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蛮族クッキング ワイバーン編

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 様々な依頼が持ち運ばれるグリモアベース。猟兵達でごった返す日々の中で、例に漏れずグラツェア・フーダン(フードバーバリアン・f09411)もまた、仕事を持ち込んできた。

「ワイバーン肉だッ!!!」
 仁王立ちで力強く言い放たれた説明。簡潔を通り越しての無である。
 集った猟兵の一人が改めて依頼の内容を問う。
「うムん。吾輩のグリモアセェンス……が察知したのだが、赤鱗の翼竜、ワイバーンが人里近くの森林に居を構える。故に、我らが民を喰らわれる前に、彼奴を喰らってやろうとな」
 旨味が濃厚である翼竜の肉はよいぞと、しみじみ語るグラツェラ。
 狩猟を終えれば、現地で宴会の一つでも行おうではないかと、白い歯を煌めかせる蛮族スマイルを向けた。
 曰く、翼竜が巣食う場所は小動物たちにとっての楽園であり、外敵と呼べるような動物も存在せず、旅人の止まり木と呼ばれる自然豊かな大地であると。

 肉の味を語る寸前で我に返った大男は、思い出したように一つ付け加えた。
 少し頭の回るゴブリンがワイバーンの存在を察知し、そのおこぼれに与ろうと徒党を組み始めているという。
 準備運動ついでに蹴散らせる程度の規模であり、ワイバーンの住処へ向かう道すがらに討伐をすれば、アフターケアも万全だと大男がサムズアップを向けた。
 少数精鋭である猟兵達を無知な冒険者と勘違いし、向こうから勝手に襲撃を掛けてくるだろうし、多少討ち漏らす程度ならば、集落には小鬼退治の自警団も存在するので問題は無いという。
 現地でのキャンプの準備、他荷物の類は吾輩に任せろとポーズをキめるグラツェラ。
 その背後には大きな荷物がいくつもあり、そのやる気が窺える。
 猟兵一行は各々の得物を手に、一狩りするだけだ。
 その日、森に迫りくるのは如何様なものか。
 少なくとも、ロクでもないのは確かだが。


液体猫
 一狩り行こうぜ!
 控え目に1発目です。お願いします。
 プレイングの具体性と勢いがよければよいほどカッ飛びます。

 1~3章通して、そう深くない森林地帯での依頼になります。
 ギミックだの障害だのは気にせず、暴れ回って下さい。
 山火事はふわっとした精霊的なもので防止されます。

●1,2章
 討伐依頼です。フラグメント以上の事はしてきません。

●3章
 平和にワイバーン肉をメインにキャンプしてます。
 グラツェラが料理してますが、絡まれない限りは食事だけ出しています。
 POW:気合で食材を調達 を選択した場合、なんか増えます。
 どういう食材を狙うか書いていただければ描写し易いです。
(ダイスの出目でやべー食材になるかどうか決めときます。)
 飲食他自由ですが、未成年飲酒等は不可能です。

 英雄的なムーブよりは日常コメディな動きをイメージして下さい。
 皆様のキャラを預かる上で妥当感が否めなくなる場合があります。
 アドリブ歓迎の一言を添えて頂ければ加速させていただきます。
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第1章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アックス&ウィザーズ。剣と、魔法と、竜の世界。
 人に仇なすモンスターと呼ばれる異形の者らを討つ、冒険者。
 依頼さえあれば、各々の得物を手に報酬を得んと奮い立つ彼らだが、その力はまちまちである。
 ましてや英雄的な力を持つ者なぞ滅多に存在せず、時には格下相手であろうと物量の前に命を落とす事も、珍しくは無い。
 ゴブリン達もまた、自身らのテリトリーに一人でのうのうと来るような相手には、暴力的な繁殖力を以て数で襲い掛かるモンスターの一種だった。
「キキッ」「ギギ、グッ」「ギヒェッ」
 獲物がやって来た。群れろ群れろ。狩りにいくぞ。
 既に幾人かの冒険者を返り討ちにしたのであろう自信もあったのか、鳴き声というにはあまりにも濁った、卑しい声が森林の陰で響く。
 ……息絶え絶えに逃げ込んできた仲間の、次の報告を受けるまでは。
エダ・サルファー
ワイバーンって食べられたんだねぇ。いや、そんな話を聞いたことはあったんだけど。
まだまだ身近な所にも、知らないことがいっぱいあるんだなぁ。
しかしまぁ、そういうことなら是非、実際に食べてみないとだな!

そんなわけで、まずはゴブリンどもを倒すところからだな!
群れてるみたいだけど、片っ端から殴って蹴って投げてくれる!
ゴブリンも連携だとか色々してくるかもだけど、深いことは考えずにボコボコにしてやる!
今日の私は聖職者より蛮族な気分なのだ!
……もともと聖職者感なんか無いとか言わない。



・エンカウント!

 かさかさがさがさと隠す気も無く草木を掻き分け、小鬼の群れが進む。
 森に餌がやってきた。少女だ。小柄な雌らしい。ニンゲンか。ごちそうの前の前菜だ。
 耳障りな鳴き声と共に高揚を見せていたゴブリン達だが、それは一変する。
 舌なめずりをした一体が飛来する仲間に巻き込まれ、無残に大木の幹へ押し潰されて絶命したからだ。
 互いに顔を見合せた後、警戒するゴブリン。ワイバーンが癇癪を起こしたか。それとも別の獣か。
 意外にも現れたのは、仲間が口にしていた少女の影……いや待て、気絶した仲間の首を持ち、此方に投げてきた!

「ゴブリンみーっけ!」
 種族柄幼く見られるエダ・サルファー(ドワーフのクレリック・f05398)が、意気揚々と小鬼を振りかぶり、群れに投げつけた。
 動揺していた群れは警戒の為に固まっていたのだろう、仲間に各々の身体を四方に吹っ飛ばさせ、見事なまでのストライクである。パカーンと小粋な幻聴が聞こえるぐらいに。
「いいかいゴブリンども、今日の私は聖職者より蛮族な気分なのだ!」
 聖職者感なんてないけれど。自身でも少し思いながらも、何時もの人海戦術で群れるゴブリン達を蹴りで吹き飛ばす。さしずめシスター・バーバリアン。
 ゴブリンが一斉に飛び掛かった次の瞬間、彼女の構えから発生した不思議な力と共に放たれる『必殺聖拳突き(ヒッサツセイケンヅキ)』。
 エダの祈りを込めた一撃。願うは何か。少なくとも、小鬼たちに向ける慈悲ではないのは確かだ。
 ゴブリンの一体が大地に沈み、一帯を地形ごと破壊し、森の悪漢を打ち砕く。
 森の静寂を切り裂いたのは、冒険者の悲鳴でなく、ゴブリンの断末魔であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドロンゴン・コーフィー
そんな、ドラゴンを食べるなんて……!
すごいや、僕ワクワクしちゃうなー!

まずは材料になるドラゴンからか、よーし、張り切って……あれ、違ったっけ?


ドラゴンのおこぼれに預かろうとは、ゴブリンもなかなか頭イイね。でも残念、今日は僕らの機嫌が良いのさ!
プルリン君(鉄塊剣)もデロリスさん(ドラゴンランス)も気合充実さ、多分ね。

槍で『串刺し』大剣で『なぎ払い』『恐怖を与える』
「ワイバーン君にはどこに行けば会えるんだい?さあほら、とっとと吐くんだよ! (ゴブリンが知ってるかは気にしない)

【重いご褒美】
教えてくれてもくれなくても、みんなに、プレゼントだ!
(腹が膨れ、喉へ登り口から粘体の塊が吐き出される)



・ワイバーンはどこ?

 森が騒がしい。
 仲間の悲鳴が聞こえたという事は冒険者だろう。
 サボっていた群れが戦利品でもある、錆びた剣や槍を拾い上げて準備を……。
「ワイバーン君にはどこに行けば会えるんだい?」
 彼らの背後から、あっけらかんとした楽しげな声。言うまでも無く、小鬼の言語ではない。
 人間たちの扱う言葉に警戒し、得物の切っ先を向けた先には、黒い、竜のような姿。
 ドロンゴン・コーフィー(泥の竜頭・f04487)は彼らの返事を待つ。
 その手には槍だ。串刺しになったゴブリンが、彼の機嫌のままに揺れている。
 クキッ、ギキッ、と声を掛け合い、お前が先に行けと押し付け合うゴブリン達の姿を見れば、自身の求める解が得られないとわかり、もう一つの手に持つ大剣にて薙ぎ払って小鬼どもを肉塊に変える。
 恐怖を振りまく大剣の一撃に戦々恐々と、或いは散り散りに、或いは得物を手にドロンゴンに襲い掛かる。
「ま、いいや。教えてくれてもくれなくても、みんなに、プレゼントだ!」
 ドロンゴンの腹が膨れ、次の瞬間弾けるように口から粘体の塊が吐き出される。
 異常な質量を持つ『重いご褒美(ヘビー・スイート)』は僅かにでも被ったゴブリン達を押し潰し、華奢なその体をめきめきと音を立てさせ、森の大地の一部に変えてゆく。
 彼らへの問いは暇潰しだったとでも言わんばかりに興味も無く、飛竜の肉に想いを馳せながら森を突き進む竜の影。
「プルリン君もデロリスさんも楽しみだよねー。ドラゴンのお肉」
 まるで得物が生きているかのように、自身の大剣と槍の名を呼んでいたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
ワイバーンッ!ワイバーン肉!異世界の未知の食材!
何と心躍る響き…

猟兵やってて本当に良かったと思えるこの瞬間
ありがとう蛮族さん!

だが、浮かれてばかりはいられない
せっかく頂くワイバーンの命、無駄にしてはいけない。

ワイバーン肉に適した調理法は?

肉以外に可食可能な部分は?

モツは?目玉は?骨は?血は?

あッ!肉食うなら酒も用意した方が…

いや…異世界の肉は異世界の酒でという手も…?

くっ…ここで
【緊急シナリオ:異世界の美味い酒を探せ!】
が発生するとは…。

「ふっ…タフな仕事になりそうっすね」





…え?ゴブリン?
野菜サンドでも食って殴り倒す方向で?


               ※アドリブ歓迎



・彼もまた異世界飯を求める者

 秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は異世界の出身者。
 見る食物全てが目に、鼻に、舌に、新しい食材であり、猟兵としての生き甲斐としていた。
 転送の前にワイバーンの絵を拝み、ギリギリまで情報を得た軍犬の、異世界食に対する精神は高まりっぱなしだ。
 だが、浮かれてばかりはいられない。
 せっかく頂くワイバーンの命、無駄にしてはいけない。
「ワイバーン肉に適した調理法は?」
 普段ならば装備品として加工される部位の多い飛竜。
 人里を襲う前にある程度の力を蓄える為、比較的狩りが簡単な獣を狙う。
 今回の場合、旅人の止まり木に存在するケモノを喰らい、その身を肥えさせているだろう。
 焼いてよしッ! 煮てよしッ!! 刺身はちょっと危ないッ!!!
「肉以外に可食可能な部分は? モツは?目玉は?骨は?血は?」
 熱を加えれば食える何でもイケると、偉人が言う。
 だが、異世界ならではの調理法もあるかもしれない。
 自身の世界の調理法も試せるかもしれない。少し素材を分けて貰おうか。
 モツ食の文化はあるのか。飛竜骨のスープはどのような出汁を出せるのだろうか。
 ブラッドソーセージなるものもあるという。この世界の加工技術では可能だろうか。
 調理する妄想だけでも多幸感が脳を支配する。
「あッ!肉食うなら酒も用意した方が……」
 いや、異世界の肉は異世界の酒でという手も……?
「くっ……ここで【緊急シナリオ:異世界の美味い酒を探せ!】が発生するとは……!」
 そのシナリオはとりあえず、サブシナリオとして後回しにしよう。
 道中、何度か引き返しそうになるが、新鮮な肉を食らう為に一刻も早く辿り着かねばならないと、その足を森林奥へ戻させる。
 最終的に準備をして待っているという男をアテにするしかないかと、野菜サンドを齧りながら歩を進める軍犬。
 野菜サンドだけでは、道すがら蹴散らされるゴブリンに対する『フードスペシャリテ・フルコースモード』も、雑になろうというものだ。
 或いは走るだけの彼に跳ね飛ばされた小鬼も存在する事であろう。
 見掛けた先からテンションのままに殴り倒された小鬼も存在する事であろう。
 森に増え続ける理不尽に、ゴブリン達はその数を確実に減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最上・空
【WIZ】

噂の美幼女参上です!
ゴブリンなど、空の美幼女力で蹴散らしてみせますよ!

数が多そうで肉薄されると、ムサ苦しい上に
絵面が良くないですし、美幼女の空には当然お触り禁止ですので

倒す事より当てる事と接近させない事を重視し
【ウィザ-ド・ミサイル】を「高速詠唱」して、とにかく連射します!

接近を許した場合は、「属性攻撃3」&「衝撃波1」で
風を起こして吹き飛ばせないか、試みてみますよ。

「うわぁ……予想以上にムサ苦しい光景です」
「先手必勝!撃ちまくりなのです!」
「お触り禁止なので吹き飛んで下さい!」
「コレでまた空の美幼女力に磨きがかかりますね!」

※アドリブ歓迎



・美幼女、参上!

 ――以上、報告。
 顎が外れんばかりに、あんぐりと口を開けるゴブリンたち。傍から見る分には面白い。
 ワイバーンに護りの堅い集落や町を襲わせ、あとは甘い汁を啜るだけの筈であった彼らは確実に掃討されつつあり、群れと呼べるようなものは今ここに集うものだけである。
 杜撰な計画が打ち砕かれた彼らのもとへ、木洩れ日が挿し込む。
 やがてその光は揺蕩う枝葉の間を潜り抜け、小さな人影を照らしだす。
 神秘的な一連の流れを唖然として見守るゴブリンたち。救世主か……?
 乱反射する光がようやく晴れ、明確に映し出された姿を、彼らは見たり。
 切り株の上で木洩れ日のスポットライトを浴びながら、腕に「美幼女」と書かれた腕章を見せ付けてのポーズをキめる最上・空(美幼女・f11851)の姿が、其処にはあった。

「噂の美幼女参上です! うわぁ……予想以上にムサ苦しい光景です」
 Q.この状況を覆してくれる何かが現れますか?
 A.んなこたぁない。世界は無慈悲である。すべからく受け入れよ。
 ダメだ、詰んだ。小鬼たちの醜悪な顔ですら、表情に絶望を浮かべる事は可能であった。
 空の言葉は分からないが、意味が分からないことは理解できる。直感的に。生存本能で。
 ……生存本能が反応した理由は、嫌にでもすぐに解らされる事となる。
「先手必勝、撃ちまくりなのです! 美幼女力展開……ウィザ-ド・ミサイル!!!」
 宙に展開される美少女力、もとい炎の矢。その数70。
 高速詠唱により絶え間なくばら撒かれた炎に焼き払われ逃げ惑う、ゴブリンの残党。
 空を魔法使いと見たゴブリン数体が足を刈りにかかるも、炎を纏ったお触り厳禁ウェーブが彼女を守るように拒絶し、弾き飛ばす。
 結局切り株のステージの上で一舞台を終える頃には、小粒になるほど遠くまで逃げたゴブリンが、数体残るのみ。彼らもじきに、一般冒険者にでも退治されることであろう。
「コレでまた空の美幼女力に磨きがかかりますね!」
 テンションを切らす事なく胸を張り、ウィザードロッドをくるりくるりと回しながら、空はその場を立ち去る。
 行先は次なる舞台。それは彼女と、彼女の美幼女力のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 理不尽たちが足を生やし、歩いてくる。
 その気配は、真っ直ぐに己のもとへと向かってくる。
 赤鱗の翼竜は其れでも悠々と、数多の冒険者を屠った種族の貫録を伴い、待ち構えていた。
 一鳴きすれば森林一帯の動物を震え上がらせ、翼を羽ばたかせれば邪魔な木々を薙ぎ倒し、硬質の尾をしならせ振るえば容易く岩石を砕く。
 数名程度の力あるものならば、未だ万全にあらずとも狩り尽くしてくれようと。
 其処ら中に貪られた死骸を晒す、獣たちのように。
ドロンゴン・コーフィー
よーし、次こそドラゴン退治だね!?
やっちゃうぞー。
今日はプルリンくんの願いを叶える一歩でもある。
さあ、竜を超える時…うわーっ、ワイバーンだ、カッコいいなぁ僕も飛行形態出来るかな、デロリスさん!?(支離滅裂)


空にいる?僕らには関係ないね!デロリスさん(ドラゴンランス)を囮に、
【闇夜を穿て、我が身は竜槍】プルリンくん(鉄塊剣)をメインに(でも槍っぽい)突撃形態に変身!
「改め!僕らは今、竜を斬る為にある。見せたげるよ、屠龍の一振りを!」
「プルリニック・スラーッシュ!」
直上へ突撃して、返す刃で上から攻撃だ。

ワイバーンくん、キミの強さを見せてくれ。キミの美味しさも教えてくれ。

アドリブ歓迎。



・狩猟スタート

 時には空の王者と形容される、アックス&ウィザーズの強者であるドラゴン。
 ワイバーンはその亜種であれど、強力な攻撃手段と飛行能力を具えていた。
 彼の住処であり、狩場でもある旅人の止まり木に辿り着いた、猟兵一行。
 だが翼竜の姿は、既に空に在り、金色の瞳に得物を映しながら一帯を囲うような円を描いて悠々と飛び、狙いを定めている。
 竜鱗を擽る程度の矢を放つか? 吹けば消し飛ぶような魔法を唱えるか?
 その瞬間に喰らい付いて――。

 ふと、一行の内でも一際異彩を放つ、二足歩行の黒竜のような姿が目につく。
 ……何やら拳を作って、しゅっしゅと此方へ向けて振っている。挑発のつもりか?
 地を這う虫けらに等しい下等生物ごときが、と、目付きを鋭くした矢先だ。黒い影が勢いよくワイバーンの真横を通り抜け、太陽を背にして自身の上を取る。カラスにしてはあまりにも大きい、その正体は。

「やったよデロリスさん!僕らドラゴンより高く飛べちゃったよ!」
「……グガァッ!?」
 ドロンゴン・コーフィー(泥の竜頭・f04487)の『闇夜を穿て、我が身は竜槍(ドロンゴニック・ストライク)』による突進形態であった。ふざけるなと、怒りと戸惑いが混じったような、ワイバーンの鳴き声が彼の領域であったハズの空に響く。
 流石の飛竜の知恵も、未知には届きようがない。
「改め!僕らは今、竜を斬る為にある。見せたげるよ、屠龍の一振りを!」
 ましてや異界の非常識が空を飛んできたとなれば、それも仕方のない事か。
「プルリニック・スラーッシュ!」
 振り下ろされる屠龍刀プルリンの一撃。脳天への直撃はワイバーンの角が守りはしたものの、彼の角は破壊された。脳を揺らされバランスを崩され、翼竜は大地に落ちてゆく。
 下の方では囮を演じていた粘竜槍デロリスがゲル状に戻り、ぷるぷると揺れて、見事な一撃だと喜び?を表していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
●ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、
高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。
初撃を外すと次も当たらない。

毒を帯びた尾による突き刺し

   毒を帯びた尾

     毒?

「お前ッ!河豚かよぉッッ!!」

まさかの毒持ち高難易度食材

あの?自分の料理スキル2なんすけど?

いや!蛮族さんなら蛮族さんなら
何とかし…料理スキル0だと?

「ふッ…これはフードファイターとして
 新たなステージへと駆け上がる試練という訳っすね?」

いいだろう、ワイバーン!貴様の毒、攻略してくれる!
戦闘的な意味でも食材的な意味でも!

手始めに貴様のワイバーンダイブ
カウンターで撃墜してくれるわッ!

※アドリブ歓迎



・異世界食材との邂逅

 一方、秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は、改めて事前に得た情報を噛み締めていた。言うまでもなく、食材としての扱い方を。
 悠々と空を舞うワイバーン。その揺れる尾を見詰め、テールスープもいいな、と。
 ……はて、何か引っ掛かる。たしか聞いた話では、急降下による一撃で怯んだ相手を、 毒帯びた尾先による突き刺しで仕留めに……。
 毒を帯びた尾による突き刺し。毒を帯びた、尾。……毒?

「お前ッ!河豚かよぉッッ!!」

 軍犬の中のワイバーンテールスープ調理ミッションの中に、米印の後に、ただしワイバーンの尾は毒を含む、の一文が追加された瞬間である。軍犬の悲鳴が森にこだました。
「いや待て、蛮族さんなら、蛮族さんなら……」
 お世辞にも、料理が得意そうに見えない外見とノリをしていた気がする。彼の記憶の中の男が、歯を煌めかせながらのマッスル・スマイルを浮かべた。スクワットもし始めた。
 現地民補正で何とか!知ってる風だったし!それでも少しは覚悟しておこう。

「ふッ……これはフードファイターとして、新たなステージへと駆け上がる試練という訳っすね? いいだろう、ワイバーン!貴様の毒、攻略してくれるッ!!!」
 きっ、と空を睨み付ける。……眼前近くまで、ワイバーンが迫っていた。
 咆哮というよりは、苦しむような鳴き声を上げているような気がする。
 ワイバーンダイブとかいうやつに違いない。実際は墜落半ばだったのだが。
 食へのテンションのままに、軍犬の拳が頭部に放たれる……が、先の野菜サンドだけでは『フードスペシャリテ・フルコースモード』による力が足りない。唐突だったという事もあってか、完璧なカウンターとまではいかずとも、多少怯ませるには十分であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エダ・サルファー
(ゴブリンの惨状を見て)
……ちょっと蛮族蛮族しすぎちゃったかも?
もうちょっとだけでも聖職者感を出すべきかしらん……?

