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玩具が死ぬとするならば、はたしてそれは何時なのか

#UDCアース

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#UDCアース


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「しーちゃん!待っててね、しーちゃん」
 年若い――というよりは、幼いというべき少年が、息を切らしながら走っている。彼が駆けながらずっと名を呼んでいるのは、物心ついたころから共に育ってきた、小さなぬいぐるみの名だ。同年代の少年に、ぬいぐるみを持っていることを馬鹿にして手荒に扱ってしまい、“先生”に没収されてから、半ば忘れてしまって会ってもいなかった、しかし大切なぬいぐるみ。
「ごめんね、しーちゃん。ボク、しーちゃんにたくさんお話したいことがあるんだ」
 そのぬいぐるみが、“業者さん”に引き取られてしまったことを知った彼は、いてもたってもいられなくなり、明確な手がかりもないまま、闇雲に裏山の中を駆けていた。
 果たして、努力する少年に神は微笑んだ。薄暗がりの中に、少年は友達の姿を見かける。
「しーちゃん!」
 だが、その笑顔はたちまち凍り付くことになる。その友達が、半ばから溶け果て、雑多な玩具とともに固められた、奇怪な怪物と化していたがゆえ。
 ――微笑んだのは、神ではなく、邪神。


「ようこそお越しくださいました、猟兵の皆様」
 アルレクリア・ジャストロウは、緑茶を振舞いながら、己の見た今回の事件の資料を配った。
「今回ですが、皆様にはUDCアースにて、ある邪神教団の生み出したUDCと戦っていただきます」
 UDC――アンディファインド・クリーチャー。「定義しがたき」という呼び名にふさわしい、人知を絶するオブリビオン。邪神ともいわれる彼らが、今回の敵である。
「その邪神教団は、付喪神信仰を拗らせたような教義を持っており、古く使われてきた道具と、そこに宿った思いを媒介に、UDCを生み出そうとするようです」
 そして、今回彼らが標的としたのが、とある児童福祉施設にて長年使われてきた玩具たちである。信者たちは、廃品回収業者や人形供養の案内を装って施設を訪れ、玩具たちを受け取っていったのだという。
「勿論、これで回収した玩具をしっかりと処分、ないし供養してくれるなら問題もないのですけれど、そんなはずもありません」
 悼ましいことに、彼らは自分たちのアジトに回収した玩具たちを意図的にボロボロに壊し、それを媒介に儀式を行ってUDCを生み出したようだ。
「どうやら、それによって生み出されたUDCたちは、元々の玩具たちに込められていた想いと、そのような扱いを受けた悲しみからか、教団員たちにも制御不能な暴走状態にあるらしく、彼らはアジトを放棄して撤退済みのようです」
 つまり、今回やるべきことは、この哀れなUDCクリーチャーたちを撃破するだけということだ。

「アジトの位置は判明済み、今回標的にされた児童福祉施設のすぐ裏山に存在する廃屋のようです。このまま放置すれば、UDCたちに児童が襲われるのも時間の問題でしょう」
 事実、アルレクリアの予知の中には、そういう情景も含まれていたのだという。長年子供たちに愛されてきた玩具たちが、子供たちを傷つけることほど悲しいこともない、といって速やかな撃退を彼女は請う。
「アジトに潜入した皆様をまず待ち受けるのは、識別名『ロッジ・ゴーレム』。粉砕された玩具たちの残骸が、無機物と融合する能力を持ったUDCによって取り込まれ、生み出された怪物たちです。動きこそ鈍重ですが、戦闘中にも周囲の廃玩具などを取り込み事故強化される場合があるようですので、お気をつけて」
 とはいえ、現在はアジトに教団員はおらず、周囲に一般人もいない。戦闘に集中できるので、そう難しい敵ではないだろう。
「ゴーレムたちを倒したならば、その先にはさらなる強敵が待ち構えているはずです」
 そのUDCも、おそらく玩具を取り込んだ怪物のはずだ。戦いにくく感じる者もいるだろうが、心を鬼にして討ち果たしてほしいとアルレクリアは語る。

「また、戦闘が終われば、当面の脅威は去ります。周辺のショッピングモールなどで、少しばかりですが休息を楽しんできてくださいませ」
 事件の資料の中に、周辺の案内図などがあるので良ければ利用してくれ、とそのページを開いて示して見せた。
「今回の事件については以上になります。それでは皆様、よろしくお願いいたしますね」
 深々と一礼して、アルレクリアは猟兵たちの転送を開始した。


月光盗夜
 いつもお世話になっております、月光盗夜です。今回、みなさんには、哀れなUDC怪物と戦っていただきます。第一章、第二章はいわゆる純戦シナリオの類となりますので、思う存分格好いい戦闘プレイングを送っていただければと思います。
 今回、敵がオープニングでも語ったような、哀れな存在となっておりますので、その辺りに絡めた心情描写などをプレイングに盛り込んでくださってもよいかもしれません。

 また、戦闘終了後の第三章は、事件現場からほど近い街中で余暇を過ごしていただきます。こちらに関しては、お気軽に楽しんでいただければと思います。アルレクリアから周辺のガイドマップが配られているということになっていますが、どのような施設があることにしてくださってもかまいません。

 ※合わせプレイングでない方同士の連携描写や、アドリブ描写を多用する傾向にあります。苦手な方はその旨明記いただけますと幸いです。
 また、合わせプレイングを送信くださる場合は、ある程度タイミングをそろえて送信くださると事故が減るかと思います。
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第1章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


山奥の廃屋――屋敷と呼ぶのが相応しいような、少なくとも大きさはずいぶん立派な建物である――の入り口前で猟兵たちを待っていたのは、コンクリートや泥を固めた中に、玩具の残骸を混ぜ込んだようなUDCクリーチャーだった。ゴツゴツと鈍い音をたてながら現れた怪物たちは、猟兵たちを迎え撃つように緩慢な戦闘姿勢を取る。
 その中の一体は、顔というべき位置に埋め込まれたボタンの目から、赤い糸を垂らしていた。その糸が涙のように見えたのは、猟兵たちの錯覚かなのか、どうか。
神舵・イカリ
「皆が楽しい想いを込めて遊んでたはずのおもちゃを使って、怪物を作るなんて許せないぜ!!」

自身がデータで構築されたバーチャルキャラだからこそ、なおさらそう強く思う

傀儡と化したゴーレムに対し、集団には集団で

「電脳の海に揺蕩う数多の可能性! 俺の呼びかけに応じ、今その片鱗をここに現せ! 量子召喚!!」

【SPD】重視

ユーベルコードで、データモンスター (竜や騎士など) を多数呼び出す

「さっさと、この先に進ませてもらうぜ!」

モンスターを操って、ゴーレムを確実に撃破。撃ち漏らした場合は、小型剣で応戦

ロッジゴーレムの技は、モンスターで受ける戦法で。あとは、無機物を取り込ませないように立ち回る


桐府田・丈華
「何だろう・・・まるでお墓みたい・・・」
屋敷を前にして寒々しい印象を受けて静かに近づきます
敵が出現したらすぐに戦闘態勢に入ります
「ボクのターン、行くよ!
バトルキャラクターズ召喚!」
バトルキャラクターを召喚し連携プレイでゴーレム達と戦います
ゴーレムのゾンビめいた姿に多少の戸惑いはあるものの怯まず進み、敵をすべて倒し終えたら屋敷の中に入っていきます



「何だろう、このお屋敷……。まるで、お墓みたいだ」
 少年のような服装をした、桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)は、屋敷から漏れ出てくるどこか寒々しい雰囲気に小さく身を震えさせる。
「あの中に何があるかも気になるが、まずはこいつらをなんとかしないとな!」
 神舵・イカリ(転生したらVtuberになってた件・f03294)が丈華に頷いて、しかし眼前のゴーレムたちに集中しようと呼びかける。
「皆が楽しい想いを込めて遊んでたはずのおもちゃを使って、怪物を作るなんて許せないぜ!」
「まったくだね。行くよ、ボクのターン!バトルキャラクターズ召喚!」
 左腕のカードホルダーにセットされた、UDCアースで現在人気沸騰中のカードゲーム「million mirrors」のデッキから、己の魂のカードたちを媒介にバトルキャラクターを召喚する丈華。
「おっ、アンタもカード使いか。へへ、今日はタッグデュエルと行こうぜ!電脳の海に揺蕩う数多の可能性! 俺の呼びかけに応じ、今その片鱗をここに現せ! 量子召喚!!」
 イカリも己の左腕のコントローラー端末を操作すると、電子のモンスターたちを呼び出して見せる。
 2人で合計すること31体。小粒のモンスターたちだが、圧巻といえる数だった。
「っと、来るぜ!」
「わかってる!6体ずつ融合してブロック!」
 低級モンスターたちをまとめて殲滅せんと打ち出される砂泥の濁流を、的確な判断で瞬時に合体してレベルアップしたモンスターたちががっしりと防ぐ。
「サンキュー、じゃあこっちは全員合体!異次元の騎士、ダイレクトアタックだ!」
 丈華のバトルキャラクターが攻撃を防ぐ間に、イカリが己のモンスターたちを合体させて巨躯の騎士を呼び出し、その大剣の一薙ぎで彼らの前にいるゴーレムたちは殲滅される。
「ここは片付いたね。……さあ、先へ行こうか」
「おう。……周りのやつらも問題なさそうだな、よかったぜ」
 先を急ごう、とデッキをホルダーにしまいながら促す丈華に、イカリも周囲の戦況を見回して頷くと、屋敷に向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リゥ・ズゥ
玩具の、ゴーレム。モノにこめられた、思い。リゥ・ズゥには、まだ、わからない。だが、これは侮辱、なのだな。友を、侮辱され、利用された、か。ならば、リゥ・ズゥは、代わりに、怒ろう。
(「捨て身の一撃」「衝撃波」「鎧無視攻撃」を伴う「グラウンドクラッシャー」で全力の「カウンター」を叩き込みます。高めたカウンターは敵が強ければ強いほど、より強力な一撃を返すことが出来るでしょう。子供達に代わって、怒りの全力攻撃を与え粉砕します地形破壊により、敵の足場が崩れたら尚良です。)※彼は悪魔じみた凶悪そうなカタチをしています。アドリブ、連携等ご自由にお願いします。


浮部・真銀
敵は、使い捨てられた道具。
尽くし、愛され、別れをつげ、本来であれば安らかな眠りを得ていた道具。

幸せな世界にいたあなた方はこちらに来てはいけません。
ワタシのような、荒れた道具になってはだめです。
なので、正面から打ち崩しましょう。
ワタシは戦闘用サイボーグ。浮部・真銀。
<刻印>ドライブ‥‥オン!

ワタシは、他の先輩方のようにうまくはできないので‥‥
相手の攻撃を受け止めて防ぎます。
特に先輩方が攻撃を受けそうであれば積極的に介入します。
ゴーレムパンチを両手を防いだ時がチャンス。
この距離なら、外しません。
流れ出た血を代償に、右腕の封印を解き、喰らい尽くす。

あぁ‥‥血肉がある相手なら、よかったのに‥‥


オルト・クロフォード
……お前達ガ、少し羨ましイ。「子供に愛される」という役割を持チ、その為に産み出されたという事ガ……私は自分の造り主も役割も記憶にないからナ。
だが、もう一つ思ウ。そんな彼らが愛してくれた子供を傷つける事があってはならないト。役割を果たせないのは、辛いことだろうト……わからないなりに思うのダ。
……だから、止めル。

ゴーレムが無機物を取り込み始めたら【ミレナリオ・リフレクション】で相殺するゾ。
また、蒸気式銃型ガジェットで【援護射撃】でゴーレムの足元や腕の付け根などに乱射するなどして動きを阻害して仲間にゴーレムの拳が行かないようにすル。サンドブラスターは【オーラ防御】で耐えようと思うし仲間も庇おウ。



「……お前達ガ、少し羨ましイ。“子供に愛される”という役割を持チ、その為に産み出されたという事ガ。……私は自分の造り主も役割も記憶にないからナ」
 オルト・クロフォード(クロックワーク・オートマトン・f01477)の記憶は、“本に囲まれた出口のない部屋”での孤独な覚醒から始まっている。同じ、誰かのために作られたはずのモノとして、彼らを羨む気持ちがあった。
「……そうですね、ワタシにも、その感情は存在します。彼らは、人に尽くし、愛され、別れをつげ、本来であれば安らかな眠りを得ていた道具。幸せな世界にいたのですから」
 戦闘用サイボーグであり、また、蔑まれた過去を持つ浮部・真銀(サイボーグのグールドライバー・f11263)が、ミレナリィドールの言葉に共感を示す。
「そう、か。お前たちは、玩具が、愛玩される道具が、羨ましい、のだな。それならお前たちは、どうする、のだ?」
 二人の会話を聞いていた悪魔めいた容貌のブラックタール、リゥ・ズゥ(カイブツ・f00303)は興味深げに二人に続く言葉を問う。
「止めル。そんな彼らが愛してくれた子供を傷つける事があってはならないト。役割を果たせないのは、辛いことだろうト。……己の起源がわからないなりに、思うのダ」
「勿論、ワタシもです。優しい世界にいた彼らが、ワタシのような、荒れた道具になるのは、見たくありませんから」
 女性めいた美貌の青年は、時計盤のような見た目のガジェットを構え、顔に鋭い傷の走る少女は武装化された右腕をゴーレムたちに向ける。二人の言葉を、怪物は咀嚼する。
「成程、そうか。これは、あの玩具たちと、その友たちへの侮辱、なのだな。彼らの在り方を歪め、貶めた。それは、いけない。ならば、リゥ・ズゥは、怒ろう。あのように、貶められた、彼らの代わりに、怒ろう」
 ぐちゃり、ぐちゃり。肝が小さいものが聞けば失禁しかねないような不気味な音をたてながら、黒い粘体は変形する。怒っているのだ。これが、彼の怒りの声なのだ。

 ゴーレムの重たいパンチを、黒い怪物が受け止める。その衝撃を粘体の中に吸収した彼は、全身を鎚のような形に変形させながら、吸収した力をそっくりそのまま放出する、全力の一撃をゴーレムの脳天に放つ。
 蓄えられた衝撃は、ゴーレムを砕くだけでは飽き足らず、その両足を通じて周囲の地形を破壊せしめた。
「でかしタ!このまま攻め立てル!」
 オルトが蒸気式ガジェットから弾丸を放ち、ゴーレムに痛打を与える。足元を封じられたまま、傷を負ったゴーレムは、周囲の無機物を取り込もうとし始める。
「その動きは読めていタ!」
 だが、ゴーレムに引き寄せられる廃玩具たちに向かってオルトが弾丸を放てば、廃玩具は吸収される前に地に落ちる。
「さぁ、今ダ!」
 鋭い合図の声に合わせて、身動きの取れないゴーレムの間近に肉薄した戦闘用サイボーグが、己の刻印を起動する。
「この距離なら、外しません。――喰らい尽くします」
 封印の解かれた機械腕が、ゴーレムを貫き、砂塵を、廃玩具を、そしてその奥にあったUDC核を喰らう。

「あぁ……血肉がある相手なら、よかったのに……」
 血肉も、流す涙すらも持たない哀れな無機の怪物を喰らった少女が、悲しみの声を漏らす。
「彼らを止めることはできたのダ。私たちはできることをしタ」
 青年の言葉にうなずきながら、しかり黒い怪物は唸り声をあげる。
「いや、まだ、だ。リゥ・ズゥは、まだ、怒りを止められない。まだ、彼らの代わりに、怒らなければならないから、だ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

襲祢・八咫
……哀れよの。
おれたち器物は、人の手により生まれ、人のために在ると言うのに。己の存在を捻じ曲げられて、さぞ苦しかろう。
……ふむ。おれも取り込もうとでも言うか。確かにこの身は器物の成れの果てだがなあ。

ちりぃんと鈴の音鳴らして赤鳥居の召喚陣から三本脚の大烏を喚び、まずは供給元を絶とうと周囲に散らばる廃玩具を【衝撃波】【2回攻撃】【なぎ払い】で吹き飛ばし、陽光で燃え上がらせ、使えなくして行こう。
帯に挟んだ扇子に神通力を通して薙刀へ、【属性攻撃】で陽光を纏わせ太陽の如き熱で溶かし斬り捨てようと。

生憎と、おれは其処に混ざる訳にはゆかぬのでな。
きみたちは此処で終いだ、おれが看取ろう。ゆっくりおやすみ。


飾磨・霜琳
なんてもんを拗らせてやがる。とても他人事たァ思えなくてぞっとするぜ……。
非力なる簪の身なれど、ヒトに愛されたモノたる同胞がこのザマとあれば、捨て置くのも寝覚めが悪ィ。滅多なことをしでかす前に、往生させてやろうじゃねぇか。

留刺簪(WIZ25+技能WIZ5+援護射撃1)で攻撃
さしてとめるはお手の物、
敵の動きを止めることで他参加者に助力するように動くぜ。
絡みやあどりぶも歓迎だ。

可哀想になァ、こんな事したかねぇだろうに。
愛しい主人の手を離れ、むごい目にあって、挙句このザマじゃ浮かばれねぇ。
同じモノとして、きっちり止めてやるからな。


桜雨・カイ
「私たち」は人の為に在るんです。
長年人と連れ添ってきた「もの」が子供達を傷つける…自分がその立場になったらとても辛いです
だから、助けにきました。
力負けするかもしれませんが、それでも自分の手で止めたいです

力は強そうですが動きは緩慢そうなので、動きを見て直撃をくらわないようにしないと。
攻撃は一点集中。コンクリートの割れ目など脆そうなところを集中して狙います

誰かが攻撃を受けそうになったらユーベルコードで受けます
そんな事、したくはないでのでしょう…?
大丈夫。あなた達が人を傷つけないように、この身に変えても止めます

戦闘後は玩具の残骸を回収(後で供養できるように)



「なんてもんを拗らせてやがる。とても他人事たァ思えなくてぞっとするぜ……」
 ゴーレムの胸元に取り込まれた、女児向けのイミテーションの指輪を、紫の瞳で見つめながらため息をつくのは飾磨・霜琳(飾磨屋・f03493)だ。彼はその指輪に、いつか己を髪に挿した幼い少女の姿を見た気がした。
「お前さんも大事にされて来ただろうになぁ。大丈夫、滅多なことをしでかす前に、往生させてやろう」
 彼がそう呟きながら、少女の髪を梳くように宙を撫でると、その指が示した先へ簪が放たれる。彼のユーベルコード、留刺簪によって生み出された鉄の簪は、彼の眼前にいた数体のゴーレムの足を地面に縫い留めるようにしてその動きを封じる。
「さしてとめるはお手の物……っとぉ、そう来るかい!」
 動きを止められたゴーレムが、その全身を脈打たせたかと思うと、体中から砂粒や玩具の成れの果てを射出して攻撃しようとする。しかし、霜琳を庇うように前に出た赤い羽織の人影が、その攻撃を庇った。

「悪いねぇ、助かったぜ」
「いえ。きっと彼らも、こんなことはしたくないでしょうから……」
 己の分身、あるいは本体とも言えるからくり人形を操り、攻撃を庇った桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)が静かにうなずく。
「“私たち”は人の為に在るんです。長年人と連れ添ってきた“もの”が子供達を傷つける…自分がその立場になったらとても辛いです」
 からくり糸を手繰りながら、カイは目を伏せて一瞬、自身の主の姿を思い浮かべる。
「だから、助けに来ました」
 人間にはできないアクロバティックな挙動で身を捩り、己のあびた砂弾を排出しながらゴーレムに接近したからくり人形は、砂弾の射出によってできた亀裂をピンポイントに貫くように拳打を放つ。
「あなた達が人を傷つけないように、この身に変えても止めます。私ひとりでは力が足りないとしても、それでも自分の手で」

 砂泥の体を操るUDCの核を崩されたゴーレムたちは、苦悶の声をあげながら身を捩り、周囲の廃玩具を取り込もうとする。
「させんよ。きみたちをこれ以上苦しめるのは忍びないのでな」
 ちりん、と涼やかな鈴の音とともに、ごう、と燃え上がった炎が、吸収されるのを待つばかりだった廃玩具たちを燃え上がらせていく。襲祢・八咫(導烏・f09103)の呼び操る、三本脚の大烏の力だ。
「おれたち器物は、人の手により生まれ、人のために在ると言うのに。己の存在を捻じ曲げられて、さぞ苦しかろう」
 力を取り込むこともできず、いよいよ消滅を待つばかりとなったゴーレムたちは、しかし身が崩れつつあることで皮肉にも鉄簪の戒めから解放され、三人へととびかかる。その唸り声は恨み言のようにも、あるいは、泣き叫ぶ幼子のようにも聞こえたことだろう。
「ふむ、おれたちを取り込もうとでも言うか。……だが、生憎と其処に混ざってやる訳にはゆかぬのだ」
 八咫が烏羽の如き腰帯から抜いた扇子に神通力を纏わせると、帯は陽光を纏って光の薙刀と化し、飛び掛かってくるゴーレムたちをゆるりと弧を描いて切り払い、焼き溶かす。
「せめて、おれたちが看取ろう。ゆっくりおやすみ」

 天まで照らそうかという陽光に溶かされゆくゴーレムたちを見ながら、三人のヤドリガミが感じたのは、己の想いを歪められた同胞への憐憫か、あるいは彼らを救えなかった後悔、このような事件を企てた邪神教団への憤りか。それとも、それらすべてなのか。
「……せめて、弔いだけでも、後できっと」
 カイがそう呟いて、無事だった残骸たちを拾い集めてゆく。霜琳も焼け焦げた指輪を拾いながら、しかし顔を上げると、睨むように屋敷を見据えた。
「そうしてぇのはやまやまだが――まだ、その前にやらなきゃならねェことがあるようだぜ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アステル・シキョウ
キャラ視点
なぁ、ニエ。あれは悪人とは言い難いが始末する……それで良いんだよな?
「悪ぃな、俺様的に見過ごせなくてよ」
お前も道具は道具なりの親近感でもあるのか
「俺様を道具と一緒にすんな!……此処の奴らは今此処で始末する、その為にお前の身体を借りるぞ」
……そこまで言うのは珍しいな、乗ってやるさ

行くぞ「おうよ」……変身「トランス」!!

「後は任せて良いんだな、ニエ」
…安心しろ、なるべく手早く片付けてやる


行動
別人格の呪具『ニエ』が何か思うところがあり
【変身-noctune-】を使い人格を入れ替えたアーマー戦士仮面ファイターノクターンとして何時もより真剣な様子で正面から戦闘に挑みます
POW対抗でごり押しです



「なぁ、ニエ。あれは悪人とは言い難いが始末する……それで良いんだよな?」
『悪ぃな、俺様的に見過ごせなくてよ』
 アステル・シキョウ(フォーリングスター・f01826)が、己目掛けて突進してくるゴーレムを見据えながら独り言のように呟けば、彼の持つ、禍々しい大鎌の姿を取る呪具“ニエ”から声が響く。
「お前も道具は道具なりの親近感でもあるのか?」
『俺様を道具と一緒にすんな!』
 喧嘩っ早い相棒の珍しい態度にアステルが少し軽口めいて問えば、怒り声の返事が一つ。
『此処の奴らは今此処で始末する、その為にお前の身体を借りるぞ』
「……そこまで言うのは珍しいな、乗ってやるさ」

 中折れハットを軽く押さえながら、もう片手で呪具を引き抜く。
「行くぞ」
『おうよ』
 アステルがポーズを取れば、その腰につけたカースドライバーが禍々しくも力強い光を放つ。
「……変身『トランス!』!」
 二つの声が重なったとき、そこに現れたのは、二人が正しく一心同体と化した、呪われた力を操る仮面の戦士。――人呼んで、仮面ファイターノクターン。

 変身を終えたノクターンのもとにたどり着いたゴーレムが、直撃すればトラックだろうと悠に吹き飛ばす拳を奮う。しかし、ノクターンは真正面からその拳を両の掌で受け止めた。
「させるかよ!」
 強引にパンチを掴んで止めたノクターンは、そのままゴーレムの巨体をぐるり、と力任せに回転させて叩きつける。
「これで終わりだ!」
 地に伏したゴーレムを踏みつけて動きを封じると、現在の主人格であるニエにとっては本体とも言える大鎌を奮い、ゴーレムの核を一閃の元に両断した。核を失った廃玩具の結合は解かれ、ほどなくしてゴーレムの体は瓦解する。

『……それで、なんで今回は珍しくそんな燃えてるんだよ』
「黙ってろ。まだ終わってねぇぞ」
 アステルが疑問を口にするが、ニエは屋敷を睨みつける。その真横で、もはやただの廃玩具の山と化したゴーレムの残骸から、ぽろり、と一体のヒーロー人形が転がり落ちるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

松苗・知子
心情:
これはヤドリガミぶち切れ案件だわね。
しかし、なんで壊しちゃうかしらね。それも、半端に形を残すなんて、一番貶めるような形で。
せめてきちんとした形を残してれば、邪神教団にも情状酌量の余地はあったかもだけど……。
そうね、あたしもちょっと怒っているわ。

行動:
【破魔】を付与したフォックスファイアで焼くのだわ。
パターンを読まれないよう、狐火をランダムで2個~4個の塊にして、うち一個を正面から、残りは、正面の火を避ける先に回り込ませるようにコントロールして確実に当ててゆくのだわ。

燃やしましょう。せめて、キレイに燃やして見送るりましょう。
あたしの【破魔】術じゃあ、力不足かもしれないけど。


パーム・アンテルシオ
物に宿る気持ち…か。
そうだね、気持ちっていうのは、大事なものだよね。
そして同時に…とっても恐ろしいものでもある、よね。

…私には、あなたたちの想いを、受け止めてあげる事も、晴らしてあげる事もできないから。
だからせめて…全部燃やして、失くしてあげる。これ以上、その想いが涙を流さずに済むように。

ユーベルコード…金竜火。
この炎は、弔いの炎。けれど、あなたたちの想いを焼き尽くす炎。
安心して、とは言えないけれど。許してね、なんて言う立場でもないけれど。
これ以上抱えないで。これ以上泣かないで。全部灰になって…忘れてしまおう。
暴れているあなたたちも、まだ近くで転がっているあなたたちも。みんなみんな…全部、ね。


ロカロカ・ペルペンテュッティ
古いおもちゃを核にしたUDC、ですか。……ボクには想像することしか出来ませんが、そこにはさまざまな思いが込められて居たのでしょう……でも、UDCとなってしまったからには、一刻も早く撃破する他ありません。

今回は標本番号008の《火蜂》達の力を借り、全てを焼き清めましょう。
小さな火蜂のままでは装甲を纏った敵には、火力が足りないでしょうから、『祭礼呪具』の力で炎の呪力を増幅し(技能:属性攻撃)、さらに複数の火蜂を集めて、巨大火蜂する事で火力を集中しましょう。

敵の攻撃には、事前に戦場の様子を地霊達から聞き(地形の利用)、伸縮自在の『グレイプニルリング』を利用して(ロープワーク)を駆使して応じましょう。



「これはヤドリガミぶち切れ案件だわね。しかし、なんで壊しちゃうかしらね。それも、半端に形を残すなんて、一番貶めるような形で。」
 松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)は、視線の先にいる、もはや汚泥といりまじり、原形を留めぬ玩具の成れの果てを見据えて憂鬱気な溜息をつく。
「……あたしもちょっと怒っているわ。せめて、あなたたちが、子供たちを傷つけなくて済むように」
 黒髪の妖狐はそう呟いて、狐火をゴーレムたちに放つ。その狐火を避けようとするゴーレムを追い立てるように、桃色の狐の形をした炎が横合いから飛んでいく。
「物に宿る気持ちっていうのは、大事なものだよね。そして同時に……とっても恐ろしいものでもある、よね。」
 知子の狐火と協力するように、桃色の炎を操るのは、パーム・アンテルシオ(桃色無双・f06758)。小さな妖狐の少女は、玩具たちの痛みに触れたかのようにそっと目を伏せる。
「……ボクには想像することしか出来ませんが、そこにはさまざまな思いが込められて居たのでしょう。……でも、UDCとなってしまったからには、一刻も早く撃破する他ありません」
 パームの言葉を受けて、静かにうなずくのはロカロカ・ペルペンテュッティ(《標本集》・f00198)だ。彼はせめて、眼前の哀れなUDC怪物に安らかな眠りを与えるべく、己の役目を果たす。
 刺青に覆われた少年が、小さく合図をすると、二匹の妖狐の操る魔法の炎は、ゴーレムたちを明確に一点へ誘導していく。そして、ゴーレムたちがある一か所に集められたその瞬間、大地が赤く光った。
「よし、これで!」
 ロカの操る、UDCの力を封じた鎖、グレイプニル・ペンデュラムが地面に張り巡らされていたのだ。知子とパームによって追い立てられたゴーレムたちは、一斉にその身を縛り上げられた。

「これで、もうあなたたちは動けない。せめて、綺麗に燃やして見送るわ。私ひとりじゃ力不足かもしれないけれど、二人も手伝ってくれるでしょう?」
「ええ。焼き清めましょう。ボクの友たちの力を借りて。……おいで、踊り猛り、燃え盛り、刺して尽きるモノ達」
 知子の言葉に合わせて、燃え盛る体の蜂が呼び出される。狐火が、桃色の炎の狐が、火蜂が、それぞれ結集し、大きく大きく成長していく。
「安心して、とは言えないけれど。許してね、なんて言う立場でもないけれど。
これ以上抱えないで。これ以上泣かないで。全部灰になって……忘れてしまおう」
 それは、弔いの炎。その身を失い、しかし、清められることなく刻まれた未練を焼き尽くす炎。妖しい青色と、優しい桃色と、気高い赤色が入り混じるように燃え盛り、悲しみの涙を禊いでゆく。
 煌々と燃え盛る炎から昇る煙は、空の果てまで伸びていく。せめて思いだけでも空に還ることができるようにとでも祈るかのように。

「これで、彼らはもういない。でも……」
「ええ、まだ、一番大きな未練が、そこに」
 さらさら、と仄かに暖かい灰を手で掬ったパームの言葉を受け継いで、ロカは屋敷を指さした。
「もう一仕事、ね。……まったく、これで大元の邪神教団を倒せないのが一番腹が立つのだわ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジョン・ブラウン
捨てられたオモチャの恨み
なんて話もあるけれど、僕に言わせりゃオモチャへの侮辱だね

捨てられた程度でオモチャが子供を、大人になった子供を恨む?
笑えないジョークだ

傲慢だと言われようが、僕はそうだと信じてるのさ

だから、そんなオモチャに子供を傷つけさせようとした今回の件は
すっごく怒ってるよ

起きろウィスパー、物言わぬオモチャの嘆きを、苦しみを
助けを求めるその声なき声を
全部、僕の脳髄に焼き付けろ

全部だって言っただろ、目の前の彼らもだ

イリーガル・アクセスで全力機動
強化プラグインも大盤振る舞いだ、ありったけブチ込んで
彼らをオモチャに戻してやろう


アドリブや絡みは大歓迎


十河・アラジ
宝物だった玩具たちに襲われるなんて、
そんな惨い事絶対にさせるわけにはいかないよ!

けどボクはまだあまり戦いに慣れてはいないから……
今回はサポートに徹することにする
生まれながらの光、これを使って傷ついた味方を癒すんだ
優先するのは大きな傷を負った人からだね

使えばボクも疲労はするけど
誰かを守るため、助けるためなら本望だ
戦闘の邪魔にならない程度に、ギリギリまで回復を受け持つよ!

それと戦闘の開始直後は傷を負う人はまだそれほどいないだろうから
先んじて周囲の廃玩具を遠ざけるよ
この廃玩具たちも誰かの宝物だったなら、ゴーレムの強化になんて使わせたくないんだ


黒白・鈴凛
万物には魂が宿るなんて言うガ
それを贄にするとは、罰当たりもよいとこアルナ
物には罪は無いが、これほど陰気を吸って生まれた奴を放って置くわけにはいかないアル

誰かを傷つけてしまう前に、もう一度バラバラにして供養してやるネ

と言っても私の拳じゃ、原型を留めれそうも無し
ヨロシ、今回はサポートに回るとするアル
笹を食べてユーベルコードで力を底上げして
他の猟兵達に向かうゴーレムの攻撃を【怪力】と【武器受け】で受け流していくとするアル



「宝物だった玩具たちに襲われるなんて、そんな惨いこと、絶対にさせるわけにはいかない……!」
 幼い顔立ちに決意の色を滲ませて、十河・アラジ(マーチ・オブ・ライト・f04255)が一際多く集まったゴーレムたちを見据える。その両腕には、周囲から拾われた廃玩具たちが抱え込まれていた。
「君たちも、誰かの宝物だったんだろう?大丈夫、君たちにそんなひどいこと、させないからね」
「アイヤ、まったくアルネ。魂は万物に宿るモノネ。こんな罰当たりなこと、見逃せないアル」
 むしゃり、と笹を齧りながら前に出た黒白・鈴凛(白黒娘々・f01262)が静かに頷く。
「お前たちが誰かを傷つけてしまう前に、もう一度バラバラに供養してやるネ……と言いたいところアルガ」
 こう、と気を吐きながら彼我の距離を測るように片腕をゆらりと構えたパンダの獣人は、どうにも困った、と頭を掻く。
「ワタシの拳じゃ、原形も止めず粉砕してしまいそうネ。流石にそれもかわいそうアルシ、どうしたものアルカ」
「ボクも、まだ彼らを止めれるほどの力は……」
 相手が同情すべき相手だからこそ、悩んでしまう二人に、ジョン・ブラウン(ワンダーギーク・f00430)がボサボサの髪の下からギラリと目を光らせて声をかける。
「そういうことなら、僕に任せてくれないかな。切り札がある。その代わり、少しの間、時間を稼いでほしいんだ」
 ジョンの瞳に、確かな勝算と、抑えきれない怒りが宿っているのを見た二人は、一も二もなく頷いた。拳を振りかぶって駆けてきたゴーレムの前に、逆に距離を詰めた鈴凛が、鈍重ながらも、直撃すれば大地を砕かんという拳を悠々と受け止める。
「そういうことなら矢でも鉄砲でも持ってくるヨロシ!頼まれたならやり遂げないと女が廃るネ!」
 笹を食べることで全身に巡らせる気を活性化させた鈴凛は、拳をパンダの拳で受けたかと思えば、くるくると回した笹を食べ、その笹を棍のように華麗に振り回して砂弾を打ち払う。全ての攻撃を防がんという獅子奮迅の働きの中で少なくない傷を負うが、その傷はたちどころに、少年の生まれ持った聖なる光で癒される。
「傷はボクが癒します!怖れずに進んでください!」
「謝謝、助かるヨ!」

 ――<絶望へ介入><エラー、弾かれました>
 猛攻を凌ぐ鈴凛とアラジに小さく視線で感謝を告げながら、“遊び”を愛する少年は己の腕部デバイスに意識を接続し、学習型戦術補助AI“ウィスパー”に呼びかける。
「起きろウィスパー、物言わぬオモチャの嘆きを、苦しみを。助けを求めるその声なき声を。――全部、僕の脳髄に焼き付けろ」
 ――<“囁きを聞く物”起動><願いを感知><不正なアクセスです>
「うるさい、全部って言っただろう。全部だ、目の前の彼らまで」
 ――<アクセスコードは“決意”><声なき声を届けましょう>
「う゛っ!」
 瞬間、少年の脳裏に、膨大な意識の奔流が流れ込む。
『アイタイ、キミニモウイチド』『キミハビジンニナッタカナ』『ボクハキミノコトヲキズツケタクナイ』『ネエ、ワタシ、コワイ?』『ボクヲコロシテ』
 それは、AIの補助によって伝達された、目の前の玩具の成れの果てたちの絶望のコエ。濁流のようなその想いによって湧き上がる吐き気をこらえ、ジョンは前を見据える。彼らを救おうとする意識が、少年を強化する。
「大丈夫、いま君たちをオモチャに戻してみせる」
 ――【Attack!】【Defense!】【Speed!】【Extra!】
 己の力を強化する拡張チップ全ての同時起動。しかし、人間一人が背負うには重すぎる玩具たちの悲鳴は体を縛り、余りの超強化に耐え切れない筋肉はちぎれ血を流す。だが、その傷を急速に癒す光があった。
「……っ!なんて思いを、君は一人で!」
 癒す代わりに己の体に急速に蓄積する疲労から、ジョンの背負った思いの一端を悟ったアラジは、驚愕の視線を向ける。
「随分な無茶するアルナ!だが、そういう馬鹿は嫌いじゃないアル!……行ってくるヨロシ!」
 そんな一瞬の硬直を庇った鈴凛は、己もモノに魂が宿った果ての存在として、同胞たちを任せると送り出した。
「ごめん、ありがとう。――任された」

「彼らは……なんて?」
 迅速に。しかし、丁寧にひとつずつゴーレムから引きはがされた玩具の山の前で、アラジはジョンに問いかける。
「ン。……うん、彼らも、誰かの“宝物”だったよ」
「そっか。……よかった」
 静かに微笑みを交わす二人に、鼻をひくつかせた鈴凛が屋敷を指さす。
「まだ最後の大仕事が残ってるようアル。――来るネ!」
 次の瞬間、轟音を立てて、屋敷は崩壊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『エンゲージユニヴァース』

POW   :    エンド・オブ・ユニヴァース
【全火器の一斉発射 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ウィングスラッシャー
【背中のカッター状の羽 】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    ホークミサイル
【内蔵されたミサイル 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は桐府田・丈華です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ゴーレムたちを打倒した猟兵たちの目の前で、屋敷が轟音を立てて崩れ去る。どれだけ貯めこまれていたのだろう。屋敷の瓦礫とともに、ざらざらと、見るも無残な廃玩具たちが流れ出る。
 そして、鈍い足音を立てながら、煙の中から現れる影があった。

 ボロボロに砕けたヒーロー玩具どうしを強引に混ぜ合わせたような、歪な外見。関節の代わりかというように、変身ヒーローのベルト、ぬいぐるみ、ままごと用の食器などが雑多に覗く。UDCに操られている影響か、体の随所にぎょろりと剥き出しになった目玉が痛々しい。何より異様なのは、一つ一つは小さな玩具がどれほどあつまればこれだけの大きさになるのだという巨体であった。

 玩具の墓場の如き瓦礫の上に立つその姿に、後にUDC組織の中では、識別名の他にこんな二つ名で呼ばれることとなる。「トイ・セメタリーの怪人」と。
浮部・真銀
戦闘が続く、改造された身体が敵を認識する。
言葉は、いらない。思いもいらない。只々、敵を殺すだけ。

戦力として真銀は怪人を滅ぼせる火力を有していないと判断。
なればこそ猟兵の協力を。

敵は、歪に合わさった巨体。
その姿は非効率な改造手術を受けたように真銀には認識できます。

冷めた目で、見る。その随所にある目を。群体である巨体を。
ならば、やることは1つ。

【ヴァイアブル・ウェポン】を命中重視に切り替え、近接から目を、四肢を削っていく。
遠距離から削ることもできますが、真銀には囮としての役目もあります。
近くにて目障りになるように、猟兵のサポートになるように。大きく。

敵が倒れるその時まで、この身が燃え尽きるまで。


沙羅音・姫陽
「トイ・セメタリーの怪人」。つまり、玩具墓地の怪人、か……
UDCの影響から思い出の詰まったはずの玩具がごちゃごちゃに集めれた巨人になるわけか……
哀れで、可哀相だね……

妖者として、せめて静かに眠らせてあげようじゃないか


使用するユーベルコードは「天雷狐刃」
きっとあの身体の中には金属も多く入っている事だろう
だからきっと、電気も通すはずだ
刀の刃に白雷を纏わせて、技能【見切り】を使って敵の弱点を見切って、技能【属性攻撃】で雷を強化し、技能【マヒ攻撃】で敵を麻痺させていくよ
直接的なダメージより身体を麻痺させていくことを目的として攻撃するよ


痺れてほしい、この雷に
哀れな玩具の魂よ、眠り給え。


松苗・知子
心情:
ううむ、これは感傷的になると死ぬやつね。数の利を活かしてきっちり攻めないとなのだわ。

行動:
側面攻撃と敵の注意分散に注力するのよ。
防御用に特殊警棒を構えつつ、【ダッシュ】して敵側面に回り込むのよ。
そののち、一定の距離を保ちながらフォックスファイアで攻撃するわ。
相手の注意がこちらに向いているときは、狐火は分散させた状態で広い範囲にぶつける。こちらを見ていないときは、1~3個程度まで結集させてぶつけるのだわ。
特殊警棒は常に体の前に構えて、反撃に備えるのよ。

こういう戦い方しかできないのよね。最後はきちんと片づけてあげるから。


襲祢・八咫
……またか。
きみも、誰かの宝物だった頃があったろうに。
気に入らぬな、どうにも。……どうにも、不快だ。

烏よ烏、全て灼き尽くせ。
火器類も弾薬も羽も全て灼き切ってしまえば同じだろうよ。
【属性攻撃】で強化し、【2回攻撃】【なぎ払い】【衝撃波】に【破魔】を乗せ、全てを送ってやれるように浄化の火を灯せ。どうか安らかに、どうかこれ以上は穢されぬようにと、在り方を歪められぬようにと【祈り】を。
……器物の身には、他人事に思えんのでな。

おれも、前に出よう。
扇子を鉄扇に変え、【属性攻撃】で灼き溶かす日輪の火を纏わせて。
危険は【第六感】で察知して避け、避けられぬなら【オーラ防御】で最悪の事態だけは避けられるように。



 機腕を振りかぶり無機の巨体にまずとびかかったのは浮部・真銀であった。果たしてそれは味方のために捨て石になろうという無謀か、早々に倒すことができるという浅慮か。いや、どちらでもない。自陣内での己の戦力評価を的確に把握しているがゆえの、ある種冷徹ですらある判断。
 ――言葉は、いらない。思いもいらない。只々、敵を殺すだけ。
 ゴーレムたちとの戦いの中で抱えていた同情と羨望は押し殺し、ただただ冷たい戦闘機械に徹する。右の武骨な機械腕が変形し、振るいやすく当てやすい片手剣の姿を取った。
 ――敵の注意を最大限引き付け、叶うならば戦力を削ぐ。
 戦術目標は明確に。UDC怪物の足元を駆けまわりながらの鋭い連続攻撃。敵の巨体からは痛痒を感じないものだったかもしれないが、しかし、執拗に弱点である眼球を狙われてはそうもいかない。敵の注意は確実に真銀に引き付けられていった。

「おっと。流石にこれだけの相手だ、君一人に任せはしないよ」 
 しゃなり、という形容すら似合う滑らかな動きで真銀の隣に躍り出るのは沙羅音・姫陽(姫陽剣・f08063)だ。姫陽が己のユーベルコードを呼び覚ませば、彼の手に握られた麗しき月の如き白刃が白雷に覆われる。
 間近でちょろちょろと駆けまわる二人を蹴飛ばそうかというように振るわれる足をすれ違いざまに切りつける。一心に、ただ目立つように切りつけ続けるサイボーグ少女の陰となるかのように、静かな剣舞を行う。
「哀れで可哀相な玩具墓地の怪人よ。君の行き場のない思い出、せめて静かに眠らせてあげよう」
 その呟きとともに、ガクン、と怪人が一瞬膝をついた。妖艶なる剣士の狙いは、単純な損傷ではなく、雷撃による行動の阻害。巨体に対しては微々たれど、塵も積もれば、山となる。

 意図は正確。二人の目的は果たされ、見事UDC怪物の注意は目の前の二人以外に向いておらず、しかし恐るべきはその巨体。誰か一人を狙った攻撃がそのまま地形ごとを破壊しかねない必殺となり得る。
 それを今から証明しようとでもいうかのように、頭上から二人に向かって殺到するミサイルの大群は、しかし陽光の瞬きとともに一刀のもとに灼き切られた。
「これ以上、きみたちの在り方を穢させはせぬよ」
 二人の前に歩み出て祈るような言葉を呟いたのは、襲祢・八咫。先ほどの扇子に代わって新たに引き抜いた鉄扇に、ゴーレムたちを弔った火以上に煌々と輝く日輪の炎の刃を灯したヤドリガミの青年は、切り付けた傷口から落ちた焼け焦げたソフトビニール人形を見て眉を歪める。
「烏よ烏、全てを焼き尽くしてしまえ」
 烏は呟く、弔いの歌を詠うように。

 ミサイルによる攻撃を防がれた玩具の巨人は、やり場のない怒りと悲しみのぶつけ先を探すかのように、己自身すらも巻き込んだ火器の掃射を行わんとする。だが、その発射口が開いた瞬間に飛び込んできた火の玉によって火器は小さな誘爆を起こす。
「足元にだけ集中してちゃ駄目よ?折角こちらには数の利があるんだもの、精々活用させてもらうのだわ」
 それは、3人が前衛に飛び込んだ隙に、側面へと回り込んでいた松苗・知子の操る狐火であった。黒髪の妖狐はあえて同情や感傷を排して冷静たらんと己を律しながら、狐火を幾重にも折り重ねるような合体と分散でその注意を散漫たらしめるのであった。

「ふふ、すまないね、負担をかけてしまったかな?」
「いいえ、あなたたちが真っ先に飛び込んでくれたおかげで戦術を組み立てる時間ができたのだわ」
「早々に楽にしてやりたいところだったが、いかんせん質量が大きすぎるようだ。確実に、一歩ずつ行かねばなるまいよ」
 妖しい笑顔で嘯く姫陽に、知子と八咫が頷きを返す。
 ――作戦を続行、敵が倒れるその時まで、この身が燃え尽きるまで。
 言葉少ないながらも、真銀の言わんとすることを察したように、3人は頷く。
「頼もしいね。ただ、捨て身の覚悟というのはいただけないかな」
「……ああ、最悪の事態などというものには、おれがさせぬ。かれらに、そのようなことはさせぬよ」
「そうね、もうしばらく厳しい戦況が続くけれど、気合入れていきましょう?」

 敵は強大、なれど猟兵たちも戦意は上々。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジョン・ブラウン
あー、ほとんど治して貰ったけど
プラグインの連続使用はちょっと無理そうかな

さて、じゃあどうやって倒すかって言ったら……
ウィスパー、僕がお喋りしてる間に勝てそうかどうか考えといて

やぁヒーロー、聞こえるかい?

うーんシャイなのかな、返事してくれないや

でも、僕にはちゃんと聞こえてるぜ

何がって?

君達を、助けてあげてって言うみんなの声がさ
ほら、そこに居るだろ?

もっかい聞くよウィスパー
勝てるか?

Unknown errorを発動
オモチャの持ち主だった子供達や、大人になった子供の姿を呼び出すよ
彼らのところに返してあげないとね

なぁヒーロー、愛と勇気の強さは
君達が教えてくれたんだぜ
今から見せてやるから、安心してくれよ


ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)
――討伐対象を視認。
これより接近を開始する。
(ザ、ザ――)

(ザザッ)
SPD選択。
可及的速やかに対象の無力化を図る。
電脳体、一部解除、拡散――

『残像・範囲攻撃』を使用し本機の体の一部を『電子の【"砂嵐"】』として散らせる。

本物の砂嵐の如く、周囲を可視化された電子ノイズの奔る中を
『フェイント・早業・ダッシュ』を使用しつつ対象に接近。

対象からすれば、視界の悪い砂嵐の中
鉄の獣が唸りを上げながら迫ってくる様にも見えるだろう。

対象が放った攻撃を"砂嵐"の中で解析。
複製したそれを対象に放つ。

(ザ、ザ――)
――歪な姿だ。正義の味方もこうなれば、只の怪物か。

作戦は以上、実行に移る。
オーヴァ。
(ザザッ)


桐府田・丈華
「うわ・・・なにあれ・・・」
その異様な巨体にやや畏怖を感じて竦んでしまうも、他の猟兵に鼓舞され
再び闘志を燃やします、何故かあの怪人に因縁めいた何かを感じながら
「それじゃあボクのターンだ! いくよ、みんな!」
カード型デバイスからキャラクター達を召喚し、キャラクターを軽やかに指揮し巨体の怪人を翻弄します 必殺技には注意
「いかに巨大でも、みんなで囲めば怖くないってね!」



「な、なにあれ……!」
 先陣を切って魂のカードたちとともにゴーレムを撃破した桐府田・丈華も、眼前にそびえたつ玩具墓地の怪人の異様を目にしては、畏怖を感じざるを得なかった。
「あれは、怪物だ。――ただの、怪物だ。ゆえに、討ち果たさねばならない」
 丈華の周囲を覆うように、ざざ、と砂嵐が表れたと思うと、そのノイズから響いた声が彼女に話しかける。体の一部を電子ノイズと化したジャガーノート・ジャック(OVERKILL・f02381)である。
「カイブツ……」
「ああ、そうだ。現状の戦況は不利。敵の攻撃を防ぐため、少々危険な策に出る。協力を請う」
 怯える丈華に目的を与えるかのように話すジャックに、しかし異議を唱える声があった。
「待った、勝手に話を進めないでくれよ。……彼らは怪物なんかじゃない、ヒーローだぜ」
 その声の主は、どこか疲れた様子のボサボサ髪の少年。ジョン・ブラウンだ。治癒はしたとはいえど、前哨戦の負担を隠し切れない様子の彼に、砂嵐が問いかける。
「――その疲労での戦闘は非推奨――否、彼らが怪物ではないという発言の意図を問う」
「どんな姿にされたって、彼らは僕らのヒーローだ。……子供たちは、最初に彼らから教わるんだぜ」
 この期に及んでどこか飄々とした態度で、のらりくらりと答え続けるジョンの態度に、ジャックは普段の冷静沈着たらんとする姿をわずかに崩し、丈華も混乱を深める。
「教わるって、何を……?」
「不可解。明確な返答を要求」
「君たちだって、とっくに知ってるはずさ。ウィスパー、伝えてくれ、あのヒーローに。いや、ここにいる皆に、ヒーローたちが教えてくれたものを」
 ――<計算式確定><不定変数に“愛と勇気”を代入><勝率測定不能、無限大です>
 少年の呼び声に応じて、AIが幻影を呼び出す。
 黒髪の主婦は、かつて玩具の指輪で着飾っていた。ノートの片隅に落書きをする少女の勉強机には、今も変身戦士が仁王立ちしている。壮年の映画監督は、幼き日に友人たちとともにビニール人形の怪獣を振り回して遊んでいた。いじめられっ子の幼い少年は、大切な友達の姿を思い浮かべてぐっと涙をひっこめた。
 全ては幻影だ。幻影にすぎないが、そこには確かに愛と勇気があった。玩具で遊ぶ中で培った愛と勇気が。
「……どうだい、伝わったかな、ヒーロー。まだまだこんなもんじゃないんだぜ、僕らの恩返しはさ」

 幻影を見た鋼の巨人は声なき声で慟哭した。駄々をこねる子供のようにミサイルが乱射される。
「――その攻撃は通さない」
 だが、全てのミサイルは、電磁砂嵐の中で解析、無効化され撃墜される。ジャックが瞬時にその影響領域を拡張したのだ。
「怪物の外見でも、ヒーローにはなれるらしい。不可解だが――」
 今は任務を遂行する、オーヴァ。ノイズ交じりの声でそう呟いて、自身の分身たる電磁砂嵐の中を、機械の黒豹は疾駆する。

「そうだ、愛と勇気……!」
 男装のカード戦士も、映し出された幻影から力をもらっていた。闘志を燃やし、再び勢いよく、カードホルダーからデッキを構える。
「ボクのターンだ、いくよ、みんな!」
 一斉に召喚されるのは、彼女の魂のカードから呼び出されたバトルキャラクターたち。彼らとの絆を武器に、少女は的確な指揮で巨体の怪人に立ち向かっていった。
「相手がどんなに巨大でも、ボクには仲間がいる!」
 叫び声とともに、合体したバトルキャラクターズが強烈な一撃を浴びせかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
オレァ確かに聖者だけどよ
オモチャを救うってのは流石にやったことねェーわ
面白ェ、面白ェ〜〜〜〜なァ〜〜〜〜〜〜
生きてりゃイ〜〜ィことあるモンだ
なァ、お前もそう思うだろ?

お前一部でもヒーローならしっかりしろよ
捨てられて悲しかった?
無残に壊された?
勝手に言ってろ
結局は全部、お前次第じゃねェーか

いいぜ、救ってやるよ
お前はもう壊さねェ
【オレの救い】をその身に受けな


多々羅・赤銅
へー。かっけーじゃん。
完全体だったら尚カッコよかったかね。

泣くな、泣くな
わかってっから
お前らに、ガキは傷つけさせねえよ
今日のとこは。悪い鬼役の私に、斬られてくれな。

ーー剣刃一閃、参る。

ここのパーツは近所のガキがスーパーのオモチャコーナーで買ってもらってんの見かけたなあ。嬉しそうだったぜ。
ああこれままごと包丁?はは、人の斬り方も知らない癖に無理すんな!
近接し、ひた斬りながらそのパーツ一つ一つに、気さくに語りかける。誰も聞いていなくとも良い、子供のために作られたお前たちのあり方を重んじるだけ。

火炎耐性、火を浴びようと焼け残る身体が、斬撃をやめぬ。

泣くな、泣くな
悪い鬼さんが すぐ終わらせてやるかんな



「愛と勇気……だってよ?」
「クハハッ、どうやったらあんなこっぱずかしいことクソ真面目に言えるのかねえ!」
 煙草を咥えたまま苦笑する多々羅・赤銅(ヒヒイロカネ・f01007)に、ジン・エラー(救いあり・f08098)が不気味な笑顔型のマスク越しに呵々大笑する。

「私は案外嫌いじゃないけどな。お前はどう思う?」
 己の鍛った刃を振り回しながら彼女が問いかける先は、今まさにつばぜり合いをする形となっているままごと包丁の成れの果て。
「おお、そうかそうか。そりゃお前、人斬ったことなんてないんだろ、無理すんなって」
 それは、玩具の声なき声を聴いているのか、あるいは果たして自己満足なのか。それは、斬りあう彼らにしかわからないこと。ただ一つの事実は、彼女が切り結ぶ玩具一つ一つに、丁寧に語り掛けているということだ。
「泣くな、泣くな、もう泣くな、わかってっから」
 赤鬼は泣かぬ。剣刃一閃。静かに微笑み、愚直に刃を奮い続ける。

「いや全く、ヒーローってンならお前もしっかりしろよ」
 ジンもまた、駄々子のように振り回される拳打を凌ぎながら、言葉を紡ぐ。
「ガキに捨てられたとか、悪者に壊されたとか、全部ただのきっかけだろ。結局は、お前がどうしたいかなんだよ」
 UDCに寄生された理不尽の果てすらも、“どう在るかは自分次第”と言い捨てる。傲岸不遜とすら言える態度で、しかし彼は笑いかける。
「いいぜェ~?救ってやるよ。お前はもう壊さねェ。オレの救いをその身に受けな」
 オレが救いたいから救う、それだけだ、といっそ楽し気に彼は笑い、その身は聖なる光に包まれる。

 愚直に正面から向かってくる二人を恐れるように、再び銃口が開かれ、己自身を巻き込むような爆炎で周囲が包まれる。だが、もくもくと煙が立ち込める中で、二人の人影は揺らぐことなく立ち続けていた。
 赤鬼は、己の身を焼け焦がしながらも脇目を振らず。怪人はそのようなものは効かぬと笑った。

 凶相の聖者が二人往く。己に与えられる救いをもたらすため。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

桜雨・カイ
やる事は変わりありません。
無理矢理にゴーレム化された姿から解放するまでです。

錬成カミヤドリを使用し(巨体で歪んだ体ならバランスが悪いと予測して)錬成体の一部は足や腕に絡みついて転倒を狙います。

大きな身体ではかなりのダメージを与えないといけないでしょうが、長い間苦しめたくはありません。
どこかに「核」のようなものはないでしょうか?
そこを残りの錬成体で狙い撃ちした方が与えるダメージは少なくてすむのでは?

苦しかったでしょう、もう大丈夫ですからね。


パーム・アンテルシオ
変身合体、ヒーローもののロボットにはお約束のシチュエーション。
こんな形で実演する事になるなんて、おもちゃ達も考えてもみなかっただろうね。
…なんてね。笑えない冗談みたいな姿だね、あなたは。

ユーベルコード、金竜火。
こういうのって、柄じゃないと思うし、得意でもないから、普段はやらないんだけど。
今回はちょっと、ね。八つ当たりっていうのかな。
あなたの体の、たくさんの目玉。あなたの悪夢。全部燃やしてあげるよ。

ちょっとだけ我慢してね、あなたの中の、あなたたち。
少しだけ熱いかもしれないけれど。すぐに解放してあげるから。送ってあげるから。
その歪な目玉を灰に。歪な願望を植え付けた、その先の彼らも。きっと、いつか。



「もう一息……かな」
 猟兵たちの猛攻の最中、その身を削られつつある機械の巨兵を見て、パーム・アンテルシオは小さく呟く。確かにその言葉通り、その動きは鈍くなりつつあった。それは、これまで泥臭くもずっと攻め立ててきた成果かもしれないし、幻影によって何か心に訴えかけたものがあったからかもしれない。それら全てというのが正確なのだろう。
「ですが、こちらも消耗は少なくありません。皆、随分無茶な戦い方をしてきましたから」
 しかし、桜雨・カイはまだ警戒の色を薄めない。なぜなら、敵の圧倒的質量は依然健在であり、このまま消耗戦を続ければこちらが先に折れる可能性も少なくないからだ。
「合体巨大ロボット、なんて。ヒーローもののお約束だろうに。こんな悼ましい姿で実現することになるなんてね。この巨体への対策っていうと、やっぱり……」
「ええ、彼らにもゴーレムたちと同じく、彼らをこのような姿にしたUDCの核が存在するのでしょう。そこを叩ければ、なんとか」
 カイはパームの言葉を受けてうなずく。長期戦を避けたい理由は、こちらの損耗だけではない。
「よし、それじゃ、狙おうか。あんな痛々しい姿、ずっと見せたくはないだろうしね」
「ええ、あまり長い間苦しめたくはありません」
 二人が目標を共有すると、カイは己の周囲に呼び出していたからくり人形たちを一斉に散開させ、哀れな同胞の四肢に絡みつくように飛びつかせた。
 ただでさえ歪な姿を戦いの中でボロボロにされた体では重心を安定させることができず、巨体は勢いよく尻餅をついた。その一瞬の隙をついて、桃色妖狐は己の分身のような狐火を、体の至る所にある目玉、それぞれに向かって走らせた。
「八つ当たりも同然、だけど。――あなたの悪夢。全部全部、燃やしてあげる」
 眼球は、玩具たちに寄生するUDCが剥き出しになっている箇所といってよかった。そこを一斉に燃やされてはUDCも堪らない。巨体の奥の奥深くに潜んでいたUDC核が大きく鳴動する。
「そこですッ!」
 カイはその脈動を見逃さない。あえて手隙にさせていたからくり人形たちを一斉に動かして、玩具たちを掘り返すようにして、強引に核への道をこじ開けた。
「さあ、とどめを!」
「彼らを解放してあげて……!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アステル・シキョウ
キャラ視点
出やがったな
「そんなに気にくわないのか」
ったり前だ!道具は其々の用途で使われる為にあんだよ
俺様は罪人を裁く為に、あれは誰かを喜ばせる為にな
だがあれは私利私欲で歪んだ想いを与えられた。
与えられるべきではない歪んだ想いっつうのは呪いに変わらねぇ、受けた奴も歪んじまう
人だって同じだろ、親から与えられるべき愛情とかを受けずに虐げられて育ってもろくな事になんねぇだろ
「……お前が怒ってる理由、少しは理解したよ。それじゃあこの悲劇に終止符を打つぞ」
……おう!!


行動
採用の場合、前回から変身したまま
主導権を握るニエが道具という立場から相手に慈悲の一撃を打ち込む為に、接近し【抹殺-period-】を使用


黒白・鈴凛
まだこれほどの玩具が溜め込まれてたアルカ
前のゴーレムたちといい、陰気に満たされた奴ネ

玩具を壊すのに気が乗らないのは変わらないアル
だから
私が穿つのは玩具たちを纏めて操ってるUNCクリーチャーの核
【第六感】【野生の勘】を使って核らしき箇所を探し
【力溜め】とUC:月、は沈みて日は昇るで身体能力を向上させ
【怪力】【捨て身の一撃】【鎧無視攻撃】を込めた拳を核に叩き込むアル



 “トドメの一撃”を託された二人――改め、三人の猟兵は、静かに力を蓄えていた。
『何がそんなに気に食わないんだよ』
「何がもクソもあるか!道具は其々の用途で使われる為にあんだよ!俺様は罪人を裁く為に、あいつらは誰かを喜ばせる為にな」
 相棒ニエと一体化したアステル・シキョウは、怒りを隠さない彼に問いかける。“呪具”たるニエがそう語れば、隣にたたずむ黒白・鈴凛は静かに、是、と頷いた。
「あの玩具たちは本来と違うこんな扱われ方をして、陰気が溜まり放題アルヨ。そっちのお前と同じ、背負うべきでない陰気背負わされて呪われてしまってるネ」
 陰陽を操る道士としての知識も持つ鈴凛の言葉に、かつての神聖な処刑道具としての姿から呪われた殺人道具に貶められたニエは不服そうに溜息をつく。
「そういうこった。……人間だって、親から与えられるべき愛情とかを受けずに虐げられて育ってもろくな事になんねぇだろ」
 相棒のいつにない怒りの理由が、己の境遇と重ね合わせてのものだと理解したアステルは、静かに頷く。
『……お前が怒ってる理由、少しは理解したよ。それじゃあこの悲劇に終止符を打つぞ、俺たちの手で』
「おう!」
「怒ってるのはお前たちだけじゃないアル。……ワタシたち、全員ネ」

 “仮面ファイターノクターン”に向かってパンダの道士がが頷くのと丁度同じころ。仲間たちによって、玩具墓場の怪人のUDC核への道が開かれた。二つの人影が、開かれた空洞に飛び込む。その際に、身を掠らせた変身ヒーローのベルトが、掠れた機械音を奏でる。
 ――<……ドライブ、スリーカウント……><スリー>
「不味い陰気だったが、これだけ食えば力となるネ!陰気は陽気に転ずるものヨ!」
『トドメを刺すぞ、ニエ!』
 ――<ツー>
 鈴凛の本体たる八卦鏡が、戦闘中に喰らい続けた周囲に満ちた玩具たちの絶望に満ちた陰気を、陽気へと転化する。
 ――<ワン>
「この一撃で、俺様が終止符を打ってやるよ!!」
 ――<…………!>
 もはや聞き取れぬほどに掠れた最後のコールともに、陽気に満ちた獣人の崩拳と、魂を喰らう呪具の一閃が、同時にUDC核を貫いた。

 寄生していたUDCの核を貫いたことによって、玩具怪人の結合は解かれた。残されたのは、ただただ哀れな玩具の山。山の頂上に立つ、変身を解いた少年が小さく呟く。
「……お疲れ、相棒」
『――知るかよ』
 そんな様子を見ながら、パンダの獣人は、ぐ、と大きく伸びをする。
「我吃飽了。不味い飯だったアルガ――まあ、不味いだけでもなかったネ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『エンジョイ・タイム』

POW   :    ラーメン、カツ丼、がっつりご飯でごっつぁんです! 娯楽も全力、勝負も楽しもうぜ!

SPD   :    ファッション、雑貨、お土産選びは忙しい! 娯楽はほどほど、テクニックで魅せるぜ

WIZ   :    書籍、パーツにソフトウェア。ちょっとマニアなお店にゴー。 娯楽はのんびり、エンジョイプレイ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 哀れな玩具の山を後にしながら、猟兵たちは今後の予定を確認する。事件の後始末は、人形供養なども含めてUDC組織がやってくれるらしいので、猟兵たちが気にする必要はない。つまりは、街で思うように余暇を過ごしていいということだ。
 幸い、アルレクリアに渡されたマップによれば、このあたりには、大抵のほしいと思った設備は十分ある。思う存分遊んで帰れるだろう。
 ……もし、事件に関してやり残したことがあるのなら、やるだけの時間も十分にはあるだろうが。
十河・アラジ
猟兵たちが気にする必要はない、と言われても……うん、やっぱり気になっちゃうよ。

余計かもしれないけど、ボクも玩具たちへの供養の為に祈りを捧げたい。
彼らは確かに誰かの宝物だった……
ボクにはその声を聞くことはできないけど、確かに彼らには思いがあったという事を知っているから。
だからこそ、最後まで彼らに寄り添いたいんだ。

咎無き彼らの魂の行く先に光のあらんことを……


それが終わったら……ボクも一つ、玩具を買って帰ろうかな。
思えば今まで自分の玩具を買った事なんて無かったし。
買うのはぬいぐるみが良いかな……それなら家に置いていても不自然じゃないよね。

そしていつか、彼らのような宝物だって言える日が来ると良いな。


桜雨・カイ
あとで弔いに来ると言いましたからね
この後供養されるとは聞いてますが、ぼろぼろの姿では可哀想です。
現場に残り、帰るギリギリまで玩具達の手入れをします。

数が多いので細かい事はできませんが、泥を落としたり戦闘で壊れた所を【七つ道具】を使って治します。
戦闘で壊れる事と、長年使い込まれて壊れる事は違うんです。
すり減った跡や伸びてしまったバネなどを確認しながら、玩具達が人とどう共に暮らしていたのかを「聞かせて」もらいながら作業を続けます



 見る者によっては、瓦礫の山とすら言えるであろう、廃玩具の山。猟兵たちも三々五々に散っていったその場所に、最後まで残る二人の人影がいた。
「ふふ、そうですか……。君は大事にされて来たんですね。君のご主人様は女の子だったのかな?」
 廃材に腰掛けて、ボロボロになった怪獣人形を膝の上で手入れしながら、桜雨・カイはそんなことを呟いていた。
 そんな彼に、隣に座る十河・アラジは、不思議そうに問いかける。
「もしかして、君も彼らの声が聞こえるのかい?」
 先ほど共闘した猟兵の顔を思い浮かべながらの質問に、しかしカイは小さく首を振る。
「いえ、私はヤドリガミとはいえ、そういったことができるわけではありません。ただ、“耳を傾けて”いるんです。きっと、あなたにも聞こえると思いますよ」
 そういって、アラジの膝の上にもいくつかの玩具たちを並べ始めた。
「ほら。彼はこのバネが随分と伸びてしまっています。それに、色褪せも。ひっかき傷も多いけれど、大きな傷は全然ない。……大切に、大切に。長い間遊ばれて来たんでしょうね」
 ブリキのロボットの泥を落としながらの言葉に、なるほど、とアラジは頷く。どうやらカイは、廃玩具の手入れをしながら、その玩具の姿を通して、その玩具が今までどんな風に扱われて来たかを観察しているらしかった。
「そっか。……ボクも、手伝っていいかな。君みたいに、彼らの声を聞けるかはわからないけど」
「ええ、よろこんで」
 静かに微笑みあって、二人は黙々と廃玩具たちの手入れをし始めた。彼ら一人一人の魂の安息を祈るように。最後まで彼らに寄り添おうというように。

 帰還時間のギリギリまで、廃玩具たちの修復にいそしんでいた彼らは、集合場所への移動途中に、ふと、雑貨屋の店先に出ていた道化師のような服装の猫のぬいぐるみを手に取った。
「ボクも一つくらい、玩具を買って帰ろうかな」
「ええ、いいんじゃないでしょうか。とても、よいぬいぐるみのようですしね」
 山中に置いてきた廃玩具たちに、少し想いを馳せる幼い聖者に、ヤドリガミの青年は優しく微笑む。
「そうだね。それじゃあ、君にしよう。……いつか、君のことを、彼らみたいに宝物だって言えますように」
 道化猫の目尻の涙滴模様を優しく撫でながら、祈るように抱きしめる少年だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リゥ・ズゥ
街。知識を、得るものも、多いな。リゥ・ズゥは、多くを、知りたい。
本、映像、音楽、なんでも、いい。集めて、学ぶ。
(人の文化を学ぶため、書店やDVD・CDショップ等を巡り、学術的なものや古典作品、流行りの映画や音楽など、ジャンルを問わず買い漁ります。中にはおかしなものも混じっているかも知れませんが、勉強中のリゥ・ズゥにはよくわかりません。アルレクリアのおすすめなどあったらそれも探して買ってくるでしょう。大量の荷物になるので、ユーベルコードで体内に収めて運びます。)アドリブ、絡みなどご自由にお願いします


パーム・アンテルシオ
●WIZ
自由にして良いのなら…それじゃ、CDショップとか探そうかな。
ふふ、歌で共感を誘うのなら、やっぱり色んな世界の歌を知ってないとね。
UDCアースの文化って、特に面白いし。私のお気に入りはアニメソングだよ。
楽しい曲、明るい曲、シリアスな曲に、スピーディな曲、カッコいい曲。
ほんとに、一つのジャンルにまとめちゃっていいのかな、ってぐらいに多彩だし。次々に増えていくし。

逆に、ダークセイヴァーなんかはほんと難しいんだけど…

気になる曲が入ってるのは、軒並みゲットしていっちゃおうかな。
こういう時に、お財布具合を気にする必要がないのっていいよね。レンタルとか考えなくてもいいし。
依頼報酬様々、って感じかな?



「ふふ、自由にしていい、っていうなら、やっぱりCDショップだよね」
 桃色の狐耳に器用にヘッドホンをあてて、パーム・アンテルシオはCDの試聴を楽しんでいた。
「うーん、お金の心配はないし、気になるのは片っ端から買っちゃおうかと思ったんだけど……少し荷物運びが大変、かな?」
「リゥ・ズゥが、荷物運びを手伝う、か。リゥ・ズゥは、どんな知識にも、興味が、ある」
 どうしようか、と首を傾げる桃色狐に、奇怪な響きの声がかけられる。声の主は、大柄な黒い粘体。リゥ・ズゥである。
「いいの?1人での買い物も寂しいし、一緒に来てくれるなら嬉しいけど」
「構わない。だが、パームの、興味のあるものについて、話を聞かせてくれると、嬉しい」
 貪欲な知識欲を見せるリゥ・ズゥに、パームは上機嫌に笑いかける。
「そのくらいならお安い御用、なんてね。そうだね……やっぱり折角UDCアースに来たなら、アニメソングがいいよね」
「アニメソング。アニメに、関連した曲、だな」
 ふむふむ、と頷くリゥ・ズゥを生徒にするように、パームは楽しげにCDを試聴しながら語っていく。
「うん。全部を一纏めにしてるから、ほんとに一つのジャンルにまとめちゃっていいのかな、ってぐらいに多彩だし。次々に増えていくしね」
「次々、増えていくのか。それは、学習の、し甲斐がある、な。リゥ・ズゥも、アニメソングに、興味が、わいてきた」
 楽しい曲、明るい曲、シリアスな曲に、スピーディな曲、カッコいい曲、と細指を折って数えていくパームに、リゥ・ズゥが逐一興味深げに相槌を打つ。
「でしょう?……と、このくらいでいいかな。重さもそうだけど、随分かさばるけど……」
 本当に持てる?と、購入した後のCDの山を手に問われると、リゥ・ズゥは、悪魔めいた相貌の中にどこか自慢げな雰囲気を漂わせて頷いた。
「問題、ない。リゥ・ズゥに、任せろ」
 ブラックタールが手をかざすと、ごくり、という擬音の付きそうな様子で、CDの山が彼の体内に呑み込まれた。
「わっ。……流石はブラックタール、って感じかな。確かに、それなら嵩張るとか関係ないね」
「そう、だ。音楽以外にも、映像や、書籍も集めて、来た。……消化は、しない。安心しろ」
 最後に付け加えられた言葉に、彼なりの冗談だろうか、と小さく笑うパームであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
【多々羅・赤銅同行】

ヒァバハハハハ!!やるかァ!!!!!!!!

おーォ、あン時も随分な力だったけどお前さん
実際ンとこどっちが強いのか、白黒ハッキリ行こうぜ

ハハァさてはお前ビビってンのか????単純な腕力じゃ勝てねェってか????鬼なのに?????
聖者如きに負けたら大変だもンなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

オーケーオーケーそっちでも負ける気はしねェぜ赤銅
ンじゃ遠慮なく
目の前で【オレの救い】を拝みな(目ン玉潰せや)(攻め時は【攻撃】ガン振り)(守り時は【防御】ガン振り)(そうじゃない?知らねェ〜〜〜〜な)

お前罰ゲームじゃなくてもアレ欲しいンじゃねェーの???


多々羅・赤銅
【ジン・エラー同行】

ッシャ遊ぶか!!!!!!!(inゲーセン)

折角捕まえた遊び相手だ、勝敗ハッキリ系やらにゃ損だ損
パンチングマシーンは私が勝つに決まってっからな〜〜圧勝したい訳じゃねえからな〜〜〜↑あ"?その喧嘩買ったるわべそ掛け(羅刹怪力)

分かりやすいしエアホッケーしようぜ、全弾一方的に叩き込んでやらあ(見切り)(残像)(フェイント)(おい光はズル)(ぶっとば)
負けた方がクレーンのアレを取るまで帰れまテンな

いや?あーゆーの取るとガキが羨望の目で見るじゃん
あれが好き。(に)(へらり)

(もし言葉の通りになったなら、大切にしろよと渡すだろう)
(おもちゃはいつでも子供の心を守るものだし)

★馬鹿OK



 赤銅が小馬鹿にするように語尾を上げれば、ジンがまくし立てるように言い返す。上から見下ろす炎の瞳と、下から睨め上げる桃と黄金の双瞳。メンチを切りあうように
「あ゛ァ?その喧嘩買ったるわべそかけ……アッスンマセン」
「ウッス、スンマセン。……エアホッケーにでもするかァ」
 延々言い合っていたところ、涙目の店員に声を掛けられ、ぺこぺこと頭を下げる二人。道のど真ん中でこんな二人が言い合うと他の客に迷惑と言われては言い返す言葉もなかった。
「ふーん、エアホッケーならわかりやすいじゃん。全弾一方的に叩き込んでやるから覚悟してろよ」
「言ってろ。そういうことなら遠慮なく行くぜ」
 赤鬼の挑発を受けて、覆面の怪人は聖なる光を身に纏う。ユーベルコードによる自己強化をこんな余興に使用する大人気のなさであった。
「はァ~~~?お前それはズルだろ!」
「勝ち誇ってる方が悪いんですぅ~。一度でもユベコ禁止っつったかァ?」
 げらげらげら、とお互いやたらと楽しそうに笑いながら、人知を絶する挙動でマレットを動かしあう二人。盤上の激しい応酬の中心でパックが悲鳴を上げていた。

「次アレ取っから」
 エアホッケーの後、心身のヒートアップを冷ますかのように、二人はクレーンゲームを遊んでいた。筐体の中、目玉商品としてでんと構える大きなぬいぐるみを指さす赤銅に、ジンが首を傾げる。
「よくあんなん狙うなァ。お前ああいうの好きなの?」
「いや?でもさ、こーゆーの取ると……」
 駄弁りながらの連続コインと試行錯誤の末、ガコン、と出口に落ちる大型ぬいぐるみ。その様子を、すぐそばでキラキラした視線で見る少女がいた。
「いるか?やるよ。――大切にしろよ?」
 少女を手招きすると、そのぬいぐるみをそっと手渡し、赤銅はにかっ、と笑う。少女はぱぁ、と満面の笑顔でお礼を言って、ぬいぐるみを大切そうに抱えて駆けて行った。
「こーゆーこと」
「ハイハイ、そーゆーことですか」
 玩具はいつでも、子供の心を守るものなのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


※上パート、当方のミスにより、パート前半が貼り付けできておりません。一旦代わりとしまして、改めて以下に正式版を張り付けておきますのでご一読いただけますと幸いです。参加したお客様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません。
「ッシャ、遊ぶか!!」
「ヒァバハハハハ!やるかァ!!」
 ゲームセンターの入り口に立って上機嫌に笑う多々羅・赤銅とジン・エラー。戦場で共闘したジンを赤銅が掴まえて連れてきたのであった。
「折角連れ立って来てんだ、白黒ハッキリつくやつやらなきゃ損だよなァ。どれにすっか」
「お前も力自慢だろ?パンチングマシンとかいいんじゃねえの?」
 ほらアレ、と指をさすジンを、赤銅は憐れむように見て肩を竦める。
「パンチングマシーンは私が勝つに決まってっからな~。圧勝したいわけじゃねぇからな~」
「なんだお前ひょっとしてビビってンのか?単純な腕力じゃ勝てねェってか?鬼なのに聖者如きに負けたら大変だもンなァ~??」
 赤銅が小馬鹿にするように語尾を上げれば、ジンがまくし立てるように言い返す。上から見下ろす炎の瞳と、下から睨め上げる桃と黄金の双瞳。メンチを切りあうように
「あ゛ァ?その喧嘩買ったるわべそかけ……アッスンマセン」
「ウッス、スンマセン。……エアホッケーにでもするかァ」
 延々言い合っていたところ、涙目の店員に声を掛けられ、ぺこぺこと頭を下げる二人。道のど真ん中でこんな二人が言い合うと他の客に迷惑と言われては言い返す言葉もなかった。
「ふーん、エアホッケーならわかりやすいじゃん。全弾一方的に叩き込んでやるから覚悟してろよ」
「言ってろ。そういうことなら遠慮なく行くぜ」
 赤鬼の挑発を受けて、覆面の怪人は聖なる光を身に纏う。ユーベルコードによる自己強化をこんな余興に使用する大人気のなさであった。
「はァ~~~?お前それはズルだろ!」
「勝ち誇ってる方が悪いんですぅ~。一度でもユベコ禁止っつったかァ?」
 げらげらげら、とお互いやたらと楽しそうに笑いながら、人知を絶する挙動でマレットを動かしあう二人。盤上の激しい応酬の中心でパックが悲鳴を上げていた。

「次アレ取っから」
 エアホッケーの後、心身のヒートアップを冷ますかのように、二人はクレーンゲームを遊んでいた。筐体の中、目玉商品としてでんと構える大きなぬいぐるみを指さす赤銅に、ジンが首を傾げる。
「よくあんなん狙うなァ。お前ああいうの好きなの?」
「いや?でもさ、こーゆーの取ると……」
 駄弁りながらの連続コインと試行錯誤の末、ガコン、と出口に落ちる大型ぬいぐるみ。その様子を、すぐそばでキラキラした視線で見る少女がいた。
「いるか?やるよ。――大切にしろよ?」
 少女を手招きすると、そのぬいぐるみをそっと手渡し、赤銅はにかっ、と笑う。少女はぱぁ、と満面の笑顔でお礼を言って、ぬいぐるみを大切そうに抱えて駆けて行った。
「こーゆーこと」
「ハイハイ、そーゆーことですか」
 玩具はいつでも、子供の心を守るものなのだから。
ジョン・ブラウン
【マクスウェルの止まり木】
の仲間と一緒にゲームセンターに

遊ぶのはUFOキャッチャーやお菓子を取るプライズ系中心に
取れた景品は福祉施設に寄付しようかな

ねぇこれどれが女の子は喜ぶかな?男の子はヒーロー系でいいと思うんだけど

あーくそ、難しいなこれ
んー……ねぇ、ちょっと店員さんに声かけて景品の位置変えてもらっていい?
女の子が頼めばいけるでしょ多分
よし!……このアームおかしくない?
『まったく下手くそだむー』
『我々にやらせろむー』
『お小遣い欲しいむー』
『レースゲームしてくるむー』

なんか増えてる
え、こいつらじゃ駄目かって?いやぁ教育に悪いでしょ……

その後はご飯、付き合わせたし僕が奢らないとね……財布が寒いや


ミーナ・ペンドルトン
【マクスウェルの止まり木】の家族と一緒に過ごすよ。
ポジションはお母さん!

ゲーセンゲーセン、楽しいよね、色々あって!
え、女の子向けの贈り物?
あー……ぬいぐるみとか良いんじゃないかな?
男所帯で育ったせいで、あんまり女の子らしいのが分からないんだよね。

……この二人に任せてたら、お金がいくらあっても足りないね。
こゆのは得意だから、私が一肌脱ごう!
前から見たり、横から見たり注意深くやらないといけないね。
お菓子の寄付はダメだよね。食べ物は問題になったりするし。
それ以外のプライズ品を中心に狙おうかな。
二人の分もとっちゃおう。
メルエちゃんにはドール系の小物、ジョンくんにはゲームの周辺機器取ってあげるー。


メルエ・メルルルシア
【マクスウェルの止まり木】メンバーと一緒に遊びに行きます
ジョンとは寮の仲間で家族みたいな感じ。20歳のお姉さん妖精

なんだよ、ジョン。オレたち誘ってデートか? 両手に花狙いとはなかなかやるじゃねえか

ゲーセンなあ……妖精さんでも出来るやつある? あ、クレーンゲームとなならオレでも出来そう

なんだコレ、全然取れねえじゃねえか……くっそ、下から潜ったら駄目か?

えー、店員に頼むのってちょっと邪道な気がするんだけど……こういうのをさらっと取ってみせるとメルエポイントが上がるんだがなあ

なんだよ、ジョン……色々取ったのに、持って帰らないのか? 寮のチビ達喜ぶだろうに

セリフの追加、他キャラとの絡みなど大歓迎です



「ゲーセンゲーセン、楽しいよね、色々あって!」
「だな!しかしジョン、オレたちを誘ってデートか?両手に花狙いとは欲張るじゃんか」
 大人びた風貌に反して、キラキラした目でミーナ・ペンドルトン(小学生妖狐・f00297)が店内を見回せば、メルエ・メルルルシア(宿り木妖精・f00640)は彼女たちを連れてきた少年に向かって、お姉さんぶって悪戯っぽく笑いかける。
「いやいや、そういうのじゃないでしょ。わかっててからかわないでくれよ」
 【マクスウェルの止まり木】にてともに暮らす仲間たちを引き連れてゲームセンターにやってきたジョン・ブラウンは肩を竦める。なら何をしに来たのだ、と言われれば、彼は店内をきょろきょろ見回し、クレーンゲームのコーナーに。

「あっくそっ、難しいなこれ」
「ん……くーっ!全然とれねえ!」
「ふふ、苦戦中だね。ジョンくん、その子たちに任せたら?やりたそうだよ?」
 ボサボサ頭を掻いてぼやく少年と、妖精特有の小さな全身を使って筐体のボタンを押す二人をにこにこ見守りながらのミーナが指さすのは、ジョンの引き連れる謎の自立型ぬいぐるみ“だむぐるみ”だ。
『まったく下手くそだむー』『我々にやらせろむー』『まーしゃるさんまーしゃるさん、お小遣い欲しいむー』『レースゲームしてくるむー』
「うわ、なんか増えてる。いや、こいつらに任せるのは教育に悪いでしょ……」
 というかマーシャルさんって誰?と首を傾げつつも、大人しくしてなさい、と鞄にだむぐるみを押し込むジョン。
「……ねえ、二人のどっちか、店員さんに声かけて景品の位置変えてくれない?女の子が頼めばいけるでしょ多分」
「えー、そういうのって邪道じゃないか?……こういうのをさらっと取ってみせるとメルエポイントが上がるんだがなあ」
 そんなことをだらだらと呟きながらコインを溶かしていく二人に、見てはいられないとミーナが立ち位置を変わった。
「もう、二人に任せてたらお金がいくらあっても足りないんだから。こゆのは得意だから、私が一肌脱ごう!」
 自信ありげな態度にたがわず、慎重、かつ確実にプライズを獲得していくミーナ。ジョンは賞賛の中にかすかに悔しさを滲ませながらも口笛を鳴らし、メルエはにこにこと笑って拍手する。
「どんなもんだ、なんてね。……あ、こっちはジョンくんとメルエちゃんの分ね!」
 二人の賛辞を受けて胸を張るミーナは、二人にもプライズを手渡す。最新ゲーム機の周辺機器に、妖精サイズに合わせてか、ドール用の小物。プレゼントを受け取った年上二人が少し気恥ずかしそうに笑うのを見て、楽しそうににこにこと笑うのだった。

「……うん、結構いい感じに集まったかな。帰りに寄付していこうか」
「なんだよ、ジョン。折角色々取ったのに持って帰らないのか?寮のチビ達も喜ぶだろうに」
 クレーンゲームで取った人形や玩具に、つかみ取り筐体で取ったお菓子……。紙袋いっぱいの戦果を確認し、満足そうにうなずくジョンに、不思議そうにメルエは尋ねる。
「今回はね、元からそういうつもりだったし」
「そうだねー。あ、でも、寄付ってお菓子系はダメなんじゃない?食べ物関係って結構問題になるでしょ?」
 ミーナの言葉に、そういえばそうか、と困った顔。
「なんだ、そういうことならお菓子の方は寮に持って帰ろうぜ?お土産なしってのもなんだし、結果オーライじゃん」
 そうだ、と指を鳴らす妖精の言葉に二人も同意し、店を後にするのだった。帰る前に夕食を奢っていったジョンの財布が、ゲームセンターとの波状攻撃によって痩せ細っていったのはここだけの話。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神舵・イカリ
みんなが遊びに行く中、その前に瓦礫と化した玩具の山に手をつける

その中から掘り起こしたいのは、今回の事件の発端となったパーツ、いや。少年の大切な友達、"しーちゃん" だ

もちろんバラバラになっているのだろう。跡形なんて残っていないはずだ。あっても僅かな残骸のみ。それでも、探して見つけ出す

見つけた残骸からネットで検索をかけ、元の姿を判別。近くにあるのであろうショッピングモールにもし同じものがあれば…

「こんなものは自己満だけどな。……それでも大切なのは少年の想いだろうから、さ」

運良く買えれば、どうにかしてそれを少年に届けたい。そう、イカリは願った。


アステル・シキョウ
キャラ視点
供養は向こうでやってくれるみたいだしこれで一件落着って感じか、満足かニエ?
《まぁな、飯でも食って帰んのか?》
それもいいが……

《で、そんなにおもちゃ買い込んで、女児用まであるじゃねえか。アステルお前そんな趣味あったか?》
馬鹿、今回玩具が回収された福祉施設にな
別にあの玩具達への手向けになる訳じゃないだろうが、お前の言い分だと玩具はきちんと遊んでもらえる場所に行くべきだろ?
《はっ、好きにしやがれ……》

行動
ショッピングセンターにておもちゃ屋で福祉施設の子供達用に玩具を購入
新しい物を買っても古い物が戻ってくるわけではありませんが
ここからまた玩具に愛着を持って貰えればと言ったくらいの心意気です



「供養は向こうでやってくれるみたいだしこれで一件落着って感じか、満足かニエ?」
《まぁな、飯でも食って帰んのか?》
「それもいいが……」
 己の心の内から話しかけてくる相棒ニエの言葉に首を振って、アステル・シキョウが向かった先はショッピングモールであった。
《で、そんなにおもちゃ買い込んで、女児用まであるじゃねえか。アステルお前そんな趣味あったか?》
「馬鹿、今回玩具が回収された福祉施設にな」
 カゴいっぱいの玩具を抱えたアステルは、レジに向かう途中、神舵・イカリとすれ違う。
「と、お前は……」
「ン。……ああ、アンタはさっき戦場で。丁度良かった、こういうぬいぐるみ、見なかったか」
 ともに戦った猟兵同士、すれ違い際に挨拶を交わせば、イカリは手に持った一枚の紙を見せる。そこには、インターネットから印刷したらしい、ぬいぐるみの商品情報があった。
「随分古い商品だな。ちょっと待ってくれ……」
『そいつならさっきあっちの棚で見たぜえ?』
 考え込むアステルの横で、呪具から声が放たれる。少し驚きつつも、礼を言うイカリ。
「そうか、助かったぜ。よかったら案内してもらえないか?」
「ま、いいけどよ。……そのぬいぐるみ、なんなんだ?」
 不思議そうにアステルが問えば、イカリは静かに語り始める。
「ほら、グリモア猟兵の予知にもあっただろ。放っておいたら今回の事件に巻き込まれて死んでたかもしれないって言う少年。その子の友達だよ」
「ああ……“しーちゃん”だっけか」
 聴けば、イカリは戦いの後、廃玩具の山からその“しーちゃん”の残骸を探し出し、わずかな残骸から、元の商品を見つけ出したのだという。
「あの子の友達“本人”じゃないし、こんなの自己満なんだろうけど。……それでも大切なのは少年の想いだろうから、さ」
「……いいんじゃないか?そんなもんだろ。俺がやってるのだって同じようなもんさ。別にあの玩具達への手向けになる訳じゃないだろうが、玩具はきちんと遊んでもらえる場所に行くべきだろ?」
《……はん、好きにしやがれ》
 目の前のイカリに言っているのか、心中の相棒に言っているのか、といった言葉を受けて、突き放すような口調とは裏腹に、気恥ずかしさから拗ねるかのような声色で、相棒にだけ聞こえる声で呟くニエ。
 静かに微笑みを交わすと、玩具を買いこんだ二人の青年は、件の福祉施設に向かって歩き始めるのだった。


 玩具が死ぬとするならば、はたしてそれは何時なのか。壊れたときか。忘れられたときか。はたまた。
 それは玩具にしかわからない。あるいは玩具にもわからないのかもしれない。
 しかし、玩具で遊ぶ子供たちは。あるいは、玩具で遊んでいたかつての子供たちは、今日も今を生きている。ならば、きっとそこに玩具たちも生きているのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日
宿敵 『エンゲージユニヴァース』 を撃破!


挿絵イラスト