5
まっくら森の静かな城で

#アリスラビリンス

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス


0




 静かな暗い森、その中に立つお城。
 主はおらず、灯が点されることのない城内に、いつの間にかゆかいな仲間たちが住み着いていた。
「皆の者……また、この時間が来たようだ。」
 中央ホールの壁にかかる、王を描いたと思われる人物画……描かれた人物が語り掛ける。
 埃一つ落ちていない広間にはテーブルと椅子が並び、開けた場所には箒やモップが転がっている。
「さぁ、今宵も宴を始めようではないか。」
 その言葉を合図に、テーブルの上の燭台が、床に転がる掃除道具が動き出した。
 月明りが差し込む中、彼らの影がクルクルと絡み合い、踊り出す。
 動く音は静かに、光も月の明かりだけ……そんな静かな夜になるはずだった。
「……なんだ?」
 最初に異変に気が付いたのは、人物画だった。
 空中に、クラゲが浮いている。
 それは瞬く間に数を増やし……動く道具たちを撫で、眠らせていく。
「皆の者……其奴を、」
 打て……という言葉を発することもできず。
 動くもの全てが寝静まるまで、時間はかからなかった。

「……っていう感じで、ゆかいな仲間たちが静かに暮らしてる世界が、浸食されてる。」
 黒猫のぬいぐるみを抱えながら、編堵は淡々と現状の説明をしていた。
「出てきたのは、夢喰いクラゲ。
 触った相手をとにかく眠らせる、そんなオウガたち。
 これだけならまだいいんだけど……こいつらを、操ってるのがいるの。
 それも一緒に、倒してほしい。」
 そう言って編堵は、自身に付けられた首輪に手を翳すと、暗い城の中へとゲートが繋がる。
「ここの住人達は、王様の人物画を中心とした、城の道具たち。
 燭台や箒たちも目さえ覚ませば、自分たちの身体で相手を刺したり突いたりして、一緒に戦ってくれるよ。
 それと……クラゲが一番多く集ってる、人物画の目を覚ませられれば、彼の号令で一気に目を覚まさせることができるはず。
 彼らと協力して、退治してください、お願いします。」


ヨグ
 ヨグです、アリスラビリンスのシナリオ第2弾となります。
 静かなお城の道具たち、彼らと協力してオウガたちを撃退してください。
103




第1章 集団戦 『夢喰いクラゲ』

POW   :    おやすみなさい
いま戦っている対象に有効な【暗闇と、心地よい明かり】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    良い夢を
【頭部から眠りを誘う香り】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    気持ちよく眠って
【両手】から【気持ちいい振動】を放ち、【マッサージ】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

霧城・ちさ
悪いクラゲさん達とそれを操る方におしおきしないといけませんわねっ

クラゲさんは数が多いようですし確実に当てて倒していきますわっ
二回攻撃、高速詠唱、全力魔法をクラゲの強さや数に合わせて使用して特に強そうな敵がいたりする場合はユーベルコードも使っていきますの
敵にうまく囲まれないようにするために拠点防御を応用して個別に撃破を狙いますわね

他の猟兵さんとも道具を探したりみつけたら声をかけてみたりして起こしていきますの。でも私たちが中心になって戦ったほうが安全かもしれませんわね

アドリブや他の猟兵さんと連携は大丈夫ですわっ



 暗い広間に飛び込んだ、霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)。
「さて、悪いクラゲさん達をおしおきしないといけませんわねっ!」
 見渡せば、周囲にはふわふわと浮かぶクラゲたち。
 ホールの壁にかかる絵画には見えないほどの数がいるが、テーブルの周りや掃除道具が落ちている辺りは疎らに浮かんでいる。
 入口近くのテーブルの周りに浮かぶクラゲたちが霧城に気が付き、ふわりと寄ってくるのが見えた。

