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アースクライシス2019⑧~がおがお探検隊

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #センターオブジアース

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「集まってくれて感謝するよ。いやぁ、戦争は忙しいねぇ。皆も疲れたろう?」
 けらっと笑いつつ、ネルウェザ・イェルドットはグリモアベースに集まった猟兵を労う。
「さて、モニュメントバレーでひと騒ぎ起こしたオブリビオン。皆にはこれを退治してもらった訳だけど……奴らが出てきていた洞窟の奥深くが『パンゲア大空洞』に繋がっていることが判明したんだ」
 そう言ってネルウェザは小さめのホワイトボードにぐるっと洞窟のような図を描く。続けてもさもさと緑で木や草が茂っている様子を表すと、彼女はその真ん中に小さな物体を付け足した。ネルウェザの画力もあってか、それは二つ連なった窓のようにも、ふわふわの食パンのようにも見える。
「今回君達に頼みたいのは、このパンゲア大空洞に眠る『鍵の石版』を探し出し回収すること。これ自体はそれほど難しい任務ではないと思うんだけど……」
 食パンを石板を言い張るネルウェザは、木々の生い茂るホワイトボード上の洞窟に、更にドドンと何か大きな生物の姿を描く。
「なんとこのパンゲア大空洞、恐竜が住んでいる上に地形も複雑なんだ」

 彼女が語るのは、パンゲア大空洞の内部について。草食竜や肉食竜を問わず様々な恐竜が闊歩するその空間は、『鍵の石板』に籠められた膨大な魔力によって不思議な地形と化している。浮かぶ足場や光る石、動力すら不明の謎の落とし穴――など、猟兵の味方にも敵にも成り得るものが数多く存在しているらしい。
 そこで『鍵の石板』を探すためには、地形を上手く利用するだけでなく恐竜を大人しくさせたり、いっそ手懐けてしまったりといった手段が必要となるだろう。
「鍵の石板を集めることによって、センターオブジアースへの道を開くことができる。その為に……どうか、頑張ってほしい」

 ネルウェザはそこまで話すと、猟兵達を見てグリモアを浮かべる。準備はいい、と聞くのとほぼ同時、彼女はふわりふわりとグリモアに光を灯し始めた。
「それでは、宜しく頼むよ」



 パンゲア大空洞。ネルウェザの話通り、わさわさと巨大な木々が生い茂る広い空間だ。
 上を見ればオゴー! と鳴き飛んでいく翼竜『プテラノドン』、木の向こうには何かの卵を食い荒らす小さな恐竜『オヴィラプトル』。そして、その向こう――卵の持ち主だろう、巨大な顎を大きく開き、オヴィラプトルに向かって怒りの咆哮を上げる肉食竜『ティラノサウルス』。
 オヴィラプトルは驚いて顔を上げると、近くに浮いていた岩にピョンピョンと乗って一目散に逃げだしていく。ティラノサウルスは叫びながらそれを追うが、岩は重さに耐えきれずひゅっと落下してしまう。
 からかうようにぴょこぴょことそれを見るオヴィラプトル。しかしその足元、突如何もなかった地面が光りだし、直後パカッと穴を開けて恐竜を飲み込んでしまった。

 少し見渡しただけでもこの光景。あまり迂闊に動くことは得策ではないだろう。
 あの恐竜達やパンゲア大空洞の不思議な地形をどうにかしながら、この洞窟に眠る『鍵の石板』を探し出さなければならない。


みかろっと
 こんにちは、みかろっとと申します。今回はヒーローズアースにて、恐竜のいる大空洞を探検し、『鍵の石板』を探すシナリオです。恐竜を何らかの手段でこちらに危害を加えてこないようにできれば、きっと良い結果になると思います。……いえ、なります。

 こちらはアースクライシス2019の戦争シナリオで、冒険シーン一章で完結です。
 皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『パンゲア大空洞の大冒険』

POW   :    探索の妨害となる恐竜を力づくで排除しつつ、正面から探索する

SPD   :    見つからないように移動するなどして恐竜に邪魔させず、周囲の状況を良く確認し、探索を有利に進める

WIZ   :    知恵を駆使して恐竜を懐柔あるいは排除し、探索の為の作戦を考案する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィラデルフィア・シャイントピア
探検はロマンデース!こうなったらダイナソーに一発芸を仕込む勢いデース
【アドリブOK】
流石にビークワイエットで動かないとデンジャーですネー。
もし近くでダイナソーがいたとしても
動物と話す能力を駆使して何を言っているかを確かめて
同じような話し方をしつつ回避を行いマース。

ソシテ、万が一のときのために前もって
ジャングルで恐竜人形を作っておき、
逃げさせることで肉食ダイナソーサンも回避して
奥へと進んでいきマース!



「探検はロマンデース!」
 フィラデルフィア・シャイントピアはパンゲア大空洞に降り立つと、同じ空間を闊歩する恐竜達に目を向ける。彼等は多種多様な鳴き声、動き、そして視線で互いを認識しながら簡単なコミュニケーションを取っているようだ。
「グールルル……」
 フィラデルフィアのすぐ近くで、小さな恐竜が唸る。とはいえ彼女と同じか少し小さいくらい、人間の子供程度の大きさだ。だが敵意は無いのか、恐竜はじっとフィラデルフィアを見てすぐにどこかへと去って行ってしまった。
「流石にビークワイエットで動かないとデンジャーですネー……」
 去っていく小さな竜を見送りながら、フィラデルフィアは茂みに身を潜めた。耳を澄ませば、あの恐竜が何かを周りに伝えるようにギョアギョアと高く鳴いているのが聞こえる。
「ンー……?」
 恐竜の鳴き声に集中し、その意図を探るフィラデルフィア。動物の気持ちを感じるような要領でそれを続ければ、なんとなく恐竜が何を周りに伝えているかを察する。
 ――ここになんかいるぞ!
 ――たべものだ! たべものだ!!
 フィラデルフィアがそれに気づいた直後、彼女の背後でガサガサガサ! と音がした。
「グォギャァーーーッ!!」
「ノーーー!!!」
 思わず振り向いて、フィラデルフィアは茂みから飛び出す。追ってくる小さな恐竜達は明らかに、神である彼女をあろうことかエサと認識していた。
 ――にがすな!
 ――つかまえろ!
 そうギャアギャア鳴く恐竜達を引き離しながら、フィラデルフィアは浮かぶ石を蹴って駆けていく。しかしこれを長く続けて肉食竜に見つかっては今度こそジ・エンドだ。
 するとフィラデルフィアははっと思いついたように、小さな恐竜達に向かって大きく声を上げた。
「ぎょ、ぎょあぎゃあーっ!」
「グゴギョギョーッ!?」
 突如、恐竜たちは途端に踵を返して一目散に逃げていく。フィラデルフィアが声真似をして彼等に聞かせたのは、遠くで聞こえた『警戒』の鳴き声だった。

 だが、恐竜達はそれだけで逃げたのではない。フィラデルフィアがふうっと息をついた直後、視界に入ったのは――ティラノサウルスの姿。
「ウップス!」
 すぐに彼女は近くの茂みに潜り込むと、こんな時の為にユーベルコード『ゴッド・クリエイション』で作っていた恐竜の人形をぽんと放つ。

「ごぎゃーー」
 人形はカサカサとティラノサウルスの目の前まで走っていくと、その視線を奪って全速力でフィラデルフィアと反対の方向へと駆けだした。
「イエス! 今のうちデース!」
 ティラノサウルスが人形に夢中になっている隙に、フィラデルフィアはささっと茂みを抜け出して大空洞の奥へと進んで行く。――鍵の石板は、きっと向こうにあるはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
とりあえず、★Venti Alaに風魔法を宿し
足音、羽音を立てないよう【空中浮遊】
風音ならさほど違和感は無いだろうし

物陰に隠れて移動
自然の罠にも気をつけないとね
【聞き耳】で音を拾い、周囲の僅かな変化も【見切り】
安全なルートを選んで行くよ

全部の種族を手懐けるのは流石に難しいから
頃合いを見計らい【指定UC】を風の【高速詠唱、属性攻撃】で拡散
【催眠の範囲攻撃】でまとめて眠らせ…一体だけ
そうだな…プテラノドン残そうかな

翼を使い同じ目線まで飛行
向かって来ようとしたら回避しつつ
口を開けた瞬間★Candy popを投げ入れ
…美味しいでしょ?
僕は敵じゃないよ
少し手伝ってほしいだけなんだ
背中…乗せてくれない?



 様々な恐竜が行き交う大空洞の中、栗花落・澪は音を立てないよう浮遊して探索していく。足元に着けた『Venti Ala』に風魔法を宿した彼は、微かな風と羽の音だけを小さく鳴らすのみ。幸い恐竜達も彼に気づくことはなく、ただただ自然の摂理のままに大自然を走り争っていた。

 澪がよく辺りの音に耳を澄ませば、恐竜の足音や鳴き声以外にも何か不思議な音が聞こえる。その音はだんだんと、澪の――後ろに。
「っ!」
 ひらりと躱した澪の横、尖った岩が物凄い速度で一直線に飛んでいく。飛んできた方向、少し離れた所に浮かぶ穴あきの岩がぼうっと不思議な光を帯びており、澪はあそこから今の尖った岩が襲い掛かってきたのだと確信した。
 上を見れば翼竜が滑空し、木々の間には身軽そうな恐竜がかさかさと動き回っている。澪は警戒して少し浮遊の高度を下げ、生き物の気配がない大木の裏へと身を潜めた。
 このままでは思うように動けない。恐竜を仲間にしてしまうのも手だが、この空間にいる大小強弱様々な彼等を全て手懐けるのは容易ではないだろう。

 澪は少し考えて、ユーベルコード『Berceau de fleurs』を発動した。同時に風の魔法をふわっと放ち、現れた花弁を辺りに拡散していく。
「グオギャー!?」
「グギャ!!」
 恐竜達は甘い香りに気が付き、何だ何だと駆け回る。首と目玉をきょろきょろ動かしながら騒ぐ彼等だが、すぐにその鳴き声は収まり静かになった。
「おやすみなさい。良い夢を」
 優しく暖かい眼差しで、澪は眠る恐竜達に言う。クキョー、フゴー、と何とも言えない鼾をかきながら、澪の周囲にいた恐竜達は地に横たわっていた。

 そして澪が見上げれば、大きな翼竜が一体。彼が花弁を飛ばさなかった上空を自由に駆ける、プテラノドンの姿があった。
「オゴー!」

 澪はその背の翼をばさりと大きく羽搏かせ、プテラノドンと並ぶように上空に飛び出す。するとプテラノドンは澪に気が付き、煩く大声を上げてくるりと旋回した。
「ゴォーァッ!!」
 大きな嘴のような顎をこれでもかと開き、澪を丸のみにする勢いで突進するプテラノドン。だが澪はそれを躱し、プテラノドンの大きな口へと飴玉『Candy pop』を一粒放り込む。
「ゴァァオッ!?」
 プテラノドンは慌てて口を閉じる。ふんわり広がる甘い味、そして可愛らしい粒に込められた魔力。どちらかが効いたのか、それともどちらもか。プテラノドンはもごもごと不思議そうに口を動かしながら、澪の方へ静かに近づいていった。
「……美味しいでしょ? 僕は敵じゃないよ。少し手伝ってほしいだけなんだ」
 そう言って澪がぽんと嘴を撫でると、プテラノドンはクルルッと先程とは違う鳴き声を上げる。そして澪は手を離し、そっと顔を近づけて囁いた。
「背中……乗せてくれない?」

 すると、プテラノドンは再びクルル! と優しい鳴き声を上げ、翼を畳みながら近くの大木に止まって『乗って良いよ』と言わんばかりに身を丸める。
「ありがとう。それじゃ……ちょっとだけお願いするね」
 澪がその小柄な体をふわりと乗せると、プテラノドンは大きな翼をグンと動かして再び上空へと飛び上がっていく。翼竜の背で感じる風は自分の羽で飛ぶのとは違い、強く強く澪の身体を吹き飛ばしそうな勢いで吹いていた。

 プテラノドンはそのまま、大空洞の奥へと進む。澪はその先に石板があると信じ、しっかりとその背を掴んで行くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

亜儀流野・珠
(絵を思い出し)パン……パンゲア……いや全く関係ないな。

【動物と話す】で翼竜に声を掛けてみよう。
皆のテリトリーに入って済まない、俺達は石板を探しているんだ。この大空洞も含めこの世界の為にな。
もし石板が見つかればこの浮く岩やら落とし穴やらも収まり安心して過ごせるようになる。と言う訳で石板探し、協力してくれないか!
協力して貰えたなら飛んで貰い空から捜索しよう。
無理だったら地形、主に飛び岩を利用し逃げながら捜索だ!

地上からは「千珠魂」で呼んだ分身達が捜索だ!
地上側は落とし穴に落ちないよう、また他の恐竜たちが落ちないよう怪しい場所に注意しながら進む。
突然落ちるかもしれんから分身皆で連携して警戒だ!



「パン……パンゲア……いや全く関係ないな」
 亜儀流野・珠はぽそりと呟く。出発前に見たあのおかしな絵のせいだろうか、この大空洞の名称に何かを思い出しながら彼女は辺りを見回した。
 自然に溢れた光景は何とも壮大だが、同時に大小様々な恐竜達が闊歩しているという危険も存在している。今回の任務は『石板の捜索』であり、ここで不用意に凶暴な種類に出くわすのは避けたいところだ。
 珠はふっと上を見る。沢山の恐竜がわらわら居る地上とは違い、行動できる種族が限られる場所――つまり、空。
 大きな翼竜がぶわっと通っていくのを見て、珠は大きく息を吸い込んだ。
「そこの翼竜! ちょっと聞いてくれないか!」

 直後、珠の頭上に激しく風が巻き起こる。そしてばさり、ばさりと翼を上下させながら、珠の声に気づいたプテラノドンが降りてきた。
 プテラノドンはオゴ、オゴと警戒するような低い声を上げながら珠の目をじっと見る。睨みつけるようなその視線に、珠は静かに、そして堂々と語りかけた。
「皆のテリトリーに入って済まない、俺達は石板を探しているんだ。この大空洞も含めこの世界の為にな」
 おそらくプテラノドンがその言葉の意味を全て理解することはないだろう。しかし珠の声とその意思はしっかりと届いたようで、プテラノドンは鳴き睨むのを止める。そして続けて首を傾げてクルルル! と鳴くと、プテラノドンは珠から視線を外して彼女のすぐ近く――不思議な光を帯びる岩を見つめた。

 岩はふわふわとその場を浮いている。よく辺りを見回せばそれは地上だけでなく上空や木々の間にも浮かんでおり、時折他の恐竜がギャアと鳴いてそれを避け走っていくのが見えた。
 どうやらプテラノドンもこの不思議な地形には少し困っているのだろう。珠は強く頷くと、プテラノドンに再び話を始めた。
「もし石板が見つかればこの浮く岩やら落とし穴やらも収まり安心して過ごせるようになる。と言う訳で石板探し、協力してくれないか!」
「オグォグォー!!」
 プテラノドンは大きく翼を広げ、そして珠に顔を近づける。どうやら既に敵対の意思はなく、珠に協力してくれるようだ。
 珠はプテラノドンの背に飛び乗ると同時にユーベルコード『千珠魂』を発動する。
「俺たち、召喚!」
 するとプテラノドンがぶわりと飛び立つその下で、沢山の小さな珠がわらわらと出現した。上へ上へと上昇していく珠を見て、分身達は一斉に大空洞のあちこちへと散らばっていく。
「それじゃ――捜索開始だ!」

 風圧に飛ばされないようしっかりとプテラノドンの背を掴みながら、珠は石板のありそうな場所を探していく。地上の小さな珠達も浮かぶ岩や光る落とし穴に気を付けながら、恐竜や木々の間を駆け回っていた。
 ふと、プテラノドンが大きくギョォァ! と鳴き速度を上げる。
 石板を見つけたのか、はたまた別の何かか。珠はプテラノドンの導く先を信じながら、パンゲア大空洞の隅々に目を凝らしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
あーーー種類が違う動物がいるのかここは……参ったな、色んなご飯を同時に持ってくと喧嘩になるからなあ……
ご飯案は無理だな
力を見せつけるのも危ないし……

岩は無機物だな、うん
UC発動
恐竜にとって幸福な幻想を生み出そう
美味しいご飯、快適な寝床、水源に陽光、魅力的な雌雄!
恐竜も動物だし効くんじゃない?

そして私は魅力的なものが無い所を通っていくよ
第六感で色々見切り、穴に落ちそうになれば光の鎖を念動力でどこかに巻き付け這い上がる
オーラ防御も一応展開しておこう

しっかし、HEにこんなところがあったなんてね
もっともっとのんびり探索してみたかったよ……



 パンゲア大空洞の恐竜達を眺めながら、鈴木・志乃はうーんと唸って首を傾げる。多種多様な生き物達が生息するここでは、食べ物を振る舞って懐柔することは難しい。取り合いの喧嘩になったり、その場で食物連鎖が発生したりする可能性も考えられるだろう。
 しかし、だからといってこちらの力を見せつけて服従させるのも危険。志乃がそう考えてぐるりと首を回すと、その視界にふとぷかぷか浮かぶ不思議な岩が映った。
「……岩は無機物だな、うん」
 ひとり頷き、志乃はユーベルコード『流星群』を発動する。
「今一時銀貨の星を降らせる、世界の祈りの風よ」
 近くで浮かんでいた岩にその力を翳せば、ふっとその姿が変わる。それと同時に、周囲でギャオギャオと鳴いていた恐竜がぴくりと頭を上げて不思議そうな顔をした。

 現れたのは美味しいご飯、快適な寝床、水源に陽光、魅力的な雌雄――恐竜にとっての『幸福』と成り得る幻だ。
「ギャォォオ!」
「グオー!!」
 それが岩とも知らず、恐竜達は歓喜の声を上げてはしゃぎ回る。最早志乃の姿に気づくことも気配に勘づくこともないまま、彼等はぴょこぴょこ駆け回って岩に齧り付き、抱きつき、さらには心地よさそうに寄り添って鼾をかき始める者までいた。

 志乃はその隙に別の道――恐竜達のいない茂みの裏を、上空の翼竜や木々の上で獲物を探す恐竜に気を配りながら進んで行く。ここら一体の恐竜はあの幻に気を惹かれているのか、葉や石が音を立てても何かが近づいてくる気配はなかった。

 だが彼女の進路上に、突如ぼうっと何かが光る。
「……っと!」
 ガコン! と地面に大きく穴が開く。志乃は咄嗟に近くの木の幹に光の鎖を巻き付け、間一髪呑みこまれる前に穴から這い上がった。

 そんな不思議な自然のトラップにも気を付け、志乃は更に奥へ奥へと進む。ざわ、と行き止まりのような茂みを思い切ってかき分ければ、そこには開けた明るい空間が広がっていた。
 足音を立てるのは、穏やかそうで大きな草食竜。志乃はそののんびりと暖かな空気の漂う空間に、そっと足を踏み入れていく。
「しっかし、ヒーローズアースにこんなところがあったなんてね。もっともっとのんびり探索してみたかったよ……」
 そう呟き空間の奥を見れば、更に道は続いている。鍵の石板を探すため、彼女はその奥の道へと進んで行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルネ・プロスト
今更だけどヒーローズアースってほんと何でもありだね
神々が云々の時点でだいぶアレだったけどさ

人形達は死霊憑依&自律行動
先ずは森の友達を散開させて周囲一帯の情報収集
迷彩服着せた上で忍び足、極力目立たないように行動させる
で、集めた情報元に肉食獣少ない方中心に探索
草食獣相手なら変に刺激しなければ追ってこないはず

恐竜達と遭遇したらUC使用
小鳥人形の無駄に高いコミュ力と口先の上手さで敵意がないことや探し物が見つかったら出ていくことを伝えて恐竜達を言いくるめ
可能なら最近地形変動の激しい場所がないか等、鍵の石板に繋がりそうな情報も探る
ダメだったら最悪、道化師団の暗殺&毒使い技能で麻酔薬注入して無力化狙う感じで



「今更だけどヒーローズアースってほんと何でもありだね」
 ルネ・プロストは恐竜が闊歩し不思議な地形を形成する空間を眺めて言った。
 巨大な植物、聞き慣れない鳴き声。鍵の石板を探さなければならないとはいえ、これを手当たり次第に探すとなればどれだけ時間が掛かるか想像もつかない程だろう。

 ルネは『森の友達』人形に死霊を憑依させ、迷彩服を着せて周囲の探索を指示する。彼等は気配を消し、慎重な忍び足でルネの元を離れていく。恐竜達も人形に気づくことはなく、特に変わらぬ様子でギャオギャオと鳴き歩き回っていた。
 パンゲア大空洞に生息する恐竜は多種多様で、肉食の者も草食の者も同じように存在している。『森の友達』はそれを見分け、凶暴な肉食竜のいないルートを探しルネへそれを伝えた。
「……そっちだね」
 導かれ、ルネは進んで行く。情報通り草食竜が多いそのエリアは、刺激を与えたり大声で騒いだりしない限りは身に危険が及ぶことはなさそうだ。
 ――草食竜ばかりがいるうちは、だが。

「グォォォオオーーーーッ!!」
 突如、ルネが進んでいた道に数頭の恐竜が乱入してくる。巨大ではないものの、草食竜を追い回し牙を光らせるその姿は明らかに肉食竜。草食竜がその本能故か素早く逃げていくと、肉食竜はぎろりとルネを睨んで唸りだした。
 ルネは肉食竜をどうにか鎮めるため、ユーベルコード『人形王国・折衝勅命』を発動する。
「出番だよ、森の友達・小鳥人形。すごく不本意だけど、今こそ君達の口先の上手さを生かす時だ」
 ばさばさっ、と。
 ルネの手元から小さな鳥の人形が飛び出すと、それは勢いのままに肉食竜の目の前までたどり着く。
「おお、おおなんと……恐竜ですか! これはこれは……」
 小鳥は肉食竜の目の前で、羽をふわりと胸の前で広げて一礼する。突然現れ喋り始めたその鳥に、肉食竜はみな一様に目をぱちくりと見開いた。
「私達は貴方がたをどうこうするつもりはないのです! 少し探し物をしたら出ていきますよ、ええ、ですから……ここを通してくださいません?」
 だが、肉食竜達ははっとして再び唸り声を上げる。
 ――そんなのしるか、おまえはめしだ。
 ――しゃべってないで、さっさとくわれろ。
「おや……良いのです? こんな小さな肉を喰らうより、私からもっと沢山の草食竜が居る場所を聞き出した方がきっとおトクですよ!」
 すると肉食竜は少し疑う様に首を傾げるが、鳥に言いくるめられたのかすんなりと唸るのを止めて一歩下がる。
 ――ならはやくおしえろ。
 ――おしえたら、みのがしてやる。
「ありがとうございます! ああ、それと……最近変な石の板なんて見てませんか?」
 ――あっちのニオイがへんなことくらいしか、しらない。
 肉食竜は顎を動かし、ルネの左手の方向をさす。
「おお、おお! ご親切にどうも! では教えましょう。沢山のお肉は、あっちの岩の向こう側!」
 鳥はばっと羽を広げ、遠くの大岩に肉食竜の視線を集める。肉食竜はそうかと大きく鳴き声を上げると、一斉にそちらへ駆けて行ってしまった。

「……小鳥人形、本当にあっちに草食竜がいたら……可哀想じゃないかな」
「お嬢、勿論嘘ですとも。ささ、あの恐竜達が戻ってこないうちに参りましょう」
 あの肉食竜相手に平気で嘘をついたと宣う小鳥人形。ルネは小さく眉を顰めながら、肉食竜達が教えてくれた方向へと急いで進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルケン・ピーチ
WIZでいくよ

スーパーで卵を一杯買っていこう
大きい恐竜さんは遠目でもわかるから、小さいオヴィラプトル…めんどくさいからオビちゃんでいーや
大きな恐竜を避けつつ進んで、オビちゃんにからまれたら卵をあげよう
食べてる間に【動物と話す】に【催眠術】で説得

この辺に石の板見なかった?一緒に探してくれる?
それからおっきな恐竜さんから逃げるときどこ通ってるの?
オビちゃんがおっきな恐竜に喧嘩売ってるとは思えないから、安全な通り道も聞いておくね

オビちゃんがいっぱいいたらどんどん卵をあげて仲間にしてこう
物探しの必殺技、人海戦術!

もし大きな恐竜に襲われたら【スペシャルピーチドロップ】で抑え込んでオビちゃんたちを逃がすよ



 ミルケン・ピーチは沢山の卵を買い込んでからパンゲア大空洞へと入っていく。巨大な植物をかき分けて進んで行けば、情報通り大小様々な恐竜達が元気に活動していた。
 大きな恐竜を刺激しないよう気を付けつつ、彼女は卵を抱えて奥へ行く。するとその香りに釣られてか、がさがさとミルケンピーチの背後から何かの気配が近づいてきた。
「ギュギョアーッ!」
 短い嘴が付いたような歪な顔つきでミルケンピーチの手元にぎょろりと目玉を動かすのは――『卵泥棒』の名を持つ恐竜。
「オヴィラプトル……めんどくさいからオビちゃんでいーや。これ食べる?」
 ミルケンピーチがぽんと卵を一つ地面に置くと、オヴィラプトルは嬉しそうにそれに嘴を突き刺す。ぐしゃりと白い殻が潰れれば、中から生臭い粘体がぐでりと飛び出した。がつがつと食べ進めていくオヴィラプトル。ミルケンピーチはさらに卵を与えながら、そっと語りかける。
「いっぱい食べていいよ。その代わりちょっと力を貸してくれる?」
 するとオヴィラプトルは顔を上げ、勿論とばかりにぶんぶんトサカを振って卵をぺろりと食べつくした。

「この辺に石の板見なかった?」
 ミルケンピーチが問うが、残念ながらオヴィラプトルははてと首を傾げる。しかしギュオギュオと鳴いてミルケンピーチの顔を見ると、首を伸ばして辺りを見回し始めた。
「……一緒に探してくれる?」
「ギュオッ」
 オヴィラプトルは小さく鳴いて、たたたっと少しミルケンピーチから離れる。そしてくるりと振り向いて『こっちこっち』と言うようにトサカを振った。
 おそらく他の恐竜の卵を食べるオヴィラプトルだからこそ『安全な道』が分かるのだろう。ミルケンピーチが後を追えば、不思議とその道に巨大な恐竜や獰猛そうな恐竜が現れることはなかった。
 さらに、オヴィラプトルの進んで行く先。少し入り組んだ森の中を進むと、そこには同じような姿をした恐竜が沢山集まっているのが見えた。
「ギョギョー!」
「お、オビちゃんがいっぱい……!」
 ミルケンピーチは目を丸くしつつ、卵をがさがさと取り出してオヴィラプトル達の前に転がす。するとオヴィラプトル達はこれまた嬉しそうにそれを貪ると、ミルケンピーチと共に来たオヴィラプトルと一言二言鳴き声を交わした。
 状況を理解してくれたのか、オヴィラプトルの群れは一斉に小さく鳴いてミルケンピーチを見つめる。どうやら彼等も、石板探しを手伝ってくれるようだ。
「よーし、じゃあみんなで――」

「グォォォォッ!!!!」
 突如、大きな鳴き声。大量の卵の匂いに気づかれたのだろうか、現れたのは巨大なトリケラトプスだった。
 草食竜とはいえ、明らかに敵意を――おそらく卵泥棒、オヴィラプトルに――向けている。オヴィラプトルを逃がすため、ミルケンピーチはばっと高く跳び上がりユーベルコードを発動した。
「必殺、スペシャルピーチドロップ! どっかーん!」
 トリケラトプスの脳天へ、ミルケンピーチの尻が激突する。
「グォォッ!?!?!?」
 ズドン! と大きな衝撃音の後、トリケラトプスはふらふらとよろめきそのまま気絶してしまった。

 オヴィラプトル達は卵をくれた上トリケラトプスを倒してくれたミルケンピーチに、ギョアギョアと高く鳴き声を浴びせる。そして何か思い出したようにばばっと森の四方へ走り去り、彼等は素早くその姿を消していった。

 ――しばらくして、オヴィラプトル達は何か見つけたようにミルケンピーチの元に戻ってくる。そしてひょいとミルケンピーチを背に乗せて、パンゲア大空洞の奥へと一気に駆けていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

闇之雲・夜太狼
ライアーヒーロー「クライウルフ」参上!
俺が来たからにはお遊びはここからだよ!

俺の、俺による、俺のための!
パンゲア大空洞探検隊出動!

情報によると、石板付近は足場が不安定っぽいのかな?
落とし穴に落とすのは好きだけど、俺が落ちるのは嫌だ!
だから自分に【念動力】をかけて【空中浮遊】をして
プテラノドンにも見つからないように、木々の葉っぱくらいの高さでふわふわと探索しよう

陸の恐竜に見つかったら、【全力魔法】で強化した選択UCを使って対処!
魔法弾は直接当てないで、絡め取り効果のためにあえて外して地面にぶつけるよ
時間が経てば消えるから、その間に逃げちゃおうね~♪

石板は俺の【第六感】頼りに探せないかなぁ



「俺の、俺による、俺のための! パンゲア大空洞探検隊出動!」
 闇之雲・夜太狼はそう言って、早速大空洞の中を進んで行く。目指す『鍵の石板』は情報によれば膨大な魔力が込められており、この大空洞が不思議な地形となっている原因でもある――つまり、石板の近くはさらに不安定な足場やトラップがあってもおかしくはないだろう。
 夜太狼がふと周りを見れば、ギャァと大声を上げて大穴に落ちていく恐竜の姿が映る。
 ――あれに引っかかって自分が落ちてしまうのは嫌だ。
 夜太狼はふわりと自分に念動力を纏わせると、上空の翼竜に見つからないよう巨大な木々の間を浮遊して進み始めた。

 大空洞をきょろきょろ見回し、夜太狼は鍵の石板がありそうな場所を探していく。手掛かりといえば込められた膨大な魔力か、その影響で歪んだ地形くらいのものだ。そこかしこに浮かぶ岩、全体的に魔力が満ちる空間からそれを割り出すのは難しい。
 すると夜太狼は自分の勘を信じてか、何を目指すわけでもなくただ思うままの方向へと突き進んでいった。

「この辺かなぁ」
 すたっ、と降り立った先は、少し開けた草原。木々に遮られることなく、遥か上に浮かぶ太陽ような光源がふんわりと暖かく照らす広場だ。
 草食竜がのしのしと歩くその広場の奥、何やら茂みに覆われた小さな道が見える。夜太狼は石板がありそうという謎の勘と興味に足を動かし、そちらへ駆け出していく。

 ――が、その進路を大きな影が遮った。
「ゴォァッ!!!」
 途端に周囲の草食竜達がわたわたと逃げていく。夜太狼の目の前に現れたのは、強靭な脚に大きな顎、そこから覗く鋭い牙――肉食恐竜、ティラノサウルスだ。
 夜太狼はおお、とそれを見上げつつ、密かに目を輝かせる。
 大空洞の恐竜達が恐れ戦き逃げ出す王者の姿に、まるでオモチャを見つけた子供のような視線を向け――彼はユーベルコードを発動した。
「避けられるものなら避けてみなよ!」

 どむっ、と大きな液体の球。ティラノサウルスは咄嗟にそれを躱し、夜太狼目がけて顎を開き牙を向ける。
「グァアアアアアォッ!!!」
 しかし夜太狼の狙いは『外れていない』。球がばしゃりとティラノサウルスの傍に着地すると、途端に地面全体へと広がった。
 どろりとしたゾル状の液体は、ティラノサウルスの足に触れた瞬間びょるりと伸びてその巨体を絡めとる。そしてそのまま地面に叩きつけると、ティラノサウルスは立ち上がれずじたばたと唸るのみになってしまった。
「それ、時間が経ったら消えるから! じゃあねー!!」

 すたたっと夜太狼は茂みの向こうへと駆けていく。ティラノサウルスがやっと立ち上がった頃には、既に夜太狼はその場から姿を消していた。



 仲間となった恐竜に連れられてやってきた者、自らの勘や手に入れた手掛かりを元にやってきた者。様々な手段を駆使して猟兵達が辿り着いたのは、ひんやりと薄暗い遺跡のような小部屋だった。
 罠や番人の存在を警戒しながら奥へ入るが、不思議とその部屋は静かで何かが動く気配もない。そして最深部、行き止まりとなっている壁に立てかけられていたのは――強い魔力を感じる石板だった。

 それが『鍵の石板』であることは最早間違いないだろう。猟兵達はそれを回収すると、パンゲア大空洞の恐竜達に別れを告げ、帰路につくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月12日


挿絵イラスト