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アースクライシス2019④〜神鋼と鉄拳

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「ヒーローズアースの戦争に関連したことを、おぬしらに頼みたい」
 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、厳しい顔でそう説明を続けた。
「ユタ州南部からアリゾナ州北部にあるモニュメントバレーという場所が、今回の戦場じゃ。そこに突如として現われた洞窟から、オブリビオンが出現するらしい」
 モニュメントバレーは、はるか昔から風化や侵食によって生まれた荒野だ。テーブル状の大地メサは長い年月による風雨に晒される事によって削られ、その形状となった。まさに、人類史以前の長い歴史を感じさせる大地だ。
「おぬしらに相手をしてもらいたいのは、あるメサの上に出現した洞窟から現れるキャプテンストライクというオブリビオンじゃ」
 ボクシングを用いた戦闘技術を持つキャプテンストライクは、それだけで脅威だ。しかし、神鋼ウルカヌスから授けられた神鋼の鎧に身を包んでいる――その鎧はあらゆる攻撃への耐性を持つ、まさに鉄壁の防御を手に入れたのだ。
「鋭い攻撃に加え、防御力を手に入れた敵じゃ。かなりの強敵と言ってもよいじゃろう。特に、その拳には自信があるようじゃな」
 キャプテンストライクにとって、その拳は誇りと言ってもいい。だからだろうか、拳部分だけは神鋼の鎧に包まれておらず、STRIKEと刻まれたメリケンサックを装備するのみだ。
「自身の拳に自信を持つからこそじゃろう。しかし、そこだけは神鋼の鎧の隙間になっておる」
 拳部分だけ、神鋼の鎧の守りを抜いてダメージを与えられる。とはいえ、それ以外は神鋼の鎧による凄まじい防御がある――かなりの強敵だ。
「何にせよ、攻防に長けた強敵との真っ向勝負じゃ。その覚悟をもって挑んでくれ」


波多野志郎
テーブル状の大地をリングに殴り合おうぜ? どうも波多野志郎です。
今回は神鋼の鎧を身にまとうオブリビオンと真っ向勝負をしていただきます。

なお、OPにあるように「プレイングボーナス」として「どこかにある「鎧の隙間」を狙う」というプレイングをかけて正解するとボーナスがございます。キャプテンストライクの誇りが生んだ隙間、拳部分をいかに狙うか? ぜひご一考くださいませ。

それでは、大いなる自然のリングでお待ちいたしております。
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第1章 ボス戦 『キャプテンストライク』

POW   :    ボクシング
技能名「【ボクシング】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    S.T.R.I.K.E
【STRIKEと刻まれたメリケンサック】が命中した対象に対し、高威力高命中の【野望、主義、計画を語りながらの連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    グラップルガン
【グラップルガン】から【フック付きワイヤー】を放ち、【拘束】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:カス

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠雷陣・通です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クーガー・ヴォイテク
拳での戦いってか?当然付き合うぜ…!
戦争で勝つために、そして一人の男として拳で殴り勝つために
【聖者の誓い】へと"祈り"を捧げる

「よう、拳に自信あるんだってな?俺も拳で戦う人種だからよ……真っ向から行こうぜ?」
自らの"怪力"を十分に使い【聖者の鉄拳】で殴り合う
殴打殴打殴打で、拳同士をぶつける、ことを意識

正面から食らうってか?事前に"覚悟"してりゃ、なんとかなんだろ

傷を負って来たら【生まれながらの光】での連続治療
●S.T.R.I.K.Eに対してのみ【聖者の宣告】での打消しを試みる

男同士の殴り合い、それで目覚める友情。努力・筋肉・勝利
筋肉は…裏切らないんだぜ!!

アドリブ・絡み等歓迎


ミハエラ・ジェシンスカ
ふん。貴様とこうして殺し合うのは2度目だな、キャップ
尤もオブリビオンの貴様は覚えてもいないだろうが

何やら玩具を手に入れてはしゃいでいるらしいが
その名、その拳が誇りであるという点は変わらないという事か
ならばそれを抱いたまま3度目の死を迎える良い

敵の攻撃を【見切り】セイバーによる【武器受け】で着実に凌ぐ
そのまま懐へと飛び込ませないように立ち回りつつ
攻防の中で敢えて顔面部に隙を作り、そこへと攻撃を誘う【だまし討ち】
敵がその誘いに乗って拳を突き出してきたなら【カウンター】で拳を【咬み裂く】
無論、こちらへのダメージは覚悟の上で【捨て身の一撃】だ


アリシア・マクリントック
そこに誇りがあるというのなら、私は正面から受けて立ちましょう。……変身!ティターニアアーマー!

ボクシングそのものは素人ですが……猟兵になってから格闘戦を行う機会もありました。全く相手にならないということもないでしょう。倍以上の体格の相手と戦うこともそうそうなかったはず。それなら対等……というほど有利にもならないでしょうが、拳と拳で勝負です!
「こう見えても私は貴族の端くれ。誇りを胸に戦うというのは理解できるつもりです。ですから……私はその誇りを受け止めてみせます!」
地形を破壊して敵の動きを制限しながら、クロスカウンターの要領で文字通り拳と拳をぶつけることを狙っていきます。


セゲル・スヴェアボルグ
ボクシングなのにグローブはしないのか。
あれか?ベアナックル・ボクシングってやつか?
しかしメリケンサックは使うのか……よくわからんな。
いずれにしても向こうが拳で来るのなら、
此方もステゴロで行くとしようか。
無論、まともに殴り合いに付き合うほど、暇ではないんでな。
適当に相手の拳を掌で受け止めるとしよう。
弱点さえ掴んでしまえばこちらのもの。
引き剥がせるものはごっそり引き剥がしてやろう。
鎧までは流石に厳しいだろうが、
動きを制限するくらいは出来よう。
そうすればあとは隙間を叩くのみだ。
お望みならば拳を叩きこむのも吝かではないぞ。


黒鋼・ひらり
神鋼の鎧、とはまた面倒臭いわね、そして弱点は拳、と

・・・・・・・・・・・・・・・・
拳にはメリケンサックを装着してるのよね?
なら…甘んじて喰らったげる
敢えてインファイトを挑み相手の攻撃を誘う…鎧と、それから拳闘の技を過信してるだろうし鎖で引寄せ近距離戦を挑む素振りでも見せれば乗って来るでしょ
勿論拳闘の達人相手にインファイトじゃ分が悪い…何発か喰らうだろうけど、何発か当てて気が緩んだ所に喰らい乍ら磁力最大フルパワー…攻撃してきた瞬間に拳を…拳に装着したメリケンサックを磁力で引寄せてそのまま吸着させた状態で義手で掴んでUC【磁界発勁】
拳越しに高磁力直接ブチ込んで、生体電流ぐっちゃぐちゃにしてあげるわ


ヨナルデ・パズトーリ
成程
此れでも戦も司る身、斯様な誇りを持つ者は嫌いでないぞ?

野望に主義、計画か

妾の野望、願いはオブリビオンが滅び民の末裔達が安寧を得る事!
貴様等の様な者を許さぬ主義!
そしてこうして貴様等を一体ずつ討ち倒す計画じゃ!


UCは即座に『高速詠唱』で発動
敵のUCをUCで上げた反応速度と『野生の勘』と『第六感』も総動員し動きを
『見切り』『残像』で回避しつつ敵の腕を『怪力』を駆使し左手で押さえ付け
『鎧無視攻撃』を『呪詛』を込めた右手で叩き込み更に間髪入れずに『傷口を
えぐる』様に『高速詠唱』の『全力魔法』を『零距離射撃』の『二回攻撃』を
叩き込む『カウンター』

又、攻撃が当っても『オーラ防御』と『激痛耐性』で耐える


ペイン・フィン
さて、と

どうやら、拳での攻撃が、得意みたい?
……そっか、それは……
ちょっと皮肉、かな?

技能をフルで使用
敵の攻撃を避けるのに集中する

情報収集と世界知識、戦闘知識の情報収集、整理能力を中心に
視力、聞き耳、第六感で感覚強化
残像、見切りで攻撃を躱すよ

……強力な攻撃が売りみたいだけど
一撃目さえ躱せば、後はどうにかできる

コードを使用
敵と握手をし、間髪入れずに、指潰しで指を潰す
そちらが、拳での攻撃を得意とするなら
その指、潰させて貰うよ
鎧無視攻撃、部位破壊、鎧砕き、怪力、破壊工作
傷がつき始めたら、更に傷口を抉る

……皮肉だね
そっちが自信を持ち、鎧で覆わなかった部分
そここそが、自分が最も得意とする攻撃部位、だよ


リコリス・ミトライユ
パンチにはパンチをお返し!
してあげたいのは山々なんですけど、あたしとあっちじゃ技術が違いすぎて普通じゃ当てられる気がしないのですよね。

ボクシングって、ホントはグローブとかで保護して安全にやるものって聞きましたし。
あんな硬そうな武器、素肌に当たったら痛いじゃすみませんし……。

どうしましょう。
挑発とかしたら良いのかな、って。

女の子よりもか弱いパンチ力だから、あたしのパンチに合わせて砕こうとしないんですよね?
あたしだって、すっごい鍛えて硬いんですから、ぜったい、負けないはずですし。

一発と一発なら、あたしのパンチの方が強いってこと、証明して見せますっ。
パンチに合わせて、どかーんってやっちゃいますっ!


クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「防御力を手に入れたボクサー相手ですか」

【POW】

「こちらは近接戦の技術に劣る故、反撃メインで参りましょう」
相手が近接戦のプロだとすれば下手な小細工は命取り。
UCで無敵の強化外骨格(パワードスーツ)を作成し、『ライオットシールド型パイルバンカー』も用いて【武器受け】で耐える狙いです。
「GEAR:ATROPOS。アーマーの生成完了、行きます」

こちらが反撃しないと知れば、何処かで大技を繰り出すはず。
敵の戦闘モーションを動体【追跡】し、こちらに正面から殴りかかって来た瞬間、クロスカウンターの要領でパイルバンカーの【零距離射撃】を「鎧の隙間」である拳に叩き込みます(【鎧無視攻撃】)。


ジャスパー・ドゥルジー
俺も武器はリーチ短ェナイフだけだけどよ
それでもあんたに比べりゃ有利だわな
奴の前で武器を棄ててみせる

言っとくが油断を誘う為とかじゃねェからな
俺は血に魔竜を宿してる
負傷すれば血が燃えて武器になる
ならリーチのハンデは要らねえ
それだけだ

煽って煽って敵の攻撃を誘う
さァ、その誇りとやらをぶつけてみせろよ
俺を殺してみな!

言葉の正体は【ヴェリテの嘘】
挑発に乗ってしまったらあんたはもう動けない
そして俺はナイフを棄てる時に薄く自分の手を傷つけていた
――わかるな?

血の滲む手で奴の拳を握りしめる
力を込めた手から血が滴り炎となる

あ?
油断誘う為じゃねェってのは?
嘘に決まってるだろ
あんたって割とお人好しだな


オリヴィア・ローゼンタール
聖なる書物に曰く、とある聖者は天使と格闘の末に勝利し、名を賜ったと

聖槍は大地に突き刺し、使わない
真っ向からの格闘勝負を挑む
我が半身たるこの聖槍も今は封じましょう
いざ、尋常に勝負――!