「まずは、わたくしたちの陣地を作りますわよっ!」
 びしっと指を向け、霧城は近づくクラゲへ天からの光を当てる。
 しかし数が多く、なおも周囲から近づいてくるクラゲたち。
「わたくしを囲もうなど、させませんわっ!」
 意識を集中し、さらに光を降り注がせていると、テーブルの上の燭台たちが動きだした。
 眩しいのか、光から目を逸らすように立ちあがる。
「気が付きましたのね! さぁ、一緒にクラゲたちを倒しますわよ!」
 霧城の言葉にうなづき、燭台たちは二人組になって片方を持ち上げる。
 持ち上げられた燭台は伸縮しながら、蝋燭を立てる針をクラゲへと突き刺していった。
「ふふ、やりますのね。」
 霧城も負けじとクラゲに光を浴びせて弱らせ、燭台たちがトドメを刺していく。
「さぁ、貴方たちの主を助けに行きますよ!」
 言葉は返ってこないが、彼らも燭台を掲げてホールの中央へ向けて動き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宮落・ライア
起こせばいいのかー……うん、こうかな。
起っっきっっっっろぉぉぉおおおお!!!
拡声器を使ったかのようなただただ煩いとしか言いようの無い大声で突入!

おはようこんにちはこんばんはっぁぁぁああああ!!

大剣でくらげをなぎ払いながら、伸ばしてくる触手は刀で切り払う。

眠りに誘う香りは【自己証明】を発動し痛みで覚醒する。
それでもダメなら強化された力で自分の頬を引っぱたいて無理やり起こす。

あぁぁぁぁもうっ!うっとおしい!お前らがいる中でいい夢なんか見れるかっ!
大音量と衝撃波が出るほどの地団駄をふむ。

とにかく闘いながら大音量で騒いだら起きないかなー。
なお大真面目。


ミリア・ペイン
折角の静かで素敵な舞踏会を台無しにするなんて
情緒の無い連中はこれだから困るわ
さっさとご退場願いましょうか

【WIZ】《黒き怨恨の炎》
まだ眠るには少し早いわ

接触される前に遠距離から【先制攻撃】
【精神攻撃】を乗せた炎で動けなくしてやるわ
弱った個体は炎を纏めてぶつけ、押し切りましょ
召喚物は先に壊しておこうかしら

両手は【オーラ防御】で弾いて
香りは【第六感】で察知して範囲外へ退避

隙を見て王様の肖像画に接触
少し荒療治だけれど
【念動力】で揺さぶって【挑発】で喝を入れて差し上げましょ

ちょっといつまで寝てるつもり?王様の癖に情けないわね
城を好き勝手にされて悔しくないの?
早く皆を起こして、協力して敵を追い払うわよ



「折角の静かで素敵な舞踏会を台無しにするなんて、情緒の無い連中はこれだから困るわ。」
 周囲に浮かぶクラゲに対し、黒く燃え盛る炎を周りに浮かべながら呟く、ミリア・ペイン(死者の足音・f22149)。
 その視線はクラゲから肖像画へ、今も動かないこの場の主を見ていた。
「さっさとご退場願いましょ」
「起っっきっっっっろぉぉぉおおおお!!!」
 突如、大音量の叫びが響き渡る。
 まるで拡声器でも使ったかのように、ホール中に声を響かせたのは、宮落・ライア(ノゾム者・f05053)。
「おはようこんにちはこんばんはっぁぁぁああああ!!」
 あまつさえ、大剣を振り回してクラゲをぶった切りながら、ホールを突き進んでいた。
「……うん、間違ってない。」
 ミリアの呟きの通り、宮落のやり方はいい。
 少し痛む耳を押さえながら、周囲に悪霊たちを浮かべ、
「じゃあ、起こしていこう。」
 燃え上がる悪霊に、ミリアの周りが赤く輝いていった。

