6
アースクライシス2019⑮〜The Darkpoint

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ダークポイント #キャロル

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース
🔒
#戦争
🔒
#アースクライシス2019
🔒
#ダークポイント
#キャロル


0




●マンハッタン
「認識:監視者=ヒーロー。
 推測:己=追跡。
 仮説:攻撃の機会=援軍の到着を待つ」
 ダークポイントが自らを監視、追跡するヒーローに対しての推論を呟く。

「対策:監視者の排除=ヒーローの抹殺。
 方法:ユーベルコード=己の先制攻撃絶対。
 実行:成功=ヒーローの発火を確認」
 闇の中、女の悲鳴と共に炎がビルの谷間から地上へと落ちていく。

「警戒:猟兵=攻撃の可能性。
 対処:絶対先制=猟兵に対策なし。
 予測:鏖殺=命令は絶対也」
 死への灯火を一瞥すれば、闇の使徒は影に消えた。

●グリモアベース
「ジェネシス・エイトの一人、ダークポイントの居場所が判明した」
 グリモア猟兵、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)が硬い表情で猟兵達を見る。
「みんなが戦っている間にヒーローの一人が見つけてくれたんだけど、応援を待っている間にやられてしまったんだ。幸いにもヒーローは瀕死の重傷を負っているけれど、生きてはいる」
 深呼吸の後、言葉を選ぶように少年は話を続けた。
「場所はマンハッタン島の高層ビル街。ダークポイントはあらゆる存在から死角となる『不可視の領域』に潜んでいたんだけど、発見されて別の領域へと移動している。みんなはそこを狙って攻撃してくれ。勿論――」
 グリモア猟兵が一拍置いてから、皆を見る。
「奴には無限の射程距離から発揮される先制攻撃という武器がある。みんなはユーベルコードをいかに対処するかの必要があると思う……気を付けて」
 少年が時計をいじればマンハッタンへの道が開かれる。
「それじゃ行ってきて、最初のジェネシス・エイト、必ず倒してきて!」


みなさわ
 闇の先端の思考を知る事は叶わず。
 こんにちは、みなさわです。
 今回はジェネシス・エイト、ダークポイントとの決着を。

●戦場
 マンハッタンの高層ビル街。
 ビルの上を移動しながら、皆さんは戦うことになります。
 飛行、フック付きロープ、蜘蛛糸、身体能力で壁を蹴るなど、様々なアクションで追跡撃破してください。

●注意
 ダークポイントは無限の射程距離を活かし、先制攻撃を行います。
 その為ユーベルコードを先手で叩き込むことが出来ません。
 故にプレイングによる対策が必要となり、これが『ボーナス』となります。
「防御系ユーベルコードで回避」や「(技能を書き込み)避ける」のような感じですと難易度的に難しいかと思われます。
 お気を付けください。

●その他
 マスターページも参考にしていただけたら、幸いです。

 それでは皆様、よろしくお願いします。
149




第1章 ボス戦 『ダークポイント』

POW   :    ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●マンハッタン・ランナウェイ

 摩天楼の中、ダークポイントがビルからビルへと飛び移る。
 普段なら不夜城と化している街並みも、スカルキングの暴虐指令によって人々が避難し、闇の宮殿へと様変わりしていた。

「警戒:奇襲=移動中への攻撃は戦術において常道。
 仮説:一般人=否、ヒーローに劣る者に武器を取らすことは死を意味。
 推測:便衣兵=否、猟兵が護るべき対象を犠牲。人心失いし者、敗北必至」
 暗闇の中、コートを翻し、闇の尖兵は可能性を推測する。

「仮説:建造物放火=攪乱の効果を認める。
 可能性:否=高層建築物の火災は被害甚大。猟兵自身が対処に追われ、攻勢不可。
 結果:猟兵=ヒーローと同等の作戦か人道無視を選択。どちらも敗北必至」

 まずダークポイントは一般人の戦闘を認識から排除した、既に戦っている軍人もいるがヒーローが対処できず猟兵が出る以上、可能性は薄い。
 ましてや一般人に偽装する便衣兵は守るべき対象を犠牲にする以上、リスクは大きすぎる。
 そして建造物の放火も否定した。
 戦争では常道ではあるが、延焼による被害は大きく。これもまた人が住むべき場所を失うからだ。
 故に闇の尖兵は勝利を確信している。
 ヒーローが守りし世界を守るためには猟兵にはそれ以上の方法か、もしくはそれ以下の方法しか取れないのだから。

 足元のビルもまた彼の武器であったのだ。
 新たなる『不可視の領域』を目指し、闇は影に溶け込んだ。
ノエル・マレット
ダークポイント……先に量産型と戦いましたがようやく本体がお目見えですか。
無限の射程を誇るというのならば遠距離戦では勝ち目がありませんね。
まずはこちらの間合いまで接近しなくては。

視線から身を隠すため『アルケー』を広く展開した状態で追跡します。[盾受け][オーラ防御]
こちらからも視認できないので[第六感]で対象の位置を掴み、魔力ブーストによる跳躍で接近を試みます。
追いついてこちらの間合いに入ったら『サーコート』を脱ぎ上空に投げ視線を誘導、同時に『アルケー』を解除。
【トリニティ・エンハンス】での攻撃力強化に加え防御に回していた魔力も含めた[全力魔法]を『ルケイオス』に注ぎ込んだ一撃に全てを込めます!



