アースクライシス2019⑯〜デュアリティ・グラビティⅡ
「さて、追撃だ」
ネルウェザ・イェルドットは早速くるくるとグリモアを輝かせながら、猟兵達へ呼びかける。居場所の判明したジェネシス・エイトの一人、スーパープルトンを確実に仕留める為――更なる侵攻を、とのことだ。
「スーパープルトンは倒した奴の力を奪う能力を持っている。今はこいつがかつて殺した『マジェスターズ』を召喚するユーベルコードを使うようだねぇ」
そう言ってネルウェザはぽぽぽんといくつかのソフトビニール製の人形を取り出す。骨のような武装に身を包んだもの、風のようなエフェクトパーツを纏うもの、大きな口をあんぐりと開けるもの、きらきらと炎を輝かせるもの、宝石のような体でがっしりとしたポーズを取るもの――どれもがいかにも『ヒーロー』といった風貌で、ヒーローズアースの子供たちが憧れていてもおかしくないような姿をしていた。
「攻め込む場所は宇宙船に備えられた『環境ブロック』のひとつ――無重力空間を構成するエリアだ。と言っても、プルトン人が地球を侵略した後に自分たちの星と同じ環境に変える為のブロックだから、私達猟兵でも活動できる程度には空気があるよ。だから重要なのは『動けるかどうか』ってこと」
そしてネルウェザはその横にどんと置いていたUFOに手をぽんぽんと添える。
「ラグランジュポイントまで行くためにこれを使ってもらったけど……ま、あるものは使っていかないとねぇ。無重力空間じゃ動きにくいって人は是非これに乗ったまま戦ってくれ」
勿論、魔改造済みだとネルウェザは続ける。
UFOの内側からであれば、攻撃やユーベルコードをガラスのような部分をすり抜けて放つことが出来る。逆に外側からは防弾ガラス――その程度で戦闘上役に立つかは不安が残るが――と同じ位の強度をもち、物がすり抜けることはないという。
「そして、その無重力空間を利用して敵は素早く攻撃を仕掛けてくる。先制を取られるのは間違いないから――十分に注意して向かってほしい」
「さて、それじゃあ準備が出来たら転送するよ」
UFOの乗り込み口を開け、ネルウェザはけらっと笑う。それに猟兵が乗り込めば、彼女はグリモアの光を強めてUFOごとヒーローズアースへと転送を始めた。
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。今回は宇宙船へ再び攻め込むボス戦シナリオです。一度目でも二度目でも大歓迎です。ガンガンスーパープルトンの戦力を削っていってください。
こちらはアースクライシス2019の戦争シナリオで、ボス戦一章で完結です。
UFOに乗る乗らないは自由に選択して頂いて結構ですが、敵は必ず先制攻撃を放って来ます。その対策をとり、反撃することが出来れば良い結果が出ます。
皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『スーパープルトン』
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POW : マジェスティック・ミックス
【「マジェスティックマン」の武装化する骨】【「ミス・タイフーン」の風を操る力】【「アバドンボーイ」の全てを喰らう口】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : マジェスティック・アッセンブル
【5人組のヒーローチーム「マジェスターズ」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : マジェスティック・ツインズ
戦闘用の、自身と同じ強さの【炎と光を操る「ザ・サンシャイン」】と【ダイヤの体を持つ「ダイヤジャイアント」】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:傘魚
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ファルシェ・ユヴェール
