5
残酷なる月下の戯れ

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0





 雲一つない、月明かりの晩。漆黒の夜空をぽっかりと切り抜いたような銀月が照らし出すのは、芳しき薔薇の香りが立ち込める庭園。薔薇が咲き乱れる中を、少年は息を切らしながら走り回っていた。
「ハァッ、ハァッ……!」
 夜にはぐっと冷え込む季節だというのに、全身にはびっしょりと汗をかいている。口の中はカラカラに渇き、心臓はこれまでの人生で経験したことのない速度で鼓動を刻む。
「ねぇ、一緒に遊びましょう?」
 突然現れた少女は、街角の子供たちに向かって優雅な仕草で誘いかけた。彼女が有力な『貴族』の娘であることは、子供である彼らにも察しがついた。日が傾き始めていたので皆家に帰りたかったのだが、その無言の圧力に抗える者はいなかった。言われるがままに馬車に乗せられ、町を出てたどり着いた時にはもうとっぷりと日が暮れていた。
「あのね。私が飼ってるワンちゃんと、追いかけっこをして欲しいの。最近運動不足だったから、たまには思いっきり遊ばせてあげようとおもって。十分満足したら、貴方達にご褒美をあげるわ」
 その『追いかけっこ』の結果がこれである。瞳を爛々と光らせ、涎を垂らしながら背後から恐ろしい咆哮をあげて迫ってくるのは、人間を遥かに超える体格の犬の化け物。人間の走力では瞬時に追い付かれそうなものだが、彼女が敢えてスピードを制御させていたのだ。こんな面白い遊び、すぐに終わらせては勿体ない。
「ひ、ひあああっ! もうやだ、ゴメンなさい助けて、助けて……!!」
「ホラホラ♪ もっと頑張って。あんた男の子でしょう? かっこいい所見せてくれなきゃ。キャハハハハ!」
 地面に倒れ込み、這いつくばって命乞いをする少年に、吸血鬼の少女が愉快そうに声をかける。やがて我慢の限界に達した魔獣によって、彼の体は原型を留めぬほどに無惨に食い荒らされて――。
 月の下、薔薇の花弁を濡らすのは冷たい夜露と温かな血。夜風が吹き、薔薇の芳香と粘りつく血臭が混ざりあって少女の鼻腔を心地よくくすぐった。

「新年早々、気分の悪い案件になるが……」
 グリモアベースに集合した猟兵達の前に、グリモア猟兵のガーネット・グレイローズが姿を現した。
「ひとつ、仕事を頼みたい。向かう先は、ダークセイヴァーの世界。針葉樹の森林に囲まれた、ある小国へ向かってもらう」
 ガーネットが予知で得た情報によると、ある地方に女のヴァンパイアが現れ、町の子供達を郊外にある館へと連れて行くのだという。その館は広大な庭一面に真っ赤な薔薇が植えられており、それは見事な光景だという。
「薔薇の庭園そのものは、非の打ち所がない素晴らしいものなんだがな……。問題は、そこで行われる『遊び』だ」
 屋敷の主である女ヴァンパイアは、庭に飼っている獣を放ち、子供達がヘトヘトになるまで追い回させる。恐怖と絶望に泣き叫び、命乞いをする様を見てひとしきり楽しんで、最後には獣の餌にしてしまうのだ。
「すぐには殺さず、さんざん恐怖を与えて絶望させる過程を楽しむわけだ」
「クズですね。なんという吸血鬼なんです?」
 猟兵からの質問にガーネットは静かに頷き、グリモアから情報を抽出する。
「ヴァンパイアの名は、カルマリア。嗜虐の吸血姫の異名を持つ。その名の通り、人間を嬲り痛めつけることに快感を見出す性悪女だ」
 彼女を討ち取り、子供達を犠牲にすることなく町へ返してあげることが、今回のミッションだ。そのためのプロセスはこうである。
「まずはこの追いかけっこの現場に乱入し、猟兵諸君が敵の注意を十分に引きつけてやる必要がある。その隙に、子供達の安全を確保してやってくれ。子供は全部で七人。首尾よく避難させれば、後は敵との戦いに専念できるだろう」
 獣は獰猛だが知性が低く、カルマリアの単純な命令にのみ従う。連携をとって対処すれば、撃破は難しくないはずだ。カルマリアはボス格だけあって強力な近接攻撃、範囲攻撃、召喚魔術と多彩な能力を揃えている。性格を反映した、相手をいたぶる嫌らしい攻撃が得意なようだ。
「どんなに見た目が美しかろうと、その内面は醜く腐りきっている。猟兵の諸君、どうかこの愚かなヴァンパイアに引導を渡してやってほしい。私は君たちの帰りを待ちながら、祝杯を上げる準備をしていよう……」


弥句
 今年一本目のシナリオをお届けします。今回はダークセイヴァーの世界で、女ヴァンパイアの討伐作戦となります。戦場は町はずれの館にある、薔薇の庭園。サッカーグラウンド程度の面積で、猟兵が戦闘するのに不自由有りません。
 時間は夜です。空には雲一つなく、月が煌々と地上を照らしています。戦場の至る所に薔薇の花壇と、石造りのオブジェが置かれています。

 <成功条件>
 嗜虐の吸血姫カルマリア(ヴェスター・アーベントさんの宿敵)の撃破

 <フラグメント>
 一章(冒険):一章ではまず、カルマリア配下のオブリビオンとの追いかけっことなります。能力値に応じたプレイングで逃げ回り、人質を逃がす時間稼ぎをしてください。

 二章(集団戦):暗闇の獣(×たくさん)
 【POW】魔獣の一撃、【SPD】暗闇の咆哮、【WIZ】見えざる狩猟者

 三章(ボス戦):嗜虐の吸血姫カルマリア(×1)
 【POW】跪きなさい!【SPD】斬り刻んでペットにしてあげる【WIZ】アナタも私の下僕に加えてあげよっか?

 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
62




第1章 冒険 『花散る饗宴』

POW   :    体力や力づくで追いかけっこを制する。

SPD   :    速さや技量で追いかけっこを制する。

WIZ   :    魔力や賢さで追いかけっこを制する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

眼健・一磨
初っ端から降魔化身法でブースト。配下であるオブリのワンちゃんの脚を吹き飛ばすなり切断して移動力を奪う。ブーストの影響で自身に毒や出血を強いられるが、敵を贄に生命力吸収してダメージを抑える。
敵オブリにダメージを加えながら追いかけっこ出来れば良し。
「悪ィ子は居ねぇがぁ!?」
敵オブリとその手下は間違い無く悪い子なので、問題なく鬼魔の贄になってもらう。
理想的には敵オブリの数を減らしつつ、子供達の安全を確保できれば上出来。
カルマリアが決めたクソにたいなルールには「敵を斃してはいけない」というルールはない。喚こうが泣き叫ぼうが、自分の決めたルールの上で追い詰められて貰う。
言うまでもなく(SPD)の行動。


零落・一六八
【POW】
楽しそうですねえ。ボクとも遊んでくださいよー。
本当は鬼ごっこよりかくれんぼのが得意ですけど、今回は時間稼ぎですしね。
こっちですよー。と手を振ったりして誘導しつつ、普通に逃げます。
でも追い付かれそうになったら、野太刀で峰打ちしたり、顎に蹴り入れて動き止めたりしつつ、じゃれて遊んでやります。
ちゃんと手加減はしますよ。
(気絶もさせない程度にじゃれて遊ぶ)
万一噛まれちゃっても
「もー、食いしん坊なんですからー。」ってにこにこしつつ、食いちぎられる前に舌を引きちぎる勢いで掴む。
口を開いたら腕抜いて許してあげましょう。
噛まれた分は【生命吸収】で返してもらいますが。

※アドリブや他との絡み大歓迎


神酒坂・恭二郎
【POW】指定
どうにも悪趣味でいけないな。
折角の美人さんが勿体ないないんてもんじゃあない。
綺麗な薔薇園も泣くってなもんだ。

子供たちの救出はサイコキネシスメインで行く。
まず【力を溜めて】地面に刀を刺して【衝撃波】で【トンネル掘り】。こいつにスペース風呂敷を広げて土で【迷彩】すれば簡易の落とし穴だ。いくつか掘っておく。
見渡して捕まりそうな子供はサイコキネシスで【庇う】して保護。そのまま上手く相手を【おびき寄せ】て追っ手を落とし穴に嵌められれば幸いだな。
小技が尽きたら後は体力勝負。【カウンター】の【クイックドロー】で切り伏せながら時間を稼ごう。

