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病に苦しむ村

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●村を蝕む病
 ──ああ、どうしてこうなってしまったのか。
 ──ああ、なぜこんな選択をしなければならないのか。
 ──ああ、なぜ……。
「おとーさん、おかーさん、なんで?たすけて。やだよ、おとーさん!」
 時折咳き込みながらも小さな手を必死に伸ばす我が子から男は顔を逸らす。
 男の肩に顔を伏せる妻は泣いていた。
 この村では病弱な子供たちは全て『贄』として領主へ捧げられることになっている。
 逆らうことなど許されず、ただ鎖につながれ馬車に乗せられる姿を見送るしかできないのだ。
 隠そうものなら今度こそこの村はなかったことにされてしまう、そんなことは村の大人全員がわかっていたのだから。
 こうして蹄の音と共に村からまた明るい声が消えた。

●病の名それは……
「大変なのです!皆さんのお力を貸してほしいのです!」
 焦った様子でフルール・トゥインクル(フェアリーの精霊術士・f06876)は猟兵達へ声をかける。
 何事かと集まってきた猟兵達を前にしてフルールは自身が予知した内容を語る。
 焦っているのもあり早口で次々と彼女から飛び出してくる情報を纏めるとこうだ。
 オブリビオンに支配された世界ダークセイヴァー、そこに存在する小さな村でヴァンパイアが関わる事件を予知。
 村では領主であるヴァンパイア──オブリビオンの意向で病弱な子供は全て贄として捧げられている。
 服従の証として贄を捧げているからこそ村は存続していることができる。
 だが……。
「村の様子も予知で見ましたです。かなり寂れていました……あの様子では満足な食事も難しいと思うのです」
 ちゃんとした食事ができなければ健康な子供が生まれることも育つことも稀だ。
 このまま言われるがまま子供を捧げ続ければ村が滅ぶのは遠い話ではない。
「こんな酷いこと許せないのです!ヴァンパイアを倒してこんなことやめさせてほしいのです!」
 普段ならば贄と選ばれた子供たちは鎖で逃げられないように繋がれた上で馬車で村はずれの小屋に閉じ込められる。
 そこに気まぐれに領主が来て気に入った子供を殺していく、という手順で行われる。
「この手順に介入の余地があるのです。どうやらヴァンパイアは気に入った子供を一人一人時間をかけて嬲り殺すのが趣味のようで、一度に全員が殺されているわけではないようなのです」
 かなり性悪ですけどね……とフルールは眉を顰める。
「村の近くまでは私がお導きしますです。だから皆さんにはまず村人さんの説得をして贄とされている子供たちを助けてほしいのですよ」
 子供たちが安全になればヴァンパイアは標的を探して姿を現す、そこを叩くのが一番だとフルールは言う。
「といっても、領主の立ち位置にいるヴァンパイアです。護衛もいるはずので十分に気を付けてくださいです」
 村を蝕むオブリビオンという病を癒すことができるのは皆さんだけなのですから、最後にそう告げるとフルールは猟兵達に頭を下げた。


心音マリ
 明けましておめでとうございます、心音マリです。
 年明け1発目、通算2作目のご案内です。

 さて、こちらの依頼はオブリビオンに支配された世界ダークセイヴァーにて、村を苦しめるヴァンパイアから子供たちを、ひいては村を救っていただく依頼でございます。
 まずはいかに村人を説得するか、子供の安全を確保するかなどを考えていただければと思います。

 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『病』

POW   :    村人たちを説得し、子供たちの安全を確保する

SPD   :    病弱な子供たちを匿い、領主をあぶり出す

WIZ   :    領主の情報を引き出し、次の標的になりそうな子供を守る

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

モリオン・ヴァレー
少しずつ
そして確実に村を潰していく気ね
全く、大した下衆な領主様ね

【WIZ】
既に小屋に連れて行かれた子達はともかく
さらにそういう境遇の子を増やす訳にはいかないわ

<情報収集>村の人達に例の領主について
そして今この村を蝕んでいる病の特徴について聞いてみるわ
勿論対価は考えてある

領主様は『病弱な子供』を狙っている……
という事は病弱でなければいいわけよね?

<医術>病の情報を元に
今病魔に侵されかけてる子供達の治療を行うわ
【サールス・ライン】発動

少し痛いかもしれないけれど
この針の痛みは我慢してね
人数が多ければあたしは結構疲労が溜まるだろうけれど
それで領主様に吠え面をかかせれるなら安いものよ



●病を終わらせるもの
「少しずつ、そして確実に村を潰していく気ね」
 モリオン・ヴァレー(死に縛られし毒針・f05537)は恐ろしいほど静かな村の様子に息を吐いた。
 現状を見る限り完全に領主の思い通りだ。だがこのままにしておくわけにはいかない、そのために来たのだから──。
「領主様か、ああ……"彼女"は恐ろしい。すまん、これ以上は勘弁してくれ」
 手近な家を訪ね、姿を見せた村人に領主のことを尋ねたが得られた情報はこれだけだった。
 対価は考えてあると言ってもこの様子。異常なほど領主に対して怯えているようだ。
 だが明らかな収穫もあった。
「領主様のことはもういいわ、ならこの村を蝕んでいる病は?」
「病?それならごく一般的な風邪さ。ただ体力のないやつは長引きやすくてな、咳がなかなか止まらないんだ。それで病弱とみなされちまうのさ」
 どうしようもないのにな、と諦めきった様子で家の中で椅子に座り本を読む女の子──娘を見やる村人。
 女の子は時折咳き込んでいた。
 その様子を見てモリオンは針を取り出しながら続ける。
「という事は風邪が治ればいいわけよね?」
「そりゃそうだが、いったいどうするっていうんだ」
「言ったでしょう、対価は考えてあるって」
 小さく咳をする女の子を手招いて、モリオンは言い切る。
 そして女の子へと向き直ると、取り出した針を女の子の腕へ軽く刺した。
「少し痛いかもしれないけれどこの針の痛みは我慢してね」
 ……それでも誰かを救えるのなら、小さく口の中で転がした詠唱。
 ふわり、モリオンの指から糸が放たれ、針とその身を結ぶ。
「あれ?ぱぱ、おせきコンコンなくなったよ!」
「何だって!?」
 【サールス・ライン】自身のユーベルコードで女の子を治療するとモリオンは再び村人へ目を向ける。
「治療したわ、これで選ばれることはないはずよね」
 呆然として言葉の出ない村人を放置して次の家へと彼女は足を進める。
 この調子で子供を治療し続ければ疲労がたまるが、それでも領主様に吠え面をかかせれるなら安いものだ、と思いながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

アル・ディオール
【WIZ】
(優しさ・コミュ力・鼓舞)
村人に本当に助けたいって意志を伝えて信用して貰おう
『俺は皆の事助けたいって思ってる。本当だよ。だってこんなの放っておける訳ないよ

特に一番辛いご両親に訴えかけよう
『怖いと思う…けど皆こんなの許せないでしょ、止めたいって思ってるでしょ?

『何があっても俺が守るよ。子供達にも絶対手出しさせない
怪我や病気の人には【生まれながらの光】で治療するよ
力をみせれば口だけじゃないって信じてもらえるかな

領主の嗜好や行動パターン
狙われた子供の共通点、他に些細な事でもいい
教えて貰って整理しよう
少しでも子供に被害が出ない様に(情報収集)

『皆、どうか希望を捨てないで。子供達の笑顔の為に


皆城・白露
…ああ、この村も病んでいるのか。
胸糞悪い奴が、病ませているのか。
いいさ。叩き潰してやる、存分に。

村人達を説得する。不愛想ながらも、真剣に
生きられる筈の者が嬲り殺される事への、苛立ちと怒りをこめて

なんならオレが代わりに、その小屋とやらに繋がれてもいい
(細身で不健康そうな外見を活かして贄のふりをする)

オレはこの村の病の話を聞いて、元凶を叩き潰しに来た
いきなり来て信じてくれ、というのも難しいだろうが
身代わりなら、そっちに損はないだろう?



