アースクライシス2019⑯〜零下50度の氷河にて
「ギョギョギョ!? ナゼコノバショガワカッタノダ! カクナルウエハコノうちゅうせんノナカニヤツラヲサソイコミ、ふくろノねずみニシテヤルゾ! ワレナガラヨイカンガエダナ!」
戦場に選ばれたのは、吐いた息さえ凍り付く零下50度の氷河。
スーパープルトンの居城である宇宙母船は堂々と猟兵たちを待ち構えており、まるでその襲撃を歓迎しているようにすら見えるのだった。
「ようやくスーパープルトンの居場所を突き止めることに判明した。ただし、この場所はヒーローたちでは進行できないため、猟兵の出番となる」
サク・スミノエ(花屑・f02236)はホログラムを用いて現在の状況を説明する。
「スーパープルトンのいる宇宙母船内には多数の環境ブロックが存在しており、それぞれに特徴的な環境が再現されている」
ホログラムに写されたのは見ているだけで寒気に襲われそうな一面の氷河だ。そのちょうど真ん中辺りで浮島のように浮かぶ流氷にスーパープルトンが乗っている。
「周囲は冷たい海に囲まれているが、幸い、足場となりそうな流氷が幾つも存在する。問題はスーパープルトンによる先制攻撃だろうな。何らかの方法で対処しない限り、簡単には倒せそうにない」
使う技は自身の強化及び、ヒーローチームの援軍。そして己の代わりにツインズを戦わせる召喚の3つ。
これらの対処法を編み出すことができればおそらく、勝機は見えてくる。
「では、さっそく宇宙母船へ送り出す――その前に、防寒対策は十分か? 本当に寒いので、準備は念入りにな」
ツヅキ
お世話になっております。ツヅキです。
①ヒーローズVSオブリビオンズで獲得したSPによって、スーパープルトンのスーパーステルス宇宙母船の居場所がわかりました。
リプレイは突入に成功したところ=スーパープルトンのいる氷河のブロックにたどり着いたところから始まります。
プレイングボーナスは『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』となっています。必ず先制攻撃してくる相手の攻撃を対処し、反撃を行ってください。
プレイングは11/15昼頃までの受付です。
締切までに頂いたプレイングをまとめて判定・執筆します。それでは、どうぞよろしくお願い致します。
第1章 ボス戦
『スーパープルトン』
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POW : マジェスティック・ミックス
【「マジェスティックマン」の武装化する骨】【「ミス・タイフーン」の風を操る力】【「アバドンボーイ」の全てを喰らう口】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : マジェスティック・アッセンブル
【5人組のヒーローチーム「マジェスターズ」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : マジェスティック・ツインズ
戦闘用の、自身と同じ強さの【炎と光を操る「ザ・サンシャイン」】と【ダイヤの体を持つ「ダイヤジャイアント」】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:傘魚
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
亜儀流野・珠
んん、寒いの得意な俺でも流石に冷えるな!
海に落ちでもしたら……とは考えたくないな!気を付けて戦おう!
炎と光を操る奴にダイヤの体の奴か。
攻撃回避は火を吹く扇「尾踊」で扇ぎ、火の風を起こしながら回避だ。怯むなり見失うなり光を遮ったりしてくれれば回避しやすいだろう!
そして攻撃は奥義「焔弾」を撃ち込み爆破しての攻撃だ!
ダイヤの奴はダイヤだけに衝撃や炎には弱いだろう!
サンシャインは炎には強そうだが衝撃は通るだろう!
だがずっとこいつらとは戦わん。
戦いながらできるだけプルトンに近付き、二体の弱った、または怯んだ隙を突きプルトンに全力の「焔弾」だ!
召喚を維持できなくなれば後はいくらでも弾を撃ち込んでやろう!
ボゴ・ソート
先手を取られる? そりゃあ大変だ!
急いで水中に飛び込むとしよう。
俺のボディは[氷結耐性]付きだ。宇宙空間の絶対零度に比べたら氷の海なんてどうってことないぜ。
「ザ・サンシャイン」の炎を光は、周囲にある大量の水と持ち前の[火炎耐性]で軽減する。
「ダイヤジャイアント」は肉弾戦でも仕掛けてくるのだろうか?
だが俺は[水泳]も得意なんだ。泳いで攻撃をかわすぞ。
「スーパープルトン」のいる流氷の下まで辿り着いたら【超音波】で氷を観察、壊れやすい場所を見抜いて[怪力][トンネル堀り]パンチで氷ごと叩き割って反撃する。
「宇宙は俺のホームグラウンドだ! 帝国軍の名に懸けてやっつけてやる!」
ナミル・タグイール
なんで船の中なのにこんな寒いにゃー
ナミルはモフモフだから平気だけどにゃ。海には落ちたくないにゃ
相手がパワーアップならこっちもパワーアップにゃ!
