アースクライシス2019⑥~乗りこなせビックウェーブ!
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「レディ・オーシャンが、世界を滅ぼす“大海嘯”と呼ばれる儀式を開始したようだ」
そう言い放つのは、グリモア猟兵、テオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)だ。
彼によれば敵幹部であるレディ・オーシャンが開始した大海嘯によりハワイ沖でビックウェーブが発生しているという。
この大海嘯を放置してしまえば世界が滅んでしまうが、アメリカ第七艦隊を初めとした国連軍やヒーロー・ヴィラン連合軍は、近づく事すら出来ないのが現状だ。
「大波と聞いて不安を感じるかもしれないが、大丈夫だ……皆にはハワイの古代部族に伝わる“サーフィン魔法”を叩きこませてもらうからな」
現地では猟兵たちにハワイの古代部族からサーフィン魔法を伝授させる準備が着々と整っているという。
猟兵たちは付け焼刃とはなるが現地でサーフィン魔法を習得してもらい、部族の祈りが籠められたサーフボードを借り受けることでビックウェーブへと挑むことが可能となる。
「しかし安心は出来ない……何故ならば、オブリビオンもまたサーフィン魔法を習得しているからだ」
そもそもサーフィン魔法とはサーフボードで乗りこなした波の勢いを変えられるというもの。
そのサーフィン魔法により、オブリビオンたちはビックウェーブを大きくし続けており、逆に言えば猟兵たちはビックウェーブを沈めることが可能となる。
「つまり大事なのはサーフィンでいかに有利な位置取りをし、相手と戦うかだな」
サーフィン魔法の使い手――サーフライダー同士の戦いではビックウェーブにおいて有利な場所を取った方が圧倒的に有利になる。
その為、猟兵のサーフィンテクニックにより有利な位置を取る事ができれば、戦いはより優位に進むことだろう。
「サーフィンという慣れない戦いに不安を感じるものもいるだろう……だが、サーフィン魔法と部族の祈り、そして皆の力が合わさればきっと大丈夫だ」
そう励ましながら、赤きグリモア猟兵は送り出す。
自身も水が被っても良いように水着に身を包みながら。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
アースクライシス2019、2作目となります。
●依頼について
プレイングはOP公開以降、順次募集を開始致します。
戦争依頼となりますので採用が絞らせて頂く可能性がある旨、ご承知おき下さい。
●プレイングについて
本依頼はビッグウェーブをいかに乗りこなすか、といったプレイングに対しプレイングボーナスを加えさせて頂きます。
また、相手オブリビオンもサーフィンに集中しながら戦う為、雑魚召喚をせず『アトランティス・スラスト』を中心に戦います。
互いのサーフィンテクニックを競う為、多対一のイメージでは無く一対一の戦闘が基本となります(共同プレイングは同数の敵を出させて頂きます)
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『量産型ドクター・アトランティス』
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POW : アトランティス・スラスト
【三つ又の穂先を持つ槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【背中から伸びる蛸足】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ジーニアス・デバイス
いま戦っている対象に有効な【アトランティスで開発した奇妙な発明品】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : タロスレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【人型青銅ロボット『タロス』】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:yuga
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎
量産型とはいえドクター・アトランティス。
きっとサーフィンもかなりの腕前のはず!
油断せず、私も全力を出すよ!
こういう【パフォーマンス】は得意だよ!
チューブを潜ったり、厚い波だってお手の物!
波の良さ、もしくは危険さを【野生の勘】で【見切り】つつ、自分の出せる全てを表現するよ!
さあ、海に生きるもの同士勝負だ!
相手が槍ならこっちも槍だ!
向こうはすれ違い様に打ち込んでくるはず。
こちらもそれで相手しよう!
きっと投げてもかわされるだろうしね!
【戦闘知識】をフル活用して【カウンター】を狙う!
【串刺し】にして爆破したなら、そのまま大きくスイングして波に叩きつけてあげる!
波に乗れず溺れちゃえ!
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「量産型とはいえドクター・アトランティス……きっとサーフィンもかなりの腕前のはず!」
クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)は前方で波に乗っているオブリビオン――量産型ドクター・アトランティスをねめつけながら、警戒を言葉にする。
相手は海を得意とするオブリビオン……それが本体では無く生み出されたクローンであっても決して楽観視は出来ない相手だ。
「油断せず、私も全力を出すよ!」
だがクトゥルティアもまた、負ける気はさらさら無かった。
敵を過小評価もしないが、決して過大評価もしない。
楽な相手では無いが、決して勝てない相手では無いのだ。
「よく来たな猟兵よ! かかってくるがいい!」
尊大な態度でこちらへ向かう量産型ドクター・アトランティス。
互いは視線を交わしながらもその注意は背後へと向かっていた。
二人が気にするのはビックウェーブ。
二人の意識はいかに相手より上手く波に乗るかに向いている……サーフライダーとしての戦いは既に始まっているのだ。
「さあ、海に生きるもの同士勝負だ!」
サーフライダーとしての経験は未熟……しかし彼女は猟兵としては一流だ。
戦いの中で培った洞察力と第六感により、どの波が早くに崩れるのか、どの波がより高く成長するのかを瞬時に把握したクトゥルティア。
波に乗ったタイミングは同時――しかしクトゥルティアの乗った波がより高く成長したではないか。
「馬鹿なっ!」
より有利な、より高所の位置取りに成功したと確信していた量産型ドクター・アトランティスは驚愕の声を響かせた。
その隙は一瞬……だがその一瞬の隙が彼の体勢を崩させ、二人はクトゥルティア有利の状態のまま交差する。
「そこだよっ!」
互いが握る槍が交差したその瞬間――より高所より、より勢いを以て放たれたクトゥルティアの槍が量産型ドクター・アトランティスの槍を弾き飛ばす。
その瞬間――量産型ドクター・アトランティスの掌が突如爆発が包み込む。
同時に生み出される光の茨――現れた念力の鎖により彼の両の手は縛り上げられた。
「波に乗れず溺れちゃえ!」
その怪力を以て振り回すクトゥルティア――縛られた量産型ドクター・アトランティスは容易くサーフボードから外されると、そのまま海の中へと叩きつけられる。
衝撃と共に生み出された水の塔が崩された時――辺りに静寂が訪れた。
大成功
🔵🔵🔵
ユェン・ウェイ
サーフィン魔法……世界は広いなぁ……
せっかくだから楽しみつつ頑張りたいな
だってサーフィンって初めてだし!
波に乗っている時は【ダンス・パフォーマンス】の要領でバランスをとっていこう
海の上、サーフボードの上ではあるけどバランスの取り方とかの基本は大きく違わない……はずだし
時には【野生の勘】でいい感じの位置を見極めつつ波に乗るよ
相手も槍を使うならその軌道を見極めつつ戦おう
必要があればボクも自分のランスを取り出して、相手の槍を弾けないか狙ってみよう
相手に上手く接近できたらその時はUCを!
基本的には腕や足で攻撃できないか狙うけど、尻尾で【フェイント】してみるのも良さそうかも
海に落ちるのは君の方だよ!