「俺は皆の事助けたいって思ってる。本当だよ。だってこんなの放っておける訳ないよ」
 一方村の小さな広場ではアル・ディオール(ぼんやりエルフ・f06347)と皆城・白露(モノクローム・f00355)が村人達へ訴えていた。
「オレもだ。この村の病の話を聞いて、元凶を叩き潰しに来た」
「……そういわれたって……」
「なぁ……」
 二人の真剣な言葉、それらは村人へ届いているはずなのだが彼らの表情はすぐれない。
(……ああ、この村も病んでいるのか)白露は思う。目に見えてわかる病気ではない、領主の存在が村人の心を病ませているのだと。
「いいか、目を覚ませ。何もなければこの後も普通に生きられるはずの子供たちだろ」
「だが、もう何かあったんだ。領主様にはかなわないんだよ」
「だから、そいつをオレが存分に叩き潰してやるって言ってるだろうが!」
 生きることができる筈の者が嬲り殺される事への苛立ちと怒り、白露はそれを言葉に込めるが諦めた村人にはなかなか届かない。
 膠着しそうな場を変えたのはアルだった。
 赤子を抱えた親の元へと行き、子供を治療したのだ。
 熱を出していたであろうその子は光に包まれた後、元気に笑っていた。様子を見ていた村人からはどよめきが起こる。
「怖いと思う……けど皆こんなの許せないでしょ、止めたいって思ってるでしょ?」
 アルの言葉が広場に響く。
 一瞬の静寂の後、声をあげるものがいた。アルが治療したばかりの赤子の親だ。
「ああ、そうだ。許せるものか。この子の笑顔なんてどれぐらいぶりに見ただろう。子供は宝だ、それを奪われるなんて……」
「だが従わなければ子供はおろか俺たちだって生きちゃいられないんだぞ!」
「なら……」
 村人同士今にも取っ組み合いになりそうな空気に白露が待ったをかけた。
「なら、オレが子供たちの代わりに、小屋とやらに繋がれてもいい」
 広場が今一度の静寂に包まれた。
 確かに細身で不健康に見える白露ならば身代わりとして成立するかもしれない。しかし静寂の原因はそれではない。
 白露本人がそれを言いだしたこと、まさかの提案に皆は言葉を失ったのだ。
「何度言うが、元凶はオレたちが叩き潰す。だがいきなり来て信じてくれ、というのも難しいだろう。身代わりなら、そっちに損はないだろう?」
 村人たちは答えない。
 アルが続ける。
「何があっても俺たちが守るよ。子供達にも絶対手出しさせない。皆、どうか希望を捨てないで。子供達の笑顔の為に」
 『笑顔』その言葉に未だ母親の腕の中で笑う赤子へ一斉に目が向けられた。
 やがて……。
「わかった、お前たちを信じてみるよ」
「そうだな身代わりになるとまで言われてさ、子供も治してもらった。ここまでしてもらって追い出そうなんざ罰が当たるよな」
「分かることは少ないけど君たちを信じて力になるよ」
 口々に二人を信じると村人たちは頷いた。
 そうして得た情報は以下だ。
 どうやら狙われて殺された子は男の子が多いらしい。
 遺体はとても見れるものではないほど傷だらけらしい。
 殺された数少ない女の子は気の強い子ばかりだった。
 領主はどうやら小屋を訪れる度に子供たちに順番をつけているらしい。
 憶測でしかない情報も多かったが少しでもとアルは集め、まとめていく。
 一方、身代わりを名乗り出た白露だが、小屋に対する権限を持っているのは村長であること。また、身代わりにならなくとも子供を解放してもらうように掛け合ってみる、と村人から言われていた。
 その顔は先ほどまでの暗い顔ではなく、どこか振り切ったような晴れた顔だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
私の故郷は相も変わらず胸糞の悪い事件ばっかりだね
でも悲劇なんてのは空想だけで十分だよ

WIZ判定
まずはコミュ力や言いくるめなどを生かし、村人の信用を得るところから
自分は旅の語り手で、困っている人がいたら手を差し伸べずにはいられないのだとね。必要なら食べ物も少し分けてあげよう。
領主が恐ろしいというなら、義憤を示しながら腕はそれなりに立つから自分が討伐しても良いと告げて少しでも安心させてあげよう。嘘じゃないしね

上手く信用させることが出来たら、今までターゲットになった子供達の情報を聞き出し、その共通項を洗い出してみよう
それが分かれば少しはどの子に目をつければ良いか絞れるだろうからね

※アドリブ、絡み歓迎


リーヴァルディ・カーライル
…ん。贄を捧げるのが悪い事とは、言わない
力を持たない人々がヴァンパイアの支配から生き延びるためには、
仕方がない事だと思うから…
…だから、ヴァンパイアの事は力を持つ私達に任せて欲しい


事前に【常夜の鍵】を使用して大量の食料を調達しておき
村人の目の前で食料を魔方陣から取りだし、存在感を見せながら彼らに配る
…これを子供達に食べさせて
代金は気にしなくて良い…領主から調達するから

…どうしても気がひけるようなら、
領主やその配下について、知っていることを教えて欲しい
配下の人数は何人か、次は誰が狙われているのか…
些細なことでも何でも構わない
私には、それが何よりの報酬だから…



●希望を与えるもの
 村の入り口には存在感のある影が二人立ち、村人の注目を受けていた。
「私の故郷は相も変わらず胸糞の悪い事件ばっかりだね」
 軽く肩をすくめスフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)は言う。
 その手には村人へ分け与えようとビスケットを持っていた。
「けど、贄を捧げるのが悪い事とは、言わない、言えない」
 そんな彼女に首を横に振ってみせたのはリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)だ。
 生き延びるためには仕方がないこと、リーヴァルディはそう考える。
 だが、だからと言ってそのままにしておくわけではない。
「……これを子供達に食べさせて」
 リーヴァルディの作る魔法陣からは次々とパンや干し肉、野菜に果物など村ではめったに見ることの無くなった彩あふれる食料が取り出されていく。
 このために彼女は村へ来る前に魔法陣の中にある古城へ大量に食料を仕入れてため込んでいたのだ。
「ありがたいが、なぜこんなことを……」
「私は旅の語り手でね。困っている人がいたら手を差し伸べずにはいられないだよ」
 突然の施しに受け取るのを戸惑う村人へはスフィーエが持ち前のコミュ力で受け取らせていく。
「ああ、これで子供のお腹を満たしてやることができる。だが、これで皆が満たされたら……」
 様々な種類の栄養に富んだ食料たち、これならばお腹を満たすことも可能だろう。子供たちも健康に育つだろう。
 しかし──。
「贄役の子がいなくなったら……村は……」
 そう、子供が健康に育つならば病弱な、贄に選ばれる子は確実に少なくなる。いなくなるかもしれない。
 そんなことを考えてか村人の顔が暗くなる。
「何をそんなに暗い顔しているんだい?ああ、そういえばここの領主は子供を……だったね」
 察したスフィーエは村人の背を叩いて安心させるように笑って見せた。
「安心するといい。私はそれなりに腕が立つ。そんな酷い領主など私が討伐してもいいんだよ」
「そう、だから、ヴァンパイアの事は力を持つ私達に任せて欲しい」
 話を聞いていたリーヴァルディも横から頷いてみせる。
「それと……」
 呟くとリーヴァルディは少しでもお金を、と家へ戻ろうとした女性の服をつかむ。
「代金は気にしなくていい……全部領主から調達するから」
 なんてことだ、本気なのか?村人から次々と声が上がる。
「それでも、ここまでしていただいて何もしないわけには……」
 なおも渋る女性。しかししっかり服を捕まれていて振りほどくことができずにいた。
「……どうしても気がひけるようなら、領主やその配下について、知っていることを教えて欲しい」
「領主様、ですか……?」
 直接見たわけではないですが、と前置きして女性は話す。
 曰く、領主は女性、年若い少女のようにも見える。
 常に護衛として人を連れているが、それを人といっていいのかわからない。
 特に護衛は小屋を訪れる度に増えている気がする、まるで幽霊か何かのようだ。
「狙いはわかりませんが、元々は元気のよかった男の子が殺されたという話はよく聞いています……」
 最後にそう締めると女性は顔を背けた。亡くなった子供のことを考えたのだろうと察しが付く。
「ありがとう、私には、それが何よりの報酬」
 こくり、リーヴァルディは頷いて女性を解放したのだった。
「そういえばキミはターゲットになった子供について知っているのかい?」
 リーヴァルディが主に領主について聞くのならばスフィーエは子供について。
 聞いてみるとこれまでの会話で心を許したのかいくつか情報が出てきた。
「殺された子は病気にかかる前は元気な子ばっかりだったよな」
「普段は二人か三人ぐらい殺されてるんだが、一人だけの時もあったな」
「その時殺されてたのは『そんな悪い人なら私が倒す!』ってナイフを持ち込んでた女の子だったな……」
「ああ、村長の家の近くの……女の子だったけど勇敢な子だったよな……」
「ふむ……?」
 次々出てくる子供の話を纏めていてスフィーエはある共通点に気づいた。
 殺されている子は元気が良い、さらに言うなら『殺されまいと反抗する可能性の高い』子が多かったのだ。
 これは次に狙われる子を探す手掛かりになる、そう感じながらも更なる情報を求めて村人の話を聞くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーゼ・レイトフレーズ
相変わらず気分の悪い世界だな、ここは
柄じゃないけど、この世界で暮らす人達を思うと
猟兵らしいことしないとって気分になるね

