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巨大もっふりうさぎの落とし穴

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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●怪奇、巨大な落とし穴
 ずるり。
            どさり。
 旅館のそばに掘られた巨大な落とし穴に足を滑らせ、落ちていく。
 その深さは、そう、高層ビルヂングほどだ。こんな穴に落ちてしまえばひとたまりもないのだ。

 謎の人物「T」よりの招待状がばらまかれた。
 近くの山から神様のお使いのうさぎが訪れると言う旅館への宿泊招待だ。一泊二日、旅費も宿泊料金もすべて支払い済み。メインのイベントは枕投げ大会。
 宿にさえ行けば美味しい山の幸に近くの海の幸を楽しみ、温泉に浸かり、羽毛でふかふかな枕投げもし放題。探せばそばがら枕もあるだろう。
 そんな招待だが、行けば落とし穴に落ちて殺されてしまう、という予知がされた。
 故に招待所は回収され、その日宿へと行くことを禁じ、事件解決めでたしめでたし。

 といかないのが猟兵業である。

●枕投げに興味はありませんか
「えー……枕投げ、楽しんだあとー……ちょっと落とし穴に落ちて、死んできてくれませんかー……」
 もちろん、ふりですがー、などと物騒なことを言う寧宮・澪(澪標・f04690)。
 何事か、と問えば、影朧の起こす事件があるのでそれに対処してほしいと言う。
 サクラミラージュのとある旅館で、枕投げ大会なるものが開催される。それを存分に楽しんだ後、旅館の周りを散策する、帰ろうとするなど、外に出ると落とし穴に落ちてしまう、という事件が起こる。
「で、それは影朧のしでかしてることなのでー……できたら、落ちてくださいー……」
 落とし穴の高さは高層ビルほどの高さである。底まで何もせずに落ちることはない、途中に引っかかったり、飛んだり、仮初の体で穴にひっかかってもいいのだ。
 重要なのは、枕投げを堪能し、更に落とし穴にかかって死んだふりをすることである。枕投げで騒がないと影朧が姿を表さず、罠にかかってくれないと旅館に近づいても去っていってしまい、今回倒すことができないのだ。
「穴を掘った影朧、サクラモフウサギの超巨大な個体、なんですがー……落ちたものや、死体の確認までは、しませんのでー……」
 故にいかにも死にそうに落ちて、しばし身を潜めてくれたらいい。
 無事皆が罠にかかったと判断したら、影朧はその巨体を旅館側の開けた場所に現れる。そこを倒してほしいのだ。
「えーと、人語を話しませんし、理解できるか不明ですがー……まあ、大丈夫でしょー……」
 転生の輪に戻れるかは微妙だが、説得はおまかせする。とりあえずこれ以上の被害が出ないよう、しっかりお仕置きしてほしい。
「ええと、まー……気楽に楽しんできてください、ねー……」
 そう言うと、招待状を配りながら、澪は道を紡ぐのだった。


霧野
 うもれたいもふもふ。
 よろしくお願いします。霧野です。

●シナリオについて
 旅館で枕投げを楽しんだあと、落とし穴に落ちて、現れた影朧にめってする。
 そんなシナリオです。

 一章:優雅にエキセントリックに枕投げ楽しんでください。
 「一癖も二癖もありそうな人物像」に本能的にひかれる個体の影朧なので、そんな感じに演じるとボーナスがあります。
 演じなくても楽しく枕投げしてください。
 日常です。
 二章:旅館を出るとそこかしこに設置されている落とし穴に引っかかってください。
 本当に死なない工夫にはボーナスが、派手に血しぶきを上げる、ダイイングメッセージを残すなど見事な死に際には大きなボーナスがあります。
 冒険です。
 三章:無事現れた影朧を何となく説得しながら倒してください。桜の精がいらっしゃらないときには、帝都桜學府から桜の精が派遣されます。
 ボス戦です。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
 グループ参加を希望の場合は【グループ名】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 割とアドリブ入れることがあります。
 以下の記号を文頭に入れていただければ、絡まなかったり、アドリブ入れなかったりさせていただきます。
 ◎ アドリブ・絡み歓迎。
 △ アドリブ歓迎・絡みNG。
 × アドリブNG・絡みNG。
 〆 負傷OK。
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第1章 日常 『旅館で枕投げ』

POW   :    大胆に大振りで投げる

SPD   :    素早く連続で投げる

WIZ   :    狡猾に立ち回って投げる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 おいしいごはんにお風呂も楽しみ、準備万端。
 会場は大きな広間を襖を取り外し、壊れ物もすべて片付け、思いっきり騒いでも大丈夫なように設えてあった。
 そこには無数の枕たち。部屋いっぱいに詰め込まれている。
 柔らかな羽毛枕が9割、ちょっぴりそばがらの枕も混じっている。
 疲れたり休みたければすぐに寝れるよう布団も敷かれていた。
 他のお客もいないことだし、目一杯楽しむことにする猟兵達。
 今ここに、枕投げ大会が始まる。
 
ビリー・ライジング

ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動

兄妹で私立探偵をやっており、行動型の探偵役。
今日は久々に休暇を取り、旅館にやってきたのだ。
「枕投げ大会か……面白そうだな、出てみるか?」

ミリィに対しては、
助手の癖に生意気な点を発言しながら、枕を思いっきり投げる。
「助手のくせしてなんで、いつもお前が事件を解決させるんだ!」
「うるせぇ! これでも浮気調査とか、猫探しとか真剣にやってるんだ!」

最終的にもはや枕投げ関係なく、枕で殴り合い。
「この助手気取りの安楽椅子探偵女郎がぁ!」


ミリィ・ライジング

ビリー・ライジング(f05930)と共に行動

兄妹で私立探偵をやっており、探偵役の助手……
だが本当は探偵役の調査を元に事件を解き明かす、安楽椅子型の探偵役。
兄が休暇を取って、一緒に旅館へ向かう事に。
「いいね。枕投げなんて、なかなかやらないからね」

ビリーに対しては、迷探偵な点を発言しながら、
その場にある枕を掴んでは、素早く投げていく。
「証拠も状況もちゃんと考えればすぐ分かるのに、分からないお兄ちゃんが悪いんだよ!」
「そんな事言って、上手く行ってるの猫探しだけじゃないの!」

最終的には枕投げ関係なく、そばがら枕でビリーと殴り合う。
「何よ、この硬派気取りの半人前探偵ーッ!」




 ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)とミリィ・ライジング(f05963)は私立探偵を営む双子の兄妹である。二人は久々に探偵業を休み、旅館へとやってきた。
 行動派の探偵の兄に、頭脳派の助手の妹。兄は足で証拠を集め、妹は集まった手がかりから推理するのが得意である。バランスのいい兄妹と言えるだろう。
 おいしい食事にゆったりと温泉を堪能した後、二人で館内を散歩してみると「枕投げ大会会場はこちら」と書かれた矢印付きの看板を発見する。
 二人で立ち止まって看板を眺め、ビリーが面白そうに言った。
「枕投げ大会か……面白そうだな、出てみるか?」
「いいね。枕投げなんて、なかなかやらないからね」
 普通だったら怒られるだろう枕投げを盛大にできるのだ、これはやってみるしかないだろう。
 二人で会場の広間に行ってみると、そこには枕の山があった。隅の方には布団も並べられていて、そのまま眠れるようにもなっている。すでに投げあっている者たちもおり、ぽんぽん枕が飛び交っている。
 早速ビリーとミリィも枕投げを始めた。
 最初は軽くふんわりと、お互い手加減しながら投げあっていた。だんだん熱が入ってきて枕を投げる勢いがついていく。そのうちに普段の鬱憤をぶつけるように投げ始めた。
「助手のくせしてなんで、いつもお前が事件を解決させるんだ!」
 ぼふっとミリィの頭に枕が飛んでいく。
「証拠も状況もちゃんと考えればすぐ分かるのに、分からないお兄ちゃんが悪いんだよ!」
 ぼふんばふんとビリーの顔面に羽毛枕が飛んでいく。
「うるせぇ! これでも浮気調査とか、猫探しとか真剣にやってるんだ!」
 払い除けつつビリーの思いっきり投げた枕が一直線にミリィに当たる。
「そんな事言って、上手く行ってるの猫探しだけじゃないの!」
 ミリーも負けずに辺りに飛び交う枕をキャッチしてぽいぽいぽい、と息つく間もなくビリーへと投げ返す。
「生意気な助手気取りが!」
「名探偵じゃなくて迷探偵じゃない!」
 数度投げ合いをして肩で息をする二人。しかしどちらも闘志は衰えていない。
 ビリーは手近に転がってきたそばがら枕を手にとってミリィに殴りかかる。
「この助手気取りの安楽椅子探偵女郎がぁ!」
 べちん、と一発腕に受けながらもミリィも飛んできたそばがら枕をキャッチしてビリーの肩に叩きつける。
「何よ、この硬派気取りの半人前探偵ーッ!」
 もはや枕投げなど関係ない。別の戦いの火蓋が切って落とされた。
 普段仲のいい双子の兄妹は、生意気な助手だ、迷探偵だ、などと互いの気に入らないところを言い合いながら、同時にノックアウトするまでそばがら枕で殴り合うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿


桜花(f22716)と一緒に!

そうそう!枕投げ大会!
今日はお宿でおいしい料理🍱と温泉♨️で体調はバッチリ!
桜花もやる気みたいだし、がんばって優勝しよう!
枕投げ!そういえば、ルールって有ったっけ?
まぁ、気にしなくていいよね?中に石詰めるのはダメっていうのさえ抑えておけば、あとは全力でぶつければ万事オッケーだよね!

枕の飛び交う戦場で桜花がピンチだ!
桜花!これを使おう!(ばさーっとお布団防護壁を渡して)
よーし!息の合った学生パワー見せつけちゃおう!

桜花が守ってくれてるから、ぼくは投げたい放題やりたい放題できるね!

【その後に】
枕投げ大会が終わったら、楽しい1日と良き友人におやすみを。


千束・桜花

鈴鹿殿(f23254)と一緒に参ります!

ふっふっふ、聞きましたよ、枕投げ大会だそうですねっ!
喧嘩・祭りとあらば浅草産まれ浅草育ちの私にお任せください!
どんな激しい大会でも必ず勝ち抜いて見せますよ!
えっ、もしかして……勝ち負けとか無いですか……?

まあいいでしょう! 全力でやることには違いないのですから!
枕は当たってもあんまり痛くないでしょうから、どんどん前に出ていきますよ!
むむっ、怪我するほどじゃないですけど、わぷっ、思ったよりは痛いですね……!
けど、鈴鹿殿には当てさせませんから!
むーーーん學生パワー!
鈴鹿殿に頂いたお布団をマントのように巻けば……天下無敵です!




「ふっふっふ、聞きましたよ、枕投げ大会だそうですねっ!」
「そうそう! 枕投げ大会!」
 国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)と千束・桜花(浪漫櫻の咲く頃に・f22716)の學生コンビは意気揚々と大会会場へ現れる。やる気に満ち溢れており、大変楽しそうだ。
「おいしい料理と温泉で体調はバッチリ! がんばって優勝しよう!」
「はい、喧嘩・祭りとあらば浅草産まれ浅草育ちの私にお任せください! どんな激しい大会でも必ず勝ち抜いて見せますよ!」
 そんな意気込みを語りながらも、鈴鹿と桜花は首を傾げ、招待状の文面を思い返す。
「そういえば、ルールって有ったっけ?」
 今回の大会、と銘を打たれた催しだが、詳細なルールは決まっていないようで招待状にも何も書いていなかった。では枕を投げる、という以外のルールがあるかと考えるが答えは出てこない。
「えっ、もしかして……勝ち負けとか無いですか……?」
「ないね! まぁ、気にしなくていいよね?」
「まあいいでしょう! 全力でやることには違いないのですから!」
「中に石詰めるのはダメっていうのさえ抑えておけば、あとは全力でぶつければ万事オッケーだよね!」
「はい! 頑張りましょう!」
 実際、UDCアースにはスポーツ競技としての枕投げもあるが、今回はとにかく好きなように、ある程度安全に投げればいい感じだ。故に勝敗も順位付けもない。仲間内で勝敗を決めるため、ルールを設けて行うグループもあるが、大会全体では楽しんだもの勝ちである。
 なので二人の姿勢は正しい。
 桜花は早速前に出て、枕を拾っては鈴鹿に渡したり、他の参加者に投げ返していく。その間にぽふぽふと飛んでくる枕に当たると、意外に衝撃が伝わってきて少し痛い。
「むむっ、怪我するほどじゃないですけど、わぷっ、思ったよりは痛いですね……!」
 顔で受け止めてしまって歩みの止まる桜花。軽い羽毛枕であっても、飛んでくる勢いや、ぶつかる箇所によってはより大きな衝撃が襲ってくる。
 そんな桜花のピンチに鈴鹿が声をかけた。
「桜花! これを使おう!」
 鈴鹿がばさーっと広げたのは、会場に広げられていたお布団。ぱっと滑ってきたお布団をキャッチしてくるりとマントのように巻けば、枕の当たる衝撃が和らぐ。
「これは……いけます! 鈴鹿殿には当てさせませんから!」
 気分は天下無敵の英傑だ、桜花は鈴鹿に当たらぬようお布団マントで枕をいなし、それを後方の鈴鹿へパス。受け取った鈴鹿は桜花のマントの影から上に下にと枕の弾を投げていく。
「よーし!息の合った学生パワー見せつけちゃおう!」
「むーーーん學生パワー!」
 桜花が布団マントで前に出て、飛んでくる枕をぽふぽふぽふんと受け止める。その後ろから鈴鹿がぽいぽいぽぽいと枕を投げたい放題やりたい放題、砲撃手を努め。まさに息のあった學生パワァ全開ではしゃぐ二人であった。

 夜も更けて大会が終われば会場で倒れ込むもの、お風呂にもう一度いくもの、部屋に戻るものと様々だ。
 たっぷりはしゃいだ鈴鹿と桜花は割り当てられた部屋へと戻り、用意されたお布団へと潜り込む。
 楽しかった一日に興奮して目が冴えるような心地でおしゃべりしていたが、いつしか言葉少なくなり、まぶたも重くなっていく。
「おやすみー……」
「おやすみ、なさい……」
 二人、どちらともなく楽しかった一日に、良き友人に、おやすみを告げて、夢の世界へと旅立つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
◎【POW】
枕投げと聞いたらやるしかないじゃないですか。
本来ならば、メガネに枕が当たると困るし、飛び道具は念動力やスマートグラスで避けるんですが、今回はそんな無粋なことはしません。

【第六感】【先制攻撃】【衝撃波】で勝負します。
力を込めて、一撃で沈めるよう、大きく振りかぶって投げます。
枕は重い そばがら一択です。

キャラ付けはやたらと運だけはいい人って、ことにします。


月宵・真白
「ふふふ、どこからでもかかってくるがいいー」
酒をぐびっと飲みつつ不敵に笑い、挑発する。

酔拳特有のフラフラした動きで相手を惑わしつつ見切り技能で枕を回避して、カウンターを狙うぞ。
スライディング技能と背が小さいのを活かして、床を滑るようにして移動回避したり、かと思えばスカイステッパーで空中を移動して避けたりと、変幻自在かつ縦横無尽に立ち回るのだ。
「いやぁ、猟兵の皆ってパワーもスピードもとんでもない連中多いしねー。おねーさん弱いから狡賢く立ち回らないと勝てないのよー」

死んだふりからの奇襲とか、あと男が相手の時は胸とか太ももとかチラリと見せて集中力を奪う作戦もあり。




「枕投げと聞いたらやるしかないじゃないですか」
 ふんすとやる気たっぷりに会場入りをしたのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。
 本来は視力矯正兼大事な武装である眼鏡・ガリレオに枕が当たるのは困る。飛び道具だってそのガリレオの予測演算や、念動力で避けていくスタイルだ。
 けれど今回はそんな無粋なことはせず、己が身体能力で勝負するつもりであった。
「ふふふ、どこからでもかかってくるがいいー」
 徳利に詰めた酒をぐびっと飲みつつ不敵に笑い、挑発するのは月宵・真白(酔っ払い合法ロリ・f17641)。
 実際に酒を飲んで酔っ払うことをトリガーとして強化するタイプで、実際に酔っぱらった上での予測不能な動きを今もしている。
 たまたま同じくらいに会場に入り、たまたまそばに陣取った、辛党眼鏡少女とちっちゃい酔っ払いエルフの枕合戦が今ここに開幕する。
「せいっ」
 先制攻撃は摩那からだった。いくつもある枕の中から的確にそばがら枕を選んで拾い、手近にいた真白へと大きく振りかぶって投げつける。上段から降ってくる枕には十分に勢いが乗っており、ぶつかれば一撃で沈むだろう。おまけになんだか衝撃波までまとっている感じだ。
「ふふー」
 真白はふらりゆらり、体をひねって豪速枕を避ける。後ろにいた名も無き猟兵がぶつかって倒れていた。
 摩那はその間にもそばがら枕だけを選んで拾い、衝撃波めいたものをまとわせながら枕を投げていき、当てた相手を一撃で沈めていった。彼女に飛んできた枕は第六感に逆らわず、防御したりひょいひょいと避けていく。
 対する真白は小さな体を活かしてスライディングして飛び交う枕を避け、そしてそばにあった羽毛枕を拾い上げた。そのままぴょんと床を蹴って跳び上がり、更にスカイステップを踏んで上からカウンターの枕投げを披露していく。若い男性の猟兵には、ちらりと胸元や太ももを見せて、油断したところに顔面に枕を叩き込む芸も見せてきた。
「えい!」
「ぎゃー」
 その最中そばがら枕の一撃が真白を襲った。十分に重たい枕をぶつけられて、そのままぱたりと床に沈む真白。
 それを確認した摩那がまた別の標的と枕を探して真白に背を向けたとき、摩那の第六感が何かを察知する。
 そのまま素早くしゃがめば、後ろから飛んできた枕が頭があった位置を通り過ぎた。
 振り返れば先程倒れていた真白が起き上がって、枕を投げて来ている。
「なるほど、死んだふりですか」
「いやぁ、猟兵の皆ってパワーもスピードもとんでもない連中多いしねー。おねーさん弱いから狡賢く立ち回らないと勝てないのよー」
 けらけらと笑って見せて宙を蹴り、縦横無尽に空間を跳びはねて枕を投げる真白。
 腕で防御したり、回避しながらそばがら枕のみを選んで豪速球で投げつける摩那。
 その二人の周りにいた猟兵達は。沈んだり避難したり休憩したりする中で、盛り上がって行く二人の戦いは苛烈に続いていき。深夜、どちらもが枕を投げ疲れて倒れるまで続いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
f04762アニカと同行

エキセントリック!枕投げっ
羅刹の本領発揮ですね…!
アニカと対決してみます。ここで会ったが100年目…(そんな生きてないけど)
たすき掛けしつつ、目キラーンです。
大丈夫、顔は狙いません。ちゃんと避けてね?
アニカは体術使うから上手くやってくれると信じたい気持ちと、シャルの腕力を秤にかけてしまいますね……
とはいえ、シャルはノーコンだからね?
いっくぞー、必殺ーぅ!アンダースローアイクラッシュ&ヘッドショット!
(叫びながら)(下から投げつつ目潰し効果&残像を使ってもう一個持った枕を後頭部に投げつけつつ横腹をくすぐろうとする)
華麗に決めてみせる!
と、うわぁ羽毛に埋もれる!あははやば!