それはともかく、メイン食材だ!
確かにこのあたりの空にお前に敵う者はいなかったのだろう。
だが!鍛えた肉体と深き信仰は、空を行くお前にも届くってところを見せてやろう!(申し訳程度の聖職者アピール)

……とは言ったものの、飛んでる間はなかなか攻撃しづらそうだよねぇ。
となれば正攻法だけど、降りてきた隙を逃さずに格闘戦を挑もう。
うまく組み付けたなら、そのまま聖職者式脳天逆落としで地面に叩きつける感じで。
あ、これ結局蛮族ムーブだわ。

※アドリブ歓迎



・信仰(物理)

 道中、ちょっとばかり蛮族蛮族バーバリアンし過ぎて蛮族な気分から戻ってきたエダ・サルファー(ドワーフのクレリック・f05398)は思い悩む。何かもう打ち捨てられたかのように、ゴブリンたちの残骸があちらこちらに転がっていたからだ。
 もちろん、彼女だけが起こした惨状ではないのだが、それでも一応聖職者だし、と。
「もうちょっとだけでも聖職者感を出すべきかしらん……?」
 彼女の信仰。それは厚く、深く、古くから慕われる土着信仰に対する――。
「それはともかく、メイン食材だ!ワイバーン肉だッ!!!」
 然しながら、教義はとても緩かった。ゴブリンは、ふわっと犠牲になったのである。
 鍛えた肉体と深き信仰が空行く翼竜にも届けば、少しは聖職者らしいだろう、と。
 心なしか気合の入れ方が、何かと被った。

 彼女が現地で遭遇したのは、半狂乱となり大地で暴れ回る翼竜の姿。狙いの定まらない尾の一撃が木々を薙ぎ倒し、耳をつんざくような怒りの咆哮を上げている。
 他の猟兵たちが、既に戦闘を行っていたのだろうか。
 怒り狂ってはいるもの、地に下りてさえいればこちらのものだ。 

「!? 何だかよくわからないけれど、チャンス!」
 食物として獲物を狩る際、隙は逃さず、確実に仕留める。それこそが慈悲である。たぶん。教義にも書いてありそう。拳を握りしめ、手甲を構える。
 1メートル程度の小柄な彼女からすれば、その体格差や計り知れない、が。
「ギャロロロギィァァ!!!」
 未だ朦朧とする中で無差別に狙うような翼竜の爪撃はいなされ、尾撃は手甲で受け流され、着実にその間合いをエダに縮められる。
「――掴んだ!これがっ、私の信仰っ、だぁぁぁっ!!!」
 自身の腕で囲い切れないほどの脚を捉え、大いなる大地を踏みしめ、ワイバーンの巨体を振らせながら……祈りを込めた跳躍式バックドロップにて、角が失われた頭を地に叩き付ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 ……しん、と、森は一瞬、静寂を取り戻す。だが。
 枯れ木や木の葉を舞い上げながら、赤鱗の翼竜はその巨体を起き上がらせる。
「フシュッ、シュルルル……」
 その瞳は据えられ、これまで容易く噛み砕けたような獲物に対するものではなく、明確な外敵を見詰めるような力強く冷静な、狩猟者の眼差しをしていた。
最上・空
【WIZ】

殺伐とした森林に美幼女降臨です!

……あのー 何やら既にワイバ-ンさんが激おこぷんぷん丸で
殺意ビンビンなのですが、帰って良いですか?

皆さん、執拗に頭部狙いをしているみたいですし
今ならダメ-ジが蓄積して、ふらふらで動きも鈍ってそうなので
空は翼に「高速詠唱1」で【ウィザード・ミサイル】を連射して飛行能力を奪ってみようかと思います。

ちなみに急降下して突っ込んで来たら、空も頭部に攻撃を集中してみますね
えぇ、折角ですので空気を読んでみますよ-

「アカンです、あの眼はお遊びは終わりだ!的な眼です!」
「かかりましたね! 空も実は最初から頭部狙いだったのです、翼狙いはブラフです!」

※アドリブ大歓迎



・ナッシングシリアス

 ドラゴンの亜種でありながらも、翼竜としての貫録を保とうとするワイバーン。
 偶然なほどに積もり続けていた、頭部へのダメージ。若干、涙目である。
 力強く冷静な眼差しとはいったものの、堪えているように見えなくもない。
 お怒りなのは確かだけれど。

 空気が張り詰める中で戦闘再開の口火を切ったのは、木々を紅く照らしながら無造作に無遠慮に飛来する、大量の炎の矢。
 それらは爆音を幾重にも重ねてワイバーンの翼に着弾し、その皮膜を焼け焦がした。
「ガァァァァ……ッ!!!」
 不意打ちにダメージ以上の怒りを買い、辛うじて収めていた怒気を露わにして、翼竜が咆哮を上げた。一帯の木の葉が、ざあと音を立てる。
「殺伐とした森林に、美幼女降臨です!」
 最上・空(美幼女・f11851)のキメ台詞が聞こえる。
 ……遠い。ちょっと遠い。かなり離れてのキメ台詞。スタンバっていたのだろうか。
 彼女の目論み通りに飛行能力を多少なり奪えはしたが、代償にワイバーンのヘイトが急上昇し、何が何でも殺る、と言わんばかりに空を睨みつけていた。あっ、涙。
(「……あのー、何やら既にワイバ-ンさんが激おこぷんぷん丸で殺意ビンビンなのですが、帰って良いですか?」)
 逃がすかと言わんばかりにひり付く翼を広げ、低空飛行でワイバーンが迫る。
 ファイナリアリティぷんぷんドリームまで達していたワイバーンが、咆哮による衝撃波を連発し、邪魔な木々を倒しながら空に迫る。真っ直ぐに、一直線に。

「か、かかりましたね! 実は最初から頭部狙いだったのです、翼狙いはブラフです!」
 美幼女力、展開! 再びの高速詠唱。声を震わせながらも、炎の矢を生成させた。
 彼女の追撃のウィザード・ミサイルが、怒り心頭なワイバーンを打つのは確かに容易かったのかもしれない。四方八方に放たれた炎の矢が、頭部へ収束してゆく。
 実際に避ける気の無いワイバーンは、爆風を以て炎の矢を弾き続け……。
 ぼごん。流石に75の矢は凌ぎきれなかったようだ。数発がモロに当たる。
 若干仰け反るワイバーンが鳴き声一つ上げずに、加速した。
「アカンです、あの眼はお遊びは終わりだ!的な眼です!」
 一時撤退。彼女は暫くの間、追い回される羽目となる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・ハルトマン
…なにやら愉快な事になってるみたいだね?

ドラゴンはファンタジー料理の定番だと彼(体担当)から聞いて来てみたんだけど、いやぁ最近の若い子ってすごいなぁ。

と、傍観しているだけでは怒られてしまうから、そろそろ手助けしようか。

【リザレクト・オブリビオン】で呼んだ死霊蛇竜くんにワイバーンを任せよう。竜種ならプライドの高い相手はすぐに反応するだろう。
出来るだけ粘って貰って、蛇竜くんがピンチになったら待機させていた死霊騎士くんにサポートさせるよ。

頭に血が上ってると周囲なんて目に入らないからね。騎士くんが攻撃するまで存在に気付かないだろう。

うん?私は余波が飛んでこないように離れた所で見ているよ(のほほん



・傍観者

「……なにやら愉快な事になってるみたいだね?」
 クローネ・ハルトマン(ヒーローマスクの死霊術士・f11617)は自分の体として使っている彼、体担当へ何気なく口にする。
 体担当に、ドラゴンはファンタジー作品における料理の定番であると聞きながら、依頼で足を運んだクローネ達は、翼竜に追われる少女を見てしみじみと感心していた。
 ワイバーン狩猟の最中なのだろうか。若いのに逞しいなぁ、と。
 悲鳴らしき声が聞こえなくはない。
「おっと、傍観しているだけでは怒られてしまう。そろそろ手助けしようか」
 クローネはそう言いながらネクロオーブを手にし、『リザレクト・オブリビオン』を発動させる。宙に召喚された二体の死霊がその姿を歪め、形を変え、生前の姿を模りはじめた。
 一つは死霊蛇竜。巨躯を以て地を食らう、竜種の一種か。
 一つは死霊騎士。かつては名高き者だったのだろうか、その手には槍を持つ。
「さあ行っておいで、死霊蛇竜くん。竜の名を冠していたんだ」
 翼竜のプライドを刺激し、少女一人助けるぐらいは出来るだろう、と。

 ワイバーンがいよいよ少女を射程に収め、その爆風を以て捕らえに掛かろうとしたその刹那、落ち葉に紛れながら爬行していた死霊蛇竜が、翼竜の首を締め上げる。
 希薄である霊体では決め手に欠けはしたものの、主の命を達成するには十分だ。
 あの女こそは逃がさまいと、蛇竜を力尽くで剥がし叩き付けようと、死霊騎士の幽体槍が竜鱗の薄い脇腹を突き刺し、それを退けたとしても蛇竜が戻り食らい付く。
 生無き者らの絶え間ない連続攻撃に、ワイバーンは残された体力を削られてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
「野菜サンドだけじゃ、無理っすね…」


ワイバーン肉が楽しみすぎて肉を控えたのは
失敗だったかと思いつつ
懐から新たな料理を取り出す軍犬。

「マッシロマツタケの炊き込みご飯おにぎり~♪」

説明しよう!この料理は
アックス&ウィザーズの冒険を一つ乗り越えた末に
GETした希少食材マッシロマツタケを使用した
冷めてなお胃袋をガツンと刺激する芳醇な香りと風味が
すんばらしい一品である!

「本当はワイバーン肉と一緒に食ってみたかったすけど」

他の猟兵の攻撃でひるんでる隙に
素早く口に放り込み戦闘態勢を整える。

そして狙うは頭部…と見せかけて翼
頭部への警戒心が上がってる今なら成功する目も…?

「お前の飛行能力…封じるっす!圧力拳!」



・食への探求者

「野菜サンドだけじゃ、無理っすね……」
 目前に迫ったごちそうの為に、力を出し渋った事を後悔する(悪徳フードファイター・f06631)。その手には白米の握り飯。
 ……否、違う。山地に存在する独特の芳醇な香りを放つそれは――。

「マッシロマツタケの炊き込みご飯おにぎり~♪」

 同世界の片隅に存在するカラーム村。その近隣でごく限られた期間でのみ採取される、マッシロマツタケと呼ばれる希少食材の一つ。
 名の通り、根から先まで真っ白な茸。それを混ぜ込み作られたおにぎりだ。
 怒り狂ったワイバーンの後を追い続け、獲物を目視するなり、それを口に放り込む。
(「本当はワイバーン肉と一緒に食ってみたかったすけど」)
 さぞかし良いおかずになっただろうか。惜しみながらも食らった。
 生憎と味わう暇はなかったが、咀嚼の度に広がる風味が戦闘力を急向上させる。

 二体の死霊を散々相手にし、ようやく解放されたワイバーン。息も絶え絶えだ。
 ……一度退かねば。最近の人間どもは、どうなっているのだ。
 そう重々しく翼を広げ、逃げの一手に意識を向けたその時を、軍犬は逃さない。
「お前の飛行能力……封じるっす!圧力拳!」
 跳躍と共に、翼の付け根を狙うべく放たれた、『圧力拳(プレッシャークッカー)』。
 拳撃で軋んだ先から内部で破壊される確かな手応えを、拳で感じる。
 翼竜は枯れたような鳴き声を最期に上げ、土埃を巻き上げながら大地に沈んだ。
 その金色の瞳は光を失い、二度と飛び立つことなきを知らせていた。

 ここに、ワイバーンの狩猟は成ったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ごゆるりキャン△』

POW   :    気合で食材を調達

SPD   :    すばやくテントや装備を展開

WIZ   :    のんびりりらっくす

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・旅人の止まり木にて

 森の開けた場所で焚き火を囲い、猟兵一行はキャンプの準備を始めていた。
 諸々の道具は後からやってきた大男が、荷車ごと担いで運んできたらしい。
 一行が彼に荷物を頼んでいたならば、可能な範囲でそれらも其処に存在するだろう。
 噂を聞き付ける、或いは何らかの手段で知らされた猟兵が集ってもいい。

 辺りは幻想的に灯る青蛍の蒼い明かりに満ち、彼らの住処でもある大きな泉からなる池では魚か何かだろうか、ときおり水を小さく跳ねさせている。
 小動物たちは初めてに近しい脅威に恐れているのか、ほとんど姿を見せていない。
 その数も随分と減らされてしまっただろう。

 ともあれ、ワイバーン肉は既に鉄網の上で焼かれ始めている。
 肉汁が滴り落ちては炭の上でじゅうと焼け焦げ、その度に上る煙からは舌に乗せずとも解る、肉の風味が含まれていた。
 肉自体は鶏肉に近しい食感であり、臭みもほとんど無いわりに、一噛みする度に肉汁が溢れ舌の上で踊るようなジューシーさがあるという。
 猟兵たちシンプルに塩だけで口にしてもよいし、己の食べ方、異世界の仲間が持つ食べ方を与って、まだ見ぬ地への食に対する想いを深めても良い。
 余った素材や部位に関しては、各々の報酬として受け取っても問題は無いだろう。
秋山・軍犬
・既に焼かれている肉を味見&楽しむ。

・無理のない範囲で気合で食材を調達(野生の勘+情報収集)
 「ヒャッハー!食材調達の時間っすよー!」

・(野生の勘+情報収集+料理+)フードファイターの経験で
 ワイバーンの尻尾の(毒の除去?)調理に挑戦
 ※失敗・成功の判定と何が出来上がったかはお任せします

・他の人が料理作ったら食べてみたいっす!
 宴を楽しむっす!

