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百物語の果てに現れるものとは?

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●百物語
 ふうっと最後の蝋燭の火が吹き消される。百個目の物語は終わり、全ての灯が消え去った。

 本来の百物語は九十九番目までで止めて朝を待つものだが……若者たちはお互いに煽りあい、肝試しとして完遂してしまったようだ。とはいえ、百物語もそれ自体が怪談話の類だ。百の語りを終えて、真の闇が訪れた時に何かが起こるというのも迷信であり、実際に何か起こるということはない。しかし……今回は違った。
 灯が消えた途端、空気が変わった。寒気がし、気分が悪くなる。屋敷の外に、何者かの気配がある。
 意を決し、恐る恐る若者の一人が扉を開ける。すると目の前には怪物の姿が……!!!

 後日、その屋敷を見に行った者によれば、屋敷は腐って崩れ落ちていたという。そして、若者たちは一人も見つかることはなかった。

●怪談語り
「百物語、というものを知っているであろうか?」
 グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は集まった猟兵達に問いかける。百物語とは、集まった者達で怪談を語り、一話終わるごとに用意した蝋燭を吹き消していく。百の物語を語り終え、最後の蝋燭を吹き消した後、真の闇の訪れと共に何かが起こる、というものだ。
「実際に百物語を行った若者たちがいたようなのだが、その後に行方不明になってしまったのだ」
 百々は恐らく百物語の結果、オブリビオンを呼び出してしまったのだろうと言う。
「そこでだ。其方らにも百物語を行ってもらう。そして、出てきたオブリビオンを倒してもらいたいのだ」
 オブビリオンをおびき寄せるため、猟兵達による百物語を行おうということだ。
「必ずしも怪談である必要は無いぞ。異世界の者も多いことであるしな。物語ならば何でも構わぬ」
 基本は怪談ではあるが、自分の好きな物語を語れば構わないそうだ。例えばダンジョン探索や宇宙での戦いのような話でも構わない。
「異世界の物語に興味はあるが、我はグリモア猟兵であるが故、参加できぬのが口惜しいな」
 そう言って百々は、サムライエンパイアに用意された屋敷へとグリモア猟兵を送るのであった。


夢幻
 マスターの夢幻です。

 1章は複数人で語り手と聞き手を交代して、順に物語を語るというような描写を考えています。オープニングにもある通り、怪談である必要はありません。何かしら語る物語をプレイングに記載してください。判定は物語の内容から能力値を判断して行う予定です。
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第1章 冒険 『百物語』

POW   :    妖怪をやっつける話をする

SPD   :    妖怪から逃げ延びた話をする

WIZ   :    妖怪の仕業と看破した話をする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夷洞・みさき
SPD
名前を語れば影が差すって所かな。
じゃあ、僕も騙ろうか。

ある所に仲が良かった七人の職人集団がいたんだよ。
でもね、ある日、逆恨みから皆殺されちゃったんだ。。
そうしたら、その日から殺した人達は、夜な夜な一人ずつ無残に殺されていってね。
祟りだーって、彼等は捨てた死体を見に行くんだけど、
どうしても一人分足りない。
するとそこに俯いた女の子が一人、何をしているのか尋ねてきてね。
彼等は人を探していると嘘をつくけど女の子はケラケラ笑って
近寄ると、顔をあげて…


「探しているのはこんな顔かい?」


ここで、UC使用。顔を変容
怪談の「お前だー」ネタ

実話かどうかは潮騒の向こうに

絡みアレンジ歓迎
題:貉岬(改変ご随意に)


浅葱・シアラ
ひぅ……怪談をするのは怖いけど、物語を語るだけなら、シアでも大丈夫、かも……?


【WIZ】で判定
えっと、正確には妖怪じゃないんだけど……

シアね、お花畑に住んでるの
蝶々さんがいつも飛んでる、幻想的な花園
ある日、とても綺麗な女の子の声が聞こえたの
恐る恐る近づくと、粗暴な話し方だけど優しくてかわいい男の子だったの
乱暴な喋り方だけど繊細で、綺麗な歌を歌う幻想的なその子

シアのお花畑はいつも迷い込んで来る人が多いから帰る時に帰り道を教えてあげたら、その必要はないって彼が言って
目の前で、ふっと消えたの……

その子はね……何とグリモア猟兵さんだったんだ
幻想的な体験をありがとう、ってお話でした
オチがなくてごめんね



●一話目

 日も暮れて夜は更け、屋敷には猟兵達が集まった。その周りには百本の蝋燭。百物語の準備は整った。それでは語りを始めるとしよう。
 
「百物語で実際にオブリビオンが現れる……名前を語れば影が差すって所かな。じゃあ、僕から語ろうか。最初だしシンプルに怪談でいくよ」

 一番手となったのは夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)だ。みさきは猟兵達を見まわして、怪談を語り始める。

「ある所に仲が良かった七人の職人集団がいたんだよ。でもね、ある日、逆恨みから皆殺されちゃったんだ」

 いきなりの皆殺しという物騒な出だしに、「ひぅ……」と集まっていた猟兵の一人、浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)は息を呑む。しかし、この話はこれからが本番だ。

「でもね。その次の日から、彼らを殺した人達は、夜な夜な一人ずつ無残に殺されていったんだよね。祟りだーって、彼等は捨てた死体を見に行くんだけど、どうしても一人分足りない。」

 更に物騒になるみさきの話に、シアラは青ざめている。

「すると………そこに俯いた女の子が一人、何をしているのか尋ねてきてね。彼等は人を探していると嘘をつくけど女の子はケラケラ笑ってる。近寄ると、女の子は顔をあげて…」

 みさきは語りに合わせ、俯いた顔を上げていく……

「探しているのはこんな顔かい?」

 そして、ばぁっと出てきたみさきの顔は不気味な深海魚に変わっていた!!

「きゃあああああ!!!!」

 シアラはたまらず悲鳴を上げてしまう。弱虫で泣き虫な彼女には少々刺激が強かったか。しばらくするとみさきの顔は元に戻る。みさきは自身のユーベルコードで顔を変化させていたのだ。

「題は貉岬ってところかな。実話かどうかは潮騒の向こうに」

●二話目

「ひぅ……怪談をするのは怖いけど、物語を語るだけなら、シアでも大丈夫、かも……?」

 二番手はシアラが行うようだ。先ほどのみさきの怪談にまだ涙目だが、大丈夫だろうか?

「えっと、シアね、お花畑に住んでるの。あの、蝶々さんがいつも飛んでる、幻想的な花園」

 シアラは詰まりつつも頑張って話している。みさきを含めた周りの猟兵は心の中で応援しつつ、シアラの話を聞く。

「ある日、とても綺麗な女の子の声が聞こえたの。恐る恐る近づくと、粗暴な話し方だけど優しくてかわいい男の子だったの。乱暴な喋り方だけど繊細で、綺麗な歌を歌う幻想的なその子」

「へえ、幻想的なお話なのかな?」

 お花畑に、綺麗に歌に、ずいぶんと綺麗な情景が浮かぶお話だ。

「シアのお花畑はいつも迷い込んで来る人が多いから帰る時に帰り道を教えてあげたら、その必要はないって彼が言うの。それでね、目の前で、ふっと消えたの……」

「!!」

 怪談ではないとのことだったが、人が消えるとは、その少年はいったい……?

「その子はね……何とグリモア猟兵さんだったんだ。幻想的な体験をありがとう、ってお話でした。えっと、オチがなくてごめんね……?」

「いやいや、十分面白かったよ。なるほどグリモア猟兵なら消えてもおかしくないね」

 謝るシアラであったが、みさきも他の猟兵もそんなことはないとシアラを慰める。実際にシアラの話はグリモア猟兵を鍵として解決されるとても興味深いものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゼン・ランドー
妖魔がはこびるこのご時世
やはり妖怪をやっつける話こそが人々に求められるものでしょう!

とある町人は毎夜悪夢を見て困っていた
鋸を持った男が夢枕に立ち家の柱を斬る
堪らず制止すると男は、お前もこうなりたいのか?と呟き
鋸が顔に向けられ…目が覚めた

ただの夢とは思えず男は神社でお守りを買い
その晩枕元に置いて寝た

だが

「つづき、つづき!」
あの男だ!!町人は夢の中でお守りを探した
しかし見当たらない
「これ?これ?」そのお守りを男が持っていた!もうだめだ!
だが間一髪白木の杖で打ち据えると男は消えていた

その霊験新たかな白木の杖がなんと50%オフで
なんと先着10名様には管狐育成セットも付いてくる!
さあ買った買ったァ!


祷・敬夢
俺の最高にカッコイイ冒険譚を語るに相応しい場じゃないか!

あれは今のような寒い季節だった
俺はある村に訪れると、子供にゲームの試合を挑まれたんだ。やり方もわからず負けたのだがな
しかし、その後俺の顔を見て不審な反応をする人間が多かったのだ
俺様の顔は超絶最高にカッコいいのでよくあることかと気にせずに、用事を済ませるために村長に会いに行った

長は俺の顔を見て子供に羽子板で負けたのですねと
詳しく聞こうとすると鏡を見せられ、そこには俺の美顔に墨の落書きがあったのだ!
長曰く羽子板というゲームに負けると落書きされ、勝つまで消えないいたずらをする妖怪がいると

その後のことか?
もちろん俺様がリベンジで完全勝利したさ!



●四十九話目
 百物語もおおよそ半分が経過した。そんなところで、次に手をあげたのは祷・敬夢(プレイ・ゲーム・f03234)だ。彼は自分の最高にカッコイイ冒険譚を語り始めた。

「あれは今のような寒い季節だったな。俺はある村に訪れると、子供にゲームの試合を挑まれたんだ。まあ、やり方もわからず負けたのだがな。
 しかし、その後俺の顔を見て不審な反応をする人間が多かったのだ。俺様の顔は超絶最高にカッコいいのでよくあることかと気にせずに、用事を済ませるために村長に会いに行った」

 自分のことを超絶最高にカッコいいと評する敬夢にたいして、ゼン・ランドー(マネーの狐・f05086)や他の猟兵達は、生暖かい眼で見ながら話を聞く。しかし、敬夢の顔を見て不審な反応をするとはどういうことであろうか?

「村長は俺の顔を見て、子供に羽子板で負けたのですねというんだ。それで詳しく聞こうとすると鏡を見せられ、そこには俺の美顔に墨の落書きがあったのだ!
 長曰く羽子板というゲームに負けると落書きされ、勝つまで消えないいたずらをする妖怪がいるということだった」

「はっはっは。なるほど羽子板! これは一本取られました!」

 不審な反応の種明かしに猟兵達が湧く。

「しかし、勝つまで消えないいたずらとなると、その後はどうなったのですか?」

「もちろん俺様がリベンジで完全勝利したさ!」

 結末を聞くゼンに敬夢は自慢げにそう答えるのであった。

●五十話目

「それでは、次は私ですね。妖魔がはこびるこのご時世、やはり妖怪をやっつける話こそが人々に求められるものでしょう!」

 ゼンは五十話目を語り始める。どうやら妖怪を倒した話を行うようだ。

「とある町人の話になります。その町人は毎夜悪夢を見て困っていました」
「へえ、悪夢ね。そいつが妖怪の仕業なのか?」

 妖怪退治の話なら、悪いことは妖怪が原因だろうと敬夢は予想する。

「鋸を持った男が夢枕に立ち、家の柱を斬っていきます。当然堪らずに制止するわけですが、男は、お前もこうなりたいのか?と呟き、鋸が顔に向けられ……というところで目が覚めるのです。
 ただの夢とは思えず、男は神社でお守りを買いました。その晩枕元にお守りを置いて寝たのですが……」
「俺ならお守りに頼らずとも、自分の力でやっつけてやるんだがな」

 敬夢が自慢げにそう言っている中、ゼンの話は進む。

「「つづき、つづき!」という声が聞こえます。あの男です!! 町人は夢の中でお守りを探すのですが見当たらない。「これ?これ?」男の手には探していたお守りがありました! もうだめだ! と思ったところで、間一髪! 白木の杖で打ち据えると男は消え去るのでありました」

 どうにか危機を脱した様子だ。聞いていた猟兵達は安堵の息を吐く。そこにゼンは続けて捲し立てるのだが……

「その霊験新たかな白木の杖がなんと50%オフ! なんと先着10名様には管狐育成セットも付いてくる! さあ買った買ったァ!」

 どうやらお話は全てこの商売のためだったようだ。敬夢が騙されて購入しようとするが、流石にまともな猟兵達によって止められる。結局1つも白木の杖売れることはなかった。少々胡散臭すぎただろうか?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

石上・麻琴
さてさて……ここは一つ、僕のご先祖様が戦った妖怪の話でも致しましょう。ある夜、突如として都に妖怪が現れ、夜な夜な人々を襲うという事件がありました。ご先祖様もその退治に駆り出されたのはいいものの、妖怪が身に纏う霞で姿が分からぬばかりか、術も刃も阻まれる始末。困ったご先祖様は、異邦の叡智を知る、大層麗しい奥方を持つ友人の元へ、知恵を借りようと訪ねました。すると友人の奥方は、とある札を預けたと言います。次の夜、再び現れた妖怪にその札をご先祖様が投げつけると霞が晴れ、妖怪の姿……鵺が現になりました。霞が晴れればこちらのものと、退魔の者が大立回り。後は無事、妖怪を退治することができたと聞いてます。


藤野・いろは
随分と変わった仕事になりますね
……百物語ですか、ふむ……折角ですので面白い話が出来れば良いのですが
そうですね、以前に戦った妖怪をたっつけたお話をしましょうか
それはある夏の夜でした、とある村での祭儀が行われたのですがそれを邪魔する為に魑魅魍魎が現れ、我々猟兵が一夜戦い続けました
あまり話しが得意ではありませんので無数の怪物「なぎ払った」剣術を見せたり、時折盛り上げる場面では「殺気」を出して、「恐怖を与え」話に引き込んでいけたらなと思いますね
夜が明けるころには怪物の姿はもはやありませんでした。
倒した数は全員で丁度百体、どうでしょうか?何だか今日のお仕事に似ていますね
夜明け前には終わらせたいですが



●九十九話目
 百物語ももうあと残りわずかだ。九十九話目を石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)が語り始める。

「さてさて……ここは一つ、僕のご先祖様が戦った妖怪の話でも致しましょう」

 陰陽師の家系である麻琴にとって、妖怪退治の話は事欠かない。今回語るのもその中の一つとなる。

「ある夜、突如として都に妖怪が現れ、夜な夜な人々を襲うという事件がありました。ご先祖様もその退治に駆り出されたのはいいものの、妖怪が身に纏う霞で姿が分からぬばかりか、術も刃も阻まれる始末です」
「なんと、刃が効かぬとは厄介ですね」

 剣術を主体にして戦う藤野・いろは(天舞万紅・f01372)にとって、刃が阻まれるのは死活問題だ。如何な手段も通じぬこの妖怪、どうやって戦えばよいのか。麻琴のご先祖様のたいそう難儀したようだ。

「困ったご先祖様は、異邦の叡智を知る、大層麗しい奥方を持つ友人の元へ、知恵を借りようと訪ねました。すると友人の奥方は、とある札を預けたと言います」
「札……なにやら術が込められているのでしょうか?」

 異邦の術の込められし札。さてさて、それをもって妖怪へと挑む麻琴のご先祖様。

「次の夜、再び現れた妖怪にその札をご先祖様が投げつけると霞が晴れ、妖怪の姿……鵺が現になりました。霞が晴れればこちらのものと、退魔の者が大立回り。後は無事、妖怪を退治することができたと聞いてます」
「ふむ……妖怪とは鵺だったのですね。霞を纏う妖怪、今後戦うことがあるかもしれませんね」

 麻琴の妖怪退治譚に、様々な妖怪と戦ったことのあるいろはは鵺との戦いを想像するのであった。

●百話目
 ついに最後となる百話目を語るのは藤野・いろは(天舞万紅・f01372)だ。

「随分と変わった仕事になりますね。折角ですので面白い話が出来れば良いのですが……」

 トリを飾るいろはがどんな話をするか、麻琴や他の猟兵達は楽しみに待つ。

「そうですね、以前に戦った妖怪をやっつけたお話をしましょうか。それはある夏の夜でした。とある村での祭儀が行われたのですがそれを邪魔する為に魑魅魍魎が現れ、我々猟兵が一夜戦い続けました」
「いろはさんも妖怪退治の経験があるのですか」

 さきほど妖怪退治の話をしている陰陽師の麻琴は、同じく妖怪退治の話と聞いて興味深そうだ。

「魑魅魍魎が押し寄せる中、僕たちは必死で戦いました」

 いろはは話をするのはあまり得意ではない。しかし、話を盛り上げる方法は色々とある。得意の剣術を見せ、殺気を放ち、いろはの語りに観客の猟兵達を引きこんでいく。

「そうして、夜が明けるころには、怪物の姿はもはやありませんでした。倒した数は全員で丁度百体、どうでしょうか? 何だか今日のお仕事に似ていますね」
「臨場感があって素晴らしいお話でした。それに百体とは、激戦でしたね」

 いろはの語りを称賛する麻琴。素晴らしい語りであったが、その余韻もそこそこに、猟兵達はすぐに戦えるようにと準備を整える。そう、今百話目が終わったのだ。

 いろはは最後の蝋燭を吹き消す。屋敷の中は、完全な闇に包まれた……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『腐怪の蟲』

POW   :    腐敗の瘴気
【腐敗の瘴気 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    粘着糸
【尻尾から発射する粘着糸 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    腐敗の溶解液
【口から発射する腐敗の溶解液 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を腐らせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 百物語は完結した。闇に包まれた屋敷の外に、何らかの気配が蠢く。空気もどこか腐臭を感じ、不気味な雰囲気に包まれている。猟兵達の狙いは成功し、妖怪変化を呼び出すことには成功したようだが、屋敷を囲むのは一体何者であろうか?
 猟兵達が身構える中、屋敷の壁がめきめきっと崩れ、化物が屋敷へと侵入してきた!その姿は、人ほどもあろうかという大芋虫。腐敗の瘴気を放つこの妖魔が百物語をした若者たちを襲ったのだ! 彼らが見つからなかったのは、屋敷ごと溶解液で溶かされてしまったからなのだろう。

 猟兵達よ! 百物語の果てに現れし、「腐怪の蟲」の群れを討伐するのだ!
東雲・ゆい
きゃ~~~♪ おっきい虫さんだ♪
わたし虫さん好きなの~
気になって触ったりして、どんな虫さんなのかな~って興味津々♪
それで調べるのに夢中になってたら囲まれちゃって
攻撃されて大ピンチになっちゃうけど大丈夫!
ピンチになるほど★ヒロイックフォースと★ギリギリフォースでわたし強くなっちゃうの!

そしたら★バトルキャラクターズでフリフリアイドル衣装の女の子キャラをドバーッと出して大逆転じゃーい!
虫さんには可哀想だけど手当たり次第にコンボ入れてガンガンやっつけちゃうよ~!
一緒にいる仲間や召喚した女の子キャラが戦いやすいように
【挑発】【かばう】【誘惑】で虫さんを惹きつけてサポートするよ♪


石上・麻琴
なるほど、溶解液……人すらも溶かせるとあらば、気をつけねばなりませんね。溶解液には当たらぬよう立ち回りつつ、可能ならユーベルコードの炎で溶解液を相殺するように、無理なら妖怪を直接攻撃します。炎で溶解液を燃やせたらよいのですが……アドリブや他の人との連携は大歓迎です。


藤野・いろは
既に百の話をし終えております、新たな怪奇は今宵は不要
瘴気は青い羽織にオーラを纏わせ防ぎましょう
百物語という事で用意しましたが、存外に役に立ったものです
魔よけの刀も当然手に。これならば相性も良いでしょうからね
刀に『破魔』の力を込めて蟲達を薙ぎ払い数を減らしていきましょう
やはり数も多く瘴気が多いですね、このまま部屋に充満されても他の猟兵も動きづらくなってしまいます
瘴気を晴らすことが出来れば……、なるほど、こういう事ですか
同様に『破魔』の力を込めた『霊符』を使って、霞……いえ瘴気を晴らしましょう。
鵺の話が無ければ手を焼くところでした、感謝します
全くこの妖は酷い声だ、トラツグミの鳴き声の方がずっといい


浅葱・シアラ
ひぅ……!
百物語の果てに出て来た瘴気の虫……
あれが、腐怪の蟲……
怖い……瘴気に触れたらどうなっちゃうんだろう……
でも、負けない、ここで挫けたらこの蟲の被害はまた出ちゃうから!


使用するユーベルコードは「紫光蝶」
瘴気に触れてしまえばきっとじわじわと身体を蝕まれていくよね……
だから精霊さん達を呼び出して皆を癒すよ
ヒーラーとして皆を癒してあげるのも戦いだから……!
大丈夫、紫光の蝶蝶さん達は絶対にあなたたちを癒して、立ち上がらせてくれるから、その痛みも疲労も、シアが引き受けるから……!
だから、大丈夫!


百物語の果てに現れる凶悪なここで断とう!



「きゃ~~~♪ おっきい虫さんだ♪ わたし虫さん好きなの~」

 恐ろし気な大芋虫も、独特な感性を持つ東雲・ゆい(それ以外の何か with グリモア・f06429)には関係ない様子だ。彼女はツインテールを揺らしながら興味津々に触りに行こうとしている。流石に腐怪の蟲も触らせる気はないようで、ぶしゅうっと瘴気を吐いてゆいを威嚇する。

「も~~、シャイなんだからっ」

 腐怪の蟲の威嚇もゆいにとっては照れているように見えるらしい。そんな目の前の腐怪の蟲に夢中なゆいを、横から別の個体が吐き出した粘着糸 が絡めとる。

「キャッ!? いやん、緊縛プレイ??」

 ゆいは粘着糸に拘束されてしまう。とはいえ、ゆいにはピンチでこそ強化されるユーベルコードがある。それを発揮して大逆転! という予定だったわけだが……

「あれ? 使えない? もしかして本当に大ピンチ?」

 粘着糸はユーベルコードを封じ込める。頼りのユーベルコードが使えないゆいに、腐怪の蟲が溶解液を発射する。
 
「させませんよ!」
「はあっ!」

 間一髪、麻琴が陰陽術で作りだした朱雀形の炎が溶解液を相殺し、ゆいを拘束する粘着糸はいろはが魔避けの刀で切り裂き救出する。そのまま一旦間合いを取った後、猟兵は腐怪の蟲へと攻撃を開始する。

「既に百の話をし終えております、新たな怪奇は今宵は不要です」
「ええ、僕の陰陽術で焼き尽くします。名就けしは十二天将が一つ、前二朱雀火神家在午主口舌懸官凶将!」
「こんどこそわたしも行くよ! そーれ!」
 
 3人の猟兵は各々の手段で腐怪の蟲を撃破していく。中でも遠隔攻撃である麻琴の炎は、次々と腐怪の蟲を炎に包んで滅ぼしてゆく。対して、他の2人は腐怪の蟲の噴き出す瘴気のせいでなかなか効果的に倒すことができていない。ゆいの呼び出したフリフリアイドル衣装の女の子達は、華麗なコンボで腐怪の蟲を倒すも、瘴気によって相打ち状態だ。いろははというと、破魔の力を乗せた刀で瘴気は振り払えるのだが、一々そうやっていてはどうしても倒すまでに時間がかかってしまう。

「やはり数も多く瘴気が多く厄介ですね。瘴気を晴らすことが出来れば……なるほど、こういう事ですか」

 いろはは何か閃いた様子だ。彼女は懐を探り、何かを取り出した。

「霞……いえ瘴気なら、破魔の霊符の力を持ってすれば……!」

 いろはの取り出した霊符は霊符は、確かに効果を発揮し、瘴気を払う。しかし、瘴気そのものであるような腐怪の蟲相手では、あと一歩足りていない。

「怖いけど……シアが手伝うよっ! シアの蝶々さん、みんなを癒して!」

 そこでシアラが協力する。シアラの精霊術によって呼び出された紫色の光の蝶が放つ鱗粉は、霊符によって弱められた瘴気を浄化してゆく。回復の力をもつユーベルコードが蝕む瘴気を相殺しているのだ。

「ひぅ……! 怖いけど、負けない! ここで挫けたらこの蟲の被害はまた出ちゃうから! 紫光の蝶々さん達は絶対に瘴気になんて負けないから!」

 いろはの霊符とシアラの紫光蝶により、瘴気が一掃されていく。

「痛みも疲労も、シアが引き受けるから……! 百物語の果てに現れる凶悪な怪物をここで断とう!」

 瘴気さえなくなれば、後は猟兵達の思うがままだ。麻琴の放つ朱雀の炎が焼き尽くし、ゆいの召喚した女の子はコンボでボコボコにする。そしていろはの剣術は腐怪の蟲を一刀両断した。腐怪の蟲も溶解液を吐いて反撃するのだが、多少の負傷であれば、シアラが全て癒してしまう。ほどなくして、全ての腐怪の蟲が殲滅された。

「麻琴さんの鵺の話が無ければ手を焼くところでした、感謝します」
「なるほど! あの霊符は僕の先ほどのご先祖様の話からなのですね」

 感謝を述べるいろはに対し、麻琴が得心したと頷く。そう、麻琴がした百物語の鵺の話を覚えているだろうか? あの話で霞を符で払ったように、いろはは霊符で瘴気を払う着想を得たのだ!

「もう、大丈夫だね。 残った瘴気もシアがみんな綺麗にしちゃうね」

 シアラが飛び回って、残された瘴気や溶解液で腐った地面を、紫光蝶の鱗粉で浄化していく。

 猟兵達は百物語の果てに現れた怪物を退治した。これで物語も終わりかと思うが、そうはいかない。百物語が呼び寄せたのは腐怪の蟲だけではなかったのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『勘解由小路・桔梗』

POW   :    無念の報復
【陰陽道の術で召喚した武器の群れ 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    信康招聘
自身が戦闘で瀕死になると【一体の強力な妖狐 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    知識の蒐集
質問と共に【指先から蝋燭の火程度の大きさの炎 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠デナーリス・ハルメアスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 腐怪の蟲を倒し、安堵する猟兵達の前に、1人の少女が現れる。時は丑三つ時、このような時間に独り歩きするなど不自然だ。

「あらあら。百物語に呼ばれて来てみたのだけれど、この場にいるのは猟兵達ばかり。罠、ということ?」

 猟兵を看破するその少女が放つ雰囲気は常人のそれではない。この少女も百物語によって呼び出されたオブリビオンだ! それも、腐怪の蟲よりも相当に強力な力を持っている。

「たとえ罠でも、踏みつぶせばいいだけね。ねぇ、信康」

 その少女のオブリビオン「勘解由小路・桔梗」は背後の妖狐に語りかけると、猟兵達へ向けて陰陽術の詠唱を始めた。

【マスターより:WIZで攻撃する方は「3サイズ(女性のみ)」「あなたの秘密にしていること」「好きな人の名前」のどれかをプレイングに記載ください。桔梗の「知識の蒐集」の質問になります】
石上・麻琴
……これは少々、厄介なことになりましたね。ですが、既にあちらがやる気で逃げられないのなら戦うしかないでしょう。ユーベルコードで白虎を召喚しつつ、霊符や刀で戦います。あの妖狐も気になりますからね……!


沙羅音・姫陽
百物語の果てに待っていたのは腐怪の蟲などではなく、美しいオブリビオンのお嬢さんとはね。
ふふっ、面白いじゃないか、罠を踏みつぶせるというなら、僕らは君を越えるだけだ


使用するユーベルコードは「魅了妖炎」
12個の桃色の狐火を放って桔梗を攻撃するよ
技能【属性攻撃】で炎の属性を強化し、桔梗を燃やしてくよ
更にこの炎には燃やした相手を魅了する効果がある、その成功率を上げるためにも技能【誘惑】を使っていくよ
魅了が成功すれば桔梗の動きをとめたりなど言いなりになってくれると嬉しいな

彼女の攻撃の質問について
「好きな人の名前」
恋人や片想いの相手ではなく、憧れの母の名前
妖魔の「沙羅音・姫月」と答えて見せようか


アリマ・バートル
WIZ

見た目は可愛らしいですが、騙されては駄目ということですね
少しばかり心が痛みますが

わ、私の3サイズですか……?
えーっと、こっちに来て測ってもらった時は、確か82、54、86だったかな?
……あの、ちょっと恥ずかしいんだけど

乙女の秘密を知った代償は大きいですからね
サモニング・ガイストで攻撃
私の部族に伝わる古の戦士たちを召喚
私たちにとって、戦士は狩人でもある
ええ、狐狩りは得意なんですよ

(基本的には占い師として丁寧な口調で。質問の答えを返すときは思わず素の自分が出て)

台詞アドリブや参加者との連携歓迎



「百物語の真の果てに待っていたのは、気持ち悪い蟲などではなく、美しいオブリビオンのお嬢さんとはね」

 沙羅音・姫陽(姫陽剣・f08063)は桔梗の姿を見て笑みを浮かべる。しかし、外見だけ見れば美少女でも、人に仇為すオブリビオンだ。猟兵としては倒さねばならない。

「ふふっ、面白いじゃないか。罠を踏みつぶせるというなら、僕らは君を超えるだけだ」
「あまり調子に乗らない方がいいわよ? 無念の刃よ、切り裂きなさい」

 桔梗は陰陽術で刀剣の群れを召喚した。そして桔梗は宙に浮く刀剣の群れを操り、自らを超えるという姫陽へ差し向ける。姫陽も白銀に輝く刀を構えるが、手数の差は少々厳しそうか。

「名就けしは十二天将が一つ、後五白虎金神家在申主疾病喪凶将!」

 2mを超える白虎が振るう爪が、姫陽へ向かう途中で刀剣の群れを薙ぎ払う。白虎の背を見れば麻琴の姿。この白虎は麻琴の陰陽術で召喚されたようだ。

「これは少々、厄介なことになりましたね。ですが、既にあちらがやる気で逃げられないのなら戦うしかないでしょう」

 連戦は厳しいが、桔梗が逃がしてくれるとは思えない。参戦した麻琴は姫陽の隣に並ぶ。

「ありがとう、麻琴クン。じゃあ、こちらも反撃だね。熱くなってもらうよ?」

 刀剣の迎撃を麻琴と白虎に任せ、姫陽は十余りの桃色の狐火を桔梗へと向けて放つ。

「この炎は……? くっ!」

 姫陽が作りだしたのはただの炎ではない。それは魅了の炎、心を燃やす誘惑の火だ。強力なオブリビオンだけあって、桔梗は魅了に抵抗するが、その状態では刀剣の操作まで手が回らない。

「刀剣が止まった!? 今なら……!」

 このチャンスに、麻琴は白虎を駆って一気に距離を詰める。そして、白虎の爪撃と刀による斬撃が桔梗を切り裂いた!

「くぅっ! 刃よ!」

 桔梗はどうにか姫陽の狐火を振り払い、刀剣を操って麻琴を牽制する。

「口だけ、といわけでもないのね。なかなか痛かったわよ。こちらも、燃やしてあげようかしら。貴方と……そこにいる女の子が面白そうね」

 桔梗は蝋燭大の小さな炎を飛ばす。標的は先ほど狐火を受けた姫陽と、その後ろで戦いを見守っていたアリマ・バートル(白い牝鹿は蒼き狼と交わり・f00656)だ。

「む?」
「えっ、ええっ!?」

蝋 燭大の炎はちっぽけで、ほとんど熱さを感じない。姫陽はいぶかしげに、アリマハはいきなり標的にされたことに驚きつつその炎を見つめる。

「ふふっ、じゃあ、貴方は好きな人の名前を、貴女は3サイズを教えてくれるかしら?」

 桔梗が質問を口にした途端、炎が大きく、熱くなってゆく。質問に答えねば炎で燃やされるという術のようだ。慌てた2人は、とっさに質問の答えを言ってしまう。

「沙羅音・姫月、だね」
「わ、私の3サイズですか……? えーっと、こっちに来て測ってもらった時は、確か82、54、86だったかな?」

 恋人や片想いの相手ではなく、憧れの母の名前を言った姫陽はまだいい。しかし、3サイズを答えてしまったアリマは顔を赤面させる。

「……あの、ちょっと恥ずかしいんだけど」
「……僕は何も聞いていません」

 恥ずかしさに顔を赤らめるアリマに、麻琴は気まずそうに顔をそむける。対して女性が好きな姫陽はいいことを聞いたとばかりに微笑んでいる。

「もう、乙女の秘密を知った代償は大きいですからね」

 乙女の秘密をばらされたアリマは怒り心頭だ。シャーマンの召喚術で呼び出した部族の戦士を召喚し、桔梗へと突撃させる。

「乙女の怒り、受けてください」

 召喚した戦士はアリマの怒りをぶつけるかのように槍を振るい、桔梗を貫くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 猟兵達の攻撃で、桔梗にダメージが蓄積していく。不利を悟った桔梗は背後の妖狐へと呼びかける。

「ねえ、信康。助けてくれるかしら?」
「承った」

 桔梗の背後で薄く見えていた妖狐の霊が具現化していく。桔梗だけでも厄介だというのに、妖狐から感じられる力は桔梗と同等だ。

 信康が召喚され、敵は2体。オブリビオンとの戦いは佳境に入った。
石上・麻琴
やれやれ、百壱番目と呼ぶべきでしょうか?実に手強い。ユーベルコードで呼び出した白虎の背から降りて、白虎に信康と呼ばれた妖狐が連携しづらいよう攻撃させつつ、本体を刀や霊符で狙います。アドリブ等大歓迎です。


浅葱・シアラ
ひぅ……。
妖狐の力を借りて、まだ戦う気なの……?
でも、確実に効いてる……!
桔梗を倒すチャンスだよ……!


使うユーベルコードは「胡蝶閃」
胡蝶の閃きを持って桔梗を攻撃するよ
それだけじゃない、この胡蝶たちは脱力の力も持ってるから、技能【高速詠唱】でなんども呼び出して、沢山攻撃して桔梗の力を削いでいくよ
勿論、技能【全力魔法】で強化された胡蝶閃自身も取っても痛いんだから!


桔梗に質問されたら「3サイズ」を答えるよ
え、ええ~……恥ずかしいよ……えっとえっと、ね……確か……
「上から14・10・13.5」だよ……
うう、恥ずかしいよ……
……あれ、なんでみんなきょとんとしてるの……?


神威・くるる
あやや、姫陽はんたらええお顔やこと

それはともかく、狐はんが増えはったわぁ
まぁ、増えたら増えたで動けへんようすればええ話
【咎力封じ】で力を封じさせてもらいまひょ

ふふ、ちょうど持ってた猫じゃらしでくすぐったらどないなるやろか?
それとも目を見つめて【魅了】して、その血をちょびぃっといただこか


ゼン・ランドー
大変申し訳ありません………少々、出遅れました。

八つ当たりは重々承知ですが
ああ、本当に本当に何貴様ら山奥にでも引きこもって暮らして置かなかった!
何故寄りにも寄ってその組み合わせで私の前に出てくるというのか…!

声は、震えては居まいか
剣は正しく握れているか
踏み出す足に乱れは無いか
五体から信が離れてゆく

これでは不覚を悟られよう
しかして語る義理もなし
後はただ、終わらせるのみ

『焦炎重縛地獄』で武器諸共に信康を焼き払い
動きを鈍らせた所を第六感と戦闘知識を組み合わせた剣技で
信康を優先して狙い終わらせます。

(敵に対して苛立ちをぶつけ、過去の経験から積極的に二人にトドメを刺したがりません)



「あやや、姫陽はんたらええお顔やこと」

 神威・くるる(神の威を狩る黒猫・f01129)はコロコロと笑いながら、3サイズを後悔してしまったアリマや、それを知って嬉しそうな姫陽をからかっている。

「そんなに羨ましい? なら、あなたも3サイズを教えてもらえるかしら?」

 そんなくるるに、桔梗は小さな炎を飛ばす。燃やされるのを避けるためには、質問への回答をしなければならない。まるで呪詛のような炎だ。

「乙女の秘密はそないに簡単に明かせまへんなぁ」

 くるるはひょいっと、傍らに浮かんでいた妖精を摘みあげ、呪詛の如き炎への盾とした。

「ひぅっ! えっ、ええっ!?」

 その可哀想な妖精、シアラは炎に当たってしまい涙目で慌てている。だんだんと炎は大きく、熱くなっていく。逃れるために破質問に回答しなければならないわけだが……

「えっとえっと、ね……確か……『上から14・10・13.5』だよ……うう、恥ずかしいよ……」

 3サイズというシアラ乙女の秘密が公開されてしまった……のではあるが、妖精サイズではどうにもピンと来ない。先ほどはアリマの3サイズに赤面していた麻琴も、今しがた戦いに加わったゼンも何とも言えない顔をしている。

「あれ……? なんでみんなきょとんとしてるの……?」
「あははははっ。あんた可愛いどすなぁ」

 不思議そうな顔をしているシアラに、たまらずくるるは噴き出してしまう。

「えっと、切り替えて戦いましょう。妖狐まで召喚するとは、実に手ごわいオブリビオンです」
「ええ、遅参の身ですが、協力します。しかし、何故寄りにも寄ってその組み合わせなのか……!」

 自身も妖狐であるゼンには、妖狐と少女の組み合わせに何か思うところがあるのだろうか? よくよく見てみれば、彼の行動はすこしぎこちない。とはいえそれは、敵に悟られるほどでも、ましてや戦闘に影響するほどでもない程度の差だ。

(「八つ当たりは重々承知ですが、ああ、本当に本当に、何故貴様らは山奥にでも引きこもって暮らして置かなかった!」)

 ゼンは自らの感情をぶつけるかの如く、信康と呼ばれる妖狐へと挑む。地獄化した右目の封印を解き放ち、焦炎重縛地獄で信康が陰陽術で操る武器群へと対処した上で、呪詛を纏った黒剣で信康に斬りかかっていく。

「信康っ!」
「おっと、あなたの相手は私ですよ。妖狐と連携なんてさせません!」

 信康を援護しようとした桔梗であったが、すかさず麻琴が使役する白虎と共に桔梗を攻撃する。白虎の大きな体躯で桔梗が信康へと近づけぬように道を塞ぎ、別方向から麻琴が刀と霊符で攻め立てる。流石の桔梗も、麻琴への対応で手いっぱいの様子だ。
 桔梗の援護は防いだ。しかし、妖狐同士の戦いは信康が優勢だ。信康も桔梗と同等の強力なオブリビオン、ゼン1人だけでは荷が重い。信康が操る日本刀がゼンの刃を弾き、ゼンに致命的な隙ができる。ゼンへとトドメの一撃を放とうとする信康、陰陽術で操られる日本刀がゼンを貫くかに見えたーーーだが、その日本刀はゼンへと届く直前に力を失い地面に落ちた。

「まぁ、敵さんが増えたら増えたで動けへんようすればええ話、力を封じさせてもらいまひょ」
「むぐぐっ!」

 くるるの手から伸びるロープ、そして様々な拘束具が信康を拘束している。くるるの拘束によって、信康はユーベルコードを封じられたのだ!
 これは千載一遇のチャンス、ゼンは剣を握り直し信康へと向かうが、ためらう様子でその剣は振るわれない。

「……」
「あやや? あんたがやらないのならうちがいただくどすえ?」

 無言で躊躇うゼンを見て、くるるは拘束された信康の首に噛み付き、その血を啜った。血と共に彼を召喚していた力も吸われているのか、信康の姿が薄くなり、次第に消滅していく。

「信康ーー!?」

 頼りの信康が倒され、絶叫する桔梗。大きな隙を晒した桔梗に向けて、シアラのユーベルコードが放たれる!

「お母さん……借りるね! 胡蝶の閃きにて、あなたの力、これでおしまいだから……
胡蝶閃!」

 シアラは全力で詠唱を行い、何匹もの胡蝶を続けざまに呼び出して桔梗へとぶつけていく。胡蝶の閃きは力を奪う。一時的に力を失った桔梗へと、麻琴はこの戦いに決着を付けるべく斬撃を放った。

「これで終わりです!」

 麻琴が渾身の力で振り抜いた刃は、袈裟懸けに桔梗を切り裂き桔梗へと致命傷を与えた。

「信……康……」

 桔梗は最後まで妖狐の名を呼びながら消滅していくのであった。猟兵達の勝利だ!!

「……」

 戦いが終わった後も、ゼンは消えて行った妖狐の方を見て動かない。彼の過去にはいったい何があったのだろうか? 彼が語らぬ以上、それは誰も知る由もなかった。

「やれやれ、恐ろしいオブリビオンでした。これは百壱番目と呼ぶべきでしょうか?」
「ひぅ……確かに恐ろしかったよ。3サイズ……ううっ」

 麻琴とシアラの言う恐ろしいの意味は少々異なるだろうか。そして、くるるは恥ずかしそうなシアラを様子を見てにやついている。もしこの後に妖精の3サイズが広まるようであれば、きっと彼女の仕業であろう。 
 ともあれ、猟兵達の手によって百物語の果てに現れたもの、百壱の怪異たるオブリビオンは討伐されたのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト