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だから早く寝なさいってお母さん何度も言ったでしょ!

#UDCアース

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#UDCアース


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 とある繁華街の一角、ベンチ上に忘れ去られてしまった薄いビジネスバッグがぽつんと持ち主を待っている。それからしばし後、すぐ近くの地下鉄出入り口から慌てたように、30代ほどのスーツの男性がベンチへ駆け寄った。
「あっ、あああああ良かったまだあった、助かったー!」
 日本の治安とモラルに感謝!! と泣き出さんばかりに鞄を抱きしめ頬ずりする。ひとしきり鞄との再会を喜ぶと、どうやら業務を抜け出してきていたらしく急いで地下鉄の出入り口へ逆戻りしていった。
 その光景をコーヒーショップの軒下から監視していた、やはりスーツ姿な30代男性二人組の顔からざーっと音を立てて血の気が引く。
「ど……どうしましょう取り違えられちゃったんですけど」
「どうしたもこうしたもない、取り返すんだよ!!」
「アッすいませんお姉さんさっきのオーダーキャンセルで! え、カスタム山盛りだからだめ!? お代いらないから!! ……エッそれでもだめぇ!!?! 勘弁してくれよぉぉおぉぉ」
「もういいからさっさと受け取ってこい早く! あの鞄の中には――」
 ……邪神復活のための祭具が入っているのだから。

●だから早く寝なさいってお母さん何度も言ったでしょ!
 ひょい、と指揮棒のように上げた水衛・巽(鬼祓・f01428)の指先でグリモアが回転を始める。
「とあるビジネスマンが、UDC教団が運び屋に運ばせるはずだった鞄を自分のものと取り違える事件が発生しちゃってね」
 不幸なビジネスマンの名は脇坂・晃司(わきさか・こうじ)、場所はとある繁華街のベンチ。出勤前の小さな楽しみであるコーヒータイムを楽しんでいたが、前日の残業が祟りうっかり寝入ってしまった。さいわい遅刻しない時間に目が醒めたものの、あまりに慌てたせいでサブバッグをベンチに置き忘れてしまったわけだ。
「鞄は通りすがりの人が交番に届けてくれたみたいだけど、教団が同じ場所に、しかも偶然同じビジネスバッグに儀式の祭具が入った状態で置いてしまったものだからさあ大変、ってわけ」
 現在脇坂氏は勤め先のとある高層ビルで仕事中だが、鞄を監視していた教団メンバーがすでにビル出入口を張っている。
 なんとか脇坂氏に気付かれないよう鞄を入れ替えなければならないが、チャンスは彼が夜7時に退社しアパートまでの帰り道の約一時間しかない。しかも面倒なことに、鞄を取り戻そうと躍起になっている教団が一般人の命に頓着してくれるはずがないのだ。
「出入口を教団に押さえられている以上、何らかの方法で自分の姿を見えなくする、あるいは隠れて行う必要があるわね」
 どうすり替えるかの細かい作戦は任せるわ、と言いおいて巽は猟兵達に適当な書類めいたものを詰めた薄いビジネスバッグを渡した。これとすり替えろ、という事だろう。


佐伯都
 こんにちは、佐伯都です。タイトルが出オチとか言っちゃ駄目です。
 それではさっそく補足とおさらいをどうぞ。

●この依頼とプレイング受付について
 真面目なサスペンスになるかそれとも七転八倒ネタ依頼になるかは皆様のプレイング次第です。前者だと全力でタイトル詐欺っぽくなりますが気にしない方向で。
 そのほか、1/13の東京オフ出席にともない、1/15までの間はリプレイをお返しするのがちょっと難しいです。ゆっくりプレイングを練ってご参加いただければ幸いです。

●第1章について
 探索系や話術・情報収集系の技能やユーベルコードをうまく使えば、能力値が低くとも良い結果が期待できる場合があります。

●戦闘および章移行に関して
 戦闘が発生する章では、敵オブリビオンのユーベルコード一覧や外見が参照できます。
 章移行時は一度状況説明をはさみますので、そちらをご確認のうえプレイングをかけていただくのがおすすめです(移行後、状況説明が出るまでタイムラグがある場合があります)。

 成功条件は『第3章ボス』の撃破。

 それでは皆様の熱いプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『間違えられた荷物』

POW   :    尾行して様子を見る

SPD   :    周囲に不審な人物がいないか注意する

WIZ   :    行き先を予想する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「はー、さむさむ……もーさっさと寝たいし帰り道に弁当でも買うかな……」
 コートの衿を立ててビル前を急ぎ足で通り過ぎる人影を、猟兵達は物陰から見送る。
 そのまま追うかどうか逡巡した一瞬に、みな一様に夜陰に紛れる濃色のコートを着込んだ男が数名、猟兵達の目の前を横切って標的の後方についた。
 あれが教団員か、と猟兵達は無言のままアイコンタクトをとる。そして脇坂氏の荷物と手元の鞄、そして彼を追う邪神教団員の悪意から彼を守るべく物陰から抜け出した。
南雲・海莉
全く不運過ぎるわね……
うたた寝の対価が命とか、洒落にもなんないし

最初に出入り口で見張ってる教団員に当りを付けるわ

7時少し前からUCで教団員の行動を把握しつつ、
ある程度離れて距離を保って尾行
リバーシブルのコートや帽子による簡単な【変装】で
印象を変えることで相手の印象に残らないように注意

強奪しようとする雰囲気が出てきたら
スマホのイヤホン付けて走ってぶつかるわね

「きゃあっ、ごめんなさいっ!
門限で急いでたからっ」
ついでにバランスを崩した振りでまとめて押し倒す

【コミュ力】で倒した事とか歩きスマホを謝りつつ
少しでも足止めさせてもらうわ

……武力での足止めは最終手段ね

入れ替わっちゃったの、早く気づくと良いわね


來米良亭・ぱん太
WIZの行き先予想で帰宅道を先回り。
一応落語家なので
「そこのお兄さん、一席聴いていって下さいよ」
人気の少ない所で脇坂氏に声をかけ、リンゴ箱等で作った即席辻高座に誘う。強引に誘う。
「一日一噺どなたかに聴いて頂かないと、師匠に破門されちゃうんですよ~」
パンダなので可愛さもあざとく使う。うるうるっと見上げてすがりつくとか。
そして何とか聴いてもらえる体勢になったら、
「お寒いでしょう、これをどうぞ」
親切ごかしてどてらを着せてあげつつ、鞄をすり替える。
または噺の間に、仲間にすり替えてもらう。噺は『粗忽長屋』。
もし教団員が現れたらUCをかます!(詠唱の中身はMSさんにお任せ♪)
連携・ネタ・アドリブ歓迎



 ……まったくもって、不運すぎる。対価が命とかシャレにもならないし、そんなにうたた寝って重罪なのかと、南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は軽く溜息を吐いた。
 すでに時計の針は夜七時を過ぎ、ビルの入り口から駅方面へと急ぎ足で出てきた脇坂氏の背中は遠くなっている。それから遅れる事数瞬後、ビル周辺の死角からわらわらと数名の、いかにもな風体の男達が彼を追尾しはじめた。
 いつもは被らぬ帽子など、軽い変装をしているので寒くはない。しかしさすがに一月中旬の夜だ、吐く息が真っ白かった。
「……まあ、武力での足止めは最終手段にするとして。行きますか」
 ビル周辺には教団員ばかりではなく幾人かの猟兵も身を潜めている。教団にはぬかりなく、『影の追跡者』という何よりも信頼でき頼れる尾行者を付けてあった。これさえあれば見失う可能性は限りなく低い。
 自らはサポートにまわるべく、海莉は脇坂氏と教団員が進む表通りを逸れて中道に入った。
 さて、彼等の進路をあらかじめ野生の勘で予測していた來米良亭・ぱん太(魔術落語家・f07970)は、ターゲットがやってくるのを待ちつつ寒空の下で即席辻高座を組み立てていた。くたびれ気味の毛氈の下から『青森りんご』のロゴがちらちら覗いているのがせつない。いくらパンダキマイラでもこれはさすがにちょっと悲しい。パンダ泣いちゃう。
「でもねえ、あっしらがここで食い止めないと、何の責任も罪もねぇ一般人がばすっと、こう、ねぇ。流石にそれはいかんでしょうよ」
 首すじを軽く扇子でなで切りにしながら、ぱん太はおもむろに高座へ上がった。駅への近道にと角を曲がってきた脇坂氏が、常夜灯の下で鎮座ましているパンダキマイラに気付いてびしりと硬直する。
 まあ、当然ながら怪しい。夜道で黒紋付き着込んだパンダキマイラが高座に上ってたらそりゃ怪しさ大爆発に決まっている。当たり前だ。どこからツッコもうか悩むくらいに。
「ああぁそこのお兄さんンン、一席聴いていって下さいよぉぉお願いします後生ですからぁぁ」
「えっえっお兄さんって俺のこと!??! なんで!!?!」
「そうお兄さん貴方のことですよ! 一日一噺どなたかに聴いて頂かないと、師匠に破門されちゃうんですよおぉ~」
「だったらこんなひとけのない所じゃなく昼間やれよ!」
 大変ごもっともな意見である。痛いところを突かれて、うううん、と思わずぱん太は考え込んだ。その隙に脇坂氏がすちゃっと逃げの体勢に入る。
「じゃ、そういうわけで! オレ全然関係ないっすから!!」
「待てぇぇェイ!!」
 スパァン! と『ぱん太』の墨跡もあざやかな扇子が投げられ、特に理由のない暴力が脇坂氏を襲った。ぐはっ、となかなかのダメージが想像できる声を上げてうずくまる。がんばれ若人まけるな若人。日本の未来は君にかかっているんだぞ!
「ねえちょっとキミ今扇子思いっきり投げた!!?! 投げたよねえええ!!?!」
「ええ投げましたとも、欲しがりません聴いてもらえるまでは!」
 何か色々文脈がおかしいがぱん太も必死である。少し離れた場所で、ちょっと何かあそこで始まってるよオイ、ってな顔で教団員が呆れ顔をしていてもこのさい関係ない。何としてでも噺を聞いてもらわなければぱん太の明日のおまんまはお預けなのだ、いやそんなの誰も知らんけど。
「とにかくあっしの噺を聞いてくれるだけでいいんですよおお、お願いしますよおおおお」
 うるうるっと黒目がちな目を潤ませながらあざとさ全開で頼みこむぱん太に、脇坂氏はもうしょうがないな、という表情で渋々首肯したのだった。
「……。何やってんのかしらあのひと……」
 いつ飛び出そうか逡巡していたものの、盛大に溜息をついて海莉は物陰へ戻る。ともかく、あの鞄をすり替えればそれでよいのだ、と己に言い聞かせながら。
 即席辻高座では、ぱん太渾身の『粗忽長屋』が始まっていた。さあさあ冬の寒空ですし是非これをどうぞ、とぱん太お手製どてらサービスにはじまり手荷物預かりサービス(高座の下のりんご箱へ収納)も完備である。優しい。
 高座の下に目的の鞄が収納されてしまったので、教団員も手を出すに出せないようだ。そんなわけでぱん太の高座は無事終わり、なあなあで巻き込まれたものの脇坂氏はぱん太の落語に意外と感銘を受けたようで拍手を惜しまない。
「嫌ですよお、そんな大げさな」
「いやいや、想像してたより良かった! あんた才能あるんじゃね?」
「持ち上げたって何も出やしませんよお、はい鞄どうぞ」
 ……ばっちりすり替え済みのものを脇坂氏に差し出し、ぱん太はにっこりする。任務完了、その時ぱん太は本気でそう思っていた。
 一方脇坂氏に従って移動を始めた黒服の男達を、海莉が追いかける。まだ教団員は祭具を脇坂氏が所持していると思っているはずだ。なんとしてでも守らなければならない。
 再度表通りに出た黒服ご一行様がひそひそと短い相談を交わしたことを海莉は見逃さない。すぐにスマホのイヤホンを耳にかけ、意を決して突進する。短いダッシュの直後に、複数の強い衝撃。
「……きゃあああっごめんなさい!」
「な、何だ!!?! 何だお前!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい……! 門限で急いでいたからっ」
 四人ほど転倒させたあげく自分は転びもしないで立っていたが、海莉はひたすら平身低頭で謝り続ける。ついでに、おまけのオチとばかりに頭を下げる勢いが強すぎてふらつき、黒服の男達の中心に突っ込んで薙ぎ倒していくという離れ業も披露してのけたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フイ・フイ
うーん行き先を予想して待ち伏せしようかな。
グリモアベースから手頃な机を借りてきて、脇坂さんの退社時間に合わせて帰り道に設置。
「掛かるも八卦、掛からぬも八卦。辻合気いかがっすかー」
胡散臭くて誰も近づかないくらいが丁度いいよね。
脇坂さんが現れたら呼び止めて。
「おっとそこのお兄さん。その顔、良くない相だ。そのままだと災難を呼ぶよ」
「私の両手を握っていきなよ。お代はいらないからさ。――きっと、残業の疲れも吹き飛ぶよ?」
言いくるめられたら鞄を預かって机の裏に。
適当に手を握って貰って聖者の力で疲れを癒してあげて、帰りにはすり換えた鞄を渡してと。
教団の妨害があれば脇坂さんの安全を優先しつつさっさと逃げよう。



 まさか背後で猟兵対教団員の盛大な転倒劇が繰り広げられているとはつゆ知らず、脇坂氏は地下鉄へのショートカットだった路地から表通りに戻ろうとしていた。堅い靴音を聞きつけ、フイ・フイ(人間の聖女・f08740)は折りたたみデスクに伏せていた顔を上げる。
「えー掛かるも八卦、掛からぬも八卦。そこなお兄さん、ひとついかがっすかー」
「えっ何今度は八卦占いっすか」
 今度はって何だろう今度はって、と内心首を傾げつつフイは軽い笑みを絶やさない。ちょいちょい手招くと、怪訝な表情を崩さぬものの脇坂氏は素直にフイの机の前へ寄ってきた。
 暗がりで、それっぽく見えるよう目を凝らすふりをする。
「……おっとぉ、お兄さん。その顔、良くない相だね」
「良くない? ……ついさっきへんなパンダが落語聞かせてくれたッスけど、それは別に何も……すごく面白かったし」
 落語喋るパンダって何だ、とさすがに怪訝な顔になりかけるも、ああ恐らく猟兵の誰かがキマイラだったのだな、とすぐに得心する。
「まあパンダはともかく、そのままだと災難を呼ぶよ」
「災難!!?!」
 ひいっとわかりやすく身をのけぞらせた脇坂氏に、フイはにこにこと両手を差し出した。
「祓ってあげるから私の両手を握っていきなよ」
「ええええ……」
 えーって何だえーって、とこれまた内心眉をひそめつつも笑顔のまま、フイはダメ押しとばかりに身を乗り出す。その押しに根負けしたのかそれとも言いくるめられたのか、脇坂氏は傍らに荷物を置いて手を差し出した。
「いやいや、大事な荷物をそんな所に置かないで。預かりますよ」
「はあ……何か今日は妙に荷物に縁があると言うか何と言うか」
 そりゃそうだ。そこの角にようやく駆けつけてきた教団員はもちろんフイ自身だって、脇坂氏が荷物を取り違えたばっかりに色々骨を折る羽目になっているのであって。まあ彼に責任が全くないとまでは言えないが、命であがなうべき落ち度でないことは間違いない。
「きっと、残業の疲れも吹き飛ぶよ」
 預かった鞄を机の下に置き、フイは脇坂氏の手を握って軽く念を込めた。
 気が緩んだとは言え朝の時間に居眠りするくらいだ、疲れも溜まっているだろう。手の平を重ね光が漏れぬよう、教団員からは見えぬようにも注意しつつ、フイは【生まれながらの光】で脇坂氏を癒すとすぐに彼を解放した。
「……。あっ、なんか本当に身体が軽いような」
「まあ、夜道は暗いし気をつけて」
 死角になる角度に隠しておいたすり替え用の鞄を差し出し、フイは脇坂氏を見送った。
 ……物陰からこちらを眺めている複数の視線が痛い。ここはさっさとおいとまするが得策か。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 二手に分かれた教団員のおおかたは脇坂氏を追い、ごく少数はあきらかに怪しげなパンダ噺家と八卦占いを追うことにしたようだった。何も心構えがない状態ならまだしも、すでに面が割れている邪神教団の追尾を振り切る事などそう難しくはない。
 ただ問題は、脇坂氏だ。
 職場から自宅までは地下鉄で一本という何気に羨ましい立地らしく、運良く空席をゲットした脇坂氏は隣の車両から色々な意味で熱視線を送られていることにも気付かない。
 もし教団員が仕掛けてくるとしたら、地下鉄を降りて、駅から自宅までの道のりと言えるが――さて。
文月・統哉
落語凄いな
脇坂氏の不運ぶりも
これも才能っていうんだろうか

祭具の詳細情報を確認して【レプリカクラフト】で複製
居場所探知の発信機と
祭具として使おうとしたら自爆する仕掛け罠も仕込んで鞄の中へ

降車駅に先回りしたら
福引台を用意して
黒猫の着ぐるみを着ながら待機
脇坂氏が来たら声を掛け
「お兄さん、ちょっと背中のファスナー閉めてくれませんか?」
困っていると助けを求める

手が空く様にと荷物を預かり
すり替えた荷物を返したら
お礼に福引を引いて貰うよ

一等が出るよう細工済み
脇坂氏の注意を敢えて引いて
教団員が荷物を回収できる隙を作る

脇坂氏から狙いを外しつつ
教団アジトを突き止める作戦だ

脇坂氏落ち込むかな
一等の温泉旅行で勘弁な?



 ……それにしても脇坂氏のこの不運っぷりはいっそ突き抜けているな、と文月・統哉(着ぐるみ探偵見習い・f08510)は遠い目になる。これも才能のうちだろうか。いやそんな迷惑な才能素直に喜べない。
 教団の鞄を確保した猟兵の協力を得、ユーベルコード『レプリカクラフト』にて祭具の複製を作成した統哉は脇坂氏の降車駅に先回りして福引き台を用意していた。最近の猟兵のトレンドは『先回りしてなんやかやの台設置』なのかもしれない。
「あっお兄さんちょっとちょっと、すみませんが背中のファスナー閉めてくれませんか!」
「……少年、キミ何か知り合いに噺家のパンダとか占い師とかいない?」
「さあちょっと何のことだかよくわかりませんね」
 黒猫の着ぐるみのファスナーを通りがかりの脇坂氏に上げてもらいつつ、統哉は一応とぼけておく。
「いやあお急ぎの所ありがとうございます。お礼に一回いかがですか」
「何コレ。福引?」
「一等は温泉ご招待です!」
 視界の端に黒服ご一行様をとらえつつ、統哉は手が空くようにと鞄を預かる。一瞬後ろを向いた瞬間に着ぐるみの中に隠しておいた鞄とすりかえた統哉は、祭具のレプリカを入れたものを、脇坂氏の視界に入り、かつ通りすがりにかっさらえるような位置に設置したサブテーブルの上へ置いた。
 仕上げとばかりに大きな黒猫の頭をかぶり、統哉はさあどうぞと可愛らしい黒猫の仕草そのままに脇坂氏へ福引きをすすめる。何も損はない話なので脇坂氏は素直に福引きのガラポンをがっしょがっしょと回しはじめた、その瞬間。
「あっ! あああああっちょっ、ちょっとー!」
 隙アリ、と呟いたかどうか定かではないが、一瞬の隙を突いた教団員が複製祭具入りの鞄をかっさらって逃げていく。
「誰か、誰かひったくりだああ捕まえてくれーっ!!」
「駄目です、ああいうのは追いかけたら逆上して痛い目にあいますって!」
「え、えええー……あー駄目だもう見失った……」
 脱兎のごとく住宅街を駆け抜けて姿を消した教団員に、脇坂氏はがっくりと肩を落とす。少し可哀相な気もするが、これも彼から教団の目をそらすためなので勘弁してほしい。
「まあ、良い事ありますって。気を取り直して福引きの続きをどうぞ。警察に届けたら外側だけは帰ってくるかもしれませんし」
「はあ……あーあ俺の鞄……」
 盛大に気落ちしているものの、脇坂氏はそれでも薦められるままガラポンを回す。その目の前で、かろり、と一等当選を表す小さな金色のボールが転がり出てきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『片付けろ、汚部屋!』

POW   :    まとめて燃えるゴミの日に出しちまおう!

SPD   :    ちゃんと分別しないと、業者が大変だろ?

WIZ   :    待て、リサイクルショップに売り払おう。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 教団員が持ち去った鞄の中には、GPS発信器を内蔵した祭器のレプリカが入れられてある。恐らくアジトかどこかに持ち去るだろうとふんだ猟兵達は、発信機から送信されてくる位置情報をもとに教団員の足取りを追った。
 築数十年はかたい、というレベルの古アパート。見上げる猟兵の誰かがごくりと喉を鳴らすのが聞こえる。
 ……空室ばかりが目立つアパートの二階、唯一明かりのついたそこへ教団員が消えていった。
 中身をきちんと改められれば、祭器が偽物であることはすぐにわかる。また脇坂氏のところへ戻られても話が戻って面倒なだけなので、猟兵達はこのまま教団員が入っていったアパートの一室へ踏み込む事にした。
 ぎしぎしと木製の階段を踏んで二階へ上がり、ただひとつ電気のメーターが回っている7号室を目指す。
 慎重にドアノブを回すと、鍵はかかっていなかった。
 御用改めであるとか火付盗賊なんちゃらである、とか叫びながら扉を引いた猟兵がいたかは定かではない。定かではないが。
 ……ドアを開けた猟兵が茫然と立ち尽くす。
 いわゆる汚部屋、足の踏み場もないほどうず高く積みあげられた、ゴミが詰まっていると思わしきいくつもの袋や服や本や何やかやの山や山や山、という光景が広がっていた。
「な、何だお前等は!?!!」
「まずそれを隠せってば! なんでもいいから!!」
 そしてそのゴミ山を器用に避けた部屋の片隅、鞄を検分しようとしている二人の教団員。
 なんともカオスな状況下、猟兵達は唖然とするばかりだったが。
「隠すって、どこに!」
「ああもうお前はどうしてこう……こうするんだよ!!」
 あっ、と祭器を奪われた教団員Aと、猟兵達の中から声が上がる。
 レプリカとも気付かぬまま祭器を奪った教団員Bが、よほど慌てたのか、そぉい! とばかりに汚部屋の中へ放り投げてしまったのだった。
 ……片手にすっぽり収まってしまうような大きさのそれを。
「……ええと」
「……。……」
 ここでさくっと帰ってしまうとまた脇坂氏にターゲットが戻ってしまうので、それはできない相談だ。
 どうにかあのレプリカの祭器が本物だと思わせるか、もしくは捜索を邪魔しなければならないが――。

●第二章補足
 行動としては大まかに『教団員より早くレプリカ祭器を発見する(ことで本物と思わせる)』、もしくは単純に『教団員の捜索を邪魔ないし阻止する』のどちらかになります。
 祭器を探す場合は、祭器が落ちた付近を手当たり次第(POW)、とにかく教団員の先回りをして探す(SPD)、いちかばちか勘で勝負(WIZ)という方向になるでしょう。
 教団員の邪魔ないし阻止をする場合は、上記の表を参考に汚部屋の片付けを滔々と語って薦める(POW)、とりあえず手近なものを分別させて時間を浪費させる(SPD)、金目のモノを探して目的を見失わせる(WIZ)などが考えられます。
 猟兵と教団員による汚部屋攻略の結果やいかに。
瑠璃光寺・未子
ミコ「なんと!ヒドい部屋だのう……」
祭器奪還(のふり)で訪れた汚部屋の惨状に、お嬢様は顔をしかめます
こんな部屋の物など触れたくもありません

そこに憤慨した執事(人格)のミモリが【戦う執事さん】で現れ
「お嬢様を迎えるのにこ~んな不潔な部屋を用意するとは何事でございますか、まったく無礼な!」と教団員を一喝し[恐怖を与える]のです(勝手に押し掛けたくせに

そしてお嬢様が安心して祭器(レプリカ)を探し出せる清潔な部屋に整えさせるべく、教団員たちにみっちり[掃除]のイロハをたたき込みます
[礼儀作法]にうるさい執事さんはゴミの分別も細かく口を挟み、お仕置きも加えるのでやたら時間がかかるでしょう

(アドリブ大歓迎



 教団員が、すわ邪魔者かと身構える。そんな中瑠璃光寺・未子(ヒトリカゴメ・f06597)が、一人でもういっぱいいっぱいの狭さな玄関で仁王立ちになった。
「なんと! まったくヒドい部屋だのう……こんな部屋の物など指も触れたくありません!!」
 えっなにこのひとだれ、と教団員が一瞬唖然とするのを華麗に無視しきって、未子は汚部屋内を見回す。ただそこに在るだけで与えられる存在感と畏怖の面目躍如といったところだ。
「これはどういう事です、きちんと説明なさいミモリ!!」
『ああっ、お嬢様の身に何かがあってはミモリが叱られてしまいますっ』
 しゅるんと未子の背後から姿を現した執事がおろおろと手をさまよわせる。しかし、ぽかんと口をあけている教団員二人を発見するなり、突然胸をそらして説教を始めた。
『これ、そこな黒服の二人! お嬢様を迎えるというのにこ~んな不潔な部屋を用意するとは何事でございますか、まったく無礼な!』
「えっえっお嬢様ってなに俺そんな事聞いてないんですけど」
「ばっっかお前馬鹿正直に答えてどうするよ適当に話合わせんだよ! 教団で出世したかったら空気読め、空気!!」
 ……めっちゃ聞こえてますけど、と誰かが呟いたとか呟かなかったとか。
『ともあれ、現状がこうであれば致し方ありません。お嬢様が安心して祭器を探し出せるよう、お前達には徹底的に掃除のイロハを叩き込んであげますからねッ』
「ええええええ掃除って、俺らがやんの!?」
「……俺らしかいねーだろうよ……」
 完全に教団員は未子のペースに飲まれてしまっている。ちょろい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

文月・統哉
散らかった部屋に親近感が…キノセイキノセイ(目逸らし

形状と軌道から察するに、ブツはこの辺に違いない!
いや待てよ、こっちに跳ねた可能性も?

惑わす様に呟きながら室内を物色
あーんなモノやこーんなモノを次々発掘し
教団員の性癖を暴きまくって場をカオスに…もとい、捜索を邪魔するぞ

何だろうこの薄い本?
このフィギュアはもしや!?

反応見つつ技能を駆使した話術で拘りを刺激
熱く語って貰ったり、意気投合してみたり
(ゆるキャラぬいぐるみとか、着ぐるみ怪獣のフィギュアとかもないかな?)

万一教団員が先に祭器見つけピンチな時はプリカクラフト!
レベル㎥いっぱいの大量のレプリカで圧し潰して誤魔化すぞ

※絡み・ネタ・アドリブ大歓迎!



 足の踏み場もない惨状に多少の親近感を覚えるものの、気のせい気のせいと統哉は目を逸らす。
「なんで俺らが掃除なんて……しかもこんな時間に……」
「うーん、形状と軌道から察するに、この辺に違いないと思うんだよなあ……」
 己の不運にさめざめ涙をこぼしつつ掃除に取りかかっていた教団員Aに聞こえるように呟き、統哉は室内へ踏み入った。
 手当たり次第に周辺のゴミと意外にそうでもなさそうなものを一緒くたにゴミ袋へ突っ込んでいた教団員Bが反応する。
「何ッ!? お前それ本当か!!!?」
「あーいや待てよ、こっちに跳ねた可能性も」
「どっちだよ! 正直に言え、正直に言えばこの場は見逃してやる!」
「見逃してやる言われても」
 えー、と非常にわかりやすいぶうたれ顔を作りながら統哉は室内の物色を続行する。
「え、何だろうこの薄い本? あとこのフィギュア何……っていうか組み立てキット?」
「えっ何ですかアレ。心当たりあります?」
「……ああああああっお前それどこで見つけたんだ、半年前から行方不明だったジャガー&フェレットのガレージキット!!」
「……ガレージキットって何ですそれ」
「知らなくていい黙ってろ! おいお前、それをよこせずっと探してたんだっ」
 エー、とこれまたわかりやすいぶうたれ顔を作りつつ統哉は素直に教団員Bへ、ジャガー&フェレットなる作品のガレージキットが入った箱を差し出してやる。その一方でゴミ山としか思えなかったものの中からはゆるキャラぬいぐるみやら着ぐるみ怪獣のフィギュアやら、意外にヲタ趣味なアイテムがごろごろ発掘されてきた。
「あっこれなら俺にもわかりますよ、『慈悲ライブ!』 なんでしたっけ、仏教系高校の男子生徒が生徒獲得のためにアイドルグループ作るんですよねっ」
「そうそう、なんたってライブのシンクロ度が凄まじくてな……あの説法ソングの数々には涙を流して手を合わせたもんだ……」
 汚部屋のそこかしこで隠れヲタクの会話に花が咲き乱れる。教団員相当ちょろい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

南雲・海莉
義兄は言ったわ
『観客を巻き込むなら、役者本人が役に騙されろ』と
今なら簡単ね
汚部屋を許せないのは私の本心よ!

「武術も信仰も、まずは身嗜みと清貧の精神から!(くわっ)」
気合で威圧
「住環境を清潔に保つことも精神修養の重要な位置を占めるの
それを怠って、神の神秘に授かるなど不可能と思いなさい」

まずは指定のゴミ袋買占めと人数分のマスク、ビニール手袋を準備
無いなら買ってきて
だって素手で掴めると思う?
冷蔵庫の奥は腐海の入口よ(真顔)

次に生ごみの袋を撤収
この時間に捨てられない?
明日朝一に焼却場に直接持っていく為に
今から車に積み込むの

一緒に動き常に指示して掃除を完遂させてやる……
じゃなくて仲間から意識を逸らさせる



 紆余曲折を経てすっかり和やかな空気に満ちている汚部屋に、海莉の一喝が響く。
「そこ!! 和む暇なんてないわよ、武術も信仰も、まずは身嗜みと清貧の精神から!!!!」
 くわっ、とまさしく般若面じみた鬼の形相に、教団員二人がびしりと凍りつく。
「住環境を清潔に保つことも精神修養の重要な位置を占めるの! それを怠って、神の神秘に授かるなど不可能と思いなさい!!」
「ひいいいいすんませんすんません真面目にやりますううう!」
 フィギュアやら薄くて高い本やら限定版DVDやらを放り出し、教団員は改めてゴミ袋を手に取った。――が、甘ァい!! とさらに海莉の怒声が轟いた。
「甘い! あまりにも甘すぎるわ!! たったそんな枚数のゴミ袋で足りるとでも思ってるの、まずは指定のゴミ袋を……そうね近くのコンビニから買い占める勢いで準備なさい。それから人数分のマスクにビニール手袋も!」
「エッそこまでいります……? マスクとか手袋とかそんなおおげさな」
 正直、その場で聞いていた他の猟兵の中にも同じ事を考えた者がいたかもしれない。しかし海莉は、フッ、とひどく遠い目で自嘲気味な笑いをこぼす。
「だって素手で掴めると思う? ……冷蔵庫の奥は腐海の入口よ」
 台詞の最後には真顔になった海莉を教団員二人は無言で見つめ、そしてどちらからともなくそっと目をそらした。どうやら心当たりがあるすぎるらしい。
「ほら心当たりがあるならさっさと手を動かす! 生ゴミの袋はどこ!? きちんと分別しなさいそういう所からご近所付き合いは始まるのよ!」
「いやあの、これ今晩のうちにどうにかするつもりなんです……? ここらへん、明日は燃えないゴミの日なんですけど。今は冬ですからまあ、アレですけど、生ゴミを夜のうちに出すのもルール違反なんでは」
「一体どこの誰が今出すと言ったの」
 腕組みしたまま海莉は教団員二人を見下ろす。その目はまるで養豚場にひしめく豚の群れでも見ているかのような目だ。明日の朝には精肉店の店頭に並ぶ運命なのね、と言わんばかりの。
「……え」
「今晩出すんじゃないので?」
「当然でしょう明日朝イチに焼却場に直接持ち込むため、今から車に積み込むのよ!!!!」
「処理場に直接搬入ウウゥゥーーー!!?!」
 海莉の本気度に、ヒイイイイ、と悲鳴を上げる教団員二人。やっぱりちょろい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

