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夜よりもなお闇深くより来たるもの

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 警告、警告。
 アックス&ウィザーズ世界、森林のほど近くにある僻村にて、オブリビオンの襲来が予見されました。
 村の食料を根こそぎ強奪し、村人を惨たらしく蹂躙する存在が現れる模様。現場の状況から見て、夜間に襲撃が発生するようです。
 敵の規模不明、敵の詳細不明。破壊状況から察するに、人型程度のオブリビオンが多数存在する可能性があります。現場に向かう猟兵は注意されたし。
 村には柵がありますが、境界を示すものであり防御機構等はありません。森には狩り用の罠は存在しますが、外敵に対して効力を発揮するものではないそうです。

 襲撃時間が不明のため、申し訳ありませんが寝ずの番––夜間警邏をお願いします。
 必要なものは現地にて準備しておりますので、食事などの心配はありません。他、入り用なものがありましたらお知らせください。可能な限り対応いたします。
 幸い、予見した襲撃まで多少の時間があるようですので、各自お好きなようにお過ごしください。ただし、村からあまり離れないようお願いします。

 補足として。
 村には柵を補強する程度の素材はありますが、それほど余裕はない様子でした。新たに防御用の柵などを作る場合は別途素材を用意する必要があるでしょう。幸い、近くは森ですので、材料は十分あります。大丈夫、木を切り倒したところで咎められませんよ。
 ただし、罠を仕掛ける場合は現地住民に確認を取るようにしてください。敵ではなく村人が罠にかかることがあってはいけませんので。

 防御を固めるために十分な時間も材料もないかとは思います。どうか各自、限られた時間の中で最善を目指していただけると嬉しく存じます。

 猟兵《イェーガー》、スタンバイプリーズ。これより現場へ転送します。
 ご武運を。


広並 整
 どーもどーも整ちゃんでっす!
 初めての方ははじめまして、既知の方はお久しぶり!! 精一杯書ききるのでどうぞよろしく!!

 今回はオーソドックスな感じで行くよ! やりたいことテキトーに書いてくれたら整ちゃんがそれっぽくマスタリングするから心配しないでね!!
 戦闘はガチでやるからそのつもりでヨロシク。

 それではよろしくおねがいしまっす!
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第1章 冒険 『夜間警邏』

POW   :    寝ずの番で周囲を探索

SPD   :    闇に紛れて隠密行動や情報収集

WIZ   :    動植物たちと仲良くなって見回りを協力してもらう

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


のどかな村だった。
 オレンジ色に染まった太陽が森の奥へと沈んでいく。まだ10歳にも満たないような幼い子供が、顔を泥だらけにしながら母親らしき女性に手を引かれて家路についていた。壮年の男は仕事道具を担いで道を行き、晩酌に想いを馳せてかどこか緩んだ顔をしている。年若い少女たちが、カゴいっぱいに山菜を乗せて嬉しそうにはしゃいでいた。
 遠く山並みを臨んで、人々は日々を穏やかに過ごしているのを察せられる。森が近いためか、畑の規模はそれほど大きくない様子。森に分け入り、森の幸を得て生活しているらしい。獣を獲るからか、村人には毛皮を身につけているものが多かった。

「おや、こんな辺境にようこそおいでで、冒険者さんがた。本当に来るとはねぇ……。ここいらには竜どもが牙を研ぐ音も聞こえねぇような田舎だからよゥ、それほど危険もねぇと思うがなぁ」

 ほけ、と笑う男は、どうやら猟師らしい。仕事道具を担いて、やってきた猟兵たちに気さくに声をかけてきた。
 猟兵が夜警に来る話は聞いていたらしく、その姿を見て驚く様子は見えない。けれど、外敵に対して警戒している様子もまた、なかった。

「大したおもてなしもできねぇがよ、まぁ一晩ゆっくりしてくれや」

 からりと笑って、猟師は夕暮れの道を家に向かって歩いて行った。

 日が沈む。––––夜が、来る。
マイリー・アレックス
何か面倒な事引き受けましたね。
まあ、仕事はきっちりこなしますよ私は

準備した物
連絡用のトランシーバー参加人数分
光源用の懐中電灯参加人数分
補強用の木材大量

POW判定で
壊れかけている柵を木材で補強
皆さんで手分けして村の外周の見張りを開始しましょう
(東西南北に分かれて)

もし何かあればトランシーバーで連絡ください
夜なので暗視モードに切り替えます。
私、サイボーグなので暗闇でも良く見えるのです
サイボーグですから
聴覚も感度も上げておきます。

懐中電灯、一個必要無かったですね。

変な足跡を発見したら要注意
既に侵入されていると考えて宜しいでしょう。



「みなさん、どうかご注目を!」

 集まった猟兵たちへ向かって、マイリーは声を張り上げた。

「こちらに、トランシーバーと懐中電灯を用意しました! できればみなさんお持ちください!」

 示す先には、今回の任務に十分足りるだろう量のトランシーバーと懐中電灯が。
 夜警の本部になる場所には簡易の天幕やかまどなども作られており、これから長い時間を緊張して過ごす猟兵たちへの労いの意思が見て取れる。

「もし、何かあった場合はトランシーバーで情報共有をお願いします! こういった状況では、こまめな情報共有が重要ですからね!」

 備品を手に取る猟兵たちに声を掛けるマイリー。彼女自身はサイボーグなので懐中電灯が必要ないため、トランシーバーのみを装着する。今は篝火を焚いているので必要ないが、暗い場所で作業する場合は暗視モードにできるのだ。

「では、私は柵を補強してきます。確か、補強用の木材はあるのですよね?」

 近くにいた村人に声をかければ、にこやかに頷いてくれた。どうやらそのまま、木材のある場所まで案内してくれるらしい。己を呼ぶ村人に一つ頷いてみせて、マイリーは気合いを入れるようにグッと両手を握りしめる。

「どんな面倒事でも、仕事はきっちりこなしますよ私は」

 小さく呟かれた言葉は、マイリー以外には聞こえなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

レクイエム・アビス
よろしくお願いします。アドリブ、絡みは歓迎です。
レクイエムは諸事情で歌声のような鳴き声しか発せません。なので会話は筆談です。POW使用。
サイボーグだからこその寝ずの番を実行。周囲の地理確認や探索、警備を入念に行う。また、UCを発動させて自立兵器達を要所に付かせ敵対オブリビオンを確認できた段階で遠吠えし周囲に伝える事を命令。


アルバ・ファルチェ
まだ守るのに間に合うのなら、頑張らなきゃね。

いつも犬笛を身につけてるから、それを使って周辺の犬系の子達に呼びかけられないかな?
興味を持ってくれさえすればお話は出来るからね、協力をお願い出来ると思うんだ。

そして僕自身も狼姿で周辺を警戒してみよう。
狼姿なら鼻もきくかもしれないしね。
あとは失せ物探しや追跡の応用で何かの痕跡を探したり、第六感に従って気になる場所を探してみるとか出来ないかな?

あ、守るべき場所からはあまり離れないよ。
探すのに夢中で守れませんでしたじゃ笑い話だからね。

『盾の騎士』として、守るべきものはきちんと守ってみせるよ。



各々が、自分のできることをこなしてく。忙しく動き回る人々を見るともなく眺めながら、アルバは軽く肩を竦めてかぶりを振った。

「……まだ守るのに間に合うのなら、頑張らなきゃね」

 小さな呟きは己以外に聞くものもなく……否、サイボーグの少女レクイエムが、その稀有な聴力で聞き取っていたらしい。支給された懐中電灯を灯しながら、アルバに対して力強く頷いて見せた。
 聞かれていたことに気付いたアルバが一瞬照れたような色を瞳に乗せ、けれど瞬きのうちに消してしまう。

「おっと、これはこれは、美しいお嬢さん。こんな時でなければデートに誘ったんだけどね」

 などと言いながら、気障ったらしくウインクなどして見せる。演技ぶったその様に、けれどレクイエムは頓着しない。すい、とアルバから視線をそらせて、本部を出て行こうとする。
 つれない様子に、アルバは残念そうに眉を押し上げた。
 まぁ、自分の向かう先も同じなので、追いかけるのだが。

「ね、せっかくだから一緒にいても構わないかな? お嬢さんは––––」

 いかにも軽い様子でレクイエムの背を追ったアルバ。その眼前に、文字が突き出される。
 レクイエム・アビス、とだけ書かれたそれに、アルバは目を瞬かせた。

「レクイエム・アビス? ……もしかして、お嬢さんの名前?」

 問えば、真面目な顔で頷かれた。どうやら「お嬢さん」呼びが嫌だったらしい。
 アルバは声を出さないレクイエムに対して察するものがあった。自他共に認めるチャラ男であるアルバだが、気遣いは人一倍する方だと思っている。なので、気付いた部分には何も触れず、ただ嬉しそうにヘラリと笑った。

「教えてくれてありがとう。僕はアルバ。ちょっと周りを探索しようと思ってるんだけど、レクイエムちゃんはどうするの?」

 さらっと名前呼びしつつ、アルバはトランシーバを装着する。声を出せない彼女の代わりに、連絡役になるつもりだった。
 当たり前のようについてくるアルバに対して、レクイエムの態度はどこかそっけない。村はずれに到着した段階で、アルバを気にすることなくユーベルコードを発動した。
 召喚されたヘルハウンドたちを見て、アルバが目を瞬く。

「……うん、僕たちいいコンビになれるんじゃないかな!」

 笑顔でそう言って、アルバは犬笛を吹いた。聞きなれない音に、村で飼っている犬系の動物が寄ってくる。
 わらわら集まったそれらを見て、レクイエムは目をパチクリさせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

緋翠・華乃音
……さて、俺も村の周辺を探ってみようか。
もしかしたら敵の痕跡なんかも発見出来るかも知れないしな。

余裕が有るのなら森林まで赴き調査を開始する。
優れた"視力"や暗視"を駆使し"第六感"に従って"情報収集"を行う。
基本的に全て隠密行動を行う。
その時々に有効な技能を使用し、場合によってはユーベルコード(No title. To night.)も使用する。



プチわんわんパニックが起こっているほうをなんとなく見つめていた華乃音は、銀髪の青年が犬に群がられて見えなくなったあたりでふっと視線をそらした。
 面白いものを見た。いくら人馴れしておとなしい犬でも群がられたら兵器になるんだと知れたのは良かったと思う。

「……さて、俺も村の周辺を探ってみようか。もしかしたら敵の痕跡なんかも発見出来るかも知れないしな」

 トランシーバーを装着し準備を整えた華乃音は、軽く周囲を見渡してまだ猟兵がいない場所へと向かう。今だと––––森の方か。
 いくら森に近い村とはいえ、獣の問題もあるので多少の距離はある。華乃音は村と森の境界になっている古びた柵に身を預けると、森を睥睨しながらコードを発動する。––––その暗闇に名前はない。
 ……静かな夜だ。常人であればそう感じるだろう。けれど、今の華乃音にとって、ここは溢れる情報が洪水のように押し寄せてくる賑やかな場所と化していた。

「……ん」

 演算能力を向上させたお陰で、常であれば頭が割れそうになるほどの情報量でも問題なく処理できる。強化した視力でじっとりと森を観察していた華乃音は、森の様子から何を感じ取ったのか。目元をすっと細めると、ゆっくりと柵から身体を離した。

「……何かいるな」

 装着したトランシーバーを確かめ、華乃音は森へと足を踏み入れる。何かあれば即座に情報を共有できるよう、備えは万全だ。
 己の身は闇と同化する––––気配を森と同化させ、華乃音は違和感の正体を探るべく、静かに行動を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
よろしくお願いします。アドリブ、絡みは歓迎。

「折角の長閑な村。あまり騒がしたくはないのですが…」
日々穏やかに暮らす人々に血を流させることのない様、しっかりと守りたいですね。

可能なら、森まで偵察を行っておきたいところ。
その際は、用意して頂いた道具をしっかりと身に付け、
また、既に敵対存在に監視されている可能性も考え、
建物や天幕を利用して視線を切った後、UC【不可視化】を使用。
音や物の動きに気をつける様<忍び足>や<地形の利用>等も駆使し、
疲労を貯めすぎず、かつ<目立たない>よう素早く行動。

森に無事着けたなら<暗視><視力><動物と話す><追跡>等を活用し、情報の収集を行う。



各々の思いを胸に三々五々散って行く猟兵たち。
 ある者は少しでも防御を増すことができればと柵を補強し、ある者は襲撃者をいち早く発見するため周囲を警戒し、ある者は村人を守るため武器を磨く。
 ユイもまた、この村を守らんとする者の一人である。

「折角の長閑な村。あまり騒がしたくはないのですが……」

 長い黒髪を夜風に晒し、雲間に隠れてしまった月を見上げるユイ。今はまだ穏やかさを保っているこの場所が、戦場になるのだと予知された。
 到底許せることではないと、強く思う。

「……さて、私も行かなければね」

 支給されたトランシーバーをセット。灯りは持たない。
 だって、見つかってしまうから。

 気負った様子なく、至っていつも通りに歩き出す。物々しい雰囲気に怖じた村人が、家の中から不安げな視線を向けていた。それを避けるように建物の影へと進み––––消える。
 ユーベルコード【不可視化】。自身の体力を対価に、姿を消すことができる能力だ。
 姿を消したユイは、なるたけ音を立てないよう気をつけながら森へと走る。敵が来るなら、見通しの悪い森のほうからだろうと仮説を立てて。


 煌々と照っていた月が、分厚い雲の向こう側へと隠れた。森が、村が、人が、者が、暗闇へと沈んでいく。
 篝火の燃える音がする。風が木の葉を揺らす音がする。––––草木を乱雑に踏みしめる足音と、低いうなり声がする。
 村と森を中心に散会した猟兵たちが敵を発見するまで、あと––––……。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


森の奥から破壊音が聞こえてきて、その猟兵はふと足を止めた。
 この先には誰もいないはず。とすれば、音の正体は。

「……敵かな」

 気配を殺して接近する。距離は遠くないのだが、見通しが悪かった。
 なんとか手掛りを得ようと、近くで一番高い木の上に登って目を凝らす。隠れてしまった月のある方角、距離は猟兵の脚で駆けて2、3分といったところ。丁度ぽっかりと木がなくなって広場のようになっているその場所に、そいつらはいた。

 緑色の肌、子供のような身長、細い身体に不釣り合いなほど発達した筋肉。この世界で「ゴブリン」と呼ばれているオブリビオンだ。
 木に隠れて正確な数はわからない。少なくとも片手はくだらないだろう。それらが、武器を手に持って、何かに導かれるようにまっすぐと村へと迫っている。

「……あー、テステス。こちら森林探索組。敵を発見した。繰り返す、敵を発見した。方角––はちょっとわかんないから、森の、月が見えてる方角。敵はゴブリン、数不明、村へ向かって進軍中。至急応援求む」

 ジジ、と荒い音を立てるトランシーバーに向かって小さく呟く。途端に了承の返答を吐き出し始めた端末の音量を下げて、その猟兵はそっと自身の得物を取り出した。

 防衛戦、開幕。
アルバ・ファルチェ
防衛なら任せて欲しいな。
まだまだ未熟でも盾の騎士の血は伊達じゃないよ?

戦闘知識や情報収集、地形の利用を駆使して村に被害が及ばい、そして彼らの通り道となる場所を選びたいな。
そしてわんわんパニック…じゃなかった、犬達に吠えて貰ってゴブリン達をおびき寄せることは出来るかな?
あ、犬達にはすぐ村の方に逃げてもらって巻き込まないように気をつけるよ。

おびき寄せが出来なくても通り道に立ち塞がることは出来るはず。
囲まれたり突破されないよう立ち位置に気をつけながら、仲間を庇ったり、見切ったり、盾や武器で攻撃を受けたり…攻撃は不得手だけどカウンターを仕掛けたりも試してみようかな。



一番槍はアルバだ。
 犬たちを使った情報収集により、敵の接近をいち早く掴んだのである。
 重い大剣と盾を持っているとは思えない軽快な足取りで、足場の悪い森を疾走する。追従する犬たちは、アルバからの指示を待って熱視線を送っていた。この短時間できっちり上下関係を構築できているようだ。

「よし、行って!」

 強化された人狼の聴覚がゴブリン供の耳障りな鳴き声を拾い上げた頃合いを見計らって、犬笛で指示を出す。上位者たる人狼の指示に、犬たちは従順に応えて見せた。

「ゥオオオォォォォォ……ン」
「ヴォン!」
「グルルルル……!」

 遠吠え、そして追い立てるような吠え声。ゴブリンを誘うように犬たちが騒ぎ立てる。毛を逆立てんばかりの犬たちを油断なく見守りながら、アルバは目標地点へとひた走る。
 先ほどの情報収拾で見つけていた、村から森へと分け入る獣道。広くはないが、森の真っ只中で戦うよりはよほど戦いやすいだろう。できれば、その場に引き付けたい。

「防衛なら任せてほしいな」

 乾いた唇を舐める。吠えたてる犬の声に興味を持ったか、ゴブリンの群れが方向転換したのが感じ取れた。頃合いである。
 吠えたてる犬たちへ指示を出し、村のほうへと帰す。ここからは戦士の領分。たとえ己一人だとしても、ここから先へは一匹たりとも通しはしない。

「まだまだ未熟でも盾の騎士の血は伊達じゃないよ?」

 緊張と不安をひた隠し、強気に笑ったアルバの目の前に、群れの先頭が飛び出してくる。
 今から、ここが最前線だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋翠・華乃音
遠距離攻撃は苦手そうな敵だな。
……隠れ潜むスナイパーの恐ろしさを教えてやろうか。

「迷彩」「目立たない」「地形の利用」で気配を遮断しつつ、獣道を視界に収められる距離・高さの木の上や枝に潜伏。優れた視覚や聴覚で「視力」「聞き耳」を使用しながら戦端が開かれるのを待つ。
戦闘が始まったら様子を見つつ「スナイパー」「援護射撃」にて前線のサポートを行う。
敵の行動を「見切り」つつリロードを「早業」で行い、最低限のタイムロスに抑える事を意識。
もし狙撃手から倒そうとする敵が居るのなら敢えて接近を許してから、ナイフやダガー、二挺拳銃、鋼糸などの多彩な武器を切り替えて近接戦闘に応じる。


マイリー・アレックス
(情報取得済み、暗視モード使用)
柵の補強に時間を少し取ってしまいましたね。

聴覚を研ぎ澄まして交戦場所の距離と位置を把握。
交戦中の仲間のアシストに専念します。
スナイパー技能使用

敵が仲間に気を取られている時に攻撃
他には最前線を突破した敵には
脚部を狙って動きを封じます

私に向かってきた敵は、そのままカウンターのヘッドショット。
おかげで補足が楽です。
(因みに殺戮レーザーは左目から照射します)

もし敵に抜けられた時は、他の人に防衛をお願いして
抜け出した敵を後ろからスナイパーモードで攻撃



「GUGYAAAAA!!」
「っ、くっ……!」

 まるで津波のごとく周辺を破壊しながら向かってくるゴブリンの猛攻を、アルバがたった一人で受け止めようとしていた、その瞬間。

 アルバの盾に粗末な棍棒を振り下ろそうとしていたゴブリンが、突然頭から血煙を撒き散らして崩れ落ちた。

「……っ、へ……?」

 衝撃に備えて硬直していたアルバが、事態を飲み込めず惚ける。その間にも、森の奥から雪崩のように湧き出てきたゴブリン共が、1匹、また1匹と倒れていく。
 そのどれもが、素晴らしい精度で頭をぶち抜かれていた。倒れたゴブリンが後続の邪魔をする障害物となり、足を取られたものが転び、続く仲間に踏み潰されている様はまるで地獄。見えない攻撃の主は、最小のコストで最大限の結果をもたらしていた。
 銃声は、ない。

「……ふぅ。柵の補強に少々時間を取ってしまいましたね」

 上空から声がした。
 振り返れば、射線が通る木の上に、左目尻に指をあてがったマイリーの姿が。団子状になってもつれ転んだゴブリン共を見て、一仕事終えたような満足げな顔をしている。

「敵を引きつけていただいたおかげで補足が楽ですね」

 そんなことを口にするマイリーの左目から発射される細い光。
 見えない攻撃の正体は、マイリーのレーザー光線だったのだ。

「惚けている時間はありませんよ。敵は、まだまだやってきます」
「その通りだ」

 敵から視線を逸らしたアルバに注意を促すマイリーの言葉に、どこからともなく同意の声が聞こえてきた。
 次の瞬間、もつれ転んで一塊になったゴブリン共の上空に、空間の歪みが現れる。何だ、と考える隙もなく、仲間割れを起こしつつあるゴブリン共に気付かれず展開されたそこから、激しい爆発音と共に数えきれない数の銃弾が放たれた。

 ユーベルコード【離束銃雨(スティルラータ)】。木の上に隠れ潜んでいた華乃音の攻撃である。
 敵が密集していたため、無数の弾丸は常以上の効力を発揮していた。

「……若干出遅れてしまったが、まぁいいだろう。……さぁて、醜悪な化物共に隠れ潜むスナイパーの恐ろしさを教えてやろうか」

 ガチャン、と軽妙な音を立てて狙撃銃のボトルが引かれた。はじき出された薬莢が地面に落ちるまでのわずかな間に、スコープを覗き込んで狙いを定める華乃音。
 キン、と、薬莢が地面に触れる高い金属音が聞こえる間際、第二射が放たれた。
 銃口から飛び出した弾丸が、螺旋を描いて的へと突き進む。吸い込まれるようにゴブリンの身体へと命中したそれは、耳障りな破裂音を響かせて肉を破壊していく。
 続けて2射、3射。華乃音の手は止まることなく引き金を引き続ける。

「……頼もしい限りですね。さぁ、私たちも、後続が追いつくまでここで敵を食い止めなければ」

 向かってくる敵の足を打ち抜きながら、マイリーが好戦的に笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
よろしくお願いします。アドリブ、絡み歓迎。

折角ゴブリンを惹きつけてくれている状況
「勝手に囮とするようで申し訳ないけど…」
そこは同じ戦場に立つ戦友への信頼として…
周囲の”地形の利用”をし森を”迷彩”として活用
”忍び足”等で”目立たない”よう”暗殺”する様に数減らしと撹乱を狙う。

攻撃は投げナイフの”投擲”や”スナイパー”として銃器での狙撃を用いる。
また”暗視、視力、聞き耳、第六感、野生の勘”等で敵の”情報収集”を行いつつ戦況を見、
”全力魔法”のUC【破壊の火】を”一斉斉射”、”誘導弾”とし”範囲攻撃”。
倒せずとも”呪詛”をのせ”マヒ・気絶攻撃”とし撹乱を狙う。
延焼等で他の猟兵の邪魔をしない様注意



「おぉ……」

 前衛一人に後衛二人という即席パーティーで見事に敵の足止めをしている3人を視界に収めて、ユイは感嘆の吐息を漏らした。

「すごい……。うーん、何だか勝手に囮とするようで申し訳ないけど……」

 小さな声で呟いて、音を立てないようそっと移動するユイ。彼らがゴブリンを引きつけてくれている間に、少しでも数を減らそうとしているのだ。
 同じ戦場に立つ戦友への言葉なき信頼。それが、ユイの中に確かに存在している。

 周囲を油断なく伺いながら、集団からはぐれたゴブリンがいないかどうか探していく。が、見つからない。ユイが索敵失敗したのではなく、そもそも「はぐれ」が存在しないようだ。
 不思議なことに、ゴブリンは全て、あの最前線へと集結しているらしい。

「むむ……不思議だ……」

 いくらゴブリンが集団戦を好むとはいえ、すべての個体が同じように行動しているのはいくらなんでも不自然だ。
 ユイの脳裏に、この群れを指揮する者が存在する可能性が浮かぶ。
 だとすれば。

「……今のうちに少しでも数を減らしておきたいね。『破壊の理を示せ……!』」

 ユーベルコード、発動。
 ユイの詠唱に応えて発言した炎が、木々の合間を縫ってゴブリンへと襲いかかった。愚かにも一つ所へ群がるゴブリン共が、破壊の概念に焼かれて絶叫する。
 それを最後まで見届けることなく、ユイは装着していたトランシーバーを起動した。

「猟兵たちへ。この襲撃、率いる指揮官がいる可能性が高い。各員注意されたし!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ハーピー』

POW   :    エキドナブラッド
【伝説に語られる『魔獣の母』の血】に覚醒して【怒りと食欲をあらわにした怪物の形相】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ハーピーシャウト
【金切り声と羽ばたきに乗せて衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ハーピーズソング
【ハーピーの歌声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 指揮官がいる。
 その言葉がトランシーバーから聞こえてきた直後、前線で異常が起きた。

「QRRRRRRAAAAAAA!!」
「なっ?!」
「ぐ……ぅっ!」

 甲高い怪音が森の奥から響き渡った瞬間、前線のハンターが衝撃に吹き飛ばされたのだ。

「なんだ?!」

 巻き上げられた木っ端から目を守るため腕を翳したまま、音の聞こえた森の奥に目を凝らす。
 ––––ちょうどその時、翳っていた月が再び顔を出した。

「Qrrrrrr……」
「あれ、は……?」

 そこにいたのは、怒りに表情を歪ませる、一羽の美しいハーピーだった。
月宮・ユイ
アレンジ、絡み歓迎

不味いわね…、指揮官の姿を捉えてそう思う。
羽を持ち空を飛びそう
それは攻撃を当て難く、逃走を許し易い
なにより猟兵をやり過ごして村へ行くこともできる。
出来れば飛行能力を削っておきたい。

「集いて撃ち抜け…!」
機先を制する為にも”先制攻撃”をするように
”目立たない”ようUC【破壊の火】に”2回攻撃、全力魔法”をのせ、
”マヒ・気絶攻撃”の”呪詛”も加え、
半数を纏めた本命の一矢と同型の囮の矢を”一斉斉射”
”念動力”で整形と”誘導弾”としての精度底上げをし、
”暗視、視力、第六感、野生の勘”を駆使、敵の”情報収集”を逐次行い、
敵の行動、回避を”見切り、スナイパー”のように本命の矢で羽を狙う。



「不味いわね……」

 突如飛び出してきたハーピーを視界に捉えて、ユイは焦りをにじませたつぶやきを漏らした。
 羽を持ち、空を飛ぶ。それは、攻撃を当て難く、逃走を許しやすいことを意味している。攻撃手段がないわけではないが、限られているのはあまりいいことではない。
 何より、自分たち猟兵を飛び越えて村へ行くことも可能となる。それはいただけない。村にも猟兵はいるが、被害が出ないとも限らないのだ。
 できれば早急に飛行能力を削っておきたい。

「集いて撃ち抜け…!」

 ユイの判断は早かった。
 ハーピーが行動を起こす前にコードを発動。持てるスキルをできる限り重ね、早期決着をつける心算らしい。
 先ほど大量のゴブリンを屠った炎をもう一度展開する。状態異常デバフを盛り、自分が今操作できる限界数を一斉に発射した。
 が。

「Clrrrrrr……!」
「なっ?!」
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

 先の攻撃を見て、ユイの居場所を察していたのか。
 突如ハーピーが上空へと飛び上がると、途轍もない音圧でもってシャウトした。まるで音が質量を持ったかのような攻撃に、ユイの攻撃がかき消される。

「うそでしょ?!」

 まさかの事態にとっさの行動が遅れた。
 驚愕に目を見開くユイを、怒りに燃えるハーピーの瞳が射抜く。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アルバ・ファルチェ
おっと、ボスのお出ましかい。

まぁボスが出てこようが僕がやる事は一つだよ。

囮でも盾でも構わないよ、僕はそのために居る。
盾の騎士の血にかけて、仲間にダメージは通さない。

【かばう】【見切り】【武器/盾受け】各種耐性…使える技能はなんでも使おうか。
多少の痛みは【激痛耐性】で耐えるよ。
このくらい、痛くなんてないよ…誰かが怪我するよりはね。

攻撃はね、不得手ではあるけど【覚悟】を決めれば僕にだって出来ることはあるよね…大ぶりの攻撃が来れば【カウンター】を狙う。

美しくても怪物は怪物なんだよ。
僕は女の子には優しいんだけど、敵には容赦しないんだ。
だから、君にも容赦はしないよ?
ゴブリン共々退治されてくれないかな。



 配下を屠った敵にターゲットを定めたハーピーが、その鋭い鉤爪でユイを切り裂こうとした瞬間。

「させるか!!」

 ユイの目の前に飛び出してきたのは、アルバだった。
 ハーピーにタックルをかますかのように盾ごとぶつかり、鉤爪の軌道をそらす。爪にぶつかった盾が重い音を響かせて火花を散らした。
 弾き飛ばされたハーピーが、忌々しげにアルバを睨む。

「ごめん、止めれなかった!」
「ううん、大丈夫よ。守ってくれてありがとう」

 ハーピーがタンクである自分を無視してユイに向かったことに責任を感じているらしいアルバに、そんなことはないのだと首を横に振ってみせる。
 現にアルバはユイを守ってくれた。ハーピーの鉤爪に驚いて尻餅をついたユイは、険しい顔で敵を睨むアルバを見上げる。そこでふと、アルバの頬に赤い筋が引かれているのに気付いた。

「あ、傷が……」
「え? あ、ほんとだ。……そんな顔しないで。このくらい、痛くなんてないよ。……誰かが怪我するよりはね」

 不安げな表情をするユイに、パチンとウィンクしてみせるアルバ。こんな場所でも彼の癖は健在だった。
 が、それも一瞬。ハーピーが体勢を立て直したのに気付いた瞬間、表情を引き締めたアルバはすらりとバスターソードを引き抜いた。

「……僕は女の子には優しいんだけど、敵には容赦しないんだ。だから、君にも容赦はしないよ?」

 シャラ、と金属同士が擦れ合う涼やかな音がする。引き抜かれた長剣は、月光を照り返してぬらりと光っていた。

「美しくても怪物は怪物。ゴブリン共々退治されてくれないかな」

 誰かを守るため、盾騎士の誇りを胸に、アルバは武器を握るのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

マイリー・アレックス
指揮官がいるとは想定外でした。
吹き飛ばされた猟兵も気になります。
何とか引き離せないでしょうか?

そうだ、私が持ってる懐中電灯の明かりで敵の顔を照らして
敵の気をそらして、私に向かってきた所を
「グハッ!はや…すぎる……ゴホッ……」
な~んてサイボーグでなければ致命傷でしたよ…これ。

私を身体を足で掴んだ状況では (もしくは私が敵を掴んでいる)
動く事は出来ないでしょう。
このままブラット・ガイストで攻撃
技能、捨て身の攻撃+生命力吸収と毒使いもおまけしておきます。



「まさか指揮官がいたとは……」

 前衛が吹き飛ばされたのを確認したマイリーは、悔しさに唇をかみしめて眉根を寄せた。
 あのシャウトボイスは厄介だ。なにせ、攻撃が見えない。音が聞こえた時にはもうすでに敵の攻撃を食らっている、というのは如何ともしがたい。

「なんとか引き剝がしたいのですが……」

 ハーピーに攻撃を仕掛けようにも、前衛が吹き飛ばされたせいでゴブリンの統率が乱れてしまった。ゴブリンが村へ向かわないよう足止めしているが、危険度はハーピーのほうが上だ。できればこちらに専念したい。

 そんなことを考えている間に、ハーピーが2度目のシャウトを放った。マイリーたちとは違う方向から攻撃を加えていた猟兵にターゲットを定めたらしい。しまった、と思った時にはすでにハーピーが動いた後だった。
 幸いにも攻撃は前衛をしていた青年、アルバが止めたが、いよいよもって厄介である。

「……斯くなる上は!」

 マイリーは腹を括った。
 敵の機動力が高すぎるなら、それを削ぐのが定石。マイリーは持っていた懐中電灯を取り出すと、体勢を立て直した直後のハーピーの顔面へと照射した。

「?!」

 突然の明かりに目がくらむハーピー。
 その隙に、マイリーは真正面からハーピーへと駆け出し、大げさな動作で組み付いた!

