アースクライシス2019⑫~周廻戦・戦神速攻隊
「……っと。これまた厄介な」
ネルウェザ・イェルドットは眉を顰めてグリモアをぐいっと見つめる。センターオブジアースに連なる神殿を一つでも多くオブリビオンから解放するため『少数精鋭速攻作戦』と称した作戦を猟兵に依頼している彼女だが、どうやら何かマズそうなものを発見したようだ。
「ジェネシス・エイトの一人、戦神アシュラのクローン……こいつもオブリビオン神殿を作ってセンターオブジアースに現れているようだねぇ」
ネルウェザはさらに話を続ける。
戦神アシュラのクローンが乗っ取ったのは、剣の神の神殿。抵抗も虚しくオブリビオン神殿を作り上げられてしまったその地で、剣の神は深く眠らされてしまっているらしい。オブリビオン神殿を徹底的に破壊して元の神殿を取り戻すか、剣の神をどうにか呼び起こすか――だがどちらにしても、戦神アシュラのクローンと戦うことは免れられないだろう。
「手強い、かもしれないねぇ。でもこの神殿だっていつかは取り返さなきゃならない。その為にも……頼まれてくれないか」
真剣な顔と声。だがネルウェザは猟兵の肯定の返事を待たず、けらっと笑ってグリモアを浮かべ力を籠めた。
「ここに集まってくれたからには皆やる気、だよねぇ? 世界が壊れかかってるんだ。それを見過ごすなんて、英雄のやることじゃあない」
グリモアの光が強まる。猟兵が肯定の意思を見せると同時、視界はふっと真っ白に染まっていった。
●
神殿はかなり荒れ果てた姿をしていた。建物はほぼ瓦礫と化し、木々はぼうぼうと燃えている――戦の後のようなこの姿こそ、『戦神』の神殿に相応しいというのだろうか。
そして神殿にひとり立つ人影、戦神アシュラのクローン。彼女は現れた猟兵にぴくりと視線を動かして、ゆっくり剣を構える。
「来たね、猟兵……! さあ、全員まとめてブッ飛ばしてやるよ!!」
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。
今回はオブリビオンに乗っ取られたセンターオブジアースの神殿を取り戻し、敵のパワー供給源を潰して頂くボス戦、戦争シナリオです。神殿の破壊、剣の神を呼び起こすなど敵の神殿に影響を与えながら、上手くボスを倒してください。
オープニングタイトルに『速攻隊』と付いているシナリオに限り、『判定がシナリオ成功条件に達し次第そこで完結』とさせて頂きます。
ですので、参加人数が5~6人以上となった場合は恐れ入りますが次シナリオをお待ちください。
プレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『戦神アシュラのクローン』
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POW : 神獄斬
【6本の剣を振り回しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【心から現れる殺戮衝動の具現アシュラレディ】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : アシュラブレイド
【集中と共に踏み込み、一刀】による素早い一撃を放つ。また、【攻撃に使う1本を除いた剣を手放す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 阿修羅六輪斬
【剣の切っ先】を向けた対象に、【炎を纏った剣を次々と飛ばすこと】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:otomo
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイ・アイオライト
剣の神に戦神、戦いの神に負けちゃったのかしらね。
さっさと起きてもらわないと困るのよ。
ヒーローズアースが危機的状況に陥ってるのにオブリビオンに負けてどうするんだか……
神殿に向けて【崩天斬禍】を連続で放って破壊するわよ。剣の神なら斬撃で活性化するわよね。
相手の攻撃は『見切り・第六感・早業』で回避、カウンターで【崩天斬禍】を放つ。光を超える抜刀、捉えきれる?
神殿の崩落で起きた瓦礫の陰を利用してアシュラと距離を取りながら対峙していくわ。(地形の利用)
さてと……神様にあたしの刀を披露しなきゃね。
どこからでも来な、と顔を顰めて口元だけをにやりと緩めるアシュラへ、レイ・アイオライトが黒い刀をとり対峙する。
「ヒーローズアースが危機的状況に陥ってるのにオブリビオンに負けてどうするんだか……」
レイは神殿を明け渡してしまった『剣の神』にそう呟く。目の前の敵は戦神、とはいえ世界を滅びに導かんとしているオブリビオンのクローンだ。そんなものにいつまでも屈し眠らされているのでは、神の名も廃るというものだろう。
さっさと起きてもらわないと困るのよ、とレイは刀を静かに構え、ユーベルコードを発動した。
「さてと……神様にあたしの刀を披露しなきゃね。視える全てを両断する閃きの一刀……喰らいなさい」
シッ、とレイの黒刀が閃く。
それに応じるようにアシュラも一歩踏み込み、刀を一つ大きく振るった。
二つの斬撃は一瞬にして衝突し、巨大な衝撃波を生む。ピシ、とアシュラの剣の先が微かに音を立てれば、一拍置いてその鋼が――裂けた。
「ッ!!」
キィン、とアシュラの剣の先が吹き飛んでいく。すかさずその剣を捨ててアシュラがもう一撃、しかしレイはその軌道を見切って身を屈め、鞘に納めた刀に再び力を込めた。
「――さて……捉えきれる?」
レイは再び居合、ユーベルコード『光尽ノ型・崩天斬禍』を放つ。日の光を返す黒刃がアシュラの胸に横一線の赤を刻めば、その直後神殿の空気がぴり、と張り詰めるように変わった。
どこからともなく、低く唸るような声が聞こえる。
――見事な技だ……我もいつまでも眠ってはいられないな。
突如レイとアシュラの頭上、神殿に積み上げられていた瓦礫の山が揺れる。バシッ、とその山の中心に大きな真空波のようなものが直撃し、山の上部が落下した。
大きな岩の欠片が視界を塞いでいく。レイは素早くそれに身を潜めながらアシュラに再び接近し――ぞぶりともう一本、斬撃を放った。
大成功
🔵🔵🔵
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
剣の神様って刀も範囲内?ナイフもOK?
