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アースクライシス2019⑨~閃撃のスーパークルーズ

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ラグランジュポイント #夕狩こあら #ジェスターのクローン

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 プルトン人に占領された『エリア51』に、次々と運び込まれていた「地球侵略用UFO」を奪取する事に成功した猟兵達は、これらのUFOに乗り込んで『ラグランジュポイント』を目指す事になった――。
「私達はグルーム・レイク空軍基地から米軍が照射してくれる『ビームハイウェイ』という光線を辿って進むから、ラグランジュポイントまでの道のりで迷う事はないわ」
 道程を探ったり、運転や操縦に関して心配はないと、柔かく瞳を細めるニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)。
 唯だ、と言を足す彼女の懸念は別の所にあって、
「でもね。その光線照射上に巨大化オブリビオンが居て、私達の行く手を阻もうとしているの」
「よし、倒そう」
「倒して進もう」
「そうよねぇ、皆ならそう言ってくれると思った!」
 実に精悍な答えを返してくれる猟兵に、にっこり咲みを返すニコリネ。
 彼女は頼もしい精鋭らに嬉々と説明を続けて、
「私が討伐をお願いしたい巨大化オブリビオンは、殺戮道化師ジェスターのクローンよ」
 ラグランジュポイントに現れたジェスター、その複製体は、体高20m近くまで巨大化し、ビームハイウェイ軌道上で空中を浮遊している。
「空中戦か……」
「そうなの。皆は奪取した一人乗り用のUFOに乗って戦うか、自分で飛べる人は飛びながら戦う事になるわ」
 空中戦で気を付ける事は一つ。
 巨大化したジェスターの複製体は攻撃力が上昇しており、駆使するユーベルコードの威力も凄まじいが、逆にその巨躯ゆえに小回りが利かない。
「私達は、巨大化した敵に対して『華麗な空中戦』を行う事で有利に戦えるわ」
 素早い動きと俊敏な機動性を以て制す――。
 それが空中戦の攻略に繋がるだろう、と花唇を結んだニコリネは、愈々闘志を燃やす猟兵達に優艶の眼差しを注ぎ、
「ヒーローズアースにテレポートします。華麗に敵を倒して、ラグランジュポイントに向いましょうね!」
 と、彼等を温かな光に包んだ。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 このシナリオは、『アースクライシス2019』における第九の戦場、ビームハイウェイ軌道上にて「巨大オブリビオン」を攻略する一章のみの戦争シナリオ(ボス戦)です。

●敵の情報
 ラグランジュポイントに現れた、謎めいた言動を繰り出す殺戮道化師『ジェスター』のクローン。
 体高20m近くまで巨大化し、『ビームハイウェイ』軌道上で空中を浮遊しながら、宇宙を目指す猟兵達を待ち構えています。

●プレイングボーナス
 巨大化したオブリビオンは小回りが利かない為、「華麗な空中戦を展開する(UFOは使わなくても可)」と「プレイングボーナス」が付与され、行動が有利になります。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
 団体様は【グループ名】を冒頭に記載願います。
 複数での参加者様は一括採用のみで、個別採用は致しません。
 プレイング受付期間をマスターページにてご連絡致します。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 ボス戦 『ジェスターのクローン』

POW   :    クリムゾンハウンド
自身の【流した血液】を代償に、【血の猟犬の群れ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【生命力を奪い取る牙や爪】で戦う。
SPD   :    ジェスターズバルーン
自身の肉体を【ゴム毬のような跳躍力を持つ状態】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    デモニックエクリプス
【己の影】から、【あらゆるものを飲み込む影】の術を操る悪魔「【完全なる夜(デモン)】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 “エリア51”――グルーム・レイク空軍基地から『ラグランジュポイント』に向けて照射される光条『ビームハイウェイ』を、基地に集った猟兵達が地上から見上げる一方、遙か上空から俯瞰する者が居た。
 殺戮道化師ジェスター、その複製体である。
『オロロロロ、面白くなって参りマシタ!』
 クローンなれば、道化染みた口跡はその儘。
 巨躯を屈め、大仰な身振りで光条を視た悪魔の骸面は、窪んだ眼窩より炎を滾らせ、
『未だ見ぬ宇宙文明――ラグランジュポイントを目指シテ意気軒昂と進む猟兵を迎撃し、大地に叩き付ケル……これもワタクシの手柄とさせて貰いマショウ!』
 嘗ての脅威をオブリビオンとして蘇らせた功績に加え、猟兵の撃滅も戰果と為よう。
 巨牙をガチガチと噛み合わせて嗤ったジェスターの写し身は、然しUFOの奪還に成功した猟兵の強さを十分警戒しており、決して油断は為ぬと力を漲らせる。
「イキナリ全開でぶっ飛ばしマスヨッ!!」
 来ナサイ、猟兵――ッ!
 鮮血の猟犬の群れを放ち、己が影から【完全なる夜(デモン)】を召喚した複製体は、刻下、颯爽と光の道を進む猟兵を迎撃した。
グレイス・リリィ
アドリブ連携歓迎

あのデカいのが……クローンとはいえ、流石ね
潰し甲斐があるわ

UFOで出撃。空中戦の要領で敵の攻撃を避けつつ
致命傷を与えられる懐へ潜り込むわ
奴の影が危ないんだったら地形を利用――太陽を背に
影に飲まれない様気を付けて召喚を待つ

発動したら私の超常で切札の黒を弾き、奴を恐慌状態に陥れるわ
そうすれば『完全なる夜』の制御も利かなくなるでしょう
その隙に捨て身で零距離まで近付いて
咄嗟に庇った所に全力高速詠唱で氷属性を込めた
UFOの弾丸をぶっ放してやるわ
宇宙空間で凍ってしまえば大変な事になるでしょう?

こんな所で止まれないもの
超常が通れば敵の防御能力も無効化される筈
仲間と力を合わせて一気に突破するわ


郁芽・瑞莉
妨害無くラグランジュポイントまで迎えるとは思っていませんでしたが……。
場所が宇宙だけにその進路を塞ぐのに大きくしたのでしょうか?
ですが、私達の歩みは止まりませんよ!!

UFOよりも小回りや速度の調整がしやすいので自身で飛び出して。
敵の攻撃は相手の動きを戦闘知識から見切ったり、第六感に従って。
苦無を空中に固定して足場を作って蹴ったり、
符で空気を噴き出たり残像や迷彩で回避。

そのままの勢いで相手の懐に飛び込んで。
早業のカウンターで
溜めていた破魔の力をの封印を開放しつつランスチャージ。
相手の防御を砕いた所で更に2回攻撃の2回目で衝撃波を叩き込んで
傷口を抉り、防御無視のダメージを更に与えますよ!


黒鵺・瑞樹
ジェスターが覚えてるかどうかは別として。
でもこの名・能力だと俺が知ってる、主達が戦ったデモンのジェスターで間違いないんじゃないのか?
なら確実にこの戦いで倒しておかないと。

【騎乗】【世界知識】で何とか操作。目的地まで基本操作をしっかりマスターしておかないと。
相手の攻撃は【第六感】【見切り】で回避。【空中戦】で時折【残像】を残すようにして攻撃を誘い隙を狙う。
UC鳴神で攻撃力強化。こちらの攻撃は【存在感】を消し【闇に紛れ】【目立たない】ように動いて、【部位破壊】で腕を狙った【鎧無視攻撃】を行う。
まず腕を破壊できれば、相手の攻撃の一つは潰せるはず。
直撃のダメージは【オーラ防御】【激痛耐性】で耐える。


ギージスレーヴ・メーベルナッハ
かの容貌にこれ程までの巨躯、最早怪獣であるな。
なれば駆除するのみよ!

ヤークト・ドラッヘに【騎乗】し【空中浮遊】【空中戦】にて飛行。
以てこの戦における機動力とする。

まずはジェスターへの肉薄を試みる。
かの巨躯に加え得物持ち、中途半端な距離では脅威を避けきれん。
ヤークト・ドラッヘの火器(【誘導弾】【制圧射撃】)を敵の顔辺り目掛け放ち、以て視界を阻害。その隙に至近距離まで接近。
接近後は機甲武装・殲滅火砲を発動、攻撃回数重視でガトリング砲を召喚。これを敵の身体に叩き込んでやる。
流血が猟犬と変ずるならば、それも巻き込む形で攻撃。
思わぬ方向よりの反撃を回避する為、攻撃は可能な限り同一箇所へ集中させる。


ヨナルデ・パズトーリ
連携、アレンジ可

完全なる夜、のう
夜を司り嘗ては太陽の神でもあった妾の目の前で面白い事を嘯くものよ
その大言後悔させてやろう!

UCを発動し自身で『空中戦』

『呪詛』を込めた煙の『属性攻撃』『全力魔法』を敵の目に放つ『部位攻撃』で
『目潰し』する『先制攻撃』

その後は『野生の勘』で敵の動きを『見切り』露出している部位の目の炎等に
『高速詠唱』の『全力魔法』や『怪力』による『鎧無視攻撃』を確実に一回
一回当てて削り殺す様に戦う

敵の影に対しては『破魔』の力を込めた太陽の『属性攻撃』の『範囲攻撃』を
『高速詠唱』により影を掻き消すレベルの『全力魔法』でぶちかまし巨体を
活かした攻撃は其の動きを『見切り』『残像』で回避


マギア・オトドリ
全開で来るなら、此方も対応します!

『封呪包帯』の【封印を解く】ことで特殊術式、メイガスの術式を解放します。
右眼と右腕に発生する激痛に対し、腰につけたポーチより鎮痛成分のある薬品を自己に投与、疼痛に対しての耐性を獲得します(激痛耐性)。

UFOに星々の神秘を抽出した魔力で構成された魔術シールドを付与、敵対存在が発生させる猟犬たちに対し衝撃波をシールドより発生させ接近を回避。敵対存在自体の攻撃も、衝撃波をUFO自身に発生させ、俊敏な強制回避を実行します。
その後、敵対存在に対し、シールドと同様に星々の魔力を纏わせたUFOの弾丸やビームを発射、恒星を熱量を込めた【属性攻撃】で敵対存在の負傷を継続します。


オリヴィア・ローゼンタール
殺戮道化師……道化ならば他者を楽しませよ!

白き翼の姿に変身し、飛翔能力を以ってラグランジュポイントまで向かう(空中戦)
これほど高高度まで昇るのもそうはありませんね

影と夜の悪魔に対抗して、炎と光の加護(属性攻撃・破魔・オーラ防御)を身に纏う
【怪力】を以って聖槍を振るうが、単純な打撃は効果が薄そうなので炎熱によって灼き斬る
魔を祓う炎と光よ!

強化された【視力】と巨大な敵との交戦経験(戦闘知識)を以って【見切り】、鈍重な攻撃を躱す
20m……クエーサービーストに比べればまだ御し易いサイズ差です

【全力魔法】で最大限圧縮強化した【赫怒の聖煌剣】を形成し、全霊で振り下ろす
夜も影も――我が聖煌剣で斬り開くッ!


メイスン・ドットハック
【WIZ】
どでかい道化とはもはや笑いごとではないのー
喜劇の如く、面白おかしく退場するのもピエロの仕事じゃけーのー

UFOは電脳魔術で【ハッキング】を施し操縦関連を【暗号作成】【情報収集】で反射・回避能力を向上させた電脳AIに任せる
自身は【罠使い】【破壊工作】で作った電脳浮遊機雷にUFOのホログラムを被せて、デコイとして使用して、敵の攪乱・攻撃を狙う
デモニックエクリプスやジェスターにUC「G線上のアーリア」の電脳重力爆弾を放ち、当たればダメージ、外れても6Gの重力場を発生させて動きを阻害する
動きが悪くなったところで、重力爆弾と電脳ミサイルを【一斉発射】して一気に集中ダメージを狙う

アドリブ絡みOK


アララギ・イチイ
巨大オブリビアンねぇ
まぁ、巨大になっても処分方法は変わらないわよぉ

翼を広げて飛行して【空中戦】を挑むわぁ
護衛機として、戦闘人形フギン・ムニンに装備品の航空兵装を【武器改造】で合体、ホーミングレーザーの【誘導弾】と電磁投射砲の【スナイパー】で私の【援護射撃】よぉ

私自身はチェーンガン×8を取り出して【念動力】で操作、【乱れ撃ち】の弾幕射撃の【範囲攻撃】で敵の猟犬達を数を減らすわぁ

ただ上記の行動は【時間稼ぎ】よぉ
本命の一撃は【選択UC】の一撃で、地上から打ち上げたサターンⅤロケットを質量爆弾の様に敵に突っ込ませて攻撃を仕掛けるわぁ
回避されそうなら、弾丸をロケットの燃料タンクに叩き込んで爆発させるわぁ


ヘスティア・イクテュス
S.F.Oに乗って【空中戦】!
ただ大きいだけなら狙いやすいだけ、せめて戦艦レベルに硬ければ有効なんでしょうけどね


ミニS.F.Oに乗ったプチヘス達と編隊飛行!
伸縮性があるから手足等に注意しつつ散開!
背中とか方面までは簡単に伸ばせないでしょう?

四方八方からミスティルテインとブラスター充で撃ちまくり!
人の目は2つ、数多の物を同時に見て脳が処理できるようにはなってないのよね
補足されかけたら死角から一斉射で邪魔を…

トドメは一人が囮に、その内にマイクロミサイルを囲んで【一斉発射】
犠牲となったプチヘスに総員敬礼!(※なおプチヘスは無事です)


シキ・ジルモント
◆SPD
UFOに搭乗して挑む
操縦は問題ない、奪還した時にしっかり試させてもらったからな

少し距離を取る事で回避に備えつつ敵の前に出て注意を引く
小回りがきかない敵の状況を利用し、左右に加え上下の動きも組み込んだ『空中戦』で攪乱したい
届きそうで届かない間合で動いて『挑発』、敵のユーベルコードを誘う

敵のユーベルコードの跳躍が来たら構える
油断はできないが移動の軌道は直線的で追尾性は無さそうだ、ユーベルコードで軌道を『見切り』回避を試みる

回避できたら敵攻撃直後の隙を突いて反撃する
UFOに搭載されている攻撃手段を全て起動し『一斉発射』、次の行動に移る前に大ダメージを与えたい
大盤振る舞いだ、遠慮せず持っていけ


セツナ・クラルス
かれいな、くうちゅうせん……?
いみがわからない(青ざめた顔)

…ふふ、仕方ない
おいで、ゼロ
共に歩も…いや、今回はきみが適任だね
すまないが一人で頑張ってくれ…
身体の主導権を別人格へ渡し意識の奥に

※以降、別人格ゼロが出現
黒髪、金目、一人称オレ
セツナより口調、態度が悪い

あー…アイツ、高いとこ苦手だっけ
ふは、しゃあねぇな

UFOに乗って戦闘
華麗な戦いになるかはわかんねぇけど
無謀なことはしない
だってアイツの身体だもん
無理はさせられねぇよ

堅実にUFOを操り敵の周辺を旋回
冷静に探れば必ず隙は見つかるはず
敵の攻撃は属性攻撃で圧縮させた空気を緩衝材にし、軌道を逸らして回避
隙あらば風属性+破魔で飛行の妨害をしよう