「あさだよぉぉお! 起きてぇええ!」
 叫びながら突き進む宮落。
 何匹目か解らないほど斬り飛ばした時、周囲に甘ったるい匂いが充満していることに気が付いた。
「あれ、これは……。」
 それは、眠気を誘う匂い。
 瞼が重く、持っている大剣もものすごく重くて……。
「まだ、眠るには少し早いわ。」
 宮落の意識が落ちかける中、後ろから響くミリアの声と共に周囲が一気に明るくなる。
「……あぁぁぁぁもうっ! うっとおしい!」
 燃え盛る悪霊たちの中で、ダン! と大きく足踏み一つ。
 巻き起こる衝撃波に、悪霊たちは拡散してクラゲへ襲い掛かっていった。
 精神をかき乱す悪霊の力に、クラゲたちも痺れて動きを止めている。
「お前らがいる中で、いい夢なんか見れるかっ!」
「同感ね……ところで、」
 おもむろにミリアは、肖像画の方を指さした。
「あれを起こさない?」
「オッケー!」
 宮落が大剣を改めて構えると、その腕からは血がしたたり落ちる。
 しかし、その痛みで意識が完全に戻った。
「いっくよぉおおおお!」
 駆け出す宮落の前を、悪霊の群れが炎を纏って飛ぶ。
 そのままクラゲに突っ込み、燃え上がり……宮落の大剣に両断されていく。
 肖像画の周囲のクラゲが消え、
「おっきろぉぉおおお!」
「……。」
 宮落の叫び声が響くが、肖像画は動く様子がない。
 そして、クラゲが寄ってくる。
「……ちょっと周りを頼んでいい?」
「……うん、解った。」
 宮落が寄ってくるクラゲを斬り払うのを見つつ、ミリアの手が肖像画に触れる。
 途端にガタガタと勢いよく、念動力に揺さぶられていった。
「ちょっと、いつまで寝てるつもり? 王様の癖に情けないわね。」
 強い口調でからかうように、ミリアが語り掛けていく。
「城を好き勝手にされて悔しくないの?」
「……いや、それは困る。」
 眠っていた肖像画の目が開かれ、ミリアを見返していた。
「助かった、礼を言う。」
「そんなことより、早く皆を起こして。協力して敵を追い払うわよ。」
「そうだな、そうしよう。」
 と、肖像画はホールへと向き、
「皆の者、起きるのだ!」
 良く通る声で語り掛ける。
 そして、床に落ちた箒やモップたちも立ちあがった。
「其奴らを倒し、我らの城を取り戻そうぞ!」
 頷くように箒たちの柄が曲がると、途端に柄を振り回しながらクラゲたちへ襲い掛かっていった。

「これで、大声出さなくても済むかな?」
「そうね、大体起きたみたい。」
 周囲を見れば、ホールの中はクラゲとゆかいな仲間たちが戦っている。
 しかし、まだクラゲの数が多い。
「よーし、じゃあ後は倒すだけだね!」
「ええ、悪いクラゲは焼き尽くしてあげる。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
夜はまだ長い、眠るには聊か早いでしょう
…ですので、邪魔しないで頂けますか?
さもなくば、実力で排除するだけです

◆行動
さて…王の号令で住民達も目を覚ましたようですね
…であれば、私はいつも通り振舞うとしましょう
さあ、私と『踊って』頂けますか?
演目は…『死の舞踏』ですが…

『暗キ獣』を使用
屍者の槍衾による【範囲攻撃】でゆかいな仲間たちを援護しつつ屍獣が遊撃
【二回攻撃】の如き連携で敵を殲滅

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を設置

設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「さて、王の号令で住民達も目を覚ましたようですね。」
 肖像画の脇でホールを見渡しながら呟く、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
 ホール内では掃除用具や燭台たちが、クラゲたちに群がられながらも奮戦している。
「であれば……私は、いつも通り振舞うとしましょう。」
 霧島の言葉に合わせて周囲から屍獣の群れが湧き出し、屍人の兵が槍を手に立ちあがる。
「ふむ……お手柔らかに頼む。」
「……ふふ、大丈夫です。あなた方には手を出しませんから。」
 肖像画の前で目深に被った蒼白い猫耳フードの下から覗く口元が笑みの形に変わると、呼び出された軍勢がホールのクラゲたちへ襲い掛かり……霧島の姿も、いつの間にか見えなくなっていた。

「さあ、私と『踊って』頂けますか?」
 クラゲの前に現れた霧島が、誘うように手を差し出していた。
 ふわふわと近づくクラゲも、その手を伸ばし……
「演目は……『死の舞踏』ですが……。」
 足元から上がる、テルミットの炎。
 クラゲの手は霧島に触れることもなく、勢いよく上がる炎に呑まれていった。
「……あまり、周囲を壊さぬように頼みたい。」
「ええ、安心してください。」
 肖像画の声に霧島が振り向くと、勢い良く燃えていた炎は消え去っていた。
「考えてありますから。」
「……そのようだな。」
 少し不審に思っているようにも聞こえたが、そんな言葉は気にせずに軍勢を進めていく霧島。
「夜はまだ長い、眠るには聊か早いでしょう。……ですので、邪魔しないで頂けますか? さもなくば、」
 群がるクラゲたちを屍人の槍が貫き、引き下ろされ、屍獣が食らいつく。
「実力で、排除するだけです。」
 進撃の結果、クラゲたちの数はだいぶ減ってきていた。
 後は、ゆかいな仲間たちに任せてもいいだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『コローロ・ポルティ』