骨が武器なんて弱そうにゃ。金ぴかのほうが強いデスにゃ!
呪いの金ぴか斧をぴかぴか輝かせて本気モードにゃ
モフ度があがるけど寒かったし丁度いいデスにゃ
金ぴか斧で骨受け止めるにゃ。ちょっとくらい刺さるのは我慢にゃ
風は斧や爪をさして踏ん張って耐えるにゃ!
口は気をつけるにゃ!【野生の勘】でやばそうな攻撃だけ回避にゃー!
金ぴか食べられたくないにゃ!斧から溢れる呪詛でも勝手に食べてろにゃ
致命傷以外は気にせず流氷ぴょんぴょんして突撃しまくるにゃ!
呪詛でバグったりしろにゃー
アス・ブリューゲルト
基本、攻撃は受け流すのを目標とする。また、その身に受けても構わない気概で向かう。
実際には、先制攻撃のフェイントを交えただまし討ちなカウンター(咄嗟の一撃と捨て身の一撃も加味しての)を狙う。
攻撃が敵の方が早ければ、覚悟を決めての武器受けと盾受けで攻撃をいなしてダメージを少しでも軽減したい。
攻撃のチャンスが来たら、鎧砕きと傷口をえぐる、それに毒使いの属性を付けての脚部展開「UC(攻撃力重視)」を発動して、少しでもダメージを出したい。
「姉が言っていた。死ぬのは使命を果たしてからだとな」
「貴様ごときに負けてたまるか!!」
「貴様はココで堕とす!!」
※共闘・絡み歓迎。その場合は相手に合わせる。
ジャスパー・ドゥルジー
「団体戦」だってサクが言ってたな
なら俺は奴の召喚した眷属どもを引きつけよう
目立つ位置を陣取って先制で召喚された奴らの攻撃を【かばう】
いつもの事ながら負傷は【激痛耐性】でスルーさ
考え無しに受けてるように見えて
致命傷はちゃんと防いでるって
このちーせェナイフでな
受けた傷の血を燃やして全身を炎で包む
【ゲヘナの紅】だ
双子の眷属は本体を叩けば消える
他に狙っている奴がいたらそいつに任せ
俺は引き続き双子の引き付けを担当
炎の使い手だろうが超越する
ダイヤの体だろうが溶かす
俺の「炎」をご覧あれ
燃える体で格闘戦
ああ、勿論
本体狙いが他にいなけりゃ俺が本体を叩きに行くぜ
その辺はケースバイケース
団体戦の醍醐味だろ?
佐那・千之助
炎熱のオーラ防御で寒気ブロック
この身に宿るは地獄の炎、零下50度も何のその
同道の者が居れば温めよう
足場の流氷は溶かさないようほどよく調節
小さな浮島に立ち
先制攻撃への対策は愚直に避け・防御
第六感で敵の行動を予測し
別の浮島に飛び退る
降り立つ足場の悪さにツインズが体勢を崩せば儲けもの
それが駄目でも攻撃弾く火花に変えたオーラ防御纏い
盾に変形した黒剣で攻撃受け
反撃先はツインズでなく本体
あんな足場の悪いところに立って…誘っておるの?
敵本体の足場諸共にUC炎を見舞う
氷河に落ちて一瞬でも身動き封じられれば敏腕な仲間が放っておかぬじゃろう
ツインズが消えれば早業で黒剣を炎纏うハルバードに変え
鋼の身体、砕きに参ろう
フィランサ・ロセウス
召喚されたダイヤジャイアントの体が本物のダイヤと同じ性質なら、ザ・サンシャインの攻撃に巻き込まれたら炭になっちゃうわね?
ダイヤジャイアントとはなるべく近い距離を維持して、サンシャインに対する盾にするわ
それにダイヤは傷には強いけれど、衝撃には案外脆いのよね?
持ち込んだハンマー(D.I.Y.)で思いっきりぶん殴ってあげる❤
そうして敵がひるんだ隙にスーパープルトンの居る流氷にニンジャ・フックシューターを引っ掛けて大ジャンプ!
こんどはスーパープルトンを盾にして攻撃させない
さあ、迂闊に流氷を壊せば貴方達の主人も一緒に氷河にドボンよ?
まあ貴方達がやらなくても、私が彼を“好き”にするんだけどね❤
チトセ・シロガネ
オゥ、メニーにピープル……。
ヒーローを使ってくるなんて恐ろしいユーだネ!
ボクの相手はそこの光り輝くユーとダイヤボディーのユーかナ?
第六感でユーたちなんかレーザーを撃ってダイヤの体で偏光、拡散とかしそう。
道具が不調にならないよう氷結対策はしておくヨ。
戦法は空中浮遊で移動しつつ、遠距離攻撃の減衰、近接戦のかく乱のために念動力で水しぶきを発生させる。
基本は第六感と早業で回避、それでも当たりそうなら『ムラクモ』とオーラ防御で弾くヨ。
その間にUC【神威体系】を発動、さらに速度を上げるネ。
発動後は相手の攻撃を弾く時にカウンターを仕掛けるネ!
弾いた攻撃がスーパープルトンのユーに飛んでいくよう仕向けてみるネ。
リア・ファル
WIZ
アドリブ共闘歓迎
スーパープルトンの好きにさせない、やるよ!
・防寒対策
『コードライブラリ・デッキ』から、炎と風の魔術を精製
自身や装備に付与して暖房効果を得る
・先制対策
2体で挟まれたら厄介だ
『イルダーナ』で距離を取りつつ、
ジャイアントは『グラヴィティアンカー』で動きを牽制
サンシャインの炎と光には『セブンカラーズ』から
氷と闇の属性弾で対抗
(属性攻撃、操縦、逃げ足、時間稼ぎ、ロープワーク)
・反撃
UC【空間掌握・電影牢】を発動
制御空間に一瞬で罠を仕掛け
ジャイアントをサンシャインの炎の前にさらす
ダイヤも高熱の前には炭化するだろう
サンシャインには氷河の流水と氷柱の槍で攻撃
怯んだらプルトンに一撃を与える
ヘンリエッタ・モリアーティ
【日食】
ご機嫌いかが、宇宙人
「ダークヒーロー・ウロボロス」です
お前の仲間を呼んで頂戴。話はそれからよ
完膚なきまでに殺しつくす
私のつがい、その「太陽」はお前が呼び出す「ヒーロー」ごときどうってことない
炎使い?「あんなやつの」炎くらい「飲み込んで」やれ。灯理
――灯理の太陽でヘイトを取ったのなら、鳴宮には確実に「生物が恐怖する場所」を撃ち抜いてもらう
できるでしょう、鳴宮。「ネームレス」の補助が回る今でなら、撃ちぬけるはずだわ
私は、【狼谷の戦乙女】を発動します。永縁刀「紫衣紗」を握って、全員
――文字通り複製した私の数込みで「秒間60回の速さで切り刻んで」やる
細切れの時間よ
――絶えて死ね、クソエイリアン
鳴宮・匡
【日食】
オーケー、いつでもいけるぜ
……名乗るような大層な役者じゃないけどな
召喚される存在それぞれの特性は事前に聞いてる
数がいるということは連携をしてくるだろう
その“起点”を【見切り】、それを阻害するように攻撃して
相手の先制攻撃を機能不全にしてみせる
プログラムの支援を受けてから反攻に転じよう
【六識の針】で視覚を強化、動体視力と深視力に重きを置き
相手の動きと彼我の距離を仔細に観察・把握
鎧坂の呼び出す熱光球に僅かでも怯んだなら
“六体全ての”「両目」および「喉」「腹」を
それらが“同時に”着弾するように狙って撃つ
“同時に「全員」の動きを止める”のがオーダーだからな
――仕上げは託すぜ
頼むよ、ヒーロー
鎧坂・灯理
【日食】
ようやく出たな幹部二体目
どうも、ウロボロスのつがいです
貴様らを鏖殺しに来ました
塵も残さず焼いてやる
お任せあれ、マイヒーロー
起動【日華舞陽】 踊れ小さな太陽たち
十個ずつ部下共へと突貫 一つは本体へ飛べ
百メートル超の高熱プラズマ球だ 無視出来ないだろう?
全てを飲み込み焼き尽せ 食らわれたならば内から燃やせ
これだけ熱源があれば寒さなど問題になるまい
「味方は」焼くほど熱く感じないしな 「味方の攻撃」も焼かない
だから「突っ切れる」のさ
ハティも、鳴宮殿の弾丸もな
この錚々たるメンバーを見ろ
過去の栄光が叶うわけがないだろう
他人のふんどしを借りるしか能の無い腑抜け野郎め
塵は塵らしく宇宙に散らばるがいい
ヴィクティム・ウィンターミュート
【日食】
さ、始めようか
ニューロンの弱ェ雑魚にはご退場願おう
スマートじゃない演者がいちゃ、舞台が冷める
『ネームレス』の業、ご覧あれ
自身の大脳、網膜、神経、甲状腺サイバネに【ハッキング】
出力を限界突破、知覚と反射、身体能力を向上させる
マジェスターズを召喚しての攻撃を【見切り】で軌道を読み、【早業】で素早く回避する
じゃ、こっちの番だな
セット、レディー…『Heroes』
対象、ヘンリエッタと匡
守護障壁展開、スピードブースト付与
ムーヴ・リピートの最適化を実行──完了
あらゆる障害から護り、あらゆるものを置き去りにし、あらゆるものを殺せ
英雄、ここに在り
匡!ヘンリエッタ!鎧坂!
この宙に果てに、飛ばしてやりな!
ヴィクトル・サリヴァン
氷河ねえ。俺は南国育ちだからそこまで得意じゃないけども、寒い方が得意な同類のが多いね。
それはそうと殺した相手の力を奪う相手、でもそれを扱う経験はどのようなものかな。
確実に切り崩していきたい所だ。
接敵したら氷河に飛び込み潜り敵の攻撃を回避、ちょっと冷たいけど外気温よりは温いので問題なし。
そのまま水中でUC発動し、氷と竜巻を合成しスーパープルトン達へと向かわせる。
攻撃としては少々不足、けれど足元の氷はどうかな。
敵達の足場の氷を思い切り揺らして召喚者を揺さぶり、できた隙を狙って本体へと銛を投擲、ダメージを与え召喚解除させる。
全員同時に崩される範囲の攻撃には弱いんじゃないかなと。
※アドリブ絡み等お任せ
●第1章 『極寒地獄!! 氷河にて猟兵たちを待つスーパープルトンの計』
「ギシャシャシャシャ! ヨクキタナりょうへいドモメ! ココデアッタガヒャクネンメダ、イキテカエレルトオモウナヨ!」
宇宙母船への突入を果たした猟兵たちは遂に、氷河のただ中で喚くスーパープルトンとの邂逅を果たしていた。
しかして話に聞いていた通りの光景が広がっていることにナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は思わずぼやかずにはいられない。
「だからってなんでわざわざ氷河なんだにゃー。いくらモフモフでも、こんな冷たそうな海には落ちたくないデスにゃ!」
「これは……確かに生身で落ちるのは避けたいな。まあ、猟兵であれば死にはしないだろうが、心構えの問題だ」
アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)はフォースセイバーを構え、宣戦布告する。
「スーパープルトンよ。覚悟はよいか!?」
「シャシャシャ! デキルモノナラヤッテミルガイイ!」
見る間にスーパープルトンの姿が変わり、足元から逆巻く風と体を覆う鎧のような骨、そして禍々しく開いた顎からは獰猛な牙が伸びてゆく。
「マズハこうげきりょくノキョウカイッタクダ! センテヒッショウ! イチゲキヒッサツ!」
「ならば――」
先制攻撃のフェイントに入っていたアスは即座に覚悟を決めると、フォースセイバーの腹で迫りくる拳を受け止め――その重さに奥歯を噛みしめる。
「く……おおッ――!!」
いなしきれるか?
流氷の上を踵が滑り、辺りに氷の破片をまき散らす。
「負けてたまるか……! 姉が言っていた。死ぬのは使命を果たしてからだとな!」
「ギョギョ!」
敵の力を利用する形で、アスはフォースセイバーを僅かに傾けるとスーパープルトンの拳を後方へと受け流した。
「敵の体勢が崩れている。いまなら――!」
「よーし、ナミルの本気を見せてやるにゃ!」
ぴっかぴかに輝く金の斧を振りかぶり、強化された骨ごと砕く勢いでナミルはそれを振り下ろした。
スーパープルトンの脳天をかち割りにいった一撃は――手ごたえ有り。長い睫毛を瞬き、快哉を上げる。
「ほら、やっぱり金ぴかの方が強いのにゃ!」
「ギャー! ワレノアタマガ! オノレヨクモ!」
「ふにゃー、モフモフの毛並みが乱れるにゃー」
ナミルは氷に両手をつき、爪を立てて暴風を耐える。ぎゅっと両目を閉じて、ヒゲがはためくくすぐったさを我慢する。
「なんてひどい暴風だ……! これじゃ、ますます寒くなっちゃうよ。コードライブラリ・デッキ展開。炎と風の魔術で空調を制御するよ」
リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)の精製した魔術によって周囲の空気が一定の温度を保ち始めた。
「ホウ! ベンリナマジュツダナ! ダガ、ワレノアヤツリシついんずニハカナウマイ!」
「来た、ツインズね。2体で挟まれたら厄介だ。気を付けて?」
「うむ! 炎と光を操る奴にダイヤの体の奴か。逃げ場を失えば海に落とされてしまうかもしれん……うう、寒いの得意な俺でも流石に寒中水泳はごめんだぞ。そうならんように亜儀流野珠、推して参る!」
亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)がゆったりと仰いだ扇から見る間に炎が噴き出した。
「!?」
怯んだのは鉱石の体を持つダイヤジャイアントである。
にやりと珠はほくそ笑み、舞うように旋回してさらなる火風を送り出す。ザ・サンシャインの炎と正面からぶつかり合ったその余波でかき消された光が拡散。
「ナンダト! エエイマダダ、モットモットモヤシテヤル――ナンダ、コノミズシブキハ!?」
「ユーの安易なやり口なんてミエミエなのサ。そもそもこの戦場はユーにとって不利なんじゃないかナ? こんなにも水があったらこういう使い方もできるよネ」
「ギョ……!?」
突然、目の前を水飛沫の壁で遮られたスーパープルトンは驚いて飛び上がった。空中に舞った水滴が見る間に凍り付き、念動力を使ってそれを引き起こしたチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)の不敵な顔が結晶面に反射する形で映し出される。
「! 来るヨ、読み通りネ」
チトセは空中浮遊中にブレーキをかけ、ダイヤジャイアントの体を通して拡散する光撃を小刻みに回避。それでも避けきれない分をムラクモの一閃で跳ね返した。
「これでどうだ!」
戦場を迸るリアのアンカーがダイヤジャイアントの体を引き倒してレンズの役割を果たせなくする。
「炎には氷が勝つっていうのには同意だよ。セブンカラーズ、ロックオン!」
イルダーナに騎乗して十分に距離をとったリアのリボルバーから撃ち出されたマグナム弾が、凍気と暗澹の申し子たる竜巻を浴びせてザ・サンシャインを足止めた。
「食らえ、奥義『焔弾』!」
逆巻く炎が珠の手元より出で、突き出した拳を発射台に超圧縮された狐火の弾丸が放たれる。
「バカナ!」
驚愕するスーパープラトンの目の前でツインズは着弾と同時に膨れ上がった狐火の爆発に巻き込まれ、立往生してしまった。
「ビンゴ! ザ・サンシャインの攻撃に巻き込まれたらダイヤジャイアントは炭になっちゃうわね? だとすれば、こうよ!」
フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)がもぐり込んだのは、ダイヤジャイアントを挟んだザ・サンシャインとの対角線上。
即ち、盾である。
「!!」
「――!!」
すかさず炎を差し向けるザ・サンシャインに向かってダイヤジャイアントが両手を上げてブンブンと首を横に振って拒否。
「チャンス! みんな知ってた? ダイヤは傷には強いけれど、衝撃には案外脆いのよ。だから、こうして――」
その辺で適当に拾ったハンマーでフィランサは思いっきりダイヤジャイアントの頭に狙いをつけた。
「ぶん殴るってわけ!」
もんどりうって倒れる相手に、フィランサは笑顔でガッツポーズ。
「それ、いまのうちだ!」
「うん。ちょっと冷たいけど、外よりは温かいから問題ないね」
ボゴ・ソート(ウォーマシンのシーフ × 探索者・f11583)は帽子を押さえ、どぼんと水中に飛び込んだ。
ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は軽く屈伸してから、ヒレを頭の前に突き出して音もなく水中に潜る。
思わず身が竦む程の冷たさも外気に比べればむしろ温かいくらいだ。それにボゴのボディは宇宙空間の絶対零度にすら耐えるすぐれもの。
「おっと! ほらほらこっちだぜ、どこを見てるんだい?」
ダイヤジャイアントのロケットアームを、ボゴはすいすいと泳いで避ける。
「グヌヌヌヌ! ナニヲヤッテイルついんず! サッサトタオシテシマワヌカ!」
スーパープラトンの命令を受けたザ・シャイニングが海面へと撃ち込んだ炎弾は冷たい海水に阻まれてその威力を果たしきれず、逆にヴィクトルが巻き起こす氷と竜巻の合成技の方が流氷ごと揺らしてスーパープラトンたちをずぶ濡れにしてしまうほどだった。
「アガガガガ! カ、カラダガコオッテミウゴキガトレヌ……ン? ナンダコレハ、アシモトのコオリガユレテイルノカ!? オ、オチル! ……ハッ!?」
慌てて斜めになった氷にしがみつくスーパープラトンの頭上を、フックワイヤーを巻き取りながら跳躍したフィランサが飛び越えた。
「着地成功、十点満点! さあ、迂闊に流氷を壊せば貴方達の主人も一緒に氷河にドボンよ?」
敵を盾にとったフィランサは横にしたVサインを目の前に当ててウインク。
当然、ツインズはスーパープラトンが被弾しないよう攻撃を控え――ることなく、攻撃をぶっ放す。
「ゲゲゲ!!!!!」
腐っても敵の幹部であるスーパープラトンはこれを躱そうとして逆に体勢を崩した。
(「ふむふむ。ここらへんかな?」)
その頃、水中ではボゴが流氷の壊れやすいところを見抜き、「せーの!」で拳を叩き付けていたのである。帝国軍の名にかけて、ホームグラウンドである宇宙を荒らす奴らは許さない――!
「ア、アシバガ!」
足元の氷をたたき割られ、空中へと投げ出されたスーパープラトンをヴィクトルの投擲した銛が貫いた。
「思うんだけどさ。やっぱり、殺した相手の力を奪って使うには経験値が足りないんじゃない?」
ヴィクトルは水面から頭だけを出すと、悪気のない感じで尋ねる。
「グギギギギ! ソノナマイキナクチヲキケナイヨウニシテヤルゾ!」
スーパープラトンはカッと鋭い眼光を発すると、傷口を手で庇いつつ、別の流氷へ着地した。
「そろそろ温まってきたな。よければ裾分けを……と思うたが、おぬしには不要なようじゃな? ふッ、この身に地獄の炎を宿す私と同じ匂いを持つ男と同席するとは、おもしろき偶然よな」
まるで上質な紗を纏うような素振りで炎熱のオーラをくゆらせる佐那・千之助(火輪・f00454)の流し目に、珍しく未だ無傷のジャスパー・ドゥルジー(Ephemera・f20695)は冗談めかして舌を見せた。
「これも何かの縁だ、左の奴は任せて構わない?」
「ああ。人の盾となるが天命のこの身よ。共に目立ってやるとしようかの」
千之助は摺り足を使い、後方の浮島へと飛び移る。再びツインズを召喚していたスーパープラトンの嗾けるザ・サンシャインを涼やかな顔で引き付けた。
同時に、ジャスパーは氷を蹴って前へと飛んでいる。滑空する赤い翼は格好の的だ。
「ヤッテシマエ! だいやじゃいあんと!」
「はン、どっからでもかかってこいやァ!」
当然、ジャスパーの行動よりもダイヤジャイアントのアッパーが繰り出される方が早い。
されど、ジャスパーはその先を読んでいる。
何故ならば、彼が選んだのはゲヘナの紅だから――その効果は、“自身が敵から受けた”【傷や『怒り』の感情の強さ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得ること――。
「へへッ、考え無しに突っ込んでるよーで案外ちゃんと仕込んでるんだぜ? クレバー&クレイジーな戦いっぷりをとくと味わってくださいなァ!!」
吐血しながら叫ぶジャスパーの手には、ほとんど掌に隠れてしまいそうなほどの小さいナイフがぎりぎりのところで急所をダイヤジャイアントの拳から守り切っていた。
愉悦に歪む唇から零れる血滴と抉られた脇腹から吹き出す血潮が混ざり合い、地獄から蘇る翳火の如くに周囲の空気を滲ませる。
「グヌヌ! ナニヲヤッテイルついんず! ハヤクヤッテシマエ!」
「そう急かすな。ゆっくりと相手をしてやろう」
軽やかに浮島を移動する千之助の後を追って着地したザ・サンシャインの足元が揺らいだのを、彼は見逃さない。
「好機」
バランスを崩した氷上から放たれる光線は、纏う火花で軽くいなすだけで方向を狂わされる。手に提げた黒剣が形を変え、盾となって背後にいる他の猟兵たちを守った。
「どうやら気づいていないようだが、おぬし、丸裸じゃぞ?」
「ハッ!」
ツインズをけしかけるのに夢中になっていたスーパープラトンは、肝心の自分が無防備になっていることを今更ながらに知ったのだった。
「袋のネズミにするはずが、まんまと追い詰められたご機嫌いかが、宇宙人。さあ、お前の仲間を呼んで頂戴。話はそれからよ」
永遠竜の紋が刻まれた黒刀を手に、どこか気だるげでいながら抜け目ない銀の双眸を持つヘンリエッタ・モリアーティ(Uroboros・f07026)の、それが最初の挨拶だった。
「イワレナクトモヨンデヤロウ! まじぇすたーずタチヲドウジニアイテニシテカテルカナ!? イデヨ、マジェスティック・アッセンブル!」
炎、風、骨、貪、鉱。
スーパープラトンに力を奪われた古のヒーローたちがこの世に蘇る。だが、ヘンリエッタはそれがどうしたと言わんばかりに吹きこぼれるような微笑みを見せた。
「悪いけど、私のつがい、その『太陽』はお前が呼び出す『ヒーロー』ごときどうってことない。――『あんなやつの』炎くらい『飲み込んで』やれ。灯理」
「お任せあれ、マイヒーロー」
鎧坂・灯理(不死鳥・f14037)が凛々しく差し伸べた手のひらに浮かぶのは、灼熱の小さき太陽。踊れ、と中空に浮かべた極熱の球体が瞬時に分裂してそれぞれの敵へと差し迫る。
「百メートル超の高熱プラズマ球だ、無視出来ないだろう? 全てを飲み込み焼き尽せ。もし、食らわれたならば――」
ふ、と息をつき、軽く指先を握り締める。
「――内から燃やせ」
貪り食らう咢に呑まれたそれは、瞬く間に内部からアバドンボーイの身体を溶解せしめた。
不死鳥の異名は伊達ではない。
円環を司る竜のつがいは、永遠に死なぬ紅蓮の鳥にこそ相応しかろう。
「狙いは、確実に『生物が恐怖する場所』よ。できるでしょう、鳴宮?」
「オーケー、いつでもいけるぜ」
自らも他に畏れられるほどの二つ名を持ちながら、鳴宮・匡(凪の海・f01612)はどこまでも目立たぬ普通の男で在り続けようとする。
それぞれの特性は事前にブリーフィング済み。
そして、数がいるということは当然の帰結として連携を行ってくるはずだ。
その“起点”は何処か?
異邦人の愛称で呼ぶ自動式拳銃を目の高さまで上げた匡と、永縁刀「紫衣紗」の鞘を投げ捨てるヘンリエッタの正面に電脳魔術による守護障壁が展開。本体より分かたれた光膜がスキャニングのように2人の全身を透かしながら通り抜けた。
「セット、レディー……『Heroes』。対象、ヘンリエッタと匡。ピードブースト付与。ムーヴ・リピートの最適化を実行──完了」
電脳ゴーグルを装着したヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)の口元に笑みが浮かぶ。
神経の隅々にまで行き渡るサイバネットシステムを自らハッキングし、限界まで向上した感覚器官及び身体能力を駆使しての高速戦闘に所詮ユーべルコードで再現されただけのヒーローたちがついていけるはずもない。
「さ、始めようか。ニューロンの弱ェ雑魚にはご退場願おう。スマートじゃない演者がいちゃ、舞台が冷めるとは思わないか? 俺の仕事は主役たちが華々しく活躍するための場作りさ」
故に『ネームレス』。
その御業はあまりにも自然に戦場へ溶け込み、最初からそこにはいなかったかのような挙動で敵の攻撃をすり抜ける。
「これだけ熱源があれば寒さなど問題になるまい。あくまでこの灼熱に焼かれるのはそれが敵である場合のみ。無論、味方の攻撃を邪魔することもない。即ち、『突っ切れる』というわけだ。ハティも、鳴宮殿の弾丸もな」
赫々と戦場を照らす幾つもの熱光球が敵の影を打ち消している。強化された匡の視覚は僅かな敵の動きやその武器となる体の仔細な情報を余すところなく把握すると同時に分析。
「あらゆる障害から護り、あらゆるものを置き去りにし、あらゆるものを殺せ。英雄、ここに在り」
白い息を吐くヴィクティムの唇から滔々と語られるのは、これから始まる鏖殺しの前口上だ。張り巡らせた障壁が時空を歪ませ、物理法則を組み替える。『ネームレス』の補助を介した匡の指先がトリガーに触れた。
「匡! ヘンリエッタ! 鎧坂! この宙に果てに、飛ばしてやりな!」
――引き金が引かれる。
ヴィクティムの守護障壁を弾丸が貫通した瞬間、それは四次元的な作用によって複製され放射状に増殖。展開。
その数、本体を含めて63。
「他人のふんどしを借りるしか能の無い腑抜け野郎め。塵は塵らしく宇宙に散らばるがいい」
灯理の双眸に映る弾丸の群れが6つに分かれたかと思った刹那、更に3つごとに分裂して飛翔する。
「ヒェッ!!」
スーパープラトンの両目と喉、腹部を同時に射抜いたのみならず。他の5体もまた、同じ場所を“同時”に撃ち抜かれていた。
戦乙女となって駆ける最中、ヘンリエッタが囁いた。
「さすがね、匡。オーダー通りよ」
「――仕上げは託すぜ。頼むよ、ヒーロー」
自動的に排出された薬莢が微かな火薬の匂いを後引きながら凍り付き、ゆっくりと舞い落ちる。
独壇場。
そのどこか孤高で後には引けぬ響きを持つ言葉を、黒き英雄に捧げよう。
「細切れの時間よ。――絶えて死ね、クソエイリアン」
懐へと飛び込んだヘンリエッタの、秒間60回もの速さに複製された剣閃がマジェスターズごとスーパープルトンを切り裂き、猛烈なる爆破を呼んだ。
「バ、バカナ! ワレノまじぇすたーずガコンナニモアッケナクヤラレルトハ! シンジラレン!」
愕然と震えるスーパープルトンは満身創痍だった。
ここまで追い込まれるなど想像もしていなかったに違いない。流氷から跳躍した珠の手元から、扇状に放たれた焔弾が迸る。
「猟兵を舐めるからさ。一気に畳みかけるぞ!」
「イエス、天を切り裂く雷鳴の魂をユーに見せてあげるヨ!」
速度を上げて並走するチトセの通り抜けた後には、触れるだけで痺れるほどの帯電した空気が残された。
「弾けろッ!!」
珠が握り締めた拳を天に向けて突き上げた瞬間、圧縮されていた狐火が一気に燃え上がって火柱と化した。
「アチチチチチ!! クソ! モウイッカイダ!!」
すぐさまツインズを召喚し直すも、待ち構えていたチトセのムラクモがザ・サンシャインの放ったレーザーを小気味よく跳ね返す。
「ジャスト……!」
急ブレーキをかけ、長い髪を静電気に孕ませながらにやりと唇の端を吊り上げる。
「バカナ!」
弾かれた攻撃が自分目がけて飛んでくる。
スーパープルトンは信じられない思いでレーザーの直撃を受け、情けない悲鳴を上げた。
「まだまだまだまだ!」
まるで百裂拳のように拳を繰り出し、珠は大盤振る舞いで弾を撃ち込んでいく。
「ナ、ナゼカテナイノダ! コンナノハマチガッテイル!」
激しい爆発の中でスーパープルトンは悔しげに叫んだ。嘆くように開かれた顎が音を立てながら変形してゆくのを見たナミルが反応してぴんと尾を立てる。
「口は気をつけなきゃだめにゃ! 金ぴか食べられたくないにゃ!」
「スーパープルトンの好きにさせない、やるよ!」
「にゃー!」
「空間掌握・電影牢発動!」
リアの合図でダイヤジャイアントの周囲に脱出不可のサイバースペースが構築される。
「相打ちしちゃえ!」
ザ・サンシャインの前に引きだされたダイヤジャイアントを高熱の炎が包み込み、一瞬で炭化。
「狙い通り!」
立て続けに撃ち出した属性弾の一つは氷柱の槍となってザ・サンシャインを貫き、もう一つは――完全に油断していたスーパープルトンに着弾してたたらを踏ませた。
「にゃははっ、もらったにゃー!」
黄金の軌跡を描いたナミルの斧になぎ倒されたスーパープルトンの体が呪詛に蝕まれていく。
その複眼のような双眸に必死の色が浮かんだ。
「マケル? マケルノカ? ソンナハズハナイ! ワレガハイボクスルナドアッテハナラヌノダ!」
だが、残る力を振り絞って呼び出したツインズの前に割り込み、その進撃を阻む男がいる。
「往生際がわりーぜ、プルトンさんよォ。そーいう悪あがきな期待は俺の『炎』で滅却してやんぜェ――!!」
両手をダイヤジャイアントのそれとがっちり組み合わせ、正面からの力比べに挑むジャスパー。助けに入ったザ・サンシャインの光熱さえ超越するほどの炎は見る間にダイヤの身体を溶解し、そのまま抱き潰すような形で抑え込んだ。
「ご覧の通り、頼りのツインズは助けに来ぬよ。……それよりその足場、かなり安定が悪いように見受けられるが……誘っておるの?」
千之助が意識を向けた途端、スーパープルトンが足場ごと激しく燃え盛った。完全に不意を突かれた形で、水中へと投げ出される。
「ヒャバババ! ツメタイ!」
「貴様は我々がココで堕とす!!」
攻撃のチャンスを計ったアスが跳躍。
脚部の封印を解き、内臓された兵器を露わにして敵へと圧し掛かり、外殻を砕いて毒を注入する。
間を開けず、炎纏うハルバードと化した黒剣の鋭い穂先でその鋼の身体を砕いた千之助の唇に戦勝の笑みが象られた時、極寒の氷河に設定されていたフォーミング情報が解除されて辺りは通常の宇宙母船内の光景に戻ったのだった。
大成功
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