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アースクライシス2019⑭〜デストロイ・ジェネシス!

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #オブリビオン・フォーミュラ #クライング・ジェネシス #挿絵

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●クライング・ジェネシス、降臨
 ――その日も、平和な日になるはずだった。
 ヒーローたちが駆けずり回る以外は。

 しかし、日常は、いとも脆く崩れ去る。
 ――日本、東京の押上、東京スカイツリーの近くにいた人々は、『それ』を見た。
 ――見てしまった。

「ギャーッハッハッハッ! 俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!」
 ――クライング・ジェネシス。
 猟兵たちが追い求めていた存在。
 それが、映像でも何でもない、実体で姿を現した。
 その威圧感と恐怖に、足がすくみ動くこともできない者もいれば、即逃げ出した者もいた。クライング・ジェネシスは足がすくんだ者の1人をその手で首根っこをつかみ持ち上げると、そのまま地面に落とす。それは、あたかも自分の存在、そして強さを見せつけるかのように。
「さあ、日本のクズども! ヒーローども! そして猟兵ども! かかってこい!
 お前らを滅ぼすその瞬間をこいつらに見せつけてやるぜ!
 そしてその後はこの『骸の海発射装置』で、世界を滅ぼしてやる!」
 ――恐怖が、始まった。

●さあ、世界を救う英雄(ヒーロー)となれ
「あんたら、よく頑張ったわね。引きずり出せたわよ――クライング・ジェネシス」
 マリア・ルート(黒き面影に囚われし根源姫・f15057)のその言葉に猟兵たちが思わず息をのむ。
「こいつさえ倒せば――ヒーローズアースに新しいオブリビオンの出現はなくなる。一時的かもしれないけど、平和が訪れる」
 だがそのために、ここまで頑張って、苦戦して、戦ってきたのも事実だ。49er入りするためにオーバーワーク気味に頑張ったものもいるだろう。
「全てを無駄にしないために、ここで決着つけるわよ」

 マリアがクライング・ジェネシスの予知をもとにした絵をホワイトボードに張る。
 ……お世辞にもうまいとは言えないが、恐ろしい見た目と雰囲気なのは確かだ。そして、目立つのは、何かを発射しようとする胸の穴――。
「――こいつは、『骸の海発射装置』っつーもののチャージをしてるわ。チャージは『12月1日』に完了する。そうなれば――」
 カタストロフよ、と。
 間近に迫るカタストロフの恐怖。それは今まで味わったことのない、破滅への足音。
「あと約1週間。長いと見るか短いと見るかはあんた次第。私は長いと見たいわね」
 さらにこの穴からは『過去』が放たれるという。
「具体的には『過去』そのものはともかく――コピー。オブリビオンや、『あんたらの』コピー。それらが生み出されると予知されてるわ」
 ――だが。過去を超えてこその猟兵だ。自分たちは過去(オブリビオン)を凌駕する存在なのだから。それが自分たちの存在意義だから。

「ロケーションは日本の、押上。天を貫くようなタワーがあるんだけど、その近くに陣取ってるわ」
 このタワーとかを破壊することとかはないらしい。というのも、こういう派手で目立つ場所で戦い、自分の活躍を引き立てる舞台装置を壊さないまま人々に見せつけることで己が自己顕示欲を満たそうとしているからだ。

「今もヒーローたちは戦っている。ここで全てを水の泡にするわけにはいかないわ」
 マリアは真剣な目つきで猟兵たちを見つめる。
「先制攻撃してくることが予想されるし、この依頼は『超高難度依頼』と認定されている。けど――」
 そこでマリアは一つ、ほほ笑んだ。青い目が、猟兵たちをやさしく見つめる。
「あんたらなら、できると、私は信じてるわ。だから――」
 そしてグリモアを展開する。扉は開かれた――。

「みんなで英雄(ヒーロー)になるわよ!」


結衣謙太郎
 いっそ、君がやられるところを見せつけてやろうじゃないか!

 結衣(最終決戦モード)です。
 最終決戦です。クライング・ジェネシス討滅作戦。
 以下詳細。

●成功条件
 クライング・ジェネシスを討滅せよ!

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 今回はボス戦となります。最終決戦です。
 クライング・ジェネシスはマリアが言っていた通り、そしてフラグメントからもわかる通り、オブリビオンや皆さんの過去を創造してきます。どう対抗すべきか――ぜひ考えてみてください。

●ロケーション
 東京スカイツリー、その根元。中には入りません。
 また、人々の避難誘導などはいりません。

●注意事項
 クライング・ジェネシスは必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。うまく敵のユーベルコードへの対処法を編みだせば、特別プレイングボーナスが入ります。
 あと、複数のユーベルコード使用は、クライング・ジェネシスも同じだけユーベルコードを先制で使ってくるので推奨しません。

 最終決戦シナリオ、さらに『超高難度依頼』につき、必ず成功するとは限りません。むしろ判定厳しめです。
 戦争はもちろん勝ちたいですが判定に手加減はしませんのでご注意を。

 以上です。
 最終決戦です。
 皆さまの魂をぜひ結衣にぶつけてください。こちらも精いっぱい応えます。
 それでは、参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『クライング・ジェネシス』

POW   :    俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!
全身を【胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    貴様らの過去は貴様らを許さねェ!
【骸の海発射装置を用いた『過去』の具現化】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ   :    チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!
【骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を丸ごと『漆黒の虚無』に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:yuga

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月待・楪
世界を滅ぼす?
させるかよ、この世界は俺らのモンだ

…全部憎くて嫌いで…助けたくて滅ぼしたかった俺の過去
許さない?それは、こっちのセリフだ
過去を許す必要性もない
来いよ、成れの果て
ヴィランとしての【覚悟】の違いを見せてやる!

同じだろうが所詮幻影、渡り歩いた【戦場知識】は俺の方が上だ
先手を取られるなら【念動力】で攻撃をそらして致命傷、重傷だけは避けつつ攻撃もろとも念動力で操り返して【カウンター】

隙をみて【ダッシュ】でジェネシスに接近したら攻撃を【ダンス】するみてーに【見切り】
【thistle】の紫電をカルタとガランサスの弾丸に纏わせて【クイックドロウ・2回攻撃】したら離脱する

さっさと骸の海に帰れ!



●覚悟の違い
「世界を滅ぼす? させるかよ、この世界は俺らのモンだ」
 ヴィラン・トワイライトこと月待・楪(Villan・Twilight・f16731)がクライング・ジェネシスの背後を取りながら射撃しようとするも、すぐにクライング・ジェネシスに気づかれて振り向かれる。
「お前は何を言っている! この世界は過去のモンだ! お前らがよくてもな、お前らの過去はお前らを許さねえ!」
 咆哮と共にクライング・ジェネシスの胸から楪の幻影が生まれ、楪に銃口を向ける。それは、在りし日の自分。あるいは、ヒーローに憧れていた自分。
「――ふっ。……全部憎くて嫌いで……助けたくて滅ぼしたかった俺の過去か。
 許さない?それは、こっちのセリフだ――過去を許す必要性もない」
 幻影に銃口を向けると、楪は睨むようにそれとクライング・ジェネシスを見る。
「――来いよ、【成れの果て】。ヴィランとしての【覚悟】の違いを見せてやる!」
 その挑発と共に、幻影と楪は共に跳びだした。一手早かったのは、幻影――その銃撃が楪の足元を抉る。足が止まったところにダガーの一撃が迫りくる。
(所詮幻影、戦場の知識は俺の方が上――!)

 ――と思っていたが。
(――ちっ、なかなかスキがねえ)
 念動力による強引な攻撃の逸らしで重傷こそ免れども、楪の体には黒いシミができてきている。防刃防弾の強化素材を装備した楪がそれを浮かび上がらせているということが、その苦戦ぶりを表している。
(――なら、カウンターしやすいダガーだ。それで、ダガーの攻撃を――!)
 こちらもダガーに持ち替え、相手の近接を誘発させる作戦に。
「――そんなもんかよ、俺の過去は。ほら、来いよ、もっと俺にその剣で傷をつけてみろ」
 この挑発に乗った幻影が接近戦を仕掛ける、それを待ってたかのように念動力で攻撃を逸らしてからの、ダガーによるカウンター。横へと幻影を吹き飛ばし、素早く2丁の銃に持ち替えるとクライング・ジェネシスを狙う。
 クライング・ジェネシスの腕が楪を狙う。しかしそれは見切っている! ダンスをするかのような右へ左へのダイブロールやステップでそれらをかわしつつ。
「触んじゃねーよ――さっさと骸の海に帰れ!」
 2丁の銃の薄紫の雷を纏わせた弾丸で右足と左足に一撃、二撃。クライング・ジェネシスが怯み、幻影が消えたその隙にそのまま後ろにダイブロールし、一気にエンゲージから離脱していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
2P戦かぁ、でも、同じ能力使ってくるならアリスと遊びましょ♡をセットしとけばこの過去の幻影は具現化した妄想世界でクラジェネたんを男の娘化して御奉仕御奉仕♡な非戦闘行動に没頭しそう。
なので、私もソコに混ざりまーす♡幻影と私は非戦闘行動な秘密のダンスな御奉仕の非戦闘行動に没頭して快楽と精力を貪ってる間は攻撃が遮断されるので、クラジェネたんのエナジーだけがごりごり減っていくことでしょう。
サイキックフェロモン(念動力/誘惑/ドーピング/毒使い/催眠術)を撒いておけばむしろ喜びそうだなこいつ。
おっとー、むしろノリノリで幻影と一緒に私を快楽責めとな?く、こいつ分かってやがる……これはこれで♡愉しみましょ♪



●後のクライング・ジェネシス「こいつを相手にしたことが間違いだったぜ」
 何か不穏なタイトルなのは気にしてはいけない。
「あそびましょ?」
 ニュルンとクライング・ジェネシスにあどけない少女の顔で迫るアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。うん、そうだよ、彼女が来たということは、あれだよ。例のアレだよ。
「へっ、遊びなぁ……ならその遊びで痛めつけてやる!」
 さっそくクライング・ジェネシスがアリスの幻影を生み出し、アリスに襲い掛からせる――

 ――なんか様子がおかしい。
 幻影がさっきから全然攻撃していない。
「おい、なんで行かねえんだ? アイツを倒せって」
 アリスは動かない。そう、こういう時、自分がどういう手に出るかは決まってる。それは、過去でも現在(いま)でも、変わらない――!
 幻影が謎の妄想世界を展開する。そのユーベルコードらしきものの展開に、ようやく頷いたクライング・ジェネシス。そして妄想世界が襲いかかる。

 ――【クライング・ジェネシスの方に】。
「おい待て! おかしいだろ、敵はあっち――」
 にこやかにほほ笑む幻影。クライング・ジェネシスの体をつー、となぞる。その感覚に違和感を覚えたクライング・ジェネシスが自分の体を見れば――なんということでしょう。まるで上半身裸にジャケットだけ着て、胸に大きな丸い傷がついた番長みたいな、しかし顔が完全に女に見えてもおかしくない男の娘ができているではないですか!
「はぁ!? なんだこれは!?」
 クスクスとほほ笑む幻影に本人が混ざる。
「私、昔も今も変わらないのよねー」
 幻影と共にサイキックフェロモンをまきながら妄想世界で秘密の(pi)をするアリス。幻影と自分でエナジーの奪い合い、供給し合いが起きており、エナジー減っているのはクライング・ジェネシスのみ。しかも2倍の速度で。
「いい加減にしろ!」
 クライング・ジェネシスが流石に怒ってアリスに掴み掛り、(pi)な行為に出る。それを幻影が快楽攻めと考えたか幻影もノリノリ。クライング・ジェネシスはそうだ、それでいいとばかりに思っているだろうが幻影のお考えとは全然違いまーす♪
「く、こいつ分かってやがる……」
 と、最初は抵抗感を示したアリス。しかし次の一声が。
「これはこれで♡ 愉しみましょ♪」
 これを聞いた瞬間、クライング・ジェネシスはどっと疲れがわいてきたという。
 なお、俺たちは何を見せられているんだとドン引きした一般の人がわりかし帰ってしまい、クライング・ジェネシスの目的としても割と傷つけられたとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

国栖ヶ谷・鈴鹿
●SPD

【過去のぼく】
過去のぼくには、[メカニック]を活用して宇宙人の謎の超兵器、空想具現化武装から取り出した、過去のぼくが知らない、電磁網で捕縛して動けなくしよう、ぼく自身だから、謎兵器が気になってそれどころじゃなくなるはず!

【boss】
クライングジェネシスには、二丁の機関銃を最大モードに![一斉発射、乱れ撃ち、制圧射撃]持てる射撃技能で一気に制圧して、最後の仕上げは、発射口にオーバーロードした武器を投げ込んで爆破させちゃおう!(自分にも少し影響あるけどオーラ防御で耐える)

ここまでの軌跡は、過去のぼくには決してないもの、ぼくは決して止まらない、天才だからね!



●国栖ヶ谷・鈴鹿は止まらない
「ひ、ひでえ目にあった……」
 何やかんやでもとに戻ったクライング・ジェネシス。その顔に多少の疲労感が見える中でいつもの紅路夢に乗って駆けつけてきた国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)。
「猟兵ども、決して許さねぇ!」
 鈴鹿の幻影がクライング・ジェネシスから放たれたのを見て、鈴鹿は待ってましたとばかりにとある指輪を指にはめ、一つ魂をこめるとその指輪が電磁網に変わる。――『空想具現武装』。ラグランジュポイントの超兵器。ラグランジュポイントの一件のあとそういえば鈴鹿は試作品をもらっていた。それなのかもしくはそこから『鈴鹿なりに』『完成』させたのかはわからない、が、その手にある電磁網は確かにあの時のそれ――『試作防御機構・ヱレクトロテリトリイ』――それに酷似している。
「えーい!」
 鈴鹿がそれを発射し、幻影を捕らえる。――否、この幻影、【自分からかかりに行った】。変化する指輪、そしてこの電磁網――それはこの幻影、すなわち『過去の鈴鹿』にとっては【未知】。発明家として、そして国栖ヶ谷・鈴鹿として、気になってしょうがない。それはほかでもない自分が一番わかっていた。
「これで幻影は大丈夫、覚悟して! クライング・ジェネシス!」
「ぐぐ、てめぇ――!」
 クライング・ジェネシスが大振りの叩きつけをしようとしたところを紅路夢で回避。そしてどこからか多目的機関銃を2丁取り出し、そのトリガーに指をかけると。
「動力全開、最大モード!」
 2丁の機関銃がうなりを上げながらクライング・ジェネシスを撃ちぬいていく。常人にできる速度ではなく、ユーベルコヲドの力あるからこそのもの。その射撃にクライング・ジェネシスも耐えながら動き回るが、紅路夢と鈴鹿は止まらない。
『動力炉、限界目前。動力系ニ深刻ナ問題アリ。直チニ使用ヲ停止シテクダサイ』
「いいや、まだまだ! ここまでの軌跡は、あの過去のぼくには決してないもの! ぼくは決して止まらない、天才だからね!」
 機関銃が悲鳴を上げる中、その顔をシリアスにし、止まらなく撃ち続ける鈴鹿。そして――
『動力炉、限界地点到達――』
「いっけーーー!!」
 あろうことか機関銃をクライング・ジェネシスに投げつけた! そしてオーバーロードして限界を迎えた機関銃が爆発する――!

「――えっ」
 ――だが、爆発はクライング・ジェネシスの目の前で起きた!
 爆発に備えようと胸の前で腕を組み防御態勢を取っていたクライング・ジェネシスが、ニンマリと顔をのぞかせる。
「残念だったなぁ、もう少しだったのによぉ」
「そ、そんな――」
 あと数秒。あと数秒早く投げつけていれば、確かにクライング・ジェネシスの発射口に当たっていただろう。しかし、遅かった。そのため、鈴鹿とクライング・ジェネシスの間で、無情にも爆発が起きてしまった。
 武器をなくした鈴鹿。――撤退? シーンエンド?

「ならばこれだ!」
 ――いいや! 国栖ヶ谷・鈴鹿は止まらない! 持ち出したのは幻影が捕らえられた電磁網! ユーベルコードの力で急激にオーバーロードを加速させ、爆発寸前に! 幻影はこんな時でも興味津々にしている!
「あたしは決して止まらない! あんたなんかに止められる気はない! なぜなら――あたしは天才だから!」
 電磁網と幻影をクライング・ジェネシスに投げつける! 流石にこれは予想外だったか、クライング・ジェネシスの発射口にそれが詰まり、大爆発を起こす! 当初の予定とは違うだけにそこまでダメージを与えたわけでこそないが、クライング・ジェネシスの胸からは確かに黒い何かがこぼれていた。
「く、くそ、てめぇ――!」
 クライング・ジェネシスの怒りの目は、確かにダメージを与えてはいることを示していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜叉ヶ池・鴉暁
やーっと御出座しかい総大将。弱い者虐めって愉しい?

『過去』の具現化。つまりはさぁ…『今』の俺より強い俺は生み出せないわけだ?
『過去』の俺が操る緑雷は『今』の俺が操る緑雷と同質のもの。双方雷撃でダメージを通すのは難しいだろうね。
となれば刀を抜いての近接戦。鍔迫り合いで抑え込んで、喉笛に喰らいついてやろうじゃないの。本丸を殴らなきゃいけない以上、いつまでも自分に構ってられないからね。

接近してるうちにまた呼び出されちゃかなわないし、雷撃を乗せた剣閃(属性攻撃&衝撃波)で牽制してから一気に近づいてバッサリいかせてもらおうか!



●疾れ、緑雷
「やーっと御出座しかい総大将。弱い者虐めって愉しい?」
 真正面から堂々と刀を担ぎ現れた夜叉ヶ池・鴉暁(ぬくたにの里の若君・f22209)。
「へっ、答える気はねぇな」
「そうかい、それじゃ――」
 クライング・ジェネシスが鴉暁の幻影を言いながら出しているのを見て、鴉暁も刀を構える。
「遠慮なく」
 そして中段の構えを取れば、刀に緑雷が宿り――
「行かせてもらおうか!」
 瞬間、幻影と鴉暁が刀から突き出すように緑雷を撃ちあう。双方に雷撃が渡る。この緑雷は鴉暁の一族特有のもの、他者には害となるもの。すなわり、共に鴉暁である今、これではダメージは通りにくい。
 なら、と鴉暁は足を踏みこむ。幻影に一気に急接近、つばぜり合いを仕掛ける!
「本丸を殴らなきゃいけない以上、いつまでも自分に構ってられないからね!」
 刀同士が激しくぶつかり火花が散る中、つばぜり合いを制したのは――鴉暁。鴉暁の押しが大きく幻影の体勢を崩し、その隙に鴉暁が素早く幻影の首を斬る!
 幻影が消えるのを尻目にそのままクライング・ジェネシスの方へ突撃!
「へっ、だが何度でも生み出せるんだぜこいつは」
「わかっているさ」
 鴉暁が緑雷を刀に再び纏わせる。そのままの勢いでクライング・ジェネシスを睨むと。
「疾れ、緑雷! 閃駆・嶽御雷(せんく・たけみかづち)!」
 雷撃を乗せた剣閃がクライング・ジェネシスを襲う!
「へっ、この程度かよ」
 それをクライング・ジェネシスはいともたやすく防御する、が――
「はぁぁぁぁぁ!」
 そのまま跳びあがっていた鴉暁! そう、先の攻撃は牽制、こっちこそが本命――!
「散れぇぇぇ!!」
 喉元から胸へ、刃が通っていく! その強い力に、クライング・ジェネシスの左肩から赤い飛沫が噴き出す!
「ぐ、ぐぉぉぉぉ! て、てめぇぇぇ!!」
 クライング・ジェネシスが声を上げる中、鴉暁はただひとつ。
「君も幻影も俺を超えられない。なぜなら、俺は日々強くなっていくからだ」

成功 🔵​🔵​🔴​

スカル・ソロモン
【】:使用技能
さあ次々行こう。しかし、再生怪人はコスパは良いが対策を取られやすいのが玉に瑕だね。

敵のユーベルコードに対しては、向かってくるオブリビオン達に【恐怖を与えて】動きを鈍らせ、武器のタクティカル・スパインでいなしつつ、敵へと迫る。
無敵? ああ知っているとも。だがこれには耐えられるかな。
無敵を確認するように砲門に一撃攻撃を当てた後、敵へ【恐怖を与えて】精神を磨耗させよう。そうだな……手に入れた力を全て失い、無様にひれ伏す恐怖などどうかね。無敵を解かねば永遠にこの恐怖を味わい続ける事になるぞ?

堪らず敵が無敵を解除すれば、先程の攻撃を足掛かりにユーベルコードを起動。死の刻印を敵に刻みこもう。



●マスカレイダースカル、日曜じゃないけど放送
「――さあ、ヒーロータイムだ。覚悟はいいか、クライング・ジェネシス」
 低い声がこの場に響く。どこか恐怖をも感じるその声の主こそスカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)だ。
「へっ、消え失せるのはそっちだ! 行け、オブリビオンども!」
 クライング・ジェネシスの胸から続々とオブリビオンたちが作りだされる。今まであったことあるものもいれば、ないものも――その種は千差万別だ。しかしそれは有象無象。軍団を見てスカルはため息。
「再生怪人はコスパは良いが対策を取られやすいのが玉に瑕だね」
「なんだとぉ……!?」
 クライング・ジェネシスがキレた! あれだ、ここまでなかなかうまく見せつけられてないからその焦りもあったのだろう!
「やれるもんならやってみやがれ!」
「もちろん、最初からそのつもりだ」
 スカルが放つ闇の波動が一段と強くなる。それに恐怖を感じた量産オブリビオンたちが足がすくんでしまう。それらを杖で軽々といなしていき、消していきながらクライング・ジェネシスに歩いていく。
「ふん、俺は無敵だぞ! こいつらを生んでいる間はな!」
「無敵?  ああ、知っているとも。だがこれには耐えられるかな。そう、例えば――手に入れた力を全て失い、無様にひれ伏す恐怖など」
 知ってるとわかって、なおもスカルの杖の攻撃がクライング・ジェネシスの胸に当たる。
「どうかね」
「……!」
 クライング・ジェネシスの体がビクッ、と痙攣するように震えた。――クライング・ジェネシスはもともと無能力者から這い上がってきた。その能力がすべて失われる、となれば――それは、恐怖を超えて、絶望以外の何ものでもない。
「無敵を解かねば永遠にこの恐怖を味わい続ける事になるぞ?」
「わかった、解く! 解くから!」
 さすがにそんな絶望は嫌なのでユーベルコードを解くクライング・ジェネシス。それはスカルの思う壺――!
「さあ、エンディングの時間だ」
「んがっ!」
 クライング・ジェネシスの胸に再び叩きつけられる杖、そして抉られるような痛み。刀ほどのそれではないが、まるで自分の中を棒でたたきつけるような痛みが襲いかかる。だが、それより何より、クライング・ジェネシスは違和感を感じていた。
(なんだ、この――恐怖は? まるで、自分が無へと還らされそうな、恐怖――猟兵に本能で感じるそれとは違う――)
 気づけばクライング・ジェネシスの胸元には、死の刻印が刻み込まれていた。
「それは、君に死の宿命を与えるもの――エンディングの終わりまでもう少しだ」
「死の、宿命、だと――!?」

 俺が、死ぬ。
 そんな、ばかな。
 俺は、最強のオブリビオン・フォーミュラだというのに。嘘とハッタリだけでヒーローを殺しまくってこれたというのに。
 そんな俺が、ここで、死ぬ――!?

 震えるクライング・ジェネシス。ここまでに猟兵たちが刻んだ傷は数多で、確かに死の瞬間は迫っている。運命は、確実に、クライング・ジェネシスの破滅へと進んでいる。
 あと少し。あと少しだ――

成功 🔵​🔵​🔴​

地鉛・要
#アドリブ連携可

俺と同じ能力・・・素で出来るのは影を操る辺りだな
道具ごとコピーするならいざ知らず俺自身だけなら脅威じゃ無い
何せ俺自身はとても弱いからな!…ちょっと悲しくなってきた

まあ良い、出現するまでのタイムラグを●第六感で狙って●先制攻撃で影業を使い攻撃。続いて戦争機構から手榴弾を取り出し投げつける
当然防御されるだろうけれど、一瞬の隙さえあれば大百足は俺の影から出て来れる
大百足を俺を飲み込むような形で召喚できる限界の大きさの1㎞で召喚
●生命力吸収、鎧無視攻撃、虚無属性を付与して敵を囲うような形で突撃

弱い俺は弱い俺を誰よりも知っている。世界を恨んで自分を恨まない奴は虚しいな
ま、どうでもいいか



●影より出るは大百足
 恐怖におびえるクライング・ジェネシス。それを見計らうかのように地鉛・要(夢幻の果てにして底・f02609)が前に立ち軽く挑発。
「来いよ、クライング・ジェネシス」
 と、言うや否や、素早く自分の影を伸ばしクライング・ジェネシスを持ち上げ、戦争機構(アジ・ダハーカ)から手榴弾をいくつか投擲。軽快な爆発音が響く中で、クライング・ジェネシスは腕を前に組んで防御をしていた。が、割とダメージは入った模様。
「ちいっ、てめぇ!」
 影を大きく動いて振り払うと要の幻影を創造。要は本当はこれに先駆けて先制で召喚をしようとしたが、一瞬遅れた。ほぼ同時に、要を覆うような1kmほどの大百足と要の幻影が現れる。
「道具ごとコピーするならいざ知らず俺自身だけなら脅威じゃ無い。何せ俺自身はとても弱いからな!」
「なんだとぉ……」
 実は本心ちょっと悲しくなっているのは内緒だが、死んだような表情はそれを悟らせない。
 そして彼は確かに弱【かった】。なぜなら、彼の過去である幻影ができるのはせいぜい影を操ることくらいなのだから……!
 大百足は要を巻くように乗せつつ、虚無の力を纏ったまま幻影に巻きつこうとする。影を使い応戦するが――それすらにも巻きつき、締め上げる。抵抗していた幻影がグッタリと倒れ、消える。
「弱い俺は弱い俺を誰よりも知っている。世界を恨んで自分を恨まない奴は虚しいな……ま、どうでもい」
「ああ、弱い自分を俺は強いとも言えないやつは虚しいな!」
 大百足にクライング・ジェネシスの拳が刺さる! さらに要の頬にも一発!
 ――そう、クライング・ジェネシス自体への攻撃は先のアンブッシュのみ。つまり、幻影を退治して一仕事終えた気になっているが、まだ本体がフリーなのだ……!
「くっ――」
 やられた頬をおさえる要。応戦も考えた、が――
(――他の奴がやれるならそいつらに任せた方が良いな)
 ――自己優先度が低い要。ここは撤退して他の猟兵に任せる作戦を選んだ……

苦戦 🔵​🔴​🔴​

紫・藍
あやや、過去の藍ちゃんくんでっすかー
可愛い名前をからかわれて、いじめられてた頃の紫・藍でっすかー

ところで紫・藍が藍ちゃんくんになったのは、自棄になって女装したら似合いすぎてて自信を得たからでしてー
同じ姿ということは、なんということでしょう!
紫・藍は藍ちゃんくんになってしまうのでは!?
よく聞くのでっすよー、紫・藍!
過去が今を許さないのではないのでっす!
藍ちゃんくん(今)は、あの日あの時女装した貴方(過去)を誇りに思っているのでっす!
歌ダンス演奏で感謝を届けるのでっす!

女装を嘆いたジェネシスのおにーさんには想像もつきませんかー?
皆さんがこれまで与えた、そんな、ばかな、も載せてカーテンコールでっす!



●音響兵器藍ちゃんくん
「はーいはいはいはい!! 藍ちゃんくんでっすよー! ぴすぴすなのでっす!」
 要の撤退と同時に現れたのは――うわ、紫・藍(覇戒へと至れ、愚か姫・f01052)!? やばい! ヘッドホンの用意をしないと!
「今日はヒーローズアースでの戦いだし、せっかくなので衣装も凝ってみたですよー!」
 装備にやたらと衣装多いしね! どんな服装かは想像にお任せします!
「てめえ、うるせぇ!!」
 クライング・ジェネシスが激おこだけど、こいつはうるさいのが藍デンティティーだから仕方ない。抑え込むように幻影の藍ちゃんくん放出! 藍ちゃんくんに襲い掛かる!
「あやや、過去の藍ちゃんくんでっすかー、可愛い名前をからかわれて、いじめられてた頃の紫・藍でっすかー」
 そう、目の前の幻影からは今の『藍ちゃんくん』の要素は微塵もない。が、今煽られて怒っているのはわかる。殴りかかってくる、が、軽く腕を掴むと地面に仰向けに叩きつける。
「……ところで、紫・藍が藍ちゃんくんになったのは、自棄になって女装したら似合いすぎてて自信を得たからでしてー……同じ姿ということは――なんということでしょう! 紫・藍は藍ちゃんくんになってしまうのでは!?」
「な、なんだとー!?」
 左手を口に当てるようなびっくり顔で藍ちゃんくんが驚く。ついでにクライング・ジェネシスも驚く。クライング・ジェネシス、のまれてない? 大丈夫?
 幻影を抱くように背中から立ち上がらせつつ藍ちゃんくんは語る(うるさめに)。
「よく聞くのでっすよー、紫・藍!
 過去が今を許さないのではないのでっす!
 藍ちゃんくんという現在(いま)は、あの日あの時女装した貴方(過去)を誇りに思っているのでっす!」
「女装してる時点でてめぇ――」
「うるさい、だまってるのです!」
 己がターニングポイントでもあり、今や自分が誇る姿でもある女装を否定しようとするクライング・ジェネシスに藍ちゃんくん、吠える。そして幻影に向き直ると。
「貴方は今はまだ何も感じてないでしょうけど! 後々それが誇りになるのでっす! そしていつか女装から卒業するときが来ても、それは誇れる過去だったと、胸を張って言えるのです! だから――」

 ――藍ちゃんくんは、過去をこうやって辱めるものを、許せないのでっす!

 黙り切った幻影をクライング・ジェネシスの方にそっと置き、藍ちゃんくんは楽器を取りだす。
「女装を嘆いたジェネシスのおにーさんには想像もつきませんかー? でもでも、猟兵の皆さんには藍ちゃんくん以外にもそういうのはいるのでっすよー! 千差万別なのでっす! オール猟兵大勝利、希望の時代の幕開けなのでっすー!」
 来るぞ! 総員、ヘッドホン準備!
「藍ちゃんくん、オンステージ! カーテンコール、そして――これが『藍ちゃんくん』としての自分なのでっすー!!」

 ※只今映像が乱れております。クライング・ジェネシスの呻きのみでお楽しみください。
「ぐおおおお!! うるせえうるせえうるせえ!!!」
「黙れ! 頭が、割れる! ぐおおおお!!」
「こ、これが死の運命の行く先なのか……!? あ、がぁぁぁ……」

 ――そしてしばらくして。幻影はいつの間にか消え去り、藍ちゃんくんは一仕事終えた感じでダブルピースを見せつけ、クライング・ジェネシスは頭を抱えていた。
「てめぇぇ……クラクラする……」
「(あれれ、まだ立てるんっすねー)よーし、それじゃ――」
 とどめを刺すのか藍ちゃんくん!

「後はうってつけの猟兵さんに託すっすよー! 思いっきり決めちゃうのでっす!」
 カーテンコール決めるんじゃないんかい! いやカーテンコールにしようとして失敗したのか!

成功 🔵​🔵​🔴​

バーン・マーディ
絡み可(推奨

我はバーン・マーディ
ヴィランである

ああ
貴様には感謝しているぞクライング・ジェネシスよ

多くの者共に示すのだな

我というヴィランが貴様を狩る姿を

対WIZ
【オーラ防御】展開
更に【戦闘知識】でこれまでの猟兵との闘い方を含めジェネシスの立ち回りを解析

魔剣と車輪剣にて【武器受け】で致命だけは避け切る!

過去の痛みも
絶望も
怒りも
我のものだ
ユベコ発動!
一気に距離を詰めて猛攻
敵の攻撃には【カウンター・怪力・二回攻撃・生命力吸収・吸血】にて叛逆を

己の体力と力が続く限り正面からぶつかり合い
剣で切り裂き喰らいつき血を啜り拳を叩き込み

ああ
過去は消えぬ
貴様の行った事も消えぬ

故に再び…地獄に落ちるがいい!!!


雛月・朔
【WIZ】
武器:ヤドリガミの念動力

◆戦闘
まずは敵の攻撃を回避するところからですね。
【念動力】で宙に浮きスカイツリーの上空を飛び回り発射装置の狙いが定まらないように動き回ります。
発射口が空を向いていれば外れた際の地形変化も引き起こさないでしょうし。
念のため直撃したときのために体の周囲に【オーラ防御】を張り巡らせ見えない壁を作っておきます。

回避が出来れば私の【範囲攻撃】【大声】を媒体した【呪詛】【マヒ攻撃】で編んだ金縛りの呪詛を放ち動きを止めます。
『≪動くな≫』

その後、視線を媒体にしたUC『背天ノ呪詛・春雷』を唱え最大威力の雷を落とします。
スカイツリーには落ちないように気をつけねば。



●デストロイ・ジェネシス!
「ああ、任された」
 藍ちゃんくんが見たうってつけの猟兵、というのはバーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)だった。
「なんだ、貴様……」
 クラクラしながらクライング・ジェネシスがバーンに問いかける。
「我はバーン・マーディ――ヴィランである」
「ヴィラン……!」
 そう。ヴィラン。ヒーローズアースでよくある存在の1体。まさにヒーローズアースの戦争のフィニッシュブローにはうってつけだろう。
「ああ――貴様には感謝しているぞクライング・ジェネシスよ。多くの者共に示すのだな――」
 バーンは一歩踏み込み――
「我というヴィランが貴様を狩る姿を」
 魔剣『Durandal MardyLord』と車輪剣「ダイアモードR」を構え、突撃するバーンにクライング・ジェネシスが『過去』を発射する。
「ふっ」
 しかしそれを2つの剣で弾いていき、クライング・ジェネシスに突撃していく。が――
「この距離なら、どうだぁ!?」
 ――零距離。しまった。間に合わ、ない――!

「うーらーめーしーやー♪」
 ――しかしそこでバーンとクライング・ジェネシスの間に雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)が乱入!
「ちっ、新手か!」
 思わずクライング・ジェネシスの発射口がそのままスカイツリー上空をふよふよと跳び回る朔の方を向く。一応オーラによる見えない壁を形成しておくが、これだけ飛び回れば相手はなかなか狙いを定めにくい。――加えてあんな音響兵器の後だ。クラクラしているその頭ではなかなかしっかりと狙いを定めることはしにくい。さらに今まで猟兵たちがつけた数多の傷もまた、その痛みで発射口をブレさせる。――そう。クライング・ジェネシスにとって、これはまさに悪手だった。
「ちいっ!」
 一発、空に向かい放たれる。しかし朔に当たるわけがない。おまけにそのまま空に『過去』が飛んでいってしまい地形変化もできない。
「地上を気にしなくてよいのか?」
「くっ!」
 そう、空を向けば向くほどバーンがフリーになる。その腕でバーンに攻撃を加えていくも、その悉くが防がれ、そしてかわされていく。
「なぜだ、なぜだ! 俺は最強のオブリビオン・フォーミュラだぞ!? なぜ、貴様なんかに勝てない!」
「ふ、貴様の立ち回りはすでに(他の猟兵たちの戦闘を見て)見切っている」
「くそぉぉぉぉ!!」
 ヤケになったクライング・ジェネシスがバーンに『過去』を発射。しかしそれを剣で弾くと、クライング・ジェネシスを大きくもう片方の剣で吹き飛ばす。
「過去の痛みも、絶望も、怒りも、我のものだ!」
 その体を漆黒に染め、一気に急加速。クライング・ジェネシスに一気に正面から再び肉薄、猛攻をしかけつつ、クライング・ジェネシスの攻撃にカウンターを返していく。斬撃、喰らいつき、齧りつき、吸血、拳――ありとあらゆるやり方で、クライング・ジェネシスの身に傷を増やしていく。己の体力と力が続く限り――

 ――そしてどれだけの時間がたったか。
 状況を上空から眺めていた朔は頃合いですね、と一つつぶやくと、一気に急降下。激しい撃ちあいが続く2体を見つつ、クライング・ジェネシスの背後、その上空に停止する。――否、背後は背後だが、クライング・ジェネシスからはかなり距離がある。
(巻きこんだら、どうしようもなくなりますからね――!)
 そして朔は一言。
「動くな」
 それは金縛りの呪詛。声を媒介とした呪いが、襲い掛かる。バーンを巻き込まないように、クライング・ジェネシスにのみ当たるように。
 果たしてそれは――成功した。
「なっ――う、動けねぇ! 体が――!」
「……」
 そこでバーンが朔に気づいた。一つアイコンタクトをすると、朔も一つ頷き、上空へ飛んでいく。
「こんなことをしたところで、過去が貴様らを許すわけじゃないんだぞ!?」
「ああ……過去は消えぬ。だが――貴様の行った事も消えぬ。
 故に再び……地獄に落ちるがいい!!!」
 バーンの渾身の一撃が、クライング・ジェネシスを大きく吹き飛ばす――!
「ちいっ……!」
 しかしそれでもなおも立ちあがろうとするクライング・ジェネシス。そこに上空から朔が行動を起こす。
「スカイツリーには落ちないように……!」
 呪詛で周囲の天候が歪んでいく――
「背天の、走狗散らさん、穀雨の伴――」
 そして朔がクライング・ジェネシスをキッと見つめればその上に雷雲ができていき。
「背天ノ呪詛・『春雷』――!」
 特大の、雷が落ちる。クライング・ジェネシスが気づいた時には時すでに遅し。その雷が体を穿ち、痺れてしまう。
「あとは、任せます――!」
「おぉぉぉぉぉぉ!!!」
 痺れたクライング・ジェネシスに、バーンの鉄拳が、迫る――!

「――がっ、はっ――」
 その腹に、鉄拳が刺さり。
「俺は、俺は――最強の、はず、なのに――」
 ゆっくりと、その体が。
「カタストロフまで、もう少しだったというのに――」
『過去』をまき散らしながら、倒れていく。
「ちくしょおおおお!!!」
 ズズゥゥゥン、と地響きと共に響く音。そして、一般人の一人が、声を上げ、次第にその声が大きくなっていく。

 ――勝った。勝ったのだ。クライング・ジェネシスに。朔が降りてきてバーンとハイタッチしようとする。バーンはそれに応え、重いような軽いような音が響いた。それこそが、この戦いの、決着の号砲だった。

 ――これからもヒーローとヴィランは戦っていくだろう。バーンのようなヴィランにも、再びヒーローと戦う日々が訪れるだろう。
 しかしそれこそが、平和な『日常』。オブリビオンに汚されない、ヒーローズアースの『日常』。
 そして何より――不確かだけど、希望ある未来へと、彼らが歩んでいく――その証。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月29日


挿絵イラスト