忌むべき悪夢――contritum doll
グリモアベースに集う猟兵達に、またしても依頼が舞い降りる。
依頼者はアリス・レミニセンス。グリモア猟兵の一人であった。
「UDCアースで、また、異変が……」
控えめな声。しかし猟兵達は聞き逃す事無く頷き、視線で続きを促した。
「邪神を崇める狂信者が………また、日本で暗躍してるの。日常に隠れて、ひっそりと……世界を壊しかねない程の、忌まわしいモノを、呼び出そうとしてる。でも、どうやってソレを呼び出そうとしてるのか、全くわからなくて………」
グリモア猟兵の予知では視切れない程に、厄介な事案、という事だ。とは言えこうした事は多い。予知と転移の力を持つグリモア猟兵とて、万能では無いからだ。
だから、猟兵が居る。現場で情報を集め、危機に対処するのは、彼女達ではなく猟兵の仕事だ。
猟兵達は彼女に、もう少し詳しい情報を尋ねた。
「あ、怪しい人………?えーっと……大学って、知ってるわよね?地球にある、教育機関。その中でも、筑波の学園都市の大学なんだけど………教授とか、生徒とかが、結構な割合で“染まっちゃってる”。怪しいサークルを立ち上げて、狂信者と繋がって。理性は消えてはいないみたいだから、話は聞けそうだけど………。
でも、気を付けて……。今回は別に隔離された村落って訳でも無ければ、謎の秘密組織の地下拠点って訳でも無い、ただの都市の一角なの。あまり目立ったことは、しない方が良い気がするわ」
詰まるところ、聞き込みと情報収集が重要だ、という事だ。それは――――猟兵達の、専門分野。
頷きあう猟兵達を心配そうな目で眺めた後、彼女は一つ頭を下げた。
「皆………お願い」
そうして彼らは、渦中に飛び込んでいく。
無糖紅茶
不肖ながら、マスター試験に合格し、晴れて『第六猟兵』第一期マスターとなりました、『無糖紅茶』と申す者です。
基本的にどんなプレイング・設定でも歓迎します!
また、プレイングを混ぜ混ぜしちゃうことがそこそこ有りますので、そこも考慮して頂けると有難いです。
プレイングの方ですが、平日は16時~19時に纏めて文章化してお渡し致しますので、その日に受けとりたい方は12時までにプレイングを提出して頂けると幸いです。
また、日曜日はお渡しできる可能性が薄いですので、そこも考慮していただけると幸いです。
さて、字数が余ったので文章傾向とかの自己紹介を、少々させて頂きますね。
僕の文章は………そうですね、よく“吉川英治”先生とか“太宰治”先生に似ていると言われます。結構硬派な文章なんですね。
なのでまあ、ほのぼのシーンとかの描写は些か苦手でございます。対して緊迫感のある描写は比較的得意ですので、期待していただければと。
普段はWeb小説家として活動していますので、興味があれば名前で調べてみてください(笑)。
因みに、個人的には“人外”とか“超越者”とかの、人の形をしたままに人を超えた、人を外れた、そんな感じの設定が好物です。
さて、まだ字数は大幅に残っておりますが、まあ語り過ぎても良いことは無いでしょうと思い、挨拶で締めくくらせて頂きます。
UDC――太古より蘇りし、邪悪で冒涜的な、おぞましき怪異の数々に立ち向かう猟兵達の物語………一緒に、紡いできましょうか。
第1章 冒険
『教団員を探せ』
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POW : 自分が怪しいと思った相手に力を見せつける
SPD : 容疑者の情報や証拠から教団員を特定する
WIZ : 会話して得られた情報から教団員を推理する
👑11
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キケ・トレグローサ
「が、学園都市ってい言うんだから、が、学生に扮して人から話を聞くのがいいかも…」
「じ、人格は、人と話すのが、と、得意なエドに任せる…」
キケの兄「エド」の人格(詳細はステータス画面下URL先を参照してくれるとありがたいです)で留学生に扮して学生や関係者から聞き込み調査してみる。サークルになっているなら活動の痕跡があるはず。
「すみません、来年から入学するんだけど、面白そうなサークルを知らないか?」
「サークルで教授も入っているサークルがあるって聞いたんだけど、興味があるんだ。なにか知らないか?」
という感じで聞き込みをする。(行動としてはWID?)
可能ならSPDの行動として掲示板なども確認する。
蒼穹浮かぶ、筑波学園都市の一角、筑波大学と呼ばれる教育機関。
そこは至極平和に見えた。学生達は楽しげに談笑しており、邪悪で冒涜的な存在を匂わせる雰囲気等欠片も見当たらない。
しかし、それが仮初の姿に過ぎないことを、キケ達は知っていた。グリモア猟兵の予知は――残念ながら、外れた試しが無いのだから。
「が、学園都市ってい言うんだから、が、学生に扮して人から話を聞くのがいいかも…」
「じ、人格は、人と話すのが、と、得意なエドに任せる…」
エドは弟たちのそんな言葉に苦笑し、限りなく自然体で、談笑していた学生達に近づいた。
「すまない……サークルで教授も入っているサークルがあるって聞いたんだけど、興味があるんだ。なにか知らないか?」
学生達は眉を顰めた。このご時世、談笑している中に割り込むのは中々に常識外だ。しかし数秒の後、学生達は納得した。
留学生に扮したキケの姿に、きっと日本の常識に疎いのだろうと勘付いたのだ。
「教授が入っているサークル、ですか……顧問として教授が入っている、というのは有りますけど、教授がサークル員として活動しているのは……ちょっと思い当たらないですね」
とは言え、学生達にもそんな辺鄙なサークルは分からないようで、曖昧な返答しか返ってこない。
「そうか……教えてくれてありがとう」
エドはそう言って立ち去ろうとした。が――10m弱程離れたところで、猟兵として高い聴力を誇るエドの耳が、看過できない囁きを捉えた。
「追倉、もしかしてさっきの人が言ってたのって……『秘木研究室』の事じゃないの?」
「えー……だってあれ、都市伝説じゃない。この学校に有るって言われてる、非公認のオカルトサークルの噂でしょ? あんな眉唾物の話、教えられる訳が無いじゃない」
咄嗟にエドは振り返ったが――雑踏の中に、先程の学生達の姿は消えていた。
「だってさ、キケ?」
「『秘木研究室
』………」
一先ずは、秘木研究室とやらを調べよう。
彼等はそう考え、行動を開始した。
苦戦
🔵🔴🔴
神原・響
表向きは転校生としてUDC組織のサポートで書類上堂々と入学。
ネット掲示板などであらかじめ情報収集。
現地での情報の裏付けのため、人気のサークルをいくつかを見学し、そこで調査。
(WIZ+コミュ力1)
水鏡・彩羽
『大学生ならボクでも扮せるでしょうかね…』
「折角、キケ君が有用な情報を取り入れてくれたんだもの、ここで取り逃がす訳にはいかなくない?」
『何にせよ秘木研究室…だったか、調べてみる価値はあるんだろうか…』
『…有用な研究室の名前は手に入れた…じゃあ怪しいのは…』
「どう考えても秘木という名の人物、ないし教授」
『…調べてみるか』
「じゃ、後はよろしく~、君の方がどう考えても大学生っぽい?しぃ」
『…クッソ…覚えてろ』
秘木研究所というワードから関連する人物の捜索、及び特定(WIZ)
大学のデータベース回覧や他の大学生に話を聞いて教団員らしき人物を探す
「ちなみにどういう大学生に扮するの?」
『無難に軽音部員とか?』
神原達は、一先ずネット上での情報収集を優先する事にした。
キケに対する学生達の反応から、学生達に直接話を聞くのはあまり効率的な手段では無いと理解したのだ。
大学生に扮し、学内ネットの繋がる学食の一席を確保した彼らは、早速情報端末を立ち上げた。そして、後ろ暗そうな――――俗にいう『裏サイト』という物を見つける。
そして、調べること数分。
「見つけました――――これですね」
UDCエージェントとしてのスキルを駆使し、サーバーのログを復元した神原が示した頁を、他の猟兵達も覗き込む。
そこには、以下のような情報が記されていた。
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☆人員募集★
『秘木研究室』
調査内容:太古の存在に類する特異物体の収集、解析
活動時間:PM11:00~3:00
太古に存在したと伝承される、特異な存在達の調査を行っています。
外部の方の協力もあり、着々と成果を出しています!
現在少々人手不足です。
新たな人員を募集しますので、12/17 PM8:00に裏門右手の大木付近にお集まりください。
チャットログ
001:参加させて頂きます。 2018/12/15 0:31
002:<001 私も行ってみようかなー 2018/12/15 0:32
003:<001,002 お二方共に、見つけるのが大分早いですね。優秀な学生は頼りになりますな。 2018/12/15 0:32
004:<003 優秀だなんてそんなまさか、普段から入り浸ってる不良ってだけですよ(笑) 2018/12/15 0:33
005:<004 そういう訳でしたらむしろ好都合ですね、我々のような日陰者にはw 2018/12/15 0:34
006: まあ、そういう訳でしたらお二方、よろしくお願いします。このページは証拠隠滅の意味で2時には消去しますので、バックアップの方だけよろしくですぞ。 2018/12/15 0:34
007: 了解です 2018/12/15 0:35
削除時刻 2018/12/15 2:00
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「お手柄じゃない!」
水鏡が手を叩き、声を上げた。
現在時刻は12/16 11:42、この情報を基にすれば、明日の夜8時には関係者の足取りを完璧に掴めるという事だ。
『これで確実な手掛かりは得た………問題は明日だ』
「秘木とかいう人もそこに居るのかな?」
『……そういう事なら、他の連中も集めるか。追跡任務になるだろうし』
「じゃ、私連絡するね!」
一人芝居の様に見える水鏡の行動だが、彼女が多重人格者である事を知っている神原は、少し苦笑しただけだった。
別行動している猟兵達に手際よく連絡を入れる水鏡を横目で見やりつつ、神原は呟く。
「『外部の方』、か……尻尾を掴んだぞ、狂信者共」
大成功
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ジェット・ラトリオック
基本的には身を隠し、学生達を遠巻きに観察。
怪しいと思った相手には【影の追跡者の召喚】を使用し、追跡させ情報を盗み出す。
情報を盗み、確実に繋がっていると思える相手が見つかった場合、接触を試みる。
「君達の活動に興味があり、ここに来た。」
「手土産もある。」
「出来れば代表者に合いたいのだが?」と、
「コミュ力」を利用し、狂信者の仲間のフリをして情報を聞き出す。
(芽は未然に潰すべきだ。)
水鏡達に呼ばれ、学外で合流したジェットは、大まかな説明を受けた。
「成程……明日の夜8時か。……丁度いい」
「丁度いいって……成程、そういう事ですか」
ジェットのジョブは【探索者】だ。そして彼らが得意とするUbel codeの中には、この状況で限りなく有効な技がある。
「その通り。【影の追跡者】を使う」
【影の追跡者の召喚】、それは対象が分かっていれば、これ以上なく有効な情報収集型Ubel Codeである。極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡できるのだ。
「さて、後は時を待つのみだ………」
---
夜8時。彼等が残したログの通りに、裏門の大木付近でひっそりと、忌むべき会話を交わす人間たちが有った。
猟兵として高い聴力を誇るジェットの耳に、会話の内容が届く。
「秘木さん、『例のブツの在処』の解析って……」
「ああ、今日はその為に彼等を呼んだんだ。オカルトのエキスパート達の集う裏サイトの中でも、常にその深部に入り浸っている有能な学生達だよ」
「へえ、そうなんですか!それは心強いですね」
白衣の教授と、二人の学生。そして黒衣の男が交わすその会話を、少し離れた木の影に隠れて視ていたジェットは、小さくほくそ笑んだ。
(………情報通りだ。それにしても……)
やはり、と言うべきか。敬語を崩さぬ黒衣の男からは、その丁寧な態度に反して――――どうしようもなく禍々しい気配が漂っていた。
どこか狂ったような、壊れた様な、そんな気配が。
(間違いない、あれが―――狂信者だ)
ジェットはそう確信し、小声で唱えた。
「【影の追跡者よ現れよ、忌むべき狂気を追いかけろ】」
月明りが照らしていたジェットの影から、猟犬のような影が立ち上る。それは即座に地面に沈むと、滑るように黒衣の男の影に向かい、潜んだ。
そして即座に、ジェットの視界が『ぶれる』。同時に二つの景色を見ている違和感に眉を顰めつつも、ジェットは【影の追跡者】の齎す情報に注力した。
男の影という至近距離から見た事で、男の特徴が分かる。全身を覆う黒いフードコートに、端正な顔つき、引き締まった肉体。明らかに堅気の人間ではなさそうなその雰囲気と、油断のない佇まい。
やはり明らかに異常だ。ジェットは、自分の勘が正しいことを確信した。
そうこうしている内に、彼等は一旦解散するという事で落ち着いたのだろうか。
それぞれ各々の向かうべき場所へと歩き出し――当然、狂信者も歩き出す。
ジェットは息を顰め、狂信者の動向を見守った。
筑波大学から離れ、路地裏を歩き、追跡を撒こうとでもするかのように複雑な道順を辿る。
が、しかし、追跡者は影に潜んでいるのだ。当然撒ける訳もなく、狂信者たちのアジトが――――割れた。
「同志カササギ、鍵を答えよ」
「狂気の淵にこそ真実は有る」
同時に開く――――某所の立体駐車場の、関係者用入口。
「はぁ……やはり疲れますね、一般人の相手をするのは」
カササギはそうぼやきつつ、その扉を潜った。
そして同時に――――ジェットの視界も切れた。
「――ッ、結界か!」
ジェットはその正体に心当たりがあった。探索者としての経験が、その正体を告げていた。即ち――――情報隔離の結界。内部の情報を外界と断絶する、忌まわしき技術に由来する障壁だ。解除には確か、大掛かりな儀式が必要とされた筈である。ジェットは溜息を吐いて、頭を振った。
「アジトの所在は割れたが………これでは手出しのしようがないな。仕方ない、現状手に入れた情報で類推するしかないか」
成功
🔵🔵🔴
神原・響
UDC組織から駐車場の見取り図とオーナーの情報を入手。
狂信者と接触した学生二人を、公安に扮して捜査協力と称して事情聴取及び謝礼を払い正義の為として説得。
情報を得られたら二人を、安全のためとして一時的に外界と隔離。周囲には、個人的な事情として流布する。
秘木教授に対して、二人の端末から「行けなくなったから代わりに信頼でき。る人を送る。」として猟兵達を後続の人材として推薦する。
学生二人には、このまま教授からの電話やメールなどにUDC職員の監視のもと対応して情報の偽装及び狂信者が探している物の調査を協力してもらう。
(SPD+コミュ力2)
翌日、午前10時。
前日同様学食の隅を借りて集まった猟兵達は、ジェットからの報告を聞いた。
「……と、いう訳だ」
猟兵達は数分の間唸った。得られた情報が、それほどまでに大きかったのだ。
「一先ずは、狂信者が探してる『何か』についてを、真っ先に調べるべきなんだろうけど……」
キケの言葉に、猟兵達は渋い顔をした。
確かにキケの意見は正しい。正しい、のだが………猟兵達の都合としては、狂信者のアジトについても、決して放っておくべき事案では無いのだ。
更に数分の沈黙の後、神原が、何とか最善の策を捻りだした。
「なら、こうするのはどうでしょう。問題の狂信者のアジトに関しては、UDC組織から現場付近の情報をもらい、調査の足掛かりを作っておく。そして、『何か』についてですが……」
神原は他の猟兵達が確りと耳を傾けている事を確認し、続けた。
「狂信者と接触した学生二人を、公安に扮して捜査協力と称して事情聴取、謝礼を払って説得しましょう。その二人は、一応安全の為に保護することにします。
その後、秘木教授に対して、二人の端末から「公安に嗅ぎつけられて行けなくなったから代わりに信頼できる人を送る」といった感じで欺いて、俺達を後続の人材として推薦すれば、自然に我々が『何か』の情報を調べられる足掛かりに出来ます。……そんな感じで、どうですか?」
一息に語った神原の言葉を、猟兵達は数分を掛けて咀嚼した。
そしてお互いを見合い、一つ頷く。
「特に反対はない。その案で行こう」
そうして、猟兵達は動き出した。
---
同日、午後5時。
帰路につくものがちらほらと出始めた正門に佇む一人の男の姿に、学生達は好奇の視線を向けた。
何を隠そう、ジェットである。現在調査中のメンバーでは、公安に見える程年齢の高い猟兵が彼しか居なかったのだ。
ジェットは油断なく目を光らせ、昨日の学生の姿を探していた。
そしてジェットは数十分の張り込みの後に、その学生を見つけた。
「ごめんねぇ、こういう者なんだけど……ちょーっとお時間貰ってもいいかな?」
二人組で歩いていた彼等は、ジェットのほぼ完璧に近い『中年公安警察』の演技に勘違いし、少々怯えながらも、断ることなくジェットの質問に答える姿勢を向けた。
ジェットは彼等をちょっとしたカフェに誘導すると、巧みな話術と親身な姿勢を以て、彼等の警戒を解き、そして首尾よく、彼等の関わっている事の危険性の説明と、協力の要請を通すことに成功した。
「上手くいったぞ。後続の人材には予定通りキケと神原を指名した、上手くやれ」
---
そして、翌日、午後11時。
緊張しながらも、秘木教授に指定された場所に辿り着いた両名は――――驚くべき真実を知る。
「む、君達が代替の人材か。……全く、公安も鼻が利く様になって……忌々しい」
そういって唾を吐いた秘木教授は――――しかし、それすらどうでも良いと言わんばかりに、興奮した様子で両名に語った。
「まあそんなものはどうでも良い! 今回の案件は、これまで秘木研究室が関わってきた中でも最高クラスにヤバくて凄くて不可思議な事案なのだから!
――――太古に語られる、とても素敵で不思議な神を復活させる『祭具』の在処を探るのが、今回の我々の『活動目標』なのだ
!!!!!」
その言葉に――――神原とキケは、引き攣った笑みを浮かべざるを得なかった。
---
Let's go next stage...
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『祭具争奪戦』
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POW : 祭具を強奪する、教団員を物理的に排除する
SPD : 乗り物を用意する、所有者と一緒に逃げる
WIZ : 交渉で祭具を入手する、偽情報で敵を惑わす
👑11
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神原・響
祭具に関する詳細を教授に聞き、得られた情報を随時UDC組織に送り、祭具の在処に関する情報を探る。
祭具の所在に確たる証拠を集めらたら、他の猟兵に確保を任せて自分たちは、出来る限り教授や狂信者の行動を偽情報などで妨害する。
教授の語りからすると狂信者の危険性を理解していなさそうなので、その点からも教授と交渉の余地はあると思う。
教授との交渉に関しては、教授がどういうスタンスで神を捉えているかを調べてからという形で。
WIZ+コミュ力2
「………『祭具』、ですか?」
絞り出すように問うた神原に、教授は嬉々として答えた。
「そう、『祭具』! あの方から教えてもらった時は驚いたよ、まさかそんなに素晴らしい物がこの都市に有るとは。見つける事が出来れば、存在しないと言われる超古代文明の研究が一段と進むだろう! 既存論に縛られた堅物共の鼻を明かしてやれるのだ!!」
教授は熱に浮かされたような口振りで語る。その内容から、キケと神原は確信した。
この教授は――騙されている。いや、騙されているというよりは、その熱意を利用されていると言うべきか。
狂信者が『邪神』を復活させようとしている等、欠片も考えていないのだろう。
「教授、その………復活する神について、何か知ってますか?」
神原の問に、教授は首を傾げた。
「あの方は『世界を救う神』なんて言い方をしていたが……馬鹿馬鹿しい、信仰の産物に世界を救う力など無かろう。私が気になっているのは、その神の『祭具』の実在如何だけだ。それによって超古代文明の存在が証明――――」
教授の認識上は、神はそこまで重要ではないらしい。成程、だとすれば――――
二人は頷くと、慎重に、それでいて明確に、説明した。
「落ち着いて聞いてください。――――その『神』、間違いなく、【邪神】です」
「………なに?」
語りを止め、教授は眉を顰めた。唐突に何を言いだしたのかとでも言わんばかりの視線を、二人に向けた。
神原は教授の目をしっかりと見据えて、言い聞かせるように語った。
「○○君から、教授と一緒に逢った奴がヤバそうだったと聞いて、個人的に調べてみたんですが……貴方が言う『あの方』が、邪神信仰の狂信者である事が分かったんです」
「――――何だと!?」
教授の反応に、神原は内心でガッツポーズを取った。
狂信者の危険性を理解していないだろう、その点からも教授と交渉の余地はある、と。
そう睨んだ彼の予測は、これ以上なく正しかった。
「教授、貴方に接触してきた『あの方』の様子って、どことなく異常ではありませんでしたか?雰囲気と言い、気配と言い……」
「………言われてみれば、あまり気にしてはいなかったが。確かに不自然な雰囲気はあったな」
「だとしたら、間違いないです。………教授、貴方は利用されそうになっていたんですよ、【邪神】の召喚に。最近、失踪事件のニュースがやけに多いことは気付いていますか?」
「なっ――――まさか!?」
「その通りです。邪神信仰の狂信者達が呼びだす【邪神】に殺されているのです!」
実際のところ、失踪事件のニュースは別にそこまで多くは無い。UDC組織の手によって情報統制が為され、パニックを起こさないようにしているからだ。神原とてUDCエージェント、それは理解していた。
しかし今この状況で教授の飽和した思考に、『あの方』が危険な狂信者であると刻み付けるには、この『誇張表現』はこれ以上なく有効だ。
何せこの教授――――こんな後ろ暗いクラブを立ち上げる程度には、『オカルトマニア』なのだから。
「しかし神原君………だとすれば『祭具』は………」
「ええ、危険でしょう。間違っても『狂信者』の手に渡すべきではありません。我々の手で確保し、狂信者の手に渡さないようにするべきです!」
オカルトマニアの教授の性癖に、その劇的な状況はこれ以上なく突き刺さった。
教授は笑みを浮かべると、碌に確証を取る事も無く、神原の手を握った。
「そういうことなら………よろしく頼むよ、神原君」
「ええ、頑張りましょう!」
そんな彼らを視て、キケが小さく呟いた。
「………こんなのが教授でいいのか筑波大学………」
その声は、誰にも届く事無く消えた。
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教授から得られた情報は二つ。
古くからこの地に祭具が眠ると言われている事から鑑みるに、祭具の位置を示す指標が有ると考えた教授が調べたところ、筑波の外れを示していたという事。
そしてその事は既に狂信者に知らせてしまっており、昨日の時点では狂信者に詳細位置の解析を依頼されていたという事。
その情報をUDC組織と他の猟兵達に共有し、神原は大きく溜息を吐いた。