●ノー・スタンドオフ・ノー・ライフ

「ダークポイント……先に量産型と戦いましたがようやく本体がお目見えですか」
 ノエル・マレット(誰かの騎士・f20094)が視界にちらつくコートと赤のマフラーを認め、魔力を解放する。
 左手に蒼く形成された巨大な盾――アルケーと呼ぶそれを構えれば、魔力を脚力へと注ぎ込みビルのコンクリートを蹴る。
 床が砕ける音と足跡を残してノエルが空を舞うと、闇の尖兵たるダークポイントも強襲に反応した。

「識別:敵=猟兵の存在。
 攻撃:否=視認不全によりユーベルコード使用不可。
 対案:銃撃=遮る盾を砲火で粉砕が妥当」
 オブリビオンの両手に握られたサブマシンガンとピストルが雷管を叩き、冷たい夜の空気を螺旋に切り裂いて鉛が蒼い光へ孔を穿かんとする!
 盾を通して、騎士の身体に衝撃が伝わって来た。
 魔力のブーストが無ければ、弾き飛ばされるであろう蒼の流星は一撃を叩き込むために弾着の響きを感じ取り、正確にダークポイントへと迫る。
 闇の使徒が用済みとなった火器を捨て、ソードオフされた散弾銃を抜き放つ。
 貫通力が無い代わりに面を制圧する12ゲージの圧力がノエルの動きを止めた。
 ――けれど距離は詰めた、充分だ。
 サーコートを脱ぎ、上空に投げると展開したシールドを消去し、剣を抜く。
 蒼のカーテンが消え去った向こうには夜を見上げるダークポイント。
 視線が自身へ戻るのと、炎、水、風、三つの魔力が自らを強化するのは同時であった。
「――ぐっ!」
 炎が皮膚を焼き、くぐもった声が漏れた。

 火災による焼死と違い直接焼かれることによる死は皮膚組織を失うことによる体液流出による衰弱死。
 そして臨終の間際まで意識は明瞭であり、逃れようのない死を迎える地獄でもあった。

 けれど、その明瞭な意識が今、意志へと変わり闇を切り裂く!
 魔力強化を攻撃に全て注ぎ込まんと剣を握れば、ルケイオスの刃は鋭く、激しく、輝かしい一刃となり闇の尖兵の胴を薙いだ。

「猟兵:転落=戦闘不能を確認。
 己:損傷=戦闘継続可能。
 状況:悪化=――」

 一撃に全てを使い果たして闇へ消えていく騎士を一瞥し、ダークポイントは状況を確認する。

 This is a hunting ground.
「猟兵との交戦圏内へ接触を確認」

 周りからは機を伺う、猟兵達の気配が感じられた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リヴェンティア・モーヴェマーレ
要(f08973)さんと一緒

大きい盾にオーラ防御でコーティングを施し耐久性を上げつついざ出陣!
上へはシマエナガ型のミニ飛行に跨って移動デス
万が一落下した時の為にフック付ロープを所持
先制攻撃は盾受けでしっかり受け切りますヨ!

受けきっタラこちらからもお返しナ気持ち!
UCで機械兵器を召喚
ブロックの様に密集させて足場を作って戦闘しやすいよう工夫
残った機械兵器は一斉発射!

自殺衝動?
一度は捨てら死んだ命
息を吹き返してくれたハカセに顔向け出来なくなることなど…
大ジョブ…大ジョブ、デス
と言い聞かせマス

何かあったら要さんが居る
そう信じて突き進みマス

作戦が成功したら両手を上げて要さんにハイタッチ!
有難うな気持ち!


向坂・要
リヴェンティア(f00299)さんと共闘

風の精霊の助力と念動力で彼女と共に空中戦に対応
UCで呼び出すは風と陽炎に似た幻を纏う無数の蝶
それにより彼女の機械兵器に己1人の分身を宿し広く展開
彼女自身と残りの機械兵器はステルス
風の流れも使い誰が本体かより分かりづらくし狙いを分散させると同時に共闘相手を悟らせない様に
ついでに風の流れにのせて麻痺毒を仕込めれば御の字

仮に攻撃が辺り自殺衝動が起きても本体や致命傷は阻む様に多少手荒にしてもいいってあらかじめ夜華には命じておきますぜ

ま、自殺願望って感情に興味がねぇわけじゃありませんがね

なんて嘯きつつ
リヴェンティアについては基本目線も投げず
信頼故に存在を無視



●ミスアンダースタンディング

 シールドをオーラでコーティングし、リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)がシマエナガ型の飛行物に跨って空を駆ける。
 距離を隔て、彼女を視線から離さずに同じように空を飛ぶのは向坂・要(黄昏通り雨・f08973)。
 共闘相手を悟られないように視線を交わさずに要が紡ぐのは風と陽炎の幻を纏う無数の蝶を生み出す幻想。
 だが、そこへ銃口を向けられた。
 ダークポイントが無限の射程でヤドリガミに狙いを定めれば、要の紡ぐ幻想は消え、心に抱くのは死への興味、衝動。
 足元の闇へと心魅せられれば、風の精霊の力を借り、闇へ闇へと速度を増していく……。
 腹へ何かが強く当たった。
 勢いのままビルのガラスをぶち破り、中へ転がり込めば、衝動は鳴りを潜め、頭が冷めてくるのを感じる。
 視線を上げれば、目の前にいるのはヤシロの名を持つ夜色の狐。
 要が思い違いに気づいたのはその時だった。

 シールドに伝わる衝撃に耐えながら、リヴェンティアが進む。
 共に歩むはずだった仲間の気配を感じられないのは気になるが、今は進むしかない。
 鉛弾の気配が止み、攻撃を受けきったと感じたミレナリィドールがこちらの番とばかりに小型の戦闘機械を召喚しようとした一瞬だった。
 ビルを跳躍し、盾の遮蔽から逃れた闇の尖兵が銃口を向けた。

「目標:猟兵=ターゲティング。
 発動:ユーベルコード=ダーク・アポトーシス。
 結果:自殺強要=Bang!」

「大ジョブ……大ジョブ、デス」
 一度は捨てら死んだ命、息を吹き返してくれたハカセに顔向け出来なくなる……。

 そんな思いすら黒く塗りつぶされ、心のままにエレクトロレギオンに命令する。
 ――自らへの射撃を。
 250を超える小さな砲撃がリヴェンティアを灼き、機械達が望むままに人形の関節を破壊する。
 彼女もまた思い違いをしていた。

 身を隠さず、相手の手を封じることをしなければ、死を促すユーベルコードを許してしまい、自らのユーベルコードは使用できない。
 先制攻撃を受けきったと誤認し飛び込めば、そこには銃口が待っている。何故なら相手は先制攻撃をする選択権を与えられていたのだからチャンスを狙えばいい。
 そして二人が受けたものは、自らの眷属や精神論でカバーしきれるものではなく、移り変わる戦いの流れについていく事は不可能に近かった。
 何よりも二人がユーベルコードを受けとめることに重きを選んだことが戦闘を決定づけた。

  Misunderstanding.
 たった一つの思い違い。

 それが求める結果への道程を遠く隔ててしまった。

 暗いビルの谷間を落下するリヴェンティアを要が受けとめた時、ダークポイントは既に闇の夜へと消えていた……。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