病弱な子供が贄とされるなら
聞き込みをすれば贄となる子供の両親に行きつけるかな
まずは普通に説得を試みよう
領主達は自分達が何とかする、と
なるべく誠心誠意頼み込む

ただ、圧政を敷かれて明日は我が身
部外者が頼み込んでも聞き入れてくれないだろう
だから、それでも子供を贄とするのをやめないのなら
ガンケースから取り出したSTARRY SKYの銃口を親の顔に突きつける
もう一度お願いするよ
領主は私達が何とかするからもう子供を差し出すな

自分は思ったより家族思いみたいだな
顔には出ないが苛立ちが収まらない


ディスターブ・オフィディアン
行動:
・村人の説得
・叡智の灯を使い、村人たちに己の本音を突き付け自覚させる
 自身の手の上に鬼火を浮かび上がらせ、相手の言葉を裁定
 相手が本音を隠し諦めるそぶりを見せるたび、炎が強くなります
・相手は、生贄となってまだ生きている子供の親

「生贄となった子供たちを救助したい。協力しろ」

「では問おう。ああ、嘘を吐くなよ。嘘吐きは鬼火に焼かれる物だ。
 己の子を取り戻したくはないか?
 取り戻したくない? 嘘だな」

「お前の子供はまだ生きている。これは真実だ、今日はまだ。
 明日以降は、分からん。定めるのはお前だ」

「だが『領主が討ち滅ぼされこの村は救われる』
 三千世界の叡智にかけて、この言葉はオレが真実にしよう」


ヴェスター・アーベント
目的/村長に力を示し、我々の作戦に協力するよう説得する
「子供を嬲り殺しにするヴァンパイアか…クソ、あの日を思い出す……絶対に殺してやるぞ…」

行動/村に赴き、村長に面会を頼み説得を行う。
「俺はレジスタンスの騎士ヴェスター、この村で子供達が理不尽に殺されていると聞いて参上した。
仲間達も来ている、今こそ我々と共に立ち上がりヴァンパイアを打ち砕こう」
こんな言葉だけで上手くいくほど簡単ではあるまい、渋る村長に次は広間で適当な大木か何かを聖魔二刀流の攻撃力重視に怪力を乗せた一撃で伐り倒す様を見せ。
「せめて我々が戦う間、子供達の扱いに関しては我々に任せてもらえまいか?」
一筋の希望、彼らはそれを拒めぬはず。



●力を示すもの
「俺はレジスタンスの騎士ヴェスター、この村で子供達が理不尽に殺されていると聞いて参上した」
 村の一番奥、周辺より一回り大きな家、そこの家主である村長に向かってヴェスター・アーベント(テラーナイト・f09560)は名乗ったのち軽く頭を下げる。
 家の中には村長やその家族と思われる姿の他にも何人かの村人がいた。
 涙ぐんでいる女性がいることから次の贄について話していたのだろう。
 相変わらず気分が悪い世界だ、とリーゼ・レイトフレーズ(Existenz・f00755)は小さくため息をついた。
 他の猟兵とは別に聞き込みをしていた彼女は『次の贄の候補になっている子の親が村長の家に集められている』と聞いてここを訪れていた。
 村長はヴェスターに任せ、今部屋にいる贄候補の子供を持つ親を説得しようとリーゼは動く。
「泣いてるってことは子供を差し出さないといけないんだよね?領主達は私達が何とかするから、差し出すのをやめよう?」
 誠心誠意、子供を、家族を思う気持ちを込めて言葉を紡ぐ。
 声をかけられた女性は何かを言おうとして、口を噤む。「ま、部外者が頼んでも難しいよね」
 仕方ないのばかりにどこから取り出したか、自身の銃STARRY SKYを周囲へ見えないように突きつけるリーゼ。
「もう一度お願いするよ、領主は私達が何とかするからもう子供を差し出すな」
 囁くように訴える。もはや脅しとも取れる手法であったが、全ては子供の命のため。
 一瞬怯えた様子を見せた女性であったが、リーゼの気持ちが伝わったのだろう。
「……その銃で、解放してくれるなら。元々、嫌だったのです。愛する我が子を差し出すだなんて」
 絶対に手放さない、差し出さない、と頷く女性を見てリーゼは銃を下す。
 彼女への説得には良かったが見られようものなら周辺に悪影響を与えかねない。
 さらに言葉を続けようとしたところでドアが勢いよく開いた。
「生贄となった子供たちを救助したい。協力しろ」
 不遜な態度で言ってのけ、ずかずかと入ってきたのはディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)だ。
 その見た目は全身をローブで覆っており、例え猟兵であるが故に違和感を与えずとも態度と合わせて不審に思われても仕方ないのかもしれない。
「さっきから聞いてりゃなんなんだお前ら!子供を助けたいだのもう差し出すななんて、ふざけるのもいい加減にしろよ!俺たちはそうやって生きることを許されてきたんだ!」
 そうだろう!と村人の一人から怒号が飛ぶ。
 怒号を発した男性の元へ行こうとするリーゼを制し、ディスターブが向かう。
「ほう?では問おう」
 村人を前にし、ぼうっとディスターブの手の上に鬼火が浮かび上がる。
「ああ、嘘を吐くなよ。嘘吐きは鬼火に焼かれる物だ。さて、己の子を取り戻したくはないか?」
 ハッと息をのむ音がした。
 だが、頑なに男性は首を横に振る。
 しかしどうしたことか男性が首を横に振った瞬間、ディスターブの手の上に浮かぶ鬼火が燃え上がり大きくなる。
「取り戻したくない?嘘だな」
「嘘じゃない!嘘じゃ……」
 なおも自分を取り繕うようにディスターブの言葉を否定する男性。
 そして否定の言葉が紡がれるたびに、それは本心ではないと鬼火は大きく、大きくなっていく。
 やがて鬼火を見せつけられ言葉すら出なくなった村人へ彼は言い放った。
「お前の子供はまだ生きている。これは真実だ、今日はまだ。明日以降は、分からん。定めるのはお前だ」
 その言葉に男性は力が抜けたかのようにへたり込み、泣きだした。
 十分か、と鬼火を消してディスターブは村長の説得をしているヴェスターに目線を送った。
「このように仲間たちも来ている。今こそ我々と共に立ち上がりヴァンパイアを打ち砕こう」
 この場にいる二人を示し、説得を続けるヴェスター。
「しかし、そういわれてもな……」
 対する村長の反応は芳しくない。
 村人たちの本音も理解している、何より指示を出す村長自身喜んで行っているわけではないのは態度で明白だ。
 だが、何よりも領主への恐怖、圧力、村を存続させねばならないという思いが重りとなって縛っている。
 その重りを断ち切る必要があった。
「これを見ても、か?」
 ヴェスターは素早く自身の剣を抜くと、村長の目の前、重厚な机を一撃で斬り倒して見せた。
 ゴトリ、重力に従いバランスを崩して倒れた机が立てた音が大きく響く。
 村長も、そして周りの村人も一様に言葉を失っていた。
「せめて我々が戦う間、子供達の扱いに関しては我々に任せてもらえまいか?」
 彼らならもしかして……、静かな部屋にそんな言葉が飛び交う。
 リーゼの子供への、家族への想いと苛立ち。
 ディスターブの鬼火。
 そしてヴェスターの力強い剣術。
 しばらくの沈黙ののち、村長は口を開いた。
「……馬車を用意しろ」
「村長!」
「彼らに、任せてみよう」
 子供のいる小屋の鍵だ、と猟兵達へ投げてよこした村長の目は決意に満ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●来たる病の群れ
 村長も含め村全体を説得した猟兵達は用意された馬車に乗り、村はずれの小屋まで来ていた。
 子供たちは今まで得た情報を統合して話し合った結果、巻き込まれないように、いつでも逃げられるようにと小屋から助け出した後、馬車に乗せて隠してある。
 領主である女性ヴァンパイアは自身に抵抗するものを嬲り楽しむ傾向にある。
 ならば子供に手を出されないようにしたうえで攻撃することで『反抗』することで十中八九領主の気を引ける。
 猟兵達はそう結論つけた。
 きた、小屋の前で前方を見張っていた猟兵が声をあげる。
 無数の護衛とも怨念とも言い難い存在に囲まれて、村を蝕む病が到来した。
 まずは周囲の無数の影、残影を打ち払わねば元凶へは手が届きそうにない。
 猟兵達はそれぞれの獲物を手に取った。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。“護衛は小屋を訪れる度に増えている”…か
あの影は、領主に殺された子供たちの成れの果て
憐れめば取り込まれる。同化される。だから淡々と処理しなければならない
そう教わったし、頭では分かっているけど…駄目みたい、ね

敵の行動を見切り、第六感が危険を訴えたら回避
ただ【同化への意思】は回避できる気がしないので
事前に防具を改造して呪詛耐性を高めておく
…あなた達と一緒には逝けない。まだやるべき事が残っているから…