既に知らせてしまったという事は――――………
「偽情報での撹乱も視野に入れるべきか………」
大成功
🔵🔵🔵
エメラ・アーヴェスピア
「どうやらご同僚は、情報錯乱をご希望のようね」
と言っても大体の場所は伝えた訳だから的外れな場所は流せない、と
…とりあえず【情報収集】から解析をすれば正しい祭具の場所は特定できるかしら
特定できた方が助かるのよね、「8割の真実に2割の嘘」と言うし
今の内に地域情報もドローンで収集しておきましょう
特定出来たら確保に向かっている他の猟兵に連絡するわ
「ああ、私の事はいいの。祭具の場所を特定したからそちらの端末に送るわ。頑張ってね、同僚さん。」
その後、完全に誤魔化すのではなく【時間稼ぎ】の方向で場所を選定
【ハッキング】で相手の情報に滑り込ませられたら最高ね
(出来ればカフェでPC片手にやった感じで
※子供体型
空飛・空牙
「とりあえず、教授にはこのまま位置割り出してもらうとして…大きく外しても疑われかねないし、近場でそれっぽいとこを奴さん伝えて貰うかね」
問題は、今の教授だといらんこと言いそうなことかな
情熱あるのは喜ばしいが、それで暴走されても困る
「…学生か助手のふりして接触するかなぁ」
ってことで、教授と口裏合わせつつ
連絡手段聞いて、教授が割り出したのとは違う場所を伝えるか
「教授の名代です。えぇ、申し訳ない。教授は『本物の祭具』に興奮ぎみで調査と準備にかかりきりでして」
できれば伝えた場所に張り込んで、来た奴に【影の追跡者の召喚】くっつけたいが…
「まぁ、これはダメ元だな」
祭具の回収は他に任せんぜー
WIZ+コミュ力1
エメラは神原・キケの両名から伝わってきた情報をコンピューターの画面に広げ、紅茶を啜っていた。
彼女の役割は情報処理である。現状集まっている情報だけでは十全な撹乱が不可能である以上、それは非常に重要な物であった。
「どうやらご同僚は、情報錯乱をご希望のようね」
狂信者に先んじて『祭具』を確保する必要がある以上、間違っても狂信者が先に祭具を見つけてはならない。その為には、狂信者に正しい祭具の座標を伝えない事が重要だ。
とは言え………
エメラは通信端末を手に、教授と直接接触している神原に確認を取った。
「神原さん、確か『祭具』の大体の座標はもう伝わっちゃっているのよね?」
「ええ、そうです」
そう、大体の祭具の座標は、既に狂信者の知るところなのだ。それは詰まるところ、的外れな場所を流すことが出来ないという事であった。
「教授はもう『祭具』の正しい座標を掴んでいるの?」
「いえ………まだですね。半ば興奮状態で地図と写真と睨めっこしてます」
「そう………じゃあ、その地図と写真のデータを送ってくれないかしら?」
「え………構いませんが、どうするつもりです?」
同時にエメラのパソコンにいくつかのデータが届く。エメラはそれを見て一つ頷くと、続けた。
「私とて電脳魔術士の端くれよ。之だけ情報が有れば、10分あれば正しい座標は割れるわ」
「マジですか………じゃあ、座標が割れたら共有お願いします。それと……」
「分かってるわよ。時間稼ぎになるような偽座標の情報を、狂信者の側には流しておくわね」
「助かります」
通話が切れると同時に、エメラは猛烈な速度でキーボードを叩き始めた。
そして10分が経つ頃には、言葉通りに『祭具』の詳細座標を割り出していた。
その情報を全猟兵に共有すると、彼女は額の汗を拭った。
「ふぅ………じゃあ、後は情報撹乱ね。今動いてる人の中で適任は……」
数名の顔が脳裏を走り――――彼女は一つ頷いた後に、通信端末を取った。
「あ、空飛さん?――――既に教授から狂信者へのコネクションは入手してるから、それを利用して上手く誤魔化して、今送った座標を伝えておいて」
「キケさん、神原さん、既に狂信者の撹乱は済ませたから、教授から狂信者に接触する事が無いように………」
---
エメラから伝えられた情報を基に、空飛は狂信者に連絡を取った。
「――――あ、兎束さんですか?」
「えぇ、そうですが………どちら様で?」
他の者が知る筈の無い教授から狂信者へのコネクションを通じて連絡してきた見知らぬ声に、狂信者・兎束の声に剣呑な色が混じった。
空飛は声にほんの少しばかりの焦りの色を混ぜつつ、極力自然な口調で答えた。
「あ、申し訳ない。教授に「『本物の祭具』の位置が分かった、私は調査の準備に掛かるから、代わりに兎束さんに伝えておいてくれ!」と頼まれまして………」
「成程、教授の名代ですか。失礼しました、公安の方かと勘違いしてしまいまして………」
鋭い………っ
ある意味間違っていない。狂信者・兎束に接触したのは公安に扮した猟兵・ジェットだ。
余りにも鼻が利く狂信者の思考に少々冷や汗を浮かべつつ、空飛は続けた。
「これが、教授が割り出した詳細位置です。初めの解釈通り、筑波の郊外で合ってたみたいですね」
同時に、データを送り付ける。狂信者もそれを確認したのか、少々驚いたような声を上げた。
「成程……木を隠すなら森の中、確かにここの可能性は高いですね……」
送った座標は入り組み、曲がりくねった風返し峠の先――――紫賽水。
石岡市に含まれてしまうものの、一応筑波の郊外と言えなくも無いような位置だ。
そして何より神秘的で、いかにも何か埋まって居そうな雰囲気のある場所である――――
が、当然、偽情報だ。
本当はそもそも風返し峠など通る必要は無い。
方角的には一緒、範囲的にも近いが――――だがそこを選べば致命的に届かない距離の場所。
――――夫女ヶ石付近。それが本来の『正しい祭具の座標』である。
「分かりました、我々も早急に向かいます」
「よろしくお願いします」
そして、通信が切れた。
そうして猟兵達は、まんまと狂信者を欺くことに、成功した――――かのように見えた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
屍蝋火・灰人
場所が特定されてるならさっさと取りに行くべきだろう。
夫女ヶ石付近に行って祭具を探す。
狂信者共が近くをうろうろしているのなら好都合。
ぶん殴って気絶させてゴースト・リボーンで手駒にしてやる。
シャーマンズゴーストの力を使うのは複雑だが……お前らが、俺の家族を脅かすリスクに比べれば破格だ。
手数を増やし、確実に祭具を手に入れてやる。
地縛鎖で周囲の情報を吸いだせば発掘場所の精度も多少は上げられるかね。
杜鬼・クロウ
アドリブ歓迎
「優秀じゃねェか。だが順風満帆に事が運んでる時こそ、思わぬ所で寝首掻かれっからな。あの兎束って輩、案外ハナが利くようだしなァ」
今までの経緯、兎束に流したデマ情報を確認
偽情報がバレる可能性を考慮
狂信者が夫女ヶ石付近に向かうかもと考え、
誰かに尾行されてないか背後を注意して夫女ヶ石へ
『祭具』らしきものを捜索
教授と通信端末で連絡取リ『祭具』の形状を聞く
先手打たれて既に奪取済なら、狂信者と対峙し強奪
狂信者が人なら素手でボコす
人でないなら【リザレクト・オブリビオン】使用。死霊騎士を召喚して退ける
「超古代文明の産物云々の話は全部終わった後で語れ。祭具の形状や詳細、さっさと吐けや教授。時間がねェ」
「――――見つけたぜ」
「上手くいったか」
実働部隊の猟兵達は伝えられた情報通りに夫女ヶ石付近を探し、それらしき物を入手する事に成功した。
「これが、『祭具
』………」
地面から筍の様に顔を出したそれは――――表現も憚られる程の物体だった。が、敢えて表現しよう――――それは、心臓であった。
ぬめる溶液を表面から滴らせる毒々しい紫色の触手が表面をびっしりと覆い尽くし、見ているだけでくらつくようなリズムで邪なる脈動を刻む――――そんな心臓であった。
