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アースクライシス2019④〜目に見えない超耐性を持つ魔

#ヒーローズアース #戦争 #アースクライシス2019

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「皆、調子はどうかしら」
 もう既に多数の戦場を制圧し始めている状況を振り返りながら、皆にそう尋ねる。
 いくつもの戦場を抜けてきたものもいれば、今回が初めて、という者もいるだろうその場所で、瑠璃凰花・未来(神避の熾天使・f13139)はホワイトボードにいくつかの資料を貼り付けた。
「今回はヒーローズアースのモニュメントバレーって呼ばれてる場所に向かってもらうことになるわ」
 ユタ州南部からアリゾナ州北部にかけて突如現れたいくつもの洞窟。そこから、オブリビオンが湧いて出てくるのだという。
「幸い、総数事態はそこまで多くないらしいから、各個撃破でなんとかなるのだけれど、ちょっと厄介なのよね」
 顎に手を当てながら、そう告げる。なにか思い出しているような素振りにも見えるか。
「この洞窟、センターオブジアースに繋がってるのかしらね。神の一人、鋼神ウルカヌスが授けた『神鋼の鎧』を着てるって話よ」
 さすが神様、何でもありね、なんて言いながら、資料を指し示す。
 その資料には、神鋼の鎧がもたらす効力が記載されているようだ。
「齎す効果は簡潔に言えば、どんな攻撃も軽減してしまう効果、そして視覚的に捉えることの出来ない効果よ」
 どんな攻撃も。それは、物理的な攻撃はもちろん、気化したガス等の攻撃や、言葉などに寄る精神攻撃でさえ軽減してしまうという。そんな超耐性の鎧を着ているばかりに、現地では対処できていないらしいのだ。
「でもね、どんな鎧にも、弱点っていうものは存在するわ。例え全身隙間のない甲冑を着込んでいたとしてもね」
 そう、鎧には、必ず隙間がつきまとう。
「あ、でもオブリビオンがもともと着てる鎧は脱いでないって話だから、もしかしたら鎧の隙間の下に鎧、なんてことも考えられるわね……それはそれ、かしら?」
 ただの鎧なら、猟兵たちの力があれば容易く壊すことも出来るだろうと思っているらしく、あまり心配はしていないようだ。
「で、肝心の隙間なのだけれど……まぁ、皆もう察しが付いてるんじゃないかしら」
 全身甲冑だろうと必ず存在する隙間。それがあるとすれば、関節だ。
「関節まで存在しない鎧なんて、ただのカカシと変わらないしね。首、肩、肘、手首、股間、膝、足首、手足の指の関節……まぁぱっと思いつく関節でもこれだけ隙間があるから、皆ならなんとかなると思うわ」
 あとは、チェストプレートとレギンス、という意味で、腹部から腰回りにかけての隙間も存在するだろう。
「あとは、視覚的に捉えることの出来ない効果ね。目に見えない鎧、といえばわかりやすいと思う。魔法的な鎧らしいから、見た目は甲冑なんて言う仰々しいものを着込んでいるようには見えないってわけ」
 これも厄介な点に上がるだろう。視覚的に見えるのと見えないのでは、狙いのつけやすさが段違いだ。
「これの対策も、まぁ簡単ね。物理的な攻撃が見えないなにかに防がれるのだから、例えばペンキとかをぶっかけちゃえば見えやすくなる、ってことね」
 ペンキ以外にも、水をぶつけてみたりすれば、水があたってる間は見えたりもするだろう。
 最も、狙う場所は関節とわかりきっている。見えやすくする工夫なしでも、ある程度まではダメージを与えることが出来るだろう。
「敵はサンタを模した蝋使いらしいから、敵の使う蝋に注意かしら。捕らえられて固められたら厳しいわね。あ、もしかしたらこの蝋を逆用してやれば視覚的に捉えやすくなるんじゃないかしら?」
 勝ち目が見えたわねなどと不敵な笑みを浮かべる未来。
「あ、戦う場所は少し開けた岩場よ。多少なら遮蔽物もあるけど、蝋相手に隠れるには向かないかもしれないわね……それじゃ、健闘を祈るわ」
 そう言って、転移ゲートを展開、猟兵たちを見送るのだった。


るっこい
※※他の依頼と異なる点が存在します、ご注意下さい

 はいどうも、るっこいです。
 戦争依頼2つ目となります。魔法的な鎧ということでちょっと捻りを加えた依頼となっていますのでご注意下さい。

●第一章
 戦争依頼のため一章のみのシナリオです。
 また、当シナリオには特殊ルールが存在し、その内容は以下となります。
=============================
プレイングボーナス……どこかにある「鎧の隙間」を狙う。
=============================
 また、これとは別に、『視覚的に見えやすくする工夫』があることで、プレイングボーナスを差し上げます。
 仮に視覚的に見えやすくする工夫がなくても、鎧の隙間を狙うプレイングがあれば他の同種依頼と同様の判定は行いますのでご安心下さい。

●プレイングについて
 同行者の方がいる場合は一行目にお相手さんのお名前とID、もしくはグループ名をお書きください。お名前の場合はフルネームでなくて構いません。
 絡み歓迎、アドリブ歓迎、連携歓迎の方、字数に余裕があればお書きいただけると助かります。ステシでもOKです。とてもとても書きやすくなります。
 また省略文字もご利用いただけます。詳しくはマスターページを御覧くださいませ。

 では、皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『蝋燭サンタ『キャンドルサービスメイカー』』

POW   :    人間蝋燭素材一名様ご案内~♪
【溢れ出るほどの溶けた蝋が詰まった大きな袋】から【溶けた蝋の触手】を放ち、【袋の中に引きずり込み内部で全身蝋固め】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    蝋スライムちゃんと遊びましょ♪
対象への質問と共に、【溢れ出るほどの溶けた蝋が詰まった大きな袋】から【ドロドロ蝋スライム】を召喚する。満足な答えを得るまで、ドロドロ蝋スライムは対象を【全身取り込み蝋固め】で攻撃する。
WIZ   :    深~い蝋の沼で一網打尽♪
【手に持つ蝋燭から放つ大量の溶けた蝋】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を自身以外の全てが沈む蝋の沼に変わり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:かじぜん。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イヴ・クロノサージュ
◎アドリブと連携歓迎します
◎ツッコミ歓迎

――

●番組が違う
蝋燭の炎に混ざる火薬の匂いに誘われたのは、一人の魔法少女
ここは死の峡谷 モニュメントバレー

ユタ州南部に、蝋燭と血と涙と炎が包まれた時
済ました顔の少女が優雅にやってくる
―今晩も紅く染まった紅茶が旨い、と
その名は――

ってイメージ違うよ!何だこのむせるこのナレーション
正しくは…

『魔法少女 キュア・サージュ!
皆の笑顔を守る為に ここに推参だよ!』

●戦闘
①基本行動は浮遊しながら空から光線攻撃で膝を狙います
②仲間と協力して膝を狙います
③神鋼の鎧の隙間を探して、膝を狙います
④可能なら、飛翔する鍵で蝋燭を打ち返し
溶けた蝋が彼女に当たった隙に、膝を狙います


ミューリー・リーゼン
【連携/アドリブ歓迎】【WIZ】
目に見えない、なんでも軽減できる鎧かぁ。さすが神様、なんでもありだね!
でもふっふっふ、鎧が見えなくても敵が見えてるならミューリーの攻撃を当てれば鎧の位置がわかるもんね!
うまくいけば液体だから鎧の隙間に入るかも!
(空中に板チョコの絵を描いてそれが具現化すると、一気に液状になって敵に向かって降り注がせる)
当たると熱いよー!【振りまけチョコレート!】

攻撃が当たったらみんなに知らせるよ!
みんな、鎧の形が見えたよ!隙間にばんばん攻撃しちゃおー!



「やあ皆見てるー!? 蝋燭サンタ、キャンドルサービスメイカーだよー!」
 そんな声が、岩場広がる荒野に響く。
「今日は君たちに素敵なプレゼント!
 キャンドルサービスメイカー特性! ヒーローキャンドルを皆にサプライズ♪
 その声の正体――キャンドルサービスメイカーは、両手で送る仕草を見せる。
「今夜君たちの家に送ってあげるから、楽しみにしててね!」
 その言葉だけであれば、彼女が手作りしたヒーロー蝋燭を送る、
 そう聞こえるだろうが――恐らくその実態は、実際のヒーローを蝋で固めたものだろう。
 そんなまるでアイドル気取りの彼女の目の前にあるカメラには映らない場所。
 岩陰や枯れた樹の後ろに隠れる、或いは樹や岩に擬態するなど、
 様々な方法で彼女を監視する目がある。ヒーロー達だ。
 しかし彼らは、手を出さずにいる。いや――正しくは、出せない、が現実的だろう。
 だが、それでもその行動を取っているのは、一人でも多くの一般市民を守ろう、
 そんな意思からだろう、せめてその場所だけでも逐一知らせようしているためか。
 そこへ、不意に謎の声が響く。
『――蝋燭の炎に混ざる火薬の匂いに誘われたのは、一人の魔法少女。
 ここは死の峡谷 モニュメントバレー』
「え、何この音声! 誰か止めなさいよ!」
 メイカーが回すカメラは既に回っている状態。止めなさいよと言うが、
 そもそもそこにはメイカーと隠れているヒーローくらいしか居ない。
 止める者がいるわけもなく――代わりに空には、謎のヘリが飛んでいた。
『ユタ州南部に、蝋燭と血と涙と炎が包まれた時』
「何だよもうー!」
 すっかりアイドル気分だった彼女は憤りの様子。自分でカメラを止めればいいものを、
 それをしないのは忘れているからだろうか。
『済ました顔の少女が優雅にやってくる――今晩も紅く染まった紅茶が旨い、と。その名は――』
「全っ然イメージ違うじゃん!! 何、この戦争番組みたいなむせるナレーションは!
 ここは、あたしの番組! 正しくは――」
「魔法少女キュア・サージュ!」
「ってちょっとー!!!!!????」
 メイカーとカメラの間に突如現れた謎の人物、魔法少女キュア・サージュ。
 まるでその名乗りを奪い取るかのように、カメラとメイカーの間に現れた。
「皆の笑顔を守る為に、ここに推参だよ!」
 メイカーの抗議の声など意に介さず、しっかりポーズまで決める。
 正しくはイヴ・クロノサージュ(《魔法少女》キュア・サージュ・f02113)なのだが、その正体を見破るのは猟兵以外には難しいとかなんとか。
 色々バレバレなのは、突っ込んだら負けだろう。
「あんた、人の番組奪い取ってただで済むと思ってるの!?」
 指差しながらなおも講義を続けるメイカーに、キュア・サージュは向き直り。
「貴方のような、子供の笑顔を盾に悪事を働く方は、この私が絶対に許しません!」
「うっ!?」
 ビシッと言いつける。
 実際、彼女がやろうとしている特性キャンドル。本当のキャンドルならば、喜ぶ者もいるだろうが、そういうわけではないのだ。
 後ろめたいことをしている、そんな自覚があるのだろう、指摘されたじろぐメイカー。
「うるさい、あたしの番組を奪ったことを後悔させてあげる!
 ――深~い蝋の沼で一網打尽にしてあげる♪」
 キュア・サージュの出方を伺うまでもなく、メイカーは仕掛ける。
 どこからか取り出した蝋を手に、そこから大量の蝋を放った。
 これにキュア・サージュは大きく飛び退き、空中へ。
「あ、空なんて卑怯だぞー!」
 キュア・サージュとメイカーの間は瞬く間に荒野の地面からくすんだ白へと変わる。
 メイカーの放った蝋が一体を侵食し、蝋の沼を作り出していた。
 それを見越した行動だろう、キュア・サージュは空中での戦いを選んだのだ。
 そして空というアドバンテージを利用し、ある程度距離を取っていれば、《《魔法少女》マジカル・メイクアップ》によって既に高い回避能力を得ているキュア・サージュに攻撃が当たるはずもなかった。
「目に見えない、なんでも軽減できる鎧かぁ。さすが神様、なんでもありだね!」
 そんな中、隠れるヒーロー達に紛れ隙きを伺う猟兵の姿がもうひとり。
 ミューリー・リーゼン(スウィートアーティスト・f21643)、お菓子が大好きな妖精だ。
「ふっふっふ……例え鎧が見えなくても、敵が見えているならミューリーの攻撃の前では無意味だよ」
 そう言って、手にするペイントブキ、カラーマーカーを手に、空中へ一つの絵を描き始める。
 使われるカラーは茶色。下地に薄くやや細長い箱を描き、上面に四角い凹凸をいくつか作る。そしてその凹凸に合わせた陰影を描き込めば――板チョコの完成である。
「当たると熱いよー! 《振りまけチョコレート!》」
 キュア・サージュを狙うことにすっかり夢中なメイカーに、背後から奇襲をかけるミューリー。
「なっ、新手!?」
 当然驚くメイカーだが、よほど戦いに自身があるのか、ミューリーの放ったチョコレートの奔流を前にしても、落ち着いて蝋を放ち対処する。
「はっはっは、あたしに奇襲なんて百億万年早いよ!」
 辺りは既に蝋の沼。その上に立つメイカーはその恩恵をフルに受けているらしい。
「そうかなー?」
 だが、その沼の一部が濃い茶色に染まる。ミューリーの放ったチョコレートだ。
「な、なんだよこの茶色い物体!」
 それだけ聞くと汚くも聞こえるが、辺りに漂う香りは甘い香り。
「何? そんなの、チョコレートに決まってるよね!」
 チョコに染まるその場所に移動しつつ、さらなるチョコを放って辺りを蝋の沼から塗り替えていく。
「あたしの蝋の沼にチョコなんてなんて……許さない!」
「いいのですか、そっちばかり気にしていて!」
 沼を塗り替えられすっかり怒りを隠せないらしいメイカー。ミューリーに対して蝋を放ちチョコを上から塗り替えようと迫るが、そもそもミューリーはフェアリーだ。
 その体躯は一般的な人間の約六分の一。その小ささ故にとても狙いづらく、また常に空を飛んでいるために沼に沈むこともない。
 放たれる蝋にチョコを放って応じたり、容易く躱してみせた。
 そしてその背後からは、先程までメイカーに狙われていたキュア・サージュ。
 飛翔する鍵から一点を集中狙いする光線が放たれた。
「っ……!」
 その意図的な集束攻撃に、身の危険を感じたらしいメイカーは咄嗟に躱す。
「そこだよ!」
 ――それが大きな隙となった。
「しまっ……!?」
 放たれたチョコがメイカーにクリーンヒット。
「みんな、鎧の形が見えたよ! 隙間にばんばん攻撃しちゃおー!」
 少しでも躱そうとしたが、回避しきれなかった。そんなメイカーの足には、露出の高い服装とは裏腹に、かなり無骨でしっかりとしたレギンスの一部が丸見えとなっていた。
「こんな物……!」
 ついたチョコを落とそうとするが、手につくだけである。手にまでしっかりと甲冑で覆ってるようで、手のひら側がべっとりと茶色に染まり見えないグローブが露見する。
「それそれー!」
 一部と言わず全部見せちゃえと言わんばかりに、追い打ちをかけるミューリー。
「くっ……!」
 こんな取れにくいもの何度も食らってたまるかと、ミューリーのチョコの回避に集中する。
「あっつ……!?」
 しかし、動き回ったことで隙間からチョコが侵入。湯気が立つほどに熱いチョコが直接肌に触れたことで、飛び上がった。
 そこへ、キュア・サージュの光線魔法が露見した足、膝関節へと殺到する。
「ぐっ……ぅ!」
 飛び上がってしまったがために身動きが取れず、直撃を受けたメイカー。
「くそぅ、寄って集ってあたしをいじめやがって! しかも何だよそのビットみたいなの!」
 何やら子供じみた声を上げるメイカー。彼女が指摘しているのは、キュア・サージュの周囲を飛ぶ飛翔する鍵か。
「魔法少女だったら普通杖だろ!?」
「それじゃあ、お望み通り……!」
 飛翔する鍵を手にし、問答無用で追撃する。
「覚えてろ! 絶対キャンドルにしてやるんだから!」
 それに対しメイカーは、手に持った蝋燭から自信の周囲を渦を描くように放つ。
 瞬く間に冷えて固まった蝋がキュア・サージュの攻撃を阻み、姿が文字通り見えなくなった。どうやら、不利を感じて逃げたようだった――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アレク・アドレーヌ
成程、不可視かつ鎧の加護の二重の防御を張っているタイプか
確かに鎧の隙間を狙えといえど見えないのであれば確かに狙うのは至難だな。

だがまぁやり様はある。無理難題を幾度やらされてきたと思っているってんだ、狙ってやるよ思いっきり

UCを使用し身体能力を強化…すると同時に呼び出す凄まじい数の飛蝗。
これこそが不可視の鎧を見えるようにするための布石。

速い話が見えないなら見えるようにしろだがそんな分かりやすく見えるようにするものもないならこの飛蝗達をけしかければ相手も叩き落す為に『蝋』をばらまくはず。ならその蝋でもって見えるようにしてしまえ。
場所さえわかればあとは狙うのは簡単。一発ぶち込んでやる


クー・フロスト
○アドリブ・連携歓迎いたします
○WIZ


●心情
私は死神クー。氷の魔法が得意だ
ヒーローズアースの危機ときいて参上した

見えない鎧とは……、厄介だな。
そうだなここは私の氷の術を披露しようか

●戦闘
『まだ11月だが……もうクリスマス気分とは……な?
流石に気分が早いのではなかろうか?
ともあれ……季節外れのこの娘には、ご退場願おうか』


蝋の沼をUCで大雪原に塗り替え、ヤツの戦闘力を削ぐ
その後、影に潜み【暗殺】隙を見つけた所で接近し
アイテムの大鎌で【2回攻撃】振り斬ろう
鎧の隙間には、首がその部位に当たるだろうか?
狙ってみるのも一考

基本的に、戦闘中は自身の体は氷の膜【オーラ防御】を張り保護しよう

『サヨナラだ――』



 岩と砂で覆われた荒野に、一つの黒い塊が現れる。
「何、あれ……?」
 遠巻きに見れば、ただの暗雲にも見えなくはないか。しかし、よく見れば影には無数の隙間があるのか、青空が見えている。明らかに雲ではない。
「ここにカメラ設置してっと……」
 それを見たメイカーは、手にしていたカメラを設置、再び回し始める。先程まで繰り広げていた戦いなど、なかったことにするかのように。見れば、その鎧についていたものもどこかで洗い流してきたのか、見えなくなっている。膝には火傷の痕が見えるが。
「はーい皆、見てるー?」
 カメラに向かって手を振り、挨拶を済ませた彼女は、早速自らの背後に見えるそれをカメラに写す。
「皆、あれなんだか分かる? わからないよね。あたしもなんだ。だから、これから調べに行こうと思うよ、きっとこれは世紀の大発見。期待してみててね!」
 バラエティ番組に出演するアイドル気分で、そんな事をいいながらその方向を見ていると。
「え……虫?」
 近くに飛んできたそれが、メイカーの目の前を通過する。次第にその数は増して行き、瞬く間にメイカーの周囲は虫だらけに。――いや、正確には飛蝗の群れだ。
「何だ、ただの虫だったんだね、つまんない」
 なんて言っていると。
「え、何、こいつら!?」
 急に飛蝗たちが纏わりついてきた。まるでメイカーを狙い撃ちするかのように、次々と飛びつく。鎧を纏っているメイカーには、虫たちの攻撃など通りすらしないというのに、関係ないと言わんばかりに攻撃を仕掛けてくる。
「もう、鬱陶しい……!」
 その鬱陶しさに、アイドルな一面とは異なる本性を見せ始める。如何な精神攻撃に超耐性を持つ鎧と言えど、纏わりつかれる『不快感』というのは拭えないものだ。
 手足を振って追い払おうとするが、まるで意味をなさない。
「不可視且つ鎧の加護、二重の防御とは、確かに脅威だ」
 そこへ、飛蝗達を物ともせず現れる人物。
 アレク・アドレーヌ(仮面の英雄・f17347)だ。その見た目は正しく人型飛蝗、といった風貌。
「まさか……こいつら!」
「そのまさかだ」
 そう、この飛蝗たちはアレクが仕向けたもの。
 《フォームチェンジ・ローカストペスト》で現れた飛蝗たちであり、彼らの動きはアレクの思いのままだ。
「くそ……こんなやつら……!」
 いい加減我慢ならなくなったのだろう、メイカーは両手に蝋燭を構え、飛蝗達を叩き落とすためにその蝋を振るう。
 だが、飛蝗達を蹴散らす意図とは裏腹に、まるで蝋が自らに張り付くかのごとく、その外郭、鎧の形が浮き彫りになっていく。
 それはなぜか――理由は、至極単純だった。
「こいつら、あたしの蝋を……!?」
「無理難題を幾度やらされたと思っているんだ。狙ってやるよ、思いっきりな」
 そう言って、構えをとったアレク。脚部に装着する生体外骨格による驚異的な跳躍力を前に飛び出す推進力へと変え、一瞬のうちに肉薄する。
 そして《フォームチェンジ・ローカストペスト》によって威力までも強化された蹴りをお見舞いする。
「くっ……!」
 メイカーはその攻撃を両腕で受けた。一瞬拮抗したように見えた力関係。だが、強烈すぎるその攻撃はメイカーの身体を大きく吹っ飛ばした。
 その先には、アレクとは異なる、別の影が一つ。
「まだ11月だが……もうクリスマス気分とは……な? 流石に気分が早いのではなかろうか?」
 氷魔法の使い手、死神クー・フロスト(《甦生氷姫》氷の死神少女・f08503)だ。
「ともあれ……季節外れのこの娘には、ご退場願おうか」
 そう言って、こちらに飛んでくるメイカーに狙いを定め。
「私の氷の術を披露しよう――氷になってしまえ! フロストシュネーヴァイス」
 かざした手から、《《甦生氷姫の祝福》フロストシュネーヴァイス》、淡く白い、極太のビームを放った。
「っ……!」
 飛ばされながらそれを見たメイカーは両手に蝋燭を持ち、可能な限りの全力で蝋を放って応戦。それを食らったら無事じゃ済まされないと思ったのだろう。
 クーの力は辺りに雪が降り始めるほどに急激に気温を下げる。そうして現れ始めた大雪原で、クーの力はますますましていく。一方で、メイカーの蝋も周辺を沼に変えていっており、クーとの力関係は見事なまでに拮抗する。
 だが――
「痛っ!?」
 ――不意にメイカーが声を上げる。その拍子に力関係は崩れ、一気にクーの光線がメイカーに迫った。
「さっきっから……!」
 どうやら、鎧の中に入り込んでいた飛蝗が生きていたようだ。急激に気温が下がったことで、暖かい地域へ移動しようという本能が刺激されて活発化したのだろう。
 ギリギリのところで光線を躱し、どうにかしようと身じろぎするメイカーだが、飛蝗が入り込んだ穴も最初より小さくなっている。その上外側は蝋で固められており、飛蝗にとっての出口は一切ない状況。もはや、脱がなければどうにもならないだろう。
「くっそ、こうなったら……!」
 なにか奥の手があるのか。そんな声を上げるメイカー。しかし、メイカーの背後でザッという雪を踏む音。
「何っ……――がっ!?」
 アレクだ。流石にこの気温では飛蝗たちも来れないのか、単体になってしまっているが、彼自身はヒーローマスク。依代にしているのは一般的な人間だ。急な温度変化にもある程度対応できるため、冬だろうと関係ない。
 未だ強化状態の脚で、今度は腰辺り、チェストプレートとレギンスの境目を狙って蹴り込む。
「痛いだろう、そのようなものに頼ると、痛みとは無縁になるものな」
「くっ……」
 蹴り飛ばしたあと、迂闊には追わずにそこから語りかける。
 それは、雪に混じって蝋の沼が存在しているためだ。追い打ちをかけようと迫れば、足を取られるのはアレクの方である。
「どうした、来ないのか?」
 続けてそういうアレクに、メイカーはその両手に蝋燭を構え。
「サヨナラだ――」
「――あがっ……!?」
 蝋を放とうとして、突如首に強烈な衝撃が走り、耐えられず悶絶するメイカー。
「首周りは硬いか……」
 不気味な笑い声が聞こえるその大鎌、笑う氷結の大鎌《フロスト・スザーン》で、たしかにその首をとった、そう思われたが。
 彼女が着ているのはプレートメイルと呼ばれるタイプの全身甲冑。確かに痛打を与えたようだが、刈り取るまでは出来ず、メイカーの身体が横手に吹っ飛ぶだけだった。
「くっ……」
 鎧の顔がクーの方向へ向くが、顔全体を覆う鎧。見えない鎧のままであれば中の様子も見れただろうが、今は全身飛蝗が混じった蝋まみれ。表情を伺うことは出来ない。おそらくは睨みつけたのだろうが。
「今度は確実に刈り取ってやろう……!」
 狙い方はわかった、そう言わんばかりに攻めるクー。アレクも合わせて踏み込む。
 それに対しメイカーは、近くにあった蝋の沼から蝋を手に、水しぶきを二人に浴びせるかのように放つ。
 その不意の攻撃に、二人は咄嗟に跳躍回避。水しぶきならぬ蝋しぶきで視界を隠され、その隙きに逃げていくメイカーだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

須野元・参三
視覚的に見えない鎧を纏っているならばこの頭脳がキヒンと光る私が倒してやろう
見えなくとも何らかの影響が遮っていて守っているわけなんだから、ここは使うのは光だ!
気品高いポーズからの『気品力の裁き(ノーブルジャッジメント)』で敵の体中に掌から発した気品力の光を鎧に当てる
すると、弱点以外は光がさえぎられるんだろうから弱点部分が分かるって寸法だ
流石は私、気品力ですべてを解決!!
弱点さえ分かってしまえば楽なものだろう
さぁ、裁きを受けたまえ
(アドリブはお好み歓迎)



「あー、もうひどい目にあった……」
 どこかで鎧を脱ぎ、蝋も落としたのかすっかり元通り――といっても膝の火傷や腹部や背中、首すじなどの痣は目立つが――のメイカー。
 彼女の手元には既にカメラもなく、アイドル気分、というわけではなさそうだ。
 そんな彼女には、相変わらずヒーロー達が隠れて監視を続けている為か、彼女を倒そうと次々と刺客が現れる。
「ひどい目に? ならばこの頭脳がキヒンと光る私が倒してやろう」
 そう言って堂々と現れた須野元・参三(気品の聖者・f04540)に、メイカーは疲れた表情を向け。
「また猟兵なの? もう飽きたの、どっか行って」
 辛辣な言葉を浴びせるメイカー。
「そういうわけには行かないな、貴方を倒すのは私達の義務のようなものなのだからな!」
 そう言いながら、メイカーに向けビシッと手を向ける。その仕草は相手を指し示す格好だ。
「……そっか、なら――キャンドルになっちゃいなよ!」
 避けられない戦いなんだなと察したメイカー。諦めて戦うことを選んだらしく、不意に蝋燭を手にして蝋を放ってきた。
「ふっ!」
 放たれた蝋を華麗に躱す参三。どこまでも上品さ溢れるその動きに、しかし隙きは一切なく。
「うっざいなーホントに……!」
 態度からして気に食わないらしく、苛立ちの声を上げながらメイカーは続けざまに蝋を放つ。そうして瞬く間に蝋の沼を作り上げていく。
「弱点があるのだろう? 私は知っているぞ!」
「そんなものあたしだって知ってるわよ! だからって弱点を晒すほどあたしも馬鹿じゃないけれどね!」
 一体どのような攻撃を行うのか、メイカーにはわからないだろう。だからこそ、無駄に精練された無駄のない無駄な動きに惑わされまいと、攻撃をしつつも警戒を続ける。
 しかし、それ自体が無駄なことに気付かされる。
「――これが気品力の光というものだ!」
 気品に溢れるそのポーズ。向けられた拳から、突如強烈な光がメイカーを襲う。
「まぶしっ……!?」
 その強烈な光は、余すことなく鎧の形を浮き彫りにした。光っている間にしか見ることの出来ない一時的なものだが、それで十分。
「さぁ、裁きを受けたまえ!」
 光を放ったまま、優雅さ溢れる跳躍でメイカーに迫る。強烈すぎる光に、メイカーは目を開けられない。これ以上とない隙きを逃さまいと、迫った参三。
「はぁ!」
 その距離、ほぼ零距離。狙いを定めた肩関節に、拳を近づける。
「あっつぅ!?!?」
 それは、《気品力の裁き》。直接的に手を下すものではなく、光によってダメージを与えるものだ。
 それまで溜めた気品力が一挙に放たれ、太陽にも似た輝きが、メイカーを襲う。
 ただ熱い、というだけではない。
「あつあつ、あつつ、痛いっ……!」
 あまりにも高すぎる温度は、時として猛烈な痛みに変貌するのだ。
「こ……んのっ!」
「おっと!」
 蝋燭を持った焼かれてない方の手を振るい、参三を払いのける。同時に、蝋を放つが、そうされることなど安易に想像がつき、参三に当たることはなかった。最も、その蝋は参三を固めるために放ったものではなく――

成功 🔵​🔵​🔴​

大崎・玉恵
蝋とな?変わった得物じゃ、あれだけ自在に動く蝋ならばかなりの高温じゃろう。
社の蝋燭として持って帰れれば夜も安心じゃが……惜しいのう。

蝋ならば熱で溶けるはずじゃ。
【式陣・朱天照】を展開、離れた場所から【破魔】の力を込めた【範囲攻撃】を行い蝋を溶かして動きを抑制する。
破魔の力を込めたのは、熱以外の蝋を操っておる力……魔力や妖力の類いを相殺するためじゃ。加熱も相まって蝋に新たに働きかける必要性が生じ、隙が生まれるじゃろう。

その隙を狙って鎧の隙間を撃つ。最大五十六の狐火が殺到するぞ、あらゆる鎧の泣き所を蹂躙してやろう。
鎧という装備の最大の弱点、知っておるか?……すなわち、排熱じゃ。脱いでもよいぞ?



「蝋とは、変わった得物を使うのう」
 撒き散らされた蝋が固まらないようにと、放たれた狐火がその温度を維持する。
「なっ……!?」
 逃げるための体勢を整えようとしていただけに、メイカーはその思わぬ出来事と新たに現れた刺客に、驚かざるを得ない。
 現れたのは大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)。その周囲には《式陣・朱天照》による五六の狐火が浮遊している。
「蝋ならば熱で溶けるじゃろう? わしの相手ではないの」
「くっ……」
 既に身体のあちこちをやられ、かなりつらい状況だろうメイカー。だが、やられるわけには行かないととにかく蝋を放ちまくる。
「はっは、温いのう」
 だが、その蝋は玉恵の周りを飛ぶ狐火の燃料になるだけで、全く意味をなさない。落ちた蝋も、メイカーの意思に反して重力に従い落ちるのみ。
「なんで……なんで!」
 蝋を自在に操るのが彼女、キャンドルサービスメイカーという人物だ。しかし、それが出来ない。それはなぜか――
「熱以外にも、蝋を操るための何らかの力があるのじゃろう?」
「っ……!」
 その指摘は見事に図星。
「わしの炎は破魔の力がこもってる故、そのような力を相殺してしまうのじゃよ」
「だ、だったら……!」
 更に上から蝋を放つ。ただし、その狙いは玉恵ではなく、自信が放った蝋。
 しかし――
「良いのか? そんな事をしてる間に……」
「え……?」
 玉恵の警告を理解するよりも早く。
「あつ、あつつつ!? またこれなのー!?」
 ――気がつけば、玉恵の側にあった五六の狐火は、その全てがメイカーの周囲に。
 注意が自分からそれたことで生まれた隙きを突き、先の戦いを見て弱点となる関節部は全て記憶していた玉恵は、その関節の全てに、狐火を向かわせていたのだ。
「おぬしは、鎧という装備の最大の弱点、知っておるか? ……すなわち、排熱じゃ。脱いでもよいぞ?」
 仮にこれが関節ではなく普通に鎧の上から狙ったものだとしたら、超耐性のある鎧が熱すらも遮断していたことだろう。だが、玉恵が狙ったのは、鎧の隙間という隙間。五六もの数があれば、その全てを追い立てるに十分すぎる数だ。
「だ、誰が脱ぐかー!!!!」
 全身を襲う暑さ。まるで灼熱地獄にでもいるかのような感覚に、メイカーは逃げ惑いながら必死に堪える。ここでこれを脱いでしまえば、狐火に文字通り全身を焼かれるのがオチだ。それだけは絶対に避けるべきなのはわかっていた。だからこそどうにか逃げ惑うわけだが、蝋を燃料としたことも相まって勢いある狐火全てを振り払うまでに、どれほどの時間がかかったのか、想像もつかない。

成功 🔵​🔵​🔴​

鬼柳・雄
※アドリブ絡み歓迎

無敵の鎧の上に見えないとか反則もいいとこじゃね?
しゃあねえ、やるか。
場所は洞窟とか岩場のある荒野か。てことは砂も多いし、そこらを崩しても砂は出るよな。

悪魔マルコシアス(シア)の極大消滅波で爆破しまくって砂埃を飛ばしまくって相手を砂まみれにして不可視の効果を打ち消します。
あとはシアと二人で相手の関節部を狙って攻撃。
シアはイラストのように翼があるので蝋の沼を作っても飛ぶことで対処できると助かります。

「サンタにゃまだ早えぞ。挙句袋の中は蝋だけとかダメすぎんだろ。出直してこい」



 何やら暑がりながら走り惑う姿が見て取れる。全身のあちこちに火傷の痕が目立つメイカーだ。
「随分な状態だな?」
 疲れ切ってへたり込むメイカーを、鬼柳・雄(チンピラサマナー・f22507)は離れた位置からそう言いながら見据える。
「何……同情してるつもり?」
 はぁはぁと、肩で息をするメイカー。どうにか炎地獄からは抜け出したが、まだ戦いは終わらないことを察して蝋燭を手に立ち上がり構える。
「いいや? クソオブリビオンに同情の余地なんかねーな。しかし、無敵の鎧の上に見えないとか反則もいいとこじゃね?」
「……やっぱり、猟兵なんだね」
「そうだ」
 だったらやることは変わらないと、メイカーはその両手を振るい蝋を放ってきた。
 しかし、その蝋は、突如発生した何かが阻まれる。
「何……また虫!?」
 無数の黒い影に、思わず警戒するメイカー。段々とその何かは濃くなる。
「はぁ? これが虫に見えるならてめぇの目腐ってんぞ」
 その手には、スマホ型のデバイス、ダイモンデバイス。既にその液晶からは何らかの魔法陣が展開されている。
「なら、これは……!?」
 言われてようやく気づく。そう、ここは荒野。天候も良好で、それが起きる可能性は低かったが、起きないわけではない。最も、それは雄が狙ったものではあるが。
「砂嵐……!」
 それは、砂嵐。見れば、雄の側には狼の耳に鷲の翼を持つ少女の姿。恐らくその腰には蛇の尾もあることだろう存在。雄が己の魂と契約した悪魔、マルコシアスだ。
 発生した砂嵐は、雄の指示で彼女があちこちで放ち続けていた極大消滅波の影響である。
 強烈な炎と氷の影響で気圧が変化し、大きな低気圧となったことで、軽い嵐が発生したのだ。それに加え、あちこちでそれを放っていた理由として、岩を砕く意図が含まれる。
 つまり、多少強い風でそれほどまでの凶悪な砂嵐が発生したのは、紛れもなく二人の仕業、ということだ。
「……でも、これなら!」
 砂嵐というものは、視界が悪い。狙われたメイカー自信はもちろんだが、雄たちにとってもそれは変わらないだろう。そう考えたのか、メイカーは両手の蝋燭を闇雲に放ち始めた。少なくとも、そうしている間は己の身を守る壁となり、多少なり回復に努められるからか。
「残念だが、そいつはさせねぇよ」
 しかし、意図的にそのような現象を引き起こすのは、勝機があるからこそ。
 仮に視界が悪かろうとも、メイカーを倒す算段があるからこそだということを、忘れてはならない。
「っ……!?」
 アサルトウェポンを手にした雄は、メイカー目掛け弾丸を掃射。一点を狙ったのでは視界の悪さを利用して回避される。それをさせないための“掃射”だ。
 対してシアはそのサポートをフルに受けながら、メイカーへと迫る。彼女には目がなくとも、鼻がある。匂いさえ追えれば、どこまでもメイカーを追いかけるだろう。
 固めた蝋の壁を炎の剣で突き抜け、氷の剣で斬りかかる。
「くっ……!」
 腕で受け止めるが、そうすれば今度は炎の剣が迫る。それを掴み止めたメイカーの元に。
「サンタにゃまだ早えぞ。挙句袋の中は蝋だけとかダメすぎんだろ。出直してこい」
 感覚的にシアの位置を理解した雄が迫り、関節目掛け集中発泡。
「あがっ……!?」
 その攻撃に怯み、抑えの力が緩んだ隙きを突いてシアが二つの剣を合わせ、生み出された極大消滅波が放たれた。
 そのあまりの衝撃に吹き飛ぶメイカー。ダメージは深刻なほど甚大だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

北・北斗
ヴォオオオゥッ!!
『こっちも、蝋関係ですか。でも、対処するしか無い。でも、おいらには、重力と反重力がある。』
敵がどんな蝋を放とうと、その段階で反重力の【属性攻撃】を発生させて蝋をふっとばす。
むしろ、180°返して敵に直接蝋をぶち当てる。
そうしたら、足の膝を狙って噛みつき。
それと同時に【びったんびったん】する。
『まぁ、トドメになりそうもないですけど』



 吹っ飛び落ちてきたメイカー。その場所には、さらなる影。
 トドだ。なぜトドがこんなところにいるのか。
「ヴォオオオゥッ!!」
『こっちも、蝋関係ですか。でも、対処するしか無い。でも、おいらには、重力と反重力がある』
 鳴き声を上げるトド――もとい猟兵、北・北斗(遠い海から来たトド・f20984)。
「な、何よ、あんた……」
 かなり痛めつけられた重い体を持ち上げるメイカー。
 なんとか立ち上がるに至った彼女に、トドたる北斗は。
『猟兵ですよ、こんな成りでもね』
「っ……!」
 猟兵と聞いて、メイカーは咄嗟に背負っていた大きな袋を開ける。
 そこから放たれた、無数の白い触手が北斗へ襲いかかった。
『無駄です』
 しかし放たれた蝋触手は、まるで吸い込まれるように空へと飛び上がる。
「えっ!?」
 その思わぬ動きに驚きを隠せない。ならばと続けざまに触手を放つが、同じことの繰り返しだ。
 それは、北斗の超能力の一つ、アンチ・グラヴィティ――反重力の能力だ。彼はただのトドではない。かつてとある狂科学者に囚われ、繰り返される実験によって改造を続けられた個体なのだ。
 反重力が使えるなら、真逆の力も自在。なぜなら、その反重力の能力を解除すればいいだけだからだ。惑星には常に重力が存在する。惑星から出ていこうとする反重力の力がなくなれば、物は自然と、地面に落ちる。つまり。空へと飛び上がった蝋触手は、あろうことかメイカーへと帰っていく。
「なっ!?」
 その思わぬ現象に、成すすべもなく囚われ、その鎧が浮き彫りになる。
『既にダメージを負っているようですね。そこを攻める』
 そう言って、巨体に見合わない素早さでメイカーに迫った北斗。あっという間に肉薄し、執拗に攻められた膝にさらなる追い打ちを仕掛けた。
「っぐ、がっ!?」
 噛みつき、持ち上げ、そして思いっきり下げる。また上げ、思いっきり下げる。その繰り返し。トドらしい単調な攻撃だが、それでいて非常に強力なその攻撃に、遂にメイカーの足は耐えきれず。
「あっ、ああぁぁぁぁ!?」
 あまりの痛みに、声を上げる。
 強烈な衝撃に、その足がちぎれたのだった。挙げ句、その衝撃でちぎれた方の本体はどこかに飛んでいってしまう。
『トドメではなさそうですけど、かなりダメージは与えられましたかね』
 ちぎった足を放りながら、どこかに飛んでいったメイカーを探しに、北斗はその後を追うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
星辰(アストラル)界に変身☆我は世界なり、なんちて。で、アストラルプロジェクションリーリング&クレヤボヤンス(念動力/第六感/情報収集/ハッキング/視力/暗視/聞き耳)な超能力で透視して隙間を見透すわよ。
アストラルなので物理的干渉は受け付けないわ♪全身を覆ってじっくりねっちょりと隙間を探しましょ♡快感も遮断される?私が堪能する分にはなんら問題はないわよ☆
充分堪能したら見透した隙間から体内に侵入して脳くちゅ憑依(ハッキング)をするわ♡ふふ、内側に進入してしまえばもう防げないでしょ♪脳に直接快楽を焼き付けてあ・げ・る♡
ついでに大食いな念動力による盗み攻撃で生命力吸収するわ。



 そこは、荒野とは既に異なる領域。
 荒野の面影などどこへやらという感じで、ピンク色の世界が広がっている。
 メイカーが落ちてきたのは、そんな世界のど真ん中。
「ようこそ、私の世界へ♪」
 そこいたのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。それは、彼女が展開した《アリスの不可思議迷宮》の世界だ。
「ぐっう……」
 片足を失い、呻くメイカー。だが、まだ戦う意志は失っていないらしく、固めた蝋を義足代わりにして立ち上がる。
「もう、懲り懲り……あんたみたいな猟兵……」
「初対面なのにひどい言われよう……でも大丈夫、すぐに気持ちよくしてあげるから♡」
「……はい?」
 思わぬ彼女の発言に、目を点にするメイカー。
「……なんでもいい。一人でもいい、絶対キャンドルにしてやるわ……!」
 だが、すぐに我に返った。アリスの妄言だろう、そう思ったのか。背負っていた袋を手にする。
「あら、どうするの?」
「こうする……!」
 口を大きく開いて、その中に入れたありったけの蝋をアリス目掛け放った。
 おびただしい数の蝋触手が、アリス目掛け迫る――
「残念、アストラルなので物理的干渉は受け付けないわ♪」
「はいいいい!?」
 まるで幽霊を捕まえようとでもしたのか。その触手の全てが、アリスを突き抜けてしまう。
 既に彼女は、《不可思議星辰界》の前提条件を揃え、そのユーベルコードを発動した状態にある。つまり、彼女には既にいかなる攻撃も通らない状態。今メイカーが着ている鎧よりも理不尽な状態となっているのだ。
「うふふ……全身を覆って、じっくりねっちょりと、隙間を探してあげるわ♡」
「無駄だよ……そんなことしても、あたしには……」
「快感も遮断される? 私が堪能する分にはなんら問題はないわよ☆」
 ジワリ、じわりと迫り、やがてアリスは、精神体にも似たその体でメイカーにピッタリとくっつく。
 最初は全くの無反応だったが、それも織り込み済み。わざとアリスは最初はそうした無反応な場所を攻め、数ある技能を駆使して隙間を見透かしながら、徐々に、徐々に弱点である鎧の隙間、関節へと近づけていく。
「ほらほら、ここはどうかしら?」
「っ……」
 徐々にその顔は恐怖に染まる顔へと変わっていく。
 そして遂に――
「うふふ、かーわいい♡ それじゃ、ここからが本番よ♡」
 そんな反応を十分に堪能したアリスは、遂に見透かしていた隙間から、体内へと侵入。
「あ、ああっ……」
「ふふ、内側に進入してしまえばもう防げないでしょ♪ 脳に直接快楽を焼き付けてあ・げ・る♡」
「ああああっ!?!?」
 感じたことのない強烈なその感覚に、あっという間に飛ばされてしまうメイカー。その隙きに、アリスは生命力を吸収していく。
 そんな状態が長く続く。廃人になるのも、時間の問題だった――――

大成功 🔵​🔵​🔵​

中村・裕美
M
「……この時期からサンタさんとか……クリスマス商戦は大変ね」
とりあえずは、敵の攻撃に対抗することメインでの立ち回りをする。
電脳魔術で空間に【ハッキング】を仕掛けて『炎の竜巻』を作り上げ、その場を超高温にすることで蝋が固まらないようにする。
更に【早業】で炎に動きのデータを与え続けることにより、キャンドルサービスメイカーへと襲いかからせる。鎧で大半は防がれるだろうが、そのあたりは織り込み済み。
「……鎧が……マスキングテープになるわ」
全身満遍なく攻撃すれば、隙間の部分にも多少はダメージが入るはず。そこが火傷や服の焦げになっていれば、ドラゴンランスで【串刺し】で【部位破壊】を狙う



「もう、いや……」
 身体の表面どころか脳髄の奥までじっくりと甚振られたメイカー。
「……ダメ、こんなところで諦めちゃ。あたしを待ってる人たちがいるの。まだ力は残ってる……何が何でもなし得なきゃ」
 既に戦意喪失していてもおかしくない状態だと言うのに、何がそんなに彼女を駆り立てるのか。
「……この時期からサンタさんとか……クリスマス商戦は大変ね」
 そんな彼女のもとへ、また一人。中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は僅かではあるがまだ時期外れなメイカーの姿を哀れみながら、電脳魔術デバイスを介してその手を走らせていた。
「誰がクリスマス商戦なんか! これはあたしにとってのアイドル衣装なの!」
 裕美の言葉を真っ向から否定するメイカー。
 やはり行うは先手必勝と言わんばかりの先制攻撃だ。手にした蝋燭から蝋を放つが、それまで一直線に放ったものは尽く当たらなかったことをここに来て学んだか、大きく払うように撒き散らしてきた。
「……そう……なんでもいいわ」
 そう言いながら、右手で確定のコマンドを送った、その瞬間――
「どっちみち……あなたは焼かれる」
「え……?」
 ――突如発生した、炎の奔流。その強烈な熱が、メイカーの放った蝋を阻む。
「またこれなの!?」
 幾度となく熱攻めされてきた彼女は、それを目の当たりにしてもはや涙目。それでもその手を止めてしまえば相手の思うつぼと考えたのか、手は動かし続け辺り一帯を沼に染め上げる。こうすれば、少なくとも近づかれることによる攻撃は避けられるはずだと考えたのだろう。
 しかし裕美の手は止まらない。先程よりも加速したようにすら見える手の動きは、瞬く間に確定コマンドへ。そして、また何かを入力しては確定……絶えず動き続ける。
 それによって起こされるのは――移動する炎の竜巻。
「嘘!?」
 熱風による攻撃だけだろうと考えていたらしいメイカーは、今度は驚愕の表情になっていた。若干焦りの色も見えるか。
 空間に改竄を加えることで発生させた《現象改竄》によるこの攻撃は、非常に強力だが、反面、その制御はかなり難しい。それをこうも正確に操作出来るのは、それだけ裕美が『ハッキング』という行為に手慣れているためか。
「……鎧が……マスキングテープになるわ」
「いや、来ないで……!」
 恐怖心からか、逃げることも忘れているらしい。更には無駄だと理解しているはずの蝋を撒き散らし、壁を作って阻もうとする辺り、もはやパニック状態なのは言うまでもないだろう。
 そんな彼女に、炎の竜巻がゆっくりとだが着実に近づく。
「あ、ああ、あつっ!」
 鎧のおかげで熱くないはずだが、思わずそう口にしてしまうのは、さんざん熱攻めされ全身火傷を負わされたものか。或いは、鎧の隙間という隙間から入り込む熱の影響でもあるかもしれない。
 そんな熱気でようやく我に返ったらしいメイカー。しかし、逃げようにも既に手遅れ。炎の手はもう目前まで迫っていて。
「あつ、あつつつ! も、もう無理……!」
 一目散にその場から逃げようと試みるも、炎の竜巻に包み込まれてしまい逃げ場がなく、メイカーにはどうにもしようがなかった。
 遂には隙間から入り込むのは熱だけではなく炎そのものまで入り込むように。
 十分焼いただろう、そう判断した裕美は静かに炎を消し去る。そこには、全身のいたる所に焦げ跡が残るメイカー。まだ意識はあるようで、なんとか立っているが、それで精一杯か。
「……そこね」
 手にしたドラゴンランスで、目についた最も急所に近い、攻撃が通る場所。股関節部を狙って迫る。
 もはや、抵抗する余力も残ってなかったのだろう。裕美のその攻撃はあっけなくメイカーを貫き、程なくして、淡い光と黒い靄が空へ消えていったのだった。



 戦いを終えた猟兵たちは、一時の休息のために、グリモアベースへ帰還する。
 戦争はまだ始まったばかり。この戦いでは勝てても、全体の勝利の行方は、まだわからない――――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月12日
宿敵 『蝋燭サンタ『キャンドルサービスメイカー』』 を撃破!


挿絵イラスト