 ジェスターのクローンが、俄に動きを見せる基地を睥睨すると同時、滑走路に集まった猟兵らもまた、透徹の穹に浮遊する巨影に気付いたろう。
 光の道『ビームハイウェイ』上で視線を繋いだ両者が、殺意と闘志を漲らせる。
 金の炯眼を凝らしたオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、光の照射に影を濃くした敵が、其処から不穏な姿影を喚び出したのが見えたろう。
「あれが【完全なる夜】……光の道を悪魔に飲み込ませようとしていますね」
 傍らのヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)は可憐ながら貫禄ある咲みを湛えて、
「――完全なる夜、のう。夜を司り嘗ては太陽の神でもあった妾の目の前で、面白い事をしてくれる」
 修道女は悪魔を宥さず、神は冒瀆を恕さず。
 オリヴィアは黄金の炎に麗躯を包むや、白翼の使徒と成りて穹へと羽搏き、ヨナルデは【第一之太陽再臨】(ナウイオセロトル)――ジャガーを模した黒曜石の鎧に身を包み、嘗て己に捧げられた血と骨で編まれた双翼を以て力強く飛び立つ。
 既に悪魔を召喚し、更に鮮血の猟犬の群れを放つあたり、イキナリ全開でブッ飛ばして来るという事か。
 敵の動勢を左の紫瞳に確認したマギア・オトドリ(MAG:1A・f22002)は、UFOに乗り込むや『封呪包帯』を解いて、
「――全開で来るなら、此方も対応します!」
 【術式解放:code=M】(コード・メイガス)――我が右眼と右腕に刻まれし特殊術式、メイガスの術式を解放する。
 其は右眼と右腕に途轍もない激痛を得る代わり、術式の出力及び詠唱速度、精密性と精神力を飛躍させるのだが、
「……ッ……緊急応急処置キット、より、鎮痛薬を投与……疼痛を軽減……」
 マギアは震える繊指を何とか腰部のポーチに滑らせ、凶悪な激痛を抑える。
 痛痒を制して超感覚の際涯に到った可憐は、次に聢と操舵桿を握って飛び立った。
『オロロロロ、空白期間の新世代が続々と……』
 宙空に浮かぶ巨邪は、お道化た風にも暗澹たる殺気に睥睨していようか。
 睨み合って幾許――つと鋭眼を解いたシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、間もなく爪先を彈いてUFOに搭乗し、
「操縦は問題ない。奪還した時にしっかり試させてもらったからな」
 まだ掌手に残る感覚を馴染ませるように操舵を握る。
「ヘイ、ユー。クレグレも気を付けろ」
「君達の進路を塞ぐデカブツは相当デンジャラスだぜ」
 体高20mと言うと、戰闘機『イーグル』くらいだと説明する米兵の傍ら、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は、鹵獲したUFO『S.F.O』に颯爽と乗り込み、
「大きいだけなら狙いやすいだけ。せめて戰艦レベルに硬ければ有効なんでしょうけど」
 空中での高機動戰を得意とし、精確な射撃の腕もある彼女にとっては、的が大きくなっただけの事。
 故郷の技術を加えて愛着も湧いたUFOをプワワワワ……と浮かばせたヘスティアは、己に続いて浮揚する【プチヘス部隊】――ミニS.F.Oに搭乗したプチヘス62機の編隊を円窓に映し、ヒュンッと光の軌道を辿り始めた。
 軌道上の敵影を仰いでいたギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)とグレイス・リリィ(レッドウイング・f21749)は凛冽たる聲を交して、
「かの容貌にこれ程までの巨躯、最早怪獣であるな」
「あのデカいのが……クローンとはいえ、流石ね」
「獲物として申し分なし、駆除するのみよ!」
「ええ、潰し甲斐があるわ」
 と、揃って丹花の唇に物騒を告ぐ。
 二人は小気味佳い一瞥を交すと、ギージスレーヴは重機甲戰闘車『ヤークト・ドラッヘ』に騎乗してエンジン全開、反重力式推進機構を以て穹へと発ち、グレイスはUFOの操舵桿に繊手を掛けると、無加速で浮揚する独特のフワフワ感を得つつ推進した。
「ヘイ、ユー! 怖くないのか!?」
「フレンズも十分、クレイジーだぜ……!」
 猟兵の勇敢に米兵が戸惑いを見せる中、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は竜翼を広げて風を掴み、佳聲を置いて飛び立つ。
「巨大オブリビオンねぇ……まぁ、巨大になっても処分方法は変わらないわよぉ」
 斬るか、撃つか、摺り潰すか――何の道、骸の海に沈めるしかない。
 少女は戰闘人形フギン(まじめ)とムニン(のんびり)を我が護衛に付けると、二機の航空兵装を合体・改造し、自律誘導式ホーミングレーザーと狙撃に優れた電磁投射砲として連れ立った。
 その景をUFOの円窓に映した黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は、コックピットの機器類にぐるり青瞳を巡らせて、
「目的地に着く迄に基本操作をしっかりマスターしておかないと」
 途中、オブリビオンとの交戰は避けられぬが、目的地はあくまで大気圏外の『ラグランジュポイント』――必ずや辿り着いて見せると、計器を視る双眸は頗る怜悧。
 瑞樹が搭乗した機体が漸うビームハイウェイの軌道に乗る中、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は透き通るような紫水晶の繊躯をUFOの操縦席に滑らせるや、電脳AI搭載メガネ『MIYAJIMA』越しに周辺機器を確認して、
「どでかい道化とはもはや笑いごとではないのー。めんどーじゃけどやろうかのー」
 花唇は美しソプラノ・リリコに広島弁を紡ぎつつ、電脳魔術展開――UFOの操作系統をハッキングし、情報を収集して新たなプログラムを組み上げると、反射・回避能力を飛躍的に向上させた電脳AIに操縦を託す。
「航行は任せたけーのー」
 既に戰術も組み上げたか、メイスンはゆったり背凭れに身を預けると、接敵するまでは寛ごうと、独特の浮遊感に運ばれた。

 扨て、猟兵が次々とUFOに乗り込む中、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)は鈍色に煌く鐵塊を前に瞠目して、
「かれいな、くうちゅうせん……? いみがわからない」
 この不思議な鐵の帽子に乗って、空を駆り、戰う――?
 我が想像の範疇を優に突き抜けるミッションに蒼褪めたセツナは、ふふ、と嘆声を滑らせるや、「仕方ない」と胸奥に呼び掛けて、
「……おいで、ゼロ。共に歩も……いや、今回はきみが適任だね。済まないがきみ一人で頑張ってくれ……」
 愛し仔に囁(つつや)く――【共存共栄】(フタツデヒトツ)。
 然れば漆黒の麗瞳は、月よりさやかな金色に耀いて、冴え冴えとした三白眼になる。
 ゼロ――セツナに然う呼ばれた男は、端整の唇に鋭い嗤笑を差して、
「あー……アイツ、高いとこ苦手だっけ。――ふは、しゃあねぇな」
 躊躇いに留まっていた爪先を動かし、颯爽とUFOに乗り込む。
 その頼れる聲を聴いたセツナは、今や完全に躯の主導権を預け、意識を深淵に沈めた。
 斯くしてセツナ――いやゼロ機が危なげなくビームハイウェイを進む中、多くの猟兵がUFOに、我が推進機構に、或いは生身を以て並走する。
 時に郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)は、機動性や速度を調整するには己が身体が最も馴染むと、霊衣『神輝朧』を翩翻と翻して進み、軈て光の道の先に待ち受ける巨影を捉えた。
『オロロロロ、来ましたネ!! 死の淵へヨウコソ!』
「……何の妨害も無く、ラグランジュポイントに進めるとは思っていませんでしたが……ビームハイウェイごと塞ぐのに躰を大きくしたのでしょうか?」
 骸面の悪魔の傍らには、呪われし紅血が生成した猟犬が牙を剥き、邪悪な闇黒を膨らませるデモンが猟兵を待ち構えている――。
 然し瑞莉の黒き麗瞳は、邪気を前に愈々凛冽と輝きを増し、
「どんな手を仕掛けようが、私達の歩みは止まりませんよ!!」
 必ず突破してみせる――! と多くの仲間と共に飛び掛かった。

  †

 オブリビオンとして甦ったジェスターは、恐らく骸の海を潜る以前の――過去の記憶を有しては居ないだろう。
 然し骸面の悪魔と対峙した瑞樹は、胸奥に疼く戒心に記憶を探って、
「この、“ジェスター”という名前と奴の能力……俺が知ってる、主達が戦った“デモンのジェスター”じゃないか?」
 黒刃のナイフ『黒鵺』に魂を得た彼は、嘗て我が身を手に戰った主の物語を辿る。
 知る身だからこそ警戒は誰より強くなろう、瑞樹は【鳴神】(ナルカミ)――「渡の力」「月の力」「龍の力」を得て強靭を増し、暗殺者だった主の如く気配を殺した。
「――いずれにせよ、確実にこの戰いで倒しておかないと」
 逃せば厄介な事になる。
 瑞樹は襲い掛かる猟犬の鋭牙を見切り、躱しながら、颯爽たる風と溶けて敵の腕部を目指した。
「進路上に居るから処分する。いつもと同じだねぇ」
 白衣を翩翻と翻し、竜翼に光彩を躍らせながらビームハイウェイを進んだアララギは、猛牙を剥いて迫る猟犬にクッと桜唇を持ち上げる。
「数を減らしても出てくるなら、本体の血が干上がるまで絞り出してやらないとねぇ」
 戰闘人形フギンとムニンが双翼を成して動き出すのを視界の端に置いた少女は、己は『思考の耳飾り』より転送したチェーンガンを八基、高速・分割化した思念で操り、閃光火花を散らせて乱れ撃った。
『グルァァアア!!』
『ギャルルルッッ!』
 彈幕射撃に悲鳴が上がり、大量の鮮血が繁噴く。
『オロロロロ、此処まで来ただけの事はありマスネ!』
 次々と光の道を辿って昇り来る猟兵を迎え、大仰な手振りで讃する道化師。
 蓋しその精鋭を視るだに沸々と殺戮衝動を湧き上がらせた骸面は、眼窩に燈す炎を愈々滾らせて喊び、
『全力で通せんぼさせて頂きますヨ! 然う、こんな風ニ!!』
 我が魁偉と、その影より召喚した悪魔【完全なる夜】を以て、今や完全に進路を塞いだ。
 凄まじい威容と鏖殺の気が猟兵に迫るが、何も彼等は初めてこのサイズの敵と戰う訳では無い。
 体格差によって執る戰術は變わろうが、巨躯だからといって怖気付く者は居らず――。
「20m……クエーサービーストに比べれば、まだ御し易いサイズ差です」
 躯の大小で我が炎が燃え盛ったり萎んだりする事は無い、と凛然を萌したオリヴィアは、迫る巨戰鎚を並外れた視力で見切り、巨躯故の重鈍を颯爽と躱す。
 我が血に流るる闘争本能と戰闘勘、そして劔戟を交える程に得た経験は、純白の双翼に安い創痍を許さない。
『ヲヲォッ!!』
「――悪魔め」
 ぬらりと影を躍らせる悪魔には、『破邪の聖槍』を力いっぱい振るい、斬撃に断ち切ると同時、炎熱によって灼き斬った。
「炎と光よ! 邪を灼き、魔を祓え!」
『ヲヲォォヲ!!』
 痛撃に動きが止まれば、更に一撃、聖性に煌めく鋩を螺旋と旋回させ、魔掌を貫く!
『ゼァァアア!!』
「ほう、一端に喊ぶか」
 そこに冷儼なる聲を置いたのはヨナルデ。
 芙蓉の唇は花解けるほど可憐ながら、擦り抜ける言は楔の如く痛烈に、
「完全なる夜とやら。諧謔(たわむれ)にも妾の前で嘯いたこと、後悔させてやろう!」
『――!!』
 須臾に焦熱を放つは“太陽”――厖大なる魔力を秘呪に紡いだヨナルデは、破魔の光球を宙に浮かべると、高威力の光条を広範囲に放ち、悪しき巨影を引き裂いた。
『オロロロロ、流石は精鋭……やりマスネ!』
 賞賛を添えつつ轟ッと迫る巨戰鎚を、逸早く察知して回避する。
 颯爽と翼を翻して風を掴んだヨナルデは、肌膚一枚で軌道を躱すや残像にダメージを代わらせ、鳥の様に滑空して照準を泳がせた。
 空戰では素早い旋回が最も重要である、とは或る指揮官の言葉だが、猟兵は図らずとも歴戰の名将の大原則を、ビームハイウェイ軌道上で履行していた。
「見ててすごい複雑なんだけど……プチヘス部隊は4~5機の小編隊に分かれて散開!」
「ヘス!」
「編隊攻撃の原則を遵守して、単機突出を避けるように」
「ヘス!」
 顔は生意気だが、己を模した二頭身ロボは指示に忠実。
 ヘスティアは友軍機と共に鷹の様に鷲の様に穹を駆りつつ、敵の自在に伸縮する手足に警戒しながら光線を射る。
「簡単に伸ばせるのは可動域が精々……背中までは樂に伸ばせないでしょう?」
 人体と構造を同じくする敵性に対し、チーム・ヘスティアは三次元機動が可能。
 司令官たるヘスティアは、急旋回しつつも広い視野に戰況を視て言ち、
「人も獣も目は二つ――数多の物を同時に見て、脳が処理できるようにはなってないのよね」
 空中戰では其が顕著に示されよう。
 彼女達はあらゆる角度から可変型ビームライフル『ミスティルテイン』やブラスター銃で撃って撃って撃ちまくり、射線を読ませず間隙を埋める。
 一方の瑞莉は、陰陽術を編んだ『飛苦無 飛燕』を空中に刺して足場とし、多角的に動いては機に応じた十色の霊符を舞わせ、血の猟犬を翻弄した。
「四つ肢の獣は突進力はあっても躯の転換が遅い――!」
『ゲギャアッ!』
 靭やかに嫋やかに繊躯を翻し、突進を躱した瞬間に蹴った苦無を突き刺す。
 宙空に躍る身が真の姿に近付いたのは、決して錯覚でない。
 瑞莉は【転身再演 神霊閃】――我が身に宿った超常の力を、命の枠を越えずに引き出し、装備武器の威力増強と、275km/hを翔る翼に敵群を撹乱した。
『ガルルルッ!』
『グルァァアアッッ』
 同じく血の猟犬と対峙したマギアは、封印を解いた右眼に炯光を湛えて狂気を映すと、丹花の唇に秘呪を滑らせる。
「搭乗機に魔術シールドを展開。衝撃波を発生させて接近そのものを封じます」
 刻下、UFOを炯々たる光に包むは、星々の神秘を抽出した魔術。
 封印を解いたマギアの魔力は滔々、鮮やかに色を變えて鈍色の機体を覆い、ゆうらりと光を揺らすや衝撃波を発生させて猟犬を遠ざけた。
 常に魔術シールドがエネルギーを波紋と広げれば、敵の攻撃にも逸早く察知しよう。
『オロロロッ、ちょこまかと五月蠅い連中デスねぇ!』
(「――波紋が崩れた方向に対し、垂直に回避!」)
 叩き潰してくれる、と巨大な骸面が巨戰鎚を振えば、マギアは軽やかにUFOを操って遁れると同時、接近する冱撃に返報のビームを撃ち込んだ。
『ッッ!!』
「敵前に据わって注意を引く。そういう役割も必要だろう」
 一方、リスクを承知で敵の視野に進入するはシキ。
 一定の距離を取る事で回避の猶予を得つつ、左右、上下に旋回して攻撃を誘導する――動くものに惹かれる反射神経を衝く戰術は、骸面の悪魔を沸々と苛立たせた。
『オロロロロッ、視界にチラつく蠅を掃ワセテ貰いマショウ!』
 魔飛踊躍、【ジェスターズバルーン】――ッ!
 突如として延伸した怪腕が、凄まじい勢いでUFOを攫み掛かる!
 一瞬で間合いを侵略した魔爪がシキの視界いっぱいに迫るが、【ワイルドセンス】にて感覚を研ぎ澄ませていた彼は捕まらない。
 狼耳をピンと蹴立てたシキは、刹那に機体を傾けて回避し、
「その伸縮性、彈力性……ともに直線軌道のみで追尾性は無さそうだ」
 天性の戰闘感と、場数を踏んで培った経験則が導く“読み”も至当。
 伸びる怪腕を目尻に遣り過したシキは、伸び切った瞬間に反撃の炎彈を撃った。
『オロローッ! ッやってくれマスネェ!』
 直ぐに回避や反撃に出られないのは巨大化の影響か。
 骸面の道化師は己の代わりに悪魔【完全なる夜】を嗾け、其の暴食に猟兵を追わせた。
『オロロロロッ、ワタクシに使嗾サレル代り、彼等を馳走と召し上ガレ!!』
 交渉成立、【デモニックエクリプス】――ッ!
 穹に闇が染み、そこから黯黮(くらがり)の悪魔が巨牙を剥いて襲い掛かれば、刻下、グレイスは急旋回して逃れた。
「太陽を背に、影に飲み込まれない様に、常に優位な位置を確保して――」
 単調な動きでは捕まる。
 後尾に迫る魔手を疾く躱す――然し其の瞬間を待ってもいた緋翼の凄艶は、禁断の武装『切札の黒』を暴き、【聖唱討魔穿皇刃】(デストロイド・ディザスター)――全てを断ち斬る次元振動を発し、あらゆる攻撃が通じる様になる“恐慌”の感情を与えた。
「――あとは制禦が利かなくなった処を衝けばいい」
 効果には持続時間がある。
 然れば逃れていた彼女は一転して悪魔に肉薄し、美唇に秘呪を詠唱するや鐵彈に氷属性を付与してぶっ放した!
『ヲヲォォヲヲッッ!!』
 痛撃に悪魔が怯み、背進した隙に推進するはギージスレーヴ。
「――【完全なる夜】が去れば“明ける”」
 黒影に遮られていたジェスター、その骸面が見えたッと義眼に炯光を疾らせた凄艶は、『ヤークト・ドラッヘ』の兵装全展開――速射機銃、誘導ミサイル、連装電磁砲を開門して一斉発射した!
「かの巨躯に加え得物持ち、中途半端な距離では脅威を避けきれん」
 超火力に視界を阻害して、至近距離に侵入する――!
『オロロロロ、ワタクシの顔を狙おうとは面白いデスネ!』
 これでも気に入っているのだと冗長を足した道化師は、戰鎚を振り被るや鐵彈火彈に盾を為し、見事な抗衡を見せた。
 凄まじい衝撃が穹を突き抜ける中、此処にセツナと代わったゼロが後続に付く。
 彼は地上では決して感じ得ぬ重力加速度に耐えつつ、彈幕を張って味方機を援護した。
「華麗な戰いになるかはわかんねぇけど、馴染んできた処でやってやるよ」
 蓋し無謀は為ない。
 ここに来る迄に、複数編隊で巡航する重要性を知った事もあるが、彼にはそれ以上の理由がある。
「だってアイツの身体だもん。無理はさせられねぇよ」
 頑張ってくれ、と身体を預けたもう一つの意識――魂を分け合ったセツナに応えるよう、ゼロは操舵桿を強く握り、撃ち込む光線に白皙を白ませた。
 一方、敵群を挟んだ対角では、メイスンが電脳浮遊機雷にUFOのホログラムを被せ、デコイと配しながら敵の制空を禦している。
『グルルァァアッ!』
『ギャヒッ!!』
「猟犬が次々噛み付いて……間抜けな奴も居るもんじゃのー」
 獣の悲鳴を流眄に見送りながら、漸う紫瞳は前に――骸面の道化師に繋がれる。
 巨躯を中心に円弧を描くよう遠巻きに推進したメイスンは、刻下【G線上のアーリア】(グラビトン・ムーン)を発動――!
 5,900m圏内を爆撃する電脳重力爆彈を投擲し、ジェスターと彼の守盾と据わった悪魔【完全なる夜】を巻き込む大爆発を引き起こした!
「相變わらず派手じゃのー」
 鼓膜は勿論、宝玉の肌膚をも搖らす波動が穹を衝き抜ける。
 爆轟が駆け抜けた後は、漸う敵影が煙から暴かれるが、致命傷は避けられても6Gもの重力場に囚われては容易く躯は動かせまい。
「ぼちぼち(ゆっくり)したら如何じゃろう」
『んン、ぎぎぎぎっ……!!』
 巨躯が靜止する――この瞬間、仲間の猟兵が一斉に攻勢に出た。

  †

「この儘、押し切りましょう!」
 淸澄なるソプラノ・リリコが光の道に澄み渡る。
 戰場を同じくする仲間に凛々しく呼び掛けた瑞莉は、空間を抉るように伸び出る怪腕を間際で躱すと、その腕を辿って敵懐へ侵襲し、破魔の力を解放する。
 美唇は淸冽と聲を発し、
「間断なく、ダメージを与え続ける――!」
 霊力を高めた『禍ノ生七祇』の鋩は、力の根源たる太腿を刺突するや刃撃を捩じ込み、内部へと衝撃波を流し込んで津々(しとど)返り血を浴びる。
『ッッ、殺戮の道化師を甘く見ないで下サイヨ!!』
 蓋し、流石はジェスターのクローン体。
 激痛に翻筋斗打った道化師は、瞋恚を萌した怪腕に瑞莉を薙ぎ払い、そのまま延伸した腕を鞭の様に振るって編隊を崩した。
『ワタクシの敗北は即ち本体の敗北ッ、決して敗れる訳にはいきませんヨ!』
 ドクター・アトランティスより授かりし『クローン装置』は本人と全き同体。
 此処で敗れれば、いずれの未来も危ういと戰慄を噛み砕いた複製体が、次いで迫るアララギを睨める。
 蓋し少女は其を冷艶の咲みに遣り過して、
「複製だろうと本物だろうと、骸の海に沈んだら一緒だしねぇ」
『――ッ!』
 樂天的で残酷。
 そして幾許にも怜悧であったとは今こそ知ろう。
「――そろそろ“本命”が来るかしらねぇ」
 然う言った正に矢先だった。
 彼女の【追加装備 アポロ・ザ・リメンバー】は刻を違えずして道化師の視界に迫り、手作りにも制御系を改良して性能を向上させた「サターンⅤロケット」が、質量爆彈の様に炸裂した!
『オロロロロッ――ッッ!!』
 圧倒的灼熱と爆轟に包まれるジェスターの複製体。
 全き視界不良の中、骸面の魔は闇雲に四肢を伸ばして躯を一回転、でんでん太鼓の如く水平方向に遠心力を掛けて無差別攻撃を仕掛ける。
 もはや形振り構わぬ攻撃に、此処で多くの機体が損傷を蒙った。
「ッッ、ッ――! 流石に堪えるな」
 ゼロは風魔法で圧縮させた空気を緩衝材に、軌道を逸らして回避せんとするが、衝撃の余波はUFOを凄まじい風圧に飲み込み、烈しく機体を搖らす。
「往なすのが精一杯でも、無いよりはマシだろ……!」
 体勢を立て直すより先、破魔の力で紡いだ旋風に巨影を追わせたゼロは、風刃が俊敏の要たる腱を切る瞬間を金瞳に映した。
『ズッッ、アッ!』
 鮮血が碧落に躍る中、追撃を掛けるシキ。
「伸び切った瞬間は回避が出来ない……然うだろう」
『――ッ!!』
 狡猾なる銀狼はその瞬間を決して逃さない。
 敵が攻撃した直後が攻め時と狙っていたシキは、此処に全武装を展開して一斉発射し、悪魔の硬肌に無数の鐵鉛火彈を浴びせた。
「大盤振る舞いだ、遠慮せず持っていけ」
『ゼァァアア嗚呼ッッ!!』
 狙いは變わらず俊敏の根源たる脚。
 爆炎が下肢を包み、激痛が巨躯をその場に留める中、今度は腕部を狙っていた瑞樹が今こそ冱撃を衝き入れるッ!
「腕を破壊できれば、相手の攻撃の一つは潰せる筈――」
 精確精緻に筋繊維へ、我が霊力を籠めた魔彈を射る。
 極限まで神経を研ぎ澄ませた瑞樹には、ブチブチと筋細胞が解ける音が聴こえたろう。
 形佳い唇を擦り抜ける玲瓏の聲は低く冷たく、注ぐ眼差しは泉の如く淸冽。
「これで、右腕はもう動かない」
『ズゥゥ……ッッ!!』
 間断無き連撃に、道化のペルソナも忘れて絶叫した骸面は、激痛に勝る瞋恚を以て彼等を薙ぎ払った。
『……コノ者達を、ラグランジュポイントに行かせては! ナラナイッ!』
 左腕一本で巨戰鎚を振り被る。
 それでも強伸縮性によってフレイルの様に遠心力を増した其は、多くの猟兵を殴打し、宙空に血花を躍らせた。
 この時、オリヴィアは美し白皙を鮮血に染めながら、儼然と言い放ち、
「殺戮道化師……道化ならば他者を楽しませよ!」
 怒り、戯けぬは、最早道化で無し――。
 天翔ける翼は血染めた羽を零しつつ、背に疾る痛みを羽撃きに振り払って前に、前に、迫り来る悪魔に【赫怒の聖煌剣】(レイジング・フォトンカリバー)を衝き入れた!
「夜も影も――我が聖煌剣で斬り開くッ!」
『ォォヲヲッッ!!』
 聖性に溢るる魔力を超高密度に圧縮した光の大劔が、万物を斬り裂く波動を放つ。
 無窮の光は闇の帳を切り裂くように疾り、竟に【完全なる夜】を明けさせた。
『ズ……ァ……ッッ……!!』
 鋭く断たれた影がオリヴィアの麗姿を暴き、尚も煌々と輝く絢爛の光が栄光を、勝利を手繰り寄せたろう。
 穹に消え往く邪影は、更に銃口を向けるマギアの機影を暴き、間もなく星々の魔力を纏わせた魔彈が彗星の如く降り注いだ。
『ッ、コノ身に創痍は……刻ませませんヨッ!』
「――私の全開の魔力を、恒星に變えて発射します!」
 我が器に厖大と流るる力を出し惜しむマギアではない。
 少女の彈いた無数の魔彈が全て恒星級の熱量を有せば、咄嗟に盾にと突き出した戰鎚も凄まじい衝撃と焦熱の前に砕けてしまう。
『ッ、ッッ!!』
 利き腕が殺され、影が破られ、戰鎚が砕ける――。
 其は慥かに己が矜持が脅かされた瞬間であった。
『ッッ、認める訳には……!!』
 猟兵の強さを認めるか――否!
 我が敗北を認めるか――断じて否!
『ワタクシは此処で新世代を駆逐シ、ラグランジュポイントへの道を断ッテ――!』
 云い終わらぬ裡に延伸した怪腕が、小さなUFOを鷲掴み、握り潰す。
 手応えアリ――! と嗤笑したのも束の間、伸び切った左腕の周辺には、ヘスティアとプチヘス部隊があらゆる距離と角度から銃口を注いでおり、間もなく閃光を彈く。
「まんまと囮を掴んだようね」
『囮……ッ!』
「プチヘス部隊、マイクロミサイルを一斉発射!」
「ヘス!」
『――ギャァァアア嗚呼嗚呼!!』
 其は尊い犠牲となったプチヘス(※無事です)に対する追悼の号砲にも似た凄撃。
 骸面の道化師が左下腕を失った激痛を喊ぶ中、チーム・ヘスティアは殉職したプチヘス(※無事です)の顔を穹に描き、
「総員敬礼!」
「ヘス!」
 聢と哀悼を捧げた。
 然して須臾。
 凛然の聲が、覆らぬ劣勢――終焉の到来を突き付ける。
「私達、こんな所で止まれないもの。一気に突破させて貰うわ」
 聲主は灼眼紅翼の佳人。
 今度はジェスターの複製体自身に“恐慌”の感情を植え付けるグレイス。
 優勢を得た今なら、より感情を震わせられよう。道化の骸面にも俄に慄然の差す瞬間を視た彼女は、我等が進路を示す様に氷彈を斉射した。
 あらゆる攻撃が及ぶ今、狂邪に防禦の術は無い。
『オロロロロ――ッッッ!!』
 窪んだ眼窩に映るは、美し白皙に血を滲ませて疾走るギージスレーヴ。
 佳人は血に餓えて群がる猟犬を、【機甲武装・殲滅火砲】(ウンゲノルムト・ヴァッフェ)――異世界より転送した過剰火力のガトリング砲に蹂躙しながら、身ごと硝煙彈雨と為って迫り来る!
「先に盾した戰鎚はもう無い。扨て如何する?」
『ッ、ッッ!』
 言に窮するとは道化の屈辱。
 更なる屈辱は痛撃によって齎されよう、ギージスレーヴは我が彈幕に飛び込む形で視界を犯し、禍き骸面、その正に眼の窪に無数の鐵彈を撃ち込んだ!
「云っただろう、駆除すると!」
『ギャァァアア嗚呼ッッ!!』
 凄まじい爆轟に包まれた道化師は、辺りに漂う煙が硝煙と思ったに違いない。
 然し其はヨナルデが生成した魔法の煙――呪詛を籠めた黒煙は、靉靆と棚引いて不穏を薫じ、炎噴く眼窩に肉薄する太陽の神を直前まで匿った。
「嗅覚も視覚も封じられては禦げまい」
『な、ン――ッッ!!』
 果して道化師にその瞬間が視えたかは判明らない。
 何故なら、繊手が握る『黒曜石の戦斧』が煙を帯と引きながら眼窩へと振り下ろされ、燃ゆる炎を両断して窪に沈んだからだ。
『――オオオォォヲヲヲ嗚嗚ッッ!!』
 赫炎を血汐の如く繁噴き、激痛を喊ぶ道化師。
 彼にはもう、翡翠色のサイドテールを躍らせる少女も映らねば、須臾に急接近するメイスンの機影も見えまい。
 紫水晶の電脳魔術士は、無数と撃ち出す電脳ミサイルの軌道に敵躯と自機を結びながら、超威力を誇る電脳重力爆彈を一斉発射し、熾烈なる爆轟に穹を呻らせた。
『ゼァァ嗚呼嗚呼嗚呼!!』
 光爆ぜる瞬間、円窓より流れ込む燦然に麗顔を白ませたメイスンには、決定的瞬間に時を止めた道化師の骸面が慥かに映っていたに違いない。
 蓋し凄艶は飄然と訣別を告げて、
「喜劇の如く、面白おかしく退場するのもピエロの仕事じゃけーのー」
『な、にを……ッッ……!!』
「さ、仕事しんさい」
 閃光――ッ!
 穹一面が爆発し、凄まじい噴煙が一帯を包む。
 尚も照射される光条が其処に道を暴けば、戰塵を掃ったUFOと各々の機体、そして生身の猟兵が現れる――!
 彼等は超重力に消し潰された道化の末路も視ず、唯だ前に、前に進み往く。
 目指すは大気圏外、知られざる文明が存在する『ラグランジュポイント』――。
 強敵を斃して義気凛然、愈々闘志を燃やした猟兵達が、ビームハイウェイを光矢の如く駆け抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
「主よ、憐れみたまえ」

『祈り』を捧げると星辰の片目に光が灯る

【神に愛されし者】を使用

全身を輝きで纏いマッハ5に迫る速度で宙を翔ける私は箒星

「灰は灰に、塵は塵に」

弓で『援護射撃』放つ矢は流星の如く
響く弦音は『破魔』の力を宿して敵の動きを鈍らせる

「光あれ」

猟犬の全てに、輝きが瞬くと光線を『一斉発射』

負傷者を『かばう』
ダメージに輝きが星屑のように散る

「この身が裂かれ砕けようとも」

全身の輝きを迸らせて『存在感』で『おびき寄せ』る
『オーラ防御』の光を球形上に展開

「あなたに魂の救済を」

『封印を解く』と聚楽第の白い翼がぎこちなく広がる
最高速度から星の『属性攻撃』は体当たり
敵の攻撃は星が煌めく『カウンター』


パウル・ブラフマン
宇宙で戦闘とか鬼アツじゃん!
オレは相棒のGlanzと暴れちゃうぞ☆

手始めに【スライディング】で
血の猟犬の群れに特攻して【なぎ払い】を。
そのまま回転しながら
展開したKrakeによる【乱れ撃ち】で一気に蹴散らすよ☆

弾幕と血煙に乗じて囮の浮遊型探照灯を点灯。
その場に居ると見せかけて
消音モードで移動、ジェスター背後へと回り込んでおくね。

UC発動―巨大化した手錠に記された罪名は『avaritia』。
繋いだ鎖の上をGlanzで猛【ダッシュ】して
流血箇所の上に着地し
全砲門最大出力で【零距離射撃】をお見舞いしたいな。

他猟兵さんのピンチには
【かばう】or【牽引】するなどフォローを!

※絡み&同乗&アドリブ大歓迎!


矢来・夕立
狭筵さん/f15055
赤ずきんさん/f17810

今日の我々の標語。「ノーブレーキ・フルアクセル」。

①各自UFOで上空まで追いつく
②足場・攪乱に別れて連係

攪乱担当です。
乗ってきたUFOをオートパイロットに設定。
《闇に紛れて》飛び降りざま、《だまし討ち》。

弾性の身体なら鋭い刃物や刺突には弱いでしょう。重力加速もつけて一回ブッ刺します。
そのままデカブツの身体の上を走りながら切り刻む。
振り落とされ…る、と思いましたか。走れるんですよね、これが。【夜雲】。
とはいえコレには歩数の限りがありますから
お二人のUFOと、敵のバカみたいな図体を飛び移りながらヒットアンドアウェイを繰り返す。

大きいのも考え物ですね。


レイニィ・レッド
坊ちゃん/f14904
狭筵サン/f15055

狭筵サンが盗んだバイク(型UFO)を借りましょう

アクセルどれですか?
とりあえず前に進めばイイんですよね
…当然のように無免許なんですけど

さて坊ちゃん
クソ野郎を刻むのは任せました

標語を遵守 アクセル全開
道化師の眼前を飛び回り
奴さんの注意を逸らしつつ全力で足場を勤めましょう
赤いし目立ちますからね、自分

高速移動の片手間
狭筵サンとこに坊ちゃんが降りる時
坊ちゃんの刻んだ傷跡に
『赤ずきんの縫製』を乗せた鋏を突き立て
傷口を抉ってやります

標語はノーブレーキ・フルアクセル
自分は止まりません
狭筵サンからブレーキ教わってませんし

あァそうだ
飛び降りるなら先に言って下さいよ


狭筵・桜人
矢来さん/f14904
赤ずきんさん/f17810

任務で盗んだバイク型UFOを赤ずきんさんに貸し出します。
バイク苦手なので。アクセルはここをこうして……
今日はノーブレーキデーです。
私は別のUFO借りますね。

フルアクセルでUFOを乗り捨てた矢来さんの足場となります。
乗り手を踏まないでくださいね。

赤ずきんさんのほうで矢来さんを拾うときは
あえて敵の眼前を飛び回りこちらに視線誘導。
連係プレーでいきましょう。

敵も馬鹿ではないですからダメージが何処から訪れるかすぐに気付くでしょう。
『黒い人型』のUDCを召喚。“影”の影武者をまるで『飛び降りた』かのように【捨て身の一撃】。
これで少しは気を逸らせますかねえ。


ヴィクティム・ウィンターミュート
さぁ、道化師狩りの時間だ
随分と調子に乗ってるみてーだからなぁ
俺達の道は誰にも阻めねえってことを、教えてやるぜ
ランを始める───行くぜ

自分のUFOに【ハッキング】を仕掛け、制御システムを掌握
出力を法外にブチ上げて、速度を上昇させる
高い機動力で側面や背面に回り込むように動き続け、『完全なる夜』にフォーカスする
セット、レディー!『Dirty Edit』
いい悪魔だな、実にいい"真実"だ
だが悲しいかな、真実や事実は往々にして歪められるものだ

あらゆるものを呑み込む影の術?ンッンー、いいね!歪めよう
交渉次第で従う?それは素晴らしいな。そんじゃあそれも歪めよう

歪み切ったそいつはもうまともに機能しないぜ、残念


日向・史奈
道化師のクローンに…空中戦…なんでしょう、情報が多すぎて混乱してきました…

【操縦】ならお任せください
的が大きいと攻撃が当てやすくて助かりますね
急発進、急停止を繰り返しながらデモンの攻撃を避けて撹乱してみせましょうか

私からは炎の竜巻をお見舞いしてみましょう。反撃です
大きいなら巻き上げて吹き飛ばしたりすることは出来ないでしょうが…その分燃える時間を持続させて、少しでも与えるダメージを増やそうかと

【アドリブ歓迎です】



 グルーム・レイク空軍基地、その滑走路に集まった猟兵達が次々と奪取したUFOや己の推進機構に乗り込み、或いは生身で飛び立つ中、青春期年齢を揃えた三人の青年達は、玲瓏の聲を切りつけ合っていた。
「盗んだバイク、型UFOで走り出さないんですか」
「私はバイク苦手なので。赤ずきんさんにお貸ししましょう」
 淡い優艶の咲みを浮べる男が“拝借”してきたというバイク型UFOに、無骨な断ち鋏の様な視線を注いでいたレイニィ・レッド(Rainy red・f17810)が、ふと一瞥を寄越す。
 深緋の流眄を注がれた狭筵・桜人(不実の標・f15055)は、桜唇に湛えた微笑はその儘、鍵は挿さっているとばかり、瞳にその位置を示して見せる。
 レイニィ・レッドは長い脚を持て余す様に鐵騎に跨ると、試しにハンドルを握り、
「アクセルどれですか?」
「アクセルはここをこうして……」
「……とりあえず前に進めばイイんですよね」
「ええ、勿論」
 今の会話といい、手に馴染まぬ感触といい、当然の様に無免許なのだが――大丈夫。
 此処に居る友人で免許の有無を指摘する者は居ない。
「じゃあ、私は別のUFO借りますね」
「同じく」
 矢来・夕立(影・f14904)も危険を察したか、桜人と共に別のUFOに足を進めた彼は、繊麗の躯を搭乗席に滑り込ませると、真赭の麗瞳を計器類に巡らせた。
 丹花の唇は竟ぞ真実(まこと)を紡がぬが、果して今日は如何だろう。
「今日の我々の標語。――“ノーブレーキ・フルアクセル”」
「……成る程」
「了解です」
 誰一人と首を振らず、大体の戰術を共有した三人は、UFO特有の浮揚感に身を任せ、光が示す進路を辿り始めた。

「ヘイ、ユー! あのデカブツは危険だ!」
「それでも君達は向かうって言うのか!? クレイジーだぜ!!」
 光の照射に協力したものの、その進路に立ち塞がる巨影に戦慄した米兵が、意気軒昂と爪先を彈くパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)を思わず止めるが、彼等を映すマリンブルーの瞳は爛漫と耀きに満ちている。
「宇宙で戰闘とか鬼アツじゃん! オレは相棒とめいっぱい暴れちゃうぞ☆」
 白銀の宇宙バイク『Glanz』もバイブスは最高潮と云った処か。
 アクセルを開くやエッジの利いた轟音で心を躍らせてくれる相棒に、パウルは天真不羇の咲みを浮べると、艶やかな蒼き光線を纏って疾走した。
「行くぜ、Glanz! ビームハイウェイを駆け抜けろッ!」
 戰闘機エンジンが豪快にも爽快な音を裂いて往く――その先を仰いだヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)は、鏖殺の気を漂わせて睥睨する骸面を睨めると、此方も不敵な咲みを返してやる。
「随分と調子に乗ってるみてーだが、俺達の道は誰にも阻めねえってことを、身に染む程教えてやるぜ」
 颯爽と躯を操縦席に滑り込ませ、透徹の瞳をコックピットに巡らせたのも一瞬。
 直ぐに制禦システムをハッキングし、出力を法外にブチ上げるプログラムを組み込んだヴィクティムは、推進力も機動力も飛躍したUFOを駆る。
「ランを始める───行くぜ」
 ――さぁ、道化師狩りの時間だ、と。
 一瞬の裡にUFOを我が手足の如くした精悍が、間もなく光と變わった。

 仲間の猟兵が手際よく搭乗機をビームハイウェイ軌道上に乗せ往く中、日向・史奈(ホワイトナイト・f21991)はやや緊張気味にUFOに乗り込む。
 白磁の繊指に眼鏡を持ち上げ、金の麗瞳をくるりコックピットに巡らせる。
「えぇと、道化師のクローンに……空飛ぶ円盤で空中戰……なんでしょう、情報が多すぎて混乱してきました……」
 落ち着いて、と自身に呼び掛けながら、操縦桿を握る。
 それでも操縦は得意な方だ。直感で感触を掴んだ史奈は、凛然を萌すや光条を見据え、浮揚、推進――! 一気に光の道を駆け抜けた。

 仲間が続々と『ビームハイウェイ』に乗る様を、最後者として見送ったマリス・ステラ(星を宿す者・f03202)は繊指を組み合わせて祈り、
「主よ、憐れみたまえ」
 キリエ・エレイソン――人類の根源的な神への願いを囁けば、瞳に顕れし聖痕『星辰』に穏やかな光が燈る。
 その光は軈て繊麗の躯を満たし、星の如く耀いて【神に愛されし者】(アマデウス)と成り――溢るる愛によって戰闘力を増強し、飛翔速度6,100km/h、標準大気中で最大マッハ5に至る超速を以て光の道を往く。
 宛ら箒星の如く――聖性の光が帯を引いて翔けた。

  †

『オロロロ、いやはや面白くなって参りマシタ!』
 向かい来る猟兵にお道化た嗤笑を注ぐ巨邪、ジェスターの複製体。
 その巨躯を以て光の照射を遮った骸面の悪魔は、猟兵の凛然と精悍に沸々と殺戮衝動を膨らませると、我が血を代償に猟犬の群れを放った。
『ココで返り討ちにして、戰功を積ませて貰いマスヨッ!!』
 狂騒、クリムゾンハウンド――!
 真紅の爪牙が狂濤の如く襲い掛かるが、パウルは隻眼をクッと細めるや相棒の鐵騎をスライディングさせ、鋭い進入角から旋回すると同時、固定砲台『Krake』から鐵鉛火彈を嵐と浴びせた!
「Glanz! 一気に蹴散らせェ!!」
『グルルルルッ!!』
『グルァァアア!!』
 彈幕と血煙、そして獣の絶叫が光の道を惨憺たる戰場と變えるが、この時パウルは騒乱に乗じて浮遊型探照灯を点灯させると、其を囮に自身は音を殺して敵背を目指す。
 一方、惨憺に意識を繋いだ儘の道化は大仰に讃し、
『流石、ここまで来ただけの事はありマスネ! 実に潰し甲斐がありマスヨ!』
 にたり、と嗤笑ったろうか。
 光の照射に濃くした影より、あらゆるものを飲み込む影を操るデモン【完全なる夜】を召喚して使嗾した。
『導きの光も、其を辿る連中も、全て飲み込ませてあげマショウ!!』
 交渉成立、デモニックエクリプス――!!
 刻下、暴食のデモンが極上の獲物を前に黒影を滑らせるが、ヴィクティムは高機動・超瞬発力で魔手を次々と躱すと、電脳接続型拡張プロセッシングゴーグル『ICEブレイカーVer.2』越しに照準を絞った。
「セット、レディー! 『Dirty Edit』」
 発動、【Rewrite Code『Dirty Edit』】(ジジツハタヤスクユガメラレル)――!
「いい悪魔だな、実にいい“真実”だ。――だが悲しいかな、真実や事実は往々にして歪められるものだ」
 多彩な兵装を仕込んだ右腕がデモンに差し向けられると、ユーベルコードの効果を書き換えるウィルスが放たれる。
 暴食の闇がそれを丸呑みにすれば、端整の唇は小気味佳く持ち上がって、
「あらゆるものを呑み込む影の術? ンッンー、いいね! 歪めよう。
 交渉次第で従う? それは素晴らしいな。そんじゃあそれも歪めよう」
 果して影が異様に膨れて蠢いたのは、デモンの魔術であったか、ヴィクティムによって書き換えられた故の現象であったか――其は後に知る事になる。

 ヴィクティムのウィルスが完全に支配する迄は、デモンも暴食の儘に食指を伸ばす。
 向かい来る猟兵は全て食べて良いと「交渉」した悪魔は、編隊を組む彼等を大いに脅かした。
 蓋し漸うUFOの勝手を掴み始めた史奈も簡単には捕まらない。
「急発進、急停止を繰り返して、撹乱してみせましょうか」
 空中戰ならではの重力加速度も愉しみながら、急旋回して円弧を描き、デモンの魔手を遁れる小気味よい操縦。
 影を擦り抜けた直後には、UFOから鋭い光線を彈いてジェスターの巨躯を攻撃し、
「的が大きいと攻撃が当てやすくて助かりますね」
『オロロロロ、ちょこまかと小癪な……!!』
「流血が再び猟犬を喚ぶでしょう。後方から援護します!」
 この時、マリスが後続に付いて援護射撃し、猛牙を剥いて迫る血の猟犬に向かって巨弓『星屑』を構えた。
「――灰は灰に、塵は塵に」
 繊指に彈かれる弦音は破魔の力を宿して淸澄と、放たれる矢は流星の如く光の尾を引き――宙空を切り裂いて走(たばし)る鏃は、血獣の舌を鋭く貫いた。
『グルァァアアッ!!』
 死の中心点を射抜かれた猟犬は、ドロリと形を解いて朱殷の血溜りとなる。
 尚も暴悪の群れが雪崩れ込めば、マリスは玲瓏のソプラノ・リリコに短く告げて、
「光あれ」
 時は須臾にも満たず。
 綺羅星の如く光が瞬いた刹那、無数の光条が放射状に放たれ、間もなく絶叫と血飛沫を噴かせた。

 体高30mの魁偉が光の道を塞ぐ――其処に聢と骸面の嗤笑を視た夕立が、操縦桿から繊指を放し、搭乗機をオートパイロットに設定する。
 道中、特に親しく会話する事も無かったが、三人は一連の流れを把握していた。

 一、各自UFOで上空まで追いつく。
 一、足場・攪乱に別れて連係。

 ――そして大原則、ノーブレーキ・フルアクセル。
「標語を遵守し、自分は止まりません。抑も狭筵サンからブレーキ教わってませんし」
 レイニィ・レッドはアクセルの他は操舵を知れば事足りたろう。
 白磁の指にも漸う馴染み始めたハンドルを握り込め、フルスロットル――テールランプに真紅の帯を引きながら旋回した彼は、視界の端で彗星と疾走るUFOを視た。
 桜人である。
「今日はノーブレーキデーです。アクセルしか要らないから樂ですね」
 蓋し彼が十分に気を配っているとは、その速さで理解ろう。
 桜人は夕立が乗るUFOと速度を同じくしながら、間もなく自機に飛び移る繊躯を聢と受け止め、自動操縦となったUFOと接触する事無く離れていく。
「乗り手を踏まないでくださいね」
 僅かに天板をノックした夕立に小気味佳い返しをしつつ、足場として任務に与った彼は、今度は運び屋となって影を潜りつつ、血狼の群れを避けつつ、骸面の巨躯を目指す。
 なればとレイニィ・レッドは、桜人とは逆の弓張月を軌跡に描いて疾走り、
「奴さんの注意を逸らしましょう。赤いし目立ちますからね、自分」
 雨の匂いを掠める『雨男』を翩翻と翻し、道化師の握る巨戰鎚が狙い易いよう、巧みに視界を過って視線を誘導した。
『オロロロロッ、チラチラと飛び回る蠅は叩き落して見せマショウ!』
 戰鎚一閃――!
 勢い良く怪腕を伸ばし、遠心力を増した重厚な一撃が水平方向に閃くが、夕立が狙っていたのは正にこの刻。
「彈性の身体なら、鋭い刃物や刺突には弱いでしょう。特に伸び切った今は――」
 若しか硝子の彊界を隔てた炯眼には、筋繊維すら視えていたかもしれない。
 其処に沈めるだけだ、と斬魔の劔『雷花』を疾走らせた夕立は、空中戰ならではの重力加速度を乗算して、一度、色気もなくブッ刺した。
『オロロローッ! 振り払え……ナイ!!』
「刺してますからね。深く」
 冷然と言ってのける夕立だが、尋常なら降り落とされるのが当然だろう。
 彼は【夜雲】(ヨルクモ)――最大で61回も疾走・躍動できる秘策を以て長大な左腕を走(たばし)り、紫電を閃くや宙に血華を散らせた。

  †

『やはり……この者達をラグランジュポイントに行かせては、ナラナイ!!』
 骸面の道化に、戯ける余裕は最早なかったろう。
 空白期間に現れた“新世代”――猟兵の脅威を目の当たりにしたジェスターの複製体は、此処で彼等を止めねば、必ずや未来に干渉を及ぼすと慄然を噛み砕く。
『オロロロロ、死んで貰いマス!!』
 伏魔跳梁、デモニックエクリプス――!
 道化師の聲に嗾けられた悪魔【完全なる夜】が、暴食の黯黮(くらがり)を操りながら猟兵に襲い掛かれば、刻下、マリスが身を挺して庇い出た。
「ッ、ッッ! この身が裂かれ砕けようとも……!」
 鞭の様に撓った闇が繊麗の躯を打ち、身に纏う燦然が星屑のように散っても、彼女はこの機を逃さない。
「――あなたに魂の救済を」
 激痛に歪んだ柳葉の眉を凛々として、星の力を秘める麗瞳に慈愛を湛える。
 星光を集めて白翼『聚楽第』を広げたマリスは、力強く羽搏いて闇黒へと体当たりし、耀ける双翼にデモンの脇腹を切り裂いた。
『ゼァァアアッッッ!!』
 影を操る悪魔なれば、躯を貫穿されても元の通りに埋めたろう。
 然しデモンは風穴を開けた儘、激痛を喊び、反撃に転じる様子もない。
 UFOの円窓越しに其の異様を視たヴィクティムは、玲瓏の白皙に微笑を浮かべて、
「――もう何も呑み込めないし、影を操る事も出来なければ、新たな契約も結べない」
 頬杖を付き、どこか艶めいた悪戯な眼差しを注ぎつつ、『Dirty Edit』によって書き換えられた“事実”を述べる。
 逆の手は其を示す様に操縦桿を傾けると、幾筋の光線を射て影を無残に切り裂いた。
「歪み切ったそいつはもうまともに機能しないぜ、残念」
『オロロロッ、何という……ッッ!!』
 思わず脅威を口走った骸面の悪魔に、道化師の口跡は無かった。

 桜人とレイニィ・レッドの機体を足場に、ヒット・アンド・アウェイを繰り返す夕立。
 その仲の良さも相俟って、連係プレーは見事に道化師を翻弄していたが、そろそろ變化が必要だとは、射掛ける光線に芙蓉の顔(かんばせ)を白ませていた桜人の言。
「敵も馬鹿ではありませんから、ダメージが何処から訪れるか直ぐに気付くでしょう」
 聲は犀利に淸冽に。
 道化とは幾許にも狡猾なものだ、と嘆声を零した桜人は、【怪異具現】(ストレンジ・コレクション)――『黒い人型』のUDCを召喚し、夕立の代わり“影”が飛び降りた風を装って、冱ゆる一撃を突き入れさせた。
『!? ズゥ、ッッ……!!』
「影武者は彼の様にはいかずとも、これで少しは気を逸らせますかねえ」
 柔かく語尾を伸ばして、琥珀色の麗瞳を円窓に投げる。
 然れば其処には、此度はレイニィ・レッドが跨るバイク型UFOの後部に据わった夕立が、朱に匂い差す脇差を手に今こそ飛び降り、
「――扨て坊ちゃん。クソ野郎を刻むのは任せました」
 冷雨の如き瞳に見送られた無言の背が、鮮血を返事と代えた。
『オロロロロッ! 真の攻撃は此方デシタか――ッッ!!』
 虚言、嘘吐き、騙し討ち。
 そして何より残酷を好む刃撃が、今度は全き背面の腰から肩甲骨に掛けて疾走し、骸面の道化師を激痛に反らせた。
『グ、ァァアア嗚呼ッッ!!』
 蓋し絶叫が鼓膜を破るより先、絶好の角度で迎えに来た桜人の搭乗機に飛び乗った夕立は、彼に言うでもなく怜悧に言ちて、
「大きいのも考え物ですね。的が大きくなっただけで」
 長い睫毛を持ち上げた彼は、己が刃撃を刻んだ創痍に深く鋭く突き立てられる――発錆の断ち鋏『ジョギリ』の鈍い音に耳を澄ませた。
「坊ちゃんの刻んだ傷跡、綺麗に辿ってやりますよ」
 発動、【赤ずきんの縫製】(レイニィ・アナトミア)――。
 筋繊維を剔抉し、細胞ひとつまで串刺して疾駆る鋏の美しきこと妖しきこと。
 バイクで駆け抜け様に鋏を翻し、鋩を躍らせたレイニィ・レッドは、其の名が示す通りの鮮血の雨を浴びて、冷艶の白皙を際立たせた。
『ォォオオオ雄雄乎乎ッッッ!!』
 悲鳴を置き去りに光の道を疾走したレイニィ・レッドは、気付けば並走している桜人、そのUFOの上に躯を収めた夕立に視線を遣って、
「あァそうだ。飛び降りるなら先に言って下さいよ」
 と。
 低音にして低温なるテノールを以て、晩蒔きの注文を付けた。

「私からは炎の竜巻をお見舞いしてみましょう」
 史奈が追撃にUFOを急旋回させた瞬間が、終焉の刻だったか――。
 繊指に叡智の杖を握り、我が身に秘める厖大な魔力を赫炎と變え、自然現象と合成する――は之業【白虹貫日】(ハノワザ・ハッコウカンジツ)。
 少女の鈴を振る様な佳聲に紡がれる“願い”を聞き入れた炎は、大いなる颶風と化して禍き巨躯を包み、轟ッと燃えて其の硬膚を灼いた。
『――グァァアア嗚呼ッッッ!!』
 立ち上る炎は肌膚を焼き、空気を燃やして、激痛を訴える道化師の悲鳴すら焦熱に飲み込む。
『ッッ……ココでワタクシが敗北する訳には……ッ!!』
 ドクター・アトランティスより授かりし『クローン装置』は、本体と全く同体なれば、此処での敗北は即ち本体の敗北と同義。
 決して彼等を通してはならぬ、と四肢を伸ばして巨壁と立ち塞がった道化師だが、既に我が壁を擦り抜けた不届き者が居るとは思っても無かったに違いない。
「――“この世は素晴らしい。戰う価値がある。……後半は賛成だ”、だっけ?」
『――ッッ!?』
 艶帯びたテノール・バリトンが冷たく背に触れ、振り返ろうと寄越した赫炎の魔眼は、然し不届き者の影を捉えるより先、我が右腕に掛けられた手錠に留められる。
『いつの間に……オロロロロ、はて“avaritia”とは……??』
「――“強欲”。手前ェの罪状、刻んでおいてやったぜ」
 其はパウルの【Closer】(セブンデットリーシンズ)。
 首輪から具現化した鎖で道化を繋いだパウルは、愛騎『Glanz』に蒼き光を帯と引いて鎖上を疾走ると、全砲門展開、最大出力の火力を零距離で叩き付けた!
『ゼェァァアアア嗚呼ッッッ!!』
 大爆発――!!
 凄まじい轟音と噴煙が辺りを覆い、尚も地上から照射される光が戰塵に乱反射するが、その中から出て来たのは、パウルら猟兵!!
「デッドエンド(行き止まり)、デッド――!」
 勇敢に突き上げられた拳が、一同の勝利を讃える戰旗のよう。
 刻下、巨影に遮られていた光の道は再び進路を得て、知られざる文明が存在する『ラグランジュポイント』への道を示す。
 猟兵達は道化師の今際の絶叫を置き去りに、振り向かず、前へ――ビームハイウェイを光矢の如く駆けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月17日


挿絵イラスト