生きた生の臓器が地面に埋まっている――――それだけでも既に十分冒涜的だというのに、それは表面から無数の触手を生やし、何かを求めるように蠢いているのだ。
猟兵達の顔色に尋常ならざる影響を与えるのに、その惨状は十分に過ぎるものであった。
「………どうする」
「回収するしかねぇだろ………」
そう、そんな悍ましい物体であったとしても、猟兵達に忌避の選択肢は無い。
何せそれは、場合によっては邪神すらも蘇らせる、忌まわしき悪夢の欠片なのだから。
屍蝋火・社鬼の両名は、慎重に祭具を取りあげ、用意した携帯型収容庫に安置し、厳重に鎖で縛り付けた――――
と、その時だった。二人の鋭敏な知覚が、駆け足で接近してくる何者かの足音を捉えた。
人間にしては余りにも――――不規則で、妙な足音。
「ちぃ………やはり後を付けられてたか……」
社鬼がそう呟くと同時に、他の猟兵達も警戒態勢を取る。
携帯型収容庫を取り囲むように布陣した彼らに――――それは、とうとう姿を露わした。
「あらあら………皆さんお揃いで………何をしているのです?」
酒に酔ったようなふらついた足取りと、それに反して狂的なまでに爛々と輝く瞳。
その容貌は、情報に有った狂信者の容貌に限りなく近く――――それでいて、どこか違った。何かを掛け違えたかのような――――既に人を外れているかのような、そんな雰囲気を纏っているのだ。
猟兵達は一斉に殺気立つ。それぞれの獲物を鳴らし、ソレが一歩でも動いたら砕けるように――――
その時。通信機が声を届け、緊迫した空気に衝撃が走った。
『皆その場にいるわね。よく聞いて――――祭具は、一つじゃなかったのよ! 博士が調べて――――私が指示した紫賽水にももう一つ、祭具がある事が分かったのッ!!』
戦慄と沈黙が、猟兵達の間を駆け巡った。
そしてそれを破るように、狂った悪魔の笑い声が響いた。
「クフッ………フハハッ、フハハハハッ!!成程、邪神様のお告げは正しかったッ!!こうなることを予測する、その邪知慧眼に感謝を、感謝をォ!!」
その言葉に尋常ではない嫌な予感が、猟兵達の間を駆け巡った。彼等は咄嗟に獲物を振るい、狂信者に飛びかかり――――
そして、一歩遅かった。
衝撃波が木々を揺らし、猟兵達は吹き飛ばされ――――そして、見た。
恍惚とした表情で――――表面に無数の微細な蛆の集った漆黒の脳のような形状の祭具を迎え入れ。
急激に頭蓋を膨らませ、異形へと転じた狂信者――――否、『邪神』の姿を。
【心臓統合叶わぬが故、復活は不完全ながら――――このハエ共を叩き潰し、奪えばよいだろう】
狂気が静かだった森林を満たし。
世界がその悪夢に身を捩る振動が地を揺らす。
それは人の身で見る事叶わぬ忌むべき悪夢、壊れた人間の狂気が招く邪神の災劇。
『膨らむ頭の人間』――――邪神の狂気と忌識と業深き力を迎え入れ、邪神と化した壊れた人間が今――――猟兵達に牙を剥いた。
---
You should break this nightmare!!!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『膨らむ頭の人間』
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POW : 異形なる影の降臨
自身が戦闘で瀕死になると【おぞましい輪郭の影】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD : 慈悲深き邪神の御使い
いま戦っている対象に有効な【邪神の落とし子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 侵食する狂気の炎
対象の攻撃を軽減する【邪なる炎をまとった異形】に変身しつつ、【教典から放つ炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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その衝撃は街を揺らし、猟兵達は感じ取った。
【災禍が復活した】、その忌まわしき事実を。
これまでの健闘虚しく、それは蘇ってしまったのだ。
世界を喰らい尽くすオブリビオン――――その一角が、蘇ってしまったのだ。
こうなってしまっては、撃滅こそがあらゆる行動に優先される。
猟兵達は今行っていた行動を放棄し、その感覚のままに戦地へ赴く事にした。
キケ・トレグローサ
(キケ)「こ、こんなやつを、野放しにする、わけにはいかない!」
キケの人格でユーベルコードを放つ。兄エドと妹ルナが、それぞれ背の高い青年とかわいらしい少女の姿で現れ、演奏を開始する。
(エド)「忌まわしきものよ、泰平を脅かすものよ、いま一度眠れ!」
エドの宣言とともに奏でるのは邪神を打ち滅ぼした女神を称える戯曲の一つ。その旋律とともにルナが舞い踊り猟兵を鼓舞し続ける。エドの唄はシンフォニアの癒しの力を含む。
(ルナ)「私たちは自由に歌い、踊る、その幸せを、お前みたいなやつに邪魔されてたまるか!」
舞踏するルナは演舞の途中、敵の視界を奪ったり足をかけたりし妨害を行う。傷つけばエドの歌声の癒しを施す。
■交戦開始
神原、キケの両名は、博士の情報もあって、復活直後には既に戦地に辿り着いていた。
が――――その時には既に、戦場は死屍累々の様相を呈していた。
肉の焼ける厭な臭いと、耳を穿つ悍ましき音色が当たりを満たし。
逃走叶わず死したUDC組織のバックアップ要員の死体を護るように、数名の猟兵達が必死の抗戦を行っていた。
「こ、こんなやつを、野放しにする、わけにはいかない!」
キケは神原のバイクから飛び降り、一も二も無く、その力を解き放った。
『流浪の楽団(オルケスタ・デ・ビアヘロス)』
キケの三重人格その全てが戦場に姿を顕し、邪神を打ち滅ぼした女神を称える戯曲を奏で――――そして、その音色は即座に力を現した。
「忌まわしきものよ、泰平を脅かすものよ、いま一度眠れ!」
辺りに居た全ての猟兵達に活力が戻り、何でも出来そうな感覚が肢体を満たす。
三兄弟の演奏は、ただの演奏では無い。猟兵達を鼓舞し、戦う力を迸らせる協奏曲なのだ。
が――――邪神はその流麗な音色に、むしろ不機嫌そうな様子を示した。
それもそうだろう、この世の理によって動く猟兵達にとって心地好い音色であるという事は――この世の理から外れた邪神にとっては、忌まわしき不快音なのだから。
【不愉快だ――――塵と化せ!!】
邪神は経典を掲げると、一瞬にしてその姿を変えた。
冒涜的な妄執を纏う人間的な形態から――――狂気にも似た業火を纏う、悪夢的な異形へと。そして同時に、一切の抵抗を許さない狂気の炎が放たれた。
が――――
「私たちは自由に歌い、踊る。その幸せを、お前みたいなやつに邪魔されてたまるか!」
演奏中の少女がそう叫ぶと、その言霊に吹き飛ばされるかの様に、炎の波は減退した。
大成功
🔵🔵🔵
神原・響
バイクで敵の後ろから突っ込みながら途中で飛び降り、バイクを相手にぶつけ飛び降りながらオブリビオンに対して、対UDC50口径改造二丁拳銃を抜き放ち射撃しつつ受け身を取る。
攻撃に対しては、二丁拳銃で受けながす。
オブリビオンの頭、経典、胴体を攻撃しつつ何処を攻撃されるのを嫌がるかを観察する。
時折、確保した心臓の方にも銃口を向けつつ敵の反応を見る。
POW+メカニック1+2回攻撃1+クイックドロウ1+鎧無視攻撃1+武器受け1
そして僅かに出来た道を、駆ける影がある。
キケと共に駆け付けた猟兵の片割れ、神原だ。
キケ達の凱歌で飛躍的に上昇した身体能力を以て、彼は邪神に人の限界を超えた攻撃を撃ち込んだ!