黒鵺・瑞樹
見られなければ、だろうけど身を潜ませる場所の確保は難しそうだな。
なら逆に的を多くするか。

柳葉飛刀を一度に複数投擲。投擲する際刃それぞれに【殺気】を込める事で【誘導弾】とし、的を散らせる。
その一方で俺自身は【存在感】を消し【闇に紛れ】【目立たない】ように追跡、追いつめる。
壁を蹴って【ジャンプ】し【ロープワーク】の要領で壁面の凹凸を利用していく。
ある程度近づいたら今度は逆に【残像】を残しながら接近。さらに的を散らせながら一閃。
炎を喰らいそうな時は【オーラ防御】と【火炎耐性】でしのぐ。
相手の通常攻撃は【第六感】で感知【見切り】で回避。回避しきれない物は黒鵺で【武器受け】し【カウンター】を叩き込む。


ルード・シリウス
外套と靴の能力を用いて気配と音を殺し、死角となる位置を把握しながら相手から視線を切る様に移動。同時に囮として残像を置き、相手の攻撃を誘ってその位置を把握。幾ら無限の射程を持つと言っても、前提として標的を視界に捉えなくてはいけない筈だ
攻撃が来たら暴食剣・呪詛剣で防御しながら離脱し相手の位置を特定。特定出来たら、再び残像を置きながら同時に特定した位置へ向けて接近。相手が上に居るなら壁蹴りや浮遊を利用して建物を飛び駆けあがっていく
接近出来たら、先手取られる事を踏まえて二刀で防御しながら突撃。間合いに入ったら【鮮血暴君の魔剣】発動し二刀による連撃仕掛ける

狩猟者と捕食者か…どっちが上か決めようぜ



●ヴィジョン・オブ・ジ・イミテーション

 ビルに降り立ったダークポイントの視界に銀の光がちらついた。
 左手の自動拳銃が赤い炎を吐くと刃は撃ち落とされ、コンクリートの床へと転がる。
「認識:短剣=柳葉飛刀」
 短剣に視線を落とす闇の尖兵、ふと足音に気付く。
 ダークポイントが戦場を見回せば、複数人の猟兵が彼を囲んでいた。

 ビルという無機質の森林を黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)とルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)が跳ぶ。
 壁面を蹴って反動で跳躍し、凹凸に足をかけて登れば、互いに視線を交わす。
「あの短剣は?」
 ルードが問うと
「時間稼ぎと索敵」
 瑞樹が答える。
「助かった、後はどうする?」
「そうだな、的を増やすのはどうだ?」
「同じことを考える奴がいるんだな」
 ヤドリガミの言葉に対しダンピールの顔には狂相が浮かんでいた。
 補食の時間が近づいていた。

 闇の尖兵が視線を合わせると、物陰からのぞき込むルードの姿が炎に包まれる。
「目標:捕捉=――」
 だが、ダンピールの姿は霞となって消え、炎だけがただ酸素を消費し赤く揺らめく。
「残像を誤認」
 呟き背後へ振り向いたダークポイントが見下ろしている瑞樹を焼く、それもまた実体を伴わず炎の中に消える。
「訂正:視認体=残像と認識。
 対処:排除=一切鏖殺」
 直後、周辺が炎に包まれた。

 二人の方向性は一致していた。
 ダークポイントのユーベルコードが前提として標的を視界に捉えることならば、的を増やし、攻撃を誤認させるべきだと。
 二人が作り上げた複数の残像が実際に闇の尖兵を包囲すれば、ダークポイントは先実際に制攻撃というカードを切ってしまった。
 炎に包まれたビルの屋上を歩み、まだ居る残像へ一体、また一体と銃弾を叩き込み、オブリビオンは戦況を変えるべく、移動を開始する。
 猟兵が囮を投じたのなら、必ず本命が来る。
 ならば早いうちに自らに有利な戦場へ移動し無限の射程から発揮される絶対先制圏へと持ち込まなければ、敗北へつながる。
 ここは最早狩場になのだ。
 二つの気配を感じ、ダークポイントは両手の引鉄に力を込める。
 二つの銃声が鳴り、そして二つの金属音が響いた。
 銃弾が防御される。
 それはつまりは本物を意味していた。
 炎が照らす中、闇が一つ捕捉された。

 黒鵺という銘を持つ、かつて終焉を砕く武器であった刃が鉛弾を叩き落せば、返す刀でスナップを効かせ一閃。
 オブリビオンという過去を終わらせる一撃はサブマシンガンが切断し、切り裂いたコートから闇が零れ落ちる。
「よお」
 反射的にダークポイントが距離を取ると耳元に聞こえるのはルードの声。
「狩猟者と捕食者か……どっちが上か決めようぜ」
 跳躍したその両手には持ち主の血を啜り、夥しい量の血に濡れた真紅の刀身を持つ大剣が二振り。
 咄嗟に闇の尖兵はコートを脱ぎ、それを絡みつかせることで連撃を鈍らせる。
 けれど勢いを殺すには全く足りず、あればマシという程度。
 二つの刃に胸元を切り裂かれ、転倒するダークポイント。
 咄嗟にコートを拾えば、伏せた状態でショットガンを抜き、猟兵二人の足元へと放つ。
 跳ねまわる散弾が彼らの動きを阻めば、傷ついた闇は立ち上がり、夜の空へとその身を舞わせた。

「損傷:中度=オブリビオンには問題無し。
 戦闘継続:可能=機能及び、装備に不足なし。
 脅威:警戒=先手を取って抹殺すべし」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
いくら奴が無限の射程距離を持っていても、狙わなければ当てる事は出来ない。
つまり視界外の相手は狙えない。
そこが狙い目だ。

鉄鍋を盾代わりに構え、ビルの屋上伝いにジャンプして奴を追跡する。
片手が塞がるから不便だけど、ちょっとの間の辛抱だ。
奴の視界に俺が入れば当然UCの先制攻撃が飛んでくるから、それを【見切り】、【カウンター】の【盾受け】で受けると同時に【物を隠す】で鍋の裏に隠していた藁人形を展開させて鍋を投棄し、鍋ごと俺が炎に包まれた様に見せかけてその炎に紛れて奴の視界から姿を消す。
敵の居場所さえわかればこっちのもの。
四肢をフルに使ったパルクールで死角から奴に接近し、【飢龍炎牙】を喰らわせる!


