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アースクライシス2019⑬~起動せよコトダマブラスター

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ラグランジュポイント

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「アースクライシス2019への参戦に感謝します。リムは現在の戦況を報告します」
 グリモアベースに集った猟兵たちの前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「ビームハイウェイでの巨大オブリビオンとの空中戦に勝利した結果、宇宙文明『ラグランジュポイント』への侵攻が可能になりました」
 ラグランジュポイントは、幾つもの宇宙船が衝突してできた沢山の「島」の上に築かれた宇宙人の文明だ。非道なる侵略宇宙人が撃退されたことで奴隷から解放されたはずの彼らは今、復活したオブリビオンによって再び支配され、過酷な苦役を課せられている。

「現在のラグランジュポイントは言わばオブリビオンの兵器工場として機能しており、地上侵略用の1人用UFOやクローン装置等がここで作られています」
 そのために全ての「島」の住民は様々な強制労働を強いられており、かつての奴隷時代もかくやという劣悪な状態に置かれている。潜在的な不満こそ溜まっているものの、オブリビオンの圧倒的な力を前に希望を挫かれ、やむなく服従しているのが現状だ。

「今回の作戦はラグランジュポイントの『島』のひとつに乗り込み、支配者であるオブリビオン軍団を撃破することで、住民達を勇気付けるのが目的となります」
 一度は折れた心を立ち直らせ、希望を示すことで住民達が蜂起すれば、その勢いを借りてラグランジュポイントからオブリビオンを一掃することも可能だとリミティアは語る。
 そのための重要なキーアイテムとなるのが、それぞれの「島」に伝わる「謎兵器」だ。

「皆様が向かう『島』では『コトダマニア星人』という宇宙人が強制労働を強いられているのですが、この種族には『コトダマブラスター』という謎の武器が伝わっています」
 見た目はスペースシップワールドの熱線銃(ブラスター)によく似たこの武器は、トリガーを引きながら特定のキーワードを唱えることで様々な攻撃を放つことができるという、島民たちが誇りとする超兵器であった。
「しかしジャスティス・ウォーの混乱の最中に、このブラスターを起動するためのキーワードが失伝してしまい、オブリビオンとの戦いでは使い物にならなかったようです」
 今ではガラクタ同然のコトダマブラスターであるが、今でも島民たちにとっては大事なもの。もし、この謎兵器を使用して猟兵がオブリビオンを撃退する姿を見せられれば、きっと大きな勇気を与えられるだろう。

「とはいえキーワードが分からない限りはコトダマブラスターは使えません」
 果たして、頼みの謎兵器を起動させるアイデアはあるのだろうか。
 リミティアはいつもと変わらず淡々とした口調で、その回答を口にした。
「なので当てずっぽうでそれっぽいキーワードを唱えてみましょう」
 下手な鉄砲数撃ちゃ当たる。なんとなく強い攻撃が出そうな単語とか、格好いいフレーズとかを組み合わせて、猟兵のセンスに物を言わせてキーワードを導き出すのだ。
「『ウルトラギャラクシーブラスター』とか、『アルティメットコズミックシュート』とか。『なんかすごいビーム出ろ!』でもひょっとしたら起動するかもしれません」
 そんな感じで本当に大丈夫なのかと言いたくなるが、それでなんとかなるらしい。
 これもグリモアの予知によるものなので、おそらく間違いはないだろう。

「うまくコトダマブラスターを起動させてオブリビオンを撃破するところを見せられれば、島の住民であるコトダマニア星人も蜂起して戦いに加わってくれるでしょう」
 彼らの戦闘力はほとんど無いが、数が非常に多いため、一斉に蜂起すれば『島』に常駐するオブリビオンだけでは押さえきれなくなる。そうなれば後は猟兵との連携と数の暴力で、敵を一掃することが可能だ。
「この島を支配しているのは、侵略宇宙人『プルトン人』の指導者『スーパープルトン』の量産型クローンです。かつて殺害したヒーローの能力を我がものとしており、量産型と言えども侮れない戦力ではありますが、皆様ならきっと撃破できるでしょう」
 今回の戦いのカギとなるのは、いかにして島の住民たちの心を動かせるかにある。
 そのためにもコトダマニア星人の希望、コトダマブラスターの起動は大きな意味を持つのだ。

「この作戦が成功すれば、ラグランジュポイントをオブリビオンの支配から解放し、宇宙の脅威からヒーローズアースの人々を救うことができます」
 敵の首魁たる『クライング・ジェネシス』の喉元に喰らいつくまで、あと少し。
 この世界に平和をもたらすために、どうか全力で挑んでください――そう言ってリミティアは手のひらにグリモアを浮かべると、ラグランジュポイントに至る道を開く。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回の依頼はラグランジュポイント解放のために『島』を支配するオブリビオンを撃破し、住民を勇気づけるのが目的となります。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を行うと判定が有利になります。

 プレイングボーナス……島に眠る「宇宙人の謎兵器」を使う。

 この島に伝わる謎兵器コトダマブラスターは、キーワードによって攻撃が変化する武器です。
 正しいキーワードが失伝してしまっているため、とにかく何でもいいので唱えてみましょう。
 それで敵を撃破できれば住民が「カッコいい!」と勇気付けられて、オブリビオンとの戦いに加わってくれます。

 この島の住民、コトダマニア星人は銀色の肌をしたヒューマノイド種族です。
 身体能力やメンタルを含めて、地球人とそれほど大きな能力差はありません。
 種族的傾向として"コトダマを感じる"言葉が大好きなようです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『量産型スーパープルトン』

POW   :    「ザ・サンシャイン」
【右腕から放った炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃え盛る】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    「ミス・タイフーン」
【右足から猛烈な突風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    「マジェスティックマン」
対象のユーベルコードを防御すると、それを【背中から自在に伸ばせる武装骨に記憶して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:傘魚

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

トリテレイア・ゼロナイン
………………コトダマニア星人の皆様を開放する為全力を尽くしましょう!
今まで散々武器も戦法も手段も選ばなかった私です
慣れていますとも、ええ!(強弁)

こと‐だま【言霊】  言葉にあると信じられた呪力

世界知識によれば言葉の内容が実現するという意味もあるということ
つまり望む結果を儀式めいた仰々しい内容にして叫べば起動するのでは
起動しなければ銃で殴り掛かるしかありませんが…

御伽噺の伝説の武器の形容を参考に両手で構えて…

その一射、地を割り、空を裂き、城を崩さん
数多の敵を滅し、我らに勝利を齎さん

我が全霊、ここに捧げ放つは禁忌の一撃!

滅 光 招 来 !


…まさか出るとは
そして何故私のエネルギーが尽きて…(バタッ



「ギシャーシャシャシャ! ハタラケ、ドレイタチヨ! ワレワレノタメニ!」

 ラグランジュポイントを構成する、衝突した宇宙船の「島」のひとつ。
 そこでは巨大な工場施設にて、罪なき宇宙人が鞭打たれながら酷使されている。
 復活したかつての支配者――スーパープルトンのクローンの元で、終わらない労働を続けさせられる彼らの目には、深い恐怖と絶望と諦観が宿っていた。

「………………コトダマニア星人の皆様を開放する為全力を尽くしましょう!」
 そんな彼らの姿を見て、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は奮起する。その手には、この島に伝わる謎兵器コトダマブラスターがある。
 これを使って戦えと説明さたときは多少困惑したかもしれないが。失われたキーワードを当てずっぽうで唱えてみろと説明されてさらに当惑したかもしれないが。
「今まで散々武器も戦法も手段も選ばなかった私です。慣れていますとも、ええ!」
 そう強弁しながら、戦場の機械騎士は堂々とした様子で人々の前に姿を現した。

「ンン? ナンダオマエハ、シンニュウシャカ!」
「ばかナヤツメ、ジブンカラシニニキタナ!」
 島に現れた猟兵に気がついた量産型スーパープルトンは、喧しい笑い声を上げながらすぐに迎撃体制を取る。一方で強制労働させられていたコトダマニア星人達は何が起こったか分からない様子だったが、トリテレイアの持つ銃に気付いて声を上げた。
「そ、その銃は……コトダマブラスター!」
「でも、その武器はキーワードがないと……」
 かつてこの島の人々にとって誇りの証であったコトダマブラスター。
 しかし戦火の中でその力を発揮させる言葉は失われ、オブリビオンとの戦いでその銃口が火を噴くことは無かった――今日、この時が来るまでは。

