アースクライシス2019⑧~パンゲア・クレイドル
●パンゲア・クレイドル
神鋼の鎧を纏った強敵を撃破し、モニュメントバレーを制圧した猟兵達が見つけたのは――パンゲア大空洞だった。
オブリビオンが現れた洞窟を調査した先、その奥に広がっていた世界。
パンゲア大空洞が巨大植物か生い茂り恐竜が住まう地底の大空洞。
この世界にあるというセンターオブジアースに繋がる「鍵の石板」を見つけ出すのが猟兵達の仕事だ。
向かう先、そこは穏やかな気性の恐竜たちが多くいる。しかし穏やかながらも侵入者に対しては容赦がない。
彼らの住処には様々な場所がある。
例えば、突然噴き出す間欠泉。突風の駆け抜ける谷間。人の身で進むには難しい場所もあるだろう。しかし、そんな場所も恐竜たちは難なく歩んでいる。
彼らの力を借りることができれば、そういった問題の場所を進みやすくなるだろう。
そしてこの世界にはいくつか、緑の大きな球体があった。それは巨大な蔓草が編み込まれた何か。恐竜たちの中でその場所を訪れるもの達は多い。
大空洞の中で目を引く緑の場所。もし「鍵の石板」があるとするなら――きっとそれのいずれかだろう。
●予知
「パンゲア大空洞に向かってほしいんだが、頼まれてくれるか?」
英比良・與儀(ラディカロジカ・f16671)はその場所で「鍵の石板」を探してきてほしいのだと告げる。
それはセンターオブジアースへと繋がるものなのだ。
「形は石板みたいなかんじだな。パンゲア大陸のあちこちにあるんだが、そのひとつが向かってもらう場所にある」
あるのはわかっているが、どこにまでかはわかんねェと與儀は言う。
ただ、それには大きな魔力がある為、周囲に不思議な現象が発生しているようだ。
「パンゲア大空洞には恐竜がいる。それはオブリビオンじゃねェんだが、自分のテリトリーに入ってきたものを好ましくは思わない」
襲い掛かってくるだろうが、野生動物。力の差を見せつけたり、ある程度のダメージを与えれば逃げていくはずだ。
「大きさは色々だが、3メートルくらいから30メートルくらいまで、色々いるっぽい」
それは、訪れて自分の目で確かめてきてくれと與儀は言う。
「信頼を勝ち取れたらきっと普段はほかのものを入れない場所にも案内してくれるかもしれねェけど」
向かってもらう場所には、巨大な蔦で編まれた空間がいくつかある。そこはなかなか訪れにくい場所にあるようだが、恐竜たちは難なく向かっているため、彼らの力を借りることができれば訪れることは容易にできるだろう。
そこに目当てのものがある可能性は高そうだと、與儀は言う。
探す方法は皆に任せると言って、與儀は掌の上でグリモアを輝かせた。楽しみながら、探してくると良いと言って。
志羽
御目通しありがとうございます、志羽です。
プレイング受付については冒頭追加後、改めて告知いたします。
プレイングが送れる限りは送って頂いて大丈夫です。
●シナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●プレイングボーナスについて
恐竜を無力化する、仲間にするという行動をとると有利に事が運びます。
また石板は1シナリオ1つ発見となりますので、ご了承ください。
この場での出会い、恐竜と触れ合うなどを日常感覚、お遊び感覚で楽しんでいただくと良い感じになるのではないかな、と思います。
そのあたりにいる恐竜と仲良くなると、緑の球体な場所へと案内してもらえます。
恐竜についてはどうぞお好きになさってください。
執筆の都合上、最後に描写する方たちが石板を発見となりますので、石板発見狙いの場合、最終受付あたりでプレイングを送ってくださると助かります。
●お願い
グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。
プレイング受付についてはマスターページの【簡易連絡】にて案内いたします。
受付期間外に送って頂いたプレイングについてはお返しします。ご協力よろしくお願いします。受付期間中であれば再送については問題ありません。
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 冒険
『パンゲア大空洞の大冒険』
|
POW : 探索の妨害となる恐竜を力づくで排除しつつ、正面から探索する
SPD : 見つからないように移動するなどして恐竜に邪魔させず、周囲の状況を良く確認し、探索を有利に進める
WIZ : 知恵を駆使して恐竜を懐柔あるいは排除し、探索の為の作戦を考案する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
恐竜たちはゆっくりと歩み進め、生い茂る植物を好きなだけ食んでいる。
首の長い恐竜たちは高い所の新芽を好んでいる様子。ずんぐりむっくりとした体形の恐竜たちは低い場所の、硬い葉を音たてて咀嚼していた。澄んだ湖の中から顔をあげた恐竜は水草をもしゃもしゃと。
そんな、好みも見た目も違う恐竜たち。
大空洞には太く立派な、巨大な蔓が絡み合って作られた場所がいくつかある。
だが、そこに行くには工夫しなければ――もしくは、恐竜たちの手を借りなければ難しそうだ。
間欠泉の吹き出す場所をゆうゆうと歩く首の長い恐竜たち。噴出す熱い水よりもその頭は高いところにある。
すんぐりむっくりとした体型の恐竜たちは強風吹き荒れる谷を問題なく進んでいく。
水の中で悠々と過ごす恐竜たちは優雅に泳いでその先へ。
彼等は簡単に進める場所も小さな人の身ではなかなか難しい。緑の巨大な球体はまるでゆりかごのようでもある。
そこに一体何があるのか――恐竜たちと縁を結んだり、はたまた力を見せて協力してもらえれば簡単に問題を乗り越え、そちらへ向かう事ができそうだ。
周囲を見渡せばさまざまな恐竜たちがいる。
どんな恐竜に、どうやって接するかは――各々次第。
鈴木・志乃
……もーね、疲れた
恐竜脅すの嫌になった
まさかこのUCを使うことになろうとは(遠い目)
しゃあないやん
思い付かんかったんだもの
丈夫そうな個体にUC発動
全力魔法で威力最小限に抑えるか、心臓マヒ後に強制蘇生
お兄さん格好いいですね、ちょっと助けて欲しいんですけどいいかな?(雑なナンパ)
……恐竜の言葉が喋れない?
第六感とパフォーマンスによるボディランゲージで何とか意志疎通図るよ
ボディランゲージは全世界共通語だからね
異論は認める
あっちに行きたいって方角だけ指して連れてってもらいましょう
お礼に……何食べるんだろ
食料いろいろ持ってくかあ
戦争終了まで時間がない
ちょっと焦ってたけど、落ち着いて行こう
のんびりのびのび。もっしゃもっしゃと葉を食べる恐竜を見上げて鈴木・志乃(ブラック・f12101)ははぁ、と深いため息をついた。自分よりも大きな、四足歩行の恐竜に気付かれぬように志乃は近づいていた。
「……もーね、疲れた」
恐竜脅すの嫌になったと独り言ち、まさかとその瞳はどこか遠くを見ている。
まさかこのユーベルコードを使うことになろうとは――と。
「しゃあないやん。思い付かんかったんだもの」
だから、仕方ないというように自分に言い聞かせ、丈夫そうな恐竜に狙いを定める。
全力ではなく最小限の力で志乃はそれを発動した。
「Just for you.」
ただ、貴方のためだけに――お兄さん格好いいですね、ちょっと助けて欲しいんですけどいいかな? とちょっとばかり雑なナンパのような、その想いが光の鳩の群れとなって恐竜を包み込む。
その光の鳩の群れが去ると恐竜はしっぽを振り、そして周囲の木に体こすりつけるように悶え回っている。
「ぎゃうぎゃう!」
と、恐竜は志乃に向かって何事かを語り掛ける。しかし通じていない様子に恐竜は首をかしげて。
志乃も何か言いたいことがあるのはわかる。そしてなんとなく、それも察することができた。
「……恐竜の言葉が喋れない?」
言いたい事は言葉では通じない。しかし第六感と身振り手振り、パフォーマンスによるボディランゲージを使えば。
「ボディランゲージは全世界共通語だからね」
「ぎゃう?」
「……異論は認める」
不思議そうな顔をして首をひねる。その様子に志乃は一緒に首をひねり。
あっちに行きたいと方角を示す。そちらに見える――緑の球体。
しかし恐竜は、そちらはダメだと首を振る。けれど、あっちならと恐竜が顔を向けた先にも――緑の球体が見えた。
「ま、そっちでもいいわ」
言って頷くと、ぎゃうと恐竜は一声上げて背中を見せる。そしてチラッチラッと志乃へと目配せ。
どうやら乗っていいらしい。志乃はありがとうと言ってその背中に。
恐竜はのっしのっしと歩み始めた。
「お礼に……何食べるんだろ」
連れて行ってもらったら、そこで持ってきた食料のいくつかを見せてみようと志乃は思う。
ゆっくりと歩んで向かう。
戦争終了まで時間はない。
「ちょっと焦ってたけど、落ち着いて行こう」
その呟きにぎゃう! と恐竜も声ひとつ。
そして辿り着いたその場所は――連れてきてくれた恐竜たちと同じ見た目の恐竜たちがゆったりと過ごしている。
「ここがお前の巣、ってこと?」
背中に志乃を乗せたまま、恐竜はその緑の、蔓草で出来上がった球体の中を案内する。
その中に石板は見当たらず。志乃は、ここはハズレみたいと零す。何か探している様子に――恐竜はしばし離れて。そして戻ってくると志乃の手に木の実を落とす。
「探してるのはこれじゃないんだけど……ありがと」
こっちがお礼しなきゃいけないんだけど、とわずかに笑み零し。好きなのあげるよと持ってきた食料を見せる。
少しばかり、ゆったりした時間はもたらされたようだった。
大成功
🔵🔵🔵
レイ・アイオライト
深い地下に恐竜なんて誰も思わないわよね。恐竜は撃破せずに……ってなると、今回は武器なんて使わなくていいかも。
【黒死幻蝶】を襲いかかってきた恐竜たちへ撃ち放つ。幻覚に陥った恐竜たちがあたしを仲間と思って接してくるようにするわ。
さて、『緑の場所』について案内してもらえる?可能であれば背中に乗せてもらうのも良いかも。
間欠泉や谷については『闇ノ足音』で影を足場にしながら立ち回るわ。恐竜がいればどうにかなりそうだけど一応ね。
吹き出す間欠泉は『オーラ防御』よ。飛沫浴びるだけでも熱いだろうし。
その大空洞に足を踏み入れて、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)はまず周囲を仰ぐ。
生い茂る緑の世界。そしてその中を闊歩する恐竜たち。
「深い地下に恐竜なんて誰も思わないわよね」
目の前にある世界は過去の世界なのだ。
「恐竜は撃破せずに……ってなると、今回は武器なんて使わなくていいかも」
レイはそのあたりを散策する。
近くに見えた恐竜たちはまだこちらに気付いていないのか、のんびりと葉っぱを食べている。襲ってくる気配がないのなら、放っておくほうがよさそうだとレイはその傍をそっと通り抜けた。
緑深い森を進むのは少しばかり心躍る。
と――丁度目の前の茂みががさがさと激しく動き、レイは身構えた。その動きは大きく、自分よりも大きな体のものがいる様子。となれば相手は恐竜だろう。
がさがさと茂み動くのが泊まった瞬間、レイよりも大きな恐竜が、その身に合わぬ俊敏さで突進してきた。
「黒い蝶たちは不死の予兆……そして死の予兆よ」
けれど、慌てることなく。
レイの影から飛び立つ黒い蝶たちは、恐竜へと幻覚をみせる。
「ぎゃう!?」
恐竜はそれに驚いて動き鈍る。そのわずかの間にレイは身を反らし、恐竜の突進を避けた。
黒い蝶たちは、レイを恐竜自身と同じ姿へと見せるものだ。
仲間と思って接してくるようにするはず。そう思ってかけ、そしてその思惑通り恐竜はレイを仲間だと思ったようだ。
自分よりも小さな――同じ種族の恐竜。
「さて、『緑の場所』について案内してもらえる?」
そう問えばぎゃうぎゃうと鳴いて先を歩みだす。でも歩く速度が違うのだ。
小さいからだろうと思ったのか、恐竜は背中に乗れと身振り手振り。
レイがその背中にのると、恐竜の進む速度はあがる。
しばらく行くと、流れ激しい川の前にたどり着いた。その川にはぽつんぽつんと足場になりそうな岩場がある程度。
遠くまで行けば流れの緩やかな場所もありそうだが恐竜はこのまま進むようだ。
ぴょんぴょんと足場をうまく、そして素早く跳躍していく。レイも振り落とされぬようしっかりと捕まっていた。
「うまく立ち回れば渡れそうだけど、こんなに早くはないわね」
ひょいひょいと問題なく進んでいく恐竜。川は流れも速く、落ちれば大変なことになるだろう。
そして――緑の場所。蔦草で作られた球体の前へとレイは辿り着いた。
その蔦草を恐竜は器用にかき分けて進んでいく。その先にあったのは――巣だ。
同じ種族が集って過ごしている様子。そして恐竜はふかふかの草の敷き詰められた場所へとレイを下ろす。
そこは同じくらいの大きさの――まだ子供と思える恐竜たちの集う場所。
「……子供だと思ってたのね」
その巣から抜け出してレイはこの緑の中を探索するも、石板はここにはなかった。
けれど、レイの後をちょこちょこ楽しそうについてくる小さな恐竜たちの姿は心和むものでもあった。
大成功
🔵🔵🔵
赤鉄・倖多
にゃっ、いたっ
発見した恐竜に早速足を踏み出そうと…
――いや、待てよ
まずは献上品だ(彼らの食料を観察
成程、あの草が好きなんだな
よーしと腕捲り
荷車型のガジェット(UC
に山盛り集め
おれさまはヘマタイト・倖多だ
礼儀正しくお辞儀
言葉、通じねーかな
それなら「荷車の草をやる!」と意図が伝わるよう
元気に身振り手振りジェスチャー
おう、そうそう!食べていいよ
わはは、恐竜さんが嬉しいならおれも嬉しい!
なぁ、おれさま、鍵の石版ってのを探してるんだ
知らない?こういうやつ
知らないかー
でもそれなら
おれ、お前と一緒に冒険したいな
あははっ
お前、最高だ!
よーし!それじゃあはっしーん!
最高に楽しい冒険になるって
おれさまが保証するぜ
わずかに感じた気配に、その耳が反応する。赤鉄・倖多(倖せを招く猫・f23747)は尻尾を緩く動かしながらそちらへ。
「にゃっ、いたっ」
緑の葉の奥、何体かがゆるりと葉や果実を食んでいる。
四足歩行の恐竜たちは、どうやら親子連れのようだ。
倖多は早速、足を踏み出そうとしたのだが――その中できょろきょろと見張りをしているものもいるようだ。
「――いや、待てよ」
まずは献上品だと彼らの様子を倖多はまず観察を。大きな葉の下で身を低くして、その様子を観察する。
彼らがよく食べているのはつんつんと伸びた葉っぱ。もしゃもしゃぁっと茎は少し硬そうだがその歯ごたえがお気に入りの様子。
「成程、あの草が好きなんだな」
よーしと倖多は腕まくりして、少し離れた場所で荷車型のガジェットを召喚する。その上に、彼らが好んで食べている草をとって山盛り集めていく。
自身の背丈ほどありそうなそれを収穫するのはなかなか骨が折れる。それでも彼らと仲良くなるためにと心は踊るばかりだ。
この草一杯あれば、あいつらも倖せになるかなぁと笑顔があふれる。
そして荷車をいっぱいにしたら、いざ彼らのもとへ。
ごろごろと荷車の音に一体が反応して顔を上げる。これ以上近づいたら危ないかな、というところで倖多は足をとめ。
「おれさまはヘマタイト・倖多だ」
礼儀正しくお辞儀。けれど、ぐるると唸る声が向けられる。
「言葉、通じねーかな」
それなら、と倖多は荷車を指示して。
この、荷車の、草を、やる!
と、元気に身振り手振り、ジェスチャーで。荷車からひとつ、自分の身長ほどの草を取ってほら、とゆっくり差し出した。
すると――のそのそと大きな恐竜たちの足元を抜けて小さな、子供の恐竜がその草を食んだ。
はみはみ、はむはむ。ゆっくり咀嚼して食べていく。
ぎゃうぅ、と嬉しそうな声を一つ上げればほかの恐竜たちも毒気を抜かれたかふんふんと荷台の草の匂いを確認するようにかいで、もそもそと食べ始めた。
「おう、そうそう! 食べていいよ」
もっと、というように最初にその葉を食んだ子恐竜がもっとというようにせがむ。
「もう一枚だな! わはは、恐竜さんが嬉しいならおれも嬉しい!」
この葉とこの葉、どっちがいい? と差し出すとこっち、と右手にある葉を選ぶ子恐竜。
もっしゃもっしゃと食べる様を眺めつつなぁ、と倖多は呼びかけた。
「鍵の石版ってのを探してるんだ。知らない? こういうやつ」
と、身振り手振り。石で、多分これくらいの大きさと倖多は再度身振り手振り。
草を食べながら子恐竜は首をひねる。
「知らないかー」
でもそれなら、と倖多は笑いかける。
「おれ、お前と一緒に冒険したいな」
すると子恐竜はぎゃうぎゃうと鳴きながら尾を振った。それに倖多も自分の尾を振って応える。
子恐竜は背中を向けて――その動きにこういうことかと倖多はぴょんとその場所へとお邪魔した。
「あははっ、お前、最高だ!」
そのごつごつした背中を撫でながら、倖多はしゅびっと子恐竜の向く先を指さして。
「よーし! それじゃあはっしーん!」
「ぎゃう!」
どこへ行こうか――それはこの子恐竜にお任せだ。
子恐竜が進めば、その後ろを他の恐竜たちもついてくる。
「最高に楽しい冒険になるって、おれさまが保証するぜ」
その声に一緒に冒険しようというように、子恐竜も一声あげる。
行先は未知のまま。でも心は――踊るばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵
セゲル・スヴェアボルグ
恐竜……いやまぁ、見た目的に大差はない気はするというか、草食恐竜には逃げられそうな気がしないでもない。
如何せん、類似点はあっても土地勘がないので、案内は必要だな。
仮に案内させるなら肉食恐竜の方が良いかもしれんな。
草食恐竜のように襲われる心配もないしな。
まぁ、あまり小さくても乗れんだろうし、大き目で速度が出る恐竜……
アロサウルスあたりか?
腕っぷしで従わせてもいいが、互いに消耗しては探索どころじゃないからな。
UCでさくっと制御した方が良いだろう。
コミュニケーションはその後に取ればいい。
一応、肉ぐらいは持っていくか。
恐竜……と。
ドラゴニアンたるセゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は見上げて零した。
見た目的に大差はない気はする、とセゲルはゆるりと過ごしている恐竜たちを見詰めていた。
まだ彼らが反応する距離には入ってはいない様子。けれど、この世界を進んでいればいつかは出会うだろう。
しかし。右を見ても、左を見ても――似たような草木にしかみえない。
「如何せん、類似点はあっても土地勘がないので、案内は必要だな」
力を貸してくれる恐竜がいるならばそれに越したことはない。
セゲルは草食恐竜には逃げられそうな気がしないでもないと零す。
「仮に案内させるなら肉食恐竜の方が良いかもしれんな」
しかし、あまり小さければ乗ることもできない。大き目で速度が出る恐竜とセゲルは考える。
「アロサウルスあたりか?」
と、思い浮かんだ恐竜がひとつ。それと似たような姿の恐竜を探そうと進む。
腕っぷしで従わせてもいいが、互いに消耗しては探索どころじゃなくなる。
そう考えたセゲルは、さくっと制御した方が良いだろうという結論に辿り着く。
己はそうできるであろうユーベルコードを持っているだから。ひとまず、そうしてコミュニケーションはその後に取ればいい。
そう思っていると――勢いよく飛び出すように、目の前に現れた恐竜。
それは涎を滴らし、鋭い牙で襲い掛かってきそうな肉食恐竜だ。
「忠なれば即ち二心無し。逆らわない方が身のためだぞ?」
運が良い、とセゲルは思う。炯々とした眼光を恐竜へ向け、己の鮮血をわずかに飛ばす。
襲い掛かる、その鼻先にそれが掛った瞬間――不可視の鎖が繋がった。
そして恐竜はセゲルの前へと伏せる。ぐるぐると喉を鳴らすような声は服従の印だ。
「……これをやろう」
そう言って、セゲルはその口に肉を放り込む。
それを飲みこんだ恐竜は伏せたままだ。どうやらその背中に、という事らしい。
セゲルがその上にのれば、視界はまた高くなる。
「あの緑のところに連れて行ってくれるか?」
そう紡げば、走り出す。障害物をモノともせぬような勢いでその恐竜は進み、やがてその場所へとたどり着いた。
そこは――どうやらこの恐竜の住処のようだ。中にも同じ様な見た目の恐竜たちが降り、群れを作っている様子。
だがセゲルが訪れたこの場所には石版は無いようだ。
しかし、他のその場所へも案内すると恐竜はまたセゲルを背に乗せる。何かを探しているのはわかるようで、出来る限りは協力してくれるようだ。
大成功
🔵🔵🔵
エルザ・メレディウス
*アドリブ可
*【f04258】と参加
*初対面なので良い出会いの場にして頂ければ
(ロランさんと恐竜を目の前にして)
・・・恐竜に子供が!...危ない!
恐竜とお話をしている途中...だったのですね
申し訳ありません
知識がなく、肉食の恐竜と草食の恐竜の区別がつきませんでした
それと...貴方が猟兵という事にも気づきませんでした
私はエルザと申します
ここでお会いしたのも何かの縁です
宜しければ一緒に探索いかがかしら
◆POWを
ロランさんと合流後は襲ってくる恐竜へ攻撃
*ただし、気絶にとどめます
巨大な恐竜でも恐れずに【残像】を駆使してターゲットを私に向けます。
・・・ただ守るだけ
どんな傷を負っても構わない【覚悟】です
ロラン・ヒュッテンブレナー
【f19492】さんと出会ったの
○WIZ使用
子育て中の草食恐竜さんに【優しさ】【忍び足】で刺激しないように近づいて【動物と話す】してみるね【情報収集】
え?あ、あの、おねえさん、ちがうの!
ぼくはお話してるだけだよ
おねえさんに自己紹介と事情説明をするね【世界知識】
子ども、狙われてるみたいだから、助けてあげたいの
【第六感】【聞き耳】【暗視】で気配を探るね?
悪い恐竜、見つけたらおしおきなの
おねえさんも手伝ってくれるの?ありがと
【高速詠唱】【誘導弾】で炎魂たちを悪い恐竜にぶつけるね
周りの空気の温度を一気に下げて追い払うよ
わぁおねえさん強いの!ぼくも援護するね
守れたら恐竜さんにお願いするよ
案内してほしいの
そうっと、ゆっくりと、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は恐竜へと近づいていく。
子恐竜を連れた草食の恐竜はロランに気付いて顔をあげる。
そしてじぃっと見つめてくるのを正面からロランは受け止めて、優しく言葉を向けた。
刺激をしないように気を付けて、力を貸してほしいことがあるんだと根気強く話しかけ続けた。
するとその想いが通じたか、その恐竜は首を伸ばしてロランへと鼻先を近づけてくる。
その様子を――少し離れた場所から目にしたエルザ・メレディウス(復讐者・f19492)は。
「……恐竜に子供が! ……危ない!」
思わず、といったように素早くその前に。かばうように躍り出た。
突然目の前に現れたエルザに恐竜も驚いたのか合われて首を持ち上げる。
自分の前にかばうように飛び出たエルザ。その姿を見上げ、ロランは慌ててその服の端を引っ張る。
「え? あ、あの、おねえさん、ちがうの!」
ぼくはお話ししてるだけだよ、とロランは安心させるように告げる。
そうなの、というように恐竜を見れば――どこか愛嬌のある表情で穏やかそうな雰囲気。
この恐竜は、とよく見れば草花を好んで食している子恐竜の姿が目に入った。
「恐竜とお話をしている途中……だったのですね。申し訳ありません」
エルザはロランにも、そして恐竜にも頭を下げる。
知識がなく、肉食と草食。その区別がつかなかったのだと。
「それと……貴方が猟兵という事にも気づきませんでした」
私はエルザと申します、と名乗る。するとぼくはロランと名乗り返す。
「ここでお会いしたのも何かの縁です。宜しければ一緒に探索いかがかしら」
そう申し出たエルザに、それならとロランは視線を恐竜へと向ける。
「子ども、狙われてるみたいだから、助けてあげたいの」
それは彼らが素に帰るまでで良いようだ。
いつもより遠出をしたら嫌な視線を感じているようでそわそわと親はしていたらしい。
だからロランにも警戒を見せていたようだ。
「ええ、もちろん」
エルザの言葉に心強いとロランは思う。
そして、親子恐竜たちが動き出すのに合わせてついていく。
周囲の気配を、ロランが探る。
「悪い恐竜、見つけたらおしおきなの」
エルザはそうですねと小さく笑い零し、あちらを警戒しますねと視線巡らせる。
「おねえさんも手伝ってくれるの? ありがと」
周囲に注意を巡らせていると――前方から向かってくる気配。
エルザはすぐに、その方向に走り出る。
そして突然飛び出してきた小型の肉食恐竜たちの前に立つ。その肉食恐竜たちはエルザにその牙立てるように噛みついた。
だがそれは残像。食いついた瞬間のその姿が消えて恐竜たちが驚く。
その懐へエルザは駆けこんで。
「……ただ守るだけ」
鋭い一撃を恐竜へと叩き込み、気絶させる。と、反対方向から向かってくるもう一体の鋭い牙が見えた。
噛みつかれる――どんな傷を負っても構わないとエルザには覚悟があった。
もう避けるには遅いと、その牙受ける覚悟をした時だ。
「エントロピー移動術式、展開。リアライズ完了。分離、解放。オペレーション、スタート」
そこへ、機械音声のような呟きの詠唱終えて。ロランが魔術の炎をその恐竜へとぶつけた。それは熱を奪い凍らせるもの。
「わぁおねえさん強いの! ぼくも援護するね」
熱奪われた恐竜はその場に崩れるように倒れ込んだ。
そして、ロランとエルザで親子恐竜たちを守るようにしつつ、その場所を抜けた。
すると――少し先に緑の球体が見える。そこがどうやら、親子恐竜たちが向かっていた場所のようだ。
その場所に案内してほしいのとロランが紡げば、ただついてくればいいと言うように恐竜は喉鳴らす。
ロランとエルザが親子恐竜たちについていくと――そこは彼らの巣であった。
ほかの子恐竜たちは来客に興味を示している様子。大人の恐竜たちは警戒したようだが、ここへ帰ってきた恐竜に何やら説明をうけたようで気にはしているようだが敵意は感じない。
石板があるだろうかと二人で探してみるがそれらしいものは見当たらない。
けれど何か探している様に子恐竜たちが興味を示したのか、自分たちのお気に入りをもってやってくる。
それは違うのだけれども――エルザとロランは顔を見合わせ、小さく笑い合ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘンリエッタ・モリアーティ
仲良くするっていうの私には結構な難題な気がするのよね。
何でもかんでもそうだけど
「殴ったほうが早い」ことって多すぎる
でも、しょうがないわ。やりましょう。「ダークヒーロー・ウロボロス」として
【雷王竜凱旋】で竜になります
爬虫類と爬虫類だったら仲良くなれたりしないでしょうか
草食だと怖がってしまうかしらね。肉食のほうとかかわれると良い
仲良くしたいし、母竜と仔竜がいそうな巣などに獲物を持って行ってもいいわね
何にでも信用が大事よ
――もし「なめて」かかってくる個体がいるようなら殺さない程度に遊んでみたいかな
でも、平和的に自然の一部として動きましょう
さて。教えてくれる?「自然の中にあってはいけないものの場所」。
穏やかな気配を見せる大空洞――その中にあって、ヘンリエッタ・モリアーティ(Uroboros・f07026)は難しい表情でため息零した。
「仲良くするっていうの私には結構な難題な気がするのよね。何でもかんでもそうだけど」
それは『殴ったほうが早い』ことって多すぎる、とヘンリエッタが思っているからだ。
今回もきっと――そうなのだろうと思いはするのだが。
けれどヘンリエッタは、首を横に振る。その考えを払うように。
「でも、しょうがないわ。やりましょう」
――『ダークヒーロー・ウロボロス』として、求めるものは勝利。
「――勝利しか要らない」
その言葉を引き金に、ヘンリエッタの身が変じる。ばちりと音たてて爆ぜたのは黒い稲妻だ
雷王竜の姿であれば、似たような姿。
(「この姿であれば仲良くなれたりしないでしょうか」)
と、改めて見る。さすがに空を飛ぶ恐竜たちからみれば、違ういきものか。
草食の恐竜たちは――と。丁度その姿を見かけたので近づいてみれば慌てて逃げていく。
「怖がってしまったようね……」
それはきっと仕方ないことだろう。それならば肉食のものたちと関われたら良いとヘンリエッタは思う。
仲良くする。
そうするにはどうしたらいいか――やはり手土産だろうか。
母仔といった手合いがいるのなら良いかもしれないと緑の世界を歩み始める。
が、進む先から小さな獣たちはさっと逃げていってしまって仕留められるようなものはいない。
けれど――ヘンリエッタはまぁ、それでもいいかと思っていた。
なぜなら向けられる視線が多数ある。
それはつかず離れずヘンリエッタの様子を伺っていた。その動きは獲物を狙うもののようで――人の身であればその口端は僅かに上がっていたかもしれない――遊べるかなと思えた。
もし『なめて』かかってくるのであれば殺さない程度に。
でも、平和的に自然の一部として今は振舞っている。
気の向くままに緑の世界を歩む。つかず離れずついてくるものたちは焦れたのか、突然動き始めた。
ヘンリエッタはもちろんそれを理解しており、悠然と構えて待つのみ。
四方からとびかかってきた恐竜の体躯は3メートルほどか。小型ななりをしているからこその俊敏性をもって向かってくるがその牙も爪も届かないのだ。
数が有利と思ったか、考えもなしに飛び込んでくるだけの動きにヘンリエッタが惑わされることもなく叩き伏せられる恐竜たち。
命を取ることはしなかったが――打ち所が良かったのか悪かったのか。抑え込んだ一匹はひくひくと身を震わせ気絶していた。
「さて。教えてくれる? 『自然の中にあってはいけないものの場所』」
竜の姿をしたものは、問いかける。萎縮した恐竜たちが応えられるかは、わからないのだが。
一目散に、一か所に向けて走り始める恐竜たち。
それは案内なのか、それともただ逃げているだけなのか。
どちらにせよ、行ってみればわかるとヘンリエッタは飛翔する。
それもまた、駆ける恐竜たちにとっては畏怖となるのだが。
大成功
🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
恐竜と仲良くなって進む…もふもふできる恐竜がいいわねぇ。
まぁ手持ちを考えると果物を食べる恐竜が狙い目?かしら。
好みというか仲良く慣れそうな恐竜と遭遇したら友好的に話しかけてみましょう。
動物と話すでテリトリーを荒らしにきたわけではないことと、探し物があることを伝えて。
その時に手持ちのドライフルーツをプレゼントするわ。
恐竜に催眠術って効くのかわからないけど説得だけで難しいなら併用しましょう。
とりあえずこちらへの敵意さえなくしてもらえれば頑張って説得して蔦で編まれた空間まで案内してもらいましょ。
ちゃっかり頭か背中にでも乗せてもらってね。
ふわりと、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は空を飛ぶ。
「恐竜と仲良くなって進む……もふもふできる恐竜がいいわねぇ」
自分よりもとてつもなく大きな恐竜たち。どうやって接するか、パルピはしばし考えて。
「まぁ手持ちを考えると果物を食べる恐竜が狙い目? かしら」
ひとつ、丁度みつけた果物をパルピは抱えてふよふよと飛ぶ。
仲良くなれそうな恐竜はいるだろうか。そう思っていると――果物をかみ砕くような音。
恐竜がいるのかしら、とパルピはそちらへ飛ぶ。
するとそこには――あたまのてっぺんにもふもふっとわずかに毛が生えた恐竜がいた。
ぱっとみて穏やかそうな様子。仲良くなれそうと思いながら近づくと、恐竜もパルピに気が付いた。
警戒をしているようだが、パルピはテリトリーを荒らしに来たわけではないことを伝える。
そして、探し物があることも。
「これあげる。それから……これも」
パルピは手持ちのドライフルーツをその口へ。すると生とは違う食感。増した味に恐竜は驚いて。けれど美味しいと思たのか口を再びひらく。
「もう一つ?」
けどその前にと、パルピは目に見える緑の、蔦草で編み上げられた球体を示した。
敵意はもう感じられない。あそこまで案内して、と身振り手振り。
あそこに連れて行ってくれたらもう一つと告げればぐるぐると喉を鳴らす。
そしてその頭を掬い上げるように動かし、パルピを乗せた。
「わ!」
ふわふわでふかふかの感触。それを楽しみながら恐竜が足向ける先を見つめる。
あそこについたらあげるわね、と言えば嬉しそうな声だ。
そこに探している鍵の石板があるかどうかはわからないけれど――今はそこへ行ってみるのみ。
その場所へ着けば案内してくれた恐竜と同じ姿の恐竜たちが子育てをしている。
巣はあるが。石板は見られない様子にちょっとがっくり。
けれど、パルピの傍にするりと寄ってくる恐竜。口を開けておねだりという様子に、パルピは笑ってその口に最後のドライフルーツを投げ込んだ。
何をもらったの、とほかの恐竜たちも寄ってくるがもうドライフルーツはない。
じゃあかわりに近くの、みんなが届かないところの果実をとってあげるとパルピが告げると、彼らは嬉しそうに鳴き声あげるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ、他の方との連携オッケーです
WIZ
恐竜さん達とお友達になりたいのデス!!
動物使いや動物と話すを全力で使ってお友達になりたい事をアピールでス!
お肉で分かり合えそうなら料理スキルを使って恐竜さんが好きそうな調理を
お友達になれたら嬉しい気持ち
「恐竜さん、恐竜さんご飯を食べながらお話でもいかがですカ?」
後は聞き出せたら石板の場所を聞き出して探索を楽に進めていきたいナ
無理なら失せ物探しのスキルで怪しい場所…話を聞いた恐竜さん達の動向をよく観察して場所を絞っていきたい気持ち
エレクトロレギオンで高い所や狭い場所なども念入りに探していきますネ
後、恐竜さんみたいなカッコいい方に乗ったりしてみたい気持ち…
「恐竜さん達とお友達になりたいのデス!!」
リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)は言って、警戒している恐竜たちへと真正面から挑んだ。
全力で、持ちうる技能を使って――お友達になりたいのだとアピールするリヴェンティア。
お肉で分かり合える恐竜さんでしょうカ! とリヴェンティアは見つめる。
その口に見えたのは牙だ。この恐竜さんとは、分かり合えるかもしれない。
そう思ったリヴェンティアは料理スキルをもって恐竜が好きそうな料理を作る。
きっと生より、ちょっとやいたくらいが美味しい――ハズ。いつもそのまま食べている彼らには未知の味だろう。
「恐竜さん、恐竜さんご飯を食べながらお話でもいかがですカ?」
できあがった料理を前に、お友達になってくだサイ! とリヴェンティアは再度声かける。
様子を伺っていた恐竜たち。その中の一頭がふんふんと鼻先で匂いを確認し、そしてはぐっと肉を咥えてもっていく。
すると、他の恐竜たちも次々に。
リヴェンティアは、彼らが好んで食べてくれているというのを感じて嬉しくなる。
すると向けられていた警戒心は消えている。
今なら、とリヴェンティアは身振り手振り。鍵の石板のようなものを見たことがないかと、聞いてみる。
しかし、それに心あたりはないと言うばかり。
もっと大きな、石板のようなものはある――そんな事を恐竜たちは言う。
それはどんな、ともっと詳しく話を聞いていくと彼らの住処近く。切り立った崖の事を言っているようだ。
「うーん、もっとちっちゃいものデス」
多分これくらいと教えてみるがそれに対して心あたりはない様子。
そうなると、仕方がない。探していくしかないと小型の戦闘用機械兵器をリヴェンティアは召喚する。
これで高い所や狭いところも念入りに探せるはずと。
リヴェンティアはいざ、と立ち上がるのだがちらりと恐竜たちを見る。
恐竜たちはなんだろうか、とその視線を受け止めるばかりだ。
「……恐竜さんみたいなカッコいい方に乗ったりしてみたい気持ち……」
そう呟けば、ぎゃ! と一声ないた恐竜が一体。
背中に乗ればいいと尾を振る。リヴェンティアは表情輝かせ、ありがとうと礼をつげてその背中に。
石板は見つからないけれど――その背中に乗って風を浴びながら走るのは心地よいものだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィルジール・エグマリヌ
【煌々】
まさか、恐竜を見れる日が来るなんて
写真撮影の準備はバッチリだよ
さあ、行こうか、たから
先ずはレギオンを喚んで恐竜の気を惹こう
ほら、丈夫で可愛い玩具だよ
猫を相手にする要領でレギオンを左右に動かして
懐いてくれたら背中を撫でたりしたいな
はは、お前たちは可愛いね
序でに電脳モノクルでその近影を撮影させて貰おう
艇に戻ってスケッチの資料にしたい
ああ勿論、あとで君の携帯に送ろう
たからは恐竜達と駆けっこするの
じゃあ私はその勇姿も撮影しようか
うん、格好良く撮れた
君って結構、動物に好かれるよね
やはり動物は心の綺麗さが分かるんだろうか
さっきも怪我を治してあげていたし
嗚呼、お言葉に甘えて
私も一緒に写らせて貰おうか
鎹・たから
【煌々】
恐竜、たからも初めてです
牙は大きいでしょうか、皮膚はかたいでしょうか
楽しみですね
撮影したらたからにも写真をください
恐竜、かっこいいですね
大きくて憧れます
レギオンとじゃれる恐竜の姿を眺めそわそわ
是非、たからも遊びにまぜてください
【ダッシュ】で走り
爪に捕まらぬよう灰雪でジャンプ
跳んだり跳ねたりして気を惹きます
鬼ごっこには自信があります(ビュンビュン
疲労や怪我をした恐竜には沫雪で回復
大丈夫、もう痛くありませんよ
【優しさ、医療】
艦長、撮影できましたか?(恐竜とピースピース
自分ではわかりませんが
動物達がたからを愛してくれるなら
それはとてもうれしいです
折角の機会です
ヴィルジールも記念撮影しましょう
この世界は、場所はヴィルジール・エグマリヌ(アルデバランの死神・f13490)にとって心くすぐる世界だった。
新緑の世界。そしてその中で自由に生きている恐竜たち。それは今、地上には存在しないものたちだ。
この大空洞だからこそ、繋がれた生命なのだろう。
「まさか、恐竜を見れる日が来るなんて」
「恐竜、たからも初めてです」
そして、ともに足運んだ鎹・たから(雪氣硝・f01148)もまた、この世界に瞳瞬かせ興味津々。
「恐竜、牙は大きいでしょうか、皮膚はかたいでしょうか。楽しみですね」
その言葉にヴィルジールは頷いて。
「写真撮影の準備はバッチリだよ」
「撮影したらたからにも写真をください」
ああ、もちろんとヴィルジールは言って。
「さあ、行こうか、たから」
二人でその深緑の世界へと踏み入った。
どこに恐竜たちがいるだろうか――ふたりで探索しつつ進めば、足跡を見つけた。
大きなものと小さなもの。親子連れだろうか。
その足跡を追い、ヴィルジールとたからは歩み止めた。
水辺近くでのんびりと過ごしている親子連れの恐竜たちがいる。
「恐竜、かっこいいですね」
大きくて憧れますとたからはじっと恐竜たちを見つめている。
この距離で見つめているのも、これはこれで楽しさはある。
だがこのままではいけない。
ヴィルジールは小型の戦闘用機械兵器を召喚し、それで恐竜の気を惹く。
戦いに使うものだが――恐竜たちにとっては。
「ほら、丈夫で可愛い玩具だよ」
右へ左へ、猫を相手にする要領で動かしていく。
それを追いかけるのが楽しくなってきた恐竜たち。
そのじゃれる姿を目に、たからもそわそわ。
「是非、たからも遊びにまぜてください」
そして、恐竜たちの中に飛び込む様に駆ける。
たからは走り回る。すると捕まえようとしたのか、身軽な恐竜たちが追いかけてきた。
狩りさながら、その爪が向けられる。けれど身軽に空を蹴って、跳ねて。たからは気を惹きつつ、捕まらぬように動くのだ。
「鬼ごっこには自信があります」
届きますか、追いつけますかとたからは恐竜たちに問いかける。すると言葉は通じずとも何を言っているのかはわかるのだろう。
ぎゃうぎゃうと鳴いて、さらに追いかけっこは速度を増す。
その様子を微笑まし気にみつつ、ヴィルジールは傍によってきた大きな、そしてのんびりとした恐竜たちの背中を撫でていた。
「はは、お前たちは可愛いね」
撫でながら、序でにその近影を、電脳モノクルでぱしゃりと撮影。見上げる角度も良い表情だ。
艇に戻ってスケッチの資料にしようと、ヴィルジールは笑み深める。
「艦長、撮影できましたか?」
と、たからが恐竜とピースピースとばかりにヴィルジールの方を向いている。
その姿にヴィルジールは微笑んで、写真を一枚。
「ああ勿論、あとで君の携帯に送ろう」
いい写真がとれたと告げて、再び恐竜に強請られたか、駆けっこ初めるたからを目に、その融資も撮影しようかとヴィルジールはその姿を追う。
その瞬間も楽しそうだ。
「うん、格好良く撮れた。君って結構、動物に好かれるよね」
やはり動物は心の綺麗さが分かるんだろうかとヴィルジールは零す。
「さっきも怪我を治してあげていたし」
と、はしゃいでこけた恐竜の、その怪我をたからが癒していたのを思い出す。
たからは僅かに首傾げ、それは自分ではわかないこと――でも、と紡いだ。
「動物達がたからを愛してくれるなら、それはとてもうれしいです」
その答えにヴィルジールは瞳細め、笑み向ける。
と、たからはあることに気付いたのだ。
「折角の機会です。ヴィルジールも記念撮影しましょう」
「嗚呼、お言葉に甘えて。私も一緒に写らせて貰おうか」
ヴィルジールは写真を撮ってばかりで、一緒に写ってはいない。それはあまりにも、もったいないとたからは思ったのだ。
恐竜と一緒に――みんなで、一緒に。
その姿を写真に撮るころには互いの心は繋がっている。
そういえば探し物もあったのだと、鍵の石板について聞いてみるが、彼らは残念ながら知らない様子。
けれど、これから一緒に探そうと、どうやら手伝ってくれるようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【華禱】
恐竜に会うのも2度目ですが、どれも大きな個体ばかりですね
彼等が穏やかでなくなる理由は縄張りを奪おうとしているからこそ
ならば、彼等と交渉して協力をお願いしてみましょう
味方になってくだされば頼もしいですからね
草食の恐竜で比較的穏やかで大人しいものに接近
動物と話す技能にて石版を探しているので手伝って貰えないかお願いします
コミュ力も活用、タダ働きにならないようにお礼に食料である草を刈って差し上げましょう
倫太郎殿と二人でならば早いですよ
もしも拒否された時は止むを得ませんが力にて勝負を
協力して頂けましたら背中に乗せて探索へ
倫太郎殿も一緒に乗りましょう
恐竜に乗れる機会はなかなか無いでしょうからね
篝・倫太郎
【華禱】
接触する恐竜は、デカ過ぎねぇ奴にしようぜ、夜彦
下手すると踏みつぶされそうじゃん?
こう、ぷちっとさ……
恐竜に遭遇したら
まずは夜彦に言語での交流はお願いしとこ
え?いや、俺は他種族には無能でいいかなーって?
ナニ言ってんだか判んねぇほーが楽しいかなーって?
餌採るんなら任せとけって!
夜彦の交渉が上手く行ったら
蔦製球体について聞いたり場所案内して貰ったりするー
逆に、あくまでも認めねぇなら力比べかな?
その時は拘束術使用
鎖での拘束を主軸に
力でねじ伏せて認めさせるってのは割と原始的だよな
うん?乗ってもいーもんかな?
(話せなくとも話し掛ける)
はは!んじゃ、お邪魔しまーす!
おー?結構遠くまで見渡せるな、これ
生い茂る緑をかきわけて、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は己よりも幾分も大きな恐竜へと視線向ける。
「恐竜に会うのも2度目ですが、どれも大きな個体ばかりですね」
「接触する恐竜は、デカ過ぎねぇ奴にしようぜ、夜彦」
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は、下手すると踏みつぶされそうじゃん? という。
「こう、ぷちっとさ……」
と、掌合わせて圧し潰される様を表現する。すると夜彦は、倫太郎殿は面白いことを言いますねと笑うのだ。
「ぷちっと、されないでしょう?」
「まぁ、されねーけど」
気持ち的にはそんなことがあるかも、というところだ。
そして二人でどうするかを話す。
彼等が穏やかでなくなる理由は縄張りを奪おうとしているからこそ、と夜彦は思うのだ。
ならば、彼等と交渉して協力をお願いしてみましょうと倫太郎へと告げる。
「味方になってくだされば頼もしいですからね」
「交流は、夜彦に任せる」
その言葉に良いのですか、と夜彦は問う。すると倫太郎は。
「え? いや、俺は他種族には無能でいいかなーって?」
ナニ言ってんだか判んねぇほーが楽しいかなーって? と告げる。
それなら任されましょうと紡ぐ夜彦は頼りになる。
草食の恐竜で、比較的穏やかで大人しいものをとふたりで探す。
するとのんびりまったり、水辺の傍で葉を食んでいる恐竜たちの姿があった。
その恐竜たちは水辺周辺が縄張りのようで、ゆったりと泳いでいるもの達もいる。
その割に、気に入っている草葉は陸地のもののようでのたのたと地上にあがってきていた。
しかしまた別の場所のものを食べるには水の中を移動して、首を伸ばして食べている。
「あの方たちは交渉できそうですね」
夜彦はゆっくりと恐竜たちへと近づく。
「石版を探しているので手伝って貰えないでしょうか。タダ働きではありません」
お礼に――その、好きな草を刈って差し上げましょうと指し示す。
倫太郎殿と二人ならば早いですよ、と示す。
「餌採るんなら任せとけって!」
と、どんと胸叩いて示す倫太郎。
すると恐竜たちはしばし迷っていたようだが――自分たちが動かなくてよいのならばと思ったのだろう。
ぐああああと鳴いてその話を受けると返事をした。
「では倫太郎殿」
「ああ」
頑張りましょう、頑張ろうぜと互いにしばし草刈りを。
山積みになる陸地の柔い葉を恐竜たちは嬉しそうに食べていく。
そして目に付くものをあらかた刈り終わると同時に、食べつくされていた。
力でねじ伏せて、という手もあったがこれで話が済むなら早い。
水しぶきはねさせ、群れのボスだろうか。一体が背中を向ける。
「背中に? 倫太郎殿も一緒に乗りましょう」
「うん? 乗ってもいーもんかな?」
と、言葉は話せないのだが倫太郎は話しかける。
その声にかまわないと一声、恐竜は鳴いて返した。
「恐竜に乗れる機会はなかなか無いでしょうからね」
「はは! んじゃ、お邪魔しまーす!」
その背中はしっかりとしていて安定感もある。そして目線もわずかに高くなった気が。
「おー? 結構遠くまで見渡せるな、これ」
「倫太郎殿、案内してくれるそうですよ」
「ん? どこに?」
蔦の球体です。どうやらそこは、この恐竜たちの巣のようですと夜彦は言う。
そこに石板があるのか、ないのか。それは訪れて探してみなければわからないけれどどちらでもいいかと思えた。
それは今しかできぬ体験を得られているから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
筧・清史郎
恐竜さんに手荒な事をするのは極力避けたいところ
與儀の予知を聞いても、恐竜さんの協力を得た先に石板がありそうだ
なのでまずは【桜花享宴】を展開
恐竜さんに真摯に話しかけ、警戒を解き、心を開いて貰おう
その後、石板を探している旨を説明、テリトリーに踏み入る事の許可を得よう
そして石板を見なかったか、ありそうな心当たり等あれば案内して貰えないか等
ぎゃおーと言いくるめつつ訊ねようか
訊ねるばかりでは信頼を得られないかもしれぬので
何か悩み事や困り事があれば聞き
俺でできる事あれば手を尽くそう
仲良くなって大きな背に乗せて貰えれば、見張らし良く探しやすいかもしれないな
恐竜さんとも真摯に向き合えば、語り合えるはず(微笑み
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はここが大空洞かと視線巡らせる。
己も予知したが、やはり実際に足を運んでみるのと予知は違う。
そしてこの世界の支配者たる、恐竜さん。
「恐竜さんに手荒な事をするのは極力避けたいところ」
與儀の予知を聞いても、恐竜さんの協力を得た先に石板がありそうだと清史郎は思っていた。
ならば、己ができる方法で恐竜とのコミュニケーションをとるべきだろう。
「咲き香れ、柔桜」
静かに紡がれたその言は、己が持つ技能を高めるものだ。
恐竜さんに真摯に話しかけ、警戒を解き、心を開いて貰おうと清史郎は歩む。
そして清史郎が出会ったのは――のんびりと草を食んでいたずんぐりむっくりとした恐竜だった。
その恐竜は清史郎の姿を見るなり、草食む口を止めじっと見てくる。
「ぎゃおー」(恐竜さん、少し良いだろうか)
「ぐるる」
「ぎゃおぎゃお」(そうか、俺は敵ではない。ただ少し、ものを訊ねたいだけなのだ)
しばし話を聞いてくれないだろうかとぎゃおぎゃお、ぐるる、ぎゃおー、ぐぐぅと傍から聞けば鳴いているだけでは、という会話は続く。話もなかなか長いもので、いつのまにか清史郎はそこに座り、恐竜も身を伏せていた。
が、訊ねるばかりでは信頼は得られまいと。警戒心が薄れてきたところで清史郎は。
「ぎゃお」(ところで)
「ぐるるぅ」
「ぎゃおぎゃお? ぎゃおー」(何か悩み事や困り事はないか? 俺でできる事あれば手を尽くそう)
と、訊ねた。
すると、ぐるる、ぐるるぅと恐竜は答える。
「なるほど。すぐにでも手をかそう」
清史郎は頷き、立ち上がると恐竜の方へと歩む。恐竜はそのままじっとしていて。
「ぎゃお?」(このあたりだろうか?)
「ぐるるぅ」
「そうか、もっと右か」
と、その背中をかりかり――ではなくごりごりとかいてやる。近くによさそうな木の枝があり、それで清史郎は望の場所を掻いてやった。
背中がかゆくて、しかし手が届かないしうまく木に身をこすりつけることもできず。
恐竜はそうそうそこそこ、という表情でまどろんでいた。
その幸せそうな表情に、清史郎は微笑み向ける。
そして満足したのか、恐竜は立ち上がり。
「ぐる!」
「ぎゃう」(そうか、では頼む)
その背に乗ることを許された清史郎。見晴らしもよくこれなら探し物もよくできそうだと思う。
「恐竜さんと真摯に向き合えば、語り合えばやはりわかりあえる」
多少、言いくるめた所もあったりしたが――それはそれ。
今、この背にのって手伝ってもらえるのだからよしだ。
これから、この恐竜の住処に連れて行ってくれるらしい。そこは緑の蔦草でできた球体の家だという。
たどり着いたそこに石板はなかったのだが――清史郎に新たな恐竜さんの友は増えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
マリス・ステラ
「主よ、憐れみたまえ」
『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯り、星枢に宿れば青のペンデュラムが揺れ始めた
「星の導きのままに」
星枢のダウジングを頼りに進みます
道中の恐竜たちは愛らしく、または逞しく、あるいは雄大です
彼らに近づいて様子を観察していると痛々しい悲鳴
声の方へと足を向ければ、何かの弾みで足を痛めた巨大な恐竜が座り込んでいる
「……痛かったでしょう。でも、大丈夫です」
【不思議な星】
恐竜を回復して仲良くなりましょう
巨大な体躯の背の上は見たこともない景色
「素晴らしい。本当に素晴らしい」
彼らが見ていた景色はあまりにも広く輝いて見える
感嘆を漏らし、蔦で編まれた場所へ
ペンデュラムが示すのはすぐそこです
「主よ、憐れみたまえ」
祈りを捧げれば、マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)の星辰の片目に光は宿る。
そしてその光が次に、星枢に宿れば青のペンデュラムが揺れ始めた。
その揺れのままに、マリスは歩み始める。
「星の導きのままに」
星枢のダウジング。その導きのままに緑の世界を進んでいく。
歩みのままに、探しているもののもとへ近づいているのか。
視線を巡らせれば恐竜たちが我が物顔で歩いている。それはこの世界の支配者だからだろう。
あるものは子供を。連れ。子供たちはじゃれあったりもしているのだ。
愛らしく、または逞しく。あるいは雄大。
マリスはその足を止めその瞳を柔らかに細め、その様子を眺めていた。
と――その耳をつんざく痛々しい悲鳴のような鳴き声が響いた。
そちらの方向へとマリスが視線を向けると、そこで子恐竜がうずくまっていた。
その巨体を支えられずに伏せている。マリスの足は自然と、そちらへと向かっていた。
その前に親だろうか、一体の恐竜が立ちふさがるように立ち威嚇してくる。
マリスは心配ありません、と紡いで歩む。その傍に立ちしゃがみこみ、その足を撫でた。
「……痛かったでしょう。でも、大丈夫です」
星の輝きが、その身からあふれ始める。
「私のためではなく、あなたのためではなく、私たちのために」
その光を増せばマリスの身は疲労するのだが、その足を治せるのならば。
そしてその痛みが消えれば子恐竜はのっそりと動き、元気に歩き出した。
子恐竜はマリスにそっと寄って、ありがとうと言っているのだろうか。頬を摺り寄せてきた。
親恐竜もまたその様子にほっとしているようだ。一声鳴くと、マリスをその背中に乗せる。
そこから見る世界は――壮観というもの。
「素晴らしい。本当に素晴らしい」
これが、彼らが見ている景色。あまりにも広く、輝いて見えるのだ。
感嘆を漏らし、歩み始める恐竜たちに導かれるままマリスは進む。彼らが向かっているのは、どうやら少し遠くに見える蔦で編まれた球体。
そしてペンデュラムもそちらのほうを指示していた。
そこに探している鍵の石板があるのか――それとも、ペンデュラムが指示しているのはそれよりもっと先なのか。
たどり着いてみなければわからないが、今は恐竜の背からみる景色をもう少し楽しんでいましょうと。傍をあるく子恐竜に優しげな視線を向けてマリスは微笑むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
花咲・まい
いいですねえ、恐竜!
穏やかな気性ということは草食でしょうか、きっと美味しいですよ。
……と、今日は石版探しでしたね。お肉には心惹かれますが、今回は戦闘をなるべく避けていきますですよ。
動物の言葉はよく分かりませんですから、ケットシーさんたちに助けてもらいますです。
美味しい木の実で料理を作ってもらえば、もしかしたら恐竜たちも釣られてくるやも!
ご飯を譲って同じ釜の飯を食べたなら、お仲間になってくれたり……しますです?
できれば侵入者ではなく、隣人と思ってもらえればよいのですが!
…ダメだった時は、
残念ですけど、すっぱりきっぱり片付けて次の場所を探すとしますです!
*技能や連携、アドリブはご自由にどうぞ
「いいですねえ、恐竜!」
パンゲア大空洞、この緑の世界に花咲・まい(紅いちご・f00465)は降り立って薄緑の瞳をぱちぱちと瞬かせた。
その目に映る恐竜たちはゆるりと気ままに過ごしている。
「穏やかな気性ということは草食でしょうか、きっと美味しいですよ」
昔から食べることが大好きだったまい。その味はいかなものか――まったく興味がないわけではない。
けれど。
「……と、今日は石版探しでしたね。お肉には心惹かれますが、今回は戦闘をなるべく避けていきますですよ」
まいはそのために、自分を助けてくれるものたちを喚ぶことに。
「シェフの気まぐれ定食でお願いしますです!」
その言葉と共に、ケットシーたちが現れる。
「動物の言葉はよく分かりませんから、助けてくださいです」
その声にケットシーたちは了解とばかりに声揃える。
そして始めたのは、周囲にあった木の実を使っての料理。少し味見をした限りでは、その木の実は甘くもあり、美味しいものが多い。ちょっと酸っぱさのあるものも良いアクセントだろうか。
その木の実を使って料理をしていると――がさがさと背後の茂みが動いて。そこから小さな恐竜が顔を見せた。
何をしているのか、興味があるようだ。好奇心旺盛な子恐竜は尻尾をびたんびたんと動かして楽しそうだ。
「お料理してみたいです?」
じゃあ、とまいは近くにあった大きな葉っぱをその口に。こうやって仰ぐのです! とやってみせれば子恐竜は楽しそうに真似し始めた。
そして出来上がったのは――木の実を潰して、他にも果実色々混ぜて作ったジャムだ。
「ご飯を譲って同じ釜の飯を食べたなら、お仲間になってくれたり……しますです?」
と、そのジャムを少しおすそ分け。
できれば侵入者ではなく、隣人と思ってもらえればよいのですが! とまいはふんふんとその匂いを確認している子恐竜をじっと見つめる。
ぺろり、と少し舐めて。そして勢いよくそれを平らげた。そしてもっと、というように甘えた声をひとつ。
ケットシーたちもそれを見て喜んでいる。
「おかわりです?」
もちろん、まだありますですとまいは笑って、おかわりを。
作ったジャムをほとんど、その子恐竜は平らげて、お礼にというようにまいをその背中に乗せた。
どこに連れて行ってくれるんです? と尋ねるとぐぅぐるるとご機嫌な声。
どうやらほかの仲間たちにも紹介といっているようだとケットシーたちが紡ぐ。
そこでまたジャム作りかもですと笑って、道中でまた木の実を集めながらまいたちは進む。
その先に、緑の蔦草の球体を目にしながら。
大成功
🔵🔵🔵
祓戸・多喜
地底にこんな場所が広がってるなんてすっごーい!
記念撮影したいなー…って今はお仕事!
まずは石板探さないと!
草食で温厚そうな陸の首長竜を探し、警戒させないようそーっと近づいてご挨拶。
動物と話す…恐竜もイケる!
ちょっと探し物してるんだけれど手伝ってくれないかな。
代わりにキミでも届かない高さの新芽も食べれるできるし、困ってる事あったら解決に協力するよ!と交渉。
高い所のは念動力で枝を下に曲げて届くようにしたり弓で枝撃ち抜いて落としたり。
障害物が邪魔ならUCで持ち上げえーいと投げてどかしたり。
協力得られたら蔦の絡まる球体の所へゴー!
流石恐竜、間欠泉も涼しい顔…!と感動したりも。
※アドリブ絡み等お任せ🐘
その長い鼻を思わず、といったように持ち上げて。
「地底にこんな場所が広がってるなんてすっごーい!」
祓戸・多喜(白象の射手・f21878)は広がる世界に感嘆の声を零した。
生い茂る緑。遠くでもぱっとみてわかる大きな恐竜たちの姿。ここはまぎれもなく、恐竜たちが生きた時代が続いている場所なのだ。
「記念撮影したいなー……って今はお仕事! まずは石板探さないと!」
と、多喜は忘れそうになる本分を思い出す。
さて、どんな恐竜たちに協力をお願いしようかと多喜は探索を始める。
温厚そうな恐竜がいい。と、遠くにすぅっとその長い首が持ち上がるのが見えた。
「首長竜!」
その口で草や葉を食み、穏やかそうな顔をしている。お話ができそう、と多喜はそちらへと足を向けた。
警戒させないようそーっと近づいてまずは挨拶。
そして声をかけると、恐竜はその言葉が理解したのか、その視線を多喜へと向けた。
「動物と話す……恐竜もイケる!」
明確に、流暢な言葉が返ってくる、とはいえないが意思の疎通は十分にできるようだ。
多喜はちょっと探し物してるんだけれど手伝ってくれないかなと交渉を。
「代わりにキミでも届かない高さの新芽も食べれるし、困ってる事あったら解決に協力するよ!」
そう告げれば、その小さな身で? と問いかけるような声。
多喜はできるよ! と言って。
例えばと、目の前の首長竜では届かぬところにある枝葉を念動力でまげてその口元の近くへ。
首長竜は驚いて、けれどそれを食べようとゆっくりと首を動かす。
するとしゅっと枝は元の位置へ。
「ね、できるでしょ! だから探し物手伝って!」
その言葉に、新芽を残念そうに眺め――けれど、手伝ってほしいことがあると告げる。
それは自分たちの巣、その首でも届かぬ場所にある柔らかな葉を食べてみたいのだと。
首長竜たちの誰も食べたことがない、巣の天辺にある若い葉。
「あら、わたしもそこにいってみたいのよ!」
そこに探し物があるかもしれないから、と多喜は告げる。
すると首長竜は、それならばとその長い首を下げた。
「頭の上に? お邪魔します!」
その頭にのれば、ゆっくりとあがっていく。多喜の目に映る世界は――いつもこの首長竜が見ている世界だ。
ゆっくりと歩み進める恐竜。すると先に、突如熱い水が噴き出す間欠泉が見えた。
不規則に吹き上がり、雨が降る場所。けれど、首長竜の顔にはそれはかからず何でもないことのように通っていく。
「流石恐竜、間欠泉も涼しい顔……!」
その光景を見下ろし。その先に目指していた大きな球体を見つけ多喜はすごい、と言葉零す。
そしてあれだと、首長竜は示す。巣の天辺にちらりとみえる若い葉。
多喜はそれを矢でその先を撃ち抜いて引き離す。そして念動力でもって首長竜の口元へ。
それをはぐり、と食べた首長竜はもっしゃもっしゃと味わって食べているようだ。
「お味はどう? え、他の葉っぱと変わらない?」
もー! とあきれたような声を零す。それは、なんだか友人と話しているような、そんな気安さの会話だった。
大成功
🔵🔵🔵
シャオ・フィルナート
…3mなら…大きさ、殆ど同じだね…翠狼…
【指定UC】を使用
水狼に跨りながら周囲確認
翠狼の嗅覚や聞き耳
俺の【暗殺】経験で培った気配察知で恐竜の数、動きを把握
…熱いのは、嫌い……だから
首長恐竜を探したい
見つけたら
翠狼、行って…
まずは翠狼に話を聞くよう交渉させる
俺は…★氷の翼でいつでも防げるように
気が立ってるようなら…まぁ、他に人もいないし…いいか
【催眠術】を乗せた【歌唱】で落ち着かせる
回避は翠狼に任せる…
落ち着いたら【動物会話、動物使い】で
探したいものがある
大きい蔓のある場所…知ってる筈
そこまで、連れて行って…
言葉選びはぶっきらぼうだがさり気なく気遣いながら
翠狼を戻して、恐竜に乗せてもらいたい…
「……3mなら……大きさ、殆ど同じだね……翠狼……」
シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は紡いで、紺碧色の狼を召喚しその背中に跨った。
水の力を纏い、水の力を操る。その狼の体躯は小さな恐竜であれば同じくらいだ。
生い茂る緑の中を走り抜けながら、翠狼はその嗅覚と、その耳で音を拾い探していく。
シャオも暗殺経験で培った力――気配察知で周囲へと気を向けていた。
「……熱いのは、嫌い……だから」
先程見た、間欠泉。その中をゆうゆうと歩いていたのは首長の恐竜だった。
彼等なら、熱くとも関係なく進めるのだろう。
そしてその先に緑の球体の姿も見えていた。あそこを通り抜けるのなら恐竜の力を借りなければならない。
そう思い、探していると――のっそりと緑の中から持ち上がる長い首があった。
いた……とシャオは呟く。
そして翠狼の背を軽くたたき。
「翠狼、行って……」
まずは、翠狼に話を聞くよう、シャオは交渉を託した。
その間、氷の翼でいつでも、攻撃されたら防ぐことに気を回すシャオ。
しかし――話を持ちかけた首長の恐竜は食事の邪魔をされて気分を害された様子。
その尾を奮って、シャオたちを追い払おうとした。
「……まぁ、他に人もいないし……いいか」
シャオはふっと息を吸い込む。催眠術を乗せた歌唱でその精神ひきこんで落ち着かせるために。
その歌う間、向けられる攻撃は翠狼に任せ切っていた。
そしてしばらくすると――首長の恐竜も落ち着いてきたのか。その動きは落ち着いて。
その時を狙って、シャオは話しかけた。
「探したいものがある。大きい蔓のある場所……知ってる筈」
あそこ、とその方法をシャオは指し示す。
「そこまで、連れて行って……」
人の身では、この先の間欠泉を渡るのは難しい。あの熱い水にかかれば焼けただれてしまうかもしれない。
吹き出す瞬間に踏み込めば、上空へ放り上げられる可能性もあるのだ。
その言葉選びはぶっきらぼうだが――敵意がないことは恐竜にも伝わっていた。
恐竜はしばしの間考えて、そしてわかったというように一声。
そしてゆっくりと、その長い首を降ろしてきた。
「……ここに、乗れってこと……?」
翠狼を戻して、シャオはその場所へと乗る。
ゆっくりと、視界の位置は高くなり――恐竜は歩み始めた。
翠狼の背に乗るのとはまた違う世界が、そこには広がっている。
向かう先に石版があるといいなと零しながら、シャオはしばしその世界を楽しむのだった。
大成功
🔵🔵🔵
日向・史奈
…恐竜の手触りってどんな感じなんでしょう…?ごつごつしてるんでしょうか。
撫でて、触ったりしたら…いきなり攻撃してきたりしないですかね?敵意は無いって、分かってくれたらいいんですけど
【動物と話す】力でちゃんと伝えましょうかね
魔法は最後の手段にとっておきます。少しでも傷つけてしまうのは申し訳ないですから
他所の人をいれないような所にも案内してもらえるといいんですけど…そういう所に石版もあるかもしれませんしね。
とはいえ、色んな場所を楽しませてもらうことにしましょう
「……恐竜の手触りってどんな感じなんでしょう……?」
ごつごつしてるんでしょうか、と日向・史奈(ホワイトナイト・f21991)は自分の手を見る。
少し離れた場所でゆったりと過ごしている恐竜たちを見て史奈は零す。
「撫でて、触ったりしたら……いきなり攻撃してきたりしないですかね?」
敵意は無いって、分かってくれたらいいんですけどと、史奈は恐竜たちの方へと歩み始めた。
動物と話す力でその気持ちをちゃんと伝えましょうかね、と思いながら。
持ちうる最後の手段は――魔法だ。
でもそれはできるなら使いたくはないものだ。少しでも彼らを傷つけてしまうのは申し訳ないと思うから。
史奈が近づくと恐竜たちは草葉を食べるのをやめる。そして警戒し、威嚇をしてきた。
それ以上近づくなと言っているようで史奈は歩み止めた。
そして、互いにぎりぎりの距離で見合う形になる。
史奈は、敵意はないのだと、傷つける気はなく何も攻撃するようなものは持っていないと示す。
そして手を貸してほしいのだと告げた。
時間をかけて根気よく伝えれば恐竜たちもわかってくれた様子。
傍に行っていいかと史奈が訊ねると大丈夫そう。
「他所の人をいれないような所に案内してもらえませんか? そういう所に石板もあるかもしれませんし」
恐竜たちに訊ねれば、石板は見たことはない様子。
「そうですか。じゃあいろんな場所に案内してください」
そうすればいろんな場所を楽しむこともできる。史奈は恐竜たちにそっと触れる。
その感触は、思っていたよりも柔らかいような。
それを感じながら向かう先は一体どんな場所なのか――史奈の足取りは軽い。
大成功
🔵🔵🔵
シャルファ・ルイエ
大きい恐竜って浪漫です……!本物に会えるのってわくわくしますね。
背中に乗せてもらえたり、撫でさせてもらえたりするでしょうか。
まずは、なるべくテリトリーに入らない様に飛んで様子を見ます。
怪我をしている子なんかが居れば、【慈雨】で治せばお話を聞いてくれるかなと思うんですけど……。
野生の恐竜って、怪我が元で亡くなることも多かったって聞きますから。
他にも怪我をしている子が居ないか確認して、居るなら治します。
あちらから襲われた場合は、【白花の海】で無力化している間に此方に敵意が無いことをお話しますね。
テリトリーに入ってしまった事についても謝って、事情を説明します。
お話が出来たら、石板の事を聞いてみます。
シャルファ・ルイエ(謳う小鳥・f04245)はその翼を広げ大空洞の空を飛翔していた。
「大きい恐竜って浪漫です……! 本物に会えるのってわくわくしますね」
眼下に広がる世界。その中を歩む恐竜たちの姿。
シャルファは瞳輝かせて彼らの様子を眺めていた。
「背中に乗せてもらえたり、撫でさせてもらえたりするでしょうか」
気性の穏やかな子ならお願いできるでしょうか、とあたりを見回す。
彼らのテリトリーになるべく入らないように気を付けて、シャルファは様子をみつつ進む。
と、緑の木々の影にうずくまっている恐竜を見つけた。
どうしたのかとしばし見ていると――怪我をしている様子。
「そういえば……野生の恐竜って、怪我が元で亡くなることも多かったって聞いたような……」
あの恐竜を放っておくことは、シャルファにはできなかった。
シャルファは驚かせないようにしつつ、恐竜の前へ。
動けぬ恐竜は威嚇するような声をシャルファへと向ける。しかし、シャルファは微笑んで。
「あなたを願う。どうかこれ以上、傷つくことがありませんように」
紡ぎ、柔らかな光の雨をもたらす歌声を響かせる。
それは慈雨だ。
雨粒跳ねる。すると恐竜の傷は塞がって、痛みも消えたのだろう。それに気づいた恐竜はゆっくりと立ち上がった。
その姿を見て、良かったですねとシャルファは紡ぐ。
礼のつもりだろう。恐竜はシャルファにそっと顔を寄せてきた。
シャルファは手を伸ばし優しく鼻先を撫でる。
こうして触れ合えるのは、不思議な感じもする。
そして話を聞いてくれそうな雰囲気に――シャルファは石板を知らないかと、問いかけた。
「大きさはきっとこれくらいなのですが……」
と、身振り手振りを交えれば、それくらいの大きさの石は知っていると恐竜は言う。
それはどこにと尋ねれば、案内すると言って。恐竜はその背を示した。
「乗っていいんですか?」
それは嬉しいと言って、シャルファはその背に。
少しずつ速さあげながら走り始めた恐竜は、自分の巣へと戻っているらしい。
そして――こんもり丸い、緑の球体。蔦でできあがったその場所に恐竜は入り、そしてこれではないだろうかとシャルファをその前に連れて行った。
「緑がこんもり……あっ」
わずかに見えた石のようなもの。蔦が絡まっているようで、それを取り除けば――それはまぎれもなく、鍵の石板。
「これです。貰っていってもいいですか?」
問えば、石は食べないから構わないと言う。
その答えにちょっと笑って、確かにそうですねとシャルファはその石板をもらい受けた。
これでひとつ――また道が開かれる。
大成功
🔵🔵🔵