アースクライシス2019⑫~周廻戦・森林速攻隊
ホワイトボードに書かれた『少数精鋭速攻作戦』の字。ネルウェザはそれをばばんと掲げながら、集まる猟兵達の顔を見る。
「……やっぱ皆も世界は救いたいよねぇ。カタストロフなんて阻止したいに決まってる」
そうにやりと笑って、彼女は改めて作戦の内容を語り始めた。
オブリビオンに乗っ取られた、センターオブジアースに連なる神殿。今回乗り込むのはその上に無理やり建てられた『オブリビオン神殿』――敵に膨大なパワーを供給する建造物である。
「今回も神殿を取り戻せる戦力さえ集まったら、私は次の作戦に移らせてもらうつもりだ」
だから出撃する皆は全力で行ってねぇ、とけらけら呑気に笑いながら。
「さて、それでは皆には『豊穣の神』の神殿に向かってもらう。神を奮い立たせて力を戻してあげたいところだが……こちらはなんとも非力でね。オブリビオンに対抗できずに隠れてしまったようだから、彼女の力を借りるよりはさっさとオブリビオン神殿を破壊して元の居場所を返してあげてほしい」
情けないねぇなどとぼやきながらネルウェザはグリモアを浮かべる。そしてヒーローズアースへの転送の準備を整えると、彼女は小さく呟いた。
「……折角ヒーローズアースの住人も、猟兵の活躍を目にして記憶に残してくれているんだ。カタストロフなんかでそれを台無しにされる前に……皆、頼んだよ」
●
猟兵が降り立ったのは、さわさわと木々の揺れる深い森。しかしぐるりと周りを見渡せば、自然溢れる場には相応しくない巨大な神殿が建てられていた。
「およよよよ……」
そんな声と共に木の影から小さな女性が姿を現す。彼女は髪や服の至る所に果実の装飾をつけた、不思議な格好をしていた。女性は猟兵に近づくと、懇願するようにぽろぽろ涙を零して声を掛ける。
「うう。私は豊穣の神でございます……本来私の住まうところは小さな祠なのです。あの大きな神殿が邪魔して帰れないのです……」
そう言って指さす先には、巨大な神殿できらりと刀を構えるオブリビオンの姿。世界の為にも豊穣の神の為にも、あれを倒し――そしてオブリビオン神殿を壊さなければ。
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。
今回はオブリビオンに乗っ取られたセンターオブジアースの神殿を取り戻し、敵のパワー供給源を潰して頂くボス戦、戦争シナリオです。今回は神様がか弱い女の子ですので、彼女の力は借りず真っ向から神殿を破壊してください。
オープニングタイトルに『速攻隊』と付いているシナリオに限り、『判定がシナリオ成功条件に達し次第そこで完結』とさせて頂きます。
ですので、参加人数が5~6人以上となった場合は恐れ入りますが次シナリオをお待ちください。
プレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『スズリ・ムラサメ』
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POW : 秘剣『返し燕』
【刀】が命中した対象に対し、高威力高命中の【見えない斬撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 秘剣『霧雨囃子』
いま戦っている対象に有効な【妖刀】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 秘剣『朧』
【高速の踏み込み】から【影を本体から切り離す斬撃】を放ち、【呪縛】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:椿
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠シズル・カンドーヤ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
白石・明日香
だったらこの神殿をぶっ壊すとしようか!
まずは神殿を壊すことを優先しないとな!
残像で敵を攪乱しながらダッシュで神殿の要というべき大黒柱的な奴を探すとしよう。
建物である以上必ずあるはず。そいつを見つけたら怪力、2回攻撃、属性攻撃、鎧無視攻撃で叩き切る!
それまでの敵の攻撃は共同から見切って躱し、あるいは武器受けでいなして
おく。
神殿を壊したら本番だな。
戦闘知識をフルに使い相手の刀の軌道を見切って躱す、それが無理ならルーンブレイドを武器受けに使って受け止めた瞬間に手放し、ダッシュで背後に回り込む。命中した対象しか攻撃できないからオレはノーマークのうちに
怪力、2回攻撃、属性攻撃、無視攻撃で叩き切る!