召喚でしたら私も得意とするところではありますが
しかしながら
ヒーローを、彼らの守りたい世界を脅かす戦いに利用するとは
…随分と悪趣味ですね
先に喚ばれてしまうのは避けられませんが、
召喚に限って言えば相手に合わせられる利点もある
金の腕輪を輝かせて召喚するは
「グリンブルスティ」黄金の猪
天地も水底も変わらぬ俊足で駆ける、神の乗り物にして
恐るべき歯を持つ者
グリンブルスティ、あの巨体(スーパープルトン)に突進を
そう命じて召喚した猪が飛び出すと同時、
自身はUFOをヒーロー達へ突進させつつ中から脱出
一瞬足を止めさせる位の時間が稼げれば構いません
スーパープルトンに一撃与えられたなら
彼らの時間はそれで終いですから
宇宙船の内部に猟兵が侵入するや否や、それを待ち構えていたスーパープルトンがユーベルコードを発動する。
「ヤハリキタナ、オロカナチキュウジンドモ!!」
無重力空間に召喚されたのは、嘗てヒーローズアースの平和を守っていたヒーロー『マジェスターズ』のメンバー達。炎を纏うザ・サンシャインと宝石の身体を持つダイヤジャイアントの二人で構成される”マジェスティック・ツインズ”は、あろうことか地球を侵略せんとするスーパープルトンに従い、揃って攻撃の構えを見せた。
「ヒーローを、彼らの守りたい世界を脅かす戦いに利用するとは……随分と悪趣味ですね」
そう言いながらも笑顔でUFOを操るファルシェ・ユヴェール。彼も召喚による戦闘を得意とするが、目の前の光景はあまりにも皮肉が過ぎる。
正義から悪の手下と化した元ヒーロー達へ、ファルシェも”召喚”のユーベルコードを発動した。
「貴方の物語を聴かせて下さい」
ファルシェの手元で光輝いたのは黄金の腕輪。そして現れるは、美しき豊穣の神が車を引かせた金毛の猪――『恐るべき歯を持つ者』、グリンブルスティだ。
ウオオオ、と叫び向かってくるマジェスティック・ツインズの向こう、召喚の反動で動きを止めているスーパープルトンを指しファルシェはグリンブルスティへ命令を下す。
「グリンブルスティ、あの巨体に突進を」
「フグルゴッ!!」
激しく鼻を鳴らし、力強く駆けだすグリンブルスティ。天も地も水底でさえも、どんな駿馬より速く駆けるその猪に、無重力空間故の不利など存在しない。
全力の突進にマジェスティック・ツインズは猪を通さんと立ち塞がる、のだが。
「!!?」
――ギュン!! とUFOが二人の身を掠める。その機体の中に操縦者ファルシェの姿は無く、彼は離れた地点でひらりと衣装をはためかせ笑みを浮かべていた。
流石に豪速で飛来するUFOに衝突すればひとたまりもないだろう。正義と誇りを忘れたヒーローたちは何とも容易くそれに怯むと、突進するグリンブルスティの突破を許してしまう。
「まじぇすたーず!! ハヤクモドレ!!」
動けぬままのスーパープルトンが焦り喚く。神の宝にマジェスティック・ツインズの足が敵うはずもなく、彼等が主の元に一歩踏み出すと同時にズゴン! と激しい衝突音が響いた。大砲のような衝撃と鋭い牙に貫かれたスーパープルトンは、思わず一瞬意識を失ってしまう。
スーパープルトンの力は途切れ、ヒーロー達の姿が消え去る。宝石の身を持つダイヤジャイアントも塵一つ残さず消えてしまい、心なしかファルシェの眉が残念そうに下がったように見えた。
大成功
🔵🔵🔵
月影・このは
【星氷葉】
ムーンライト、クロス!!
戦闘支援戦鳥機と合体!これで無重力空間でも活動可能です!【空中戦】
さぁ、お二人共力を合わせて悪を打ち砕きましょう!
炎、光の攻撃はお二方にお任せ、
ダイヤの攻撃をバトルホイールを回転、受け流し【盾受け】
流しきれなさそうなら【怪力】で受け止め【覚悟】を決め【激痛耐性】で我慢を
えぇ、お気遣いなく!正義の心が燃える限りボクは無敵です!
敵の先制を耐えたら
そのまま腕を掴んでプルトン人の方へ【投擲】
ここが勝機!離れるわけには!
右手を回転させ射出!
シャオさんの竜巻の力も借りて更に回転力を上げます!
この一撃で打ち砕く!
