11
ほら、君の後ろにも~マグロ様が見てる

#UDCアース #魚怪類

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
#魚怪類


0




●視線
「さて、いただき――ん?」
 夕食を食べようとしていた青年は、ふと、視線を感じて振り返った。
 そこには、誰もいないし何もない。気のせいだろうか。
 だが、こんな事がここ数日、続いているような気がする。
「正月ボケかな」
 呟く青年の後ろには、確かにあったのだ。
 常人には見えない――ギョロリとした邪神の視線が。

「さて、今回集まって頂いた件はね、UDCアースのとある港町での事だ」
 ルシル・フューラー(エルフのマジックナイト・f03676)がグリモアベースに集まった猟兵達に、そう話を切り出した。
「多くの住人が背後に視線を感じる、と言う事が起きていてね」
 ところが振り向いても、誰もいない。
「薄気味の悪い話だが、実害はない――今のところはね」
 ただの気のせいであれば、それで良かったのだが。
「残念ながら、邪神案件だったよ。とある邪神を信奉する一団による、邪神復活儀式の一環だと判明したんだ」
 つまり猟兵の出番である。
「住人達が感じている視線は、ある祭具によって擬似的に複製された邪神の目によるものだ。邪神にとある光景を見せると言う、復活儀式みたいだよ」
 そして、その邪神と言うのが――。
「これだよ」
 と、グリモアベースに映し出されたのは――マグロだった。
「邪神マグロ」
 どっからどう見てもマグロだと思ったら、名前もマグロだった!
「空を泳ぐ巨大な邪神で、マグロを食べる人間に強い憎悪を持つらしい。実はその港町、マグロ漁が盛んらしくてね?」
 つまり、儀式を通じて人々がマグロを食す光景を邪神マグロへと送り、邪神マグロの怒りを増幅させる事で、邪神マグロを復活させると言う計画なのだ。
「儀式を行っている連中の名前は、邪神マグロ様を愛でる会」
 なお、人々が視線を感じるのが背後からなのは、会員の皆さんは、マグロを食べる口元に寄せると、邪神マグロに刺激が強すぎるとか何とか思っての事らしい。
 なにその無駄な気遣い。
「人々が視線を感じる原因の祭具の名は、マグロ様の瞳と言うらしい。街外れの空き地に埋められているのまでは判明したんだけど、空き地の中の正確な場所は不明なんだ。まずは探して発掘して、祭具を破壊して欲しい」
 当然、邪神マグロ様を愛でる会の連中が妨害に来るだろう。
「好都合だよ。マグロ様の瞳は視線の複製のみであって、邪神マグロに人々の様子を送っている儀式場は、どこか別にあるんだ。ついでに聞き出すと良い」
 空を泳ぐ邪神なんだから、どこか高いところだと思うけど、とルシルは続けた。
「儀式場を突き止めても、不完全な邪神マグロは復活してしまう。だけど不完全な邪神なら、決して倒せない相手ではないさ」
 マグロ猟よろしく、とルシルは猟兵達に告げてテレポートの準備にかかった。


泰月
 泰月(たいげつ)です。
 目を通して頂き、ありがとうございます。

 皆さん、チュートリアルはご覧になりました?
 あの時、最初のシナリオを見てみようのところ。
 真壁マスターのシナリオに誘導されるところにですね。
 私の名前で出した覚えのないシナリオもあったんです。
 それを見た時に、思いました。

 あれを現実のものにしてやろう。(無駄な使命感)

 え? チュートリアルとイラストが違う?
 まあ、あれはサンプルですから。
 タイトルも違う? 後ろに何か増えてる?
 そんな事もありますよ、ハハハ。

 というわけで、邪神マグロ様が復活しそうなので止めて来てください。
 今回の敵は邪神マグロのみです。
 と言う事は、探索が2回になります。
 まずは、空き地に埋められた祭具を発掘するお仕事からです。
 邪神マグロを愛でる会の会員達の妨害は、あるんじゃないでしょうか。

 なお、勢いでOP出してますが、1月8日の火曜日はちょっと執筆時間が取れるか判りませんので、9日の水曜からのマスタリングになると思われます。
 そこだけ、ご了承下さい。

 ではでは、よろしければご参加下さい。
160




第1章 冒険 『邪神祭具発掘調査』

POW   :    肉体労働で貢献、力で全て解決

SPD   :    細やかな作業で的確に、罠や妨害を先回り

WIZ   :    神秘なら共鳴するかもダウンジングで探す、邪魔者に説得してみる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イズン・アンシャール
みんなが監視されてるように感じるってことは
素直に空き地に行ったら会員に発見されるかも。
邪神の目はマグロがあるあたりを重点的に見てるんだろうから、【野生の勘】で魚の匂いがする場所は避けて移動しましょう。
邪神の目が夜に見えるか見えないかわからないけど、なるべくなら夜に動いて祭具が埋められてる空き地周辺のトラップを発見したなら解除を試みましょうか。
行動方針:【SPD】で発見されないことを最優先に動きます。



●夜の中で
 上限に近い細い月が昇った暗い街を、駆ける影が1つ。
「魚の匂いも薄い……ここなら、邪神の目も及ばないでしょうね」
 野生のそうと告げる路地に、イズン・アンシャール(大海を游ぐ宵の暗殺者・f01468)が近くの屋根から音もなく降り立った。
 そこから視線を横に向ければ、マグロ様の瞳なるものがどこかに埋まっている筈の空き地が見える。だが、イズンは空き地の中に入らずその周りや続く路地を回り始めた。
 空き地周辺にトラップの類がないか、調べに来たのだ。実際、注意深く見て回ると、赤い光を放つ小さな機械が物陰から発見できた。赤外線センサーの類だろう。
「……私の事を見られてないと良いのですが」
 壊したセンサーを掌中で弄びながら、イズンが漏らした呟きが路地に消えていく。
 マグロの瞳とやらが町の人々の食事光景を写すものなら、空き地の監視に使えるのではないかと考えたのだ。素直に行ったら、会員に気づかれるかもしれない。
 イズンが夜の時間を選んだのも、邪神の目を警戒しての事。
 だが、幸いイズンは何の視線も違和感も感じる事もなかった。
 誰に咎められる事もなく、もう幾つかのセンサーを見つけ、それらを破壊する。
「こんなものでしょう。……こちらも、夜は冷えますね」
 また音もなく屋根に飛び乗り、イズンは去っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルジス・アーリィグロウ
まぁ、シュールとしか言い様の無い邪神様、ではあるな。
今のところは変な視線を感じる程度、とはいえ最終的にどんな被害をもたらすかわかったもんじゃない。
…変なリスクを背負う前に対処できるならやっておくとしようか。

行動はPOW準拠、肉体労働。
町外れの空き地までは確定しているので、その空き地の白地図を作成しヘルムのメモリーに記録、発掘作業をしながら地図の発掘済みの個所を埋めていくという工程で発掘作業を続けるとしようか。
(【情報収集】【失せ物探し】あたりが対応技能でしょうか)

妨害があったら…迎撃して返り討ちにできたのなら妨害者を確保、祭具の在処を直接尋問してみる。


五箇・鈴丸
うわ。うちのマグロさんのお父さんがいるにゃ!?(UC:マグロさん召喚参照)マグロさん邪神だったのにゃ!?
そんにゃわけにゃい!オレのマグロさんは悪くないもん!その悪いマグロさんはきっと別のマグロさんだにゃ。オレのマグロさんに濡れ衣を着せる輩は許さにゃい!!

空き地とかって路地裏から繋がってるイメージにゃ!ならば路地裏や裏通りでダウンジングにゃ。うちの召喚獣が浮遊するマグロさんであるってことの神秘的な繋がりから、親分のお目目までの道を明かしてくれにゃ!

そうにゃ。たしかカジキもマグロの仲間…。オレの得物・菊池カジキを地面に突き刺して、倒れた方にお目目は有るはずにゃ!!


雨霧・結
邪神マグロ…うーんマグロだし、美味しいの?
空飛ぶマグロ、魚好きには堪らない光景なんだろうけど…
マグロの御刺身食べたい

空き地に埋めたなら、掘って埋めた跡があるはずよね
土の色が周囲と違ってたり、草木の生育が異なってる場所があるはず
【地形の利用】の観点から考えて、自分ならどこに埋めるだろうか
怪しい所に目途を付けて掘ってみる。最後は【野生の勘】頼りかしら

邪神マグロ様を愛でる会の人が妨害に来たら、仲間を装い
マグロ様の瞳の調子が悪いと連絡が入ったから確認しに来たけど
埋めた場所忘れて困ってるてへぺろ、して場所聞いてみよ
儀式場にいる仲間にも伝えてーと言い
行先、視線の先を確認、儀式場の大まかな方向把握を試みる


サザレ・ヘリオドール
空き地で調査してたら、悪い人達が邪魔しに来そうですね
でも……それって利用できるかも

仲間と派手に空き地を掘り返したりして、あえて目立ってみましょう
うまく会員の方が釣れたら、クリスタライズで仲間を抱きしめて一緒に隠れて

闖入者が居なくなって油断した会員さんが、
「まだ空地の○○のあたりは無事だな?」
「□□の近くには大事な祭具を埋めてるんだ」
「誰かに見つからないようにするんだぞ」

とか、いろいろ独り言や会員同士でお話ししてくれたら最高です
会員さんが帰ったら、とっとと穴掘って祭具を見つけて、ぶっ壊しちゃいましょう

ふふふ……空いた穴見て驚いた会員さんが
「大変だ!」
「▲▲の祭議場に伝えないと!」

とか言わないかな


久礼・紫草
※絡み歓迎

教団員を話し好き爺【コミュ力・時間稼ぎ】の長話に巻き込み発掘から目を逸らす

まずは容易く騙せる老人信者候補と思わせ儀式場の場所を聞き出す
「マグロと言いなさったか?
美しい銀色の腹がよいな!
しかし乍らこの町の者はごんたくれじゃい
港の陸揚げのなんと惨い
人間は肉で生きられる
あのように美しきマグロを殺めんでよい」

聞けたら
心の【傷口をえぐる】ように猫自慢=マグロの残酷描写をし続ける

「ところで
儂の飼っとるミィちゃんはマグロが好きでのう
猫も可愛いとゆうても獣じゃ
こう胴体に牙をたててなぁ、悪鬼が如く身を剥がす!
それがまた美味そうでのう」

逃げようとしたら【忍び足】でひたり
撒いたと思ったらそれは【残像】じゃ



●穴掘りのお時間
 そして、翌朝――。
「邪神マグロね……空飛ぶマグロ、魚好きには堪らない光景なんだろうけど……うーんマグロだし、美味しいのかしら?」
 マグロの御刺身食べたい――全部終わったら食べて帰ろう、なんて思いながら雨霧・結(桜狼・f06365)が悠々と空き地に足を踏み入れる。
「さあな? シュールとしか言い様の無い邪神様、ではあるが」
 アルジス・アーリィグロウ(サイボーグのブラスターガンナー・f02476)が空き地を見回しながら、後に続いて空き地に入ってきた。
「オレのマグロさんは邪神じゃにゃい! オレのマグロさんは悪くにゃい! オレのマグロさんに濡れ衣を着せる輩は許さにゃい!!」
 三度笠の下で青い瞳に決意を燃やし、五箇・鈴丸(ケットシーのおさかな使い・f03531)の手がダウジング棒を握り締める。
 グリモアベースで邪神の映像を見た時に、うっかり『うちのマグロさんのお父さんがいるにゃ!?』とか思ってしまったようで、この調子である。
 そして、其々思い思いの方法で祭具発掘が始まった。
「まぁ、変なリスクを背負う前に、できる事をやっておくとしようか」
 アルジスはまず、視線をあちこちに向けながら空き地をぐるりと一周した。空き地の地形データを位置情報収集に特化したヘルムデバイスに記録し、簡易的な白地図とする。
 その地図に発掘済みの場所を記録していけば、二度手間になる事もない。
 後は肉体労働だけれど。
「どうせなら、派手に掘り返してみるとしましょう」
 メイスをスコップに持ち替え、サザレ・ヘリオドール(ヘリオドールの巫女・f06264)がそこに加わった。
 サザレはあえて目立つよう、掘った土を高く高く持っていく。
「ここに埋めたなら、掘って埋めた跡がある筈よね」
 一方、結は埋めた場所を探そうとしていた。
 土の色が変わっていたり、草木の様子が周囲と異なる場所がないか。地形利用の技術的観点で見るなら、自分なら何処に埋めるか――歩き回って思考を巡らせる。
「たまには土弄りも悪くないもんじゃの。童心に帰るほど若くもないが」
 結が怪しいと目星をつけた場所に、久礼・紫草(死草・f02788)が鍬を振り下ろす。
 そして、鈴丸だが。
「カジキもマグロの仲間にゃ。菊池カジキが倒れた方にお目目は有るはずにゃ!!」
 竹についたカジキマグロの頭を地面に刺していた。
「オレの召喚獣が浮遊するマグロさんにゃ! この神秘的な繋がりから、親分のお目目の場所を明かしてくれにゃ!」
 それで明らかになると、マグロさんの濡れ衣を晴らすのが遠のくのでは。
 だが――鈴丸が突き立てた菊池カジキは倒れなかった。
 ピンと竹が天を衝いている。
「どう言う事にゃ!? 菊池カジキ、何故倒れにゃい!」
「何かが地中にあるんじゃないかしら? ほんの少し、土の色が違うみたいよ」
 項垂れる鈴丸の横から覗き込んだ結が、地面の様子に気づく。
 これは掘ってみるしかあるまい。
「でも、それはちょっと後になりそうですよ。釣れちゃったみたい」
 サザレが視線で空き地の外を示す。
 ツナギ姿の青年が2人、真っ直ぐにこちらに向かって来ていた。
 段取り通りに、サザレはアルジスを抱いてクリスタライズを発動。2人の姿が透明になり、体の小さな鈴丸は掘り返した土の陰に急いで隠れる。そして――。
「こんなにあちこち掘り返して……一体何が」
「お前達がやったのか?」
「違いますよ」
 空き地に入るなり疑いの視線を向けてきた青年達に、結は少し近づき小声で続けた。
「マグロ様の瞳の調子が悪いから、見て来いって言われたんですけど……着いたらもうこうなってました。あと、埋めた場所聞くの忘れてて」
 てへ、と舌を出して誤魔化すように結が笑う。
「なんだ新入りか」
 結の言い分を信じたと言うことは、彼らがマグロを愛でる会で間違いない。ツナギの背中にでっかく『マグロ愛』と入っているし。
「で、爺さんは?」
「儂はただの旅行者じゃい。通りがかったらこの有様よ」
 青年達の視線を、紫草がさらりと受け流す。
「……まさかカジキ派の仕業なのか?」
 何か聞き捨てならない単語が聞こえた気もするが、紫草はそれを聞き流して青年達に話しかけた。
「お主ら、背にマグロと書く程にマグロが好きなんじゃな?」
「へえ。爺さんもかい?」
「うむ。美しい銀色の腹がよいな!」
「話が判る爺さんじゃないか!」
 青年の片方が食いついた。
「しかし乍らこの町の者はごんたくれじゃい。港の陸揚げのなんと惨い」
「この町の伝統だとか言って、止めねえんだ」
「人間は肉で生きられる。あのように美しきマグロは、殺めんでよいの」
「おい、そんな話をしてる場合か」
 紫草とマグロトークで盛り上がる青年を、もう1人が誰もいないと思った方へ引っ張っていく。

 ――祭具はどうだ。
 ――まだ掘られてないみたいだが、やばいぞ。足跡が沢山ある。
 ――カジキ派がそんなに!?
 ――ああ、急いで廃灯台に行くぞ。マグロ様の背びれを守らねば。

(「廃灯台ですか! ふふふ……聞かせて貰いましたよ」)
 内緒話のつもりのそれは、透明になったままのサザレがバッチリ聞いていた。廃灯台の一言に、廃墟マニアの血が騒ぐ。
(「尋問するまでもなかったな」)
 アルジスはでかかった溜息を飲み込む。
 さて、次に目指すべき場所は判った。後は彼らに退場してもらうのみ。
 サザレが透明化を維持したまま、アルジスが小石を放り投げる。
「何だ!?」
「誰かいるのか!」
 カタンッと鳴った物音に、青年達が色めき立った。
「他に誰もおりゃせんわい。猫か何かじゃろ。おお、猫と言えば、儂の飼っとる猫のミィちゃんはマグロが好きでのう」
 その音を合図に、紫草が再び口を開く。
「猫も可愛いとゆうても獣じゃ。マグロの胴体に爪を立てて押さえこみ、こう牙を立ててなぁ、悪鬼が如く赤い身を剥がす!」
 ごくりと青年達の喉が鳴る。
「それがまた美味そうでのう」
「そ、そうか。判ったぞ。これはカジキ派じゃない。猫派の新勢力だ!!」
 紫草の話を聞いて、青年の片方がそんな事を言い出した。
「見ろ、あのカジキ。あれはただの模倣品じゃない。竹は背骨に見立ててるんだ。つまりカジキを食ってやったと言う、犯行声明!」
(「にゃっ!? オレの菊池カジキにまで濡れ衣にゃー!」)
 鈴丸、飛び出したくなるのをぐっと我慢。
「それをマグロ様の目があったところに立てたと言う事は……」
「ああ、次はマグロ様の番だと言うことだ!」
 どうしてこうなった。
「た、大変じゃないですか! 儀式場にいる仲間にも伝えて下さい!」
 ツッコみたくなるのを我慢して、結が促すと、彼らは頷き空き地を出て行った。そのまま港の方へ走り去って行った。
「尾ける必要はなさそうじゃの」
 港へ走り去る背中を見送り、顎鬚の奥で紫草が苦笑を浮かべる。
「さあ。とっとと掘って祭具ぶっ壊しちゃいましょう」
 ずっと維持していた透明化を解除し、サザレとアルジスが姿を現した。
「疲れただろう。私がやる」
 クリスタライズは秒単位で疲労が溜まる。サザレは休ませ、アルジスが菊池カジキの刺さった周りを掘り進めていった。
 程なくして、発掘されたのは小さな木箱。
 中には、干からびた目玉のような物があった。
 成程、あまり良くない感じがひしひし伝わってくる。
「こうしてやるにゃー!」
 それは、鈴丸の手によって粉々に打ち砕かれたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『遥か高き導』

POW   :    壁を壊したり板を渡し道を作り上げる。敵をなぎ倒し進む。

SPD   :    障害物をよじ登ったり潜り抜ける。ダクトなどを使い秘密裏に潜入する。

WIZ   :    道具やシステムなど使い道を開く。事前に構造や警備を調べ最適なルートを選択する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●儀式場
 廃灯台――そうと判れば、探すのは難しくなかった。
 港町であれば、灯台があるのは珍しくないとは言え、住居の様にぽんぽんと立っているものでもない。まして、廃墟となれば、自ずと限られる。
 現在稼動している灯台を除けば、後は1つしかなかった。
 だが、その場所が問題だった。
 港の程近く。長く聳える宛ら塔の様な巨岩の上に、何故か灯台が乗っているのだ。
 下からでも、灯台の最上階に僅かな灯りが見える。
 儀式が行われているのは、そこで間違いないだろう。
 何とかして、あの頂きへ辿り着かねばならないようだ。

 聞けば、元々は岬の突端だったのだが、何十年も前にあった地震で起きた地崩れでこんな形になったと伝えられているらしい。
 巨岩の根元までは歩いていける。猟兵ならば、登ることも可能だろう。
 元々岬だったところも、途中までは残っている。飛び移れるかもしれない。
 或いは――他の手段があるかもしれない。マグロを愛でる会の連中が、あの崖を登れるとも思えないからだ。
 さて、どうしたものだろうか。
サザレ・ヘリオドール
これは……まるで、要塞どころの騒ぎではないですね
でも、あの会員さん達が出入りできるのを考えると、空からの出入りはないでしょう

ならば、船等で海から入れるか
もしくは、地上のどこかに隠し出入り口があるか

私は近くの船着き場に行って、背中に「マグロ愛」と書いたツナギの人達が出入りしてないか、普通の利用者さんに聞き込んでみて、怪しい連中やマグロ愛のツナギが来たらクリスタライズで隠れて

船に乗り込むようなら、私もこっそり乗り込みます
他にも同じ狙いの仲間が居るなら、ひとりなら抱きしめてクリスタライズで姿を消しますね

このままアジトに案内して貰えたら最高ですが
道中の会話に聞き耳をたて、情報収集もしっかりとしましょう


アルジス・アーリィグロウ
隠密行動を考えず自分一人が侵入する、のなら特に難しく考える必要は無いんだけどねぇ。
ワイヤーアンカーを引っ掛けてアームドフォートで跳んでいけばいいのだが、一人で乘りこんだところで大して意味が無いというのがなんとも。

POW準拠で行動
ではあるが廃墟である以上外壁を破壊して侵入、というのは避けたいところ。
周囲のGPS情報等から正規と思われる入り口を見当つけて、真正面から乗り込んでやろうかね。
別口侵入組と口裏を合わせて、囮役として暴れてやろう。
弱装弾をばら撒いて、負傷者ごと後方へ撤退させる戦術で。
(【範囲攻撃】【戦闘知識】あたりが対応技能でしょうか)

「ま、特攻かましてくる狂信者なんていないことを祈るか」


雨霧・結
マグロ派に猫派とカジキ派………えええ…???
なら私は猫派で!狼?いえ、猫です、もふもふにゃんこ!

先程の方に新人と思われてるなら、新人を装ってみますか
【コミュ力】を駆使し、灯台への行き方を忘れ、慌てる新人を装ってみる
「大変よ!猫派…っ!猫派がマグロ様の瞳に……っ!緊急なの!入り方忘れちゃった、入れて!」
とか言い、【追跡】技能から信者の通ったであろう怪しい所に目途をつけ、ぺしぺし叩いてみる
一応、二の腕にでっかく油性黒ペンで「マグロ愛」って書いておき
いざと言う時の証明用に……
…なるのか分かんないけど一応、疑われたら見せましょうか

他の方法で侵入する方の邪魔にならぬ様演技する時は皆に伝達を

アドリブ超歓迎


五箇・鈴丸
【POW】
にゃ!1章はエライ目にあったにゃ…。カジキ派で猫派ってどういうことにゃ。じゃあオレは猫派にゃ!

それはともかく儀式を止めに行かにゃいと…!
灯台は足場の少ないとこにあるとかにゃんらちゃら。きっと裏口とか通路とか探せばあるんだろうけど、オレは猪武者だから、真っ直ぐ突撃にゃ!

崩れた岬からクジラさんを呼ぶにゃ。クジラさん!力を貸してほしいにゃ!
どーーんと一撃、灯台と岬の先の間にクジラさんを召喚。オレはそのクジラさんの上を通って、灯台のまで行こうと思うのにゃ。クジラさん大きいから、それなりの高さまでいけるかにゃ?

もし敵がクジラさんに乗って邪魔してきたら、菊地カジキの錆びにしてやるにゃー!!



 海の上を、一隻の小舟が沖へと進んでいる。
「猫派……だと?」
「そうなんです。猫派っ! 猫派がマグロ様の瞳を……私じゃ止められなくてっ!」
 その上で、マグロを愛でる会の新人の振りをした雨霧・結が、先の空き地で会った2人とは別の会員にでっち上げた話をしていた。
 あの2人に追いつけば話が早かったのだろうが、探してみたら別の会員とばったり遭遇してしまったのだ。
 幸い、二の腕に書いておいた『マグロ愛』の4文字の効果が抜群で、すぐに新入りと信じて貰えてこうして船で運ばれているのだ。
 そしてもう1人。
「おい、急いだ方がいいんじゃないか」
「今日の舟はやけに重い気がするな……こりゃハズレだぞ?」
「いつもと同じのを借りたつもりだぞ」
 櫂で舟を漕いでいる方の青年が、急かされて愚痴をこぼす。彼らはこの舟に乗っているのは、3人だと思っていたのだ。
(「あんな要塞どころの騒ぎではない場所に、飛べるでもないあの会員さん達が出入りできるのなら、海からと思った通りですね」)
 船の舳先の方に、クリスタライズ発動中の透明なサザレ・ヘリオドールが乗っているとは知らずに。
 ――来てない、ですか?
 ――んだ。そんな変な格好の連中は、見たことねぇなぁ。
 『マグロ愛』と背中に入れた人を見た事ないか、と聞き込みをしたサザレが、何度そんなやり取りをしただろうか。勝手に小舟を拝借していたとは。
(「目撃証言がなかったわけですよ」)
 なんてサザリが胸中で呟いていると、海風が吹き抜けた。
(「……結構寒いですね」)
 くしゃみでもしたら色々台無しなので、サザレは結構頑張っていた。
 そして――程なくして、舟は灯台の乗った巨岩の根元に辿り着く。
『マグロ』
『ツナ』
 それが合言葉だったのだろう。偽装された扉がゆっくりと開く。
 中は2,3人は並べる空洞になっていて、上まで真っ直ぐハシゴが伸びていた。

 一方その頃。
「全く、エライ目にあったにゃ……。カジキ派で猫派ってどういうことにゃ」
 かつて灯台まで続いていた岬だった場所の突端に、憤懣やる方ない様子の五箇・鈴丸の姿があった。
 かつて地震で崩れたと言う事からか、単純な転落防止か。
 張られた柵から乗り出して、アルジス・アーリィグロウが下を見下ろす。
(「やはり、登ろうと思えば登れたな」)
 ヘルムデバイスで取れた地形データを確認して、アルジスはそう結論付けた。1人だけ上手く行けば良いのなら、難しく考える必要はなかっただろうと。
 だが、それでは恐らくあまり意味が無い。
「あれが本来の正面の入り口だろうな」
 顔を上げたアルジスが、灯台を眺めて呟く。正面に、灯台の扉が見えていた。
「裏口とか通路とかも、探せばあるんだろうにゃ」
 柵から乗り出し見下ろしていた鈴丸も、柵から飛び降り真っ直ぐ灯台を見据えた。
 あそこまでの足場を作れれば、扉を開けるのはどうにでもなる。
「オレは猪武者だから、真っ直ぐ突撃にゃ!」
 不敵な笑みを浮かべて、鈴丸はそれを喚ぶ準備にかかった。

「なに? マグロ様の瞳が破壊されただと!?」
「そうなんですよ!」
 その頃、灯台の中ではハシゴを登りきった結が、マグロを愛でる会の幹部らしき男と話していた。
 サザレも透明化を維持したまま、時折、結の手足に触れて位置を伝えながら内部の潜入に成功している。
「お前は何をしていた! いや、そもそも誰だ!」
「新入りですよう」
 訝しげな幹部に結は袖を捲って、二の腕に書いておいた『マグロ愛』を見せる。
「そうかそうか。連絡がなかったからな。疑ってすまなかったな!」
 幹部もちょろいなー。
「こうなったら儀式を早める。皆、屋上のマグロ様の背びれの元に――」
 幹部が言いかけたその時、ズガーンッ!
 何か巨大なものがぶつかったような物音が響き、灯台全体が揺れた。
「じ、地震か?」
「いや、外を見ろ!」
 マグロを愛でる会の会員達が、窓に集まる。
 そこには――巨大なクジラがいた。鈴丸が召喚したクジラさんだ。
「クジラさん! 背中を貸してもらうにゃ!」
「随分と豪快な橋だ」
 その上を橋代わりにして、鈴丸とアルジスが走って渡る。そして扉に辿り着くと、勢い良く蹴破って中に飛び込んだ。
「オレが猫派にゃ!」
「……まあ、自分も猫派でいいか」
 開き直った鈴丸にアルジスも合わせる。この場で囮役として暴れるには、その方が都合の良さそうだと判断して。
「な、何で扉の鍵が開いて――」
「誰だ閉めておかなかったの!」
 透明になったままのサザリがこっそり開けてました。
「相手は2人だ。やっちま――」
 気勢を上げかけた会員が、ガクリと崩れ落ちる。
「ゴメンね、私も猫派でした。スパイみたいなものです」
 会員を手刀で黙らせた結が、再びてへっと笑う。
「くそ! こうなったら、不完全でもマグロ様を召喚する! 時間を稼げ!」
「特攻かましてくる狂信者なんていないことを祈ってたんだがな」
 幹部の指示で半ばやけになって突っ込んで来る会員達に、アルジスが銃口を向ける。向けられた鈍色に怯んだ彼らの手足に、火薬を減らした弱装弾を浴びせて、無力化していく。
「あのクジラはまさか猫派の邪神様――」
「クジラさんにまで濡れ衣きせんにゃー!」
 何か口走った会員を、鈴丸が菊池カジキの柄の方で黙らせた。
 こうして、灯台内部が騒ぎになっている頃。
 外に、蝙蝠が飛んでいた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

レティシア・ステラガーデン
姉のフィーナ・ステラガーデン(f03500)と共に行動する
【wiz】
マグロ漁に乗り遅れてしまいました…残念です。せっかくお姉さまとマグロをたくさん食べられると思ってましたのに。
灯台に行けばお姉さまとマグロ食べ放題でしょうか。
姉フィーナの偵察を受けてUC『お越しください、御使い様』使用。召喚した狼(あだ名はモチコ)に二人で乗って現地まで行き、調査。
ご安心ください、お姉さま!障害物はモチコ様に飛んで避けてもらいますね。避けられなければ技能「怪力」で障害物破壊で対処したいです


フィーナ・ステラガーデン
妹のレティシア・ステラガーデン(f00520)と共に行動する

【wiz】
またすごい所に灯台があるわね!私あまり肉体労働はやりたくないのよね。
マグロを愛でる会だったかしら?
そのふざけた名前の奴らがあの灯台にいけるなら
何か他に方法があるみたいね!
技能「視力」「暗視」とUC「偵察用蝙蝠」を使って空から偵察をしてみるわ!
もしも何か怪しいもの、気になるものがあれば妹のレティに伝えて
レティの召還する狼に二人乗りでその現地までいって調べてみようかしら!一応私はレティの後ろで周囲に気を張って攻撃があるようなら
「オーラ防御」を展開するわね!
他に何か見つければレティに伝えて狼を止めてもらうわ!



「またすごい所に灯台があるわね!」
 召喚した蝙蝠と共有した視界でそれの立地を確かめ、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)が感心した様な声を上げていた。
「お姉さま、登られます?」
「肉体労働は、あまりやりたくないのよね」
 妹のレティシア・ステラガーデン(ダンピールの聖者・f00520)の言葉に、フィーナは肩をすくめて返す。
「でも、最上階を目指すしかないかな。例の祭具らしいの、見えたから」
 フィーナの赤い瞳には、蝙蝠の目が映した『マグロの背びれ』が見えていた。
 そこは、灯台が生きていた頃は光を放っていた場所だ。一番怪しいものの存在を掴んでしまっては、行ってみるしかない。
「まあ。では、マグロ漁にはまだ間に合うでしょうか」
「そうね。レティ、頼める?」
「勿論です。お任せください、お姉さま!」
 乗り遅れたと思っていたマグロ漁がこれからと言う事実と、大好きなお姉さまからの頼みに、レティシアは笑顔で頷き、両手の白い指を組んだ。
「――御使い様、今一時の顕現にて、どうかその偉大なるお力をお貸しください」
 レティシアの傍らに、3m超の大きな白銀の狼が現れる。
「まいりましょう、お姉さま。モチコ様、マグロ食べ放題の為にお願いしますね」
 モチコと呼称された狼は、2人を乗せると召喚者の指示に従い猛然と駆け出した。一気に元は岬を駆け上がり、クジラさんの痕が残る地点へ近づいていく。
「マグロを愛でる会の事は気にしなくて大丈夫よ!」
「はい、お姉さま! モチコ様、飛んでください!」
 フィーナには、灯台の中が先行した猟兵達で制圧されているのも見えていた。姉の言葉を信じたレティシアの言葉で、狼の獣の足は柵の残骸を足場に、飛んだ。
 それでも――それでも少し、灯台の最上階には届かない。
「お姉さま!」
「ちょっと行ってくるわ」
 だから、フィーナはレティシアの前に出て、狼の上から跳躍した。窓だった穴から飛び込み、蝙蝠の目の前にあるものに手を伸ばす。
 フィーナが外に目をやると、灯台の中腹辺りを蹴って戻ったのだろう。白銀の狼に乗ったレティシアが、岬だった場所で手を振っている。
 手を振り返すと、フィーナは祭具を杖で叩き壊した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『邪神マグロ』

POW   :    大地を穿てマグロ
単純で重い【突進 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    回遊魚の本気
【マグロ本気で泳ぎますモード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    突撃する同胞達
レベル×5体の、小型の戦闘用【空を泳ぐマグロ 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●降臨、邪神マグロ!
「くそぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 マグロを愛でる会幹部の両拳が、ダンッと床を叩く。
 マグロ様の背びれまでも破壊されたと知ったのだ。
「だが……だが……これで終わりだと思うなよ!」
 わなわなと拳を震わせ(痛かっただけかもしれないが)、男は両手を振り上げる。
 そして力の限り叫んだ。
「マグロ様! お出で下さいマグロ様! そしてどうか、マグロ様の恨みを晴らす機会を邪魔する愚か者どもに天! 罰! を!」

 そして――雲に穴が開いた。

 真っ直ぐに降って来る。邪神マグロが降って来る。離れていても判るほどの、激しい憎悪を纏って降って来る。
 そのギョロっとした瞳が狙っているのは――灯台。
「マ、マグロ様……?」
 宛らミサイルの如き一撃が、灯台の根元の巨岩を粉々に砕いて――傾いた灯台が半ばからポッキリと折れた。
 その程度で倒れる猟兵達ではない。
 灯台の残骸の上に、或いは残った岩の上に、或いは海の中に。
 見上げる猟兵達を、邪神マグロは空中から睥睨する。
 邪神との戦いが、始まろうとしていた。
サザレ・ヘリオドール
すごく……おおきいです
マグロ食べ放題ですね!

でも、化け物ですから食べられないですよね……残念
(浅い岩場からずぶ濡れで)

全身が太陽のように輝く真の姿で、後方からヘリオドールの祝福で仲間を癒しますね
敵の動きが急に速くなったら、下手に動かずに敵の動きを見定めて

あんなに動き回ってたら、すぐに息切れするかも
そこで動きが止まったら……一気に畳み掛けるチャンスです!

子マグロが迫ってくるなら、メイスでぶん殴ってマグロのたたき(物理)完成
大マグロが迫ってくるなら、左右に回避しつつメイスでぶん殴って気絶攻撃狙い

光るからって、私は集魚灯じゃありませんよ!?
それにしても……服が濡れて気持ち悪いです

これもマグロのせいだ


三嶋・友
…私、結構マグロには思い入れがあってさ
ネット上で一時期自分用アイコンとして冷凍マグロのアップ顔を使ってたから
まぁ好きなゲームに出てたから、なんだけど
自分の発言が何もかも、全て冷凍マグロだったんだよ!
だからもう、何か他人とは思えない親近感があるっていうか
その虚ろな目の中にすら色んな感情を見いだせるよね

だからこそ強く感じるその恨み…全て受け止めてあげるよ!

突進は見切りで避け
小型マグロは連続攻撃で破壊していく

マグロの動きが鈍ってきたら、渾身の炎爆波を放つよ!
こんがり焼けちゃえー!タツタサンドにしてあげる!
え?焼いたら竜田揚げじゃない?細かい事は気にしない!

…ああ、ちなみにごめんね
私も一番は猫派なんだ


フィーナ・ステラガーデン
再度妹のレティと行動する
アレンジ歓迎

・行動の流れ
1、妹と合流を最優先で行う。技能「ダッシュ、視力」使用
2、合流後モチコに二人乗り
3、モチコ操縦は妹に任せ、モチコに乗りつつUC「喰らう灼熱の黒炎」を
技能「属性攻撃」を乗せて使用
4、ucによって出現した炎で避けきれない小さいマグロに狙われれば
そのうちの一つをぶつけて迎撃、邪神マグロが地面に突き刺さったり
他猟兵の攻撃などによって大きな隙が出来れば
そのタイミングで炎を全て合体させマグロにぶつける

マグロが本気だした場合は減速する

・心情
でたらめね!空飛んでるって言ってもマグロはマグロでしょ
この世界には寿司ってものがあるそうね!
ああ!お腹がすいてきたわ!


レティシア・ステラガーデン
再度姉のフィーナと行動する。アレンジ歓迎。

「まあ!なんておおきなマグロ…!お姉さま、今日のおやつはマグロにしましょう!そうとなれば早速マグロ漁です!」

姉との合流を最優先で行う。
合流後モチコに二人乗り。技能『騎乗』でモチコを操縦し、攻撃を避ける。避けきれない場合は技能『オーラ防御』で対処
もしもマグロが本気を出した場合は警戒してモチコ減速させます


久礼・紫草
※絡みアドリブ歓迎

あの巨体…さぞかし食いでがありそうじゃ
陸揚げ直後に捌かれた刺身は臭みも無くこの上ない御馳走
港守護の為邪神成敗が必定

信者が巻き込まれぬよう庇いつつ他の猟兵の助力寄り

灯台を踏み台に斬り掛かる
届かぬ仲間の踏み台上等
「さぁさぁ征って参れ!」
見事に血花咲かせたならば笑みすら浮かぶ

出てきた同胞は精密さ鋭さを犠牲にした大振りで数を巻き込み素早い殲滅狙う
当たれば消えるとは泡より儚いのう

【回遊魚の本気】状態になったら
残像を駆使しての幻惑
到達点に目星をつけて忍び足で目の前に不意に現れる
で脅威の移動力を持つかの如く見せかけて攻撃を惹きつける
それは全て時間稼ぎ
儂相手に暴れとる間に解体されるがよいわ!


アルジス・アーリィグロウ
ご本尊様の登場か。
単純明快、デカさだけで十分な脅威だな。
紛いなりにも信仰を集める存在であるのは伊達じゃねぇ、ということか。
…だからといって尻尾を巻いて逃げるわけにもいかないのが猟兵家業の辛い所だな。

POW準拠で行動
遠間からチマチマと射撃を当てても埒があかん、取りついての零距離一点集中砲火、もしくは格闘戦を狙う。
突進を回避したところにワイヤーアンカーを引っ掛け、そのまま手繰り寄せて取り付きにいく。
(【ロープワーク】【クライミング】【空中戦】あたりが対応技能でしょうか)

取り付いての全武装零距離一斉射撃狙いではあるが、
「こちとら猫派」
とヴァリアブル・ウェポンの展開型クローで掻っ捌いてやるのも一興。


五箇・鈴丸
にゃ、遂に、遂にこの時がやって来たにゃ!
もうカジキ派とか猫派とかそんなことどーでもいい、マグロさんよ、聖戦だにゃ。あのよこしまな親父の闇を祓い、うちのマグロさん(UC)が、おのれが真のマグロ様ににゃ(成)り代わるのにゃ!!

オレはマグロさん(UC)の背びれに乗せてもらい、邪神マグロさんとスピード勝負のぶつかり合いに挑むにゃ。超速どうしの戦いにゃ、きっと圧にやられてオレは槍を前に突き出すことすらできにゃいと思うのにゃ。でもマグロさんとオレは一心同体にゃ、絶対離すもんかにゃ!邪神マグロさんがどんなに強大でも、オレたちは必ず乗り越えるにゃ。

UCはユーベルコードならぬ、ユニコーンマグロさん、出陣にゃ!


雨霧・結
初撃のマグロ様の一撃の際、手近にいる信者を【手をつなぐ】で助けられるならば救出
敵を助けるの変?でもこれが私の戦い方。信じてた神様に殺されるなんてあんまりよ
ちょっと信じやすさが仇だけど、悪い人じゃないと信じたい…どうか生きて

さぁ、でっかいマグロ漁!
暗くても【暗視】で良く見えるから【コミュ力】で周りに危険を知らせ連携を
まんま見た目がマグロだし、体の仕組みもマグロかしら…
マグロは尾ひれを左右に振動させることによってのみ推進力を得られる魚…尾ひれを壊せば、動きが鈍るかも
【薄紅六花】を使用、なぎなたから斬撃派を飛ばし、尾ひれの破壊、凍結を試みる
あ、「マグロ愛」…水性ペンで書いとけばよかった

アレンジ超歓迎



 ――う、うわぁぁぁ――!
 灯台の中にいた邪神マグロを愛でる会の人々が海へ落ちていく。
「ご本尊様の登場か。単純明快、デカさだけで十分な脅威だな」
 傾き、崩れる灯台の中から飛び出しながら、アルジス・アーリィグロウが離れていく邪神マグロを見据える。
(「遠間からチマチマと射撃を当てても埒があかん」)
 アルジスは向けかけた銃口を、しまい直した。今ここで、灯台の方に注意を向けない方が良いと判断して。
「な、なんで……」
 雨霧・結は聞こえる声を頼りに咄嗟に伸ばした両手で、マグロを愛でる会の2人の手を掴んでいた。
「信じてた神様に殺されるなんてあんまりよ……どうか生きて」
 瓦礫に背中を打たれた痛みに耐えながら、結は目を丸くする彼らにそう告げた。
 ――グロォォォォォォォ!
 そこに、上空で咆哮が上がる。邪神マグロのものだ。
 邪神マグロの周囲には、100を越える小型のマグロ――それでも普通のマグロくらいなのだが――が現れていた。
『グロォ!』
 邪神マグロの一声で、小型マグロが動き出す。
「くっ――」
 その幾らかは灯台の方に向かってくるのを横目で見て、結は両手に力を込めた。
 2人を急いで引っ張りあげても、このままでは対処が間に合わない。
 敵を助けるのは変だろうか?
(「でもそれが、私の戦い方」)
 胸中で呟く結の頭上――崩落した灯台の上に、音もなく降り立つ影ひとつ。
 長年使い続けた無銘の野太刀を腰溜めに構える久礼・紫草の左眼が、迫り来る小型マグロの群れを見据える。
「噴ッ」
 紫草は踏み込み、刃を薙ぎ払った。
 精密さ鋭さを犠牲にした、単純な大振りの一閃。剣風を起こすそれで、小型マグロの群れの一部があっさりと斬り散らされた。
「ほれ、今のうちじゃ」
 残る小型マグロに備えながら、紫草は背中で告げる。
 その時、海の中から太陽の如き眩い輝きが上がった。
「等しく降り注ぐ太陽よ。闇に抗う者達に……再び立ち上がる力と勇気を与え給え」
 祈りの言葉を紡ぐサザレ・ヘリオドールの姿は、ずぶ濡れになった全身が太陽の様に輝いている。
 これが、サザレの真の姿。
 その祈りは、崩落に巻き込まれた猟兵達と、一部の会員の傷も癒していた。
 だが――。
「え、ちょ。光るからって私は集魚灯じゃありませんよ!?」
 その光に誘われるように、小型マグロが一斉にサザレに向かっていった。
 メイスでマグロのたたき(物理)を作ろうにも、数が多すぎる。
「わぉ。マグロだらけだ」
 そこに駆け寄った三嶋・友(孤蝶ノ騎士・f00546)が、呪刀を振るう。光り輝く刀身から放たれた無数の蝶が、小型マグロを斬り散らした。
 フィーナ・ステラガーデンが灯台を駆け上がって行く。その先にいるのは、小型マグロをオーラの盾で防いでいるレティシア・ステラガーデン。
「レティ!」
「お姉さま!」
 フィーナが放った黒炎が小型マグロを一掃し、伸ばしたフィーナの手をレティシアが掴んで白銀の狼の上へと引っ張りあげた。
『グロォォ!』
 姉妹の合流に一瞬遅れて、邪神マグロの突進が灯台に突き刺さる。
 灯台の中と上から、結と紫草が飛び降りる。会員達の避難も終わり、この場に残るのは猟兵達と邪神マグロのみとなっていた。
「なんておおきなマグロでしょう……!」
「でたらめね!」
 完全に崩壊した灯台と、その破壊をもたらした邪神マグロを見やり、レティシアとフィーナが声を上げる。
「すごく……おおきいです。マグロ食べ放題ですね!」
「あの巨体……さぞかし食いでがありそうじゃ」
「化け物ですから食べられないですよね……残念」
「陸揚げ直後に捌かれた刺身は臭みも無く、この上ない御馳走なのだがのぅ。旨い酒もあれば言う事なしじゃ」
 巨体を見上げ、サザレと紫草がそんな話を聞こえるようにする。
「刺身もいいけど、この世界には寿司ってものがあるそうね! 空飛んでるって言ってもマグロはマグロでしょ!」
「お姉さま、今日のおやつはマグロにしましょう! そうとなれば早速マグロ漁です!」
 フィーナとレティシアも、どうやって食べようかみたいな話をすれば、邪神マグロの気配が変わったのは、気のせいだろうか。
「……私、結構マグロには思い入れがあってさ」
 そんな邪神マグロを見上げて、友が呟く。
 友は一時期、ネット上で冷凍マグロの顔を自分のアイコンにしていた事があった。
(「あの時は、自分の発言が何もかも、全て冷凍マグロだったんだよね」)
 だからだろうか。他人とは思えない、親近感の様なものすら感じるのは。
「いいよ。かかってきなよ。その恨み……全て受け止めてあげるよ!」
 邪神マグロの虚ろな目の中に、恨み以上のモノを見出し、友が紅く輝く剣を掲げて言い放つ。
 次の瞬間、邪神マグロが再び地上へと突進してきた。
 散開し、それを避ける猟兵達。
「にゃ。いつまでも好き勝手できると思うにゃ!」
 大きく跳んで避けながら、五箇・鈴丸の青瞳が邪神マグロを見据える。
「遂に、遂にこの時がやって来たにゃ!」
 そして、鈴丸の眼前にマグロさんが召喚された。
 そのサイズは鈴丸のおよそ2倍。邪神マグロに比べると、普通のマグロに見える。どちらも浮遊しているなんてことは、些細な事だ。
「もうカジキ派とか猫派とか、そんなことどーでもいい。マグロさんよ、聖戦だにゃ。あのよこしまな親父の闇を祓い、うちのマグロさんが、おのれが真のマグロ様ににゃり代わるのにゃ!!」
 成り代わっちゃったら色々問題な気もするが、そんなことは気にした風もなく、鈴丸は菊池カジキを手にマグロさんに飛び乗る。
「ユニコーンマグロさん、出陣にゃ!」
 そして上空に戻る邪神マグロの横腹に、マグロさんが痛烈に突っ込んだ。
『グロォッ?!』
「そこだっ!」
 邪神マグロの動きが一瞬止まったのを逃さず、アルジスが腰部のアンカーランチャーからワイヤーアンカーを放つ。
 アンカーがかかったのを確認すると、アルジスはワイヤーを引き寄せると同時に自ら跳躍した。自然、重量差でアルジスの体の方が引っ張られる。
 邪神マグロに取り付いたアルジスが、右腕を振り上げた。前腕が変形し、組み込まれた白兵戦闘用大型鉤爪が現れる。
「こちとら猫派」
 そしてそれを一気に振り下ろし、邪神マグロの横腹を掻っ捌いた。
 身を捩ってもがくマグロから、アルジスが飛び降りる。
『グッロォォォォォ!』
 そして、邪神マグロの瞳に炎が灯った。
 背びれや尾びれがピンッと張って、全身に力がみなぎる。
 これが、マグロ本気で泳ぎますモード。
「行くにゃ、マグロさん! スピード勝負にゃ!」
 動き出した鈴丸とマグロさんを、邪神マグロが追いかける。その距離が、ぐんぐんと縮まっていく。
「にゃぁぁぁ!」
 追いつかれる直前、鈴丸はマグロさんを反転させた。マグロとマグロが激突し、両者が弾かれる。
 弾かれた邪神マグロの瞳は、地上を映していた。
 その中で、紫草の姿がふっと消えた。
 次の瞬間、隣の岩場に現れる。
 それは邪神マグロの目には、速く動いたと映っていた。
『グロォッ!!』
「応、来い来い。儂相手に暴れとる間に解体されるがよいわ!」
 残像を駆使した幻惑の動きで、紫草は一時、邪神マグロの目を己に向ける。その全て、他の猟兵の為の時間稼ぎ。
「まんま見た目がマグロだし、体の仕組みもマグロかしら……」
 その動きを目で追いながら、結は思案していた。
 もしそうならば。マグロは尾ひれを左右に振動させることによってのみ推進力を得ていると言う。尾びれにダメージを与える事が出来れば、動きが鈍るかもしれない。
 結が目を細め、薙刀を掲げる。
 纏わせるは凍て付く呪詛。
「――薄紅六花」
 振り下ろした薙刀から放たれた凍て付く斬撃が、邪神マグロの後ろから切り裂いた。その傷から侵食する氷が、尾と尾びれを凍らせていく。
「あなたのせいで、服が濡れて気持ち悪いです!」
 邪神マグロの動きが鈍った機会を逃さず、サザレが若干八つ当たり気味にメイスを叩き付ける。
『グロォ――!!』
 その冷たさに頭が冷えたか。邪神マグロの頭が上へ向けられる。
「逃がしませんわ! モチコ様!」
 レティシアが白銀の狼を駆る。標的にならぬ為の減速を止め、岩場を蹴って跳び上がると邪神マグロの鼻先を抑えるように回り込んだ。
 レティシアが広げたオーラが、一瞬の壁になる。
 そして、白銀の狼の背中でフィーナが笑みを浮かべていた。
「其は全てを飲み込む黒き炎、我が眼前に――……詠唱省略!」
 高まる魔力に夜色の外套がはためき、光を通さぬ漆黒の炎がフィーナの周囲に幾つも現れる。個別に操作できるそれを全て集め、フィーナは1つの巨大な黒炎の塊と変えた。
「焼きつくせえぇぇええ!!」
 放たれた黒炎が、邪神マグロを覆いつくす。
「集いて来たれ火の精霊」
 邪神マグロの姿が黒炎に消えるのを見ながら、友の口はそれを紡いでいた。
 まだ、終わらない。そんな予感に従って。
「生ずるは炎 猛き灼熱
 燃えよ燃えよ燃えよ
 焦がせ焦がせ焦がせ
 赤き炎の河となりて 我が敵を飲み込み喰らえ!」
 友の手にした紅い水晶の刃が、更なる炎の魔力を帯びて輝きを放つ。
 一瞬遅れて黒炎からふらふらと抜け出した邪神マグロを追って、友が駆け出した。
「さぁさぁ征って参れ!」
 踏み台上等と頷く紫草の腕を足場に借りて、友が跳躍。
「こんがり焼けちゃえー! タツタサンドにしてあげる!」
 赫々と輝く剣を一閃、紅蓮の波の如き炎の斬撃が放たれる。既に黒炎で焦げた邪神マグロを紅蓮の波が容赦なく焼き斬った。
 ふらつく邪神マグロの前を、またマグロさんが横切る。
 その速さに、邪神マグロの目がギラリと輝いた。
「もう一度やるにゃ、マグロさん」
 鈴丸が再び勝負を挑む。弾かれた時のダメージは、サザレの祈りの言葉によって既に癒されていた。
 今度は邪神マグロに追いつかれる前に反転し、こちらから向かっていく。
「マグロさんとオレは一心同体にゃ、絶対離すもんかにゃ!」
 そのスピードに構えた菊池マグロがぶれそうになるが、鈴丸は堪えて構え続けた。
「邪神マグロさんがどんなに強大でも、オレたちは必ず乗り越えるにゃ! あいつ目掛けて一直線に突撃にゃ!」
 そして再び、2体のマグロが空中でぶつかり合い――地上へと落ちていく。
 海面に横たわった邪神マグロの上には、マグロさんに乗った鈴丸の菊池カジキが突き立っていた。
 やがてバタバタと動いていた邪神マグロの尾びれ胸びれが、パタリと動きを止める。
 それが――邪神マグロの最期だった。
「……すぐに消える感じではないですね?」
「もしかして食う気か?」
 警戒しつつも近寄っていくサザレを止めるでもなく、アルジスが見守る。
 他の猟兵達も、じわりとにじり寄っていった。
 果たして彼らが邪神マグロを食べる時間はあったのか――それは、記録には残されていない。残っているとすれば、猟兵達の舌の上のみであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月17日
宿敵 『邪神マグロ』 を撃破!


挿絵イラスト