アースクライシス2019⑨~巨人ビームハイウェイに立つ
●ビームハイウェイ
ラグランジュポイント。地球と月の重力安定点であるそこには、宇宙船群の上に築かれた知られざる文明が存在した。エリア51――グルーム・レイク空軍基地を制圧した侵略宇宙人プルトン人たちの拠点である。
このラグランジュポイントへの反撃のため、米軍は「ビームハイウェイ」という光線を照射し、その進行ルートを照らし出すことに成功した。そして、プルトン人から奪取した一人乗りUFOに猟兵たちが乗り、ラグランジュポイントへ攻勢を仕掛ける作戦が開始されたのだった。
――だが、ラグランジュポイントに向かう猟兵たちの前に、巨大な番人が立ちふさがる。
●立ちふさがる巨人
「皆さん、ついにプルトン人たちの拠点であるラグランジュポイントへ反抗の狼煙を上げる時が来ました!」
グリモアベースで猟兵たちに任務を説明するのは、大剣を背負ったアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)だ。
「奪取したUFOに乗り、米軍が照射したビームハイウェイを通っていけば、ラグランジュポイントまでは迷うことなく辿り着けます。ただ――」
そこで言葉を切って、アルテミスが真剣な表情で説明を続ける。
「敵も当然、この侵攻作戦は想定していたようです。基地へ向かう途中に全高20メートルにも及ぶ敵が立ち塞がっているのです。これを倒さなければ、ラグランジュポイントに攻め込むことが出来ません」
立ちふさがる敵は『鋼鉄巨人ゴーワンダー』という巨人だ。
その巨体を軽々と宙に浮かべて、UFOで侵攻を試みる猟兵たちを迎撃してくるという。
巨体から放たれる攻撃は、とてつもない破壊力を持ち、油断することはできない。
「ですが敵は巨大な分、小回りは効かず、『華麗な空中戦』を行なうことで有利に戦うことが出来ます」
この華麗な空中戦は、一人用UFOに乗って戦っても構わないし、飛べる猟兵は自力で飛んでも構わない。また、他の仲間達のUFOの上を飛び交いながら戦ってもいいだろう。
「敵に通常の3倍のスピードを見せつけたり、味方に『俺を踏み台にしたぁ!?』と言わせたり、サーカスのような飛行でミサイルを撃ちまくったりしてもいいのではないでしょうか」
なお、戦場は大気圏内なので、酸素などを気にする必要はない。普段通りの戦い方で大丈夫だ。
「それでは皆さん、気をつけて行ってきてください」
そう言うとアルテミスはグリモアを輝かせるのだった。
高天原御雷
このシナリオは「戦争シナリオ」です。1章で完結し「アースクライシス2019」の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
オープニングをご覧いただきありがとうございます。高天原御雷です。
今回はシンプルにボス戦です。ボスを撃破し、ラグランジュポイントへの進軍ルートを確立しましょう。
特に、いかに華麗な空中戦を展開するかをご記載ください。
以下、詳細です。
●目的
一人乗りUFOに乗って進軍し、ボスを撃破すること。(戦場は空気や重力がある高高度になります)
●特殊ルール
華麗な空中戦を展開するとプレイングボーナスが付きます。UFOは使っても使わなくても可です。
UFOで空中戦をしたり、自力で飛んで華麗に戦ったり、味方のUFOを足場にして戦うなど、工夫して『華麗な空中戦』をおこなってください。
●一人乗りUFOについて
プルトン人から奪取した一人乗りのUFOです。円盤型やロケット型など様々な形状がありますので、ご指定があればプレイングに記載してください。
特に形状についての記載がなければ、レバー二本で操縦する円盤型(半球形のキャノピー付き)の形状で描写いたします。