・迷惑にならない範囲で食材になりそうな部位を
 報酬として貰う。

「なんか戦闘より忙しい気が…でも、たーのしーっす!」

※軍犬は今回、尻尾の調理に
 注力します、その為なら気合で食材調達などは
 諦めるかもしれません。飯は食います。

※アドリブ大歓迎です。


最上・空
邪竜の魔の手から逃れた美幼女が満身創痍で登場です!

えぇ、本当に死ぬかと思いましたよ(涙目)
いくら空が美幼女でも、ワイバ-ンさんに執拗にスト-キングされるとは思いませんでした!
助けてくれた方には、空のサインでも差し上げたい気分ですね!

そういえば、逃亡中にキノコっぽい物を偶然手に入れたのですが
コレは食べられますかね? 空的にはレアな食材の気配がしますので
グラツェアさん確認をお願いします!

お肉の方は、ケチャップを持参しましたので、タップリとかけて頂きますね!

「あぁ……生き返ります、栄養が五臓六腑を駆け巡りますよ!」
「キノコはどうですか? 超高級食材でしたか?」

※アドリブ大歓迎


エダ・サルファー
さぁ実食だー!
まずは焼けた肉を塩で食べようかな?
その後は色々調味料を試したり、別な調理法も試してみたいなぁ。
森や湖の食材と組み合わせてみようか。
(食材調達に挑む)

しかし肉だけだとあれだな……、正直白飯が欲しい。
まあ白飯はグラツェアが用意してくれてるでしょ、多分。
お酒も欲しいところだけど、それは自分で準備してるから大丈夫。
というわけで実家で醸造したエールだ!(酒樽を出す)
お酒が飲める年齢の人たちは一緒に飲もうぜー!
……今私、この酒樽をどっから取り出したんだろうね?

折角だし、お土産にいくらか肉を貰っていきたいなー。
尻尾とか案外美味しそうだよねぇ。調理は難しそうだけど。

※アドリブ歓迎


ドロンゴン・コーフィー
やっ、たー!
ドラゴンのお肉だー!
ワイバーンと戦えてお肉まで食べられるなんて、グラツェラくんには感謝だよう。…お料理は任せたよ!

●WIZ
僕は料理わかんないから、のんびり見てようかなー。どんなものが出てくるのか楽しみ。今日はいい日だー。


けど、この世界は綺麗だねえ。宇宙船の中でも再現してる所はあったけれど、なんていうか、本物!って感じだ。

「わお、ステキなステーキ!じゅるり(口元のタールがトロける)
「……あーっ、僕まだそれ食べてないー、頂戴頂戴ー!
プルリンくんとデロリスさんにも分けたげなきゃ。


クローネ・ハルトマン
シレッと合流。

蛇竜くんも騎士くんもお疲れ様、と彼等を労いつつのんびりさせてもらおう。なにせ彼は人の輪に入るのが苦手だからね(※本体は友達いない歴が長い、3X代)
でも話しかけられたら対応はするよ。他の子の話も聞きたいし、大歓迎さ。

料理を勧められたら少し貰おう(食べる時はマスクを上にズラして口元だけ出す)
蛇竜と騎士くんにも食べさせて良いかい?
私より彼等の方が頑張っていたから、ご褒美に、ね。

ところで、食後のデザートはあった方がいいかな?
ちょうどいいものがあるんだ、みんな食べるかい?
ドラゴンフルーツって言うんだ。今の状況にぴったりだろう?


ラヴィ・ピーチローズ
★マリアドール・シュシュさんとの出会い希望

美味しいお肉が食べられると聞いてきましたが…
そういえば、キャンプは初めてです。
ドキドキですが、ワクワクです!(瞳きらきら)
あ、あの子も一人でしょうか?
(マリア嬢に気付き)
「私、ラヴィって言います。マリアさんと言うのですね!
私は14歳ですが…同い年なのねですねっ。
はい、勿論です!一緒にキャンプしたいです(にこ)」

(見よう見まねでキャンプの準備。経験不足は努力でカバー。
懸命にテントを張ったり。料理はマリア嬢にお任せ)
「うわぁ、マリアちゃん手際良いですね!」
(決めポーズに感動しつつ)
「とっっっても美味しいです!マリアちゃん料理上手ですね!」

※アドリブ大歓迎!


マリアドール・シュシュ
アドリブ歓迎
偶然出会った【ラヴィ・ピーチローズ】と同行
まず自己紹介

「まぁ!あなたのお名前とっても素敵ですのよ!
マリアと同い年なのだわ。マリアもキャンプは初めてなのよ。ねぇ、ラヴィ。一緒にキャンプしましょう?」

華水晶の灯籠を置き、ラヴィを誘いキャンプの準備
育て親は料理が出来たのでよく眺めていた
肉を焼くぐらいは出来る(怪しい

自信満々に肉の一番美味しい希少部位を焼く
焼いたらまず塩のみで謎の決めポーズで味付け
他は近くにあったハープを採取しすり潰して調味料作成
二種類をラヴィへ渡す

「料理はいつも…?…誰かのを見ていた、から」

BGM代わりに【シンフォニック・キュア】で疲れを癒す意味でケルト風の音楽調で歌う



・旅人の止まり木の自然食材

 ――宴の少し前。

「へー、そんな物も食材になるんすね」
 秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)は、ワイバーンの尻尾の毒抜きに挑戦しながら、血抜きを終えた翼竜を解体する大男より、食材となりうるものの情報を得ていた。
 例えば木に寄生し樹液を吸って成長する、アマカズラ。
 茎自体に甘みがあり、甘辛く炒めれば、調味料とは別々に甘みが際立つ。
 そういった素朴な物が多く、一帯ではレアリティの高い食材は無いそうだ。
 彼が今、手を加えている翼竜の尾以上に珍しいものなど、無いのではと。
(「早いところ処理しないと毒が回るそうっすし、持ち帰れるのは尻尾ぐらいっすかね」)
 だが、中には面白そうな話が1つ。淡い金色の放つ薄黄色のキノコの話だ。
 そうそう、丁度あのような。

「邪竜の魔の手から逃れた美幼女が、満身創痍で登場です!」
 意気揚々と特徴に酷似したキノコを手に駆け寄る、最上・空(美幼女・f11851)の姿。
 そのキノコ、通称ハゼダケ。小物は山の香りを宿したイイ風味を持ち、火で炙れば食べ頃を知らせる際にパチリと爆ぜて、茸の傘を裂けさせる。が、名の由来は別であり。
「空的にはレアな食材の気配がしますので……グラツェアさん確認をお願いします!」
 成長限界まで達すれば自ら弾け、胞子を飛び散らせて繁殖するということ。
 その際には、爆発寸前と言わんばかりに煌々と光る。とても光る。
 彼女が今持っている“それ”のように。
 グラツェラの目も光る。
「むゥン、マァッスル・チェェック。――アウトォ!!!」
 大男の叫びと少女の悲鳴。そして風船が弾けたような音が、夜の森に響き渡った。

