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ガラクタの山で怪魚は跳ねる

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●放棄されていた地下迷宮、地下4階
 アルダワ魔法学園の地下には、災魔を閉じ込めた地下迷宮が、数多存在する。
 経験を積むため、あるいは内部のお宝探しのため、生徒が大挙して押し寄せる迷宮もあれば、誰にも一顧だにされず、打ち捨てられた迷宮もあった。
 そして学園側からも忘れられかけていた、ナンバリングすらされなくなった一つの地下迷宮、その地下4階にて。
 迷宮にはおよそ似つかわしくない豪奢な調度品で彩られた部屋のソファーに、だらりと横たわる人影があった。
「あーあ……迷宮を乗っ取ったはいいけれど、生徒が遊びに来てくれなくてつまんねーなー」
 ゆるり、伸ばされた右手の先を、機械の小魚が触れては宙を泳いでいく。
 そう独り言ちるのはトーンの高い若い声だが、その顔はマスクで覆われて表情はおろか、性別すら窺い知ることは出来ない。
 この男とも女とも言い切れない怪人は、その指先でくるり、円を描いてみせると。
「あんまり遊びに来ないなら、こっちから遊びに行ってやろうか――なぁ?」
 マスクの奥にある目を、剣呑に細めてみせるのだった。

●グリモアベースの一角にて
「皆さん、明けましておめでとうございます……お仕事の、お時間です」
 アスター・ファラデー(ルーンの繰り手・f02089)はそう切り出してぺこりと頭を下げた。
 新年のあいさつもそこそこに、アスターは予知した事件の説明を始める。
 場所はアルダワ魔法学園。学園側からも存在を忘れられており、放棄されていた地下迷宮を、オブリビオンが乗っ取ったらしい。
「今はまだ、迷宮の中で大人しくして、いるようですが……私の予知で、上に上がってこようという、意思を確認できました……対処を、お願いします」
 危険が発生する前に、先んじて叩く。オブリビオンの事件に対する基本姿勢は、年が明けても何ら変わりない。
 地下迷宮は計5階層。地下1階から地下3階までは通常の迷宮だが、地下4階と地下5階はそこそこの広さの部屋のみのワンフロアとなっており、オブリビオンの住みやすいように改造がされているようだ。
 小規模だが、迷宮は迷宮。階層の少なさを補うかのように、トラップは満載だ。
「地下3階まで、蒸気を用いたトラップが、多く仕掛けられているようです……放棄されていたせいか、蒸気を通すパイプにも破損が、あちこちあるようで……」
 トラップそのものに加え、壁や天井、床に通されたパイプから噴き出す蒸気にも注意を配る必要がありそうだ。
「オブリビオンは、マスクとウェットスーツで全身を覆った、怪人です……普段は地下4階のフロアにいるようですが、皆さんの気配を察知して、下の階に逃げることが予想されます……」
 この地下4階は、怪人の手で応接間のように内装が整えられ、家具が設えられている。この家具には霊が宿っており、ふわふわと浮き上がっては侵入者に襲い掛かってくるのだ。
 ポルターガイストと呼ばれる、災魔――オブリビオンの一種である。
「ポルターガイストは、ある一つの家具に宿った霊が、他の家具を操作しています……どの家具が核になっているかは、私には見えませんでした……」
 核となる家具を打ち破るまで、ポルターガイストの攻撃は止まない。見極めが重要だろう。
 応接間のポルターガイストを倒した後は、いよいよ元凶のオブリビオンと直接対決となる。
 地下5階は地下4階同様、怪人のパーソナルスペース扱いされている。壁にアクアリウムが埋め込まれ、中で機怪魚を泳がせているなど、どうやら趣味の部屋らしい。
 オブリビオンである怪人は、無数の機怪魚を従えている。機怪魚を召喚して攻撃させたり、機怪魚から魚雷を放ったり、魚型の銃器を複数同時に操ったりするようだ。
「機怪魚は、数字が刻印されている、個体も居て……それらは、合体すると数字が大きくなって、強くなるようです。気をつけて、ください」
 アスターは説明を終えると、腰の皮袋からルーンストーンを取り出して宙に放り投げた。
 床へぱらぱらと落ちていくストーンの、表向きに落ちた一つを拾い上げる。
「ギューフ、ですね。今が、まさにチャンス。この機を逃さず取り組めば、きっと良い結果が見えてくるはず、です。
 ご武運を、お祈りします、皆さん」


屋守保英
 新年明けましておめでとうございます。
 やもりさんです。
 今年もよろしくお願いします。

●目標
 ・機怪魚人間×1体の撃破。

●舞台・戦場
(第1章)
 放棄されていた地下迷宮の地下1階~地下3階です。
 狭い通路に幾重にもパイプが通され、蒸気によるトラップが多数仕掛けられています。
 床のパイプが破損している箇所もあるため、高温の蒸気にも注意が必要です。

(第2章)
 地下迷宮の地下4階です。
 比較的狭いワンフロアとなっており、洋館の応接間のような内装になっています。
 遮蔽物はありません。

(第3章)
 地下迷宮の最深部、地下5階です。
 地下4階と同じくらいの広さのワンフロアとなっています。
 怪人の趣味で、壁にアクアリウムが埋め込まれています。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『蒸気トラップ』

POW   :    トラップを正面から受け止める

SPD   :    トラップを華麗に回避したり回り込む

WIZ   :    トラップの構造を予測して解除する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花宵・稀星
ふむ、蒸気によるトラップですか。
スチームでお肌ぴかぴか! 服のシワがとれてピシッ!
……という生ぬるい話ではなさそうです。

しかしなにより蒸気は熱いから問題なのでは?
仲間を巻き込まないように先行しつつ、属性攻撃の効果を高める装備である<アクアマリン>の宝石の助けを借りて制御した<エレメンタルファンタジア>で氷属性の突風を通路に吹き抜けさせて、蒸気を冷やして凝固、霜に変えて地面に落としてしまうです。
また蒸気の噴き出し口も凍り付かせれば、詰まりを起こして、しばらくはそれ以上の蒸気が噴き出さなくなるかもしれないです。



その地下迷宮の、ナンバリングは既にない。
 廃棄され、忘れ去られていた迷宮の中に、猟兵たちは踏み込んだ。
 管理の手が行き届かないそこは、オブリビオンの出現による迷宮変化によって、内部のパイプが絡まり合い、もつれあい、時にパイプが傷ついて高圧高温の蒸気が漏れだしていた。
 それ故、地下迷宮の地下1階は異常なほどの湿度だ。
「ふむ、スチームでお肌ぴかぴか!服のシワがとれてピシッ!……という生ぬるいお話ではなさそうですね」
 花宵・稀星(置き去り人形・f07013)は露出の多いその服装を、撫でるように整えながら言った。
 これがスチームアイロンならどんなにか服が綺麗になったかと思うが、この迷宮に満ちているのは人の身を苛む蒸気である。
「しかしこの蒸気、熱いからそもそも問題なのでは?」
 迷宮内部を先行しながら、稀星は装備するアクアマリンにそっと指で触れた。
 属性攻撃の効果を高める宝石、その力を借りて発動したエレメンタル・ファンタジア。彼女が繰るのは氷の嵐だ。
 通路に一陣の、冷風がごうと吹き抜けていくと、通路に満ち満ちていた蒸気が霜となって床へと舞い落ちていく。
 冷風は同時に破損したパイプの吹き出し口をも凍り付かせ、その口を氷で閉ざしてしまった。
 幾分か快適になった迷宮の通路を、稀星は悠々と進んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

折紙・栞
「まず、迷宮、突破です…」

ゆっくりじっくり進みます
背も小さいし体重も軽いので、体格に対するトラップには引っかかりにくいはず

あとは迷宮をしっかりと観察
トラップの構造を解析して、
解除あるいは回避していきます
「じーっ…」
「(無言でこくこくしてる)」
持ってる知識(世界知識技能活用)と照らし合わし、一度遭遇したトラップから傾向と対策を学習(学習力技能活用)し、時には時間稼ぎをしつつ、
確実にトラップを無効化していきます

「いい、調子、です」
てくてくてくてく
「たいへんな、ことに、気づきました…」
体が小さいということは、
トラップにはひっかかりにくくても、
他の人の倍は歩かないといけないのでは?
「たいへん…です…」



蒸気で稼働するトラップががしゃこん、がしゃこんと轟音を立てる中、折紙・栞(ホワイトブック・ガール・f03747)は慎重に歩を進めていた。
「まず、迷宮、突破です……」
 ゆっくりじっくり、着実を喫しながら進んでいく彼女。
 体格が小さく、体重も軽い栞は、その小さな身体を活かしてトラップをかわしながら進んでいっていた。
 パイプとパイプの隙間を通り抜けたり。体重を感知して上下に動作する柱を動作させずにすり抜けたり。
 だが、そんな彼女の身体を以てしても、超えるのが困難なものがあった。
「……これは、どうしましょう」
 そう、床の上を通された、破損して蒸気を噴き上げるパイプである。
 普通の身長ならば跨げば何とか乗り越えられるかという太さ、栞はよじ登るしかない。
 加えて破損して高圧高温の蒸気を噴き出すパイプは、触ると熱い。
「……たいへん、です……」
 トラップに引っかかりにくいとは言えど、そもそもの進行が難儀するようでは仕方がない。
 それでも栞はめげることなく、ジャンプも駆使してパイプを乗り越え、先に進むのである。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
はっはっは、まどろっこしいのう!
トラップなんぞ走り抜けてしまえば何とかなるものじゃろう!
目には目を、文明には文明を!
蒸気を超えた文明の力を見せつけるとしようかの!
ウチの宇宙バイク『ステラドラグーン』が火を噴くんじゃ!

どんな熱い蒸気でも、一瞬だけならちょっと我慢すればいいだけなんじゃ!
迷宮を攻略するための最強の魔法、がんばる、がまんする、をマスターしたウチにかかれば、並大抵のモノでは邪魔することなどできぬぞ!



「はっはっは、まどろっこしいのう!」
 苦戦する栞の様子を見て、ウルフシャ・オーゲツ(ヤドリガミのフードファイター・f00046)は高らかに笑った。
「トラップなんぞ走り抜けてしまえば何とかなるものじゃろう!目には目を、文明には文明を!蒸気を超えた文明の力を見せつけるとしようかの!」
 そうして彼女は自身の駆る宇宙バイク『ステラドラグーン』へと跨った。
 迷宮をバイクで疾走する。常人が見たらさぞかし驚きに目を剥く光景だろうと思うが、彼女はスターライダー。宇宙バイクは乗機でもあり、武器でもあるのだ。
 どんなに熱い蒸気でも、蒸気は蒸気。一瞬でくぐり抜けてしまえばなんということはない。
 ある意味最強の攻略法である「頑張る」「我慢する」。
 ウルフシャはそれを前面に押し出して突き進んでいった。
 壁から吹き付ける蒸気も上下動する壁もなんのその、といった具合に全速力で駆け抜けた彼女は。
「ふぅ……さて、ここは一体迷宮のどこじゃ?」
 すっかり姿の見えなくなった仲間を探して、きょろきょろと辺りを見回すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アウグスタ・ヴァイマール
アルダワを守護する貴族の一人として災魔を放置することはできませんわね

それはそれとして
迷宮に潜む蒸気トラップ!まさに冒険!ロマンですわね!

…コホン

さて、わが一族に代々受け継がれる魔導蒸気銃を用いた高速空中移動術『ヴィントタンツ』
ここに【空中戦】の技能を加えれば、急加速、急停止、急旋回も自由自在
閉鎖空間はもはや私の独壇場ですわ

地面に足をつけることなく、躱せる蒸気やトラップは全て躱して進みますわね
地形の変形などなんのその、ヴァイマール流空中舞踏を止めることなど出来ませんわ

もし避けられない蒸気トラップが行く手を塞ぐ時には…
【怪力】を活かした蹴りで地形ごと噴出孔を歪めて塞いでしまいましょう

ごめんあそばせ



 なんとかウルフシャと合流して地下1階を踏破した猟兵たちは、階段を降りて地下2階へとやってくる。
 ここも勿論、破損して蒸気を噴き出すパイプと騒音を立てながら絶えず動く蒸気トラップで満たされていた。
 猟兵たちがうんざりした表情を見せる中、一歩前に踏み出したのはアウグスタ・ヴァイマール(魔法学園のエリートお嬢様・f02614)だ。
「アルダワを守護する貴族の一人として、災魔を放置することはできませんわね」
 古くよりアルダワの守護の任に就いてきた貴族・ヴァイマール家。その長女たる彼女は、地下迷宮に災魔が蔓延ることをよしとしない。
 彼女は両手に持つ魔導蒸気銃を構え、引き金をぐっと引いた。放たれるのは弾丸ではなく、鉤爪のついた鎖だ。
 その鎖を迷宮の壁へと食い込ませるや、鎖を巻き取って高速で壁まで移動する。
 しかしてアウグスタは空を飛ぶように、壁から壁へ、天井から壁へとトラップを避けつつ移動していった。
「閉鎖空間はもはや私の独壇場ですわ……っと」
 縦横無尽に飛び回るアウグスタだが、数瞬足を止めた。天井に通されたパイプに大穴が開き、カーテンのように高温の蒸気が降り注いでいる。
 しかしアウグスタは躊躇わない。鎖を蒸気のカーテンの向こうに打ち込むと、パイプに向かって蹴りをお見舞い。パイプの穴を潰してみせたのだ。
「ヴァイマール流空中舞踏を止めることなど出来ませんわ」
 トラップの悉くを回避して見せたアウグスタは、地面に降り立ってスカートの裾を摘まんでみせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

二本木・アロ
これアレだろパイプがなきゃトラップだって蒸気出せねーんだろ?
つまりパイプさえ注意して見てりゃ……なるほどわかんねー。
だってこんなん寺子屋じゃ習わないしー。マジ無理。

あからさまに音や熱で破損が分かる箇所は華麗に回避。
それ以外の所では罠を警戒してからくり人形の『ココペリ様』を先行させる形で探索するぜ。
どうせ見つけても解除出来ねーし、発動してから対処するわ。
トラップが発動しちまったら【グラップル】【怪力】でその辺にある破損したパーツなんだかよくわからんガラクタ引っ掴んで、蒸気の噴出口にでもぶち込んで止める方向で。
ん? 悪化させた? ヤバい、超ウケる。
まぁやらかしたら走って逃げる。



 アウグスタの力で多くのトラップを抜けた後、猟兵たちの前に立ちはだかったのは轟音を立てながら開閉する「壁」だ。
 ともすれば猟兵の身体も容易く押し潰してしまいそうなそれを前に、二本木・アロ(羅刹の人形遣い・f02301)は腕を組んだ。
「これアレだろパイプがなきゃトラップだって蒸気出せねーんだろ?つまりパイプさえ注意して見てりゃ……」
 壁に繋がるパイプを見て、その繋がる先の壁を見て、アロは胸を張った。
 なるほどわかんねー。
 いっそ清々しいまでに開き直ったアロ、おもむろに手近なところに転がっていた巨大な機械部品を持ち上げた。その凄まじい膂力で機械部品を持ち上げると。
「おりゃあー!」
 閉まりかけている壁に向かってぶん投げた。
 果たして投じられた機械部品は壁と床の隙間に挟まると、つっかえる形で壁の動きを止めたのである。
「お?いいじゃんいいじゃん。今のうちに進んじまおうぜ」
 開かれた道を前に、改めて胸を張るアロだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
しかしまた迷惑な奴が地下に住み着いたもんだぜ…。
さて、こちらから遊びに行ってやるか。

蒸気機械にも《ハッキング》が通用するのは幸いだ。
こういう機械仕掛けのトラップはハックして機能を停止するに限―――待てよ?
蒸気の供給を部分的に遮断してしまえば蒸気機械製のトラップも、破損箇所から噴出する蒸気も止められそうだな。
あるいは、破損箇所に通じる蒸気を別のパイプにバイパスさせるか…。

よし、やるか。



 壁の先にある階段を降りて、地下3階。
 ここで獅子奮迅の活躍を見せたのはブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)だった。
「蒸気機械にも《ハッキング》が通用するのは幸いだ」
 ハッカーとしての経歴も持つブリッツは、蒸気トラップを動かす機械に次々とハッキングを仕掛け、その機能をダウンさせていった。
 そうして次々と無効化されていくトラップだが、未だに破損したパイプから高温の蒸気は吹き出し続けている。
「……待てよ?
 蒸気の供給を部分的に遮断してしまえば蒸気機械製のトラップも、破損箇所から噴出する蒸気も止められそうだな」
 そう思いついたブリッツが視線を巡らせる。そして発見した蒸気の供給を行う機械にハッキング。
 トラップへと通じるパイプと破損したパイプへと蒸気を送る箇所を遮断し、危険をすっかり取り去ってしまった。
「よし、これで後は下に降りる階段を探すだけだな」
 こうして猟兵たちは、悠々と地下4階へ足を踏み入れるのであった。ここからは、自分たちの腕の見せ所だ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ポルターガイスト』

POW   :    パイロキネシス
【自然発火の能力を持つ念力】が命中した対象を燃やす。放たれた【青白い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    テレキネシス
【念動力で操った家具の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ラップ現象
対象のユーベルコードに対し【対象の集中を阻害する騒音】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花宵・稀星
比較的狭い部屋の中で、こちらはうかつに大暴れはしにくいですね……。
その中で、相手は好き放題に暴れてくる、と。

核となる霊を見つけ出してダメージを与えられればいいのですが、こういうのは大抵、本体は狙われにくいように立ち回っていそうですね。

積極的に前衛に突進していかないような家具があれば、そこに核となる霊が隠れている可能性はありますね。

前衛の方に潰せるようなものは前衛の方にお任せして、私は後ろに控えていそうな家具の破壊に取り掛かるです。

真の姿である、人間の少女の姿をとった思念体となり、<月光>を発動。
<ダイヤモンド>の宝石を宙に浮かべ、<エレメンタルロッド>の杖先をビシッと向けては敵を攻撃するです。


北条・優希斗
さて……行こうか。
他の方との連携・声掛けO.K.
初手はワイヤーを使って【薙ぎ払い】、纏めて転ばせて群れを崩す。
その後【ダッシュ】と【残像】で敵に接敵、武器で斬り捨てる。隙があれば短剣で【暗殺】を狙う。
一撃で倒せればそれでよし、駄目なら【二回攻撃】で追撃を行い、確実に止めを刺す。
敵がある程度倒せ、且つ確実に数を減らせるなら【夢月蒼覇斬】。
乱舞攻撃でより多くの敵を一掃する。
回避は、攻撃を【見切り】、【第六感】を使って避けつつ、避けきれなければ【オーラ防御】。
後は、チャンスがあれば【敵を盾にする】で同士討ちを誘ったり、【カウンター】で逆襲したりする。
さて……何処までやれるかな。



 地下4階、応接間。
 猟兵たちが全員踏み入ると少々狭苦しく感じる程度の広さがあるそこには、ソファー、テーブル、展示棚、大小さまざまな家具が並べられていた。
 そしてソファーの上に、寝そべる怪人が一人。
「うぇっ!?来ないと思ってたら踏み込んできたのかよ、生徒ども!折角いい気分で寝てたのに……くそっ!!」
「待てっ!」
 跳ね上がるように起き上がって、部屋の奥へと逃げ去っていく怪人を追いかけようと、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)が床を蹴る。その手に握られた月下美人を振るおうとするが、その刃は横から飛来した燭台に阻まれた。
「くっ……ポルターガイスト。邪魔をする気か」
 ふわふわと浮かび上がる、テーブルの上の燭台に、展示棚の上の大きな皿。更にはソファーやテーブルまでもが浮遊し始めては猟兵たちに飛びかからんと狙いを定めている。
「比較的狭い部屋の中で、こちらはうかつに大暴れはしにくいですね……その中で、相手は好き放題に暴れてくる、と」
 応接間の壁を背にしながら前を見据える稀星の頬を、冷や汗が流れる。さっと身体をかがめた瞬間、頭のあったところに大皿が激突して砕けていった。
 ポルターガイストは核となる霊が宿っている家具以外は、その家具に操られているだけ。つまり前衛に突進していかないよう、慎重に動き回る家具があれば、核となる家具を見つけることは出来るだろう。
「優希斗さん、前衛はお任せします。潰せるものは潰してください!」
「分かった」
 真の姿を解放し、人間の少女のような姿になった稀星が、杖を高く掲げるのに合わせて、優希斗が妖刀を縦横無尽に振るって乱舞攻撃を繰り出した。
 襲い来る皿を。燭台を。写真立てを。ガラス製の像を。四方八方から襲い来るそれらを、【夢月蒼覇斬】で一分の隙も無く斬り裂いて砕いていく優希斗。
 その彼を援護するように、稀星の浮かべた宝石から放たれる【月光】が動きの鈍い大型の家具を灼いていく。
 この一瞬の攻防で、かなりの数の家具を減らせた猟兵たち。残す家具たちが怯えるように空中で後退した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
音使いに騒音とは面白い事をしてくれる…。
なら、音には音で対抗してやらなきゃな!

DJ.Blitzのプレイタイムだ!
ラップ音が気にならない程にテンション上げてやるぜ!

あるいは、ラップ音が発生するタイミングを見切ったらラップ音を効果音として演奏に取り込んでしまうのもアリだな。



 空中を漂う家具たちが、ギシリ、ギシリとその身を軋ませ始めた。
 軋むようなラップ音が応接間の中に広がり、まるでミュージックを奏でるようにラップ音を響かせ始める。
 その耳障りな、それでいて統制の取れたラップ音に、ブリッツは顔をしかめた。
「音使いに騒音とは面白い事をしてくれる……なら、音には音で対抗してやらなきゃな!」
 そうしてブリッツが取り出したるはアンティークなラジカセだ。電源オン、再生スイッチぽちり。
 ゴキゲンなエレクトロニック・ダンス・ミュージックが応接間に流れ始める。
 その音楽は猟兵たちのテンションを引き上げ、ラップ音を覆い隠して、応接間をアゲアゲな空間へと変貌させていった。
「へへっ、DJ.Blitzのプレイタイムだ!……お?」
 指をパチリと鳴らしたブリッツは、家具の鳴らすラップ音のリズムが変わってきたことに気が付いた。
 それはまるで、流されるEDMに合わせるように、乗っかるように。不快なだけだったラップ音が、ブリッツの音楽に彩りを添えるように放たれていく。
 ブリッツと家具とのご機嫌なセッションによって、猟兵たちのテンションは最高潮まで引き上げられていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

折紙・栞
「おばけ…?おばけ…ですか?」(涙目でぷるぷる)(少し怖い)

「でも、倒さなきゃ、いけない、なら、がんばります…」(ぷるぷる)

遠距離からウィザード・ミサイルで攻撃です
怖いのでとにかくぶちかまします
「GO、です!」
上手くダメージを与えられるならそのまま続行。
ラップ現象で相殺されたなら、
今度は私がミレナリオ・リフレクションでラップ音を相殺
「耳、おかしく、まります…」
ラップ音だらけで大変です…



 ブリッツと家具のセッションが盛り上がる中、栞は両手を胸の前に持ってきてプルプルと震えていた。
「おばけ……?おばけ……ですか?」
 ポルターガイストという現象そのものに怯えを見せる栞。しかし目の前にいるのはただのお化けではない、れっきとした災魔である。故に彼女は一握りの勇気を振り絞ってまなじりを決した。
「でも、倒さなきゃ、いけない、なら、がんばります……!」
 そうして闇雲に放ったウィザード・ミサイル。普段であれば相手を撃つことも出来たであろうが、相手はラップ音を鳴らして妨害行動の真っ最中である。
 撃ち放った魔法弾は音波に掻き消されるようにして拡散し、消えていく。
「あの音、邪魔です……耳、おかしく、なります……」
 絶えず鳴らされるラップ音、目視はとうにしている。家具の放つ音に被せるようにして、栞の関節部位が軋むように、奏でるように音を放った。
 全く同じ位相、全く同じ音階。二つの音はぴったりとぶつかり合い、見事なまでに相殺されていった。
「これで、少しは静かになります……」
 そうして栞はほぅと息を吐いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
ほう、わざわざ暖めてくれそうじゃな……。
新鮮な肉を用意しておいたかいがあったわ、相手のパイロキネシスを利用して肉を焼きながら戦うとするかのう。
「はっはっは、残念じゃのう。キミが上手に焼いたのは、ただのキマイラフューチャー産の不思議肉じゃ!」
 うまく焼けたらそのまま食べて【フードファイト・ワイルドモード】からの『天野川』『流星』さんを使ってボッコボコじゃな。もし切断が効きそうなら『グルメオーラナイフ』でさっくりの方がええじゃろか?
「残念なのは、この敵は食べれそうにない、という事じゃな……」
 肉はさっき食べたって? あの程度では足りぬな!



 気持ちよくセッションしていたところを邪魔され、怒りを感じたのだろう。家具の周囲に炎がちらつきだす。パイロキネシスの能力だ。
 しかしその炎を、フードファイターたるウルフシャは見逃さない。
「ほう、わざわざ暖めてくれそうじゃな……新鮮な肉を用意しておいたかいがあったわ!」
 家具から一斉に炎が放たれるのに合わせて、血の滴る新鮮な一枚肉を取り出し身を翻すウルフシャ。果たして一枚肉はこんがりミディアムに炙られていく。
 炙られたステーキが地に落ちる前に、ひらりとその手ですくい上げるウルフシャは高らかに笑う。
「はっはっは、残念じゃのう。キミが上手に焼いたのは、ただのキマイラフューチャー産の不思議肉じゃ!」
 アルダワ産の有機農法牛肉でも、UDCアース産のブランド和牛でもなく、キマイラフューチャー産の謎技術で生産された不思議肉。しかしその肉は確実にウルフシャに力を与えてくれる。
 【フードファイト・ワイルドモード】。不思議肉の量、概ね300グラム。お腹いっぱいに満たされたウルフシャの細胞は食肉パワーで大いに活性化だ。
 そうして振るわれる二膳の箸、『天野川』『流星』が、正確にローテーブルの真っ芯を捕らえた。
 中心に衝撃を受けたローテーブルの木製の天板に、びしりと亀裂が走る。そのまま真っ二つにローテーブルが割れるや否や、残存する全ての家具が動きを止めた。
 ガラガラと騒音を立てて落ちていく家具たち。どうやら、このローテーブルが『核』となる霊を宿していたらしい。
「核となるものは部屋の中心に座していたか……木を隠すなら森の中、とはよう言ったものじゃな」
 ようやく静かになった応接間を見回して、ウルフシャは部屋の向こうに視線を向けた。他の猟兵たちもそちらに視線を投げる。
 視線の先には階下に降りる階段。この迷宮を乗っ取った怪人は、すぐそこにいる。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『機怪魚人間』

POW   :    ぎょぎょ魚
レベル×1体の、【身体】に1と刻印された戦闘用【機怪魚】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    ミニ魚雷発射
【怒り】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【機怪魚】から、高命中力の【ミニ魚雷】を飛ばす。
WIZ   :    武器錬成
自身が装備する【魚型銃器】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ブリッツ・エレクトロダンス
遊びに来たぞ、愉快で迷惑な怪人よぉ。
んじゃ、派手に火遊びと行こうじゃねえか。

しかし、アクアリウムとはいい趣味してるぜ…。

…さて。厄介なのは数字付き怪魚だな。
融合合体能力つきの取り巻きとか、それ放置したら大暴れして酷い事になるのはゲームでもよく見るギミックだ。
なら、合体される前に壊せるだけ壊してしまうか!

攻性プログラム・展開!
I型怪魚を5機1組でマークしろ!
第一目標は怪魚同士の合体の阻止、狙えるならそのままI型怪魚を破壊してしまえ!



 地下4階から地下5階へと階段を駆け下りた猟兵たちを出迎えたのは、壁一面に埋め込まれたアクアリウムだった。
 澄んだ水で満たされた水槽を、まるで海の中を泳ぐように機怪魚が泳いでいる。
 そのアクアリウムに縋り付くようにして、壁に両手をついていた機怪魚怪人が、こちらを振り返る。
「くそっ、もう追ってきたってのかよ!ここはオイラのプライベートルームだってのに!」
「迷宮を勝手に乗っ取っておいて、何がプライベートルームだよ。
 遊びに来たぞ、愉快で迷惑な怪人よぉ」
 ブリッツが床をトントンと踏み鳴らし、怪人を挑発しにかかる。
 遊びに、と言った手前、引けない部分もあったのだろう。どのみち逃げ場など無い閉鎖空間、立ち向かうより他に道はない。
「ふん、お前らなんてお遊び程度で倒してやれるさ!行けっ、機怪魚!」
 怪人が呼びかけると、アクアリウムの水槽の壁をすり抜けるようにして機怪魚が空中へと泳ぎ出た。その身体に刻印されている数字はいずれも「1」。
「あのI型怪魚が合体すると厄介だな……攻性プログラム、展開するぜ!5機一組で怪魚につけ!」
 ブリッツも対抗するように攻性プログラムを実体化させる。しかしその目的は破壊ではない。
 すぐさまブリッツの命を受けたプログラムが怪魚の周囲にまとわりつく。囲まれた怪魚はプログラムを振り払おうとするも、思うように動けない。
 合体させず、弱いままに留めおく。ブリッツの試みは見事に成功し、怪人を歯噛みさせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

花宵・稀星
真の姿を解放する条件が整ったですから、球体関節の人形の姿だった姿から、間接に継ぎ目のない人間の少女の思念体の姿に変身するです。

機怪魚人間、あなたがこのたび予知された事件の元凶ですか。

しかし、色んな方向から銃撃を受けるのはやっかいですね。
いわゆるオールレンジ攻撃というやつでしょうか?
ここは<雷鳥>を発動して、敵が<武器錬成>で複製して浮かべている魚型銃器を、鳥の姿を模った雷で撃ち落していくです。

魚型銃器に対して、撃ち落すために必要な雷の本数が余れば、残った分は本体の機怪魚人間にも向けていいかもですね。


北条・優希斗
よし、征こうか。
仲間との連携・声掛けは密に。
【怒り】の感情を与えられれば、か。
悪いが君に対して俺が抱くのは【怒り】じゃないよ。
ただ、侵略する君への悲しみだ。
・・・・・・きっと、ね。
残像で標的をずらしつつダッシュで敵に肉薄。
初手は蒼月でフェイント。
引っ掛かったら月下美人で騙し討ち。
剣速は少し下げておく。
敵が俺達のテンポに慣れたら早業で剣速を上げて二回攻撃、串刺し、傷口を抉るで畳みかけるよ。
隙あらば【夢月蒼覇斬】。
仲間との連携含めて確実に当たる時にこれを使うよ。
回避は見切りを軸にオーラ防御で被弾を最小限に。
但し、仲間が回復してくれるのならばカウンターを優先。
・・・・・・これが俺達の戦い方だ。



「くそっ、めんどくさいことしやがって!」
 そう言い放ちながら手に持つ魚型銃器を十、二十と複製して一斉にその場にいる猟兵たちに向けた怪人。
 その銃口を向けられながら、稀星はしっかと前を見据えた。
「機怪魚人間、あなたがこのたび予知された事件の元凶ですか」
「【怒り】、か」
 稀星の隣に進み出た優希斗が、ぽつり呟きながら刀を構える。
「悪いが君に対して俺が抱くのは【怒り】じゃないよ。ただ、侵略する君への悲しみだ」
「くっ……オイラを哀れんでいるつもりか!?」
 優希斗に憐れまれていると思ったのだろう。狼狽えながらも怪人はびしりと指を優希斗に突きつけた。
 十重二十重、魚型銃器が引き金を引かれる瞬間に、稀星の関節が消えた。
 ミレナリィドールの球体関節人形らしい肉体から、人間の少女のそれへと。真の姿の解放を行った稀星が、その周囲に雷の精霊を呼び出す。
「銃器は私が何とかします!行ってください!」
「……ありがとう」
 稀星の後押しを受けて、優希斗が床を蹴った。残像を残すほどの速さで駆けゆく優希斗を、銃器からすでに放たれた弾丸は捉えられない。
 既に何もない所を通過していく銃弾。発射直後の硬直時間を、稀星は見逃さなかった。
「天駆けるいかづちの精よ、我が意に従い敵を討て!」
 鳥の姿をした雷の精霊ーー雷鳥(サンダーバード)が、一斉に駆けた。
 電光の速さで宙に浮かぶ魚型銃器に突進し、ほぼ同時に貫いてゆく。
 しかして猟兵たちを取り囲んだ銃器は、稀星の一撃でほぼ全てが無効化された。
「なで……!」
 驚愕の表情を浮かべる機怪魚怪人。その眼前に、優希斗は刀を構えて肉薄した。
「……これが、俺達の戦い方だ」
 ぽつり、そう一言呟いた刹那に。
 優希斗の刀が怪人の胴体を斬り裂いた。
 続けざまにもう一閃、さらにもう一閃。目まぐるしい勢いで優希斗の刀が振るわれ、怪人に傷を負わせてゆく。
「ぐっ、あっ、がぁぁぁぁ!!」
 怪人の苦悶の声がアクアリウムで縁取られた部屋に響く。
 優希斗はキン、と刀を収めながら後方に下がりつつ、ポツリと口を開いた。
「さぁ、ここからだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユリ・アップルヤード
「へいへい、なんか面白そうなもの持ってるじゃん!? ここでそれを私にくれたら、君は死んでもその機械は残るよ!ちょうだい!!」

できれば美品で欲しいけど、まぁジャンクでもしょうがないね。
Code:Genocideで機械巨人リアン、偵察ロボットコロマル、万能型ドローンルーのリミッターを解除。
リアンは大楯と鉄柱を装備して前衛に。周囲の機械魚もオブリビオンもまとめて薙ぎ払い、叩き潰していこう。
コロマルとルーはリアンを盾にしつつ、討ち漏らしに斉射。確実に数を減らしていこう。
三機とは別に戦闘用機械兵ヒューズは私の直掩。寄る敵は銃剣、逃げる敵には狙撃。
ジャンク拾いはお掃除ロボットグリーングリーンに任せよう。



 稀星の雷鳥によって撃ち落された、多数の魚型銃器。破損して煙を上げながら床の上に散らばるファンシーなそれを、ユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)は手に取った。
 瞳がキラッキラしている。仕方がない、なにせ彼女は機械フェチ。生粋のスクラップビルダーでガジェッティアなのだから。
「へいへい、なんか面白そうなもの持ってるじゃん!?ここでそれを私にくれたら、君は死んでもその機械は残るよ!ちょうだい!!」
「な、なんだよ突然!?その魚型銃器はオイラのお気に入りなんだぞ!欲しいっていうんなら……一つくらいはやらないことも、ないけど……」
 機怪魚怪人、褒められるのには慣れていないのかあっさり陥落した。ほくほく顔になるユリだったが。
「さてグリーングリーン、落ちてるジャンクは集めておいてちょうだい。解除コード転送――【Code:Genocide】」
 刹那、彼女の声色から熱が消えた。同時に機械巨人のリアン、偵察ロボットのコロマル、万能型ドローンのルーの枷が外され、瞳が光を帯びる。
「なっ……!?」
 突然の攻勢に慌てる怪人。その身体をリアンの鉄柱が吹き飛ばす。彼の周囲を飛んでいた機怪魚たちは、コロマルとルーの手によって次々に墜落させられていった。
「何も気にせず暴れておいで。私が見たいのは貴方達の躍動だけ」
 直掩機である機械兵ヒューズを従えて、ユリは満足そうに腕を組んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
のう、そこな怪人よ。おまん、……くえるのか?
この機械魚というのはちょっと固すぎるんじゃ、そうなるとな、残るのはキミだけじゃのう……?

【ゴッドスピードライド】すでに機械魚が美味しくなかったから怒りの感情を抱いている気がするが、なぁに当たらなければどうということはない!
速度で圧倒しながら相手に一撃かましてやらんとな!

「さぁ跳ねて踊って歌おうか、なに、アクアリウムは好きじゃから、壊したりはせん」
 ……多分
「……溺れたくないしのう」
 ヤドリガミって溺れるんじゃろか……??

 アドリブ連携なんでもござれじゃな!



 吹き飛ばされて部屋の壁に背中から激突し、その場に力なく崩れ落ちる機怪魚怪人。その姿を見て、ウルフシャは口元に指を当てながら言った。
「のう、そこな怪人よ。おまん……食えるのか?」
「は??」
 あんまりにも突拍子のない問いかけに、頽れていた怪人の顔がウルフシャに向いた。恐らく頭にはてなマークが浮かんでいたことだろう。
「この機械魚というのはちょっと固すぎるんじゃ。そうなるとな、残るのはキミだけじゃのう……?」
「食うなよ!!機怪魚もだけどオイラを食おうとするなよ!!お前種族分かんねーけど形は人間だろ!!カニバリズム反対!!」
 怪人は全力でウルフシャの主張を蹴っ飛ばした。無理もない。
 心底から残念そうな表情をしたヤドリガミのウルフシャ、ステラドラグーンに跨った。エンジン全開、甲高い音が部屋に満ちる。
「そうか……したらば跳ねて踊って歌おうか。なに、アクアリウムは好きじゃから、壊したりはせん……多分な」
「多分かよ!!そこは確定させろよ!!オイラはいいけどお前ら溺れるだろ……わっぷ!」
 ツッコミに忙しい機怪魚怪人の眼前をかすめるようにして、ウルフシャは部屋の中をハイスピードで駆けた。
 アクアリウムの水槽の表面を滑るようにしながら、ぽつりと一言。
「ヤドリガミって溺れるんじゃろか……??」
 溺れるんじゃないですかねぇ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

向坂・要
あー…溺れるのはちっと勘弁願いたいですねぇ

本体が鉱物で出来ている事もあり浮かない身としてはこうして精霊の助けが必要になりやすかりねぇ

なんて嘯き
空気、風が集まり象るは豹
三枚おろし、ってとこでしょうかねぇ
相手の操る魚型銃器の迎撃

その際、極力相手の同士討ちや怪人本体への攻撃も試みる

さぁ、お前さん達、よろしく頼みますぜ



 怪人のプライベートルームを縦横無尽に駆け回っては、怪人をやきもきさせるウルフシャを見て、向坂・要(黄昏刻・f08973)は肩をすくめつつ小さく笑みを零した。
「あー…溺れるのはちっと勘弁願いたいですねぇ。水に浮かない身としては、こうして精霊の助けが必要になりやすかりねぇ」
 ヤドリガミだとしても、彼の本体は鉱物を削り造りだした像。水気はなるべくなら避けたいところだ。
「ふんっ、同情なんてしてやらないんだからな!行け、ぎょぎょ魚達!」
 要の方に向き直り、自身の権威を誇示するように顎をしゃくった機怪魚怪人の周囲に機怪魚が十、二十と浮かぶ。
 自身に向かって水を吐き出す機怪魚を前に、要はすぅと右腕を伸ばした。
 水には弱い。故に彼は、自身の護りのために精霊を駆る。
「象るは豹――三枚おろし、ってとこでしょうかねぇ」
 刹那、要の眼前に吹き荒れる嵐。風はしなやかな四足の獣となって石の床をぐっと踏みしめ、主を護るように風の刃を撃ち出した。
 吐き出された水ごと、機怪魚が両断されていく。そして残った刃は、そのまま愕然とする怪人へと殺到する。
「ぐ……ぅぅっ!」
 怪人の呻き声と共に、推進力を失った水が床にぱしゃりと広がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

花宵・稀星
さて、周りの機械魚もだいたい片づいたなら、本体の機怪魚人間にも痛打を与えておきたいところです。

<ダイヤモンド>の宝石を浮かべ、<エレメンタルロッド>の杖先をビシッと機怪魚人間に向けたらば、ユーベルコード<月光>を発動、光線で敵を貫くです。
地下迷宮に月は昇らねど、月に代わって必殺仕置き人なのです(色々と危ない)。

こんがりと焼けるといいですが、焼いて醤油をたらしたところで食べられたものではなさげですね……。
蜜のスライムやら、野生の餅やら、可食オブリビオンはそこまで珍しい存在ではないはずですが。



 風の刃にその身とウェットスーツを裂かれ、露になった肌から鮮血を流す機怪魚怪人を見て、稀星は難しい顔で唸った。
「蜜のスライムや野生の餅など、可食オブリビオンはそこまで珍しい存在ではないはずですが……こいつは焼いて醤油を垂らしても食べられたものではなさそうですね……」
「だからなんでオイラを食おうとするんだよお前ら!!他のオブリビオンが食えるかだなんて知るか!!もうやだ昨今の生徒たち怖い!!」
 何故か捕食対象のカテゴリに含められている現実に、機怪魚怪人、既に涙目である。
 ウルフシャはフードファイターである故まだ自然な部分もあるが、稀星は精霊術士であり聖者である。どうしてこうなってしまったのか。
 そんなことはどうでもいい、食えないオブリビオンに用はないとでも言いたげな目をして、稀星は杖を高く振り上げた。杖の先端で大粒のダイヤモンドが眩く輝く。
「地下迷宮に月は昇らねど、月に代わって必殺仕置き人なのです!」
「ぶっ……!」
 高らかに声を上げた稀星が、杖を怪人に突き付けた。それに呼応するように照射されゆく真白の月光。
 光にその身を包まれ、肉体の所々からぷすぷすと煙を上げながら、機怪魚怪人はゆっくり石床に倒れ伏した。

成功 🔵​🔵​🔴​

折紙・栞
「やっと、たどり、着きました…」
ここまで来れば、後は倒すだけです
全力でいきます

ウィザード・ミサイルを眼前に
弾幕のように展開
「魚雷も、機怪魚も、銃も、全部、ふっとばします…」
「GO、です!」
単純だけど、絶対的な数の多さで押し切ります

少し休んだので気力も魔力もばっちり
「休まず、いきます…!」
何度でもウィザード・ミサイルです



 床に口づけをしたまま、怪人は起き上がらない。
 しかしその手が、ぐっと床石を掴んだ。そのままぐいと、顔を持ち上げる。
「まだ……まだだ……!」
 両目に当てられたゴーグルのレンズは、これまでの激戦の衝撃で片方が割れて砕けている。その間隙から覗く夜の海の色をした瞳に、天井のランプで照らされた栞の銀髪がきらりと反射した。
「オイラは……こいつらと、機怪魚と一緒に、迷宮の『上』を見るんだ……!!」
「しかし、その先にあるのは混乱と破壊……到底、容認するわけには、いきません。
 やっと、たどり、着きました……この、瞬間に」
 怪人の独白に目を伏せて首をゆるりと振る栞。その瞳にきらりと光が宿ると、右腕を鋭く振りぬいた。
 刹那、100本に届こうかという炎の矢が一斉に栞の頭上に出現した。
 それはまるで、処刑台の上で落とされる時を待つギロチンの刃のように。ゆらりゆらりと揺らめきながら、栞の手で落とされる時を静かに待っていた。
 びくり、と身を震わせた機怪魚怪人が無言で右手を前方に突き出した。
 その腕に沿うように一匹の機怪魚が出現し、大きく開いた口からぐいとせり出すのは、一本の小さな魚雷。
 蟷螂の斧と、見る者が見たら嗤うだろう。無駄なあがきと、嘲る者もいるだろう。だが、それでも。
 その身を横たえたままで、機怪魚怪人は吼えた。高く。しっかと。
「何もしないで死を待つなんて……ただ消え去るなんて、そんなの!オブリビオンの矜持が許さないんだよ!!」
「……ならば私は、真正面から。魚雷も、矜持も全部、ふっとばします……」
 栞が咆哮に小さい声ながらもはっきりと返して、数瞬。
 刹那の時は、まるで永劫の刻を刻むようで。
 そして。
「行け!!」
「GO、です!」
 二人が同時に声を発した瞬間に、地下5階のプライベートルームを、轟音と爆発が覆い隠した。
 その場に立つ猟兵たちが思わず顔を覆うほどの爆風が部屋いっぱいに広がり、壁の水槽がミシミシと音を立てる。
 爆風と、煙が晴れた頃に、佇む影は一つ。
 栞がその茶色の瞳で見つめる先で、機怪魚怪人はその手をぐったりと下ろし、落下して煙を吐く機怪魚と共に、その身を冷たい床に横たえているのだった。
「……おやすみなさい、また、どこかで……」
 ぽつり、誰に届かせるでもなく呟いたその声に応えるように。
 水槽の中の機怪魚がゆらり、水槽の中で静かに舞った。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月22日


挿絵イラスト