ルカ・ウェンズ
敵に見られたら燃やされるなんて!
【行動】
敵に見られないように【怪力】で岩や車を持ち上げて盾にして…それから太陽を背にして【空中戦】で戦うわ。敵のユーベルコードを凌いだら私もユーベルコードを使って反撃するわよ。

先ずはまた燃やされないように【オーラ防御】で身を守り5600km/hの体当たりで顔を潰さないと!
体当たりの他にも怪力で抑え込んで欲望の力パンチや武器で攻撃したり、昆虫戦車にも【一斉発射】で攻撃してもらうわ。
【心情】
幹部を倒したらボーナスが貰えたり、金持ちからも何か貰えるかもしれないし!それに善良なタフガイや善良な美少女と仲良くなれるかもしれないから欲望の力でダークポイントと戦うわ!!



●ブラインドネス・イエーガー

「敵に見られたら燃やされるなんて!」
 ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)が不満を述べるのはビルの真下、人気の無いストリート。
 生身のBBQはごめんだと考え、歩く先には乗り捨てられたであろう車が一台。
 頑丈そうだが、燃費は悪そうなセダンにルカの口元から笑みがこぼれた。

 その一方で鍋を片手にダークポイントを追跡するのはウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)。
「いくら奴が無限の射程距離を持っていても、狙わなければ当てる事は出来ない」
 鍋を盾代わりに身を隠せば、屋上伝いに跳躍。
「つまり視界外の相手は狙えない――そこが狙い目だ」
 闇の尖兵を追い詰めていく。
 やがて、ダークポイントがウィーリィを認め、視線を飛ばそうと顔を向けた時、背後からセダンが飛んで来た。

「ドライブはいかがかしら?」
 足元の宇宙昆虫が羽ばたき、自らをオブリビオンの視線と同じ高さへと飛ばせば、ルカは両手に持った車を放り投げる。
 そのタイミングでウィーリィが盾に身を隠すように跳躍し、ダークポイントへと迫る。
 視線が目まぐるしく動けば、車は爆発し、鍋とその後ろに居たものが炎に包まれてビルの谷間へ消えた。
 直後、空気が割れる音と共にオブリビオンが吹き飛ばされ、コンクリートの床に叩きつけられた。
「メーテルリンク・モーリス!」
 その顔面を掴むのは竜騎士、時速5600kmの飛行速度と膂力でダークポイントを抑え込めば、拳を振り下ろす。

 幹部を倒したらボーナスが貰えるかもしれない。
 金持ちからも何か貰えるかもしれない。
 そして善良なタフガイと!
 美少女と!!
 仲良くなれるかもしれない!!!

 文字通り欲望に塗れた拳が闇を殴り倒す。
 一発、二発、三発。
 人から見たら汚いパンチだが、願望は希望でもある。
 表裏一体の拳から逃れるためにダークポイントが左手の拳銃弾を全てルカに腹へと叩き込む。
 オーラ越しに伝わる衝撃が竜騎士の身体がのけ反らせると、衝撃に耐え切れなくなった身体がコンクリートへと飛ばされる。
 空になった弾倉を捨て、新しいマガジンを拳銃に装填すれば闇の尖兵は銃をルカへと向けた。
「そうは行かないぜ!」
 背後より跳躍するのはウィーリィ。
 ダークポイントが燃やしたのは鍋と……見せかけの藁人形。
 文字通りの案山子で欺瞞し、オブリビオンの背後を獲った料理人の両手が龍をかたどった炎を生み出し、対する闇はピストルを向ける。
「邪魔をしてはいけないわ」
 ルカがダークポイントを制するように口を開けば直後、砲弾がオブリビオンも頭に直撃する。
 戦車のように武装した昆虫が隣のビルから砲撃を叩き込んだのだ。
 その隙を逃すウィーリィでは無かった。
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
 炎の龍が闇を呑み込んだ。

「損傷:消失=実弾兵器使用不可能。
 戦闘:続行=己に継戦能力、尚も存在。
 猟兵:抹殺=看過できぬ存在と認識する」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナイ・デス

警戒:落下=移動中への攻撃
……難しいですね。この話し方
と。ヒーローが見つけてくれたチャンス、です。必ず、掴みます……!

【ダッシュジャンプ】に地縛鎖【ロープワーク】で移動
落下、一般人、ビル狙い等に警戒
【第六感】や銃口の向きで【見切り】
緊急時には【念動力】で自身【吹き飛ばし】加速
弾丸避けたり、一般人やビル【かばい】受けたり

自殺衝動で胸を刺す。心臓を抉る
諦観【激痛耐性】私は、死なない。死ねない
だから【覚悟】私は『いつか壊れるその日まで』
駆ける。銃弾、怯まない、再生、加速、再生、加速!

年上真似て
これが私の、ライトニング!
全力の【鎧無視で串刺し傷口抉りながら2回攻撃で零距離生命力吸収】
消し飛べ、です!


ミハエラ・ジェシンスカ
どうやら知人が世話になったらしい
ガラではないが例はさせて貰おうか

フォースレーダーによる【情報収集】で敵の位置を探りつつ接敵
自殺衝動に対しては自身へ【催眠術】の応用で干渉する事で抑制
私が自刃すべき時はとうに過ぎている
かつて陛下が身罷られ帝国が滅びた時
殉死しなかった私が今更使命を放棄するなど許されはしない

だがそんな心情は隠したまま
致命傷は避けつつ目の前で敢えて自刃【捨て身の一撃】して見せ、そのままビルから落下する
適当なところで【念動力】を利用してビル内へ復帰
私が死んだと思わせて【だまし討ち】【暗殺】を試みる
仮に捌かれたならそこに【邪剣開帳】を叩き込むまでだ

「死中得活」
「殺活自在」
ゼンの教えだったな



●デス・イズ・ブロウ・トリガー

「警戒:落下=移動中への攻撃……難しいですね。この話し方」
 炎から逃れたダークポイントの行く手を塞ぎナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が口を開いた。
「疑問:口調=己と同一。
 仮説:興味=好奇心による行動。
 結論:無害=攻撃手段でないと判断」
「そうか、ところで……どうやら知人が世話になったらしい」
 闇の尖兵が状況を分析する中、背後より現れるのはミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)。
「ガラではないが礼はさせて貰おうか」
 ウォーマシンが両手にフォールンセイバーを握り刃を顕現すると、ナイもそれに倣い二振りの短剣を構える。
「ええ、ヒーローが見つけてくれたチャンス、です。必ず、掴みます……!」
「無益:猟兵=既に失策している」
 ダークポイントが、挟み撃ちにされつつも猟兵の敗北を指摘する。
「理由:隠蔽=身を隠す事無く立つことで己、絶対先制圏確保。
 結果:敗北=猟兵になす術は無い」
 コートが翻り、二丁のブラスターが闇の手に握られていた。

 Dark Apoptosis.
 闇への自殺衝動。

 最初の犠牲者はミハエラだった。
 熱線銃の銃口を向けられたウォーマシンは躊躇いもなく自らの胸を理力剣で貫き、イオンの臭いと機械が焼き付く異臭を伴いビルから転落していく。
「証明:先制=戦闘不能」
 ダークポイントがもう一人に銃口を向ける。
 ヤドリガミもためらうことなく、その胸に短剣を突き立てれば手首を捻り心臓を抉った。
「結果:死亡=猟兵の排除完了」
「……ねない」
 勝利を確信した闇の尖兵の聴覚を何かが刺激した。
「私は死ねない……いや、死なない」
 ヤドリガミ故、また本体を失った身故、その身体は死ぬことを許されず、そして生きることを望まれる。
 それ故に死ぬことに対し諦めを抱き……今を生きることに魂を燃やす!

 Till the day when it breaks.
『いつか壊れる――その日まで』

 ナイが駆けた。
 傷ついた身体は聖者たるユーベルコードが元に戻し、流した血を生贄に速さを! 強さを! 与える!!
 ダークポイントがブラスターの引鉄を絞れば熱線が頭を逸らしたヤドリガミの髪を焼く。
「これが私の」
 拳がオブリビオンに叩き込まれ、たたらを踏み、即座にナイの左手が動く――
「ライトニング!」
 叫び、腹へと刺したナイフ。
 手首を捻れば、傷を抉り、さらなる損傷を試みる。
 咄嗟、オブリビオンの持つ銃把がヤドリガミのこめかみを強かに打ち、ナイフを持つ手が離れ、小柄な少年の身体が転がっていく。
 その背後を大きな影が包み込んだ。

 ダークポイントが振り返った先にミハエラ。
 事前に仕込んだ催眠術によって自殺衝動の抑制を行っていた結果、自らの不忠故に戦場に舞い戻ることが出来た。
 だが、ユーベルコードを完全に抑えることは出来ない、自傷の損壊は大きく、視界が赤く明滅し活動限界のアラームが各部位から鳴り響く。
「疑問:汝=自殺」
「死中得活」
 真実をブラックボックスへ仕舞い振るわれたフォールンセイバーをブラスターで受け止めてオブリビオンが問えば、ウォーマシンは一言、答える。
「推測:汝=事前に何らかのコードを実行」
「まあ正解だが、今はあえて言っておこう」
 鍔迫り合いの状態から蹴りを放とうとしたダークポイントに対し、ミハエラは装甲を展開させ理力剣を射出した!
「殺活自在」
「言語:理解不能=汝、禅宗の言葉を発音する理由不明」
 剣に貫かれ、ビルの向こうへと飛ばされつつ闇の使徒が呟いた。

 The teaching of Zen.
「ゼンの教えだったな……」

 呟き終えるとサイキックリミッターが起動し、ウォーマシンの意識はシャットアウトされた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エル・クーゴー
【ウォルター(f22478)と】
●WIZ


●対先制
当機が突発的に自己破壊へ及ぶ際、その方途はL95式アームドフォート及び追随武装群で自らを攻撃することとなると思われます

これに対抗すべく、思考野を含めた電脳リソースを暗号化、随伴する[サーチドローン『マネギ(親機)』]へ予め移植
自殺衝動に駆られた際にはマネギに[L95式火器管制システム]を【ハッキング】させ、火器類をロック
自己破壊の阻止を試みます


●反撃
・【ウイングキャット『マネギ』】発動
・己に及ぶ銃口とウォルターに及ぶ視線とを切る目的で、MAX280体を十数体ずつ逐次展開
・ウォルターのベルセルクが敵をこそ捉え続けるよう、マネギらの戦速は敵以下に絞る


ウォルター・ワーマキーネ
POW
エル・クーゴー(f04770)と出撃。


『回避技能PG起動:戦闘知識/激痛耐性/見切り/早業』
被弾は承知の上でまずは瓦礫などに身を隠し、エルのUC発動を待つ。
マネギによる銃口と視線のカットが行われたら、ベルセルクトリガー発動。
スナイパーライフルの二丁、両手持ち。
マネギは鈍足。であるならばこの戦場で素早く動くのはダークポイントの腕。
それをマネギの合間縫って狙撃
『攻撃技能PG起動:ベルセルクトリガー:スナイパー・カウンター一斉発射・乱れ打ち・誘導弾・2回攻撃』
両腕を機能不全に追い込んだらロケットランチャー2丁、SMG2丁、ピストル2丁と切り替えて本体を攻撃する。
「血には血を。――報復だ!!」



●マシーンナーズ・オルタ

 瓦礫を跳ね除け、ダークポイントが身を起こす。
 刃を失った理力剣を蹴飛ばせば、金属の筒が跳ね、吹き飛ばされたビルの壁に開けられた大穴から転がり落ちる。
 風を切る音を感じた。
 空を見れば銀の光が空を切り裂いて今にも襲い掛かからんと銃口と言う名の牙を剥いていた。

「目標発見、攻撃を開始します」
 僅かなタイムラグともにエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)がL95式アームドフォートを起動する。
 ターゲットをエイム、ワンタイム遅れて火器管制機能が起動し、ビルのガラス越しにオブリビオンを砲火の嵐に持ち込む。
 建物を制圧射撃下に置いたと確信した直後、ビルの屋上を光が貫き、熱線銃で開けた穴よりダークポイントが空を舞った。

「目標:捕捉=絶対先制圏確保。
 発動:ユーベルコード=ダーク・アポトーシス。
 結果:自殺強要=Bang!」

 ブラスターのマズルが歪んで見えれば、何かが認識を侵食する。
 自壊への興味が甘美な物へ感じられ、ミレナリィドールの白く細い指が腰のハードポイントに備え付けられた拳銃に伸び、それをゆっくりとこめかみへと導いていく……。