 こと‐だま【言霊】  言葉にあると信じられた呪力

(知識によれば、言霊には言葉の内容が実現するという意味もあるということ。つまり望む結果を儀式めいた仰々しい内容にして叫べば起動するのでは)
 初めて触れる未知の謎兵器の運用法、トリテレイアはあくまで論理的に考察する。
 電子頭脳に蓄えた知識や経験を元に、コトダマという兵器が持つ名の意味を鑑みれば、おとぎ話の伝説の武器の形容を参考するのが最も良いだろうと判断。
(起動しなければ銃で殴り掛かるしかありませんが……)
 いかに【戦場の騎士】と言えどもそれは最後の手段にしたいところです、と半ば祈るような気持ちでコトダマブラスターを両手で構え、導き出したコマンドを唱える。

「その一射、地を割り、空を裂き、城を崩さん
 数多の敵を滅し、我らに勝利を齎さん」

 その瞬間、これまでガラクタのはずだったブラスターが、にわかに光を放つ。
 ナンダ? と首を傾げる侵略者。それは! と眼を見張るコトダマニア星人。
 彼らの前で、その輝きは強く、激しく、大きく、島を照らしはじめる。

「我が全霊、ここに捧げ放つは禁忌の一撃!」

 光の中心にて立つ機械騎士は、叙事詩(サーガ)の一篇を詠うように朗々と。
 眠れる兵器を覚醒めさせし言霊、その一言と共にトリガーを引き絞る。

「滅 光 招 来 !」

 ――解き放たれし閃光は、全てを滅ぼし、無へと還す超パワー。
 その射線上にいたスーパープルトンの一群は、何が起こったのかも分からぬまま、唖然とした顔で光に呑み込まれ、そして跡形もなく消滅していった。

「す、すごい……! すごいコトダマの力を感じます……!」
「あなたは一体何者なんですか!?」
 恐ろしいオブリビオンを一瞬で消し去ったその力に、コトダマニア星人らは驚きながらトリテレイアに詰め寄ってくる。その瞳をキラキラと希望で輝かせながら。

「……まさか出るとは」
 大勢の人々に囲まれながら、トリテレイアは誰にも聞かれぬようぽつりと呟き。
 コトダマブラスターを発射した構えのまま、バタッ、とその場に倒れ込んだ。
「そして何故私のエネルギーが尽きて……」
「わーっ!? 大丈夫ですかっ?!」
 余力がすっからかんになって困惑するトリテレイア。その周りで仰天する人々。
 おそらくは「我が全霊、ここに捧げ放つ」「禁忌の一撃」等のフレーズがブラスターに作用して、射手のエネルギーがブラスターの攻撃力に変換されたようだ。
 猟兵であるトリテレイアの持つ高エネルギーがあればこそ、敵を一瞬で消滅させるほどの圧倒的パワーを引き出すことができたのだろう。

 ――トリテレイアが放った『滅 光 招 来』の閃光は、オブリビオンに支配されたコトダマニア星人の「島」の全域からはっきりと見ることができた。
 これが、この島の人々が侵略者の支配から脱却する、反撃の狼煙となったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
●POW
【コトダマブラスター】
音声認識?それとも魔法とかの詠唱を組み込んでる機構?
ちょっとどうなってるんだろう?
よーし!強そうな言葉いっぱい言ってみるぞー!

【パワーワード】
「ब्रह्‍मास्‍त्र!」
え?なんて言ったって?
えーっと、わかりやすくいうと不滅の矢ってところかな?(ブラフマーストラって言ってます)
よーし!光線をビビビっと撃ったら、紅路夢と合体して、ガンガン制圧射撃と一斉射撃で殲滅しちゃおう!
防御は火炎耐性やオーラ防御、回避は運転と操縦で、機動力で圧倒しよう!

解放できたら、銃の解説欲しいかな?詠唱の組み込み方がわかれば、超機械の開発の幅が出そうだしね!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

え?
なんだよこの光線銃?
あれか?これでなんかカッコいい名前で光線ぶっ放せってか?
……そうだなー。
ちょいと【熱線銃作成】でカッコよさの上乗せしてみるかな。
カブのパーツからコトダマブラスターの強化パーツを作成し、
アタッチメントとして取り付ける。
いっそ「メーザー……クラフト!」とか叫んで作ってみるかねぇ?
でもってスーパーな感じに組み上がったら、
後は必殺技っぽいやつでいいんだよね?

こうなりゃノリノリで行くしかないか。
突風に負けないようにしっかり両足で地面を踏みしめ、
「マキシムメーザー、ファイナルシュートッ!!」
とでも叫んでぶっ放すか。
なんで知ってるか?
兄貴が好きなんだよ。



「え? なんだよこの光線銃? あれか? これでなんかカッコいい名前で光線ぶっ放せってか?」
「音声認識? それとも魔法とかの詠唱を組み込んでる機構? ちょっとどうなってるんだろう?」
 困惑と疑問、そして好奇心がない混ぜになった表情で、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)と国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)は首を傾げる。この島に伝わる謎兵器・コトダマブラスターを手にしながら。
 異世界からやって来た彼女達からしてもまったく原理不明の武器ではあるが、これを起動させれば敵を撃破できるのは確認できた。なら、ともかく試してみればいい。

「よーし! 強そうな言葉いっぱい言ってみるぞー!」
 一挺のブラスターを構えた鈴鹿は、その銃口をまだ驚愕から抜けきっていない量産型スーパープルトンの群れに向けると、トリガーを引きながらキーワードを唱える。
「ब्रह्‍मास्‍त्र!」
「え、今なんて言った?」
 隣で様子を見ていた多喜の困惑をよそに、起動したコトダマブラスターからは矢のような形をしたエネルギー光線が撃ち出され、標的めがけてまっすぐに飛んでいく。
「グヌヌ、アレハマズイゾ!」
 先程の『滅 光 招 来』の威力を見ていたスーパープルトン達は慌てて身を翻したが、光の矢はどこまでも彼らの後を追い、無防備に向けられた背中を撃ち貫いた。

「えーっと、わかりやすくいうと不滅の矢ってところかな?」
 発音にすればブラフマーストラ。インドに伝わるその聖なる武器は、一度放たれれば標的を捉えるまで収まることはなく、どこまでも獲物を追いかけるという。
 ――ここで驚くべきはその威力か、外国どころか異星のワードにも対応しているコトダマブラスターの節操のなさか、果たしてどちらなのかはさて置くとして。
 問題なく使えることが分かったなら、あとはこのまま敵を殲滅するだけだ。

「よーし! ガンガンいくよ!」
 勢いにのった鈴鹿は愛機であるフロヲトバイ「百弐拾伍式・紅路夢」に飛び乗ると、【鋼鉄のヲトメゴコロ】を発動して機体と合体する。
 自らの手で創り上げた超機械とひとつになった彼女は、赤銅色の鎧を纏ったような姿でふわりと宙に浮かぶと、コトダマブラスターから光線をビビビと撃ちまくる。
「グギャーーーーッ!? オノレッ!!」
「ヨクモヤッテクレタナ!」
 降り注ぐ光線の雨に打たれるスーパープルトン達は、右腕からかつて殺害したスーパーヒーロー「ザ・サンシャイン」の炎を放ち、目障りな敵を撃ち落とそうとする。
 しかし人機一体となった鈴鹿は紅路夢の装甲に耐熱処置とオーラの保護を施し、巧みな操縦テクニックで燃え盛る炎の中をかい潜り、敵を翻弄していく。

「……そうだなー。ちょいとカッコよさの上乗せしてみるかな」
 鈴鹿が機動力で敵の注意を引きつけている間に、多喜は愛車である宇宙カブJD-1725の予備パーツから、コトダマブラスターを強化する追加パーツを作り上げていた。
「メーザー……クラフト!」
 格好よく技名を叫びながらシュババババと手を動かせば、その言葉に反応したのかブラスターも光りだす。そうして組み上げたアタッチメントを取り付ければ、まるでアニメや特撮番組のヒーローが持っているようなカッコいい光線銃が出来上がった。

「後は必殺技っぽいやつでいいんだよね? こうなりゃノリノリで行くしかないか」
 スーパーな感じに完成したコトダマブラスターを構えて、技名を考える多喜。
 新たな銃口が向けられているのに気付いた敵は射線から逃れようとするが――。
「マズイ、ニゲルゾ――!!」
「残念、逃げられないよ!」
 紅路夢と合体した鈴鹿が素早く彼らの退路に回り込み、ブラスターの制圧射撃で足止めをする。合わせて自作の双式機関銃「ナアサテイヤ」に「ダスラ」、怪電波光線銃「アムネシヤライザア」からも一斉射撃を行い、絶対に一人も逃さない構えだ。

