アースクライシス2019㉑〜ミルキーピンクフィールド
●
「ヒーローズアースでの戦い、お疲れさま!」
グリモアベースを日々出入りする猟兵たちを出迎えたのは、ポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)であった。
「さて、先程、ヒーローズアースのヒーローたちが、センターオブジアースの世界樹を支える様々な種類の鉱脈があることを発見したみたい」
実はね、とポノ。
「この鉱脈は『鋼神ウルカヌス』の神域のようよ。
神域内には、世界に存在する全ての鉱物の鉱脈が複雑に絡み合って存在しているようだわ」
鋼神ウルカヌスは、その鉱脈の中でも、最も純度が高い場所に座して、侵入者を迎え撃とうとしている状況。
「鉱物には色々な種類があって、この度、皆さんに行ってもらいたいのは『岩塩』が覆う地下空洞なの」
構成は単一、岩塩のみ。薄い桃白色の世界だ。
「鋼神との戦いは、熾烈極まりないものとなるかと思うわ。
欠片が沢山出るだろうから、無事倒せた戦後は採取も出来るだろうけれど――まずは、皆で力を合わせて戦いに勝つことを目標に。
鋼神は、必ず先制攻撃してくるから、その攻撃に対していかに防御して反撃するかの作戦が重要となるわよ――どうか、気を付けて」
岩塩に覆われた戦場ではあるが、岩塩という性質が敵に顕れているわけではないし、原初の神炎に至ってはあっという間に、場は炎の海と化すだろう。
「健闘を祈るわ――怒涛の一か月だったけれど、無事に終わったら、美味しい物を食べて思いっきり寝ましょうね。もうひとがんばり!」
そう言って、ポノは猟兵たちを送り出した。
ねこあじ
ねこあじです。
鋼神ウルカヌスとの戦いです。
プレイングボーナス
『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
(鋼神ウルカヌスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要となります)
大成功判定4~6人の採用予定。
プレ期間は、OP承認後に、リプレイ冒頭に記載します。
では、プレイングお待ちしています。
第1章 ボス戦
『鋼神ウルカヌス』
|
POW : 超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:あなQ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
====
一括採用予定です。
オープニング公開直後からのプレイング受付。
締切は(プレイングが来ていたら)30日午前9時となります。
====
ガーネット・グレイローズ
くっ、熱い。さすがは原初の炎と鋼の神だな。モタモタしていたらあっという間に炎に撒かれてしまう。ここからはスピード勝負だ! ヒーローカーBD.13に乗り込んで出撃。〈第六感〉で炎が発生するポイントを予測し、〈運転〉〈追跡〉技術で発生する炎を躱しつつ、ウルカノスに接近を試みる。
「この車も、貴方無しでは生まれてくることも走ることもなかったのだな」
「金属で出来た敵ならば、やはりこれが効きそうだな」
車の窓から身を乗り出し、サイキックブラストを叩き込む!
電撃で相手が一瞬でも動きを止めたなら、鋼糸を取り出して〈念動力〉で操作。鎧の継ぎ目などを狙って、糸鋸のように高速震動させた〈鎧無視攻撃〉をお見舞いするぞ。
亜儀流野・珠
よくもまあ今日まで隠れおおせたものだ!
だが見付かったからには覚悟しろ、鋼の神よ!
操るは火か!しかも恐ろしい火力だな!
ひとまず「金璧符」を地面に貼り壁を生成、前方・左右からの炎を防ぐ!
それ以外……上や裏など他方からの炎は己の【火炎耐性】を信じ耐えよう!
炎が薄い場所が有るなら薄い方へ薄い方へと次々移動だ!壁も随時生やす!
勿論いつまでもそうしてはいない。
炎は燃やすだけに非ず!
奥義「焔弾」の爆発にて前方付近の炎を散らす!
晴れた視界に奴を捉えたなら……次弾の「焔弾」は奴へ直撃させ爆破だ!
自慢の鎧と共に砕け散れ、鋼の神よ!
採取の余裕があれば岩塩を少し貰っていこう。
綺麗だから飾っておくのもいいかもな!
鵜飼・章
無事に戦争が終わって良かったなあ
おいしい岩塩が採れるって聞いて来たよ
わあ綺麗…えっ
何でいるのウルカヌスさん
【早業】の【逃げ足】で全力逃走し【時間稼ぎ】しながらUCで空気を読む
感じる…この世界の人々の
終戦を祝う空気を
平和を願う祈りを
僕は『次の行動』として敵を説得する
ウルカヌスさん…
きみ空気が読めてないよ
クライングジェネシスは倒れた
もう悲しい戦争はやめよう
その神の鎧は今ここに必要かな?
【言いくるめ/コミュ力/優しさ】
届けこの辺りの僕の想い
さあ武装は捨てて握手しよう
敵も味方もノーサイドだ
NO MORE WAR
BELIEVE THE FUTURE…
なんて言うと思ったか
魔導書から出した恐竜を頭上に落とす
木元・杏
岩塩の薄白桃色の世界にそびえ立つ鋼の神さま
岩塩は料理に使うもの
ここで戦いは似合わないから
ん、しっかり料理する
気合いを込め、戦闘知識を活かし鋼神を目視し情報収集
第六感も働かせ変化する部位を即座に判断し超高熱から逃げる
フェイントも入れジャンプで回避し、岩々をオーラで拠点防御を施して足場確保
こっちよ?
逃げ回って時間稼ぎ
その間にうさみみメイドさん、地を駆け早業で接近しジャンプ
鋼の神さまは目が無防備、目潰して?
肩の空間を隠れ場所に攻撃は回避してね
反撃
メイドさんの攻撃で怯んだ隙に高速で死角から攻め込み
真正面から幅広の大剣にした灯る陽光の斬撃で鎧無視攻撃
致命傷与えずとも
鎧を割れば他の皆の攻撃も通り易くなる
泉宮・瑠碧
炎は、怖いが
僕に出来る事を
…水と氷の精霊達、どうか守って
基本的に距離は置く
超高熱の金属は見える範囲なら飛び退ったり
三角跳びや横へステップ等の見切りで避け
岩塩や壁の中等の不可視を通るなら第六感で察し同様に回避
液体化等で広がる場合は
空中なら風の精霊へ
岩塩や壁なら地の精霊へ願い
一か所へ纏めて避ける
僕は弓を手に協奏流舞で属性攻撃
回避中も明後日の方向でも矢は射続け
風の精霊が軌道を曲げて運ぶ
矢が射れない時も水や氷の精霊が生成して矢を射る事で
絶え間なく、同時に四方八方からも様々な属性の矢で連続攻撃
原初の炎は
精霊達の加護による火炎耐性と共に
精霊達にも炎の精霊へ退く様に呼び掛けて貰おう
ウルカヌス…どうか安らかに
●
グリモアベースから転移する猟兵たちが到着した先は、ピンクソルトに覆われた世界。
場は広くドーム状になっており、しかし大小の岩々があって高低の差は顕著だ。
塩よりも鋭くピリリとした空気が漂う場にて、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)の「無事に戦争が終わって良かったね」という、どこかのんびりとした呟きが意気込んできた猟兵たちの耳に入る。
「ここでは、おいしい岩塩が採れるって聞いて来たよ――綺麗な場所だね」
浮世離れした声と、緩く笑み綻ぶ表情に、良い意味で猟兵たちの肩の力が抜ける。
章の言葉に、こくりと同意し頷く木元・杏(たれあん・f16565)。
「岩塩を使って焼いたお肉は、おいしい」
岩塩プレートでじっくり焼いた肉は、美味しい。
でも、と呟いた杏は章を見上げ、更にその先を指差した。
「……?」
促された先へ素直に視線を向ける章。直後、えっと声を上げた。
「何でいるのウルカヌスさん。もう戦争は終わったよ?」
そう。
一つの大きな岩塩に座していたのは、原初の鋼と炎の神・ウルカヌスだった。
「…………」
フウウウウウ、と大きく息を吐き出した。
「……待っていてくれたようだな」
察したガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)の声がやけに響いたような……。
「――単に、岩塩を採りに迷いこんだ者等かと思ったが――よくぞ来た、猟兵たちよ」
朗々と響くウルカヌスの声に反応し、岩塩の光彩が宿る。
神々の時代。
討伐した不死の怪物から最初に鉱物、そして、生命の礎を取り出したとされている神の声により息吹が吹きこまれたかのように。
「よくもまあ今日まで隠れおおせたものだ! だが見付かったからには覚悟しろ、鋼の神よ!」
亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)がそう言えば、ハ! と嘲笑が返される。
その時、純度の高い岩塩が原初の神炎と変じた。
瞬時に、鮮やかな黄の炎が珠とガーネットへ襲いかかる。
「こっちだ!」
ヒーローカーであるBD.13へ杏と章を乗せたガーネットは、アクセルペダルを踏みこんだ。急発進したBD.13は迫る炎を回避するも、黄炎がそれを追う。
