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貴様等が知らないそれは、最強と成り得るだろうよ

#UDCアース

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#UDCアース


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●殺人屋敷
 赤。赤い――ぽたり。ぽたり。
 吊るされた肉の塊が、逆さにぶうらり楽しんでいる。
 ぬぞりと現れた何者どもが、抜かれた新鮮を齧り始めた。
 呑み込んで――啜り尽くして――床まで舐る。
 それでも足りなかった。足りなかった故に。

 何者どもは、自らも喰らい始めた。
 何処かの邪が鳴いている。
 何処かの欲望が叫んでいる。
 問題はない。問題はない。
 全てが。総てが。上手く成せたのだ。
 ああ。寸前の命が、強烈に縋っている――それは何年前だった。
 記憶は薄れた。しかし。記録は色褪せる事を知らない。

●グリモアベース
「貴様等、此度もUDCアースでの予知だ。かつて殺人事件が起きた屋敷の調査を願いたい」
 ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)が読んでいた本を棚に戻した。珍しく『人が原因の恐怖』が題材だったらしく、此度の依頼は人の起こしたものと推測出来る。
「何年か前、とある屋敷にて大量殺人が起きていた。犯人は何を思ったのか自らの心臓と脳髄も抉り取っていたらしい。写真も在るのだが、此れを見せるのは難いな。貴様等の内の、耐性を有する輩だけ知るが好い――兎角。予知で視えたのは『殺人が邪神召喚の儀式』に成り得た結果だ。今現在、その屋敷に邪神と眷属が潜んでいると解ける。此れを早々に見つけ出し、即座に滅ぼすのだ」
 簡単に纏めるならば【屋敷の探索】【眷属の掃討】【邪神の討伐】だ。
「貴様等に注意すべき点は感情の制御か。気が触れるような戯れに終止符を打たねば成らぬ。即ち、貴様等自身が『絶対』で在るのが最低条件だ。何。貴様等は幾度も狂気と出遭った面々。此の程度ならば素早く片付けられるだろうよ」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 殺人事件が儀式と成り、母なる恐怖は肥大化する。
 宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『惨劇の館』

POW   :    屋敷の中を歩き回り、UDCを捜し出す。気力と体力のいる作業だ。

SPD   :    屋敷の中に異常がないか、確認する。頭よりも、手先の器用さが重要だ。

WIZ   :    屋敷の間取りを把握し、効率的に捜す。立体的に建物を把握するには、かなり頭を使うだろう。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 屋敷が赤色に染まっていたのは、貴様等の幻覚に違いない。錆びた戸口を開けてしまえば、現実とは終いの超常の失楽園か。寂れた空間の何処かを暴き、忌々しい邪悪どもを滅ぼすのだ――何かが揺れる、ぎぃぎぃと。
播州・クロリア
屋敷を眺めながら
こう、おどろおどろしいダラキュな雰囲気がありますね
殺人が起きたなら、そんな忌まわしい物件などさっさと取り壊せばいいものを
そうはさせないのは、解体業者さえ避けるような、この雰囲気のせいでしょうか。

あにさんみたいに大量の人手を確保できないので、ここは己の『第六感』を信じ
気になったものを調査するとしましょう。
...それにしても心臓はともかく脳髄など自分で取り出せるものなんでしょうか?
その犯人もまた、被害者なのでは...?
UDCアースは不可解でダラキュな事件ばかりです。
たまにはリアなことも起きてほしいものですね。



 虫の知らせか。怪物の勘か。播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)の緑色に映り込んだ景色は、赤色の園と説くのが相応しい。おどろおどろしいダラキュな気配に包まれるような、節々に這入り込む酩酊を想わせる輪郭――そんな忌まわしい物件など――壊せたならば如何に楽だろう。解体業者が手を伸ばさなかった所以は、他者に与える強烈な恐怖感か。もしくは耳に残る、ぎぃぎぃと嗤うような音か。
 あにさんのやり方を思い出すが、大量の人手を確保する事は困難だ。故に為すべきは単純かつ明快な『真正面』からの探索。戸口を軋ませて玄関口だ。其処には何もないだろうが、兎角、自らの触覚を頼りに進むのみ――それにしても。心臓を抉る人影は想像可能だが、普通の人間が脳天を貫く事など出来るだろうか。超常的な肉体を埋め込まれたのか、自殺に見せ掛けた奇怪の所業なのか。犯人もまた、被害者なのでは――不可思議と疑問符が浮かんでいる。ダラキュな事件を未解決として、蓋を成すのは危険だろう。たまにはリアなことも起きてほしいものですね。
 がたん。触れた布切れから何かがこぼれ落ちた。何処からか無数の蠅が飛んでくる。渦を描いて止まったのは、腐り果てた何者かの腸か――空間から腕が生え、それを奪い取って――囁く。欲しい。欲しい。欲しい。もっと、欲しい。

 それは数秒で消え去った。

成功 🔵​🔵​🔴​

八咫・美都子
ふむ……昔は大勢の人が居たんでしょうね
さて、何が出てきますか

頼れるのは私の足と目です、とにかく歩き回ります
感情の抑制が大事とのことですが……まぁ何とかなるでしょう
これでも荒事は慣れています、人の死体くらいでは動じませんよ

それにしても、このメモ帳とぼーるぺん?という筆記具はいいですね
そんなことを考えながら、屋敷の中を見て気になったものはメモ帳に書き込んでいきます
少しでも気を抜くと、飲まれてしまいそうですからね……また部屋が赤く見えましたし
巫女として呪いや穢れに触れることも多いですが、一時的に記憶を失うこともよくあります
頃合いの頃にメモ帳を見返し、書き止めたものから推理できればいいのですが



 蛇が出るのかは不明だが、鬼が現れるのは絶対だろう。八咫・美都子(鴉の巫女・f11805)が巫女服を纏った状態で、堂々と正面から歩み込んだ。昔は大勢の人が居たに違いない。数十人の靴が収納出来る玄関も、今では埃を被った混沌の巣窟だ。先の猟兵の足跡だけが汚れを拭っている――さて。探索の基礎は足と目だ。耳も重要だと思考すべきで、猟兵はゆうらりと廊下をいく。感情の抑制。負の螺旋を如何に留めるのか。まぁ、何とかなるでしょう。猟兵は数多の『死』を乗り越えるものだ。潰れて千切れた仏でも、乱れずに凝視する事など容易い。
 それにしても――メモ帳とボールペンを弄びながら思考する。このような筆記具は便利で喜ばしい。筆や墨を用意しなくてもさらさらと記せるのだ――云々と思考を遊ばせ、屋敷の中身を観続ける。此れは調理器具だろうか。赤色の錆は何故か……貌を逸らせば其処も、底も、知らずに赤い……溜息を吐いた。気を抜いてはならぬ。木乃伊に成り果てるのは厭だろう。記憶する。記録する。曖昧な脳に期待しない。
 巫女は呪いや穢れに触れる『時』を知り、一時的な喪失も経験していた。鬼に金棒(慎重)だ。ぺらり。見返し――あら――この頁だけ、酷く真っ赤だ。解けば意味も暴かれるだろう――寄越せ。寄越せ。その中身を寄越せ。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
WIZ

情報は多い方が良いので、出来れば写真を見せて頂きたいのですが……。
元職業柄、多少は慣れていますから。
――目の前で人の頭が弾ける光景も。

さて。
事前に情報収集で事件概要や屋敷の間取りが入手できると良いのですが、
無ければ外観や水回りから判断するしかないですね。
定番……と言って良いのかわかりませんが、地下室、中央、最奥の部屋などを目標に探ってみます。
他には、儀式が行われたのであれば、本などが残っていないか……。

UDCを呼び出す儀式。
私がかつて二度巻き込まれたもの。
……いや、余計なことを、感情を、思い出すべきではない。
調査に集中しましょう。
物を隠すのに都合の良さそうな場所を探ってみましょうか。



 情報は多い方が好い。たとえ正気を失うような、強烈な真実だとしても『知る』べきだ。風見・ケイ(The Happy Prince・f14457)は代償と呼ばれる現実と、埒外と刻まれた自己を理解している。冷静に分析し、解決に導くのは過去(元職業)のサガか。写真を視なくても大体は把握可能で、多少は慣れているものだ――慣れてはいけない、破裂する柘榴(のう)の色彩だって――光景は新鮮な儘にこびりついている。
 さて――息を吐く。吐いたと共に屋敷を『観』る。事前準備が成せたのは『無』と称される結果だった。ならば為すべき事柄は外観や水回りの把握。それを手繰れば間取りも容易に解せるだろう。邪教の類が好むような地下室・中央・最奥の部屋――あらゆる可能性(目標)を探るのが最適だ。何処からか、ぎぃぎぃと鳴くような音。
 戸を開けた横に積み重なった書物。赤色のインクが爛れているのは気の所為だろう。べっとりと掌を中てれば埃はこぼれ、無題の一冊――私がかつて二度巻き込まれた――耽るな。余計なことを、感情を、思い出すべきではない。考えてはいけない。調査に集中するのだ。しかし。この『掌』は勝手に頁を……読みたい。欲しい。知が欲しい。血が欲しい。ほしい――幻覚だ。此れは、虚構だ。嘘の羅列だ。
 三色パンのふっくらなど――首を振る。振り払う。再開しよう。再会しない事を祈るように。物を隠すのに都合の良さそうな場所……。

 強く、欲しがっている。おそろしく。欲しがっているのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
さてさて、と。
ここの現場はなにがどうしてこうなったもんだか。
まあいいさ、こういう事件はアタシにとっても渡りに船だ。
アタシが真に求めるモノじゃないだろうけど、
手掛かりくらいは掴みたいね。

アタシの調査は軽いようで荒っぽいよ。
どうせ屋敷にゃ呪詛が渦巻いてるんだ、
『覚悟』の上で部屋の中の「何もない筈の」空間に
【超感覚探知】を行うよ。
『狂気』と『呪詛』の『耐性』は少しはあるけど、
それでもだいぶ堪えるだろうね。
その上で、敢えて奴らに思考を少しだけ同調させる。
さあ、アンタらは何が欲しい。
血か。肉か。臓物か。
それとも魂、そのものか。
コイツは命懸けの『おびき寄せ』。
自分を見失わないよう自ら『鼓舞』するよ。



 旅は道連れ世は奈落――さて、さて――数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の双眸が『戸』を視認する。其処には確かに『何もない』が、真に迫るべきは空白だろう。こういう事件はアタシにとっても渡りに船だ。掴むべき手掛かりは必ず『在る』筈で、無に等しいソコから沸騰するに違いない。調査とは逸脱に至れば到るほどに気を蝕む。軽いようで荒っぽい、猟兵の『手段』は知らない『それ』を誘うのに悦ばしい『感覚』だろう。屋敷が呪詛の蔓延りながら、底を掬ってしまえば好い。終いも覚悟の上で為せば、成される収穫は大きいものだ。『なにもない』『なにもない』『なにも――腕が伸びた。足が落ちた。頭が爆ぜて、読み解きたい貴様等の感情。おそれ。おそれ。おそれがつよく――【ほしい】のだ。血か。肉か。臓物か。魂! 精神。心だ。アンタ(あたし)らはそれが欲しい。貴様等の貌が。強さが欲しい。おそろしさが欲しい――ぞっと、さわる。頭蓋をカチ割って、それが注がれる。
 ぐらり……歪む貌(かたち)を直すように。正す為に。折れる事は赦されない――落とさない。失う事など有り得ない。存在するのは『自分』だ。

 それでも。ああ。ほしくて、ほしくて。
 おそろしくて、ああ、つよくなれるきがした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイ・オー
屋敷内を捜索。独り言を呟きながら。

「さて、謎解きを始めよう。

この事件の謎とは何か。犯人は分かっている。解くべきは『動機は何か』『どうして自らの脳髄と心臓を抉り取ったのか』。
脳が失われれば心が消え、心臓が失われれば体が止まる。『どちらか片方なら兎も角』両方を自分で抉り出すのは不可能だ。狂気の成せる業?狂気を買い被るな。何でもありじゃない。

誰が犯人を殺したか?現場にいた他の人物。そう、被害者だ。
心と体、どちらかを殺された程度なら人は動ける。殺された人々が反撃し抉った。
これが動機だ。狂気をもってしても不可能な『自身の脳と心臓を抉る事』。その為に犯人は
……。


【真実への蔓巻階段】でUDCを見つけ出す。



 戸口は開いた。再び、さて、から始めよう――謎解きの時間だ。カイ・オー(ハードレッド・f13806)は淡々と足を運ぶ。違う。言葉を手繰るついでに足を動かすのだ。視線は真正面。顎に手を当てて、火の車が巡るように無意味と意味の境目をさまよう――この事件の謎とは何か。犯人はわかっている。真実は理解している。重要なのは『動機は何か』だ。動悸が起きるほどの狂気は、果たして何故恐怖を孕むのか。『どうして自らの脳髄と心臓を抉ったのか』だ。脳は心を意味する部位で、心臓はエネルギーを流し込む中心。即ち、両者とも【精・生】に必要不可欠な欠片なのだ。重ねて『どちらか片方ならば兎も角』両方を自分で抉り出すなど不可能だ。此れは狂気の所業だろうか。莫迦な。狂気は『人間』の範疇で、そのような滑稽は在り得ない。買い被るな。なんでもありの『幻想』ではない――誰が犯人を殺したのか。現場に居た人物。それは『被害者』だ。心と身体、何方かを殺されても『ひと』は動ける。殺された人々が反撃したのだ。儀式の『器』と成ったのだ。これが『動機』で、脳髄と心臓の……その為に。犯人……離れて裂けた、滅びの赤色……ほしい。
 巻き付いた蔓が『貌』を知る。
 真実が『成功』した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『強欲の傀儡『烏人形』』

POW   :    欲しがることの、何が悪いの?
対象への質問と共に、【自身の黒い翼】から【強欲なカラス】を召喚する。満足な答えを得るまで、強欲なカラスは対象を【貪欲な嘴】で攻撃する。
SPD   :    足りないわ。
戦闘中に食べた【自分が奪ったもの】の量と質に応じて【足りない、もっと欲しいという狂気が増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    あなたも我慢しなくていいのに。
【欲望を肯定し、暴走させる呪詛】を籠めた【鋭い鉤爪】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【欲望を抑え込む理性】のみを攻撃する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 奪い取られた。奪い返した。
 殺された。殺した。
 こわかった。だから。成り立った。

 それは恐怖に苛まれ、力に縋った存在の末路。

 こわがる必要はない。
 欲しがって、奪って、足りなくて、奪って。
 奪って。奪って。奪って。

 奪われた分を。我慢するなんて、もう疲れたのだから。
カイ・オー
奪われた物を取り戻すのはまだ良い。依頼されればその手伝いだってしてやる。
だが、空いた隙間を埋める為に別の何かを欲しがり奪うなら君らはもう被害者じゃない、犯人だ。
探偵の敵だ。

【十の戒めの鎖】使用。足元から無数の鎖を生み出す。
十本の鎖を操り敵達を縛り、打ちすえていく。
鎖から発する「禁止する力」で異能を抑え、防御を破る攻撃。『第五条:異能力を持つ怪人の登場を禁ずる』。
この屋敷の事件はもう解決している。君達がここにいる必要はないんだ。

攻撃をくらったら、自身に巻き付けておいた十一本目の鎖で敵のユーベルコードの効果を無効化。
『第零条:探偵が自制を失う事を禁ずる』。他人の真実を背負う探偵の鉄則だ。



 奪い取られたものは奪い返せば好い。依頼されたならば引き受けたって構わない。火の車に水を注ぐならば問題ないが、目の前の『鴉』が垂らすのは油だ。空いた隙間を埋める為に別の何かを欲しがり、奪う事は赦されない。それは被害者の枠を越え、犯人と呼ばれる登場人物すらも外れ、ただの『敵』だ。何者からも拒絶される『敵』なのだ。故に――禁止する。そいつは「ルール違反」で、在るべきではない異物と知れ。
 我慢しなくても好いだって。枷を外してしまえば、探偵としての物語が破綻する。十の鎖が宙を、地を、対象を、頁(現実)を打ちすえていく――鋭い爪が剥がれ、其処に絡まるのは『第五条:異能力を持つ怪人の登場を禁ずる』だ。この屋敷の事件は、既に解決している。最初から探偵の勝利なのだ。君達(異常性)が存在する必要はないんだ。揮われる超越性(エネルギー)は欲望の呪い。
 十一――無いのは猟兵の『身』に在った。他人の真実を背負い、虚構を暴き、冷静の積み重ねる探偵の鉄則――『第零条:探偵が自制を失う事を禁ずる』。理が崩れる事など絶対にない。戒めを施せ、貴様等が知らない『それも』強いのだ。

 その犯行は説に反する、赤は封印の色。

成功 🔵​🔵​🔴​

八咫・美都子
ふふふ、何かを欲しがる思念は感じられましたが、カラスの化身でしたか
これは負けられませんね、鴉の巫女として

大鎌を振り回しながら、相手の動きを窺いましょう
まずは、あなたの質問を聞いてから……
どんな質問であろうと、堂々と答えてあげましょう
恐怖から力を欲して、さらに何を求めるでしょう?
恐怖を感じなくなるほどの力?
力がいくらあろうと、死へと向かう恐怖は消えないでしょう
では、どうすれば恐怖は消えるでしょうか?
……死ねば、恐怖は消えるのですよ

異形の模様の浮いた腕で強欲なカラスを握りつぶし、強引に近づいて振り回していた大鎌で斬りかかりましょう
首を飛ばしてあげましょう、恐怖を忘れてもらうために



 世界が太陽で輝くならば、総てが欲しい『もの』と化す。これは負けられませんね。大鴉が招くのは最早無い(おわり)への一直線か、最早無い(ほしがり)の霧中か。何が悪い。何が悪い。望む事の何が悪いのか――疑問(からす)が嗤った。猟兵の中身をつついて食もうと、答えを願いながら真っ黒を晒す――恐怖を欲して、何が悪いのだろうか。ぶん……ぶん。埃を拭うかのように、大鎌が応える。
 恐怖が齎す力とは狂気に違いない。それは恐怖を塗り替え、塗り潰し、心身を蝕む諸刃の所業だ。力が幾等存在しても、一個だけ。ただ、一個だけ抗えない真実が蔓延っている――死へと向かう恐怖は消えないでしょう――そうして鴉の問い掛けは、最悪の『楽』に到達する。舞い上がった黒が、異形模様の『腕』の中で果てた。
 死ねば、恐怖は消えるのですよ――猟兵は笑顔だった。女は微笑んでいた。鬼は……大鎌は願いを受け過ぎた。ぐるりとひっくり返った天と地が、とても面白く液を吐(噴)いた。忘れてもらうために、沈黙するのが正解だ。

 堂々と胴体と首で、こたえてまげましょう。
 求めたものは、救いようがない。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ
[狂気耐性]

私の欲望は、誰かを助けること。幸せにすること。
――違う。
わかっている。消えてしまいたい。解放されたい。
でも、私はどうしようもなく人間で、死ぬことが怖い。皆と生きるのが、楽しい。
誰かのためだと覚悟する振りをして、自分を騙して。
結局は、自分のため。エゴイスト。
――独りよがりの愛。

欲望を肯定されたところで、何も変わりはしない。

燕さん、彼女を解放してあげて。
欲望から。渇望から。
欲しくて、足りなくて、苦しいのでしょう。
それ以上苦しむ必要はありません。ほら、何も感じなくなった。
私は美味しかったですか? なんて、もう聴こえませんね。
――この銃声も。



 超越性とは人の奥底を晒してしまう絶叫だ。鴉の言の葉が脳髄を撫でる、私の望むものは。私の欲は――誰かを助ける事か。幸せを運ぶ事か。身を挺してまで捧げる事か。違う。最初から理解している筈だ。犠牲とは消滅への願望だと。解放と呼ばれる、魂の根元から生える『喉の渇き』に似た天上――しかし。私はどうしようもない人間でしょう。死ぬ事が怖ろしくて仕方がない。皆と生きる事が、凄まじく愉快で癖に成っているのだ。それは自分への嘘だった。騙りを騙りで塗り固めて、私(エゴイスト)はあなたの想いを覗く――独りよがりな飛び方だった。
 肯定されても、否定されても、何も変わりはしない。皆が変わっていく中で、私は微動だに出来ないのだ。燕さん。どうか、彼女(わたし)を解放してあげて――怪異が『奪う』為に鴉に触れる。其処からこぼれて落ちるのは欲望・渇望。最早苦しむ事はない。最早真っ赤に染まる必要も、真っ黒に嗤う必要も、三色パンを食む必要も――美味しかったですか――何も、聞こえない。

 ――あかいろのはと。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

参ったね。
これが「何かを望んだ」末路かい。
「何を奪いたいか」という「目的の物のイメージ」まで奪われて、
どんどん見境がなくなってやがる。
ああ、煩い。
分かったから【弱点特攻作成】で
アンタらが望む「よくわからないけど奪われたに違いないモノ」
を出してやる。
そうだ、アタシは施すもの。
ただし、偽りのね。
アタシの本質はアンタらと同じさ。
求めるもの。真実を追い続けるもの。
「求める」という点ならアンタ達と同じだからね、
『催眠術』の暗示も仕込みやすい。
造ったモノに仕込んだ暗示は、
「共食いすれば満たされるに違いない」。
さあ、次に奪うモノをどんどん奪っていきな。
最後はアタシが看取ってやる。



 参ったね――何かを望んだものは『何』すらも忘れ、狂い、餓え、渇き、おもい(イメージ)まで奪われ、奪っていたのだ。壁も天蓋も肉も血も憎も知も、何もかも。見境なく手を伸ばす、光物が大好きな鴉の戯れだ。がぁがぁきぃきぃ欲望が鳴く。恐怖が欲しいと錯乱する――ああ、煩い。蠅の渦巻きの方が幾分か真面だ。わかった。分かったから。其処の止まり木で羽休めでも為すが好い。その間に『作成』するのだ。奪われたに違いない『もの』だろう。施してやれば好い。与えてやれば好い。積み重ねてやれば好い――ただし。それは贋物だ。偽りの幸せだ。無意味な怖がりだ。
 最も強い感情は『望んだ』が故に殺されるのだ――しかし本質は猟兵と同じだ。アタシも。アンタらも。求めるもの。真実を追い続ける狂気。仕込まれた言の葉は『共食い』だ。甘い香り(催眠)の幕が上がる。さあ、次に奪うモノを――鴉が羽を毟り、血を抜き、肉をつつく。食んだ肉は己の滴りか。もしくは骨の髄までか。最後の一個に成るまで共を舐れば――最後はアタシが看取ってやる。

 隣の席の紙は、全くが赤と黒で。どんどん無くなっていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

播州・クロリア
この世はリズムでできています。もちろん貴方達も

ユニゾン『ダンス』をしましょう。私が合わせます。

『催眠術』と『第六感』で貴方達の過去の一片を体験します。
...なるほど、怒り、恐怖、悔しさ、様々な感情のリズムを感じます。

そして微かですが、疲れのリズムも。

シンクロしてきましたね。

ワン、ツー、かぁ、かぁ

ふふっ、鴉のリズムもぴったりです
(鴉の動きを『見切り』ながら回避する)

鴉も鳴いていることだし、還りましょうか。

ツー、ツー、かぁ、かぁ、さようなら

(UC【蠱の腕】で切り裂く)



 この世は『リズム』でできています。たとえリアでもダラキュでも、音色に逆らう事は不可能なのだ。猟兵も神も天使も悪魔も。もちろん貴方達も。さあ。手を取って。翅と翼を交えて。肢と脚を震わせて――私が合わせます。遭った何かの縁と思考すべきか。勘と感を繋げて紡いで催眠と呼ばれる鎖を為せば、世界が最悪な赤(よく)に堕ちていく――それは過去だ。過去と称される、脳震盪を引き起こすかのような濁流。ぽこ……ぽこ、鳴いたのは蟲か虫か感情か。ぐねぐねと不安定な音が『からす』を映す。怒りの太鼓。悔しさの笛。悲しみの歌声……ぞわり。疲弊感が重なったと同時、邪と成り果てた。それは恐怖と刻まれた埒外の宝物で、女性の貌――暗転。
 わん、つー、かぁ、かぁ。狂いに歪んだ鴉の貌(カタチ)が目と鼻の先で飛び交った。そろそろ鳴き声も最高潮。鴉が啼くから還りましょうか。泣きたい貴方達には相応しい『腕』――肉と骨を断つような、絶つ為の錆色が節々(フシフシ)と軋む。つー、つー、かぁ、かぁ……がァあ……さようなら。

 呼吸(リズム)が止まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『マザー『テラー』』

POW   :    「アナタは研究対象外です」
全身を【「恐怖を感じてない者」からの干渉遮断状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    「アナタの思う“強さ”とは何でしょうか」
対象への質問と共に、【隣室や培養カプセルなど、あらゆる場所 】から【「愛しい子供たち」】を召喚する。満足な答えを得るまで、「愛しい子供たち」は対象を【恐怖に支配されるまま、我武者羅な動き】で攻撃する。
WIZ   :    「さぁ、ワタシにアナタの“恐怖”を見せて下さい」
【発狂する程の恐怖 】を籠めた【言霊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【恐怖心】のみを攻撃する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は斬崎・霞架です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 愛しい鴉(子供)は死に絶えた。中途半端な狂い方では、全く最強には到達しない。妖艶で温かいが、故におぞましい視線が向けられる。研究の『結果』を記しながら、女(オブリビオン)は溜息を吐いた――対象外が揃いも揃って。暇なのだろうか――母親のような輪郭がふんわりと髪を弄ぶと、仕方がないと『敵意』を晒す。

 アナタ、もしかして。恐怖が最強を造るのだと。
 ――理解出来ないと。

 魅せてやれ、貴様等の『強さ』を。
八咫・美都子
ふふふ……その通り、暇つぶしですから
叩き潰してあげましょう、暇なので

大鎌を構え、静かに神楽を舞い、自身に八咫烏を降ろしましょう
これで、私の身体を動かすのは……『私』となりましょう

以降、トランス状態で笑みを浮かべながら大鎌を振り回し、籠った呪詛を衝撃波に乗せて飛ばします
……ふふふ、いつまで避けていられましょうか?
私を変えられるほどの恐怖、手を止めてしまうほどの恐怖を、聞かせてくださいまし

私であれば、震え上がるほどになりましょう
しかし、今あなたと対峙するは、鴉を纏いし鬼……ふふふ、鬼を震わせるには少し、足りないのでありましょう



 鬼の貌は笑(影)んでいた。その通り。文字通り。太陽の光が『埒外』を称えて在るのだ。ふふふ――暇つぶしですから。粒々の感情を一纏めに抱いたならば、筆舌に尽くし難い『闘争』と成った。叩き潰してあげましょう『暇』なので。女(オブリビオン)の頬に汗が垂れた。異常なまでの威圧感。心臓を握られたかのような【おもい】――舞い、振り回す、導きの神……呪詛に塗れた大鎌(輝き)がゆうらりと、私は『私』と成り得『た』のだ。
 此れは『同じ』だ。別の類でも『同じ』ものだ。目の前で微笑み続ける『何か』が、過去を抉るように衝撃を――ふふふ――言霊を放っても『私』には通じない。此れは鬼だ。総てを呑み込む『星』そのものだ。最強ではないが最凶だ。おぞましい。禍々しい――神々しい『八咫烏』か。女(オブリビオン)が後退った。ぶぞり、足元を侵蝕する、荒々しい呪いの衝撃。
 世界が反転した。貴様(オブリビオン)が知らない『それ』は、最下と成り得るのだ。落ちる。墜ちる。天に。無間地獄(たいよう)に堕ちていく――鬼は笑うのみ。鴉は笑うのみ。埒外は骸の海へと『案内』するのみ。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイ・オー
恐怖を知らないのではなく乗り越えるのが勇気。勇気が無限の強さを生む。
確かにそいつは男の教科書にも書かれてる常識だが、あんたの研究はそれとは少し違うみたいだな。

【火焔魔人】使用。人体発火能力のリミッターを解除。自傷の恐怖を乗り越え潜在能力を全て引き出す。
懐に飛び込み【属性攻撃】。相手を掴んだ「火の手」からの炎で敵を包む。

言霊による攻撃は「アンチサイ」で抵抗。完全に防ぐ事は難しいだろうが、恐怖を【勇気】で乗り越える。
【火焔魔人】の炎は敵が強い程……敵に怯え慄き、それを乗り越える程強く燃え上がるぜ。【生命力吸収】で攻撃。
俺は最強じゃないが、あんたよりは強くなれる。恐怖が造るのは最強じゃない、無敵だ。



 恐怖は確かに知るべきだ。知った後が問題で、貴様等は傾くのか積み上げるのか、何方なのかと声が聞こえる。女(オブリビオン)は忘却される恐ろしさに『狂気』を重ねた。探偵は笑う――知らないのではない。乗り越える為の。乗り越える事こそが『勇気』だ。受け入れ、咀嚼し、血肉に為す事こそが真なる『強さ』なのだ。それが無限の超越性(エネルギー)を生む。そいつは男の教科書にも載っている、至極喜ばしい『常識』だが。あんたの研究とは少し違うみたいだな――探偵は脳内を発火させる。解除された制御(リミッター)が熱量の人型を引き出す。引き摺り出す。恐怖も苦痛も悲鳴も踏み、乗り、跨げば――焔の魔人は手(火)を伸ばす。
 言霊がわらう。耳朶の奥底へと這い進む音色が、猟兵の『恐怖』を『狂気』へと駆り立てる。狩るように貪る不安定な「見せて下さい」が気を滅入らせるべく囁き――非物質は拒絶された。脳髄の隅っこに少々残るが、勇気を揮う為の良い香辛料(スパイス)だ。強い。眼前の女(オブリビオン)はおそろしい――故に。炎は手を腕に、対象の顔面を掴み……生命(エネルギー)を燃やし啜った。

 俺は最強じゃないが、あんたよりは強くなれる。
 成れる。成り果てる事は『ない』のだ。
 ――恐怖が造るのは最強じゃない、無敵だ。

 狂気は『敵』を見失うが、勇気は『敵』を見定める。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【播州さん(f23522)と】
【アドリブ改変大歓迎】

さあて、アンタは「最強」を求めてるのか。
それはアンタが「なる」のかい?それとも「作る」だけなのかい?
作るだけなんてもったいない。どうせならアンタが「なって」みたらどうだい?
そう『コミュ力』で煽りつつ【縁手繰る掌】でマザーを引き寄せる。
播州さん、しっかり押さえといとくれよ。
アタシらはマザー、アンタ、『敵を盾にする』。
さあかわいい子供たちが攻め立ててくれるんだ、
その恐怖で強さを示せるんだろ?

さあ

さあ
さあさあ
さあさあさあ
やってみろよ。
やれなきゃ、アンタが「終わる」だけだぜ?


播州・クロリア
数宮さん(f03004)と共闘します。
恐怖が強さになるのですか。
ぜひ見せてください。あなた自身で。
数宮さん、ご手配ありがとうございます。
さぁ、ワルツを踊りましょう。
私がリードするので力を抜いて。
(UC【オール・ワークス!】発動し{バイオウェア}に着替え『怪力』で腕と腰を掴む)
「子供」たちが来ましたよ。
受け止めてあげてください。
恐怖のリズムは覚えているので「子供」たちのリズムも分かります。
外すことはありませんよ。安心してください。
音楽があったほうが良いでしょうか?
好きな曲を仰ってください。
『催眠術』で奏でてあげます。



 勿体ない――人間が息を吐いた。目の前の女(オブリビオン)は。母親は。自らが成長する事を。最強と『成る』事を思考していないのだ。求め、作り、造り、満たされない。此れは無意味な歯車だ。連なる事を忘れた機械の類だ。どうせなら――ぜひ、見せてください。怪物は思いを垂らした。恐怖が強さを生むならば。恐怖が力を埋め込むならば。負の感情の『最も』が超越性を活かすならば。如何せなら。
 女(アンタ)(あなた)自身で。人間を掌が女に触れる。母親を誘う子供のように。女性を導く紳士のように。縁を手に取り繰ってしまおう。引き寄せられた女(アンタ)は蟲の巣の中だ。しっかり押さえといてくれよ――さあ、ワルツを踊りましょう。怪物でもダンスはしたいのだ。力を抜いて。リズムに委ねて。力任せに。腕と腰を『取』ったならば、わん・つー・さん・し、で。留まらせよう。
 子供が喚いた。愛しい愛しい鴉の群れが、肉を求めてぴぃぴぃ鳴いた。それがクンクンと首を傾げて『曲』の蜜に墜落(お)ちるのみ。その恐怖は『怪物』の内側にも存在する。似たような規律(リズム)を外さずに、安堵のような震えを――好きな音は子守歌だ。ほら、底知れない美味しさが其処に。
 其処(アンタ)、啄まれるのは楽しそうだぜ。さあ、可愛らしい鴉どもが母親の『魂』を狙っている。じわりじわりと迫る『欲』が恐怖と成り変わるのは何秒後か。何分後か。その恐怖で強さを――示せるんだろう。さあ。

 さあ。さあ。
 さあ。さあ。さあ。

 やってみろよ。やってみてください。やれなきゃ。やれないと。女(アンタ)(あなた)が――悲鳴も狂気も無かった。肉の壁と為された女(オブリビオン)は音も無く、ただ、子供達にむしむしと捻り出されたのだ。はらわたが伸びる。脳髄がこぼれる。骨が融ける。恐怖が育んだ『最強』が育ての肉を――強さ、は、示された。
 単純に、子供達は強くなったのですよ。少々、こわれてしまいましたが――それは『終わる』寸前まで仔を抱いていた。

 実にダラキュな存在だが、歪まない芯はリアだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風見・ケイ
恐怖。

UDCが。バケモノが。この身体に巣食うモノが。
死ぬことが。皆と別れることが。消えてしまうことが。
おぞましい「子どもたち」を嗾けてくる貴女が。
「恐怖そのもの」を吐きつける貴女が。
――怖いに決まっている。

あの時も、あの時も――今も、震える足に力を込めて、自分を誤魔化すために笑って見せて。

[覚悟]して、一歩ずつ、足を踏み出す。
恐怖という[物を隠す]。
気づかれたらそこで終わりだ。
彼女が動けないうちに、傍に這い寄る。
ほんの僅かな[狂気耐性]を頼りに。

「母」に抱き着くように。
[死と眠りは兄弟]

私ごと、送り火を灯す。
慈愛と恐怖を並び立たせるために。
決して離さない。
眠りにつくのは母と子、どちらが先か。



 恐怖――この二文字が『真に迫る』感覚は、脳髄に一本の針を突き付けられる幻か。死――この一文字が『現に滴る』感覚は、別れや消失の『永久』の本能的な――おぞましい子供の群れが錯乱する。救済すらも忘却した、鴉の涎が地を濡らす。女の声が精神に響いた。吐きつける。塗りつける。一言一言が触れるように。触れるまで。増える――怖いに決まっている。叫んでも。伸ばしても。わたしの掌は『出来る限り』しか届かないのだ。幸福が、遠くへ視えるほど。輪郭がわからない。
 あの時も、あの時も。恐怖は何時だって、わたしたちの隣に存在する。存在を蝕み、喰らい、啜るように佇んでいるのだ。姿を見せない『もの』が、今もげらげらと嗤っている――震える。凍えるような状況に、足がクリームの如くとろけてしまいそうだ。だから。自分を誤魔化す為に――【笑って見せて】
 一歩だ。この、踏み締める覚悟が心地良い。隠せ。それが視えないならば、何も震える事などない。気付くな。彼女も、わたしも、何もかも――対象外が演技(わら)った。這い寄る、混ぜ込まれた人の貌(格)――母を抱く。動かない過去は、想像以上に『人間』だった。贈り物の温もりは、兄弟へと落ちる、ぼわっ。
 炎がくゆり、満たされる。貴様が知らないそれは――がくり。最初から猟兵は恐怖していたのだ。触れた女は動き始めたが、そのあたたかさは延焼する。慈愛が総てを呑み込んだ時、兄弟(死と眠り)は罪も罰も生命も連れ去るだろう。決して離さない。何が在っても、親孝行は成すものだ。

 どちらが先か――子供よりも先に死ぬ、親は居ないだろう。
 おやすみ――確かに。此れは最も強かったのだ。
 貴様等は乗り越え、成長したのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月26日


挿絵イラスト