アースクライシス2019②〜鋼の黒翼
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「今はヒーローズアースで戦いがおきておる真っ最中じゃが……今回、おぬしらに頼みたいのはそれ関連じゃ」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)はロサンゼルスの地図を広げ、そう切り出した。
現在、ロサンゼルスではアトランティスの洪水兵器を操るオブリビオン軍と、国連軍・ヒーロー・ヴィランからなるロサンゼルス防衛軍が海岸や市街地で大激闘を繰り広げている。その戦闘は激しく防衛軍がギリギリで侵攻を食い止めている――のだが。
「オブリビオン軍を指揮するボスだけは、別じゃ。このボスに関しては、猟兵でなくば歯が立たん。おぬしらに相手をしてほしいのは黒龍というオブリビオンじゃ」
そう語るガングランの表情も、どこか険しい。
オブリビオン黒龍――Sj-68 Hēilóng、竜をモチーフとした傑作無人戦闘機こそが今回の敵だ。
「戦場となるのは海岸線じゃ。わしも飛竜などとやった事はあるが……まさに、空飛ぶ機械そのものが敵とはの」
世界が違えば敵も変わる、その事をしみじみとガングランは思い知ったように語る。何せ、この空を飛ぶ黒龍を砲弾やユーベルコードの飛び交う戦場で戦わなくてはいけないのだ。かなり厄介な状況と言えるだろう。
「どう戦うべきかは、わしなどよりもおぬしらの方が思いつくじゃろう。その点は任せる」
いかに、『弾幕』をくぐり抜け、この空飛ぶオブリビオンと空中戦を行なうか? その手段と作戦、アイデアが求められる。だからこそ、ガングランはこう締めくくった。
「ヒーローズアースの防衛軍も奮闘してくれておる。その頑張りに報いるためにも、頼んだぞ」
波多野志郎
海岸線、会場での空中戦っていいですよね。どうも波多野志郎です。
今回はロサンゼルスの海岸線で、戦闘機のオブリビオンと戦っていただきます。
このシナリオでは「プレイングボーナス」に「飛び交う砲弾やユーベルコード、雑兵の攻撃をかわす」プレイングがあるかどうか、というものがあります。キャラらしい、素敵なアイデアをお待ち致しております。
――さぁ、作戦を開始しよう。
第1章 ボス戦
『黒龍』
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POW : “黒雲翻墨既遮山”
【機体内部に格納していた鋼の四肢を解放する】事で【格闘戦形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : “灰雨跳珠亂入船”
【随伴ドローン機と翼下の副砲】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : “卷地光來忽吹散”
【機首】を向けた対象に、【機首下の主砲から発射される緑色の光線】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
オルカ・ディウス
■心情
空飛ぶ敵が相手とは厄介だな……だが、逆にいえばそういった輩を撃退すれば被害も少しは防げるだろうて
では、ゆくぞ!
■戦闘
砲弾や他のユーベルコードはスーパー・ジャスティスによる加速、【第六感】、【念動力】で回避していく
敵に対してもスーパー・ジャスティスによる加速と戦闘力で挑もうか
敵が手足を展開する?いいだろう、高速戦闘での殴りあい、楽しませてもらおう!
■その他
アドリブ等は大歓迎だ
霧島・クロト
さーて……久々に使うからスネなきゃいーんだが。
【高速詠唱】から【指定UC】を準備して出撃。
【空中戦】自体は慣れっこだが如何せん相手の土俵だ――
飛び交う攻撃を【見切り】ながらの【残像】を生かしてなるべく早めに張り付きに行くぜ。
攻撃速度は【高速詠唱】で補完しながら
【属性攻撃】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【呪殺弾】の弾幕を【2回攻撃】の要領で制圧に使う。
……いくら自慢の翼でも『機動力』を潰されちゃひとたまりもねぇよなァ?
仕掛けさせて、貰うぜ。
※アドリブ連携可
薄荷・千夜子
戦闘機のオブリビオンですか……ですが、空中戦とあっては負けるわけにはいきませんね
彗、参りましょう
UC発動で巨大化した相棒の鷹に騎乗して【空中戦】に
敵の攻撃を【第六感】や【見切り】を駆使ながら空を飛び回ります
射線に入らないよう気をつけつつ飛び回りながら『飛星流克』による【援護射撃】や『禽羽双針』の【投擲】で他の猟兵たちの援護をしつつドローン機の撃ち落としを試みます
目眩しになれば良いのですが、と『花奏絵巻』を広げれば絵巻から具現化された花弁の嵐で【範囲攻撃】と同時に視界を惑わすように放ちます
ラックラ・ラウンズ
ハロー!ハロー!まさか空を飛ぶ相手とやり合うなんて世界は広いですねぇ!
なので私も空を跳びましょうか!
物陰で全身をばねに変換、思いっきり足と体を曲げて【力溜め】、溜めに溜めたエネルギーを思いっきり解放して空中に跳びあがりましょう!数度跳躍でどんどん高度を上げていき、相手の元まで行きましょう!
しかし弾幕が激しいですねぇ。高度を上げて低いものは回避しつつある程度は巨盾の【シールドバッシュ】で弾きましょうか!漏れた分は?気合いで耐えましょう。
相手が見えてきたら巨砲を構え、砲弾を発射!相手もめっちゃ早いでしょうしねぇ、命中するよう【誘導弾】に【呪殺弾】の効果も混ぜた砲弾で、撃ち落としてみましょうか!
フィラデルフィア・シャイントピア
【アドリブOKデース!】
ファイターとのドッグファイト!まさにバーニングなシチュエーションなのデース!
【戦闘】
相手がどこまで飛べるかわからないのデスが、やはりまずは
ユーベルコードでハイパーパワーアップなのデス!!
全速力で上空に飛び上がり、相手のミサイルやキャノンは
追いつくより先にフルスピードで飛び上がってみせマース!
そしてはるか上空、大気圏ギリギリのラインまで飛び上がり
サンパワーを全身に受けてさらなるパワーアップ!をして
コンドルのごとく急降下でエネミーに強烈な一撃を叩き込んで
見せまショウ!
伊藤・毅
「レーダーコンタクト、マスターアーム点火、ドラゴン01、エンゲイジ」
機体のセンサー系で【情報収集】し【戦闘知識】で敵味方の攻撃を予測、ステルスにて【目立たない】ように戦場をボスのところまで向かう
流れ弾を【操縦】の腕で回避しつつ、ボスに【空中戦】を仕掛ける
長距離【誘導弾】の【一斉発射】による【先制攻撃】で敵の隙を作り
接近して短距離ミサイルの爆発による【衝撃波】で敵の姿勢を崩したところに、ガンポッドの【零距離射撃】で確実にダメージを与える
敵の反撃は急旋回からの【カウンター】でガンポッドやミサイルを当てていく
泉・火華流
『レガリアス・エアシューズ』で戦場を【ダッシュ】や【ジャンプ】…ときに【地形の利用】で【スライディング】周囲の瓦礫などの障害物を潜り抜けたり、壁を走ったりして駆け抜けます
戦闘
「アンタの相手は私じゃないっ!!」
戦闘機には戦闘機(指定UC使用)
「お願い…シャーク様っ!!」
自分の役目はここまで無傷でシャーク様を運び、支援する事
武装:機銃&翼下にミサイル
【空中戦】
【追跡】(敵の背後を取る)
【一斉攻撃】
随伴ドローンを出したら
「シャーク様の邪魔はさせないっ!!」
アームドフォートやナイトメア・シザーズ(ブーメラン携帯)で撃墜
邪魔者を【掃除】
許されるならUC【SKT】を使用して撃墜に向かわせます
【制圧射撃】
ナギ・ヌドゥー
敵が戦闘機ならこちらも空を駆けましょう。
UC「闇舞鋼装」発動
【ドーピング・第六感・野生の勘】で知覚を限界まで研ぎ澄まし
弾幕が薄い所を【見切り】
【オーラ防御】常時使用し被弾ダメージを最小限に抑え、弾幕を突っ切る!
黒龍には【先制攻撃】【誘導弾・制圧射撃】で先手を取る。
機首下の主砲を破壊できれば勝機が見えるか……
【残像】を無数に作る【フェイント】後に主砲に特攻!
【部位破壊・傷口をえぐる】で主砲無力化させる。
鍋島・小百合子
POW重視
この世界の武士が乗る鉄の鳥を模した敵か・・・空中戦なればわらわの域よ
「行くぞ!あの羽を叩き斬ってくれる!」
事前に鉄の鳥(戦闘機)についての情報を会得、戦闘知識として記憶
戦場ではUC「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を身に纏い勇気に比例した戦闘力を得たら、残像を伴うダッシュと飛翔能力で弾幕を掻い潜るかの如く飛び、弾や光は薙刀で叩き落とす(空中戦、武器受け併用)
鉄の鳥相手には残像で翻弄しつつ薙刀による鋼をも斬る一撃を叩き込む(なぎ払い、鎧砕き、鎧無視攻撃、咄嗟の一撃併用)
先に得た鉄の鳥についての知識を総動員し、その弱点を探り当てるように攻撃していく
回避意識、間に合わない場合は薙刀による武器受け
グラナト・ラガルティハ
世界が変われば敵も変わる…まったくだ。
戦闘機を相手にすることになるとは。
【封印を解く】で神の力を限定開放し能力を強化。
UC【火炎の翼】使用。
【属性攻撃】炎でUCを強化。
さすがに戦闘機には敵わないが空にいた方が都合がいいだろう?
【戦闘知識】などを駆使して自身への攻撃等は炎で相殺できるように。常に火球を浮かべる。
通常攻撃は神銃にて【属性攻撃】炎を込めて発砲。
タイミングが合えば戦闘機への攻撃として【属性攻撃】炎で巨大な槍で貫く。
アドリブ連携歓迎。
ダビング・レコーズ
これほどまでの速力とは
異次元的と言わざるを得ません
名前が示す通り破滅をもたらす黒龍ですか
【SPD・全歓迎】
航空戦闘を開始
常軌を逸脱した速力に対抗するにはこちらも限界性能を引き出す他無さそうです
SSDを起動
増強したスピードと展開した電磁障壁で黒龍と飛び交う弾幕両面に対応
攻撃は黒龍のみに集中
随伴ドローンとその他の敵機は無視
一斉発射したスターダストへの対処行動を誘い異なる射角に回り込みセントルイスで制圧射撃しながら突撃します
こちらにはフィールドがあるとは言え副砲の集束率によっては破られるかも知れません
発射の兆候を確認(見切り)した場合はスヴェルを腕部ごと犠牲に速力を維持したまま強行突進
粉砕を狙います
寺内・美月
別UC『打撃・航空・動員戦力投入』も発動。
海岸部からロサンゼルス(以下ロス)中心地の間にある『ケネスハーン州立保養地』にワープし現地にて指揮。作戦機動群と高射砲軍団を直轄とする。
十個砲兵軍団はロス周辺の『チノ・ヒルズ州立公園、クリスタルコーブ州立公園、トパンガ州立公園、グリフィス・パーク』に分散、敵の密集地域と海岸に砲撃。
残りは周辺地区の『アーバイン、ヨーバリンダ、エルモンテ、グレンデール、ハリウッド、ビバリーヒルズ、サンタモニカ』から防衛軍と共に海岸部へ前進。
ボスは高射砲軍団と航空軍団の迎撃により撃破するか損傷を与える。
(ざっと兵員100万以上、戦車3万以上、火砲3万以上)
アドリブ・連携歓迎
羽堤・夏
アドリブ、絡み歓迎
……やっべぇ
羽生えてんのに飛べないんですけど…
えーと、砲弾も飛び交って、雑兵もいて…
よし、それを足場にしよう!
ということで見掛け倒しの羽は置いといて
【覚悟】を決め
空中まで防衛軍の戦闘機をしっかりかばって確実に送ってもらい
飛び交う砲弾、弾幕を【怪力】で蹴り上げ
足場にして飛び回ることでついでとばかりに回避
黒龍を追撃する
爆風とかは【激痛耐性】で十分耐えられる
やばいのが当たらなきゃ問題ない!
そうして、黒龍に飛び移ってやる
そうすりゃ、格闘戦ってので攻撃してくるんだろ?
上等【カウンター】【捨て身の一撃】
拳骨一発、一発当てればいい
そうすれば…じかにあたったお日様が、こいつを解かし尽くす!
蒼焔・赫煌
目には目を、歯には歯を!
と、ゆーわけで空飛ぶ相手には可愛いボクだって飛んじゃいます!
正義の味方いずふらーい!
飛び交ってる攻撃は暴風と豪雨を呼び出して、壁代わりにして防ぐよ!
嵐で見えづらい中、更に風を突破してくるなんて流れ弾みたいな攻撃じゃ無理無理って寸法さ!
わーお! 形が変わったね、すごいすごい!
でもでも、いつもと違うってーことはバランスとか取るの大変だったりしないかな!
最大出力で嵐を展開!
荒れ狂う風で体勢を崩させたところでー……大暴風!!【属性攻撃】
一気に地面目掛けて吹き飛ばしちゃうよ!
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
ルーナ・ユーディコット
飛び交うものを躱しながらの戦闘……
ちょっと経験はないけど
高軌道の相手には私自身も高軌道で対抗するのがいいのかな
ユーベルコード剣狼を使って速度にものを言わせて間隙を縫って敵に追い縋ってみよう
私一人なら……細かい作戦を立てるより、これくらい単純なやり方がいい
と、思うのだけど散々空飛んで追いつかれたら空中で白兵戦なのね
向こうが速度でくるなら私は……
捨身の一撃を入れる覚悟で懐に飛び込んで狙うは後手必殺
鎧無視攻撃と鎧砕きで叩き切る!
捨身の攻撃をしようと生きる意志に変わりはない
戦い抜いて生きるつもりがあるからこそ切り抜けるべき死地があると思うから、危険を冒してでも勝利に近づきたいだけ
私は――もっと強くなる
非在・究子
こ、これでも、シューティング、ゲームは、得意中の、得意、だ。
ゆ、UCで、あ、あの、伝説の、コマンドを、使って、フルパワーアップして、シューティングゲームの、始まり、だ。
こ、高難度、シューティングゲームは、死に覚えが、基本、だけど、なかなか、こ、今回は、直観と、反射神経で、初見、ノーミス、クリアを、目指すと、しよう。
……え、今当たっただろって? ぐ、ぐひひっ。【ハッキング】で、じ、自機の『当たり判定』を、1ドットにまで、縮小してる、から、な。しゅ。シューティングゲームの、詐欺判定なんて、今に、始まった、ことじゃない。
そ、その隙に、じ、自機と、オプションからの飽和攻撃を、くらって、沈め。
天星・零
装備enigmaで別人格夕夜と一緒
常に【戦闘知識+世界知識+情報収集+追跡+第六感】で戦況と敵の弱点や死角を把握警戒
零
十の死(A)、Ø(B)、グレイヴ・ロウ(C)、星天の書-零-(D)
Aを戦況に合わせて使い分け臨機応変に対応し、Cを敵の死角から出して一撃など、地形や武器による副効果を組み合わせて攻撃を常に変化させ攻撃
防御はDで【オーラ防御】、Cを自身の地面から複数生えさせて壁を作ることでも防御を試みる
夕夜
PunishmentとB、指定UCを使い戦闘
指定UCで攻撃範囲に敵を移動させたり、壁や地面に叩きつけたりする
また、零や自分に対して使い攻撃範囲外から移動させて回避
口調ステシ
トルメンタ・アンゲルス
※『』はベルトの音声
よぉ、また好き勝手暴れてるみたいですねぇ、黒龍!
何度でも叩き墜として差し上げましょう!
行くぞ相棒!
ランデヴーの始まりだ!
『MaximumEngine――Mode:Dragger』
相棒を大気圏航空戦用装甲として変身合体!
急加速して向かいます!
大気圏内とて、俺の動きは鈍ることは無い!
見切り・第六感で敵の行動を察知・先読み。
残像・早業、そして物理法則を無視した出鱈目な軌道のダッシュによる、超々高速戦闘を仕掛けます!
随伴するドローンは、攻撃を引きつけつつプラズマブレードやブラスターの零距離射撃などで各個撃破を行います!
そして更に加速し、蹴り穿つ!
追撃のォ!
ブリッツランツェエエエ!!
●Field in the sky
ロサンゼルス――アースクライシスの戦場となったそこへ、近づく黒い影があった。
Sj-68 Hēilóng。竜をモチーフとした傑作無人戦闘機黒龍こそが、ロサンゼルスを火の海に変えるため、音速超過で迫っていた。
「レーダーコンタクト、マスターアーム点火、ドラゴン01、エンゲイジ」
伊藤・毅(Nemo・f06702)は、JSFライトニングのコックピットでその動きをセンサーで見ていた。だからこそ、その『非常識さ』が見て取れた。
(「あのサイズと大気圏内での第一宇宙速度超え、あの挙動。さすがは無人機か」)
毅のように人外じみた対G能力と心肺機能の持ち主でも、長時間のあんな動きには耐えられない。人という『足枷』から解き放たれた、文字通り戦闘機械だけが出来る動きだ。
遠く海上から、ミサイルを引き連れてやって来る黒龍はまさに絶望の軍勢を率いる竜王のごとく迫ってくる。まさに無人の野を蹂躙するように、ロサンゼルスへ到達するまで後数分――そのはず、だった。
不意に、ロサンゼルス上空で連鎖爆発が巻き起こる。
黒龍の、龍の顎部分のパーツが動く。それが生物であれば、まさに笑うという行為に等しい動き。JSFライトニングのみではない、ロサンゼルスから飛び立った無数の音速超過の存在をセンサーで感知したからだ。
――来たか。
人であれば、そう言っていただろう。まさに戦いの愉悦が感じられる『動作』だった。
――事前に言っておこう。この戦いは、極々短時間に行われた、と。超々高速機動を可能にする同士の戦いとは、ガンマンのそれに似ている。刹那で勝敗が決まる、人外魔境だ。
だから、決して見逃すな。この空の戦場で黒龍と猟兵達の瞬きさえ許されない、常識はずれの戦いが幕を開けようとしているのだから。
●――Engage
――時は、ほんの少し戻る。
「こ、これでも、シューティング、ゲームは、得意中の、得意、だ」
ロサンゼルスのビルの屋上で、非在・究子(非実在少女Q・f14901)が笑みをこぼす。そして、何事もなかったかのようにビルの縁から虚空へ一歩踏み出した。
「み、みんな知ってる、例のやつ、だ」
落下する最中に冷静に打ち込まれる上上下下右左右左BA(デンセツノコマンド)――フルパワーアップした究子が大空に飛び立った。
「こ、高難度、シューティングゲームは、死に覚えが、基本、だけど、なかなか、こ、今回は、直観と、反射神経で、初見、ノーミス、クリアを、目指すと、しよう」
風を切り飛ぶ究子、しかし、それをオブリビオン軍の弾幕が許さない。放たれるミサイルの雨あられ――究子は、その爆発の中に飲み込まれた。
飲み込まれた、はずだった。しかし、ボン! と爆発の中を突っ切り、究子は無傷で進んでいく。その様子に驚くオブリビオン軍を置き去りに、究子は笑う。
「……え、今当たっただろって? ぐ、ぐひひっ。【ハッキング】で、じ、自機の『当たり判定』を、1ドットにまで、縮小してる、から、な。しゅ。シューティングゲームの、詐欺判定なんて、今に、始まった、ことじゃない」
これを敵がやったら、コントローラーを下に叩きつける事うけあいである。
戻れ、本来なら分厚い防衛戦が、究子のこの爆発の誘爆で『大穴』が空いてしまう。その『大穴』を突いて、猟兵達は大空へと飛び立ったのだ。
「よぉ、また好き勝手暴れてるみたいですねぇ、黒龍! 何度でも叩き墜として差し上げましょう!」
トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)が、大空へ跳ぶ。そして、背後に出現したNoChaserへと語りかける。
「行くぞ相棒! ランデヴーの始まりだ!」
『MaximumEngine――Mode:Dragger』
ベルトからの声と同時、NoChaserが大気圏航空戦用装甲として変身、合体――真っ直ぐに爆発の隙間から黒龍めがけてトルメンタが疾走する。
それに黒龍は機首下の主砲から発射される緑色の光線で応えた。もはや、通常の射出兵器など置いていくしかない黒龍を超える速度を持つ、数少ない兵装だ。
その“卷地光來忽吹散”の光線の前に、巨大な火球が立ち塞がった。ドォ!! と海を穿ち、上空の雲を蹴散らすほどの大爆発を巻き起こし、光線と火球が相殺される!
「世界が変われば敵も変わる……まったくだ。戦闘機を相手にすることになるとは」
火炎の翼で空を飛ぶグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)の火球だ。炎の神が力を限定開放し能力を強化した上での一撃、いかな龍の光の咆哮であろうと止められない理由はなかった。
「大気圏内とて、俺の動きは鈍ることは無い! 追撃のォ! ブリッツランツェエエエ!!」
全加速を蹴り足に乗せた、トルメンタの一撃が黒龍へ迫った。その瞬間、黒龍は全身の龍のパーツを展開、変形する。
そして、その変形は本来あってはならない挙動を可能とした。毅が、その想像の埒外の動きに声を上げる。
「エアブレーキ!?」
黒い機体を大気摩擦で真っ赤な灼熱に染めながら黒龍は速度を落としたのだ。大気圏上では、その名の通り空気――大気がある。戦闘機のデザイン自体が空気抵抗を極力下げているのは、大気を受ける面積が増えるだけ空気抵抗が高まり、速度が出せないからだ。
そう、『だから』黒龍は変形したのだ。空気抵抗を受ける範囲を意図して増やし、速度を急激に落とすために――その結果は、引き連れていたミサイル郡が追いつくという状況だった。
ドォ! と追いついたミサイルの爆発が轟く。トルメンタの蹴りを、黒龍は生えた腕でブロック――即座に戦闘機形態へと戻り、爆発に紛れて急上昇した。
「ファイターとのドッグファイト! まさにバーニングなシチュエーションなのデース!」
黒龍の変態機動に目を輝かせ、フィラデルフィア・シャイントピア(シャイン&シャドウ・f16459)は太陽と月が融合した日食のオーラでその身を覆った。
「fusionize SUN AND MOON! エクリプスフォーム! ウェイクアーップ!」
エクリプスフォーム! AWAKENING! によって急上昇したフィラデルフィアは、紙一重で黒龍の上を取る。何故なら、最初からはるか上空、大気圏ギリギリのラインまで上がるつもりだったからだ。
「今、サンパワーを受けて――!」
エクリプスハンドの右腕、太陽の手甲を輝かせフィラデルフィアが拳を振るった。まさに獲物を狙うコンドルがごとき襲撃――その一撃が、黒龍の巨体を捉えた。
ガクン、と黒龍の速度が落ちる。一瞬、刹那、雲耀。もはや、一秒にも満たない、ほんのほんの僅かな時間。
だが、それが明暗を分けるのが超々高速戦闘だ。
「ハロー! ハロー! まさか空を飛ぶ相手とやり合うなんて世界は広いですねぇ! なので私も空を跳びましょうか!」
はるか下、地上。ラックラ・ラウンズ(愉快口調の荒れ案山子・f19363)は、グッと膝を折って力を貯めていた。そして、その瞬間、貯めていた開放する。ドォ! と一気に駆け上がる遺術・圧縮跳躍(バネアシジャックハワラウ)の跳躍――しかし、それを黒龍の随伴ドローン機が阻止しようと砲撃する。
その砲撃をラックラは祈り宿す巨盾で受け止め――。
「お届け物ですよ!」
届かぬ先の巨砲によるラックラの誘導弾と呪殺弾が、黒龍を捉えた。それに黒龍は緑の光線を吐き、迎撃。海を穿つ一撃が、相殺した。
「ええ、ですが――」
「では、ゆくぞ!」
その間隙に、オルカ・ディウス(神海戦姫・f16905)が黒龍へと迫った。ガキンガキンガキン! と火花を散らしながら変形していく黒龍へ、オルカは吐き捨てる。
「いいだろう、高速戦闘での殴りあい、楽しませてもらおう!」
「ワタシもいますヨ!」
オルカとフィラデルフィア、二柱の女神が黒龍と打撃戦を繰り広げる。黒龍のマニュピレーターは、オルカやフィラデルフィアより巨大だ。しかし、彼女達は神。龍の打撃さえ、受け止め、流し、お返しとばかりに打撃を返していく!
ガン、ガガガガガガガガガガガガガガガガッ! と火花を散らしながら、黒龍の二柱の女神が落下してくる。それでも、音速を超える速度だ。
「い、今……っ」
そこへ、究子の飽和攻撃が叩きこまれていく。黒龍はそれを翼下の副砲で、撃ち落とし――!
「戦闘機のオブリビオンですか……ですが、空中戦とあっては負けるわけにはいきませんね。彗、参りましょう」
彗翔一閃(スイショウイッセン)――巨大化した相棒の鷹に騎乗した薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)が、爆発をかいくぐりながら迫る。千夜子の意図を汲んだ彗が飛星流克で矢を打ち込み、千夜子が花奏絵巻を紐解いた。
「目眩しになれば良いのですが」
絵巻から具現化された花弁の嵐が、戦場を飲み込んだ。それはまさに、自然のチャフだ。黒龍は光学センサーから、即座に知覚手段を切り替えようとした。
だからこそ、その『攻撃』を受けた。
「作戦機動群に発令……『韋駄天』発動」
その機を逃さず、寺内・美月(亡霊の将兵を統帥せし生者の元帥・f02790)が指示を下す。ロス周辺のチノ・ヒルズ州立公園、クリスタルコーブ州立公園、トパンガ州立公園、グリフィス・パークから放たれる高射砲軍団の砲撃が、黒龍を捉えた。
――余談ではあるが。美月のアーバイン、ヨーバリンダ、エルモンテ、グレンデール、ハリウッド、ビバリーヒルズ、サンタモニカに展開した軍勢が防衛軍と共に戦線を押し上げたからこそ、『後ろ』からの砲撃が来なかった事をここに記そう。
兵員100万以上、戦車3万以上、火砲3万以上――亡霊の将兵を率いる、美月の会心の一手である。
だが、龍は未だ堕ちず。砲撃を受けてなお、黒龍は荒れ狂う。変形してなお高速戦闘を可能とするその姿に、ダビング・レコーズ(RS01・f12341)は思わずにはいられんかった。
「これほどまでの速力とは、異次元的と言わざるを得ません。名前が示す通り破滅をもたらす黒龍ですか」
だが、勝機はある――奇しくも、ダビングが気付いたのと同時に黒龍も気付いた。この龍形態では、猟兵に速度で追いつかれるのだ、と。
だからこそ、黒龍は変形しようとした――しかし、ダビングはさせるつもりがなかった。
「させません」
機能を超高速突撃と貫通に特化させたSSD(ソリッドステートドライバー)によって、ダビングは黒龍へと刹那で接敵した。変形しようとしていた黒龍は即座に止まり、手四つの体勢でダビングと向かい合う事となった。
「力では勝てませんが――」
出力に勝る黒龍が押し切る、はずだった。しかし、敢えてダビングは体勢を崩し、変形巴投げで落下した。脚部は速度を出した時に犠牲にしている――だからこそ、それをなすための助力を、こっそりとダビングの背後に乗っていた羽堤・夏(防人たる向日葵娘・f19610)が行なったのだ。
「お姉ちゃんの拳骨は、超あっついんだよ!」
夏のアライズ・サンシャインによる一撃が、黒龍の腹部を殴打したのだ。大気圏での超々音速に耐える装甲が、灼熱に歪む――それほどの熱量が、夏の一撃にはあるのだ。
「拳骨一発、一発当てればいい。そうすれば……じかにあたったお日様が、こいつを解かし尽くす!」
見せかけの飛べない翼を広げ、夏は拳を更に押し込む。まさに、捨て身の一撃だ。ここまでお膳立てが揃っていなければ当てようのない一撃は、だからこそ強力だ。
『――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!』
龍の咆哮に似たアフターバーナーの轟音が、轟いた。強引に抜けた黒龍は、再び戦闘機形態へと紙一重で変形を完成させる。この交戦で、速度は確かに奪われた。だが、それでもまだ、猟兵達の最高速度に並ぶか否かの速度は保っているのだ。
ドローン達が、黒龍の元へ集っていく――だが、その数は目に見えて減っている。トルメンタのプラズマブレードと毅のガンポッドによる射撃が、墜としているからだ。
「目には目を、歯には歯を! と、ゆーわけで空飛ぶ相手には可愛いボクだって飛んじゃいます! 正義の味方いずふらーい!」
蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)が、嵐を喚ぶ扇、目雨暴風イチモクレンの操る風に包まれ、空を一直線に貫く。
「変形中は、バランスとか取るの大変だったりしないかな!」
赫煌が目雨暴風イチモクレンを真横に振るった。ゴォ! と海上で巻き起こる突風、大嵐にドローンと黒龍が巻き込まれる。
「荒れ狂う風で体勢を崩させたところでー……大暴風!!」
そして、赫煌が目雨暴風イチモクレンを大上段から振り下ろした瞬間、上から押し潰すような暴風が襲った。黒龍は踏みとどまるが、ドローン達は耐えられない。次々の海面に叩きつけられ、撃墜された。
そのドローンの残骸を足場に、レガリアス・エアシューズで駆けるのは泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)だ。
「アンタの相手は私じゃないっ!!」
目には目を――戦闘機には戦闘機を。火華流が叫んだ。
「お願い……シャーク様っ!!」
GadgetSharkTime(ガジェットシャークタイム)によって空間の穴から出現したのは、シャークペイントの戦闘機型ガジェットだ。上空、黒龍の上を取ったシャーク様は赫煌の暴風に踏ん張った黒龍へ翼下のミサイルと機銃を一斉掃射した。
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ! と黒龍の火花を散らし着弾、ミサイルが炸裂していく! その中を高速で飛び抜けた黒龍は、即座に龍へ変形。その口を開き、“卷地光來忽吹散”のレーザーを放とうとした。
「強化盛装展開」
闇舞鋼装(ダークメタモルフォシス)によって飛ぶナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)は、その一瞬の貯めを見逃さない。狙いをつけていたのだ、その艦首の主砲――龍の口へ。
「潰させてもらう」
歪な怨刃が、主砲へ食い込む。ナギはそのまま、自身の速度を乗せて思い切り引いた。その直後、主砲が爆発した。龍の咆哮は行き場を失ったのだ。大きくのけぞった黒龍へ、ナギは即座にソウルトーチャーによってその龍の顎をつなぎとめる!
「さーて……久々に使うからスネなきゃいーんだが」
氷戒装法『貪狼の裁鎧』――霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は、飛んだ。
(「空中戦自体は慣れっこだが如何せん相手の土俵だ――」)
だからこそこの隙に、叩き込む。叩き込まなくてはならない! クロトの撃ち込んだ高速詠唱からの呪殺弾は、黒龍の装甲を穿った。
「仕掛けさせて、貰うぜ」
そして、クロトの高速詠唱が開放するのはマヒ攻撃だ。バオン! と火花と誘爆を起こした黒龍へ、クロトは告げた。
「……いくら自慢の翼でも『機動力』を潰されちゃひとたまりもねぇよなァ?」
徹底的に、機動力を削ぐ――それを念頭にした呪殺弾だ。事実、黒龍の動きが完全に止まった――この戦闘で、初めての事である。
「俺と楽しい時間を過ごそうぜ! お前には最悪だろうがな!」
天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)のKarmic Retribution(カーミックレトゥリビュージョン)が、黒龍を捉えた。空を荒らす暴虐の龍王が持つ犯した罪は、あまりにも膨大だ。だからこそ重力は、黒龍を囚える程の荷重を実現した。
「悔い改める時間はやらねぇぜ」
Enigma越しに夕夜が吐き捨て、そのまま黒龍を一気に海面へと叩きつける! ドォ! と立ち上る水柱――そこへ、頭身ほどの大きさを持ったØを虚空より召喚、黒龍へと投擲した。
ガ、ギギギギギギギギギギギギン! と海面で黒龍が片腕でØの投擲を受け止める。度重なる猟兵達の攻撃に軋む装甲が、悲鳴を上げた。
「この世界の武士が乗る鉄の鳥を模した敵か……空中戦なればわらわの域よ」
鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)はそう言い捨てると、黄金の甲冑を身にまとっていく。
「行くぞ! あの羽を叩き斬ってくれる!」
「ええ」
頷くのは、ルーナ・ユーディコット(ヒトであろうとするもの・f01373)だ。金桂の柄へ手を伸ばし、ルーナは唱えた。
「闇を裂き、夜を越え、地を照らす赤となり世を駆けよう。私は――皆と明日を切り拓く!」
「我は纏う勇に相応しき極みの鎧……輝け!」
太陽めいて輝く赤い炎で身を覆うルーナと、黄金色の異国の鎧を輝かせる小百合子が同時に飛び出した。
赤と黄金、未来への執着心と自身の勇気――二つの想いが音の壁を越えて、黒龍へと迫る! 黒龍は翼下の副砲で迎え撃つが――ルーナと小百合子は止まらない!
『―――――――ッ』
「追撃のォ! ブリッツランツェエエエ!!」
身構え、二人の攻撃に備えようとした黒龍を、上からトルメンタの追撃のブリッツランツェが襲った。ミシミシミシ……! と軋む黒龍へ、更に毅のJSFライトニングが接敵した。
「ファイア」
ガンポッドの零距離射撃が、黒龍の装甲を軋ませる! そのフォローがあったからこそ、黒龍のマニュピュレーターによる迎撃が間に合わず――。
――斬ッ!!
ルーナの金桂による居合の一閃と、小百合子の竜王御前による薙ぎ払いが、黒龍の両の翼を切り裂いた。
『――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!』
鋼の黒翼が切り飛ばされ、黒龍のアフターバーナーが火を吹いた。そこにいるのは、もはや戦闘機ではない。それでも、なおも黒き龍としてのソレは敗北を認めていない。
――信じられるだろうか? ここまでですら、まだ一分と少しの攻防なのだ。この戦いが終わりを告げるのに、後数十秒要する。オブリビオン軍も防衛軍も、気付きはしない。自分たちの命運の全てが、このコンマ秒のやり取りに懸けられているなど――。
だから、黒龍は吼える。声無き声を上げ、龍としての己を全うするために、さらなる戦いへとその身を捧げた。
大成功
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ミスト・ペルメオス
【SPD】
この世界にも、あのような機動兵器があるとは…。
…やるぞ、ブラックバードッ!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
鎧装騎兵のひとりとして、重力下であろうとも機動兵器との戦闘で後れを取るつもりは無い。
念動力を最大限に、デバイス等を介して機体や武装の制御、情報収集・解析に活用。
スラスターも最大稼働させて飛翔、立体的な機動を駆使しての空中戦に挑む。
可能な限りは【ヒット&ラン】、一撃離脱戦法を徹底。
敵よりも高度を取って降下速度を乗せつつ、距離を詰めての濃密な連続射撃を加えては離脱、を繰り返す。
自ら痛撃を与えたくはあるが焦りは禁物。優位を保ちつつ敵を消耗させることを優先する。
※他の方との共闘等、歓迎です
ヘスティア・イクテュス
戦闘機…うちの世界ではよく見るオブリビオンね…
なら対処はいつも通りに!
ティターニアを全開!【空中戦】で劣るわけにはいかないわ!
こっちは小回りな機動で敵に捉われないように!
アベル、【情報収集】!敵の機動、背後からの攻撃タイミング!頼むわ!
敵の攻撃に合わせてスモークミサイルを囮に
煙で視界を防いだと同時にブースト逆噴射からの急静止、バック
後ろを取ったわ!後はマイクロミサイルを【一斉発射】!
リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ、他の方との絡みOK
飛び道具には飛び道具デス!
私もエレクトロレギオンで交戦ですヨ!
2回攻撃すれば数も倍々で撃ち落とす数が増えるますよネ?
数は多いですガ、出来るだけ狙いを定めてスナイピングをはかりマス
数が多くても当たらなければ意味がないですものネ
範囲攻撃で攻撃の範囲を広げられそうなら、広げて少しでも多くの撃破を狙います
相手の攻撃を緩和する為にオーラ防御は貼っておいた方が良さそうな気持ち
いざとなったら盾受けで凌いで上手く体力調整するように計らいマス
自分の体力調整も戦闘の内なのデス!
ヴィクティム・ウィンターミュート
──ハッハー、いいねぇ
ミスの許されねえシューティングゲームをやれってか?
最高だ。シンプルで実に良い
んじゃ、始めようか?
『ネームレス』のダンス、ご覧あれ
ゲットセットレディー?『VenomDancer』
俺を見ろ、俺に全てを向けろ、俺がお前の怨敵だ
黒龍のヘイトを強烈に惹きつつ高速移動開始
素のスピードで砲弾や攻撃は避けられるし、【見切り】で咄嗟の回避もできる
【地形の利用】で遮蔽や高所を利用し、左腕のワイヤーアンカーで三次元機動も可能にする
逃げ回りながら、鈍化パルスを撃って機動力と武装の照準を遅らせて…
プログラムに作用する猛毒のパルスで、じわじわと削る
最後まで、死ぬまで!俺のダンスに付き合ってくれよ?
ユーフィ・バウム
※アドリブ・連携歓迎
さぁロサンゼルスの町を守り抜きますよ!
飛び交う砲弾やユーベルコードを
培った【戦闘知識】、天性の【野生の勘】をフル稼働
【見切り避けて進む
避けきれないのは【衝撃波】で撃ち落とす
雑兵との交戦はできるだけ避け、すぐに片づけられるなら
【なぎ払い】で吹き飛ばし進みます
黒龍には【グラップル】を軸にした格闘戦を挑みます
いかにスピードに長けた相手でも、捕まえてしまえば!
【空中戦】の心得もあります、相手の攻撃に
【カウンター】をとって絡みつき、至近距離で
【怪力】を生かした打撃を入れていく
さぁ!いかがですが蛮人の拳ッ
敵の消耗が分かれば、至近距離からの必殺の拳
《トランスバスター》にて仕留めにいきます
ヒルデガルト・アオスライセン
細かいものはこちらで引き付けます、露払いを致しましょう
白いのが何やらピカピカ光っていれば嫌でも目立つと思います
対多勢を積んでおかなければならないので、全員で掛かってきて下さって構いませんよ
全身にオーラ防御でタフネスを増強
閃光聖水瓶で視界を奪うなど嫌がらせをしてヘイトを奪います
敵の砲弾、ビーム等の非実体ユーベルコードをガントレットで受け止めて友軍の作戦進行のサポートをします
砲弾等の大型質量兵器はそのまま投げ返し
光学兵器、WIZへの緑色の光線などの光のエネルギーをひたすら溜め込み続けます
周囲を沈静化させたところで格闘形態黒龍目掛けて溜め込んで凝縮した破滅の光をアームオブサンライトで破裂させます
●龍舞~Dragon dance~
『――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!』
黒龍のアフターバーナーが、火を吐いた。声を持たない黒龍の、憤怒の咆哮。それを聞いて、ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)が呟いた。
「この世界にも、あのような機動兵器があるとは……」
「戦闘機……うちの世界ではよく見るオブリビオンね……なら対処はいつも通りに!」
ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は、妖精の羽を象った白いジェットパック――ティターニアを展開、飛び立った。
確かに、ミストやヘスティアのような銀河出身にとっては見慣れた光景かもしれない――大気圏内であの機動は、明らかにおかしいが。
「……やるぞ、ブラックバードッ!」
ガシャン! と猟兵用機械鎧ブラックバードの高出力プラズマスラスターを機動させ、ミストも飛び立った。白き妖精と黒い鳥が、蒼穹へ向かう――そこに待ち受けるのは、黒き龍だ。
『―――――ッ!!』
戦闘機形態には、もう戻れない。機体とAIが過剰駆動で悲鳴を上げる。だが、それがどうした? 機械は、滅びを恐れない――唯一、恐れがあるとすれば己の存在意義を果たせぬ時だけ。
殺すために造られた機械は、殺すために全機能を開放する。翼は壊れ、装甲はひしゃげ、それでもなお――龍は、退かない。
「──ハッハー、いいねぇ。ミスの許されねえシューティングゲームをやれってか? 最高だ。シンプルで実に良い」
ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)が笑う。敗北は死よりも、遥かに重い――それを知っているからこそ、黒龍の全てを否定する。
すなわち、その殺すという存在意義を。
「んじゃ、始めようか? 『ネームレス』のダンス、ご覧あれ」
ダン! とヴィクティムは左腕改造型防御用サイバーデッキ『トランシス・アヴァロンVer.2』からワイヤーアンカーを射出。ガキン! と黒龍の片足に絡みつかせ、火花をちらしてワイヤーを巻き上げる!
「ゲットセットレディー? 『VenomDancer』。俺を見ろ、俺に全てを向けろ、俺がお前の怨敵だ」
ヴィクティムへ、黒龍がミサイルを撃ち込んでいく。その機動を全部見切り、なおヴィクティムは動かない。動く必要が、ないからだ。
「飛び道具には飛び道具デス!」
「細かいものはこちらで引き付けます、露払いを致しましょう」
リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)のエレクトロレギオンがミサイルを撃墜し、それから漏れた分はヒルデガルト・アオスライセン(リベリアス・f15994)の先祖帰り(マス・ストライクパワー)の見えない力が『掴み』、黒龍へ投げ返した。
爆発が、空を彩る。その中を、ヘスティアとミストが駆け抜けた。
「さぁ! 素敵なパーテイーを始めましょうか!」
ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ! とヘスティアのミサイルパーティーが炸裂する。縦横無尽、不規則な機動で迫るマイクロミサイルを、黒龍は腕部マニュピュレーターで打撃、破壊していく!
(「――仕掛ける」)
その隙間を、ブラックバードが飛ぶ。スラスターを全開しての急激が横機動、サイキック・フィールドで黒龍の片腕を捉えるとミストはそのまま離脱した。
ガクン、と片腕を引っ張られ、黒龍の体勢が崩れる。そこへ、残りのマイクロミサイルが着弾していった。
「いかにスピードに長けた相手でも、捕まえてしまえば!」
そこに突撃したのは、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)だ。飛びつき腕十字の要領で片腕の関節を捉えると、重量に従って引きずり落とす!
そこへ待ち構えていたのは、ヴィクティムだ。
「最後まで、死ぬまで! 俺のダンスに付き合ってくれよ?」
リヴェンティアのエレクトロレギオン達を『足場』に、ヴィクティムは黒龍と高速機動で打ち合っていく。反射速度で圧倒的に勝っていたのは、黒龍だ。一発に対して四発返す速度差――しかし、それはやがて三発、二発と落ちていく。
Extend Code『VenomDancer』(オマエガシヌマデドウケハオドル)――敵に対して累積する速度鈍化と猛毒のパルスが、黒龍の速度を奪っていったのだ。
不意に、水平線から無数のミサイルが放たれた。オブリビオン軍の、最後の力を振り絞った援護掃射だ。
「数が多くても当たらなければ意味がないですものネ」
しかし、その一発一発を、リヴェンティアは整列させたエレクトロレギオン達で狙撃していった。音速超過のミサイルは、届く事なく爆発していった。
「アベル、情報収集! 敵の機動、背後からの攻撃タイミング! 頼むわ!」
『――かしこまりました』
仲間を信じ、真っ直ぐに飛ぶヘスティアにサポートAI端末 ティンク・アベルが答える。黒龍の巨体、その眼前へとヘスティアは迫る――黒き龍は、その拳で妖精を撃墜しようとした。
そこに生じた僅かなルートを、アベルは指し示す。コンマ秒の判断を求められるそのルートへ、迷わずヘスティアは飛び込んだ。
スモークミサイルを囮に支配を塞ぎ、ヘスティアは同時にブースト逆噴射からの急静止――バックの動きで黒龍の背後に回り込む!
「後ろを取ったわ!」
そして、零距離でマイクロミサイルを一斉発射を一斉掃射した。鈍く巨大な爆発音、黒龍の体が前のめりになった瞬間、腕を駆け上がったユーフィがその拳を繰り出した。
「さぁ! いかがですが蛮人の拳ッ」
ユーフィのトランスバスターの一撃が、黒龍を下へと吹き飛ばす! 重量差など問題ない、そう言いたげなユーフィの鋭く重い一撃に、黒龍は海面に――。
『――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!』
ゴォ! と水蒸気が吹き上がった。海面に叩きつけられる寸前、全開のアフターバーナーが落下を食い止め海面を熱が蒸発させたのだ。そのまま駆け上がるはずだった黒龍は、見た――視界を白く染める、天使の姿を。
「」
周囲の爆発を飲み込み、凝縮した破滅の光へ変換したヒルデガルトが、アームオブサンライトの一撃を放ったのだ。戦場を埋め尽くす赤は、純白へと――黒龍を飲み込んでいった。
『――――――ッッッ』
その光の中でさえ、黒龍は滅びを拒む。まだ、果たしていない。己の存在意義を。
殺して、殺して、殺して殺して殺して殺し殺し殺し殺し殺し殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺!!!
軋みながら、黒龍が口を開く。せめて、ロサンゼルスのこの一撃を――黒龍の最後の咆哮が放たれる、その刹那。
――ガン! とその口を、ビームアサルトライフルの光線が撃ち抜いた。白の中で舞う、一羽の鳥――ミストのブラックバードだ。
黒龍が、エネルギーを逃す場所を失い爆発する! 純白の中で、欠片も残さず、大空を踊る黒龍は朽ちて果てていった……。
大成功
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