●プレイング採用について
本シナリオは、戦場制圧のためのクリア本数を稼ぐため、最低限のプレイング採用でシナリオクリアとする方針です。プレイングをお返しする可能性がありますので、成功数の獲得が目的の方はご注意ください。
シナリオクリアした場合は、またすぐに同様のシナリオを公開させていただく予定です。
戦争クリアへ向けてのペースの確保のため、ご了承いただければと思います。(なお、シナリオの公開中に戦場制圧に必要なシナリオが出揃った場合は、通常運用に切り替えます。その点もご了承ください)
第1章 ボス戦
『鋼鉄巨人ゴーワンダー』
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POW : 剛腕ロケットパンチ
単純で重い【ロケットパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ワンダービーム
【額の三日月からビーム】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : ワンダーロケットモード
全身を【ワンダーエナジーのオーバーレイ】で覆い、自身の【これまでに受けたダメージ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エルシー・ナイン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
正直きっつい戦いだと言う他無いね、巨大化相手は得意じゃない。私、火力もないし。
でも戦争だから。私も守りたい人がいるんだあ。
UC発動
その重たい一撃も全部、この速さでかわしきって見せますよ
第六感見切りで敵の弱点と行動を読み、動かし辛いであろう関節の付根を中心に飛び狙って攻撃します
念動力で鎧砕きも出来る魔改造ピコハンを操作、少しずつダメージを蓄積
壊れた部位を念動力で操り視界を覆います
宇宙ゴミもこちらに引き寄せてガンガンぶつけて行こうか……
脆くなった所にピタッと張り付き全力魔法を流し込むよ
電気でも流して回路をショートさせられればいいけど……
さてはて、上手くいくやら
いいや、行かせてみせますとも
秋山・軍犬
☆星きのこ号
シナリオ:アースクライシス2019⑤
〜オペレーション UFO で入手したUFOに
きの子が品種改良で作り出した不思議茸
星屑茸を取り付け強化した機体
☆星屑茸
星屑の様なキラキラ胞子を大量に放出して
ロマンティックに敵の視界を遮る茸兵装
🍄きの子(指定UC)
アリスラビリンスから来た茸界の
キノコラブバーサーカー
茸関連ならば人の迷惑も顧みず奇跡を起こす
…という訳で華麗な空中戦を決めて
ヒーローズアースでの茸ブームを狙うきの子なのです!
私が敵をUFOで華麗に攪乱して
この世界の人に茸アピールをするので
軍犬さんは自力で飛んで止めを刺すのです
軍犬「あ…はい」
(フルコースゴールデン+圧力拳+空中戦+アート)
栗花落・澪
このサイズで浮くってなんか不思議だよねぇ
今更だけど
UFOの操作はもう慣れたよ
窓を開け、【空中戦】で培った経験から
敵の攻撃時に生じる僅かな風切り音や風の揺らぎを
【聞き耳】や全身で感知し【見切り】、反射での回避行動
見てから動くより速いからね
時には旋回
飛翔強化は厄介だけどこっちにも手はあるよ
【指定UC】発動
逃走、回避も想定してるけど…勝利のため必ず戻ってくる筈
UFOを自動運転に切り替え一旦外へ
敵の動きを先読みし、丁度いい場所飛んでるUFOの上に待機
ごめんね、ちょっとだけ♪
さぁ鬼ごっこは終わりだよ!
氷の【全力魔法】で空気中の水分を集め凍結、壁を生成
行く手を塞ぎ一瞬でも止まれば…僕の花弁が襲い掛かる寸法
伊藤・毅
「グレーム・レイクコントロール、こちら380戦術戦闘飛行隊、敵を迎撃する、誘導頼む」
自前の戦闘機で味方の離脱支援のために空中戦を仕掛けます
「レーダーコンタクト、マスターアーム点火、エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲイジ」
鋼鉄巨人ゴーワンダーの「剛腕ロケットパンチ(POW)」に対し、ユーベルコード「交戦開始(エネミーエンゲイジ)」を使うことで、命中率の高いガンポッドの攻撃でロケットパンチを撃ち落とし、すかさず中距離ミサイルをカウンターで発射し敵の体制を崩します
さらに接近し、短距離ミサイルを敵の頭部センサーに当てて、索敵能力を奪い味方への援護とします
ノイン・フィーバー
心情:フフフ、修理・改造の終えたブーストスライガーの出番と言うやつですネ
宇宙バイク「ブーストスライガー」に跨って颯爽と登場。
ブーストスライガーを巧みに動かしながら、主にアームズフォートで額の三日月や目を狙って攻撃。
視界ふさぐのに空気漏れ対策のトリモチランチャーを使えれば使ってみる。
敵の攻撃が回避しきれぬような角度等で襲われたとき、ユーベルコード発動。
歪な人型に変形したブーストスライガーに組み込まれるように騎乗し、戦闘機的な直線機動が立体的な機動となり、その動きで回避を試みる。
うまく避けれられれば、すれ違いざまに零距離射撃を叩き込む。
「さぁ、当てられますカ? 今日のワタシは、速いですヨ」
●宇宙への道
米軍によって地上から照射された光が、宇宙空間に浮かぶラグランジュポイントを照らす。
その光の回廊を各々の乗り物に乗って飛ぶのは猟兵たちだ。地上征服を狙うプルトン人たちの野望を打ち砕くべく、フルスロットルでビームハイウェイを飛翔する。
周囲はまだ大気圏内。通常の空気や重力がある領域である。
「フフフ、修理・改造の終えたブーストスライガ―の出番というやつですネ」
大型宇宙バイク『ブーストスライガ―』に乗り宙を駆けるのは、ブラウン管テレビの顔をしたテレビウム――否、テレビ型のヒーローマスクを被った猟兵、ノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)だ。人間の身体にテレビの頭部という不思議な格好だが、パワードスーツ型ガジェットを纏いタキシード風の服装をしたノインは――なんか映画館の上映前に出てきそうな姿だった。
「失礼な、テレビ泥棒ではありませんヨ」
ノインが乗っているのは、以前、クェーサービーストとの戦闘で破損したブーストスライガーだが、今回の任務に合わせてプルトン人のUFOの技術を流用。ラグランジュポイントまでの長距離高速航行が可能なように改造されていた。
「茸の未来へレデイ・ゴーなのですぅ!!……ですぅ……ですぅ……」
そのノインの横をドップラー効果を残して高速で追い抜いていったのは、アリスラビリンス出身の茸ラブバーサーカー、きの子と愉快なキノコ達(ミュケースエウテューモス・ヘタイロス・f0xxxx?)が乗るUFO、星きのこ号である。星きのこ号は、プルトン人のUFOにきの子が品種改良した不思議茸、星屑茸を取り付けて強化した機体なのである。
星きのこ号は、星屑のようにキラキラと星屑茸の胞子を大量に放出して、銀河のハイウェイをぶっちぎっていく。
「おっと、ワタシも負けませんヨ」
そこに追いすがるノインのブーストスライガー。いま、ヒーローズアースの空を二条の光が駆け抜けていく。
「グレーム・レイクコントロール、こちら380戦術戦闘飛行隊、コールサイン・ドラゴン01、JSFライトニング。現状、ビームハイウェイに異常なし。……いや、自分は夢でも見ているのでしょうか? 茸とテレビが飛んでいます」
プルトン人の技術で大気圏外まで飛べるように改造されたステルス戦闘爆撃機『JSFライトニング』のパイロットシートで声を上げたのは、UDCアースのUDC組織のフロント企業たる民間軍事会社に所属する戦闘機パイロット、伊藤・毅(Nemo・f06702)だ。今回も異世界たるヒーローズアースまで出張させられ、こうして茸やテレビ人間の乗る機体と共に異界の空を飛ぶのであった。
――出張手当や危険手当がきちんと出ているのか心配である。
「あー、あの二人は、あんまり気にしないほうがいいかも?」
毅の後ろからUFOに乗って飛んできている栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が通信機越しに鈴の鳴るような可憐な声を響かせフォローする。
澪は手慣れた様子でUFOを自在に操り『JSFライトニング』へと近づいていく。キャノピー越しに毅に手を振る余裕さえ見せていた。
それもそのはず。澪はエリア51で通算20機以上ものUFOを奪取してきていたのだ。
――って、それ多すぎませんかねっ!?
「みんな、気をつけて。レーダーに巨大な反応あり!」
最後尾から周囲の警戒をしながらUFOで飛翔していた鈴木・志乃(ブラック・f12101)が、仲間に警告の声を飛ばした。
その視線の先には、天を突くほどの巨体を誇る鋼鉄の巨人が浮いていた。
「巨大な敵相手は得意じゃない。正直きっつい戦いという他無いね。私、火力もないし」
一瞬、俯きかけた志乃。――だが、再び顔を上げた時、その瞳に迷いはなかった。
「でも戦争だから。私も守りたい人がいるんだあ」
志乃はUFOを加速させると、全高20メートルにも達する巨人に全速力で向かっていく。
こうして、猟兵たちはラグランジュポイントへの道を守る番人との戦いを始めるのだった。
●立ちふさがる鋼鉄巨人
「スピードなら負けない。駆け抜けるよ、邪魔しないでね!」
まず最初に動いたのは、猟兵たちの中で最高の速度を誇る志乃だ。
UFOから飛び出した志乃は、全身を聖なる光で覆い意志の力を具現化して飛翔する。その速度は時速6100km。マッハ5にも達する。
鋼鉄巨人は猛スピードで接近する志乃を迎撃しようとロケットパンチを発射する。が――。
「その重たい一撃も全部、この速さでかわしきって見せますよ」
直感で巨人の攻撃を見切った志乃は、敵の動きを読みつつピコピコハンマーによる打撃を与えていく。
ピコピコハンマーと侮るなかれ。このハンマーはアルダワの技術で魔改造され、敵には2tハンマーの激痛を与えることができるのだ。
とはいえ敵は全高20メートルの鋼鉄の巨人だ。2tハンマーで関節を中心に打撃を加えていくが、そう簡単に有効打を与えることが出来ずに居た。
「こちらドラゴン01、援護する!」
志乃が鋼鉄巨人の注意を引きつけている隙に接近した毅の『JSFライトニング』が、巨人に向かって空中戦を仕掛ける。
「レーダーコンタクト、マスターアーム点火、エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲイジ」
JSFライトニングに気付いたゴ―ワンダーが、腕部のロケットパンチを飛ばして攻撃してくる。
「その程度、当たりはしません!」
操縦席の毅が緩やかに操縦桿を引き、横に倒す。その操作によりJSFライトニングは空中で横転しながら機首を上げるような機動――いわゆるバレルロールを実行する。その機動により、ロケットパンチはJSFライトニングの機体を掠めるようにして飛び去っていった。
攻撃を華麗に回避したJSFライトニングは、ガンポッドと中距離ミサイルを鋼鉄の巨人に叩き込む。
「香り高く舞い遊べ、Orage de fleurs(オラージュ・ドゥ・フレア)」
そこに、高速飛行するUFOのキャノピーを開けた澪が無数の花嵐を差し向けた。
巨人は【ワンダーロケットモード】になり、ワンダーエナジーをオーバーレイすることで、受けたダメージに比例した戦闘力増強をはかる。さらに、超高速の飛翔能力も得て、空中を凄まじい速度で飛び回る。
だが 風の動きを全身で感じ取ることで、澪は敵の動きを先読みする。鋼鉄巨人はその巨体ゆえに動く前に大気を震わすのだ。
大気の震えを読み花嵐をコントロールする澪により、その鋼鉄の身体に傷が増えていく。
さらに、その鋼鉄巨人の前に飛び出したのが――きの子のUFOだ。
「きの子が活躍してアニメ化頑張るです!」
きの子は、UFOから星屑茸を降らせると、ロマンティックに巨人の視界を塞ぎ、その動きを封じる。
視界を封じられては、巨人も高速機動を活かすことができない。
「おっと、では、さらにこれで視界を塞ぎまショウ」
ノインが駆るブーストスライガーに内蔵されたアームドフォートから、とりもちが発射され、鋼鉄巨人の視界を完全に塞ぐ。
巨人は額の三日月からのビームを無闇に撃つが、そのような攻撃がブーストスライガーを捉えることができるはずもない。逆にブーストスライガーのアームドフォートが鋼鉄巨人の額の三日月に直撃。それを破壊した。
「さあ皆さん、今がチャンスですヨ!」
●コンビネーションアタック
「こちらドラゴン01、これより全ミサイルを発射します」
毅の駆るJSFライトニングが、鋼鉄巨人の至近距離まで接近し、その両翼に装備した短距離ミサイルを発射する。
轟音を上げて飛翔するミサイル群が巨人の頭部に命中。激しい炎を撒き散らしながら爆発し、鋼鉄巨人の頭部センサーを破壊した。
そして、そのJSFライトニングのキャノピーが開き、操縦席から小柄な人影が飛び出した。
「近くまで乗っけてくれてありがとっ♪」
「お気をつけて!」
毅に見送られながら白い翼を広げて飛翔するのは、桜色のパーカーを翻して飛ぶ澪だ。
「さあ、鬼ごっこは終わりだよ!」
澪は鋼鉄巨人の身体に取り付くと、空気中の水分を集めて巨人を凍結させていく。
「さてはて、上手くいくやら……いいや、行かせてみせますとも」
澪が巨人から離脱するのを確認し、志乃が超高速で巨人に向かって飛翔する。
全身を凍りつかせた巨人の表面に両手を当てた志乃は、電撃の全力魔法を叩き込んだ。
さすがの巨人も、体内に侵入した氷を伝った電撃はこたえたようだ。全身からスパークを散らしながら苦しんでいた。
「では、ワタシもいかせていただきまショウ! モードチェンジ、バトルモードへ。フフフ、とっておき、というヤツですネ」
ノインがブーストスライガーを歪な人型に変形させ、それを身に纏う。ブーストスライガーは、それまでの直線的な機動から立体的な機動へと動きを変え、鋼鉄巨人へと肉薄する。
「今日のワタシは、速いですヨ」
巨人とすれ違いざま、ブーストスライガーはその銃火器を零距離射撃で叩き込んだ。
猟兵たちの攻撃により、全身の回路がショートし、センサーも装甲もボロボロとなった鋼鉄巨人。
だが、その動きを止めるには、あと一手足りていなかった。
「ふっふっふー! この私を忘れてもらっては困るのです!」
そこに満を持して現れたのは、きの子だ。
UFOのキャノピーを開けて仁王立ちしたきの子は、コックピットから何かを摘み出した。
――そう、それは、きの子の主である、ミリタリールックに身を包んだ秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)だった。
「さあ、軍犬さん、行ってくるのですっ!」
「あ……はい」
きの子に全力でぶん投げられた軍犬は、鋼鉄巨人へと一直線に飛翔し――。
「フルコースモード限界突破ッ! ……フルコースッ!! ……ゴオォォルデンッ!!!」
全身を黄金のオーラで覆い、突き出したその右腕で、鋼鉄巨人の心臓部をぶち抜き――。
鋼鉄巨人は大爆発とともに宙の藻屑と消えたのだった。
――かくして、猟兵たちはラグランジュポイントへの障害の排除に成功した。
だが、敵の障害がこれだけとは思えない。
おそらく、第二第三の鋼鉄巨人が待ち受けていることだろう。
負けるな猟兵! 世界の運命は君たちの手にかかっている!
大成功
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