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アースクライシス2019⑮〜ダーク・リボルバーズ

作者：蒼汁の人

●ストーリー
　ヒーロー達は、マンハッタン島の高層ビル街の片隅、あらゆる存在から死角となる「不可視の領域」に潜んでいたダークポイントを見つけ出しました。しかしヒーロー達はダークポイントに太刀打ちできず、あとは猟兵の出番です！
　居場所を突き止められたダークポイントは、マンハッタンの高層ビル街を縦横無尽に駆け巡りながら、無限の射程距離による先制攻撃で、猟兵を撃退しようとします。

●
「戦争も中盤戦、幹部クラスにも挑めるようになったわね」
　アリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の魔少女・f05202）が説明を始める。
「今回の相手はダークポイントよ」
　ヒーローもヴィランも殺す、正体不明の謎の存在です。無音かつ高速で滑るように動き、無限の射程距離でターゲットを狙撃します。スカムキング以外の命令は聞きません。とカンペを読み上げダークポイントの特徴を告げるアリス。
　敵は強大であり、倒してもすぐに復活する。一時的にもその復活を阻止するには短期間に何度も討伐する必要がある。
「そこで少数精鋭のチームを三つ作って電撃戦を仕掛けるわよ」
　当然、各個撃破される危険はある。だが、リスク覚悟で討伐数を稼ぐか、安全マージンをとって一体づつ確実に仕留めるかは個人の好みによるだろう。
「でね、チーム毎に得意ジャンルを偏らせることで、相手の攻撃手段を限定させれば対策もたてやすいかな、て」
　猟兵とオブビリオンの戦いはユーベルコード同士のぶつかり合いだ。このぶつかり合いには法則があり、POWにはPOWの、SPDにはSPDの、WIZにはWIZのユーベルコードがそれぞれぶつかり合うようになっている。
「それで、このチームにはSPDの得意な人に集まってもらいたいかなって」
　ダークポイントのSPDはダーク・リボルバーズ、浮遊する無数のリボルバーで全方位・超連射・物質透過・弾丸の放射を高速移動しながら放つ技らしい。
「要はリアル弾幕ゲーね。残機無し、ダメージ制のルナティックモードだけど」
　何よりも厄介なのは物質透過だろう。遮蔽物に隠れてもすり抜けてくる。防具もエネルギー系の物でなければ役に立たないだろう。
「まぁ、そんな感じでお願いするわ」
　アリスは頭を下げると猟兵達を戦場へと送り出した。

第1章 ボス戦 『ダークポイント』

POW   :    ダーク・フレイム 【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。 SPD   :    ダーク・リボルバーズ 自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。 WIZ   :    ダーク・アポトーシス 【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。 イラスト：カス 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「……敵に対処する方法はあるわね。あまり使いたくないのだけど……」
　緑川・小夜（蝶であり蜘蛛であり・f23337）は美しいものが大好きだ。だから、これから取る手段はあまりに泥臭く好きにはなれなかった。だが、小夜はそれでもその方法で勝つことを決意する。
　ダークポイントから放たれた銃弾が四方八方から襲いくる。壁さえもすり抜けてくるそれを、即死だけは避けるように頭と心臓を重点的に守りながら受け続けた。脳と心臓、生命維持に必要なこの二つの器官さえ無事であるのならどうとでもなるのだ。
　あまりにも多い弾幕はすべてを見切ることは難しい、しかし、第六感に従うことで急所への直撃を避け即死を免れていた。やがて、第一波が終わる頃には満身創痍、瀕死な小夜がいた。だが、瀕死になったことをトリガーに奇跡の力が発現する。仙術の為の気を全て使い、身体を戦闘が可能なまでに回復する。充分に回復したら残りの気を全身に巡らせ身体能力を超強化する。
　正に起死回生の一手。しかし、その反動は凄まじく血涙が流れ耳からも血が流れだし止まらない。視力と聴覚を喪ったが変わりに第六感が冴え渡りダークポイントの姿は追えていた。
　第二波の弾幕が放たれる。超強化された動体視力はそれを余すことなく捉え今度は危なげなく回避していく。回避仕切れない弾丸も気を込めた鉈剣であれば透過することなく弾くことができた。
　今、この一時。奇跡の力が発現してる間の極短い時間ではあるが小夜の能力は確かにダークポイントの能力を上回る。そうしてダークポイントに追い付いた小夜は鉈剣を振るう。
「不細工なやり方だけど、負けるのはもっと美しくないのよ！」
　確かな手応えを感じながらも無理をした代償として小夜の意識は遠のいていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「OK！　ダークポイント！　派手に踊ろうか！」
　青葉・まどか（玄鳥・f06729）はワイヤーアクションを駆使してビル群を立体機動で駆け抜ける。
「全方位への超連射。遮ることの出来ない弾丸。全くチートだね。それでも逃げ出すわけにもいかないからよ」
　足を止めたら蜂の巣にされるだろう。一瞬たりとも気の抜けない時間が続く。銃口の向きから銃弾の軌道を予測、フック付きワイヤーを引っかけ巻き戻す反動で移動し回避する。隣のビルへ渡したワイヤーの上を駆けながら、緩急を付けた歩法でフェイントを入れ、錯覚による残像を撃ち抜かせることで回避する。そんなアクション映画さながらのスタントを行いながらダークポイントが放つ銃弾の嵐をなんとか耐え凌ぐ。
　そうして、まどかの奇跡の力がようやく発動する。軽妙モードで身軽となり神速モードでスピードを超強化したまどかの動きは桁違いと言っていいほどに素早くなっていた。
「相手は強敵、一か八かの大勝負！」
　これまでの逃げの姿勢から一転、ここから攻勢へと移った。桁違いの速度で銃弾を回避していくが、相手に近づくにつれ弾幕の密度が上がり被弾する回数が増えていく。その痛みを歯を食いしばって耐え速度を落とすことなくダークポイントへと迫る。そして、まどかはまるで一撃にか見えないような神速の連続突きをダークポイントに向けて放ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「無数のリボルバーをまとう……ね、想像したくねぇ姿だぜ」
　アーサー・ツヴァイク（ドーンブレイカー・f03446）とダークポイントの二人がビルの上を飛び回る。アーサーを討ち取らんと縦横無尽に動き回り四方八方から弾幕を放つダークポイント、その弾幕を回避するべくワイヤーアクションでビルとビルの間を器用に飛び回るアーサー。
　戦況はややダークポイントが優勢だろうか？　アーサーの身体の数ヶ所から血が流れ出していた。だが、アーサーとて歴戦の猟兵である、この程度の痛みで動きが鈍る程に柔ではない。オーラ防御で防いでいたということもある、見た目程にはダメージは大きくはない。
　そうして、どれくらいの時間を耐え凌いだだろうか？　ようやくアーサーに好機が訪れる。弾幕の嵐が止んだのだ。リロード、次の射撃を始めるまでの僅かな空白の時間。その隙をアーサーは見逃さない。
「『【Select……COUNT ACTION! 3……2……1……!】骸の海の向こう側まで……【Good luck!】ぶっ飛べええええ！！】』マッハ10なら向こうの弾丸より速いぜ！！」
　アーサーの右腕がマッハ10の速度で射出される。それは確実にダークポイントを捉えたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　天都狐・華夜（ロジックエラー・f01491）は全身鏡を盾代わりに突撃を敢行していた。無茶苦茶ではあるがこれがなかなかどうしてダークポイントの視線を遮断してくれていた。
　勿論、煙幕を張るだとか遮蔽物に隠れるとか真っ当な対策もきちんと行われていた。
　さらには自立機動型の兵器も持ち出しダークポイントの視線を遮っていた。特にスティレット02A群による面制圧射撃は効果的にダークポイントの視線を遮断してくれた。
　とはいえ、自立機動型兵器への視線までをも切れるものではなく、幾つかは燃やされ沈黙してしまっていた。だが、その代償に奇跡の力を発動する時間は確保できた。
「くちわなより情報伝達開始、概念基礎にSSWの機動兵器群を設定。目標設定終了。起動開始」
　120体を越える不滅型人型兵器が召喚される。
「全ユニットStandup！　対象は以下の通り、スティレット02は猟兵の交戦可能距離到達までの時間稼ぎを行ってください。その後の推移は現地にて考えましょう。まずは、初撃を躱してカウンターを顔面にです」
　物量にてダークポイントを押していく。視線にさえ収めれば複数体を燃やせるとはいえ、燃やされてる個体を盾にされてはそれ以上はどうしようもない。兵器である彼らは燃やされても意に介さずに活動できるのだ。そうして彼らから放たれたビームガトリングがダークポイントへと殺到するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年11月16日