その名も!アブソリュートドリルブーストナックルゼロ!【鎧砕き】
天星・零
【星氷葉】
『ふふ、このはさんは元気な方ですね。さて、お二人とも気をつけてくださいね』
【戦闘知識+世界知識+情報収集+追跡+第六感】で戦況
弱点や死角を把握し警戒、臨機応変に人格を変え対応
操縦も上記技能でUFOの機能を把握して行う
※防御は星天の書-零-で【オーラ防御】
先制攻撃は炎の方は十の死の溺死を使用
水流を起こし威力軽減
ダイヤモンドは一定方向の衝撃に弱いので圧死で岩を出現させ
地面の方向に叩きつけ粉砕、更に※を行い対応
零
遠距離は十の死を戦況に合わせ使用
近接はØ
『ルー、一緒に戦おう。僕達の力見せようか』
指定UCで吹雪を起こしUCを封じて十の死とUCで総攻撃
上記武器とØで味方と連携し戦闘
口調ステシ
シャオ・フィルナート
【星氷葉】
反応を諦め月影さんの呼びかけは無視し
…UFO…確か、ここのボタンで…(慣れてはきたが未だ覚束ない操縦)
操縦が相変わらずこの通りなので…
先制は★氷の翼で自分を包み防御と【激痛耐性】
同時に★氷麗ノ剣から【早業】で水の【属性攻撃】を放流
炎使いの方だけでも相殺狙い
【暗殺】経験で気配を察知し的確な回避行動
月影さんだいじょうぶー?(棒読み
俺は…ダメージ分の命、取り戻しに来ただけ…
★死星眼を解放しUFOで飛行し
敵の誰かと目が合うたび【催眠術】で撹乱
【生命力吸収】で回復
氷の翼から氷の弾丸の【一斉発射】で全体攻撃、足止め
あぁ…皆も離れた方がいいよ…
【指定UC】の氷の竜巻で凍結、斬撃の敵全体【範囲攻撃】
「ムーンライト、クロス!!」
月影・このはがそう叫び、真っ赤な鳥の形をしたロボットと合体し出撃する。鋭い刃のような翼を羽搏かせ、UFOにも劣らない速度でこのはは環境ブロック内を駆けていった。
「さぁ、お二人共力を合わせて悪を打ち砕きましょう!」
そう元気に声駆けるこのはを、二機のUFOがふわりと追う。
「ふふ、このはさんは元気な方ですね。さて、お二人とも気をつけてくださいね」
優し気な笑みでUFOを操るのは天星・零。そして一方、もう一機のUFOに乗るシャオ・フィルナートはこのはの呼びかけをスンと無視してUFOの操作にわたわたと手を動かしていた。
「……UFO……確か、ここのボタンで……」
ぽち、と未だ覚束ない手つきでシャオが何かのボタンを押すと、突如彼の機体がギュン! と速度を上げてスーパープルトンの方へ向かっていく。
「あっ」
当然スーパープルトンはそれを『攻撃』と捉え、先手を打たんとユーベルコードを発動した。
「ギシャーシャシャシャ! ショウメンカラツッコンデクルトハ、イイドキョウダ!!」
傷を負いつつも高く笑うスーパープルトン。そして彼の目の前には『マジェスティック・ツインズ』、炎を纏うザ・サンシャインとダイヤジャイアントの姿が現れた。
一人突撃していってしまったシャオを見て、零がその後を追おうとこのはにアイコンタクトを送る。
「えぇ、お気遣いなく! あちらはお二方に任せます!」
このはの自信あり気な表情に頷くと、零はUFOを全速力で走らせていった。
ダイヤジャイアントと一対一となったこのは。硬く煌めくダイヤの拳がグン! と目の前に放たれると、このははバトルホイールを回転させて受け流そうとする。
しかし相手は堕ちても元ヒーロー。常人では考えられない腕力で、そのままこのはへと拳を振り抜く。
このははその瞬間覚悟を決め、素早く防御姿勢を取った。
「――正義の心が燃える限り、ボクは無敵です!」
鈍い音、激痛。ダイヤモンドの拳がこのはの腹に直撃する。脂汗の流れそうな痛みに耐えながら、このははがしっとダイヤジャイアントの腕をしっかり掴んでいた。
「ッ!?」
「せ、やぁぁぁっ!!」
ダイヤジャイアントの身体がぐるんと振り回される。
見事に大きな弧を描き、このはが突然手を離せば――強靭で大きな体はいとも容易く、主であるスーパープルトンに向かって放たれる。
「ナッ、オイ、トマレ!!!!」
スーパープルトンはその場から動けぬまま叫ぶ。しかしここは無重力故に自由の効かない空間。ダイヤジャイアントは氷の上を滑るが如く、すうっとスーパープルトン目がけて一直線に飛んでいくのであった。
そして少し時は戻り、特攻していったシャオ。
彼のUFOを、ザ・サンシャインが炎の拳で迎え撃つ。シャオは『氷の翼』を自分とUFOに纏わせ、炎の拳から身を護った。
「ッ!!」
