アースクライシス2019⑬~勝利の手札を掴み取れ
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「おらどうした、早く終わらせないとノルマに間に合わんぞ!」
無数の宇宙船がぶつかり合って出来た、天空の人工島『ラグランジュポイント』。その中の島のひとつで、オブリビオンの軍団が住民たちを使って過酷な労働を行わせていた。この島に住む宇宙人は『黒の民』と呼ばれる、身体の大部分を黒い機械部品で構成された種族だ。高い知能と器用な手先を持つ彼らは、現在オブリビオン達によってUFOを製造する工場作業に従事している。来る日も来る日も部品の組み立てを強いられ、黒の民は疲弊しきっていた。
「くそぅ……なんで我々が、あんな野蛮な奴らに好き勝手されないといけないんだ。これでは奴隷だった惨めな時代に逆戻りだ」
「何か言ったか!?」
暴力をちらつかせて威圧し、オブリビオン達は彼らを支配している。黒の民の不満は頂点に達しつつあった。
「奥の区画に封印しているアレを、使いこなす者さえいれば……」
「お疲れ様。ヒーローズアースを巡る戦いも、佳境に近づいてきたな」
グリモアベースに集った猟兵たちを、赤い髪のダンピール・ガーネットが出迎えた。
「私たちは米軍の協力の下、ビームハイウェイでの空中戦に勝利することができた。いよいよここからは、宇宙に築かれた文明『ラグランジュポイント』に乗りこむことになるぞ!」
ガーネットは手の中で光るキューブ状のグリモアを操作し、宇宙空間に浮かぶ無数の宇宙船群の映像を虚空に投影した。
「今から向かうラグランジュポイントは、ヒーローズアースの失われた文明のひとつ。大気圏外に存在する、衝突した宇宙船群の上に築かれた文明だ。ここは元々侵略宇宙人を撃退していた『重力の罠』で、現在は侵略者の奴隷にされていた人々が超テクノロジーを活用して暮らしているんだ」
そのラグランジュポイントが、現在オブリビオンによって乗っ取られている。オブリビオンは住民達を恐怖で支配し、強制労働をさせているのだ。
「住民達は、身体の大半が黒い機械部品で出来た『黒の民』という種族だ。彼らは私たちが戦っていても、巻き込まれないように逃げたり隠れたりすることしかできない。だが、猟兵が戦う姿に勇気づけられると、一斉に蜂起して共に戦ってくれるだろう」
ラグランジュポイントの住民はほとんど戦闘力を持たない種族ばかりだが、数が非常に多い。なので住民が一斉に蜂起するとオブリビオンだけでは制圧することができず、数の暴力で一掃することもできるのだ。
「では、住民をいかにして奮い立たせるかがカギなんですね」
「そういうこと。そのために、是非使ってもらいたいものがあるんだ。実は島には、様々な種類の武器を封印した無数の『カード兵器群』というものが隠されているらしい。これを駆使して敵を倒す様子を見せれば、彼らを激しく鼓舞することができるだろう」
黒の民は、侵略者に立ち向かうための兵器を密かに開発していた。それは、剣や銃をはじめとする様々な武器を封印したカードデッキ。それを専用の機械で読み取って封印を解くことで実体化させれば、通常の武器と同じように使用できるようになるという。
「カード兵器は種類が豊富で、取り扱いも難しいものじゃない。ただし、性能面では普段猟兵が使っているモノよりやや劣る。その点だけ気を付けてくれ。カードは彼らの祖先の代からの、自由と誇りを具現化した武器たちだ。うまく使いこなして戦い、彼らを勇気づけてくれ!」
そう言ってガーネットは、猟兵達を決戦の地ラグランジュポイントへ送るための準備を始めた。
弥句
こんにちは、弥句です。「アースクライシス2019」のシナリオをお送りします。
このシナリオは戦争シナリオで、「集団戦」一章のみの構成となっております。
ビームハイウェイを通ってたどり着いた「ラグランジュポイント」には、幾つもの宇宙船がぶつかってできた沢山の「島」が浮かんでいます。その中にある、オブリビオンに支配された島の一つに乗りこみ、敵を全滅させて「黒の民」と呼ばれる宇宙人を解放するのがこの作戦の目的です。
今回も、指定された行動を取ることで「プレイングボーナス」が発生し、判定が有利になります。ぜひ活用ください。【プレイングボーナス……島に眠る「宇宙人の謎兵器」を使う。】今回登場する謎兵器は、「カード兵器群」。専用のカードリーダー」に読み取らせることで、「機械仕掛けの武器」の封印が解除され、実体化します。形状は使用者の潜在意識に左右されるため、必ずしも一定ではない。剣、槍、銃、鎌、鞭、斧、鎚、棍など種類は様々。楽器や乗り物などの特殊なものもあります。
これらの武器を使いこなして戦う姿を「黒の民」に見せれば、彼らを強く鼓舞させて一斉蜂起に導くことができます。それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『ジャスティスクルセイダーズ』
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POW : ジャスティス・クルセイド
【剣先】を向けた対象に、【天から飛来する十字型の光線】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : ジャスティス・グレートレイジ
【己の正義を妨害する者達への怒り】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ : ジャスティス・オーバードライブ
自身に【強大なる聖なる光】をまとい、高速移動と【聖剣からの光線】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:弐壱百
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
祇条・結月
僕のターン、ってやつ?