「鬼ごっこの時間は終わりだ。子供はもう家に帰る時間だぜ」





 街の郊外に建つ、豪奢な洋館。その広大な庭は一面の薔薇に埋め尽くされた見事なものだった。だが、今やその美しき庭園は館の主人による陰惨なゲームの舞台と化していた。
 街から連れて来られた子供達は、女ヴァンパイア『嗜虐の吸血姫カルマリア』の遊びに付き合わされ、彼女が手懐けている狂暴な犬の怪物に追い回されている最中だ。彼らは半狂乱になり、体中に茨のひっかき傷を作って走り回っていた。
「ほらほら、もっと私を楽しませなさぁい♪」
 カルマリアは、神殿を模したひときわ大きなオブジェに立ち、『追いかけっこ』の様子を楽しげに見守っていた。そのとき、庭園の外周部を覆っていた茂みがガサゴソと動いた。そこからそろそろと這い出てきたのは三つの影。
「んんん、早速悪の臭いがするぜぇ」
「もう始まっちゃってますねぇ。助けるなら急がないと」
 鋭い眼光で周囲を窺い、悪しき気配を嗅ぎつけたのは、化身忍者の眼健・一磨。その隣で灰色の髪をかき上げ、言葉と裏腹に悠然と構えた様子なのは零落・一六八。電子の世界の住人、バーチャルキャラクターである。
「命を懸けた追いかけっこか。どうにも悪趣味でいけないな」
 遅れて草むらから現れたのは、着流し姿に刀を差した浪人風の男。神酒坂風桜子(ふぉーす)一刀流の使い手を名乗る剣客、神酒坂・恭二郎だ。三人はまず、暗闇の獣たちに追い回されている子供たちを救い出すべく、自身らが囮となって時間を稼ぐことにした。
「行くぞ!」
 先陣を切って駆けだした一磨が、早速ユーベルコードを発動させる。
「奥義・降魔化身法!」
 刹那、周囲の大気がざわめいていく。悪霊や悪鬼、妖怪といった無数の魑魅魍魎が召喚され、一磨の肉体に折り重なるように集積していく。身体能力を増強する代償に、自身は呪縛、毒、流血に苛まれる禁断の業だ。その尋常ならざる気配に、カルマリアと獣たちが一斉に三人の方へ振り向く。
「グルルルル……」
「あらぁ? 誰かそこに居るわねぇ。居るのはわかってるのよ、出てらっしゃい?」
 カルマリアは、気持ちの悪い猫なで声で三人に呼び掛けてくる。幸運にも、獣たちは獲物を追う足を止めている。
「言われなくっても、今行くぜ! 折角の美人さんが勿体ないなんてもんじゃない。お前さんを止めなきゃ、綺麗な薔薇園も泣くってなもんだ」
「楽しそうですねえ。ボクとも遊んでくださいよー。本当は鬼ごっこよりかくれんぼのが得意ですけど、今回は時間稼ぎですしね」
 隠密行動など無用とばかりに、三人は勢いよく敵の真っ只中に飛び込んだ。獣たちはやかましく吠え回り、突如現れた猟兵に警戒心を露わにする。
「面白そうな人たちねぇ。貴方達も飛び入りで遊びに来たワケ?」
 カルマリアがポンポンと手を叩くと、獣たちは一斉に三人へと向かってきた。三人はそれぞれ別々の方向へ散らばり、個別の技能を駆使して作戦を開始する。
「さて、まずは……子供達の安全を確保しないとな」
 恭二郎は愛刀・銀河一文字を抜き放ち、刀身に風桜子(フォース)を込める。その刃を地面に勢いよく突き刺すと、強い衝撃と共に地面が抉れ、大きな窪みが発生した。
「よっと……」
 穴の上にスペース風呂敷を被せ、土をかけると即席の落とし穴の完成だ。うまくここへ誘導して罠にかけてやれば、時間稼ぎにはなるだろう。
「だ、誰か来たよ……」
「町から、助けに来てくれたの!?」
 三人の乱入者を、街からの救援と認識する子供達。だが、まずは彼らを先に逃がすのが先決だ。
「オウ、お前らは先に家に帰ってろ! 俺たちも後で追いつくからよ!」
 一磨は襲い来る猛犬達と格闘を繰り広げながら、少年達に呼びかける。体は猛毒に蝕まれ、絶えず血が流れ出る。しかし、敵を斬りつけながら生命力を吸収することで持ちこたえていた。
「はいはい、こっちですよー」
 一六八は大げさな身振り手振りで敵の注目を集め、時々わざと速度を落とすことでうまい具合に引きつけては刀を振るい、峰打ちで叩き伏せていく。
「よっしゃ、一六八。こっちに引き寄せろ!」
「りょーかいっ!」
 恭二郎の方向へと走り込んできた獣の一匹が、先ほど仕込んでいたトラップに嵌まる。追われていた少年が、荒い呼吸で必死に恭二郎に縋りついてきた。
「うわあああん! 恐かったよー!」
 息も絶え絶えの様子の子供達を見て、恭二郎は頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でる。
「後は、俺たちに任せな。ちょっくら、貴族のお嬢さんに用事があるんでな……っと!」
 地面に倒れ込んだ10歳くらいの少女が、今まさに爪牙の餌食になろうとしている。恭二郎はサイコキネシスで、彼女の体を引き寄せる。
「あ……」
「鬼ごっこの時間は終わりだ。子供はもう家に帰る時間だぜ」
 呆然とした様子の少女の顔は、汗と涙で光っている。恭二郎は彼女の体をゆっくりと地面に降ろした。
「よっしゃ、あっちは安全だな。……悪ィ子は居ねぇがぁ!?」
 一磨は薔薇の庭園を縦横無尽に走り回り、獣たちを手当たり次第に殴りつけていく。月の下で変身を遂げたその姿、さながら悪鬼羅刹の如し。
「感動的な生還の場面を邪魔しないでくれます? もー、食いしん坊なんですからー」
 上から組み敷かれた一六八は、咄嗟に喉元をガード。腕に食いつかれるも、顎の隙間から舌を引っこ抜く勢いで掴みかかる。
「おう、アブねえなぁ!」
 恭二郎が片手を突き出し、犬の頭部にサイコキネシスを撃ち込む。甲高い悲鳴を上げて猛犬は飛び上がり、素早く後退。
 カルマリアはその様子を黙って見ていたが、やがて状況を理解し、高笑いを始めた。
「きゃははは! 貴方達、子供を助けに町から来たのね! でも、その変わった力は何なのかしら? なんだかすごーく気になるわねぇ……」
 猟兵達が振るう異能の力に、彼女は興味津々の様子だ。
「……お前、悪い子だなぁ? 弱い者苛めをする悪い子は、お仕置きしないとなぁ!」
 一磨は屠った獣の骸を踏みつけ、カルマリアを鋭く指さす。怒りに燃えるその面構えはまさしく鬼の形相だ。さらに迫りくる獣の爪牙を、恭二郎と一六八の二刀が次々と切り払う。
「さあて、時間は稼げましたかねぇ?」
「ああ、ちょうどいい塩梅だ。こっちも体が暖まってきたしな」
 一六八が野太刀の血を払いながら、恭二郎に問いかける。恭二郎は肩を回して、好調をアピールした。――ふと、先ほどの少女と視線が合った。彼女は小さく頭を下げると、門扉の向こう側へと走り去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

月宮・ユイ
「全く、子供を甚振って遊ぶなんて”イイ趣味”してますね…」

UC【人形劇団】を子供姿で召喚、囮兼陽動役とし<時間稼ぎ>します。
私自身は<忍び足>や<地形の利用>等で<目立たない>よう行動し、
<暗視>や<視力>を頼りに子供達の痕跡を探し<追跡>して、
子供達の発見と保護を目指します。

化け物に追われて、混乱・恐怖しているでしょうし、なんとか安心させてあげたいですね…
その際は、抱きしめて人の温もりを感じさせたり、甘い飴を用意して気分をなだめるのも良いかもしれませんね。


アラン・ヲージャック
子供をたぶらかすレディですか、少しおいたが過ぎますか。
あなたが、その追いかけっこに醜いペットを利用するのなら、私は相棒の力を借りましょう
私が相棒の背にまたがり参上すれば相手の気も引くことができると思います
【SPD】敵は知能の低い獣、こちらも相棒と共に逃げれば攪乱できるはずです。
【POW】グローリア、あの醜い敵を引きつけてください。隙をつければ、懲らしめてあげます。もちろん力づくで
『追いかけっこ』でしたよね、ならこちらが鬼になっても構わないですよね、お嬢さん
獣の隙を付いて私が遊んであげている間に、グローリアは子供たちの避難を頼みましたよ。





「全く、子供を甚振って遊ぶなんて”イイ趣味”してますね…」
「子供をたぶらかすレディですか、少しおいたが過ぎますか」
 新たに現場に駆けつけた二人の猟兵は、黒髪の小柄な少女と、体格のよい金髪の騎士。ヤドリガミの月宮・ユイ、そして人間のアラン・ヲージャックである。 
「まずは、時間を稼がないと。いざ、開演……! It's showtime!」
 かけ声と共に、ユイのユーベルコード『人形劇団』が発動される。召喚された戦闘用の人形は子供の姿となり、散り散りになって陽動を開始する。たちまち、それらの人形に気をとられて追いかけはじめる獣たちがいる。 
「カルマリアが追いかけっこに醜いペットを使うのなら、私は相棒の力を借りましょうか」
 続いて、アランがユーベルコード『幻馬招来』を発動させた。すると、暗闇の中から虚空を裂いてアランの愛馬『グローリア』がその勇姿を現した。アランは、その背に素早く跨がる。
「力を貸してくれ、相棒!」
 アランの願いにグローリアは短く嘶き、醜い獣がひしめく戦場へと疾風のごとく駆け込んだ。
「あらぁ、ご立派な騎士様ねぇ? この辺境に、子供のためにわざわざいらしたのかしら?」
 眩い甲冑を纏った騎士に、勇壮な軍馬。敵の注目を引くには十分な組み合わせだ。
「グローリア、あの醜い敵を引きつけてください」
 アランは愛馬の上で、バスタードソードを抜き放つ。彼が駆るグローリアは俊敏に戦場となった庭を疾走し、人馬一体となって囮を引き受ける。
「よし。今のうちに、子供を……!」
 ユイは暗視機能も備えた電脳ゴーグルを装着。気配を殺し、壁伝いに静かに子供の元へ接近する。 
「大丈夫? 怖かったのね……」
 身を震わせながら蹲っている少年の元に歩み寄り、ユイは小さな体を優しく包み込むように抱きしめる。
「あ、あの女の人に連れて来られて……そしたら、庭に大きな犬の化け物がいて、ボクたち……」
 寒さと恐怖に強ばっていた少年の体が、徐々に解きほぐされていく。
「さあ、助かりたかったら私の言うとおりにあっちから逃げて。立ち止まらずに、真っ直ぐ走って逃げるのよ」
 ユイは少年の手に飴玉を握らせ、速やかな避難を促す。彼は一度だけ振り向き、出口へと一目散に駆けていった。

「む、あそこにも、逃げ遅れた子供がいるな」
 馬上のアランは、高い目線から戦場の様子を把握する。逃げ遅れた子供が二人、右往左往している。後ろからは、獰猛な犬達が吠えながら迫ってくる。
「グローリア、あの子たちのもとへ!」
 グローリアは石のオブジェを飛び越え、突風のように駆け抜けて二人のもとに一瞬で到達する。突然駆けて来た騎馬に、二人の少年は驚いて目を丸くする。
「その馬に乗って、逃げなさい! こいつらは私が相手する!」
 素早く着地すると、剣と盾を構えて敵の前に立ちはだかった。グローリアが身をかがめる。今は、迷っている時間は無い。二人が慌ててその背中に跨がると、グローリアは嘶きと共に闇の中へと駆けていった。
「ありがとう、騎士様!」
「必ず帰ってきて! 死なないで!」
 暗闇の向こうから、子供達の叫びが聞こえた。アランは短く息をつくと、おぞましき獣たちに向き直った。
「さぁ……『追いかけっこ』ならば、こちらが鬼になっても構わないですよね? お嬢さん!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

陰白・幽
POW判定
……鬼ごっこ?……これが?……そっちがそのつもりなら…ボクにも考えがあるんだよ~
作戦方針としてはおとりになって子どもたちが逃げる時間を稼ぐよ~
とりあえず走り回って子どもや怪物を探すよ、子どもを見つけたら安全な場所を教えて、怪物はボクがおとりになるよ~
怪物には石を投げて気を引いたりしようかと思うよ~。
「こっちだよ~、鬼さんこちら、てのなるほ~へ、だよ~」
追いつかれたら危ないからね、しっかりと準備をしとくよ……鋼糸で足を引っかける罠を仕掛けとこっと
後は全力で逃げるよ~相手の体力が無くなるまで逃げ続けるよ~
「鬼ごっこは楽しい遊びだからね、最後まで……楽しくやらせてもらうよ~」


ノイン・フィーバー
心情:
お邪魔します。文字通りに
行動:
SPDメイン
ガジェットショータイム発動。取り出したるは子犬のぬいぐるみが数匹。
「さぁお行き」
と子犬のぬいぐるみを放すと、各自自律行動を取るそれらは、非情に美味しそうな匂いがする。「命の危機」にある者は気付けないような些細な匂いだがが、余裕のある獣には十二分に意味のある匂いだろう。
なお、かぶりつくとコショウとタバスコをダース単位で突っ込んだ味がする。※居合わせた猟兵には事前に一言「食べたらのたうち回ることになりますので気をつけて」と言い含めておく。

「イッツショーターイム!」
あとは奇怪な動作(映画泥棒のパントマイム的な)をして相手を惑わしながらかけっこを制す。


四王天・燦
価値観からして人間じゃねーぜ吸血姫さん。
ただ倒すより屈辱的にやりてーな

飛び入り参加。
「選手交代!ガキどもはさっさと逃げな。ケダモノども…餌はこっちだぜ」
ちょっとだけ掌を切って出血させて、自分の顔に血化粧。血の臭いをさせてやるよ

「効果は抜群だ…ってやりすぎたー!」
そしてダッシュで必死で逃げる。
悔しいけど吸血姫を楽しませておこう。
逃げ切りすぎて子供に行かれても困るし、獣がアタシに追いつける程度にしておく

子供が逃げ切ったら最後は符術『力場の生成』で跳んでアウトレンジに。
「はい、あーん…ってご飯を近づけておいて取り上げるのが良いんだよ。な、性悪女?」
落下時に獣に蹴りいれて、カルマリアにあっかんべーだぜ





「さあ、元気よく行ってみましょうかねぇ。お邪魔しますよ、文字通りに」
 ここはバラ園の片隅。何やらパントマイム的な不思議なアクションでやる気を見せているのは、ノイン・フィーバーだ。すでに現場では猟兵達の救出活動が始まっており、混乱の渦中だ。
「……鬼ごっこ?……これが?……そっちがそのつもりなら…ボクにも考えがあるんだよ~」
「価値観からして人間じゃねーぜ吸血姫さん。ただ倒すより屈辱的にやりてーな」
 嗜虐的な吸血姫への怒りを燃やす二人は、ドラゴニアンの陰白・幽と妖狐の四王天・燦。まずはノインがユーベルコード『ガジェットショータイム』を発動。ポケットのどこに収まっていたのか、子犬のぬいぐるみを4体取り出す。
「あ、かわいい~」
「犬のぬいぐるみ……何に使うんだ?」
 さあお行き、とノインはぬいぐるみから手を放す。するとぬいぐるみは小さく飛び跳ねると、トコトコと自律行動で前進を開始した。三人の猟兵も小走りで後を追う。
「なぁ、なんかその犬、美味そうな料理の匂いがしないか?」
「あ、そういえばボクも。なんだかスパイスの効いた、バーベキューみたいな」
 今回のガジェットには、敵の嗅覚を利用した仕掛けが用いられている。それは『命の危機』にある者は気付けないような些細な匂いだがが、余裕のある獣には十二分に意味のある匂いだろう。
「お気を付けて。食べたらのたうち回ることになりますので」
 興味を示す二人に、ノインはなぜか明るい口調で警告する。幽と燦は肩を竦めると、二方向へと散開していった。ノインはそのまま、ぬいぐるみの追跡を続ける。

 燦はアークウィンドを抜き、手の平を傷つけて少量の血を頬に塗る。血化粧だ。
 小さなため池の傍で、子供が追い回されているのを確認。燦はそこへダッシュで割り込む。
「選手交代!ガキどもはさっさと逃げな。ケダモノども…餌はこっちだぜ」
 微かな血の匂いに反応し、獣が燦の方へと振り向く。燦は素早く反転し、獣の誘導を開始した。やはり犬の化け物は優れた嗅覚を持っているのか、燦の元へグループが集まりつつある。
「効果は抜群だ……ってやりすぎたー!」
 悔しいが、ここは吸血姫を楽しませておくことにする。燦は俊敏に庭を駆け、追いつかれるかどうかのギリギリの速度で獣の注意を引きつけている。
「さて、そろそろだな……。御狐・燦が命ず。符よ、我が意のままに空に留まり、天へと至る足掛かりと成せ!」
 燦は符術『力場の生成』を発動。背後から食いつこうとする獣の牙を巧みに躱し、空中で連続で跳躍して翻弄する。
「はい、あーん……ってご飯を近づけておいて取り上げるのが良いんだよ。な、性悪女?」
 石のオブジェを軽やかに飛び越え、燦はアウトレンジへと逃れる。去り際に空中から獣の頭を蹴りつけ、燦は舌を出してカルマリアを挑発。吸血姫は石造りの神殿から、その様子を無言で見ていた。

 ノインが放ったぬいぐるみのガジェットは、しばらくトコトコと庭園を疾走していたのだが、やがてそのうちの一つが石のオブジェに引っかかってしまった。ぬいぐるみは石に引っかかったまま、その場足踏みを続けている。そこへ、一匹の猛犬が追いついてきた。
「ガウウ!」
 怪物はかぎ爪でぬいぐるみを押さえ込み、勢いよく齧り付いた。その瞬間、中に仕込まれていた粉末状の刺激物が飛び出す。胡椒とタバスコをふんだんに使ったスパイシ―な香りが、たちまち周囲に広がった。
「ギャウン!!?」
 鋭敏な嗅覚が仇になったか、獣はのたうち回って苦しむ。その様子を、ノインは物陰からじっと見ていた。不意に、その獣と視線が合う。
「ホホホ、お味はどうです?」
 姿を現したノインは、パントマイムのような奇妙な動きを繰り返して獣を挑発。怒り狂った獣と、壮絶な追いかけっこが始まった。
「イッツ・ショータイム!」
 ちなみに、奇妙な動きをしながらも走力は衰えることはなかったという。
 
「逃げ遅れた子供は、どこかな~」
 幽は手当たり次第に走り回って、まだ避難していない子供やそれを追う怪物を探していた。すると、程なくして金髪の少女を追いかけている獣に出くわした。獣は少女を、行き止まりへと追い込もうとしていた。
 足元の小石を拾い、怪物に向かって投げつけた。すると小石は後頭部にコツンと命中。獣は恐ろしい形相で、幽のほうへ振り向く。
「こっちだよ~、鬼さんこちら、てのなるほ~へ、だよ~」
 単純な敵は、幽の挑発にあっさり引っかかる。威嚇の咆哮を上げながら、幽の方へ猛然と向かってきた。
「(よし、あとはこれで……!)」
 幽は後退しながら、獣を引きつける。興奮した獣は幽が石を投げる前に張っていた鋼糸のトラップには気づくはずもなく、足を引っかけて盛大に転倒する。
「…………」
 獣は倒れ伏したまま、動く気配がない。どうやら顎を打ち付け、昏倒しているようだ。
「今のうちに、逃げよう……!」
 幽は追いかけられていた金髪の少女に呼びかける。面識のない少年が助けに来たことに少女は怪訝な顔をしたものの、幽の言葉に素直に従った。今は早くこの場を離れることが先決だ。
「助けてくれて、ありがとう。あなたも、ここに連れて来られたの……?」
「ボクは、猟兵。仲間と一緒に、みんなを助けに来たんだよ~」
 少女を安全な場所まで誘導すると、幽は再び戦場へと戻っていく。これで、人質の子どもは全員救出できた。猟兵達は安心して戦いに専念できるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カルマリアは、突然現れた謎の集団によって子供達が逃がされていくのを見つめていた。
「自ら囮になって、皆を逃がそうとしているの? 度胸あるわねぇ」
 少なくとも、この世界で支配されることに慣れきった者たちに出来る行為ではない。
「それに、あの特別な力。何者なのか、気になるわね。……引き続き、ワンちゃんたちの遊び相手になってもらおうかしら♪」
 カルマリアの瞳が、闇の中で妖しく輝く。すると、草むらから新たに闇の獣たちがはい出てきた。猟兵達は、油断することなく武器を構えて警戒する。
 ここからは、ただの追いかけっこでは済まない。『殺し合い』だ。
神酒坂・恭二郎
・POW指定
さぁて、いよいよ話が分かりやすくなったってもんだ。
あの綺麗な姫さんと話をするにゃ、邪魔な奴らを蹴り飛ばせってなもんだ。

「相手を知りたいなら、もっと近くでお話をするのが一番。ペット任せは野暮だぜ、姫さんよ」

・相手の姿が見えないので、まずは目を閉じ【力を溜め】て【失せ物探し】。感があれば気付かない振りで【おびき寄せ】、【クイックドロウ】の【カウンター】で、フォースを通して伸ばしたスペース手拭いを叩き込む。手拭いと侮るなかれ、【サイコキネシス】を添えれば【串刺し】の威力だ。
後はスペース手拭いによる【範囲攻撃】で牽制し、【ロープワーク】で何匹かを絡めて動きに制限をかけよう。
※連携大歓迎


四王天・燦
「今度はカルマリアちゃんを楽しませなくて良いから楽だな」
2~3匹の群れに特攻して斬り殺していくぜ

無謀にも見える特攻だけど咆哮で獣同士を巻添えさせたり、あわよくば獣を盾にして凌ぐ。
見えている以上に気配が多く感じられたら残像を残して透明化してる奴を翻弄しよう。
挟まれたら正面の獣の足の間をスライディングで切り抜けたり、符術『力場の生成』で宙に固定した符を足場にして跳んだりして態勢立て直し。
そのまま上空からフォックスファイアで炎の雨をプレゼント。着弾時に風属性の衝撃波を乗せて土煙を上げて透明化を暴くぜ

駆け抜け、跳び回ってアクロバティックに仕留めていこう。
「疲れるな…へっぽこ吸血姫のセコイ作戦だぜ」





 銀の月が照らし出す戦場を、燦は『力場の生成』で軽やかに駆け、飛び回る。どす黒い体毛に覆われた獣たちは暗闇に溶け込み視認しづらいが、眼だけがギラギラと光を放ち、燦の姿を貪欲に追い続けている。待ち伏せしている個体も含めれば、燦が認識している以上に敵の数は多いだろう。
「さぁて、いよいよ話が分かりやすくなったってもんだ。あの綺麗な姫さんと話をするにゃ、邪魔な奴らを蹴り飛ばせってなもんだ」
 燦と共に行動しているのは、同じく刀剣を得物とする恭二郎。二人で作戦を練った結果、敵をおびき寄せて迎え撃つ方針に決まった。燦は機動力を高めるユーベルコードで敵を翻弄し、その隙に恭二郎が風桜子(フォース)をチャージして攻撃準備を整える。目を閉じて集中した恭二郎には、戦場に満ちた『殺気の流れ』が手に取るようにわかった。「左の後方……そこか!」
 サイキックエナジーを帯びたスペース手ぬぐいは、筒状に丸められて槍のように硬化。それを逆手持ちで背後へ振り抜くと高速で伸び、突進してきた敵の眉間を狙い違わず貫いた。さらにその突き刺さった先端を高速で捩り、ドリルのように回転させて殺傷力を高める。闇の獣は断末魔をあげる間もなく、瞬時に絶命。灰となって足下から崩れ落ちた。
「……お見事っ!」
 燦は着地の隙を狙って横薙ぎに出された爪を、符を蹴って空中跳躍することでタイミングをずらして回避。落下の勢いに乗せて、サムライブレイドを敵の頭上へ真っ直ぐに振り落とした。鋭刃は直立した獣の頭頂部から股までを深々と切り裂き、その切っ先は地面にまで達した。激しく吹き出た鮮血が草葉を濡らし、魔獣はその上にどうと倒れ込む。燦の姿はすでにそこにはない。残像を描いて次の獲物に向かう彼女の姿は、一切の返り血を浴びていなかった。
「姐さんも、なかなかやるねえ!」
 恭二郎はサイコキネシスで手ぬぐいを巧みに操り、卓越したロープワークで敵の手足を絡め取っていく。動きを拘束したところを、燦が持ち前の暗殺術で的確に仕留めていった。
「相手を知りたいなら、もっと近くでお話をするのが一番。ペット任せは野暮だぜ、姫さんよ!」
 恭二郎と燦は連携をかけて、次々と襲い来る敵を斬り伏せていく。カルマリア配下の魔獣たちは、一匹また一匹と数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

零落・一六八
へえ、殺し合いねぇ。
鬼ごっこの逃げるほうよりそっちの方がしょうに合いますね
さて、もう少しボクと遊んでくださいよっと
じゃあ、今度はこっちが鬼ですかね?
ブラッド・ガイストを使い野太刀を変化させる
野太刀を振るい【捨て身の一撃】と【なぎ払い】で吹っ飛ばす
まぁ万一怪我しても【激痛耐性】
(正確には痛みは感じてるが平気)
【生命吸収】もあるので
ははっ!血が足りないんですよ。もっとくださいよ、ねぇ!
相手にダメージが出てきたら【傷口をえぐる】とかもしましょうか

POWごり押しメインですが
誰かと一緒ならサポートや敵を引き付ける囮とかに回りましょう
基本的に命知らずPOW特化血みどろ殴り合いで

アドリブや他との絡みは大歓迎


月宮・ユイ
WIZ判定

子供達は無事逃げられたようね…良かった
さぁ、『追いかけっこ』はおしまい…次は悪趣味な遊び相手を始末しましょ

中~後距離での立ち回りを意識
投げナイフの”投擲”や蛇腹剣に変えた’星剣’で攻撃
”マヒ・気絶攻撃”の”呪詛”ものせ、
敵に攻撃の隙を作るか、味方の隙を補う

「次は『かくれんぼ』かな?」
敵の性格からして、数での力押しだけとは思えない
奇襲にも警戒しないと…

戦いつつ”目立たない”よう周囲を観察
庭園という”地形の利用”もし、
”視力、暗視、聞き耳、第六感、野生の勘、戦闘知識”
持てる技能全て使い”情報収集”
変化を察知したらUD【破壊の火】の炎で薙ぐように”範囲攻撃”
敵をあぶり出す

アレンジ・絡み歓迎





「追いかけっこはおしまいね。……次は悪趣味な遊び相手を始末しましょ」
 ユイは感覚を研ぎ澄まし、暗闇から自身に向けられる殺気を五感で感じ取る。
「次は……かくれんぼかな?」
 そこへさらに、猟兵として備わった第六感も駆使する。敵の性質からして、正攻法だけで来るとは限らない。奇襲にも警戒する必要があるだろう。
「へえ、殺し合いねぇ。鬼ごっこの逃げるほうより、そっちの方が性に合いますね」
 ユイの傍らを往く一六八が、『ブラッドガイスト』を発動させた。体内に埋め込まれた装置[Arterie]が身を裂き、溢れ出た血が腕から野太刀に伝うと、その形状を凶悪な殺戮捕食形態へと進化させる。その血の匂いを嗅ぎ付けたか、にわかに周囲の殺気が膨れあがっていくのをユイは肌で感じる。
「囮はボクに任せてくださいよ。少し遊んで来ますね」
 生け垣の隙間から這い出た獣に向かって距離を詰めると、一六八は野太刀を構えて飛び出した。それと同時に獣が前方に大きく飛び跳ねる。暗闇の中で、鋭い切っ先と鉤爪が交錯し、激突する。
「援護するわ。……破壊の理を示せ!」
 ユイは[賢者の杖:コスモス]を手に取ると、ユーベルコード『破壊の火』を発動。闇の中に、『破壊という概念を具現化』した理の炎が、大量に生み出されて浮かび上がる。
「生け垣の陰に隠れていても無駄よ!」
 ユイがロッドを操ると、生み出された炎塊はやがて一つどころに集積。巨大化した炎が向かう先は、獣が潜む生け垣だ。
「ギャウウッ!!」
 ユイの広範囲にわたる全力魔法によって、生け垣は瞬く間に猛火に包まれた。その陰に潜んでいた獣たちも巻き添えだ。バチバチと音を立てて生け垣が焼け落ちると、闇に溶け込んでいた醜悪な姿が炎に照らし出された。
「これは……派手にやってくれますねぇ!」
 一六八は敵の爪をノコギリのように変化した刃で受け止めながら、ニヤリと笑う。ユーベルコードで血を流したうえに敵から傷を受け、全身は血で染まっている。だが激痛に耐性をもつゆえか、はたまた感覚が麻痺しているのか、その戦意は些かも衰えない。そればかりか、この状況を楽しんでいるようにさえ見える。
「ははっ! 血が足りないんですよ。もっとくださいよ、ねぇ!」
 一六八は凶悪に形を変えた野太刀で斬りつけながら傷口を抉り、噴き出した血を介して生命力を吸収していく。ユイもまた、大振りな一六八の攻撃の隙を補うように中距離から暗器を投げつけ、蛇腹剣のように変形させた[星剣]を振るって素早く敵を仕留めていく。攻撃には呪詛を込め、マヒや気絶による弱体化も功を奏した。
「次は貴女の番よ、カルマリア……!」
 一六八とユイの活躍もあって、戦況は確実に猟兵優位に傾きつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

陰白・幽
鬼ごっこも終わったし、しっかりと終わらせないとね…………ごめんね、君たちが悪いかどうかは知らないけど、ボクは君たちを殺してでも進む……さよなら

「咎龍皇顕現」の発動し、自身の戦闘能力を高める。戦闘法は獣同士シンプルに押して押してで行く。攻撃をしてくるのであれば攻撃をさせなければ良い、される前に攻撃していくよ。
真空刃を伴う尻尾で相手の足を払い、姿勢が崩れたところを爪で【串刺し】にする。
離れた相手には鎖で捉えて【怪力】を活かして敵を振り回してそのまま地面などにぶつけてしまう。
ごめんね、こんな解決法で……
うーん、疲れた~、集中していると疲れるよね~、うーん眠いけど……最後まで我慢我慢っと。





 戦場に乱入した猟兵たちは、それぞれの能力でもって戦い、ある時は見事な連携を見せ、カルマリアが従える暗闇の獣たちを着実に撃破していった。薔薇の庭園に満ちていた獣の気配は、次第に薄れつつある。だが、屋敷の主であるカルマリアは依然、不気味な沈黙を保ったまま健在だ。
「…………」
 茂みを掻きわける音と共に、きつい獣臭が漂ってきた。幽の周りに、獣の気配が集まりつつある。幽は庭園の外へ走り去っていく少女を見送ると、戦闘に専念するべく己の中に眠る『龍皇の力』を解き放ち、ドラゴニアンとしての戦闘力に特化した姿へと変わる。
「……これで終わりにしよう、ボクも全力でいくよ……」
 左右から、二体が同時にかかってきた。迫りくる爪牙はしかし、幽に届くことはない。残像を残し、幽の姿が滑るように掻き消える。二体の背後に幽が現れた直後、猛烈な尾撃が真空の刃をまとって繰り出された。圧倒的な破壊力に、異形の獣たちが軽々と吹き飛ばされる。オブリビオンと比較しても、今の幽の力は規格外だ。
「鬼ごっこも終わったし、しっかりと終わらせないとね…………ごめんね、君たちが悪いかどうかは知らないけど、ボクは君たちを殺してでも進む……さよなら」
 獣の本能のままに襲いかかってくる敵を前に、幽の胸に去来するのは何なのか。自らの内なる戦闘本能からくるシンパシーなのか、それとも。
 闇の猛犬たちは、己を鼓舞するように血に飢えた咆哮をあげる。ビリビリと鼓膜を叩き、心臓を生掴みにされ揺さぶられるような激しい衝撃が、幽を襲う。幽は眩暈を堪えつつ、口から高熱の火炎ブレスを吐いてそれに対抗。突出している個体が炎に炙られ、無様な悲鳴を上げる。怯んだ隙に爪と尾を振るい、真空刃で追撃。手足を切り裂かれてバランスを崩したところへダッシュで距離を詰め、トドメの爪撃を突き入れた。断末魔とともに、獣の肉体は突如発火。そのまま灰化し、ボロボロと崩れ落ちていく。
「ごめんね、こんな解決法で……」
 なおも飛びかかってくる獣の体を、龍爪の鎖を飛ばして絡め取った。そのままハンマー投げの要領で振り回し、手を放すとその体は勢いよく吹き飛び、オブジェの石柱に叩きつけられる。獣も石柱も、ガラクタのようにいとも簡単に損壊した。

「うーん、疲れた~、集中していると疲れるよね~、うーん眠いけど……最後まで我慢我慢っと」
 強力な力を振るうといつも訪れる、謎の倦怠感。だが、本命の吸血姫はまだ薔薇園の奥に控えている。幽は重い体を引きずり、カルマリアの元へと向かう。 

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『嗜虐の吸血姫カルマリア』

POW   :    跪きなさい!
【蹴り倒し、踏みつけて足蹴にする事 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    斬り刻んでペットにしてあげる
【何もない空中から無数の紅き刃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    アナタも私の下僕に加えてあげよっか?
レベル×1体の、【胸 】に1と刻印された戦闘用【に改造されたレジスタンス達のゾンビ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヴェスター・アーベントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 美しい薔薇が咲き乱れる庭園は、オブリビオンと猟兵の激突により、無残に破壊されつつあった。ふわりとひと跳びし、カルマリアは猟兵たちの前に降り立った。
「手間暇かけた庭園が、荒らされちゃったわねぇ。勿体ないけど、また綺麗にしなきゃね」
 月の光を反射し、長い銀髪が輝く。横たわっている獣の骸にも、カルマリアはお構いなしだ。
「それにしてもあなた達、とっても強いのねぇ♪ ワンちゃん達、沢山いたのに皆倒されちゃったわ」
 配下が全滅したにも関わらず、カルマリアはなおもこの状況を楽しんでいるようにも見える。得体のしれない気味の悪さに、猟兵達は言いようのない不安を覚え、油断なく武器を構える。
「まぁそれでこそ、愉しみ甲斐があるというものよね。貴方達は強いし、きっといい手駒になってくれるわね♪ 屈服させて、お互いを殺し合わせるのも悪くないかも♪」
 ここからは、『嗜虐の吸血姫』の本領発揮というわけだ。カルマリアの全身から、真紅の妖気が激しく立ち昇る。このオブリビオンを今ここで討たなければ、虐げられている人々を救うことはできない。猟兵達は闘志を漲らせ、女ヴァンパイアの元へと駆け出した――。
ドゥルール・ブラッドティアーズ
私は以前カルマリアに敗北したの。
彼女と再戦できるなら別の個体でも構わない。
今度こそ……
貴女を私のモノにします。カルマリア様ぁっ❤

ゾンビも無数の刃も【衝撃波】【2回攻撃】で蹴散らし
カルマリア様に【ダッシュ】
蹴りで迎撃されるだろうけど【激痛耐性】で耐えるわ

「かはぁっ!!……やっぱり気持ちイイ……❤」

踏まれながらも【呪詛】を唱え
彼女が苦しんだ隙に『シーブズ・ギャンビット』の【2回攻撃】で
その美しい御御足に傷を刻むの……❤

逃がさないよう彼女の足を抱きしめ
お尻を撫でながら 太ももに噛み付き【吸血】するわ!
以前は真正面から吸血勝負を挑んで吸い負けたもの。
今回は私が貴女を屈服させる番です。カルマリア様……❤


零落・一六八
さて、アンタも同じ土俵に降りてきて遊びましょうよ、ねぇ。
高見の見物はもうお終いですよ。
どのみち今から引き摺り下ろしますけど!
引き続きユーベルコードを使用
SPD攻撃は野太刀でPOW任せに振り払う
攻撃は最大の防御ですからね
ダメージを食らっても怯まずに正面から叩き潰しに行きます
自分が正面で攻撃をしたり受け止めることで隙もできるでしょうし
誰かしらいい一発入れてくれるでしょう
ボクもかっこいいところ貰いたいですけれど
まぁ、今回は美味しいところは譲りましょう!
でも隙ができるのであれば
ボクもさらにダメ押ししてみたりとかしますよ。

こんにちはお姫様、地面の味はいかがです?
ニヤニヤと意地悪く

アドリブ他との絡み大歓迎


月宮・ユイ
SPD判定

さて、これでやっとこの悪趣味な遊びの主催者と対面できるわね

初めの段階ならまだカルマリアに遊びの余裕があるかもしれない
”目立たない”よう引き続き補佐中心に立ち回りつつ”力溜め”
”視力、暗視、戦闘知識、第六感”も駆使し、敵の動きを”情報収集”
隙があるようなら”早業”のように接近
【捕食者】で両腕を狼の咢にかえ”2回攻撃”
これまで近接の動きはしていない分
少しは意表を突く”だまし討ち”になれば良いけど

当たったなら”生命力吸収”の”呪詛”も込め喰らいつきつつ反撃に耐える
”激痛耐性”はあれど甚振るのが得意そうな敵のこと
耐えるのは厳しそうね。※キャラの性質として刺激・痛みに弱い所有

アレンジ・絡み歓迎





「さあ、あなた達はどうやって私を楽しませてくれるのかしら?」
 カルマリアは全身を巡る妖気を操作し、空中にゆらりと浮かび上がる。闇を撫でるように細い指を動かすと、虚空に無数の真紅の刃が出現した。口元から長い牙を覗かせて、彼女は嗤う。
「あなた達を斬り刻んで、私のペットにしてあげる♪」
 ひらりと掌ををひっくり返す仕草と同時に、紅刃は全方位へと射出された。標的となった一六八は野太刀をかざしてガード。ユイは暗器を投げつけて迎撃する。撃ち落とされ、地面に落下した刃は赤い霧となって溶けていく。
「さて、アンタも同じ土俵に降りてきて遊びましょうよ、ねぇ。高見の見物はもうお終いですよ。どのみち今から引き摺り下ろしますけど!」
 一六八は闘争の悦びも露わに『ブラッド・ガイスト』を発動。[Arterie]が一六八の体を傷つけ、流れ出した鮮血が野太刀を禍々しい形状へと作り替えていく。
「あら、あなたも血を操る魔術が得意なのねぇ♪ なんだか親しみがわくわぁ。力比べって素敵ね♪」
 野太刀を振りかざして襲いかかってくる一六八へ、カルマリアは次々と紅い光の短剣を投げつける。一六八は巨大化した刃で力任せに撥ね退け、傷を負ってもお構いなしに突進を続ける。
「ヒャアアッ!」
 雄叫びと共に横薙ぎの一撃を繰り出すが、これは軽やかなステップで躱される。そのバックステップから、緩急をつけた鋭い前蹴り。反射的に野太刀を縦に構えて防ぐが、衝撃を殺しきれず後方へ弾かれる一六八。
「……結構パワーもあるのね、あのお姫様」
 ユイはマルチウェポンと暗器で一六八の援護をしつつ、カルマリアの戦闘力を分析していた。踏みつけ、蹴り倒すような豪快な攻撃は威力満点だが彼女自身やや小柄なためリーチがやや短く、動作後の隙も大きいようだ。付け入るならばそこか。
「フフフ、嬉しいでしょう? 光栄に思いなさいな。この私と、こんなに間近で触れ合えるのだから♪」
 ユイが投擲した飛び道具を、カルマリアは素手で撥ね退ける。一六八が上段から振り下ろす一撃も、赤いオーラの盾を生み出し防御する。
「接近戦も、結構得意なのよぉ♪ さ、もっと楽しみましょ!」
「いいじゃないですか! 潰し甲斐があるってもんですよぉ!」
 カルマリアは激しく押し寄せる一六八とユイの波状攻撃を捌くことに気を取られていた。そのため、『彼女』の接近に気付くのが一瞬遅れた。

「今度こそ……貴女を私のモノにします。カルマリア様ぁっ❤」
 カルマリアの背後に、漆黒の髪をツインテールに結った少女が突然現れたのだ。カルマリアだけでなく、一六八ににさえその気配は悟られることはなかった。ただ一人、暗視能力と第六感を併用していたユイだけがその少女――ドゥルール・ブラッドティアーズを認識することができた。甲高い悲鳴のような風切り音ともに、吸血姫の背中を銀光が一撫でした。
「え……!?」
 切り裂かれた柔肌から、鮮血が噴き出す。カルマリアに斬りつけたドゥルールは、歪な笑みを浮かべていた。ドゥルールは以前の作戦で『別のカルマリア』に敗北していた。彼女と再戦できるならば、別の個体でも構いはしなかった。あの吸血姫に、もう一度会いたい――。常軌を逸した執念がドゥルールを突き動かし、そして運命は彼女を此処まで導いたのだ。
「伏兵……? 今まで、どこに」
 突然現れたドゥルールに、ユイは戸惑う。ドゥルールはひたすら執拗に、カルマリアへ纏わりつき攻撃を加えようとする。連携も何もあったものではない。しかし恐らく最も動揺しているのは、背後から奇襲を受けたカルマリア本人だろう。
「何処かでお会いしたかしら……? それは果たして『何人目の私』だったのかしらねぇ?」
 カルマリアは犠牲となったレジスタンスのゾンビを召喚し、自身の援護にあたらせる。左右から、一六八と『捕食者』を発動させたユイが同時に仕掛けてきた。一度空中へ退避し、紅刃を撃ち出して牽制する。
「ボクもかっこいいところ貰いたいですけれど、まぁ今回は美味しいところは譲りましょう!」
「邪魔をしないでもらえる? 食い殺すわよ!」
 一六八は野太刀を右へ左へなぎ払い、片っ端からゾンビの首を刈り飛ばしていく。ユイもまた狼の顎と化した両腕でゾンビの肉体を食いちぎり、失われた体力を取り戻す。
「今回は私が貴女を屈服させる番です。カルマリア様……❤」
 襲い来るゾンビを蹴散らし、無数の刃を衝撃波で叩き落し、ドゥルールはひたすらカルマリアへの妄執のみで食い下がる。
「そんなに私に蹴られたいのなら、望みどおりにしてさしあげますわ! ほら、跪きなさい。気持ちいいでしょう?」
 容赦ない前蹴りがドゥルールの下腹部にめり込む。臓器が損傷を受ける威力だが、ドゥルールは執念で痛みに耐える。
「かはぁっ!!……やっぱり気持ちイイ……❤」
 倒れ込んだところにさらに追撃の踏みつけを受けながらも、ドゥルールは静かに呪詛を唱えていた。
「ぐぅッ! 頭が……」
 突如激しい頭痛に苛まれ、カルマリアは頭を押さえて苦悶した。そこに、ドゥルールが『シーブズ・ギャンビット』で太ももを斬りつける。傷はさほど深くないが、隙を作り出すには十分だった。
「こっちを忘れてもらっちゃ、困りますね!!」
 一六八が前へ飛び出し、野太刀を勢いよく突き出した。カルマリアは咄嗟に身を捻ったが、ノコギリ状に変化した刃が彼女の横腹をザックリと抉っていった。
「あんッ! ……ンおのれぇ!」
 傷を負ったカルマリアは、報復に一六八へ紅刃を連射。だが、その軌道はユイが優れた観察眼と第六感で読んでいた。[星剣]を蛇腹状に変形させ、高速で薙ぎ払って迎撃していく。
「感情的になると、攻撃の予感もよく当たるわね!」
 ユイが油断なく武器を構えて威嚇し。
「ククク……お姫様、お空から地面に降りた気分はどうです?」
 一六八が刃に付着した血を払いつつ、意地の悪い笑みを浮かべ。
「あなたの高貴な血、私が吸い尽くして差し上げますわ……今回は私が貴女を屈服させる番です。カルマリア様……❤」
 ドゥルールが愛憎入り混じった狂気を剥き出しにし、嗜虐の吸血姫を徐々に追い詰めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
フェイント・残像を駆使して本気アピール、カルマリアにも手札を切らせよう。
突撃控えて先ずは紅き刃の出現数・狙いの方向性など見切っていくぜ。第六感も頼りだ

手が読めたら刀を捨ててシーブズ・ギャンビット!
「頭のガードがお留守だぜ」
と可愛いハットを盗み攻撃。蹴りが怖いので直ぐに距離を取る。
逆上したら全力防御…他の猟兵のために隙を作る。
「頭の中身もお留守だろ?」

「力を貸してくれ。風属性プラス、音属性!」
勝機が見えたら髪飾りを一撫で、再びシーブズ・ギャンビット。
同じ手では通じないと見て轟音の衝撃波付き。
肉片を撒き散らしてやる

「てめーの精気はいらね。可愛いけど不味そうだ」
帽子は返してやる。屈辱に思いながら逝け


神酒坂・恭二郎
「さぁてと。決着の時間だな」
軽く肩をすくめて手拭いを両手に持って力を溜める。
前衛は揃っているのでサポートに入ろう。
フォースを込めて手拭いを丸めて伸ばせば、布操術で手数重視の槍のような形になる。
(あれを合体させると手間だな……)
布槍を伸長させ、早抜きの要領で連続突き。刻印を射抜いて仕留め、合体を防ぐようにする。
基本はゾンビの排除。隙があれば吸血鬼の姫さんにロープワークで解いた布槍を絡め、味方の援護をする。
紅い刃が降ってきたら、両手に持ち替えた布槍を広げて旋回させ、オーラ防御で味方を庇って被害を減らしに行こう。
勿論、姫さんに隙があれば遠慮なく心臓を串刺しを狙うけどな。

※アドリブOK、連携推奨





「くっ……」
 先ほどの戦いで傷を負ったカルマリアの元に、さらに新たな猟兵が現れる。二人の剣客、恭二郎と燦だ。
「ここにいたか、吸血鬼。ケリをつけてやるぜ」
「さぁてと。決着の時間だな」
 恭二郎は愛用の手ぬぐいにフォースを込め、筒状に丸めて伸ばすことで即席の布槍を作り出す。燦は風の力を宿す短剣[アークウィンド]を構え、カルマリアの隙を窺う。
「……ふん。多少私に傷を負わせたぐらいで、調子に乗らないでくださる? 考えが甘くてよ!」
 カルマリアは妖気を迸らせ、右手を高々と掲げると頭上に真っ赤な光刃を生成する。燦は突撃を控え、まずはこの攻撃の見切りに専念することにした。ダッシュの足捌きにフェイントを交え、残像も生み出すことで刃の一本一本を確実に躱していく。
「弾速は速いが、焦ると軌道がワンパになるな!」
 燦は一気に距離を詰め、『シーブズ・ギャンビット』による素早いダガーの一撃を加えようとカルマリアに肉迫する。
「……本当に?」
 カルマリアが不敵な笑みを浮かべる。燦の第六感が本能的に働き、危険を知らせた。
「燦、真上だ! ……伸びろっ!」
 恭二郎の声に頭上を見上げると、既に光刃が目前に迫っていた。恭二郎は咄嗟に手ぬぐいを一直線に伸ばし、燦の頭に刺さろうとしていた刃を布槍で撃ち落とした。 
「サンキュー、助かった!」
 危機を脱した燦は短剣とサムライブレイドを構え、カルマリアに猛然と斬りかかる。胸元へと真横に走らせる斬撃は、フェイクだ。キックを受けて刀を取り落としたと見せかけ、彼女が被っているハットを盗み取ろうと手を伸ばす。奪い取ることは叶わなかったが、身に着けている物に手を出すことで刺激することはできたはずだ。
「頭のガードがお留守だぜ? ついでに頭の中身もお留守か?」
「口も手癖も悪い人ですこと……!」
 カルマリアは嫌悪感も露わに回し蹴りを放つが、燦は速やかに離れて距離を置く。ついでに、舌をペロリと出して挑発も忘れない。
「おっと……後ろからも増援か!」
 カルマリアと攻防を続ける間にも、後方からレジスタンスのゾンビ達が迫りつつあった。腐敗した彼らの体には、数字の1を示す刻印が刻まれている。
「数で押し寄せるのもきついが、合体されると厄介だな……ならば!」
 恭二郎は迫りくるゾンビ達の排除にかかる。ユーベルコード『神酒坂式千変布操術』を発動させ、ゾンビ達の刻印を目掛けて素早く突きを放っていく。
「さてさて。伸縮自在に千変万化の我が布術。よぉく御覧あれ……ってなもんか」
 青いフォースの光を纏った布槍を振るい、恭二郎は縦横無尽に戦場を駆ける。布槍が的確に刻印を貫く度、ゾンビ達は言葉にならぬうめき声をあげて肉体を崩壊させていく。
「この……軟弱者!」
 呆気なく崩れ落ちていくゾンビを罵倒し、カルマリアは光刃を二人へ撃ち出す。だが、その攻撃はすでに見切られつつあった。燦が[アークウィンド]を一振りすると烈風が巻き起こり、刃は次々と相殺されていく。
「そして、時間差でくる追加攻撃か? もう見えてるぜ!」
 恭二郎が両手に持ち替えた布槍を広げて、グルリと旋回させてシールドを形成。オーラの防御力をもって、追撃から燦をガードする。ガードを解くとすかさず布槍を鋭く飛ばし、連続突きでカルマリアを牽制し、追い詰めていく。
「よし、いける! 力を貸してくれ。風属性プラス、音属性!」
 燦はハーピーの極彩色の羽で出来た髪飾りを撫で、『音』の力を高めていく。狙いすました『シーブズ・ギャンビット』がカルマリアの体を切り裂く。さらに衝撃波を撃ち込んで彼女の体を大きく吹き飛ばした。
「くううっ、悔しいっ! 借りは必ず返すわ、覚えてなさい!」
 カルマリアにとっては、屈辱的な敗走だ。燦は足元に落ちていた、カルマリアの帽子を拾い上げる。
「てめーの精気はいらね。可愛いけど不味そうだ。あとこれ、落としたぞ? 返してやる」
「~~っ!」
 投げつけられたハットをカルマリアは乱暴に掴み取り、屋敷の方へと走り去っていった。
「ちっ、仕留め損ねたか。逃げ足の早い奴だな」
「十分ダメージは与えたさ。肉体にも、精神的にもな。屈辱に思いながら逝くといいさ」
 恭二郎と燦はそれぞれの武器を収めると、夜空に輝く月を仰いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
「愛しのカルマリア様……❤ 
貴女は私と永遠になるのです……
この子達のように!!」

『リザレクト・オブリビオン』で死霊の騎士と蛇竜を召喚。
彼らは私と同じ強さ。つまり技能も使える。
【衝撃波】を連発させ、カルマリア様を弱らせたら
2体とも突撃させて【2回攻撃】で終わり。

……なんて、簡単に行くとは思ってないわ。

死霊を操っている間、私は無防備。
私がカルマリア様なら
死霊2体の突撃を紙一重で回避し
動けない本体を狙う。

だから、突撃を回避されたら召喚を解除。
夜魔の衣を蝙蝠の翼に変えて飛翔し
彼女の反撃を回避。
背後をとり、抱きしめて【吸血】
血も 体も 味わい尽くすわ

「貴女の亡骸(み)も 魂(こころ)も、私のモノ……❤」





「ハァ……ハァ……」
 月の光が差す中、カルマリアは屋敷を目指して走っている。度重なる猟兵との戦いで受けた傷は、もはや看過できない状態に達していた。背中、胸、太ももに傷を受け、体に力が入らない。
「この私としたことが、あんな奴らに後れを取るなんて! 失態ですわ……」
 悔しいが、先ほどの敗北は認めるしかない。だが、挽回する方法は確かに存在する。
「少しばかり、血を流しすぎたわね。一旦屋敷に戻って、補給をしなきゃ……」
 屋敷の中には、食糧として数日前に捕らえた人間が数名、まだ残っている。奴らの血を吸えば、失った体力を取り戻すことは十分に可能だろう。急がねばならない。
「お待ちしておりました、カルマリア様! きっとここに戻ってくるんじゃないかと思ってましたわ」
 だが、屋敷の前には既に先客が立っていた。先ほど戦ったメンバーの一人、ドゥルールだ。
「少し遅かったようね……」
 カルマリアは傷口を抑えながら、目の前の少女を見据える。欲しいと思ったモノは、殺してでも自分のモノにする――ドゥルールはそんな狂気的な側面を持っている。なぜ彼女が自分にそこまで執着するのは分からなかったが、兎に角この状況を切り抜けるためには、ドゥルールを殺すしかない。
「そこを退きなさい……殺しますわよ?」
 鋭い眼光で威圧するカルマリア。しかし、ドゥルールはその血みどろの殺し合いこそを望んでいるようだった。
「うふふっ! 愛しのカルマリア様……❤ 貴女は私と永遠になるのです……この子達のように!!」
 とても愛おしそうにその名を呼ぶと、ドゥルールの首飾りが、妖しく輝いた。ただの首飾りではない。呪いの宝珠で作られたそれは、強い呪詛と、召喚したオブリビオンを操る力を宿す。ユーベルコード『リザレクト・オブリビオン』が発動し、禍々しい瘴気の中から死霊の騎士と死霊の蛇竜の、二体のオブリビオンが姿を現した。
「これは、召喚魔法――!?」
 目の前の少女が、高等な術式を行使できることに驚きの声を漏らすカルマリア。
「さあ、他の人が来ないうちに。楽しみましょう♪」
 ドゥルールは召喚した二体のオブリビオンを、カルマリアに向かってけしかける。死霊騎士は豪快に剣を振るい、蛇竜は長い体をうねらせ、口から衝撃波を撃ち出す。どちらもドゥルールが身に着けている技能を、忠実に再現することができるのだ。
「くぅっ!……半端者にしては、なかなかやりますわね!」
 カルマリアは血のように紅いオーラの盾を生成し、衝撃波を緩和させて踏みとどまる。カルマリア自身の血を代償とする防御は、攻撃を受けとめてもなお彼女自身を疲弊させる。カルマリアの額に、汗がにじむ。そこに、二体の従者が突撃をかけた。
 ――この防壁では、二体同時の突撃には耐えられない。カルマリアの取った選択は、敵をぎりぎりまで引きつけての、一か八かの回避行動。オーラの盾を崩壊させ、飛び散った真っ赤な粒子を目潰しに利用。従者の視界を塞ぎ、大きく跳躍した。
「本体は無防備になるようね! ダンピールごときが調子にのった罰を与えてあげるわ!」
 カルマリアは空中からドゥルールに飛びかかり、長く伸びた爪を振り上げる。 
「……さあ、どうぞこちらへ❤」
 ドゥルールはなぜか、満面の笑みを浮かべてカルマリアを迎えた。簡単な話だ。召喚中は無防備だが、召喚を解除すれば主はまた行動が可能になる。後方で、二体の従者は砂のように崩れ去って消えていった。
「な……!?」
「今のカルマリア様なら、きっとあの子たちの相手をせずに本体の私を狙いに来ると思ってましたわ。だから、こうして……!」
 ドゥルールは纏っている夜魔の衣を、大きな蝙蝠の翼へと変化させる。振り下ろされた爪の一撃を瞬時に躱し、カルマリアの背後へと回り込んで手を掴み、捩じり上げた。
「な、なにをするつもりなの……!?」
 戦いで傷ついたカルマリアからは、とても甘美な血の匂いがした。
「貴女の亡骸(み)も 魂(こころ)も、私のモノ……❤」
ドゥルールは後ろからカルマリアを強く抱きしめると、その白い首筋に――自身の牙を突き立てた。
 驚きと痛みに、目を見開き悶えるカルマリア。その傷口から溢れた鮮血を唇と舌で存分に味わうとドゥルールはゆっくりと口を離し、隠し持っていた[悲愴の剣]でカルマリアの胸を一突きした。
「貴女の亡骸(み)も 魂(こころ)も、私のモノ……❤」
 ダガーに付着したカルマリアの血を舐め取り、ドゥルールは恍惚の笑みを浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

陰白・幽
遊びの時間は今日ここで終わらせるよ~……
悪趣味な遊びをしていた本人の登場だね、これ以上誰かの犠牲を出さないために……頑張らねば。
敵は強い力を持っているから……皆と協力して頑張るよ~

戦闘方針としては動き回って敵の攻撃の的をしぼらせないかんじかな、それで相手の気をそらしながら鋼糸を準備して一気に攻撃をする。
もし敵のUCで狙われたらぎりぎりまで引きつけてから、自分のUCを発動して敵の背後に瞬間移動して全力で踵落としを敵に食らわせるよ

「自分だけが楽しいのなんて……本当の遊びとは違うのに……もっと違う……本当の遊びが出来たらよかったのにね……」
う~ん今日はいつもの何倍も頑張ったかな……眠い~…………zZ


眼健・一磨
【SPD】で行動。
敵を発見し次第、降魔化身法でブースト。この時にでも真の姿に。
暗殺の業や零距離射撃で攻撃し、その後も遠距離からサイコガンや手裏剣で遠距離攻撃。
無論、回避行動も忘れない。
敵が接近戦を仕掛けて来たら黒剣や鋼糸、或は拷問具で牽制しながら反撃。生命力吸収を図る。
戦闘中は、出来るだけ絶望の福音で敵の行動を読みながら行動し、味方や自分への攻撃の牽制を行って参加者内のダメージを極力軽減。
「狩りは人類最古の娯楽で生きる術だがね、領民の命の狩る貴族は存在自体が否定されるんだよ」
まぁオブリに言っても無駄な言葉だけど。


ノイン・フィーバー
心情:もしまだ動けるようであれば、その命に終止符を。
もう終わっているならばあとは仲間に任せましょう。私には、私にしかできぬ事を。
行動:
吸血姫が未だ戦う力を残しているようなら、吸血を誘って引き寄せた上でアームズフォートの0距離射撃を叩き込む。
「この距離、避けられますか?」(画面には「BBAおつ」と表示しながら)

「次は、子供をゲラゲラと笑い転がせるような、私のような存在に生まれ変わると商売敵なのでやめてください」

戦闘後、ガジェットショータイムで人形のサーカス団を取り出し、共に屋敷へいく
捕らわれていた一般人に余興を見せつつ解放
うまくいったら、最後に人形サーカス団は爆発して屋敷を花火にする
たーまやー





 深く刺された胸の傷から、鮮血がとめどなく零れる。カルマリアには、もはや自力で回復する暇はないだろう。彼女をここで仕留めるべく、庭園に散らばっていた猟兵たちが屋敷の前に集結してきた。
「この私が、ここまで追い詰められるなんて……短命種だからと、侮っていたようね」
 屋敷への退路を猟兵たちに塞がれ、カルマリアは決死の覚悟を決めた。最後の力を振り絞り、体内の妖気を練り上げる。
「遊びの時間は今日ここで終わらせるよ~……。これ以上誰かの犠牲を出さないために……頑張らねば」
 体に溜まった倦怠感を堪えながらここまで歩いてきた幽が、最後の戦いに臨む。その背後から音もなく影が宙を走り、地上に降り立った。真の姿を解放した一磨だ。その姿は、すでに『降魔化身法』により、魑魅魍魎の妖気を纏っている。
 ここからは、真っ向からの力比べだ。
「散りなさい……薔薇のように!」
 漆黒の空間に、薔薇が花開くように妖気の紅刃が展開される。カルマリアは射出したそれらの一つ一つを巧みに操り、全方位から猟兵達を攻め立てる。
「抜かせ、散るのはお前よ!」
 一磨は極限まで研ぎ澄まされた動体視力で襲い来る刃の軌道を見切り、回避を続ける。サイコガンで迎撃し、反撃に手裏剣を投げつける。眼を酷使したか、一磨の両眼の目頭から血が流れ落ちる。
「もっとよく狙って、ボクはここだよ~」
 幽はすばしこく動き回り、カルマリアに的を絞らせない。攻撃を躱しながらも気づかれないよう手で[竜繰鋼糸]を手繰り、共闘する一磨と連携の呼吸を合わせる。
「鬱陶しいハエめ……!」
 攻撃をガードされ、苛立ったカルマリアの攻撃が次第に雑になる。複数のターゲットに攻撃を繰り出すのも、苦しい状態なのだろう。
「甘いなぁ……!」
 飛来する光刃を、一磨が[妖刀不知火]を振るって叩き落とした。その隙に、幽が切り札のユーベルコードを発動させる。
「眠れる我を……今ここに……」
 時空間を支配する能力『永眠龍の夢現』を以て、幽はカルマリアの背後に跳躍しつつ、瞬時に移動した。[龍刻印]で強化した脚を高々と振り上げ、カルマリアへ全身全霊の踵落としを叩き込む。
「これで仕留めてやるぜ。終わりだ!」
 一磨は忍刀を構えて一直線に疾走し、瞬時に間合いを詰めた。そのままの勢いで、カルマリアの腹部に忍刀をぞぶり、と突き込んだ。カルマリアはたたらを踏み、顔を歪ませて咳き込むと大きな血塊を吐き出した。一磨は突き刺した忍刀を介して、カルマリアから生命力を吸収。勝敗は決したと判断し、『降魔化身法』を解除した。

 吸血姫カルマリアは地面に蹲り、恥辱を晒している。今やその命は風前の灯火だ。そこに、タキシードに身を包んだテレビ顔の男が奇妙なパントマイムを踊りながらやって来た。最後の猟兵、ノイン・フィーバーだ。
「どうやら勝敗は決したようですネ」
 カルマリアは四肢を地に突いたまま、ノインを睨み付けた。
「狩りは人類最古の娯楽で生きる術だがね、領民の命を狩る貴族は存在自体が否定されるんだよ。まぁオブリに言っても無駄な言葉だけど」
「自分だけが楽しいのなんて……本当の遊びとは違うのに……もっと違う……本当の遊びが出来たらよかったのにね……」
 一磨と幽の言葉も、果たして今のカルマリアに届いているだろうか。力なく地に伏している彼女は、震える声で一言を絞り出した。
「……もういいでしょう、殺しなさい」
 ノインはふむ、とため息をついて彼女の前へ進み出る。その背部には、冷たく光るアームドフォートの砲身が。
「これで勝ったと思わないことね。骸の海がある限り、私は何度でも」
「あ、そういうのはもういいです」
 轟音とともに一筋の閃光が闇夜を切り裂く。バスターライフルによる無慈悲な零距離射撃に、カルマリアの上半身は綺麗さっぱり吹き飛んだ。直後、残った腰から下の部分が紫の炎に包まれて激しく燃え上がると、みるみるうちに灰となって崩れ落ちた。
「次は、子供をゲラゲラと笑い転がせるような、私のような存在に生まれ変わると商売敵なのでやめてください」

 カルマリアを斃した猟兵達は屋敷の中に踏み入り、囚われていた残りの人質の救出活動に取りかかった。施錠された扉を破壊して地下室に入ると、そこには近隣の町から攫われてきた住民たちが閉じ込められていた。彼らは数日間食事を与えられておらず衰弱していたのだが、ノインがガジェットボックスから取り出した栄養ドリンクを飲むことで、事なきを得た。
 町へと戻る馬車の中。幽はこれまでの戦いの疲れが一気にきたのか、揺れる車内でも熟睡状態だ。胴の長いネコの抱き枕にしがみつき、寝息を立てている。
 一磨は忍者らしく移動中も鍛錬を怠ることなく、座禅を組んでランプの炎をじっと見つめていた。こうやって瞑想することで精神を研ぎ澄まし、オブリビオンに蝕まれることのない、強靱な心身を培うのだ。
 ノインは『ガジェットショータイム』で取り出した人形を操り、救出した人々に人形劇を見せていた。人形サーカス団のコミカルな演技に、子供達から笑いが漏れる。その子供達につられて、大人達も一緒に微笑んだ。
 真っ暗な街道を往く馬車を、月が優しく照らしていた。町に着くまで、あと少しだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日
宿敵 『嗜虐の吸血姫カルマリア』 を撃破!


挿絵イラスト