來米良亭・ぱん太
脇坂氏からすり替えた鞄(あっしのが本物っすよね?)は、巽さんに預け済みってことでひとつ。
邪魔ないし阻止で。
「あああっ、こんなところに500円玉!」
自分の虎の子の500円玉を、さもゴミの中から拾ったように見せつけ、教団員の注意を引く。そして、
「小銭ったら『時そば』っすよね。どうです、おひとつ聴いちゃくれませんか」
教団員にすがりつき、また無理矢理落語を聞かせようとする。ゴミの山に押し倒す勢いで。
その間に掃除や探索が得意な仲間が祭具を探しあててくれるといいなー。
パニックでどうしようもなくなったらUCを。一旦場を凍らせるというかなんというか。詠唱の中身はお任せ!
もちろんアドリブ・連携・ネタ歓迎です。



 もはや教団員の脳内から祭具のことなど綺麗に吹っ飛んでいるかもしれない。が、ぱん太が駄目押しとばかりに汚部屋へ乗り込んできた。本物の祭具が入った鞄はすでに安全な場所に確保されてあるので、後顧の憂いはどこにもない。
 はいはいはいちょいと失礼しますよ、と軽く声をかけると、朝イチでゴミ袋搬入という本気度に青くなっていた教団員二人が我に返る。
「……。…………あああお前どこかで見たと思ったらさっきの! 自分超怪しいですって言わんばかりのパンダ落語家!」
「他の二人は全然気付いてなかったのに何故あっしだけピンポイントで気付くんですゥ!!?!」
「えっだってそりゃお前めっちゃパンダだし。超パンダだし」
「識別してるのそこっスか! 落語家はおまけですかィ!!」
 いやそりゃあ当然でしょどうみてもパンダのほうがインパクト強いじゃないですか、と呟いた猟兵がいたとかいなかったとか。
「ともかくだな! お前何しにここに来た! 返答の内容次第によっちゃあ――」
「あああっ、これは何たる! こんなところに五百円玉!」
 雲行きが怪しくなったところですかさずぱん太は虎の子の五百円玉を取り出し、煌々と汚部屋を照らしている蛍光管の灯りにかざした。
「何だよ五百円ぽっちじゃねえか宝くじの一等見つけたとかならまだしも」
「何を仰るんですかィ、小銭って言ったら『時そば』っすよ。しかもほら、ちょうど一月の寒いさかりで冬の鉄板ネタでございましょう、どうです、おひとつ聴いちゃくれませんか」
「えっ落語に季節感とかあったんです」
「落語に季節感! アリアリですよ季節感、大アリですよう旦那! それじゃあひとつ渾身の『時そば』、聴かせてさしあげやしょう」
 ここまでの掃除でできた空間にいそいそと座り込み、ぱん太は扇子片手に調子よく『時そば』を語りはじめる。扇子を割り箸に見立て蕎麦をすする仕草で知られる演目だ。
 ゴミ袋傍らにすっかり聞き入っている教団員二人。そろそろ心配になるレベルのちょろさである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ナレノハテ』

POW   :    悪イ子ニハオ仕置キ
【人形の指先 】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ママノ言ウコトヲ聞キナサイ
見えない【魔力糸 】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    アノ子ノ待ツ夜ニ
【巨大な白銀の魔力弾 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【周辺の天候を猛吹雪にして】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠柊木・ましろです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 時刻はすでに夜の十時に迫ろうとしていた。汚部屋のどこかに吹っ飛んだ(レプリカの)祭器の存在などとうに忘れ去ったかのように、教団員は滑稽話に大喜びで手を叩いている。
 が、果たして運命の悪戯か何なのか、それともレプリカの別物とは言え祭器が悪さをしでかしたのか。それとも汚部屋に蓄積された何かが結晶化でもしたのか。
 スウ、と汚部屋の気温が急降下したかのような錯覚に、猟兵はもちろん二人の教団員も真顔になる。何事かと周りを見回したその目に、本来ならここで姿を現すはずのない――オブリビオン『ナレノハテ』の姿が見えた。
 その名の通りに、何者かのなれの果て、である。しかも一体何者であったのかは、教団員はもちろん見上げる猟兵にも簡単に連想できるものだった。
 ゆっくりと、ゴミ溜めと化した部屋を睥睨したナレノハテが怒りの形相を浮かべる。
『……だから片付けなさいってお母さん何度も言ったでしょ!!』
 そんな台詞が聞こえてきそうな邪神の姿に、教団員は戦き、青くなるしかなかった。

●第三章補足
 ボス戦です。ボス戦なんです。大事な事なので二度。
 教団員二人は汚部屋の隅でヒイイって小さくなっておりますので放っておいて大丈夫です。戦場も汚部屋ですがだいたい足の踏み場もなんとかなりますので深く考えなくて大丈夫です。
※シナリオフレーム改定前に作成したもののため、クリア条件が👑17になっております。ご留意下さい。
南雲・海莉
焼く(火)のもまき散らす(風)のも濡らす(水)のもヤバいわよね、これ
(周囲の惨状に頭痛を覚えつつ、
選んだUCで氷の属性の魔力を刀と剣にまとわせて)

また会ったわね、おばさん
前にあんたと同じヒステリーって言われたの、根に持ってないから
(1オクターブ低い声で呟き)

人形を徹底的に砕いて、
後ろの信者達も一緒に威圧するわよ

……嘘よ
「あんた」だから怒ってるわけじゃない
私が赦せないのは「人を害する」邪神全て
そして簡単に邪神を担ぎ出す馬鹿全員
(後ろに殺気放ち)

「あ、これが片付いたら掃除再開だから」
振り返らず、静かに言い捨てるわ
殴らないだけマシよね?
UDC組織に引き渡すまで『きっちり』汚部屋の掃除をしてもらうから



「私なりに色々考えてはみたけれど――また会ったわね、おばさん」
 やはり深々と溜息を吐き出した海莉が何か言いかけて、そして結局目元を覆う。焼くのもまき散らすのも濡らすのもどう考えたってヤバい。色々と考えたものの最終的には、一番被害が少なそうな氷結付与に落ち着く。
「前にあんたと同じヒステリーって言われたの、根に持ってないから」
 ひんやり冷たい、一段低い声。あっこれめっちゃ根に持ってる、という声だ。
 そのまま目の前の、『ナレノハテ』が操る人形へ斬りかかる。
『ああアッ』
 確かな手応えと、振り抜いた刀が斬った先ががきんと凍りつく感触。ヒッ、と隅で震えている教団員の悲鳴が聞こえて少し溜飲が下がった。
 まあ、わかりやすい嘘だ。海莉が赦せないのは「人を害する」邪神すべてであり、
そして簡単に邪神を担ぎ出す馬鹿全員を、だ。
「……ああ、これが片付いたら掃除再開だから」
 振り返らずに静かに言い捨てられた分迫力は満載かもしれない。もはや教団員二人は手に手を取り合い、何も言えずに小さくなるだけだ。恐らくUDC組織に引き渡されるまで、きっちり汚部屋の掃除を海莉に監督されるのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フイ・フイ
(外で様子を伺っていたが慌てて中に入る)
外で待機してたのは掃除が面倒だったからじゃないよ?

「落語が中断されたから何事かと思ったら……」

掃除途中の汚部屋。散らかった模型。落語家。
そして子供を叱るつけるような形相のオブリビオン。

なるほど、そういうこと。

「なるほどねー。じゃあ仕方ない、諦めて私も片付けに加わりますか」

いや、ほら。私は荒事が苦手でさ。不得手って意味でね。
部屋を片付ける事でオブリビオンが成仏?的な感じにならないかなー。みたいなね。
一応、怪我人が出たら癒すから言ってね。

「ほらほらそこのお兄さん達も! 隅っこで震えてないで片付け片付け」
暗くて見えない所は私が光って照らしてあげるから(ピカー



 何やら不自然に落語が中断されたから一体何事かと思えば。慌てて駆けつけたフイは深々と溜息を吐く。
 とっ散らかったフィギュアに、中途半端に中身が入ったゴミ袋、数えきれないどころか山が連なって山脈状態のゴミ山、汚部屋の隅でガクブル震えている教団員ふたりと何が何だかよくわからない理由と経緯で具現化しちゃったぷんすこ邪神。端的に言ってカオスだ。
「……ま、なるほどねー。仕方ない、諦めて私も片付けに加わりますか」
 フイは荒事を好まない――と言うよりかははっきり不得手だ。思いっきり身構えていたナレノハテがあれ? あれ? と困惑する位にはあっさりと、フイは汚部屋の片付けに取りかかる。
「ほらほらそこのお兄さん達! そんな風に隅っこで震えて見てないで片付け片付け」
「えっ俺らのこと?」
「他に誰がいると思ってるの」
 と、照明の陰になってよく見えない箇所は自ら『生まれながらの光』で照らすという大盤振る舞いだ。やさしい。
 まあ別にフイも意味もなくこんなことをしているわけではない。何かこう、色々と紆余曲折あってこんなふうに召喚されてしまったが、部屋を片付けることでナレノハテが平和裏にことをおさめてくれるのではないかと考えたのだ。
 せっせと手を動かすフイにナレノハテがなんかちょっと言い過ぎちゃったかな、お母さんもちょっときつかったかなごめんね、な空気が醸成されはじめる。
 ……狙い通り。
 ナレノハテからは死角になる角度でフイの目が光ったことは、ゴミ袋だけしか知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

文月・統哉
【ネコ吉(f04756)】と
他とも絡みアドリブ大歓迎!

何という強敵!?主に👑的に
仕方ないこちらも増援を召喚しよう
我が呼び声に答えよ、ネコ吉!
(携帯で相棒呼び出し)
もしもし…え?忙しい?そこを何とか!プリン驕るからさ、ダメ?
そういやこの前ネコ吉の部屋で変な本見つけ…おお早い早いお疲れさん!

さて、俺も真の姿になるべき時が来た様だな!(ニヤリ)
いそいそとクロネコの着ぐるみ着用
だって🔴貯まってないから自分で着ないと
ネコ吉ファスナー宜しくな

真面目にやれって?大丈夫ここから本気出すから
ガジェットショータイム!
痛車ならぬ痛鋏?大きな鋏型のガジェットを召喚
見えない糸の魔力を感知して切断するぜ、チョッキン!


文月・ネコ吉
【統哉(f08510)】と参加
他との合わせやアドリブも大歓迎!

寝てる所を統哉に起こされ超不機嫌
でもベッド下に置かれた秘密を暴かれそうな危機を前に
凄い速さで窓から突入し合流する
…統哉、覚えてろよ!

貸しだと言いつつ手伝う辺りがツンデレ
部屋の惨状に統哉の部屋を思い出しつつ
だから片付けろって何度も言ってるだろうに(溜息)

ん?このガレージキット数量限定のレア物じゃないか!?

同じ穴の狢じゃないかって?
いやこれは、敵を此方のペースに乗せる為の作戦であってだな(汗)

戦闘で誤魔化そう
統哉の動きに合わせ連携
シーブズ・ギャンビットで仕掛ける
糸に掴まれたらするりと上着を脱ぎ棄て抜け出して
より加速した動きで渾身の一撃を



 なるほどこれはまごうことなき強敵、と統哉は息を飲む。ゴミの山脈の向こうには禍々しい空気をまとったナレノハテ。強敵と知りながらも独りで対処するのは愚の骨頂、とばかりに統哉は懐を探った。
「我が呼び声に答えよ、ネコ吉!! ……えーともしもし……何、忙しい? そこを何とか」
 携帯電話でこそこそ相棒に呼びかけながら統哉は後ろを振り返る。ナレノハテはまだこちらに気付いていないようだ。
「終わったらプリンおごるからさ、ダメ?? ……そういやこの前おまえの部屋、というかベッドの下からなんか妙に薄くて変な本出てき――」
「なああぁァにヒトが不在のうちに部屋のもん勝手に漁ってるんだよ!!!!」
 スターン!! と汚部屋の窓を勢いよく開けて統哉の相棒、文月・ネコ吉(ある雨の日の黒猫探偵・f04756)が携帯を耳に当てたまま飛び込んでくる。
「おおぉ早い早いお疲れさん! やっぱ持つべきは相棒だよなー助かった助かった」
「まったく統哉覚えてろよ、コレ貸しだからな、わかってんだろーな!」
「わかってるわかってる、プリンアラモードにうぐいす餅もつけようか?」
「ちっ……調子のいい事を」
 フンッと長い髭を振り立てて顔をそらすものの、結局手伝うことになっているうえどうみても尻尾が嬉しそうに振られているあたりツンデレが全然隠しきれていない――が。
『家に入ってくるときは……玄関からって言っているでしょおぉぉ!!』
「時々いるよねーベランダとかから出入りしちゃう子供、って違ぁう!」
 間一髪、ナレノハテの魔力糸から逃れた統哉とネコ吉は慌てて体勢を整えた。いけない、妙にノリが良いと言うか生活感があると言うか(一応これでも)相手はオブリビオンなのだ、油断は禁物である。
「ところでひっどい部屋だな、お前の部屋といい勝負じゃないのか」
「えー何の話? ところで俺もついに真の姿になるべき時が来たな! ネコ吉ファスナーよろしく」
 いそいそと黒猫の着ぐるみに脚を入れはじめた統哉に、ネコ吉が尻尾を逆立てた。
「何で悠長に着替えてるんだよ! 真の姿って着替えてなれるようなもんじゃないだろ!?」
「えーだって🔴貯まってないから自分で着ないと」
「そういう生っぽい表現はやめろ本当に! 真面目にやれ!!」
 シャーッと割と本気で牙を剥いてきたネコ吉に、やれやれと統哉は首をかたむける。
「わかったわかった、ちゃんと本気出すから」
 茶番の間もきちんと行儀良く待っていたナレノハテへ向き直り、統哉は細く息を吐いた。すぅ、と半円を描くように頭上へ掲げられた手元へ、高い金属音を立てて鋏型のガジェットが出現する。
 さすがにナレノハテも身構えざるを得なくなり、すぐに一歩二歩を退いて間合いを取ろうとしたものの、逆に懐へ飛び込んできた黒い影にダガーの一撃を叩きこまれる。上着を脱ぎ捨て身軽になったネコ吉のそれは鋭く速く、とても躱せるものではなかった。
 じゃこん、と巨大な刃をひとつ鳴らし統哉が笑う。ナレノハテの手元から続いていたはずの糸があざやかに断ち切られ、人形が力なくくずおれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葡萄原・聚楽
(複雑な感情から不機嫌そうに顔しかめ)
…母親名乗るんなら、もうちょっと子供のことを考えたほうが良いぞ。
子供(みらい)は、過去(あんた)の手からもう離れてる。

ユーベルC「葡萄酒」で、武器「爪の刻印:人形」のパペットを強化。
こいつに武器「鋼糸:人形操り」を繋げた状態で使う。
…偶然だが、お前も人形を使うんだな。

糸のリーチ利用して接近し過ぎず、攻撃はすぐ避けられるようにしながら、パペットで噛み砕く(技能「鎧砕き」)
敵の人形も武器だろうからな、そいつを破損させられたらやりやすくなりそうだ。
攻撃回避が難しい時は、反対の手の武器「片手半剣:人形」で受ける(技能「武器受け」)

※アドリブ、他の方との絡み:歓迎


來米良亭・ぱん太
「ちょいとお母さん、そんなに目くじら立てずに、あっしの噺を聞いてやってくださいよ」
今回は人情話『浜野矩随』。泣いてくれるといいんですが。
そんでもって気を逸らしているうちに、仲間がやっつけてくれると、もっといいんですが。
全然聞いてくれないようなら、UC発動(しつこい)今回は詠唱も考えました。
「お母さん、信者たちはアナタの息子も同然でしょう? 息子たちはありのままのアナタが好きなんです。ありの『まま』の『ママ』が好き。なんちゃって」
もちろん詠唱内容はMSさんが変えて下さっても結構です!
武器は扇子(ロッド/申請中)を使用します。シンプルにぺしっとツッコミを入れ……いえ、殴ります。



「母親名乗るんだったら、もうちょっと子供のことを考えたほうが良いぞ」
 はああ、と葡萄原・聚楽(Uvas Machina・f10987)がとても難しい顔で重い溜息を吐くのを、ぱん太は横目で眺めている。どうしよう、とても言い出しにくい。
「子供は、あんたの手からもう離れてる。その未来を思うんなら過去はもう手を引くことだな」
 ……こんな真面目に聚楽がナレノハテに語りかけてるのに、布団が吹っ飛んだ、とかそんなまさか。いくら何でも。ぱん太とて空気は読めるのだ。
「ええ、ええ、本当にこの人の言う通りですよお母さん、そんなに目くじら立てずに、あっしの噺を聞いてやってくださいよ」
 えっ何だいきなりと聚楽が身構えるのもよそに、ぱん太がゴミ山の谷あいにできたわずかな床面に座ると、何故だかどこからともなくテテテンと三味線と太鼓の音が聞こえてきそうだ。
 語り出したのは人情話の『浜野矩随』。息子のため母親が自分の命もいとわぬという筋立てだ。親は子に生かしてもらうのではなく、子が身を立てるためなら自ら犠牲にさえなるもの。オブリビオンにとっては耳の痛いことだろう。
 しかし、相手がヒトならまだしもぱん太が相手取ったのは、そのままでは死ぬ事も老いる事も恐らくない、自然の摂理の範囲外の生き物。
 それでもナレノハテはぱん太を無碍にするのは忍びなかったのか(やさしい)、苛立ちを隠そうともしないもののきちんと噺を聴いている。
 その無二のチャンスを聚楽は逃さなかった。武器「爪の刻印:人形」をユーベルコードで強化し、さらに「鋼糸:人形操り」を繋げ、ナレノハテの足元にくったり折りたたまれている人形を『噛み砕く』。
『クッ』
「ここまでですかねえ」 
 はあ、と溜息をこぼしながら噺を中断し、ぱん太は立ち上がる。
「今更言う気もありやせんでしたけどね、――お母さん、信者たちはアナタの息子も同然でしょう? 息子たちはありのままのアナタが好きなんです」
 ありのまま、というフレーズにナレノハテが言葉に詰まる。さらに聚楽が攻勢をかけ、ナレノハテの人形が破壊された。
『アアアアッ』
「いいですか、アナタが気付いていなかったようならあっしが言ってあげやしょう。よぉくお聞きなさい」
 ゴミ山に這いつくばるナレノハテへ、聚楽のパペットが追い打ちをかける。もはや勝負は決したかのように思われた。駄目押しとばかりにぱん太が言葉を重ねる。
「――ありの『まま』の『ママ』が好き。なんちゃって♪」
 びきり、とナレノハテがあまりにも寒いオチに凍りついた。そして色々とどこからツッコむべきか悩む所でもあるが、それこそがぱん太のユーベルコード発動の詠唱でもあったのだからどうにもならない。
「ひいいいい寒い! 寒すぎる!!」
「こんなお寒いオチ久々だぜえええっ」
「……そこのお二方、覚えておいでなさいよ!」
 ぱん太と教団員二人のやりとりを横目に見ながら、聚楽は深々と溜息を吐く。どうしてこうなった。
「……まあいい。もうあんたはここで終いだ」
 ひんやり呟いた声に吸われるように、ナレノハテは声にもならぬ悲鳴をあげて聚楽の武器に食い潰されていった。何一つ形跡も残さず。

 こうして、とある会社員が居眠りしてしまったがために起きた珍騒動は幕を閉じる。
 邪神教団の手先であった教団員ふたりがその後どうなったか。UDC組織の再教育を受けてまっとうに更正し清掃員になったとか、はたまた紆余曲折あって漫才コンビを目指すことになったとか、あるいは――現場から逃走し行方は知れない、とか。真相は誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日
宿敵 『ナレノハテ』 を撃破!


挿絵イラスト