アニカ・エドフェルト
【〆、シャル(f01440)と同行、アドリブ歓迎、絡みはシャルとのみ可】

遊びだとしても、手を抜く理由は、ありませんね。
…100年は、生きていませんが、全力で、いっちゃいますっ

というわけで、〈クイックドロウ〉〈先制攻撃〉、ですっ
〈乱れ撃ち〉も、重ねちゃい、ましょうっ

(一通り投げ終わった後一休み)
はぁ、はぁ…どう、ですかっ…えっ?
ぐふっあぐっあっちょっやめ…ひゃっきゃはははーー!?
(全弾喰らってる)
ひゃ、ひゃ…えーいっ(一瞬力が抜けるがなんとか持ち直しシャルを布団に投げ飛ばそうと)
…よくも、やって、くれましたね、おかえし、ですっ
(上に乗ってくすぐり返ししようと、枕も叩きつけようとしたり以降お任せ)




「エキセントリック!枕投げっ」
 そんな感じでうきうきしているのが清川・シャル(無銘・f01440)。羅刹の本領発揮と言わんばかりにやる気満々、浴衣の袖をたすき掛けして準備している。
「遊びだとしても、手を抜く理由は、ありませんね」
 きりりっと拳を握って立つのはアニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)。側にある枕をぽふぽふ叩いたり、感触を確かめてみている。
 そう、ここは枕投げ大会の会場。ならばやることはただ一つ、枕投げだ。
「ここで会ったが100年目……」
「……100年は、生きていませんが、全力で、いっちゃいますっ」
 お互いそんな長く生きていないけれど、そこはそれ。お約束のセリフを言いつつ二人向かい合い。じりじりと枕を抱えて互いの出方を伺っている。
 先に動いたのはアニカだ。
「先制攻撃、ですっ」
「きゃー、枕がいっぱい!」
 アニカは素早く辺りに転がる羽毛枕をひっつかんでは投げ、ひっつかんでは投げ、乱れ撃ちで枕をぽいぽぽいと先制攻撃。シャルに向かって枕がたくさん飛んでいく。
 そんな感じで、ぽふぽふと当たる枕をキャッチしたり当たったりしながらシャルは笑う。
 ぽいぽいと辺りの枕を投げ尽くして、アニカは息を切らせて一休み。
「はぁ、はぁ……どう、ですかっ……えっ?」
 そこには羅刹ゆえの余裕だろうか、全くダメージを負っていなさそうなシャルの姿があった。彼女はアニカの投げた枕を二つ拾いあげ。
「大丈夫、顔は狙いません。ちゃんと避けてね?」
 アニカの体術に対する信頼と、自分自身のノーコンさと腕力を秤にかけてちょっと悩みながらも。
「いっくぞー、必殺ーぅ! アンダースローアイクラッシュ&ヘッドショット!」
 キラーンと目を光らせ、のりのりで必殺技の名前を叫び、下から枕をぶぅんとアニカの体めがけて投げる。そして残像を残しながらアニカの背後に回り込んでもう一個の枕を後頭部に投げつけた。
 全力の力で振るったシャルの手から離れた枕は歪な軌道を描く。アニカ体に向かったはずの枕は足元に、後頭部へ投げた枕は頭の真上に飛んで落ちてくる。
 アニカは脇から伸びてきたシャルの手に脇腹をくすぐられ、それらを避けることもできず。
「華麗に決めてみせる!」
「ぐふっあぐっあっちょっやめ……ひゃっきゃはははーー!?」
 シャル的に華麗にこちょこちょこちょとアニカをくすぐる。勢いのままに布団の上に二人転がってくすぐりくすぐられ。しばし笑い声を響かせて二人で転がる。
「ひゃ、ひゃ……えーいっ」
「ひゃあ!」
 アニカは力が抜けかけたところを気合を入れてシャルの首根っこを掴んで、ぽーんとお布団の上に投げ飛ばした。
 そしてお返しとばかりにシャルに馬乗りになって枕をぽふぽふと叩きつける。
「……よくも、やって、くれましたね、おかえし、ですっ」
「うわぁ羽毛に埋もれる! あははやば!」
 ぱふん、ふあふあと飛び散る羽毛。枕で思う存分ぽふぽふしたあとは、こしょこしょとくすぐりやり返し。耐えきれなくなったシャルにまたぽーいと跳ね除けられて、二人追いかけ合いながら枕を投げあう。
 そんな感じにきゃーきゃー言いながら目一杯ふっかふかのお布団の上、枕投げを楽しんだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・サキ
◎ アドリブ・絡み歓迎。

個人的に最大の目的だった、美味しい山の幸、海の幸をしっかり堪能しすぎて満足してしまい、隅っこで、のんびりうとうと
んー……枕投げ……枕投げ、かぁ
なんとなーく、近くの枕を幾つか取って、お手玉みたいなことをしようとして……不器用なサキに出来るわけが無く……あらぬ方向に飛んでいく枕
あれー……?
手元から消えた枕にきょとん、とした後、近くの枕を取って挑戦を繰り返して、枕が何処かへ飛ぶ
眠気のある頭では、消えた枕の行方は気にならない様子
もちろん狙いなんてつけてないので、枕がどうなってるかは不明

最終的には、誰かの枕が当たった衝撃で、お布団へダイブ……そのまま、眠気に負けてすやすや


ラキス・ギオ
◎ アドリブ・絡み歓迎
POWの大胆に大振りで投げるで挑戦

羽毛枕を抱えるようにして感触を堪能
「凄く大きくて、もふもふ枕!ボクの顔が全部埋まってしまいそう・・・」
「はっ!?このもふもふをおすそ分けすればみんな幸せ!」

枕を投げるというより、枕を抱えたまま相手の顔を枕でもふりに
「必殺、もふもふアタック!」
「もふもふもふ・・・」

柔らかな羽毛枕を抱きかかえてふと思案
桜の枝で穴が開かないようにだけ注意?
他に角などがある人がいたら楽しみながらもさりげなく声をかけてみたり
「あはは・・・ボクの枝が当たったら枕に穴が開いちゃいますね」

最後は顔に直撃した羽毛枕のもふもふに耐え切れず、
そのまま枕を抱きしめながらすやすや


楼・静鳳
アドリブ・絡み歓迎
※記憶も朧な人の形得て数歳のヤドリガミ、感情がよくわからない

なるほど
これがひとの旅行なるものの醍醐味なのだね(PL注:大誤味)
枕を武器にする競技か、わかった
しかし枕が通常想定する使用法とは違うのではないだろうか
大変驚かれるのではないかと思う
「枕殿、すまない。なるべく穏便に使うゆえ、許してくれ」
手にする枕達に礼を失さず戦うとしよう
この場でUCは…有用なのか?
俺のこの技は枕の攻撃回数も数倍に出来そうではある、試してみよう
その代償だが流石に娯楽競技で寿命を失う訳にはいかないだろう、己が身を叩いておく
「うん、枕の攻撃というのは、中々に重い」
まぁ敵味方互いに『猟兵』だ
遠慮も要らぬだろう




 たっぷりと豊富な山の幸。今朝届けられたばかりの海の幸。天ぷらに煮付け、和物鍋物焼物。最後のデザートまでしっかり堪能してお腹は満たん。すると自然とまぶたも重くなっていく。
 故に、夏目・サキ(舞い散る桜の夢・f10909)は、会場の隅っこ、お布団の上でうとうとと心地よい気持ちでのんびりしていた。
 その傍らには、頭に咲いた桜の枝を突き当てないように気をつけつつも、ふかふかな大きな羽毛枕に顔全てを埋めるように抱え込んでもふもふしているラキス・ギオ(桜の精のビーストマスター・f23298)もいる。
 ふかふかで、日干しもされたのか嫌な臭いもせず、ふんわりとラキスの頭を受け止めて、心地良い感触だけを返してくる。
「凄く大きくて、もふもふ枕!ボクの顔が全部埋まってしまいそう……」
 その感触はとても幸せな感じで、これに埋もれるのは絶対に幸せだ。ラキスはほんわかした気分でふかふかの枕を抱えながら、微睡みの中で閃いた。
「はっ!?このもふもふをおすそ分けすればみんな幸せ!」
 そうだ、そうに違いない。こんなにもふもふなのだ、きっと誰もがその幸せな感触を味わったら幸せだろう。だからラキスは皆を幸せにするために、枕を抱えて立ち上がる。
 その側でぽふぽふと枕の感触、重さを確かめる青年。ふかふかに詰められた羽毛がふんわりと手を受け止めて心地よい弾力を返してくる。さらりとした枕カバーが肌に当たる感触も気持ち良い。
「なるほど。これがひとの旅行なるものの醍醐味なのだね」
 大誤味かもしれない、と天からの声が聞こえる気がするがさておき。楼・静鳳(紫炎花燈・f18502)は辺りの猟兵の姿を見渡した。ひょいぽいぽーんと投げられ飛んでいく枕達、それを受けたりぶつかったりしていく猟兵達。そう、静鳳は理解した。
「枕を武器にする競技か、わかった」
 しかし、それはもしかすると、ととある気持ちがよぎる。
(しかし枕が通常想定する使用法とは違うのではないだろうか。枕殿からしたら急に投げられぶつけられる。大変驚かれるのではないか)
 故に静鳳は手にした枕へと頭を下げた。礼を失することのないように戦うのだ。
「枕殿、すまない。なるべく穏便に使うゆえ、許してくれ」
 そんな感じに礼をして、静鳳は辺りの枕投げ合戦に参戦していった。
(この場でUCは……有用なのか?)
 辺りを見れば飛び交う枕の一部がありえない動きをしている。旅館を破壊しなければ大丈夫だろうと静鳳は判断した。故に彼もその力を振るうべく、辺りに花吹雪の幻を生み出した。
「はっ!」
 ひらりきらりと輝く花吹雪が舞っている最中、静鳳は枕を投げた。ぽぽぽぽぽぽぽぽぽと九つの枕が現れ、うち八つが辺りへと飛び交っていき、猟兵へと攻撃を仕掛けていた。
 残った一つはぽふんと静鳳自身に当たってくる。
「うん、枕の攻撃というのは、中々に重い」
 ふかふかの枕といえども勢いついて当たってくればやはり重い。枕殿が驚かぬよう、ほどほどに飛ばすのがいいだろうが──。
「まぁ敵味方互いに『猟兵』だ。遠慮も要らぬだろう」
 これが楽しい、なのだろうかと湧き上がる感情を楽しみながら、静鳳は辺りの猟兵へと枕を飛ばし続けた。

 さて、のんびりしていたサキはふっと飛び交う枕を見ながら呟く。
「んー……枕投げ……枕投げ、かぁ」
 ずりずりと手近にあった枕を二つほど引き寄せて。ちょいちょい、と重さを確かめてからぽん、ぽん、と投げあげる。そう、サキの意識ではこのままくるくるお手玉のように枕が入れ替わっていくはずだった。
「あれー……?」
 しかし、不器用なサキにそれは難しかった。枕達はあらぬ方向へと飛んでいく。手元から消えた枕にきょとんとした顔になるサキ。
 その先には枕を抱えたラキスがいた。ぽふん、とへにょんとした軌道の枕がラキスの抱えた枕に当たる。
「あれ?」
 枕から顔を出してラキスは辺りを見回す。側にいるのは枕をお手玉しようとしてまたどこかに飛ばしていくサキの姿。
 とてとてと大きな枕を抱えたまま、ラキスはサキへと近づいていく。
 何度もお手玉をしようとしてあらぬ方向へと飛んでいく枕の行方は、眠気たっぷりのサキの頭には気にならない。もちろん狙いなんてついていないので、枕の行方はあちこちに飛びちらかっている。
 そんな感じで座ったまま枕を放っているサキの顔に、ふかふかの気持ちいい感触。
「必殺、もふもふアタック!」
 たくさんもふもふして、幸せを配りに来たラキスが、サキを思いっきり優しくもふもふしていた。
「もふもふもふ……」
「もふもふ……」
 桜の枝が刺さらないように気をつけながら、もふもふアタックをしつつ自分もふかふかの感触にうもれるラキス。
 もふもふアタックにうとうとを加速されてふんわかした心地に沈んでいくサキ。
 そんな二人の頭に、ぽふんぽふんと静鳳の投げた枕が降ってきた。その衝撃によりしっかりともふもふの枕に埋もれる二人。
「ふか……ふぁ……」
「すぅ……すぅ……」
 二人とも眠気に負けて、側にあったお布団に埋もれ。並んで近くの枕を抱きしめてすやすや眠りにつくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グラナト・ラガルティハ
【太陽と月と星】
三つ巴 パートナーマクベス

食事も温泉も確かに素晴らしかった。
このメンバーでの宿泊には若干不安があったが……何枕投げ?
枕を投げてぶつける遊び?
マクベスが楽しいいならそれでいいとは思うが…俺も参加するのか?

【オーラ防御】でとりあえず静観しつつ。
【かばう】でマクベスへの攻撃は受け止めて枕をマクベスへ。

…ちょっとまてマクベスそのUC(蕎麦殻枕が大量に現れそれに驚いてる隙に枕を思いっきりぶつけられそのまま反撃)

マクベスは…楽しかったか…そうか…
とりあえず枕を片付けるか。
(どう考えても最初より増えた枕を片付けつつ)


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【太陽と月と星】
宵とペア
枕投げか…よかろう
氷月と月待、お前らは今日こそ更生して貰うぞ!と枕を手に宣言を
宵、常通り背は任せよう。頼りにしている(キリッ)
マクベスとグラナトも厄介だがまずはあの更生対象二人から潰そうと枕を抱え地を駆けよう…!
迫る枕は聞き耳と第六感を駆使し早業で紙一重で避けつつ枕にて盾受け後投げられた枕をひっつかみ投げカウンターを試みる
ふ…当たり前だろう。お前達を更生する迄倒れられ…へぶっ

マクベスの枕に囲まれた際は手にした枕を構えなぎ払い【影渡り】にて宵の影から這い出ようと試みる
厄介な攻撃をしおって…と
…待て…何故枕が斯様にあるのだ!?邪魔で身が影から抜けん…!?
し、宵…手伝…!!?


逢坂・宵
【太陽と月と星】
ザッフィーロ君とペア

ま、枕投げ……
早くも戦乱の一端が開かれているような……?
え、あ、はい。背中はお任せくださいませ……?

氷月君と熱いバトルを繰り広げるザッフィーロ君に困惑した表情を向けつつ
「第六感」と「野生の勘」を駆使して飛んでくる枕の方角や数を察知
「見切り」にて回避に努め、回避できなければ「地形の利用」で周りの枕を盾にしつつ
落ちていた枕を「範囲攻撃」「2回攻撃」「一斉発射」し別のペアの誰かに「目潰し」を狙いましょう

ああ、ザッフィーロ君……お約束的展開を、と合掌していれば流れ弾で枕がスコーンと頭にクリーンヒット
……今当てた方、名乗り出てください。いい夢を見せて差し上げましょう


マクベス・メインクーン
【太陽と月と星】
グラナトさんとペアで三つ巴戦

枕投げだーっ!!
もちろんやるからには勝ちに行くからな!
4人ともオレがぶっ飛ばしてやるぜっ♪
後ろは任せたぜグラナトさん!

【先制攻撃】でまずはゆー兄ちゃん(楪)が相手だなっ
【フェイント】を駆使しながら猫型枕を投げていくぜ!
ゆー兄ちゃんとザッフィーロにはこれが1番効果的だからな♪
【野生の勘】で死角からの枕は回避しつつ
グラナトさんに当たりそうな枕は庇いに行くぜ

あ?グラナトさんを狙うとかオレに喧嘩売ってんだな?
なら望み通りやってやんぜっ!
UCを使用して全員纏めて【範囲攻撃】してやるよっ!

うん、枕投げめっちゃ楽しかった!!


氷月・望
【太陽と月と星】
三つ巴戦、楪とペア

きゃー、更生魔人がまた更生言ってるわー(棒読み挑発
マクベスとグラナトにも警戒必須だろうケド
アイツの顔面に一発枕叩きつけてぇしなァ?(ニタァと
ゆーくん、マクベス達は任せても大丈夫かな?

誰が更生対象だ、このクッ……ザッフィーロ!
枕を【フェイント】込みの【クイックドロウ】でブン投げる!
流石に、ぶっ!?……簡単にはやらせてくれねぇか

どうした、ゆーくん?
マクベスー?その枕、ドコか――ぎゃー!?
流石に量が多いってマジで!?こうなりゃ……!
(【念動力】のコントロールミス!枕が高速でグラナトの顔面へ!

事故だから許して、マクベ――
楪、ちょっとー!?逢坂、ソレは俺じゃないからな!


月待・楪
【太陽と月と星】
三つ巴戦、氷月とペア

うへぇ…おい、氷月お前のせーで妙な絡みかたされてんじゃねーかよ
宵さーん、適当に手綱握っといてくれよ、壁にするとかでいいし
おー、りょーかい
ま…合法的にグラナトさんの顔面にぶつけられるなら受けないワケねェだろ?

うっわ、なんだあの数…
ケド、甘いぞ猫助!
そこのザッフィーロさんほどちょろくねーよ!
【Cat'stail】と念動力で、俺とひづに飛んで来る枕をカウンター!
くらえ!!!グラナトのおっさん!!!

ってやべ、数が多くて狙いが…!(うっかり枕が宵へと)
…ヒッ………し、宵さん、望だ、それは望が当てた!
おれじゃない!




 近隣の自然の幸を使った食事も温泉も、素晴らしいものだった。
(このメンバーでの宿泊には若干不安があったが……)
 そう、よくも悪くも騒動を起こしがちなこの一団に多少の不安を抱いてもおかしくはない。けれどこのままなら穏やかに終わるだろう、そんなグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)の思いはあっさり砕かれた。
 皆に導かれるままいった会場の前にかかった案内には「枕投げ大会」の文字。
「枕投げだーっ!!」
「何、枕投げ? 枕を投げてぶつける遊び?」
 マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は年頃の少年らしく目を輝かせてすでに飛び交う枕を見、グラナトは始めて見る光景に首を傾げる。
「もちろん、勝ちに行くからな!」
「マクベスが楽しいならそれでいいとは思うが……俺も参加するのか?」
「4人ともオレがぶっ飛ばしてやるぜっ♪ 後ろは任せたぜグラナトさん!」
 うきうきとはしゃぐマクベスに、マクベスが楽しいならまあいいか、といったグラナト。
「ま、枕投げ……」
「枕投げか……よかろう」
 旅行先でまさかこんな大規模に枕投げをするとは、と少々呆然とした表情の逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)の横で、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は枕を手に望と楪に高らかに宣言する。
「氷月と月待、お前らは今日こそ更生して貰うぞ!」
「きゃー、更生魔人がまた更生言ってるわー」
「うへぇ……おい、氷月お前のせーで妙な絡みかたされてんじゃねーかよ」
 叩きつけられた宣言に棒読みで挑発しかえす氷月・望(Villain Carminus・f16824)に、少々辟易したような声の月待・楪(Villan・Twilight・f16731)。
 そう、割と快楽主義の望にちょっぴしやさぐれ風味の楪の態度は、かくあれかしと聖職者の在り方を具現するザッフィーロには気に触るというか、気にかかるというか。ともかく品行方正にしろと口を酸っぱくして言う対象なのであった。
 そんな風にいつも通り絡まれる望は枕を拾って、ニタァと笑う。そう、これから行うことを想像するだけでも楽しいのだ。
「マクベスとグラナトにも警戒必須だろうケド、アイツの顔面に一発枕叩きつけてぇしなァ? ゆーくん、マクベス達は任せても大丈夫かな?」
「おー、りょーかい。ま……合法的にグラナトさんの顔面にぶつけられるなら受けないワケねェだろ?」
 任された楪も悪い笑みを浮かべながら請け負い、枕を拾う。
「宵、常通り背は任せよう。頼りにしている」
「え、あ、はい。背中はお任せくださいませ……?」
 そんな三人のやり取りにちょっと呆然とした宵に対し、きりりっと顔を引き締めてザッフィーロは背中を任せた。
「宵さーん、適当に手綱握っといてくれよ、壁にするとかでいいし」
「ふっ、戯言は程々にしておくんだな」
(早くも戦乱の一端が開かれているような……?)
 望と楪、ザッフィーロの間でそんな舌戦が繰り広げられる横で、困惑した表情をした宵もまずは枕を拾うのだった。
 かくして、各ペア三つ巴の枕投げ大会がここに始まる。
(マクベスとグラナトも厄介だが)
 そう思いながら枕を抱えて布団の大地を駆け出すザッフィーロ。無論、狙いは望に楪だ。
「まずはあの更生対象二人から潰そう……!」
「誰が更生対象だ、このクッ……ザッフィーロ!」
 望も黙っちゃいない、手にしていた枕をオーバースローでまっすぐ投げるとフェイントした枕と、本命のカーブを描く枕を素早く投げつける。
 まっすぐ飛んできた枕をザッフィーロは音と気配で紙一重で避けながら手にした枕で受け、それをひっつかんで望へと投げ返した。
「流石に簡単にはやらせてくれねぇか……ぶっ!?」
「ふ……当たり前だろう。お前達を更生する迄倒れられ……へぶっ」
 クロスカウンター気味に互いの投げた枕を顔で受け止めて、ますます望とザッフィーロの纏う空気が熱くなっていく。ぽいぽいとお互いを沈めんと熱いバトルを繰り広げだした。
「まずはゆー兄ちゃんが相手だなっ」
「猫助、すぐに沈めてやるよ」
 余裕綽々の楪の表情は、マクベスの投げてきた枕に対して固まった。
 そう、その枕はなんとも可愛らしい、猫の形だった。ふかふかもふもふでなんとも柔らかそうな猫の枕が楪目掛けて飛んでくる。
 フェイント混じりに飛んでくる猫達は埋もれたら幸せな夢が見られるだろう。そう、抱きしめたくなるようなフォルムを見せつけてくる。
 猫好きな楪は避けられるわけもなく、本命の羽毛枕達にぶつかりながらも、猫型枕を受け止めに行ってしまう。だって猫だもの。
「くそっ、猫助め……!」
「ゆー兄ちゃんとザッフィーロにはこれが1番効果的だからな♪」
 にしし、とこのためだけに猫型枕カバーを持ち込んできたのだ。猫好きの修正を利用したマクベスの作戦勝ちであった。
 グラナトはそんなマクベスの横でひとまず静観の姿勢。宵も熱い望とザッフィーロのバトルに困惑を深めていた。
「やられっぱなしと思うなよ!」
 猫型枕を受け止めきってそっと床に置いた楪は手近にあった普通の枕を持ってマクベスを狙うと見せかけて、グラナトへと投げつけた。その枕をグラナトは軽くいなしたが、マクベスはムッとした風情で楪を見る。
「グラナトさんを狙うなら、容赦なしだぜ!」
「……ちょっとまてマクベスそのUC」
 この際だ、一掃してしまおうとマクベスはユーベルコードを発動させる。それを見たグラナトは瞠目し、楪も動きを止めた。相方の様子が変わったことに気づいた望も、ザッフィーロも宵も一度投げ合いをやめて、マクベスの方へ顔を向ける。
「どうした、ゆーくん?」
「うっわ、なんだあの数……」
 その視線の先には総勢300のそばがら枕とそれを従えるマクベスがいた。
 少々冷たい汗をかきながら、望は声を絞り出す。
「いっくぞー!!」
「マクベスー?その枕、ドコか――ぎゃー!?」
「厄介な攻撃をしおって……」
 まずは声を上げた望と、相対していたザッフィーロへとそばがら枕が飛んでいく。
 悲鳴を上げながら避ける望。
 ザッフィーロは手にしていた枕を盾に飛び来る枕をなぎ払い、するりと影の中に逃げ込む。そのまま宵の影から這い出す作戦だ。
 しかし、その思惑はあっさり破られる。
 まずは片手だけが影から出てきた。そのまま顔も引き出せた。しかしその先は、というと。
「……待て……何故枕が斯様にあるのだ!?」
 宵の足元も埋め尽くすそばがら枕に羽毛枕。もともと山ほどあった枕に300も追加されたのだ。大半はまだ飛んでいるとはいえ、辺り一面に枕が敷き詰められているような状況になっている。すると影の面積も減ってしまい、這い出ることが難しいわけで。
 哀れ、ザッフィーロは枕の山から片手と顔を出した状態で、体の大半が埋まっているのだった。
「ああ、ザッフィーロ君……お約束的展開を」
「し、宵……手伝……!!?」
 手伝いを望む声に合掌して、そのまま放置する宵であった。だってまだ枕飛んできてるし。
 無論、そばがら枕は楪にも飛んでいっている。その数はやはり膨大だ。
「ケド、甘いぞ猫助! そこのザッフィーロさんほどちょろくねーよ!」
「待て月待、誰がちょろいと」
 未だ溢れる枕で影から抜けられず藻掻いているザッフィーロを尻目に、楪はサイキックエナジーと念動力でもって自信と望に飛んでくる枕を絡めて操り。
「くらえ!!! グラナトのおっさん!!!」
「こちらに来るか」
 やはり大量の枕がグラナトへと飛んでいく。それらをオーラで叩き落としながらマクベスへと渡していくグラナト。その枕をマクベスはまた望や楪に飛ばし、楪はカウンターしていく状況が出来上がる。宵は流れ弾を避け、ザッフィーロは枕に埋まり続けている。
 一方、望は先程から飛んでくる枕を避け続けていた。楪がカウンターしてくれたおかげで多少は減ったが、結局巡って飛んでくるわけで。
「流石に量が多いってマジで!? こうなりゃ……!」
 枕の弾を掻い潜り、直接マクベスに枕をぶつけるために望は枕を念動力であやつって飛ばす。その枕は高速で飛び交うそばがら枕を掻い潜って──。
「あ」
 コントロールをミスって大量の枕を防いでいたグラナトの顔面に、勢いを保ったままぶつかった。ぼふんといい音と衝撃がグラナトの顔面を襲う。
「えーと……そのな? ちょーっと、コントロールが難しくてな?」
「なるほど、やる気のようだな……」
「あ? グラナトさんを狙うとかオレに喧嘩売ってんだな? なら望み通りやってやんぜっ!」
「ぎゃー!? いやん、事故だから許して、マクベス、グラナトさん!」
 はは、と空笑いを浮かべる望に、そんなこと知ったことか、とマクベスとグラナトは狙いを定める。つまりは、そう、大量のそばがら枕に加えてグラナトの投げる枕も望を襲ってくるわけで。
 大量の枕の波を必死で避ける望に相方を守るべくカウンターする楪。
 そうしてカウンターしたそばがら枕の大半は楪の狙い通りにグラナトに飛んでいくが、如何せん数が多い。そうすると処理する楪としても大変なわけで。
「ってやべ、数が多くて狙いが……!」
 グラナトへと投げていた枕のうち、いくつかが彼の制御から外れてしまう。そのうち一つが、ザッフィーロが埋まっている横で合掌しながら見ているだけの宵の頭に、ぼふんと音を立ててクリーンヒットした。
 枕飛び交う戦場の一角に沈黙が落ちた。宵から何か冷気のような気配がする──それは、殺る気。
「……今当てた方、名乗り出てください。いい夢を見せて差し上げましょう」
 微笑む宵の背後に般若が見える。
「……ヒッ………し、宵さん、望だ、それは望が当てた! おれじゃない!」
「楪、ちょっとー!?逢坂、ソレは俺じゃないからな!」
 あまりの迫力に思わず相方に罪をなすりつける楪。なすりつけられた望はたまったものじゃなく。互いを互いに壁にしようともみ合う二人に、宵は顔を向けて呟く。
「なるほどお二人でしたか」
「宵さん、ごめ、ぶっ!」
「ちょ、逢坂、しゃれに、ぎゃー!!」
 ゆらりと宵の姿が揺らめく。かと思うと、わちゃわちゃもみ合う望と楪の顔面の中央に正確に、かなりの速度でそばがら枕が投げつけられた。避ける暇もなく意識を刈り取られ、枕と布団の海に倒れ込む二人。そこに更に降り積もる、マクベスのそばがら枕達。
 ノックアウト二名、戦線離脱一名を出して彼らの枕投げ大会は、ひとまずの決着となった。
「うん、枕投げめっちゃ楽しかった!!」
「……楽しかったか……そうか……」
 いい汗かいた、と伸びをして楽しげに笑うマクベスと辺り一帯に広がったそばがら枕を眺めて、グラナトが嘆息する。どう考えても最初にあった数より増えている。
「とりあえず枕を片付けるか」
 宵は未だ望と楪の二人を枕に沈めているし、放置されてしょんぼりしたザッフィーロもまだ這い出してこれていない。満足げなマクベスは手伝ってくれるだろうが、この数だ。
 片付けるのも大変そうだ、とグラナトは深いため息をつくのだった。やはり穏やかには終わらなかったな、と思いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
【路地裏】
ダイス目:02

まくら投げ、ふむ……
雪合戦、みたいなもの、かな?
なんだか、すごく、楽しそう

ルール了解
皆で、楽しんでいこう

……と、思ったら、以外と熱中しちゃうね、これ
ファンも、かなり本気出しているし
……自分も、本気、出していこうかな

範囲攻撃や、なぎ払いを使って、複数のまくらを同時に投擲して、皆を同時狙い
こっちに来る分は、第六感と視力、聞き耳で感覚を強化して、見切り
あと、武器落としで、飛んでくるまくらにまくらをぶつけて、相殺も狙っていこうかな

……うん、すごく、楽しい
でもまあ、最終的には、勝ち負けは、あまり気にしないかな
楽しめたら、それが一番、だね


吉備・狐珀
【路地裏】
ダイス目:12
※アドリブ歓迎です

謎の人物Tも気になりますけど…。
サクラモフウサギ…名前からしてもふもふしてそうです。もふもふ…。

まずは姿を現してもらう為に枕投げですね。
ルールは5回当たるか場外は負け、と。
枕投げはしたことないですけどペイン殿のいうように雪合戦みたいに枕を投げたらいいんですね。

飛んでくる枕は【見切り】で避けるか、受け止められそうなら【武器受け】で受け止めて投げ返します。
個人を狙って投げても避けられそうなので、あえて特定せずに。
その方が何処から飛んでくるかわからないから意表をつけるかも?
できそうだったら、こっそり【忍び足】で近づいて至近距離から投げてみようかな。


ファン・ティンタン
【WIZ】仁義なき、闘い
【路地裏】4名
アドリブ歓迎
※MSの振るダイス目に一番近かった出目の者が勝者となる
ダイス目33

謎の人物T、一体何者なのか……ま、いっか

枕投げ、とは……?
ふむ、ルール……ドッヂボールみたいなカンジかな、りょーかい。

……ん、コレ、幾つか種類の違う枕があるね
羽毛枕はふわってしてるから投げにくいけれど……蕎麦殻かな、コレはいける
UCはダメらしいけれど、培った技能がダメとは言われてない
闘争に、勝利しに行くよ
蕎麦殻枕が手に入るのまでひたすら【見切り】に徹する
手に入れば、【力溜め】からの一投入魂の【投擲】を、男子優先で狙う

枕投げ初心者だけど、ペインに負けるのだけは、何か悔しいから、やだ


落浜・語
△【路地裏】4人で参加
ダイス:23

修学旅行の夜定番と言われる枕投げか。
いや、やったことないけど。せっかくだからみんなで楽しもう。

ってことで、バトロワ形式。
ルール。
・5回当たったら負け
・UC使用禁止
・同時に持てるまくらは3つまで
・場外は即座にアウト

いや、この面子で勝てる気がしないけれど、まぁ、出来るところまでは、うん。
飛んでくるのは【第六感】や【見切り】でかわし、【フェイント】掛けつつ投げる。
あとは誰も持ってない枕をこっそり取りやすい所やほかの人の動線の邪魔になるところに【運搬】したりしとこうかな。
あ、狐珀の事は狙わないし、狙われてたら庇いに行く。




「謎の人物T、一体何者なのか……ま、いっか」
「謎の人物Tも気になりますけど……。サクラモフウサギ……名前からしてもふもふしてそうです。もふもふ……」
 謎の人物Tとは何なのか。そんな疑問が一瞬浮かぶも、今回会わなそうだしまあいいか、と思考の外にファン・ティンタン(天津華・f07547)は追いやる。吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)も、謎の人物なんかよりも呼び寄せてほしいと言われたサクラモフウサギのもふもふが気になって仕方ない。
 そんな彼女達とペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)、落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)は揃って枕投げ会場にやってきた。
「まずは姿を現してもらう為に枕投げですね」
「修学旅行の夜定番と言われる枕投げか。いや、やったことないけど」
「枕投げ、とは……?」
「まくら投げ、ふむ……雪合戦、みたいなもの、かな? なんだか、すごく、楽しそう」
 すでに会場では何人も枕を投げ合ったりもふったりする姿が見られた。みんなで和やかに──一部熱くなっているが──騒ぎ立てる姿はとても楽しそうだ。
「折角だ、俺達も楽しもうか」
 こんな機会はそうそうない。だから仲間内で楽しんでみないか、と語が提示した此度のルールは次の通り。
 ・会場にある枕を投げ合うバトルロワイヤル
 ・5回当たったら負け
 ・UC使用禁止
 ・同時に持てるまくらは3つまで
 ・場外は即座にアウト
 ・みんな楽しく
「ルールは5回当たるか場外は負け、と」
「ふむ、ルール……ドッヂボールみたいなカンジかな、りょーかい」
「ルール了解。皆で、楽しんでいこう」
 三人もルールに同意して、今ここにヤドリガミ達の枕投げバトルロワイヤルが始まるのだった。

(……ん、コレ、幾つか種類の違う枕があるね)
 数個枕を投げると、感触が違うものが混じっていることにファンは気づく。軽くふわふわした枕と、ちょっと重めでさらりとした枕とあるのだ。
(羽毛枕はふわってしてるから投げにくいけれど……蕎麦殻かな、コレはいける)
 威力を乗せてぶつけるには羽毛枕よりもそばがら枕の方が投げやすい。更にユーベルコードは使用不可だけれど、培った技能を使うなとは言われてない。そう、これは仁義なき闘争なのだから。
「闘争に、勝利しに行くよ」
 ファンは飛び交う枕を避け続け、投げる枕を選別する。ふわふわを避け、ずっしりが手に入れば一投入魂、ペインに語に、まれに狐珀へと投げていく。
(枕投げ初心者だけど、ペインに負けるのだけは、何か悔しいから、やだ)
 そんな気持ちも込めながら。
(いや、この面子で勝てる気がしないけれど、まぁ、出来るところまでは、うん)
 などとちょっと弱気な語ではあるが、投げられた枕は緩急自在。ふかふかな羽毛枕も、ずっしりしたそばがら枕もどちらも自在に投げてみせる。
 素早く飛ばすと見せかけて、あえてゆっくりした速度で投げたり、油断したところに大量に投げつけたり。床に転がる枕を自分が取りやすく、かつ三人の動きの邪魔になりそうな部分に運んでおくなどして有利になるよう場を整えたり。
 それでも狐珀を狙わず、むしろ枕が集中したら叩き落として庇ってみせるなどリア充な男気を見せてきた。
(枕投げはしたことないですけど、ペイン殿のいうように雪合戦みたいに枕を投げたらいいんですね)
 もふもふした枕の感触を楽しみながらも、狐珀はぽいぽい自由に枕を投げていく。あえて誰を狙うなど特定することなく、気の赴くままに。
 自身に向かって飛び交う枕は見切ったり、受けきれそうなら受け止めて自由に投げながらも、たまには来た方に投げ返したりして。
(その方が何処から飛んでくるかわからないから意表をつけるかも?)
 うまく当たれば上出来、当たらなくても隙ができたら、接近して至近距離から投げられるかもしれない。
 時折庇ってくれる語の背中にほのかにときめきながらも、そんな計算をしていた狐珀であった。
 ペインは楽しめればいい、そう言ったし、その気持ちに偽りはない。けれどいざ枕を投げて、投げられて、避けて、避けられて、とするうちに、自然と熱が入っていた。
(……意外と熱中しちゃうね、これ)
 耳で捉えた気配をちらりと確認すれば、ファンが投げてきたそばがら枕。その軌道を見切って枕を叩きつけて自分に届く前に相殺する。
(ファンも、かなり本気出しているし……自分も、本気、出していこうかな)
 張り切っている彼女には負けられないと、3つの枕を同時になぎ払うように飛ばして範囲攻撃、3人を同時に狙ってみた。うまく当たれば嬉しいし、避けられてもカウンターがきても、やっぱり心が踊ってくる。
「……うん、すごく、楽しい」
 このバトルロワイヤル、最初に脱落したのはペインだった。
 枕投げ初心者でもペインには負けるのは何かヤダ、と燃えるファンの豪速球そばがら枕にぽんぽんぽぽんと3回当たり、次いで語の投げた羽毛枕を避けきれず。その後も投げた枕を受け止められたり避けられたり、と振るわない。
 そうするうちに再度飛んできたファンのそばがら枕を避けていたら、すぐ側に誰かの気配。
「えいっ」
「あ」
 そう思ったら避ける間もなく。狐珀の投げた枕に当たって5回アウト。
「うーん……負けちゃった、ね」
 ペインとしては目一杯楽しんだから負けは気にならない。満足しながら邪魔にならない端によって、仲間達の熱戦を眺めることにする。
 次に脱落したのは狐珀。
 ペインの投げる枕に3回当たり、語に庇われたり順調に避けていたけれど、ペインが避けたファンの投げた枕に当たってしまい後がなく。ランダムに投げた枕は誰かに当たり、避けられ。そーっと忍び寄ってペインにぽすんと当てて反撃したのはいいけれど、避け続けられるはずもなくて。
「それ」
「きゃっ」
 ぽん、とファンのそばがら枕がぽすんと当たってアウト。先に端によったペインの近くへと向かった。
 残るは語とファンの二人。
 語はファンの豪速球に1回、ペインの投げた枕に3回当たってしまっている。対するファンもペインの枕が1回、語の枕が1回、狐珀の枕が1回。どちらも条件は同じだった。
 最後の一回が当たれば終わるのだ。
「せいっ」
 そばがら枕が見つかるまでは投げてこないファンに対して、語は羽毛枕を拾ってはひたすらに投げていく。先に当たったほうが負けなのだ、ここは数で押すべきである、と。
「ふっ」
 ファンは勝機を掴むために飛んでくる羽毛枕を避けながらそばがら枕を探す。ひたすらに耐え、避けて降り積もる羽毛枕の下にあるであろうそばがら枕を、探した。
 枕を投げ合ううちに夜も更けてきた、互いの疲労も溜まりつつある。もうすぐ、終わる。端の方でのんびり枕をもふりつつ鑑賞していたペインと狐珀にもそれは感じられた。
 そして語が息をつき、枕の飛ぶ間隔がほんの少し空いたとき、ファンはその感触を見つけた。すぐさまひっつかんで投げつける。
 その枕は一直線に語に飛んでいき、避けようとした彼の腕に当たって落ちた。
 勝者、ファン。
「あー……負けちまった」
「お疲れ様でした」
 息を吐いて緊張から解放されて、その場に座り込む語に、労う狐珀。
「勝利」
「おめでとう、やった、ね」
 無表情ながらもふんす、とちょっと得意げなファンに、お祝いするペイン。
 目一杯楽しんだ彼らの枕投げは、和やかな終わりを告げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『足元にご注意を』

POW   :    最終的に生きていれば問題ない。好きに行動していざとなれば身を守る。

SPD   :    見つけてしまえば問題ない。細かく観察して違和感を見つけ出す。

WIZ   :    アタリがつけば何とかなる。周辺状況から落とし穴の場所を予測する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦い終わって夜も明けて
 翌朝、目一杯騒いだ猟兵達は清々しい朝を迎える。
 おいしいごはんや温泉でリフレッシュしつつ、枕投げで発散したことだろう。
 チェックアウトの時間まで散歩するのもいいかもしれない、そんな気まぐれを起こして外に出たり、早めに出て観光しながら帰ってもいいかもしれない。
 そう、そうやって外に出る彼らの足元には無数の落とし穴が広がっているのだ。
 無論、その事実を知っていも引っかからなくては行けないのだった。
===
・枕投げを楽しんだため、サクラモフウサギが掘った巨大な落とし穴が旅館の周りそこら中に出現しました。
・行動例は参考で構いません。落とし穴に引っかかってください。
・受付は11/15(金)の朝8:31以降とさせてください。
千束・桜花

引き続き鈴鹿殿(f23254)と一緒に参ります!

存分に枕投げを楽しんだせいかすこし体が軽く感じますねっ!
これだけ晴れやかな気分であればわざと罠にかかるくらい構いませんとも!
しょせんウサギの作る落とし穴、恐るるに足りません!(慢心)
思い切り飛び込んでやりますよ!
足がズボッと沈めば、そのまま前へと体を回し、あとは空中で体勢を整えて華麗に底に着地……これです!
いざ! ……って、底が見えないんですけど!
ああーっ落ちますどこまでも!! 鈴鹿殿ぉ~~~……(落とし穴に消えていく)

舐めて掛かって散々な目にあいました……!
この鬱憤はあとでウサギにぶつけてやりますから!


国栖ヶ谷・鈴鹿
引き続き、桜花(f22716)と一緒に!

昨日は枕投げ楽しかったね〜。
うん、そういえば、桜花は落とし穴どうする?
……。((慢心)のところまで聞く)
うん!余裕綽綽!さすが桜花だね!(具体的にどうするか言ってないし、コンナコトモアロウカト(UC)で、UFOから技術とった反重力装置で備えておこうっと(桜花のポケットにこっそり入れておく)

一緒に落ちたら、種明かしと告白。
「こんなこともあろうかと!準備しておいたものがある……あっ!」
「良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、良い知らせは、ぼくの装置がちゃんと動くこと、悪い知らせは……穴を登る道具忘れちゃった……」

数時間後、なんやかんや脱出したのは内緒。




「昨日は枕投げ楽しかったね〜」
「存分に枕投げを楽しんだせいかすこし体が軽く感じますねっ!」
 爽やかな朝、桜花も鈴鹿も元気溌剌と旅館の外に出た。楽しい楽しい枕投げに質の良い睡眠、朝ごはんもしっかり食べてエネルギーも十分だ。
 あとは罠にかかってから影朧を仕置くのみ、と考えた鈴鹿は、ふと桜花に問う。
「うん、そういえば、桜花は落とし穴どうする?」
「これだけ晴れやかな気分であればわざと罠にかかるくらい構いませんとも! しょせんウサギの作る落とし穴、恐るるに足りません! 思い切り飛び込んでやりますよ!」
「……」
 めっちゃいい気分だからウサギの作る落とし穴くらいひっかかっても大丈夫、当たって砕けろ、というような桜花の台詞の最後、声にならぬ慢心という言葉がつくところまで聞いた鈴鹿は少しだけ口をつぐんでからにぱっと笑い。
「うん! 余裕綽綽! さすが桜花だね!」
「そうでしょうそうでしょう!」
 鈴鹿の言葉に、胸を張って上機嫌で落とし穴を探す桜花。そんな彼女の制服のポケットに、そっと鈴鹿は反重力装置を忍ばせる。
(具体的にどうするか言ってないし、一応備えておこうっと)
 なんだか勢いのまま突っ込んでいきそうな気がしたのだ。備えあれば憂いなしとも言うだろう、出番がないならそれでもいい、と。
 その見通しが正しかったのはすぐに知ることになる。

 慢心そのまま桜花が地面を進んでいけば、その足がズボッと沈み込み、次いでその周囲の地面が崩れ、体ごと落とし穴へと落ちていく。その瞬間、桜花が目を煌めかせた。
「いざ!」
 くるり、と空中で体を回して落下の衝撃を殺しつつ体勢を整えた。あとはすぐ届く底に華麗に着地すればいい。なんと明朗快活で王道な対応であろうか。そう桜花は思い描いていた。
 だがしかし、足が底にいつまで経っても足が着かない。そして落下が止まらない。はて、と足元を見れば、真っ暗な穴が続くばかり。
「ああーっ落ちますどこまでも!! 鈴鹿殿ぉ~~~……」
「桜花! 大丈夫だよ!」
 追いかけて落ちてきた鈴鹿は、慌てる桜花をなだめながら反重力装置のスイッチを入れる。
「おお、おー?」
 途端、落下速度がゆっくりとなり、まるで羽毛枕からはみ出した羽毛のごとくゆっくりと落ちていく。
「こんなこともあろうかと! 準備しておいたものがある……あっ!」
「すごいです! 鈴鹿殿……?」
 仕込んでおいた種を明かし、安心付けようと話し始めた鈴鹿の顔色が悪くなる。賞賛の目を向けていた桜花もその変わりっぷりに首を傾げた。
 高層ビルヂングほどの高さをふわりふわりと落ちていきながら、引きつった笑顔で鈴鹿は声を絞り出した。
「良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、良い知らせは、ぼくの装置がちゃんと動くこと、悪い知らせは……穴を登る道具忘れちゃった……」
「えええ〜〜〜」
 そう、鈴鹿の仕込んだ反重力装置のおかげで無事に落ちていくことはできそうだけれど、登るための道具がなければ大変なわけで。
 二人でどうしようこうしよう、ああしようと慌てながらも落ちていく。

 二人が穴に引っかかり、落ちてから数時間後。
 反重力装置をちょっと強くしたり、途中で壁に取り付いて一生懸命登ってきたり、フロヲトバイが今手元にほしいとか叫んだりしながら、何とか穴の縁に手をかける。
「舐めて掛かって散々な目にあいました……!」
「疲れた〜〜……」
 折角リフレッシュした気分も体も、穴を登る疲労と苦労でボロボロだ。
 それを怒りに変えて桜花は叫ぶ。
「この鬱憤はあとでウサギにぶつけてやりますから!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

楼・静鳳
◎〆
昨晩の、俺の身体ではない何処かが浮き立つ様な感覚は『楽しい』という感情で合っていたのだろうか?そんな気もするが、良くは判らない
夕食や朝食も皆が食しているから忘れず摂るのだけれど――不快ではないし箸を進める事に躊躇いもないので多分『美味しい』、のだろう(PL注:三杯目)

宿を辞してそこらを歩けば穴に当たるらしい
足に違和感を感じ――む、常通り危険に際して【空中浮遊】を無意識発動してしまった、落ちなければ
本性の銅剣は大切にUCで護り落下
人の形のほうは――傷ついても体液の出ない不完全なものだが――それなりに今回の影朧が好む様な状態になるかも知れないな
(PL注:可能なら全年齢ゲームで放映不可な状態に)




 朝食の席につきながら、昨夜のことをしみじみと思い返す。
(昨晩の、俺の身体ではない何処かが浮き立つ様な感覚は『楽しい』という感情で合っていたのだろうか?そんな気もするが、良くは判らない)
 枕投げの最中、感じた胸の中から沸き立つような気持ちを分析しつつ、よくわからない感情に浮き立つ心地を覚えながら、静鳳は箸を運ぶ。ほかほか炊きたてのご飯は甘く、おかずも合わせると箸は止まらない。
(夕食や朝食も皆が食しているから忘れず摂るのだけれど――不快ではないし箸を進める事に躊躇いもないので多分『美味しい』、のだろう)
 夕飯もしっかり食べ尽くし、朝食でもご飯をすでに三杯目も食べているんだからまずいわけはないだろう、とつっこむものはおらず。おかずの干物や漬物、卵にハムやサラダもきれいに空にしていった。

 美味しくご飯を食べて宿を辞す。そのままそこらをふらふらと歩けば、足元に今までとは違う感触。
「――む」
 そのまま落ちることなく、つい無意識に空中に浮き上がってしまう。常ならば危険に反応したその対応は適しているが、此度ばかりはそうもいかない。
(落ちなければ、な)
 腰に 挿した銅剣はユーベルコードでほぼ無敵に守り、仮初めの人体の方は何もせず、空中浮遊を切る。すると重力に逆らうことのなくなった体は引かれるままに穴に落ちていく。
 穴の底で観測するものがいれば、底に叩きつけられる鈍い音を聞いただろう。
 次いで降り注ぐ赤はないけれど、壁や床に張り付く何かや、ごろんごろんと人の一部を模した何かが散らばった。

 なお蛇足ではあるが、サクラモフウサギという種自体には別段落下して潰れる凄惨な死体が見たいわけではなかった。そういうものを好む影朧の性質があることは否定しない。
 今回穴を掘ったのは、単に巣穴を掘るうさぎの本能であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラキス・ギオ
◎ アドリブ・絡み歓迎
POWで挑戦

落とし穴のことは聞いていたものの
枕のもふもふの感触が残っていて
「とってもふかふかで、暖かくて、気持ちよくて・・・」

そのまま無防備に進み落とし穴にすぽっ
「もふも・・・え?」
「ふわああああああ!?」

ある程度落下してから我に返るも、内心焦ったままで
「わ、忘れていました!ええと、えっと・・・!」

うっすらと穴の底が見えてきて思わずUC発動
「ク、クマさあああん!」

底の地面に直接召喚した巨大もふもふクマさんに
がっしりと抱きとめてもらい事なきを得ようとする

もし無事に済んだなら、もふもふなクマさんの背中にしがみつき
クマさんに穴を登ってもらい外を目指す
「うう、怖かったです・・・」




 ラキスは朝目覚めてからもうっとりと陶然としていた。目覚めたときからふわふわの気分だった。昨夜のもふもふを忘れられなかったのだ。
「とってもふかふかで、暖かくて、気持ちよくて……」
 ふかふか、ぬくぬく、ふんわか、ほわほわ。それはなんとも幸せの感触。また埋もれれば変わらず幸せを伝えてくるだろう。
 まだ夢見心地でふわっとした足取りで宿の外へと歩いていく。ふわふわした足取りで、そう、まるで宙を飛ぶような心地だったのだ。今みたいにふっかりした地面のあとにすかっと──。
「もふも……え?」
 気づけばラキスの足元には地面がなかった。
 枕のもふもふに気を取られすぎて、崩れた穴に気づいていなかったのだ。すぽっと足から落ちていく。
「ふわああああああ!?」
 悲鳴を上げる間にもどんどん落ちていく。夢のふわふわから急に風切る落下に切り替わり。あわあわとばたつきながら我に返る。
「わ、忘れていました!ええと、えっと……!」
 じたばた着物の袂をはためかせ、手足を動かしたところで、人間の形をしたものはそれだけでは飛べない。焦るばかりで何をしたらいいのかわからない。
 ああ、どうしよう、どうしたら、もふもふ、そうだ、そこに、底が──。
「ク、クマさあああん!」
 その叫びとともに、穴の底にもふもふのゴディアックヒグマがもふんと現れた。もふもふクマさんは、もっふりした腕で落ちてきたラキスをがっしり受け止めた。
 涙目のままクマさんの背中側にしがみついて、穴を登ってもらうようにお願いする。クマさんはもっふりもっふりと壁をわっさわっさ登りだした。
 ひしっと抱きついたままラキスはぽそっと呟いた。
「うう、怖かったです……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

夏目・サキ
◎ アドリブ・絡み歓迎。

ごちそうさまでした
朝ご飯も美味しくしっかり頂いて、気力十分
……結局、昨日は眠気に負けて、枕投げした記憶も無いしなぁ…反省
今日はがんばろー

さて、落とし穴、だっけ
んー……とりあえず、どっか散歩してれば、見つかるかな?
適当に歩き回り、全く気付かず落下
おー……ふかーい
でも落ちたことより深さにびっくり
無防備に落ちるのは不味そうなので、『導きの黒狼』でクロ召喚
空中でも器用に私をキャッチ
相変わらずのもふもふ具合も良し
ん、とりあえず、底までよろしくー
壁や空中も蹴って移動できる子なので、いつでも地上へは戻れるし
……暗いなぁ……あかりも無いし……そういえば、いつまで居れば良いんだろ?




「ごちそうさまでした」
 サキは空っぽのお茶碗を置いて手を合わせ、きちんと礼をする。ふかふかの枕に埋まって寝て、朝ご飯も美味しくしっかり頂いて、気力十分。
 とは言えども。
(……結局、昨日は眠気に負けて、枕投げした記憶も無いしなぁ…反省)
 そう、眠気に負けていた。投げた枕はどこかに飛んでいっていたし、ぶつけた記憶なんてもちろんない。お手玉(できていなかった)は枕投げにはなりえないだろう。
 だから、今日は。
(今日はがんばろー)
 表情はあまり変わらないながらもやる気を出して、サキは宿の外へと歩き出した。
(さて、落とし穴、だっけ)
 ここに来るときに聞いた話では、旅館の周りに落とし穴があるらしい。
(んー……とりあえず、どっか散歩してれば、見つかるかな?)
 そう考えて、ふらふらと朝の空気の中を歩く。ゆらゆら、ふらふらと適当に歩き回っているうちにすぽっと足がはまる感触がした。そしてそのまま浮遊感。
 サキは気づかないうちに穴に落ちていた。
「おー……ふかーい」
 髪をたなびかせながら落ちる先は暗く、底は見えないほど。落ちたことよりもその深さにびっくりだ。
 流石にのんびりしたサキでも無防備に落ちるのは不味そう、と思ったので、頼れる味方を呼び寄せる。
「おいで、クロ」
 師から与えられた狼は器用に空中でサキの襟を加えてキャッチし、背中に乗せる。相変わらずのもふもふ具合が気持ち良い。
「ん、とりあえず、底までよろしくー」
 大きな狼は壁や空中を蹴って勢いを殺しながら、サキとともに底に落ちていく。
(いつでも地上へは戻れるし、のんびりしてもいいけど……暗いなぁ……あかりも無いし……そういえば、いつまで居れば良いんだろ?)
 ふぁ、とあくびをしながら、サキはぼんやりこのあとどうするか考えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
いや、昨日はいい汗かきました。仕事したー
しかし、これから。落とし穴に落ちなければなりません。

単純に玄関出てたら速攻落ちるというのも良いのですが、これを計画した人はきっと夜も寝ずに、頭の毛がはげるぐらいに考えたはず(?)。
ならば単純に落ちるというのもいかがなものでしょう。

ここはぎりぎりまでじらしましょう。
散歩しつつ、落とし穴に落ちると見せかけて、Uターンしたり、回避したりと玄関手前まで帰ってきて、最後の最後に落ちます。

落とし穴の位置は土の状態やスマートグラスのセンサーで見つけ出します【情報収集】【第六感】。

落ちるときは途中でヨーヨーを引っ掛けて、底までは行かないようにします。帰るの大変なんで。




(いや、昨日はいい汗かきました。仕事したー)
 ぐっと伸びをしながら摩那は清々しい心地で旅館の周りをのんびりと散策している。朝ご飯も美味しく頂いて、腹ごなしに歩く。朝の空気は澄んでいて、どこかから野鳥の鳴き声も聞こえていた。
 それらに耳を傾けつつも、摩那の目は油断せずに地面を観察していた。
(しかし、これから。落とし穴に落ちなければなりません)
 何せこれをこなさなければ、うさぎの影朧は寄ってこないのだから猟兵も大変だ。
 見つけた穴の縁ギリギリを歩きながら、この事件について考えて始める。
(単純に玄関出てたら速攻落ちるというのも良いのですが、これを計画した人はきっと夜も寝ずに、頭の毛がはげるぐらいに考えたはず)
 禿げた頭に涙しながら招待状を作ったかもしれない。抜けた髪の毛を集めてかもじにするかもしれない。そこまで考えてくれたのならば、その仕掛けに盛大に乗るべきではないか。その想像が正しいかはさておき、摩那の行動指針は定まっていた。
(ならば単純に落ちるというのもいかがなものでしょう)
 すぐに落ちるなんてことはせずに焦らして、見せつける。そうした方が喜びもひとしおだろう。
 だから摩那は旅館の周りを悠々と散策し、掘り起こされたような跡や、顔にかけたスマートグラスのセンサーが見つけた落とし穴のそばに足を置きながらも、すれすれで避ける、Uターンして回避するなど焦らしに焦らす。
 そして旅館の玄関手前まで戻ってきてから、おもむろにそばの穴に落ちていった。
「わー」
 少々わざとらしい悲鳴を上げながら落ちつつ、右手でヨーヨーを穴の壁に引っ掛けて落下を止める。
(底までは行くと帰るの大変ですしね)
 高層ビルヂングほどの深さの穴を底まで落ちれば、その分登らねばならない。
 摩那はぶらーんとした振り子運動がおさまったら、登ることにするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン


まくら投げ、皆と楽しかった余韻が残るなか
ふと、足を踏み外して、真っ逆さま
…………とりあえず、受け身は、取ろうか

んと、これが、言われていた、落とし穴、だね…………
すぐに出たら、落ちた意味ないかもだから、少し待とうかな

…………むき出しの地面に、ほどよい暗さに湿気
温度も、まあ、悪くは無いかな…………

土の下、人の死のその先の眠る場所
自分の役目もまず無い場所
だからかな……、不思議と、落ち着くよ
……戦争とか、忙しかったし
偶には、少しでも、休んだ方が良いかな……

まあ、それは、ここででは、無いね
皆とタイミングを見て、外に出て行くとしようか




(枕投げ、楽しかったな)
 ぶんぶん、投げてぶつけてぶつけられて。いっぱいはしゃいで。そんなふわふわした枕のような興奮した余韻が残ったままペインは旅館の周りを散策する。
 朝の気配を味わいながら旅館周りを歩いていくと、ふと、足の下の感触が消えた。バランスを崩し、ずるり、と足を踏み外す。そのまま深い深い穴の中に真っ逆さまに落ちていく。
 ごうごうと風を切りながら、落ちていく体。
(結構、深い、ね)
 さてどうしようか、少々悠長に考える。仮初の体だから、このまま落ちても問題はないが。
(…………とりあえず、受け身は、取ろうか)
 底が見えた。激しく打ち付けられる前に手を振り上げて、どん、と底を叩いて衝撃を逃し、転がる。
 そのまま起き上がって底から上を見上げれば、結構な高さに空いた穴が見えた。
(んと、これが、言われていた、落とし穴、だね…………すぐに出たら、落ちた意味ないかもだから、少し待とうかな)
 穴は固められておらず堀りっぱなし。遥か遠くに空いた口から届く陽光は微かで、底の方は明るくない。少しひんやりした穴の中は、しっとりした空気。
 ぼんやりとペインは不思議な心地よさに浸る。
(土の下、人の死のその先の眠る場所。自分の役目もまず無い場所)
 拷問具であるペインの役目は、形はどうあれ動くものを対象にする。ならば、静かに眠る場所には役目はない。
(だからかな……落ち着くよ)
 ヒーローズアースで起きている戦争に向かい、戦い、忙しい日々。収まるまではまだまだ戦わなくては行けないだろう。けれど動きっぱなしでは息切れしてしまう。
(偶には、少しでも、休んだ方が良いかな……)
 とは思いつつも今ここで休むのはなんか違う。休むならもっとのんびりした場所がいいだろう。
 故にタイミングを見て、外に出て行くことにしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀


枕投げ楽しかったですし、温泉も気持ち良くて。
良い気分転換になったんですけど…落とし穴…。

UC【狐遣い】を使用して白狐の『ウケ』を呼び出して、朝の散歩を楽しんでいる最中に落ちるとしましょうか。
ウケに結界を張ってもらった(オーラ防御)で落ちても(激痛に耐えられる)ようにしてもらいます。
クッションになってくれたおかげで怪我もなく。

すぐに落とし穴からでたら、さすがにまずいですよね。
…。
…すぐに?
あ…、高層ビルの高さ…。
登ること考えていなか…ったことなんてありませんよ?!
ウケ、そんな目で見ないで下さい。
大丈夫です、ちゃんと登れます!出れますから!




 狐珀は少々しょんぼりであった。
(枕投げ楽しかったですし、温泉も気持ち良くて。良い気分転換になったんですけど……落とし穴……)
 楽しい温泉に枕投げ。なかなか白熱した試合であったし、はしゃぐのも楽しかった。
 けれどこれから深い落とし穴に引っかかって落ちなくてはいけないこの事実。
 上げてから落ちる。これは辛い。
 けれどこれをしなくてはもふもふは訪れない、もとい影朧を懲らしめられない。
 狐珀はむん、と気合を入れて朝の散歩に向かうのだった。
 旅館の周りは自然豊か。穏やかな朝日に照らされて空気は澄んでいる。ただ歩いているだけでも気持ちいい。
 こっそり呼び出した白狐のウケとともにのんびりと散歩を楽しんでいると、ふと浮遊感。足元がスカッとして落ちていく。
「ウケ」
 隣にいる頼もしい白狐に声を掛ければ、すぐさま貼られる結界。程なくたどり着いた底に多少の衝撃のみでたどり着く。ウケがクッションになってくれたおかげで怪我もなく。
 今すぐに動けるけれど、さてどうしたものか、と狐珀は少し考える。
「すぐに落とし穴からでたら、さすがにまずいですよね」
 すぐに出てしまえば、落ちた意味はないだろう。さていつ頃出ようか、と少々悩みだした。
(……。……すぐに?)
 ふと引っかかりを覚えて上を見上げる。高い高いところに見える穴の口。
「あ……高層ビルの高さ……」
 そう、穴の深さは高層ビルヂングほどに深い。つまりは登るには高層ビルヂングの高さを登らねばならない。
「登ること考えていなか……ったことなんてありませんよ?!」
 慌ただしい否定の声を上げる狐珀にウケから向けられた目がなんだか生暖かい。残念な子を見るような。
「ウケ、そんな目で見ないで下さい。大丈夫です、ちゃんと登れます! 出れますから!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【POW】落ちる、おちていく


枕投げ勝利の満足感もそこそこに
静かになった頃、夜風にあたるべく外へ

何気ない日常が、私を物ではなく、者たらしめるんだなと、改めて思う
いつかは、自分も主のような、人に、限りなく近付けるのだろうか
そんなことを、ぼんやりと思って

突如、浮遊感

翼の無い自分は、なるほど、地が無ければ落ちるしかないんだと、他人事のように
意味も無く、遠ざかる空へと手を伸ばして
9.8の数字を積み重ねて、暗い底へと落ちていく


人なら、このまま、死んでしまうのだろうけれど
……私は、物だから、ね
そう簡単には、いかないよ

【刀身習合】

……さて、この深さ
と言うよりは、もはや距離かな
這い上がるのも、一苦労しそうだよ




 枕投げ大会が終わり、少し夜も更けて旅館の中には静寂が漂い始めた。
 勝利の余韻と枕投げの満足感もそこそこに、ファンは外へと出ていく。
 ひんやりした夜風が彼女の髪を、肌を、撫でていく。それが心地良い。
 さくり、さくり、暗い地面を踏みながらただ赴くままに辺りを歩く。
 そうしながら今日のこと、昨日のこと、今までのことを振り返る。騒動も事件も闘争もあったけれど、一番多いのは何気ない日常だ。そんな日々を思い返して改めて思う。
(何気ない日常が、私を物ではなく、者たらしめるんだな)
 いつか、辿り着ける未来では、ヤドリガミであるファンも血肉を纏った人に、彼女の主のような人に限りなく近づけるだろうか。
 そうぼんやり思っていると、突如、浮遊感。
 その後は重力に引かれて、穴の底へと落ちて落ちて、落ちていく。
(翼の無い自分は、なるほど、地が無ければ落ちるしかないんだ)
 彼女の創造主ならば飛べるだろう。けれどファンには翼がない。
 どこか他人事のように思いながら、意味も無く、遠ざかる空へと手を伸ばして。9.8の数字を積み重ねて、時間を2乗して、更に半分して。空気の抵抗を間引いて。白い体は暗い暗い、深い底へと落ちていく。
(人なら、このまま、死んでしまうのだろうけれど……私は、物だから、ね。そう簡単には、いかないよ)
 彼女の体は鋼になり、地面に叩きつけられても無事であった。
 土や埃を払いながら、ファンは落ちてきた穴を見上げる。
(……さて、この深さと言うよりは、もはや距離かな。這い上がるのも、一苦労しそうだよ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

落浜・語

結構枕投げが白熱したし、楽しかった。

それよか、どんだけ穴を掘ったんだ…。しかも全部高層ビル並みって……。
一晩のうちに普通できることじゃないだろ…

朝の散歩って感じで外へ出て、そのままズボッと行くか…。
気づいてないように【演技】しながら、カラスを肩に乗せたまま落ちて、穴の中でUC『烏の背中』を使用。
いくら本体が傷つかなきゃ問題ないとは言え、痛いのは勘弁願いたいし。
一応すぐには上がらず、少しおいてから外へでる。
必要なら、他の人が上がるのも手伝おうかな




 いい勝負まで行った枕投げにスッキリした心地で、語は朝の散歩を楽しんでいた。その肩には首周りだけが白いカラスが止まっている。
 鳥のさえずりが聴こえる朝の空気は澄んでいて、緩やかに吹く風は少しひんやりしていて気持ちいい。
 しかしそんな穏やかな風景の中には大量の落とし穴があるとのこと。そう考えるとなんかこう、妙な気分になる。
(どんだけ穴を掘ったんだ……。しかも全部高層ビル並みって……。一晩のうちに普通できることじゃないだろ……)
 そこは影朧である。巨大な高層ビルヂング並のうさぎがもっそりもっそり穴掘りしては戻り、掘っては戻り。結果旅館周りが穴だらけ、という感じだ。体が大きいから掘るのも速かった。
 そんなことを考えながら歩いていけば、ズボッと足がはまる感覚。
「うーん……おおっ!?」
 気づいていなかったかのように演技をしつつ、穴に落ちていく語。
 少し落ちたところで語の肩にいたカラスが大きくなり、語の体を受け止めた。
(いくら本体が傷つかなきゃ問題ないとは言え、痛いのは勘弁願いたいし)
 穴の中で羽ばたいてゆっくりと落ちていきながら、時間を潰しておく。このあとのことを考えながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
f04762アニカと同行

わざと落とし穴に……
アニカと無言のアイコンタクトをしましょう
勿論「自ら引っ掛かりに行く作戦」

枕投げ楽しかったね!仲良い相手に投げ飛ばされるなんてなかなか無いから新鮮!
今度は鬼ごっこでもする?どっちが鬼だ?
シャル鬼っ子じゃーん、はいよーいどん!
あはは〜待て〜
あ!足元にそれは穴!?わぁ間に合わない、落ちるうわぁああ……(鮮やかに落ちる)

等と「演技」でなんとかならないでしょうか
念の為「激痛耐性」「オーラ防御」で身を守ります
風魔法も使ってアニカの補助も行い、華麗に落ちますね

抜け出す時は櫻鬼で「ジャンプ」「空中浮遊」
補助に風魔法使います
使えそうなら「ロープワーク」


アニカ・エドフェルト
〆◎ シャル(f01440)と同行

落とし穴…あまり、落ちたくは、ありませんが…
落ちないと、いけないんですよね。
(アイコンタクトには気が付かないようだ)

枕投げ、また、やりたい、ですね。
投げ合い、くすぐりあいも、こんな感じなら、また何回でも、やりたい、ですっ
え、鬼ごっこ? わ、わ、い、いきなり、ですっ!?
(慌てふためいて逃げ回る。翼を使ってふんわり跳びながら、暫くは幸運にも落とし穴をよけているが、シャルが落ちたのを見て動揺、落とし穴を踏んだのに気が付かず飛ぶのが間に合わない!)
わぁぁぁぁぁーー…(その場に羽根を残しフェードアウト)

…まぁ、底に、着くころには、〈空中浮遊〉、たぶん、間に合い、ます…?




 アニカは少々悩んでいた。シャルは元気いっぱいだった。
 これから二人、わざと穴に落ちなくてはならない。
「落とし穴……あまり、落ちたくは、ありませんが……落ちないと、いけないんですよね」
「わざと落とし穴に……」
 ふむ、とシャルはそこで言葉を切ってアニカに無言で目配せする。ぱち、ぱちと小さな友人に視線を向けたのだ。
(勿論「自ら引っ掛かりに行く作戦」、だよ!)
 だがしかし、アニカは全く気づかない。
(無事に、落ちれる、でしょうか)
 ぱちぱち目配せを繰り返すシャルと、全く気付かず悩むアニカ。その無言のやり取りは、二人が出発するまで続いていた。もちろんシャルの意図は伝わっていない。

 旅館を出て清々しい朝の空気の中、散策に出る。ゆっくりと話すうちに、二人は昨夜を思い出してはしゃいだ声をあげる。
「枕投げ楽しかったね! 仲良い相手に投げ飛ばされるなんてなかなか無いから新鮮!」
「はい、枕投げ、また、やりたい、ですね。投げ合い、くすぐりあいも、こんな感じなら、また何回でも、やりたい、ですっ」
 きゃっきゃと年相応の顔ではしゃぐ二人。これもやりたい、あれもいいと言い合いながら、シャルがにこにこと提案する。
「今度は鬼ごっこでもする? どっちが鬼だ? あ、シャル鬼っ子じゃーん、はいよーいどん!」
「え、鬼ごっこ?  わ、わ、い、いきなり、ですっ!?」
 提案即スタート。いきなり飛びかかってきたシャルにアニカは咄嗟に避けて。そこから朝っぱらから鬼ごっこが始まった。
「あはは〜待て〜」
「ひぇ、待たないっ、です!」
 シャルは楽しげに笑って走って追いかけ、アニカは慌てふためいて、翼を使ってふんわり跳びながら逃げていく。
 蛇行したり行ったり来たりしていれば運良く落とし穴が避けられていた。しかしついにシャルの足がふかっと沈む。
「あ! 足元にそれは穴!?」
 何故か言葉を機械翻訳した文を再度機械翻訳したような言葉を発しながらシャルの足元が崩れていく。
「わぁ間に合わない、落ちる、うわぁああ……」
「シャル!」
 鮮やかに穴に落ちていくシャルに、アニカは本気で慌てて。ふんわり飛んでいたのに一緒に穴に落ちていく。
「わぁああぁああ……」
「わぁぁぁぁぁーー……」
 片や演技で少々わざとらしいくらいのの悲鳴を、片や飛べるのに素で悲鳴を上げて。
 穴の傍らにふわり、一枚の羽を残して二人は穴の中へとフェードアウトしていった。

 そんな二人が落ちた穴の底。
「よいしょっ、と」
 先程までの慌てぶりが嘘のようにけろりとした表情で、シャルはオーラ防御で身を守り、難なく穴の底へと受け身をとった。
「間に合い、ました……」
「お疲れー」
 若干慌ててながら飛んできたアニカを風魔法で補助する余裕すらあった。
「深いねー」
「深い、ですね」
 落ちてきた穴は高く、遠いところに見えた。
「まあ行こうか」
「はい」
 シャルはアニカと自分を風で支えながら、櫻鬼で宙を蹴り。アニカはシャルを導くように翼で飛んで。
 仲良し二人は揃って地上を目指すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビリー・ライジング

ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動

昨日の枕投げはいろんな意味で酷かったな……。
でもこれで今回は、お互いしがらみ無く動けるな。

奴が見たいのは俺達が落とし穴に引っかかる姿、
とりあえず行動あるのみだ。ミリィ、手を離すなよ?

落とし穴に落ちる際にトリニティ・エンハンスで自身の防御力を上げ、
ミリィを強引に引っ張って、抱き寄せる。
「安心しろ。例え地面に激突しても、お前は無事なはずだ」

よし、そこでいい。後は俺が上に上がって、ミリィを引っ張りあげる。
あ、ミリィは自分で上がれる? 化身がいるから……そうか。


ミリィ・ライジング

ビリー・ライジング(f05930)と共に行動

昨日の文句の言い合いで、スッキリ眠れた気がする。
でもここからが本番だよね。

お兄ちゃんと一緒に手を繋ぎ、
旅館の周囲を観光しながら、落とし穴を捜索していくよ。
「お兄ちゃん、あっち行ってみない?」

「天晴!」
一緒に落とし穴に落ちた際に、
お兄ちゃんの行動で助からないと判断したら、UC発動。
落ちるお兄ちゃんと私を受け止めてもらい、そのまま穴から脱出。

ありがと、天晴。お兄ちゃんもありがとう。
(お兄ちゃんに手を伸ばして)まだ全部回ってないでしょ?
もう少し、いろいろ見てみない?




 さんさんと朝日が降り注ぐ中、ビリーとミリィの双子は旅館の外へと出てきた。
「昨日の枕投げはいろんな意味で酷かったな……」
「そうだね……」
 気づかないうちに溜め込んでいた鬱憤や不満を吐き出しあったビリーとミリィ。しかしその表情は晴れやかであった。
「昨日の文句の言い合いで、スッキリ眠れた気がする」
「そうだな、爽快な気分だ。これで今回は、お互いしがらみ無く動けるな」
「ここからが本番だよね」
 思いっきり吐き出しぶつけて昇華したからか目覚めはスッキリ。てきぱきといざ次の作戦へと移行する。
「奴が見たいのは俺達が落とし穴に引っかかる姿、とりあえず行動あるのみだ。ミリィ、手を離すなよ?」
「うん」
 ミリィはビリーの差し出した手を取って、きゅっと握る。小さい頃からよく握って遊びにいったこともあったかもしれない。懐かしさを感じながら、ミリィは親愛なる兄の手を引いていく。
「お兄ちゃん、あっち行ってみない?」
「ああ、行こう」
 二人手を繋いで旅館の周りを散策する。鳥の囀りが聞こえる朝の空気は澄んでいて、少し涼しい風がほおを撫でる。手を取り合いのんびり散策するのには良い心地だ。
 あちらこちら、ゆっくり散策していると二人の足が沈みこむ。
「おっと」
「きゃ」
 ビリーは咄嗟に三種の魔力を纏い己の体を固め、妹の体を強引に引き寄せて抱きしめる。
「安心しろ。例え地面に激突しても、お前は無事なはずだ」
「お兄ちゃん……」
 妹を体でもって庇う、麗しき兄妹愛。そのまま二人は落ちていき、底が見えてくる。ビリーはぎゅっとミリィを抱きしめ覚悟を決める、が。
「天晴!」
 ミリィの化身の陰陽師が呼ばれ、二人をしっかり受け止める。ビリーの覚悟ミリィ知らず。
「このまま上まで行こう、お兄ちゃん」
「ああ、うん……」
 二人抱き合ったまま陰陽師に抱えられて穴の口へと運ばれていく。

「よし、そこでいい」
 ビリーの手が穴の縁に届くところで、天晴の手から出て軽々と腕の力で地上へと登っていく。それから穴の方を振り返る。妹が登りやすいように引き上げるために。
「ミリィ、手を伸ばせ、引っ張り上げ……」
 しかし彼のその思いやりの言葉は途中で切れることになった。ミリィは天晴に抱えられたまま、穴から出てきたのだ。ビリーの手は宙に浮いたままである。
「ありがと、天晴。お兄ちゃんもありがとう」
「お、おう」
 なんとなく浮いた手をぶらぶらさせる兄に、妹は笑って。
 今度はミリィから手を伸ばす。
「まだ全部回ってないでしょ? もう少し、いろいろ見てみない?」
「そうだな、行くか」
 まだ朝は早い。もう少し二人のんびり回る時間はあるだろう。
 中のいい兄妹は手を繋いだまま、辺りをまた見て回るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
【太陽と月と星】

おはようございます……昨夜は戦争でしたね
ふふ、顔が青いですよザッフィーロ君
楪君もあそこで嘘など言わずに素直に白状していれば優しくしたんで
すけどねぇと笑って
望君が顔を合わせてくれません
どうしたことでしょうか、ねぇマクベス君、グラナト君

6人で集まるのはあまりない機会なので、観光がてらののんびり散歩を楽しみましょう
そこかしこに広がる無数の穴の数々にはできるだけ見えないふりをしつつ
ザッフィーロ君の姿が見えなくなれば探すように首をめぐらせt―――
あーっ!!
エコー効果をかけて足元の巨大な落とし穴に落ちたならば、底でザッフィーロ君を見つけるでしょう
仲良く落とし穴に落ちてしまいました、と笑って


月待・楪
【太陽と月と星】

はよ……あー、くそ、全身いてぇ…
いや、だって、宵さんマジで目付きヤバかったから、つい…
つか、猫助の枕UCは……他に使い道あんの?
密室での目眩ましとかか…?

大丈夫…あー、氷月、まぁなんだ……揃って枕投げの悪夢でも見たんだろ

野郎ばっかでも、楽しめたらいいんじゃね?
観光名所とかあんのか、ここ
あるんだったら土産とか買うのもいいかもな
(全力で穴を無視する努力)
って、ひづ?!
う、ぁっ!?
(落ちる氷月を捕まえようと慌てて足を滑らせる)

途中で咄嗟に【念動力・空中浮遊】使って着地
…え、は、ひづ?
しんでる…?
……おい、まさか!
眼鏡割れて死んだのか…?
ふざけんなよ?殺し直すぞ?


グラナト・ラガルティハ
【太陽と月と星】
枕が片付けても片付けても無くならなかったな…。
マクベスは眠そうだが昨晩は楽しかったようだし、それならいいのだが。
宵は元気そうだな…まぁ、宵は昨晩の勝者のようなものだしな…。

穴がたくさんあいているな…マクベスに何か考えがある様だし付き合うか。
(裾を掴まれ一緒に落ちる瞬間に自身が下になって抱きしめるが底近くで風の精霊に守られ安堵し抱きしめるのをゆるめふわりと降りる)
心配は無用だった様だな。

まぁ、他の4人もなんとかなるだろう。


氷月・望
【太陽と月と星】

はよー、ございます……(ぐったり
すげぇ速い枕と、すげぇ多いそばがら枕に潰されて
つか、一回ガチで冤罪枕が飛んできた様な……?
(うなされていたのか、まだ意識がはっきりとしていない

楪、大丈夫か?
枕に潰されるとか夢だよな、多分

とりあえず男六人、観光開始ってコトで
いやー、風情あるなー
穴は見なかったコトにしよう、俺は何も見なかった(こくり
穴は見ないふり、見ないふ――
って、ちょォォォッ!?(うっかり落下コース

上手く着地、出来るかもだケド
伊達眼鏡が割れたまま、【闇に紛れる】併用で死んだふり
……夜の仕返しで、【催眠術】も使って
ちょっとリアルに

……眼鏡割れて死んだって
眼鏡が本体じゃないからね!?


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【太陽と月と星】

あ…青く等ないぞ?ただ…お前を怒らせると大変だとそう思っただけでな…とぼそぼそ宵へ声を投げつつも
眠そうなマクベスを見れば、二人とも夜更かししたのか?とマクベスとグラナトへ声を投げつつ宵はよく眠れたか?と声を投げつつ隣に立とう

後落とし穴…か
落ちんといけぬとは言え…誰かに落とされるのは避けたい故
ついぞ氷月と月待を警戒するように視線を向けつつ歩いて行こうか
宵、お前も気を付けr…!!?

氷月と月待を警戒しすぎたのか己から穴に落ちてしまえば頭を抱える…も
続いて落ちて来た宵を見れば穴の底から受け止めようと手を伸ばそう
お前迄落ちずとも良い物を…、…だが。なんだ。お前と離れずに済んで、良かった


マクベス・メインクーン
【太陽と月と星】
ん~…おはよう…(寝起き悪い)
昨日…?
うん、昨日…楽しかった…
(グラナトさんにくっついてまだ眠そうにしている)

(ここからは目が覚めている)
落とし穴めっちゃあるなぁ…てかオレ翼あるんだけど
これ落ちる方が不自然じゃね?
てことで、まだ寝起き悪い【演技】して
穴に気づかなく足を踏み出して落ちるかな
グラナトさんの袖掴んでるから一緒に落ちてね?
ま、穴の底にぶつかる寸前で風の精霊に
浮かせて貰って安全に落ちるけどな
ふふっ、結構スリリングだったでしょ♪

頃合いを見計らってまた風の精霊に力借りて
穴から出るけど……
他の4人ってどうやって出てくるんだろうな?
手段なきゃ手伝うけどさっ

※アドリブOK




 清々しい朝が来た。
 すっきりした顔の宵は晴れ晴れと向こうからやってきたマクベスとグラナトに挨拶をする。
「おはようございます……昨夜は戦争でしたね」
「ん~……おはよう……」
「おはよう。宵は元気そうだな」
「ええ、とっても気持ちのいい朝ですし」
 昨晩の勝者のようなものであった宵の表情は、快晴の空と同じくらい明るい。
 一方、先程から宵の隣に立つザッフィーロの表情は浮かばない感じである。顔色は青い。
「ふふ、顔が青いですよザッフィーロ君?」
「あ……青く等ないぞ? ただ…お前を怒らせると大変だとそう思っただけでな……」
 などとぼそぼそ呟きつつ、眠そうなマクベスに目を留める。
「二人とも夜更かししたのか?」
「昨日……? うん、昨日……楽しかった……」
 マクベスはまだ眠そうで、グラナトにくっついたまま猫のようにくしくしと目をこすっている。グラナトはそんなマクベスを支えつつも、少し疲れた顔だ。
「枕が片付けても片付けても無くならなかったな……」
 あふれる枕の怪により、そばがら枕が片付けても片付けても無くならない。けれどもまあ、マクベスが楽しかったならいいか、と側の金の頭を撫でてやる。
 そこに望と楪が、ぐったりとした顔つきでのろのろとやってきた。とても目が死んでいる。
「はよ……あー、くそ、全身いてぇ……」
「はよー、ございます……」
 望はのろのろと楪を見て、ぼんやりした顔で呟いた。
「なあ、俺、記憶曖昧なんだけど……すげぇ速い枕と、すげぇ多いそばがら枕に潰されて……つか、一回ガチで冤罪枕が飛んできた様な……?」
「……あー……多分気のせいだ、うん……つか猫助の枕UCは……他に使い道あんの? 密室での目眩ましとかか……?」
「さあ……? 特別、仕様だし……」
 眠たいからか素っ気ないマクベスの返事に、楪は疲れが取れないままの体にため息をつく。
「楪、大丈夫か? 枕に潰されるとか夢だよな、多分」
「大丈夫……あー、氷月、まぁなんだ……揃って枕投げの悪夢でも見たんだろ」
「ふふ、悪夢ですか。楪君もあそこで嘘など言わずに素直に白状していれば優しくしたんですけどねぇ」
 くすり、揶揄うような何やら黒いようなそんな笑顔を宵が浮かべる。
 びく、と体が震えるのが3人ほど。
「いや、だって、宵さんマジで目付きヤバかったから、つい……」
「何か?」
「イエ、ナンデモアリマセン」
 クスクス笑う宵に楪も望も目を合わせない。
「望君が顔を合わせてくれません。どうしたことでしょうか、ねぇマクベス君、グラナト君」
「ほっといていいんじゃない、かなー……眠ぅ……」
「まあ、そのうち戻るんじゃないか」
 さて、せっかく6人集まったのだ。滅多にないことではあるが、観光を楽しむのもいいだろう。そう思って6人で旅館の周りを散策することにした。
 自然の残った山の中、涼しい風が吹いてくる。鳥のさえずりも耳に心地よい。都会とは違う風景に、空気に、心が洗われるようでもある。
「いやー、風情あるなー」
「観光名所とかあんのか、ここ。あるんだったら土産とか買うのもいいかもな」
「少し離れたところに兎の祀られた神社があるそうですよ」
「へー、どんななんだろう」
 そんな風に和気あいあいと話しながら、ゆっくりと散歩していく。中々に身長の高い男性6人が集まって見ようによってはむさ苦しいかもしれないが、楽しければいいのだ。
 そう、あちらこちらに無数に広がった穴を見なければ。見ないことにすればとても楽しい。
 既に人が落ちたあとなのか、ぽこすか地面に穴が空いている。底は見えない。けれどそこに落ちていかねばいけないのだ。
(落ちんといけぬとは言え……誰かに落とされるのは避けたい)
 ザッフィーロはその穴自体より、背後からついてくるのではないか、と望と楪を警戒し、視線を時折ちらりと向けつつ歩く。
「宵、お前も気を付け……!!?」
 そう言いながら、ふっとザッフィーロの姿がかき消える。スカッと落とし穴に落ちていったのだ。
「ザッフィーロ君!?」
 急に消えたように見えたザッフィーロを探すように、宵は首を巡らせ、わずかに足を進ませると、その体が沈む。
「あーっ!!」
 あーっ………ぁー……ー……、とエコーをかけつつ宵も足元の巨大な落とし穴に落ちていった。
 一方、警戒されていた望も穴を見ないふりをして進んでいたら急に体が傾ぐ。
「って、ちょォォォッ!?」
「って、ひづ?! う、ぁっ!?」
 穴を見ないふりをしていたが故に足元をよく見ていなかったのだ。楪は落ちる氷月を捕まえようと慌てて足を滑らせ、二人前後して穴へと落ちていく。
 ぱっちり目をさましたマクベスだが、足元不注意で落ちていった二人に、追いかけて落ちた二人を見送りながら思う。
(落とし穴めっちゃあるなぁ……てかオレ翼あるんだけど
これ落ちる方が不自然じゃね?)
 背中にある竜の羽の存在を思いつつ、ちょっと悩んでから。
「う〜……まだ眠い……」
 と、未だ眠く頭も目もぼんやりした振りでグラナトの袖を掴んだま、近くの穴に足を踏み出して落ちていく。
「一緒に落ちてね?」
 急に穴に踏み出したマクベスに少々驚いた顔で落ちないように留まろうとしたグラナトだが、その後に呟かれた言葉に力を抜いて一緒に落ちていく。
(……マクベスに何か考えがある様だし付き合うか)

 底では先に落ちていたザッフィーロが頭を抱えていた。望と楪を警戒しすぎて己の足元を疎かにするとは、と。自分から穴に落ちていけば世話はない。
 ひとまず立ち上がると、耳に叫び声が届く。
 上を見れば宵が落ちてきていた。なかなかの速度で落ちてきた宵に手を伸ばし、受け止める。
 先程までの慌てぶりが嘘のように、宵は穏やかに笑ってみせた。
「ふふ、仲良く落とし穴に落ちてしまいました」
「お前迄落ちずとも良い物を……」
 とは言いつつもザッフィーロの顔も笑っている。
「……だが。なんだ。お前と離れずに済んで、良かった
「そうですね。僕も君と一緒で良かったです」

 望は楪より先に底に着いた。怪我することなく着地はできたけれど、伊達眼鏡が割れてしまった。
(うーん……そうだ)
 そのまま闇に紛れて、ぱたりと穴の底に倒れ込む。昨夜、生贄にされた仕返しだ。土で汚れた姿、割れた眼鏡。臨場感も相まって、かなりリアルだ。
 その内に楪も落ちてきた。彼は念動力も駆使して穏やかに着地する。
 けれど、その目が捉えたのは──横たわる望の姿。
「……え、は、ひづ?」
 声をかけてもぴくりとも動かない。
「しんでる……? ……おい、まさか! 眼鏡割れて死んだのか…?」
 混乱しているのか本心なのか。まるで望が眼鏡のヤドリガミかのようなことを言いつつ楪は望の側に膝をつく。
「ふざけんなよ? 殺し直すぞ? なあ、ひづ……!」
 そんな慟哭を望は横になったまま聞いていた。
(……眼鏡割れて死んだって、眼鏡が本体じゃないからね!?)
 もう少し驚いたままでいればいい、と思いながら。

 穴の底へと二人で落ちていくグラナトとマクベス。落ちた瞬間に、マクベスを庇うように下になったグラナトだが、底に近くなったときに風に受け止められる。それに安堵して腕を緩め、ふわりと二人降り立った。
「心配は無用だった様だな」
「ふふっ、結構スリリングだったでしょ♪」
 適当に頃合いを見計らってまた風の精霊に力借りて穴から出よう、と相談しながらふと他の面々を思う。
「他の4人ってどうやって出てくるんだろうな? 手段なきゃ手伝うけどさっ」
「まぁ、他の4人もなんとかなるだろう。壁を登ってもいいのだからな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サクラモフウサギ巨大種』

POW   :    ぶーっ!ぶーっ!
【鳴き声と共に激おこうさぎモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    もふもふもふもふ
対象の攻撃を軽減する【超もふもふ毛皮】に変身しつつ、【踏み潰し】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    サクラモフウサギの大群
自身の【寿命】を代償に、【サクラモフウサギの群れ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【体当たりや齧りつき、キックなど】で戦う。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサクラモフウサギ・モドキです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●🐰
 ずしーん。
           ずしーん。
   ずしーん。
 穴にいっぱい落ちたその光景に満足して、謎の人影は巨大なうさぎにつけていた縛りを解く。
 軽快に跳ねながら、旅館の向こうからひょっこりとサクラモフウサギが顔を出す。
 その大きさは小山を超えていた。大体、落ちていった穴と同じくらいの大きさだった。


 山ほど掘られた落とし穴にすかっと落ちたり、わざと落ちたりした猟兵達。
 落ちてからほぼすぐだったり、数時間かけて穴から這い出したりしながら、身支度を整えて。のんきに首を傾げているうさぎの影朧には万全の体調で挑めるだろう。
 うさぎの影朧はとにかく大きい。
 しかしながら、この個体の性質はかなりおとなしく、攻撃されなければ暴れたり、反撃したりしてこない。
 つまり、もふり放題、埋もれ放題である。
 ふっかふかで細かな毛は見るからになめらかで柔らかそう。土で汚れている様子もなく、ほんのり桜の香り。これ触ったら気持ちいい絶対、と確信できるほどである。
 あとまあ、説得も通じるかもしれない。なんとなく、フィーリングでそう思った。
 猟兵達は思い思いにうさぎへと向かっていくのだった。
===
・落とし穴に引っかかったので、サクラモフウサギの巨大種が現れました。もふもふです。
・戦闘はユーベルコード使って一発入れますくらいでも倒せます。
楼・静鳳
◎〆

うん
何事も経験という
(恐れもなく存分にモフウサに埋もれもっふる)
これが『もふもふ』という感触なのだね
有難う

我々消えれば影隴は独りきり
それは―…そう、『嫌』だ
【動物と話す】も使い説得
人の心も解らぬ俺が影隴の心を知る筈もないが
目細める部位を撫でつつ
「君と同じ『兎』に出会った事がある
真白で目の赤い
君に似て―君と違い、目の奥に輝く何かを持っていた
俺は其れを多分、綺麗と思った
あれは『命』だと―今なら判るよ
君も嘗て輝いた
傷ついた末に退治されて終いの影隴でなく
草を食み巣穴で眠り命を繋ぐ
君と君の仲間に会わせてくれないか
人参を沢山土産に持っていくから」
皆存分にもふり説得成功の兆し見える頃ユーベルコードで送る




 そのうさぎは大きかった。
 静鳳が見上げれば頭は遥か遠くの高さにある。目線をおろしていけば、目前に見える毛並みはもふもふで気持ち良さげだ。
「うん。うん」
 静鳳は目の前に見えるうさぎの足にふかっと埋もれる。そう、何事も経験という。ならば堪能せねばなるまい。
 故に全身で、もっふりもふふんとその毛並みを堪能する。
 ふかふか毛並みは静鳳を優しく受け止め、包み込む。指でさらさらと手触りの良い毛並みを撫ぜてやれば、日向と桜の香り。うさぎ自体の体温も相まってとても暖かな心地だ。
 初めての体験を静鳳は堪能してから、少し身を離す。
「なるほど、これが『もふもふ』という感触なのだね。有難う」
 よしよし、と目の前の足を撫ぜていけば、ふんすふんすと鼻の鳴る音がする。
 ふと、思う。
 今は猟兵達にもふられどこか幸せそうな風情だが、もしこのままうさぎを放置して帰れば、この影朧は独りきりだ。
 いつまでも、巡ることなく、ひとりきり。
(それは―─……そう、『嫌』だ。人の心も解らぬ俺が影隴の心を知る筈もないが)
 ふすふす鼻を鳴らす部位を撫でてやりながら、静鳳は語りかける。
「君と同じ『兎』に出会った事がある」
 以前腕に乗せた、真白の命を思い出す。今触れている影朧に比べれば、とても小さなうさぎ。けれど生きている命。
「真白で目の赤い、君に似て―─君と違い、目の奥に輝く何かを持っていた。俺は其れを多分、綺麗と思った」
 きらきらと血潮の流れるその目には命の輝きが溢れていて、眩しいくらいの美しさだった。
 優しく撫でる手を止めぬままに、静鳳は語りかける。
「あれは『命』だと―─今なら判るよ。君も嘗て、同じように輝いた」
 長くとも短くとも、過去を生みながら現在を過ごして未来に至る、命の輝き。それは目の前にいるうさぎの影朧も同じだったはずだ。
 寂しさや苦しさに傷ついた末に、骸の海へ沈め、と退治されて終いの影隴でなく、明るい日の下で草を食み巣穴で眠り命を繋ぐ。そんな生だったはずだ。
「なあ、命の和に帰ろう。そして、新しい君と、君の仲間に会わせてくれないか。人参を沢山土産に持っていくから」
 いつかの未来を夢見ながら。きっとその姿は夢中になるくらいの美しさだろうから。

 誰もが、影朧も満足するまで。
 存分にふれあい、もふりたおして。
 静鳳は淡く明滅する星辰を身に纏い、そっと次の生へと送り出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラキス・ギオ
◎ アドリブ・絡み歓迎
SPDで挑戦

ウサギさんを攻撃せずに、説得
もふもふと抱きつきたいのを我慢し、ウサギさんに頼んでみる
「もし良ければ、ボクになでなでさせてもらえませんか?」
「もふもふは、する側はとても幸せです。でもされる側だって幸せにならないといけないんです。」

ウサギさんが応じてくれたら、幸せのおすそ分けを
耳やお腹は避けながら、ウサギさんの額の部分を全身を使ってなでなで
「気持ち良いですか?ウサギさんも幸せになって良いんです。」

ゆっくり寝かしつけるようになで続け、
ウサギさんがゆっくり眠り始めてくれたら、そっとUCで癒し始める
「もふもふウサギさん、生まれ変わったら、もっと幸せになってくださいね。」




 うずうずと沸き起こるもふもふ欲を押さえ込んで、ラキスはうさぎの影朧に頼み込む。
「もし良ければ、ボクになでなでさせてもらえませんか?」
 そのほっこりした胸の毛や、手足のもっふり具合ももふりすとの心をくすぐってくる。けれど、一方的なふれあいではいけないのだ。
「もふもふは、する側はとても幸せです。でもされる側だって幸せにならないといけないんです」
 もふもふする行為は幸せだ。なんかこう柔らかい心地や満たされる気持ち、ふわふわの気持ち良さげ、そんな気持ちをもたらしてくれる。けれどそれが一方的なものであってはいけない。
 もふもふされる側にだって、なでられたりもふられたりするときに心地よさや気持ちよさがなければならない。そう、win-winの関係であるべきだ。
 もふ、と細かな顔の毛がラキスのそばに見える。彼女の気持ちが伝わったのか、巨大なうさぎは頭をラキスのそばに下げてきた。
「わぁあ……!」
 ラキスはよじよじと大きな顔を登っていき、自身の桜の枝が刺さらないようにしながら、額のあたりを全身で埋もれながらなでなでする。
 ふかふかの額の毛はとても柔らかく、おひさまと桜の香りがする。ふっかりと埋もれるそのふかふかの毛並みは柔らかくラキスの体を受け止める。手触りがさらさらした細い毛をすいてやりながら、そっと優しく撫で続ける。その動きは優しく、優しく。母が仔をゆっくりと、寝かしつけるような穏やかさで。
「気持ち良いですか? ウサギさんも幸せになって良いんです」
 ふす、と目を閉じて。うさぎの影朧は気持ち良さげに耳を震わす。
 遠い遠い微かな幸せの記憶。まだ幼く小さかった頃、こうして庇護されていたような、そんな朧な心地。
「もふもふウサギさん、生まれ変わったら、もっと幸せになってくださいね」
 次ももし、また会えたら。
「またいっぱい、幸せなもふもふをしましょうね」
 ふわり、ふわりとラキスから桜の花吹雪が舞い、辺りを包み込む。もちろん影朧の見えない傷も包み込む。
 寂しさや苦しさを覆うような桜の花びらにうさぎの影朧はふんすふんす、花をの香りを嗅いで、満足げに鼻を鳴らしながら。
 ぷー、ぷー……と安らかに眠るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
ついに出たわね、黒幕……ウサギ??

このウサギが頭がはげるぐらいに計画を練り、
招待状を書いて、旅館を手配し、穴を掘ったと?

穴を掘る以外に手伝ったとは思えないですね。毛並みいいし、何よりはげてないし。

これは別に黒幕がいると考えるべきでしょう。
ならば、このウサギはもふっても良いということですね。

ポンっと手を打って、解決。

じゃ、このウサギはもふり倒しましょう。
全身でウサギ分を味わいます。

あれ? このウサギ、もしかして逃げるための囮?

これでは本当の黒幕が逃げてしまいそうですから、
旅館の玄関にUC【影の追跡者の召喚】で監視を付けておきます。




 穴から這い上がって、体勢を整えた摩那の耳に届く足音。
「ついに出たわね、黒幕」
 ずしーんずしーんと近づいてくる足音に身構えながら、摩那は不敵に微笑む。例え大きくともきっと神経使って禿げているに違いない。その禿を指差し、ヨーヨーぶつけて攻め立てようか、などと思っていたら。
  現れたのは毛のもっふもふとした大きな存在だった。先程登ってきた穴の底から地上までの大きさがこれくらいではないか、と思う。
 はて、と首を傾げて、足元から辿って上を見れば、遥か遠い位置には長い二本の耳が見える。
 そのシルエットはどう見ても人型ではない。
「……ウサギ??」
 そう、現れたのはぴるぴると耳を震わせて、たっぷりふかふかの毛並みをした巨大なうさぎであった。毛並みは艷やかで、ふかふか柔らかそうだ。何とも可愛らしい顔でそこら辺をふんすふんす嗅いでいる。
(このウサギが頭がはげるぐらいに計画を練り、招待状を書いて、旅館を手配し、穴を掘ったと?)
 それはない。即座に否定できる。精々、なんやかんや操られて、落とし穴を掘ったくらいであろう。何より、その毛並みはつややかもっふもふで、天辺にもどこにも禿げているところなんてない。
(これは別に黒幕がいると考えるべきでしょう)
 そう、ならばこのうさぎを攻め立てることに意味はなく。
「このうさぎはもふっても良いということですね」
 摩那はポンっと手を打って、晴れ晴れした顔でうさぎに向かって飛び込んでいった。
 ふかふかの毛並みは摩那の全身を優しく受け止める。肌に触れる細かな毛はさらさら柔らか、日向と桜の仄かな香り。指で梳いたり、撫でたり、うさぎの体温を感じながらぽかぽか心地を味わえる。
 全身でウサギ分を味わいながら、ふと摩那は思う。
(あれ?  このウサギ、もしかして逃げるための囮?)
 この場に集った猟兵は、大きなうさぎへ注目していたり、もふもふ埋もれていたりと、周りへの警戒が薄れている気がしている。そう思えば、これは黒幕が逃げるための囮なのではないか。
(一応、付けておきますか)
 ふかふかを味わいながら摩那は影の追跡者を旅館の玄関に仕掛け、もし逃げるものがいたら追跡できるようにしておく。
 その後はしっかりもふもふふかふか毛並みを堪能するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

国栖ヶ谷・鈴鹿
◎ 桜花(f22716)と一緒に!

【説得?】
わー!桜花!すごい!大きくてふかふか!
ねぇ、穴を掘ったのは悪いことだけど、絶対この子いい子だよ!
きっと、生前は寂しくて死んじゃったかわいそうな子なんだと思う……。
桜花!ここはめいっぱい可愛がってあげて、満足させて転生できるようにしよう?桜學府としても、きっとその方が良いと思うし!
ぼくも説得に使えるかと思って、(UCで)生チモシーいっぱい持ってきたから!

【輪廻の輪へ】
桜花と一緒にまふまふを堪能して、うさぎさんを満足させてあげよう。
戦うなら、出来るだけ痛くないようにアムネジアライザー(気絶攻撃)で、眠らせてあげてから、無事に転生できるように桜花に託すね。


千束・桜花

引き続き鈴鹿殿(f23254)と一緒に参ります!

も、もふもふじゃないですか!
ずるいです! 可愛いです!
こんなの攻撃できないじゃないですかーっ!
鈴鹿殿、しましょう、もふもふを。
我々の身体を以て、人間が友好的であることを示すのです!
いざ、もふもふダイブ!!

戦うというなら、貴方の苦しみや悲しみをすべて断ち切ってあげましょう!
この幻朧退魔刀『サクラブレェド』で!

初めての実戦だったので緊張していましたが……
(落とし穴にきれいにハマったことを思い出しつつ)ま、まあ余裕でしたねっ!




 息やら身支度やらを整えて、悪さをした影朧にいざ相対せん、そして懲らしめてお説教だー!と気合を入れた鈴鹿と桜花の前に、もっふりとした影が現れる。
「わー! 桜花! すごい! 大きくてふかふか!」
「も、もふもふじゃないですか!」
 ぐっと見上げるほどに大きなうさぎが、二人の前に現れた。胸元も手足もどこもかしこもふかふかした毛に覆われていて、とても柔らかそう。
 つぶらな瞳で辺りを見回し、興味深そうにふんすふんすと鼻をひくひく、耳をぴるぴるさせて辺りを探る仕草は、大きくったって愛らしい。大きさ以外は、うさぎそのままの影朧である。
 桜花は、この騒動の元になった影朧に、先程の穴に落ちた怒りや鬱憤をぶつけるつもりでいたのだ。けれど、こんなに可愛くては、そう。
「ずるいです! 可愛いです! こんなの攻撃できないじゃないですかーっ!」
 そんな鬱屈した気持ちもぶつけられない可愛さであった。こんな可愛いものを殴るなんて、桜花にはできない。鈴鹿もちょっぴり眉を下げてうさぎを見ている。
「ねぇ、穴を掘ったのは悪いことだけど、絶対この子いい子だよ! きっと、生前は寂しくて死んじゃったかわいそうな子なんだと思う……」
 影朧になるものは、生前傷を負っているものだ。寂しさや苦しさ、悲しさを抱いたものが過去から朧なままに蘇ってしまったもの。ならばこの大きなうさぎも、大変のんびりした風情だが、何か傷を背負って現れたに違いない。
 そう思えば、今ここにいることすらかわいそうな心地も沸き起こる。
「桜花! ここはめいっぱい可愛がってあげて、満足させて転生できるようにしよう? 桜學府としても、きっとその方が良いと思うし!」
 そう言いつつ、鈴鹿はぎゅっと手に草を握りしめて桜花に言う。
「ぼくも説得に使えるかと思って、生チモシーいっぱい持ってきたから!」
 和名・オオアワガエリ。ふかふかした穂を生やす短い牧草である。いわゆるうさぎの好きなご飯だ。山盛りのチモシーをそっと桜花にも差し出してきた。
「鈴鹿殿……しましょう、もふもふを。我々の身体を以て、人間が友好的であることを示すのです!」
 きりっと顔を引き締めて、桜花は差し出された牧草を半分受け取る。ご飯を上げたり、もふもふして友好を示して。ちょっぴりでも傷を癒やしてあげるのだ。
 二人、決意と共に頷いてから、うさぎの影朧に向き直って。
「いざ、もふもふダイブ!!」
「おー!!」
 もふっ、もふっとふかふかの毛並みに飛び込んでいった。
 ふっかふかの毛並みは柔らかく暖かく、二人を優しく包み込む。ぽかぽかしたお日様と、ほのかに香る桜の香りも心地よい。うさぎが身動ぐ振動も、なんだかゆっくり揺すられているようで落ち着く。
「まふまふ〜……」
「これは、極上ですね……」
 集まればふかふかなのに一本一本はさらりとしていて、極上の肌触り。
「ご飯如何ですか?」
「おいしいよ〜」
 程よくふかっとしたあとに、頭のあたりに生チモシーを差し出せば、大きな鼻でふんすふんすと確認してからパクリと食べて幸せそうな顔もする。
 その様は大きいだけの普通のうさぎである。けれど、このまま放ってもおけないのだ。
 鈴鹿は、うさぎの影朧を見守りながらそっと懐に忍ばせたアムネシヤライザアに触れて。
(戦うときは、できるだけ痛くないように……それから、桜花に託そう)
 桜花も腰に挿した幻朧退魔刀『サクラブレェド』に触れる
(転生するそのときは、貴方の苦しみや悲しみをすべて断ち切ってあげましょう!)
 うまく転生の輪に戻れますように。そう思いながら二人はもふったりなでたりご飯をあげて、うさぎの影朧と触れ合いをたっぷり続けるのだった。

 しばし他の猟兵ともふり、うさぎの影朧も満足したあと、転生の輪に返すためにほんの少しだけ、戦いがあった。
 それも終わって、うさぎの影朧が転生の輪に戻るさまを見守りながら、桜花は今回の任務を思う。
(初めての実戦だったので緊張していましたが……)
 隣の鈴鹿と楽しくご飯を食べて、枕を投げて、おやすみを言い合って。いい任務だったと思う。うさぎの影朧も満足したようで、その後の実践も己の役目をはたせた。これは初陣としては上々ではないか──と反省をしていると、落とし穴にすぽっとハマって落ちていったことを思い出した。これはちょっと慢心であった。穴はあったら入りたい、いやもう入りたくない。
 そんな桜花に鈴鹿は声をかける。
「桜花、初任務はどうだった?」
「ま、まあ余裕でしたねっ!」
「さすが桜花だねっ!」
 内心の反省はともかく、胸を張って余裕さをアピールする桜花に、知って知らずか鈴鹿は感嘆の声と拍手を贈るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
【路地裏】△

登る手段考えていたらカラス殿が来てくれました。
カラス殿、ありがとうございます。…ウケ、そんな目で見ないで下さい。

それにしても大きいと聞いていましたけど…。
頭を撫でるのもこれは大変ですね。

うさぎさん、すみませんが少し屈んでもらえますか?
あなたの可愛い顔を見るのも頭をなでるのも、その大きさではちょっと大変ですね。
それに、こんなにふわふわで良い香りのする毛並みなのに抱っこできないのも残念です。
ねえ、うさぎさん。もう少し小さな体に生まれ変わってみませんか?
そうしたら、毎回こんな大きな落とし穴を掘らなくても、もっと気軽に抱っこしたり遊んだりできますよ。
もふもふを堪能しながら優しく説得します。


ファン・ティンタン
【WIZ】兎掘りしかの穴
【路地裏】
アドリブ可

いや、やっと上がってきて、コレは……コレ、どうするの?
こんなの転生したら転生先が困りそうだなと思いつつ、現実から目を逸らして、とりあえずやりたい事を済ませる

大きな巨体を、穴を登った時のようによじよじと踏破して頭へ
毛に埋もれながら行けるだけ、穴登りよりは楽かな……なんて

登頂後は【動物と話す】技能を駆使して、暗躍する“T氏”について探りを入れる
あなたを縛っていた誰かについて、何か分かる事ある?

このまま放置するのも大ごとなので、説得を入れつつ【転生尽期】

小さい体になった方が、兎生、楽しいと思う
きっと、小さな体なら、小さな幸せでも満足出来るだろうから……ね?


落浜・語
△【路地裏】四人で

なんというか、デカすぎません…?UDCアースの特撮で見ることが出来そうな大きさというか…。
そりゃ、あの深さの穴も掘れるよなぁ…。頭が見えない
あ、カラス。狐珀の手伝い行ってたのか。ありがとうな。

さて。まぁ、うん、とりあえずモフろう。
つぶされないようにだけは気を付けながら、お腹のあたりとかもふもふ。ふかふか気持ちいい…。
一応、説得も通るっぽいけれど、説得…説得…?
いやほらね、またモフモフで普通のサイズならきっと、可愛がってもらえるだろうなぁって。

UC『烏の背中』使って、つつくかな。
普段、この状態のカラスって大きいと思ってたけど、うさぎのが大きいとなんか変な感じするな…。


ペイン・フィン
【路地裏】

……おっきい、ね
雲かかっている、よね、あれ

ともあれ
やることは、とりあえず変わらず
それに、説得も聞くみたいだし、そっちで、かな

ひとまず、動物会話を中心に、まずは友好的に、語りかけようか
こんにちは
いたずらうさぎは、あなたかな
人に迷惑かけるの、めっ、だよ

聞く耳持たないようなら、恫喝+恐怖を与えるで
じんわりと、殺気をにじませていく感じで
………言うこと、聞けとは言わないから
まずは、話だけでも、聞いてね

ある程度会話しながら、ちょっと時間稼ぎ
仲間も、何かやりたいこと、あるみたいだし、ね

仲間がやりたいこと、一通り終えたら、本格的に説得
大丈夫
生まれ変わった後も、いっぱい遊べるよ




 何やかんやしながらも穴を登ってきたファン、ペイン、語はちょっぴり呆然としながら上の方を見上げていた。
 天高く晴れた秋晴れの空、そこにそびえるもっふもふの毛並み。ぴるぴると長い耳が震えたり、ふんすふんすと鼻をひくひくさせている頭が遠くに見える。
「……おっきい、ね」
「いや、やっと上がってきて、コレは……コレ、どうするの?」
「なんというか、デカすぎません……? UDCアースの特撮で見ることが出来そうな大きさというか……」
「雲かかっている、よね、あれ」
「そりゃ、あの深さの穴も掘れるよなぁ……。足元からじゃ頭が見えないんじゃ……」
 どこまでも大きなそれは、ふっかふかの毛並みをした巨大なうさぎの影朧だった。あまりの大きさに、すぐにはどうこうする気も起きなくて見上げるしかない。
 そうしているうちに語の肩から離れていたカラスが狐珀を乗せて穴から出てきた。
「カラス殿、ありがとうございます」
「あ、カラス。狐珀の手伝い行ってたのか。ありがとうな」
 地に降り立ち、ちょっと安心した風に息を吐く狐珀。一緒に穴の底にいて一緒に登ってきたウケが狐珀を見る目は呆れを多く含んでいるようで、ひどくいたたまれない。
「……ウケ、そんな目で見ないで下さい」
 ちくちくささる視線を見ないふり気にしないふりしながら、狐珀も先の三人に倣って上を見上げる。
「それにしても大きいと聞いていましたけど……。頭を撫でるのもこれは大変ですね」
 高層ビルヂングの高さにある頭を撫でるにはかなり大変だろう。飛ぶか登るか、頭を下げてもらうか。
 狐珀はうさぎの影朧に語りかける。
「うさぎさん、すみませんが少し屈んでもらえますか?」
 足元の声に気を引かれたか、うさぎの影朧は腹ばいになり、ふすふす鼻を鳴らして頭を下げてくる。顔だけでもかなりの大きさだ。
(こんなの転生したら転生先が困りそうだな)
 場所や移動だけでも大変だが、食事なんかも大変そうだ。
 そう思い、巨大うさぎの現実から目を逸らしながら、ファンはもふもふとした毛を撫でてみる。柔らかい毛は細いが簡単にはちぎれなそうで少し安心した。痛くないように気をつけながらも筋肉や筋の隙間も伝って頭へと登っていく。
(毛に埋もれながら行けるだけ、穴登りよりは楽かな……なんて)
 語もとりあえずもふってみようとつぶされないようにだけ気をつけて、腹の辺りに近づいてみる。ふかふかの毛は埋もれても気持ち良い。柔らかい毛が多いのか、ふかふかの毛皮の心地。もふもふすれば程よい刺激なのか、うさぎの影朧はぷぅぷぅ鼻を鳴らしている。
(一応、説得も通るっぽいけれど、説得……説得……?)
 何を言えばいいのだ。うさぎの影朧に。
「いやほらね、またモフモフで普通のサイズならきっと、可愛がってもらえるだろうなぁって」
 普通サイズなら撫でら放題、可愛がられ放題だろう。こんな大きい姿でいる必要はない。そんな感じで語りかける。
 その横でペインも友好的に話しかけた。
「こんにちは。いたずらうさぎは、あなたかな。人に迷惑かけるの、めっ、だよ」
 友好的と言う割にはいきなりのおしかり。そんなペインの言葉にはぷぅ?といった顔で何を言っているのだろうといった風情だ。
 うさぎの影朧自体にはいたずらした記憶はないし、迷惑とかあんまりわかっていなそうだ。叱る言葉には耳を貸さず、撫でられたりかまわれたりする心地にふかふかの耳を震わせて満足げだ。
 その姿にペインは少し、恐怖を与えて話を聞かせようとする。
「………言うこと、聞けとは言わないから。まずは、話だけでも、聞いてね」
 そんな感じでペインが圧を与えていく、が。
 さて、うさぎに恐怖や殺気を与えたらどうなるか。まずは逃げる、逃げれなければ立ち向かう、などの行動を取ると予想される。
 うさぎの影朧はもふられるのは平気でも、殺気や脅しには敏感だったようだ。脱兎、という言葉が似合う勢いで逃げ出した。ずずずずず、と跳ねて近くの穴に潜り込む。
 地面が揺れ、もふもふしていた猟兵が振り落とされ、跳ね飛ばされていく。登っていたファンも同様だ。あと少しで頂点、というところで落とされる。
「ペイン……」
「うん……なんか、ごめん」
 巣穴に潜り込んで警戒しているうさぎを宥めたり餌で釣ったりして穴から誘い出す。先程までの撫でられる心地には勝てなかったのか、もう一度穴から出てきた。
 ふかふかしたり餌を与えたり、撫でたりするうちにうさぎの影朧はまたぷぅぷぅ鼻を鳴らしだした。
 今度は無事に頭のてっぺんにたどり着いたファンは、頭頂部をもふもふしながら、気になっていたことを聞いてみることにした。
「あなたを縛っていた誰かについて、何か分かる事ある?」
 最近暗躍し始めた謎の人物「T」。何か手がかりがあればいい、と思ったのだ。
 けれど首を傾げている影朧には全く心当たりがない。どうも人間の見分けはついていないっぽい。ふかふか気持ちいいなぁ、という風情でもふられている。
「……そう」
 知らないならしょうがない、とふかふかを堪能するファン。
 狐珀も鼻の辺りをなでてやりながら、優しく語りかける。
「あなたの可愛い顔を見るのも頭をなでるのも、その大きさではちょっと大変ですね。それに、こんなにふわふわで良い香りのする毛並みなのに抱っこできないのも残念です」
 今の大きさなら全身埋もれてふかふかもふもふを堪能できるだろう。けれど小さい体を抱っこできたら、うさぎの影朧もよりふかふかを堪能できるのではないだろうか。
「ねえ、うさぎさん。もう少し小さな体に生まれ変わってみませんか? そうしたら、毎回こんな大きな落とし穴を掘らなくても、もっと気軽に抱っこしたり遊んだりできますよ」
 よしよし、と優しく撫でながら、狐珀は語りかける。
 ペインも先程までの殺気をしまって、そっと足先を撫でてやり、話しかける。
「大丈夫。生まれ変わった後も、いっぱい遊べるよ」
 自然の中、いてもおかしくない姿の大きさに生まれ変われれば、また仲間と一緒に過ごすこともできるだろう。だから寂しくはない。
 ファンも優しげな声音でうさぎの影朧を説得する。
「小さい体になった方が、兎生、楽しいと思う。きっと、小さな体なら、小さな幸せでも満足出来るだろうから……ね?」
 優しく言われた言葉に、伝えられるぬくもりに。
 何となく、うさぎは、納得した気がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【太陽と月と星】

宵と助け合いながら穴から這い出る…も
もっふり兎を見れば思わず動きを止めてしまう
あの…あの柔らかな毛並み…何と見事な…!
宵、早速行くか…と、足を踏み出すも
見知った顔の4人を見れば宵の手を握り兎に突進せんと試みよう
宵が何か言っていた様だが…一番乗りは譲れんからな…!(もふううう)
…と。宵、息が荒いがどうかしたのか?

宵と手を繋いだ侭毛並みに埋もれながら各々楽しんでいる皆を眺めるも、影朧ならば説得が効くやもしれんと
ジェスチャーを交えつつ『動物と話』せる様意思疎通を試みてみよう
この大きさでは仲間と戯れる事も出来んだろう?
生まれ変われば友と在れる様になれるゆえに…どうだ、逝ってくれるか?


逢坂・宵
【太陽と月と星】

風の精霊に援けてもらいつつザッフィーロ君と穴の外に這い出ましょう
もっふり兎に震えるかれを見たなら苦笑いで
行ってらっしゃい、僕はここで見t(手を握られ引っ張られる)(手をつなぐ30)
ああああもう、このもふもふ動物愛好家!!!(罵声)

ぜえはあ、と肩で息をしつつサクラウサギの前へ
「優しさ」「コミュ力」をもってコミュニケーションを取りましょう
もふもふ兎さん、すばらしい毛並みですね
見事な穴も、あれは正しく使えば喜ばれるものです
兎さんへの会話はできる方にお任せして、僕はもふもふしてコミュニケーションをします
堪能してるだけでしょうって? ふふ
残念ですが、ユベコを使って兎さんとお別れしましょう


マクベス・メインクーン
【太陽と月と星】
うわ、でっけぇ~っ!
昼寝とかしたら気持ちよさそう…
ん?どうかしたグラナトさん?
って、なんか早速ダッシュしてったやつ居んだけど…宵さんお守り大変そう
兄貴たちも楽しみだしたしオレたちも
倒すまでは堪能しよーぜ♪

風の精霊の力使って
グラナトさんと2人で兎の頭んとこまで運んでもらうぜ
へへ~っ、これだけ大きいと眺め最高だな
少しだけ此処でのんびりしよ~ぜ
堪能したら【動物と話す】で説得してみるかな
お前穴掘りの才能すげぇなっ!
けど、これ以上はちょっと困っちゃう人がいるからさ、ごめんな
生まれ変わったら今度はオレと一緒に悪戯しようぜっ♪
1人で遊ぶより誰かと一緒のが楽しいもんだぜ!
堪能したらUCで倒す


グラナト・ラガルティハ
【太陽と月と星】
でかいウサギだな…あまり警戒心もないようだし触れても大丈夫だとは思うが。
…たしかに毛はふわふわとしているな…
(だが私はやはりマクベスの方がいい)

影朧はオブリビオンとは違うし説得してみるのも手か…。
【動物会話・動物使い】
穴もたくさん掘ったし俺たちも落ちた訳だが…満足できたか?
とりあえず次にウサギに生まれ変わるなら少し小さいサイズの方がいいと思うぞ。
そうすれば今より穴掘り放題だ。
どうだ?悪くないと思うのだが。


月待・楪
【太陽と月と星】
仕方ねぇから氷月ごと【念動力・空中浮遊】で出てきたけど
ひづ、お前は後でぶん殴る

宵さんが誘拐されるし
ザッフィーロさんのキャラは変わってるし
猫助はナチュラルにうさぎと会話
もしかしなくてもおっさんもうさぎと会話
…和やかすぎねェ?

まぁ、いいんだが…ひづ、ほら写真撮るぞ
桜のにおいもしてるし、獣くささはないし、毛並みはいいし
もっと小さかったら飼育したくなるんだが
とりあえず、今はこの毛並みを楽しんでやるとするか
(隠れてるつもりのもふもふ好き)

あー…ふかふかやばい
このまま昼寝とかしたら最高なんだろうが
悪いな…このサイズは見過ごしてやれねェんだよ
なるべくUCで痛くないようにしてやるから…ごめんな


氷月・望
【太陽と月と星】

本当は、四人にドッキリ仕掛けるつもりが……
待って!殴られるの確定!?

うわ、なんなのあのもふもふラブ聖職者???(まがお 
あーあー、逢坂がすげぇ速度で引っ張られてらー【情報収集】
マクベスのヤツは普通に動物と話してるし
……え、グラナトも話せんの?マジで?(意外だったのか、ぽかん

ゆず、先に写真撮ろうか?
俺もちょっとくらい……おおっ、すげぇもふもふ
飼育、か……(実際にしたら、嫉妬しそうという言葉は隠しつつ)
ふかふかに満足そうな、ゆずは撮るケドね

動物と会話とか出来ねぇし……
『終雷』で出来るだけ、痛みを感じねぇ様にはするかね
ま、割と楽しかったし……サンキューな、もふもふ




 楪は望を抱え、念動力で空を飛びながら穴から出てくる。望はひどく残念そうだった。
「本当は、四人にドッキリ仕掛けるつもりが……」
 ばらばらに落ちていったから、仕掛けられたのは楪のみ。驚きの表情を見られると思ったのに残念であった。しかし脅かされた楪にとってはたまったものではない。とても心配したのだ。それを苛立ちに変えて、楪は抱えた望に告げた。
「ひづ、お前は後でぶん殴る」
「待って!殴られるの確定!?」
 マクベスとグラナトもほぼ同時に穴から出てきた。
「うわ、でっけぇ~っ!昼寝とかしたら気持ちよさそう……」
「でかいウサギだな…あまり警戒心もないようだし触れても大丈夫だとは思うが」
 風の精霊の援けを借りて、ザッフィーロと宵も穴の外に這い出て来た。
 割と近い位置のうさぎの影朧を見た瞬間、ザッフィーロの動きは止まる。
「あの……あの柔らかな毛並み……何と見事な……!」
 わなわなと震えるザッフィーロ。恐怖ではなく、もふもふへの愛と興奮で震える姿に、宵は苦笑い。
「宵、早速行くか」
 ザッフィーロは一歩足を踏み出すが、そんな彼の視界に映ったのは他の四人。
「行ってらっしゃい、僕はここで見」
 宵はその言葉を言い切ることもできずに、一番乗りを譲れずうさぎの影朧に突進していくザッフィーロに手を握られ引きずられる。
 振り払えず引っ張られ連れ去られる宵の罵声がその場に響いた。
「ああああもう、このもふもふ動物愛好家!!!」
 ザッフィーロのあまりの変貌ぶりに残された四人はどこか呆れを含んだ反応をしている。
「なんか早速ダッシュしてったやつ居んだけど」
「うわ、なんなのあのもふもふラブ聖職者???」
 マクベスと望はつい真顔で見送ってしまう。グラナトはいつもどおりだが少し呆れた感じだし、楪も見送るだけだ
「あーあー、逢坂がすげぇ速度で引っ張られてらー」
「誘拐状態だな」
「宵さんお守り大変そう」
 付き合わされる宵に若干同情しつつも暴走もふもふ愛好家は任せることにするのだった。

(宵が何か言っていた様だが……一番乗りは譲れんからな…!)
 お尻のあたりのもっふりした毛並みにもふうううと埋もれ、大変幸せそうにザッフィーロの顔は緩む。そこはもこもこした毛が多いのか、他より弾力を持っていた。全身でもふってもへたれることなくもふもふを返してくれる。
 桜の香りを感じながら幸せにもふるザッフィーロの横では、未だ手を繋がれたのままの宵が肩でぜえはあ息をしていた。
「……と。宵、息が荒いがどうかしたのか?」
「君のせいですよ……!」

「ひづ、ほら写真撮るぞ」
「ゆず、先に写真撮ろうか?」
 もふもふを自分達も堪能しようと望と楪は二人並んで、お腹のあたりのもふもふに埋もれる。ほんわかと香る桜の香りとふわふわの柔毛が気持ちいい。もふもふ好きの楪にも、普通の望にも幸せな感触だろう。
 ふかふかに埋もれて桜の香りに包まれながら、楪は全身で堪能している。幸せそうな顔だ。本人はもふもふ好きを隠しているつもりだが、まったく隠れていない姿である。
「あー……桜のにおいもしてるし、獣くささはないし、毛並みはいいし。もっと小さかったら飼育したくなるんだが」
 流石にこの大きさではアパートになんて入らない。小さかったら見守ってご飯あげてたまにもふもふして、と愛でる自信が楪にはあった。
「飼育、か……」
 実際に楪がうさぎを飼い始めたら、そのうさぎに嫉妬しそう、という言葉は飲み込んでおく。けれどふかふかに満足そうな楪は大変いいものだ。ぱしゃり、とスマホで緩んだ雰囲気の楪を記録していく。
「あー…ふかふかやばい」
「確かになぁ」
 それはそれとしてふかふかに抗いがたい。このまま昼寝ができたら最高だろう。特に昨夜あまり良く寝れなかった二人には効果抜群で、少しうつらうつらしている。

「兄貴たちも楽しみだしたし、オレたちも倒すまでは堪能しよーぜ♪」
 マクベスは風の精霊にグラナトと一緒に包み込んでもらい、うさぎの頭、後頭部の辺りまで飛んでいく。
 高層ビルヂング程あるうさぎの影朧なのだ、その頭の高さになればその眺めは良いだろう。
 マクベスとグラナトは後ろ頭に座って景色を眺めて見る。
「へへ~っ、これだけ大きいと眺め最高だな。少しだけ此処でのんびりしよ~ぜ」
 秋の風が渡る空、ふかふか温かい毛に埋もれて見る自然に囲まれた景色は美しい朝の姿だった。
「……たしかに毛はふわふわとしているな……」
 グラナトがふと、毛をなでればつやつやで柔らかい。ふかふかにもふもふ、とした柔らかな毛並みは、座った体が埋もれるほどに柔らかく受け止めてくれた。
 けれどグラナトには、このもふもふ具合よりも心地よい感触があった。さらりと流れる猫っ毛のような滑らかな撫で心地。間近にあるマクベスの髪をなでてから、うむ、と一つ頷く。
(だが私はやはりマクベスの方がいい)
「ん? どうかしたグラナトさん?」
 不意に撫でられ首を傾げるマクベスには何でもない、と首を振ってみせながら、撫でる手は止まらないのだった。

 さて、もふもふを堪能したら説得の時間だ。
 ザッフィーロと宵は、ちょうど腹ばいになったうさぎの影朧の前面へと回ってくる。
ジェスチャーを交えつつ『動物と話[※動物と話す5]』せる様意思疎通を試みてみよう
「うさぎよ、この大きさでは仲間と戯れる事も出来んだろう? 生まれ変われば友と在れる様になれるゆえに……どうだ、逝ってくれるか?」
 宵は動物と話すことはできないが、前足のあたりをなでてもふもふを堪能しながら、ちょっとだけ褒めてみる。
「もふもふ兎さん、すばらしい毛並みですね。見事な穴も、あれは正しく使えば喜ばれるものです」
 あとはできる者に任せてもふもふを堪能しだした。
 マクベスとグラナトも降りてきて、うさぎの影朧を宥めたり、説得にまわる。
「お前穴掘りの才能すげぇなっ! けど、これ以上はちょっと困っちゃう人がいるからさ、ごめんな」
「穴もたくさん掘ったし俺たちも落ちた訳だが……満足できたか? とりあえず次にウサギに生まれ変わるなら少し小さいサイズの方がいいと思うぞ。そうすれば今より穴掘り放題だ。どうだ? 悪くないと思うのだが」
 言われた言葉達にうさぎの影朧はまんざらでもなさそうだった。けれどその光景は非現実的ではある。
「ザッフィーロとマクベスのヤツは普通に動物と話してるし」
「もふもふ魔神に猫助だしなぁ……」
「……え、グラナトも話せんの?マジで?」
「……和やかすぎねェ?」
 もふもふ魔神と猫のような少年はまあなんとなくわからなくもないが、グラナトまで話せるという何ともファンシーな光景に望と楪の二人はぽかんとした顔で説得を眺めていた。

 何となく納得した気配を察知し、猟兵達は影朧を送ることにする。
「次も健やかに、うさぎらしいもふもふと姿で巡れるように祈っていよう」
「どうぞ安らかに」
「生まれ変わったら今度はオレと一緒に悪戯しようぜっ♪1人で遊ぶより誰かと一緒のが楽しいもんだぜ!」
「良き来世を」
「悪いな……このサイズは見過ごしてやれねェんだよ」
「ま、割と楽しかったし……サンキューな、もふもふ」
 思い思いに言葉を送ってやりながら、ユーベルコードで攻撃すれば、巨大なうさぎの姿は桜の花びらへと変わっていく。

 こうして、六人の愉快な旅行めいた依頼は終わりを迎えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月29日
宿敵 『サクラモフウサギ巨大種』 を撃破!


挿絵イラスト