強化された【視力】、豊富な【戦闘知識】、敵意を感じ取る【第六感】で攻撃を【見切る】
ガントレットで受け流し(武器受け)、踊るように軽やかなフットワークで避ける(ダンス)
重く、鋭く、洗練された動き……だが、見える!

メリケンサックによる攻撃に対し、ガントレットを叩きつける(カウンター)
続く連続攻撃に【怪力】【グラップル】【鉄拳聖裁】で真正面から打ち合う
如何なる野望、主義、計画を抱こうと、私の拳がその悉くを微塵に打ち砕く!


フェルト・ユメノアール
ボクたちの戦いに多くの人の命運がかかってる
この勝負、絶対に負けられない!

敵は近接戦闘タイプ、なら不用意に近づくのは危険だね
『トリックスターを投擲』して牽制
さらにその中に『ワンダースモーク』を混ぜ、敵の視界を奪う事で反撃の隙を作る!

こちらの動作を悟られないように、煙が晴れない内に敵に接近!
そのまま攻撃!と見せかけて……UCを発動だ!

キミの誇りを超えてみせる!
ボクはカウンタースペル、【写し身の呪術人形】を発動!
自分への攻撃を無効にし、その攻撃によって発生するダメージを相手に反射する!
つまり、キミのメリケンサックによる打撃をそのまま拳に撃ち返すよ!
そして、体勢が崩れた所で一気に『カウンター』だ!


エミリー・クララ
ふっ、いいですねぇ!
その拘り、道は異なれども共感を覚えます!
故にこそ! 我が爆熱の全力を以てお答えしましょう!

我が名はメイガスノワール・ロートロッソルージュ!
エルフ随一のウィザードにして最強の魔法を操る者也!

拳のみ鎧で覆われていない……つまりそこだけを狙えばいい……
なんて、チャチなことは言いません!
詰まる所、全身を余す所なく攻撃してしまえば、即ち拳も攻撃範囲です!
我が爆熱魔法の無差別攻撃によって、その体……否!
周囲丸ごと爆熱して差し上げましょう!
あ、パンチはこう、頑張って防ぎます!!
【高速詠唱】【属性攻撃】【鎧砕き】【全力魔法】【範囲攻撃】【鎧無視攻撃】

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


雷陣・通
あんたの事は聞いている
戦いの中で、絶望し、ヴィランとなった
そして、今、尚も戦うのなら
「俺が止める!」

相手は強敵だ
だが、やりようはある
ダメージを通さないなら、体勢を崩し、攻撃を誘引すればいい
●二回攻撃に●フェイントを織り交ぜ、●視力で間合いを見切り、アウトレンジから叩く
勿論聞かないのは分かっている、相手が無理に攻めてきたら●カウンターの●グラップルでいなして、付き合わない

そうやって徹底的に付き合わない戦いから
●殺気を●先制攻撃で放ち、相手の拳を誘う
そこに『奥義。紫電』をカウンターの●鎧無視攻撃で合わせて、ただ打ち込む

「心の弱さを鎧で守った時点でアンタはもう負けたんだ」
「その拳すら急所になる程に」


六六六・たかし
【アドリブ歓迎】

パワーとディフェンスを兼ね備えた強い戦士のようだが…
わざわざわかりやすい位置に弱点を持ってくるとは
随分とその拳に自信があるようだな。
いいだろう、その自信ごとお前の拳―破壊させてもらう!

【WIZ】
UC『六六六悪魔の大転身』を使用し
ざしきわらしフォーム(青)へと変身しストライクのフック付きワイヤーをたかしブレードの[武器受け]でガードしながら突き進んでいく。
ストライクに殴りかかれる距離まで近づいたら
相手からのパンチを[カウンター]で更に殴ることでストライクの拳を破壊する。

これこそが俺の必殺技…!
「スーパーデビルたかしパンチ」だ!!!


ゼイル・パックルード
なかなか面白そうなヤツだけど、そんながちがちに身を固めちゃあ台無しだね。

そんなの着込んで、拳はともかくフットワークが落ちてるんじゃないのかいボクサー?そうじゃないってならビビッてこないでかかってきなよ。
こっちも拳だけで戦ってやるよ。といって武器は全部地面にでも置いておく。
と、安い挑発で近づいてきてくれればいいかな。
主に顔をガードしながら後は見切りや第六感で相手のパンチの癖を読みつつ、じっくり力をためていく。
相手のパンチの軌道や速度が読めたら、疲れたフリして顔のガードをゆるめる。
顔にパンチが来たところで、身体を引きつつ、カウンターのUCを敵の拳に叩き込んでいく。


ルカ・ウェンズ
よし!こっちも…とりあえず殴るわよ!殴られたら殴った相手が黙るまで反撃しないと!
【行動】
最初に拳を狙って【怪力】にまかせてオーラ刀を投げて敵が武器を弾くか、躱すかしている隙に【残像】が見えるような速さで近づいて、怪力で敵を押し倒すのを狙うわ。押し倒したら、怪力まかせに拳部分を殴ったり、曲がらない方向に曲げたり、握り潰そうとしてみたり拳部分を集中攻撃するわよ。

押し倒せなくても拳部分を狙って攻撃するわよ。これがダメでも虫の本を使って呼び出した昆虫型機械生命体の群れも拳部分を狙って攻撃しているし、敵が虫の群れに気を取られたら組み付いて怪力で押さえ込んで拳部分を攻撃するわ。


ユーフィ・バウム
主義を述べるのは苦手ですが、殴りっこなら負けません
殴り合いましょうか、存分に!

仲間との連携は積極的に行いますね!

狙うは相手の拳。
しかしすぐには突けないでしょうから、
相手の大振りの一撃を待ちます
大丈夫、【覚悟】はとっくにありますよ!

培った【戦闘知識】に天性の【野性の勘】をフル活用
キャプテンの攻撃は【見切り】致命打を避けた上で
【オーラ防御】と【激痛耐性】で耐え抜きつつ【力溜め】。

機は必ず……来る!
相手の拳の大振りの一撃に合わせ、
【カウンター】の【捨て身の一撃】!
キャプテンの拳にオーラを込めた拳をたたきつける…
《トランスバスター》を狙いますよっ!

効果あったなら、続いての追撃で追い込んでいきましょう!


闇之雲・夜太狼
ライアーヒーロー「クライウルフ」参上!
俺が来たからにはお遊びはここからだよ!

ごめんねキャプテン、たぶん俺は相性最悪の相手

自分に【オーラ防御】と併用してCODE:SSCを使うよ
こうすればもう、いくら力や技術があろうが単純な打撃は滑っちゃう

まあ、真面目に戦ったら俺なんか到底勝ち目が無いんだし
こういう手に走るのは、そっちの実力を評価してるからってことでさ
ねっ?
でもグラップルガンは刺さるかもだから警戒しておこう

俺に効果の薄い打撃をしてる内に、攻撃パターンの【情報収集】
【見切り】ができたら、メリケン付きのストレートに合わせるように
【クイックドロウ】したMAGで隙間(拳)に対してグーパンチでカウンターだよ


ヴィクティム・ウィンターミュート
弱点は拳一つのみ、か…
最大の長所でもあるその部分を狙うには骨が折れるが…
何も問題ありゃしねえな
そこから全部崩してやるぜ
『ネームレス』に負けて、地面を舐めやがれ

ヘイ、拳馬鹿
その拳に随分と自信があるじゃないか、なぁ?
俺から見るとしょっぺえ棒切れが肩から生えてるようにしか見えねえな
そんなしょぼいもんで何をするってんだ?言ってみろよ

なんて【挑発】してっと…ここまで言えや、メリケンで殴ってくるだろうさ
セット、レディー『Balmung』
来ると分かってる一撃なら、心構えが出来る
完全脱力、吸収、変換
連続攻撃は"出せんよ"
もう止めたからな──拳に拳を合わせて、テメェのエネルギーを全て返してやる!ここで終わりな!



●――戦え
 モニュメント・バレー――アメリカ合衆国の西南部に位置する卓状台地が無数に広がる荒野だ。長い自然が生んだその大地は、まさに天然のリングだ。ならば、言っているのだろう、自然が。

 ――戦え。それが生き残る唯一絶対の術である、と。

 そして、今日。このメサのリングを舞台に激突する勢力があった。猟兵とオブリビオン――決して相容れない、どちらかが滅ぶしかない両者がそこで向かい合っていた。

「大袈裟だな、随分と集まったものだ」

 キャプテンストライクは、兜の下でそう吐き捨てた。しかし、その言葉に反して声色には笑みが滲んでいる。
 ミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)は小さく鼻を鳴らして、キャプテンストライクへ口を開いた。

「ふん。貴様とこうして殺し合うのは2度目だな、キャップ。尤もオブリビオンの貴様は覚えてもいないだろうが」
「ああ、それは別の『俺』だろう」
「何やら玩具を手に入れてはしゃいでいるらしいが、その名、その拳が誇りであるという点は変わらないという事か。ならばそれを抱いたまま3度目の死を迎える良い」

 言い切るミハエラに、キャプテンストライクはカシャンとSTRIKEと刻まれたメリケンサックを手の中で弄ぶ。神鋼の鎧、神鋼ウルカヌス製の鎧に身を包みながら唯一生身を晒すそこにメリケンサックと誇りを握ってキャプテンは言う。

「オブリビオンというのは愉快なものだ。俺の敵討ち、させてもらおうか」

 トトン、とキャプテンストライクが軽いステップを刻む。ボクシング特有の上下する軽やかな動きに、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が呟いた。

「防御力を手に入れたボクサー相手ですか」
「ボクシングなのにグローブはしないのか。あれか? ベアナックル・ボクシングってやつか? しかしメリケンサックは使うのか……よくわからんな」

 セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)が口にした疑問に、意外にも答えを返したのはキャプテンストライク本人であった。

「はっ! ボクシングがグローブをつけるもの、と考えるのは新しすぎる考えだ。ボクシングの歴史を遡れば、はるか古代――2000年以上の歴史がある。そのうち、グローブをつけての戦いなど、十分の一にも満たない」

 キャプテンストライクが、ファイティングポーズを取る。そして、言い捨てた。

「ボクシングとは、2000年以上の歳月を効率よく人を殴り倒すことに捧げた殺人技術(キリング・アート)だ。舐めるなよ、猟兵ども」
「此れでも戦も司る身、斯様な誇りを持つ者は嫌いでないぞ?」

 確かにそこに感じたプライドを読み取って、ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)が告げる。それに兜の下で笑ったキャプテンストライクが、言い捨てた。

「さぁ、やろうか――ッ!」

 自然にゴングはない。だが、どちらからともなく両勢力は同時に動いた。

●拳語

 タン、と乾いた大地をキャプテンストライクが一度蹴った瞬間、十数メートルの距離が一気に縮まった。本来のボクシングのリングであれば、逃げ場がない事を意味するステップだ。

「拳での戦いってか? 当然付き合うぜ……!」

 戦争で勝つために、そして一人の男として拳で殴り勝つため【聖者の誓い】へと"祈り"を捧げてクーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)が前に出た。

「よう、拳に自信あるんだってな? 俺も拳で戦う人種だからよ……真っ向から行こうぜ?」

 クーガーからの提案へのキャプテンストライクの答えは、左のジャブだった。それにクーガーの嬉々として真っ向から拳で返した。
 ガン! と人体がぶつかったとは思えない音が、響き渡る。互いの拳が激突し、キャプテンストライクは腕力で分が悪いと見て、頭を低く前のめりになりながら足を使ってクーガーの懐に潜り込む。

「ふっ、いいですねぇ! その拘り、道は異なれども共感を覚えます! 故にこそ! 我が爆熱の全力を以てお答えしましょう!」

 ザッ! と真横に回り込んだエミリー・クララ(爆熱の申し子・f21968)が紅魔炎―レヴァンテインの切っ先を向ける。世界を焼き尽くした業火の写し身――という設定の生命力を魔力に変換する魔具が、炎に燃える!

「我が名はメイガスノワール・ロートロッソルージュ! エルフ随一のウィザードにして最強の魔法を操る者也!」

 ゴォ! とエミリーの放った爆熱魔法(エクスプロード)が、炸裂した。

「モニュメント・バレーに立ち上がる炎の柱、それはまさに墓標のごとし――し?」

 フっとレヴァンテインで帽子のつばを押し上げながらニヒルに笑い地の文じみて決めていたエミリーは見た。

 立ち上がる爆熱魔法(エクスプロード)の炎の中、ゆっくりと歩を進めて無傷で歩いてくるキャプテンストライクの姿を――。

「な!? ずるいです! その現われ方は傷があったら駄目な奴じゃないですか!?」

 それに返してやる謂われは、キャプテンストライクにない。即座にエミリーへ迫ったキャプテンストライクの前に、アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)が立ち塞がった。

「そこに誇りがあるというのなら、私は正面から受けて立ちましょう……変身! ティターニアアーマー!」

 パワー重視で全身を覆う巨大な「着る重機」、ティターニアアーマーに身を包んでアリシアが身構える。素手で戦う機会は、猟兵になればいくらでもある――その自負していた。しかし、キャプテンストライクはその中でもなお、特化した存在。一気に間合いを詰められ、斜め下から突き上げるスマッシュを受けて、ティターニアアーマーの巨体が宙へ浮かされた。

「ボクたちの戦いに多くの人の命運がかかってる。この勝負、絶対に負けられない!」

 フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が、すかさずトリックスターを投擲する。キャプテンストライクはそれを裏拳で弾く――その瞬間、投擲用ダガーからピンク色の煙幕が一気に吹き出した。フェルトがダガーにワンダースモークを仕込んでいたのだ。衝撃を受けた球体の道具は、大量の着色済みの煙を吹き出させる――まさに、マジックのステージのような光景だ。

「どうやら、拳での攻撃が、得意みたい? ……そっか、それは……ちょっと皮肉、かな?」

 ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は呟き、聴覚に集中する。小さな足音、鎧のこすれる金属音、その全てを聞き逃さない。聞き逃がせば、待っているのは拳の餌食だ。その事を、ペインはよく理解していた。

 事実、煙から大きく回り込んでいたキャプテンストライクがペインに迫る。明確に見せた隙――そこをキャプテンストライクは見逃さない。
 そう、そこまでペインの目論見通りだった。

「力を貸して貰うぞ! 妾と対なす者、戦友にして好敵手にして兄妹だった者! 神である事に囚われ壊れ妾が過去へと送った伴侶! 翼ある蛇よ!」

 今は亡き対なす神の残り香(ナワールケツァルコアトル)を高速詠唱したヨナルデが、高速飛行で距離を詰めて黒曜石の戦斧を叩きつける! 火花が散り、キャプテンストライクの体勢が崩れた――そこへ、セゲルの右拳が横殴リで叩きつけられた。

「なるほど、硬いな」

 吹き飛ばす事には成功したが、拳の残る感触にセゲルが言い捨てる。キャプテンストライクは着地し、皮肉げに言った。

「この鎧がなければ、いい一撃だったな」
「そうかな? 心の弱さを鎧で守った時点でアンタはもう負けたんだ」

 不意に投げかけられた言葉に、キャプテンストライクが視線を送る。そこにいたのは、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)だ。

「あんたの事は聞いている。戦いの中で、絶望し、ヴィランとなった。そして、今、尚も戦うのなら――」

 ダン、と強く踏み込み、通は構える。通が幼少から父親からフルコンタクト空手の構えだ。もはや、呼吸と同じくらい自然な動作になっている。それを悟ったからこそ、キャプテンストライクの圧が増した。

「俺が止める!」
「――無理だな」

 その瞬間、キャプテンストライクの姿が消えた。否、消えたと思わせるほどのフットワークで間合いを殺したのだ。

「俺は世界を変える」
 野望と共に、リバーブロウが――。

「この拳は、そのためにある」
 主義と共に浮かしたところへアッパーカットが――。

「そのために力を手に入れた、この鎧を!」
 そして、計画と共に放たれた右ストレートが、通を捉える!

「グ――!?」

 直撃はしていない。かろうじて、反応している。防御は間に合う、どんな高みにあろうと喰らいつけない相手ではない!

「言葉で世界は変わらない。ならば、力で――この拳で変えよう」
「なかなか面白そうなヤツだけど、そんながちがちに身を固めちゃあ台無しだね」

 ゼイル・パックルード(火裂・f02162)は、そう吐き捨てた。フットワークは、どう考えても挑発にならない。だからこそ、もう一つ――全ての武器を地面に置いてゼイルは言ってのけた。

「こっちも拳だけで戦ってやるよ」
「そうだな。俺も武器はリーチ短ェナイフだけだけどよ、それでもあんたに比べりゃ有利だわな」

 ジャスパー・ドゥルジー(Ephemera・f20695)も、そう笑みを浮かべ驟雨を地面に落とす。

「言っとくが油断を誘う為とかじゃねェからな。俺は血に魔竜を宿してる。負傷すれば血が燃えて武器になる。ならリーチのハンデは要らねえ、それだけだ」
「そうか」

 ハッ、と短い笑みをこぼし、キャプテンストライクは腰に手を当てた。そして、キャプテンもまったグラップルガンを地面に落とした。

「これで同等だ」

 同じ条件でやろう、とキャプテンストライクは言外に言う。その姿と誇りに、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は呟いた。

「聖なる書物に曰く、とある聖者は天使と格闘の末に勝利し、名を賜ったと」

 オリヴィアは、破邪の聖槍を地面に突き立てる。

「我が半身たるこの聖槍も今は封じましょう。いざ、尋常に勝負――!」

 ――普通に考えれば、自ら不利になっただけだ。何の意味はない、愚かな行為と言う者もいるだろう。
 しかし、キャプテンストライクは知っている――今の猟兵達は、不利を背負ったから『こそ』強い、と。

「面白いぞ、お前たち――!」

 兜の下で血に飢えた鮫のように笑い、キャプテンストライクが再び突貫した。

●拳の戦いとは――

 かつて、ある者が言ったという。

 ――拳による戦いとは、何かを求め掴もうとする姿に似ている、と。

(「神鋼の鎧、とはまた面倒臭いわね、そして弱点は拳、と」)

 集団の中でその拳のみで縦横無尽に戦うキャプテンストライクの姿に、黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)は考え込む。

「…………」

 注がれるのは、キャプテンストライクの拳だ。何と雄弁で、何と自在に動く拳か。じっとその拳を見つめ……ひらりは覚悟を決める。

「拳にはメリケンサックを装着してるのよね? なら……甘んじて喰らったげる」

 じゃらん! とひらりが黒鎖【プラズマテイル】が振るわれる。漆黒の鎖がキャプテンストライクの胴を巻きつけると、そのままひらりは力任せに引いた。

 キャプテンの巨体が、一気に宙を舞った。だが、明らかに抵抗が薄い。空中で体勢を入れ替えたキャプテンストライクは、既に拳を放つ準備を終えている――敢えて、引き寄せられたのだとひらりは悟った。
 だが、それはひらりも同じだ。着地直前に振り下ろされたキャプテンの拳が、ガードしたひらりの腕を軋ませた。

「ここで――!」

 バチン! と磁力を全開にしたひらりが、メリケンサックを磁力で引っ張る。だが、キャプテンの腕力は尋常ではない――危険だと悟ったキャプテンストライクは、拳を引こうとして――。

「そちらが、拳での攻撃を得意とするなら、その指、潰させて貰うよ」

 引こうとした拳にペインが触れる。そう、握手に善悪は関係ない(ヨキエンニハキズナヲアシキエンニハユビツブシヲ)――親指潰しの拷問器具、そのヤドリガミだからこその存在意義(ユーベルコード)。

「ぐ、が――!?」
「……皮肉だね。そっちが自信を持ち、鎧で覆わなかった部分、そここそが、自分が最も得意とする攻撃部位、だよ」

 激痛にキャプテンの力が緩む――その瞬間、ひらりは磁力で引き寄せたメリケンサックを義手で受け止め、叫んだ。

「体ン中……ぐっちゃぐちゃになんなさいな!!」

 磁界発勁(マグネティック・ゼロ)の一撃に、神鋼の鎧の隙間から白煙が上がる。言葉の通り磁力によって体の中から破壊されたキャプテンは、それでも後退する。

「ぐが、あ――!!」

 ゴキゴキゴキ……! とキャプテンは折れた指を強引に曲げる。拳を作れればいい、それ以外必要ないのだ、とキャプテンストライクは後は痛みを無視して動いた。

「こちらは近接戦の技術に劣る故、反撃メインで参りましょう。GEAR:ATROPOS。武装の強化生成完了、行きます」

 クネウスはATROPOS(アトロポス)によって無敵の強化外骨格(パワードスーツ)を作成、ライオットシールド型パイルバンカーを構えた。

「GEAR:ATROPOS。アーマーの生成完了、行きます」
「オ――!!」

 そこへ、キャプテンストライクは一呼吸で数十発というコンビネーションを叩き込んでいく。上下左右打ち分け、盾を弾こうという連打だ。一瞬でも気を抜けば盾ごと吹き飛ばされる、踏ん張りながらクネウスは機を待って、待って、待って――。

「――ここだ」

 放たれる右ストレートに合わせ、ガゴン! とパイルバンカーが放たれた。激突する拳と杭、互いにその場から弾かれ、宙を舞う。

「さァ、その誇りとやらをぶつけてみせろよ。俺を殺してみな!」

 挑発と共に、ジャスパーが迫る。だが、キャプテンはその言葉ではなくジャスパーの傷に視線を向けていた。血が炎になるジャスパーの攻撃手段は、その炎だけだ。ならば、その兆しを読む。
 絶対の処理の確信を持ってキャプテンは挑み、しかし、だからこそジャスパーは笑った。

「――捕まえた」
「ッ!?」

 左手を、ジャスパーの血に濡れた手が掴んだのだ。だからこそ、キャプテンストライクは息を飲む。傷など、なかったはずだ。交戦した時に、その手は使って――!?

「そうか! あのナイフを捨てた時に!」
「正解。俺はナイフを棄てる時に薄く自分の手を傷つけていた。そして、挑発に乗ってしまったらあんたはもう動けない――わかるな?」

 ゴォ! とキャプテンの左拳が燃え上がる! ヴェリテの嘘(ウソ・ハ・ホント)――ジャスパーの話術が、この好機を生んだのだ。

「なるほど、ならばさっきのナイフを捨てる時の言葉は――」
「あ? 油断誘う為じゃねェってのは? 嘘に決まってるだろ。あんたって割とお人好しだな」
「ハ! 見事だ!」

 キャプテンストライクは後方へ跳ぶ。兜の下、マスクを破き、焼けて骨まで見える左拳に巻きつけ、拳を作った。
 両の拳を壊され、それでも拳を握る事を止めない――それがこの男、キャプテンストライクなのだから。

「パンチにはパンチをお返し! してあげたいのは山々なんですけど、あたしとあっちじゃ技術が違いすぎて普通じゃ当てられる気がしないのですよね」

 リコリス・ミトライユ(曙光に舞う薔薇・f02296)は、どこか困ったように呟いた。いかに当てるか、そう考えて――そこに、セゲルが口を挟んだ。

「いいだろう、動きは止めてやる」
「あ、お願いできます?」

 軽いやり取りは、同じ猟兵であるという信頼のなせる技だ。リコリスは、そのまま真っすぐにキャプテンストライクへと駆けていった。

「女の子よりもか弱いパンチ力だから、あたしのパンチに合わせて砕こうとしないんですよね? あたしだって、すっごい鍛えて硬いんですから、ぜったい、負けないはずですし」
「ふっ、その挑発、乗ってやる!」

 キャプテンストライクは、それに右ストレートで答えた。繰り出すのが丸わかりの、あえてのテレホンパンチ――それにリコリスも固く拳を握った。

「握れば拳開けば掌。全ては我が手中にあり」

 その瞬間、セゲルの心胆ヲ握緊メル腕(ゲレパ・アンデ)による体から切り離した精神体が、キャプテンストライクの拳の鈍らせた。完全に止めるのではなく、タイミングと位置を調整したのだ――リコリスが、もっとも威力が出る一撃で激突できるように、と。

「一発と一発なら、あたしのパンチの方が強いってこと、証明して見せますっ――打ち抜きます!」

 リコリスのペネトレイト・ブロウが、キャプテンストライクの拳と激突した。しかし、わずかに伸び切っていないキャプテンの拳とジャストミートしたリコリスの捻りを加えた拳では、リコリスが圧倒的に有利だ。
 ズサァ! と吹き飛ばされたキャプテンが、着地する。その肩が震えていた。しかし、それは恐れではないとすぐにわかった。

「は、はは―――は、は、はははははははははははははははははははははははははははは!」

 まるで腹の底に溜まっていたものを吐き出すように笑い、キャプテンは前に出る。もはや、口で語る必要などない。野望も主義も計画も、その拳のみで事足りる!

「男同士の殴り合い、それで目覚める友情。努力・筋肉・勝利。筋肉は……裏切らないんだぜ!!」

 野望を込めた連打を、クーガーは真っ向から受け止める! 最後の一発、聖者の鉄拳がぶつかり、キャプテンストライクはその勢いを利用して横回転。主義を握りに込めて、ティターニアアーマーで迫るアリシアに放った。

「こう見えても私は貴族の端くれ。誇りを胸に戦うというのは理解できるつもりです。ですから……私はその誇りを受け止めてみせます!」

 ティターニアアーマーの拳、スター・ブレイカーの一撃が互いに吹き飛ばそうと押し合う。ミシミシミシ、と亀裂を走らせ耐えられなかったのは――地面だ。

 ドゴォ! と地面が砕け、キャプテンは宙を舞う瓦礫を足場に跳ぶ。そこに控えていたのは、ヨナルデだ。

「野望に主義、計画か――妾の野望、願いはオブリビオンが滅び民の末裔達が安寧を得る事! 貴様等の様な者を許さぬ主義! そして――」

 ヨナルデは、零距離で高速詠唱――連撃の全力魔法を行使した。

「――こうして貴様等を一体ずつ討ち倒す計画じゃ!」

 互いの計画が空中で爆発を巻き起こし、キャプテンストライクは砕けた地面に着地する。

「ああ、お前達の方が正しい、正しいのだろうさ――だが、もはや止まれるか!」

 キャプテンは『一撃』では、もはや語り尽くせぬと再び拳を握る。砕け、骨さえ覗く、傷だらけの拳。それでも握っている、こぼしてなどいないのだと、証明するそのために―――!

「重く、鋭く、洗練された動き……だが、見える! 如何なる野望、主義、計画を抱こうと、私の拳がその悉くを微塵に打ち砕く!」
「やれるものなら、やってみろッ!」

 オリヴィエとキャプテンが、同時に動く。下から突き上げるキャプテンの野望を握る左のアッパーカットを、オリヴィエはホーリーガントレットの振り下ろしで迎撃した。

「悔い改めよッ!」
「今更改められるかッ!」

 オリヴィエの鉄拳聖裁(ジャッジメント・ブロウ)にそう吼え、キャプテンは骨を砕きながら後方へ足を引いた。わずか一歩、されど一歩――そこに生まれた隙間こそ、主義を語る一撃を生み出す。

「もう一度言う。心の弱さを鎧で守った時点でアンタはもう負けたんだ」

 そこへ踏み込むのは、通だ。奥義、紫電――完全にタイミングを合わせた通の正拳突きが、主義を握る右のストレートを砕き、吹き飛ばす!

「その拳すら急所になる程に」
「否、断じて否だ!」

 吹き飛ばされ、両の拳が砕かれてもキャプテンストライクは立ち上がる。目の前にあったグラップルガンを蹴り飛ばし、なおも前に出る。

「この拳は、まだ握られている!」
「なら、キミの誇りを超えてみせる!」

 砕けた拳で計画を握ったキャプテンストライクが一撃を繰り出す。フェルトの<スペルカード>写し身の呪術人形が生み出したのは、同じように拳を繰り出すキャプテンストライクの写し身だ。

「<スペルカード>写し身の呪術人は自分への攻撃を無効にし、その攻撃によって発生するダメージを相手に反射する! つまり、キミのメリケンサックによる打撃をそのまま拳に撃ち返すよ!」

 拳が激突する。己の一撃をまともに受けて、キャプテンストライクが地面を転がった。
「が、あああ、あ……」

 それでもなお、立ち上がる。拳は握られている、ならば彼はまだボクサーだ。六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)は、油断なく身構えた。

「いいだろう、見せてやる。これこそが俺一人では辿り着けなかったデビルズナンバーたかしの新たなる力だ!!」

 たかしは六六六悪魔の大転身(デビルズナンバー・フォームチェンジ)によって得た超高速機動で駆ける。キャプテンは、その動きを逃さない。その間に、ミハエラが地面を蹴った。

「行くぞ、キャップ!」
「来い!」

 ヒュオン! とミハエラのフォールンセイバーとキャプテンの拳が交差する。赤黒い火花が何度も二人の間で散っては消える。なお、衰えない――否、鋭くさえなっているかもしれない拳がそこにはあった。

「よし! こっちも……とりあえず殴るわよ! 殴られたら殴った相手が黙るまで反撃しないと!」

 そこに加わったのは、ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)だ。手数と速度のミハエラに、怪力によるオーラ刀の豪快な一撃のルカ。そのコンビネーションに、徐々にキャプテンストライクが圧されていく。

(「あの拳を狙うには骨が折れるが……何も問題ありゃしねえな。そこから全部崩してやるぜ、『ネームレス』に負けて、地面を舐めやがれ」)

 ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)が、その交差を注視する。隙を見逃さない、その覚悟と決意がヴィクティムの集中力を研ぎ狭せた。
 だが、その隙はなかなか訪れない。剣戟が鳴り響き続ける中――その絶対の隙を作ったのは……。

「ライアーヒーロー「クライウルフ」参上! 俺が来たからにはお遊びはここからだよ!」

 キャプテンストライクの背後に、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)が降り立つ。振り返りざまの裏拳――それに、どこかすまなそうに夜太狼は侘びた。

「ごめんねキャプテン、たぶん俺は相性最悪の相手」
「――な!?」

 不意に、キャプテンの手から手応えが消えた。CODE:SSC(コード・スーパースリップコーティング)、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らすそのユーベルコードで文字通り滑ったのだ。勢いが止まらず、キャプテンが体勢を崩したその瞬間だ。

「私に食事をする機能はない。故にこれは純然たる武器、殺す為だけの器官という事だ」
「ゴーリー・セントジョン・エドワード」

 ミハエラの咬み裂く特殊合金製の歯が神鋼の鎧の足を裂き、ルカの召喚した昆虫型機械生命体の群れがキャプテンの動きを封じた。
 そこで、クーガーの生まれながらの光で回復したエミリーが動く!

「吾、此処に煉獄の門を開かん。我が血と銘の契約に応じ、暗き帳と共に顕現せよ。我招くは紅蓮の皇の息吹! エクスプロード!!」

 回復を用いての本日二度目の爆熱魔法(エクスプロード)が、炸裂した。吹き飛ばされたキャプテンと、大地に倒れるエミリー。しかし、キャプテンは空中で身をひねって、着地しようとして――ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)が、その着地点に先回りしていた。

「行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ!」
「オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 ユーフィの拳とキャプテンの拳が、激突する。しかし、空中では踏ん張りが効かず、キャプテンはユーフィのトランスバスターに体勢を崩し――追撃のヒップアタックに、吹き飛ばされる!

「今です!」

 ユーフィの声に、ゼイルが地を這うように駆け、高く高く上空へ飛んだたかしが迫る!

「一足先に地獄を味わいな!」
「これこそが俺の必殺技……! 「スーパーデビルたかしパンチ」だ!!!」

 地獄の炎をまとった拳が、超高速の一撃を乗せたパンチが、キャプテンを同時に捉える! ぐらり、と体勢を崩したキャプテンストライクに、ヴィクティムが踏みこんだ。
 反射的に繰り出される、キャプテンの右フック――それに、ヴィクティムは脱力しながら左フックを繰り出した。

「連続攻撃は"出せんよ"。もう止めたからな──拳に拳を合わせて、テメェのエネルギーを全て返してやる!ここで終わりな!」

 Reuse Program『Balmung』(モタザルモノノリュウゴロシ)――キャプテンの右フックの威力を吸収、変換したヴィクティムの左フックが、神鋼の鎧ごとキャプテンを粉砕した。

 地面に転がったキャプテンは、消滅するのみだった。ふと、そんなキャプテンを夜太狼が覗き込んだ。

「グラップルガン使えば、もっと違ったよね?」

 相性最悪と自負する夜太狼でも、グラップルガンは警戒していた。確かに、全力とは違っただろう。

「だが、全力で、なくとも……最高の、『俺』だったさ……グラップルガンを、使わなかったからな……」

 この結果に、不満はない。満足気に砕けた兜の口元に笑みを浮かべ、キャプテンストライクは消滅した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年11月08日
宿敵 『キャプテンストライク』 を撃破!


挿絵イラスト