輝く翼が炎の拳を跳ね返すと同時、ふっとザ・サンシャインの腕が力を失う。戸惑いながらザ・サンシャインが顔を上げれば、シャオがその身にいくつか負っていた小さな傷が消え去っているのに気づいた。
そして、突如ヒュンと小さな刃――零の『Ø』が斬撃と共に衝撃を与え、ザ・サンシャインの身は回転し後方へ飛ばされていく。
「シャオさん、大丈夫ですか」
そう問いかけ近づく零。だがシャオはぽちぽちと操作盤を弄り、首を傾げている。慣れてはきたものの未知の機能が多い機体に、彼は余計なボタンは押すまいと基本的なレバーとブレーキ・アクセルに当たるボタンだけに手を添えた。
ザ・サンシャインは壁に背をつくと勢いよくそれを蹴り、再びシャオと零の元へ直進する。先程よりも更に強く激しい炎で襲い掛かる元ヒーローへ、零は『十の死』の”溺死”を発動させ、骸から水塊を生み出した。
ざぶりとザ・サンシャインを水が飲み込む。火を消されぷかぷかと水中を漂うその身へ、シャオが『氷麗ノ剣』で追撃を叩き込んだ。
瞬時に振り抜かれた剣は、水塊の中に激しい流れを生み出してザ・サンシャインを襲う。
「ご、ぶ――ッ!!」
水から抜け出すこともできずみるみる顔を青白くさせるザ・サンシャインは、零とシャオがその攻撃を解くと同時にばしゃりと床に叩き付けられた。彼は意識を失ったのかぴくりとも動かず、得意の炎が再び身を包むこともない。すると遠くで、スーパープルトンが吐き捨てるように戦闘不能の元ヒーローを罵るのが聞こえた。
「あっ、月影さんだいじょうぶー?」
シャオがそう棒読みで言い振り向くと、このはがダイヤジャイアントを振り回しスーパープルトン目がけて放り投げているのが目に入る。
「トマレトイッテイル――!!!」
大丈夫そうだとシャオはUFOをふわりと浮かべ、飛ばされるダイヤジャイアントに喚くスーパープルトンへとユーベルコード『absolute zero』を発動した。
「あぁ……皆も離れた方がいいよ……」
その小さな呼びかけはこのはと零に届いただろうか。
淡々とした声と共に氷の竜巻を発生させると、それは周囲の機械や塵、そして宙を漂うマジェスティック・ツインズの身体をも巻き込んで激しく大きく威力を増していく。
更に零はその竜巻へユーベルコード『命凍らせる氷霧の銀狼』を発動する。
「ルー、一緒に戦おう。僕達の力見せようか」
現れた狼は零を見てこくりと静かに頷くと、ごうごうと轟く竜巻に向かって激しい吹雪を放った。
氷の竜巻は塵や人の身、そして吹雪まで纏ってスーパープルトンへと直進する。
「――この一撃で打ち砕く! その名も! アブソリュートドリルブーストナックルゼロ!」
竜巻が進む中、このはが腕を真っ直ぐ前へ向けてユーベルコード『ブーストナックル』を放つ。射出された腕が竜巻の勢いを借りて回転力を増すと、凍てつく風や混ざり込む物や人と共に、立ち止まったまま喚くスーパープルトンへと叩き込まれた。
大成功
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ミルケン・ピーチ
POWで行きます
17歳ボディの桃姫で出撃
強化された体で先制攻撃ですか…
ただ速度や命中は強化できないみたいですね
なので距離を取りつつ攻撃、特に風の吹いてくる方向を【見切り】、【残像】を残して後ろに回り込みます
さらにそこからUFOごと突進して、UFOの機体で的から突き出ている武器を埋めてしまいます
その上でUFOごと【ミルケンインパクト】を叩き込み、相手の体制を一気に崩してやります
相手が吹き飛んだら急いで追いかけ、今度は上から【2回攻撃】として二度目の【ミルケンインパクト】で追撃
無重力だからこそ、初撃の勢いが減衰されておらず軌道変化のダメージが思い切りのしかかるはずです
「……ワレワレハムテキ、ナノダッ!!」
体中に深く傷を負ったスーパープルトンは、ユーベルコードを使用して『マジェスターズ』の力を纏う。骨の鎧に巨大な口、そしてびゅうびゅうと辺りに風を鳴らし、スーパープルトンは大きく吠えた。
猟兵ミルケン・ピーチはUFOを操り立ち向かっていく。スーパープルトンの身が幾ら堅く強く強化されていようと、その狙いの正確性や動きの素早さはさほど変わっていないようだ。
ふわふわとUFOを右へ左へ動かして、ミルケンピーチはスーパープルトンとの距離を保ち続ける。
「チョコマカト、ゴザカシイィィ!!」
スーパープルトンの右腕がヴンと大きく動き、ミルケンピーチのUFOを突風が襲う。軌道を予測していたミルケンピーチはUFOのレバーを思い切り左へ倒すと、物凄い速さでスーパープルトンの周囲をぐるりと旋回した。
「後ろです」
猟兵の声に、苛立った顔で振り向くスーパープルトン。身を回し、ミルケンピーチのUFOを丸呑みにしようと大口を開ける。
――しかし、手ごたえは無い。
確かにUFOを捕らえたはずの牙は、ガキン! と上下が衝突し耳障りな音を立てた。
「ナニッ!?」
後ろに回り込んでいた筈のミルケンピーチは、一周して元の方向に移動していたのだ。残像を噛んだスーパープルトンがそれに気づくより先、ミルケンピーチは操縦レバーをグンと前へ倒す。
「ぽよぽよお肉で飛んでっちゃえ! ミルケンインパクト!」
同時に発動したユーベルコード『ミルケンインパクト』の勢いで、UFOはヒップドロップの如くスーパープルトンへ突撃する。そして鋭く突き出ていた骨の武器を押し込み、スーパープルトンの身をぐさりと貫いた。
スーパープルトンはぐらりと体勢を崩し、UFO衝突の衝撃で真っ直ぐに吹き飛ばされていく。
その瞬間ミルケンピーチはUFOを全力で走らせ、受け身すらも取れていないスーパープルトンの頭上へと移動した。
「まだまだいきます――ミルケンインパクトッ!!」
ズゴン! とUFOが急降下し、スーパープルトンの身体が地面に叩き付けられる。一撃目の勢いが衰えないまま、容赦なく続けて襲い掛かる追撃。重く鈍い音が辺りに響けば、スーパープルトンが纏っていた骨鎧は粉々に砕け散っていた。
大成功
🔵🔵🔵
紫谷・康行
本体が戦えないなら
上手く召喚した英雄とプルトンの間に位置取れたら勝機はあるだろう
物理的な攻撃なら上手く飛ばされれば運動量も稼げるはず
あとは俺の覚悟次第
まずは距離を取って機を窺う
サンシャインが攻撃してきた瞬間を狙って剣を構えて全力でダイヤジャイアントに突撃
サンシャインの攻撃を避けるとともにダイヤジャイアントに近づく
プルトンと残り2人の間に入るため
サンシャイン側からダイヤジャイアントにフェイントで斬りかかり
ダイヤジャイアントの攻撃を受けながらその力を利用してプルトンの方へ飛ぼうとする
次の敵の攻撃をコード・インダクタンス・ゴーストで受け
そのままプルトンに放出する
力は利用する
俺も駒の一つ
歯を食いしばれ
「ヤハリ、ココハまじぇすたーずニ……!」
スーパープルトンはユーベルコードを発動し、マジェスティック・ツインズを呼び出す。そして猟兵から遠ざかるようにじり、じりと後ろへ下がると、現れたザ・サンシャインとダイヤジャイアントへ指示を送った。
「サアユケ! オロカナチキュウジンヲセンメツスルノダ!!」
炎を纏うザ・サンシャイン、そして宝石の拳を振るうダイヤジャイアント。紫谷・康行は彼等の背後、スーパープルトンの元へ移動できれば、と思考を巡らせる。
自分から向かっていくのでは阻止されるだろう。それに二対一という状況では、回り込まれる可能性がある。
「(……あとは俺の覚悟次第、か)」
康行は何かを思いついたように、すうっと剣を構えてザ・サンシャインの方を向く。熱く激しい炎がゴウと唸った直後、彼は突如体の向きを変えダイヤジャイアントの方へ突撃した。
ザ・サンシャインは拳が空振った勢いでぐらりと体勢を崩す。無重力空間でついた勢いはなかなか衰えず、彼が再び康行の方を向くまでには大きな隙が生まれた。
そしてダイヤジャイアントは、急に剣を向けてきた康行へ咄嗟に宝石の拳を振り抜く。ガゴン! と思い衝撃音が康行を襲えば、彼の身体は思い切り遠くへ飛ばされていった。
――その方向は。
「オイ、ナニヲシテイル!?」
スーパープルトンは飛んでくる康行にぎょっと焦った様子を見せる。マジェスティック・ツインズは慌てて康行を追うべく瞬時に体を回し、ザ・サンシャインがダイヤジャイアントの背を蹴って飛び出した。
主に触れさせまいとザ・サンシャインが再び炎を纏う。ゴウゴウと燃える炎拳が身に触れる寸前、康行はユーベルコードを発動した。
「エネルギー転写コード、自己誘導超事象コイルサーキット起動、解析完了、電磁エネルギー変換、充填完了」
ザ・サンシャインの炎が康行を包む。しかし康行はそれを耐え、そのまま同じ炎をスーパープルトンの方へと放った。
「放出準備OK――歯を食いしばれ」
「ま、まじぇすたーず、ハヤクモドレ――!!!!」
煌々と燃え上がる炎。ザ・サンシャインから借り受けた力をスーパープルトンへと叩き込めば、動けない巨体は激しい熱に包まれ、焦がされていった。
大成功
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カタリナ・エスペランサ
折角のUFOだ、有効活用させて貰おう!