「――くっ、熱い」
先の岩々、そして発生する炎を予測しハンドルを切るガーネット。章と、彼の膝上の杏が傾く。
「さすがは原初の炎と鋼の神だな。モタモタしていたらあっという間に炎に撒かれてしまう」
ここからはスピード勝負だ! と、より広い場に出たガーネットはウルカヌスへ接近すべく、旋回しクラッチを蹴った。
金璧符を、珠が地面に貼れば岩塩が『ゴッ!』と盛り上がり壁となる。
「甘い!」
即座に壁となった岩塩を原初の神炎と変換するウルカヌス。
炎柱が立ち上るが、その時すでに珠は炎の無い場を目指して駆けている。
先回りする黄炎が起ころうとするも、符を投げ壁を形成する珠。
炎と化すまで二拍半。
だが時として稼ぐには、それで充分だ。珠は駆け抜けていく。
(「炎は、怖いが」)
僕に出来ることを。
泉宮・瑠碧(月白・f04280)が願う。瑠碧を慕い、ついてきた水と氷の精霊たちへ。
どうか、皆を守って、と。
塩の岩々を駆け、周囲の猛る黄炎を和らげる瑠碧。彼女の身は、直接精霊たちが護る。
「この車も、貴方無しでは生まれてくることも走ることもなかったのだな」
強力なエンジンと高性能CPUを搭載し、ガーネットの特殊任務用の優美な2ドアクーペ。
愛車を繰りながらガーネットは言う。
ドリフトに掛かるGに耐えきった瞬間に、彼女は車の窓から身を乗り出した。
「金属で出来た敵ならば、やはりこれが効きそうだ」
両掌から高圧電流を放ったガーネットが、サイキックブラストを叩き込む。
炎上する場に電流が駆け、炎が弾けた。
ウルカヌスに到達した高圧電流は、場を揺るがす落雷の如く。
「……ぐッ!!」
大きな岩塩に座していたウルカヌスが弾き飛ばされる。
あっという間にウルカヌスの姿は炎海へと隠れ――そこに、
「貫き通せ!」
声を張った珠が落ちた場所へと拳を向ければ、超圧縮した狐火の弾丸が放たれ、その衝撃が炎を掻き消し、散らしていく。
バン! と地面に叩きこまれた狐火が爆発的に広がり、黄炎の海が――晴れた。
●
「超・鋼・神・装!!!」
鋼神ウルカヌスが叫ぶと、爆発したかのような金色の光が猟兵たちの目を灼く。
炎から光へと転じた戦場。
対し車から降りた章は、くるりと背を向け全力疾走した。
光を背に時間稼ぎをする――シンプルだが、この敵の攻撃には有用であろう。
しかし仲間の猟兵の遠距離に寄る攻撃を、鎧がとことん防ぐ。
ならば。
ウルカヌスの纏う神の鎧が金色に輝き続けるなか、章はヒーローズアースの空気を、読む。
感じ取れたのは、ヒーローズアースの終戦を祝う空気。
平和を願う祈り。
「ウルカヌスさん」
語りかける先は、鋼と炎の神。
「きみ、空気が読めてないよ。クライングジェネシスは倒れた」
「知っておるわ。だが、これは弔い合戦というわけではない。
最強たる者の責務――」
大地を揺るがすほどの祝いの声。それを知りながら神は言う。だからこそ、章は言う。
「もう悲しい戦争はやめよう。その神の鎧は今ここに必要かな?」
ぴくりと、動く気配。
光が収束し一筋。天を突き、周囲が淡く発光した。
「さあ武装は捨てて握手しよう」
敵も味方もノーサイドだ。と。
敵の戦意が消えたわけではない。肌を刺す殺気は健在だが、飄々とした章はそれを感じないのか、
「NO MORE WAR」
――手を差し伸べた。もう片方の手には書を持ち。
「BELIEVE THE FUTURE……」
未来を思わせる言葉。
状況に適した人間的行動――そう、常識に考えて、ソレは平和を喜ぶ人間の姿であった。
「最強たる者の責務――私は神だ。絶え間なき炎と生命力を礎に活動するこの世界を、」
敵の纏う金色の鎧が消えようとした、その瞬間。
「なんて言うと思ったか」
がらりと声色を変えた章が、魔導書を開いた。
様々な生物が記載された図鑑、その一つである恐竜が虚空に出現した。
着地と踏みつけ。
獰猛な咆哮と大きな口がウルカヌスを襲い、完全に光が霧散する。
「おのれ、正々堂々という言葉を知らぬのか! 新種の! 侵略生命体どもめ!
鋼と炎の力、とくと味わうがよい!」
恐竜の拘束から抜け跳躍したウルカヌスがその剛腕を、拳を、壁へと叩きつけた。
拳を叩きこまれた岩塩の壁に亀裂が走り、先んじて落ちた小さな欠片が一つ、瑠碧の頬を掠めた。
「……まずいな」
拳は、超高熱の金属と変移していた。この一撃に走った亀裂は脆く、容易く瓦解した。
降り注ぐは岩塩の欠片――では無い。
熱伝導率の良い、高温となった塩欠片だ。それは火傷を伴う霰のようであった。
(「風の精霊、地の精霊よ……お願い」)
瑠碧が願えば、応じた精霊たちが動く。
風は降り注ぐ岩塩の軌道を変え、地はウルカヌスと力比べだ。熱伝導を阻害し、これ以上猟兵たちに岩塩が降らないよう、剥がれそうな『己』を引き留める。
その間、協奏流舞を発動させた瑠碧は、精霊弓の弦を弾いた。
生成された水の矢が明後日の方へと放たれるも、風の精霊が軌道を修正する。炎を切り、風を纏う矢はウルカヌスを射貫いた。
風の精霊が拾い零した熱霰を、岩塩の輪をくぐり避ける、杏。
カツン、カツンと音がした。
刹那、降下したウルカヌスが金属の刃で岩塩の輪を一刀両断。即座に杏は逃げる。塩の岩々をジャンプしてジグザグに。
「こっちよ?」
その経路は、仲間の元へと導くように。
杏のうさみみメイドさんが地を駆け、強く踏みこむ。ぐるんと体を回し、螺旋を描いたうさみみメイドさんはウルカヌスの目に肘打ちを叩きこんだ。そのまま敵の獅子を模す大きな肩当内部へと滑りこむ。
「ぐう……!」
怯むウルカヌス。
うさみみメイドさんの攻撃の間に、大きな岩塩から敵背面へ向けて飛び降りた杏は、灯る陽光を幅広の大剣に。
駆け、踏みこむ。
踵を返す勢いに任せ、一刀が描くは真正面から敵腹を叩く横一文字。
追撃として、ウルカヌスを蹴り飛ばす恐竜。
空をいく神を捉えるのは、ガーネットのスラッシュストリングであった。念動力で蜘蛛の巣の如き張られた糸が敵を囲い、縛る。
宇宙怪獣の肉体さえ切り裂くブレードワイヤーが、ウルカヌスの鎧の隙間へと入りこみ――それを糸鋸のように高速振動させ、かつ交差させれば耳障りな音が場を支配した。
「こ、この音は……!」
自身から発される音に、ウルカヌス堪らぬとばかりにワイヤーを引きちぎろうとするのだが。
その隙を逃す猟兵ではない。
黄炎とは違う色の狐火を纏う珠。
ウルカヌスへ向け、拳を突き上げた。
「自慢の鎧と共に砕け散れ、鋼の神よ!」
放たれる数多の焔弾。直撃とともに爆破し、神を灼く。
ドン! ドドドドドドッ! と連弾が響く最中、瑠碧の放ち続けた数々の水矢、そして『氷の矢』が一斉に神の方を向いた。
鏃が、ウルカヌスを捉えた瞬間、突風が吹いた。集束の先は当然、神。
焔層を抜いた全ての水矢、氷矢が鋼神ウルカヌスを射貫き、発生したのは――急激な温度差――鋼の砕ける音。
「なん……だと……ッ」
「とどめだ!」
大きく超圧縮した焔弾を珠が叩きこんだ刹那、岩塩の地を揺るがす大爆発。
「グッ――ウォォオオオオォォーーッ!!」
鋼神ウルカヌスの、センターオブジアースを揺さぶる大音声が響き渡らんとしたその時、発生した爆風が全てをのみこみ、掻き消した。
「ウルカヌス……どうか安らかに」
骸の海へと還る神に向け、瑠碧は祈りの言葉を呟く。
●
猟兵たちは、ピンクソルトの場を歩いていた。
幾つかを集め、検分する。
「お肉に味付けして焼くのもいいけど、付け塩したり、煮物の時は少し入れて炊くと素材がふっくら」
料理に使うつもりの杏も、手頃な岩塩を採取する。
「綺麗だから飾っておくのもいいかもな!」
にっこり笑顔で、綺麗な形の岩塩を手に珠。
章が頷いた。
「少し加工して、キャンドルにしてみるのもいいかもね」
「ミネラルが豊富だから、入浴の時に使うのも良いな」
と、ガーネット。極上のバスタイムを堪能できるだろう。
「炎症を緩和したり、浄化作用があったりするな」
そう言って、瑠碧もまた一つ。
アースクライシス2019。
戦いは終わり、始まるは「知られざる文明」との交流、オブリビオン残党との戦い。
残る幹部は鋼神ウルカヌス、レディ・オーシャン。
脅威はまだ続くが――今は、純度が高い岩塩、一体の鋼神ウルカヌス撃破の勝利を手に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