アースクライシス2019⑫~周廻戦・神殿速攻隊
「徹底的にやらないといけないねぇ、これは」
グリモア猟兵、ネルウェザ・イェルドットはヒーローズアースにおける戦争の状況を整理しながら苦笑した。沢山の猟兵達が次々に戦場を制圧していってはいるが、それでも『カタストロフ』までの時間は今も刻一刻と迫っている。
ならば、急ぐしか選択肢はあるまい。
ネルウェザが自分の後ろに大きく掲げていたホワイトボードをばんと叩いて見せると、そこにはでかでかと目立つように『少数精鋭速攻作戦』との文字が書かれていた。
「……ま、書いてあることそのまんまなんだけど。具体的には、オブリビオンに乗っ取られたセンターオブジアースの神殿を取り戻してもらう任務だ。元いた神の神殿を壊して作られた『オブリビオン神殿』は、厄介なことに敵に膨大なパワーを供給しているようだからね」
そしてネルウェザはホワイトボードの文字へ更に下線を引いて話を続ける。
「……『少数精鋭』。神殿を取り戻せる戦力さえ集まったら、私は次の作戦に移らせてもらうつもりだ」
だから出撃する皆は全力で行ってねぇ、とけらけら呑気に笑いながら。
「今回は『火の神』の神殿に向かってもらう。オブリビオンが勝手に作った神殿をブチ壊すか、派手にどデカい炎でも上げて神様を奮い立たせてやれば……きっとどうにかなると思うよ」
ネルウェザはグリモアを浮かべ、集まっている猟兵にさあさあ早くと急かすように光を纏わせた。
「かの世界にあまり時間は残されていない。だから一刻も早く、そして徹底的にオブリビオンの力の源を絶ってしまってくれ」
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。
今回はオブリビオンに乗っ取られたセンターオブジアースの神殿を取り戻し、敵のパワー供給源を潰して頂くボス戦、戦争シナリオです。
但し、今回からオープニングタイトルに『速攻隊』と付いているシナリオに限り、『判定がシナリオ成功条件に達し次第そこで完結』とさせて頂きます。
ですので、参加人数が5~6人以上となった場合は恐れ入りますが次シナリオをお待ちください。
第1章 ボス戦
『ネガティブ・スクリーマー』
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POW : ネガティブマインド
全身を【陰鬱としたオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【負傷と、それに伴う負の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : ダークスクリーム
【不平不満を込めた、衝撃波を伴う叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : エンヴィカウンター
対象のユーベルコードを防御すると、それを【妬む気持ちから無理やり再現する事で】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「月凪・ハルマ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
参ったねえ、カタストロフ近いしジェネシスエイトもじゃんじゃか残ってるしさ。
もう、はは、やるしかねえなあ
恒久的世界平和(バカンス)の為にさ!
【オーラ防御】展開
じゃんじゃかもやしゃあいいんだろ?お望み通りやってやろうじゃんかい!
敵の動きをよく見て【見切り】攻撃を回避、【早業】【念動力】でそこら中に油ぶちまけて回るよ(【罠使い】)
あっはっは、用意が出来るまで相手しないよ!全力で油ぶちまけ回る!
オラトリオなんで空飛んで……ま、多少は自爆覚悟だわなあ
【破壊工作】用の爆弾にUCで火を点けてぶん投げる
【高速詠唱】【全力魔法】【衝撃波】でガンガン燃えろ【祈り】
そして精神も焼き尽くせ
……嫌だなあ、戦争
栗花落・澪
ま、やれる限りのことはやっていかないとだよね
ということで手伝いますよっと
★Venti Alaに風魔法を宿し
翼も活かした【空中戦、空中浮遊】
敵の攻撃は僅かな動きも注視、【見切り】つつ
敵の動作で生じる風音の変化を【聞き耳】で聞き取り
反射レベルの素早さで
【ダンス】のように地を蹴り空を舞うステップ回避
ただ、攻撃よりも優先すべきは…
★杖から放つ炎の【高速詠唱、属性攻撃】で
神殿の至る所に灯りを灯す
更に★花園を生成したうえで炎魔法で引火
この火柱が神に届くよう【祈り】を捧げ
折角だし最後まで炎で行くよ
【指定UC】を発動後即座に合体
巨大な火の鳥で遺跡ごと敵を攻撃
防御なんて出来ないくらいの高火力で
浄化してあげるね
猟兵がヒーローズアースへ降り立てば、堂々と建てられた神殿とそこを我が物とするオブリビオンの姿が目に映る。
神をも侮辱するその姿はさぞ自信満々かと思いきや、オブリビオン『ネガティブ・スクリーマー』は何ともずーんと重く暗いオーラを纏って佇んでいた。
「あっ……出たよ出たよ邪魔者がぁ……」
ぶつぶつと低く呟くスクリーマー。彼は猟兵に『来んな来んな』と言わんばかりに手を払いながら、神殿をコツコツ歩き回っていく。
世界を危険に晒しておきながらそんな態度をとるオブリビオンへ、鈴木・志乃はにこりと――どこか吹っ切れたような笑顔で飛び出した。
「もう、はは、やるしかねえなあ。恒久的世界平和の為にさ!」
そう言って自身を守る為のオーラを纏いながら、スクリーマーの目の前へ降り立つ志乃。スクリーマーは突然の接近にびくりと身を震わすが、ぶつぶつと暗く何かを呟き続けて動かない。
「じゃんじゃかもやしゃあいいんだろ? お望み通りやってやろうじゃんかい!」
志乃は大きく飛び回り、スクリーマーの周りへ何かどぶりと液体のようなものを投げ放った。
「……油ぁ?」
ねとりねとりと床に広がったのは大量の油。しかしスクリーマーは――この神殿が元々どんなものであったかすら知らないのだろう――不思議そうに首を傾げ、ひょこひょこと油を踏まぬようにだけ足を動かしていた。
志乃が油を撒き続ける神殿の中心へ、栗花落・澪がふわりと翼を広げて近づいていく。
「ま、やれる限りのことはやっていかないとだよね」
ここは火の神の神殿、そして撒かれているのは燃えやすい油。火を捧げて神を奮い立たせるなら、その材料は多いに越したことはないだろう。
澪は神殿を飛び回り、油が水溜まりのようになっている箇所へと『花園』を広げた。
ひらひらと揺れる花弁は、油を吸い上げてしっとりと透ける。スクリーマーが何だ何だと首を傾げる中、持っていた油を全て散らした志乃がぽんと爆弾を取り出した。
「……ま、多少の自爆は覚悟して」
スクリーマーがぎょっとして距離を取るが、彼女はそのままユーベルコード『浄化の炎』を発動し――着火した爆弾をぶんと思い切り投げる。
「ガンガン燃えろ……――そして、精神も焼き尽くせ」
爆炎が上がり、油のついた花が更にその炎を広げていく。そこへ澪がくるりと杖を回して追い打ちのように魔法の火を放てば、みるみるうちに神殿は激しく燃え上がって熱く熱く温度を上げていった。
「う……がぁぁぁあああ!!」
スクリーマーの絶叫。炎に焼かれた悲鳴――かと思いきや、突如その橙の光の中から黒いスーツ姿が飛び出してくる。
「邪魔するなするなするなあぁぁあああ!!!」
精神にバグを起こしたかのようにガクガク首を振りながら、スクリーマーが大きく蹴りを放つ。空中にいた志乃は炎の揺らぎいち早く気づき、ひらりと羽搏いてそれを避けた。
「あがぁああああ!!!!!!」
スクリーマーは一度炎に飲まれていく。だが床を蹴り捨て身の勢いで再び跳び上がると、今度は澪の方へと脚を振り回してきた。
澪はその足音を風の音で軌道を見切り、舞うように躱してユーベルコードを発動する。
「鳥たちよ、どうかあの人を導いてあげて」
澪はスクリーマーへと巨大な火の鳥を向かわせながら、燃え盛る神殿の上空で静かに祈る。するとスクリーマーが落ちていった神殿の床が、微かにだがぐらぐらと揺れた――ような気がした。
そして志乃も同じく祈りを捧げ――そして、悲鳴と爆炎の上がる神殿を見渡しながら小さく呟く。
「……嫌だなあ、戦争」
ぽつりとそんな言葉を零しながら、彼女は悲しそうに炎を眺めていた。
大成功
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闇之雲・夜太狼
ライアーヒーロー「クライウルフ」参上!
俺が来たからにはお遊びはここからだよ!
さー、炎の神様!
お目覚めの時間だよ!
俺が熱くしてあげるね!
選択UCで火群狼を召喚して、神殿をあっちこっち駆け回らせるよ
そのまま走らせるだけなのもなんか飽きちゃうよね
だから、ガオウ丸から炎【属性攻撃】の輪っかを作ってそれをくぐらせたり
発射した火球弾を空中キャッチさせたりしてさ
見た目にも熱く激しく楽しくしてあげれば、起きる気力もきっとアップするよね♪
あ、スクリーマーいたっけ?
俺はパフォーマンスに忙しいの!
近くにいる火群狼たちを合体させて噛みつかせよう
どう?火がついたら少しは性格も明るくなった?
亜儀流野・珠
火の神か、それはいい!
火を使うのは得意だ。という訳で悪の神殿よ、食らえ「焔弾」!超圧縮した狐火を爆発させ神殿を攻撃だ!
圧縮が解き放たれ派手に炎も上がるぞ!それを火の神への捧げ物としよう!
破壊の為に次々撃っていく。オブリビオンはできるだけ無視したいところだが妨害されたらそっちにも「焔弾」を撃ち込もう。
もし焔弾を真似されても別にいい。使って来ても良いぞ!俺は【火炎耐性】もあるし、炎が上がれば上がるほど神も喜ぶだろう!
無事終わったら俺の炎の力が更に強くなるよう神に祈ってみるか!
ようやく火が消えた頃、オブリビオンがひいひいとよろめきながら立ち上がる。焦げ付いたスーツからじゅうじゅうと煙を上げながら、ネガティブ・スクリーマーは怨嗟の声を漏らしていた。
「さー、炎の神様! お目覚めの時間だよ! 俺が熱くしてあげるね!」
闇之雲・夜太狼がででんと神殿に姿を現し、神に呼びかけるように叫んでユーベルコードを発動する。
「――「オオカミがきたぞ!!」……な~んてね♪」
そんな冗談めいた笑顔の後、夜太狼の元からは狼型の炎『火群狼』がぶわりと飛び出した。五十以上にもなる狼達は元気良く四方へ散り、神殿のあちこちを駆け回っていく。
そして火群狼が向かう先、亜儀流野・珠もユーベルコードを発動して神殿へと火を放った。
「貫き通せ!」
妖狐である彼女にとって火の扱いはお手の物。珠はぶんと拳を真っ直ぐ前へ向けると、『焔弾』を神殿へと放ち激しい爆発を起こしていく。
ズガン! と神殿を破壊しながら高く高く炎が上がれば、それはここに元あった神殿の主、火の神への捧げ物に相応しい火柱となって辺りを照らした。
「……何してんだお前ぇぇ!」
スクリーマーは作り上げた神殿を燃やされた怒りで珠に飛び掛かる。珠はすっと腕を動かし、向かってくるスクリーマーへと焔弾を撃ち込んだ。
「ぐぅっ!!」
腕を交差させ、焔弾に吹き飛ばされるスクリーマー。しかしその直後ぶつぶつと何かを呟くと、彼は突然珠と同じ構えで不気味に吠えた。
「ああほらほらほらうざい邪魔どっかに行けぇぇえええ!!」
ズガンとスクリーマーの手から飛び出したのは『焔弾』。ユーベルコードをコピーされた珠はそれでも構わないと身を丸め、火炎への防御に気を集中させた。
「さあ来るといい! 炎が上がれば上がるほど神も喜ぶだろう!」
猟兵の力を模したその炎は空気を鳴らして突き進み――ぱく、と何かに咥えられて軌道を変えた。
「……は?」
スクリーマーが愕然として視線を動かす。焔弾のコピーが持ち去られた先では、夜太狼がなんとも愉快な火群狼のサーカスを繰り広げていた。
夜太狼は手に持った銃ガオウ丸から炎を放ち、火群狼にその輪をくぐらせたり弾を空中でキャッチさせたりと楽し気に遊び回る。はしゃぐ夜太狼と火群狼の頭上で、何かが豪快に笑う声が聞こえた気がした。
スクリーマーの焔弾を持ち去った火群狼が、ぶんぶんと尻尾を振って夜太狼の周りをくるくる駆け回る。やっと状況を理解したスクリーマーがギャアギャアと喚き出すと、夜太狼はガオウ丸をふと下ろしてスクリーマーを見た。
「あ、スクリーマーいたっけ? 俺はパフォーマンスに忙しいの!」
そう言いながら、夜太狼は火群狼に手を向け――彼等をぎゅぎゅっと集めて合体させる。凝縮された火群狼がぐぉんと吠えると、スクリーマー目がけて一直線に飛び出した。
「……馬鹿め!」
スクリーマーは再び防御姿勢をとり夜太狼の火群狼をコピーしようと構える。にやりと不気味に笑う彼の背後、珠が狐火を練る様に一点に集めていた。
前後から同時に襲い掛かる炎にスクリーマーが一気に冷や汗を垂らす。どちらを防ぐかの判断が付く前に、二つの炎が同時に激しく炸裂した。
「ぐ、ぁぁぁ……」
スクリーマーがどさりと倒れ込む。だがそんな姿にはお構いなしに、夜太狼は神を起こそうと楽しく激しい火群狼のパフォーマンスを披露し続け、珠はこの神殿のどこかで眠る火の神に『俺の炎の力が更に強くなりますように』と願って祈りを捧げていたのだった。
大成功
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