敵の先制を《第六感+戦闘知識+見切り》で先読み、《早業+高速詠唱+ハッキング+先制攻撃》でUFOに魔力を流し込んで自爆させるよ
アタシは直前に脱出、《目立たない+ものを隠す+迷彩+忍び足》で気配を消して反撃に繋ぐ
自前の翼で飛んで位置取りを調整、《暗殺》の要領で【神狩りし簒奪者】の奇襲だね
爆発で出来た影を縛鎖に変化させて敵全体を一か所に纏め、黒炎の《範囲攻撃》と白雷の《乱れ撃ち》から成る《2回攻撃》でUC封じを狙おうか
何より皆を守る為に戦ったヒーローをそうやって弄ぶのを許す訳にはいかなくてね
旧き先達には安息を、悪辣な侵略者には破滅を。
キミはここで仕留めてみせる
「――ゼンイン、カカレ!!」
スーパープルトンは持てる力を振り絞り召喚を行う。満身創痍の彼が呼び出したのは、『マジェスターズ』の全メンバーだった。
現れた五つの影は姿こそ勇ましく、まさに正義の為に戦うヒーローチームと言えるだろう。しかしその心に正義や、世界を守る意志は無い。
カタリナ・エスペランサは彼等を弄ぶような戦闘を続けるスーパープルトンに目を細めながら、UFOをグングンと操り前進していった。
「折角のUFOだ、有効活用させて貰おう!」
空中を舞うように動き回るカタリナのUFOへ、マジェスターズが一斉に襲い掛かる。
炎を纏う竜巻が唸り、骨の武器や宝石の拳が轟く。カタリナは自らの経験からその軌道を読み、UFOのレバーを巧みに操って攻撃を躱していった。
そして、突如カタリナのUFOがキィン、と熱を帯びる。マジェスターズが各々の攻撃の命中を確信した瞬間、その中心にいたUFOは眩い光と爆炎を炸裂させた。
有効活用。つまり乗りこなすという意味ではなく――武器として、という意味だったのだろう。
いつの間にかUFOから脱出していたカタリナは、ばさりと背の翼を羽搏かせてマジェスターズの視界から消える。そしてカタリナは爆炎で照らされたマジェスターズの足元目がけて、ユーベルコードを発動した。
「仕込みは上々、この戦場はもうアタシの掌の上さ」
そんな声が響き、マジェスターズは咳込みながら光と煙から抜け出すべく散り散りになろうとする。その瞬間彼等の影からぞぶりと鎖が飛び出した。
「――そのチカラ、貰っていくよ!」
鎖がマジェスターズを捕らえ、彼等を呼び出したスーパープルトンの目の前へと引き摺り集める。動けぬままのスーパープルトンは離れろと喚くが、もう既に遅かった。
「旧き先達には安息を、悪辣な侵略者には破滅を」
上空からカタリナが呟いた瞬間、マジェスターズとスーパープルトンへ黒炎と白槍が降り注ぐ。だが、その攻撃がスーパープルトンに触れた瞬間、力が途切れたのかヒーロー達の姿はふっと消え去った。
――狙うべきは元凶、ヒーローを弄んだ悪の侵略者。
「キミはここで仕留めてみせる」
カタリナは攻撃の手を止めない。
満身創痍のスーパープルトンに激しい連撃が叩き込まれれば、無機質な空間に劈くような悲鳴が響き渡った。
大成功
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