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黄金古城の先へ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「倒して欲しいやつがいるんだ」
 そういって、リュカ・エンキアンサスは手帳に何かさらさらと書きつけた。その紙を一枚破って、周囲のものに示す。
「『呪飾獣カツィカ』って呼ばれてる。黄金のものがすきで、遺跡とかを荒らしてるだけなら良かったんだけれど……」
 言いさして、リュカはしばし考え込む。いや、よくはないのか。なんて、口の中で呟いて。
「兎も角。これが、普通の人にまで手を出す可能性がある。だから、退治して欲しいんだ」
 ただ、とリュカは念を押すように言う。手順がある。といって、もう一枚手帳に何か書きつけようとして……やめた。
「彼らは、金目のもの、を狙っている。だから、逆に金目のものを使ってうまいことおびき出して倒して欲しい」
 勿論、ある程度の地域は絞れているので、そのあたりを積荷を守りながらうろついてくれれば勝手に出てくるだろう。と、リュカは言った。
 積荷。と誰かが問う。積荷。とリュカも頷いた。
「やつらが現れるのは、とある町と町の間。その街道を主に狙ってるんだけれども、その町の近くに、ひとつ古城がある。そこに宝が眠っているらしいんだ」
 昔そこの領主がずいぶん溜め込んだらしいのが、手付かずで残っているらしい。
 本来ならその町と町で分けたいところだが……、
「ずいぶん用心深い人だったみたいで、その古城、罠が満載なんだって。だから、興味本位で向かった町の人が結構危ない目にあってるみたい」
 ダンジョン化しているので、結構危険なのだとリュカが言う。
「だから、まずはそこにもぐって、手付かずのままのお宝をゲットして、次にそれをこれ見よがしに輸送して、『呪飾獣カツィカ』を釣って狩る。そういう手順」
 だよ。って、リュカはそこまで説明して、手順をもう一度確認し、小さく頷いた。
「街の人は大変だったみたいだけれど、お兄さんやお姉さんたちなら大丈夫だと思う。だから」
 気をつけて。いってきてねと。
 リュカはそういって話を締めくくった。


ふじもりみきや
 いつもお世話になり、ありがとうございます。
 ふじもりみきやです。

 ●今回は、個別に注意書きがありますので、目を通してご参加ください。

 【1】古城ダンジョンを探索し、お宝をゲット の巻。
 古典的なダンジョンアタックになる予定です。
 プレイングの頭に、【攻撃系】【探索系】【回復系】の三つのうちから、
 自分のロールプレイスタイルを記載してください。
 攻撃魔法の使い手でも、攻撃系です。
 なんとなくふじもりが、皆さんがどういうスタンスで動きたいのか理解しやすくするためです。
 現場は罠満載ですので、【探索系】の方が探索をし、
 住み着いた盗賊や獣なんかを【攻撃系】の方が排除し、
 そして罠や戦闘で負った傷を【回復系】の方が癒します。
 そんな即席でパパーッとPTを組んでもぐっていくイメージ。
 あんまりものすごく厳密に考えず、こういう風に遊びたい、というのを書いてくれれば。
 ※なお、お宝は金銀財宝です。
 参加者皆さんに充分いきわたるように、いっぱいある予定です。

 【2】お宝を輸送して、敵をおびき寄せ。
 古典的な対象護衛シナリオ形になる予定です。
 町から町へ行くには三日を要します。三泊四日です。
 それまでの中でボスは出現します……が、
 道中、普通の盗賊とか、普通に獣とか、そういうのも出てきます。気をつけながら進んでください。
 輸送手段は幌馬車です。そこに財宝をつんでずんどこいきます。
 御者したいとか、馬車の中に隠れているとか、護衛としてうろうろしているとか、その辺の立ち居地はお好きなように。
 財宝と一緒で人数によって馬車の台数は増えたり減ったりその辺は臨機応変に。
 なお、20時から7時までは夜のため馬車は動かすことができません。野営してください。
 あといつでもいいので一日6時間は寝てくださいね!つまりは交代制ですね!
 昼間幌馬車の中で寝るのは可とします。

 【3】そして敵を、倒します。
 後はただ戦うだけです。

 いじょうです。
 長いですね。一人ではまったくカバーしきれないと思います。
 一人参加の人は、ランダムでほかのひとり参加の方と一緒になると思ってください。多分。
 勿論お誘いあわせての参加も可能です。(相手さんのID忘れずに)
 また、そういうわけなのでプレイングによっては探索や野営時間等に色々偏りが出てくるとは思います。
 その偏りのよるあれやこれやも楽しんで遊んでいただけたら幸いです。
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第1章 冒険 『廃墟で探索!』

POW   :    開かない扉はぶち破る! 壁の向こうに何かありそうならぶち壊して進む!

SPD   :    トラップや鍵の解除ならお手の物! 仕掛け見つけてスマートに素早く進む!

WIZ   :    建物に残された調度品や書物を調査して手がかり探し! 魔法罠も任せて! 

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 古城は町より少しはなれたところにあって、高い壁で覆われていた。
 人の高さよりもはるかに高い壁は石で作られていて、ところどころが崩れて穴となって向こう側の景色を透かしている。
 それよりもはるかに高く聳え立つ城は、大体三階建てだろうかな、と誰かが簡単な目算を立てた。
 扉があり、荒れ果てた庭と噴水がある。
 扉は既に破られ、その向こう側からかつては対象で美しかったであろう庭の名残が見て取れた。
 そして、よくよく見れば獣や人間が踏み込んだ跡も……。
 そんな場所を警戒しながら進めば、やがて城が見えてくる。
 それが、今回の舞台であった。
リズ・ルシーズ
【探索係】【SPD】

たまにはこういうのもいいよね!

周りの【情報収集】をしながら、慎重に探索していくよ!足場の悪いところは、まずは【空中戦】で足元のしっかりしたところまで移動してから、ワイヤーを使った【ロープワーク】で他の人の移動の補助をするつもり!

ここ落ちたら、怪我じゃ済まないよね?

岩とかが転がってきたら、レプリカクラフトで落とし穴を作ってそこに落とせるかためすよ!巧く【地形の利用】が出来れば岩を止めれないかな?

鍵の掛かった扉や、箱は【鍵開け】に挑戦するつもり。罠の種類によっては【念動力】も使えるかもね!

(下手な鼻歌混じりに)ふふん~ふんふん~何がでるかな!


ベリンダ・レッドマン
【探索系】

探検!探検!探・検・隊!
あっはっは!胸が躍るねえ!まるで冒険映画のようじゃないか!
まさかこのようなシチュエーションに恵まれるとはねえ!

さてさて、お仕事だからね
行楽気分に浸りすぎるのもまずいな、気を引き締めよう!
偵察係にドローン!先行させて私とみんなの安全確保!
そして私自身もお手製ゴーグルでトラップをチェックだ!

罠は可能なら解除を試みたいが
難しそうなら火器系のガジェットでズバーンと破壊していこう!
安心安全な進路作りさ!
ダンジョン攻略には必要不可欠なんだろう?ビデオゲームで学んだよ!

そして仲間と協力して障害を乗り越えていけば
お宝とごたーいめん!だ!
これらを持ち帰るまでが宝探しだね!うむ!


不破・玄
呪飾獣カツィカですか。
一般人に手を出すとは、悪しきオブリビオンと言うことで宜しいですね。
ま、倒しましょう。悪人は倒す。シンプルですね。
その為にトレジャーハンティング頑張りましょう。

何かあったときに助ける。又は助けてもらうために単独行動は避けます。
自分の【勇気】と感覚(【第六感】)を信じて罠に挑みます。
罠っぽいところ危険そうに感じる場所には遠くから石を投げて(【投擲】)ぶつけてみたり薙刀を棒代わりに用いて突いてみたりします。
結果危険そうなものが出たら【サイキックブラスト】でぶっ飛ばします。

もし他の方から危険を指摘されたりしたら意見を尊重します。

アドリブ歓迎。他のキャラとの絡みもOKです。



 曰く。『でっかい石が転がってきた』とか。
 曰く。『一階の一部分は毒の沼だった』とか。
 あらかじめ情報を集めていたリズには山ほどの四方山話がもたらされたわけで。
 そして周囲の情報と照らし合わせると……、
「たまにはこういうのもいいよね!」
 背後からゴロゴロゴロゴロとっても愉快な音がしてきて、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は駆ける速度を上げた。
「おっとしあな。どっかにおっとしあな……あ、そうだ!」
 こっちには確かあれがあったはず、といったところでリズが角を曲がると、
「!」
 目の前は、壁だった! まだ遠いが視界の先は明らかに今までと色の違う壁にさえぎられている。
 そして残念なことに、彼らが角を曲がると同様に岩もまた角を曲がって彼らを追いかけてきた!
「あっはっは! 胸が躍るねえ! まるで冒険映画のようじゃないか! まさかこのようなシチュエーションに恵まれるとはねえ!」
 隣を走っていたベリンダ・レッドマン(直し屋ファイアーバード・f00619)も負けじと声を上げて答える。どちらかというと楽しげな声だった。
「よーし。だったらやるしかないね! 壁をふっ飛ばして……」
「待ってください」
 不破・玄(人間のサイキッカー・f02910)が思わず止める。第六感が何かを囁いた。
「多分、壊すにしてもちゃんと壊さないと……」
 大体ほかの壁と色が違うし。何か取っ手みたいなのとかあるし。なんだかんだで超怪しい。
「了解だよ! じゃあそういう時は、ボクに任せて!」
 ばし、とリズが敬礼の仕草をしてざざざとふりかえる。
「ふんふんふんふん。罠よ罠よ~」
 上機嫌に言いながらもレプリカクラフトで罠を作成し、
「どうかな、こいつで落としちゃおう! 下の階がどうなっちゃうか? 知らないねえ」
「あはははは。良い案だ。それじゃあ私も一枚噛ませてもらおうかい!」
 いうなりベリンダも振り返った。ウェーブヘアーがあわせるようにゆれる。それと同時に火器でその岩を撃った。
 岩は砕けないが一部に当たって軽く欠けた。それで大きさが少し削れて、
「……しゃ!」
「やったー!」
 丁度いい大きさになって罠にはまった。ものすごい音がしてゆれる。下の階が破壊されたのだ。
「ふ……っ。安心安全な進路作りさ! ダンジョン攻略には必要不可欠なんだろう? ビデオゲームで学んだよ!」
「……」
 軽く頭痛を抑えながら、玄は薙刀を棒代わりに色の違う壁をつつく。仕掛けを理解しようと何度か首をかしげていたのだが、
「どうだい?」
「んー。まだー?」
 しばらくの間の後で、
「一般人に手を出す悪しきオブリビオンを倒す。倒しましょう。悪人は倒す。そのために宝を手に入れましょう。シンプルですね。実にシンプルです。故に……」
 時には勇気も必要です。と壁に【サイキックブラスト】を叩きつけた。
「おやおや~?」
「そうこなくっちゃな!」
 ベリンダも後に続く。壁は衝撃を受けると簡単に壊れた。同時にもわわわわーっと怪しげな粉が周囲に舞う。
「! 吸ってはいけません。抜けましょう……!」
 吸い込むとくらっとした感覚に、玄が思わず声を上げる。走り出そうとして止まる。
「足元が……!」
 そこから先は、通路が無かった。下の階が見えるが、そこにはなにやら怪しげな毒がたまっていて、今しがた落とした岩が溶かされていっている。
「それじゃあ、ボクにお任せあれ!」
 リズが手早く上の階とロープを渡す。
「ありがとうございます」
「この上は大丈夫かい?」
「ええ。多分」
 きっと。って言う黒に、ベリンダは笑った。
「頼りにしてるよ。お宝とごたいめーんするまでは、止まるわけにはいかないね! ああ違う。それらを持ち帰るまでが宝探しだね! うむ!」
「そうですね。助け合って無事に帰りましょう」
「うんうん。ふふん~ふんふん~。つ~ぎ~は~何がでるかな! お宝何があるかな~!」
 三人三様、楽しげに。お宝への道を突き進む!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ギド・スプートニク
【攻撃系】
では参りましょうか、レディ
ぱち、指を鳴らして魔法の火を灯す

勇者など畏れ多い
恐縮に御座います

露払いは私が致しましょう
道案内はお任せしても?

踏み越えられても困るのだが、と胸中呟き
少し悩んだ末に、多分死にはしないだろうとクロエの好きに行動させサポートに回る

>くぼみ
少々危険かとは存じ上げますが、クロエ嬢のご随意に
(自分は安全圏を確保)

おだてたり元気付けたりして適当に罠を処理してもらいつつ探索
秘密通路や隠しアイテムも出来る範囲で手を回そう
基本的にはズボラな方だ、こちらの工作には気付くまい

良いですね
私も吸血鬼として生を受けたからには悪魔城のひとつやふたつ、建てたいものです(割とマジ)

アドリブ歓迎


クロエ・アルページュ
ギド(f00088)と
【探索系】

まぁ、まるで舞踏会にでも来たようですわ
ギドは魔法の使える勇者という感じかしら
お城でお宝探しなんて心踊りますわ

もちろん!どんどん参りましょう
罠はわたくしに任せて下さいまし、踏み越えていきますわ

ねぇギド、このくぼみ押してもよろしいかしら!
わくわく自信満々にずんずん探索
あからさまなギミックっぽいものは
大事故にならない程度に発動させて楽しむ
なんだか遊園地みたいですわ
あと秘密の通路や隠しアイテムらしきものもあるかしら!

怪我をさせたら回復しつつ

ギドはお宝を手に入れた先の願望とかありますの?
わたくしこんな楽しいお城を建てたく
あら素敵な野望!罠や隠し部屋の設置お任せ下さいな!



「まぁ、まるで舞踏会にでも来たようですわ」
 と。クロエ・アルページュ(ミレナリィドールの聖者・f02406)は目を輝かせてはしゃいだ。
「舞踏会?」
 ギド・スプートニク(意志無き者の王・f00088)が聞き返す。彼女らしいといえば彼女らしい表現である。
「ええ。お城でお宝探しなんて心踊りますわ。でもギドは魔法の使える勇者という感じかしら……」
 心が踊るだけに舞踏会なんだろうかと言いかけてギド早める。きらきらした目でクロエがギドのことを見ていたので、
「勇者など畏れ多い。恐縮に御座います。ですが、なるべくその期待に応えられるよう努力しましょう。参りましょうか、レディ」
 ぱち、と指を鳴らして魔法の火を灯した。ふん、とクロエが拳を握り締める。
「もちろん! どんどん参りましょう。罠はわたくしに任せて下さいまし、踏み越えていきますわ」
 罠ははまって踏み倒せ。なにやら心強いクロエの言葉に、
「それは……頼りになりますね」
 踏み越えられても困るのだが、とは内心。ギドはまったくそれを表情に出さない。……が、
「でしたら、露払いは私が致しましょう。道案内はお任せしても?」
「ええ! あのねギド。こういうのはわたくし、とっても得意ですの!」
 くるくると踊るようにクロエは前に出た。クロエもギドも。ぱっと見るだけでも結構怪しいものが満載の廊下で、
「ねぇギド、このくぼみ押してもよろしいかしら!」
「少々危険かとは存じ上げますが、クロエ嬢のご随意に」
 いうなりざざざ、と安全圏まで後ろに下がるギドだったり。
「ねぇギド、あの割れ目はなんでしょう。隠し扉かしら。いってみていいかしら?」
「少々危険かとは存じ上げますが、クロエ嬢のご随意に。そうですね……」
 くぐってみましょうか。と二人して罠ごと隠し扉を破壊しようとして……、
「あらギド。ただの扉の絵だわ」
「そうですね。トンネルが掘れました」
「丁度いいわね。ここから隣に抜けましょう」
 新たな道を作り出したり、
「ねぇギド、あの毒の沼、せっかくだから踏んでいきません? お洋服が汚れてしまうかしら」
「少々危険かとは存じ上げますが、クロエ嬢のご随意に。服が汚れるようでしたら、私が抱えさせていただきましょう」
「あら、ありがとう。……ねえギド、あれは」
「それは、さすがに……いえ。そうでもありませんね。少々危険かとは存じ上げますが、クロエ嬢のご随意に」
「……ふふ、ありがとう。ギド」
 若干本当に危険そうなものはギドも先回りしてそれを破壊し。
 本当に危険そうなものはクロエもカンで回避する。
 そんな愉快な二人の道中は、
「ギドはお宝を手に入れた先の願望とかありますの?」
 不意にクロエがそんなことを言った。
「わたくしはこんな楽しいお城を建てたく思いますの」
「良いですね。私も吸血鬼として生を受けたからには悪魔城のひとつやふたつ、建てたいものです」
 ギドも少し考えた後で、割と真面目にそう答える。
「あら素敵な野望! 罠や隠し部屋の設置お任せ下さいな!」
「光栄に。しかしそうなってくると、私は勇者にはなれませんからかわりに城に挑んでくれる勇者が必要になりますね」
「あら、それでしたら……」
 はしゃぐクロエ。共に歩くギド。襲い掛かってきた獣たちが、会話の合間に灰にされて道端に転がるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジンガ・ジンガ
【探索系】
はァーい! お宝ダイスキ俺様ちゃんのログインでェーす!

音に反応する仕掛けがあったら困るし、基本は【忍び足】
【聞き耳】でヘンな音がしないか常に確認しつつ
ロックされてる扉や引き出しがありゃ慎重に【鍵開け】
解けそうな仕掛けは俺様ちゃんのオトメのヒミツ七つ道具で解除
ヤバそうな仕掛けや罠は【見切り】で避けて
危ねーよって仲間に知らせるじゃんよ

盗賊や獣の気配があれば【目立たない】よう確認
暗い場所ならバレないよう【暗視】
お掃除担当の猟兵ちゃんにパスするよね

つーか、元お城っつーんなら
転がってる書物やら
ブチのめした盗賊ちゃんをオラァって【恫喝】するやらで
ちょっとくらい【情報収集】できねェかにゃーん?


イベリア・オディビエント
【攻撃系】
PT組んでないから、誰か一緒に来てくれると心強いかな…。
もし一緒に行ってくれる人がいるならよろしくね。やりたい事があれば協力するよ。

細かい作業は苦手だけど、物を壊したり敵を排除するなら任せて。壁でも扉でも怪物でも、この斧で可能な限り邪魔にならないようにするから。


廃墟探索…ちょっと怖いしドキドキするけど、宝物が見つかるといいな。


涼風・穹
【探索系】

古城探索といえばやはり探索者の出番だな
10フィート棒的なものとフック付きワイヤーとヘッドライトを装備していざダンジョンアタック!

罠は漢探知で突破…は出来れば避けたい
壁や床、天井も含めて10フィート棒的なもので軽く叩いて不自然に音が反響したりする箇所や妙な仕掛けがないか確認しながら進むぜ

落とし穴や重量を感知すると発動する類の罠があれば離れた所から『贋作者』で作成した適当な重量物を放り込んで被害が無いように発動させる事で回避

穴を渡る際には長い板を作成して即席の橋にしたり、動き出した仕掛けを止めたり扉を固定する際には楔を作れたりするし、探索をするのに『贋作者』は色々と反則的な程に便利だな…


クレム・クラウベル
【探索系】
今回は騒がしいのが側にいないから、落ち着いて罠にも対処出来そうだ
……いないよな?

無駄な傷を増やさぬよう罠は予め解除したり
後続が分かるよう、触れると危ない箇所に目印を添える
第六感辺りの技能も役立ちそうなら宛に

床・壁・天井それぞれ抜かりなく見回し
怪しげな箇所を観察・調査
物理的に壊す方が早いものは銃で撃ち抜き
解除できるものは手先で対処
敵の気配に気づいた際は攻撃担当に報せる

しかし、こういうのも存外楽しいものだな
仕掛ける側の気持ちを思えば
抜からず解除して思惑を潰すのは一種快感の様でもあり
少しだけ口元が緩む
さて、次の部屋はどんな仕掛けがあるのやら
……段々楽しくなってきたな

アドリブ・絡み歓迎



 クレム・クラウベル(paidir・f03413)は思わず振り返った。
「? どうしたんだ?」
「いや、なんだか嫌な予感がしたんだ……」
「なにそれ。この場所だとちょっと洒落になってないぜー?」
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)がどこか面白がるような口調で言って、そうだよなあ。ってクレムも頭をかいて笑う。
「はァーい! 俺様ちゃん閃いた! ねえねえ。聞いて聞いてー!」
 ジンガ・ジンガ(塵牙燼我・f06126)が片手をあげてぶんぶん振っている。こう見えてこれで結構、きちんとダンジョン探索はしているのだが、
「つーか、元お城っつーんなら、転がってる書物やらブチのめした盗賊ちゃんをオラァって【恫喝】するやらで、ちょっとくらい【情報収集】できねェかにゃーん?」
 時々すっごいアバウトだった。
「そのオラァ、は誰がするんだ?」
 クレムが至極冷静に言うと、ジンガは指をさす。
「わ、わたし? 勿論、みんなが一緒にいてくれてる分、わたしも心強いし。もちろんやりたい事があれば協力するよ」
 斧をぎゅっと握り締めて、イベリア・オディビエント(引っ込み思案な処刑人・f02463)は頷いた。このPT唯一の武道派である。足元にはばらばらになった魔法生物たちが転がっていた。
「よっしゃ。じゃあ次そう言うのが現れたらお願いしちゃうんだぜー!」
「罠は漢探知で突破……は出来れば避けたい。それよりここだぜ。聞いてくれ」
 言いながら穹は棒で軽く床を叩く。うーん? って首を傾げるイベリアに、
「ほら。音が違うんだぜ」
「んー」
 穹の説明にジンガがそっと近づく。慎重に確認すると、
「これはこれはー、俺様ちゃんのオトメのヒミツ七つ道具の出番かなー」
「待て。……上だ」
 クレムが精する。丁度天井を調べていたところだった。
「連動して動くようになっている。同時解除が必要だな。そっちだけを解除して先に進んだら、何かが落ちてくるようになっていたのだろう」
「ひゃー。おっかないおっかなーい。危ねーよほんと!」
「……見回り、してくる」
 一回通ったところなら大丈夫だろうと、イベリアが斧を構えて歩き出す。自分も何かしていたかったのである……が、
「せーの……!」
 二人の声が揃う。同時に罠を解除すると、
「……!」
 天井に隠されていた蓋が開いた。同時に彼らの背後に落ちる予定だったものが姿を現す。
「クレム……!」
「大丈夫だ、顔をなでられただけだ!」
 それは巨大な蛇だった。蛇が落下しながらクレムの顔にまきつこうとするのをクレムは間一髪で避ける。
「わかった。任せて。下がって」
 イベリアが即座に前に出て、三人が下がる。斧を振り回まずは首を刎ね。そして三枚に卸した。しかし落ちてくる蛇は一匹ではなく。
「ここは……任せて」
 奮闘している横で、
「へいへいイベリアちゃんに蛇料理はお任せしておいて、多分罠は解除できたと思うじゃんよ!」
 絶対、はない。だから言い切らない慎重さに、クレムと穹も頷く。
「んじゃ、少し待っててくれよな。ここは……」
 任せろ。と、言いながら穹は『贋作者』で人型の偽者を作る。それを先行させていく。
「取りこぼしがあれば。これに引っかかるはずだから……」
 最終確認である。無事にそれが端まで通過したのを確認してから、
「よし、わたって大丈夫だぜ」
「よっしゃー。俺様ちゃん一番乗りー」
 もちろん足音消しながらジンガが進む。
「しかし、こういうのも存外楽しいものだな」
 埃の積もった石の廊下を踏みながらクレムがいい、進む。もちろん油断無く其の壁や天井には目を光らせている。
「え……。仕掛けた側がどんな気持ちで仕掛けたのかとか、それを潰す楽しさとか……?」
「ええ。趣味悪いじゃんよー。わかるけど!」
 けらけら笑ってクレムの背をたたくジンガに、クレムも口の端をあげて笑った。
「わかってくれるか。さて、次の部屋はどんな仕掛けがあるのやら。……段々楽しくなってきたな」
「ああ。次もうまく解除できたら嬉しいな」
 穹も頷いたところで、もう大丈夫だと後ろに声をかける。
 丁度蛇との戦いを終えたイベリアも駆けつける。無表情ながらも、どこか期待に満ちた目で廊下の先を見た。
「ちょっと怖いしドキドキするけど、宝物が見つかるといいな」
 その言葉に、頷くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フェルト・ユメノアール
古城に金銀財宝!
なんだか心をくすぐられるね!
よーし、頑張ってお宝を一杯見つけちゃうよ!