佐伯・晶
まだ先は長いし
できるだけ手早く片づけたいね
でも油断しないように気を付けるよ
追い出された神様の為にも頑張ろうか
邪神の涙で神殿の構造物を
脆くなるまで冷却しようか
他の人が広範囲攻撃できるなら協力するし
そうでないならガトリングガンで
柱とか構造上重要な場所から崩していこうか
敵は邪魔してくるだろうけど
範囲内に踏むこんだら凍るか
そうでなくても身体を使う攻撃は
凍えて難しいんじゃないかな
何かしら刀を用意してくるだろうから
その時はガトリンガンで牽制して
神殿の破壊を行いつつ
隙をみて使い魔に麻痺させようか
動きが鈍れば凍らせるにしても
射撃でダメージ与えるにしてもやりやすいしね
終わったら豊穣の神様に軽くお参りしとこうかな
メンカル・プルモーサ
(祠を見る。神殿を見る。)
……これはまた……うん、返せるように努力するよ……
…さて。箒に乗って高速移動……神殿の中央を目指していくよ…
……敵の妖刀には要注意だけど対象に有効な、だから森林や神殿の地形を利用して妖刀の攻撃範囲から逃げるように立ち回ろう…
…そして、神殿中心部に辿り着いたらオブリビオンを引きつけて…重奏強化術式【エコー】で強化してゲート維持時間を延ばした【起動:海神咆吼】を発動…
…オブリビオンを巻き込みつつ神殿に対して飛空戦艦ワンダレイの主砲の連射で破壊を試みるよ…
…祠は巻き込まないように神殿だけに当たるようにしておこう……
アララギ・イチイ
え?全力でぇ?
色んな意味で全力を出していいのねぇ♪(被害範囲的な意味で滅多に使用しないUC
【選択UC】発動よぉ
身体を巨大な龍の姿に書き換えて、口・背中・尻尾からビームの様なプラズマ放射を行い神殿、というか全方位に【スナイパー】で補正した【一斉発射】によるビーム攻撃の、【なぎ払い】の【範囲攻撃】、同時に着弾地点を爆風で【吹き飛ばし】、その周囲にビーム攻撃に混入させた【マヒ攻撃】の毒で敵の動きを制限するわぁ(【毒使い】で補正
もちろん、敵の動きを【見切り】、上記の攻撃は面により【制圧射撃】よぉ
(この攻撃にも神殿を巻き込む様に放つ
敵の攻撃は肉体の防御力で受け止めて【早業】の【カウンター】を叩き込むわぁ
備傘・剱
つまりは、ここにいるオブリビオンを倒して、神殿をぶっ壊せばいい、わけだな?
やってやろうじゃねぇか
敵に対し、誘導弾と衝撃波と呪殺弾を弾幕に貼り、接近して二回攻撃と鎧無視攻撃を重ね、鎧砕きを合わせた物を食らわせてやる
敵の攻撃に関しては、オーラ防御と、ガントレットでさばき、致命傷を負わなければ、激痛耐性で損傷は無視する
そして、最接近した時、相手の攻撃に合わせて、カウンター気味に黒魔弾を叩き込む
左手の黒魔弾を囮に使い、相手がよけたと油断した瞬間を右手の黒魔弾で突く
神殿破壊も同時に行うから、よけられても、神殿に当たればもっけもんだぜ
にしても、神様も居場所を取られるとは、なぁ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
豊穣の神がおよよよと見つめる祠に視線を移すメンカル・プルモーサ。小さな小さなその祠と対照的に大きく堂々とした神殿を見ると――彼女はなんとも言えない顔で呟いた。
「……これはまた……うん、返せるように努力するよ……」
祠を巻き込まぬように、とメンカルが気を配る中――『全力で徹底的に破壊していい』と聞いて出撃してきた猟兵達が揃って神殿へと足を踏み入れる。
物騒な武器や強力なユーベルコードを構える彼等の姿に、豊穣の神はおよよよと涙目になりながら『……どうか祠だけは壊さないでくださいませ』と小さく懇願するのだった。
●
「まずは神殿を壊すことを優先しないとな!」
白石・明日香はダン! と勢いよく神殿へ駆ける。神殿に佇んでいたオブリビオン『スズリ・ムラサメ』は素早くそれに反応し、手に携える刀を振るって明日香を追った。
「神殿を破壊なんてさせないわ……切り刻まれなさい!!」
目を瞬くよりも速く振り抜かれる刀。その刃は明日香の脳天へと直撃する――が、スズリの刀はふっと空を切った。
「!?」
明日香の姿は霞のように揺らめき消える。彼女はスズリの前に残像だけを残し、既に神殿の中央へと移動していた。そこに在ったのは大きな柱。位置と大きさからそれが『神殿を支えている柱』だと確信した明日香は、それを破壊しようと一気に近づく。
「――人間にはできない無茶だよなぁ」
ふわり、その大きな柱の前に現れたのは佐伯・晶。彼女はユーベルコードを発動し、ふっと柱に手を添えた。
きぃんと辺りの空気が凍てつく。スズリが方向を変えて二人の猟兵の元へ向かおうとした時には既に、柱は凍り付いてその強度を格段に下げていた。さらに近づいたスズリの足も、晶が放った冷気によってびしりと動かなくなる。
そしてその冷気を飛び越え、明日香がユーベルコード『剣刃一閃』を放った。
「……叩き切る!」
明日香の怪力も相まって、脆くなった巨大な柱はいとも容易く切り裂かれる。途端、ゴゴゴと低い振動音が響き――柱を失ったオブリビオン神殿は崩壊を始めていった。
●
崩れ始めるオブリビオン神殿。慌てて飛び出してくるスズリに気が付いた猟兵、備傘・剱が飛び出した。
「あれを倒せ、ってわけか……やってやろうじゃねぇか」
剱はスズリの周囲に衝撃波を放ちながら弾幕を張る。逃げ道を塞がれたスズリはひゅんと刀を振るい、剱へ向かって不可視の斬撃を放った。
「邪魔しないでよッ!!」
キィン、と剱のガントレットに返される斬撃。軽い衝撃と痛みこそ響いたものの剱はそのまま距離を詰め、スズリの懐へと潜り込んだ。
「漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも!」
「――ッ!」
剱の左手、ユーベルコード『黒魔弾』がスズリの鼻先を掠め、ひゅうと遠くへ飛んでいく。スズリはこの隙にと刀をくるり構えるが、避けたはずの黒魔弾はもう一つ――剱の右手にも、しゅうしゅうとその力を纏わせていた。
「油断禁物、だ!」
ズゴンと鈍い音がスズリの腹を直撃する。軽々と吹き飛ばされた体は崩壊しかけている神殿へと衝突し、そして壁に大きな亀裂を刻んでいた。
●
「え? 全力でぇ? 色んな意味で全力を出していいのねぇ♪」
アララギ・イチイは物騒な笑みを浮かべ――これはかなりの被害が出るやつである――滅多に使用する事のないユーベルコードを、躊躇いなく発動した。
「……皆、死ねぇ」
アララギの姿は巨大な龍へと書き換わる。無邪気な子供が見れば何とも幻想的で憧れるシーンだが、この場に限ってそんなことを思う者はひとりもいなかった。
ゴゴゴと身を広げる龍を見上げて豊穣の神が震える中、アララギはその口を大きく広げて神殿へとビームに似たプラズマを放射した。
「およよよよ……!?」
口からだけでなく背中や尻尾からもそのプラズマを放ちながら、アララギは更に全方位へ強力なビームを撃ち込んでいく。的確に神殿の支柱や壁を射抜きながらも爆風を上げあらゆる方向を攻撃していく姿に、豊穣の神はすうと血の気を引かせてその場にへたり込んでいた。
だが神殿を乗っ取るオブリビオン、スズリは巨大な龍を止めようと刀を構えて立ち上がる。一太刀でもと大きく腕を振るうがその斬撃はアララギの鱗に弾かれ、スズリはビームに撃たれて吹き飛ばされていった。まだまだと立ち上がろうとしたその時、スズリは突如がくりとその場に崩れ落ちる。
「なっ、体が……!?」
それはビームに混ざり込んでいた毒。麻痺する体をよろよろ立ち上がらせようとするが、アララギは容赦なく神殿へと一気に攻撃を放った。
そして上空、プラズマとビームを放つアララギの更に上で、箒に跨るメンカルがユーベルコードを発動する。
「座標リンク完了。魔女が望むは世界繋げる猫の道……主砲、一斉射!」
その掛け声と共に、メンカルはワープゲートを開く。神殿に影を落としながら現れたのは飛行戦艦ワンダレイ。メンカルは術式『エコー』を重ねて発動し戦艦の存在を安定させ、麻痺で動けないスズリを巻き込むように主砲を連射した。
「ちょ……待、きゃあああああ!!!」
神殿の崩れる音と共に、スズリの悲鳴が高く上がる。オブリビオン神殿とスズリが消滅した頃には、辺りはすっぱりさっぱりと綺麗に、平らになっていた。
「お、およよよよ……」
――辛うじて、焦げ付いた『豊穣の神』の祠を残しながら。
大成功
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