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「サーフィン魔法……世界は広いなぁ……」
ユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)はスパルタで叩き込まれたサーフィン魔法とハワイ部族の祝福が込められたサーフボードを眺めながらしみじみと呟く。
サーフィン素人の自分がこうして波に乗れているのだから、スゴいものだと世界の広さをしみじみと感じていた。
「せっかくだから楽しみつつ頑張りたいな……だってサーフィンって初めてだし!」
もちろん任務であることは理解しているが人生初のサーフィン。
せっかくのこの体験を楽しまなければ損だとばかりに、ユェンは楽しそうに前を向いた。
最初こそ所在無し気に不安定な動きを見せていたユェン。
しかしその動きは直ぐに熟練されたサーフライダーに劣らないものへと変化していく。
彼女のスカイダンサーとして鍛えられた体幹が、サーフボードの上に立つという不安定な環境下でバランスを取るという行為に活かされているのだ。
「見つけたっ!」
大きな波を一つ越えた先に敵――量産型ドクター・アトランティスの存在を視認したユェン。
互いに気付いた両者は、その両手に武器を握りしめる。
波を乗り越えたユェンは、波を下る勢いのままに敵目掛けて突撃する。
(軌道を見極められれば……)
量産型ドクター・アトランティスが握るのは三つ又の槍がユェン目掛けて突き出される。
その軌道を読み切った彼女はドラゴンランスの穂先で滑らせるように柄を捉えると、そのまま絡め取るように回転させ、その槍を弾き飛ばせて見せた。
「ちぃっ」
その隠された素顔が憎々し気に歪んでいるのが想像出来そうな呻き声をあげる量産型ドクター・アトランティス。
まるで額を突き合わせるほどに近づいた両者。
己が武器を弾き飛ばされた量産型ドクター・アトランティスは、顔面へと迫り来る“尾”を避けるように大きく体勢を崩す。
「ざーんねんっ!」
しかしその動きはフェイント――不安定なサーフボードの上で尾を振り回すように一回転して見せたユェンは、まるでダンスを踊るかのようにそのままくるりと回転を続けると勢いづいた蹴りを相手へと叩き込んだ。
強烈な蹴りが叩きこまれたその瞬間――ユェンが突き出した足は獅子の頭部へと姿を変えた。
鋭い牙がその身に纏うスーツを突き抜け、そのまま量産型ドクター・アトランティスの身体へと突き刺さったのだ。
「海に落ちるのは君の方だよ!」
ユェンの蹴りを受けそのまま海へと叩き落とされる量産型ドクター・アトランティス。
波が鎮められたその水面がゆっくりと紅に染められていく。
大成功
🔵🔵🔵
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:アノン
サーフィンてなんだ?板を水の上に乗せとけばイイのか?わかった
UDCを纏って黒狼の姿になると、風属性を纏って圧縮空気を足場にし空中を駆ける
サーフボードはUDC触手で掴んで水面に押し付けておくぜ
そのまま敵に体当たり、サーフボードから突き落とすと空中でクルクル回って体制を整えサーフボードの上に四足で着地
「バランスとればイイのか、結構面白ェなコレ」
相手のロボットが出て来たら重力属性で相手を重くして海中に沈める
ドクターアトランティスも同じように沈めるぜ
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(板を水の上に乗せとけばイイなんて、サーフィンてのは不思議なスポーツだな)
そもそもサーフィンとは何ぞや?というところから話がスタートし、現地のハワイの古代部族を困らせた少年の名は水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)……のうちの内在人格の一人、アノンだ。
彼が形どるは異形。
己がユーベルコードの力により黒狼の姿をとったアノンは、その身体から生やした触手によりサーフボードを固定していた。
一見器用に乗りこなしているように見えるアノン……しかし彼が駆るサーフボードは単に波を下るだけとは思えないほどの、尋常では無い加速を見せる。
よくよく見れば彼が踏み抜いているのは不可視の足場。
己が異能により固めた空気を踏みしめて駆け抜けているでは無いか。
もはやサーフボードに乗っているというよりもサーフボードを持って走っていると言わざるを得ない状態のアノン。
しかし異形の黒狼は、そのおどろおどろしく裂けた口を、楽しそうにゆがめていた。
「グルゥ……ガアアァァ!!」
波を掻き分け走り抜いたアノンは、眼前に目的としていた敵――量産型ドクター・アトランティスを発見する。
その雄叫びに驚き振り向こうとする量産型ドクター・アトランティスのヘルメット目掛け、サーフボードを叩きつける。
(ハハッ! バランスとればイイのか、結構面白ェなコレ)
二回、三回と水しぶきをあげながら水面を跳ねる相手をねめつけながらも、空中で回転しながら器用にサーフボードの上に着地するアノン。
もはや新しい遊び方を見つけたとばかり、その心中はこの戦いを楽しんでいた。
「ごぱっ、かはぁ! ……っ!」
必死に水面に顔を出そうとする量産型ドクター・アトランティスを、アノンはその身体から生える黒き触手を以て水中へと押しとどめる。
本来であれば水中での活動を可能とする装備に身を包む量産型ドクター・アトランティスであるが、アノンによってヘルメットに日々を入れられたが為に、その中へととめどなく海水が流れ込んでしまっているのだ。
ぼこぼこと立ち上がる泡が消え去って暫くした後――その藻掻きはゆっくりと止まっていく。
穏やかになった水面の上では、黒き異形が嗤っていた。
大成功
🔵🔵🔵
宮落・ライア
サーフィンの有利な位置……どこ…?
サーフィンやった事ない…
ええ…ええええ~?
と言うかあいつらどこでサーフィン魔法なんて習得したのさ。
まぁとりあえず慣れるまでは【ラプラスの魔眼】と【見切り】で避け続けて見せるさ。
慣れは【野性の勘】と自分のセンス。そして気合い!
成せばなる!ヒーローに不可能はない!
どこに位置取りすればいいのか、どう乗りこなせばいいのか、
この一戦でものにする。
物にすれば後は、切り開くだけ!
襲い来る三つ又槍を【グラップル・怪力】で掴み体勢を崩させ斬る!
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「と言うかあいつらどこでサーフィン魔法なんて習得したのさ……」
宮落・ライア(ノゾム者・f05053)はまだ見ぬオブリビオンへ憎しみの言葉を呟く。
そもそも奴らがサーフィン魔法などという珍妙な魔術を使わなければ、ライアだってこのような大波を乗るような荒行に挑む必要など無かったのだ。
「サーフィンなんてやった事ないし……」
そもそもサーフィンなど経験したことの無いライア。
ハワイ古代部族の皆によるサーフィン魔法の習得は駆け足で行なわれたが故に所詮は付け焼刃。
その中腰の体勢からは不安がにじみ出ている。
しかし彼女は引くことは出来ない。
何故ならばこの大海嘯を放置すれば世界が滅びる。
世界を守る猟兵として、逃げるわけにはいかないのだ。
「猟兵よ、よくぞ来た!」
尊大な態度で迎え撃つは量産型ドクター・アトランティス。
不安げな様子のライアとは対照的に、その物腰は歴戦のサーフライダー。
両手でその三又の槍を振り回しながらも、安定したバランス感覚で波を乗りこなす。
「ええ、ええええ~?サーフィンの有利な位置……どこ?」
不安定な足場で振るわれる槍とその背後から伸びる軟体動物の触手を、その身に宿す『ラプラスの魔眼』により見切り回避するライア。
不安定な体勢ながらも必死に攻撃を避ける彼女は、攻撃を回避し続けながらも最適な位置取りを模索する。
頼りの綱は猟兵として磨かれた戦いのセンス。
そして最後の最後は……気合いだ。
「成せばなる! ヒーローに不可能はない!」
一際大きく盛り上がる波を見極め、その勢いを利用して跳躍するライア。
先ほどまでの不安な少女の様相はなりを潜め、その表情は覚悟を決めた戦士のものとなった。
戦いの中で波の動きを見極め、その流れを活用する術を身に着けた彼女は、その跳躍の勢いのまま量産型ドクター・アトランティスへと肉薄する。
「後は、切り開くだけ!」
撃ち落とすべく突き出された槍を握りしめ、捻ることで相手の体勢を崩す。
その攻防で生まれた隙は決して大きいものでは無い――だが、彼女が切り伏せるには十分なものだった。
「見たか!」
その堂々たる態度は、まさしく英雄たり得るものであった。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・クロト
さーて、ちっとは慣れてきたかな。
ってクローンは此処にも湧いてんのか。性懲りもねーな……?
【地形の利用】もとい波を利用しつつの【騎乗】は基本中の基本。
問題は――相手が雑魚をばらまいてくる事なんだよなァ。
というわけで【フェイント】や【残像】で捌きつつ、
集まってきた瞬間に【高速詠唱】から【指定UC】を
【属性攻撃】【全力魔法】を載せながら全力解放。
クローンだろーとロボットだろーと冬眠させてやるよ……
このビッグウェーブで寝たら溺死だがなァ。
巧く捌ききれたのならそのままこの大波は貰ってくぜ?
……お前のホームが此処だろうと、応援する奴ァ
『お前』の他に居ないだろ?
※アドリブ可
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「さーて、ちっとは慣れてきたかな」
数度に渡りサーフィン魔法を用いた戦いを制してきた猟兵――霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は波に乗りながら言葉を零す。
突貫で叩きこまれたサーフィン魔法。
慣れないその動きに違和感を感じていたものの、それも回数を重ねていく度に少なくなっていく。
今では長くに渡り使い込んだ愛用の道具のように使いこなすことが出来ていた。
「ってクローンは此処にも湧いてんのか……性懲りもねーな?」
クロトが視認したのは自身と同じようにサーフボードを駆る量産型ドクター・アトランティスの姿。
幾度となく戦場に現れたクローンの姿を見つけ、辟易した思いを感じながらも接敵する。
「私は何度でも現れるさ!」
迎え撃つようにその手に握る三又の槍を突き出す量産型ドクター・アトランティス。
火花を散らしながら受け止めるのは、サイボーグであるクロトがその身に纏う装甲だ。
連続して振るわれる拳と槍。
サーフボードの上という不安定な足場の上で振るわれる両者の攻撃。
常人には視認すら難しいその攻撃はそのスピード以上に高度な戦いが繰り広げられていた。
匠に織り交ぜられるフェイントが相手の動きを牽制し、ついに量産型ドクター・アトランティスを捉えることに成功した。
「ぐはっ!」
クロトの攻撃を受け、量産型ドクター・アトランティスは海面へと突き刺さる。
見上げるほどの高さまで立ち上がる水柱が、その攻撃の威力を物語る。
しかしクロトは一切の油断を見せず追い打ちをかけた。
「北天に座す、七天の加護をっ!」
クロトの拳から放たれる極寒の冷気。
立ち上る雫が落ちるよりも早く固まっていくことで出来上がる氷の柱。
「……お前のホームが此処だろうと、応援する奴ァ『お前』の他に居ないだろ?」
穏やかになった水面に浮かぶ氷の柱が、照り付ける太陽の光を照り返していた。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
大波……ビッグウェーブ……!
楽しそう、です♪
問題は……穏やかにしないといけない、ということ、ですね
放っておくと、大変、ですし
……穏やかにするのは、敵を倒したあとでも、いいか、にゃ?
【地形の利用】波に乗り【第六感】で波の動きを感じ、自然と一体になるようにサーフィン
敵に迫ったとこで、一転。ボードから【念動力】を放って【吹き飛ばし】
ボードアタック、です!
轢き潰すような、ボードを盾に私を【庇って】姿を見えなくするような
ボード突かせて、その先に私はいない
ボードを捨てて【空中戦】
虚をついて敵ボードに着地して【暗殺】
【鎧無視攻撃で串刺し零距離生命力吸収】
倒してボード乗っ取り
あとは陸まで、楽しむだけ、ですね♪
●
「大波、ビッグウェーブ……楽しそう、です♪」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はサーフボードを乗りこなしながら心を躍らせる。
彼女のヤドリガミ人生の中ではこのようなサーフィンも、今目にしているビックウェーブも存在しなかったものだ。
その新鮮さ故に見ているだけで楽しくなってくるのだ。
「問題は……穏やかにしないといけない、ということ、ですね……放っておくと、大変、ですし」
とは言え放置しておけば起こるのは世界の崩壊。
故に放置することも出来ないことは重々承知の上。
後ろ髪を引かれる思いが強いものの、事件は解決しないわけにはいかないのだ。
「……穏やかにするのは、敵を倒したあとでも、いいか、にゃ?」
だがしかし、敵を排除しなければ波を鎮められないのも確か。
その為ナイ・デスはその思考を先送りとし、まずは事件解決を目指しながらもこの状態を楽しむこととした。
「見つけた、です!」
楽しそうに波を乗りこなしていたナイ・デスは前方に件のオブリビオン――量産型ドクター・アトランティスを発見する。
彼女の選択は先手必勝。
短い時間でサーフライダーとしての感覚を掴んだ彼女は、波の動きを感じながら波を乗り込なす。
まるで自然と一体となったかのような複雑な動きを見せた彼女は、見事相手の背後を取ることに成功した。
「ボードアタック、です!」
己が念動力をもってサーフボードを打ち出すナイ・デス。
突如現れたその視界を塞いだ物体に、量産型ドクター・アトランティスは反射的に槍を突き出す。
砕かれるハワイ部族の祝福が込められたサーフボード。
しかしその先には捕らえた手応えは――無い。
「サヨナラ、です!」
ボードを盾に敵の視界から逃げていたナイ・デスは量産型ドクター・アトランティスの背後に立つ。
虚をつくその動きはあるで暗殺者さながら。
完全に認識外からとなった奇襲の一撃は、頑丈スーツもろとも貫通して見せた。
「あとは陸まで、楽しむだけ、ですね♪」
ゆっくりと立ち上る赤き濁りを波で打ち消すように、そこには波乗りを楽しみ続ける少女の姿があった。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
はっはっは、海において映える競技の一つ、サーフィンを体得していないはずがなかろう!
妾の素晴らしいパフォーマンスで魅せてやるとしよう!
右手を上げ、指を鳴らし、スクリーン! カモン!
はーっはっはっは! 今日も元気かのう皆の衆よ!
此度の妾は海で、勝負を仕掛けてきた挑戦者と素晴らしいサーフィンバトルだ!
さあ存分に、歓声を、喝采を! 妾に浴びせてくれ!
当然、妾が仕掛けるのは観客を一発でヒートアップさせるぐらいの高難度技!
波の頂点から勢いに乗って高く跳び上がり、空中を二回転!
有利な場所取りを狙うべきなら、そのまま良い位置に着水よ!
相手の妨害? たかが程々の強さを持つ程度のロボなら、妾の左腕にボコられ沈め!
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「はっはっは、海において映える競技の一つ、サーフィンを体得していないはずがなかろう!」
真の蛇神にして邪神たる御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は高らかに声をあげる。
動画配信者であり、ありとあらゆうる“動画映え”する特技の習得に日々いそしんでいる菘。
当然“映える”スポーツの代表格であるサーフィンもまた、習得済みであるのだ。
「妾の素晴らしいパフォーマンスで魅せてやるとしよう! スクリーン! カモン!」
意気揚々と波を乗りこなす菘は、右手をあげると高らかに指を鳴らす。
そうしてカメラと共に現れたのは――生配信視聴者が映る無数の空中ディスプレイ。
動画配信者として国民的スタアである菘にとって、任務中に動画配信をしないという選択肢は……無い。
「はーっはっはっは! 今日も元気かのう皆の衆よ! 此度の妾は海で、勝負を仕掛けてきた挑戦者と素晴らしいサーフィンバトルだ! さあ存分に、歓声を、喝采を! 妾に浴びせてくれ!」
カメラに向かい話しかけながらも持前のサーフィンスキルに加え、サーフライダーとして習得したサーフィン魔法とハワイ古代部族の祝福の込められたサーフボードの力が組み合わさり、その道のプロ以上の乗りこなしを見せる菘。
スクリーンの端に映る再生者数が続々と伸び続ける様子にほくそ笑みながらも、視線の端に敵であるオブリビオン――量産型ドクター・アトランティスの姿をとらえた。
「行くぞ! 妾の活躍を彩る糧となるが良い!」
菘が仕掛けるのは見る者を魅了し、興奮させる高難易度技。
波が高まる勢いに乗せて乗り上げるとその頂点から高く飛び上がる。
そのまま体を捻ったかと思えば、見事に空中で回転して見せるでは無いか。
勢いそのままに回転を続ける菘。
ディスプレイに映る生配信視聴者の興奮のボルテージは更なる高まりを見せた。
スクリーンから聞こえてくる歓声に心を熱くする菘。
こうして聞こえる応援が、歓声が、そして視聴者の笑顔が彼女の力となるのだ。
「妾は最強無敵よ!」
波をも操っているのかとすら思わせるその巧みなサーフィンテクニックにより量産型ドクター・アトランティスの背後を取る菘。
生配信によって得られた力を一身に集めた異形の左腕を振るえば、サーフボードもろとも敵を打ち砕いて見せた。
「はーっはっはっは! 褒め称えよ、皆の衆!」
波を鎮めたその水面には、高らかに笑う菘の姿がいつまでもあったという。
大成功
🔵🔵🔵