ボクは『地形の利用、投擲』を使って鉤爪付きロープで怪しい部分に足が付かないように移動していくよ
特に何か飛び出てきそうな穴とか溝がないか
他の壁や床と比べて妙に綺麗or何かを擦った跡や血が付いていないかを注意
それで、怪しい箇所を見つけたら印をつけて後ろの人が安全に移動できるようにしておく
あっ、それとブービートラップ対策も忘れないように
扉とか財宝に触ると罠が作動する、なんて定番の仕掛けだもんね
扉を開ける時は正面に立たず、結んだロープで扉を引っ張ったり
【SPクラウンジェスター】を召喚して代わりに取ってもらったりするよ


墓多野・ソルト
【探索系:SPD】※アドリブ・絡み歓迎

冒険!浪漫!お宝ぁ!
ここには全てが詰まってる!ヒャッホーウ!
よぉーしテンション上がってきた!
まあ解除の類は任せちゃってよ!

とりあえず罠がないか確認
俺ならこの場所にどんな罠を仕掛けるかも考えつつ
怪しい所がないか、見て聞いて匂いも嗅いじゃう!
見た目よーし!音よーし!スメルよーし!
(聞き耳・視力・罠使い・第六感)

怪しい所は一旦距離取って、ウィップで叩いたり、絡めて引っ張ったりしてみよ
解除できそうな所はちゃっちゃかやってこー!
(鍵開け・早業)

あとなんかイイ感じの罠があれば【レプリカクラフト】を試してみるー
作り方を覚えとけば、この後の野営や戦闘で役立つかもっしょ?


リチア・スィール
【探索系】
(アドリブ大歓迎)
罠、ってことはつまりいたずらだよね
どこで引っかかったら気持ちいいかーとかさ!
任せてよ!いたずらには自信あるんだからさー
なんとなくかけてありそうなところを探して罠を解除に挑戦!
間に合わなかった時とかのリカバーでクイックドロウ使っていければいいな!
あと、攻撃組の助けになりそうな罠は逆に発動させちゃえ
ひっかかってくれればバンザイ、だぜっ!

そんな感じで動き回れたら嬉しいな!
一緒に潜る人たちと協力しながら、ね!

「オレは海賊で英雄になるんだから、お宝はもらってくぜー!」
あ、もちろん自分のぶんだけ!



 そうやって長い長い冒険の先に……、
「冒険! 浪漫! お宝ぁ! ここには全てが詰まってる! ヒャッホーウ!」
「待って。なんだか変だよー!」
「おおっと悪い悪いテンション上がっちまったー! まあ解除の類は任せちゃってよ!」
 冒険者たちは、宝箱がいっぱい並んだ区画にたどり着いた!
 割と広めの部屋に、箱がいくつも置かれている。ひときわ目を引く大きな箱がすぐ近くにあったり、周囲に剣と盾を持った甲冑が並んでいたりするが、間違いなくここは宝物庫だ!
 喜ぶ墓多野・ソルト(クレイジーソルト・f11904)。しかしフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が声を上げた。フェルトは入り口付近の床に血が染み付いていたことを発見した。注意深く見回すと、そこから近くの壁まで、血痕が這っていっているのがわかる。
「この辺から落ちてくる仕掛けかなー? 定番だよねー?」
 とはいえ見ているだけではわからない。手早く床を調べようとしたフェルトに、
「おーっと、それは危ないんだぜー! そいつは悪戯の起点じゃないと見た!」
 一歩、踏み出しかけたフェルトをリチア・スィール(無限に描く航海図・f09595)がすかさず止める。
「罠っていたずらだよねー? つまり、仕掛ける方の心理はよーくわかってる! どこで引っかかったら気持ちいいかーとかさ!」
 任せろ。と親指を立てて請け負うリチア。おおーっとフェルトもぐ、と親指立てて、
「んじゃ、まかせたー!」
「オレだったらねー。宝箱の前には落とし穴掘るなー」
「同感! ナイスだ。塩味が効いてるね! じゃあじゃあついでに考察してみよう。この血痕にはどんなヒャッハーな罠があるのかな!?」
「そりゃお前。きっと罠っていうより倒れたやつ回収してるんじゃねー!?」
「なるほどなるほど。さっくりやって綺麗に回収。じゃあほかに怪しい罠もないか……見て聞いて匂いも嗅いじゃう!」
「なんだか二人がちょーっと物騒だよー!?」
 リチアとソルトの会話に、フェルトが思わず肩をすくめるも、
「じゃあ、とりあえずそれ、動かしてみようかー」 
 ふんふん。と注意深く。フェルトは【SPクラウンジェスター】を召喚して、宝箱の蓋を開けさせた。とりあえず三人は部屋から出ていく。
 ぷしゅう、と間の抜けた音がして、毒のようなものが飛び出した。そしてしばらくしたら地面が動く。地面が良く見たらコンベアのようなものになっていて、血痕の残る壁のほうまで続いていた。
 その後自動的に蓋は閉まり、再び宝物庫は静けさを取り戻す。
「……」
 三人は顔を見合わせた。
「んーっと、とりあえずこの扉のほう……一応あけておこうかな!」
 フェルトがコンベアの先をフック式ワイヤーを利用してあける。警戒のためにリチアが銃を構えたがそれはぎりぎり必要なかった。
 割と骨とかが多かったが、さらに罠も発見できた。扉を占めたまま、本命の何かを開けたらおそらくは周囲の甲冑が襲い掛かってくる仕組みになっていたらしい。
「セーフ!」
「ってなると、本命はあのへんかなー?」
 雑多に宝箱っぽいものが積まれた区画がある。ひとまずソルトがウィップでつついてみるが反応はないので近寄ってみる。
「んー。これじゃないかな? この一番、雑そうなやつ」
 リチアが箱のひとつを指差し、ソルトが匂いをかいだ。
「見た目よーし! 音よーし! スメルよーし!」
 そしてソルトは、そっとその箱を開けた。しかし……、
「……あれ? これ、絶対そうだって思ったんだけどなー」
 リチアが思わず肩を落とす。しょんぼりしている彼に、待って、とソルトが声を上げた。
「まだ諦めるには早いと塩が囁く。……この箱の」
 ふ、と顔を上げると、箱の蓋の裏側に鍵がついていた。
「鍵ー? ……あ」
 リチアがふと気がつく。先ほど毒の罠があった宝箱!
 気付いてリチアが近寄ると、ソルトと顔を見合わせた。
「よしよし、ちゃっちゃかやってこー!」
 どかせる。するとその下の床に、小さな鍵穴のようなものを見つけた。
「……本物のお宝の匂いがするぜ……!」
 ごくりとリチアはつばを飲み込む。視線を受けてソルトが見つけた鍵をさし、そして廻した。
「……あいた」
 フェルトもさすがに神妙に呟く。それは、地下への階段であった。
 ひとしきりフェルトが怪しい箇所を探してみるも、特に罠は無いようであった。ひとまず【SPクラウンジェスター】を先行させることにして。
「あたりっぽいね。みんなを呼んで、行ってみよう!古城の金銀財宝! なんだか心をくすぐられるね! よーし、頑張ってお宝を一杯見つけちゃうよ!」
 これはもう罠はないだろう、とフェルトは腕まくりをする。もちろん慎重にはなっているが、大丈夫そうだ。
「おー! オレは海賊で英雄になるんだから、お宝はもらってくぜー!」
 もちろん自分の分だけな! って笑うリチア。ソルトもじゃあ、と目を輝かせて、
「いざ突入! 本物の宝物庫へ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『積荷を護衛せよ!』

POW   :    護ればいいのだろう?直接護衛して何もかも吹っ飛ばせ!

SPD   :    障害は避ければいいのさ。周囲を探索して危険を避けよう!

WIZ   :    奴らの行動は読めている。対策を施して妨害を無力化せよ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 地下への階段を下りていく。
 そして彼らはたどり着いた。薄暗い部屋の中に眠るのはまさに金銀財宝であった。
 金の冠。銀の髪飾り。溢れんばかりの宝石のついた首飾り。
 金貨は山となって無造作に部屋の隅に積まれ、美しい紋章の掘られた剣や斧が壁には飾られている。
 両の手に抱えきれない宝物を手に、めいめいに歓声を上げる。
 それは、参加者全員にいきわたっても余りある量であった。

 ……とはいえ、冒険はここで終わりではなかった。
 彼らにはまだ、為すべきことが残っている。
 その宝を持って町へと戻ると、町の人々はそれを見て大いに驚き、そして彼らの健闘を称えて我がことのように喜んでくれた。
 そうして、さらにはここ最近街道に現れる悪党どもを懲らしめてくれると聞いて、彼らはさらに喜んだ。
 だったらこの馬車を使ってください、と町の商人が申し出る。
 幌馬車に荷物を積んで商人とその護衛、という風に偽装して移動すれば、必ずやつらはやってくるはずだと。
 丁度今はお昼頃。三泊四日の馬車旅である。
 道はそこそこ整備されていて、多少ゆれるが悪路ではない。
 動物もいるので合間に狩りでもして食事を取ることも出来るだろう。
 途中はもしかしたら、ごつごつした岩の多い場所とか、気持ちのいい草原とか、いろんな出会いもあるかもしれない。
 気をつけて旅をするのはもちろんそうだが、余裕も忘れず楽しむといい、とアドバイスを受けた。
 ただし、夜は危険なので馬車を走らせることはできないとか、その辺の説明をひとしきり受けて、猟兵たちは町を後にする。
 普通に夜盗や狼も出るから気をつけて。なんて声をかけながら……。
 さあ、楽しい旅の始まりだ。
不破・玄
敵がどんな手で来るか楽しみです。

夜に働きます。
昼は可能なら夜のために馬車の中で隠れつつ寝ていたいところですね。
移動中の悪路であれば積み荷の状態に気を配りましょう。

野営時は日が暮れきる前に周囲の地形等を確認しこちらを襲撃する際に隠れやすそうな場所にあたりをつける。
警戒中は火をおこして獣を近寄らせないようにする。とはいえ寄ってくる獣もいるかもしれませんんで注意です。
そしてタイミングを見て周囲を【迷彩】を用いつつ巡回して警戒します。さてさてここの月も綺麗でしょうか?
盗賊の襲撃が予想できたらささっと戻って仲間に警告し隠れつつ迎撃です。
戦闘時は【サイキックブラスト】用い大立ち回りです。

アドリブ、絡み歓迎


フェルト・ユメノアール
三泊四日の馬車旅!
みんなで料理を作ったり、キャンプしたり!
なんだかワクワクしちゃうね!
あっ、もちろん、護衛のお仕事は忘れないよ

相手の立場になって考えてみよう……ボクがもし馬車を襲うなら
逃げられないように罠で馬車を動けなくするか
夜、寝ているところを襲撃するか、どっちかかな?
よーし、それじゃあ、カモン!【SPタンブルタイガー】!
ずっと一人で警戒は不可能だから見通しの悪い森、岩場を通る時と夜間の警戒をする!
周囲を探索しつつ道の先に罠とか隠れている敵がいないか、タンブルタイガーに騎乗して見て回るよ
もし、何かを発見した時は用意しておいたハンドベルを鳴らしてみんなに大声で通達するね


リチア・スィール
おったからお宝ーっと。いっぱい手に入ったところで気持ちよく帰るとするぜー!

