アースクライシス2019⑲~血闘CIRCUS
●グリモアベースにて
「ラグランジュポイントの島のひとつで、不穏な動きがあるらしい」
座して猟兵たちを待っていたプルート・アイスマインドは、一同の姿を見るなり腰を上げ、グリモアからラグランジュポイントの映像を浮かび上がらせる。
衝突した宇宙船群から成る島々――そのひとつに、大量のコンテナが積載していた。
「この島は巨大な輸送船に改造されており、ヒーローズアースにある様々な物品が運び込まれていることがわかった。おそらくはここが『ジェスター』の本拠地だと思われる」
ジェネシス・エイトの一角――ジェスター。
どこからともなく現れ、エナジー・ゲートを乗り越えたという『殺戮道化師』が、何事かを宇宙で進めているという。
「運び込まれている物品は本当に様々だ。動植物や鉱物、書物や機械類、果ては工芸品やらありふれた既製品玩具やら……それらをひとつひとつ分類して船に収めているらしい」
輸送船とあらば、ジェスターが何かを持ち出す腹積もりであることは明白だ。
しかしそれにしては積載物に統一性がなさすぎる。まるでヒーローズアースに存在するものを手あたり次第に収集しているようである。
それが、不気味だ。
「真意は測りかねるが、奴を放置してはならんことだけは私でもわかる。あの道化師が姿をくらます前に、おまえたちの手で打ち倒してきてほしい」
集まった猟兵たちの心へそう訴えて、プルートはグリモアを起動する。
目指すはラグランジュポイント。
ジェスターの計画が進む巨大輸送船へと、猟兵たちが転移されてゆく……。
●道化師は嗤う
「オロロロロ……どうやらワタクシの船がバレてしまったようデスねぇ」
溢れんばかりに詰められたおもちゃ箱から、ひどく子供っぽい玩具を取り上げながら、ジェスターはさして緊張感もなく呟いた。
巨大輸送船内――その中の玩具を集めた区域に、ジェスターはいた。
辺りは言葉どおりに玩具だらけである。子供用玩具でいっぱいになったおもちゃ箱が山のように積み上げられ、ときたま船が揺れるせいか床には人形やらパズルやらが散乱している。
「まったく、キレイにするのもタイヘンなものデス」
新品の人形を拾い上げ、ぽんぽんと埃を払うと、ジェスターはそれを手近な箱に放りこむ。
パズルも。
跳び縄も。
ゴムボールも。
玩具とは呼べない本格的な野球グラブなんかもあったが、それもぽいっと放りこむ。
地味な仕事だ。
――が、言うまでもなく、ただ雑用をしているわけではない。
「サァサァ、これで床は片付きマシタね。これならいつ猟兵たちが来ても大丈夫デショウ!」
まっさらになった床を見て、ジェスターは満足そうに手を叩く。
そして、おもむろに、まるで雨の日に傘を取るかのように淀みなく、重々しい血塗れのメイスを取り出した。
「デハ、あとは害虫のお掃除デスね。ヘンなものを持ち帰るワケにはイキマセン。検疫はシッカリ行わないとデスねぇ。オロロロロ!!」
輸送船内に現れる、気配。
それが排すべき猟兵たちの気配であると悟るジェスターは、ぶんぶんとメイスを素振りしながら、ふざけたように嗤うのだった。
星垣えん
テンションの上がるイラストしてやがるぜ……。
というわけで星垣えんでございます。
今回はジェネシス・エイトのひとり『ジェスター』をぶっ倒すシナリオです。
オロロロロ……。
本シナリオにも例によって、プレイングボーナスを得る特別の方法があります。
今回は『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことができれば、戦闘および判定が有利に転びます。
ジェスターは皆さんが使用するユーベルコードと同系統のユーベルコード(POWならPOW、SPDならSPD)で先制攻撃してくるので、それをどう防いで反撃にもっていくかを練ると、イイ感じになるようです。
それでは、皆様からのプレイング、お待ちしております!
※11月30日の戦力更新までにジェスターが倒せなかった場合、ジェスターは輸送船でラグランジュポイントから外宇宙へと飛び去っていきます。
第1章 ボス戦
『ジェスター』
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POW : 力押しもたまには悪くないデスね
単純で重い【魔法金属製のメイス】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 古い馴染みの仲デシて
レベル分の1秒で【意志持つ魔剣『レギオスブレイド』の群れ】を発射できる。
WIZ : 別に見捨てても良いデスよ
戦闘力のない【名も知らぬ一般人の人質】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呪詛により人質が傷つき、悲鳴や苦痛の声】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大豪傑・麗刃
まずジェスターの初撃を回避。
敵の攻撃は強烈、まともに受けたくない。受けたらたぶん死ぬ。
なんとしても回避しなければならない。
まずは相手の攻撃方向を見切る。そして上から下に振り下ろすなら早業で横によけ、横殴りならまともにくらい吹っ飛ばされたと見せかけて実は自分から飛んで衝撃を逃していたな感じで。
ユーベルコード勝負に持っていけたら。
道化師相手にギャグ勝負する気はないのだ。
それでさんざん痛い目にあったからなあ。
さておき。
刀の二刀流。
そして相手の攻撃を見、後の先を取る。まずは左手の刀で、相手の振り下ろすメイスを切断!そして2回攻撃!返す右手の刀で相手の体を切断!