キケが降りたバイクの進路を修正、矛先を邪神に向け、跳び降りて離脱。
そのまま曲芸染みた神業で、50口径の改造二丁拳銃をそのままバイクに撃ち込み、邪神とその眷属諸共に吹き飛ばしたのだッ!!
轟音と閃光、そして衝撃波が空気を揺らす。
たっぷりと燃料の残ったバイクの爆発だ――いかな業火に覆われし邪神と言えども、物理の破壊力の前には無力でしかない。
眷属は哀れにもガソリンの爆発で四散。邪神にも少なからぬダメージが入っただろう。しかし――――
【児戯である――――落とし子よ!!】
邪神は堪えた様子も無く、その経典を振るった。
経典から飛び散ったぬらりと輝く粘液が、見る間に姿を変えてゆく………
「な――――っ!?」
その姿に、猟兵達は色めき立った。粘液が姿を変えたそれらは――――紛れも無く。
「赤………子
………?」
邪神には智慧がある。それ故にソレは理解していたのだ――――人間が何を厭うのかを。
普通の人間は人の形をしたモノを傷つける事に極度の抵抗がある、それも特に――――赤子の形をしたモノを。
故にソレは躊躇なくその行動を選択した。
その外見に躊躇し、攻撃を止めた神原を前に。
呼びだされた赤子たちは、次々にその口を開き――――
「キェェェェェェエアアアアアアァァァァッッッ
!!!!」
マンドラゴラもかくやという、本能的な不快感を齎す醜悪な泣き声を響き渡らせた。
咄嗟に耳を塞いだ神原を、邪神の業火が襲う。
「っう――――!?」
神原は邪神の攻撃に直撃され、森の奥へと転がっていった。
苦戦
🔵🔴🔴
エメラ・アーヴェスピア
…っ!嫌な予感がして情報収集を続けていたけど、これは…!
まさかとは思ったけれど、やはり祭具は1つじゃない…!しかもよりによってあの場所!?…急いで連絡を!
『皆その場に――』
…これは私の失態よ
なら私自身がこの分を埋めなくてはいけないわ…!
例え恥をかこうとも、ね
…具体的には翌日の新聞に「犬に乗った少女が街を爆走」なんて記事になる可能性があってもよ…
(魔導蒸気猟犬に乗って現場まで急ぐ。猟兵効果の為上発生の可能性あり)
『我が砲火は未来の為に』!(猟犬から飛び降り大型重砲を召喚砲撃・攻撃力重視)
なんとか…間に合ったわね…!
これより支援砲撃を開始するわ。失態の分、確りと働かせてもらうわよ…ッ!
※アドリブ可
■数分後
神原の戦闘離脱によって、猟兵達の足並みは徐々に乱れつつあった。
赤子型の眷属の群れが齎した被害が、それほどまでに甚大だったのだ。
冒涜的な叫び声を上げるとはいえ、見た目だけは守るべき赤子の姿をしている眷属達を前に、猟兵達はどうしても攻撃を躊躇してしまう。
その瞬間をいやらしく狙ってくる邪神によって、一人、また一人と傷ついていったのだ。いやらしく、等と形容しても、現状それが攻撃を遮る業火に覆われた異形である以上、その一撃は重く、痛い。
猟兵達は窮していた。どうすればいい、どうすれば打開できる――――そんな苦悩を抱え、ままならぬ現実に苦鳴を漏らし、悪夢の猛攻を持ちこたえていた。
そんな時の事であった。
猟兵達が窮していた最大の原因――――赤子達が。
無数の砲弾によって、跡形も無く消し飛ばされた。
「なんとか…間に合ったわね…! これより支援砲撃を開始するわ。失態の分、確りと働かせてもらうわよ…ッ!」
そんな声が響き、猟兵達はそちらの方に意識を向け――――驚愕した。
サポート役だと言って憚らなかったエメラが、巨大な砲を無数に呼び出し、硝煙を纏っていたからだ。
エメラ視点に立ってみれば、それは単純な論理であった。
祭具が一つで無い事に気づけなかったのはエメラの失態であり、彼女は非常に自身の責任に篤い人物なのだ。それこそ、自身の恥すら捨てる程に。
故に彼女は状況を見ても躊躇わなかった。責任感に満ちた一撃は――――彼女の義に、正当な対価となって現れたのである。
そう、彼女は焦る思考のままに――――状況を視ることなく、砲撃を解き放っていた。それが赤子を巻き込んだのは単なる偶然であり、故に彼女は意図せずして、赤子の形をした障害、冒涜的な人を惑わす悪魔を消し飛ばすことが出来たのだ。
そしてそれは、即座に猟兵達の優位として反映された。
自分達を散々惑わし、手傷を負わせた邪神に――無数の視線が刺さる。
【ッ………】
邪神はその視線に、自分でも気づかぬままに――――一歩、後退っていた。
大成功
🔵🔵🔵
ソレが一歩下がった、その瞬間。隙を逃さず、嶋野は一瞬で距離を詰めた。
【――――ッ】
息を呑んだ邪神に、嶋野はアサルトウェポンによる徹底的な零距離射撃を重ねた。
当然ながら彼の身体は業火に焼かれ、甚大でない苦痛が彼を襲うが――――
「ふっ――――効くかよ!!」
彼は激痛には耐性があった。そして、激痛に耐えて邪神を、邪知暴虐の主を必ずや葬らんという覚悟があった。何せ――――
「年場もいかねえ赤子の姿で散々弄びやがって――――良いご身分だなァ!!」
赤ん坊のかわいらしさ、人間の営みを冒涜した邪神に、甚大どころではない憤怒を滾らせていたのだ。
邪神は無数の銃弾に身体を射抜かれつつも、必死に業火を操り、嶋野に浴びせかけた。
嶋野は一切の回避行動を取らなかった。それ故に、これはお互いの耐久力を競う根競べの様相を呈す。
その状態を、邪神は嘲笑った。
【――――愚かだな】
僅かコンマ数秒の応酬。放たれた弾は、実に171発。
だが、倒れたのは嶋野だった。
当然だ――――そもそも肉体の耐久値が違う。正面から耐久値を競えば、先に負けるのは人間である。
それ故に、邪神は嘲笑ったのだ。それ故に――――
邪神の胸に、風穴が空いたのだ。
邪神は数瞬、自身の身体を襲った以上に首を傾げ――――直後、莫大な吐血と共に、吹き飛んでいった。
「愚かなのは――――どっちかねぇ?」
嶋野は口端を拭いながら立ち上がり、横を指さした。
そこには――――亡霊の様に揺らめく、銃を構えた『もう一人の嶋野』が居た。
『戦場の亡霊』――――戦場傭兵としての嶋野の切り札が。
邪神の不幸は三つ。
一つは、嶋野の胆力を甘く見過ぎた事。
もう一つは、銃の威力を軽視し過ぎた事。
そして三つめは――――猟兵という存在を、知らなかった事。
猟兵とて理外の存在なのだ――――それを知らなかったが故に邪神は、油断の対価をその身体で払う事になった。
【蠅では無く、狼だったか――――人の子らよ】
しかし邪神とて理外の存在。胸に風穴を開けられた程度では滅びなかったようだ。
遠くでゆらり、と立ち上がる気配に、猟兵達は気を引き締めた。
嶋野・輝彦
応援で来てみりゃ邪神復活してんのかよ
こういうのもグッドタイミングって言うのか?
嬉しくねぇなぁ…こうなったら腹くくるしかないわなぁ
【POW】
アサルトウェポンで攻撃
射撃で攻撃??俺は素人だぞ無理無理
捨て身の一撃、零距離射撃でラッシュをかける
この距離なら馬鹿でも当たるだろ、と言うかその距離でないと俺は立ち回る自信がねぇわ俺は
後は激痛耐性と覚悟を重ねて耐える
馬鹿っぽいな?馬鹿っぽいが…俺程度の技量で避けるとか云々とか無理に決まってるだろ
だったら根性で耐えるしかないんだよなぁ
それにユーべルコードが戦場の亡霊だしな
かみ合わせとしては悪くないだろ
死にかけたら戦場の亡霊起動、ヤバいって所まで耐えた後離脱
※ミスしました、申し訳ありません。
リプレイが二重になっています。
---
ソレが一歩下がった、その瞬間。隙を逃さず、嶋野は一瞬で距離を詰めた。
【――――ッ】
息を呑んだ邪神に、嶋野はアサルトウェポンによる徹底的な零距離射撃を重ねた。
当然ながら彼の身体は業火に焼かれ、甚大でない苦痛が彼を襲うが――――
「ふっ――――効くかよ!!」
彼は激痛には耐性があった。そして、激痛に耐えて邪神を、邪知暴虐の主を必ずや葬らんという覚悟があった。何せ――――
「年場もいかねえ赤子の姿で散々弄びやがって――――良いご身分だなァ!!」
赤ん坊のかわいらしさ、人間の営みを冒涜した邪神に、甚大どころではない憤怒を滾らせていたのだ。
邪神は無数の銃弾に身体を射抜かれつつも、必死に業火を操り、嶋野に浴びせかけた。
嶋野は一切の回避行動を取らなかった。それ故に、これはお互いの耐久力を競う根競べの様相を呈す。
その状態を、邪神は嘲笑った。
【――――愚かだな】
僅かコンマ数秒の応酬。放たれた弾は、実に171発。
だが、倒れたのは嶋野だった。
当然だ――――そもそも肉体の耐久値が違う。正面から耐久値を競えば、先に負けるのは人間である。
それ故に、邪神は嘲笑ったのだ。それ故に――――
邪神の胸に、風穴が空いたのだ。
邪神は数瞬、自身の身体を襲った以上に首を傾げ――――直後、莫大な吐血と共に、吹き飛んでいった。
「愚かなのは――――どっちかねぇ?」
嶋野は口端を拭いながら立ち上がり、横を指さした。
そこには――――亡霊の様に揺らめく、銃を構えた『もう一人の嶋野』が居た。
『戦場の亡霊』――――戦場傭兵としての嶋野の切り札が。
邪神の不幸は三つ。
一つは、嶋野の胆力を甘く見過ぎた事。
もう一つは、銃の威力を軽視し過ぎた事。
そして三つめは――――猟兵という存在を、知らなかった事。
猟兵とて理外の存在なのだ――――それを知らなかったが故に邪神は、油断の対価をその身体で払う事になった。
【蠅では無く、狼だったか――――人の子らよ】
しかし邪神とて理外の存在。胸に風穴を開けられた程度では滅びなかったようだ。
遠くでゆらり、と立ち上がる気配に、猟兵達は気を引き締めた。
成功
🔵🔵🔴
エメラ・アーヴェスピア
まだまだ、と言う訳ね
なら、私は私の仕事を続けるだけよ…!
『この場は既に我が陣地』!倒れるまで油断はしないわ!
少しでもダメージを与えるべく、【援護射撃】を撃ちまくるわよ!
猟犬、ガトリングも攻撃命令。私自身もマスケットで弾幕に参加
この砲弾の雨の中で、何処まで余裕でいられるかしら…!
防御面は…浮遊盾、お願いね
今はただ、防御を上回るべく一発でも多くの砲弾を…!
※アドリブ可
「まだまだ、と言う訳ね。なら、私は私の仕事を続けるだけよ…!」
エメラはそう叫び、Ubel codeを起動した。
『この場は既に我が陣地(シェリングテリトリー)』
莫大な数の魔導蒸気砲台が瞬時に召喚される。
その数――――90基。
照準する必要すらない。この規模になれば。最早方向を決めるだけで必ず命中する。
しかしエメラは気を緩めなかった。乗ってきた猟犬にも攻撃の命令を与え、自分自身もマスケット銃を構える。
そして――――
『Feuer!!!』
号令と共に、ガジェッティアの技術力の生んだ暴威が解き放たれた。
最大で口径120mmにまで及ぶ多数の砲塔と、無数の口径20mmを超える重機関砲。
更には猟犬の専用砲に加え、エメラの構えるマスケット銃。
最早ワンマンアーミーと呼ぶに相応しい無数の兵装群から放たれた、豪雨にも等しい砲火の雨は――――
邪神の居たであろう森を、見事なまでに更地に変えた。
しかし――――
「まだ斃れないのッ!?」
未だ邪神、健在。
吹き飛ばされてもおかしくない弾雨であった筈なのに、何故――――
その答えは、直後に判明した。
「――――ッ!?」
戦場を業火が包む。
エメラが呼びだしたタレット群が即座に溶け落ち、猟兵達もまた甚大な熱気に晒される。
咄嗟に飛び退くのが一歩遅れていれば、彼等は物言わぬ灰になっていたかも知れない。
そして、彼等は視た。
漆黒に染まる異形の影が、邪神の心臓を捧げ持ち、式句を唱える――悪夢にも似た光景を。
【見事である、人の子らよ――――そして神妙に、逝ね!!!】
大気を震撼させる程に悍ましき宣告が辺りを覆い。
邪神の真価が解き放たれた。
成功
🔵🔵🔴
空飛・空牙
「殺してみろよ、邪神風情が!!」
大気を暴風雨に。大気を落雷に。大気を津波に。大気を地震に。
「頼むぜ風の精霊! 全力で燥ぎ倒そうか!!」
[先制攻撃]で敵が動き出す前に
【エレメンタル・ファンタジア】に[衝撃波][属性攻撃][全力魔法]ものせて
風属性で自然災害を網羅しピンポイントで邪神と影に叩き込む
敵の攻撃は、瓦礫を風か衝撃波で跳ねあげて盾代わりにしてる間に退いたり
ハーケンダガーをその辺引っ掻けて[地形の利用]をしながら移動補助しつつ[見切り][第六感]まで駆使して回避
シルフバトンで集めた大気をエアライドギアの駆動力に変えながら
攻撃の手を緩めない
「神ごときが何様だ。地球人舐めんな!」
※アドリブ歓迎
神原・響
まったく、傷を治したはいいがあちこち煤だらけだ。
完全体になって調子に乗っている所悪いが、こいつはさっきより効くぞ。
周囲の地形に隠れながら狙撃ポイントに移動。銃弾には、聖言刻印弾を使う。高いが経費は組織持ち。
戦場の亡霊を使い、UDC改造対物理狙撃銃・ティンダロスを構え頭部と心臓
同時に狙い撃つ。
地形の利用5+スナイパー2+追跡1+戦闘知識3+衝撃波2+破魔4
■業火が空を覆い、無数の落とし子が地を蠢く、地獄と化した戦場で。
異形なる影を降臨し完全体と化した邪神は、猟兵達の智の埒外を歩んでいた。
手を振るえば狂気の業火が肉を焼く。空を見上げればそれだけで無数の異形が地を埋める。
それは最早、名状する事すら憚られる地獄の極致であり――逆に言えばそれは、猟兵達がその全力を解き放つのに比類なき死地であった。
「殺してみろよ、邪神風情がッ!!」
大気を暴風雨に、落雷に、津波に、地震に――――理を超越した自然の脅威が、空飛の裂帛の気合と共に解放される。
『エレメンタル・ファンタジア』
理外の存在たる猟兵が繰る、Ubel Code、その一端に。
邪神の繰る狂気の炎が打ち消され、地を這う異形が吹き飛ばされる。
が、邪神にとって、それは想定の範囲内であった。
既に邪神の思惟は理を外れ、未来予知にすら到達し得る絶対的な狂気の淵にあったのだ。
【堕ちよ――――】
その一言だけで火勢が強まり、雨も津波も落雷も瞬時に消却される。
いや、それだけでは無い。空飛の第六感が、自身を貫かんと迫る炎槍を認識したのだ。
「クソッ――――!!」
瓦礫を衝撃波で跳ね上げ、同時にハーケンダガーで引き下がった空飛は、どうしようもなく臍を噛んだ。之でも尚、足りないのかと。
だが、その瞬間。
『戦場の亡霊――――ティンダロス、Feuer!!!』
邪神が言の葉を振るう僅かな隙を射抜く様に。
二つの閃光が、邪神に向けて迸り――――頭蓋と左胸を、射抜いた。
【――――ッ!?】
僅かな驚愕の気配が漏れる。
邪神には、当然その砲火も視えていた。故に業火の火勢を強め、確実な防御を張った筈だった。
しかしそれは火を貫いたのだ。侵食する狂気の炎のカーテンを貫通し、己に手傷を負わせたのだ。
それもその筈――――神原が放ったのは、『聖言刻印弾』。
百人の聖者の力をたった一発に収束して聖別された、あらゆる邪気を打ち貫く法具だったのだから。
火勢が弱まり、落とし子達が骸となって転がる。脳に巨大な風穴を開けられた以上、最早邪神に猟兵達を屠り得る智慧は無い。
そう、無い――――それ故に。
【ガァァァァァアアアアアアッッッッ
!!!!!!!!】
邪神は暴走した。
悍ましき輪郭の影が地を覆い、悪夢の如き光景が幕を開けた。
落とし子達が蘇る。再び狂炎が空を灼く。
神原は気付いていなかった。邪神の祭具の一つたる【心臓】が、邪神の胸の『中央』に格納されて居た事を。故に足りなかったのだ。邪神を完全に滅するには。
力を生む心臓を壊さぬままに、智を繰る脳を壊してしまえば、そこに生まれるのは意思も理性も存在しない、力だけが暴走した獸である。
故に猟兵達は恐怖した。このままでは、UDCアースその物が危ういと。
彼等は最後の死力を振り絞り、獣と化した邪神を滅する決意を固めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
エメラ・アーヴェスピア
今こそ、この悪夢を破る時よ…その道は私がつけてあげる。
だから…駆け抜けなさい、猟兵!『我が砲火は…未来の為に』!
おぞましい輪郭の影や落とし子がいる場合はそちらを優先するわ
砲種は大型の重砲がメイン(攻撃力重視)
猟犬、ガトリングも攻撃命令。私自身もマスケットで弾幕に参加
今まさに向かおうとする同僚さん達の為に、露払いは任せなさい
ここでこれ位できないと…胸を張って帰れないじゃないの…!
【援護射撃】【一斉発射】【地形の利用】
※アドリブ可
※トドメをさせた場合
…まだ色々とやるべき事は残っているけど…ひと先ずお疲れ様よ、同僚さん。
■悪夢を祓う活路
「今こそ、この悪夢を破る時よ…その道は私がつけてあげる!『我が砲火は…未来の為に』ッ!!」
エメラがそう叫び、最後の路を切り開く!
再び呼びだされた大型銃砲が硝煙と共に暴威を振るい、無数の異形を消し飛ばし、一瞬ながらも猟兵達と獣を繋ぐ、空隙の活路を作り出したッ!
しかし――――その代償は大きかった。
先の業火で負っていた僅かな火傷が原因だろうか。その一撃を解き放った直後に、エメラは僅かに呻き、一瞬ながらも隙を作ってしまったのだ。
結果として彼女は、降ってきた無数の焔槍に身体を貫かれた。
「あぅっ――――」
エメラは為す術も無く、着弾の衝撃に吹き飛ばされた。
サイボーグの強靭な肉体に助けられ、命に別状こそ無い物の、治療無しに動く事は叶わないだろう。
だが彼女の意思は暁光の如く。動けぬ身体ながらも、彼女は猟兵達へ叫んだ。
「今よ、駆け抜けなさい、猟兵ッ!!!」
その激を受けて――――彼女の残した活路へ、猟兵達は飛び込んだッ!
苦戦
🔵🔴🔴
神原・響
駆け抜けよ一秒でも早く、一歩でも先へ。戦友の開いた道を駆ける。
荒れ狂う炎を耐え、蠢く異形を超え、ただ荒れ狂う邪神を殺すために。
持ち込んだ弾は、四つ。既に二つは使ってしまった。
故に、相棒に込める弾は一つずつ。邪神の心臓に叩き込む。
WIZ
2回攻撃3+クイックドロウ1+鎧無視攻撃1+零距離射撃1+火炎耐性7+激痛耐性3
衝撃波3+破魔8
■決着
ごく僅かな間隙の活路を、猟兵達は駆けた。
一秒でも早く、一秒でも先へ。ただ、荒れ狂う獸を屠らんが為に。
しかし、獣は強かった。智慧を失って尚その力は理外の境地に有った、
後背の間隙は駆ける傍から津波の様にせり上がる異形の落とし子達によって埋め尽くされ、彼等を狙い降り注ぐ炎槍と共に退路を塞ぐ。それはまるで神話に語られる黄泉平坂の如き様相であった。
しかし猟兵達は恐れなかった。エメラ・アーヴェスピアの開いた活路を無駄にしまいと、降り注ぐ焔槍も追いすがる異形も振り払い、必死に邪神に肉薄した。
無数の傷を身体に刻みながらも、彼等は疾風の如き勢いで突撃し、そして――――
「――――ッ
!!!!」
獸の目前に躍り出た神原は、裂帛の気合と共に二丁拳銃を抜き放ち、放った。
正確無比なクイックドロウ。放たれた聖言刻印弾は二発。
獸は本能的に落とし子と炎で防ごうとしたものの、理性無き防御は魔弾の威力の前には何処までも無力であり。
それ故に、嘗て邪神であり、獣であった骸が一つ、焼け焦げた森の残骸に転がる結果が生まれたのであった。
――――頭蓋と胸部に風穴を開け、全身に無数の弾痕を刻んだ残骸は、まるで壊れた人形のようであったと言う
…………。
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■after story
邪神の残骸をUDC組織が片づけた後の筑波には、あるニュースが流れていた。
曰く――――夫女ヶ石付近で大規模な火災が発生した、と。
勿論、UDC組織の行ったカバーストーリーの流布だ。哀れな目撃者達には記憶処理が施されている為、そのニュースの正体を知る者は、居なかった。
――猟兵達を除いて。
「こうして、日常が護られていくのだろうな、この世界は………」
彼らは感慨深く、そう呟いた。
the end
大成功
🔵🔵🔵