『認識に外部より侵入在り! 警告! 警告! 火器管制機能ロック!』
 アラームが電脳内に響くと指が硬直し、首に重さを感じた。
 気が付けば思考野を含めた電脳リソースを移植されたマネギ・The・バックアップがしがみついている。
 重さに定評のある猫型ドローンは外部出力端子を通して本体にハッキングすると、火器類をロック、自殺衝動の削除と電脳リソースの再移植を行う。
「自己破壊阻止、成功。攻撃に移ります」
 改めて認識を取り戻したエルが、目標をダークポイントに定めれば展開されるのは279体の猫型ドローンマネギ。
 首にしがみついたままのもう一機も放り投げれば、十数体の編隊に分かれて逐次攻撃。
「認識:解除=汝ユーベルコード無効。
 索敵:猫=戦闘用ドローン。
 対策:反撃=攻撃開始」
 オブリビオンがブラスターを構えれる。
 直後、別のビルより大量の砲火が叩き込まれた。
「――?」
 その様子を見て、エルの眉がわずかに歪んだ。

「回避技能PG起動」
 瓦礫に身を隠し、ウォルター・ワーマキーネ(WA173-LZ・f22478)が機会をうかがう。
 プローンから構えるのは狙撃銃二丁、照準をセンサーと同期させ、ダークポイントから狙いを外さない。

 ――エルが攻撃を開始する。
 だが、まだチャンスではない。

 ――エルの動きが止まった。
 だが、ここではない。
 ウォルターは慎重に待っていた、それは一つの仕事をこなす為。
 自らの役目を果たす為。
 ミレナリィドールがドローンを召喚し、低速で攻撃を開始した時――機会が訪れた。
「攻撃技能PG起動」
 各種技能システムを展開し、そして――
「ベルセルクトリガー発動」
 ユーベルコードが理性を消し、瓦礫を押しのけ全ての武器での一斉射撃を開始した。

 理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続けるということは精密な狙撃を行う事よりも持てる限りの最大火力を投じることを優先してしまうだろう。
 その結果、当初の予定であったダークポイントの両腕への狙撃は果たされず、狙撃銃、ロケットランチャー、SMG、ピストル全ての火力を注ぎ込む結果となった。
 そして、その機を逃さないジェネシス・エイトでは無かった。

「解析:ユーベルコード=ベルセルクトリガー。
 特性:速度=高速対象を優先攻撃。
 対策:待機=その場に停止すれば速度差に目標変更」

 ウォーマシンの全火力投入とマネギの支援射撃を受け、損傷しつつもオブリビオンがその場に立つ。
 直ぐにダークポイントの周辺――マネギ達にウォルターの目標が代わり、次々とドローンが爆発しはじめた。
 そして爆炎の中、オブリビオンがウォーマシンへの射界を確保すると、遠くのビルで炎が一つ燃え上がった。

「目標、ロスト。逃走されました」
 焼けたギリースーツを投げ捨てたウォルターの元に近寄り、エルが状況を告げる。
「すまない、選択を誤った」
 ウォーマシンの言葉にミレナリィドールが首を振る。
「いえ、今回は敵戦力が特殊だと認識します。戦火の中、ただ立つことが出来るのは――」
「戦狂いかバカだけということか」
「はい」
 エルは一言だけ答えた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フェルト・ユメノアール
とうとう本体のお出ましだね
今度の相手はクローンじゃない、ボクの全てを出し切って戦うよ!

移動しながらの長距離狙撃、なんとか距離を詰めないと一方的にやられちゃうね
『ワンダースモーク』を使用、煙幕で敵の射線を遮って敵UCを妨害
左手で『トリックスターを投擲』相手を牽制しつつ
右手で『フックロープを投擲』ビルの出っ張りや窓に引っ掛け、移動&攻撃の届く位置まで接近
そして、空中に飛んでUCを発動する

キミをそこから引きずり降ろす!
現れろ!【SPカップスワッパー】!

そして、カップスワッパーの効果発動!
ライフを消費する事で自分と相手ユニットの位置を入れ替える!
攻撃回避しにくい空中に敵を強制移動させ、そこを狙い撃つ!



●スーサイド・トリックワークス

「とうとう本体のお出ましだね!」
 ダークポイントの周辺が七色の煙幕に包まれれば煙の向こうから聞こえるのはフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)の声。
「疑問:本体=己、クローンに非ず」
「今度の相手はクローンじゃない、ボクの全てを出し切って戦うよ!」
「解決:汝=己、クローン体と交戦経験ありと推定。
 不幸:汝=敗北必須、己とクローン体、能力に彼我の差在り」
 本当の闇が煙から逃れるべくビルの上を疾走すれば、それを遮る銀の刃。
 見事な装飾が拵えられたダガーが複数本、足元に突き刺さると、ダークポイントも熱線銃を構え、罠の可能性を考慮しつつも上空に活路を見出す。
 跳躍し、眼下に煙幕を望めば、見下ろすそこにはクラウンの姿はない。
「キミをそこから引きずり降ろす!」
 声は背後から聞こえた。
 上体を捻り、声のした方へブラスターを構える闇の尖兵。
「現れろ! スマイルパペット・カップスワッパー!」
 銃口の先にはフックロープで移動し背後を取ったフェルト。
 カードから奇術師を召喚されるのと自殺衝動に呑まれていくのはほぼ同時であった。

 仕込みは万全であった、移動も経験から裏打ちされた迷いなきものであった。
 けれど、ジェネシス・エイトは獣ではない。
 見えない相手にわざわざユーベルコードを使わない。
 それならば、あえて敵の視界に捕えられることで、無限の射程による先制攻撃に持ち込み、相打ちでも猟兵を倒すことを選択する。
 そして彼らはそれを可能にする強さを持っていた。

 ダガーを胸に刺し、ビルの谷間に墜ちていく道化師。
 直後、ダークポイントの視点が反転した。
 ――自らが転落している!?
 その事実に気づくのに幾秒かの時間を要した。

 ダークポイントが見逃していたのはフェルトのユーベルコードだった。
 召喚されし悪魔、奇術師カップスワッパーは生命力を引き換えに術者と相手の位置を入れ替える。
 今回、ダークアポトーシスにて自殺を強要したことで生命が捧げられ、契約は強制的に成立することとなった。
 煙幕が薄れるビルに叩きつけられるように道化師が転がる。
 後は転落しているオブリビオンに攻撃を叩き込むだけだが、身体がそれを許さない。
 その時、影が舞った。
 ならばとフェルトは残りの力を振り絞って煙幕弾を空に投げれば、猟兵達がその中へ消えていく。
「派手なトリック……だけが奇術師じゃないんだから」
 後を託せば、奇術師はその意識を手放した……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

河津・跳太郎
・先制攻撃対策:敵に視認されないようにする

ビルの壁面にじっと貼り付き
スーツと表皮を「迷彩」能力で同色に変化させる

敵の銃弾から察知できる方角に向けて
直接体を晒さない様に壁面を這って近づく(クライミング)

ビルとビルの間は伸ばした舌とジャンプでスイングして渡り
なるべく敵の視界に入らない様にして命中を避ける(地形の利用)



・攻撃:舌を巻きつけて締め上げる

舌を伸ばして相手に巻き付け高速移動に対抗
舌を引き戻しながら相手の体に密着するように飛びつく
(空中戦、ロープワーク)

浮遊するリボルバーに撃たれない様に
そのまま離れないで締め上げる超接近戦を挑む
(グラップル、怪力)

・セリフ
これ以上犠牲を出させないであります!



●ノーモア・サクリファイス

 落下していくダークポイント。
 それを狙って見えない何かがビルとビルの間を跳んでいく。
 闇の尖兵が体勢を立て直そうとした時、粘性を持った不可視の物体がその身に絡みつくと、オブリビオンの身体は振り回され、ビルの壁面へと唸りを上げて叩きつけられた。

「捕捉:否=視認不可能。
 仮説:不可視=透明化か迷彩の可能性。
 対策:困難=拘束より脱出無しに対抗手段を講じられず」

 ダークポイントが本当の意味での危機を自覚した。
 今までは視覚を遮られるか、欺瞞工作が中心だった。
 しかし、全く見えない状態からの攻撃は初めてであった。

 ――No more!
「もうこれ以上」
 見えない拳が闇に包まれた顔面に叩き込まれた。

 ――No more sacrifice!!
「犠牲を出させないであります!」
 それは高潔な魂が振るう怒りであった。

 河津・跳太郎(🐸負けるなピョン太ここにあり・f18965)はずっと見ていた。
 自らの肉体とスーツがビルの壁と同じように染まっていく時間の間。
 傷ついていく姿、立ち向かう姿、命を賭けた猟兵の戦いが網膜に焼き付いた時、自らの異形を後ろめたく思っていた男の何かに火がついた。

 今だけは異形に感謝していた、蛙に近いこの身に。人と違う姿故に与えられた伸縮性と弾力性を力にビルの間を縦横無尽に飛び回り、伸ばした舌がダークポイントを拘束し、至近距離から拳を叩きこめば闇の尖兵はなす術もなく打ちのめされていく。

 跳太郎がビルを蹴り、空へ向かう。
 オブリビオンを伴えば、道化師の巻いた煙幕の雲を突き抜けて、フロッギーヒーローのピョン太は渾身の力を持って舌を振り回し、ダークポイントをビルの屋上へと叩きつけた!

 ところで、このような男を何と呼ぶか知っているだろうか?

 Man with a mission
 使命を持った者
 ――人はヒーローと呼ぶ

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィランサ・ロセウス
遠くから一方的にだなんてつまらないわ!
戦いは面と向かって殺(あい)し合うのが一番だもの♥️

無限の射程距離と言っても、姿を捉えられなければ無意味
狙撃の為に見晴らしの良い場所を選ぶはず
フックシューターを使ってビルとビルの間を飛び回る事で、建物を遮蔽物にして狙われないようにするわ(地形を利用)

接近する時はその辺の看板やパネルのような、私が隠れる位の大きさの物を拝借して即席の盾に
銃口を直接向けられなければUCの効果を防げるかも?

もし上手く防御できなくても、貴方が“好き”でたまらない気持ちがあれば我慢できそうな気がするわ!(狂気耐性・呪詛耐性)

傷ついた分はUCの生命力吸収効果で、貴方のを貰うね♥️


羽堤・夏
奴に対抗するには…あたしが最も得意とする一瞬をつかみ取るしかねぇ…!

【動物使い】各地のビル屋上にハムスタースクワッドを配置しダークポイントを捜索させる
…馬鹿正直じゃ勝てない、別のビルからタイミングを計る

戦闘中の猟兵に奴の視線が向いた時に【かばう】
【武器受け】日輪丸を視線と猟兵の間に投げて割り込ませ初撃を防御
こっちに向けられた視線に対して【怪力】で巨大剣アドヴェルサを
顔面目掛け投擲、あたしへの二撃目を防ぐ
そしてビルの床を【怪力】で引っぺがして持ち上げ、あたしを覆い隠すように投げる
投げた床に拳骨を叩き付けコードで太陽を発生させれば…床を一気に消滅させた太陽の光と炎で奴の目も炎も焼く事ができるはず!



●ラブ・アライズ・サンシャイン

「遠くから一方的にだなんてつまらないわ!」
 ニンジャ・フックシューターを片手にダークポイントが叩きつけられたビルへとフィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)が向かう。
「戦いは面と向かって殺(あい)し合うのが一番だもの♥️」
 物騒な言葉と共にルンルン気分でビルを渡り、手近にあったタブロイド紙の宣伝看板を引っぺがせば起き上がってきたオブリビオンへと飛び掛かる。
 ダークポイントが熱線銃を向け、トリガーを絞れば光条が複数、暗い夜を走り、後ろに居た破綻者ごと看板を焼き尽くす。
 フィランサが傷だらけの身体を満面の笑みでさらけ出し、闇の尖兵が銃口を向けた時。向日葵を模した盾がダークポイントの右手からブラスターを叩き落した。

 ダークポイントの動きは把握済みだった。
 宇宙的存在すら駆逐すると言われる二大生物の一つ、知性を持ったハムスターが各地のビルから様子をうかがっているのだから。
 因みにもう一つの生き物はリスであるのは言うまでもない。
 故に、羽堤・夏(防人たる向日葵娘・f19610)はオブリビオンがユーベルコードを打つタイミングを見極めることが出来た。

「捕捉:二名=猟兵。
 連携:巧み=警戒。
 対応:先制=状況は依然、己の絶対先制圏下にあり」

 ダークポイントが視線を夏に向ければ、視界を塞ぐのは斧のように扱える巨大な剣。
 反射的にユーベルコードのトリガーを引き、剣を燃やし吹き飛ばすと目の前に移るのは床を引きはがすオラトリオの姿。
 対応する間もなく、巨大なコンクリートの塊が眼前を塞いでいった。

「視認:建築物=質量物投擲。
 対応:可=対応可能な速度」

 闇の尖兵がビルを走り、コンクリートから退避を図ろうとした時。
「だぁめ♥️」
 甘えた声でフィランサの腕がダークポイントに絡みついた。
「妨害:疑問=汝もただでは済まない」
「い・い・の!」
 オブリビオンの言葉を拒めば、次に来るのは生命力の吸収。
 気が付けば首に回っていた破綻者の腕は黒い粘液に包まれている。
「貴方のを貰うね♥️」
 コンクリートを追うように夏が走る。
「ねえ、好きって言って?」
 砂糖より甘い声で、フィランサが締め上げる。
「理解:不能=汝、睦言を言う理由なし」
「好きって言って?」
 オラトリオが飛び上がり拳を握る。
「拒否:己=オブリビオン。汝、猟兵」
「ねえ、好きって言って、てばぁ♥️」
 破綻者が尚も答えを求めた時、夏の拳がコンクリートに叩きつけられ、極小の太陽が生まれる。
「ねえ、好きよね! あたしは一杯好き! 好き! 好き! 大好き♥️」
 太陽が重力を呼び、コンクリートを焼き尽くし、オブリビオンとフィランサも呑み込まんとする。
「理解:不能=状況不能。
 危機:太陽=重力、高熱による負傷の可能性あり。
 脱出――」
「おーねーがーいー、好きって言って?」
「――:言語=好きと言えばいいのか?」
「うん♥️」
その直後、フィランサはダークポイントの背中を蹴り、燃え滾る塊へと叩き込んだ。

「…………」
 その様子を夏はただ、黙って見守る事しか出来なかった。
 というかそれ以外の方法があるなら、誰か教えてほしいくらいであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セシリア・サヴェージ
【ダーク・アポトーシス】による自殺衝動及び自傷行為は【狂気耐性】【呪詛耐性】である程度抑制できるはず。傷自体も【激痛耐性】で痛みを無視して行動します。
その上でUC【血の代償】を発動すれば、負傷の度合いに応じて戦闘力が上昇することでしょう。
自殺衝動も負の感情の一種とすれば、これもまた戦闘力増強につながる筈です。
対策とは少し違うかもしれませんが状況を利用させてもらいましょう。

ビル群を縦横無尽に駆ける敵など普段の私なら追いつけそうもありませんが、強化状態になった今ならばあるいは……。
【空中戦】【追跡】を駆使して追い詰め、暗黒剣を叩き込んでみせましょう。



●ダーク・イン・ザ・ダーク

 炎に包まれたダークポイントが猟兵から逃れるように遠く離れたビルへと飛び移る。
 燃えるコートを脱ぎ棄て、残るのは熱線銃一丁のみ。
 一見、負傷が無いように見えるが所々から液体のように闇が漏れ出し、床に触れると蒸発していく。
 その様子をセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)の銀の瞳が射抜くように見ていた。

「発見:猟兵=対応開始。
 先制:必中=ダークアポトーシス。
 結果:自死強要=死亡確実」

 震える腕でオブリビオンが銃口をセシリアに向ければ、彼女の心を自殺衝動が塗りつぶす。
 心の赴くままに暗黒の騎士が剣を持ち刃を頸部に当てると赤いものが熱を持って身体を汚していく。
 ダークポイントが勝利を確信し、銃を下す。
 だがセシリアが倒れる事は無く、その姿は暗黒のオーラに包まれた。

「仮説:猟兵=ユーベルコード対策。
 状況:頸部負傷=大量出血を確認。
 予測:絶命=数分もたたずに猟兵は死亡、但し念を入れる必要あり」

 闇の尖兵は油断することなく、ブラスターを構える。
 直後、その腕が裂かれ、闇が噴出した。
「どうにか……行けましたね」
 暗黒剣を両手に握り、セシリアは賭けに勝ったことを確信した。

 テーブルに乗せたのは己の命と言う名のコイン。
 騎士はあえてダークアポトーシスを受けることで負傷と自殺衝動という負の感情から得られる戦闘力強化を選んだ。
 保険は、狂気と呪詛への耐性。そして痛みに耐え剣を振る力。
 暗くなる視界の中、一撃を振るい生命力を吸収すれば死の手前で立ち止まる。
 今、ここに居るのは負傷し武器を失った闇と、その力を喰らった暗黒の使い手であった。

「状況:悪化=継戦不可と判断。
 結論:逃走=不可視領域への一刻も速い移動。
 障害:無視=排除に時間はかけられない」

 ブラスターを乱射しながらダークポイントがビルを走り、夜の空へ駆けた。
 それを追う暗黒の影。
 極限まで引き上げた力を駆使して、セシリアがコンクリートの床を蹴ればオブリビオンの身体能力へと追いついた。
「今ならば……と思いましたが、行けますね――覚悟!」
「危険:逃走=一刻も速く戦場より離脱。
 対抗:不可=絶対先制圏喪失」
 ビルを縦横無尽に跳び、ブラスターを乱れ撃つダークポイントに対し、セシリアは熱線を無駄のない動きで避け、追い詰めていく。
 それでも逃れようとオブリビオンが天へと跳べば、暗黒の騎士はビルの壁面を強く蹴り剣を片手に上昇。
 闇よりも速くその背中を追い越し、そして暗黒剣がダークポイントの胴を薙ぐ!
「戦闘:不能=己、生存不可」
 月夜の下、闇が霧となり消え、セシリアも限界を超え大地へと落ちる。
 だが暗黒を受けとめる者達が地上で待っていた。
 セシリアは向かえる者達を信じ、静かに意識を手放した。

 ――そして、闇の尖兵は消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月15日


挿絵イラスト