「ただいまー……って、すごいことになってない!?」
「今日は厄日ですか! 空、何か悪いことしましたか!?」
 エダ・サルファー(ドワーフのクレリック・f05398)が採取から戻るなり、驚きを見せる。
 若干涙目になりながら衣装の所々に生えたキノコを毟る空の姿と、吹き飛んだコック帽の下の禿げ頭にビッシリとキノコを生やした大男が居れば、仕方のない事か。
 一帯に広がるふわっとした精霊的な力を吸い、程好い大きさになったハゼダケ。
 今夜のメニューが一つ増えた瞬間であった。大男のものは除いておこう。

 エダは苦笑いしながらも、ゴロゴロと拳大の、歪な根のような物が詰まった籠を置く。
 フタビアシというそれは、肉体疲労の回復に効果的なものであり、刻んだものを肉に塗して共に焼けば、肉の旨味を昇華させると言っても過言ではないという。
 再び足を運ばせるという回復力を持つこれは、此処で休む旅人のお供でもあった。
 これもまた希少性は薄いもの、ここ一帯では人気の食材だそうな。

 軍犬がワイバーンの尻尾の毒抜きを終え、調理を始める頃には日が傾き始める。
 皆が宴の準備を終える頃には、辺りは仄明るい蒼い闇で満ち始めていた。


・キャンプの準備と小さな出会い

 噂を聞き付けた一般猟兵たちは、キャンプ設営の準備を始めていた。
 異世界キャンプで美味なワイバーン肉という、肉食系には心躍るイベントへの参加。
 ラヴィ・ピーチローズ(天を駆ける白兎・f04606)も、その内の一人である。
 見よう見まねではあるものの、周りの教えもあってか十分に手伝えていた。
(「そういえば、キャンプは初めてです。ドキドキですが、ワクワクです!」)
 金属杭を叩く音を耳にすれば彼女の兎耳が立ってはそちらを向き、炭火が弾ければまた別を向く。全ての音が新鮮であり、忙しなく耳を動かしながら胸を躍らせる。
 ……ふと、近付く気配に気付き、視線を移す。
 その先にはまるでお茶会でもしに来たかのような、お嬢様らしい、ふんわりとした雰囲気を帯びた少女。場にそぐわない不思議な姿を、思わず見詰めてしまっていた。
(「あ、あの子、一人でしょうか?」)
視線に気付いた彼女は、手にする華水晶の灯籠を揺らしながら、ラヴィの元へ。

「あら。かわいらしい兎、さん?」
「はいっ、私、ラヴィって言います! ……あなたは?」
「まぁ!あなたのお名前、とっても素敵ですのよ! マリアはね、マリアっていうの!」
 マリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)もまた、キャンプ自体が初めてという。
 どこか人懐っこさを見せるラヴィに、にこやかに応じるマリア。
 同い年でもあった二人は自然と意気投合してゆき、この小さな宴を共に過ごそうと。
「ねぇ、ラヴィ。一緒にキャンプを楽しみましょう?」
「はい、勿論です! 一緒にキャンプ、したいですっ」
 一夜限りの幕間を共にしようと、二人の少女は笑い合った。


・実食! ワイバーン肉

 かくして宴は始まった。
 キャンプ地に空きっ腹を擽るような匂いが立ち昇り、火を中心に賑わいが広がる。
 荷車に積まれていた、肉に合う酒々が樽単位で運び込まれると、一般猟兵たちの成人組から歓声が上がり、酒で満ちた器同士を小突き合わせていった。
 
「やっ、たー! ドラゴンのお肉だー!」
 賑わいに混ざって無邪気にはしゃぐ、ドロンゴン・コーフィー(泥の竜頭・f04487)。
 亜種であっても本物の竜と戦い、本物の竜を口にできる機会を得られた今日を、グリモア猟兵の依頼という形に過ぎずとも、感謝していた。
 厚切りで焼かれる翼竜の肉を目にすれば黒いよだれ、もといタールを垂らしてしまう。
 肉に塗されたものが香ばしい匂いを放っているから、尚更か。
「わお、ステキなステーキ……あーっ、僕まだそれ食べてないー、頂戴頂戴ー!」
 翼竜焼肉を紙皿で受け取っては口に運び、彼の得物でもある生体武器、粘竜槍デロリスと屠龍刀プルリンとも分け合ってゆく。
 ゲル状の体となりドロンゴンの後をついてゆくデロリスは、体を伸ばして翼竜焼肉を吸収し、その肉体に宿した硬化能力の為に動けずにいるプルリンは、ドロンゴンに口元?へ運んでもらっている。
 武器となった彼らに味覚があろうとなかろうと、その良質な肉はさぞかし良い栄養となっただろうか。デロリスは肉を吸収する度に、その体をぷるぷると揺らしていた。

「けど、この世界は綺麗だねえ。なんていうか、本物!って感じだ」
 ワイバーンステーキを齧りながら、彼は夜景を見上げる。
 宇宙船の中で自然を再現している場所はあったが、直に触れるものはやはり違う。
 透き通った空気。満天の星空。木々の枝葉は風に揺れ、空から下りる星の光ですら、宇宙船からみるそれらとは違ってタールの身に感じさせ、どこか心地良さを覚える。
 星から見上げる光景は、こうも違うのだろうか。
「ワイバーンテールスープ、完成したっすよー!」
 ふと聞こえる、そんな声。
 とにかく今は、念願のドラゴン肉をお腹いっぱい食べよう。
 彼は二体を引き連れ、別の料理を求めてキャンプ地を回ってゆく。


・ビバ、異世界食!

 軍犬のワイバーンテールスープの調理は中々に時間が掛かったらしいものの、大きな大きな鍋いっぱいに作られたそれは、濁りも無く綺麗に完成されていた。
 味見だけでもフードファイターとしての力の向上を感じられたそれは、食に対する意味でも、依頼の達成感を強く得られる。
 大鍋に群がる猟兵達にスープを配っていた軍犬。食べる暇が無いなと思った時、大男が歯を煌めかせて役割を引き受け、おたまを片手にスマイルを浮かべる。
 会釈して離れた軍犬が御盆と皿を手にする頃には、各所の肉という肉が焼け頃だ。
 食べ放題。そんな看板が、あちらこちらに立っているように幻視できた。

 翼竜の焼き肉は甘辛いタレにしっかりと浸け込まれ、舌が米を求める程に濃厚。
 ワイバーンステーキは細かく切られようと、一噛みすれば絶えず肉汁を溢れさせる。
 ハゼダケの串焼きはシンプルながらも香り高く、塩を振るだけで十分な味を示す。
 自作のテールスープは一息つくのに丁度よい。薄味ながらも、出汁が効いている。
 各世界の猟兵が各々の味付けを出し合い、宴というよりは、お祭りとなっていた。
「なんか戦闘より忙しい気が……でも、たーのしーっす!」
 今日は限界まで食らい尽くしてやろうと、異世界食をエンジョイする軍犬。
 自分へのお土産となるワイバーン肉も尻尾も、確保済みだ。
「次はどんな食材に巡り合えるっすかね」
 彼の異世界食の旅は、終わりを知らず。
 包まれた肉をぽんと叩き、次なる食材を想いながら、期待に胸を膨らませた。