童心に帰ってとは言えない状況なのが惜しいところ
……うん。誰だって余所から来た「過去」に好きにさせたくないよね
行こっか
カードを使って出てきたのは、苦無?
おっけ、好きな武器
小さいからって甘くみてない?
隠しやすい、取り回しがいい。投げられるし、作業道具にもなる
こんなに便利なものはないんだけどな
オブリビオンに包囲されないように【敵を盾にする】風に動いて、飛び道具を封じて、一度に何人もが飛びかかってくるのを防ぐ
こっちからは冷静に【見切り】に集中して
【スナイパー】で苦無投擲
SFなスーツだって関節の接ぎ目はあるでしょ
休まず刃の雨を降らせていく
力が強いばかりが能じゃないって
きっと……絶対
トリテレイア・ゼロナイン
「黒の民」……ウォーマシンの私にとっては親近感が湧く存在ですね
そんな彼らが虐げられているなど騎士として黙って見過ごすわけには参りません
彼等の兵器を使い、自由と誇りを取り戻しましょう
このカードにはなにが…巨大な旗……「黒の民」の戦旗ですか
私の潜在意識というより「黒の民」を勇気づけたい意図が反映されたのか…
幸い柄は頑丈
長柄の伸縮式ポールウェポンとして扱えそうです
旗を展開し空気抵抗など●怪力で無視しつつ振り回しながら機械馬に●騎乗しUCを発動
センサーでの熱源の●情報収集で飛来する光線を●見切って避けつつ旗を●なぎ払い敵を薙ぎ倒していきます
戦場の目立つ場所に到着したら戦旗を掲げて人々を勇気づけましょう
泉・火華流
話を聞いて
面白そうな武器ね…どんなのか出るのかしら?
…と、興味本位で参加してみる
行動
指定UC【HGS】使用で潜入して謎兵器に到達
謎兵器:小型マジックガトリングガン
軽量で丈夫…周囲の魔力を弾丸にして撃ち出すガトリングガン
レガリアス・エアシューズによる【ダッシュ】で戦場を駈けつつ、ガトリングガンを掃射【掃除】という、高機動戦闘で「黒の民」を鼓舞する
大きく円を描きながら円の中の敵に掃射したり、逆にその場で回転しながら掃射したりする
HGSで強化された技能で駆け巡る姿は、音もなく走る黒い影が次々と敵を魔力の弾丸にて撃ち倒していくように見える
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無数の宇宙船群で構成される『島』のひとつに潜入した猟兵たちは、内部を探索しつつ『黒の民』が秘匿しているという『謎のカード兵器』の調査を行っていた。
「黒の民……ウォーマシンの私にとっては親近感が湧く存在ですね。そんな彼らが虐げられているなど、騎士として黙って見過ごすわけには参りません。彼等の兵器を使い、自由と誇りを取り戻しましょう」
「……うん。誰だって余所から来た『過去』に好きにさせたくないよね」
生まれた世界と境遇は違いながらも『黒の民』と同じ機械種族であるためか、彼らの救出に強い意欲を見せるウォーマシンの戦士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。彼と行動を共にするのはUDCアース出身の祇条・結月(キーメイカー・f02067)と、少女の猟兵がもう一人。
「見つけてきたわよ。これが噂の『カード兵器』というやつね」
忍び足や迷彩といった隠密の技能を駆使して、奥の区画を調査していた泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)が二人の元に戻ってきた。その手には、カードを読み込む溝をもつ銀色の機械と、タロットカードのように細長いカードの束が握られている。結月は小さく口笛を鳴らし、それらを手にとって質感を確かめる。デザインはUDCアースでよく売られている玩具のようだが、持ってみると意外にも手にずっしりと重い感触が伝わってきた。そしてカードには、剣や銃といった武器を連想させるシンボルマークが描かれている。