なら派手にぶちかまそうか。
俺はナイフのヤドリガミ。ぜひこの神殿の本来の主に会ってみたいものだ。
【存在感】を消し【目立たない】ように移動し、奇襲をかけ【マヒ攻撃】を乗せた【暗殺】の二刀でUC菊花をたたきこむ。代償は寿命。
念のため【マヒ攻撃】はのせておく。一回叩き込んだら一旦距離を取って再度攻撃のチャンスを伺う。
反撃があれば【第六感】で感知【見切り】で回避。回避しきれない物は黒鵺で【武器受け】で受け流しからの【カウンター】。それも出来ない物は【オーラ防御】と【激痛耐性】でしのぐ。
続き、神殿へ現れたのは黒鵺・瑞樹。ナイフの付喪神が使う刀術は剣の神の心に響くだろうかと少し首を傾げつつ、彼は二つの刃を携え前へ出た。
「派手にぶちかましてやろうか。この神殿の主にも会ってみたいしな」
右手に打刀『胡』、そして左手に『黒鵺』――瑞樹の宿る本体である黒ナイフを構える。崩れ障害物となった瓦礫にすうと身を潜め、瑞樹はアシュラの死角へと移動してユーベルコードを放った。
「――はっ!」
「な、後ろ!?」
アシュラは咄嗟に振り向くが、その不意打ちに反応が遅れる。飛び出してくる黒い刃を躱そうと身を捻るが、間に合わずアシュラの腕を大きく切り裂いた。
傷を負ったアシュラは表情を歪めながら、剣を瑞樹に向けようとする。しかし突如体が石のように固まり、瑞樹が距離を取るまでに反撃することができなかった。
「……だからムカツクんだよ猟兵ってヤツは!!」
瑞樹が先の一撃とともに麻痺を与えていたのだと気づき、アシュラが憤ったように大声を張り上げる。
「神殿をこんな風にされた神様の方が、余程ムカついてると思うぜ」
祀られていたことこそ無くとも、瑞樹も広義における神の一柱。元の神殿をこんな姿にされた『剣の神』に少し同情するように目を細めると、瑞樹は次なる攻撃に身を構えた。
アシュラは剣の一つに力を集中させ、真正面へと一気に振り抜く。ひゅっと瑞樹が避けた先で剣が一つ投げ捨てられると、すぐさまもう一本の剣が更に速度を上げて閃いた。
「ッ!」
瑞樹は黒鵺を盾に、アシュラの剣を受け流す。そのまま身を捻って右手の胡を振り上げれば――アシュラの腕が一本、高く宙を舞った。
大成功
🔵🔵🔵
セルマ・エンフィールド
ふぅ……休む暇もありませんね。
ここに祀られていたのは剣の神でしたか、ならば……
【銃剣戦闘術】を使用、フィンブルヴェト先端の銃剣「アルマス」でアシュラの振るう剣を受け流すように『武器受け』し『カウンター』で銃剣での『なぎ払い』で戦闘。
近接戦闘をするには少々骨が折れる相手ですが、本体よりはましでしょう。
攻防の動きや回避は『ダンス』のような回転の多い動きを意識、アシュラの振るう剣も合わせて剣舞のようになれば剣の神も目覚めるのではないでしょうか。
剣の神が目覚め、好機が生まれたら銃剣による刺突で『串刺し』
……剣の神も、これくらいは許してくれるでしょう。
さらに追撃に氷の弾丸の『零距離射撃』を撃ち込みます。
「ふぅ……休む暇もありませんね」
長らく続くヒーローズアースの戦争に僅かに疲れを滲ませながら、セルマ・エンフィールドが神殿へと足を踏み入れる。元祀られていたのが『剣の神』であることを思い出し、セルマはユーベルコード『銃剣戦闘術』の発動と共にマスケット銃フィンブルヴェトを手にしてアシュラへと向かっていった。
「次から次へと……ッ!!」
アシュラは剣の一つに集中する。駆けてくるセルマの動きを注意深く読み取り――居合のように一歩、踏み込んだ。
セルマはフィンブルヴェトの先端、きらりと刃の煌めく銃剣『アルマス』で剣を受ける。
「折れちまいな!!」
アシュラの剣にグンと力が入る。セルマが銃剣の切先を小さく揺らしするりと刀身を動かせば、アシュラは突如勢いよく真下へ剣を振り抜き体勢を崩した。
そのままセルマは銃剣アルマスを構え直し、身を屈めるアシュラへ突き出す。
「……本体よりはましですね」
「ッ、この!!」
ザシュ、とアルマスがアシュラの右肩を貫く。痛みに耐えながらアシュラは剣を振り回し、脂汗を流しながら身を起こしてセルマへ飛び掛かった。
閃く剣を舞い踊るように躱し、セルマは銃剣を天高くへと掲げる。剣舞の如くリズミカルに刃が太陽に煌めく中、突如神殿の瓦礫がビシ、といくつものヒビを入れて揺れ始めていた。
――良いぞ、良いぞ! 人の子よ、我も共に舞おう!!
その声は力強く辺りに響き、神殿をぐらりと揺らす。セルマははっとしながらもその揺れにタタンと軽く身を回し、反対に身を傾けたアシュラへ銃剣の切先を思い切り突き出した。
ぐさりと深くアシュラの腹を捉えたフィンブルヴェトは、その銃口に凍てつくような氷の弾丸を込める。容赦のない零距離射撃を叩き込まれ、アシュラは思わず肺の空気を全て吐き出しながら吹き飛ばされていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バーン・マーディ
神殿か
我もまた悪の神だがこういうものを作った事はなかったな
否…我が住まう場所こそ神殿となるのだろう
【戦闘知識】と過去の戦闘記録から敵の動きを把握
己の魔剣と車輪剣を構え
剣の神か
良い…ならば我が剣に力を貸すがいい
嘗て魔法世界を粉砕し剣に生きると道を示した剣の神よ
この弾圧に叛逆せよ
ユベコ発動
不屈の意をオーラとして纏わせて
敵の猛攻を【武器受け・カウンター・怪力・生命力吸収・吸血】で何度も反撃し正面からぶつかり合う
そして互いに武器をぶつけ合い
「剣」での死闘を繰り広げ続ける
我が魔剣こそ不屈
今回は剣は手放さず剣における激突を常に意識
剣の神よ
我が魔剣と…我を倒した怪人が愛用した車輪剣に力を示せ
「神殿か。我もまた悪の神だがこういうものを作った事はなかったな」
バーン・マーディはオブリビオン神殿へと足を踏み入れながら周囲を見渡す。岩や瓦礫に埋め尽くされたその場は見るに堪えない荒れっぷりではあるものの、明らかに自然のものではない振動や真空波があちこちを襲い始めていた。
つまりはそこが美しい建物であろうと、荒れ果てた大地であろうと、神の住まう処こそが『神殿』と成り得るのだろう――現に目覚め始める『剣の神』の存在を感じながら、バーンは静かに神殿の中央へ歩き出していった。
「……猟兵……!!」
戦神アシュラ、そのクローンがバーンの姿をぎろりと睨む。そして失われた腕を補うように剣をひとつ口に咥えると、計六つの刃を振り回しながらダン! と大きく踏み出した。
バーンは己が魔剣と怪人の車輪剣を静かに構え、そして『剣の神』へ呼びかける。
「……我が剣に力を貸すがいい――剣の神よ、この弾圧に叛逆せよ」
その言葉に呼応してか、神殿は激しく一度揺れる。アシュラが思わず一瞬足を取られた間に、バーンはユーベルコードを発動した。
「悪とされたる者達よ。正義という暴力に蹂躙されし者達よ。我はバーン・マーディ。我は今ここに宣言しよう。悪には悪の……正義があると!」
ぶわり、とバーンの身を紅いオーラが包む。不屈の意を纏い彼が踏み出すと同時、更にもう一つ――バーンの剣を更に輝かせるように、煌めくオーラがふわりと纏わりついた。
――悪の神よ、貴殿も剣を振るうのなら――我も、力を貸そう
そんな声が響いた直後、体勢を戻したアシュラがバーンへ襲い掛かる。バーンは六本の剣を正面から受け止め、弾き、そしてまたぶつけ合う。何度も何度も斬撃の衝突音が神殿に響き渡り、その度にバーンの周囲を漂う光が強く瞬いた。
戦の神と悪の神の死闘が続く中、ガキン! と一度――アシュラの剣が、大きく弾かれる。
「剣の神よ。我が魔剣と……我を倒した怪人が愛用した車輪剣に力を示せ」
禍々しいオーラと共に剣の神の光を纏い、バーンの剣が二本同時にアシュラの胴を切り裂く。紅い十字が刻まれた身へバーンが素早く刺突を繰り出せば、ついにアシュラはがくりと気を失い――そして、崩れ消えて行ってしまった。
アシュラクローンの消滅。すると神殿は眩い光に包まれ、激しく揺れ動いて姿を変えていく。
猟兵が目を開ければそこは目立つ飾りや柱もないまっさらな石の舞台の上。輝く大剣を担いだ大男が、豪快な笑顔で礼を述べるのであった。
大成功
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