・ドワーフといえば

 肉、米、肉、米。
 焼肉が白米を支配する。否、見事なまでの調和を感じさせる。
 炒められたフタビアシの細切れを焼肉に乗せて口に運べば、白米が加速する。
「肉にはやっぱり、白米だよねぇ……」
 エダはしみじみと肉を噛み締め、味が広がる度にコメを掻っ込んでいた。
 最初は皆と同じように回っていたが、グラツェラに聞いたところ、炊き立てラァイス……が存在する事を知る。HANGOで炊かれた其れはふっくらつやつや、おこげゼロ。
 是非にと言えばどんぶり一杯の白飯を受け取り、今に至る。
 様々な世界から持ち寄られた調味料を試しながら、のんびりと満喫していた。
 塩、タレ、ポンズ、エスニックなペースト、エトセトラ。

「さあって!」
 どんぶり最後の一口を終えるなり、立ち上がるエダ。
参加者の荷物用の荷車に積まれていた、自身の背丈ほどあろう大樽を手に取り、呑兵衛連中の集う場所へと駆け込み、豪気な様を見せ付けながら笑う。
「お酒が飲める人たちは一緒に飲もうぜー!」
 それは、彼女の実家で醸造されたエール。筋肉便にて運ばれたものだ。
 そんな小さな体で飲めるのかいと、冗談交じりに笑う酒飲みの一人。
 対して得意げに笑い、拳を突き出すエダ。
「おっ、上等だよ。だったらいっちょ、飲み比べといこうじゃないかい!」 
 酒飲み猟兵、一番勝負。得物は木製大ジョッキ。
 勝てど負けれど涙無し、呑兵衛ならば笑い飛ばせ!
 なみなみと注がれたジョッキを手に、二人の猟兵が勝負を始めた。
 泡髭を作りながら傾けて、先に飲み干した方は勝鬨を上げて、器を逆さにする。
 エダが勝つなり歓声が上がり、それからはもうただの飲み会だ。
 美味い肉を口にしながら、実家の味を感じると、ふと考える。
(「実家のお土産に、この肉いくらか貰えないかなー」)
 喜ばれるだろうかと想像し笑いながらも、騒ぎの中心で酒を呷るエダ。
 酒飲み連中の宴は、夜が深まってからが本番だ。
 後日にでも大男に言えば、お土産の肉を包んでくれることだろう。


・たのしい思い出

 楽しい記憶の中にある、誰かが料理をする姿。
 一生懸命に観察して、時には焼くぐらいのお手伝いはできていた、ハズ。
 希少なお肉は高い。高いお肉は美味しい。美味しいなら焼くだけでOK。
 自分にもできると、自信たっぷりな動機はそんなところだろうか。
 そんな彼女、マリアはワイバーン肉の希少部位を確保し、熱帯びた鉄網に乗せる。
 それだけでも十分に美味しそうな匂いが上がるのは、流石は希少肉といったところか。
「うん、これならきっと大丈夫だわ!」
 ここ、喧騒から少し離れた場所にある簡易調理場は、ラヴィが作った小さなもの。
 火もおこせているし、借りた網もバッチリセット済み。
 乗ったお肉も、いい感じに音を立てて焼けている。
 焼き色が少し付いたところでマリアは皿に移し、なにか、こう、肘を下へ突き出すよなポーズをとりながら、一摘まみした塩を皿の上から少しずつ、指を擦り合わせて落としてゆく。
 その間、ずっとドヤ顔であった。
 ラヴィはその一連の流れを、きらきらとした瞳で見守っていた。

「うわぁ、マリアちゃん手際良いですね!」
「料理はいつも……? 誰かのを見ていた、から」
 おぼろげな記憶。誰かはハッキリと思い出せないけれど。
 きっと、こうしていた。肉と一緒に持って来た香草を磨り潰し、合わせる。
 二種類の調味料。あの人が焼いたものを、これと一緒に――。
「――とっっっても美味しいです!マリアちゃん料理上手ですね!」
 そんなラヴィの声で、我に返るマリア。
 そこには頬一杯に肉を頬張った、彼女の姿。思わず笑みをこぼしてしまう。
 全てを憶えてはいないけれど、楽しい記憶の中に残された料理だから、笑顔にできた。
 食事を終え、キャンプ設営の手伝いで疲れたラヴィを労おうと、マリアは歌い始める。
 森に溶け込むような、自然を歌にしたような 『シンフォニック・キュア』。
 今日の記憶はとても楽しいから、きっと憶えていられる。
 歌に聞き入って目を細めるラヴィを見詰めながら、そう信じて。


・仮面とコミュ障と美幼女と

「えぇ、本当に死ぬかと思いましたよ。いくら空が美幼女でも、ワイバ-ンさんに執拗にストーキングされるとは思いませんでした! あ、サイン要ります?」
「ははは。それはまた、災難だったね」
 クローネ・ハルトマン(ヒーローマスクの死霊術士・f11617)は空に勧められたワイバーン肉の串焼きを口にしながら、彼女の話を聞いていた。
 ワイバーンに追われていたところを救われたお礼を兼ね、皿一杯に肉を運んできた空自身もまた、それを食べてうっとりとしている。彼女の皿の肉は、ケチャップに沈んでいた。
「あぁ……生き返ります。栄養が五臓六腑を駆け巡りますよ!」
 あ、死霊さんたちも食べます? そう言い肉を差し出せば、彼らも口にしてゆく。

 クローネの仮面の下の彼は、苦笑いでもしているだろうか。
 クローネは最初、興味のままに宴に混ざろうとはしていたが、いかんせん友達居ない歴が長い体担当が拒否反応を起こし、已む無く少し離れた席で過ごしていた。
(「まあいいさ。彼等を労うには少し、あの場所は活気が過ぎる」)
 ワイバーン戦で体を張った死霊蛇竜と死霊騎士を労うには、ここが丁度いい。
 くつくつと笑いながら死霊を撫ぜていると、彼女が来たというわけだ。
 小柄な十歳である彼女の前に、三十路である本体の焦りを感じる度に、仮面が笑う。
 事案だとか冤罪だとか、そんな念が伝わってくるようだ。

「ああ、ところで食後のデザートはあった方がいいかな?」
 ドラゴンフルーツという、さっぱりとした甘みをした果実を手に、彼は言う。
 肉々しいものばかり食べていたならば、丁度いいデザートとなるだろうと。
 肉を口一杯にしているために喋れない空は挙手し、死霊たちも言葉を出さずに頷いた。
 果実を切り分ける間、美幼女から飛ぶマシンガントーク。
 体担当には気の毒だが……。
(「たまにはいいだろう?」)
 そう問えど、体の苦悩は絶えない様子。
 喧騒から離れた場所での、静かで賑やかな宴。暫くの間は、愉しめそうだ。


・その後

 猟兵一行はテントの回収、キャンプの後片付けに走っていた。
 立つ鳥跡を濁さず。脅威の失われた旅人の止まり木は、何れは元に戻るだろう。
 ワイバーンの素材は必要な者に分けられ、各々の世界に運ばれる。
 思い出と共に、自身の世界へ戻ってゆく猟兵たち。
 大男は満足げにその姿を見送り、次なる“食”に想いを馳せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月15日


挿絵イラスト