「僕のターン、ってやつ? 童心に帰ってとは言えない状況なのが惜しいところだけど……」
「面白そうな武器ね……どんなのが出るのかしら?」
火華流は興味本位から、カードデッキから一枚を抜き取ってみせる。その札には、銃のようなシンボルマークが刻印されていた。
「このカードにはなにが……」
トリテレイアは槍のマークが描かれたカードを引き、機械に読み取らせてみた。すると青白い閃光が瞬くと共に、黒い布に包まれたポールウェポンが出現。猟兵たちは驚きの表情を浮かべ、思わずその武器に見入った。
「巨大な旗……黒の民の戦旗ですか。私の潜在意識というより、黒の民を勇気づけたい意図が反映されたのか……?」
この戦旗は、長柄の伸縮式ポールウェポンとして扱えそうだ。続いて結月と火華流がカードをスラッシュすると、やはり同様に閃光が瞬いて『苦無』と『ガトリングガン』が出現した。
「おっけ、好きな武器」
苦無は隠しやすく、取り回しに優れ、投げられるし、作業道具にもなる。便利で扱いやすい武器は結月の好みだ。
「よし……いい戦い方を思いついたわ」
小型ガトリングガンの機構をチェックしながら、火華流はほくそ笑んだ。
「侵入者だ! 猟兵が来たぞ」
「総員、迎撃態勢をとれ!」
黒の民のカード兵器を入手した猟兵達は、オブリビオンを駆逐すべく工場区画へ突入した。するとすぐさま甲冑と十字架型の剣で武装したジャスティス・クルセイダーズが、猟兵を排除しようと次々と集まってきた。
「まったく、自分たちから侵入しておいてよく言うよ……!」
火華流は得意の高速機動ユーベルコード【HIKARU GEAR:SILENTACTION(ヒカルギア・サイレントアクション)】を発動させ、レガリアス・エアシューズで戦場を目まぐるしく駆け回る。重力に縛られることなく壁や天井を高速で駆け抜け、円を描くようにあらゆる方向から敵群に向けて小型ガトリングガンによる魔法弾をばら撒いていった。その銃声は、船内を混乱に陥れるのに十分な効果を持っていた。
「な、何の騒ぎだ……?」
「誰かが、騎士達と戦っている?」
UFOの組み立てを行っていた黒の民が、突然の銃声に驚いて作業の手を止める。やがて彼らの前に、巨大な機械の白馬に跨がった騎士・トリテレイアが現れた。その手には、大きく翻る真っ黒な旗が。
「う、馬!?」
「黒い旗……あの騎士は、我々の味方なのか?」
黒の民の眼前で、機械騎士による突撃が始まる。勇ましく黒き戦旗を掲げ、トリテレイアが疾風のごとく戦場を駆け抜けた。人馬一体の突進によってオブリビオン達をはね飛ばし、馬上槍のごとく剛力で旗を振るう。歪んだ正義を振りかざす暴虐の徒に立ち向かう機械騎士の勇姿に、興奮した黒の民が歓声を上げた。
「怯むな、たった三人で何ができる!」
「我々の正義を阻む者に、死の制裁を!」
ジャスティス・クルセイダーズは体を巨大化させて火華流と結月に斬りかかり、剣の先端から十字架型の光線を放ってトリテレイアへ集中砲火を浴びせる。トリテレイアはセンサーで光線の軌道を見切り、巨体に似合わぬ俊敏さで回避。結月は小柄な体格を活かし、敵を盾にするように動いて翻弄する。そして火華流と連携を組み、【銀の雨】のごとく苦無を連続で投擲。怒りで巨大化した敵の装甲の継ぎ目を狙い、急所を突くのだ。
「その立派な剣は何のためにある? 居丈高に振りかざして、弱い者を脅すためか?」
鋭く放たれた苦無は、狙い違わず鎧の間隙へと吸い込まれていった。
「力が強いばかりが能じゃないって、きっと……絶対」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴木・志乃
UC第二人格【昨夜】に移行
カードに兵器が内蔵されてるって、凄い浪漫ね
しかも形状まで潜在意識に左右されるって最高にクール
何としても使いこなさなきゃ
【オーラ防御】展開
乗り物が欲しい!機動力、前から欲しかったんだよねーっ
あと爆弾!爆弾を頂戴!
バイクに乗って【全力魔法】で爆走、敵の流れや流れ弾を【第六感】で【見切り】【念動力】で小回りをきかせ【破壊工作】用の爆弾を大量にばら蒔いて【衝撃波】で【なぎ払い】撹乱☆防具ごと潰す!(【鎧砕き】)
格好よくバイクで回避しながら敵が吹っ飛んでいくのは超痛快、じゃない?
銃も持ってく
正義なんて捻り潰す【呪殺弾】ぶちこんで、巨大化も呪い殺してやる
月宮・ユイ
アドリブ◎
*器に<誘惑の呪詛>宿す呪:呪詛操るヤドリガミ
諦めは遠く戦う意志を秘める…
ならば、自由と誇りを取り戻すお手伝いをさせて貰いましょう。
纏う<オーラに属性:闇・光・風>付与
<存在感隠蔽の呪>や光学迷彩、音の遮断で目立たない様潜入
『カード兵器群』確保
《捕食兵装》
弾丸<生命力吸収の呪製の誘導・呪殺弾>を兵器用に圧縮成形
<情報収集:見切り>照準機能と併せ射撃と迎撃、全て喰らい尽す
『カード兵器群』銃器類<属性:闇>付与、攻撃に属性上乗せ
・スナイパーライフル:初手暗殺、見張り倒し民が動ける様に
・二丁拳銃:高速戦闘に対応
・ガトリングガン:<怪力の呪>で扱い面制圧。
場面に合わせ切り替えられ便利ですね
●
「これが、件の『カード兵器』ね……確保します」
朽ち果てた宇宙船の薄暗い通路を抜け、月宮・ユイ(捕喰連星・f02933)はある倉庫の内部に忍び込んだ。そこに保管されていたトランクケースを開封すると、中には無骨な金属製のカードリーダーとカードの山が入っていた。
「諦めは遠く戦う意志を秘める……ならば、自由と誇りを取り戻すお手伝いをさせて貰いましょう」
宇宙人『黒の民』が開発したこれらのカード兵器を駆使して、敵を斃す。それが今回の任務だ。トランクを回収したユイが部屋を出ようとすると、不意に声を掛けてくる者がいた。
「それが、例の兵器ってやつ? カードに兵器が内蔵されてるって、凄い浪漫ね。しかも形状まで潜在意識に左右されるって最高にクール、何としても使いこなさなきゃね」
「あなたは……」
金と銀のオッドアイが見つめる先に、白髪の女が立っていた。その肉体は鈴木・志乃(ブラック・f12101)のものだが、現在の意識は亡くなった彼女の親友【昨夜】である。
「折角だし、共闘しましょ? あたし、使ってみたい武器が色々あるんだ。まず乗り物が欲しい! 機動力、前から欲しかったんだよねーっ。あと爆弾! 爆弾を頂戴!」
「……私の兵装と相性のいいものは、私が使います。それと、乗り物を使うなら私も乗せてください。それで良ければ、是非」
二人の猟兵は、カードを手に取ってあれこれと相談を始めた。交渉の結果、ユイは数種類の銃のカードを。昨夜は乗り物と爆弾のカードを用いて戦うことになった。
パールホワイトのレーシングバイクが、『島』の内部を高速で疾走している。優美な流線型の車体を巧みに操るのは昨夜。そしてタンデムシートにはユイがちょこんと座っている。
「敵襲だと! 見張りは何をしていた!?」
工場区画の入り口で、最初の接敵。甲冑に身を固めたジャスティスクルセイダーズが、二人に迫る。十字架型の大剣を抜き放つと、全身に『聖なる光』を纏って突撃を敢行する。
「死ねィ! ジャスティス・オーバードライブ!!」
「なんの!!」
研ぎ澄まされた第六感が、瞬時に生存への最適解を導き出す。剣から発射される光弾の雨を掻い潜り、昨夜が車体を加速させた。念動力の助けを借りて車体をターンさせると、カードから実体化させた爆弾を投擲し、その爆風で敵群を薙ぎ払う。しかし、どうやら威力はオブリビオンを一撃で倒すには十分ではないようだ。ダメージを受けながらも騎士たちは態勢を立て直し、体を巨大化させて反撃に転じる。
「我らが正義を邪魔立てするか! ならば、処刑するのみ!」
身体サイズを数倍に膨張させ、戦闘能力を向上させた騎士たちが大剣を振りかぶり、猛然と二人に斬りかかる。ユイは素早くカードを機械に読み込ませ、ガトリングガンを実体化。弾丸に『闇』の属性を付与し、さらに【捕食兵装】の火力を上乗せする。
「全弾発射、標的を捕食し、殲滅します」
光を喰い裂き、侵蝕する闇の嵐が吹き荒れる。ガトリングの砲門からばら撒かれる暗黒の弾雨が撃ち抜くのは、偽りの正義。銀の甲冑をぶち抜き、盛大に血煙が上がると同時にバイクはさらに加速する。
「シノの敵には私、一切容赦しないから。お前達の言う“正義”なんて、あたしが否定(コロ)してやる」
白髪の女が、凄惨な笑みを浮かべる。バイクの操作を念動力に委ね、昨夜は手放し状態でカードからアサルトライフルを召喚。轟音とともに呪殺の力が込められた弾丸が叩き込まれると、甲冑騎士たちの肉体はみるみるうちに腐食し、爆ぜ飛んでいった。
大成功
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パトリシア・パープル
UC発動しスカンク兵召喚
【目立たない】よう周囲の【情報収集】させつつ【失せ物探し】でカードデッキと読み取り装置を探させるわね
万が一、敵に発見されたら、その間は私が【盾受け】で攻撃を防ぎつつ【おびき寄せ】て時間稼ぎするわ
『カード兵器群』入手後はスカンク兵を合体させてレベル8に
カードの封印を解いて重火器を複数実体化させ、私とスカンク兵全員で装備
性能の低さは手数で補って、住民と協力して敵を押し返すわ
接近戦になったら再びカードをリード
ブースター付きの戦籠手を複数実体化させてスカンク兵と一緒に装備
敵が巨大化しようと、一斉に殴り掛かるわ
「ここでヒーローの必殺技よ!いっけぇぇぇ!ファイナル・アタァァァック!
メンカル・プルモーサ
ふむ、兵器群か…これは面白そう…
ジャスティスクルセイダーズの攻撃を魔力障壁などで防御して…
…【空より降りたる静謐の魔剣】で牽制しながら封印区画へ向かおう
…専用カードリーダーでカードをスキャン…出て来たのは…精神思念で動く剣、か…
…他のカードは…同じく思念で動く槍…なるほど、スキャンすればするほど武器が増えそうだね…UCの影響かな?
…カードを集めてどんどん武器を増やしていくよ…
…コミュ力を駆使して黒の民にもカードを集めて貰ってジャスティスクルセイダーズに多数の武器を操って対抗しようか…
…あとはこっそりハッキングをして機械仕掛けの武器の性能も上げよう…
…たぶんしまのききにぶきがかくせいした…
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
黒い民の黒い姿…かっこいいね、まつりん(ふふ
ん、助太刀する、自由勝ち取って?
(びしっとカードを掲げ)
(まつりんの声聞いて)
…ホワイトコケッコーカード、すろっといん!
出てきたのは…?すごく大きいホルン?
うんしょと抱えて…
前に、売ってるの見て、吹きたいかもって思ったから?
ん、頑張って吹く(ぷー)
…
ぷっ、ぷっ、プッ、ププー
吹けばテンポものってきて
まつりんのフラフープに合わせて元気よく音を鳴らし
ん、音楽は皆を鼓舞する力がある
皆、テンションアップ!
うさみみメイドさんズも敵に負けない位に戦闘力あげあげ☆
さ、いってらっしゃい!
カードの力を拳に溜めて
アッパーパンチをくりだしてね
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)とー。
黒い民かー。外骨格っぽいね、カッコイイ!
へえ、カード武器!
じゃきん、ってやったらいいの?
いっくよー、レッドウルフカード、スロットイン!(ジャキンッ)
おおー、双棍ー!
あ、振るとジャキジャキ音がするね? マラカス?
もひとつ、キャットメイドカード、スロットイン!
あれ、輪っかだ。おいらが入る?
あ、わかった。ビッグチャクラムー!(答え:フラフープ)
よっし、後はおいらたちに任せといて!
腰でチャクラム回しながら超ダッシュ!
近付く敵を薙ぎ倒していくよ。
クルセイド光線は、双棍で打ち払い!
とどめだ!
チャクラムをぶん投げつつ、双棍から絆を放射!
爆・散!(どっかーん)
うわ、すっごーい!
無数の宇宙船がぶつかり合って生まれた要塞の内部を、モフモフした影が何体も走り回っている。それらは数字の1が刻まれた軍用ヘルメットを被った、二足歩行のスカンクだった。キマイラの猟兵、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)の指揮下で働くスカンク兵『MOF小隊』は、『カード兵器』が封印されているという区画を隈無く調べ回っていたのだ。そしてついに、彼らは要塞の奥に隠されていたカードリーダーとデッキを見つけ出すことに成功し、パトリシアの元に戻ってきた。
「ご苦労様! よくやったわね」
「ふむ、兵器群か……これは面白そう……」
スカンク兵をねぎらうパトリシアの傍らで、スクエア型眼鏡を掛けた少女がカード兵器を手にとって眺めている。ガジェット研究者の一族として名高いプルモーサ家の次女、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、黒の民が開発したこの武器に興味を惹かれていた。メンカルは試しにデッキからカードを一枚抜き、カードリーダーに読み込ませる。すると、青白い閃光が瞬いて浮遊する小剣の群れが出現した。
「これは……精神思念で動く剣、か……」
この武器は、使用者の潜在意識によって性能や形状を変えるという。同じ剣のカードでも、屈強な剣士が使えばまた違った結果だったかもしれない。
「アンちゃん、見て見て!」
「あ。まつりんのカード、かっこいい」
こちらは、サムライエンパイアは木元村からやって来た双子の兄妹。木元・祭莉(オオカネコミミレッドメイド・f16554)と杏(たれあん・f16565)はそれぞれカードを見せ合い、品定めの最中。自分に合ったカードを選ぶのは大事だ。
「じゃきん、ってやったらいいの? いっくよー、レッドウルフカード、スロットイン!」
ヒーローの真似をしながら、祭莉はロッドが描かれたカードをスラッシュ。すると、鎖で連結した双棍が封印から解放され、実体を現した。
「あ、振るとジャキジャキ音がするね? マラカス?」
サウンドソルジャーとしての資質を秘めている祭莉に影響されたのか、この双棍はマラカスとして使えるようだ。祭莉に続いて杏もカードを手に取り、機械に読み込ませる。「ホワイトコケッコーカード、すろっといん!」
杏が使ったのは、楽器が描かれたカード。光を放ち出現したのは、金管楽器のホルンだった。それも、とても大きな。
「前に、売ってるの見て、吹きたいかもって思ったから……?」
シャカシャカとマラカスロッドを振る祭莉と並び、杏はホルンをぷーと吹き鳴らす。二人の様子に笑みを浮かべながら、パトリシアは銃のカードを数枚抜き、リーダーに読み取らせた。
「私とスカンク兵の分を合わせれば、カードが結構必要ね。性能の低さは、手数で補わなきゃ」
手下のスカンク兵に銃を配り終えると、パトリシアは仲間達に向けて声を掛けた。
「全員、準備はいいわね? それでは、作戦開始!」
「停滞せしの雫よ、集え、降れ。汝は氷雨、汝は凍刃。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣……」
メンカルの詠唱に応じて、300本を優に超える氷刃が空中に出現し激しく乱舞する。それらはジャスティス・クルセイダーズが撃ち出した十字架光線とぶつかり合い、ダイヤモンドダストをまき散らして激しい光の乱反射を引き起こした。
「武器はまだまだあるぞ……これなんかどうだ?」
メンカルはデッキから槍のカードを引き抜き、思念で動く槍を大量に生み出して敵群に投げつけた。それらは高速で移動する騎士達をサーチし、甲冑ごと刺し貫いていく。
メンカルは浮遊するカード兵器を飛ばして敵を牽制し、ヒットさせて動きを止めたあとに本命のユーベルコードでトドメを刺す戦法を確立。短期間で、効率よく敵を仕留めていった。
「すごい……カードの武器を、もう使いこなしている」
「カード兵器に、あのような使い方があったとは!」
黒の民は工場に乱入した猟兵の戦いを静かに見守っていたが、徐々に応援する声に熱が込もりはじめた。ある者は追加のカードをどこからか見つけてきて、パトリシアのスカンク兵に手渡している。
スカンク兵はパトリシアの号令の下合体し、レベル8にパワーアップ。銃火器のカードを黒の民から受け取ると、火力を増強させて弾幕を張る。
「黒の民の黒い姿……かっこいいね、まつりん」
「黒い民か-。外骨格っぽいね、カッコイイ!」
杏と祭莉は音楽を演奏し、黒の民を鼓舞する作戦に出た。杏はほっぺたを膨らませながら巨大なホルンを吹き鳴らし、祭莉はマラカスロッドをリズミカルに振っている。
「ぷっ、ぷっ、プッ、ププー~」
「もひとつ、キャットメイドカード、スロットイン!」
祭莉がもう一枚カードを引き抜いてリーダーに通すと、フラフープのように巨大なチャクラムが出現。祭莉は自分の体自体を指に見立て、ぐるぐるとチャクラムを回転させながら敵群に突っ込んでいった。
「わっ、なんだこのチビ助は!」
「あの輪に触れるな、結構鋭いぞ!」
祭莉に近づく騎士たちは、チャクラムフープの攻撃になぎ倒されていく。杏はユーベルコードでうさみみメイドさん人形の群れを召喚し、祭莉の補助にあたらせる。
「うさみみメイドさんズ、いってらっしゃい! まつりんをサポートして、敵に負けない位にテンションあげあげ☆」
59体ものうさみみメイドさんズは、カード兵器のグローブを装着して攻撃開始。巨大化した敵にも怯むことなく、全周囲から取り囲んで拳の雨を浴びせていく。
「すごい……あの小さな子供達まで、勇敢に戦ってる」
「こりゃあ、ワシらも黙って見てられん! ワシらの島は、ワシらの手で守るんじゃあ!」
猟兵達の活躍を目の当たりにして、黒の民たちは胸に秘めた熱いものがわき上がってくるのを感じていた。そしてそれは大きなうねりとなり、やがて島全体に伝播して一斉蜂起への呼び水となるのであった。
「ふふ、これで黒の民も一緒に戦ってくれるわね」
パトリシアはデッキからカードを一枚抜き、リーダーに読み込ませる。するとブースター付きのガントレットが出現し、彼女の両腕にガッチリと装着された。
「ここでヒーローの必殺技よ! いっけぇぇぇ!ファイナル・アタァァァック!」
パトリシアは籠手を装備したスカンク兵たちとともに、巨大化した騎士達に一斉に殴りかかった。杏のうさみみメイドさんズもジャンピングアッパーをかまし、そこへさらに工具や資材を手にした黒の民の男達も援軍に駆け付けた。個の戦闘力ではオブリビオンが圧倒的優位だが、これほどの物量を覆すのは流石に無理があった。
「とどめだっ!」
四方八方からタコ殴りにされてぐったりしている鎧騎士に目がけ、祭莉が巨大チャクラムをぶん投げる。それは『舞扇の幻影』となり、命中した敵を爆破。続けて投げられた双棍の鎖が長く伸びると『夢色の絆』の力を帯び、雁字搦めに縛り上げてしまった。
「わ、悪かった! 俺たちの負けだ。この島からは出て行く、だから――」
「いいや、駄目だね。どうせお前達は他所の島で同じ事を繰り返すだろう。骸の海へ還って、ゆっくり反省するがいい。――二度と顔を見せるな」
騎士の命乞いも、メンカルはきっぱりと拒絶。再び300本もの氷刃を生み出すと、タルに入った海賊の玩具で遊ぶように次々と突き立てていくのだった。
大成功
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