「GYYYYY?!」
「グゥ……!」

 マイリーの突然すぎる暴挙に、ハーピーは咄嗟の判断で鉤爪を振るう。が、無理な動作で振るわれたそれは、マイリーの腹部にがっちり食い込んで動きを封じられてしまった。
 負傷に呻きながらも、鉤爪が外れてしまわないようしっかり抑え込むマイリー。

「サイボーグでなければ致命傷でしたね……」

 そんなことを呟いて、マイリーは苦痛に顔を歪めるハーピーを不敵に笑いながら見つめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・ファルチェ
うぐ……女性に守られてるなんて男が廃るね…。
せめてユーベルコードで回復を!

……こんな時、セラ(双子の兄)が居たら…なんて、今はないものねだりしてる場合じゃない。

得手じゃないなんて言ってないで、攻勢に出るよ。

敵の攻撃は【戦闘知識】で予測し、【見切り】で避ける。
その上で【挑発】【おびき寄せ】でこちらに向かってくるよう仕向ける。
…あとは【鎧砕き】で翼を削ぎ、【武器落とし】で鉤爪を潰す。
…出来る出来ないじゃなくてやるしかないよね。
【覚悟】を決めたらあとは【祈り】を捧げるのみ。
…大丈夫、僕ならやれるさ。
盾の騎士の誇りにかけて、負ける訳にはいかないから。



「っ、回復を!!」

 内臓を負傷したのか、口元から血を流すマイリーを見て、一瞬だけ惚けていたアルバは即座にユーベルコードを発動する。
 コード名【Amour Gratuit(ムショウノアイ)】。愛を込めたウィンクで発動するそれは、ハーピーと組み合ったマイリーに命中し、その傷を癒していく。
 が、表面を癒したところで、ハーピーの鉤爪はマイリーの腹に突き刺さったまま。まずはこれをなんとかしなければ、根本的解決にならない。

「……女性に守られてるなんて男が廃るね」

 チャキ、と軽い金属音を鳴らしてバスターソードを構える。敵はマイリーが止めてくれた。ならば、自分は攻撃あるのみ。
 攻撃は得手ない、なんて言っていられない。盾の騎士の誇りにかけて、負ける訳にはいかないから。
 大丈夫、僕ならできる。そう自分に言い聞かせながら、緊張で乾ききった唇を舐めた。

「ハァッ!」

 マイリーが押さえ込んでくれているおかげで、ハーピーからの反撃は最小限。であるならば、まずは、そのご大層な翼を落として機動力を削ぐ!
 覚悟と共に振り下ろしたバスターソードは、見事にハーピーの翼を破壊した。

成功 🔵​🔵​🔴​

月守・咲凛
「増援に来ました、対空ならお任せ下さい!」
SPDで戦闘、敵の攻撃は見切りと残像で回避します。
先ずは遠距離から収束火線砲で翼を狙ってスナイピング、当たっても外れても、きちんと距離を取り翼を狙ってガトリング砲、ミサイル、キャノン砲、ビーム砲を用いての遠距離戦に徹し、隙を見て武装ユニットをフルオープン、一斉射撃します。
敵がUC使うな、と思ったらこちらもUCを発動して全力で回避します。



 翼を砕かれたハーピーが苦悶の叫びを上げている。空気を震わせるシャウトは質量を持って猟兵たちへと降り注いだ。それでも、猟兵は止まらない。

「増援に来ました、対空ならお任せ下さい!」

 ジャッ、と地面を削りながら収束火線砲を設置するのは、対空担当を自負する咲凛。安定した場所でハーピーに狙いを定め、スコープを覗きながら引き金に指をかける。
 アルバの攻撃で片翼を負傷したハーピーは、距離を取ろうと必死に羽ばたいていた。が、己の身を犠牲にして組み付いたマイリーがそれを許さない。
 結果、ハーピーは狙撃手のいい的になっていた。

 片翼はすでにアルバが傷をつけていたため、どうせならばと頭に狙いを定める咲凛。味方の前衛に当たらないよう最新の注意を払いながら、引き金を引いた。
 ハーピーのシャウトに負けない轟音が放たれる。

「GYYYYYYYYYAAAAAAAA!!」
「よしっ!」

 音速を超えて放たれた銃弾は、ハーピーの肩を抉って突き抜けた。頭は外したが、もとより当たるとは思っていない。暴れるハーピーの周囲に血飛沫が飛び散る。
 これで、ハーピーの飛行能力は奪ったも同然だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
狩りの時間ですね!
飛行能力を失ったとしても鳥の亜人であることに変わりはありません……素早い動きを警戒すべきでしょうね。剣術のみで戦うよりは新しく覚えたあの技の方が相性がいいかもしれません。それにあの大きな爪。大型の猛禽は捉えた敵をその爪で絞殺すと聞きますし、捕まらないように注意しましょう。

いきますよ……変身!
マリアと連携してまずは動きや素早さを見極めましょう。慣れない装備なのもありますし、防御を重視して慎重に。
相手の能力をある程度把握できたら、マリアに牽制をさせて敵の動きを制限して、必殺のセイバーフィニッシュです!