お宝を馬車に積んだら、さー出発!

分担的には、夜の担当の人が少なそうだったら眠いけどがんばって見張る。
そして昼は思いっきり昼寝する!
いっぱいいそうなら、お昼に馬車の近くで護衛。どっちでも頑張るよ!

昼でも夜でも待ち伏せとか音をひそめてー、っていると思うからおんなじ担当班のヒトと話しながらよーく見渡して、怪しい動きしてるところあったらスチームエンジンで銃を強化して怪しいとこを打ち抜く!
オレたち罠がいっぱいの迷宮協力して抜けてきたんだからさ、みんなで力合わせれば道中の罠なんてなんてことないって!


涼風・穹
荷台の上で財宝を枕に寝転び、蒼穹の美しさや太陽の光の暖かさ、そよ風の心地よさを感じつつ昼寝を楽しみます
……さぼっている訳ではなく、夜の不寝番に備えての体力温存の為ですよ?

見晴らしの良い場所で野営をすれば、夜の暗闇の中での灯りは目立つ
かなり離れた場所からでも位置は分かるし灯りに誘われて危険な動物や盗賊が寄ってこないとも限らないからな
動物や盗賊なら『贋作者』で財宝の中にあった剣を複製、投げつけて迎撃しておきます

さて、『呪飾獣カツィカ』は金目のものを狙うとなると、遠くからでも金目の物を視認できる明るい昼間、それもある程度見晴らしの良い場所で、だろうな
予め地図を確認してある程度の当たりをつけておきます


ジンガ・ジンガ
んっふっふー、やっぱお宝たァくさんあるとキモチいーじゃんよ?

俺様ちゃん、夜型だし
昼間は馬車の中でお昼寝してよっかにゃー
なるべくお日様が当たるように
出入り口の端っこの方でスヤスヤお休みタイムってことで!
あっ、でも何かあったらソッコー起きるわよォ!
寧ろ、バンバン起こしちゃってェ!

夜は俺様ちゃんの時間なので
お外で火の番なり、夜目(暗視)を活かして警戒なりして
のんびりゴハン食べながら過ごすわァ
俺様ちゃんもキレイじゃねーから、夜盗ちゃんの手口は分かってるしね?

変な音がしたら、聞き耳で判別
外敵は目立たないように忍び足からのだまし討ち
ついでに盗み攻撃でお宝割り増しホックホクじゃんよ?

※アドリブ・絡み歓迎


ベリンダ・レッドマン
【バッカス】

冒険映画の次は馬車に乗っての旅路!
宇宙船にこもりきりだった頃とは
比べ物にならない刺激の連続だ!

私は夜番に回らせてもらおう
太陽の下も嫌いじゃないがね
宇宙の闇に近い時間の方が落ち着くのさ
昼間は馬車でぐっすりと!
任せたよ、クレムくんクロエくん…ぐう(熟睡)

起きたら火を焚いて夜間警備
小火器のガジェットを手元に置いておく
レギオンも召喚して周囲の哨戒にあたらせよう
各機体が漏れなく索敵できるよう展開
だろうだろう、そうだろう!?
私の自慢の子供たちさ!

クロエくんの身体にも睡眠が必要なのだねえ
ああ、了解だ
その時はタフな仲間たちを頼らせてもらうとするさ!

さあて、彼らが休んでる間は私が頑張らねばね!


クロエ・アルページュ
【バッカス】

金銀財宝ではあきたらず、悪党の成敗とは
強欲なお願い、わたくし嫌いではありませんわ!
クレムもベリンダも来ていたのですね
まぁ、わたくしの存在を感じているなんてクレムったら

では朝から日中の露払いは任せてくださいまし
わたくし、細かいことは苦手なので
悪党さんがみえましたら【星雲の光】で貫きましょう

綺麗な花畑があれば飛び出したり
動物がいれば戯れたがる
ねぇクレム、旅みたいで楽しいですわね

それからわたくし夜は10時には就寝したく思いますの
夜更かしは美容の大敵ですわ
ふふ、習慣というものでしょうか人間らしいでしょう
でもベリンダ、危ないものが現れたらすぐ呼んで下さいまし
あなたも女の子なのですから


クレム・クラウベル
【バッカス】
……いるような気はしていたが、本当にいなくても良かったのに
的中した予感に何とも言えない顔をクロエに向け
いや、感じてない。そういうのじゃないから

夜番の方が慣れてはいるが、
クロエだけに日中を任せるのは少々怖い
朝は遅めに起き、昼過ぎから夜程々まで番をしよう

障害あれば援護射撃・2回攻撃等で対応
間に合ってそうなら馬の機嫌でも取っていよう

花畑に飛び出す背には肩を竦め
あまりのんびりしてると置いてくぞ
……呆れつつ念の為周囲の警戒をしておこう

夜が更けてきたらそのままベリンダと暫く夜番を
へぇ、便利なものがあるものだな
物珍しげにレギオンを眺めて
成る程頼もしい。頼んだぞと哨戒する機械を見送り
一足先に眠ろう


イベリア・オディビエント
宝物、見つかってよかった。
んふふー…キラキラしてて綺麗だなぁ。

さてと、お次は悪党を懲らしめればいいんだね。
処刑人の肩書きに相応しいように、次も張り切るよ。
担当はどうしよう…夜、馬車が動かせない時の見張りをしようかな。
その分昼間は休ませてもらうけど、何かあったらすぐに手伝うから!寝起き悪いけど頑張る!


【SPD】
夜の方が活発に動ける気がする…。
召喚した狼に騎乗して周囲の見張りをする。少しでも怪しいものを見つけたらすぐに皆に報告しなきゃ。
【暗視】【野生の勘】も活用するね。


勿論ある程度の心の余裕は持っていこう。ずっと警戒してるのは疲れちゃうからね。


リズ・ルシーズ
【SPD】

避けれるものは避けないとね!

見られないように意識して、時々【空中戦】で空を飛んで周囲を【情報収集】しながら進むよ!馬車に【迷彩】を施しボク自身も【変装】し少しでも見つかりにくくして進むつもり

どう、普通の商人に見えない?

夜は野営するつもり、【地形を利用】すれば少しは夜襲される可能性は減るんじゃないかな。行程があうようなら岩の多いところで夜を明かす予定、レプリカクラフトで馬車を覆うように偽者の岩で囲むよ、粗くても夜なら少しは見つかりにくいんじゃないかな?岩の間に【ロープワーク】でワイヤーを巡らせて、敵襲に気づけるようにしておくよ

(爪を伸ばし電気を纏わせ)ん、敵かなボクのネイル受けてみる?


墓多野・ソルト
【SPD】絡み・アドリブ歓迎

すんごぉい…マジもんの宝石だぁ…
しょっぱくないやつだぁ…へへへ(頬ずり

ィよぅーし!GETしたお宝を守るため!今回も頑張ろー!
【暗視】ゴーグルがあるから火の番しながら夜の見張りをするよ!

【視力・聞き耳】で怪しい気配は逃がさない!
きっと塩も囁きかけてくれるはずだ!【第六感】
何かあれば速攻で皆を起こすよ!

余裕があれば星空を見上げてしみじみするよ
…すごいなぁ
同じ暗闇に浮かぶ星なのに
宇宙と地上じゃ、やっぱり違って見えるよ
もしかしたらあの光のどれかが、俺の故郷だったりして
なーんて

…くぅーっ!!
焚火を前にエモエモトーク!超冒険者っぽくなぁーい!? 
一度やってみたかったんだぁー!!



●リズ&リチア
 ごろごろ。ごろごろ。
 馬車は音を立てて進んでいる。
 町を出てしばらくすると、草木の少ないごつごつとした岩が増えてきた。それは徐々に数が増え、次第に馬車の目の前にまで迫るようになっていた。
 ……そんな場所で。
 馬車から離れたところを、商人風に変装をしたリズが駆けていた。
 岩から岩へ。そして天高く空へ。見た目に反したすっごい体重なんて気にしない。
 空中からの情報収集は、不審者の情報だけにとどまらない。
 岩の落ちてきそうなところ、戦闘になったら危険そうな箇所そういった様々な情報をチェックしている。
 先行する彼女が進んでいくと、ごつごつしたいわばは完全に岩場しかない、という世界になった。
 もはや谷のようになった場所に、辛うじて馬車が通れるぐらいの一本の道が伸びている。岩と岩の間を縫うようにして敷かれているために、自然と右へ左へと緩やかに蛇行していた。
 時々、崩落防止にネットが張られているような岩陰もある。そんな道が長いこと続いていた。
「ただいまー」
 リズが戻ってくると、ふわ、と馬車の御者をしていてちょっとうとうとしていたリチアがあわててあくびを飲み込んだ。日中の警備も交代性で、今はリチアとリズの番なのだ。
 借りた馬はとても利口でこの道に慣れていて、ほうっておいても進むぐらいであった。
「ああ。そのままでいいよー。このまま進んだら、馬車の横に歩ける道がなくなっちゃう」
「えええ、そうなんだ! それって結構危なくないー?」
「危ない危ない。襲撃とかされるなら、まだ今のところのほうがよさそうだよ」
「だよなー。おったからお宝ーっと。いっぱい手に入ったところで気持ちよく帰るとするぜー!」
 わざとリチアが声を上げてみるも、リズが普通に、
「まあ、ボクだったら危ない場所に馬車がいくまで待つけど」
「うう。オレもそう思うんだぜー」
「ひとまず上から狙い撃たれないように、ちょっと迷彩かけておくね」
「了解りょーかい。ほかに気になる場所はあった?」
「見通しの悪いところはある程度。人の気配は無かったけれど、用心に越したことはないと思うよ」
 真剣に打ち合わせ。岩場地帯をを抜けるのは、多分一日かかるだろう、という見通しだった。
「……この道の真ん中で野営はさすがにボクもいやだな」
「後ろから誰か来てもどけないから困るよな!」
「いや、さすがに夜追いかけてくる人たちなんて盗賊しかいないと思うけど……」
 と、言いさして二人は口を閉ざした。何かが走ってくる音がする。
「……!」 
 ば、とリズは飛び上がった。リチアもさっと馬車を止め手を離して背後へ向き直る。
 土煙をあげて、馬が五頭こちらに駆けてくるのが見えた。
「止まれ! 止まってくれ!」
 何か叫んでいる。一見商人風を装っているが、リチアは騙されなかった。銃を構えて撃つ。いかにも怪しそうな、馬にぶら下げていた袋に当たると、中から武器類がざらりと落ちた。
「くそ……止まらないと殺すぞ!」
 見破られて夜盗が騒ぐ。多分止まっても殺すつもりだろう。
「普通の商人だと思って油断してるねー」
「うんうん。ここはひとつやってやろうぜー!」
 リズが言った。リチアも豹変した彼らを気にすることはない。とりあえず声をかけて馬車の中で休んでいる仲間にも声をかけてから、
「ん、そういう君は敵かな? ボクのネイル受けてみる?」
 爪を伸ばし電気を纏わせ、リチアは返事を再び銃を構えた。