攻撃は【限定解放・血の波濤】を主軸に
一瞬だけ吸血鬼化して力を溜めた怪力で大鎌を薙ぎ払い、
生命力を吸収する範囲攻撃で残影や肉塊、手を吹き飛ばす
…もう苦しむ必要は、ない。安らかに眠って…


ディスターブ・オフィディアン
■連携及びアドリブ歓迎です

第一人格で行動
反抗によって領主の気を引くという事であれば、せいぜい派手に暴れるとしよう
大仰に杖を掲げ、エレメンタル・ミサイルを発動。敵の頭上に神聖属性の光の矢を生み、雨の如く降り注がせるぞ
「さぁ、道を開けろ亡者ども。今ならば天国へ送ってやろう」

基本は誘導弾でフェイントとカウンターを織り交ぜた騙し討ちだ
上に視線を誘導してから、派手に降らせて、
躱された矢は足元から上に打ち上げる、あるいは水平に打ち込んでもいいな

近接戦闘を行っている猟兵がいれば気を配り、背中を守るように矢を落としておこう
「チームワーク、などとは言わん。好きに戦え。お前が隙を作ればオレがねじ込む」



 無数に群れる残影の姿。
 それを見てリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は息を吐く。
 あの残影達は領主に殺された子供たちの成れの果て。憐れめば取り込まれる。同化される。だから淡々と処理しなければならない。
 そう教わった、頭ではわかっている、だが……。
「駄目みたい、ね」
 困ったような声が彼女の口から続けて漏れた。
 理解していても心ばかりはどうにもならない、その想いを全て反映したかのような声色で。
 だが、それで引くようなリーヴァルディではない。
 理解した上でなお、大鎌を携え残影の群れへと突っ込んでいく。
「アァ……アアアア!」
 リーヴァルディを見つけた残影たちが反応する。
 複数の炎の塊が次々生み出され放たれてゆくが、第六感を駆使して見切り、紙一重で避けていく。
「……あなた達と一緒には逝けない。まだやるべき事が残っているから……」
 残影たちまで後数歩、決意を込めて大鎌を握る力を籠める。
「……限定解放。薙ぎ払え、血の……!?」
 大鎌を振るうとともに自身のユーベルコードを発動しようとした瞬間、リーヴァルディは背後に気配を感じ危険を悟った。
 いつの間にか回り込んでいた一体の残影がその手から異形の肉塊を生み出していたのだ。
 避けられない、彼女がそう思った時だった。
 ──ヒュンッ!
 風切り音と背後の気配が倒れる音、そして……。
「チームワーク、などとは言わん。好きに戦え。お前が隙を作ればオレがねじ込む」
 風切り音の正体、光の矢を生み出した本人、ディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)の声がした。
 相変わらず全身を覆うローブ姿(おそらく第一人格であろう)で後方から大仰に杖を掲げてみせている彼は、90本にも及ぶ神聖属性の光の矢を生み出し、残影に光の雨を降らせていた。
「反抗によって領主の気を引くという事であれば、せいぜい派手に暴れるとしよう」
 矢を操るように誘導し、ディスターブは一人呟く。
 残影の頭上より注ぐ矢の雨、避けたとしても全て避けることはほぼ不可能だ。
 ぱたり、ぱたりと攻撃を受け残影が何体か倒れ消えてゆく。
 それでも狙った相手全てとはいかないが、彼は自信ありげに杖を振って宣言する。
「運よく避けられたから終わりとでも思ったか?」
 その言葉をきっかけに、再び矢の雨が降る。
 しかも今度は合わせるように先ほど避けられ地に落ちていた矢が、突然空へ打ち上れば体に突き刺さり、大地と並行に打ち出されたなら足に突き刺さる。
「イタイ……イタイヨォォォ!!!」
 そして矢が刺さり、悲痛に満ちた声で残影が叫ぶも彼には届かない。
 ただ神聖な光を生み出しながら、杖を掲げ、高らかに、派手に、声をあげる。
「さぁ、道を開けろ亡者ども。今ならば天国へ送ってやろう」
 そして矢の雨を降らす、ただ倒すためだけでなく、他に戦う味方のためにも。
「……ありがと」
 ディスターブの援護を受け、リーヴァルディは小さく礼の言葉を転がした。
 そして再び手に力を籠め大鎌を振るう。
「……限定解放。薙ぎ払え、血の波濤…!」
 一瞬だけヴァンパイアと化したリーヴァルディが放つ血色の波動、それは大鎌の軌跡を伴って周辺にいた残影たちを吹き飛ばし一掃。
 即座に円形の地面が姿を見せた。
「……もう苦しむ必要は、ない。安らかに眠って……」
 そして短い黙祷の後、彼女は再び駆け出していく。皆を眠らせるために。
「あちらはもう大丈夫か」
 リーヴァルディが一掃したのを見るや、ディスターブは視線を動かし次の標的を見定める。
 何せ数は無数にいる。
 そして近接スタイルの戦闘方式を得意とする猟兵だって他にもいるのだから。
 その隙を見逃すまいとローブの奥でディスターブの目が輝いていた。
 未だ、敵の底はすぐには見えず。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴェスター・アーベント
目的/敵の殲滅
「来たか…亡霊め」

戦術/聖魔二刀流で攻撃
怪力を以って振るう攻防一体の剣技。
聖剣で受け流し、魔剣で斬りつけながら吸血して生命力を奪い、受けた傷を癒しながら敵を倒すまで戦う継戦能力に長けた戦術。

行動/斬り込んで数を減らす、積極的に攻める。
「たとえ影でも、そこに存在するならば斬れる…そして俺の魔剣は斬ったヤツの全てを吸い尽くす」
敵は多数、聖魔二刀流を攻撃力重視で振るい早めに数を減らしてゆく。
「俺は斃れん、敵がいる限り、その命を啜って永遠に戦い続ける…怨みを晴らすまで…いいや、全ての吸血鬼を八つ裂きにするまで!」
負傷など問題にならない、奪い、斬り伏せ、敵がいなくなるまで続けるだけだ。



「来たか……亡霊め」
 ヴェスター・アーベント(テラーナイト・f09560)は数を多少減らされてもなお、無数に見える残影を見て呟いた。
 その言葉に憐れみはなく、ただ敵は倒す、それだけの意志が込められている。
「ユ、ルサ……ナイ!ワ、タシ、コンナ……ナッタ!!!」
 ヴェスターを目標に定めた残影から恨みの言葉と共に炎の魂が放たれた。
 その言葉は誰に向けてなのか、何によって生まれた恨みなのか、だがヴェスターが気にすることはない。
 なぜなら彼も怨みに……復讐に生きているからだ。
「戦場で鍛え抜いたこの剣技…斬り裂けぬ敵はいない!」
 【聖魔二刀流】──自身のユーベルコードを用い、強化された力で片手に持つ聖剣リヒトクライスで放たれた炎を弾き飛ばすと、一気に肉薄しもう片手に持つ魔剣ブラッドイーターで残影を切り裂く。
 悲鳴すら上げる間もなく倒れた残影を見やることもなく、次の標的へとヴェスターは駆ける。
「たとえ影でも、そこに存在するならば斬れる…そして俺の魔剣は斬ったヤツの全てを吸い尽くす」
 途中頬を炎が掠め、別所で発生したであろう残影の悲鳴が彼を襲う。
 しかし一切怯むことも足を止めることもなく彼は駆け、ふた振りの剣を振るう。
 どれだけ傷を負おうが魔剣で敵を斬り、その生命力を奪い、傷を少しずつ癒しながら、休む間もなく敵へと駆ける。
「俺は斃れん、敵がいる限り、その命を啜って永遠に戦い続ける…怨みを晴らすまで…いいや、全ての吸血鬼を八つ裂きにするまで!」
 また一体、残影を切り捨てヴェスターは吠えるように宣言する。
 その目は敵がいなくなるまで戦い続けてやるとばかりに燃えていた。
 ──キャハハッ!
 どこかから楽し気な女性の声が響いた、ような気がした。
 残影は最初よりその数を明らかに減らしつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

皆城・白露
抵抗される方がお好みなら、そうしてやろうじゃないか
――ほら、生きのいい贄が、ここにいるぞ
(説得や精神面のフォローはあまり得意ではない
ここから先は行動で示せばいい、存分に暴れられると、少しほっとしている)

周囲の猟兵と協力して、子供たちの巻き込み防止を最優先
自分の立ち位置や敵の動きに注意
カバーしきれないようなら、馬車でそのまま逃げるよう指示する

【ブラッド・ガイスト】使用で黒剣を禍々しい爪状に変化させ
手当たり次第・力任せに敵を攻撃
相手の気を引くのも含めて、可能な限り派手に暴れる
馬車や保護した子供を攻撃されそうなら【捨て身の一撃】使用で阻止


リーゼ・レイトフレーズ
さて、約束をした以上きっちり守らないとな
既に熱は冷めたが狙撃をしてやる気分でもない
雑に蹴散らさせてもらおう

ユーベルコードによる火の魔力で攻撃力を強化
【第六感】を働かせながら戦場を見渡し
直感に任せてSHOOTING STARで敵を射撃する

仲間に【援護射撃】の【スナイパー】をする
近づいてくる敵は落ち着いて攻撃を【見切り】
【零距離射撃】の【2回攻撃】で確実にトドメを刺していく
私が用があるのは領主だけだから
向かってこないでくれると助かるんだけどね

射撃が間に合わない時は銃のストックで殴りつける
強化した状態だし割と痛いんじゃない?

怨恨の炎は撃ち落とし、同化はそもそも共感せず
絶叫はヘッドホンで防いでみよう



 多くの残影を前にして皆城・白露(モノクローム・f00355)はその状況に似合わないどこかほっとした表情を浮かべていた。
 説得などがあまり得意でない彼にとっては後は敵を倒すだけ、という状況の方が行動で示すことができるため気が楽なのだろう。
 白露の後方には子供たちの乗った馬車がある。
 戦闘が始まって以降、残影は猟兵達に夢中であったがそれでも巻き込まれないよう気にするに越したことはない。
「さて、約束をした以上きっちり守らないとな」
 その隣ではリーゼ・レイトフレーズ(Existenz・f00755)が自身のヘッドホンの位置を直し、軽く叩いて防音性を確認していた。
 確認しながらも射手の瞳で戦場一帯を見回し、撃つべき相手を見定めている。
 SHOOTING STARを構え、リーゼは援護は任せろと言わんばかりの目線を白露に向けた。
 視線を受け、白露は走り出す。
「抵抗される方がお好みなら、そうしてやろうじゃないか」
 声を上げ、黒剣で自身を傷つけながら突撃する白露。
 白露の血に触れた黒剣はその封印を解かれ、禍々しいまでの爪状の武器へと姿を変えていた。
 その爪を振るい、近くの残影から力任せに殴り、斬りつけ、攻撃していく。
「焦熱を喰らえ、星光を穿て、黒き愛憎を飲み干せ、尊き輝きを見せてみろ―――Sphere blazar」
 一方のリーゼは火の魔力で自身を強化しながら敵の中に身を置いている白露を的確に援護していく。
 彼が遠距離からの攻撃に晒されずにいたのはリーゼの功績が大きい。
 持ち前の射撃能力で残影の生み出す炎を打ち落とし、死角にいるであろう敵へ弾を放つ。
 的確に額を撃ち抜かれ、一体、また一体と残影は姿を消していく。
「アァァ……ユル、サナイ、フ、クシュウヲォォォ!!!」
 そして合間をすり抜け、接近されてもリーゼは狼狽えない。
「私が用があるのは領主だけだから向かってこないでくれると助かるんだけどね」
 呟き、近距離で放たれた炎を冷静に避けたリーゼは銃口を残影の頭に突きつける。
「ま、雑に蹴散らさせてもらうね」
 パァン、パァン。
 乾いた音が二発、頭部を撃ち抜かれ消えゆく残影。
 それらの一切に目もくれず、肩をすくめたリーゼは再び援護へと戻っていく。
「ほら、生きのいい贄が、ここにいるぞ!」
 白露が残影の一体を爪で貫き、掲げながら高らかに宣言する。
 最初の頃より明らかに数が減り、勢いが落ちてきた残影たちを前にしても彼はそのスタイルを崩さない。
 一見、気を引く以外は何も考えずに攻撃しているように見える白露だが実際は子供を巻き込まないように立ち位置を調整していた。
「そっちは駄目だ、こっちにこい」
 時折あちこちで起こる絶叫が聞こえないように位置取りを変え、避けた炎の玉の流れ弾が馬車へ飛ばないよう気を配りながら危険なものは弾き飛ばす。
 そのかいもあり、馬車へと隠されていた子供たちは流れ弾の被害を受けることもなく無事でいられた。
 残影はすでにその数を三分の一以下にまで減らし、あと一押しと言ったところだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

モリオン・ヴァレー
『従者が増えている』
村の人達の証言通りなら
まさかあの影達は……

<目立たない><忍び足><暗視>敵軍の後ろに回り込む様移動
そのまま味方から一番遠い残影に対し
<敵を盾にする>後ろから組み付き拘束
<暗殺>抑えてるこの個体に持ってる毒針を喉元に突き立て
<傷口をえぐる>針を肉ごと動かし空気と毒を送り込むわ

あなた達の故郷を、家族を
あなた達の手で壊させない為にも……
あたし達がこの悪夢を今回限りにしてやるわ
だからあたしはあなた達を殺す
冷酷に

【サイレント・ホーネット】発動
<誘導弾><毒使い><マヒ攻撃>喉元を狙う麻痺毒針の群れを
敵群中に投入するわ
麻痺毒で動きを鈍らせる事での味方の支援
又はあたし自身が直接トドメを


スフィーエ・シエルフィート
派手に反抗? 実に良いじゃあないか。
物語の賑やかしには丁度良い。……前哨戦だ、派手に片付けてしまおう。

中々に数が鬱陶しいね。それに圧されるのは避けたいところだ。
だからまずはトリニティ・エンハンスで、防御力を重点的に強化しておこう。炎を放たれても、水で消すか炎で取り込むか試してみよう。念のためにオーラ防御もしておこうか
そしたら敵を【踏みつけ】ていきながら精霊銃を上から乱射して、二回攻撃とクイックドロウ、そしてスナイパーで派手に脳天を打ち抜いていこう
そうして派手に存在感をアピールしながら、私に目を引き付け、ほかの猟兵諸君が薙ぎ払いやすくしてあげよう。

※アドリブ・連携OK



「派手に反抗?実に良いじゃあないか」
 物語の賑やかしには丁度良い、とスフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)はどこか楽しげな雰囲気を漂わせながら手元で銃をクルリと回す。
 それと同時、スフィーエから沸き上がった三色の魔力が彼女を包み、その身体を強化する。
「では、前哨戦だ、派手に片付けてしまおう」
 派手に、その言葉に相違なくスフィーエは空を舞った。
 正確に言えば残影を踏みつけながら飛び上がっているだけだが、彼女の翼とその華麗さが舞っているようにも見えたのだ。
 その様子は戦場のどこからでも見えるほど目立っていた。
 だからこそ近くだけでなく遠くからも恨みの炎の玉が飛んでくるが、スフィーエを包む水の魔力が炎を通すことを許さない。
「ふむ、いい感じに目立てているようだね。これで他の猟兵諸君も動きやすいだろう?」
 赤い炎の弾と青い氷の弾。二色の弾丸がスフィーエの手元から放たれる。
 正確に残影を頭上から撃ち抜くと彼女は満足そうに微笑んだ。
 スフィーエが派手に目立つ中、逆に目立つことなく静かに移動する姿があった、モリオン・ヴァレー(死に縛られし毒針・f05537)だ。
 『従者が増えている』村人から聞いた言葉を思い返しながら残影たちの奥、猟兵達から最も離れた場所へ駆ける。
「ギ、グゥゥ!」
 そしてその勢いのまま狙った残影に組み付いて拘束。
 組みつかれた残影から悲鳴ともうめき声とも取れる声が漏れるが、ためらうことなくその喉元に毒針を突き刺した。
「……アアア!!!」
 今度は間違いなく、悲鳴。周囲にいた残影たちが気づいてモリオンを見る。
「あなた達の故郷を、家族を。あなた達の手で壊させない為にも……」
 ぐっと力を籠め、毒針を動かし嫌な音と共に拘束していた残影の喉元を抉るとモリオンは呟く。
 腕の中にいた残影はもはや悲鳴の続きすら上げることはなく、力を失いまるで煙か影のように姿を消しつつあった。
「あたし達がこの悪夢を今回限りにしてやるわ」
 そうしてモリオンの腕の中から残影が消えた瞬間、まるで最初からそこにあったかのように彼女の周りに17本の毒針が浮かび上がっていた。
「何時来るか判らない、けれど必ず来る痛みと恐怖に慄きなさい」
 周囲の残影を示し、彼女が宣告すると毒針たちはそれぞれ縦横無尽に動き出し獲物を狙う。
 1本は狙い通り残影の喉元に刺さると、別のところでは腕を掠め、また別の相手では足に刺さっている。
 毒針の攻撃を受けた残影たちはそこに含まれていた麻痺毒により動きをかなり鈍らせていた。
 そしてその様子は踏みつけ、二丁拳銃を打ち続けるスフィーエからも見えていた。この隙を見逃すわけがない。
「隙あり、だね」
 踏みつけ飛び上がり、狙いをつけたスフィーエの二丁の銃口から弾が飛び出る。
 赤と青、二色の光は動きを鈍らせた残影たちをそれぞれ正確に打ち抜いていった。
 片方は燃え上がり、片方は凍り付き崩壊していく。
 グラリ、倒れる残影に合わせモリオンもまた弱らせた残影に肉薄し、自身の持つ毒針で喉元を貫いて止めを刺す。
「あたしはあなた達を殺す。冷酷に」
 その言葉に一切の憐れみはなく、ただ悪夢を終わらせるという意志が込められていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『嗜虐の吸血姫カルマリア』

POW   :    跪きなさい!
【蹴り倒し、踏みつけて足蹴にする事 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    斬り刻んでペットにしてあげる
【何もない空中から無数の紅き刃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    アナタも私の下僕に加えてあげよっか?
レベル×1体の、【胸 】に1と刻印された戦闘用【に改造されたレジスタンス達のゾンビ】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はヴェスター・アーベントです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●病、その元凶
 ──パチパチパチパチ。
 ほどなくして残影の群れが一掃されると、どこからともなく拍手が響き渡る。
 猟兵達が音の出どころに目をやるとそこには一人の妖艶な雰囲気を漂わせた女性が立っていた。
「キャハハッ、みぃんな殺しちゃったんだ?せっかくペットとして生かしておいてあげたのにぃ」
 笑い声を上げながら猟兵達を見る女性。
 言動からして間違いない、こいつが村を苦しめていた元凶、領主のバンパイアだと猟兵達は確信する。
「でもいっか、だってアナタたちすごくいい声で啼いてくれそうなんだもの」
 ふわり、女性の周りに赤い刃が浮かび上がった。
「さぁ、領主命令よ。ワタシをめいっぱい愉しませてごらんなさい?」
リーヴァルディ・カーライル
…戯れ言に耳を貸す気はない
私は吸血鬼を狩る、ただそれだけ…
…だけど、今回は何か因縁のある人もいるみたいだし…
…ん。道筋を作るのは、任せて
あなたは本懐を遂げることだけを、考えて…

…【限定解放・血の教義】を発動
吸血鬼化して増幅した生命力を術式に吸収して力を溜め、
“光属性”の“暴風”を両手に発動して維持、
召喚されたゾンビ達に突撃し傷口を抉り浄化していく
維持が限界に達したと第六感が見切ったら、両手の光の暴風を解放して吸血鬼に向けて放つ2回攻撃を行う
…これが、私の魔法。全てをなぎ払う光…!

…ん。周りの敵は片付けたから、後は、任せた…
(魔法の反動でダメージを受けながら)



「……戯れ言に耳を貸す気はない」
 ヴァンパイアの自分の快楽だけを考えたような言葉を聞いてもリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は表情一つ変えない。
 彼女の紫の瞳にはただヴァンパイア討つべし、その意思が宿るだけだ。
「私は吸血鬼を狩る、ただそれだけ……」
「私を狩る、ねぇ。ふふっ、今にその顔が歪むのが楽しみだわ」
 行きなさい下僕たち!楽しげな声と共に周囲に浮かせた紅い刃が鞭となっていくつもいくつも大地を叩く。
 叩かれた箇所には魔法陣が浮かび上がり、瞬きの間にゾンビがその上に現れる。
 胸の数字は1、だが数が多い。このままゾンビたちを放置することはできない。
「……ん。道筋を作るのは、任せて」
 一瞬の思考、そして結論。リーヴァルディは他の猟兵達に声をかけると瞳を閉じて意識を集中する。
 彼女の両手に浮かび上がるのは光だ。それもただの光ではない、渦を巻き暴れまわる暴風のごとき光。
 夜と闇に覆われたこの世界では何と眩しいことか。
「……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……!」
 術式を完成させ、それでも手に完成させた光の暴風を両手にそれぞれ浮かべたまま、リーヴァルディは大地を蹴った。
 向かう先はもちろん、ゾンビの群れ。
「消えて……眠って……」
 手に残したままの術式をゾンビに触れるように伸ばす。
 まるで電気のように光は瞬くと、ゾンビを傷つけあっという間に飲み込んだ。
 後にははらりはらりと灰だけが落ちてゆく。
「……ん、次」
 勢いのまま、リーヴァルディは次々とゾンビを灰へと変えてゆく。
 だが、術式の威力もあって維持は難しい。
 制御できなくなる前に、とその足を進め近寄ってくるゾンビを一掃する。
 そして限界に達する直前、目に見える最後のゾンビを灰へと還すとリーヴァルディはその術式を解き放った。
「…これが、私の魔法。全てをなぎ払う光…!」
 両手の暴風、それぞれをヴァンパイアへと投げつけ勢いのまま後ろへと下がる。
「へぇ、面白い抵抗の仕方するじゃない」
 術式が直撃したようだが大きなダメージになってなさそうに見えるのはさすがは領主のヴァンパイアといったところだろうか。
 対して長く術式を維持し続けた彼女の手には無数の傷があった。だがこれでいいのだと、リーヴァルディは確信している。
「周りの敵は片付けたから、後は、任せた…」
 彼女は、一人ではないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディスターブ・オフィディアン
作戦
第一人格で遠距離攻撃しかできないと思い込ませて近距離戦を誘い、近寄ってきたら第三人格へ以降。太刀を使って真っ向から迎え撃ちます

「生かしておいてあげた? 死後もなお弄んでいた、の間違いだろう。
 どこにでもある悲劇だ、いちいち同情していられるほど、お人好しにはなれんな」
 属性攻撃で散発的に魔法の矢を放ち牽制、おびき寄せて、近づいてきたらカウンターの騙し討ち。
「かかったな。――やってしまえ、お人好し」
 ローブを脱ぎ捨て和装に早着替えしつつ葬送の霖を発動、第三人格へ
 相手の攻撃は武器受け、第六感、見切りで回避し二回攻撃、薙ぎ払いで攻撃
「親から子を奪い、子から命を奪う。民草の命を弄び、何が領主か!」



 猟兵達とヴァンパイア、何もない空間に鮮やかな矢が舞った。
「生かしておいてあげた? 死後もなお弄んでいた、の間違いだろう」
 次に仕掛けたのは全身をローブで包んだディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)だ。
 杖を振るい、魔法の矢を生み出し、次々と放つ。
「間違いではないわ?私に逆らったご褒美としてペットとして生かしておいてあげていたのよ?」
 病弱だった彼らもみんな自由に動けるまでになったのに、可哀想にねぇ。などと飛んでくる矢を払いのけながら心にも思ってないような声でヴァンパイアは笑う。
 そんな聞く人が聞けば怒りだしそうな言葉にも、ディスターブは態度を変えない。
「どこにでもある悲劇だ、いちいち同情していられるほど、お人好しにはなれんな」
 ただ表情だけがそのローブの下から窺い知れぬまま。
 彼は魔法の矢を放つことをやめない。
「アナタ、それだけしかできないのかしら?」
 やがて、その単調な攻撃に飽きたのだろう。
 不意に矢を払うのをやめると、その足をディスターブへと伸ばす。
 一歩、一歩、近寄らせまいばかりにと放たれる矢を無視して、一歩、また一歩。
 とうとうディスターブを目前にしてヴァンパイアは笑う。
「残念だったわね?ここまで寄られたら自慢の魔法も形無し、ね?」
 後は彼を足蹴にし、そのローブの中を見てやろう。
 そう考え放たれたヴァンパイアの蹴りは、突如視界を遮ったローブに止まることとなる。
「かかったな」
 ――やってしまえ、お人好し。
 ディスターブの、いや第一人格の、してやったりといった声が響いた。
「……っ!?」
 ローブを裂くように大太刀が振るわれ、ヴァンパイアの頬に傷を作る。
 脱ぎ捨てられたローブの奥、そこには和装に身を包んだ第三人格のディスターブが長大な大太刀構えていた。
「親から子を奪い、子から命を奪う。民草の命を弄び、何が領主か!」
 彼の赤い瞳は怒りに燃えていた。
 太刀を振るい、悪しき領主を追い詰める。
 反撃とばかりに振るわれる蹴りは、研ぎ澄まされた感によって見切られ、彼を害するにはかなわない。
「ふん、何よ。私が領主なのよ!そこにあるものを好きにするぐらい勝手じゃない」
 口調は余裕さは残っているが、頬以外にも身体にいくつかの切り傷。
 傷口を舐めて、ヴァンパイアは愉しくないとばかりに唾を吐いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

皆城・白露
お前が、ここの病の元凶か
愉しむのは勝手だが、お前が無様に潰れるまで殴るのはやめないからな
ペットも下僕もお断りだ、胸糞悪い
(残影を殺した、と言われても、レジスタンスのゾンビを出されても動揺はしない
その胸糞悪さに、怒りや苛立ちを抑えず遠慮なく叩き込める事が嬉しい、とすら感じている)

【黒風鎧装】を使用し真の姿を解放
(風を纏い、その中の「真の姿」はよく見えない)
他の猟兵が攻撃しやすいように、敵の意識を引き付ける目的も込みで
最前衛に立ち反撃も覚悟で力任せに殴りつける
(※他の猟兵との連携・アドリブ等歓迎です)


モリオン・ヴァレー
これはまた
随分と悪性な病巣ね
あなたのその我儘でどれだけの犠牲が出た事か
一刻も早く病巣を摘出しなくては、ね

【マリス・バインド】発動
<誘導弾><投擲>糸を動かし相手の体の死角を狙う様に針を調節
<目立たない>保険に霊糸の色を抜き見えにくくしておこうかしら

勘違いしないで欲しいわね
いい声で啼くのはあなたの方よ
<毒使い><マヒ攻撃><気絶攻撃>……いや
毒の痺れと苦しみのせいで啼く事も難しいかしらね

<オーラ防御>糸を切ろうとしたってそう簡単にはいかないわ
メテオライトから糸に霊力を送り
その糸に重力のオーラを纏い護るわ

<2回攻撃>味方と相手の動きの中で機を見て
執拗に拘束を狙っていきたいわね

この村の為に消えなさい



「お前が、ここの病の元凶か」
「これはまた、随分と悪性な病巣ね」
 ヴァンパイアに対しそれぞれ別の反応を見せる二人。
 皆城・白露(モノクローム・f00355)はその身に湧き上がる怒りや苛立ちを隠すことなく、むしろ嬉しそうな雰囲気すら漂わせて自身の手に拳を打ち付ける。
 一方のモリオン・ヴァレー(死に縛られし毒針・f05537)はこれまでの態度を崩すことなく、きわめて冷静に針を構える。
「さて、じゃあお前が無残に潰れるまで殴らせてもらおうか」
 白露は吠え声をあげる。それは狼の遠吠えのごとく響き渡る。
 遠吠えが風を帯びる。それは黒い風となって白露を包む。
 全身を風に包まれたまま、白露は駆けた。風の中の姿は暴れ狂う黒い風に覆われてみることがかなわない。
「やれるものならやってみなさい?野良犬を躾けるのもたまには悪くないかもね」
 まずはお座りかしらね?そうヴァンパイアから放たれる蹴りを白露はその腕で受けとめ、反撃とばかりに殴り返す。
「ペットも下僕もお断りだ、胸糞悪い」
 殴りと蹴り、格闘術の応酬が続く。一見膠着状態に見えるやり取りであったが、そこに一矢が投じられた。
 ──ヒュッン!
「いった、何よこれ!」
 ヴァンパイアの右脚に針が突き刺さる。
「暴れられると厄介ね……内外両方から、縛り上げる!」
 死角から針を放ったモリオンがさらに針を放ちながら言う。
「くっ!!!」
「おっと、お前の相手はオレだ」
 身をよじって避けようにも、白露がそれを許さない。
 連撃をたたき込み動きを封じる。
「一刻も早く病巣を摘出しなくては、ね」
 二本目の針は左脚へ、さらに糸が結ばれるように放たれる。
 顔をしかめたヴァンパイアは糸を切り落とそうと紅い刃を放つが、オーラを纏う糸を切ることはかなわない。
 糸は刃を弾き、針の刺さった左脚と右脚を結ぶ。
「アナタ……何してくれたのよ!」
 モリオンを睨みつけるヴァンパイア。毒のせいもあってかその眼には迫力がない。
 そして脚から沸き上がってくる痺れ、何より重力を纏った糸によって満足に脚を動かすことすら叶わない。
 相手を足蹴にして楽しむための自慢の足もこうなってしまえば一切脅威にはならないだろう。
「何を、そうね。治療かしら」
 ぐっと霊糸を引っ張り、淡々とモリオンは告げる。
「生意気な女ね、その顔どうやったら歪むかしら」
「勘違いしないで欲しいわね。いい声で啼くのはあなたの方よ」
 といっても、毒の痺れと苦しみのせいで啼く事も難しいかしらね。拘束を維持しながらモリオンは自信ありげな顔を向ける。
「この村の為に消えなさい」
 声に合わせるように風を纏った白露の力任せの一撃がヴァンパイアの腹部に決まり、身体を吹き飛ばした。
 土埃をあげて二度、三度と地面に身体を打ち付けて、その身を起こす。
「私に土をつけるなんて、やってくれるじゃない。ますますその顔歪ませたくなってきたわ。散々嬲って最期はその顔部屋に飾ってあげる」
 転がった帽子を拾い上げるとヴァンパイアは猟兵達を睨みつけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スフィーエ・シエルフィート
悪趣味め
キミみたいなのが蔓延るから、貴族って奴が誤解されるんだ
柄にもなく感情的になるのは、私もかつて貴族だったからかな……ふっ

「貴族ってのは、民を苛める者じゃない。民に支えられ、民を守る者さ……それが分からないなら、君が啼け」
出会い頭にジャッジメント・クルセイドを叩き込もう
ゾンビがやってきたらルーン・サーベルに風の属性を宿して、纏めてなぎ払い、その風に精霊銃で炎の弾丸を打ち込み纏めて焼却だ
その後は捨て身の一撃で懐に飛び込み、ナイフを心臓に突き刺してやろう
そして二回攻撃の要領で、メイスで更にナイフを深く差し込んで傷口を抉ってやろう
「吸血鬼殺しといったら、心臓に杭を打つ。……お約束だよ」



 ヴァンパイアを睨み返すように目線を向け、その腕を動かす姿があった。
「貴族ってのは、民を苛める者じゃない。民に支えられ、民を守る者さ……それが分からないなら、君が啼け」
 ついっと指先を帽子をかぶりなおしたヴァンパイアへと向け、スフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)はその光を放つ。
 無数に輝く光は体勢を立て直したばかりのヴァンパイアの体をいくつも貫き、傷を与えていく。
「うっ、くぅ……!」
「キミみたいなのが蔓延るから、貴族って奴が誤解されるんだ」
 普段から俯瞰したような言動をするスフィーエには珍しく言葉に感情を込め、サーベルを片手に大地を蹴る。
「かわいい小鳥がお説教?鳥籠でぴーちくぱーちく啼いてなさいよ!」
 光に貫かれた部分から血を流し、軽くふらつきながらもヴァンパイアは重くなった脚で大地を叩く。
 血を媒体にゾンビを呼び起こし、さらには近場のゾンビを合体させ、スフィーエへと差し向ける。
「悪趣味め」
 胸の数字は1、2、3。だがスフィーエは怯むことなくサーベルを振り払った。花の紋章が風を纏って煌めく。
 湧き起こる風はゾンビたちを包み、足を一時的に止める。
 それだけで十分だった。
 ──カチン。
 続けざまに放たれる赤き弾。それは風に飲み込まれると威力を増してゾンビたちを燃やし尽くす。まるでヴァンパイアへの怒りが込められているかのように。
「悪趣味ぃ?領主様の崇高な趣味よ」
 強がってみせるが、初め妖艶さを秘めていたその顔は歪んでいた。
 動きにくい両足では飛び込んでくるスフィーエを避けることは叶わず、その胸にナイフを突き立てられよろめく。
「ホント、愉しくないわ……ぐっ!」
 悪態の最中に羽ペンを象ったメイスが打ち付けよとばかりに胸に刺さったナイフめがけて振るわれる。
 勢いのままさらに深くナイフを埋め込まれ、膝をつくヴァンパイア。
「愉しくないかい?吸血鬼殺しといったら、心臓に杭を打つ。……お約束だよ」
「その話自体が最悪よ」
 唾と共に悪態を今度は吐ききると、何とか距離を取る領主ヴァンパイア。
 彼女が領主の座から降ろされるときはそう遠くないように見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アル・ディオール
命はそんなに軽いモノじゃないよ
玩具みたいに弄んでいいモノじゃない
…お前には一生分からないだろうけどね

【荒れ狂う星光の槍】で攻撃
愉しむ暇なんか与えない…【全力魔法・高速詠唱】を用いて
手数で一気にケリを付けてやる
槍の一本一本に【破魔】と【祈り】の力も込めて
魔に属する者なら堪えるんじゃない?
ゾンビは合体前に倒しておこう

相手の攻撃は【見切り】や【オーラ防御】で捌いて行こう
少しくらいの怪我なら構わず攻撃の手を止めないよ
けど30cm以内には入らないようにしよう
痛そうだし何より…
『気安く触らないでくれる?

『…大っ嫌い
これ以上好き勝手に子供達の未来を…村の皆を傷付けるのは許さないよ
さっさと…くたばれっ



「命はそんなに軽いモノじゃないよ」
 身体のあちこちから血を流し、胸にナイフを突き立てられてもなお、猟兵達を倒し嬲らんと立ち続けるヴァンパイア。
 彼女に更なる追撃を、引導を渡すべく、アル・ディオール(ぼんやりエルフ・f06347)は普段のぼんやりとしたマイペースさからは想像できない速度で詠唱を紡ぐ。
「……大っ嫌い。これ以上好き勝手に子供達の未来を……村の皆を傷付けるのは許さないよ」
 アルのそばに次々と光でできた槍が生み出され、完成すると同時に聖なる力を穂先に纏う。
「さっさと……くたばれっ」
 詠唱の完成と同時、75本にもなった槍がその身体を穴だらけにせんと一斉にヴァンパイアへと飛び掛かる。
「はっ、言ってくれるじゃない?……下僕たち!」
 先ほど貫かれた光の雨を思い出しているのだろう、その表情は苦々しげに歪み。トン、トン、と重い足取りのまま大地をノックする。
 現れること三度目、ゾンビたちが召喚される。アルを捕えようという意図ではなくただ盾として扱おうとしているようだった。
 どれほど倒され浄化されたとしても、ヴァンパイアに縛られている限り彼らに安息は訪れることはないのだろう。そう思わせられるほどの酷い扱いである。
 ゾンビが召喚された意図を察してアルは眼前のヴァンパイアを睨みつけた。
「……お前には一生分からないだろうけどね」
 呟くと同時、光の槍とゾンビが接触する。
 数だけなら合体もしていなかったゾンビのが多かった。だからこそヴァンパイアは防ぐことができると踏んでいた。
 だが──。
「なんですって!?」
 槍が掠めただけでゾンビは浄化されるようにその身を灰へと変え、槍の威力を殺すには至らない。
 アルの子供たちを、村を、命そのものへの想いを込められた輝く槍は阻むものを許さず、目標を刺し貫く。
「あっ、あぁぁぁぁぁ!!!!」
 今までヴァンパイアが聞いていたであろう悲鳴が、初めて彼女の口から零れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
「子供を嬲り殺しにする……こんなことを何十年も続けてよく飽きないわね。成長がないのかしら?」
「血で絵を描くヴァンパイアに会ったこともあるけど、あっちの方がまだ創造性があったのかも」
「ま、どっちにしろ――死んでもらうことに変わりはないんだけど」

「貴方は見えない攻撃を躱せるかしら?」

・離れて[サイコキネシス]で攻撃&味方をサポート
・相手が反撃できないほどに弱ったら、念動力で身体を、臓器を締め上げる。

「まさか、楽に死ねるなんて思ってないわよね?」
「さっき悲鳴を上げていたから、痛みは感じるんでしょ?」
「時間はたっぷりあるわ。子供達が受けた恐怖と苦しみを幾万分の一でも味わってから、死になさい」



「子供を嬲り殺しにする……こんなことを何十年も続けてよく飽きないわね。成長がないのかしら?」
 槍に貫かれ、悲鳴を上げるヴァンパイアを見てアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は呆れた様子を見せる。
 血で絵を描くといった趣味を持っていたヴァンパイアと遭遇していたこともあるアレクシアであったが、そいつと比べても創造性があるとはいいがたい。それこそ芸術性もなければ理解の余地もない、と言ったところだろうか。
「ま、どっちにしろ――死んでもらうことに変わりはないんだけど」
 くいっとアレクシアは何もない空中を掴むかのように手を動かす。
「貴方は見えない攻撃を躱せるかしら?」
「は?何を……っ!?」
 突如その身を内部から締め付けられるような痛みにヴァンパイアは顔を歪ませる。
「まさか、楽に死ねるなんて思ってないわよね?さっき悲鳴を上げていたから、痛みは感じるんでしょ?」
 表情の変化を確認するかのように手を広げ、強く握る。ぐっぱぐっぱを繰り返しながら痛みに呻くヴァンパイアを見つめる瞳は冷たい。
「な、によ……これぐらい……あぁっ!」
 もはやプライドが彼女を突き動かすのか、痛みに負けまいとアレクシアの元へ向かおうとしたヴァンパイアであったが、その内側を駆け巡る痛みにその膝を折る。
 だが、アレクシアはあくまで長く痛みを与えることを重視していた。もちろんそれは、子供たちのために。
「時間はたっぷりあるわ。子供達が受けた恐怖と苦しみを幾万分の一でも味わってから、死になさい」
 そう告げるアレクシアの後方から、黒い影がヴァンパイアに向かって飛び掛かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェスター・アーベント
目的/吸血姫の打倒
「散々奪って来ただろう、次は貴様が奪われる番だ…!」

行動/黒風鎧装を使い、吸血姫へ突撃。
ゾンビは二刀流で両断して歯牙にも掛けず、目指すはカルマリアの首のみ。
「聖天騎士ヴェスター、貴様を殺す男の名を覚えておけ」
カルマリアの攻撃は左の聖剣で尽く武器受けで受け流し、右の魔剣を鎧砕きの怪力で振るい斬りつけては斬った箇所から魔剣の刃が吸血し、生命力を奪う。
傷を癒しながら斬り刻み、恐怖を与えるのだ。
「どうだ、嬲り殺しにされるのは辛いだろう?」
トドメは魔剣を腹に突き刺して生命力を奪いながら、聖剣で首を刎ねる。
「冥府で仲間に斬り刻まれ、子供達に詫びてくるがいい…その首、貰い受ける!」



「散々奪って来ただろう、次は貴様が奪われる番だ……!」
 膝をついたヴァンパイアへと飛び掛かる黒い影、それはヴェスター・アーベント(テラーナイト・f09560)だ。
 その姿は黒い風に覆われていてよく見ることはできない。ただ漆黒の風の中から復讐に燃える瞳が、二本の剣が、命を奪わんと顔を覗かせる。
「聖天騎士ヴェスター、貴様を殺す男の名を覚えておけ」
「聖天騎士ですって……?どこかで……」
 ヴェスターを迎撃せんと封じられた脚ではなくその腕を使うヴァンパイア。しかしヴェスターはその攻撃を華麗に左の剣で受け流すと返す刃とばかりに右の剣を振るい、その肌を切り裂く。
 ただ傷つけるだけではない、黒い刃についた血は舐めとるように吸収され消えていく。

『私の名前はカルマリア。吸血姫カルマリア。崇高な名前を憶えてお行きなさいな。アーッハッハッハ』
 過去に面白半分で見逃した小鳥を思い出す。そう、かつてレジスタンスを弄び嬲り、そしてたった一人だけ見逃した存在を。

 だがそれ以上の思考は振るわれる刃が、傷口から溢れる痛みが、許さない。
 ただひたすらにヴェスターは剣を振るう。
 一閃。
 ──そうだ、殺せ。
 再び一閃。
 ──ヤツを殺せ。
 さらにもう一閃。
 ──アイツを許すな、殺せ!
 ヴェスターを突き動かしていたのは自らの意思か、それとも頭の中に響く声か。
「いたっ、痛いっ!なに?そんな甘い剣捌きで私を殺そうっていうつもり?」
 最後の強がりか、ヴァンパイア──カルマリアが発した悲鳴にヴェスターは少しだけ、ほんの少しだけ、笑った。
「どうだ、嬲り殺しにされるのは辛いだろう?」
 と、その意図を察したカルマリアの顔が初めて恐怖に染まった。
 ただ単にとどめをすぐに刺さなかったのは彼が未熟だったからでも怯えているわけでもない、ヴェスターからのカルマリアに対する意趣返しに他ならなかったのだ。
「いやっ、いたいいいたいいたいっ!わたしはりょうしゅなのに、こんなっ……!」
「これが今まで貴様が行ってきたことだ!」
 怒りに満ちたヴェスターの黒き魔剣がカルマリアの腹部に深々と突き刺さる。
 ただ刺すだけではない、その身体からドクドクと生命力を吸い上げていく。
「冥府で仲間に斬り刻まれ、子供達に詫びてくるがいい」
「あ、あぁ……おもい、だした……アンタ、あのときの……やっぱり、にがすんじゃ……なかった、わ……」
「……その首、貰い受ける!」
 最後まで自身の行為を振り返ることのなかったカルマリア。その首をついに彼の持つ聖剣が刎ね飛ばし、大地を転がる。
 ぱたりと遅れて倒れる身体。

 ついに村を苦しめていた領主カルマリアは倒され、村も、子供たちも病から解き放たれたのだと猟兵達はこの時を持って理解した。
 だが、感慨にふけるのも喜ぶのも子供たちを安全に村まで送ってからだと猟兵達は誰となしに馬車へと向かう。
 帰ってきた猟兵と子供たちに村人が歓喜と涙で迎えたのはもはや語るまでもないことだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月20日
宿敵 『嗜虐の吸血姫カルマリア』 を撃破!


挿絵イラスト