アースクライシス2019⑮〜摩天楼駆ける漆黒の死
「ヒーローズアースでの連日の戦い、誠に激しいものとなっているな」
その中で集まってくれたことに感謝する、と仙堂・十来はまずは深く頭を下げた。
「そして――マンハッタンにて強力な敵、『ダークポイント』が発見されたのはおそらく聞いていると思う。皆に頼みたいのは『ダークポイント』の討伐となる」
ダークポイント、ヒーローもヴィランも殺す謎の存在であり、無音にして高速、そして無制限の射程を持つ狙撃で死をもたらす暗殺者。
ヒーロー達の活躍によって発見された彼はマンハッタンの高層ビルを駆け巡りながら、気づかれる前に猟兵を先制射殺しようとする。
「初撃さえ防げば反撃のしようもあるのだろうが、まずは敵の一撃を防ぐ手立てを用意して挑む必要がある。対処のない状態で食らってしまえば、猟兵といえど撤退を余儀なくされるような相手だ」
無論、初撃を何とか防いでも速い、見つからない、そして当たると痛い、みたいなハイパー厄介な相手ではあるが、それでもまず戦いに持ち込める。超遠距離からの一撃必殺を基本戦法とする相手にとっては、もはやそれを防がれて姿を確認されるというだけで予定外となるはずだ。
「猟兵にしか相手できないような強力な相手でもあり、このダークポイントを倒しきれるかどうかで戦いの局面に与える影響は大きい。――野放しにしておくにはあまりに危険な敵でもある」
そして復活を繰り返すオブリビオンではあっても、幾度となく戦えばその存在を消耗させ、倒すことができる。
「どうか、その戦いの一角を貴殿達に託したい。困難な戦となるだろうが、よろしく頼む」
集まった猟兵達に深く頭を下げて、十来はヒーローズアース・マンハッタンへのワープ準備を開始するのだった。
炉端侠庵
こんにちは、炉端侠庵です。
アースクライシス2019戦争シナリオ、ダークポイント戦をお届けします。
●今回のプレイングボーナス条件
『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるため、その一撃をどうやって捌くなりかわすなり何とかする手を考える必要があります。
無論、かわしそこねると超痛いです。
●ダークポイント
それぞれのユーベルコードの特性と共に、以下の特徴をフル活用してきます。
『無音』
『高速』
『無制限射程』
『黒い』
かなりの強敵ですが、皆さんの発想力がダークポイントの狙撃を上回るのを楽しみにしています。
よろしくお願いします!
第1章 ボス戦
『ダークポイント』
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POW : ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラモート・レーパー
「ハハハ!ハハハ!ハハハ!(平常運転)」
空軍基地から音速機を借りパクしてUCで突撃だ!死にたかねえから、UC【大法螺吹き】で一人チキンレースで敗北だおら!
UC対策
POW:音速機の表面温度は空力加熱対策で熱に耐えれるように出来てるが、影響出る前に突撃できるんじゃねえかな?
SPD:自分に当たる前にソニックブームで吹き飛ばす!
WIZ:この行為が自殺行為で無くて何ていえばいいんだ!
(UC【万人の理想像】【夜の領域】で姿等をUCが少し使えるくらいの一般人に変え、Jと名乗っています)
ニニニナ・ロイガー
何すかその能力チートじゃねぇっすか…
フォーミュラとその一味はこれだから…
はぁ…まぁボヤいても仕方ありません。
一先ず即死しないよう頭と心臓を守るっす。
『ドビーちゃん』に頼んで見えざる触手で防御してもらいましょう。
重傷だろうが何だろうが、とにかく生き残ればこっちのもんっす。
反撃は【見てはならないモノ】
狙撃手であるなら、こちらを常に捕捉して戦うはず。
見れば見れるほど正気を削るこの姿を補足し続ければ、
正気と判断力はガタ落ちって寸法っすね。
そのまま傷の補修を続けつつ、
攻撃が来た方向に全速力で突っ込んで殴る感じで行きますか。
そんな感じでよろしく頼むっすよ、ドビーちゃん。
さぁ、狂気の追いかけっこ開幕っす!
グリモア猟兵の説明を聞いた時、ニニニナ・ロイガーは思わずぼやいたものである。
「何すかその能力チートじゃねぇっすか……フォーミュラとその一味はこれだから……」
ほんっとな。
UDC職員として日常的にヤバいものには触れてるし、そもそもニニニナ自身ちょっと邪神の細胞植え付けられちゃった強化人間だが、『ヤバいオブリビオン』ともなればまた別格である。
――で。
「はぁ……まぁボヤいても仕方ありません」
もうその『ヤバいオブリビオン』の1体、ダークポイントの領域たるマンハッタンの高層ビル街に、ニニニナは到着しているわけである。
一見、暗殺者のテリトリーにただ何もせず足を踏み入れたかのような無防備さで。けれど――、
音もなく、漆黒の炎がニニニナを包み込んだ。
「っは……!」
視線のみを媒介とし、予備動作もなしで相手を燃やす、まさに彼女の言う通りチートとでも呼ばねば割に合わぬような一撃。
けれどダークポイントは気付いただろうか。明らかに重傷を負ってはいても、その頭部と心臓部周辺の重要器官は見えざる『何か』によって守られたかのように、無傷であるということに。
「とにかく、生き残ればこっちのもんっす……!」
そして彼女は埋め込まれた邪神の細胞にして、もはや己の相棒でもある存在に呼びかける。
(この体、好きに使っていいっすよ『ドビーちゃん』)
そして『ドビーちゃん』は可視化する。先程まで見えざる触手によって守っていた相棒の傷を埋め、補い、修復するようにして。
先程の炎は相手の視線を以て発動するが、それ以外でも狙撃手ならば常に標的を視界に入れるはず。
視界に入れば、触手を埋めて傷を癒やしたかのような姿が、見れば見るほどに正気を削り取る。正気と判断力が落ちれば、向こうとて自分の居場所を攻撃の起点によって晒すくらいのミスはするはずだ。
「そんな感じでよろしく頼むっすよ、ドビーちゃん」
早速、ニニニナとドビーちゃんは銃声に、その場を飛び退きながら振り向いた。
「はい?」
爆音。
「ハハハ! ハハハ! ハハハ!」
そしてその中からすら聞こえる爆笑。
「音速機の表面温度は空力加熱対策で熱に耐えれるようにできてっからな! 影響出る前に突撃できるんじゃねえかな!?」
何言ってるんだかわからないが、とにかくおそらく先程ニニニナを灼いたのと同じ、ダークポイントの漆黒の炎をぶち抜いて。
高層ビルの間をほぼ垂直に落ちてくるかのように、音速戦闘機が突っ込んできたのだ。
ダークポイントの真上から。
ライダーブレイク。
またの名をユーベルコード『これを人はひき逃げと呼ぶ』。
しかし音速で敵をアスファルトとのサンドイッチにしてみせた音速戦闘機は当然粉々である。借りパクってか返す気なかったと思うんだ。
「いってえええええ!!」
でもってその粉塵やら煙やら舞い上がる中から、一般人っぽいく偽装したラモート・レーバーが転がり出てきた。
「コメディアンでもこんなに身体張ったことしねえよ!」
うん。この『大法螺吹き』(ユーベルコード)だからギャグ描写のようなノリで既に立ち上がってるが、並の猟兵ならざるコメディアンなら身体張るを通り越して命飛んでる場面である。
それでもラモートに数秒遅れで起き上がってくるダークポイント。強い。
「まっさか味方に正気削られるとは思わなかったっすけど……」
ほんっとな!
だがしかし、まだよろめいてるダークポイントにとりあえずは。
「さぁ、狂気の追いかけっこ開幕っす!」
距離取られる前にまぁ一発、とばかりに全力ダッシュしたニニニナ&ドビーちゃんは、触手で作ったグーで思いっきりダークポイントを張っ倒したのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
村崎・ゆかり
初めまして。そしてお久しぶり。また会えて光栄よ、ダークポイント。
NYの地下鉄網と下水道網を利用して、ダークポイントが跳梁する摩天楼を目指すわ。この際、可能なら上空に黒鴉召喚で式を飛ばしておくけど、それで敵に気取られるなら止めておく。
飛鉢法で素早く移動する。地上の戦闘音が届いたら、浄玻璃紫微宮陣を展開。
摩天楼群を包み込む規模で大迷宮を生み出し、「無限の射程」を無効化するわ。
迷宮の構造は、他の猟兵にとっても都合よくなるように。
さあ、舞台は整った。そろそろあたしの出番ね。
「高速詠唱」「全力魔法」火の「属性攻撃」「2回攻撃」「破魔」で、不動明王火界咒を放つ。
黒炎は「火炎耐性」と「オーラ防御」で凌ぐわ。
ニューヨークに、カラスは極めて少ない。
かつては絶滅したとすら思われていたほどであり、今でも目撃されることは少ない。が、野鳥が少ないわけでは決してなく、むしろ公園などを中心に生息する種類は多いと言えるだろう。またビル街であっても特に鳩などは堂々たる様子で居座っている。
というわけで。
『黒鴉召喚』によって召喚された式神はカラスによく似た姿を、見つかりづらいのを生かして鳩の群れにしれっと潜ませる。
――ちょっとだけ、鳩に囲まれて肩身が狭そうに見えるカラス型式神であった。
その頃式神の主である村崎・ゆかりは、鉄の大鉢を超高速で飛ばしていた。世界でも有数の大地下鉄網、ニューヨーク市地下鉄。戦場付近で危険性が高く運休となっている路線は、ゆかりにとっては格好の移動経路となっていた。感覚を共有する式神の『目』と『耳』は、戦場がどの辺りか、またゆかりからどの位置に当たるかを探り、伝えてくれている。
――地鳴りのような轟音。
そして式神の聴覚が伝える爆発音。
「……凄まじい戦いぶりね」
無論、ちょうど音速戦闘機がダークポイント向かって突っ込んだ瞬間であった。
ともあれ既に戦場は間近、『飛鉢法』にて操る鉄鉢の速度を上げて真下に当たる位置まで駆けつけると、式神の視界から戦場を見下ろしてゆかりは詠唱を巨大なる地下網へと響かせた。
「急急如律令! 天に坐す北辰と傅く二十八の星宿を今この大地に降ろし、星界の彷徨のいや果てに、不浄を清め天の高みへと昇らしめん!」
ユーベルコード『浄玻璃紫微宮陣』――深く麗しい霊気を湛えた結界によって、摩天楼の群れを包括する規模で迷路を構築する。
古の呼び名にて北極すなわち北辰を中心とした天の領域を紫微宮と称し、また天の全体を二十八宿に分けた――すなわち清浄なる星空をそのまま呼び降ろしてさらに強く星を輝かせたような美しい迷宮視界。斜線を通すに当たって、元より優れた敵には不利に、逆に猟兵達からは敵の射程を絞り有利となるように。
「さあ、舞台は整った。そろそろあたしの出番ね」
すぐ近くにある駅経由で地下から飛び出すと、そのまま轟音の源へと向かう。すぐに迷路を構築したからにはまだ近くにいる可能性が高い。
「――!」
突然ゆかりを襲った、自らを傷つけたい、殺したいという衝動。引き抜いた符が己の手の中で燃え上がる――それでも咄嗟に炎を防ぐオーラと共に破魔の力をその手へと集めた。不浄を灼く炎が勢いを落とす。本来は自分の意志に従い消すことのできる炎は、だからこそ『自分の意志で』消せなかった。それでも浄化の炎だからこそ、魔を破る力が宿るのだと示せば勢いを緩める。
そして、迷宮内で『銃口を向けられる』位置は限られる――!
「ノウマク サラバタタギャテイビャク――」
咄嗟に振り向いて白紙のトランプを手首のスナップ効かせて連続で投げつけた先、思惑違わず炎が燃え上がり不浄なる漆黒のオブリビオンへと絡みつく。
「初めまして、そしてお久しぶり。また会えて光栄よ、ダークポイント」
改めて向き直りつつ、新たな符を抜く。
ダークポイントが身を翻してもまだ不動明王の力を宿した炎は燃え続けていたが、ゆかり自身の手を燃やしていた同じ炎はとうに消えていた――。
成功
🔵🔵🔴
宮入・マイ
あやちゃん(f12190)とっス!
幹部が出てきたら殴りに行く!
それがマイちゃん流っス!
囮作戦で行くっス!
おもむろに飛び出して…燃えたっス!