「クソッ、ジャマダ!!」
 右腕から激しい炎を、右足から猛烈な突風を起こして抵抗するスーパープルトン。
 巻き起こる熱風の中、多喜は吹き飛ばされないようにしっかり両足で地面を踏みしめ、安定した姿勢からブラスターの照準を合わせ――高らかに必殺技の名を叫ぶ。

「マキシムメーザー、ファイナルシュートッ!!」

 強化されたブラスターよりぶっ放されたのは、超巨大なメーザー光線。
 多喜のコトダマの力と【熱線銃作成】技術によって強化されたその閃光は、特撮番組ならその回のクライマックスを飾るのに相応しいド派手な一撃。
 まばゆい輝きに貫かれたスーパープルトンの群れは、全身からバチバチと謎の稲光を発し、ひとしきり悶え苦しむような素振りをしてから、大の字に倒れこみ――。

「コ、コンナバカナコトガ……ウギャーーーーッ!!!!」

 チュドォォォォォォンッ!!!! と、大爆発を起こして、跡形もなく消滅した。
 なぜ、熱光線を浴びただけで敵が爆発するのか。その原理は永遠の謎である。

「今の言葉はすごい威力だったね! どこで知ったの?」
「兄貴が好きなんだよ、こういうの」
 付近の敵殲滅を確認して戻ってきた鈴鹿に、やや気恥ずかしそうに答える多喜。
 そんな彼女たちの元に、酷使されていたコトダマニア星人が集まってくる。
「すごい……コトダマブラスターを、完全に使いこなしてる!」
「今のコトダマの力があれば、僕たちでもあいつらと戦えるかも……?」
 これまでは何をやってもオブリビオン相手に勝ち目はないと諦めていた。
 そこに猟兵達が見せつけた勝機は、希望を彼らに思い出させるのには十分だった。

「ここを解放できたら、銃の解説欲しいかな? 詠唱の組み込み方がわかれば、超機械の開発の幅が出そうだしね!」
「わ、わかりました! お約束します!」
 島を救ってくれた暁にはどんな報酬でも支払うと断言するコトダマニア星人達。
 それを聞いてがぜんやる気アップした鈴鹿は、意気揚々と紅路夢で駆けていく。
「それじゃあ、あたしももう一働きしてみるかな」
 多喜もまた宇宙カブに跨ると、改造コトダマブラスターを片手にエンジンを吹かし、この島の解放のために宇宙船内を疾走する。

「ब्रह्‍मास्‍त्र!」
「ファイナルシュートッ!」

 叫ぶ彼女らのコトダマが、希望となってコトダマニア星人に伝播する。
 それは少しずつ、オブリビオンの支配を揺るがすうねりとなり始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
予知だから信じるけど…
いや、やっぱり信じがたいわね…

う~ん、熱線銃に似てて使い勝手は慣れてるけど…どういう仕組みなのかしらね?

S.F.Oで空へ【空中戦】これに乗ってこれ持ってるとそれっぽいわね…頭に付け物とか銀の服着るべきかしら?

火の玉をアベルで弾道の【情報収集】回避しつつ
コトダマブラスターを向け、
U.F.Oいっぱいありがとうビーム!
………

出たら、これで出るのね…と微妙な表情を
出なかったらプルトン人に直接投げつけて別のコトダマブラスターを拾って
別のキーワードを試しに(おまかせ)

最後はS.F.Oで突撃!ゼロ距離でコトダマ、ブラスタアアアアア!



「予知だから信じるけど……いや、やっぱり信じがたいわね……」
 困惑と疑念の表情を浮かべて、手に入れたコトダマブラスターをくるくると手元で弄びながらそう呟いたのはヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)。
「う~ん、熱線銃に似てて使い勝手は慣れてるけど……どういう仕組みなのかしらね?」
 スペースシップワールドとも異なる未知の文明の産物であるこの謎兵器。
 それが当てずっぽうで起動するとはにわかに信じられない話だったが、仲間達の様子ろ見るにどうやらそれで本当にイケるらしかった。

「こうなったらやるしか無いわね……それじゃあ行くわよ! S.F.O! 突撃ぃ!」
 キャノピー越しに「島」の様子を見回しながら、ヘスティアは一人乗りUFOに乗って宇宙を翔ける。その片手には熱線銃型の謎兵器コトダマブラスターを構えて。
「これに乗ってこれ持ってるとそれっぽいわね……頭に付け物とか銀の服着るべきかしら?」
 レトロなSF映画のような格好をした自分を想像しつつ、目標を捕捉。
 クローニングされた量産型スーパープルトンの群れは、一度は猟兵に追いやられながらも、未だ徹底抗戦の構えを取り続けていた。

「コノシマハ、ワレワレノモノダ!」
「ソノゆーふぉーモ、ワレワレガツクッタモノダゾ!」
 ヘスティアのS.F.Oを見た連中は、怒り狂いながら叫ぶと右腕より炎を放つ。
 確かに彼女が乗っているのはプルトン人から鹵獲したUFO。しかしスペースシップワールドの技術で改造されたそれは、元の機体よりも優れた空中戦性能を発揮する。
『弾道の軌道予測演算、完了しました』
 サポートAI端末「ティンク・アベル」の導きにより攻撃を予測し、飛来する火の玉を驚異的な機動力でくぐり抜ける。その動きを捉えることは誰にもできない。

 敵を機動力で翻弄しながら、ヘスティアは謎兵器の銃口を敵の集団に向けて――。
「U.F.Oいっぱいありがとうビーム!」
 カチッ。と、トリガーを引くとコトダマブラスターは閃光を放ち、円盤型のUFOの形をした光弾がスーパープルトンの群れに向かって飛んでいき、着弾。
「グワーーーーッ?!?!?」
 着弾点から上がる大爆発。なぜビームで爆発が起こるのか、それは分からない。
 敵は悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、宇宙の海の藻屑と化すのであった。

「………これで出るのね……」
 目の前で起こった惨状に、ヘスティアはすごく微妙な表情を浮かべて。
 けれども今の一撃でプルトン人どもは浮き足立ち、戦いを見守っていたコトダマニア星人らは希望に満ちた眼差しでキラキラと彼女の乗るS.F.Oを見上げている。
「……まあ、効果があったなら良いわ」
 混乱をきたした敵陣へと、S.F.Oを駆る少女はすかさず【S.F.O突撃!】を仕掛けた。
 ジグザグと変幻自在の軌道を描きながら目標に肉迫し、ゼロ距離から再びコトダマブラスターを構えて、今度は気合いの籠もった叫びとともにトリガーを引く。

「コトダマ、ブラスタアアアアア!」

 ――シンプルなそのシャウトにも、やはりと言うべきかブラスターは反応して。
 発射された高出力の熱線が、眩い光の奔流となって敵集団を呑み込んでいく。
「ギャーーーッ?!!?!?!」
 己が操る炎よりも遥かに熱い光線を浴びて、一瞬で蒸発するスーパープルトン。
 その光景を見たコトダマニア星人達は、歓声を上げてヘスティアを讃えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィーナ・ステラガーデン
変わった銃ね!言葉に反応するのよね?
こういうのの使い方は私はさっぱりだけれど気合いでどうにかなりそうね!

で!まずはこいつらね!
とりあえず何か手がぼーぼー燃えてるし
【火炎耐性】を用意して
【ダッシュ】で間をとりながら
【属性攻撃】で火球を飛ばして牽制しつつ
一気にUCで爆破させるわ!
動きがそれで鈍ったらコトダマブラスターを突きつけるわ!

問題はとどめだけれど
うーん。私気の利いた言葉とか思いつかないわ!
そうね!とりあえず魔力をふんだんに込めて
「打ち抜けえええええええ!!!!」

(アレンジアドリブ大歓迎!)



