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アースクライシス2019②〜あわてんぼうのサンタ

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019

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「ジングルベールジングルベール♪」
 ロスの街に、あっけらかんとした歌声が響く。今、大激闘が繰り広げられているとは思えない明るい歌声である。時期も早いし。あわてんぼうのサンタクロースである。
「さぁ、良い子にはプレゼントをあげようねぇ♪」
 そういいながら、キャンドルサービスメイカーはその袋からドロドロに溶けた蝋を撒き散らす。その蝋は防衛軍の体にまとわりつき、確実に戦力を奪っていく。
「あー、みんな喜んでくれてるー! みんなありがとー!」
 蝋に塗れ、人間蝋燭と化した防衛軍の人々をその手元に置き、キャンドルサービスメイカーは笑うのだった。

「溶けた蝋は髪に付いたら固まったときに最悪切らないと行けなくなるからご利用は計画的に! ね!」
 長峰・モカ(リアルにvirtualなアイドル芸人?・f16136)は体で蝋が固まったとき豆知識を伝えながら現状を説明する。いつ役立つんだこれ。
「とりあえず、今回のターゲットはこの子、キャンドルサービスメイカー。その手と袋の中に大量の蝋を持ってて、それで攻めてくる子ね」
 蝋燭サンタとも言われているキャンドルサービスメイカーは、そのサンタの袋には大量の溶けた蝋、両手には固形の蝋燭を持ち、この蝋を使って攻撃してくる。時には溶けた蝋をその体にぶっかけて人間蝋燭を作り、時には蝋スライムを召喚したり。もちろん溶けた蝋は熱いぞ!
「しかも、今ロサンゼルスは大変なことになってるでしょ? この子の周りも雑兵がうろうろしてるからねぇ。トナカイ的な奴とか、サンタ服とか」
 雑兵がキャンドルサービスメイカーを護ってるようで、まずは彼らをどうにかしなければキャンドルサービスメイカーに有効打を与えることは難しいだろう。トナカイ的な奴も、サンタ服の奴も、雑兵としては全く同じ能力であるらしく、そこを区別して対策を考える必要はなさそうだ。
「雑兵を突破して、あわてんぼうのサンタクロースをぶっ飛ばすこと。まぁ、みんななら出来るでしょ!」
 モカはそう言って一行を送り出すのだった。


おじやしげき
 どうも、蝋燭の明かりっていいですよね。おじやしげきです。

 今回は、『アースクライシス2019』の戦争シナリオでございます。今回は、キャンドルサービスメイカーの回りにいる雑兵の攻撃をかわすことで有利に進めることが可能になるでしょう。雑兵は数体程度、グーで殴る、突撃してくるなどの肉体攻撃をしてきますので、そちらを対処していただければと思います。

 少しあわてんぼうなサンタクロース、キャンドルサービスメイカーをぶっ飛ばしてあげましょう。皆様のプレイングをお待ちしております。

 そうそう、キャンドルサービスメイカーさん、自分を人気アイドルだと思い込んでるそうですよ。
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第1章 ボス戦 『蝋燭サンタ『キャンドルサービスメイカー』』

POW   :    人間蝋燭素材一名様ご案内~♪
【溢れ出るほどの溶けた蝋が詰まった大きな袋】から【溶けた蝋の触手】を放ち、【袋の中に引きずり込み内部で全身蝋固め】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    蝋スライムちゃんと遊びましょ♪
対象への質問と共に、【溢れ出るほどの溶けた蝋が詰まった大きな袋】から【ドロドロ蝋スライム】を召喚する。満足な答えを得るまで、ドロドロ蝋スライムは対象を【全身取り込み蝋固め】で攻撃する。
WIZ   :    深~い蝋の沼で一網打尽♪
【手に持つ蝋燭から放つ大量の溶けた蝋】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を自身以外の全てが沈む蝋の沼に変わり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
此の世は我が意のままに♡
雑兵の攻撃を『我々の業界ではご褒美よ☆』と快楽として貪りどんどん次の行動の成功率がアップしていきます。ダメージ?精力(エナジー)吸収とサイコヒーリング(念動力/医術/祈り)で回復してるから実質ないわよ♪
そも、星辰(アストラル)界を顕現した私はカートゥーンアニメキャラみたいな理不尽の権化なので、仮に木っ端微塵にされても欠片がミニキャラとしてリポップできるわ☆
顕現した星辰界の中ではすべては私が思うがままよ♪蝋燭だってほら、素敵なローションに早変わり☆蝋燭サンタちゃんとぬるぬるしながら濃厚なキスで快楽と精力を貪るわ♡
魂まで吸い付くしてあ・げ・る♪


フクス・クルーガー
【POW】

……流石にこれは迷惑ですね。それに蝋の後始末に苦労しそうですね。

その対策として変形合体しておきます。流石に三メートル越えの人型を丸ごとコーティングするには引きずり込むパワーもサイズも足りませんからね。

最悪出来そうでも蝋の装甲パージすれば被らずに済みますからね。

周りの護衛たちは左腕のガトリングガンで蹴散らし、足に取りつこうならば足を振って蹴散らします。これでも大型トラックの馬力があるんですから数人程度容易に力で押し切れます。

最後のキャンドルメーカーには渾身の【グラップル】とエンジン全開の拳を彼女にサービスして上げましょう。例え蝋で固めようともこの質量は止められないからね。


御形・菘
う~む、蝋でどうこうというのは、妾の配信ジャンルの範囲外であるのう
だからといってバトるのを殊更に避ける理由はないがな! 妾は常にチャレンジャー!

右手を上げ、指を鳴らし、さあ降り注げ流星よ!
精密に怪人どもを狙っていくわけではなく、妾の周囲へ落としての牽制がメインよ
弾数…攻撃回数を増やし、常時落とし続ける!
この場に踏み込む勇気ある者を、妾は称賛し歓迎するぞ、この左腕でな!

別に妾自身が被弾しようが気にはせん、最初から巻き込み想定の技よ!
はっはっは、実に映えるであろう?
それに蝋で固められたら、ぶつけて砕けばよい!
さあ、お主は左腕にボコられるか星に潰されるか、どうする?
妾は慈悲深い、選ばせてやろう!



「ふふふ、我々の業界ではご褒美よ☆」
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は、周囲を歩き回るミニサンタやトナカイらしきものの攻撃を一身にその身に受ける。その快楽をむざぼるアリスは若干の恍惚の表情を浮かべつつ、そのダメージをエナジー吸収とサイコヒーリングでその身を癒やしていく。実質問題が無いのである。
「もっともっと良いことしてあ・げ・る☆」
 顕現化したアストラル界はアリスにとって自分の城。ここでは彼女は理不尽の権化、例えるならカートゥーンアニメのキャラクター。仮に爆裂四散してもミニキャラとしてリポップ出来るほどである。
「ほらほら、これが良いんでしょ?」
 その全てが思い通りになる世界で、濃厚に快感と精力を貪り尽くし、その魂まで吸い尽くす。
 アリスの立ち去った後には干からびた雑兵が並んでいたとかいないとか。

 ウィーンガシャウィーンガシャ。
 なにやら、機械音がきこえてくる。フクス・クルーガー(何処でもお届け! 安心のクルーガー運送!・f22299)の身は3mオーバーの巨体に変化する。トナカイたちはその巨体を見上げるほかなく、クルーガーの左手から放たれる弾丸で踊り狂っている。大型トラックをその身に取り込んだクルーガーに取っては、その足にしがみついているミニサンタも簡単に振り落とすのも容易である。綺麗にぽろぽろミニサンタが振り落とされているのはすごく気持ちが良い。
「わー、みんなすっごいね! こっちもいっぱい遊んであげる☆」
 その目の前で行われている状況をみて無邪気に笑っているのはキャンドルサービスメイカー。自分の”ファン”こと雑兵達がやられているのを見てここまで無邪気に笑っているのはそれはそれでどうなんだ。
「はーっはっはっは! 妾こそがキマフュの一番星!」
 さっきの無邪気な笑いとはまた別の高笑いが戦場に響き渡る。御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)の姿が、その戦場のど真ん中に現れる。『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』と言う配信をやっている菘にとっても、蝋は流石に専門外である。そもそも蝋が配信ジャンルってどんなジャンルなんだ。
「It's show time☆」
 その高らかとあげた右手の指を鳴らすとその戦場全体に降り注ぐのは、大小様々な流星。その隕石達は菘の周辺を覆い尽くす。もちろん、その流星は菘自身にも降り注ぐ。しかし、その身に流星が当たろうとも菘は一切意に介しない。むしろ、その身に隕石が被弾すること自体を求めている部分もあるのかも知れない。これも配信では映えるのだ。配信する人はここまで考えているのだ。
「むーん……」
 キャンドルサービスメイカーは、その目の前の状況に少々頭を抱える。その手に持っている巨大な袋からうにゅるうにゅると伸びる蝋触手も中々その流星の中に飛び込めない。
「よそ見してる余裕はあるんですか?」
 その横から飛び込んでくるのは、クルーガーの拳。3m強の巨体に、グラップルとエンジンで最高まで強化したその拳は最高速でキャンドルサービスメイカーの横っ面にたたき込もうとツッコんでくる。
「うっわ!」
 すんでの所で飛び避け、袋からの触手がその拳を受け止める……が、その重量により受け止めきれないパワーがキャンドルサービスメイカーの身体を吹き飛ばすのには十分。少々融けた蝋がその拳にかかっても、それをパージすることで解決という完璧なプランである。
「さぁさぁほらほら、妾は慈悲深いのだ、選ばせてやろうじゃ無いか!」
 菘は、吹っ飛ばされたキャンドルサービスメイカーを盛大に煽る。そして、その様子にぐぬぬるキャンドルサービスメイカー。自称アイドルと言うこともあり、色々考えているのかも知れない。
「こ、こしゃくなぁー!」
「……ほぉ、来るか。敬意を表して一発で仕留めてやろうじゃ無いか」
 その大きな袋を振り回しながら大地を蹴るキャンドルサービスメイカーに、不敵な笑みを浮かべながら迎え撃つ。
「うっらぁぁぁー!」
 少々あざとさを含めつつ、キャンドルサービスメイカーは流星を全身に浴びながら飛びかかる。その袋を振り回し、菘にその手が届きそうになったそのとき。
「よしよし、コレで終わりだな」
 その左手は、キャンドルサービスメイカーの頬に突き刺さる。綺麗な放物線を描いて飛んでいくキャンドルサービスメイカーを、菘は高笑いをしながら眺めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

山田・キリン
ハロウィンが終わったと思ったらクリスマスだった!?
アイドルだかなんだか知らないけど、本物の山田(サンタ)さんが偽物の登場なんて許さないぞ!

3本の尻尾でそれぞれ相手の蝋を受け止めて、【カラーピッカー:UC】で蝋をキリンさんのモノに変換だ!
キリンさんも普段から塗料でトロッとした液体の扱いには慣れてんだ、もっといい色にしてお返ししてやるよ!
借用した相手の蝋に[アート]でカラフルに色を乗せて、
周囲をカラフルに色づけながら、雑兵共を蝋の沼に沈めていってやる!
尻尾一本分は白い蝋のままでも塗って、相手の蝋と見分けつかないようにしてやろう
自称アイドルサンタも自分の蝋で塗られた場所だと思って沈んじゃえ!


ティエル・ティエリエル
WIZで判定

背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」からの「空中戦」を展開するね♪
雑兵の間を飛び回りながら戦うことで、「敵を盾にする」で同士討ちを誘発するよ!

そのまま隙をついてキャンドルサービスメイカーに突撃!
「深~い蝋の沼で一網打尽♪」を使ってきたら「見切り」で回避して地形を蝋の沼に変えちゃうぞ!
ふふーん、ボク飛んでるからそんな沼なんて関係ないよ♪逆に取り巻き達が近寄ってこれないよね!

サンタ衣装ってなんだか売れないアイドルがやってそうだよね♪とか挑発しつつ
冷静さを欠いたところに【妖精姫の括り罠】を仕掛けて転がしたところをどかーんと攻撃だ~♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


フェルト・ユメノアール
クリスマスにはまだ早いよ!
せっかちで迷惑なサンタクロースはボクが行ってやっつける!

『クイックドロウ』で手札を揃えて戦闘開始!
目には目を、歯には歯を、キャンドルにはキャンドルを!
現れろ!【SPキャンドール・フラン】!

フランには配下の亡霊を使った攪乱&雑兵足止めと
炎を使った攻撃で蝋で拘束された場合にそれを溶かしたりと、ボクの援護を担当してもらう
そして、ボクはキャンドルサービスメイカーを攻撃!
『トリックスターを複数投擲』して周囲の敵を牽制しながら接近
さらに『イリュージョンライト』をサービスメイカーに放ち、敵の目を眩ませ
その隙をついて『カウンター』の一撃を決めるよ!


月宮・ユイ
*器に<誘惑の呪詛>宿す呪:呪詛操るヤドリガミ

サンタの時期には早いでしょう
加えプレゼントが蝋では喜ばれないですよ

対策施し接近戦挑む。
[生体衣装]外套や服等形成
肌は纏う<念動:オーラ>で護り、
最悪服は固められた部位を脱ぎ、切り離すことで拘束防ぐ。
《捕食兵装》圧縮成形<生命力吸収の呪>付与
・杭:<早業>多数形成。雑兵相手用に数には数で対抗
UCの照準機能による知覚向上活用し<情報収集>
向かってくる相手を照準、一斉発射で串刺し縫い止め排除。
・斧槍:主武装<怪力の呪>で補助、威力強化
<属性攻撃:風>乗せ放たれた蝋を逸らす事も。
・靴:踏破出来る様触れた蝋の沼を捕食

倒した後は蝋人形の蝋化を<破魔の呪>で解除



「「「「クリスマスは早いだろ!」」」」
 4人の声が、戦場に響く。実際、ハロウィンがついこの前終わったと思ったタイミングである。この時期だとむしろハロウィンの仮装だと言った方がしっくりくる。納得のツッコミである。
「ほーらほーら行くよー!」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)はその自慢の翅を羽ばたかせ、ミニサンタ達を翻弄していく。その速度は高速。しかも、針の穴を通すような正確さで狭い感覚を通り抜けていく。ティエリエルに狙いを定めるトナカイたち。しかし、残像しか見えないほどの速度で動くティエリエルを仕留めることが出来るはずも無く、トナカイ同士でごっつんこ。綺麗な同士討ちである。
「カードドロー!」
 その宣言と共に、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)はその手に持った魔法のカードを点に掲げる。
「ボクの可愛いアシスタントを紹介するよ!現れろ!SPキャンドール・フラン!」
 次の瞬間には、そのカードから少々色合いが違う少女が現れる。その頭に乗っている蝋燭と漂っている亡者が特徴的な奴である。
「よーし、じゃあ、よろしく☆」
 無言でこくり、と首を縦に振るフランは、その周りを飛び交う亡者に一言二言指示をする。その指示を聞いた亡者達はミニサンタの周りを飛び回る。ミニサンタを怖がらせるもの、高速で動くことで撹乱させるもの、捕まえられるかどうかギリギリの速さで動くことで上手く足止めするもの……。亡者達はそのミニサンタ達を上手く足止めすることに成功する。
「……いきます」
 月宮・ユイ(捕喰連星・f02933)は、そう言って杭を打ち込む。戦場に集まるトナカイたち。数には数で対抗である。実際問題、数は必要なところにあってこれだけの杭を打ち込めるのは大きい。
「偽物の登場なんて許さないぞ! 本物の山田(さんた)さんがな!」
 そう叫んでいるのは、皆の味方、山田・キリン(キリンサンダー・f14194)である。因みに、読み方はみんなの想像通り『やまだ』である。
「ほいほいほいほいっと!」
 雑兵の攻撃と同時に飛んでくるキャンドルサービスメイカーの蝋。山田がその3本の尻尾をぶんぶん振り回しながらその蝋を上手く絡み取っていく。少し熱いけど、耐えられないほどでも無い……という前にそもそもこの蝋を自分の専門ジャンルである塗料に変えてしまう。そもそも、塗料のようなトロトロの液体の扱いには慣れているのだ。蝋が塗料になったとしてもその対処は普通に出来ている。
「ほらー、綺麗でしょう?」
 その塗料はカラフルに。そして、大地と言う巨大なキャンバスを染め上げる。荒々しくも繊細に描かれているこのフィールドは、一種の芸術である。そして。
「……!?」
 ミニサンタが、その違和感に気づく。その身が、少しずつ沈んできているのだ。少しずつもがき始め、その状況を完璧に理解したときには時既に遅し。もがかなければまだ浮力が生まれたかも知れないが、もがいてしまうともう遅い。そのまま沈んで行ってしまう。
「もー! ファンのみんな沈んじゃったじゃん!」
 キャンドルサービスメイカーにとって、ミニサンタやトナカイはファンという認識だったようだ。まぁ、あってはいないとしても間違ってもいないのかも知れない。
「ぷぷぷ、サンタ衣装って売れないアイドルがやってそうな奴だよね! ぷぷぷ!」
 ティエリエルが、キャンドルサービスメイカーの周辺を飛び回りながらそうあおり立てる。
「あたし売れてるもん! ファンもいるもん!」
「でも今いないよね☆ 沈んでいったもんね☆」
 ティエリエルとキャンドルサービスメイカーの煽り合戦が繰り広げられている。冷静さに欠いている攻撃は的確に狙いを定めることも出来ず、周囲に蝋をまき散らす。
「ほいほい、ここはこう描こうかな」
 しかし、その蝋も山田が尻尾で絡め取り、真っ白の塗料に変えて大地を染め上げる。一見すると蝋なのか塗料なのか判断することは難しい。
「あっ!」
 誰ともなく、そう声が上がる。ユイがその身に蝋を受けてしまう……が。
「問題ありません。行きますよ」
 その肌をオーラで護っていたが、そこまで守り切れなかった腕の部分はその服を切り離し、事なきを得る。そして、そのまま斧槍を突き立てる。標的マーカーで狙いを定めたその一撃は、確実にキャンドルサービスメイカーの肩を仕留める。
「もー、馬鹿にすんなぁ!」
 半分ぐらい素が出ているキャンドルサービスメイカーが、その怒りを露わにする。最初に少しキャラを護ろうとしたのが逆に痛々しい。
「そっちばっかり見てても大丈夫かな?」
 その背後から、大量のトリックスターが襲いかかる。ユメノアールがそのトリックスターと共に襲いかかってくる事に気づきはしたキャンドルサービスメイカーが苦し紛れに回避したそのとき。
「はい、残念☆」
 ユメノアールの手に隠されていたのは、イリュージョンライト。その最大出力は一瞬のうちに人の視力を奪うには十分すぎる物である。因みに、この作戦をするために全員に偏光グラスが渡されていた……らしい。
 視力を奪われ、ふらふらとその足を動かすと、何かが足に当たる。しかし、それはその身体を止めるには至らず、そのバランスを崩す。妖精姫の括り罠。ティエリエルがなにも無いところに仕掛けておいたのである。拘束されてしまうキャンドルサービスメイカーは、そのまま白く塗られた大地にその身を委ねてしまう。
「なにこrゴボゴボ」
 白く塗られた大地。山田の白い塗料に染まった大地に伏せたキャンドルサービスメイカーは、拘束されたままその大地に沈んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

星群・ヒカル
ようお姉さん、クリスマスというには気が早すぎるぜ?
周りの奴らも蝋燭もまとめて、躯の海にいったん返品しないとなッ!

まずは親衛隊の皆さんッ!
『第六感・視力』で雑兵の動きを見切り、超宇宙牽引ワイヤーでの『ロープワーク』で、鞭のように雑兵を捌いていこう

スライムの攻撃は満足できる答え、つまりアイドルとして褒め称える言葉が返ってこない限り無敵みたいなもんだよな……
だが女の子におべっか言って不意打ちなんて、卑怯な喧嘩だ。おれの趣味じゃないッ!

『超宇宙・武勇星舞台』で身体能力を上げ、跳躍しスライムの攻撃を避ける
そのままドロップキックで敵をKOだ!
タイマンはまっすぐ正面から。それがおれの流儀なんだよなぁーッ!


フィロメーラ・アステール
「敵をすり抜けるのは得意だぞ!」
よーし思う存分すり抜けてやる!
どこからでもかかってこい!

などと地道に地面を【ダッシュ】して突っ込むぞ!
身体は小さいけど速度は【残像】レベル!
はやい!

それだけじゃない!
すり抜けと言えば【スライディング】だー!
サッカー選手の如き【パフォーマンス】で華麗に回避!

ついでに【念動力】で雑兵を押したり引いたり!
道を塞がれても安心だし【敵を盾にする】ことも可能!

ボスに着いたら【神魔繋がる星の虹霓】だ!
氷属性のあたし登場!
ごきげんよう、冬を届けに来たぞー!

蝋燭は【全力魔法】の、氷【属性攻撃】で凍結!
ミニスカもあっつい蝋の近くなら平気だったかもしれないが!
冷気の中ではどうかな!?


樫倉・巽
ここが戦場であるならば
それで十分だ
死の匂いはそこかしこにあるだろう
死の中において死そのものになり
生を得る

命を意識しない事で死の予感を知る事ができる
相手の攻めるべき点が自分の事のようにわかるようになる
冷徹に死の匂いをかぎ相手に与える

死地の生を使い敵のボスの下へ向かう
街中だ、身を屈め遮蔽になるものを使い死角と意識の外に身を置き
密やかに疾く歩を進め
体の捌きで攻撃をかいくぐり
ボスの居場所を目指す

ボスを見つけたら名を名乗り斬りかかる
初太刀が全て
殺気で相手を呑んでねじ伏せに行く
身を屈め一足飛びに近づき
一撃で仕留める覚悟で居合抜きで心臓を切り捨てようとする

「悪いがお前など知らぬがこの街のため
斬る」


須野元・参三
接近してぶっ飛ばせば良いのだろ?ならば簡単だよ
この冷静な気品の私が華麗に雑兵を突破してキャンドルサービスメイカーを攻撃しようじゃないか!
『溢れる気品力(オーバーフロー・エレガンス)』で優雅なステップを踏みながら、溢れる気品の輝きを振りまきながら
雑兵を無視してキャンドルサービスメイカーの目の前まで移動する
ギリギリまで接近したら溢れる気品力を解いて『だまし討ち』攻撃するぞ
反撃されそうになったら『第六感』『見切り』で溢れる気品力を使ってダメージから逃れる
気品って痛いの嫌いなんだよね
(アドリブはお好み歓迎)


ナギ・ヌドゥー
この季節にサンタクロース……あわてんぼうってレベルじゃないのでは?
プレゼントくれるならこのサンタの命でいいぞ

真っすぐ走って躱して斬る
シンプルイズベスト

【オーラ防御】常時使用
【第六感・野生の勘】で攻撃【見切り】
UC「オーバードース・トランス」発動
超スピード&反応で雑兵をかわし
ボスを【毒使い】毒を塗った刃で【部位破壊】

この蝋スライムは毒も喰らえるのかい?
丸ごと放り込んでみよう!



「ようお姉さん、クリスマスというには気が早すぎるぜ? 周りの奴らも蝋燭もまとめて、躯の海にいったん返品しないとなッ!」
 星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は、そう言いながらその手に持っている超宇宙牽引ワイヤーをパチンと鳴らす。しなやかに動く牽引ワイヤーはまるでムチのように。振り回すワイヤーは切れ味鋭く、鋭利に輝くその刃が切り裂いていく。
「ふむ…… ここが戦場ならそれで十分。死の中において死そのものになり生を得る……」
 樫倉・巽(雪下の志・f04347)は、その刃を持ちこの街を駆け抜けていく。街にはその身を隠す物がたくさん存在しているから、ミニサンタ等を回避するのは十分すぎる。まぁ、その多くはさっきこの大地に沈んだのだが。
「よーし、思う存分すり抜けてやるー!」
 22.2cmの小さい身長を生かし、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)がその大地を蹴る。その小ささと残像が残るレベルのスピードが相まって視認することすら困難にさせる。
「ふっ、接近してぶっ飛ばせば良いのだろ?ならば簡単だよ」
 須野元・参三(気品の聖者・f04540)も、トナカイやミニサンタの襲撃をその華麗なフットワークで回避している。戦闘行為以外に没頭さえしていればその気品で完全に回避することが可能である。その気品溢れるステップは一瞬の間に回避を可能にする。
 一体のミニサンタが、参三に襲いかかる……が。
 ひらり。
 こんな擬音が似合うような回避をするのだが、その回避した先にいるのは、まさかのアステール。
「危ないっ!」
 そんな声が聞こえた気がした。ミニサンタが、アステールに向かってツッコんでくる。
『決まったー! ナイススライディング!』
 思わずこんな実況が流れてきそうなスライディングが決まる。それはまるでサッカー選手のように。むしろ、サッカー選手でもこんな綺麗にスライディングが決まる選手は少ないかも知れない。なお、身長的に考えてサッカーボールの方が近いのだが。
「こんなことも出来るんだからね!」
 そう言うと、目の前にいたトナカイとミニサンタがふらふらとその歩みを始め、二人はその頭をぶつけあう。それはまさに念動力。これで、大半の雑兵は対処できたであろう。
「……行くぞ」
 ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は、その刃を握りしめ、キャンドルサービスメイカーへと突貫。過剰に何かをドーピングしたらしくその身はトランス。急加速でツッコんでくるナギに、キャンドルサービスメイカーは混乱しつつもギリギリのタイミングでドロドロ蝋スライムをそこに投げ込む。
「見切った……!」
 投げ込まれたスライムはその刃の餌食となる。しかし、スライムはすぐに元の形状に戻る……と思われていたが。
「毒は効いたか……」
 ナギはそうつぶやく。その刃に仕込まれていた毒はスライムの復活を阻止し、ただただ切り捨てられる。
「もー、みんなせっかちだなぁ!」
 キャンドルサービスメイカーも若干ご立腹である。
「やるならやるって言って欲ぐふぁ!」
 次の台詞を最後まで言い切れることも無く、その右頬に拳が突きつけられる。その拳の主は参三。そのあふれ出す気品力を一瞬解除することでだまし討ち、である。綺麗に決まった右フックは、その口から血を吐かせる。
「なにすんのよー!」
 そう言いながら、後ろの袋からスライムを掴んでは投げ、掴んでは投げ、を繰り返す……が、なぜかその攻撃は当たらない。これも、そのあふれ出す気品力のおかげである。気品力すげえ。
「気品って、痛いの嫌いなんだよねー」
 参三が、そう言ったのを聞き逃さなかった。