POW   :    あなたの"色"がほしい
レベル×1tまでの対象の【姿形を構成する"色"】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    この"色"はもういらない
自身の【必要ないと感じた"色"】を代償に、【名も付かぬ程くすんだ"色"の獣】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【周囲の"色"を奪い自身や主を強化する事】で戦う。
WIZ   :    これがわたしののぞむ"色"
無敵の【自身が望む理想の"色"】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。

イラスト:烏鷺山

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はスキアファール・イリャルギです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 クラゲたちとゆかいな仲間たちの戦いは続いているが、後は彼らだけでも倒せるだろう……そう思った時、突如ホールがまばゆい光に包まれた。
 猟兵達の目が慣れてくると、光があふれるホールの中央に、影の少女が現れていた。
「ふぅん……暗いから期待してなかったけど、いい色がいっぱいあるじゃない。」
「く、何事だ……!」
 肖像画やほかのゆかいな仲間たちは、まだ目を抑えている。
 そんな彼らの間をふわりと飛ぶ影の少女……。
「あなたたち……その色、ちょうだい?」
 まだ身動きの取れない近くの箒へと、少女の手が伸びていた。
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
POW

貴女も色を欲しているのね。
なら、私と色欲を満たし合いましょ❤

『欲望解放』で全裸の女神となり
愛欲に比例して戦闘力増強。
守護霊の憑依【ドーピング】で更に強化しつつ
150以上の色(今まで愛してきた者達の面影)を見せる

音速を超えた【空中戦】で
悲愴の剣の【呪詛・衝撃波】を主軸に
頭上からの【踏みつけ】で奇襲。
それらの攻撃で壊れた床や壁の破片を【念動力】で飛ばす等
多彩な技を見せつける

色を掴もうとする手を【見切り】で避け
光の【属性攻撃】を込めた包帯の【ロープワーク・早業】で拘束。
【誘惑・催眠術】で魅了し、全身を愛撫しつつ【生命力吸収】

他者の色を奪う影の少女……
貴女の色も、私が愛してあげる



 箒へ伸びた、影の少女の手。
 しかし横から、悲鳴のような風切り音と共に、呪詛の波がその手と箒の間を抜ける。
「……邪魔、する気?」
「邪魔ねぇ……ふふ、」
 ニヤリと笑いながら手にした短剣を舐め上げる、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
「貴女も色を欲しているんでしょう? なら……、」
「キャ!?」
 ……少女が悲鳴を上げたのも無理はない。
 目の前で突然、ドゥルールが全裸の女神へと姿を変えたのだ。
「私と、色欲を……満たし合いましょ?」
「ちょ、ちょっと!? なんて姿してるのよ!」
 恥ずかしがってか、言い捨てて逃げようとする少女。
 頭上から殺気を感じ、足を止めると……飛翔していたドゥルールが前に降り立つ。
「ねぇ、逃げちゃダメよ。」
「ひ!?」
 とっさに少女は、ドゥルールの色を掴み取ろうと腕を伸ばす。
 その体に浮かぶ、今まで出会ったオブリビオンの面影に触れる寸前……しゅるりと、包帯が腕を絡めとった。
「なに、これ……!」
「ふふ、捕まえた。」
 身を躱していたドゥルールに後ろから抱き付かれ、その生命を吸い取る手に肌を擦られ……身動きが出来なくなっていた。
「や、やめ……。」
「大丈夫……貴女の色も、私が愛してあげる。」
「いやー!」

 ……気が付けば、影の少女は床に倒れていた。
「ふふ、ご馳走様。」
 白い色が奪われ、すっかり黒く色の変わった包帯を巻きながら、ドゥルールは少女に背を向ける。
 ピクリと、少女の身体が動く。
「今度会うときは、影じゃなくてきちんとした姿で、ね?」
「うぅ……。」
 少女が起き上がった時には……ドゥルールの姿は、ホールの中にはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
光を放つ影…ですか
成る程、色を得たいと願うわけですね

◆行動
理想の色…
其れは不変では無く、時と場所に応じて千変万化するもの…
そして…貴女も本当は気付いているのでしょう?
自分では其の千変万化する理想の色を想像し切れない、だから蒐集したいのだと

『暗キ獣』を使用
引き続き、屍者の槍衾による【範囲攻撃】でゆかいな仲間たちを援護しつつ屍獣が遊撃
【二回攻撃】の如き連携で敵を殲滅

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「色に乏しいテグスを使ったワイヤートラップ」を複数設置

設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


霧城・ちさ
ゆかいな仲間のみなさまを守るためにも新しく現れた少女が危害を加えないように抑えていかないとですわね
みなさまから引き離すためにも私たちで攻撃して引き付けて離れますの
攻撃に巻き込まれない位置にきましたら全力でいきますわねっ
色、が何を指しているかはわかりませんが箒さんの色も他の方の色も奪わせませんの
戦闘では手数で勝負ですの
私自身を強化して2回攻撃をしていきますわっ
他の方から色を奪ってあなた自身の色は何色かわかりませんわね
自分で努力して作り出さないと意味はありませんの

連携などは自由にして構いませんわっ


ミリア・ペイン
宴に招かれた客人…って訳じゃなさそうね
色をお探しなら丁度いいのがあるわよ
真っ黒な恐怖と絶望の色なんて如何かしら?

【WIZ】《冥き深淵の守護者》
…部外者が勝手にステージに上がってんじゃないわよ

彼女が箒に手を出す前に【先制攻撃】
色褪せた姿を見失わぬ様彼女をしっかり追いましょう【暗視】

私は攻撃を受けない様守護者の陰に隠れ自衛を【オーラ防御】

創り上げた色は尽く破壊してあげるわ
刃に【呪詛】を込め【精神攻撃】で闇色に染めてあげる

色鮮やかな箇所は徹底的に攻撃【部位破壊】
更に【挑発】して自信喪失を試みましょう

その程度の想像力で私達の色を奪おうだなんて…思い上がりも甚だしいわね
王様と仲間達の皆もそう思うでしょ?



「……終わった?」
「ええ、そのようで。」
 他所を見ていたミリアの問いに答える霧島。
「今度、こそ……!」
 その視線の先では少女がふわりと起き上がり、改めてテーブルの上の燭台へと手を伸ばしていた。
「させませんわ!」
「ちっ!」
 伸ばした手に、霧城の蹴りが飛ぶ。
 風を纏う一撃に手を引くが、さらに死神の姿をした人形が迫っているのを見て、少女は後退っていった。
「宴に招かれた客人……って訳じゃなさそうね。」
「あったり前でしょ!」
 大鎌を振り上げる人形の前に現れたのは、鮮やかな赤の壁。
 そのまま斬りかかるが、わずかな傷がついたのみ。
「私は色が欲しいのよ! こいつらを手に入れて、もっときれいになってやるんだから!」
「それは困りますわっ!」
「あーもう!」
 横から蹴りつける霧城との間にも、輝く青の壁を生み出す少女。
 さらに黄、緑、紫、橙……と、様々な色で周囲を覆う。
 霧城が拳で殴りつけると、わずかにひびが入っていた。
「ちゃんと戦ってくださいまし!」
「冗談! あんた達みたいな強いのと戦ってられないのよ!」
「……ふむ。」
 周囲に屍人の兵を呼び出しながら、顎に手を当てて少し考えていた霧島。
「それらは、あなたの理想の色でしょうか?」
「……何が言いたいの?」
 少女の周りに現れた色は、確かにどれも鮮やかな色。
 どれも混じりっ気なしの色。
「理想の色とは不変では無く、時と場所に応じて千変万化するもの……でしょう?」
「ここには、似合いませんわっ!」
 薄暗い城内のホール……暗い木目の床に、暗い色調の調度品で飾られた部屋。
 そこに鮮やかな色を置けば、自然と目立つ……色の壁を殴りつける霧城の言う通り、似合わない。
「ふん! 私のものになったら、これが合う場所にすればいいだけでしょ!?」
「自分では、その場に合う色を選べない……そのような感性で、どのような場所を作り上げられることやら。」
「くっ……。」
「色をお探しなら、丁度いいのがあるわよ。」
 その声に視線を向ければ、不気味で大きな兎の人形と共に立つミリアの姿。
 彼女が色の壁へと指さすと、死神の人形が大鎌を振り上げる
「真っ黒な恐怖と絶望の色なんて……如何かしら?」
「……ひっ!?」
 大鎌の先が、深々と色の壁を突き抜ける。
 さらに、斬りつけたところから黒い亀裂が走り、
「世界は、綺麗な色だけじゃありませんのっ!」
 霧城の拳が叩きつけられ、鮮やかな色の壁は砕け散った。
「悲しきかな、この世界ではあなたは異物でしかありません。ですので……、」
 霧島の足元から屍獣が飛び出し、飛び掛かる。
「排除させてもらいましょう。」
「……冗談じゃない!」

 周囲を槍を構えた屍兵に囲まれた中、食らいつく屍獣をふわりと避ける影の少女。
「他の方から色を奪って、あなた自身の色は何色かわかりませんわねっ!」
「くあ!?」
 少女の影の身体を霧城の拳が捉え、浮き上がる。
「今更だけど……部外者が、勝手にステージに上がってんじゃないわよ。」
 ミリアの声に、死神の人形が大鎌を振り下ろす。
 避けられないと見た少女は、また色の壁を生み出すが……闇色の刃を止めることはできず、簡単に砕け散る。
「ひっ! ああ!」
 少女の腕が斬り飛ばされ、影へと溶けていった。
 こんな場にいられない、と飛び上がろうとして……何かに体が引っかかる。
「な、なに!?」
「綺麗な色だと蒐集するのは結構。しかし、」
 よく見れば、くすんだ色のテグスが張られ、少女へと絡み付いていた。
 そして、霧島が何かを掴んだ手を引くと、少女の身体が降りてくる。
「貴女の目が節穴では、それを生かせませんね。」
「や、やめ……!」
「自分で努力して作り出さないと、意味はありませんのっ!」
 風を纏う霧城の飛び蹴りが、少女の腹へと突き刺さる。
「ぐ、げ……。」
 ふわりと浮き上がった少女に合わせ、黒い死神が大鎌を振りかぶる。
「その程度の想像力で私達の色を奪おうだなんて……思い上がりも甚だしいわね。」
 それが振り下ろされ……あっさりと、少女の首が体から切り離される。
 悲鳴を上げる暇もなく、少女の身体は暗い部屋に溶けていった。
「……王様と仲間達の皆も、そう思うでしょ?」
「うむ、そうだな。」
 大きくうなずく肖像画。
 見渡せば、仲間たちもクラゲを掃討し終えたようだった。
「とはいえ、我らだけでは手も足も出なかったのは確かだ。改めて、礼を言わせてもらおう。」
「ふふ、私たちは自身の使命を果たしただけですわ!」
「それでもかまわんよ……ありがとう、助かった。」
 肖像画の言葉に、周りの仲間たちが一斉に体を曲げて、一礼していた。
「これで元通り、というところですね。」
「うむ、それでは改めて始めるとしよう。」
 月明りに浮かぶ笑みを浮かべた肖像が、よく通る声で宣言する。
「今宵の宴を!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『暗い部屋なんて……』

POW   :    何が出てきても力で解決だ!

SPD   :    部屋に隠された物はないかな?

WIZ   :    部屋の状態から推理してみようか

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 こうして、改めて夜の宴が始まった。
 暗いホールには月明りが差し込み、床を箒たちが踊りながら埃を掃き集めていく。
 テーブルの上では燭台たちが、クルクルと踊りながら自身に付いた汚れをおとしていった。

 静かなホールの中では、彼らの動く音だけが響き渡っている。
 その調べに耳を傾けてもいいし、自身の好きな音を足してもいい。
 しかるべき作法にのっとれば、箒たちならダンスの相手をしてくれるだろう。
 それらを見渡す肖像画も、猟兵達の言葉には応えてくれるはずだ。
 さぁ、楽しもう。
ミリア・ペイン
ふぅ…やっと静かになったわね
お掃除のお手伝いが必要なら先ずはそちらからね
その後は…月明かりを見ながら静かに過ごすのもいいけれど
せっかくだもの、私も宴に参加させて頂こうかしら?

さて、何方か私と踊って下さる箒の王子様はいらっしゃるかしら
まさかこんな美少女を放っておくなんて失礼な方はいないわよね?
ふふ…なんて、ちょっと調子に乗りすぎかしら

お相手が見つかればスカートの裾を掴んで一礼
…実は私、ダンスはあまり得意な方ではないの
うっかり藁を踏んづけてしまっても許して頂戴ね

幻想的なお城、月明かり、調度品達の宴
まるで夢の中にいるみたいだわ
たまにはこういうのも悪くないものね…


霧島・絶奈
◆心情
片付きましたか…
では折角ですし、私も宴を楽しませて頂くとしましょう
私とて、時に静謐に抱かれたくもなります

◆行動
月光だけに照らされる静かな宴…
とても風情がありますね
こうして喧騒を離れ、穏やかな暗がりに抱かれるのも悪くありません
そう言った意味では此処の主は良い趣味をしているのでしょうね

此の儘こうして、静謐と闇を楽しむのも良いのですが…
折角の機会ですし、ダンスを楽しむのも良いでしょう
…とはいえ、作法的には女性から誘うのはNGでしたね
ダンスの質は違うのでしょうけれど、「カベセオ」で箒殿のお誘いを待ちましょうか
…私と踊って頂けますか、Gentleman?

さあ、楽しみましょう
夜はまだ永いのですから…



「ふぅ……やっと静かになったわね。」
「ええ、片付いたようです。」
 テーブルの横でミリアと霧島が話をしていると、ひとりでに椅子が引かれていた。
 テーブルの上に立つ燭台たちが、座っていいよとジェスチャーで示している。
「あら、ありがとう。」
「ん……でも、お掃除のお手伝いが必要なら……。」
 そのまま席に着く霧島。
 そしてミリアがホールの方へと行こうとすると、箒たちも自分たちに任せてほしいとジェスチャーを返していた。
「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかしら。」
「ふふ、彼らも楽しそうですし、いいのではないでしょうか?」
 月明りの中、箒たちの影がホールへ落ちる。
 それらはクルクルと、サッサと埃を掃き集め、暖炉へと掃き込んでいく。
 コツコツとテンポよく響く音に目を向ければ、テーブルの上で息の合ったダンスを披露する燭台たち。
「月光だけに照らされる静かな宴……とても風情がありますね。」
「……そうね。」
「おや、どこか不満でも?」
「ううん、そうじゃないけど。」
 見れば、箒たちは掃除を終えたようだ。
 ミリアは椅子から立ちつつ、
「せっかくだもの、私も宴に参加させて頂こうかしら?」
「なるほど、それも一興ですね。」
「あの子達なら、私達のダンスの相手もできるんじゃないかしら?」
「ふふ、確かに。」
 見てみれば、箒たちの柄はミリア達より少し高いくらいの長さ。
 リードしてもらうにはちょうどいいだろう。

「さて、何方か私と踊って下さる箒の王子様はいらっしゃるかしら。まさか、こんな美少女を放っておくなんて、失礼な方はいないわよね?」
 ミリアの言葉に、2本で一組の箒たちがダンスから外れて、視線を向けているようだった。
「ふふ……なんて、ちょっと調子に乗りすぎかしら。」
 そんなミリアにその1本が近づき、頭を下げるように柄を曲げている。
「ありがとう、一緒に踊ってくれるのね?」
 箒の柄が分かれ、手のように伸ばされたものをミリアは掴みつつ、スカートの裾を掴んで一礼。
 そのまま箒は手を引き、箒たちの中へと混ざっていく。
「ふふ、女性から誘うのは……と思いましたが、杞憂でしたね。」
 後ろから見ていた霧島も、残りの1本になっていた箒へと視線を移す。
 そして、私で良ければと言わんばかりに近づいて一礼する箒。
「……私と踊って頂けますか、Gentleman?」
 もちろんです、と手を取る箒に誘われ、霧島もダンスの輪に混ざっていった。
 テーブルから響く音に合わせ、優雅にダンスを楽しむ霧島と、
「……実は私、ダンスはあまり得意な方ではないの。」
 ミリアの言葉に、そんなことはないとばかりに相手の箒は柄を振っている。
 箒もしっかりとリードし、ミリアもついていくことでちゃんと踊れていた。
「うっかり藁を踏んづけてしまっても、許して頂戴ね?」
「ふふ、楽しめているようで何よりです。」
 隣で踊る霧島の言葉。
 ミリアもうなずきながら、
「ええ、本当に。幻想的なお城、月明かり、調度品達の宴……まるで夢の中にいるみたいだわ。」
「確かに。此処の主は、良い趣味をしているのでしょうね。」
「たまにはこういうのも悪くないものね……。」
「そうですね……さあ、楽しみましょう。夜はまだ永いのですから……。」

 そうして、月夜の中で繰り広げられる宴は続いていく。
 猟兵たちへの感謝と共に、彼らのダンスは続いていく。
 月の光が落ちるまで……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月17日
宿敵 『コローロ・ポルティ』 を撃破!


挿絵イラスト