「変わった銃ね! 言葉に反応するのよね?」
 興味深そうにコトダマブラスターを手にしたフィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)は、仲間達がそれを扱う様子を眺めてふむふむ、と頷き。
「こういうのの使い方は私はさっぱりだけれど気合いでどうにかなりそうね!」
 そう結論付ける。そしてどうやらその認識は間違ってはいない。
 設計者の意図は不明だが、この銃は気合いの入ったコトダマにはたいてい反応するようだ。

「で! まずはこいつらね!」
 片手にブラスターを、もう一方の手に魔法の杖というスタイルで、フィーナは押し寄せてくる量産型スーパープルトンの群れを見やる。
 敵も地球侵略のための重要な生産拠点であるこの島をみすみす明け渡すつもりは無いようで、何度倒されてもクローンの物量にものを言わせて反撃してくる。
「ギシャシャシャシャ! ヤキツクシテヤル!!」
 燃える右腕より放たれしはヒーロー「ザ・サンシャイン」から奪われた炎。
 戦いすらも他人から略奪した力任せというのは、侵略宇宙人のトップらしい能力と言えるだろう。

「何か手がぼーぼー燃えてるし、火炎耐性を用意しておいて良かったわ!」
 防御用の魔法陣や文字が刺繍された「夜色の外套」を翻し、飛来する炎から距離を取るようにダッシュで飛び退くフィーナ。熱のダメージを緩和しつつ、炎には炎で対抗とばかりに、紅い宝石を取り付けた杖を振って火球で牽制する。
「えいっ! えいっ!」
 紅々と燃え盛る火の玉が、ばら撒かれるように敵陣へと降り注ぐ。
 その一つ一つが、ダンピールの魔力をいっぱいに詰め込まれた、言わば爆弾。
 牽制とみた敵が油断したところで、フィーナは【圧縮セシ焔ノ解放】を宣言する。

「消し飛べえええええええええ!!」

 ドゴォォォォォォォォォンッ!!!!! と、轟音と共に起こる大爆発。
 鮮やかな真紅の炎が火柱となって戦場を、そしてスーパープルトンを焼き焦がす。
 極めて単純かつ大火力なその一撃は、敵陣を蹂躙するのに十分な破壊力であった。

「グギャァァァァァァッ!?!?」
 スーパープルトン達は悲鳴を上げながら、炎の中よりほうほうの体で脱出する。
 全身大火傷で動きの鈍った彼らへと、すかさずブラスターを突き付けるフィーナ。
「問題はとどめだけれど、うーん。私気の利いた言葉とか思いつかないわ!」
 なにかコトダマのありそうなカッコいいことを言えれば威力も上がるのだろうが。
 とくに考えつかなかった彼女は、とりあえず魔力をふんだんに込めることにする。たった今、島の地形が変わるほどの威力を見せた爆発よりも、さらに多くの魔力を。

「ヨ、ヨセ、ヤメロッ?!」
 ブラスターの銃身にすさまじい量のエネルギーがチャージされていくのを感じ取り、慌ててスーパープルトン達は叫ぶ。だが、それでフィーナが止めるはずもない。
 これでもかとばかりに魔力を圧縮させた彼女は、自らの感情と共にそれを起爆させるよう、気合いの籠もったシャウトを発しながらトリガーを引く。

「打ち抜けえええええええ!!!!」

 ズドォォォォォォォォォォォンッ!!!! と、発射されたのは巨大なビーム。
 フィーナの魔力を象徴するかのように赫々と輝くその閃光は、射線上にあるすべてを融解させる圧倒的な熱量を以って、侵略者の集団を撃ち抜いた。
「―――――!!!!!」
 悲鳴を上げる暇さえもなく、瞬時に蒸発するスーパープルトン。
 塵ひとつ残さないその圧倒的な威力は、謎兵器とフィーナの力がシンクロして生み出された結果であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
なんかかっこいい事を言えばコトダマブラスターとやらからなんか出るからそれで敵を倒すと。

まずは謎兵器をゲットして現場に急行、キーワードを唱えながら攻撃開始と。

へいへいスーパープルトンとやら。スーパーにブルっとんのだ!
サンシャインもきみが使うとヒサンじゃないん?
きみのはミスタイフーンというよりミスでタイヘーンといったところなのだ!
マジェスティックマンもきみの場合はマゾいビックリマンの方が正しいのだ!

そして相手が笑い死にか呆れ死にかズッコケ頭打って死にか、死ななくとも動き止まった所でコトダマブラスターからなんか出て攻撃……

できるの?
なんでもいいから出ろ!

これが言霊の力なのだ!たぶん絶対そうなのだ!



「なんかかっこいい事を言えばコトダマブラスターとやらからなんか出るからそれで敵を倒すと」
 ゲットした謎兵器を片手に、戦場に急行する大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。
 すでに爆音とかシャウトとか色々聞こえてくる様子からして、他の猟兵も派手にこのブラスターを起動させているらしい。ならば自分も遅れを取る訳にはいくまい。

「へいへいスーパープルトンとやら。スーパーにブルっとんのだ!」
 敵を見つけるなり開口一番、麗刃が放ったのはギャグという名の口撃。
 燃える右腕から「ザ・サンシャイン」の炎を放とうとしていた量産型スーパープルトン達は、突然自分の名前をギャグにされ、怒るというより困惑する。
「ナンダ、キサマハ……?」
「サンシャインもきみが使うとヒサンじゃないん?」
 畳み掛けるように麗刃はギャグを飛ばし続け、へらりと締まりない笑みを見せる。
 スーパープルトンがヒーロー達から奪い取った力が宿る部位を順番に示しながら。
「きみのはミスタイフーンというよりミスでタイヘーンといったところなのだ! マジェスティックマンもきみの場合はマゾいビックリマンの方が正しいのだ!」
 いったい戦場でなにを言っているのかと、真面目にやれと誰もが思う。
 だが、彼にはこれが大真面目。【ネタキャラとしての矜持】を籠めた真剣勝負。
 変態武人の口撃は敵を傷つけず、戦場のシリアスな空気そのものを破壊するのだ。

「バカニシテイルノカ……?」
 あまり笑えないギャグを連呼する麗刃に、敵も呆れてぽかんと立ち尽くす。
 彼の言葉を聞いていると、つい真面目に戦おうという気力が削がれてしまう。
 ここは紛れもなく戦場で、そうした気の緩みや油断は致命傷になり得るのに。

 ズビーーーーーーーームッ!!!!!

 突然。いやまったく唐突に麗刃の持っていたコトダマブラスターが火を噴いた。
 その照準はちゃっかり目標に合わせられており、完全に油断しきっていた敵は避ける暇もなく、どことなく気の抜けた色をしたビームに撃ち抜かれていく。
「グワーーーーッ?!」
「ナゼダァァァッ!?」
 まったく思ってもみなかった不意打ちに、量産型スーパープルトンは理不尽の叫びを上げながら宇宙空間に吹っ飛ばされ、キラーンと星になって二度と戻らなかった。

「よし上手くいった!」
 星になった敵を見届けながら、グッとガッツポーズを決めるのは麗刃。
 実はギャグを連発している最中も、彼のブラスターのトリガーは引きっぱなしだった。あれは敵の動きを止める作戦だけでなく、ブラスターのキーワードだったのだ。
 もちろんコレで本当にコトダマブラスターからなんか出る保証は無かったので、本人も内心では(できるの? なんでもいいから出ろ!)と念じていたようだが。

「これが言霊の力なのだ! たぶん絶対そうなのだ!」
 結果よければすべて良し。とにかく勝つことは出来たのだからそれが正しいのだ。
 ――その戦いの様子を見ていたコトダマニア星人は、ちょっと困惑していたが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【SPD】
コトダマ…言葉には力が宿るという考え方でしたか?
なるほど、不思議なものです。
どんな言葉が適しているのかは判りませんが、試す価値はありそうですね。

愛機たる機械鎧を駆って参戦。
するが、今回は【サモン・ブラックバード】、降機すると同時に機体を自律稼働状態に移行。
愛機はスラスターを駆使して飛び回りつつ射撃戦を展開、敵の牽制を行う。
一方で自身はコトダマブラスターを構え、敵を狙いながら色々試す。

ええと…。

狙い撃つッ!
貫けッ!
薙ぎ払えッ!

ううん…。

…念動力、最大。照準補正…目標補足。
出力最大…ッ! コトダマブラスター、発射ッ!

(上手くいけばどや顔、失敗であれば残念がる)

※他の方との共闘等、歓迎です



「コトダマ……言葉には力が宿るという考え方でしたか? なるほど、不思議なものです」
 様々なキーワードに応じた力を発揮するコトダマブラスターを、ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)は興味深いと判断しながら思案げに弄ぶ。
「どんな言葉が適しているのかは判りませんが、試す価値はありそうですね」
 愛機たる機械鎧「ブラックバード」を駆る彼は、スラスターからプラズマを放出し、まるで流星のような尾を引きながら戦場に舞い降りた。

「グヌヌヌヌ、マタデタナ!!」
 新たな猟兵の襲来に、すでに劣勢のスーパープルトン達は歯噛みしながら叫ぶ。
 これ以上好き放題されては、力で押さえつけていたコトダマニア星人が大規模な蜂起を起こしかねない。芽生えかけた奴隷達の希望を摘み取らんと敵も必死であった。
(よし――行くぞッ)
 対するミストは機械鎧のコックピットから飛び降りるのと同時に【サモン・ブラックバード】を起動して、愛機のコントロールを自律機動状態に移行する。
 無人となった「ブラックバード」は携行するビームアサルトライフルを構えると、地上の目標に狙いを定め、中距離からの射撃戦を展開しはじめた。

「トベルカラッテ、イイキニナルナヨ!」
「ウチオトシテヤルッ!!!」
 降り注ぐビームの弾幕を受けながら、スーパープルトンは右足から突風を放つ。
 「ミス・タイフーン」から奪い取られたその力は、高い攻撃範囲と威力を誇る。
 しかしブラックバードに搭載された高出力プラズマスラスターは、小型ながらも高い機動性をこの機械鎧に与えており、巻き起こる暴風圏から瞬時に離脱する。
「コノッ、チョコマカトッ」
 スラスターを駆使して飛び回るブラックバードを撃ち落とさんと、躍起になって突風を放ちまくるスーパープルトン達。彼らの注意は完全に頭上へと向けられており――降機したミストが地上から自分達を狙っていることに気付いてすらいなかった。

「ええと……」
 ブラックバードが囮となって敵を牽制している隙に、ブラスターを構えるミスト。
 しかしいざとなると、コレを起動させるためのキーワードがなかなか浮かばない。

「狙い撃つッ!」

「貫けッ!」

「薙ぎ払えッ!」

 ――いろいろ叫びながらトリガーを引いてみるものの、反応はなし。
 キーワードが良くないのか、それともコトダマの力が足りないのか。
「ううん……」
 ブラックバードが敵を引きつけていられる猶予にも限界がある。
 ミストは思考をフル回転させると、サイキッカーとしての力も解放し、もう一度慎重にコトダマブラスターの狙いを定めていく。

「……念動力、最大。照準補正……目標補足」

 ほとばしるサイキックエナジーと共に、手の中のブラスターがチカッと光る。
 いける。そう確信した少年は気合を込めてありったけの力を放出し――。

「出力最大…ッ! コトダマブラスター、発射ッ!」

 コトダマの籠もった叫びとともにトリガーを引けば、ついに謎兵器は起動する。
 放たれたのはサイキックの力を収束させた漆黒の閃光。それは黒い鳥の姿を取って宇宙を翔け、群れをなすスーパープルトンの中央へ狙い過たずに直撃した。

「ナニ……ッ?! ギェェェェェェェッ!?!?!」
 上空のブラックバードにばかり気を取られていた敵は、回避も間に合わない。
 黒い鳥の羽ばたきが、断末魔を上げるスーパープルトンの命を消し去っていく。
 射線上にいた敵は一瞬のうちに全滅し、その後にはただ静寂だけが残っていた。

「すごい……これがコトダマブラスターの本当の力!」
「これなら、僕たちも戦える! あいつらに勝てる!」
「いくぞみんな! 俺たちの島を取り戻すんだ!」

 猟兵の手ですさまじい戦果を発揮するコトダマブラスターの力を目の当たりにしたコトダマニア星人は、一人また一人と自らのブラスターを手に決起する。
 その行動はやがて大きなうねりとなって、島中を巻き込んだ大規模な叛乱となる。
 オブリビオンが最も恐れた――そして猟兵が望んだ事態が起こり始めていた。

「…………」
 人々が立ち上がる希望のトリガーを引いたミストは、無言のまま口元を緩める。
 その表情は、実に満足そうなドヤ顔であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雛菊・璃奈
コトダマブラスター…なんでも良いのかな…?…呪殺絶殺光線…

「ご主人!」
「とっても!」
「物騒!」

なんか出たし良いんじゃないかな…。
とりあえず、ラン達と全コトダマブラスター片手に参加…。
周囲に【狐九屠雛】を展開し、敵の不意打ちや咄嗟の迎撃に使用…。
【狐九屠雛】で敵の動きを止め、コトダマブラスターで仕留めたりとかしつつ、住民の人達を解放していくよ…。
個人的に平和の為に戦ったヒーロー達の力を利用するこの敵のクローン達も許せないし…容赦なく殲滅させて貰うよ…。

「メイドビーム!」
「メイドブラスター!」
「ご主人ビーム!」

え、何それ…何が出るの…



「コトダマブラスター……なんでも良いのかな……?」
 住民の叛旗を翻した島で、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は手にしたブラスターをしげしげと見つめ。試しに思いついたキーワードと共にトリガーを引いてみる。
「……呪殺絶殺光線……」
「グゲェェェェェッ!?!?」
 撃ち出された漆黒のビームが、たまたま射線にいたスーパープルトンに命中する。
 地獄に満ちる怨念を一点に収束したような凄まじい呪詛をその身に浴びた彼は、血反吐を吐いて悶え苦しみながら、恐怖に歪んだ表情で絶命した。

「ご主人!」
「とっても!」
「物騒!」
「なんか出たし良いんじゃないかな……」
 ついて来た3人のメイド人形、ラン、リン、レンのツッコミを受けながらも、璃奈は片手にブラスターを構え、周囲に九尾炎・最終地獄【狐九屠雛】を展開。
 魂をも凍てつかせる絶対零度の霊火を伴い、人々を解放するため戦線に突入する。

「個人的に、平和の為に戦ったヒーロー達の力を利用する、この敵のクローン達も許せないし……容赦なく殲滅させて貰うよ……」
 淡々と静かに、しかし氷のような冷たい怒りを込めて放たれる【狐九屠雛】。
 それは量産型スーパープルトンを骨の髄まで凍えさせ、肉体を凍結させていく。
「ツ、ツメタイ……!」
「ナンダコノホノオハ……ギェェェェェェェッ?!」
 身動きの取れなくなった標的達に、容赦なく撃ち込まれる「呪殺絶殺光線」。
 これまでの悪逆無道の報いとばかりに、呪詛のビームが最大級の苦しみと共に彼らの命を闇に葬り去る。

「もう大丈夫だよ……」
「あ、ありがとうございます!」
「なんと感謝すればいいやら……!」
 敵の一群を仕留めた璃奈は、酷使されていた人々を労働施設から解放していく。
 長い強制労働から救われたコトダマニア星人は、口々に喜びと感謝の言葉を述べながら、自らもコトダマブラスターを手にしてオブリビオンに立ち向かう。
 こうして叛乱の輪は広がっていき、もはや島に常駐する量産型スーパープルトンだけでは、とても押さえきれないほどの規模にまで達しつつあった。

「クソッ! コノママジャマズイ……!」
「イェーガーダ! ヤツラヲコロセバ、ドレイタチモオトナシクナル!」
 住民の叛乱を鎮めるため、希望の火付け役となった猟兵に襲い掛かる量産型。
 振りかざされる炎の拳や、背中から伸びる武装骨による猛攻を、璃奈は周囲に浮かべた【狐九屠雛】ですべて迎撃する。
「その力はヒーロー達のもの……あなた達が振るっていいものじゃない……」
「ヒェ……!?」
 地獄の炎に攻撃を防がれ、氷の帳に捕らわれていくスーパープルトン。
 その表情は支配者としてのものではなく、恐怖に歪んだ悪党のそれであった。

「ご主人の!」
「お手伝い!」
「がんばる!」
 璃奈が敵を殲滅する一方でメイド達もまた、各々ブラスターを手に奮戦している。
 ピンチになった住民を助け、救助や避難を促しつつ、迫りくる敵には自らのコトダマを込めたキーワードを力いっぱい叫びながら撃ちまくる。

「メイドビーム!」
「メイドブラスター!」
「ご主人ビーム!」

「え、何それ……何が出るの……」
 困惑する璃奈をよそに放たれたビームは、光でできたメイドの似姿や、無数の刀剣やキツネの形を取って、量産型スーパープルトンに襲い掛かる。
 見た目はなんであれその威力は確からしく、光輝くメイドを筆頭としたあれやこれやに呑み込まれた敵は、断末魔を上げながら倒れ伏して動かなくなった。

 ――かくして叛乱の勢いは野に放たれた火のごとく広がり続け。
 魔剣の巫女とメイド達は、人々を助けながら戦線をさらに押し上げていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
コトダマブラスターね…暑苦しく叫ぶのは優雅ではないけど、たまにはそういうのも面白いかしらね♪

雪花を伴って参加するわ。
敵の攻撃を【念動力】の障壁で防ぎつつ、【サイコキネシス】と【念動力】で周囲の敵を拘束。
コトダマブラスターで片づけて行くわ。
真っ赤に染まりなさい…ブラッドレイン!なんてね♪

「おねぇさま、結構ノリノリなのー」(敵の炎を吹雪で掻き消したり凍結させたりして支援しながら)

良いじゃない、雪花もやってみなさいな♪

「おねぇさまの敵はみんなやっつけるのー。凍結魔弾」(自分のコトダマブラスターを敵に向けつつ)

眷属の子によってもやっぱり変わるのかしら。こういう武器ってやっぱり面白いわね~♪



「コトダマブラスターね……暑苦しく叫ぶのは優雅ではないけど、たまにはそういうのも面白いかしらね♪」
 住民の叛乱によって激化する戦線に、眷属である雪女見習いの「雪花」を伴って参加したのはフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)。
 いかにもSFチックな熱線銃を武器に叫ぶというのは、普段の彼女の戦いのスタイルとは違うが、本人にそれを忌避したふうはなく、むしろ少し楽しげであった。

「クソッ! キサマラ、ゼンブヤキツクシテヤル!」
 収まらない叛乱と猟兵達の猛攻に、苛立ちを隠そうともしないスーパープルトン。
 ヒーローの力を略奪したその右腕は赤々と燃え盛り、紅蓮の炎を撒き散らす。
 フレミアは自身や雪花にその累が及ばないよう念動力の障壁を張り、炎を防ぎながら【サイコキネシス】を発動した。
「ちょっと大人しくしてもらうわ」
「グエッ!! ハ、ハナセッ!?」
 不可視のサイキックエナジーと念動力の手がスーパープルトンの集団を捕らえ、拘束する。じたばたともがく彼らの前には、コトダマブラスターの銃口があった。

「真っ赤に染まりなさい……ブラッドレイン! なんてね♪」

 茶目っ気のある笑みと共にトリガーを引くと、真紅のビームがブラスターから発射され、散弾のように無数の光線となって散らばりながら敵陣へと降り注ぐ。
 身動きの取れない敵は為す術もなく紅い雨に打たれ、断末魔の叫びを上げた。
「ギャァァァァァァァァァッ?!!?!」
 全身を真っ赤な血飛沫に染めながら絶命する量産型スーパープルトンの群れ。
 期待通りの威力に気を良くしたフレミアは、続け様にブラスターを連射して、付近にいる敵を次々と片付けていく。

「おねぇさま、結構ノリノリなのー」
 吸血姫の傍らでそう言ったのは雪花。見習いとはいえ雪女である彼女は雪や氷の力を使って、敵の操る炎をかき消したり凍結させたりと防御寄りに立ち回っている。
 彼女の吹雪のお陰で島が火事になることはなく、住民への被害も抑えられていた。
「良いじゃない、雪花もやってみなさいな♪」
 にっこりと微笑む主人に促され、彼女はこくりと頷くと、自分のコトダマブラスターを敵に向け、想いを込めながらトリガーを引く。

「おねぇさまの敵はみんなやっつけるのー。凍結魔弾」

「ギエッ!? サササササムイッ!?」
 放たれた氷雪の銃弾が命中した敵が、紡がれたコトダマの通りに凍り付いていく。
 スーパープルトンが「ザ・サンシャイン」から奪った炎でも溶かせないそれは、雪女の性質を現したかのような、絶対零度の魔弾であった。

「眷属の子によってもやっぱり変わるのかしら。こういう武器ってやっぱり面白いわね~♪」
「おねぇさまがごきげんでなによりなのー」
 ちょっぴり得意げな雪花の戦果を楽しげに眺め、他の子らにも機会があればやらせてみようかと考えながら、フレミアはノリノリでブラスターのトリガーを引く。
 吸血姫のコトダマを宿した赤い雨は、戦場を血の色で鮮やかに染め上げながら、未だ抵抗を続ける敵を容赦なく一掃していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィサラ・ヴァイン
ん、なんとなく強い攻撃が出そうな単語とか、格好いいフレーズとかを組み合わせる…か
『ウルトラギャラクシーブラスター』とか
『アルティメットコズミックシュート』とか
『なんかすごいビーム出ろ!』とか
もしかして…リムは格好いいと思ってるのかもしれない。わざわざ例に出してるくらいだし
リムが言ってるところを想像してみよう
「……。」
(審議中)
「……ありだね!!」
恋とは盲目である
閑話休題
【メドゥーサの魔眼】を発動しながら、私もトリガーを引くよ
「マス・ヴェンデッタ!!!」(集団による血で血を争うような復讐)
何か[恐怖を与える]気がするけど、気にしない気にしない
[範囲攻撃]で滅殺して、逆に復讐されるのを防ぐよ



「ん、なんとなく強い攻撃が出そうな単語とか、格好いいフレーズとかを組み合わせる……か」
 島で入手したコトダマブラスターを手に、ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)はグリモアベースで受けた説明をもう一度繰り返す。
 ブラスターが起動しやすいのはコトダマの力を感じさせる力強い言葉。これまで他の猟兵達が戦う様子を見たところからも、それは間違いないようだ。

 『ウルトラギャラクシーブラスター』とか。
 『アルティメットコズミックシュート』とか。
 『なんかすごいビーム出ろ!』とか。

「もしかして……リムは格好いいと思ってるのかもしれない。わざわざ例に出してるくらいだし」
 挙げられた一例はヴィサラの感性にはあまりヒットしなかった模様。
 だが、それをあのグリモア猟兵――リミティアが言ってるところを想像してみる。
「……」
 いつもの真顔で淡々と『ウルトラギャラクシーブラスター』と叫ぶリミティア。
 反応がなくて『なんかすごいビーム出ろ!』とぷんすかぽんするリミティア。
 いろんな様子を想像してみる。審査員ヴィサラはただいま脳内審議中。

「……ありだね!!」

 恋とは盲目だった。それはさておき、戦いは現在も継続中である。
 反乱の激化によってオブリビオンの軍団はかなり勢いを失っているが、それでも重要拠点であるこの地を明け渡すつもりはないらしく、徹底抗戦の構えを取っている。
「ワレワレニサカラウナラ、イェーガーモ、ドレイモ、ミナゴロシダ!」
 背中から生えた武装骨を剣や骨のように振りかざす侵略者のクローン。
 殺意を剥き出しにする彼らの前で、ヴィサラは赤い瞳を煌々と輝かせた。

「ブッコロ―――ッ!?」
 猛進してきたスーパープルトンの体が、突然金縛りにあったように動かなくなる。
 ヴィサラが生来持つ【メドゥーサの魔眼】。その目を見たすべてを石化させる神話の怪物の力が、視界内に入った敵集団をまとめて足止めする。
「ウ、ウゴケナイ……!?」
 生きたまま身体が石と化していく恐怖を味わうスーパープルトン。
 表情を引きつらせる彼らの目前で、ヴィサラのコトダマブラスターが光を放った。

「マス・ヴェンデッタ!!!」

 集団による血で血を争うような復讐、を意味するキーワード。
 そのコトダマにふさわしい真紅のビームに打たれた敵の身体からは、拷問でも受けたかのような傷跡が浮かび上がり、凄まじい激痛が全身を襲う。
「イギギギギギギギィィィィィッ?!」
 それは、この島で酷使されてきたコトダマニア星人達が受けてきた痛み。
 スーパープルトンに殺され、力を奪われたヒーロー達が感じた無念。
 自らが虐げてきた者達の苦しみをその身で味わう、まさに「復讐」の一撃だった。

「ヒ、ヒィィッ?!」
 これまでの暴虐の報いを受けることとなったクローンたちに戦慄が走る。
 石化した身ではビームを避けることもできず、現状はさながら執行を待つ死刑囚。
 この現状を座して受け容れられるほど、彼らの肝は据わっていないようだ。
(何か恐怖を与えてる気がするけど、気にしない気にしない)
 ガタガタと震えるスーパープルトンに、ヴィサラは躊躇なくトリガーを引く。
 情けをかける余地のある相手でもなし、手心を加えて逆に復讐されるのを防ぐためにも、悪しきオブリビオンのクローンはここで一匹残らず滅殺する構えだ。

「ギィィィィィヤァァァァァァァァァッ?!!?!」
 コトダマニア星人の「島」に響きわたる、かつての支配者たちの断末魔。
 この島の住民たちも、それを聞いて少しは溜飲が下がったかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

なんというかまた、えらく雑な依頼ねぇ…
まあそういう予知なんだし、やるだけやってみましょうか。

テキトーにそれっぽい言葉ねぇ…んー、と。
「撃て撃て撃て撃て撃ちまくれ、敵より多くブチかませ」とか?
こんなんでホントに――
(展開されるのは「圧倒的な弾幕」。口径こそそう大きくないものの、ガトリングをいくつも連ねて好き放題ぶっ放したかのごときエネルギー弾の嵐が顕現する)――わぁお。ホントに出ちゃった。やってみるもんねぇ…

折角だし、思う存分撃ちまくりましょうか。
○乱れ撃ちで好き放題ド派手に○なぎ払うわよぉ。
…あたし別にトリガーハッピーじゃないけど。さすがに気分いいわねぇ、コレ。



「なんというかまた、えらく雑な依頼ねぇ……」
 そう呟いたのはティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)。
 敵拠点の奪回という重要な作戦のわりには、今回の依頼は肝心のところが適当な気がする。しかしそれで何とかなっているようなので、間違ってはいないらしい。
「まあそういう予知なんだし、やるだけやってみましょうか」
 入手した謎兵器・コトダマブラスターを片手に、彼女もまた戦場に参戦する。
 なんであれ敵がそこにいるのなら【射殺】すれば事は済むのだから。

「テキトーにそれっぽい言葉ねぇ……んー、と」
 暴れまわる敵集団に照準を合わせたティオレンシアは、暫しキーワードを考えて。
「『撃て撃て撃て撃て撃ちまくれ、敵より多くブチかませ』とか? こんなんでホントに――」
 半信半疑でトリガーを引いた瞬間、展開されるのは『圧倒的な弾幕』。
 口径こそそう大きくないものの、ガトリングをいくつも連ねて好き放題ぶっ放したかのごときエネルギー弾の嵐が顕現し、スーパープルトンの群れに降り注ぐ。
「ナニィィィィィッ!?」
 その驚異的な弾幕の密度に驚愕しているうちに、敵は前進を無数のエネルギー弾に撃ち抜かれ、まさに蜂の巣と言うのにふさわしい有様になって倒れ伏していった。

「――わぁお。ホントに出ちゃった。やってみるもんねぇ……」
 トリガーから指を離したとき、視界に広がっていたのは死屍累々。
 ティオレンシア自身もその威力に驚くほどだったが、こうした予想外の事態にも彼女はすぐに適応すると、いつもと変わらぬ微笑みを浮かべる。
「折角だし、思う存分撃ちまくりましょうか。好き放題ド派手になぎ払うわよぉ」
「ヤ、ヤラセルカッ!!」
 慌てたのは量産型スーパープルトン達。これ以上あんな弾幕を張られてはたまらないと、右足から奪ったヒーローの力を解き放ち、猛烈な突風で反撃を仕掛ける。
 ティオレンシアは素早く暴風圏から飛び退きながら、風の中心にいる敵へ照準を合わせ――その時、誰かが落っことしたのか、一挺のブラスターが転がってくる。

「あら、丁度良かったわぁ」
 両手に一挺ずつのコトダマブラスターを持ち、トリガーを引く。
 謎兵器は一人一挺という縛りはなく。一挺だけでもあの威力ならば、二挺同時に撃てばそれこそまさに『圧倒的な弾幕』のはず。

「撃て撃て撃て撃て撃ちまくれ、敵より多くブチかませ!」

「ママママママ、マテ―――ッ!!!!」
 敵の抑止も虚しく、高らかな叫びと共に放たれるエネルギー弾の乱れ撃ち。
 単純計算で2倍からそれ以上の密度の弾幕が、暴風雨のごとく戦場を吹き荒れる。
 その勢いの前には、借り物の力で起こした突風など弾除けにすらなりはしない。
「ギニャーーーーッ?!!?!」
 スーパープルトンの群れは断末魔を上げながら跡形もなく消し飛んだのだった。

「……あたし別にトリガーハッピーじゃないけど。さすがに気分いいわねぇ、コレ」
 ちょっとした爽快感を味わいながら、ブラスターを撃ちまくるティオレンシア。
 たとえ初めて触れた代物でも、彼女の銃器を扱う技能は確かなようで、流れ弾が味方やコトダマニア星人の人々に飛んでいくようなこともない。
 その弾幕はきっちりオブリビオンだけを、綺麗サッパリ視界から一掃していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日向・史奈
コトダマブラスター…ですか。何かかっこいい言葉を口にすれば、攻撃が出来る…とか、なのでしょうか
とにかく、色々叫んでみましょう
言葉によって攻撃の種類が変わるかもしれませんし…
そう思うと、色々と見てみたくなってしまいますね

意気揚々とか、勇往邁進…とか。叫べば技の名前のように聞こえなくもないかもしれません…きっと
せっかくなら、元気とか勇気を与える言葉の方がこの武器も応えてくれるような…そんな気がしています

出した技を奪われて反撃されたら、風の魔法の力を借りて距離を取ってから暴風で迎え撃ちましょう



「コトダマブラスター……ですか。何かかっこいい言葉を口にすれば、攻撃が出来る…とか、なのでしょうか」
 見慣れぬ道具をしげしげと見つめ、日向・史奈(ホワイトナイト・f21991)は首を傾げながら考える。ヒーローの中にも様々なタイプがいるが、彼女は太陽の力を操るスピリットヒーロー。こうした超兵器を扱う経験はあまり無かったようだ。
「とにかく、色々叫んでみましょう。言葉によって攻撃の種類が変わるかもしれませんし……そう思うと、色々と見てみたくなってしまいますね」
 案ずるより産むが易し。救いを必要としている人々の光となるために、新米ヒーローは勇気とちょっぴりの好奇心を胸に行動を開始する。

「ナニモノダ、キサマハ!」
「格好いい名乗りなんてあげられません。ヒーローとしては半人前、ですから」
 光と共にやってきた史奈に気付いたクローン達は、敵意を剥き出しにして叫ぶ。
 対して少女は物腰柔らかく、されど一歩も退かぬ凛とした姿勢で応じると、コトダマブラスターの狙いを定め、気合を籠めて叫びながらトリガーを引く。

「意気揚々!」

 瞬間、発射されたのは眩く、熱く、焦がれるような純白のレーザー。
 曙光を思わせるその輝きは悪しきオブリビオンを貫き、その身に風穴を開ける。
「グエェーーーッ!!!」
「ヤ、ヤッテクレタナッ?!」
 敵陣に動揺が走った隙を逃さず、史奈はさらにコトダマブラスターを連射。
 どう攻撃が変化するのかを確認するためにも、今度は違うコトダマを叫ぶ。

「勇往邁進!」

 シンプルな四字熟語も、力いっぱい叫べば技の名前のように聞こえてくる。
 恐れずに前に進む――そんな言葉から放たれたのは勇気を象徴する紅蓮の猛火。
 その熱量は狼狽するクローンを骨まで焼き焦がし、灰燼に帰すのに十分なもの。
(せっかくなら、元気とか勇気を与える言葉の方がこの武器も応えてくれるような……そんな気がしています)
 という史奈の直感に誤りはなく、彼女の手にしたブラスターはその力強きコトダマに呼応して驚くほどの威力を発揮していた。

「オ、オノレッ! イイキニナルナヨッ!」
 光と炎に焼かれてボロボロのクローン軍団は、怒り狂いながら反撃に転じる。
 その背中に生えた「マジェスティックマン」の武装骨でブラスターの攻撃を記憶し、再現。発振器となった骨の先端から、ビームと炎が史奈めがけて放たれる。
「……っ!」
 あわや、というところで彼女を救ったのは、ふいに吹き荒れた暴風だった。
 は之業【白虹貫日】。属性と自然現象を操るユーベルコードによって風の力を借りた彼女の魔法が、敵の攻撃から逃れる翼となる。

「風が……願いを聞き届けてくれたようですね」
 風に乗って距離を取った史奈は、間髪入れずに今度はその暴風で敵を迎え撃つ。
 すさまじき魔力を秘めた「叡智の杖」を掲げれば、風は炎とビームを弾き返し、どよめくクローンの軍団を木っ端のように空に舞い上げる。
「ヌワーーーッ!?」
 じたばたと空中でバランスを崩してもがく量産型スーパープルトン達。
 無防備な上空の標的へと、史奈はみたびコトダマブラスターを向けて。

「旭日昇天!」

 撃ち出されたのはそのコトダマの通り、昇る太陽のように燦然と輝く光球。
 真白き陽光に呑み込まれたクローン達は、瞬時にこの世から消え去っていく。
 島のどこからでもはっきりと見えたその輝きは、島中を明るく照らして、コトダマニア星人の心に希望を与えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

徒梅木・とわ
【サイロ】

それっぽいきいわあど、ねえ
持つ者の気持ちになって考えようか
こいつは武器で、使うのは戦闘だ
ならば望みは勝利以外ないだろう
『絶対勝利熱線』とかどうだい?
いいんだよヴィクティム。こういうのは分かりやすい位で
言霊っていうのはさ、発する言葉に宿った力でその通りの結果を導くって考えなんだから

さて、こいつで見事敵を倒さなければとなると外す訳にはいかないね?
生憎射撃は門外だけれど、正射必中って言葉がある
弓道じゃあないがこれも似たようなものだろう
隣に得意そうなヤツがいるし、お手本にしようかな【情報収集】

ああ、的は動かないでくれたまえ。そいつは流石に難度が高い
操った水で縛り上げて動きを封じさせてもらおう


ヴィクティム・ウィンターミュート
【サイロ】

この妙なブラスターが件の謎兵器か
数うちゃ当たるっつってもなぁ…
『絶対勝利熱線』ってなんだよ、どういうセンスだ…?
いやまぁシンプルな方がいいんだろうけどさ…っと

とわ、風来るぞ
『防御はしなくていい』
どうせそよ風にしかならねえからな──

『Mercy Hand』
暴力に染まった力はいらねえ、慈悲深い聖者のような…優しい手がいい
あぁどうも、おかげで少し疲れが取れたよ
そんじゃあお返しな

いいかとわ、両手でしっかり、包むように構えろ
しっかり地面を踏みしめて、衝撃でぶれないように
っし、行くぞ──
【Voice of Justice】
お、ちゃんと撃てたな

意味?そりゃお前、ヒーローの世界らしく
『正義の声』さ



「この妙なブラスターが件の謎兵器か。数うちゃ当たるっつってもなぁ……」
「それっぽいきいわあど、ねえ。持つ者の気持ちになって考えようか」
 反乱の輪が広がっていくコトダマニア星人の島で、相談を交わす2人の猟兵。
 どうすればコイツは動くだろうかと、入手したコトダマブラスターを前に首をひねるのはヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)。そんな彼に腹案を示すのは、同行者である徒梅木・とわ(流るるは梅蕾・f00573)だった。

「こいつは武器で、使うのは戦闘だ。ならば望みは勝利以外ないだろう。『絶対勝利熱線』とかどうだい?」
 その考えはなるほど一つの道理には違いない。が、そこからとわが紡ぎ出したキーワードのド直球そのまんまっぷりに、ヴィクティムは微妙な表情を見せる。
「『絶対勝利熱線』ってなんだよ、どういうセンスだ……?」
「いいんだよヴィクティム。こういうのは分かりやすい位で。言霊っていうのはさ、発する言葉に宿った力でその通りの結果を導くって考えなんだから」
 陰陽師としての見識から、溢れんばかりの自信を口元に乗せてとわは笑う。
 別に迂遠な言い回しをせずとも、正しく言葉を発せばこいつは応えてくれる筈だ、と。

「いやまぁシンプルな方がいいんだろうけどさ……っと」
 会話の最中、ヴィクティムはふと、こちらに接近してくる敵の反応を察知した。
 振り向けばそこには量産型の群れが、右足に力を溜めて攻撃の構えを取っている。
「とわ、風来るぞ。『防御はしなくていい』」
「ああ、任せたよヴィクティム」
 なんの危惧もしていない様子で、とわは微笑みながら相方にその対応を委ねる。
 無防備に突っ立っている彼女の隣で、ヴィクティムはユーベルコードを展開。
「どうせそよ風にしかならねえからな――『Mercy Hand』」
 彼の左腕が輝きを放つのと、敵が猛烈な突風を放つのは、ほとんど同時だった。

「ココハ、ワレワレノシハイスルシマダ!」
「ヨソモノハ、ウチュウノハテマデ、フキトバシテヤル!」
 猟兵の力と相次ぐ住民の反乱に押され、今や島内での勢力を喪いつつある量産型スーパープルトン軍団であったが、その傲慢な態度と力だけは今だに健在である。
 ヒーロー「ミス・タイフーン」から略奪した暴風の力は、彼らにすら制御しきれぬほどの無差別な破壊の竜巻となって、目障りな猟兵どもを吹き飛ばす――筈だった。

「暴力に染まった力はいらねえ、慈悲深い聖者のような……優しい手がいい」
 ヴィクティムのRewrite Code『Mercy Hand』は、敵の攻撃を治癒に変換する。
 荒れ狂う暴風は癒やしの風に変わり、それを浴びた彼らの身体には傷ひとつない。
「ナンダトッ!? ソンナバカナッ!!」
「あぁどうも、おかげで少し疲れが取れたよ」
「なかなか心地良いね。もっと吹かせて貰いたいくらいだ」
 スーパープルトンの群れは愕然としながら突風を連発するが、その全ては同様にそよ風に変わる。吹き飛ばせるのは戦争の長丁場で溜まった疲労くらいのものだ。

「慈悲に感謝を。そんじゃあお返しな」
「遠慮しないで受け取ってくれ」
 そよ風ですっかり体力を回復した2人が敵に向けるのはコトダマブラスター。
 この島の住民たちが誇りとする謎兵器であり、彼らの希望の象徴でもある武器だ。
「さて、こいつで見事敵を倒さなければとなると外す訳にはいかないね? 生憎射撃は門外だけれど、正射必中って言葉がある」
 それは正しい射法にて射られた矢は必ず的を射抜くという、射手の教えのひとつ。
 弓道じゃあないがこれも似たようなものだろうと、とわは自信たっぷりに言った。
 あるいはこの言葉もまた、ひとつの言霊と言えるかもしれない。

「マ、マズイゾ、ニゲロ―――ッ!!?」
「ああ、的は動かないでくれたまえ。そいつは流石に難度が高い」
 これまで散々コトダマブラスターの威力を体感してきたクローンは、銃口を向けられれば我先にと逃げようとするが、それを封じたのは純水の拘束。
 とわの司水霊符『闇御津羽神』より生じた清らかなる水が、彼女の意思に応じて縄や鎖となり、敵をまとめて縛り上げたのだ。
 水は炎では燃やせない。骨の武装で断つことも、風で吹き飛ばすこともできない。
 完全に身動きの取れなくなった彼らは、もはやまな板の上の鯉も同然だった。

「いいかとわ、両手でしっかり、包むように構えろ。しっかり地面を踏みしめて、衝撃でぶれないように」
「ふむ、こうかな?」
 ヴィクティムの指導の元、彼の動きをお手本にしてブラスターを構えるとわ。
 その照準がきっちり的に向かっているのを確認すると、ヴィクティムも構える。
「っし、行くぞ――」
 タイミングを合わせて、2人同時にトリガーを引く。
 眠れる兵器を覚醒めさせるコトダマを、高らかに唱えながら。

『Voice of Justice』

 放たれた輝きは鮮烈で、美しく――あらゆる闇を消し飛ばす力強さに満ちていて。
 2つの光はひとつの閃光となり、射線上にいるすべての敵を呑み込んでいく。

「ナ、ナンダ、コノ、ヒカリハ……ギャァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 まばゆき輝きに包まれたスーパープルトンのクローン達は、耳をつんざくような絶叫を上げながら、悪に満ちたその魂もろとも、完全にこの世界から消滅した。

「おお、綺麗さっぱり片付いたね。今の言葉はなんて意味だったんだい?」
「意味? そりゃお前、ヒーローの世界らしく――」
 ブラスターの銃口を下げながら、放ったコトダマについて問うとわ。
 それにヴィクティムは、にっと満足そうな笑みを浮かべて。

「『正義の声』さ」

 島を照らしたその光は、隷属されてきた人々の心を奮い立たせ。
 悪しき支配者に叛旗を翻す、コトダマニア星人の鬨の声となる。
 人々の叛乱の勢いは、正義の雄叫びは、もはや何者に止めようがなく――。
「オ、オボエテイロヨォォォォォォッ!!!!?」
 そんな捨て台詞だけを残して、クローン軍団は一人残らず骸の海に還っていった。


 かくして猟兵達はラグランジュポイントの『島』の解放に成功する。
 彼らの活躍と、放ったコトダマの数々は、この島に暮らすコトダマニア星人の間で、英雄の金言として長く伝わり続けることになるだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月25日


挿絵イラスト