「狩りの時間ですね!」

 両翼を負傷して体勢を崩したハーピーを見て、好機と判断したアリシアが飛び出した。
 ハーピーにもう飛行能力はない、もしくは無視しても構わないレベル。つまり上空からの奇襲はないと見ていい。
 そうなると、注意すべきはあの鋭い鉤爪だ。切り裂かれる危険性もあるが、大型の猛禽は捕らえた敵をその爪で絞め殺すと聞いたことがある。捕まらないよう注意しなければ。

「いきますよ……変身!」

 アリシアがそう叫んだ途端、腰に巻いていたベルトに変化が起きた。ベルトだと思われたそれは、戦闘用特殊強化装甲だったのだ。
 アリシアの言葉に反応した装甲は、鎧の形をとってアリシアの身体を包み込む。慣れない装備であるため、防御を重視したのだ。

「マリア、お願い!」
「ガゥ!」

 先んじてお供の狼、マリアを向かわせ、ハーピーの注意を引きつける。その間にアリシアは精神を統一し、集中力を高めて。

「いきます! セイバーホールド!!」

 ユーベルコード、発動。
 アリシアの剣、セイバーエッジの剣先から高威力の光線が発射された。輝くそれは、突然現れた狼に気を取られていたハーピーへと吸い込まれるように直撃する。

「……フィニッシュ!」

 無事攻撃が当たったことに、アリシアは人知れずホッと息をはき出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルバ・ファルチェ
機動力は削いだ、だから身を張ってくれた人を助けなきゃね。

【救助活動】で、まずは彼女を助け出す。
【武器落とし】【鎧砕き】も使えば鉤爪を潰せるかな。

助け出せたらお礼とユーベルコードでの再回復を。
…助かった、ありがとう。
君のおかげで道が開けたよ。
だから…後は任せて。

ドラゴンランスのコルノにも頑張って貰って攻撃する。

コルノの【援護射撃】で【追跡】する【槍投げ】要領の【串刺し】攻撃を。
僕はそれに連携して技能のない叩き斬る攻撃くらいしか出来ないけど、何もしないよりは全然マシだよね。

護るだけが強さじゃないのなら、【覚悟】を決めて戦わなきゃ。
大丈夫、翼を潰せたんだから僕だってやれば出来るさ。


マイリー・アレックス
そろそろこの状況は拙いですね。
サイボーグでも不死身じゃないんですよ。

腹に刺さった鳥の足を抜かないと
というか、この鳥暴れすぎです。

こうなったら”レプリカクラフト”を使用して
”巨大な鋏”を模倣します。

巨大な鋏で鳥の足を切断して脱出します。
脱出後は他の仲間に回復をお願いしてみます。

脚切断が無理なら……思い切って鳥の胴体を鋏で挟みましょう。



「ぐっ、そろそろこの状況は拙いですね……」

 ゲホ、と嫌な音で咳き込んで、マイリーは口元を手で押さえた。
 仲間の活躍でハーピーの機動力は削いだ。アルバが翼を破壊した段階で、マイリーの役目は終わったも同然だったのだ。
 しかし、しかしである。己の不利を悟ったハーピーが、「お前も道連れだ!」とでも言わんばかりにマイリーの腹から鉤爪を抜いてくれないのだ。

「サイボーグでも不死身じゃないんですよ……!」

 現に、マイリーの視界は霞んできている。今はまだ大丈夫だが、これ以上ダメージが蓄積されるのは本格的にまずい。
 こうなったら、と、マイリーは霞む視界でユーベルコードを発動する。
 コード名【レプリカクラフト】。名の通り、あらゆるものの「レプリカ」を作成する技能である。マイリーが選んだのは、巨大な鋏。それで、ハーピーの足を切断しようというのだ。
 が。

「KYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!」
「クッ!?」

 これまでの無茶が祟ったのか、はたまたハーピーの意地がそうさせたのか。
 ハーピーが、マイリーの作成した鋏を、負傷した翼で弾き飛ばしたのだ。燃えるハーピーの瞳が、マイリーを焼き尽くさんばかりに睨みつけている。その目が語っていた。お前も道連れだ、と。
 これは、万事休すか、と、マイリーが目を見開いた、その瞬間。

「っ、クソッ! 死なせてたまるか!!」

 悲鳴にも似た怒声とともに、アルバ・ファルチェがハーピーの鉤爪を切断した。
 手に持つのは竜の槍、ドラゴンランス『Corno di Lancia』。上段から振り抜かれたその槍の穂先は、目を見張るような精密さで以ってして、マイリーの腹を蝕んでいた鉤爪を切り落としたのだ。
 強い光の宿った瞳が、発せられる覚悟を乗せた視線が、ハーピーへとまっすぐに突き刺さる。

「僕にだって、できるんだ!!」

 歯を食いしばって、大地を踏みしめて、アルバが吠える。
 足を切断された衝撃で体勢を崩したハーピー目掛けてランスを振りかぶる。空気を切り裂いて放たれたそれは、導かれるようにしてハーピーの心臓へと突き刺さり。

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

 ハーピーへ、致命傷を与えた。
 ボロボロのハーピーが、断末魔を発して身を捩る。燃えるまなざしがアルバを焼いて、けれど覚悟を決めた男には微熱すらも届かない。

「回復を!」

 敵の末期に興味はない。恨めしそうな顔で消えゆくハーピーには目もくれず。アルバは内臓を負傷して吐血するマイリーへと駆け寄ると、いたわるように優しく助け起す。

「ぐ、ゲホッ、申し訳ありません、よろしくお願いします……」
「いいや、謝ることなんて何もないよ。……君のおかげで道が開けたよ。本当にありがとう。だから……後は任せて」

 功労者たるマイリーに微笑みかけ、ムショウノアイを発動する。
 己の傷を癒すアルバに安心したのか、マイリーはちょっとだけ目を細めてゆるく微笑むと、貧血も手伝ってかふつりと意識を失った。

 指揮官が倒されたことで、ゴブリン共は散り散りになって逃げ帰っていった。
 村は、猟兵たちの働きによって、無傷で救われたのである。



 これにて戦闘終了です。お疲れ様でした。
 猟兵《イェーガー》、スタンバイプリーズ。これよりベースへ帰還します。
 ご無事で、本当に何よりでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト