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アースクライシス2019⑮〜ダーク・イン・マンハッタン

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019 #ダークポイント

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●蹂躙する影
 ニューヨーク、マンハッタン島。
 夜空を衝く摩天楼からは鮮やかに光がこぼれ、さながら一個の巨大な彫像であるかのような景観が闇の中に浮き上がっている。
 そしてその街は今、ヒーローたちが集う戦場となっていた。
「逃がさんぞ! ダークポイント!!」
「世に混乱をもたらす闇よ……今ここで、俺たちが打ち倒してくれる!」
 通りに佇む敵影を見据えて、ヒーローたちは高層ビル群の足元を疾走する。
 皆それぞれユーベルコードの力を発動させ、ある者は光り輝くビームを、ある者は強靭な肉体でもって立ち尽くす敵に襲いかかった。
 だが、対峙する黒い影――ダークポイントは、彼らの攻撃に身じろぎすら見せなかった。
「否定:撃破=不可能。
 比較:己=強者。汝=弱者。
 結論:全滅=決定事項」
「なっ!?」
 不遜な言葉を放ちながら、ダークポイントが後方へ遠のいた。
 遠のいた、と言うのはヒーローたちにはそうとしか見えなかったからだ。
 ダークポイントはその脚を曲げて地面を蹴るでもなく、何かしらの力で飛ぶでもなく、まして倒れるでもなく、ただ圧倒的な速度でヒーローたちから遠ざかって攻撃を避けていた。
「くっ……だが当たらぬなら、当たるまでやるだけだ!」
「覚悟しろ! ダークポイント!」
 今一度、ダークポイントへ向けて疾走するヒーローたち。
 だが、黒影は悠然と佇み、迫りくるヒーローにリボルバーの銃口を向ける。
「予告:攻撃=到達しない。
 理由:汝の攻撃=対象は汝」
「何……をっ……」
 ダークポイントの言を鼻で笑ったヒーローだが、次の瞬間、彼が握る直剣は己の胴体にあてがわれていた。刃は躊躇なく引かれ、腹から飛び散った鮮血がアスファルトを濡らす。
「ど、どうした!?」
「なぜ自ら……これがダークポイントの力なのか!?」
「宣言:戦闘=終了」
 気が触れたかのような仲間の行動に狼狽するヒーローたちへ、ダークポイントは無慈悲な追撃を繰り出した。
 自身の周囲に浮かべた無数のリボルバー、その銃口から超速で弾丸が撃ちだされる。
 弾の嵐はヒーローたちの体を蜂の巣に貫いて――やがてけたたましい銃声が止むと、正義の心を誇る彼らは、無惨な姿で灰色の地面に並んでいた。

●グリモアベースにて
「ジェネシス・エイトのひとりである『ダークポイント』……奴の居場所が判明した」
 集まった猟兵たちの顔ぶれを確認すると、プルート・アイスマインドは座っていた椅子から跳ねるように起き上がった。
 ヒーローたちの調査によって掴んだ敵の居所――そこはマンハッタン島。
 その高層ビル街の片隅にある、あらゆる存在から死角となる『不可視の領域』にダークポイントは潜伏していたのだ。
「しかし、ヒーローたちではダークポイントに太刀打ちできん。だからおまえたちにはマンハッタン島にて奴を打ち倒してきてほしい」
 居所を割られたダークポイントは潜伏から方針を変えて、高層ビル街で猟兵を撃退しようとしているらしい。
「ダークポイントはビル群を縦横無尽に動き回り、無限の射程距離でこちらを狙ってくる。いかに立ち回ろうとも奴に先制されることは避けられないだろう」
 敵の先制攻撃をどう防御して、反撃に繋げるか。
 そこを上手くやることができれば、ダークポイントの撃破に近づくはずだ。
 プルートはそう強調して話を締めくくると、グリモアの柔らかな光を猟兵たちに向けた。
 体が徐々に透過して、ヒーローズアースへの転移を始める。
「ダークポイントを倒せば『クライング・ジェネシス』との戦いも有利になる。それに奴のような不気味な存在を討ち漏らせば、後の禍根になりかねん。猟兵たちよ、頼んだぞ」


星垣えん
 ダークポイントさんのコミュ力……。
 というわけで星垣えんです。
 ジェネシス・エイトの一角、ダークポイントとの戦いですね。

 本シナリオには、他のヒーローズアース戦争シナリオと同様、プレイングボーナスを得る方法があります。
 今回は『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』と、ダークポイントとの戦闘が有利になります。
 ダークポイントは皆さんが使用するユーベルコードと同系統のユーベルコードで先制攻撃してくる(POWならPOW、SPDならSPD)ので、ナイスな防御&反撃手段をぶっこんでみて下さい。

 それでは、皆様からのプレイング、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『ダークポイント』

POW   :    ダーク・フレイム
【ダークポイントの視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ダーク・リボルバーズ
自身に【浮遊する無数のリボルバー】をまとい、高速移動と【全方位・超連射・物質透過・弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ダーク・アポトーシス
【銃口】を向けた対象に、【突然の自殺衝動から始まる自分への攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大豪傑・麗刃
昔のえらい人が言ったらしい。
当たらなければどうということはないと。
たぶん視線も一緒。

ならば。

ダッシュ!ただ走る!
そして存在感のある残像をばらまく!
これぞ秘技!変態分身!これで敵の視線をわたし自身からそらせ、なんとしても初撃を回避するのだ!
一応火炎耐性は積んできたけど当たりたくはないのだ。

初撃さえ外せばあとは敵が次の攻撃を繰り出す前に渾身の一撃。

ダークポイントとやら!このわたしがいるかぎり!
きみのたくらみは全てくだーく!!

ダークだけに、くだーく。

……
こういうキャラがずっこけたらどうなるか見てみたいのだ。

ともあれ相手の平常心をぶっ壊したら、両手刀の二刀流で、立ち合いは強く当たって、あとは流れで。



 そびえ立つ高層ビル街は、待ち受ける戦いを兆したかのように、風が吹き荒れている。
 その風に一本の三つ編みが揺れる――が、転移してきた大豪傑・麗刃は気にする素振りも見せず、遠く向こうに立つ影を見据えた。
「警戒:猟兵の到着。
 任務:猟兵の排除」
 通りに悠然と立つ漆黒――ダークポイントが、開戦の合図とばかりに銃を抜く。未だ距離は遥か離れているにも拘わらず、強烈なプレッシャーが一瞬で麗刃の体を突き抜けた。
 だが、麗刃も構わず、強く地を蹴った。
「昔のえらい人が言ったらしい。当たらなければどうということはないと」
 そう虚空に告げるなり、前傾した体が加速する。
 猛ダッシュ。ただただ脚を回し、残像すら浮かび上がる速度で麗刃はアスファルトの上を駆け抜けた。
 しかもその残像、動くんです。
「麗ちゃんこっちだじょ!」
「わはは! この動きが見切れるか!」
「おまえの母ちゃんデベソー!」
 うははは、と喧しく四方に駆けてゆく残像たち。そのフリーダムな挙動に、ダークポイントはどれを追うべきかと視線を散らしてしまった。
 麗刃は、高々と笑う。
「これぞ秘技! 変態分身! 今のうちに麗ちゃんは近づくのだ!」
「発見:急速接近=猟兵」
「もう遅いのだ!」
 すぐそばまで近づいてきた麗刃に気づき、ダークポイントがマスクの下の視線を彼に向けるが、それより早く麗刃は敵の懐に潜りこんでいた。
 ――で。
「きみのたくらみは全てくだーく!!」
 全身全霊で、そう言った。
 その場には当然のように重苦しい沈黙が流れる……。
「ダークだけに、くだーく」
 空気に耐えかねたのか、麗刃が自らギャグに解説を添えた。
 ダークポイントは容赦なく誅罰の銃口を麗刃に――。
「…………」
 向けない!
 ギャグにより敵の平常心を奪う麗刃さんのユーベルコードが割と機能している!
「よし隙ありなのだー!」
「不覚:猟兵の行動=予想外」
 しばらく思考停止してダークポイントさんが動かなかったので、麗刃はとりあえず二刀流でズバッと斬っておいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィランサ・ロセウス
事前にヒーロー達からもたらされた情報と、ダークポイントと他の猟兵達と交戦状況から進路を予測して待ち伏せ
移動は主にフックシューターを用いたビルからビルへの飛び移り

銃を向けられただけで死にたくなるなんて、ちょっと反則じゃない?
対策として看板や扉…街中にある私の姿が完全に隠れるような大きさのものを拝借して即席の盾にする
こちらも姿を晒さず、銃口を直接向けられなければUCはやりすごせるはず
この際銃弾を防ぐことは考えないわ

向こうの攻撃が止んだらすかさずUC発動、迷宮に閉じ込める
これでさっきまでのようなスピードで逃げ回る事はできないわね?
私だけが自由に動ける優位を活かして、激しく壊(あい)してあげる♥️



「あれがダークポイントね?」
 高層ビルの間をワイヤーフックを駆使して移動していたフィランサ・ロセウスは、空中にその身を踊らせながら眼下にダークポイントの姿を発見した。
 しかしダークポイントも、すぐに彼女の気配を感じ取る。不意の攻撃をくらわぬよう高速移動で自身の位置をずらしながら、銃口をフィランサのほうへ向けようとした。
 ――だが。
「否定:猟兵=捕捉不能」
「銃を向けられただけで死にたくなるなんて反則だと思うけど、やりようはあったみたいね!」
 自傷を誘う黒き孔を向けられつつも、フィランサはニッと大きく笑っていた。
 彼女の手が己に向かわないのは、ビル街を移動する最中に拝借しておいた看板のおかげだ。それで自身の姿を隠すことで、ダークポイントのユーベルコードを防いでいたのだ。
「さて、それじゃこっちの番よ!」
 看板の盾で押し切る形でダークポイントに接近したフィランサが、その瞳に妖しくも光るハートを浮かび上がらせ、たちまち鉄格子の迷宮が一帯を覆う。
「判断:空間狭小=己の優位性消失」
 鉄の包囲網から逃れようと、ダークポイントは即座に動いた。
 だが彼が高速移動を始めようとした刹那、真横の鉄格子の向こうからフィランサが飛びこんできた。
「混乱:強固な鉄格子=突破は不可能」
「ふふっ、私だけはすり抜けることができるのよ。さ、激しく壊(あい)してあげる♥️」
 フィランサがダークポイントの体に巨大な注射器で薬液を打ちこむ。巡る毒が敵の体に苦痛を与えるのを、壊れた少女は愉しげに見つめて、陶酔した笑みを浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャスパー・ドゥルジー
可能な限り敵に接近してから交戦
相手の攻撃手段は視線だ
目視されねェように物陰に隠れながら近寄る

初撃を避ける術は俺にはねェ
全神経を集中させ致命傷は避ける
死ななきゃいい
生きてさえいりゃ【激痛耐性】で動ける

攻撃を喰らうと同時【バンダースナッチの影】
全身を黒い炎に変化
奴のダークフレイムが撒かれたフィールドではいい保護色になるだろ

勿論奴の炎は自由に消せる
そしたら俺はすぐに見つかっちまうな
それでいい
たった一瞬、奴を撹乱できりゃいい
その間に近づいてみせる
奴の機動力に対抗するには
こっちも速攻で決めねェとな

腕を実体に戻してナイフで突き刺す
しッつこい影だぜ、全く
さっさとくたばんな



(「近づけんのはここらが限界か」)
 ビル街の物陰から物陰へ移動していたジャスパー・ドゥルジーが、ついぞ敵の姿を視界に収めたところで足を止めた。
 見える。
 それは、ダークポイントからもジャスパーが見えることを意味している。
 ジャスパーは深く息を吸った。
「覚悟を決めるか。決めたかねェがな」
 ビルとビルの間から、ジャスパーは飛び出した。
 襲いくるだろう灼熱感に少し心躍らせてしまいながら、通りに身を晒す。
「発見:己に接近=猟兵」
 ダークポイントの視線が走る。遮るものなき空間を突っ走っていた悪魔はものの一瞬で黒炎に巻かれて――焼失した。
 だが。
「観測:肉体の消失=死亡。
 疑問:消失速度=予測と相違」
 ダークポイントが違和感に動きを止める。
 ジャスパーの焼失は早かった。今まで自分が燃やしてきたどれよりも、早すぎた。
 まるで着火した瞬間に消えたかのように。
「否定:肉体の消失≠死亡」
 ダークポイントが、自ら延焼した黒炎を消し去る。
 地面にひろがっていた炎が消える――と、彼は理解した。
 自分が放った黒炎とは別の、人の形をした黒炎が、すぐ眼前に在ったからだ。
「よォ、今さら気づいたかよ?」
 黒炎――ジャスパーが笑う。
 ダークポイントに燃やされると同時に、ジャスパーは己の体をユーベルコードで黒い魔炎に変えていた。そしてそのまま敵の黒炎に紛れ、接近を果たしていたのだ。
「しッつこい影だぜ、全く。さっさとくたばんな」
 炎の一部が実体に戻り、ナイフを掴む腕が顕現する。
 何の変哲もないナイフの刃は、ダークポイントの肌を裂いて、深々と肉を抉っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

春日・氷華
氷の異能を持つ寡黙な少女。

【火炎耐性】火鼠の皮衣で全身を覆い、身を伏せる。
「……来た」
炎を防ぎつつ素早く白手袋を口で外し、地面に手をつけ【絶対零度】の冷気を周囲に放つ。
倒れたヒーローやヴィラン達を冷気で感じながら、彼女の怒りを表すようにビル街を呑み込む猛吹雪が巻き起こる。
「……ごめんなさい。すぐに終わらせるから」

この吹雪の中で視線は届かず発火できない。貫通弾でも自傷行為でも周囲の水分がある限りあたしの体は氷で覆われ再生する。
炎を当てるために至近距離に来る、そのタイミングで回避行動を取る前にカウンターで落とすしかない。

炎を喰らいながら、掌に圧縮した冷気を敵めがけて解き放つ。
『ブリザード・ブレス』



 絶対耐火マント『火鼠の皮衣』で身を包み、伏せていた春日・氷華は、自分がいる通りの突き当たりにダークポイントが滑るように姿を現したのを認めた。
「……来た」
「認識:潜伏存在=猟兵の可能性。
 実行:猟兵の排除=焼却」
 自身を見る存在に気が付いたダークポイントが、すぐさま身を伏せる氷華を一瞥する。炎を招く眼光が、皮衣の表面を瞬時に燃え上がらせる。
 だが氷華の顔に焦りはない。
 白手袋を素早く口で外し、細やかな手を地面に押し当てる。すると彼女の身に宿る強力な冷気が地を伝い、瞬く間に一帯が氷結した。
 同時に、氷華はビル街に倒れるヒーローたちの体をその手に感じていた。
「……ごめんなさい。すぐに終わらせるから」
 氷結した地面をさらう空気が、勢いを増して立ち昇る。まるで彼女の怒りを体現しているかのように、氷雪は荒れ狂ってビル街を猛吹雪で飲みこんだ。
「観測:吹雪=視界不良。
 判断:確実な排除=要接近」
 ダークポイントが吹雪の中を前に疾走する。
 視界が利かずとも、距離を詰めれば氷華を排除することは容易と考えたのだ。
 しかしそれは、氷華も織り込み済みの行動だった。
「そちらから来てくれるのなら、好都合」
 間合いを詰めるべく走っていた氷華が、吹雪を突っ切ってダークポイントの前に現れる。
 不意打ちのような邂逅だった。
「捕捉:視認=己の勝利」
 ダークポイントの視線に捉えられ、氷華の体が燃え上がる。
 しかし構わず、氷華は踏みこみ、掌をダークポイントの胸にあてがった。
「ブリザード・ブレス」
 掌に圧縮された冷気が爆ぜる。吹きあがる冷気はダークポイントの全身を包みこみ、凍りつかせながらその体を吹き飛ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧城・ちさ
ダークポイントに倒されたヒーローさん達のためにもこの戦い、負けられませんわっ
先制攻撃はオーラ防御を行ってユーベルコードで呼び出したうさぎさんに守ってもらいつつもふもふした背中に飛びついて自分にも攻撃をしないように耐えてみますの

かわせたら反撃ですわっ。高速詠唱で魔法を敵の攻撃に合わせて連続して放ったり全力で放ったりと魔法を繰り出しますわね
ダークポイントが接近するようなら再度うさぎさんを呼び出して2体のうさぎさんで休む暇もないくらい殴りつけてみますわっ

他の猟兵さんとの連携やアドリブは大丈夫ですわっ



「ダークポイントに倒されたヒーローさん達のためにもこの戦い、負けられませんわっ」
 鮮やかな桃色の髪をなびかせて、霧城・ちさはマンハッタンのビル街を駆けた。
 目を配ればあちこちに見える倒れたヒーローたち。
 正義のために戦った彼らの思いを無駄にはできない――そう胸に刻みながら、愛用の杖『うさぎさんの杖』を握る。
「迎撃:銃口→猟兵」
 ダークポイントの銃口が、一直線に駆けてくるちさへ向けられる。霜が張りつくほど冷えた体の動きは鈍いが、それでも狙いは正確だ。
 ちさは自身をオーラの壁で覆いつつ、愛らしいうさぎのモチーフがついた杖を振り上げた。
「うさぎさん! わたくしをお守りしてほしいですの!」
 ちさの呼び声に応じるように、二頭の兎が召喚される。荒々しい足取りで前を行く黒兎を手を振って見送ると、ちさは残った白兎のもふもふの背中に飛びついた。
 おかげで、ダークポイントの銃口はちさを捉えることができない。
 だが力が死んだわけでもなく、銃口は代わりに黒兎を捕捉し、衝動に突き動かされた黒兎は足を止めると前脚で自らを攻撃した。
「うさぎさん……ごめんなさいですの! そしてありがとうですの!」
 倒れる黒兎にすぐさま駆け寄りたい気持ちを押し殺して――ちさは白兎にしがみついたまま駆け抜け、ダークポイントを射程に収めるなりユーベルコードを解除する。
「確認:猟兵への攻撃=失敗。
 試行:第二撃」
「遅いですの!」
 ちさを迎撃すべく再び銃口をかざすダークポイントだが、ちさの杖のほうが早い。
 高速詠唱で杖の先端に魔力を凝集させ、解き放つちさ。魔力は無数の弾丸のように疾走し、ダークポイントの体を次々と穿つのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヨナルデ・パズトーリ
ふむ、銃口を向けられると自害する、か
又厄介な能力よのう

じゃが・・・其れで戦うのを止める程、堕ちては居らぬ故、の
まして、猟兵でもない人の子等が頑張って居るのなら猶更神としてはのう


街中という遮蔽物の多い『地形を利用』
銃口を遮る盾にし更に『高速詠唱』による煙の『属性攻撃』の『全力魔法』を
『範囲攻撃』で放ち視界を遮る『目潰し』をする事で此方を捉えにくい様に

『迷彩』をし『暗殺』の要領で『存在感』を消し『目立たない』様にした状態で
煙の中を移動し敵の元へ

UC発動
地表スレスレの『空中戦』で肉薄
『零距離射撃』の『全力魔法』を『高速詠唱』でぶち込み『傷口をえぐる』様に
『怪力』の『鎧無視攻撃』を叩きこむ『二回攻撃』


佐伯・晶
厄介な能力を持った強敵だね
でもこちらには仲間達がいるから協力して戦うよ

軍から発煙手榴弾と煙幕発生装置を借りて接近
自分は多機能ゴーグルのサーモグラフィで位置を探るよ
視線を煙で遮ればこちらを狙えないんじゃないかな

その後はガトリングガンで範囲ごと攻撃
相手の射撃は神気で時間を停めて防御
これは僕なりのオーラ防御だよ
こちらが見えなければ防ぎ方も隠せるね

燃えて出た煙を再度燃やせるかどうかはわからないから
熱源感知に目くらましされた時のために
コンクリから創った使い魔を近くに待機させて
こちらが見える位置に移動しようとしてきた相手を
石化させようか

それで動きが鈍ったら魔法陣を当てて
時間を停めた後に凍結魔法を撃ちこむよ



「ふむ、銃口を向けられると自害する、か。又厄介な能力よのう」
「本当に、厄介な力だね」
 ダークポイントの力の一端を垣間見て、ヨナルデ・パズトーリと佐伯・晶はその表情を引き締める。敵からの攻撃を防ぐのならば難しくないが、己の攻撃となれば勝手が違う。
 しかし、二人には悲壮感の欠片すらなかった。
「こちらは一人じゃない。攻略できない敵ではないよ」
「勿論じゃ。猟兵でもない人の子等が頑張って居るのじゃからな。神として、これしきで戦うのを止めては居られぬ」
 逃げる選択肢など、そも在りはしない。
 ヨナルデと晶は通りに立ちつづけるダークポイントへと接近した。二人を敏く感知した黒影は瞬時に振り返り、その視線と銃口を差し向ける。
「命令:汝=自害」
「そうはさせぬのじゃ」
 銃口に捉えられる寸前で、大きく横へ跳躍するヨナルデ。ビルの隙間に滑りこむことで銃口に直接さらされることを回避すると、通りを挟んで逆側に駆けていった晶と視線を交わす。
(「どれ、やってみるかの」)
(「OK。こっちもいけるよ!」)
 相手の目から意思を受け取った二人が、同時に仕掛ける。
 晶が懐から取り出したのは、前もって調達してきた発煙手榴弾だ。それをダークポイントと自分の間に投げこみ、噴出する煙を壁とすることで視線で燃やされることを回避した。
 さらに、ヨナルデも詠唱で魔力を高める。その魔力をこめた拳で地面を叩けば、泉でも現れたかのような勢いで煙が巻きあがった。
 同時多発した煙は、瞬く間にダークポイントの視界を覆い尽くしてゆく。
「判断:猟兵の捕捉=不可能。
 結論:優先=視界不良解消」
 もうもうと煙が舞うエリアから脱出すべく、移動しようとするダークポイント。
 だが彼が動くよりも先に、ガトリングガンがけたたましく唸りをあげた。
「そっちからは見えなくても、こっちからはだいたいの位置はわかるよ!」
 腰だめに構えた携行型ガトリングガンを、煙の中へ連射しているのは晶だ。その顔には多機能ゴーグルが着けられており、サーモグラフィを使用すればダークポイントのおおよその位置を把握できた。
「判断:被弾=己に不都合。
 結論:優先=回避行動」
 弾雨に追い立てられる形で、煙の中を動き回るダークポイント。見えているとはいえその高速移動を捉えるのは容易ではなく、晶が撃つ銃弾はアスファルトに無数の穴を穿ちまくるだけである。
 が、それでよかった。
 ダークポイントが跳び、走り、逃げ回ったその先で――ヨナルデが待ち構えていたからだ。
 一帯を覆う煙に紛れ、密やかにダークポイントとの距離を詰めていたのだ。
「どれ、叩かせてもらうのじゃ」
 その身を黒曜石の鎧に包み、背部に血と骨から成る翼を作り出すヨナルデ。そのまま低空飛行で突っこんでダークポイントに魔法を撃ちこむと、さらにそこに握りこんだ怪力の拳を打ちつけた。
 ダークポイントの体が吹っ飛び、高層ビルの壁に激突する。
 それを、晶がコンクリートから生み出した使い魔は視認。
 敵の挙動の監視を命じておいた使い魔の鳴き声を聞いて、晶はその座標に魔法陣を発生させる。魔法陣が壁にめりこんだダークポイントを囲いこみ、流れる時間が停止する。
 さながら映像を止めたように、わずかな身じろぎすらもない。
 であれば――外す理由もない。
「動かれるのは面倒だからね。もっと止まっていてもらうよ」
 晶が放った凍結魔法はダークポイントを貫き、その体を氷獄に陥れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘆名・臣
──やめろ、
これ以上、誰かを傷付けるな。

◆戦闘
先制だろうが何だろうが関係ねえ。
第六感で回避出来るものは回避して、
出来ねえものは勇気と気合いで耐え凌ぐ。
万一体力が危ねえ奴がいたらそいつを庇いつつ、
そのまま突っ込んで、捨て身の一撃にてカウンターを奴にぶち込んでやる。

俺が敵に叩き込むのは『天雷迅剣』。
両断出来れば上々。そうでなくとも、奴の耐久力を削り、または陽動にでもなればそれでも全く構わない。
仲間との連携を意識し、無駄な行動のないよう努める。


雷陣・通
視線が命中した敵を燃やす。
つまりは視線が弾丸ってことだ。

なら試す価値はある

●殺気と●勇気を以って真正面から迎え撃つ
スピードも幻惑も必要ない
これは機を見切る力が必要なんだ

●視力で相手の視線を●見切り
●先制攻撃と●カウンターで後の先を取り
「視線」を『手刀』で「切断する」

不思議に思うだろ? お前がユーベルコードを打つタイミングで「見えなくした」それだけだ

この世界に居るなら、カラテの恐ろしさを知っているはずだ
覚えて置け
跳躍、そして●二回攻撃からの●鎧無視攻撃、●属性攻撃、雷付与、●マヒ攻撃を乗せた飛び蹴りを叩き込む

「これが、鍛えた空手の刃ってやつだ」
「闇の炎、雷陣・通がここに断たん!」



「確認:己の損傷=拡大。
 修正:猟兵の力>己の予想」
 猟兵の攻撃に吹き飛ばされ、小石のように通りを転がされたダークポイントは、自身が前もって考えていた想定を上方修正する。
 猟兵は、想像を超えて強い。
 そう思いなおすダークポイントの前に、また新たな猟兵たちが立つ。
「──やめろ、これ以上、誰かを傷付けるな」
「お前の好きになんかさせるか」
 空気がひりつくような闘志を漂わせて黒影と対峙するのは、蘆名・臣と雷陣・通。
 強化人間にして武骨なる捜査官の臣と、齢十二の少年たる通。上背に四十センチもの差がある二人が立ち並ぶ姿は、アンバランスの一言だ。
 だが、放たれる殺気には、わずかばかりの差もなかった。
「状況:猟兵が二枚=要警戒。
 行動:早急な排除」
 臣と通を射抜くように、ダークポイントの視線が飛ぶ。
 ――が、それがどうしたと言うのか。
 まるでそう言わんばかりに、臣は真正面から吶喊した。
「どんな攻撃だろうが関係ねえ。かわせるもんはかわす。かわせなきゃ耐える」
 右に左にと体を振り、追いすがるダークポイントの視線から逃れる臣。その足取りは止まることなく、着実に敵との距離を詰めてゆく。
 だが、体全体を動かさねばならぬ臣に対して、ダークポイントは眼を動かすだけでいい。
 眼を動かし視界に収めれば、それで相手は燃えるのだから。
 どちらが楽かなど比べるべくもない。
「ぐっ……!」
 視線が掠めた腿から、臣の体に漆黒の炎がひろがる。みるみる拡大する黒炎に巻かれた臣は前のめりに倒れ、アスファルトを転がってゆく。
「臣!!」
「成果:猟兵一枚=排除。
 転換:対象=小さき方」
 炎に倒れた臣へ声をあげた通に、返す刀で視線を向けるダークポイント。
 迫る見えない業火。
 だが通は臣のやり方とは打って変わって、しかと地に足をつけて身構えた。
(「視線が命中した敵を燃やす。つまりは視線が弾丸ってことだ」)
 言い聞かせるように胸中で唱えて、通が心を静める。
 そして――己の前方の空間に、超速の手刀を振り下ろした。
 空間を切り裂くように振るわれた手刀はなんとダークポイントの『視線』を切断、燃えるはずだった通の体は何事もなかったかのように平然とそこに在りつづける。
「疑問:己の視線=不発?」
「不思議に思うだろ? お前がユーベルコードを使うタイミングで『見えなくした』。それだけだ」
 不敵に笑う通。
 だがまるで無傷でもなかった。切ったとはいえ視線は彼の手に当たっている。
 つまり刀となった通の手は、燃えていた。灯った黒炎は腕を伝って彼の体を呑み込もうとさえしている。
 だが燃えたのが手だけであれば十分だ――通は地を蹴りつけて跳躍。
 天高く跳びあがった空中で体勢を翻し、雷光を帯びた蹴撃で降下する通。ダークポイントを頭上から捉えた痛打が、その体を痺れさせる。
「――」
「これが、鍛えた空手の刃ってやつだ。闇の炎、雷陣・通がここに断たん!」
 通の追撃の蹴りが命中し、よろめくダークポイント。
 すると、黒影は己の背後に迫る殺気を、感じた。
「久方ぶりだな。影野郎」
「理解不能:炎上=生存?」
 すぐ後ろに肉迫していたのは、燃えて倒れたはずの臣。
 その身を黒炎で焼かれながらも意志と胆力で耐え凌いだ男は、間合いに捉えたダークポイントへ向けて剣を抜く。
 天雷迅剣――閃く剣の軌道が、ダークポイントの体を豪快に斬り伏せていた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ルエリラ・ルエラ
大物だ。ここでなんとか仕留めよう

ビル街で遮蔽物が近くにある少し開けた場所を探して、そこでじっくりと狼耳デバイスで音を探るね
弾丸が発射された音を感知したら、私の服に魔力を込めて全力で魔力障壁を展開。防御と同時に遮蔽物へ『ダッシュ』
物質透過弾丸も魔力でなら軽減できるだろうし、普通弾丸は遮蔽物と障壁でもっと軽減できるはず
凌いだら反撃。ブーツに魔力を込めてビルを蹴って飛びながら『空中戦』
矢を連射して射かける中に、【ドライ】を混ぜて攻撃
攻撃は全部躱されるだろうけど、それを何度か繰り返して余裕を見せたところで、それまでの攻撃に混ぜ込んでおいた追尾の矢で一気に後ろから仕留める



 ビル街の一角。
 周りを遮蔽物に囲まれたその場所で、ルエリラ・ルエラはピコピコと狼耳デバイスをそばだてていた。
「こっちが優勢なのかな? なんとか仕留めたいな」
 もふもふ付け耳状態でキリッとするルエリラ。
 高い集音機能を持つデバイスで探っているのは、ダークポイントが撃つであろう弾丸の銃声だった。
 すると――響いた。
 無数の銃声。
「来た」
 音を認識するや否や、ルエリラは衣服に魔力をこめて障壁を展開。ビルから何から透過して弾丸の雨が飛来するのとほぼ同時に、遮蔽物の陰に滑りこんだ。
 透過属性のない弾丸が、遮蔽物に防がれて止まる。
 透過する弾丸はもちろんそれをすり抜けてルエリラの体に命中するが、魔力障壁で勢いを削いだおかげで弾は浅いところで停止した。
「よし、反撃開始だね」
 弾で傷ついた体は痛むが、構わず魔力をこめたブーツでビル壁を駆け上がるルエリラ。
 数十メートルと上がってから中空に踊り出すと――自分がいた場所の近くに来ていたダークポイントの姿を発見。向こうもルエリラに気づき顔を上げた。
「観測:猟兵の損傷=軽微。
 推測:己の攻撃=防御?」
「痛かったけどね。だからお返しするよ」
 弓を引き絞り、意趣返しの矢の雨を降らせるルエリラ。
 だがダークポイントは地上をスケートでもするかのように流れ、矢はアスファルトに突き刺さる音を虚しく響かせるばかりで終わる。
 かわしきったダークポイントは、顔の前で指を振った。
「否定:矢の速度=己に当たらず」
「確かにただの矢は当たらなさそうだね。ただの矢ならだけど」
 ダークポイントの指摘に、にやりと笑うルエリラ。
 彼女の呟きと同時に、地に刺さっていた幾本かの矢が巻き戻るように跳びあがる。
 魔力で作られた追尾の矢――普通の矢に紛れさせておいた魔矢たちは、ルエリラの計画通りにダークポイントの背後を襲い、無数の傷を刻みこむのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
遮蔽を無視する、というのは厄介なものですね……。
物陰に隠れるのは、一度発見さえされてしまえばデメリットにしかなり得ませんか。
だとしたら、あえてビル街の高所に出る他有りませんね。極力、視界と射線を確保しなければ。
アンカーショットを使った【ロープワーク】の立体機動で追います。
当然迎撃はかなり早い段階で来るでしょう。
しかし、銃口を見れば『どう飛ぶか』はわかる。
あの物量です、完全回避は無理でしょう。ですが、ビル街の【地形を利用】した高速移動なら、致命傷だけは避けられる。
後は……返礼をするだけです。
ショットガンに込めておいたネイト・バレット……。
もう捉えました。窮鼠の一撃、侮らないことですね……!



「遮蔽を無視する、というのは厄介なものですね……」
 マンハッタンのビル街を駆け抜けながら、シャルロット・クリスティアは敵の駆使する能力について冷静に思考していた。
 通常の銃撃であれば、言うまでもなく遮蔽物は有効だ。
 しかし遮蔽物を無視する弾であるならば、むしろこちらから視界も射線も通らないという点はデメリットにしかならない可能性が高い。
 そう判断したシャルロットは、拳銃型アイテム『アンカーショット』で上方へワイヤーを射出。先端の銛をビルの外壁に撃ちこむと、ワイヤーを巻き取る力で自分の体をビル街の空中へと舞い上がらせる。
「これで視界と射線は確保できます」
 ビルからビルへ、ワイヤーを駆使して移動を繰り返すシャルロット。視界がひらける分だけダークポイントを探すのは簡単であり、求めた姿はすぐにその視界に入ってきた。
 が、見やすいということは、見られやすいということだ。
「捕捉:ビル間の空中=猟兵の姿。
 選択:リボルバー」
 ダークポイントの周囲に浮かぶリボルバー銃たちが、一斉に中空のシャルロットに向いた。即座に銃口は火を噴いて、無数の弾丸が彼女を喰らおうと飛んでくる。
 だがシャルロットはワイヤーを巧みに飛ばし、殺到する弾丸の軌道をかわす。二、三発は脚や腕を掠めるが、それも大した傷にはならない。
 銃口から軌道は予測できる。
 それを体現してみせたシャルロットは、数多の銃弾を潜り抜け、今まさにダークポイントの懐に飛び込んでいた。
「もう捉えました。窮鼠の一撃、侮らないことですね……!」
 マギテック・ショットガンの短く切り詰めた銃身が、ダークポイントの胸に突きつけられる。
 響くのは、無慈悲な銃声。
 敵の心臓を貫き喰らうまで止まることのない弾丸はダークポイントの胸部を貫き、ビル街の真ん中に血の花を咲かせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

おーおー、おっかねぇ。
まあアタシの場合自滅はほとんどないけれど、
あの銃弾の雨が厄介だ。
どんなバリケードも、コンクリの壁も役に立たないとはねぇ……
けど、「力場」までは干渉できないようだねぇ?

サイキックの電撃『属性攻撃』の電流をアタシの周囲に
『オーラ防御』の様に巡らせる。
電磁誘導、って知ってるかい?
金属に電流を流すと、たとえそれが磁性体でなくても
一定方向に動くらしいね。
そうやって弾幕の大半を絡め取り、
『衝撃波』で吹き飛ばす!
流れ弾の一つや二つは掠めるだろうけど、
『激痛耐性』と『気合い』でなんとかするよ。

で、吹っ飛ばした銃弾も帯電してるだろ?
【黄泉送る檻】の格好の媒介さ!



「おーおー、おっかねぇ。あの銃弾の雨は厄介だね」
 通りにて仲間と交戦するダークポイントの姿を認めて、数宮・多喜は呑気な声でおどけてみせた。遠目に見るだけでも、コンクリートの壁すら通過する弾丸というのは面倒な代物だ。
 が、笑みすら覗くその顔には微塵の恐怖感もない。
 確かな秘策を持って、多喜は揚々とダークポイントの前に躍り出た。
「さあ、来なよ変態! あたしを撃ってみせな?」
「否定:己=非変態。
 肯定:射撃→汝」
 不意の目の前に現れた猟兵の女へ、逡巡なくリボルバー銃を差し向けるダークポイント。胸から流れる鮮血で体を濡らしながらも、しかしそれまでと変わらぬ迫力で銃たちは容赦ない弾丸を撃ちまくる。
 前方から、死をもたらすべく群がる弾雨。
 それを見た多喜の体から、『バヂッ!』と電光が爆ぜる。
 サイキックで生み出した電撃が、まるで結界のように彼女の周囲に張り巡らされていた。
「電磁誘導、って知ってるかい? 金属に電流を流すと、たとえそれが磁性体でなくても一定方向に動くらしいね」
 多喜が言葉にすると同時に、電撃の壁がダークポイントの銃弾を絡めとる。止めきれなかった弾丸が体を掠めてゆくのも構わず、多喜は集めた銃弾の山を衝撃波で吹き飛ばした。
 飛んできた弾丸を、リボルバー銃を振って払い落とすダークポイント。
「否定:己の弾丸=己に通じず」
「まあこんなもんで倒せるとは思ってないよ。でも、吹っ飛ばした銃弾も帯電してるだろ?」
 にやりと笑う多喜。
 散らした弾丸は、ダークポイントを囲むように配置されていた。
 そう、まるでその内に捕らえるかのように――。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
「――!!?」
 多喜の放ったサイキックの電撃が、帯電した弾丸を媒介として疾走する。
 ともすれば身も焦げるような強烈な電撃は見事に炸裂を果たし、ダークポイントは無言のまま、さながら壊れた機械人形のように無惨に体を震わせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ、他の方との絡みOKです

盾にオーラ防御でコーティングを施し耐久性上げ
盾受けを使用し、真正面から受けきる作戦デス
全弾当たると流石にマズいので、別の場所で音が鳴る仕掛けを作り敵の意識を散漫にさせます
移動へはシマエナガ型のミニ飛行機に跨って
落下対策にフック付ロープを所持
先制攻撃は盾受けでしっかり受け切りますヨ

受けきっタラこちらからもお返しナ気持ち!
少し危険が伴うUCですガ、そうも言ってられませんヨネ(青と紫の薔薇を咲き誇らせて
さぁ…この爆弾の追撃から逃れられますか?

自殺衝動?
一度は捨てら死んだ命
息を吹き返してくれたハカセに顔向け出来なくなることなど…
大ジョブ…大ジョブ、デス
と言い聞かせマス



 ぐらり、とよろめいて。
 ダークポイントが地に崩れた。
 四肢が自由に動かない。ダメージはいよいよ許容範囲を超えていた。
「確認:己の負傷=甚大。
 思考:己の勝算=低下?」
 自身の傷を確かめながら、状況の分析を始めるダークポイント。
 けれど、彼に結論を導き出す時間はなかった。
 上空から高速で――白くて大きなもふもふが飛んできていたからだ。
「ココでしっかり倒シたい気持ち!」
 白毛玉(シマエナガ型ミニ飛行機)に跨っていたのは、リヴェンティア・モーヴェマーレである。オーラをコーティングした大盾を構えて突撃を敢行していた。
 ダークポイントは膝をついたまま銃撃を放つ。
 だがリヴェンティアは盾の裏に身を隠し、耐え凌いだ。
「息を吹き返してくれたハカセに顔向け出来なくなることなど……大ジョブ……大ジョブ、デス」
 自殺衝動に駆られるという敵の銃口は、彼女には恐ろしかった。
 救われた命を無駄にすることなど絶対にしたくないと、思うからだ。
 銃口を避けるべくリヴェンティアは全力で体を丸める――と、そのときどこかから耳をつんざくような音が鳴り響いた。
「捕捉:音=別の猟兵が存在?」
 反射的に音のほうへ目を向けるダークポイント。
「今デス!」
 その瞬間――リヴェンティアが大盾を放り出す。音は彼女が予め仕掛けておいたのだ。
 ユーベルコードにより、リヴェンティアの体は成長。艶やかな女性へと変身すると、両手それぞれに集約させた青と紫のオーラを撃ち放った。
 オーラは拡散し、瞬時に薔薇の嵐へと変貌する。
 そしてその美しい花弁は、次々に大爆発を起こした。
「――!
 計算:衝撃=被害甚大。
 状況:己=花弁に包囲。
 結論:己……消滅?」
「爆弾の追撃……お見舞いシテあげたイ気持ち!」
 傷深く、身動きできぬダークポイントへ青と紫が殺到する。爆発した薔薇が別の花弁を誘爆し、連鎖的な大爆発でマンハッタンの一角は一瞬で炎上した。
 その中で、健在でいられる者など在りはしない。
 それはダークポイントとて例外ではない。マンハッタンに降り立った漆黒のオブリビオンは、爆炎に消し去られ、骸の海へと還っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月19日


挿絵イラスト