 多少の遅延はあったものの、幸いなことに日がくれる前に岩の地帯を乗り切ることができた。
 岩がなくなってくると、徐々に道の左右に草原が広がってくる。まだ、ごつごつしたものが周囲にいくつも残ってはいるが、道はそれなりに広くなり、野営をする場所もある。
 彼らは路上ではなく少しはなれた岩陰に陣取ることにした。
「ロープでワイヤーをめぐらせて……レプリカクラフトで罠を仕掛けて……」
「ふっふっふ。落とし穴も掘ってやるんだぜ!」
 リズとリチアが仲良くキャンプ場所を作ってくる間に、交代の仲間たちがおきてくる。
 軽く今日の情報を交換して、交代である。これからは夜の時間だ……。

●イベリア&玄&フェルト
 昼間の間に張っておいた罠。道中の偵察。そんな情報交換や、軽い談笑を含んだ食事を終えると、昼間馬車を走らせていた人たちは休んで、夜を担当する者達が動き出す。
 今夜のイベリア、玄、フェルトはそれぞれの能力を駆使して離れた場所の見回りに来ていた。そして情報を持ち寄るために、ちょっと離れた場所にいったん集合していたのだ。
「んふふー……。キラキラしてて綺麗だなぁ。宝物、見つかってよかった」
 馬車の奥に置かれた財宝類を思い出し、ちらりとキャンプのほうを見やってイベリアはほほが緩むのを隠せない。
「さてと、お次は悪党を懲らしめればいいんだね。悪党どこかな。どーこかなー」
 見回り斧を素振りする手にも力が入るというものである。
「ええ。敵がどんな手で来るか楽しみです。……ところでイベリアさん、少し寝ぼけてません?」
「ああ、わかっちゃうかな。でも大丈夫、寝起き悪いだけだから! 目は覚めてくるから」
「そうなのですか。でしたら、寝起きにはこのようなおまじないが……」
「ひゃー。なになにおまじない? ガールズトーク? ボクも混ぜて混ぜてー!」
 フェルトがどーん、とお話に乱入する。もちろん三人きちんと警戒しているのだが、会話もついつい弾んでくる。「勿論ある程度の心の余裕は持っていこう。ずっと警戒してるのは疲れちゃう

からね」とはイベリアの言だ。
「本当ならこう、料理したりキャンプ張ったりしてるときにするのがもっと「らしい」よねー」
「そうだな。起きたらみんなしてくれていたのはびっくりした。少し申し訳ない気分だった……」
「だったら、朝ご飯は私たちで作りましょう。料理は、出来ますか?」
「さんせー! ボクはね、料理はねー」
 そんな話をしながらも移動する。というのも玄が、「……と、すみません。不審な陰を見かけたので、先に確認をお願いします」と、見てきた岩陰のひとつを指差したからであった。
 少しはなれたところにあったので、近寄るまではおしゃべりをしていたが、さすがに近くなってくるとみんな静かになっていく。
 イベリアは召喚した狼に乗って。
 フェルトは【SPタンブルタイガー】に騎乗して。
 そして玄は迷彩を纏い周囲に隠れながら先へと進む。
「あちらです。どうにもキャンプの周りを廻って様子を伺っているようで」
 玄の言葉にフェルトが視線を向ける。その岩場の影、といっているようであった。何か気配がすると。イベリアも小さく頷く。
「ここにはいない。三つ先の茂み……獣かな?」
 暗視と野生のカンを駆使して、フェルトはあたりをつけた。たぶん人間じゃない、と首を横に振ったりしたので、フェルトもんー、って考え込んだ。
「盗賊の類だったら、一人でああいう動きをしてるのはなんだか変だよね。多分獣じゃないかなー。そんなに強くなさそうだけど」
 用意していたハンドベルを鳴らすかどうか迷う。悩んだ末に、とりあえずやっつけてみようか、ということにした。
「三匹だけみたいだし、お腹をすかせた獣かもねー。本気で襲ってこられて、倒しちゃうのも可哀想だし、先に攻撃してこっちが強いところをちょっと見せれば多分もうよってこないと思うよ」
「そう……。懲らしめる悪党、じゃないのか……」
 フェルトの言葉に、イベリアがぱちりと瞬きをする。玄が両のてのひらを軽く合わせた。
「では……」
 まずは玄が駆ける。それに気付いて獣たちがあわててこちらを見るも、その前にばち! と掌から電流を作り出し、それを押し付けるようにして獣の喉元に叩き込んだ。
 きゃん、という声。狼だろうか。
「手加減はしています。もう二度とこちらに来ないでください」
「そうそうー。今度は昼間に遊びに来てね! 乱暴しちゃだめだよー」
 フェルトもSPタンブルタイガーで一匹の狼を追い払う。
「乱暴しに来たら、きっちり処刑、するけどね」
 と、最後にイベリアが斧の柄でゴツンと狼を殴ると、狼は一目散に逃げて言った。
「っし、いっちょあがりー!」
「はい。お疲れさまでした。……ですが」
 フェルトがひらひら手を振りそれを見送って、玄が小さな声を上げる。
「……これ」
「ん。食べ残し?」
 イベリアも覗き込む。狼たちはこれを理由によってきたのであろう食べ残しが少し散らばっていた。
「見回り、再開しよっか」
 フェルトが言って、二人も頷く。何かがいる、気がする。
「見つけられたらいいけど……」
 イベリアは暗視もかねて軽く周囲を探す。それは明らかに人であり、しかも複数であるということがわかった。
 しかし、かなり離れているのか。それとも本当にただの通りすがりの人が捨てたごみだったのか。
 今日のところは、そのごみの主を見つけることは出来なかった……。

●穹&ジンガ&ソルト
 二日目。
 どうやら猟兵は夜型の者が多いらしい。
 荷台の端のほうはよく日が当たった。日の光をいっぱいに浴びて、すやすや転がっているジンガ。
「はー。きもちいきもちいー。お昼寝してよっかにゃー。スヤスヤお休みタイムー」
 猫のごとくごろごろするジンガ。時々お宝のあるほうに視線をやっては、
「んっふっふー、やっぱお宝たァくさんあるとキモチいーじゃんよ? お昼寝もはかどるってもんだにゃー」
 なんてご満悦である。
「荷台の上で財宝を枕に寝転び、蒼穹の美しさや太陽の光の暖かさ、そよ風の心地よさを感じつつ昼寝を楽しむ……。控えめに言って、最高だな」
 隣で穹も転がっている。うららかな日差し。心地よい景色。二人はしばらくあー。だとか、うー。だとか言って堕落のの限りを極め、そして、
「すんごぉい……マジもんの宝石だぁ……しょっぱくないやつだぁ……へへへ」
 ソルトが宝石を枕にごろごろしていた。そんなときである。
「ところで、何か止まってないか?」
 不意に穹が言ってジンガが顔を上げた。
「ひゃー! どうしたの、何かあったー? 何かあったらソッコー起きるわよォ! 遠慮うしないでェ! 寧ろ、バンバン起こしちゃってェ!」
 ややあって前方から返事が来る。ぬかるみにはまったらしい。名残惜しそうにソルトも顔を離す。
「ありゃ。じゃ、押すの手伝うよォ」
「ィよぅーし! GETしたお宝をぬかるみの中においては置けない! 手伝うよー!」
 ジンガの言葉にテンションをあげるソルト。
「ああ。もちろん。……ごろごろしていたのはさぼっている訳ではなく、夜の不寝番に備えての体力温存の為ですから」
 気がつけば湿地帯だった。沼のような場所には背の高い草がたくさん生えていて、道という道は無かった。ただ、草が生えていない場所が道のように続いているので、そこをみんなが道として

利用しているのだろう、ということは良くわかる。
 後ろから三人が馬車を押すと、沈み込んでいた車輪が動いた。再び走り出せそうだったので三人はまた荷台に飛び乗る。
 丁度お昼時だろうか。
「日も良く照っているのに、これだけ湿いているのだから、湖や川が近いのかもしれないなー」
「塩の入ってない水かな! どうせなら温泉だったらいいのになー!」
「いやいや、普通の水だって」
 ソルトの言葉に穹もだったらいいのになあ。と笑う。
「えー。俺様ちゃん、ちょっと水浴びしていきたいー」
 もちろん馬車を離れるわけにはいかないのだけれど。多少汚れは落としたがずいぶん泥だらけになったので、ジンガが冗談めかして言うと、確かに。と穹は頷いた。
「まあこういうところの水辺なんて、格好の狩場だろうけどォー」
 なんて。流れていく景色を見ながらジンガがさらりと言って再び荷台に転がり、
「……そうだな。危険な動物も、やってきやすいと思う」
 穹も頷いた。そういうところはよらないのが一番だろう。ですよねーってソルトも転がる。
「ああ、俺の温泉……」
「だから、温泉じゃないって」
「だが待って欲しい! 温泉だったら温泉に入る女性陣の姿が……!」
「ひゃー。気にならないことはないけど、俺様ちゃんちょっとまだ命は捨てるべきときじゃないと思うよォ」
 そうして再び三人がうつらうつらしている間にも馬車は夕方まで移動し、そして止まった。
 今度彼らが目を開けたとき、景色は森に変わっていた。沼地を過ぎて、草原を過ぎて、そして森の中まで来たのだろう。
 簡単に情報交換をして、夕食。そして交代となる。
「はー。お腹いっぱい食べたわァ」
「ああ。今日もおいしかった。……それと」
 事前に穹は簡単な地図を用意していた。その地図と、自分の所感をあわせて、見晴らしのよさそうな場所をいくつかピックアップしている。
「おお。何々。おいしい塩マップ?」
「違う。なんでだって」
「そうやっていちいち突っ込んでくれる穹がマジで好き」
「はいはい、俺も好きだぜ」
「キャー。俺様ちゃんも俺様ちゃんも!」
 ひとしきり騒ぎながらも三人は地図に目を落としていく。
「『呪飾獣カツィカ』は金目のものを狙うとなると、遠くからでも金目の物を視認できる明るい昼間、それもある程度見晴らしの良い場所で、だろうな。だから……」
「オーケー。警戒する振りして気にしておくよォ。俺様ちゃんもキレイじゃねーから、夜盗ちゃんの手口は分かってるしね?」
「おー。怪しい気配は逃がさない! きっと塩も囁きかけてくれるはずだ!」
 でもまあ、せっかくだから警戒しながらのんびりしましょ。なんてジンガが言うと、そうだなって穹も頷いた。それでソルトが天を仰いだ。
「……すごいなぁ。同じ暗闇に浮かぶ星なのに、宇宙と地上じゃ、やっぱり違って見えるよ」
 つられて二人も顔を上げる。
 満天の星空。
 砂をまいたように輝く色は、遠い遠い世界へと続いている。あの、砂粒の数だけ本当に星があるのだ。
「もしかしたらあの光のどれかが、俺の故郷だったりして……なーんて、くぅーっ!! 焚火を前にエモエモトーク! 超冒険者っぽくなぁーい!? 一度やってみたかったんだぁー!!」
「落ち着いて落ち着いて。最後に台無しだぜ?」
「あはははは。ソルトちゃんらしいねェー」
 なんだかやけに盛り上がるソルト。
 穹は『贋作者』で剣を複製。投げつける準備をしながら。
 ジンガはご飯を食べて無警戒(風)に色々くつろぎながら。
 その会話に乗る。彼らは警戒しながら。ぱっと見は穏やかな会話を続けながら、
 日が昇るのを待ったのである……。



●【バッカス】
 二日目の夜は森での野宿になった。
 天には星がきらめいている。
 時々、雨にもならなさそうな千切れ雲が軽く月をさえぎっては、また晴れてを繰り返す。
 この周囲は気候が暖かいからだろうか。こんな時期だというのに、虫の声がしていた。
「太陽の下も嫌いじゃないがね。宇宙の闇に近い時間の方が落ち着くのさ」
 薪の前でベリンダはそんなことを言った。火を炊いての夜間警備は、いつも消火器のガジェットを手元において行われていた。
「そうだな。よく寝ていた」
「ああ。それはもうぐっすりと!」
 クレムの言葉にベリンダは楽しげに笑った。クロエが人差し指をひとつ立ててお姉さん風に、
「もう。クレム、乙女にそんなことを言ってはいけませんわ」
「へいへい」
「はは、それはありがとう、というべきだね?」
 いつもの調子でおしゃべりをしながらも、ベリンダは油断はしない。召喚したレギオンが今も周囲を巡回してて、怪しいものが近づいたら即わかるようになっていた。
「へぇ、便利なものがあるものだな」
 それを見て、クレムが思わず言うと、ベリンダは嬉しそうに笑う。
「だろうだろう、そうだろう!? 私の自慢の子供たちさ!」
 ものすごく自慢するような口調でベリンダは胸を張ったので、
「成る程頼もしい。頼んだぞ」
 思わず子供に言うみたいに言ってしまうクレムであった。
「何かいるだろうか?」
「今のところ、何もいないね。まあこれだけ警戒してりゃ、出てこないのかもしれないが」
 昼より夜のほうが警備は厚いくらいである。
「皆さん夜型ですのね。ああ……。けれど、わたくし夜は10時には就寝したく思いますの。夜更かしは美容の大敵ですわ」
 ふっと気づけばそんな時間だった。クロエの言葉にあぁ。とクレムは頷く。
「んじゃ、先に寝るか。頼んだぞ」
「でもベリンダ、危ないものが現れたらすぐ呼んで下さいまし。あなたも女の子なのですから」
 きちんとそう声をかけていくクロエに、ベリンダは笑う。
「ああ、了解だ。その時はタフな仲間たちを頼らせてもらうとするさ!
 大丈夫大丈夫、って言いながら手を振ると、二人も就寝した。
 星空の下、火の燃える音がする。夜担当の仲間たちもみなそれぞれに活動を開始していた。
「さあて、彼らが休んでる間は私が頑張らねばね!」

●作戦会議
 翌朝。
 朝日が昇ると同時に昼間担当の者達も起きてきた。簡単な昼食をしながらの情報交換になる。
 ちなみに三日目。冬とはいえ冷蔵庫もないに馬車の食料はパンとベーコンとそして卵ぐらいである。
 通常の日程なら、今日の夕方頃には街につくことが出来る予定だ。だが……、
「いるねー。一日目の夜にこっちを見つけたのかな。つかず離れず、追いかけている子が」
 フェルトが朝食のパンにたっぷりバターを塗ろうか悩みながら言い、んーってイベリアが考え込む。温かい飲み物が体にしみた。
「多分、『呪飾獣カツィカ』だと思う。野生のカンだけど、大悪党のにおいがする」
 小悪党じゃない。大悪党のにおいだとイベリアは主張した。
「おそらく、夜間の警備に隙がないので、離れたところから様子だけを伺っているのでしょう」
 玄がフライパンに卵を落としながら所感を述べると、
「昼間も俺たち、めーいっぱい警戒してたから、襲えなかったのかな?」
「そうだよね。先行して危なくなりそうなものは排除したり、気をつけたりしてたもんね」
 リチアとリズも顔を見合わせて頷いた。二人共の前にはベーコンエッグとパンが並んでいる。さて、バターにしようか。ジャムにしようか。
「けれども、このままってわけにもいかないね。そりゃ、昨日もある程度よってきた獣を排除したりはしたから、この道を平和にする、役には立ってるだろうけど」
「そうだな。あくまで標的は『呪飾獣カツィカ』だ。荷物の護衛はその手段に過ぎない」
 ベリンダの言葉にクレムも同意した。二人は珈琲を片手に、真剣になにやら考え込んでいると、
「では、今日の昼。隙を作っておびき寄せるしかありませんわね」
 クロエがいった。トーストの上にベーコンを敷き、目玉焼きを乗せることにしたらしい。
「おお? だいじょーぶ? 俺様ちゃんがかわろーか?」
 ジンガがさっさと朝食を終えて今日の寝床はどの変かな、なんて算段していたのを、はたと中断して言うと、
「いや、多分戦闘になるんだよな。俺たち夜起きていた組は、ちゃんと寝ていたほうがいいと思う。……ほら、この地図にあらかじめあたりをつけているから」
 穹が飲み物片手に地図を差し出した。ざっくりと気になるポイントが記されていた。
「大丈夫大丈夫。向こうもお宝が欲しいはずだから、絶対襲ってくるって塩が俺に囁いている……!」
 ソルトが目玉焼きに多めに塩を振って太鼓判を押した。
 そしてある程度の確認をしてから、その場は解散となる。
 最後の一日は、ほど良く雲の流れる気持ちのいい日になりそうだった。


「金銀財宝ではあきたらず、悪党の成敗とは。強欲なお願い、わたくし嫌いではありませんわ!」
「いや、金銀財宝はあくまで手段だって最初に言ってただろう」
「あら! ではこれは全て、わたくしたちのものかしら」
 それで彼らは再び馬車上の人となる。
「それにしても、クロエ。なんかいるような気はしていたが、本当にいなくても良かったのに」
 やっぱり愉快な珍道中になった。とクレムは何度目かわからないボヤキをして、
「まぁ、わたくしの存在を感じているなんてクレムったら」
 クロエもお茶目に返答をする。
 昼が過ぎ、町が近くなり、なだらかな上り坂がしばらく続いた。坂を上りきり丘に出ると、
「まあ……!」
 眼下には花畑。遠くに街が見えている。その向こうは海だろうか。美しい景色が広がっていた。
「見て、兎がいるわ」
 思わずクロエが馬車を降りて飛び出す。この周囲は気候が暖かいのであろう。色とりどりの花畑が、街まで延々と広がっていた。
 多分、二時間くらいは花畑の中を走ることになりそうだ。
「ねぇクレム、旅みたいで楽しいですわね」
 花畑に嬉しげにクロエが言う。その様子にクレムが目を細めて、
「あまりのんびりしてると置いてくぞ」
 なんていった。そのなんとも無防備で暢気な姿に、
「……二人とも。来たね」
 そこで、馬車の中で漠睡していたはずのベリンダが馬車の中から声をかける。クレムも頷いた。
「よーし、もう出ていいよな。いっちばんに行くんだぜー!」
「待って待って、もうちょっとひきつけてから」
 リチアの言葉にリズが言って、みんなを起こしていく。
「ふぁ……いはーい。ついに俺様ちゃんの出番ー! いやもうずっと俺様ちゃんの出番だったけど!」
「ああ。昼寝が……。昼寝にはよさそうな場所に、無粋なのがいるな」
「うう……。お宝は俺が! 俺も! 最後まで、守り通す!」
 ジンガと穹もおきて来る。ソルトががばっと起き上がって、待ってましたと声を上げた。
「ほんと、こんなところで無粋だよねー」
「ええ。手早く済ませましょう」
 フェルトの言葉に玄が頷いて、
「今度こそ、悪党を懲らしめればいいんだよね」
「ああ。オレたちみんなでここまで来たんだからさ、みんなで力合わせれば、『呪飾獣カツィカ』なんてなんてことないって! 」
 イベリアの言葉にリチアが頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『呪飾獣カツィカ』

POW   :    呪獣の一撃
単純で重い【呪詛を纏った爪 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    呪飾解放
自身に【金山羊の呪詛 】をまとい、高速移動と【呪いの咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    カツィカ・カタラ
【両掌 】から【呪詛】を放ち、【呪縛】により対象の動きを一時的に封じる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 馬車を見つけてから数日。
 ようやく見つけた最後の隙であった。
 街中にはいられては困る。このお宝をいただくのは自分だと、
 『呪飾獣カツィカ』は花畑に目を奪われている馬車へと急速に接近する。
 戦場は美しい丘。頂上で激突するだろう。
 猟兵たちには数分の猶予がある。その間に罠を仕掛けている可能性もあったはずだが、もはや『呪飾獣カツィカ』はチャンスは今しかない、とばかりに走った。
 そうして、最後の戦いが幕を開ける……!
リズ・ルシーズ
【SPD】

お目当てが来たかな!お宝が好きなんて変わってるね

共闘するよ。【迷彩】を使って【地形を利用】して待ち伏せするよ。【先制攻撃】で擬似刻印によるレーザーで光【属性攻撃】だね。基本的には近づかれない限りは【スナイパー】みたいに、遠距離攻撃で皆の【援護射撃】をするね。

近づかれたら【見切り】と【逃げ足】を使って【空中戦】で空に逃げるように見せかけ、【フェイント】をかけて【騙まし討ち】するよ。【零距離射撃】で攻撃すれば少しは他の人がフォローに来るまでの【時間稼ぎ】になるんじゃないかな。他の人が近くにまできたら【鏡面体】を辺りに出して【リレイ】で一気に攻撃。

至近距離からの全方位攻撃、食らっちゃえ!


フェルト・ユメノアール
ようやく本命のお出ましだね
キミのせいで困ってる人たちを笑顔にするためにも
ここで舞台から降りてもらうよ

戦闘ではSPDを生かしてみんなの援護をしていくよ
『トリックスターを投擲』敵の攻撃を妨害しつつ行動パターンや癖を把握、『カウンター』の機会をうかがう
そして、敵が【呪飾解放】を使用した時が勝負
ボクはカウンタースペル、【レゾナンス・フォース】を発動!
相手が強化能力を使用した時、自分もそれと同じ効果を得る!
敵の【呪いの咆哮】を同一のそれで相殺しつつ、高速移動で一気に接近
態勢を整える隙を与えずに連撃で畳み掛けると共に
攻撃時に馬車から持ってきたお宝の一つを相手に見えるように放り
敵が気を取られた隙を突くよ


ラムダ・ツァオ
遠近、どちらも油断ならない相手ね。
他にも護衛の猟兵がいるようなら、遠慮なくこちらは隙を伺わせてもらうわね。

ある程度の距離を取りつつ、まずは攻撃を見切りつつ攻撃のパターンを読むわ。
恐らく一番隙が大きいのは呪獣の一撃を見舞った後だから、その隙に踏み込めればチャンスかしら。
こちらも目くらまし代わりに外套を脱ぎさり、シーブズギャンビットで一気に切り裂くわ。
狙うのはできれば四肢か首、それと足元も破壊されるだろうから注意が必要ね。
一度では仕留めきれなくても、二度三度と隙を伺いたいわね。

あと、味方が危うい場合は囮役を務めるわ。
こう見えても足には自信があるから、多少は凌げると思うわよ。



 それは、まるで獣のように走ってきた。
 もともとは人だったのであろう。しかしその手足はもはや別のものに変質してしまっている。
 獣は彼らが通ってきた道を駆け、足元に咲く花を蹴散らして、土埃をあげる。
 走るたびに体から呪詛のようなものが漏れて、転々と地に黒い染みを残して言った。
 獣は声を上げる。それは呪いの咆哮であった。金山羊の呪詛を全身に纏い、そして馬車へと一直線に接近して……、
「ガ……!?」
「やっとお目当てが来たかな! お宝が好きなんて変わってるね」
 そしてその前に阻まれた、リズが擬似刻印よりレーザーの光を放つ。どこから放ったのかは解らない。迷彩を使って隠れた彼女のレーザーは、的確に獣の足を狙い撃つ。
 獣が声を上げた。それは咆哮というより不快な金切り声に近かった。聞くもの全てをのろうような声にしかし、
「ようやく本命のお出ましだね!」
 ひるむことなくフェルトも駆けた。手には先ほど手に入れたばかりのお宝を持っている。
「ボクはカウンタースペル、【レゾナンス・フォース】を発動! キミのせいで困ってる人たちを笑顔にするためにも……、ここで舞台から降りてもらうよ!」
 呪いの咆哮を相殺するように、同じ効果を自分に得る。そのまま獣の目の前に飛び込むと、
「これでもくらえ!」
 懐に持っていたお宝を投げつけた。思わず敵がそちらのほうを見る。その隙に、
「えいっ!」
 手にしていた曲芸用ナイフでその腕を切りつけた。ジャグリングのように投擲しながら、相手の攻撃を捌き、反撃を叩きつける。
 その動きに返すように、獣もまた反撃する。純粋に重い呪詛を纏った爪を振るい、一歩。踏み込んでフェルトの喉元をかききろうとする。
「――!」
 即座にフェルトも引いた。その一瞬後、
「油断のならない相手ね。けれどチャンスも……あるかしら?」
 ラムダが突っ込んだ。バサッと外套を脱ぎ去ると、目くらましのように相手へとたたき付ける。
 目くらましの隙間から、ダガーの連撃が繰り出される。ギャアア、と声をあげて、血が落ちる。
「ガがガ、ギ、イタイ、イタイイタイイタイイタイ! ダガ……!」
 言うなり、獣は走った。狙うのは先ほどから、物陰に隠れて援護射撃を行っていたリズだ。だが、
「……残念でした!」
 ざ、というなりリズは後退する。一瞬のフェイントだった。爪がかすかにリズの腕を裂くが彼女も気にせず後退と同時に至近距離でレーザーを撃つ。
「こっちこっち! 至近距離からの全方位攻撃、食らっちゃえ! 『鏡面体展開、射線計算完了、出力制限解除』行くよっ!」
 鏡面体が現れる。反射を利用して全方位から攻撃を仕掛ける。再び獣が咆哮するように口をあけたが、
「ふふん。やれるものならやってみなよ! またまたボクのカウンタースペルが発動さ!」
 フェルトも負けてはいなかった。同時に自分の能力の底上げを行って、追撃を行おうとする獣の腕に曲芸用のナイフを投げつけた、
「お願いだよ!」
「ええ。お任せあれ!」
 その間にラムダも滑り込む。こう見えて足には自身があった。リズとの間に割って入りながら、ダガーで何度も何度も首筋を狙う。
 声をあげて、獣はたまらず後退した。まだまだこれからだと、金切り声のような咆哮をあげた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ギド・スプートニク
【バッカス】
仕掛けてくるならこの辺りだと踏んでいたよ

襲い来るカツィカに剣杖の居合いで先手の一閃
出鼻を挫いて距離を取る

亡霊が黄金など集めて何になるやら
いや、敢えてその趣味には口出しすまい
>ベリンダの放り投げた財宝袋を空中で切り裂く
抱えきれぬ程の黄金を手に、此処で朽ち果てるがよい

クロエ嬢ならばきっとあの仮面も似合いましょうが、明日から『呪飾人形クロエ』に改名せねばならぬやも知れませぬな

ちょこまかと、逃げ回る足だけは達者と見える
だが、一度捉えてしまえば其れまでの話

己の呪詛の制御もできずに、呪飾獣が聞いて呆れる
いや、或いは
はじめから呪飾に呑まれているのか

*咎力封じに織り交ぜ、拷問具や剣杖、魔法にて戦闘


クロエ・アルページュ
【バッカス】

恐いものがきます、お行きなさいな
うさぎに逃げるよう呼びかけて臨戦態勢

おはようございますベリンダ
勿論スポットライトの準備は万全ですわ

あれは…あの空を舞うのは…ああっ財宝!!
うっうっ誰の財宝だと(みんなの物)
涙を飲みましてよ、これも作戦のひとつ
ベリンダとギドが作ってくれた隙に一発お見舞いしましょう
クレム、合わせて下さいまし
わたくしも全力魔法で光を放ちますわ
お宝はあなたにはあげません
それにお花畑で襲いかかるなど紳士の風上にもおけませんわ!

あの呪飾の仮面は売ったら高く…
呪飾人形…それはそれで泊がつきそうですわね
ありがとうベリンダ、ではわたくしらしく行きましょう

仲間の傷が深い場合は回復に回る


ベリンダ・レッドマン
【バッカス】

おおっと、出番かな
馬車で寝ている場合じゃないねえ、っと!
ガジェット!ショータイムだ!
(機関銃のガジェットを取り出す)
準備は万全かい三人とも!

なるほどねえ、いかにも金銀財宝大好きって感じだ
目には自信があるが高速移動というのが厄介
なーのーでー
これならどうかな!?
馬車内から持ってきた財宝袋をカツィカの方へと放る!
ギドくんが中身をぶちまけてくれたら
金銀きらきらのお宝シャワーが降り注ぐはずさ!
ヤツの気がそちらに向いた隙に攻撃をズガガガーン!だ!
クレムくんクロエくんの連携にはヒュウと口笛を
やるねえ!

はっはっは、確かに!イカしたお人形になれそうだねえ!
でも私はそのままのクロエくんも好きだよ!


クレム・クラウベル
【バッカス】
寝起きが早くて助かる、ベリンダ
あぁ、こちらもいつでも。始めてくれ

宝なんてまだ後ろにいくらでも積んであるだろ
一袋くらい必要な犠牲と思え
……というか案外がめついな、お前
呆れつつも相手が財宝に気を取られた隙は逃さず
了解、焼き払ってやろう
クロエの魔法に重ねて放つ祈りの火は燃やす対象を調整
カツィカを業火に包みつつも
花畑に延焼せぬよう燃え移りは適宜消す

呪詛相手なら慣れている
反撃は率先して呪詛耐性で受け止めよう
祓うなら本業だ、易々と喰らいはしない

良いんじゃないか、呪飾人形
その手の物好きが喜んで可愛がってくれるかもしれんぞ
など誂いつつも手は休めず、咎力封じの隙等狙って破魔を込めた射撃を叩き込む



「恐いものがきます、お行きなさいな。もっとも……すぐにいなくなりますけれど」
 クロエがそっとそういって兎を逃がした。臨戦態勢を整えていると、
「おおっと、出番かな。馬車で寝ている場合じゃないねえ、っと! ガジェット! ショータイムだ!」
 ベリンダもまた馬車から飛び出してきた。豪快にガジェットの準備をして、構えながら、
「準備は万全かい三人とも! ああ。いかにも金銀財宝が大好きって感じだね!」
「おはようございますベリンダ。勿論スポットライトの準備は万全ですわ」
 そう声を上げる。そして不敵な笑顔で目の前の敵を睨みつけた。答えてクロエは優雅に微笑む。
「寝起きが早くて助かる、ベリンダ。あぁ、こちらもいつでも。始めてくれ」
 クレムもまた小さく頷いてベリンダの手元に視線をやった。ベリンダは嬉しそうに笑った。
 咆哮が上がる。未だ引く気配はないらしい駆ける獣、『呪飾獣カツィカ』をギドが冷静に確認する。
 ……と、同時に既に動いていた。
「仕掛けてくるならこの辺りだと踏んでいたよ」
 一瞬のことであった。ギドは獣に肉薄すると剣杖を一閃させた。
 刃が見えた。と思ったときには既に納刀している。そのまま即座に後退して、
「亡霊が黄金など集めて何になるやら。……いや、敢えてその趣味には口出しすまい。……」
 ちらりとギドは後方に視線をやる。目があったベリンダが笑う。それから、
「なるほど、足には自身がありそうだねぇ。なーのーでー、これならどうかな!?」
 言いつつベリンダが空中に財宝の入った袋を投げつけた。それはくるくると弧を描いて青い空へと飛んでいく。同時にギドはもう一度。その刀に手を置いて、
「抱えきれぬ程の黄金を手に、此処で朽ち果てるがよい」
 その袋を切り裂いた。ばら、と黄金が零れ落ちる。空に輝くそれは日の光を浴びて眩しく輝いた。
「金銀きらきらのお宝シャワーさ! 死ぬ前にたっぷり浴びときな!」
 ベリンダの声。後退したギドを追おうとしていた獣は思わず足を止めた。
「ギャ、ガ、ガアアアア! オウゴン! オウゴンガ!」
「あれは……あの空を舞うのは……ああっ財宝!! うっうっ誰の財宝だと!!」
 獣とクロエの悲鳴が同時に響いた。ご丁寧にクロエは泣きまねまでした。
「宝なんてまだ後ろにいくらでも積んであるだろ。一袋くらい必要な犠牲と思え」
「一つより二つ、二つより三つですわ!」
「クロエ嬢。落ち着いてください。ほんの一握り、瑣末な数に過ぎません」
「っていうかあれを瑣末な数とか言うお前がすごいな、ギド。……というか案外がめついな、クロエ」
「……案外? わたくしは、結構がめついのですわ! クレム、合わせて下さいまし」
 喋りながらも二人はこの隙を見逃さなかった。
「祈りよ灯れ、祈りよ照らせ。灯火よ消えるなかれ。陽の射さぬ朝も、月無き夜も迷わぬように」
「裁きの刻限ですわ! お宝はあなたにはあげません。それにお花畑で襲いかかるなど紳士の風上にもおけませんわ!」
 クレムの詠唱と同時に読み上げた祈祷文から生じた火が獣へと放たれる。それは白い浄化の炎である。花を焼かぬよう気を払いながら、クレムは獣を豪華に包み込む。
「!? アツイアツイアツイアツイ!」
 獣は黄金を拾いあげながら振り回す。炎を払おうとするも叶わない。そんな彼にクロエが視線を向ける。天から光が落ちてくる。それがまっすぐに獣の体を貫いた。
「オ、オォォォォォォォ!」
 獣は吼える。吼えると同時にでたらめに爪を振り回す。それをクロエの前に立ち塞がるようにしてクレムは受け止める。
「祓うなら本業だ、易々と喰らいはしない」
 冷静に、あくまで炎を緩めずにクレムは目の前の敵を見据えた。そのでたらめな動きに、
「ちょこまかと、逃げ回る足だけは達者と見える。……だが、一度捉えてしまえば其れまでの話」
 今度はギドは拘束具を放った。獣の足に絡みつくロープが、その動きを封じている。
「後は、倒すだけだ」
「ああ。任せな!」
 彼らは攻撃の手を休めることはしない。だが……、ふと、
「あの呪飾の仮面は売ったら高く……いえ……呪飾人形……それはそれで泊がつきそうですわね」
 クロエがなんだかとんでもないことをいった。ベリンダが爆笑した。
「はっはっは、確かに! イカしたお人形になれそうだねえ!」
「でしょう? お洋服もそれに似合うように誂えませんと」
「良いんじゃないか、呪飾人形。その手の物好きが喜んで可愛がってくれるかもしれんぞ」
 対するクレムは破魔の力をこめた射撃を行いながらもどこかなんと言うか非常に呆れている、といっても過言ではなさそうだ。ギド口の端を緩めて少し笑いながら、
「クロエ嬢ならばきっとあの仮面も似合いましょうが、明日から『呪飾人形クロエ』に改名せねばならぬやも知れませぬな」
「あら素敵。小説のタイトルみたい」
 なんともご機嫌にクロエがそんなことを言うので、ベリンダは豪快に声を上げてひとしきり、笑った後で。
「でも私はそのままのクロエくんも好きだよ!」
「まあ! ありがとうベリンダ、ではわたくしらしく行きましょう」
 ここまで。攻撃しながらの会話であった。
 その間も無論手は緩めない。
「己の呪詛の制御もできずに、呪飾獣が聞いて呆れる。いや、或いは……、はじめから呪飾に呑まれているのか」
 それでもなお。この場から離れようとしない獣にギドが思わず呟いた。
「その執念。向けるものが違えば結末もまた違っただろうに……」
 返答は無く。金切り声のような声が響く其の場所に、ギドはそっと息をつき再び刀の柄に手をかけた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジンガ・ジンガ
ようやっと暴れてイイ時間?
隙だと思った?
残念、罠でしたァ~

★SPD
ヒトからお宝奪いに来るとか、手癖悪ィヤツも居たもんだわー
……なァんて、自分のコトを棚上げしてみるスタイルの俺様ちゃんなのでした!
お宝出すのはテメェの方だオラァ!

他の猟兵を隠れ蓑に、【目立たない】よう【忍び足】で【だまし討ち】
どさくさに紛れて【盗み攻撃】で、ハイお宝いただきまーす!
金目のモンが盗れたら、見せて挑発
【フェイント】かけて撹乱しながら
隙を見てシーブズ・ギャンビット【2回攻撃】

呪飾解放には【逃げ足】【ダッシュ】と【見切り】で対処
こォんなステキなお花畑でケモノちゃんと、
うふふアハハな追いかけっこなんて超絶ファンシーじゃんよ?


墓多野・ソルト
旅が終わるのはちょっと寂しいけど…
いよっし!お前を倒してミッションコンプリートだぁ!

素早い相手だから動きを阻害したいよね
この数日の旅を経てわかったことがあるんだけど
それは皆けっこう罠とか仕掛けるの大好きだってこと!
【レプリカクラフト】で人の罠に便乗させて貰うぜ!

俺自身も敵の動きに負けないように頑張る!【ダッシュ】で!
ウィップを相手の手や足に絡めて邪魔しちゃお!

しかしすっごい執念だなぁ
そんなにこのお宝が欲しいワケ?
だったらくれてやるぜ!古城のお宝をブン投げて攻撃!【投擲】【誘導弾】
…なーんてこっちも【レプリカクラフト】製でした!
いやビックリするかなって思って!てへ☆
俺がお宝手放すわけないじゃーん



 みなの攻撃に着実に獣、『呪飾獣カツィカ』の体力は削られていく。
 もちろん、ジンガたちもまた同様であった。
「そりゃーもう! ようやっと暴れてイイ時間だからね!」
「いよっし! お前を倒してミッションコンプリートだぁ!」
 ソルトも答えるように声を上げる。
「いくぜー!」
「おー!」
 で、二人で走り出した。
「ほらこっち、こっちだよ!」
「お宝出すのはテメェの方だオラァ!」
 ダッシュで駆けつけたソルトがウィップを使って獣の足を封じる。その隙にジンガが背後に回りこむ。忍び足にだまし討ちを駆使してめだたないように死角に回る。
「持ってんだろ? お宝。ほら! ……ちっ、何だよしけてんなー」
 フェイントをかけてかく乱させながら、腰の辺りにつっている袋にジンガは手を伸ばす。中身は軽いからたいしたことはないだろうけれど、
「ギ、ギ、オレノ、オレノオウゴン……!」
 獣が声を上げる。ソルトが瞬きをした。若干呆れたように、
「すっごい執念だなぁ。そんなに黄金が大事なワケ?」
「あ。怒った? 怒っちゃったー。はーい。ごめんごめんねー。でもお宝は、かーえーさーなーい!」
 ひらひら目の前で袋を振るジンガ。即座にソルトは絡めていたウィップを離した。獣は咆哮をあげる。それと同時にジンガへと突進した。
「わ、と、うふふふふ、ついてきなさーい!」
 走り出すジンガ。追いかける獣。見守るソルト。
「て、ちょ、見てないで、見てないでちゃんと攻撃してよ! 俺様ちゃんはここよー!」
「あ、いや。楽しそうだなー的な?」
「違うから! それ違うから!」
「まー了解。そんなに黄金が好きならくれてやるぜ! 俺は塩のほうが絶対いいと思うけどな!」
 ソルトが手にしていたお宝をぶん投げた。
「ああー!?」
 ジンガが声を上げる。
 それに釣られて獣がそちらのほうに駆け出す。
 その瞬間、お宝が爆発した。
「……なーんてこっちも【レプリカクラフト】製でした! いやビックリするかなって思って! てへ☆」
「もー。びっくりした。まじびっくりした!」
「俺がお宝手放すわけないじゃーん」
 ジンガが冗談か本気かわからぬ口調でいい、ソルトも笑う。爆発を受けた獣はその身を焦がす。
「そうそう。残念、これ罠でしたァ~。んじゃ」
 何故か。脱げば強くなるダガーの攻撃を繰り出しつつも冗談交じりにジンガは言う。ソルトもウィップを構えながら、
「旅が終わるのはちょっと寂しいけど……終わらない旅はないから。面白おかしく、終わらせてやるぜ!」
 二人同時に、攻撃を放った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イベリア・オディビエント
ついに現れた…!
貴方は宝物が欲しいのだろうけど、私は貴方の首が欲しくてたまらない……!
懲らしめて処刑してあげる!

敵がこちらに向かってくる際に
毒蛇のナイフを投げ、【毒使い】【早業】で相手の動きを鈍らせないか試してみる。
その後はユーベルコードを使用して攻撃。命中率重視で【2回攻撃】【傷口をえぐる】を使い、斧を叩きつけていく。


同行する人がいればよろしくね。出来る限り協力するし邪魔にならないよう頑張るよ。


不破・玄
少し騒がしい感じボスの登場ですね。では排除しましょう。
昼なので荷馬車にいるので敵の出現した反対側から【迷彩】しつつ滑り降りて戦闘態勢に移行します。
【迷彩】のまま移動しつつ敵の不意(仲間に注意を行っているときにその視界の外から等)を突いて攻撃したい。
サイコキャノンによる【目潰し】攻撃により戦闘開始。
敵がこちらの排除をもくろむようであれば【巫覡載霊の舞】を用いて身を守り撃つ衝撃波により攻撃を行う。
可能であれば距離をとりつつ戦いたい。
仲間との連携を大事にする。

(呪獣の一撃とか)美しい風景を壊すだけの技だな。
こんな奴に黄金を渡しても黄金が可哀想なだけだ。
黄金を手に入れること無く逝け。

アドリブ歓迎です。


リチア・スィール
待ってたぜ悪党、お宝狙うのはわかるんだけどそれでみんなは傷つけさせないぜ?

ふっふっふ、今回はわかりやすいガジェット!
ガジェットショータイム:クラッカーっぽい玉!
地面においておいたらあら不思議
カツィカの地形破壊の衝撃でぱぱぱぱーん!って鳴り響く!
先にみんなに音に注意してねー!だけ言っておいてそれをおいて用意だ!

ダンジョンにもあるよね、扉開けたら罠がどーん!ってやつ
迂闊に地面も壊しちゃだめなんだぜ?何が潜んでるかわかんないし…何より
そこの綺麗な花畑だって大事なお宝だもん、あれを壊すのはもったいないぜ?

さ、怯んだ隙にみんなでやっちゃおー!!
そしてお宝を持って帰ろうぜー!



 戦いは終盤、猛攻を受け、もはや獣とかした『呪飾獣カツィカ』の体はぼろぼろであった。
「ああ。ああ! ついにこの瞬間が現れた…! 貴方は宝物が欲しいのだろうけど、私は貴方の首が欲しくてたまらない……! 懲らしめて処刑してあげる!」
 高揚したイベリアの声。毒蛇のナイフを何度も何度も投げる。
 獣は吼える。金切り声のような不快な声音であった。玄がわずかに眉根を寄せる。
「少し騒がしい感じボスですよね。けれども、あと少しですから。では排除しましょう」
 迷彩を駆使して、イベリアに意識が向いている隙に視界の外から攻撃をする。サイキックエナジーを強化する増幅器を利用しながらの目潰しに、そこから衝撃波をたたきつけて相手を着実に削っていく。一撃、入れれば反撃が来る前に交代する玄。それを、
「ほらほら、ガジェットショータイム! お宝狙うのはわかるんだけどそれでみんなは傷つけさせないぜ?」
 彼的にお宝狙いは悪ではない。リチアが獣が動くと同時に指を鳴らす。獣の足元に設置されていたクラッカーのような罠は、それを踏みつけると同時に爆発した。
「……っ」
「っと、大丈夫か!?」
「ええ。前もって注意は受けていましたから。……おや、地を削りはしないのですね」
「もちろん、迂闊に地面はしちゃだめなんだぜ? 何が潜んでるかわかんないし……何より」
 玄が気づいて声を上げると、リチアはちっちっち、と指を振った。
「そこの綺麗な花畑だって大事なお宝だもん、あれを壊すのはもったいないぜ?」
「……そうですね」
 その優しい言い方に玄は思わず微笑む。その音に獣が驚いている隙に、玄はまた一撃を入れて後退する。イベリアが気にせずに獣のほうに突っ込んだ。
「ほらほらほら、まだまだ懲らしめたりてないよ!」
 心の底からわき立つ何かを隠しきれずに、イベリアは斧をぶんぶんと振り回す。獣の爪が反撃する。イベリアの腕を裂いて血が落ちる。しかしそれすらも本人は気にせず斧を振るう。
「信念……ですね」
 なんとなく、玄が呟いて再びたん、と地をけった。強い彼女の動きに隠れるように、その後ろに回り込む。視線をリチアにやる。リチアは頷く。
「美しい風景を壊すだけの技だな。こんな奴に黄金を渡しても黄金が可哀想なだけだ。黄金を手に入れること無く逝け」
「そういうこと! お宝は全部オレたちのものだから、諦めるんだぜー!」
 玄のなぎなたに合わせるように、リチアの熱光線が放たれた。それは敵の体を背後から焼き、動きを鈍らせる。二人の援護に、
「ねえ。ねえ。待っていたの。いいでしょう? 貴方は有罪。死刑。たった今、私が決めた!!」
 叫ぶ。葬儀屋の斧が旋回する。確実に急所を狙ったその一撃は逃げることを許さなかった。首を刎ねる。ぽんと首は中を飛んで旋回し、血を撒き散らして地面に落ちた。
「……っ、しゃあ!」
 さすがに首を刎ねられれば、もはや『呪飾獣カツィカ』といっても呪いを放つことは、出来なかった……。
「やったー!よーし、それじゃ、お宝を持って帰ろうぜー!」
 リチアの嬉しそうな声が青空に解けていった。
 戦闘中にばら撒かれた黄金が、血と日の光を浴びてきらきらと輝いていた……。


 彼らは少しばかり体を休めて、先を急ぐことにする。
 花畑の先、海の見える町。
 それがこの旅の、終点であった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト