アースクライシス2019⑭〜決戦の地は熱砂の都
●グリモアベースにて
「諸君らの活躍により、オブリビオンに支配されていた『知られざる文明』が全て解放された。そして、オブリビオン・フォーミュラの首魁『クライング・ジェネシス』がその姿を現した」
機械の躯体に乗ったリコ・エンブラエル(鉄騎乗りの水先案内人・f23815)は集まった猟兵たちの顔を見渡し、現れたクライング・ジェネシスの姿をモニターに映し出してブリーフィングを開始する。
「俺が観測した奴が現れた場所は、中東に位置する大都市ドバイにそびえる世界最高峰の建造物「ブルジュ・ハリファ」…通称ドバイタワーだ」
モニターの映像が切り替わり、世界一高いビルの「ブルジュ・ハリファ」と並ぶようにクライング・ジェネシスの姿が表示された。
「様々な観光地の中でコイツがわざわざクソ暑い中東を選んだのは、世界一高い、に目をつけたのだろう。古来より天高くそびえる建造物は神が住まう場所とよく言われている。自身がヒーローズアースを滅ぼせる全知全能の神と言わんばかりに誇示し、その強烈な自己顕示欲が巨塔の神になろうとはな。ま、神は神でも世界に終焉をもたらす破壊神、だがな」
続いてモニターには、クライング・ジェネシスの巨体を各部位ごとにクローズアップされ、次々と写真がスライドされた。
「そして、クライング・ジェネシスは今、『骸の海発射装置』のチャージを行っている。計算によれば『2019年12月1日』、つまり6日後までにヒーローズアース中に現れたコイツを倒しきらないと、『骸の海発射装置』のチャージが完了し、ヒーローズアースにカタストロフを引き起こす」
モニターには残り日数のカウントダウンが表示され、猟兵たちは自分たちに残された時間は限られていると改めて思い知らされた。
「確かに残された時間は僅かだが…何、今まで諸君らは今まで戦い抜いてきた精鋭中の精鋭だ。本来の奴はチンケな小物、今はみみっちい手段で殺してきたヒーローやヴィランの死体で作り出したまがい物の肉体と力を、自分の力と自惚れて鬱憤を晴らそうとしている大馬鹿者だ。天狗になった奴の鼻を、思う存分へし折ってやれ!」
猟兵たちに檄を飛ばしたリコは、グリモアを操作し、ドバイに続くゲートを展開した。
「それでは諸君らの活躍に期待する。思う存分…暴れて来いよ!」
ノーマッド
ドーモ、ニュービーMSのノーマッドです。
戦争も残りわずか、残り短い日数しかない中での敵首魁討伐シナリオにご参加頂きありがとうございます。
●シナリオ概要
今回のシナリオ難易度は「難しい」となります。
そして、プレイングボーナスは『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』です。
先制UCの対処法を編み出さずに攻撃したり、相手のUCをこちらのUCで対抗すれば、自動的に失敗扱いとなります。
いかに防御して反撃するかの作戦が重要になりますのでご注意下さい。
●戦場の情報
中東の大都市ドバイ。そして、その繁栄を象徴する「ブルジュ・ハリファ」です。
一度は行ってみたいですが、日中はとても出歩けれない灼熱地獄らしいですので、テレビのロケを見て満足しています。
観光客の他に、石油王や労働者らの避難誘導プレイングは必要なく、彼等への配慮が無い事でリプレイ上は不利になる事はありません。
ならびに、観光名所は自分の活躍を引き立てる舞台装置なので破壊したりはしません。
●敵の情報『クライング・ジェネシス』
元は無能力者で、殺したヒーローやヴィランの身体部位を移植する事でユーベルコードを得ました。醜い肉体を鎧で隠し、胸部の「骸の海発射装置」をチャージしています。
●採用人数
戦争の日数も残りわずかとなり、今回は平日仕事が終わってからの執筆となりますので、可能な限りできるだけ、と考えています。
参加人数の数によっては採用人数を絞るかも知れませんのでご了承下さい。
それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『クライング・ジェネシス』
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POW : 俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!
全身を【胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 貴様らの過去は貴様らを許さねェ!
【骸の海発射装置を用いた『過去』の具現化】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ : チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!
【骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を丸ごと『漆黒の虚無』に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:yuga
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クー・フロスト
●アドリブ歓迎
●SPD/苦戦負傷大歓迎
○心情
『過去』の具現化……。
これ程恐ろしいと感じる能力は無い。
番犬共め――
○過去
私の『過去』は【番犬】と呼ばれる【正義の味方(ヒーロー)】と
敵対関係にあった事だ。
ヤツらとは、光と闇との関係
相容れる関係ではないがそこを利用する
○対策
そこで対策を行う。ダンジョンを作りUC効果で
入口【番犬共】
中層【クライング・ジェネシス】
上層【私】
――と分断させ、正義の味方らしく巨悪を撃破して貰おう
憎たらしい事にヤツらならば可能だろう
○台詞
フッ。これでヒーローズアースの世界は、守られたか?
此れは誤算だ…。こんな処にまでやってくるかッ!!
私の邪魔をするな!ケルベロス―――ッ!!!
「ギャーッハッハッハッ! 逃げな逃げな、地球のクズども!」
突如中東屈指の観光都市ドバイに出現したクライング・ジェネシスは、世界一高い超高層ビル『ブルジュ・ハリファ』を背にして、逃げ惑う人々を嘲るように高笑いを響かせていた。
「『過去』の具現化……。これ程恐ろしいと感じる能力は無い。番犬共め――」
クー・フロスト(《甦生氷姫》氷の死神少女・f08503)は高層ビルの屋上からクライング・ジェネシスを見澄ましていた。
彼女の過去は『番犬』と呼ばれる『正義の味方(ヒーロー)』と敵対関係にあった事。
彼女と彼らは光と闇の関係…ならば。
「ギャーッハッハッ…あぁん? どうやらムシケラが一匹居やがったようだなぁ?」
「発現甦生氷城。―――ヒューム・ヴィダベレブング」
クライング・ジェネシスがこちらに気づくのと同時に、クーはUCを詠唱し、クライング・ジェネシスの周囲を氷のダンジョンと変えさせる。
奴との高低差はこちらが上。
そして協力してくれる味方『番犬』には、クライング・ジェネシスの足元付近に出来た入り口から侵攻し、正義の味方らしく巨悪を撃破して貰う…。
「フッ。これでヒーローズアースの世界は、守られたか?」
憎たらしい事にヤツらならば可能だ。クーはそう確信していた。
「…と、思うよなぁ? イェーガーよぉ?」
クライング・ジェネシスはその巨体で氷のダンジョンを破壊し、逆にクーの周囲が氷の迷宮と化してくる。
「今までヒーローやヴィランをぶち殺してUCをブン捕ってきたオレ様が、こんな子供だましに引っかかると思ってやがったか? テメェのようなムシケラの相手はオレ様じゃねぇ…テメェの『過去』だ、イェーガーさんよぉ?」
氷の迷宮がクーを封じ込めた直後、ミラーハウスさながら氷の鏡に映し出されるクーの姿が別の姿に変わり、一斉に出てくる。
「これはとんだ誤算だったか…私の邪魔をするな! ケルベロス―――ッ!!!」
彼女が叫ぶと同時に、透き通った氷の迷宮が内側から朱い血に染まった。
「テメェの過去どもを倒しきるか、氷の迷宮から抜け出せれたらまた相手にしてやるぜ! テメェが生きてたら、だがな? ギャーッハッハッハッ!」
失敗
🔴🔴🔴
イヴ・クロノサージュ
○アドリブ歓迎です
――
●心情
大変!猟兵の皆さんには辛い『過去』を持つ子が沢山いるの!
クライング・ジェネシスの思い通りにはさせない!
魔法少女は正義の味方。だから――ッ!
『皆を応援するの!!負けないで』って!!
●対策
発射装置から放たれる『過去』は目視できるもの!
だったら、回避【見切り】に徹すればダメージは受けないわ!
万が一受けたとしても、希望の力【オーラ防御】【破魔】があれば
闇の力になんて負けないんだから!!
●戦闘
UCは広範囲【範囲攻撃】【破魔】に敵・味方に『浄化聖鍵』を放つの!
皆を苦しめる辛い過去【優しさ】から立ち上がるチカラを
『この世界を助ける為に来たんだから!闇の力になんて、負けないの!!』
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
馬鹿は高いところが好き、と言いますが…。
何処であれ、「骸の海発射装置」のチャージを
完了させるわけには行きませんね。
先制攻撃は「第六感」で予知して攻撃を「見切り」、
「残像」を囮にして回避します。
もしそれで回避出来ない場合は、緑の大盾による「盾受け」、
緑の斧槍による「武器受け」、「オーラ防御」を駆使して
ダメージを抑えつつ「気合い」で耐えます。
先制攻撃をしのいだら「クリスタライズ」発動。
『漆黒の虚無』に同化するように透明になって
クライング・ジェネシスを攪乱してから
「怪力」で緑の斧槍による攻撃。
まず「ランスチャージ」を敢行して「串刺し」を狙い、
すかさず「2回攻撃」で緑の斧槍を「なぎ払い」追撃します。
ヘスティア・イクテュス
馬鹿と煙はなんとやら…ってとこかしら?
残り少し…さっさとここで倒させてもらおうかしら?
アベルで【情報収集】敵の動き、骸の海発射装置に注意【見切り】
回避しやすい空へティターニアで【空中戦】
避けきれなさそうならタロスのバリア【オーラ防御】で一瞬でも止めて射線外へ
空なら虚無もわたしには関係なし…
マイクロミサイルとおまけにフェアリーを展開【一斉発射】!
戦闘力を上げるなら速攻で地形ごと吹き飛ばす!【範囲攻撃】
神を目指した悪役は惨めに地に堕ちるのがお約束ってね
1人の猟兵を返り討ちにした事で上機嫌となったか、勝ち誇ったように高笑いをドバイ中に響かせるクライング・ジェネシス。
その中、新たな猟兵たちがゲートより転送され、灼熱の地ドバイに降り立つ。
「馬鹿と煙はなんとやら…ってとこかしら? 残り少し…さっさとここで倒させてもらおうかしらね?」
「確かに、馬鹿は高いところが好き、と言いますが…。何処であれ、「骸の海発射装置」のチャージを完了させるわけには行きませんね」
「大変! 猟兵の皆さんには辛い『過去』を持つ子が沢山いるの! クライング・ジェネシスの思い通りにはさせない!」
スペースノイドのヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)とエメラルド・クリスタリアンのウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)はギャハハハとこちらに気づかないまま笑っているクライング・ジェネシスへの率直な感想を、そしてヒーローズアースの危機に突如現れた謎の魔法少女キュア・サージュ…もといイヴ・クロノサージュ(《魔法少女》キュア・サージュ・f02113)は魁となった猟兵の身を案じた。
『ギャーッハッハッ…っとぉ、性懲りもなくムシケラ共がまた来やがったか。テメェらも…過去に飲み込まれな!!』
クライング・ジェネシスの胸の大穴に仕込まれた骸の海発射装置から、猟兵それぞれの『過去』が放たれる。
「お嬢様、敵前方より無数の『過去』が飛来してきます」
「了解よ、アベル」
戦闘の他日常生活等のサポートを行う執事の様な口調のAI端末『ティンク・アベル』の忠言を受けたヘスティアは収集された情報を元に弾道を見切り、妖精の羽を象った白いジェットパック『ティターニア』によるバーニアをフル噴射させる。
太陽が輝く雲ひとつ無い快晴なドバイの空へと舞い上がり、縦横無尽に翔りながら『過去』の射程外へと振り切る。
「発射装置から放たれる『過去』は目視できるもの! 避けてみせる!」
イヴ…いや、キュア・サージュは次々と降り注がれ、大地が『漆黒の虚無』に変えられながらも魔法少女動体視力で避ていたが、彼女はキュア・サージュではなくイヴであるという『過去』が彼女を追い続ける。
危うく躓きそうになり『過去』が目の前にやって来た…が、その時、キュア・サージュの前に誰かが立ちはだかり…『過去」が飛散した。
「…お怪我はありませんか、レディ? さ、お手を早く…」
「あ…ありがとうございます、エメラルドの騎士さん!」
既のところでオーラが纏わる緑の大盾を構えたヘスティアに助けられ、3人はクライング・ジェネシスが放った『過去』を乗り越える。
『ちっ、しぶといムシケラ共じゃねぇか。だがなぁ、コイツはチャージ中だろうが連射できんだぜェ! ギャーッハッハッハ!!」
クライング・ジェネシスの胸に埋め込まれた骸の海発射装置内で再び闇が蠢いた。
それに立ち向かうかのように、キュア・サージュは前に出た。
「そうはさせません! 魔法少女は正義の味方。だから――ッ!」
『そうかい…なら、テメェの『過去』を食らいやがれッ!!』
骸の海発射装置から『過去』が再び放たれようと…された。
したのではない、されたのだ。
骸の海発射装置内に渦巻く闇が次第に弱まっていく。
『…ッ! テメェ…何をしやがった!?』
「私は何もしていません…ただ、あなたの中にある救いを求める感情、疑問や後悔を問いかけただけです」
『ハッ、馬鹿言うんじゃねぇ! オレ様にそんなもんが…』
「でも…あったのです。あなたにでなく、あなたの『身体』の中に」
『オレ様の身体の中…ッ!! ま、まさか…ぶち殺して同化させた…ヒーローとヴィランの死体か!?』
「はい。彼らは生物学的には確かに死んでいます。ですが…その残留思念だけは消えていないのです!」
キュア・サージュの手には召喚された聖なる鍵が握られる。
そして、癒しや浄化する能力を持つ聖なる光が、骸の海装置内に渦巻く闇を打ち払った!
『くそ、死にぞこない共め! だがなぁ…テメェのようなちっこいムシケラは、オレ様が踏潰してしまえば…』
「それはどうかしら? さぁ! 素敵なパーテイーを始めるわよ!」
キュア・サージュを踏み潰さんとするクライング・ジェネシスを制するように、天からヘスティアの声と共に無数のマイクロミサイルが放たれ、着弾し爆炎があげる。
「空なら虚無もわたしには関係なし…神を目指した悪役は惨めに地に堕ちるのがお約束ってね」
続いてティターニアからフェアリーが射出され、一斉発射されたビームはマイクロミサイルにより破壊された鎧の穴から見えるクライング・ジェネシスの醜い身体を捉え、その身を焼かせる。
『ギャアアアッ!!??』
ピンポイントで身体を焼かれたクライング・ジェネシスは仰け反り倒れそうになったのを、クリスタライズでその身を『漆黒の虚無』に同化させていたヘスティアが姿を現して追撃を仕掛けた。
「貴様は我々を甘く見くびりすぎた。確かにその巨体では、私はムシケラだろう。しかし…それは誤った認識であると、その身に味わせてやろう!!」
ランスチャージで斧槍の穂先が壊れた鎧の穴の先にある肉体を穿つ。
そしてすかさず、その怪力を持って内部でなぎ払い、醜い肉体を真一文字に切り裂く!
『む…ムシケラ、がぁ!!!』
巨体は『ブルジュ・ハリファ』前に広がる人工湖に水しぶきを上げながら倒れた。
大成功
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ラモート・レーパー
「おまえはやっちゃいけないことをした。互いの落とし前をつけさせてもらう」
UC対策
【常夜の世界】でドバイを夜にする。砂漠だからすぐに冷えるしこの時期だ、濃霧が街を覆い包む。僕はビルから飛び降りて濃霧に紛れて姿を消す。敵の方向はわかってるからそっちに向けて弓矢を飛ばして攻撃する。
UCが発動できるようになったら敵をそのまま焼き尽くす。転生も許さない。それだけのことをやったんだ。弁明も聞かない。
宮落・ライア
ふーむ。オーケーオーケー。
POWの先制攻撃ってオブリを出す事なのかオブリが攻撃したらなのか…
まぁ相手がUCを発動したらとりあえずさっさと出来る限り【ダッシュ】で近づく。
で有象無象が攻撃してきたら【見切り】で避け、背を低くし敵の中心へ飛び込む。
前に居たのは振り返るためにラグが出て、後ろに居たのは突然の侵入で
即応は出来ないでしょ。
そこに【怪力・薙ぎ払い】で周囲に居るのを全て打ち上げて【UC】発動。
打ち上げた奴全てに一瞬でとび蹴りを放ち終えて爆破エンド。
その後とっとと動けない本体も打ち上げ攻撃で【二回攻撃】からの身体の限界を無視した【鎧砕き・衝撃波・捨て身の一撃】でとび蹴り連打
。
人工湖へ倒れ込んだクライング・ジェネシスがその巨体を再び起こす。
『クソッタレめが、地球のクズども!』
骸の海発射装置に闇が再び集まり始め、発射孔は次第に光をも通さないまでの闇で充満される。
『ギャーッハッハッハ! こうなりゃ…ドバイごとテメェらを消してやらァ!!』
半ば自暴自棄の自爆宣言、なりふり構わずの暴挙に奴は移ろうとしている。
『最後にオレ様が勝ちゃア良いんだよ! ギャーッハッハッハ!』
街全体が『漆黒の虚無』に飲み込まれようが自身は無事で居られる。再び勝ち誇ったように虚神は高笑いを上げた。
「おまえはやっちゃいけないことをした。互いの落とし前をつけさせてもらう」
『落とし前だァ? やれるもんなら、やってみな! ムシケラッ!!』
ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)の言葉にクライング・ジェネシスが吠える。すると、常夜の世界の力で急にドバイの空が暗転し…急激な外気温の差で人工湖から生まれた濃霧が『ブルジュ・ハリファ』一帯を覆い包む。
ラモートはその濃霧に紛れて姿を消し、クライング・ジェネシスはその姿を見失う。
「ふーむ。オーケーオーケー。ワタシもこの霧を利用させて貰おう」
宮落・ライア(ノゾム者・f05053)もドバイの自然現象が作り出した霧に姿を隠し、人工湖の上にそびえ立つクライング・ジェネシスを捉えながらダッシュする。
ラモートが放った弓矢の方向に『過去』が放たれる。
しかし、霧で視界は阻害され、別の方角からまた弓矢が放たれる。
クライング・ジェネシスの苛立ちが募る。
『チクショウ…チクショウ、チクショウ、チクショウ! 俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!』
点では埒が明かない…ならば面でと、『漆黒の虚無』を放つのを止めて胸からオブリビオンを繰り出そうと骸の海発射装置を切り替えるが…それが彼の明暗を分けることとなった。
「攻撃が有象無象になったな…隙ありっ!!」
ライアが霧を突き抜けながらその身を跳ばし、その怪力で巨剣を振るい、クライング・ジェネシスの顔を薙ぎ払う。
「最速にして理不尽! トドメのとび蹴り! これぞヒーローの必殺! さぁ! かっこよく決めてやる!」
薙ぎ払った部位が爆破され、クライング・ジェネシスの肩を足場に再び顔へ矢継ぎ早にトドメのとび蹴りを決める。
クライング・ジェネシスは再びバランスを崩し、人工湖の水しぶきが『ブルジュ・ハリファ』の高さに届かんとばかりに上がった。
「『』の名を持って、汝を消し去らん」
兜を爆破されて露わとなったクライング・ジェネシスの醜い顔、破壊された鎧から見える醜い身体を、対象の体内から生まれ存在を焼き尽くす虚無の炎が噴き出す。
身体の至る場所から噴き出す虚無の炎は、一つ一つ集合されて巨体を覆う巨大な火柱となり、世界一高い建造物にまで届かんとばかりに煌々と夜となったドバイの街を照らす。
『ギャアアアッ!! アツい、アツい!? そうだ、水…炎が消えねェェェェッ!!?』
醜い身体を燃料に燃える虚無の炎は人工湖の水を蒸発させ、立ち昇る水蒸気がより霧を濃くさせる。
骸の海発射装置に電流が迸る。
虚無の炎が装置をも焼き、骸の海発射装置が暴走を始めた。
制御を失った充填されている『虚無の闇』が骸の海発射装置から溢れ出し、クライング・ジェネシスを巨体を飲み込む。
『虚無の闇』は『虚無の炎』をも取り込み、そして次第にクライング・ジェネシスの巨体が収縮されていく。
『こんな、こんな…終わり方! オレ様は、オレ様は認めねェッ! 認めねェぞ、地球のク、ズ…ど…もッ!』
負け惜しみを残し、クライング・ジェネシスは装置で繋がった骸の海へと落ちた。
宙に穿たれた『虚無の闇』の孔が縮み、消える。
そして消失すると同時にドバイの空が明るくなり、街は霧の水分を吹き飛ばさんとばかりの乾燥した空気、灼熱の日差しと日常が戻る。
クライング・ジェネシスは『骸の海発射装置』という力に傲り、その力に溺れ、その力で自らを破滅させた。
猟兵たちはクライング・ジェネシスが最後に立っていた人工湖をそれぞれの想いを胸に眺め、霧が晴れたらその姿はドバイに居なかった。
巨悪は打ち倒された。
しかし、まだヒーローズアースにはジェネシス・エイトは残存している。
猟兵たちは次なる戦場へと向かうのだ…未来のために。
大成功
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