アースクライシス2019④〜歪む正義に鉄槌を
「皆さん、お集まり頂きありがとうございます!」
詩音・マコトはグリモアベースに呼び出した猟兵達に一礼し、にっこりと笑う。彼女は今まさに戦争の発生しているヒーローズアースで、更なる敵の襲来を予知したのだそうだ。
「さて、かの世界も一刻を争う事態ですので手短に話しますね」
そう言ってマコトは小さなホワイトボードを取り出す。そこには何やら鎧を着た騎士のようなシルエットが描かれており、彼女はそれを赤いペンでトントンと差しながら話を始めた。
「鋼神ウルカヌスが授けた、神鋼の鎧という強力な防具。敵はそれを身に付けてモニュメントバレーの洞窟より現れました。猟兵の皆さんにはこれを撃破して頂きたいのですが――」
マコトの手に握られた赤ペンは、鎧に向かって沢山の矢印を描く。そしてそのどれもが鎧に触れることなくカクンと跳ね返ったり、鎧の前で止まったりといった動きを見せた。
「神鋼の鎧は物理的な防御力を持つのは勿論、神の魔術的な力によって精神攻撃や毒などに対しても強い耐性を持っています。真正面から力づくで倒すことは困難と考えて良いでしょう」
だが、その言葉の直後赤い矢印がズバっと鎧を貫く。
「狙うは鎧の隙間――神の力を宿す鎧に飾られた、小さな宝石の継ぎ目です」
ホワイトボードを見れば、矢印が貫いたのは鎧の胸の真ん中、菱形のマークが描かれた一点。その菱形こそが彼女の言う宝石であり、弱点ということなのだろう。
「この宝石は単なる飾りではなく、鎧が纏う魔力の発生源。故にこれ自体はそれほど防御力はありません。挑発やフェイント、もしくは攻撃の合間、一瞬の隙……唯一の弱点ですので守りは堅いでしょうが、きっとチャンスはあります」
そしてマコトはホワイトボードをしまい、グリモアを浮かべる。
「……それでは、皆さんをヒーローズアースへとお送りします。準備は宜しいですか?」
猟兵にそう問いかけ、彼女はその返事に強く頷いた。
「健闘をお祈りします。よろしくお願いします!」
●
嘗てジャスティスウォーにて活躍したヒーローは、オブリビオンとして蘇り『センターオブジアース』の刺客としてモニュメントバレーに降り立っていた。
オブリビオン『十字皇シュラウディ』は広大な谷を見渡す。
普段鎧など身に付けない彼女だが、今に限っては全身を艶めく鋼で包み込み、陽の光を返してキラキラとその姿を煌めかせていた。神より授かった防具からは強い魔力が放たれており、シュラウディの心をこれまでにない程に躍らせる。
今すぐにでもこの力を試したい。
彼女は遠くに遺跡らしきオブジェを発見すると、にやりと笑ってそちらへ向かっていく。その瞳には既に正義の心などはなく、ただ破壊や殺戮――世界の悲劇的な終末『カタストロフ』へと向かう意思だけが宿るのだった。
みかろっと
こんにちは、みかろっとと申します。今回はヒーローズアースにて、超強い鎧を着たオブリビオンを撃破する戦闘シナリオです。
敵はがっちりと鎧を着こみ、胸に飾られた魔法の宝石以外には攻撃が通らない状態です。撃破と同時に鎧も消滅しますので、宝石を盗んだり鎧をお持ち帰りすることはできません。
こちらはアースクライシス2019の戦争シナリオで、ボス戦一章で完結です。プレイングは頂いた順にどんどんリプレイをお返しする予定です。
皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『十字皇シュラウディ』
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POW : シュラディック・ブラスト
【目から強力な破壊光線】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : スーパー・プレスクキック
【天空から超音速で落下するキック】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 十字百裂拳
【高速で放つ拳】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:ロミナ毅流
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠白石・明日香」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シスカ・ブラックウィドー
胸の宝石が弱点かー。とりあえずぬいぐるみ達を全部けしかけて注意を引かせよう。顔とか覆えたらベストだね。無敵の鎧を着ていても顔を塞がれたら何も見えないでしょ?ボクは適度に距離を保って震える演技をしよう。ボクは人形遣い専門で本体は弱い。そう思わせるんだ。敵が不用意に近づいてきたら、暗殺用のダガーで胸を一刺しだ!
オブリビオン『十字皇シュラウディ』の進路に立ち塞がるのは、猟兵シスカ・ブラックウィドー。彼女はシュラウディが立ち止まった瞬間ふわりとドレスを揺らし、クマや黒猫、さらにはカモメの姿を模したぬいぐるみを放った。
ぬいぐるみは小さな体で宙を舞いシュラウディの視界を覆っていく。鎧の頭部がふわふわの身体に捕らわれると、シュラウディは声を裏返してぬいぐるみを引きはがそうとした。
「このッ……何よこれ!」
可愛らしい見た目に反して強い力でがっしりと鎧を掴み、なかなか離れようとしないぬいぐるみ。しかしシュラウディがもがく中、ぬいぐるみの主であるシスカは身を縮め弱弱しく震えていた。
「いっ、良いぞ皆ー! そのままやっちゃえー!」
シスカはまるで『ぬいぐるみにしか戦闘力がない』ように、距離を取ってぬいぐるみに声を掛け続ける。
するとシュラウディはぬいぐるみを引き剥がすのを諦めたのか、頭部から手を離して天高くへと跳び上がった。
「ははッ、アンタからやっちゃえばいいんだね! 喰らえ、スーパー・プレスクキック!!」
そう叫び急降下するシュラウディ。
強力なキックが轟音を響かせるが、ほぼ視界を塞がれた彼女の攻撃は当然空を切る。
「チッ」
ぬいぐるみを頭に付けたまま、舌打ちをして首を回すシュラウディ。
その胸元、先程まで震えていた筈のシスカがユーベルコードを発動し、素早く鋭い刃を向けていた。
「ボクがか弱い女の子だと思った? 残念、強そうに見えないのも暗殺者の才能なんだよ」
「何ッ!!?」
ヒュン、と猛毒の短剣が腕の隙間を抜け――宝石の縁を抉る。
その瞬間シュラウディは小さく声を裏返すと、鎧の下で冷や汗を垂らし顔を青ざめさせた。そしてぬいぐるみを引き千切る勢いで引き離し、シスカから逃げるように慌てて跳び退がっていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
元ヒーローと猟兵
分かり合える未来もあったかもしれないのに
残念だよ…貴方を倒さなきゃいけないことが
自前の翼だけでなく★Venti Alaに風魔法を宿し【空中浮遊、空中戦】
片方やられても高度維持出来るよう保険をかけ
貴方も飛べるなら、これで対等でしょ
【激痛耐性+オーラ防御】で身を護り
ある程度の距離を保つ事で攻撃の軌道を【見切り】やすくし
氷の【高速詠唱、属性攻撃】でマントを狙い凍結狙い
飛行を封じられればこっちのもの
★爪紅を投げ爆発によるダメージと
爆煙による目眩しの合間に風を宿した★杖で足払いを仕掛け
バランスを崩した隙に【指定UC】
狙った獲物は、逃がさないよ
追尾の特性を活かして確実に宝石狙い
「元ヒーローと猟兵、分かり合える未来もあったかもしれないのに……」
モニュメントバレーに駆けつけた栗花落・澪は、鎧の頭から覗く瞳に悲しげな視線を向ける。
「残念だよ……貴方を倒さなきゃいけないことが」
澪が見つめるシュラウディの目は、正義とは程遠く歪み淀んでいる。
胸の宝石をしっかりと守るように身を丸めながら、シュラウディは高く跳び上がり空からの攻撃を目論んだ。
だがそれと同時、澪は背に広がる翼に風を受け、更に足元の『Venti Ala』へ風の魔法を纏わせてシュラウディのいる上空へと浮かび上がっていく。空中を駆ける手段を重ね、澪は安定した飛行でシュラウディに対峙した。
「貴方も飛べるなら、これで対等でしょ」
「対等? 笑わせるね。同じ土俵の上だとしても、勝つのはアタシさ!」
砂埃舞うモニュメントバレーの空で、オブリビオンがユーベルコードを放つ。
「喰らいな! ――十字百裂拳ッ!!」
拳がギュンと澪の真横を突き抜ける。澪が羽搏きすぐに距離をとるも、シュラウディは更に彼を追撃していく。
「まだまだッ!!」
連続する豪速の拳で風の流れも乱れる中、澪は巧みに翼と魔法を操りシュラウディとの距離を一定に保ち続ける。そしてシュラウディの拳が一発、大きく振りかぶられた瞬間。澪は瞬時に氷の魔法を詠唱し、オブリビオンの翼であるマントへと力を放った。
マントは凍り付き、シュラウディの身体がぐらりと傾く。
「――!!」
真っ逆さまに地へと落ちていくオブリビオンへ、澪は自らの髪から『爪紅』を取り放つ。果実型の手榴弾へと姿を変えた花飾りは、シュラウディに触れると同時激しい炎を上げて爆発した。
濃い黒煙が視界を覆う。地面に叩き付けられたシュラウディは鎧の護りもあって無傷のようだが、体を起こそうとした彼女の足に突如風を纏う杖が振り抜かれた。
足を払われバランスを崩したシュラウディを、澪のユーベルコード『Orage de fleurs』が更に追撃する。
「香り高く舞い遊べ」
ぴっ、と澪の指が真っ直ぐにシュラウディを差す。
ぶわりと彼の周囲に咲き乱れる花の嵐は、指の先の一点に収束し敵の鎧――弱点である宝石へと向かっていった。
「――狙った獲物は、逃がさないよ」
シュラウディは体を起こして花嵐を躱す。しかし、直線的に動いていたそれらはシュラウディの動きと同時にその軌道を変え、胸の宝石へと一斉に襲い掛かった。
鎧と宝石の継ぎ目を突き刺す花。澪が視線を向ける先で、シュラウディは大きく叫び声を上げ、両手で胸の宝石を強く押さえていた。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
また目立つところに弱点を見せびらかして、
余程自信があるんだろうね。
いいだろう、相手になってやるよ!
鎧には鎧、と言う訳でもないけどね。
アタシも【人機一体】でカブを纏って相対するよ!
高速で周囲を『ダッシュ』し駆け回りながら、
メーザーの『属性攻撃』で宝石を狙う!
まぁあくまでも牽制、『援護射撃』みたいなものさ。
一番の目的は、トップスピードまで加速すること!
最高速を維持したまま、シュラウディが空中へ跳び上がるのを待つ。
奴が跳んだらアタシも追うように『ジャンプ』!
意趣返しって訳でもないけどねぇ、
『カウンター』気味に【黄昏砕く脚】を
その胸元にぶち込んでやるよ!
グラファイル・パランニウム
【絡み・アドリブ歓迎】さて、正義の「心」を失った器を破壊してあげて、かつて宿っていたであろう「魂」への手向けにしましょうか。移籍へ向かう彼女を、まずは「良い感じにレトロな光線」で攻撃し、気を引きます。そして、此方へ攻撃してくるよう、「ヴァリアブル・ウェポン」で攻撃し、挑発します。そしてこっちに攻撃対象を移してもらえたら。さらに「一斉射撃」「破壊工作」で「アサルトウエポン(レトロ風)」を打ちまくります。狙うは。彼女の周囲。谷。谷を崩し、生き埋めを狙います。そこから脱出するときに大きな隙ができるはず。そこを狙い。宝石へ、「良い感じにレトロな光線」を撃ちましょうか。
先の猟兵に続いて現れたのは、数宮・多喜とグラファイル・パランニウム。二人は手負い気味のシュラウディの元へ駆けつけると、弱点である宝石に目を向けていた。
「本当にあんな目立つところに弱点を見せびらかしてるとはね……」
数宮は少し苦笑する。鎧が無敵であろうと元がヒーローであろうと、あれだけキラキラと輝く宝石が弱点とあればそれが狙われるのは明らかだろう。
余程自信があるのか、それとも別の理由か。何にせよ敵対する者の前での油断は禁物だ。
数宮はシュラウデイの鎧に対抗するべく、ユーベルコードを発動しその身にパワードアーマーを纏った。宇宙カブを変形させた鎧は彼女を身軽に、そして強靭に強化していく。
そしてもう一人、グラファイルも戦闘態勢に入る。彼は光線銃を構えると、アーマーを纏う数宮の方へ視線を送った。
「二対一とは……アンタ達、卑怯じゃないかい?」
シュラウディは共闘しようとしている二人の猟兵を見て、眉を顰めつつ言う。だが、グラファイルは意に介すことなく銃口を向けたまま言葉を返した。
「正義の心を失ったあなたにそれを言われたくはないです」
グラファイルの返答に、シュラウディはぐっと口を結ぶ。
オブリビオンとして蘇った彼女には、最早正義の心も、嘗て宿っていた魂も既に無いのだろう。今更正義や道徳を語ったところで、それは他者の心に響くことは無いのだ。
言い返せないシュラウディは、突如猟兵とは別方向――最初に狙っていた遺跡の方へと駆け出す。
「――ッ」
瞬時にグラファイルの光線銃が唸り、光線が真っ直ぐに敵の弱点へと向かう。そして同時に数宮がシュラウディへ追い付き、至近距離からメーザー砲を放った。
「遅いッ!」
数宮のメーザーはシュラウディに命中するが、鎧に弾かれて消えてしまう。しかしダメージを与えられないとはいえ、グラファイルの光線と数宮の追撃はシュラウディの進路を完全に塞いでいた。
幾度目か、宝石に猟兵の攻撃が掠りシュラウディは切羽詰まった表情を鎧の下に浮かべる。
近くを駆け回る猟兵と、遠くから光線を放つ猟兵。どちらかだけでも早く潰さなければとシュラウディが心の中で判断した時、彼女の視界から光線が消える。
目を丸くして遠くの猟兵グラファイルを見れば、彼はその身に内蔵された兵器を曝け出し――ユーベルコードを発動していた。
銃からの射撃とは違う、膨大な熱と威力を感じさせる光。ギュン、とそれがシュラウディの真横を突き抜けていくと、彼女は途端にグラファイルを『先に潰すべき存在』と認識する。
そしてシュラウディは焦るように天高く跳び上がり、ユーベルコードを発動した。
「スーパー・プレスクキッ――」
だが、その背後。バイクの如く高速で駆けていた数宮が、シュラウディを追うように『空中へと跳び上がった』。
「エンジン、サイキック、全開……超・変・身! てぇいやぁぁぁぁぁ!」
数宮のユーベルコードがシュラウディの胸目がけて放たれる。振り抜かれた足は弱点の宝石へと命中し、シュラウディは地上へ弾丸のように落とされていった。
そこへすかさず、グラファイルが一斉射撃を放つ。それは鎧を着こんだシュラウディの身体ではなく、彼女の周囲――岩や砂山で覆われた谷へと命中した。
谷は激しい音と土煙を上げ、シュラウディを岩の下へと埋めていく。
「こんな、ものッ……!」
シュラウディが岩を突き破り飛び出した、その時。
――グラファイルは無防備に曝け出された宝石を確実に目で捉え、『良い感じにレトロな光線』を放つ。
宝石へと命中した熱は鎧の中、シュラウディの肉体へと深く傷を刻むのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルーナ・ユーディコット
正直に斬りかかっても防がれる……けど、
寿命を削る無茶をするほど窮する状況ではない……
なら、搦め手ね
攻撃をいなしながら、武器を少しずつ桂花抱擁の発動に回す
武器が壊れたふりをしながら少しずつ退けば……調子に乗ってくれるかな
桂花の香りで陶酔してくれなくても結構、
暴れるだけで気持ちいいなら……そこから生まれる慢心の隙を叩けばいい
さあ気持ちよくなって……武器をすべて桂花に変換したら、全周囲から花弁で攻撃する、その時に弱点の鎧の隙間も攻撃を試みるよ
大きい的ならともかく……無数の花びらを全て防げるほど器用じゃないんじゃないかな
激痛耐性で作戦実行するときに受けるだろう痛みに耐える覚悟は出来ている
いざ、勝負
シュラウディがよろめきながら立ち上がる中、ルーナ・ユーディコットは大太刀を振るいながら向かっていく。
軌道の読みやすい正面からの攻撃。シュラウディは鎧を纏う腕で受け止め、ルーナの刃を弾き返す。傷の痛みに顔を顰めつつも、シュラウディは少し余裕の笑みを口元に浮かべていた。
無敵の鎧がある以上、この程度の攻撃ならいくらでも受け止められる。シュラウディはそう確信し、胸の宝石から手を離し大太刀の攻撃に視線を集中させた。
ルーナは大太刀を一度、二度と大きく振る。弾かれていく琥珀の刃はふとほろりと破片を零し、少しずつ砕け散って辺りを舞う。
「いくらアタシにそれを撃ち込んでも無駄だ。それとも、その武器は使い捨てかい?」
そんな挑発も流してルーナは更に大太刀をシュラウディの鎧に叩き込む。ガン! という金属音が響くと、ルーナの大太刀はぼろりと大きく崩れた。
刃を失うルーナ。シュラウディはもらった、とばかりに拳を放つ。
シュラウディの鎧はあらゆる攻撃を防ぎ、無効化する。――故に、周囲に舞う甘い花の香りに気づかなかった。
金属片となって散らばったかと思われた刃は、ふわり、ふわりと花弁の姿に変わりルーナとシュラウデイの周りを漂う。シュラウディが拳の命中を確信した瞬間、花弁は一斉に無数の刃となり鎧を包んだ。
「刹那の香気に抱かれ、安らかな夢を――永遠に」
一瞬の出来事。シュラウディの意識は遅れてそれを認識する。全方向からの攻撃にひゅっと喉が鳴り、顔を青くする暇もなく。
敵の弱点、鎧の宝石へルーナのユーベルコード『桂花抱擁』が命中した。
成功
🔵🔵🔴
アララギ・イチイ
次々と洞窟から現れて、彼らはモグラか何かなのかしらねぇ(依頼数的に
まぁ、いいわぁ……それじゃ、敵の処理を開始するわよぉ
装備品のチェーンガンと榴弾砲を【念動力】で操作して、【一斉発射】して敵を攻撃するわぁ
ただ、あくまで上記の攻撃は牽制射撃、榴弾砲の榴弾の爆発で発生した爆煙に敵を包み込んでの目くらましが本命だわぁ
敵の反撃は、その攻撃を【見切り】、シールドシステムの【盾受け】で対処よぉ
敵が爆煙に包まれたら、【早業】で【選択UC】発動ぉ
指定座標は敵の正面、UCの効果で敵正面(30cm以内)に瞬間的に移動して、鎧の隙間である宝石、UCの拳による一撃を叩き込むわぁ
アララギ・イチイは洞窟から現れたオブリビオンに既視感を覚えながら心の中で苦笑する。ヒーローズアースにカタストロフを引き起こすべくやってきているとはいえ、オブリビオン達がモニュメントバレーの洞窟、つまりは穴から次から次へと出てくる様子は――まるでモグラか何かのようだ。
そんなことを思いつつ、アララギはシュラウディの前へと立ちはだかる。
「まぁ、いいわぁ……それじゃ、敵の処理を開始するわよぉ」
アララギはシュラウディへチェーンガンと榴弾砲を向ける。武器はアララギの手に触れていない。しかし、それらは彼女の念動力によって操られ、銃口をしっかりとシュラウディに向け火を噴いた。
「ッ!」
シュラウディは鎧で防げると分かっているものの、一斉に発射された砲弾に思わず身構える。視界が煙に包まれアララギの姿を見失うと、彼女は次なる攻撃を警戒しユーベルコードを発動した。
鎧の下、シュラウディの瞳がふっと瞬く。
その瞬間瞳から光線が放たれ、それが纏う熱が辺りの黒煙を払った。
しかしシュラウディが見つめる先に、アララギの姿は無い。再び光線を放つ構えを見せながら辺りを見回した――その、胸元。
「よし、行くわよぉ……滅殺ぅ!」
ふっ、と赤い髪がシュラウディの視界の隅に揺れる。はっとして真下を見れば、姿を消していた猟兵がいつの間にか自分の懐へ潜り込んでいるのに気づいた。
ユーベルコード『格闘術・瞬獄拳』。アララギはすっと握った右手を引き、勢いをつけて思い切り振り抜く。
ビキ、と石に亀裂が入る音が響き、叩き込まれた拳はそのままシュラウディの身体を吹き飛ばした。全身を鋼に包まれている筈のオブリビオンは、その重さも感じさせないほどに軽々と宙を舞い、遺跡へと衝突する。
その衝撃自体は彼女にさしてダメージを与えていないだろう。しかし今にも砕けそうになった宝石は、間違いなくシュラウディを消滅へと近づけていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ナギ・ヌドゥー
弱点が正面にあるのなら真っすぐ斬り込んで破壊する!
どんなに守りを固めようがそれ以上の超スピードで穿つ!
と、宣言しUC「オーバードース・トランス」発動
宣言通り小細工無しの接近戦を挑む。
【オーラ防御】常時使用でダメージ軽減
【第六感・野生の勘】で攻撃回避
やはり無敵の鎧がある以上、
正攻法では敵が上回るだろうがそれが狙い。
接近戦で押され出血したら瞬時に
身体に巻いてある武器・邪絞帯を作動させ敵を縛り自由を奪う。
一瞬でも動けなくすればそれで充分、弱点を【部位破壊】。
続くナギ・ヌドゥーは、ボロボロのシュラウディに真正面から堂々と宣った。
「どんなに守りを固めようが……それ以上の超スピードで穿つ!」
勿論そんな宣言を聞いたシュラウディは、ブラフを疑いながらも宝石を守ろうと身構える。目の前の猟兵の攻撃、不意打ちやフェイントを警戒するシュラウディ。
しかし、ナギは宣言通りシュラウディの前でユーベルコードを発動した。
「加速しろ――限界を超えて!」
その瞬間、ナギは一直線に駆け抜ける。
シュラウディが防御姿勢を取るよりも早く接近すると、その胸の宝石へ素早く一撃を放つ。だがシュラウディは待ち構えていたようにぐっと屈んで、地を強く蹴り天高く空中へと跳び上がった。
急降下と共に発動される、シュラウディのユーベルコード。音速で放たれたキックを受け止めようとするが、ナギは重い蹴りを喰らい後ろへと吹き飛ばされた。
シュラウディはそのままナギに向かって拳を振ろうとする。
「今度こそもらったッ!!」
鋼の鎧を纏う拳は、ナギの身体を抉るように鳩尾へと叩き込まれる。
同時に流れる血、満身創痍に見えた猟兵の姿にシュラウディが再び攻撃を仕掛けようと腕を振り上げた。
その腕は、下ろされることなく掲げられたまま動かなくなる。
「!?」
腕に巻き付くのはナギの身体に巻かれていた『邪絞帯』。彼の血液によって作動したその武器は、シュラウディの動きを瞬時に封じた。
隙だらけの弱点へ、ナギは砕き切る勢いで斬りかかる。
ガツッ、と鎧と宝石の境目にそれが当たると、宝石は微かにその脆さを増した。
成功
🔵🔵🔴
白石・明日香
ああ全くお前とは決着をつけなきゃならないか・・・・望むところだ!
破壊光線で遠距離は厄介。
せっかく手に入れたバイクを使わないわけにはいかない。
バイクを駆りダッシュで接近してこれまでの戦闘知識から相手の挙動を見切り残像で攪乱しながら間合いを詰める。相手の光線が止まらないうちに鎧の隙間めがけて
怪力、2回攻撃、属性攻撃、鎧無視攻撃で叩き切る!ついでに生命力吸収しておいて可能な限り追撃するとしよう。
お休み過去の英雄・・・・今度こそ終わりだ・・・・
ウィーリィ・チゥシャン
……それでも、彼女はかつてこの世界を救ったヒーローだった。
だから、何としてでも止めてみせる。
彼女が命を賭けて守ったものを守るために。
それが、せめてもの彼女への手向けだから。
圧倒的なパワーの猛攻を鉄鍋の【盾受け】で受け流しながら攻撃の機を伺い、彼女がシュラディック・ブラストを放つタイミングを【見切り】、【神火の竈】の炎で視界を遮ると同時に【カウンター】で彼女の胸の宝石を【部位破壊】で狙って【二回攻撃】を叩き込む。
シュラウディは残る力を振り絞り、猟兵を睨みながら身構える。
それは最早『ヒーロー』というには歪み、淀み過ぎた姿。人々を守る心も、自らの信念を貫く意思も、今の彼女からは失われている。
「……それでも、彼女はかつてこの世界を救ったヒーローだった。だから、何としてでも止めてみせる」
そう呟き、ウィーリィ・チゥシャンはオブリビオンの前へ出た。嘗てジャスティスウォーにて活躍した――つまりヒーローズアースを守るため命を懸けて戦った、『ヒーロー』である彼女へのせめてもの手向けとして。
そして同じくその場へと歩いていくのは、白石・明日香。
オブリビオンとして蘇ったシュラウディの記憶に明日香の姿は無い。しかし明日香は目の前の『過去の英雄』に向かって強い想いを抱きながら、鎧の下の瞳に向かって高く声を放った。
「ああ全くお前とは決着をつけなきゃならないか……望むところだ!」
シュラウディはその言葉に何かを思い出す節もなく、ただ今この場で生きる為、そして世界を破滅へと導く為、ユーベルコードを発動した。
「決着、ね。すぐに付けてやるさ――『シュラディック・ブラスト』ッ!!」
その叫びと共に、シュラウディの瞳から強力な光線が放たれる。
向かってくる光線をウィーリィは鉄鍋を盾にしながら躱して駆けていく。そして明日香は自分専用にカスタマイズされた宇宙バイク『ベトゥラー』に跨ると、光線の嵐を避けながら全速力で前進した。
明日香はスピードを上げ、残像でシュラウディを惑わしながら進んで行く。一方シュラウディはとにかく二人を近づけさせまいと攻撃を続け、光線の密度を増していった。
しかし猟兵達は積み重ねた経験と知識からそれらを見事に見切り、すぐにシュラウディの元へと辿り着く。
「――ッ!!」
危機であると同時に、これは好機。至近距離からなら外すことは無い。
シュラウディがほんの数十センチの距離に迫る猟兵へ、破壊光線を放とうと目を動かす。だが彼女の目が猟兵を捕らえる前に、ウィーリィがユーベルコード『神火の竈』を発動した。
ゴウ、とウィーリィの手に握られた包丁から炎が迸る。
激しい熱は鎧に遮られシュラウディの身を焼くことはできない――が、目も眩むような橙の光は、鎧からの狭い視界を一瞬にして埋め尽くす。
そして明日香の妖刀とウィーリィの包丁が同時に閃き、今にも崩れそうな宝石へと素早く叩き込まれた。
――バリン、と高く澄んだ破砕音。
その瞬間シュラウディが纏っていた鎧はぼろりと砕け散り、美しい金髪が砂漠の風に靡く。彼女の視界が晴れると同時、その瞳には刃を向ける明日香の姿が映った。
「お休み過去の英雄……今度こそ終わりだ……」
明日香が妖刀、全てを食らうクルースニクをシュラウディの胸へ突き立てる。クルースニクは鎧を失ったヒーローの体を容易に貫き、そして崩れていく命を欠片も残さず吸い上げていった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年11月06日
宿敵
『十字皇シュラウディ』
を撃破!
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