まぁ、中身はマイちゃんごと【謀り誑かす】で見えないように逃がすっスけど!
そのまま風景に擬態したマイちゃん一派であやちゃんを覆って…簡易迷彩の出来上がりっス!
これなら視界に入っても燃えた部分を捨てればあやちゃんにダメージはないはずっス!
接近は任せたっスよあやちゃん!
うまく接近できてたら飛び出したあやちゃんに敵が気を取られてるうちに『ロイコちゃん』をくっつけて幻覚プレゼントっス!
もうまともに狙いはつけられないっスよ〜!
でかいの1発お願いするっス〜!
きゃっきゃ。
天道・あや
マイさんと!(f20801)
よし!まず最初のボスは真っ黒なコートマン!凄い速くて百発百中の腕前でも過去の速さ過去の腕!追い付いて!そして追い抜かせて未来に行かせて貰うよ!
先ずはマイさんな任せてマイさんのUCで隠れて接近!そして接近したら最初にあたしは飛び出して敵の注意を引く!敵の視線をダンスで鍛えた身体能力と反射神経で見切って避ける!(存在感、見切り、激痛耐性)
そして避けながらフルスピードで接近して相手を捕まえる!(ダッシュ、ジャンプ、グラップル)スカイダンサーの!あたしのスピードなら追い付いて捕まえられる!
そしたらマイさんよろしく!そしてマイさんが仕掛けた後にあたしも捕まえながらUCを発動!
【今回のあらすじ】
「よし! まず最初のボスは真っ黒なコートマン!」
情熱のレッドと決意のブラック、愛用色のイチオシコーデでびしっとポーズを決める黒髪美少女天道・あやちゃん(154センチ)!
「幹部が出てきたら殴りに行く! それがマイちゃん流っス!」
メリハリ効いた色白ボディを微妙に旧式の芋ジャージに包み、ピンクのショートカットを揺らしてゆるく決めポーズを取る宮入・マイちゃん(217センチ)!
「凄い速くて百発百中の腕前でも過去の速さ過去の腕! 追い付いて! そして追い抜いて未来に行かせて貰うよ!」
元気いっぱい凸凹コンビ、漆黒の暗殺者に恐れることなく立ち向かう! 乞うご期待!
【あらすじここまで】
しかし流石元アイドル志望、今はスタァを目指すに相応しい見事な口上のあやちゃんであった。
デビュウお待ちしております。
で、まぁマイちゃんがおもむろに飛び出して!
燃えていた!
しかしこれは囮作戦。マイちゃんの命を代償とした必死にして必殺の一手――というわけではなく。
実はマイちゃんはいわゆる集合体タイプのバイオモンスターなので、外殻が燃えたとしてもユーベルコード『謀り誑かす』で中身は離脱、風景に合わせて擬態するとあやちゃんを覆って簡易迷彩の出来上がりである。
「こっそりいくっスよ! こっそり!」
「任せてマイさん!」
無論擬態していてもユーベルコード付きで視線を向けられれば燃えるのだが、燃えた部分を切り離して進む。ちなみに実際の接敵は覆われている側のあやちゃん担当である。
向こうが闇雲に視線を向けている状態なので、上手く回り込んで視線を避けつつ近づいて――!
「レッツダーンス!!」
ひょいっと滑り落ちたマイちゃんから同タイミングで気合を入れて飛び出すあやちゃん。敵が振り向こうとするのに合わせて屈み、そのまま視線が下がる間に斜め前にジャンプ、ダンスで鍛えた身体能力と反射神経で相手の視線を避けて避けて避けつつダッシュで接近!
(スカイダンサーの! あたしのスピードなら追い付いて捕まえられる!)
壁を蹴ってジャンプ、一瞬遅れてその壁が燃え上がった。自然落下ならば逃れられまい、と思わせたら勝ちだ、捻り入りの宙返りから咄嗟に身体を丸めて僅かに軌道を変え、さらにレガリアスシューズの圧縮大気を一気に噴射して接地前に再ジャンプ、加速、そしてその黒衣を手繰りダークポイントの身体を背後に回ってひっ掴む!
「よし、マイさんよろしく!」
「ぐっ」
まだ迷彩状態のままから手だけ形成してサムズアップすると、マイちゃんはさくっとダークポイントに『ロイコちゃん』をひっつけた。
マイちゃんを構成する数多の生命体――ありていに言っちゃうと寄生虫達の中でも幻覚作用を担当するのがロイコちゃんである。
「もうまともに狙いはつけられないっスよ~! でかいの1発お願いするっス~!」
「OK、『あたしの歌と想い! 世界に響け!!』いっくよーー!!」
世界に届けたい、さらには未来まで届けたい、と夢と願いを特大山盛りにした歌が、心を震わせる。
未来への道を照らすようなその歌は、殺意に特化した漆黒の存在を揺らがせ圧倒するに十分な輝きを戦場へと響かせた――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミスツ・シューパリツェ
オレも元ヴィランの身だ
お前に殺されたヴィラン共の借り、纏めて返してやる
事前に耐熱性機材を触手《機式》で喰らい
その触手で◆火炎耐性全方位壁を周りに作る
全方位なら視線は壁で受けるしかねぇ
耐熱特性で凌ぎ
すかさず当たった壁から触手《撃式》を出し閃光弾発射
直接◆目潰しできなくても
視線を閃光で遮れればいい
燃える炎は水ごと取り込んだ消火栓触手で広がらない内に消火だ
反撃
壁を解除して
UCで奴に必ずケジメ取らせるって意志で空を飛び
奴を最後に補足した方向へまっすぐ飛ぶ
短刀《跳ね兎》を奴の方に構え反射膜展開
黒炎や銃弾を防御して一気に突っ込む
射程に入ったら触手《撃式》の◆一斉発射から
◆捨て身の一撃で短刀を突き刺す
『耐火性』という以外に注文を付けていなかったためか、連絡しておいたゴミ処理場には合金やプラスチック、耐火断熱レンガといった多様な耐火性の廃材が集められていた。ミスツ・シューパリツェはそれらの廃材、ついでに水ごとの消火栓まで、次々に触手《機式》に捕食させていく。
ゴリ、と無機質な素材が擦れる音。有機体でありながら機械やゴミを捕食してその性質をも一時的に宿すという不可思議な触手を動かしつつ、ミスツは人間の手の形を模した別の触手を思い切り、爪があれば食い込むような強さで握り締めた。
かつて『彼』は、この世界の暴力組織幹部であり、ヴィランであった。己を捕食したモンスターを逆に意志力で精神乗っ取った結果、今はそのバイオモンスターの外見と性別で過ごす羽目になってしまったが。
ヒーローもヴィランも殺す存在というならば、ダークポイントはミスツにとって二重の仇だ。
ならば。
「お前に殺されたヴィラン共の借り、纏めて返してやる」
触手《機式》を己の全方位に展開、ドーム状の防壁を作り上げる。それから僅か数秒、その壁の表面で漆黒の炎が爆ぜた。
けれど次の瞬間、その壁から逆に強烈な光が閃く。射撃用の触手《撃式》が閃光弾を生成して即座に反撃に移ったのだ。
ざばり、と一気に水が落ちる音。耐火性を持った触手とはいえ幾分か燃え移った分を、消火栓の性質を持った《機式》で消し去って。
その水が地面へと全て落ちるより先に、触手の壁を解除し己の姿を現したミスツは『飛んで』いた。
(絶対ケジメ取らせてやる――!)
炎が燃え上がったのと同じ方向に閃光弾は飛ばした。視線を起点とする以上、燃え上がったのと同じ方向に奴はいるはずだ。『跳ね兎』と銘した短刀は僅かな時間ながら反射膜を作り出せる。長期戦ならば心もとないが、時速4500キロをキメられる直線飛行の最中ならば十分すぎるほどの防護だ。
真っ直ぐに突き出した短刀を中心に反射膜展開、黒炎も銃弾も弾きながら触手《撃式》を火器へと変成させ一斉に展開、逸れた銃弾をいくつか捕まえて自分用に生成して装填――射程に入った瞬間、一斉にそれが火を噴いた。
「年貢の納め時ってやつだ肚決めろォ――!」
意志力とスピードの全てを乗せた『ドス』は、確かな手応えを以てダークポイントの腹へと食い込んだ――!
大成功
🔵🔵🔵
鎧坂・灯理
【鋼色】神楽耶/f15297と
銃口を向けられて自殺衝動か
行動そのものが強制されるわけではないなら手は打てる
なぜなら私は絶対に、何があろうと、どうあったとしても、死にたくないからな
私の覚悟を崩せると思うな 絶対に死ぬものか
可能な限り迅速に『金烏』を使ってBPハックし、自分と神楽耶の脳から自殺衝動を取り除く
あとは神楽耶のサポートに努める
銃口を向けるならば射線が通る、つまり見える位置に現れるはず
『睚眦』で位置を見切り、怪力で『狻猊』を構え、スナイプする
向こうが撃ってくるなら神楽耶を抱えて『黄龍』で近距離転移
ゴキブリのような奴め 絶対逃がさん
行動を予測して必ず仕留める!
穂結・神楽耶
【鋼色】灯理さん/f14037と
わたくしの知る中で、もっとも「死」を忌避する方です。
だからこそ、此度の命綱となりましょう。
それに発生するのが『自殺』衝動なら、傷つけたくなるのはひとの体だけ。
わたくしはヤドリガミ、本体の刀さえ傷を受けなければどうとでもなります。
衝動が解除され次第、【朱殷再燃】を起動。
燃える炎の《存在感》で気を惹き、何度でもわたくしを狙って頂きます。
――銃口を向けられるということは、こちらからも射線が通るということ。
ダークポイントがいるだろう空間ごと炎で《なぎ払い》、《範囲攻撃》に巻き込みます。
頼りになる友達も、逃げ出すあなたを狙っていますよ?
さぁ――滅びなさい。
銃口を向けられた相手に、自殺衝動を引き起こす――ダークポイントのその能力、ユーベルコードの危険性を聞いた上で、鎧坂・灯理は自信を持って笑ってみせる。
「行動そのものが強制されるわけではないなら手は打てる。なぜなら私は絶対に、何があろうと、どうあったとしても、死にたくないからな」
その己より少しだけ高い位置にある表情を見上げてから、穂結・神楽耶はすらりと前を向いた。
(わたくしの知る中で、もっとも『死』を忌避する方です。だからこそ、此度の命綱となりましょう)
それにヤドリガミたる神楽耶は、ひととしての肉体にどれだけの傷を受けても刀が無事であれば『生きて』いる。そしてひとの姿を取っていれば、相手の銃口が向けられるのは『ひとの側』であるはずだ。
死にたくないと強く念じる人間と。
死の衝動に抗うには優位を持つヤドリガミと。
マンハッタンの深部、摩天楼の奥地へと進む足取りに淀みはない。絶対の信頼が、2人を繋いでいる。
「花よ」
静かに一言。長さ七尺を誇る大型の魔導太刀『金烏』は、散るかのように姿を消した、ように見えた。
実際には『BPハック』――精神と記憶を読み取り改竄する不可視の花弁となり、瞬時に灯理自身と神楽耶に生まれた自殺衝動を取り除く。自殺衝動に対して『死にたくない』という念が、もはや脊髄反射にすら等しく反応し『死』の側を防いだのだ。
そして自殺衝動が消えた瞬間、神楽耶が地を蹴った。その肉体が僅かに薄らぎ、けれど存在感ははっきりと増す。
「燃え盛れ、我が悔悟――」
そしてその無名なれど神霊としての存在を、赤黒いような炎が灼いている。ユーベルコード『朱殷再燃』――かつて祀られていながら、守れなかった都市。御神体として祀られていたがために、無事に『取り遺されてしまった』一振りの刀。その悔悟は今も消えぬ炎となって、染みついた血のような色で燃え続け、その紅蓮と言うには昏すぎる炎を敵へと飛ばすのだ。
何度でも狙え。何度でも。何度でも。
この炎から目を離せるならば別だけれど――いくら銃口を向けられても、今まさに自分は、自分を焼いて、焼き続けているのだから。
そして銃口を向けられるということは、射線が通っているということだ。『ダーク・アポトーシス』には、障害物を透過する能力はない。
相手の射線とは即ちこちらの射線。神楽耶はその居場所となるであろう空間を朱殷の炎によって薙ぎ払う。
(頼りになる友達も、逃げ出すあなたを狙っていますよ?)
そう、神楽耶の後方では、灯理が極大の拳銃を構え、電磁眼晶『睚眦』――非実態の分析レンズによって索敵へと徹していた。今も不可視の花弁は舞い、相手が銃口を向けるたびに灯理と神楽耶の自殺衝動を取り除いている。
(ゴキブリのような奴め、絶対逃がさん)
――壁を遮蔽として銃口だけを向けていたダークポイントが、それでも巻き込んでくる炎と効かぬ攻撃に業を煮やしたのか、身を翻す。その瞬間。
僅かに遮蔽からはみ出したその身体を、見逃すはずがない。
息を詰め、引き金を引く。常人なら肩が壊れるレベルの反動を、怪力によって抑え込む。
穿つ。
神話生物すらも殺傷するレベルの弾丸が、確かに漆黒のその姿を貫く。
「否定:己=クローン。
絶対条件:消滅の蓄積=根源的消滅
――正解:戦術的撤退」
そう、その正解を、選べるものなら。
そして――猟兵達はその『正解』を、許す気はない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
バーン・マーディ
そうか
ヴィランもヒーローも殺す存在か
ならば…止めるのみ
我はバーン・マーディ
ヴィランである
いや…これより貴様を処断するヴィランだ
【オーラ防御】展開
対アポトーシス
独白と決意を以て抗する
我は…護る事が出来なかった…我が家族も(自らを切り裂く
我が配下も…守れなかった(突き刺す
正義に酔い…我はどれ程の涙を流させたのだろうな(血を流し
(控えた少女霊が背中にしがみ付く
…だから…我は逃げる訳にはいかぬのだ
我の為に死した者
死して尚我と共に戦う者達が居る
死に逃げる事など許されぬ!
ユベコ発動
自らの傷を力として
【怪力・二回攻撃・吸血・生命力吸収】にて魔剣と車輪剣で全霊を以て切り裂き破壊し血を喰らいつき血を啜らん!
「そうか、ヴィランもヒーローも殺す存在か」
ならば……止めるのみ。
かつて、1人の神聖騎士がいた。
けれど、そうでないものを踏みにじる『正義』に絶望して。
『正義』側に弾圧されるヴィランを救う為に戦って。
既に人間であったのは過去の話、その存在は神の領域へと手をかけている。それでも救えなかった存在への悔恨を抱き続けている。
「我はバーン・マーディ、ヴィランである。いや……」
オーラによる防護を展開する。その意志がもはや身を守る不可視の盾と言えるほどの。
「これより貴様を処断するヴィランだ」
今、1人の闇黒騎士が、ここにいる。
鮮血と鉄の臭いが舞う。
「我は……護る事が出来なかった……我が家族も」
黄金柄の魔の大剣が、バーン自身の肉体を斬り裂く。
「我が配下も……守れなかった」
我が身を貫かんとばかりに突き刺す。己の剣も。己の言葉も。
「正義に酔い……我はどれ程の涙を流させたのだろうな……」
淡々とすら聞こえる独白に、その目から涙が流れることはない。
その代わりと言わんばかりに、自ら刻んだ傷からは脈動に合わせて大量の血が流れ続けていた。
――控えていた少女の霊が、その背へとしがみつく。かつて救えなかった少女は、今も傍に霊となって存在し、その背を支えている。
そしてバーンが目を逸らすことを、許さぬ存在となっている。――彼女の束縛ではなく、バーン自身の意志として。
「だから……我は逃げる訳にはいかぬのだ。我の為に死した者、死して尚我と共に戦う者達が居る、ならば我が死に逃げる事など許されぬ!」
鮮赤の足跡を残して、地面を蹴った。
かつて聖剣であったという魔剣。
かつて魂まで削り合うほどの戦いを繰り広げた存在を象徴するような車輪剣。
自殺衝動が与えた傷、死ぬわけにはいかぬという念、その全身全霊を力として『ダーク・ヴェンジャンス』を発動し、血を、生命力を、存在自体すら喰らいつき啜らんとばかりの突撃に、もはや抗う術をダークポイントは持たなかった。
「否定:我=死――」
ただ、闇が散るように、消えた。
それを確かめて、闇黒の騎士は静かに剣を収める。奪い切った生命力によって既に傷は塞がっている。
――己の歩みを、止めぬために。
大成功
🔵🔵🔵