「スライムの攻撃は満足できる答え、つまりアイドルとして褒め称える言葉が返ってこない限り無敵みたいなもんだよな……」
 ヒカルは、一人悩んでいた。超宇宙番長である自分が、女の子におべっか言って不意打ちをしても良いのだろうか。卑怯じゃ無いのか。そう悩んでいたが。
「姿を見せろ、ガントバス!ふふふ、ここから先の超宇宙番長は、一味違うぜぇーッ!」
 その身体能力を一気に上げて、突貫。コレがヒカルの出した結論であった。しかし、それだけでは無かった。
「氷属性のあたし、登場! ごきげんよう、冬を届けに来たぞー!」
 一足先にキャンドルサービスメイカーの元に届いていたアステールが、氷属性の“自分”を呼び出す。氷属性でその袋の中を急激に冷却することで、その蝋を固めてしまう。完全な固体になることは難しくても、少なくとも粘度は上がるため、その動きは緩慢になる。
「ふふふ、ミニスカもあっつい蝋の近くなら平気だったかもしれないが! 冷気の中ではどうかな!?」
 少しずつ温度が下がっていく周辺に対して少しずつ震えが現れる。キャンドルサービスメイカー自身の動きも止まってしまう。
「よっしゃ行けー!」
 そこに飛び込んでくるのは、ヒカルのドロップキック。飛び込んで来たその足はキャンドルサービスメイカーの左頬に綺麗に入っていく。
「タイマンはまっすぐ正面から。それがおれの流儀なんだよなぁーッ!」
 クリティカルヒットに入ったその一撃にヒカルは満足げである。
 
「ぐぬぬ…… 馬鹿にしてくれやがって!」
 ふらふらになりながらもキャンドルサービスメイカーは立ち上がる。その口調には、自称アイドルとかそういうのを忘れてしまっている。
「……俺は樫倉巽。悪いがお前など知らぬがこの街のため。……斬る」
 目の前にいる殺気を放出するキャンドルサービスメイカーに対し、静かながらもそれ以上の殺気で現場を飲み込む。その足を一瞬曲げ、伸ばすと同時にその身は殺意と共に飛び出して行く。
「くそくそくそくそぉ!」
 急激に迫ってくる殺意に対し、本性を露わにしつつその袋からスライムを出そうとする。しかし、先ほどの冷気で固まり始めている中の蝋はスライムとして活動できるほどでは無く、ただその袋は空を切る。
「くそぉー!」
 樫倉の一太刀は、その心臓を一撃で切り捨てる。最後のその断末魔を聞くと同時、この場にひとときの平和が訪れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年11月11日
宿敵 『蝋燭サンタ『キャンドルサービスメイカー』』 を撃破!


挿絵イラスト