使って入ったらいいのじゃ。

巫女はこの奥にいる→猫柱は巫女に届けられる→猫なら入れる→つまりわしも入れる、完璧じゃな!
と完璧な論理展開で真正面から門番に話しかける。
かいもーん!中に入れるのじゃー!

中に入れなかったらプランB発動じゃな。
「野生の勘」「全力魔法」「属性攻撃」使用
野生の勘で壁や門の穴が空きそうな部分に当たりをつけ、全力で魔法を撃ちこんで通り道を確保するかの。
(魔法を撃ちこんで)
この手に限るのじゃ



●時間を遡って―。
 門の前に、狼に騎乗したエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)がやってきた。片手にお茶碗、もう片方の手にはお箸。見事な―手なし運転である。
「立派な門じゃのう。力押しでは苦労しそうじゃな、しかしこんな時は知恵を使って入ったらいいのじゃ。」
しげしげと門を見ながら、どや顏であるエウトティアの作戦はこうだ。
(巫女はこの奥にいる→猫柱は巫女に届けられる→猫なら入れる→つまりわしも入れる、完璧じゃな!)
猟兵の姿は、各世界の一般人に違和感を与えられない。
「かいもーん!中に入れるのじゃー!」
エウトティアが門番に向かって叫んだ。慌てたように門が開かれる。
「猫じゃ!通してもらう!」
獣耳をピコピコさせながらアピールするエウトティア、その勢いに飲まれる門番。しかし、猟兵の姿は一般人には―以下略、である。そんな事は、エウトティアも重々承知であった。この騒ぎが陽動になり他の猟兵達を手引きできれば、或いはその助けになればという深い思慮があっての行動である。
「え?猫好きの村の人ですよね。村長は中におみえです。」
両手に持ったねこまんまセットは猫好きの村の証、語尾に付くのじゃー!の合言葉。すべては、彼女が『正義』だと示している。…疑いようもないだろう。
「早く通すのじゃ!」
エウトティアが門を潜ろうとした。慌てる門番は彼女を遮る。
「今は誰も通すなといわれているんです。…確認してきます!!此処、動かないでくださいね。」
勢い負けしそうな門番が『確認』を言い訳に門から逃げ出した。走って城に向かう門番を眺めるエウトティア。
「さて、プランB発動じゃな。」
手際よく塀を眺め、【野生の勘】で当たりをつける。
『天地に満ちる精霊よ。我が敵を討ち滅ぼせ!』
数多の赤い光が集まる。それは【紅く輝く破壊】属性を持った【精霊光を集束させた砲撃】。エウトティアのユーベルコード『天穹貫く緋色の光条』である。【属性攻撃】となるこの奥の手、プランBの成功のため、【全力魔法】が放たれた。―見事に破壊される塀。そこには無残な残骸が転がっている。通り道を確保すると、エウトティアはしれっと門に戻る。
「お待たせしましたー。村長は、直ぐに村にもどるので、先にもどっておってくれーなのじゃ!と、おっしゃってました。」
ぜいぜいと息をきらす門番にエウトティアは素直に応じる振りをした。
「わかったのじゃ。」
全く、バレていない。―完全に関係者と思われている。エウトティアは門番に礼を言うと一旦離れ、破壊した通り道から難なく侵入を果たす。あるはずの罠は、彼女の【視力】と【野生の勘】を前に意味をなさなかったようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・秋星
「伐るべき手合いはこの先か。」

門前で、門番より少し離れた場所で立ち止まる。手より生み出すのは自身のカタチ、赤黒い妖刀と変じた黒瘴。
閉じられた門を見上げ、門番へと声を掛ける。
「あんたは伐る相手じゃない。死にたくなかったら、離れてくれ。」
と言って【殺気】をちらつかせて離れさせ、【妖剣解放】を起動。鍔に装備されたシリンダーが回り、銀の力を装填。
赤黒い怨念を自身と刀に纏い、刃を腰溜めに構える。そのまま居合い一閃、塀ごと門を両断して伐り伏せ、正面から堂々と侵入を試みる。


九条・文織
【WIZ判定】

「こんなところで足止めを食う訳にも行かないしね。
さっさと抜けてしまわないと。」

堂々と門の正面から砦に入ろうとする。

「お役目ご苦労様。村長さんがこちらに来ているよね?
村の事で火急に伝えたい事があるんだ。中に入れてはくれないだろうか」
そのまま門番が居なくなるようなら、招かれた客人の体を装って城へと入る。

門番が渋った場合は
雇われ者かつ欠伸をするような門番の様子を見て
「勿論、そんな事のために門番さんの手を煩わせてしまうんだから・・・それ相応の労いはさせて貰うよ。ただでさえ、お役目は大変だろうからね。」
そう言いつつ、賄賂を握らせて通ろうとする。



●門前にて
銀髪から赤い目をのぞかせて、九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)は城を眺める。
「こんなところで足止めを食う訳にも行かないしね。さっさと抜けてしまわないと。」
用があるのはこの先で、そこにはオブリビオンがいる。急がなければ猫が贄にされてしまうだろう。…時間は余りなさそうだと文織は急ぐように門番へ声をかけた。
「お役目ご苦労様。村長さんがこちらに来ているよね?」
猫好きの村の関係者であると装うと門が開いた。
「猫好きの村の方ですか。すみません、先ほど来た方にも伝えたのですがー、村で待っててほしいとの事みたいなんです。」
申し訳なさそうな門番に文織は一歩も引かない。
「村の事で火急に伝えたい事があるんだ。中に入れてはくれないだろうか。」
火急という言葉に、門番は文織を招き入れ、再び門は閉ざす。
「わかりました。ではー。」
その時だった。門の外から声がかかる。

●時を同じく―
硬く閉ざされた門は、頑丈な木材で作られていた。その先にあるのは、目的の城。
「伐るべき手合いはこの先か。」
叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)は、門より少し離れた位置に立っていた。そして、邪魔になるものを見据える。秋星の手よりゆらりと、―自身のカタチ、赤黒い妖刀と変じた黒瘴が―具現化した。閉じられた門を見上げる。
「あんたは伐る相手じゃない。死にたくなかったら、離れてくれ。」
其処に在るのは明確な【殺気】だった。同時に【妖剣解放】を起動した。鍔に装備されたシリンダーが回り銀の力を装填する。深い、赤色。その深さゆえに何処までも暗い、黒とも見違う赤。赤黒い怨念は、自身と刀を覆ってゆく。秋星はその怨念を纏うと刃を―腰溜めに構えた。狙うのは『門』だ。頑丈にできた作り、その門を伐るべく意識を集中させる―空気が止まった。居合の一閃。引き抜かれると同時に閃光が走る。秋星が刀を納める。門はその形を留めたまま、しかし秋星は構わず門へと足を進めた。―風が凪いだ。彼が進む先に亀裂の入る音が響き渡る。そして、土煙と共に門が倒れた。塀ごと門が両断、伐り伏せられていた。

●その頃―
 門の外から、声がかかる。恐らくはこの先に用事がある者からの明確な【殺気】だ。直ぐに、文織は門番の首根っこを掴み無理やり門から遠ざける。
「うっ。うわぁぁあ!?」
無残に切断され倒れる門と塀。近くの大木にまで一筋の刀傷が刻まれている。踏み込んでくる黒髪黒装束の男に、文織は直ぐに仲間だと理解した。軽く視線を交わすと秋星は真っ直ぐに城へ向かう。文織は彼をみて頷くと門番の方をみた。そして、宥める様に声をかける。
「勿論、・・・それ相応の労いはさせて貰うよ。お役目は大変だろうからね。」
そっと門番の手にこの世界のお金を握らせた。十分な額だろう。雇い主がオブリビオンとはい路頭に迷う事に変わりはなく、戦場になるかもしれないここから遠ざけるため帰るように促す。門番は文織の言葉に真っ青な顏で走って何処かへ行ってしまった。門番とはいえ、命あっての物種なのである。門番の無事を確認すると文織もまた秋星の後を追うように城へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『傾国の白仙狐』

POW   :    その精、喰ろうてやろうぞ
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり
【自身に従属する妖狐】の霊を召喚する。これは【剣】や【電撃】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    妾の炎に焼かれて死ぬがよい
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●傾国の白仙狐
ゆったりと美女が微笑む。白銀の髪に豊かな乳房。男なら誰しも魅了されるだろう妖艶な女。―ふさふさとした愛らしい獣耳に毛並みの美しい尻尾をゆらりと動かす。魔性の女、傾国の白仙狐がそこに居た。
「首尾はどうかえ。村長殿。」
鈴の鳴るような可憐な声音で促せば、村長はうっとりと返事をする。
「はい。白仙狐さま。大丈夫でございますじゃ。」
従順な村長に満足そうに白仙狐は微笑んだ。
「良き哉。妾は、もっと若く美しくあらねばならぬのじゃ。わかりおるかえ?」
若く、美しく―。形のよい唇を開き、真っ赤な舌で、爪先をぺろりと舐める。ごくり―。と、村長は唾を飲み込んだ。
「お猫の生血など、いくらでも用意してまいりますのじゃ。麗しい白仙狐さま。」
従順な村長に向かって、白仙狐が立ち上がった。そして―。一歩近づき村長の頬を、その白く美しい手で撫でる。歓喜に村長は震えた。大好きだった猫、大切だった村。家族、記憶。全てどうでもいい。この方のためならば、この方に喜んでもらえるなら―。その顏は狂気に彩られていた。
「いい子だわ。村長殿、妾のためにもっと集めるの。魅了の、実験はまずまず。最初は猫。そして―人間、女子供。少しずつ倫理の壁を壊してあげましょうね?…妾の手足となって動く素敵な国を作るのよ。うふふっあっはははは。」
エウトティア・ナトゥア
SPDを使用します。

可哀想にのう…歳を取るとアンチエイジングが大変なのじゃなぁ…

(自分のしっぽを手にとって見ながら)
よく見るとわしのしっぽと比べるとパサついて枝毛もあるのじゃ

(可哀想な年増を励まします)
じゃがいくら老化予防の為と言え、猫を犠牲にしようというのは感心せんのう
もっと自分に自信をもってそんな事はやめるのじゃ
姥桜という言葉もあるのじゃし、年増がよいという殿方も結構おるようじゃよ?

む、何故か怒られたのじゃ。これが更年期障害かのう?
仕方ない、マニトゥお灸をすえてやるのじゃ

(妖狐の霊に対して)
狐の霊じゃな、マニトゥ、「破魔」の「祈り」をのせた咆哮で雑霊を払うのじゃ



●ふんわりしっぽ
 城内に無事潜入を果たしたエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は村長とのやり取りを眺めていた。
「可哀想にのう…歳を取るとアンチエイジングが大変なのじゃなぁ…。」
憐憫の眼差しで白仙狐を眺める。
「だれだえ!?」
侵入者に気が付かなかったのか、驚いて声をあげる。しかし、エウトティアは全く気にする様子もなく、自分の尻尾をしげしげと見つめている。
「よく見るとわしのしっぽと比べるとパサついて枝毛もあるのじゃ。」
誰のとは言わずとも、知れた事。白仙狐の眉間がぴくりと動いた。
「あぁ、いや。年ばかりは仕様がないのじゃ。こればっかりはな、仕方ないのじゃ。うむ!」
全力で白仙狐を励ますエウトティア。しかし、地雷を確実に踏み抜いていく。
「じゃがいくら老化予防の為と言え、猫を犠牲にしようというのは感心せんのう
もっと自分に自信をもってそんな事はやめるのじゃ。」
エウトティアがにっこりとしながら更に続ける。
「姥桜という言葉もあるのじゃし、年増がよいという殿方も結構おるようじゃよ?」
最早、どや顏である。わなわなと音がした。否、実際に聞こえた訳ではない。白仙狐の手が身体が、唇が怒りで震えていたのだ。
「出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり!!」
ゆらぁりと、白仙狐が【自身に従属する妖狐】を召喚すると、電撃でもってエウトティアを襲った。
「む、何故か怒られたのじゃ。これが更年期障害かのう?」
落雷が堕ちる中、エウトティアがマニトゥに騎乗する。器用に部屋中を避けるマニトゥ。
「狐の霊じゃな、マニトゥ、「破魔」の「祈り」をのせた咆哮で雑霊を払うのじゃ。」
巨狼が咆哮する。―城が揺れた。【破魔】の力を帯びた巨狼の【祈り】は咆哮となって、オブリビオンに呼び出された妖狐達が掻き消されて逝く。
「仕方ない、マニトゥお灸をすえてやるのじゃ。」
次いで、エウトティアの指示に応じ巨狼、マニトゥが攻撃に出た。
『蹴散らせ!マニトゥ!』
ユーベルコード、巨狼咆哮。城内、部屋を覆うように全員を―高威力で、無差別攻撃が繰り出される。勿論、逃げ場などなかった。村長にもダメージは入る。
「ひぁぁぁ!!」
「うぐぁーーーーーっ!のじゃ」
盛大に吹っ飛んだ。これも、猫を虐めたツケだろう。運が良ければ虫の息かもしれない。
「よくも、よくも妾の手駒をっぉぉ。」
エウトティアはしまったと思った。白仙狐の尻尾がさらにバサバサになっていたからだ。
「すまぬのじゃ。」
本来なら、オブリビオンに謝る通りはないのだが、なぜだかエウトティアは素直にごめんなさいしたい気分に浸ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
・・・・・・ほんと、嫌なものがあるね・・・・・・。
少なくとも、あれは醜く感じるかな。
美しさなんて、よく分からないけども、ね。

コードを使用。
扱うのは竹筒入りの熱湯。
装備している分だけじゃなく、複数召喚しよう。
そして、念動で竹筒ごと放つ。
そのまま中身をかけてもよし。
竹筒を割られて、中身が飛び散っても良い。
なにせ、いろいろと混ざっているからね。
美しいと自称している身体・・・・・・。掻かずにいられるかな?
ああ、もちろん。追加もどんどんと投げつけよう。



●竹筒の中身
 吹っ飛んだ白仙狐を前にペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)が到着する。
「・・・・・・ほんと、嫌なものがあるね・・・・・・。」
脳裏にあるのは穏やかな村と愛らしい猫達。
「少なくとも、あれは醜く感じるかな。美しさなんて、よく分からないけども、ね。」
ペインの眼差しは冷たく白仙狐に向けられる。己の欲望の為に他者を傷付けても構わないというオブリビオン。
「おのれ、猟犬どもめ。美しい妾になんてことをするのじゃ。」
バサバサにされてしまった尻尾を抱えて、白仙狐は怒っていた。
『・・・・・・もう、お前は何も言わなくて良い』
ペインが竹筒を手に無表情のまま投げた。そして、投げた。さらに、投げた。【念力でバラバラに動かせるようにした】竹筒が白仙狐に向かって、どんどん投げられる。さらに【必要であれば新たに召喚し】た竹筒達、もちろん投げられる。
「あつっ!!」
入っていたのは熱湯である。竹筒に入っていた熱湯が落ちると割れて飛び散る。白仙狐にあたっても、掛かる。ある意味【空中戦】だ。
(そのまま中身をかけてもよし。竹筒を割られて、中身が飛び散っても良い。なにせ、いろいろと混ざっているからね。)
黙々と竹筒を投げ続けるペイン。目に飛び散った熱湯で【目潰し】された白仙狐がキレた。
「熱っ!おのれぇ。出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり!!」
白仙狐が妖狐を再び呼び出す。―が、呼びかけても妖狐は現れない。ペインのユーベルコードがオブリビオンの技を封じていた。さらに彼女の攻撃力まで削いでいるようである。
「美しいと自称している身体・・・・・・。掻かずにいられるかな?」
まだまだ、投げる。
「熱っ。まっ、まつのじゃ!!わかったから!投げるのやめてぇー!熱っ!!」
(ああ、もちろん。追加もどんどんと投げつけよう。)
次いで、さらに投げられる竹筒を前に、白仙狐はついに逃げ出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・秋星
「主達程の高みにはまだ届かんが…このくらいは出来るだろうか。」

妖剣解放を駆使。シリンダーから銀の力を込め、刀に怨念の刃を形取らせて部屋の外から部屋ごと仙狐に斬撃入れてみる。

「成程、その身が俺を『呼ぶ者』か。」

呼ぶ者、即ち悪を断つ刃であるこの身を必要とする事象。故に、ここで断つ。
他の猟兵と連携が取れる程の技量はない、せめて自分が邪魔にならないように立ち回る。
直接斬撃を浴びせれば、怨念を通して【生命力吸収】【呪詛】を与え、離れれば【衝撃波】の【誘導弾】。【妖剣解放】による高速戦闘。

アドリブ歓迎



●悪を削ぐ太刀
 城に到着した叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)はしかし、その戦場に踏み込まずにいた。
 「主達程の高みにはまだ届かんが…このくらいは出来るだろうか。」
主達―。ヤドリガミである秋星のかつての使い手達。しかし、今此処に主達はおらず、その使い手は『己』をおいて存在しない。秋星は、ユーベルコードを発動させる。妖剣解放―シリンダーから銀の力を込め、刀を怨念の刃を形取らせた―精神を集中する。部屋の中にいる者たちの気配を見逃さず、斬るべきモノとそうでないモノを見極め、タイミングを計った。そして―目的のオブリビオンのいる部屋に向かい一閃。斬撃による【衝撃波】が部屋全体を襲う。戦場に乗り込む前の、完全な、間合いの外からの奇襲だった。

 一瞬の事、静まり返った空気。閉じられた襖が真っ二つ割れた。そこには見晴らしの良い部屋が出来上がる。
「なっ‥‥。」
顔面蒼白な妖狐がわなわなと立っていた。彼女の自慢のふさふさの尻尾はバサバサになり、所々火傷で赤くなった白い肌をしている。危く自らも真っ二つになる所だったのだろう。寸で避けた妖狐は放心状態。白仙狐と秋星のご対面である。
「成程、その身が俺を『呼ぶ者』か。」
その言葉は、白仙狐に対して向けられている。だが、彼の興味は彼女には向けられていない。
「どやつもこやつも、妾の邪魔ばかり!猟犬を呼んだ覚えなんてないのじゃ!」
ぶちキレである。
「出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり!!」
【自身に従属する妖狐】の霊を召喚、妖狐による電撃が秋星を襲った。全身を駆ける電撃、『痛み』という概念がヤドリガミである彼にどう感じられるか分からない。だが、確実にそれは負傷となって蓄積される。
「呼ぶ者、即ち悪を断つ刃であるこの身を必要とする事象。故に、ここで断つ。」
骸の海より染み出た世界を滅ぼす事象。自らの意思ではなく、人々の願いを受け断つべき悪を削いできた彼とその主達。故に、白仙狐に対して秋星は興味を持たない。秋星にとって、彼女は『呼ぶ者』であり、それ以上でも以下でもなかったからだ。

 他の猟兵と連携が取れる程の技量はない。己のみで敵を葬る事に特化した特性は他の猟兵達と連携をとる事には向かない。それは、仲間を傷つける危険と彼自身の切れ味を落としかねないからだ。明確な滅ぼす事象を前に秋星は【殺気】を放つ。
「お。おのれぇ。」
遠距離からの、一刀―斬りつけた刀は、間合いは遠く―しかし、その刃は【衝撃波】の【誘導弾】となって白仙狐に届く。避けの一手となる白仙狐は徐々に追い詰められる。接敵―。瞬く間の事だ。妖気解放により高速移動を可能にした秋星は、躊躇なくそのオブリビオンを貫いた。彼を覆う怨念がゆらりと増す。赤く黒いそれは【生命力吸収】するように、力を増し、秋星を回復させていく。

 赤い黒い怨念を前に、紅く染まる白仙狐。彼女はその力を振り絞り、猟犬からの離脱を決意する。
「妾の野望は、まだ。まだなのじゃっ。ここで敗れるわけにはいかぬ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・しおん
「これが敵の首魁ですか……人のため猫のために討つとしましょう」
敵を見据えて、にこやかに戦闘へ入る
愛用の仕込み竹箒を持って敵へと接近して刀を振るう
【風迅雷塵】を使用して一撃離脱を繰り返す戦法を取る
【二回攻撃】を駆使して効率よく蹴散らしていくつもり
敵が僕の妖狐を召喚したら
「あらあら……狐が増えましたか」
と糸目を開いて【殺気】を解放して【威圧】し、【恐怖を与える】
羅刹紋も浮かび上がり、異様さを増す
「私、狼ですから……立ちはだかる狐は、食べてしまってもよろしいんですよね?」
剣の攻撃には仕込み竹箒で、雷には雷で応戦する



●霹靂神
 ぽたり、ぽたりと血溜まりが落ちる。命からがら逃げだしてきた白仙狐は、忌々しい猟犬たちに唇を震わせる。すると、竹箒を手に大神・しおん(霹靂神・f01306)が廊下を歩いていた。
「!!!!」
驚きに柱に隠れる白仙狐。今も尚、癒えることのない傷口を抑えて身を隠す。
(なんで、妾が何をしたというのじゃ。)
猟兵達によって散々な状態にある白仙狐は逃げることしか考えていない。だが、先の戦いで蓄積したダメージでは思う様に動けなかった。
「あらあら。あれは・・・。」
柱の陰から、ちらりと見える尻尾。そう、―猟兵に怯える狐は尻尾を隠し忘れていた。
「これが敵の首魁ですか……人のため猫のために討つとしましょう。」
しおんが狐の尻尾を捕まえた。声のする方へとゆっくりと振り返る白仙狐はその先に、『恐怖』をみた。糸目を見開き【殺気】立ったしおんは、白仙狐に【威圧】するように、―しかし、とても、にこやかである。清々しいまでの微笑みは時に、向けられた者に【恐怖を与える】。オブリビオンにも例外ではないようだ。愛用の仕込み竹箒、枯山水を抜刀。―にこやかなまま、一閃。白仙狐を斬り払う。
「ひぁぁぁ!!出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり!!」
尻もちをついて避ける白仙狐は使い魔である妖狐を呼びだした。呼び出した妖狐たちが雷を集め雷撃を飛ばす。しかし―。しおんは余裕だった。
『狼なり、大神なり、大雷鳴……!』
ユーベルコード、『風迅雷塵』、【神の力と狼の力】をまとい、高速移動と【雷】の放射を可能とする大技。
「あらあら……狐が増えましたか。」
にっこりと笑顔が増した気がした。
「雷は、こう使うのです。」
雷撃―。それは狐のものより激しく、次いで【二回攻撃】。白仙狐によって呼び出された妖狐達が次々に蹴散らされていく。しおんの白い肌に黒い、模様が浮き上がった。羅刹紋、しおんの戦意や感情に応じて浮かび上がるそれ。その姿は、異様さを増していく。白仙狐は逃げた。本能がそう告げた。アレは相手にしてはならない。猟犬は倒さなければならない敵。しかし、今は逃げ、そして報復をするのだ。城を走り走って―。何故、何故、妾がこんな目にあうのじゃ。と白仙狐は訳も分からずに逃げるのだ。しかし、何処まで逃げてもにこやかな猟犬は【追跡】してくる。
「おのれぇ猟犬めっ。」
―限界だった。犬と呼ばれて、若干不服なしおんはそっと手負いの狐を見下ろした。
「私、狼ですから……立ちはだかる狐は、食べてしまってもよろしいんですよね?」
其処に在るのは『恐怖』。枯山水が振り降ろされ、白仙狐は砂塵のように崩れ逝く。

 戦闘が終わる。しおんは枯山水を、竹箒に戻す―刀を鞘に納める―と、再び糸目に戻っていた。柔らかい笑顔を称え、何事もなかったように。
「さて、帰って夕餉の支度をしなければいけません。」
彼女は、彼女の待つ日常に戻っていく。

 猟兵達の活躍と、尽力によって一つの村が救われた。否、一つの村のお猫さま達が救われた。猫好きの村の人々も、白仙狐が居なくなり正気にもどるだろう。
「みゃぁん。」
ゆらりと、愛らしい尻尾をゆらし、一匹の猫が猟兵達の帰還を見守る。彼らもまた帰るべき場所へと帰っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●白仙狐
 倒れ地に伏す。白仙狐―。猟兵達によって倒されたかのようにみえた彼女。彼女は生きていた、長い年月を生き―。そして、逃げる事に特化した彼女は変わり身を用い、安全な場所で傷口を癒す。
「おのれ。猟犬めっ。妾が、もう少しで、あの村を拠点に、妾の国を作れたものをっ。」
ぐっと怒りを堪え気配を消す。今は此処で傷を癒す事が先決と、彼女は身を潜めるのだった。
源・ヨーコ
臭う、臭うっすよー、悪の臭いが!
自分、頭はよくなくても勘には自信あるっすよ。罪もない猫ちゃんを犠牲にするような悪人が、そんな簡単にやられるわけないっすよね?
村の周辺を探索して、性悪狐を探し出すっす。方法? 勘っすよ、勘。動物の心はちょっと分かるんで、傷ついた獣のキモチになって探すっす。
首尾よく発見したら、ソッコー乗り込むっすよ!

「おばんでーす、お仕置きの時間っすよ~!」

〇POW
気合っす! とにかく気合っす!
自分まだまだ未熟者っすから、考えたってうまく立ち回れないっす。だから身体ごとぶつかるっす!
幻惑とか知らないっす。気合で突っ込んで殴るっす! でも逃げられたらシャクなんで退路だけは塞ぐっすよ!


九条・文織
抜き身の刀を手に口元には笑みを浮かべつつも、目は全く笑っていない状態でゆっくりと白仙狐の元に近づいていって。
「上手く逃げたつもりかもしれないけど、残念だったね。
さあ、猫にやってきた罪をしっかり償って貰わないと。」

「臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く。全てを絶ち斬れ、『句切』。」
【残像】の乗った【フェイント】で相手を翻弄し、言霊を乗せた『剣刃一閃』で一気に畳み掛ける。

白仙狐が魅了の術を使ってきたら【破魔】を使って打ち破ろうとする。
上手く打ち破る事が出来たら
「魅了したかったら句穏でも連れてこないとね。
毛がパサパサでヨロヨロの狐さんじゃあ何ともならないよ。」
そう言って白仙狐を煽る。


アレクシア・アークライト
・超感覚的知覚で白仙狐が生きていることを感知。

「狐が猫を捕食する……それだけなら、まぁ、そんなこともあるのかもしれないわね」
「でも、大好きな猫を生贄として進んで差し出すようになる……そこまで人の心を支配できる貴方を見逃すことはできないわ」

・相手は遠隔戦が得意であると思われるため、空を飛んで一気に距離を詰め、格闘戦に持ち込む。[念動力、グラップル、空中戦]
・手足で攻撃するのと合わせ、横や後ろからサイコキネシスによる攻撃も行う。[2回攻撃]

「貴方の炎や電撃は目で見えるけど、私の力は見えも聞こえもしないわよ? 貴方は躱せるかしら?」

「今度出てくるときは、見た目よりも中身を磨いてからいらっしゃい」



●潜伏する妖狐
 傷を癒すべく気配を消した白仙狐―。
「臭う、臭うっすよー、悪の臭いが!」
金の瞳にピンクの髪、ギャルという言葉がよく似合う源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)は逸早く白仙狐の気配に気が付いていた。
「自分、頭はよくなくても勘には自信あるっすよ。罪もない猫ちゃんを犠牲にするような悪人が、そんな簡単にやられるわけないっすよね?」
猫ちゃんを犠牲する様な白仙狐さんを捜索する彼女の足取りは楽しそうである。
「狐が猫を捕食する……それだけなら、まぁ、そんなこともあるのかもしれないわね。」
赤髪に赤い瞳、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)、UDCエージェントである彼女もまた白仙狐の生存を超感覚的知覚で感じてこの世界に赴いていた。
「手負いだった。そう、遠くには行けないはずだけど。宛てはあるのか?」
二人に合流するように、九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)が城の周りを見渡す。
「村の周辺を探索して、性悪狐を探し出すっす。方法? 勘っすよ、勘。動物の心はちょっと分かるんで、傷ついた獣のキモチになって探すっす。」
待ってて欲しいと明るい声で仲間に伝えると、ヨーコが走り出した。残されたアレクシアと文織もまた白仙狐の足取りを追うべく歩き出した。

●みけたっす!
 ヨーコが猫好きの村に到着すると、一軒ずつ扉を開けて探し始める。
「お邪魔するっすー!」
隠密性もなにもない、豪快な探しっぷりである。そして、間抜けにも狐はいた。バサバサした尻尾に櫛を入れる白仙狐は、而してヨーコと目が合った。
「発見したっす!!乗り込むっす!」
他の猟兵に知らせるべく声をあげるヨーコ。
「な・・・。」
わなわなと震える白仙狐は、立ち上がる。
「普通はお城から探すものじゃ!なぜ、ここが分かったのじゃ!」
お怒りのようである。片っ端から乗り込んでくるとは流石の白仙狐も思っていなかった。にっこり笑顔のヨーコが白仙狐に挨拶をする。
「おばんでーす、お仕置きの時間っすよ~!」
ヨーコには戦闘の立ち回りはよくわからない。しかし、今彼女を逃がす訳にはいかないと体ごと体当たりする勢いだ。ユーベルコード、ブレイズフレイム。ヨーコは自らの腕を切り裂く。流れ出る血は「地獄の炎」となって燃え上がった。紅蓮の炎を自在に操り白仙狐を攻撃する。―炎は白仙狐の尻尾に燃えついた。
「熱っ・・・お、おのれ。妾をなめる出ないわ!その精、喰ろうてやろうぞ。」
白仙狐から、良い香りが広がる。くらくらと脳を揺さぶる誘惑だ。ヨーコは抗えないように動けなくなる。

● 破魔
 白仙狐は逃げようと踵を返す。―だが一歩遅かった。抜き身の刀を手に、銀髪のオッドアイの女が逃げ道を塞いでいる。1度刃を交えた相手、白仙狐にも覚えがあった。
「上手く逃げたつもりかもしれないけど、残念だったね。さあ、猫にやってきた罪をしっかり償って貰わないと。」 
文織は笑みを浮かべて白仙狐にそう告げる。ゆっくりと彼女に近づく。目は、全く笑っていなかった。
「臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く。全てを絶ち斬れ、『句切』。」
その動きは使い手の【残像】を生む程に速かった。ユーベルコード、『剣刃一閃』。【残像】に【フェイント】をかけて白仙狐を翻弄すると一閃、白仙狐の尻尾を切断した。大事にしていた尻尾がバサバサと落ちる。
「その精、喰ろうてやろうぞ。」
その声には怒りが滲む。魅了の術に文織は身構えた。いい香りが鼻孔を擽る。くらりとするだろう。しかし文織には効かなかった。―彼女の持つ【破魔】の加護の下、白仙狐の技を打ち破る。
「魅了したかったら句穏でも連れてこないとね。毛がパサパサでヨロヨロの狐さんじゃあ何ともならないよ。」
パサパサどころか切り裂かれて切断された憐れな尻尾を見下ろす文織。可哀そうにという口振りとは裏腹にその瞳は今も―全く笑っていない。彼女の瞳には取り逃した敵の姿が映っているだけ、だった。

●魅了
 乱戦となる中、アレクシアが白仙狐の前に歩み出る。
「大好きな猫を生贄として進んで差し出すようになる……そこまで人の心を支配できる貴方を見逃すことはできないわ。」
その脅威をアレクシアは誰よりも正確に理解していた。そして、【空中戦】でも仕掛けるように、身軽に、地を蹴り空を飛んだ。一気に白仙狐へ接敵する。白仙狐は遠隔戦が得意とみたアレクシアは早々に、格闘戦に持ち込む心積もりである。白仙狐はアレクシアの攻撃から逃れようと距離をとる。しかし、あるはずの空間が、逃げ場がなかった。ユーベルコード、『サイコキネシス』の発動。アレクシアは手足で攻撃に加えサイコキネシスによる妨害、それはそのまま白仙狐にダメージを与える【二回攻撃】となる。何もない場所からの攻撃に白仙狐は反撃する隙きを得られないでいた。
「貴方の炎や電撃は目で見えるけど、私の力は見えも聞こえもしないわよ? 貴方は躱せるかしら?」
否―。そうみえていた。振るわれたのは魅了の術。脳髄が痺れるようにアレクシアは動けなくなる。
「まだっすよ!」
術から解放されたヨーコの地獄の炎が白仙狐の身体を炎で包んだ。次いで、文織の刀が白仙狐を一閃、相手の反撃を封じる。
「!!」
仲間の支援に、術より解放されたアレクシア。再び空を飛んだ―。
「今度出てくるときは、見た目よりも中身を磨いてからいらっしゃい。」
アレクシアの一撃、そして地獄の炎の中。今度こそ確実に彼女、白仙狐は『灰』となったのだった。

 こうして―。今度こそ本当に、村に平和が訪れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月02日


挿絵イラスト