アースクライシス2019⑭〜破壊神、ボロブドゥール寺院
オブリビオンに支配された、4つの「知られざる文明」を解放した事で、遂に、クライング・ジェネシスが姿を現した。
クライング・ジェネシスは、全世界で、多くの人に注目される場所に出現すると、迎撃に出てきた猟兵に戦いを挑んでくる。猟兵達を撃破する所を人々に見せつける事で、鬱憤を晴らすのを目的にしているらしい。
クライング・ジェネシスは『骸の海発射装置』のチャージを行っている最中だ。
『骸の海発射装置』のチャージは『12月1日』に完了し、ヒーローズアースにカタストロフを引き起こす……その前に、クライング・ジェネシスを撃破しなければならない。
「皆様のご活躍で、いよいよ戦いはここまで参りました」
月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)は、集った猟兵たちに決戦に臨む緊張感をはらんだ声で語りはじめた。
「拙僧が予知したクライング・ジェネシスの出現は、インドネシア・ジャワ島に在するボロブドゥール遺跡でござる」
ボロブドゥール遺跡は7世紀から8世紀にかけて成立した仏教遺跡である。全体が切石により巨大な階段ピラミッド状に作られており、そこにストゥーパと呼ばれる塔が72本も立ち、回廊が巡っている。総面積はおよそ1.5万㎡。高さは30メートル以上もある。また回廊壁面のレリーフの美麗さも有名だ。
「観光名所は、クライング・ジェネシスにとって、自分の活躍を引き立てる舞台装置なので破壊は致しません」
クライング・ジェネシスは壮麗な仏教遺跡を背景に戦いを挑んでくるので、遺跡前の広場が戦場になるだろう。
遺跡そのものが戦場にならぬのは幸いだが、仏教遺跡を汚されるような気がするのだろう、僧である鬼照は珍しく腹立たしげだ。
「このような不信心な輩は、サクっとやっつけて下され……と言いたいところなのでござるが、クライング・ジェネシスを倒すのは簡単にはいきませぬ」
クライング・ジェネシスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になるのだ。先制攻撃への対処がなければ、一発くらわすことすら不可能であろう。
「幸い敵のユーベルコードは判明しておりますので、まずはよく考え、先制攻撃への対処を用意されるよう、お願い致しまする」
そう言いつつも、鬼照の掌の上で護摩炎型のグリモアが光りだした……ヒーローズアースのカタストロフまであと数日。ぐずぐずしている時間はなさそうだ。
小鳥遊ちどり
猟兵の皆様、こんにちは。
こちらは⑭クライング・ジェネシス戦でございます。舞台は世界遺産の仏教遺跡です。
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プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(クライング・ジェネシスは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
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●戦場はボロブドゥール寺院前の広場。
敵は基本的に寺院に足を踏み入れませんが、皆様が壊さない程度に遺跡を使うのは構いません。
●レベル難ですので、判定はいつもより辛目となります。
●大詰めですので、リプレイはなるべく迅速にお返ししたいと思っております。
第1章 ボス戦
『クライング・ジェネシス』
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POW : 俺が最強のオブリビオン・フォーミュラだ!
全身を【胸からオブリビオンを繰り出し続ける状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 貴様らの過去は貴様らを許さねェ!
【骸の海発射装置を用いた『過去』の具現化】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ : チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!
【骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を丸ごと『漆黒の虚無』に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:yuga
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
インドネシア、ジャワ島。ボロブドゥール遺跡。
そこに猟兵たちが現れるなり、
『ギャーッハッハッハッ! 来やがったな、猟兵どもめ!』
広大且つ壮麗な仏教遺跡を背に、クライング・ジェネシスは高笑いを響かせた。
『俺と違って、お前らはおキレイな正義の味方なんだろうがよォ』
膝の醜悪な顔が、猟兵たちを睨めつけ、そして。
『――貴様らの過去は貴様らを許さねェ!』
ずわり、と胸の暗黒が開き、そこから次々と飛び出してきたのは、猟兵自らの幻影であった――!
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
視認か、なら見えなきゃいいんだよな。
遺跡には申し訳ないが遺構を隠れ蓑に【存在感】を消し【目立たない】ように移動、死角より奇襲をかけるように【マヒ攻撃】を乗せた【暗殺】のUC菊花を仕掛ける。
敵の先制は全力で【第六感】で感知【見切り】で回避する。回避しきれない物は黒鵺で【武器受け】からの【カウンター】。それも出来ない物は【オーラ防御】と【激痛耐性】でしのぐ。
過去の俺なら今の俺よりも弱い。それははっきりと言える。技能だけじゃない、精神的にもな。
それに幻影と言えども自分の動きは自分が一番知ってる。過去ならなおさらな。
「このユーベルコードは視認されなきゃ、効き目はないはずだ。なら、見えなきゃいいんだよな」
黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は、戦場に到着するなり、脇目もふらずまっしぐらに寺院内へと飛び込んでいた。
「遺跡には申し訳ないが隠れ蓑にさせてもらう」
お得意の隠密の技で、存在感を消し極力目立たないように移動する。複雑な構造で、壮麗な装飾が施されている巨大遺構なればこそ、そして暗殺者としての能力を持つ彼ならではの作戦だ。
レリーフの隙間から敵の位置を確かめ、隙を窺う。
幻影の放出が終わったようだ。ユーベルコードが一段落したと見て、瑞樹は身を低くして階段ピラミッドを巡る回廊を一気に走り抜けた。
「はっ!」
階段ピラミッドの高さを利用し、瑞樹はクライング・ジェネシスの背中目がけて跳んだ。その瞳はユーベルコード【菊花】により、輝きを帯びている。前方にいる仲間の猟兵たちに気を取られている敵にとって、この瞬間、背中側は死角なはず……!
『……むっ?』
それでも、腐ってもオブリビオン・フォーミュラーと言うべきか、瑞樹の刃が触れる一瞬前、クライング・ジェネシスは彼に気付いて振り向いた。
『こっちにもいたのか!』
胸の骸の海発射装置から解除しかけていたユーベルコードの残滓のように、胸の発射口から瑞樹の幻影が煙のように沸き上がってくる――!
だが、幻影が完全に姿を現す前に、瑞樹の二振りの刃はクライング・ジェネシスに届いた。
『いてえっ!』
タールの鉤爪のような手が瑞樹を振り払ったが、見切れる動きだ。右手の打刀『胡』で受けとめながら、左手のナイフ『黒鵺』を体の陰になる死角から突き出して、敵の手首に斬りつけた。
技を駆使して斬りつけた回数は、9回。その全てが敵に傷を負わせたわけではないが、少なくとも出現しかけていた瑞樹の幻影は、完全な姿を現す前に消えた。
大きく飛び退いて、クライング・ジェネシスから距離を取った瑞樹は呟く。
「過去の俺なら今の俺よりも弱い。それははっきりと言える。技能だけじゃない、精神的にもな。それに幻影と言えども自分の動きは自分が一番知ってる。過去ならなおさらな」
このクライング・ジェネシスのユーベルコードは『過去』を具現化させるという。その過去が、との地点を指すのかは知らぬが、一瞬前の自分とて過去であると、瑞樹はそう思うのだ。
成功
🔵🔵🔴
ナギ・ヌドゥー
クライング・ジェネシス……その態度は小物に見えるが強さは相当なものだな
仏教遺跡で死ぬのもまた一興……と言ったら怒られそうなんで止めとこう
敵UC対策としてはまず視認されない事だ
煙幕の罠を放ち視界を塞ごう【罠使い】
【第六感・野生の勘】を研ぎ澄まし奴の視界範囲を【見切り】死角に回る
【殺気】帯びた【残像】を無数に作る【フェイント】を掛け位置を見破られない様にする
【ドーピング】によりスピードアップ
攻撃に回る前にさらに【残像】を作り幻惑
そしてこっそりUC発動
残像の中に幻影を紛れ込ませる
あえて防がれる様に正面から斬り込み【おびき寄せ】
奴がガードした瞬間、背後から幻影が斬る!【暗殺・だまし討ち】
『貴様らの過去は貴様らを許さねェ!』
クライング・ジェネシスがユーベルコードを発動しようとした瞬間、ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は、予め用意してきていた煙幕の罠を発動させた。
「視認されないことが大事だ」
敵の視線がナギの方を向かぬうちに濃く立ちこめた煙の中に入り、最大限勘を働かせて残像を作るスピードで動き始める。
『なんだァ、そんな煙で俺がごまかされるとでも思ってるのか?』
クライング・ジェネシスが、こちらを注視しているのを感じたが、煙と残像のおかげでナギの姿をしっかりと捕らえられてはいないようだ。何故なら、彼自身の幻影はまだ出現していない。
とはいえ、先制攻撃は上手く躱せたが、このまま逃げ回っているだけではらちがあかない。ナギはタイミングを計り、次の一手を打つ。
スピードアップのためにドリンク剤を飲むと、更に行く手に煙幕を起こし、敵の視界から外れる場所まで回り込んでゆく――そして。
「我が幻影よ……走狗となり現出せよ」
発動したユーベルコードは【幻魔妖身】。自身の幻影を自ら呼び出し、煙幕の中に見え隠れする殺気みなぎる残像の中に紛れこませる。
「よし……いくぞ」
『ゲホッ、煙いじゃねえか、こっちか?』
煙幕に包まれた状態のクライング・ジェネシスがこちらを向いた瞬間、ナギは煙幕から走り出て、
「たああああぁぁあ!」
これ見よがしに【歪な怨刃】を振り上げ、大きな動作と声で真っ正面から斬り込んでいった。
『やっぱこっちかよ!』
唐突な突撃に敵は一瞬驚いたようだが、悪魔のような顔が生えた脚をブンと伸ばしナギを蹴り飛ばそうとした――その瞬間。
ガッ!
骨に刃が食い込む鈍い音がして、敵がつんのめるように膝をついた。いきなり後方から脚に攻撃を受けたのだ。
『後ろにもいたのかよ!?』
振り向けばそこには、同じ鉈を振り上げたナギの幻影がいる。本体が引き付けている間に、だまし討ちしたのだ。
本体のナギはニヤリと残虐な笑みを見せ。
「クライング・ジェネシス……その態度は小物に見えるが強さは相当なものだな。仏教遺跡で死ぬのもまた一興……と言ったら怒られそうなんで止めとこう」
すかさず前からの一撃を、敵の肩へと見舞った。
成功
🔵🔵🔴
国栖ヶ谷・鈴鹿
●SPD
【過去のぼく】
乙女三日会わざれば刮目してみよ!
ぼくの弱点なら、ぼくが一番知ってるよ!
というわけで[メカニック&制圧射撃]で作ったとりもち弾をくらえー!……そう、銃口にくっ付かずに発射出来るコレ、ぼくならこのわけわからない謎超兵器を分析しようとしちゃうよね!それが大きな隙さ。
【boss】
クライングジェネシス!
お誂え向きに胸に大きな穴が開いているけど、ぼくのUC製、『手にくっつかない粘着手榴弾』を投げ込んでおこう!これは投げた相手にちゃんと届いて、どこにでもくっつく優れもの!発射口を破壊しちゃおう!
ここまでの軌跡は、過去のぼくには決してないもの、ぼくは決して止まらない、天才だからね!
「乙女三日会わざれば刮目してみよ! ぼくの弱点なら、ぼくが一番知ってるよ!」
国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)は、クライング・ジェネシスに生み出された自らの幻影が、一直線に近づいてくるのを正面から待ち受ける。その肩には『双式機関銃ナアサテイヤ』が構えられている。
それを見て、幻影の方も武器を構えたが、
ダァン!
鈴鹿は自分に向けて躊躇無く弾丸を発射した――とりもち弾を。
『えっ。ヤダ、何これくっつく!』
幻影鈴鹿は超強力とりもちによってべったべたーになってしまったが、
『でもどうしてさ? どうやったらこんなベタベタが銃から発射できるの?』
目を爛々と光らせてべたべたを観察しはじめた。
鈴鹿の弱点……それは、新しい武器や、珍しい武器、特に謎兵器に目がないということ!
「へへん、ぼくならこのわけわからない謎超兵器を分析しようとしちゃうよね! それが大きな隙さ」
このとりもち弾はこの戦争中に鈴鹿が見いだした新兵器。過去の彼女はまだ知らないはずで、ゆえに興味を引けるだろうと企んだのだ。
「やったね!」
鈴鹿は、とりもちに絡め取られている幻影の横をすり抜けて、クライング・ジェネシスが見下ろせる、遺跡の塔へと素早く上った。
「こんなこともあろうかと、アレを用意してきたのさ!」
ユーベルコード【超高精度近未来観測機構・甲】によって作り出されたのは、『手にくっつかない粘着手榴弾』。
「てーーーい! 玉入れだー!」
鈴鹿の技術の推移を集めた粘着手榴弾は、見事『骸の海発射装置』の発射口にスポンと入り、
ドゥン!
『ぎゃあ!』
内部で爆発した。大きな爆発ではないが、発射口は……。
『ぎゃあ、なんじゃこりゃ、ベタベタじゃねえか!』
鈴鹿は満足げに、意表をついた攻撃に慌てる敵を見下ろした。
「ここまでの軌跡は、過去のぼくには決してないもの、ぼくは決して止まらない、天才だからね!」
大成功
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亜儀流野・珠
いや見事な遺跡だ!景色も素晴らしい!
こんな時でなければゆっくり見て回りたい所なんだがな。この景色を、この世界を守る為お前には退場してもらうぞ、ジェネシス!
奴の攻撃は地形を変質させる類か。
この地はなるべく汚させん、「金璧符」で地面を壁に変換し防御、地面の変質も防ぐぞ!
壁防御を重ねつつ近付き、折を見て防御と同時に拳を握り締め「焔弾」発動準備!
ついでに岩を拾い「金璧符」を貼って持つ。で、「壁」を蹴り高く跳び……「焔弾」ジェネシスに全力で撃ち込む!
回避されそうなら爆破し爆風で攻撃だ!避けさせんぞ!
空中で攻撃された場合は持ってる岩を壁に変換し防御だ!
チャンスは逃さん!その後は連続で焔弾を撃ち込んでやる!
クライング・ジェネシスの骸の海発射装置が、仲間のとりもちで塞がれた状態になったと見て、
「いや見事な遺跡だ! 景色も素晴らしい! こんな時でなければゆっくり見て回りたい所なんだがな。この景色を、この世界を守る為お前には退場してもらうぞ、ジェネシス!」
遺跡を取り巻くジャングルから飛び出し、威勢良く啖呵を切ったのは亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)。
だが、ジェネシスは、ユーベルコードを切り替えてきた。
『隙間からでも、この技ならいける……チャージ中でも少しは使えるんだぜェ!』
半ば塞がっているので、発射口から射出されたのは、いびつに歪んだ珠の過去だ。だが直撃を喰らえばただでは済まない。
「そう来ると思ってた!」
しかし珠はこの攻撃を予測していた。バシッ、と地面に力強く貼り付けたのは『金璧符』。一瞬のうちに地面が土塁のように立ちあがり、壁のように珠を護った。
『なんだと!? だが、この技は外れても効くんだぜェ!』
射出された過去が壁に弾かれ、周囲の地面がみるみるうちに黒く変質していく――漆黒の虚無に変質していこうとしているのだ。
「この地は汚させん!」
珠は自ら作った壁を駆け上がった。その手には何故か岩。そして狐火が明々と燃えている。ユーベルコード【焔弾】だ。
「チャンスは逃さん!」
珠は壁を蹴り、高く跳んだ。
『上か!』
クライング・ジェネシスも再度珠に向けて過去を射出してきたが、岩を盾にして防ぐ。岩にも金璧符が貼ってあるのだ。
盾を圧してくる自らの過去の圧力に珠は耐え、そして全力で拳を振り抜き、焔弾を撃ち込んだ。
「貫き通せ!」
叩き込まれた焔弾は、上を見ていた敵の顔にぶちあたり……大穴を空けた。
大成功
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甲斐・ツカサ
最強のオブリビオン・フォーミュラだって?
オレが今まで戦ったオブリビオン・フォーミュラはもっと強く、もっと格好良く、もっと志を持ってたよ!
だから、お前なんて最強じゃないし、怖くないぞ!
動けないなら好都合、繰り出されるオブリビオンに対して、バイクの機動力を活かして回避しながらクライング・ジェネシスの正面におびき寄せて、ワイヤーで縛っていこう!
おびき寄せたオブリビオンが邪魔で胸から出せなくなったら、その隙にこっちもユベコ解放!
こんなにたくさんのオブリビオンを従えたオブリビオン・フォーミュラとの決戦に冒険心は無限に高まる!
冒険心を力に変え、オブリビオンも巻き込んで全身全霊のRay-GuSTAR突撃!!
『おおおれががさいきょお~のおおおぶりびいいおんふぉぉみゅらあああ~!』
顔を潰されたクライング・ジェネシスはもう満足に言葉を発することはできない。だが、その全身の猟兵たちがつけた傷口から、オブリビオンがうぞうぞと湧いてきた。
最後の力を振り絞るかのように繰り出されたユーベルコードに、自分の出番だ! とばかりに宇宙バイクで飛び出したのは甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)だ。
「最強のオブリビオン・フォーミュラだって? オレが今まで戦ったオブリビオン・フォーミュラはもっと強く、もっと格好良く、もっと志を持ってたよ! だから、お前なんて最強じゃないし、怖くないぞ!」
それに、本体が動けないのは好都合だ。この技を使っている間、クライング・ジェネシスは動けないのだ。とはいえ防御は完璧なので、直接ダメージを与えることはできないが、
「それっ!」
ツカサは愛機で湧き出るオブリビオンの間を縦横に走り始めた。次々湧いてくるオブリビオンを一体一体倒していくのは無理があるし、その前にツカサがやられてしまうだろう。だが、走り回って攪乱するだけならば、鍛え上げた機動力と運転テクニックで何とでもなる。
ツカサの手には丈夫なワイヤーが握りしめられ、長く伸ばされている。彼を捕まえようとするオブリビオンたちの間をちょこまかと走り回ってワイヤーを張り巡らせながら、ツカサは何度か親玉へもワイヤーを絡みつけ――。
「えいっ!」
全速でワイヤーを巻き上げた。
すると。
ガッション!
張り巡らされたワイヤーに絡め取られ、多数のオブリビオンが一気にクライング・ジェネシスに縛り付けられた!
『ぐあおぉぉ!』
自らが出したオブリビオンとおしくらまんじゅう状態になり、これ以上の湧出が不可能になったクライング・ジェネシスが、たまらずユーベルコードを解除した、その瞬間。
「オブリビオン・フォーミュラとの決戦に冒険心は無限に高まる! 世界を越えた冒険の総てが、オレの力だ!」
ユーベルコード【冒険は次元を越えて】を発動したツカサは、冒険のオーラに包まれ、クライング・ジェネシスへとRay-GuSTAR突撃を敢行した。
ドォン!!!
虹色の軌跡を描いた宇宙バイクの鋭いフロントが、オブリビオン・フォーミュラーの土手っ腹に大穴を空けた。
――クライング・ジェネシスは、腹の大穴から仏教遺跡を覗かせてつつも、しぶとく立ち続けている。
『……こ……ここは、譲ってやるがなぁ……』
消え入りそうな声が、猟兵たちの耳に届いた。
『各地の観光名所の俺は……きっと勝ってる……目に物見せてやるぜ、猟兵共め……』
明らかに負け惜しみな捨て台詞を残し、ようやくボロブドゥール寺院から消え失せたのであった。
大成功
🔵🔵🔵