……
こんなガチな戦い方したくなかったのだ。
佐伯・晶
外宇宙まで運び出そうって事は
それなりに大事なものなのかな
目的がはっきりしないのは不気味だけど
皆と協力して戦おうか
貴重そうな物品の周りから接近しようとするよ
メイスでの一撃は周囲も破壊するから
一瞬でも躊躇するかもしれないしね
その上でメイスでの一撃は
神気でメイスの時間を停めて固定する事で防御するよ
これは僕なりのオーラ防御だよ
いくら防ぐつもりでもできれば直接受けたくはないから
可能ならワイヤーガンの登攀で回避しつつ
余波は神気で防ぎたいな
攻撃を凌げたらガトリングガンと使い魔で攻撃
牽制射撃や使い魔の麻痺で動きを制限しつつ
邪神の抱擁を狙おう
当たったら凍結魔法で攻撃してもいいし
他の人が攻撃する隙を作ってもいいよ
「ふむ。どうやら紛れ込んできたようデスねぇ」
ぴたり、とジェスターが足を止める。
区画内に猟兵の存在を感じた殺戮道化師は、血塗られたメイスの柄を握りこむ。
そしてふらふらと、まるで襲撃を誘うかのように、無警戒に歩き回った。
「サァサァ。血が騒ぐほど戯れるとシマショウか!」
「敵の攻撃は受けたらたぶん死ぬ。なんとしても回避しなければ」
大豪傑・麗刃はそのやる気のない顔を珍しく引き締める。
なんせ命がかかっている。
いくら長き大豪傑家の歴史上でも屈指の変態とはいえ、ふざけてる場合じゃなかった。
というかすでに試して痛い目に遭ったので、さすがに懲りた。
「とゆーわけで麗ちゃんGACHIモードなのだ!」
「ほうほう。ではワタクシもさしずめダイナミックモードといきマスか」
身構えた麗刃が意気込むや否や、というか言い終わるかどうかというタイミングで、ジェスターの血塗れのメイスが振り下ろされた。
脳天へ。
容赦なく。
だがそれゆえ直線的だ。麗刃は軌道を見切り、素早く横へ跳んだ。
重々しい魔法金属を打ちこまれ、爆発したかのように床が砕ける。その風圧で身を押される感覚に、麗刃が肝を冷やす。
「くらってたら麗ちゃん……死んでるのだ」
「そうデスか。ではおかわりをドウゾ!」
力のまま横振りされたメイスが、麗刃の体を捉え、彼方の壁に激突させた。
轟音。
それを聞きながら、佐伯・晶は壁のように積みあがったおもちゃ箱の陰を――つまりはジェスターの死角を駆けていた。
(「外宇宙まで運び出そうって事は、それなりに大事なものなのかな」)
箱の中の玩具類を見やる晶。
これを持ち帰る目的は何か。
考えてもわからないことは、やはり不気味だ。
だが今はそれを推し量るときではない、と晶は箱の陰から飛び出した。
隙だらけのジェスターの背中が見える――と思った次の瞬間、ジェスターは首を180度振り向かせ、それを追うように体も晶に正対する。
「待ちくたびれマシタよ! 奇襲を狙うとは卑怯デスねぇ!」
振りかぶったメイスが、叩き潰さんと晶を襲う。
だが晶は即座に後退。その背におもちゃ箱の壁を背負った。
「卑怯と言うなら、もっと卑怯な真似をしてみようか」
「いけマセン! せっかくのオモチャに当てては――」
ジェスターのメイスが僅かに鈍る。
そしてその僅かな瞬間に、晶はその身に宿る邪神の力――神気をメイスへとぶち当てた。
まるで空間に縫い付けられたように、メイスは動かない。
「おやおやコレは……?」
「メイスの時間を停めさせてもらったよ。今度はこっちの番だ」
晶が携行型ガトリングガンを構えると同時に、辺りの床から使い魔が創造される。ジェスターは危険を察してメイスを置いて逃げようとするが、その行く手を射撃と魔法が塞ぐ。
「ワタクシも人気者デスねぇ」
火線を避けたジェスターが、とん、と着地する。
そのとき、床に描かれた魔法陣が輝く。ジェスターの体が石のように、動かなくなる。
「また停めさせてもらったよ。あとは任せていいかな?」
「もちろんなのだ」
晶が振り向きもせず言葉をかけたのは――風のように疾駆してきた麗刃。
やられてはいなかった。ジェスターのメイスの一撃を、麗刃は自ら後ろへ跳ぶことでいなしていたのだ。そして機を計っていた。
その両手に鋭き刃を煌めかせて、麗刃はジェスターの至近に踏みこんだ。
剣閃、二つ。
左の刀がジェスターの片腕を斬りつけ、右の刀が体に斜めの傷を渡らせる。
血は噴かない。時間が停まっているからだ。
しかし数秒後、停止が解かれた瞬間、ジェスターは焼けるような痛みに襲われるだろう。
「……こんなガチな戦い方したくなかったのだ」
仕事を終えた二刀を収めて、麗刃はぼそりと呟いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナギ・ヌドゥー
害虫が道化師と遊びに来たぞ……殺戮遊戯、始めようか。
【ドーピング】により身体能力・反応速度向上
人質とはアンタらしいなジェスター
見捨てるつもりは無い……アンタを苦戦や活躍させなければいいんだろ?
じゃあ逃げるよ【罠使い】煙幕の罠を作動させ逃げる
……という陽動で奴を【おびき寄せ】
瞬時に人質を奪い気絶させる【早業】
悪いな声をあげさせる訳にはいかない
少し眠っててくれ
すぐに終わらせるからな!
UC発動
屍肉巨獣と化したソウルトーチャーをけし掛け
己の殺戮衝動を全開放
無尽の欲望から増殖し続ける魔獣の群れに埋もれるがいい!
肉と獣の群れを突破できるか?
奴が接近して来るならUC解除
直接斬り分けてやる【早業・2回攻撃】
ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
人質を苦しめるUCは本当に悪趣味
悪役らしいといえばらしいけれど、今まで戦った敵の中では一番嫌いかもしれない
生かして帰したくはないね
人質が召喚は止められなさそうだね
一先ずは逃げの一手。私の『逃げ足』と『第六感』で敵の攻撃を『見切り』つつ、矢で周囲の箱を破壊していくよ
山のようにある玩具を散乱させて遮蔽物に身を隠しつつ、スモークグレを使って煙幕を発生
私はすぐに煙のない反対方向に回り込んで、敵が煙幕に気を取られているうちに【フュンフ】を撃ち込むよ
呪詛だろうがなんだろうが私の矢は全てを無効化できる
人質との繋がりを断ち切れさえすれば怖いものはなし
後は脳天に一発。狙撃させてもらうよ
「いつの間に傷ヲ……小癪な真似をしやがりマスねぇ、猟兵は」
その身に刻まれた刀傷を指でなぞりながら、しかし飄々としてみせるジェスター。
そんな道化師の余裕を打ち壊さんと、ナギ・ヌドゥーは敵の前に降り立った。
「害虫が道化師と遊びに来たぞ……殺戮遊戯、始めようか」
銀の瞳を暗いナイフのように煌めかせ、古き血のこびりついた鉈を軽く振るナギ。殺戮衝動に苛まれ、溺れる男の姿はジェスターに負けず劣らずの異様だ。
ジェスターはそんなナギを前にして、わざとらしく身震いした。
「怖い人デスねぇ……あぁ恐ろしい。こうも恐ろしい猟兵が相手デハ、こちらも身を守る保険がなくては安心デキマセン! ということデ!」
ぱちん、と指を鳴らすジェスター。
すると背後の空間が歪み、男が一人、放り出される。
「こ、ここは……?」
男が茫然と辺りを見回す。身じろぎしようとして、体が指一本も動かせないほど縛られていることを知ると、その顔は徐々に恐怖に染まってゆく。
ナギは、愉快げに頭を揺らすジェスターを見て、鼻を鳴らした。
「人質とはアンタらしいなジェスター」
「ワタクシを攻撃したら、この男に仕掛けた呪詛が何をするか心配デスねぇ。いやはやドウすれば良いノデショウカ……」
けたけたと笑うジェスター。
「まァ、見捨てれば済むんデスがね?」
「見捨てるつもりは無い。見捨てる必要も無いしな」
「言ってくれマスね!」
ジェスターが衣服の下から無数の細剣を取り出し、ナギに斬りかかる。
それだけの攻撃だった。メイスで打ちこんだときのようなプレッシャーもない。回避して反撃するのも容易いかもしれない。
だが、人質がいる。
「なら逃げるしかないな」
言下、ナギの体を煙幕が覆った。ジェスターはその煙の中でアタリをつけて斬りつけるが、剣は空を切り、煙幕が晴れたときはもうそこにナギはいなかった。
「ふむ。拍子抜けデスねぇ。人質を見捨テテくれれば面白かったのデスが!」
「悪役らしいといえばらしいけれど、本当に悪趣味だね」
「おや?」
上から降ってきた声をジェスターが見上げれば――そこには、積み立ったおもちゃ箱の頂上に立って弓を構えているルエリラ・ルエラがいた。
しかし矢を番えてはいない。
ジェスターを撃てば人質が害されるのは明白だからだ。
「今まで戦った敵の中では一番嫌いかもしれない。生かしては帰さないよ」
「そう褒めラレテは照れマスねぇ!」
細剣の何本かをルエリラへ投擲するジェスター。だがルエリラはその射撃を魔力をこめたブーツの跳躍でかわし、さらにおもちゃ箱の壁を蹴ってぴょんぴょんと移動してゆく。
「オロロロロロ! あなたも逃げるのデスか!」
「もちろん逃げるよ。その上、部屋も散らかす」
地上のジェスターを一瞥したルエリラが弓を引き絞り、辺りに積まれたおもちゃ箱に矢をぶちこんだ。強烈な一撃は山を崩し、雪崩のように玩具を散乱させる。
「アアせっかく! せっかく片付けたというのに!」
「おまけにドーン」
ぶちまけられた玩具を見て喚きたてるジェスターを尻目に、スモークグレネード(芋煮の匂い付き)を放り投げるルエリラ。瞬く間に一帯を煙幕が覆い、ジェスターは完全にルエリラの姿を見失った。
ため息をつきながら肩を竦めるジェスター。
「マッタク、さっきから煙煙とワンパターンデスねぇ」
「それは悪かったな。だが効果はあった」
後ろからかけられた声にジェスターが振り返ると、薄れかかった煙の向こうにナギが見えた。
そして煙が晴れると――さらに見えた。
彼の足元に、召喚していた人質の男が気絶して倒れているのが。
「いつの間にワタクシの人質を!」
「アンタがはしゃいでる間さ。うるさいと困るから眠っておいてもらったがな」
「抜け目ナイことで。デスがワタクシを攻撃すれば、ソノ男が傷つくのは変わりマセンよ?」
「そっちは私がどうにかするよ」
どこかからのルエリラの声。
と同時に、魔力で形成された矢が疾走した。
青白く輝く一矢――呪詛も何もかもを無効化するルエリラのユーベルコードは、背後からジェスターを貫通。その瞬間に男は呪詛から解放され、それどころか召喚されたこと自体が無効化して元いたどこかへと送還される。
そうなれば、道化師は裸だった。
殺人鬼から身を守る術は、もうない。
「それじゃあ、あとはよろしく」
「ああ。すぐに終わらせよう」
「いえ、アノ、そう急がずトモ――」
ジェスターが顔の前で手を振るのに目もくれず、ルエリラに頷いたナギがその体から禍々しい波動――魔獣の群れを放つ。同時に咎人の骨肉で造られた自律拷問具『ソウルトーチャー』が、人の体躯をゆうに超えた巨獣に変貌した。
「肉と獣の群れ、好きなだけ戯れるといい」
「オロロロロロロロロ!!?」
殺戮衝動の獣と、屍肉が膨らんだ巨獣。殺到する獣の殺意にジェスターは抗う術もなく、あっという間に埋もれて見えなくなっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
あら?あらあらあら?人質なんて困ったわ?でも、“既に人質が取られているのなら先制攻撃は既に成っている”わね。
だから私は“世界を書き換えた”(UC/ハッキング/封印を解く)広がるはメルヘンでカートゥーンな不思議でおかしなクるッた世界。あらゆるものがコミカルに♪
人質?それは本当に無力な人質かしら?“ほら、気をつけないとその人質に悪戯されるわよ?”。ま、カートゥーンな悪戯ってリアルでやったら致命的なのも多いけど♡それに、カートゥーンな世界ならギャグ補正で“人質への危害は全て行おうとしたものに返る”わよ☆
頭おかしい?あら、あなたをしてそう言ってもらえるなら光栄ね♪
さ、愉快な狂った世界であそびましょ☆
「マッタクひどい目に遭いマシタ。ですが同じ轍は踏みマセンよ?」
その体に屍肉の腐臭を残したジェスターが、乱れた衣服を整い、汚れを払い落としながら再びユーベルコードを発動する。
別の男がまた空間の割れ目から、ぽろりと召喚されて落ちる。
だがその瞬間、アリス・セカンドカラーの声が響いた。
「あら? あらあらあら? 人質なんて困ったわ? でも、それだけなら何でもないわね」
「オロロ! 仰いマスか! 見捨てるトハ大した方デス!」
アリスの反応を受けて、ジェスターはのけ反るほどに大笑いする。
何でもない。
そう聞いた殺戮道化師は、とうとう人質の命を無視する者が現れたと喜んだのだ。
人質の召喚はジェスターにとってどう転んでも美味しかった。有効ならば自分が有利に、無効ならば猟兵に見捨てられた無辜の者の悲鳴を聞くことができるからだ。
ゆえに、ジェスターは嗤う。
「デハ戦いマショウか! 苦痛に喘ぐ声を聴きナガラ!」
「ええ、いいわよ。でもそこの人って、本当に無力な人質かしら? “悪戯”されたりしない?」
「? 何を言うのデ――」
一笑に付そうとしたその刹那、極大の衝撃がジェスターの脳天を襲った。
鉄パイプ。
なぜか鉄パイプを持った人質が、なぜか自由に動いていて、なぜかジェスターの頭が陥没するほどのパワーで殴りつけていたのだ!
「イーッヒッヒ!」
「こ、コレはイッタイ……!?」
「別に大したことじゃないわ。世界をメルヘンでカートゥーンに書き換えたのよ☆ ま、カートゥーンな悪戯ってリアルでやったら致命的なのも多いけど」
「オロロロ……」
「ヒッヒッヒッ!!」
ばいーん、と妙にバネの効いたジャンプをした人質――いやもはや暴漢が、倒れこんだジェスターをボッコンボッコンとタコ殴りにする。
「人質を戦わせるトハ……オロロロ! なんてクレイジーなんデス!?」
「あら、あなたをしてそう言ってもらえるなら光栄ね♪」
くすりと微笑むアリス。
ジェスターが虐められるさまを眺めるのは、それはそれは楽しかったとか。
大成功
🔵🔵🔵
スカル・ソロモン
【】:使用技能
このジェスターは玩具集めか。何をするつもりなんだろうねえ。
敵のユーベルコードは、武器のスカルガイストで【恐怖を与えて】その動きを乱し、躱そう。意志があるなら、少なからず影響は受けるはずだ。流れ弾は武器のタクティカル・スパインで弾いて防ぐ。
加えて発射速度の問題があるが、それは【ダッシュ】で戦場を駆ける事で魔剣の対処が出来る距離を保ち、解決しよう。
初撃を防げば此方の手番だ。ユーベルコードでさらに強力な恐怖を周囲に放ち、魔剣を完全に無力化しよう。その隙を突き、【ダッシュ】でジェスターとの距離を一気に詰めれば、武器のタクティカル・スパインでその体を【怪力】で【串刺し】、【なぎ払おう】。
煙晶・リリー
おもちゃがいっぱい‥‥おもちゃが好きなのかな?
こいつがおもちゃで遊んでるのちょっと想像つかないや‥‥
【剣の惑星】を発動
全方位にブレードを走らせ、旋回による【二回攻撃】で敵の剣を叩き落とす
‥‥意思持つ魔剣ってカッコいいなー‥‥まぁ、私のブレードの方がカッコいいんだけど
なんせ、旋回する(ふふーん)
攻防一体の水晶ブレード。射程内に入れられたらいいんだけど‥‥
あのおっきいメイスもあるし、正面から斬り合いは不利かな
高速移動しつつ、射程ギリギリに掠めて【部位破壊】を狙っていく
戦闘の余波で崩落し、辺り一帯に転がる玩具たち。
ともすれば、巨大な子供部屋に迷いこんだかなんて馬鹿げたことを考えてしまう光景を見て、煙晶・リリーは小首を傾げた。
「おもちゃがいっぱい……おもちゃが好きなのかな?」
「このジェスターは玩具集めか。何をするつもりなんだろうねえ」
少女の素朴な疑問に、スカル・ソロモンのくぐもった低い声が返ってくる。
玩具を集めた意図は何なのか。
それをぼんやり考えながら、リリーは人質に反抗されたきり床に伏せているジェスターの姿をしげしげと眺めた。
「こいつがおもちゃで遊んでるのちょっと想像つかないや……」
「そうあってほしくはない、という気もするな……」
しばし、沈黙。
そしてその重い沈黙を破って、ジェスターが哄笑する。
「メイスもなくなりマシタし、人質戦法もこりごりデスからねぇ。ここはひとつシンプルかつ実践的に参りマショウ!」
勢いよく起き上がったジェスターが、大仰に両腕をひろげる。
すると瞬きする間もなく、彼の周囲に無数の剣――魔剣『レギオスブレイド』が舞った。
魔剣の群れは弾丸のように射出。
だがその軌道は単純ではない。まるで剣自体が意志を持っているかのように、それぞれが不規則に空間を飛んでくるのだ。
「これで細切れは如何デショウ?」
「意志を持つ剣か……ならば!」
迫りくる剣へ向けて、スカルは己が身から闇の波動を放つ。黒き力が飛来するレギオスブレイドを撫でてすれ違うと、剣の切っ先がぐらぐらとあらぬ方向を向く。
スカルの闇の波動『スカルガイスト』は、希望すら絶望に変じる恐怖を与える。
レギオスブレイドは意志を持つがゆえにアテられ、恐怖し、スカルを避けるように左右に逸れて散乱する玩具の中に墜落した。
「ふむ、案外御しやすい剣だな」
「やりマスねぇ。ですがドンドンいきマスよ!」
ジェスターの力が高まり、再び魔剣の群れが顕現する。
だが今度は、リリーが一歩前に出て、ユーベルコードを発動した。
すると、まるでジェスターを鏡に映したかのように、彼女の周囲にも剣が出現する。
その数43本。水晶のブレードたちはリリーを中心に回転して幾層もの剣の壁を形成し、超高速旋回して、飛来するレギオスブレイドを叩き落とした。
「ワタクシの攻撃を相殺デスか!」
「意思持つ魔剣ってカッコいいけど……私のブレードの方がカッコいい」
きらり、とリリーの瞳が光る。
「なんせ、旋回する」
「そうか……」
くるっと顔を向けられたスカルは、曖昧な返事をするしかなかった。『旋回する』とドヤ顔で言われるなど、長い人生でも初めての経験だったからね、仕方ないね。
「まあ、ともかく反撃だ。その旋回を奴に叩きつけてやろう」
「いいよ。でもあの魔剣が邪魔してくるよね。射程内に入れるかな……」
「それは、私に任せろ」
にやりと笑ったスカルが、闇の波動を迸らせる。
しかも巨大だ。レギオスブレイドを恐怖させたそれに十倍するほどの、暗黒の波動が、空間を伝播して一帯を覆い尽くした。
「! レギオスブレイドが……!」
ジェスターが、狼狽する。
その場に射出していたレギオスブレイドのすべてが、力なく落下して動かなくなったからだ。魔剣は逸れるどころか、あまりの恐怖に石のように固まってしまっていた。
「さあ行け。リリー君」
「了解。ズタズタに斬っちゃおう」
「オロロロロロ!?」
旋回する水晶ブレードをまとって、飛びこむリリー。そのブレードを打ち返す魔剣もないジェスターは、旋回する刃に幾度も体を切り刻まれ、鮮血を噴き上げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘスティア・イクテュス
【氷天】
道化師なのに収集癖?何が目的か分からないけど…倒しといた方が良いわよね?
シャオ、行きなさい!ここの物品SkyFish団が頂くわ!
シャオにタロスによるバリア【オーラ防御】を重ねて先制攻撃の盾&
ミスティルテインで【援護射撃】で魔剣を撃ち砕き数を減らす
わたしの雑技も中々でしょ?
ホログラムでシャオを作り本体が動く方向と逆に移動させ敵を惑わせる【残像】
ミスディレクション、マジックの基本よ
シャオがUCを発動させたら
ミスティルテインでブラスターモード!【力溜め】
マイクロミサイルもおまけよ【一斉発射】
頑張って避けなさいシャオ!
あら?生きてたのね
煽って味方への攻撃を必要分タロスでバリア【オーラ防御】
シャオ・フィルナート
【氷天】
…俺…Sky Fish団じゃない……
過去の経験で身に付けた【激痛耐性】と
★氷の翼で身を包むことによる防衛
翼の隙間から★氷麗ノ剣で放出する水の【属性攻撃】での攻撃相殺狙いで盾役
俺の翼は…周囲に水分があれば、何度でも再生出来る…
防ぎきれない分は無視
…まぁ…足手纏いよりは、いいんじゃない…
【暗殺】技術を活かした素早さと
★死星眼の【催眠術、生命力吸収】で敵の機動力低下+自己回復を狙い【早業】の斬撃
俺が操るのは…水だけじゃない…
翼から氷の弾丸を【一斉発射】し攻撃+凍結で隙を作り【指定UC】
武器を対の★罪咎の剣にすれば、各武器の攻撃回数が9倍…
寿命はどうでもいい…
ヘスティアさんのUCは、跳躍回避…
「道化師なのに収集癖? 何が目的か分からないけど……倒しといた方が良いわよね?」
「さすがに……そうなんじゃない……」
区域内に転移してくるなり辺りを見回したヘスティア・イクテュスに、揃ってやってきたシャオ・フィルナートが無表情のまま答える。
特に玩具に興味はない、と暗に伝えたつもりだった。
だがヘスティアは何やら思案してから頷くと、景気よく言い放った。
「シャオ、行きなさい! ここの物品『Sky Fish団』が頂くわ!」
「……俺……『Sky Fish団』じゃない……」
「なら今から『Sky Fish団』に一時雇用よ!!」
「…………」
何だか苦労する気がする、とヘスティアに聞こえぬため息をつくシャオ。
すると幸先よく、いや悪く、直前の連続斬撃によろめいていたジェスターが持ち直した。
「おやおや強奪犯デスか? それは捨て置けマセンねぇ!」
からからと笑いだすジェスターが、ユーベルコードの力を強める。恐怖に屈していた魔剣たちが自由意志を取り戻し、床から跳ねあがってヘスティアとシャオに襲いかかった。
「来たわよ、シャオ!」
「……ん、じゃあ俺の後ろにいて……」
ヘスティアを守るように前に出たシャオが、空気中の水分を掌握。己の前に氷の翼を形作り、盾として構える。そこにさらにヘスティアの防御機構『タロス』がはまりこみ、オーラの防壁を重ねた。
「オロロロ! 受け止めるとは潔いデスねぇ!」
「シャオ、踏ん張りなさいね!」
「……わかってる……」
殺到する魔剣の群れ。氷の防壁が削られ、抉られ、強烈な衝撃がシャオを襲う。
だが、シャオもヘスティアも斬られはしない。氷の翼は折られ削られるたびに周囲の水分から再生し、盾として生き続けたからだ。
むしろ、撃ちだされる魔剣のほうが数を減らしていた。
シャオの背後から、ヘスティアがビームライフル『ミスティルテイン』の射撃で魔剣を打ち落としているのだ。
「わたしの雑技も中々でしょ? シャオ」
「……まぁ……足手纏いよりは、いいんじゃない……」
「じゃ、反撃ね!」
ヘスティアに背を叩かれたシャオが、氷の翼を解除して横に走る。防御を放棄して動き出すからには何かある、と踏んでジェスターはそちらへ魔剣の群れを差し向けるが――。
飛んでいった剣は、走ってゆくシャオをすり抜けた。
「オロロロ!? これまたイッタイ!?」
「ミスディレクション、マジックの基本よ」
勝ち誇ったように笑うヘスティア。
ジェスターが攻撃したシャオは、ヘスティアが作り出したホログラムの偽者だった。精巧なデコイは見事に、道化師の眼を欺いたのだ。
そして当然、囮があったということは――。
「……背中、がら空き……」
「ワタクシの背後に……!」
シャオは、ジェスターの間近まで接近していた。謀るために解除していた氷の翼を再形成して、その翼から大量の氷の弾丸を撃ちまくる。
ジェスターの体が抉られ、冷気で四肢が凍る。
「俺が操るのは……水だけじゃない……」
敵の動きを封じたところで、シャオの右眼が黄金の輝きを放つ。命と引き換えの尋常ならざる力を獲得して、シャオは一対の銀ナイフ『罪咎の剣』を抜く。
「一瞬で終わらせる……」
懐に潜りこんだシャオが、超速の斬撃を繰り出した。二本のナイフはジェスターの服を斬り、肌を裂き、肉を分かつ。
強烈な連撃に、ジェスターの体がよたよたと後ずさる。
同時に、ヘスティアの声が響いた。
「頑張って避けなさいシャオ!」
声に振り向いたシャオが見たものは、その砲口に煌々とエネルギーを充填させたミスティルテイン。シャオが何を言う暇もなく砲口は閃き、凄まじい熱量が無数のマイクロミサイルとともに発射された。
「オロロロロロロロロロロ!!?」
ごうっ、と。
ビームの砲撃がその熱で床を溶かしながら、ジェスターを飲みこんだ。
さらにミサイル群が着弾。ジェスターの体もろとも、一帯は爆炎に包まれた。
ミスティルテインの砲口を下ろすヘスティア。
そこに、空中からぴょーんとシャオが降り立った。
「あら? 生きてたのね」
「……ジャンプ、間に合った……」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フェルト・ユメノアール
何のつもりか知らないけど、沢山の人を傷付けておいて
このまま逃げられるなんて思っていないよね!
キミは必ずここで倒す!
とは言ったけど、まずは相手の攻撃を何とかしないとね
相手が玩具を持ち帰るつもりならそれを壊すのは躊躇するかも……
相手の放つ剣を『トリックスター』で切り払い、致命傷を避けながら後方に跳躍
おもちゃ箱の影に隠れるように移動し、『ワンダースモーク』を使用
周囲を煙で満たし、敵の視覚を奪って攻撃の精度を落とす
さらに、ボクは手札から【SPアクロバット】を召喚!
たとえ視覚が使えなくてもこの子なら超音波を使って相手の動きを見る事ができる!
手札を全て捨て、速度を増した一撃でジェスターの頭部を狙い撃つよ!
「オロロロ……見積もりが甘かったデスねぇ。猟兵がこれほど面倒クサイ相手とは……」
爆炎が消えたあとの黒煙から、ジェスターはその体を現した。
体の各所を黒く焦がしながらも、道化師は未だ倒れない。だがダメージは深いはず。
であれば、押すまで。
フェルト・ユメノアールは、その手に何本もの投擲用ダガー『トリックスター』を握りながら、ジェスターの前に現れた。
「何のつもりか知らないけど、沢山の人を傷付けておいてこのまま逃げられるなんて思っていないよね! キミは必ずここで倒す!」
フェルトは道化師だ。
人を笑わせ、夢を与える――そんなエンターティナーを志す道化師。
だからこそ、人を恐怖させる殺戮道化師など、許しておけるわけがなかった。
「まだ新手が現れマスか。ワタクシも大人気で困りマスねぇ」
迫るフェルトを迎撃するべく、レギオスブレイドを放つジェスター。
対して、フェルトは握りこんでいたトリックスターを投げる。巧みな投擲技術でいくつかの魔剣を斬り払ってから、残りの魔剣を避けるべく大きく後ろへ跳躍した。
そうして、おもちゃ箱の裏にくるりと回りこむ。さらに着色煙『ワンダースモーク』を使って、辺りをピンク色の煙で覆い尽くしてゆく。
「オロロロ……また煙デスか……」
警戒するジェスター。どこから攻撃がきても反応できるよう、最大限に集中を高める。
――だが、フェルトの攻撃は意外なところから、やってきた。
「ジェスター、覚悟!」
「オロロロロ!?」
フェルトの声に反応して左を向いたジェスターだったが、その最中に頭部を何かが貫いた。
突き刺さったのは、色鮮やかな蝙蝠。
それはフェルトのユーベルコードが召喚した蝙蝠だった。その鮮烈な体をピンクの煙に紛れさせて、利かぬ視界の中でジェスターを超音波で探索。そして頭部を見事に狙い撃っていたのだった。
「う、上からくるトハ……」
「人を驚かすのが道化師さ。覚えておくといいよ」
大成功
🔵🔵🔵
リヴェンティア・モーヴェマーレ
ジェスターさん…なんだか私と喋り方が少し似ている気がするのデス…(真顔)
貴方が赤なら私は青!
さぁ、いざいざ勝負な気持ち!
UCでスピードと反応速度が爆発的に増大させ魔剣を交わしつつ、へし折って行きましょう
意志が無くなるくらい粉々にしてさしあげたいですガ…流石に時間がなさそうなのデ、動けない程度に折るのを目標にしていきマス
(若干ぶっ壊れるので、喋ってもローマ入力の状態でかな打ちになるのでほぼ何を言ってるのかわからない)
その際周りに気を遣うことが出来れば、一般人の方や周りの方に被害が及ばないように行動
無理そうならバーサーカー状態で
「ぬb@¥dw@r(ミナゴロシデス)」
「ジェスターさん……なんだか私と喋り方が少し似ている気がするのデス……」
キャラ被りの危機なのではないだろうか。
――なんて思ったのも一瞬で、リヴェンティア・モーヴェマーレは雑念をふるふると振り払うと、ジェスターに向かって飛び出した。
「貴方が赤なら私は青! さぁ、いざいざ勝負な気持ち!」
「ふむ、タシカにワタクシは赤くてアナタは青ですね……しかしどうデス? せっかくなのでアナタも赤くナッテみては?」
さも名案、とでも言いたげにレギオスブレイドを投射するジェスター。
無数の魔剣が、前方から逃げ場なく迫ってくる。
とてもじゃないが、捌ききれない――すぐにそう思ったリヴェンティアは自身の体を弄って秘密のスイッチを押した。その瞬間、彼女の懐に入りこんでいた小動物たちが慌てて外に飛び降りる。
彼らは知っているのだ。
スイッチを押したが最後、『ノヴァフォーム』になったリヴェンティアは手が付けられないということを。
「6せw@r、」
熱暴走したかのように言語回路さえ狂わせて、リヴェンティアが増速する。
その速力たるや、常人の眼に留まるものではなかった。スピードの余り蹴りつけた床が無惨に陥没するほどで、魔剣たちは彼女にその刀身を彼女にへし折られるまで近づかれたことにさえ気づけない。
「魔剣をイトモ簡単に!」
「ぬb@¥dw@r」
砕けた刀身が宙に煌めく――が、驚く暇もなくジェスターの懐に迫るリヴェンティア。
道化師が咄嗟に細剣を抜こうとした腕を殴りつけて破壊。さらにその痛みに呻く時間さえ与えず鉄拳を顔面にお見舞いする。
「ワ、ワタクシが手も脚モ……!?」
「b;f6j:w@r」
リヴェンティアの飛び蹴り一閃。ジェスターは彼方に吹き飛ばされ、積まれていた玩具が爆発したように舞い上がった。
大成功
🔵🔵🔵
カネリ・カルティエ
おやおや、どこを見ても玩具だらけとは。
ワクワクしてしまいますね、まるでサンタクロースの秘密基地のようだ。
居るのはサンタではなく、赤い道化師ですが。
ああ、でも。私はサンタより巷で噂の君に興味がありまして。クリスマスプレゼントは君でいいですよ。悪いピエロは箱の中にいるものでしょう?私と一緒に遊びましょう?
ジェスター君の友人に対しては【UDC召喚】で盾のUDCを召喚。【武器受け】その硬さで剣先を叩き折ります。
※召喚はランダムなので失敗した場合は内容お任せします
私自身は【呪詛】を込めた地縛鎖の【串刺し・傷口をえぐる】でジェスター君を攻撃します。また、【催眠術】で自身の位置を相手に誤認させ攻撃を避けます
まるで見知らぬ路地裏に迷いこんだように。
ローブを羽織った雑面男――カネリ・カルティエはふらふらと、床に散らばった玩具の間を歩いていた。
「おやおや、どこを見ても玩具だらけとは。ワクワクしてしまいますね、まるでサンタクロースの秘密基地のようだ」
居るのはサンタではなく、赤い道化師ですが――。
そう呟いて、カネリは足を止める。
彼の行こうとしていたすぐ先に、体に乗った玩具を払って立ち上がるジェスターがいた。よろよろと体が重そうなのは、もう体が限界にきている証左だろう。
「オロロ……道化師では不満トデモ?」
負傷が重いというのに、ジェスターは飄然とした態度をやめない。
カネリは胸の前で二度三度、と手を振った。
「ああ、でも。私はサンタより巷で噂の君に興味がありまして。クリスマスプレゼントは君でいいですよ。悪いピエロは箱の中にいるものでしょう? 私と一緒に遊びましょう?」
「オロロロ……いいデスねぇ。ではアナタに踊ってもらいマショウか!」
体じゅうの傷口から血を噴きながら、ジェスターがユーベルコードを発動する。
何度目とも知れぬ、魔剣の射出。
意志を持つ魔剣たちはジェスターにもはや余力がないことを知っているのか、獰猛な蛇のように荒れ狂って、カネリに殺到した。
――しかし、切っ先は弾かれて止まる。
カネリと魔剣たちの間に、巨大な盾が生じていた。
「おや、あなたが来てくれましたか。これは幸い」
強固な盾の面で剣先を叩き折りながら、カネリが盾に――盾のUDCに礼を言う。ランダムにUDCを召喚するカネリのユーベルコードが、今回は上手く働いたらしい。むしろつまらないぐらいだ。
ジェスターは、どすっ、と膝をついた。
「オロロロロ……ワタクシの命運、これまでのようデスねぇ」
「そのようで。ですがまぁ、それほど気落ちすることでもないのでしょう? ジェスター君」
「エエ、それはマァ。こういうこともアリマスからねぇ」
「では、気兼ねなく」
ぽりぽりと顔をかくジェスターへ、呪詛をこめた地縛鎖を放つ。鋭き先端がジェスターの胸を貫き、食いこんだ返しが傷口から絶命の呪詛を送りこむ。
そして鎖を引き抜いたとき、殺戮道化師は静かに、倒れたのだった。
大成功
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