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その歌が導くのは

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 ―――おいで、おいで、一緒に歌おう。

 夢だろうか、それとも現だろうか。
 囁くような声と共に、辺りに"ウタ"が聞こえてくる。

 ―――楽しいよ、君も歌おう。

 どうしてだろうか、耳を傾けたくなる。
 どうしてだろうか、一緒に歌いたい。

 ―――おいで、みんなが待ってる。

 ああ、だったら行こうかな。

 ―――おいで、あの人も喜んでくれる。

 手を伸ばそう。
 きっと楽しい、みんな喜んでくれる。

「うわ、胸糞わりー……」
 ウインド・ノーワルド(自称ドクター・f09121)は余地を終えるなり、はっきりと言い切った。
「ああ、失敬。これまたやべーのを見ちまいまして。オブリビオンによる問題ではあるんですが」
 予知されたオブリビオンによる問題。であれば猟兵達の出番だろう。
「世界はダークセイヴァー、予知されたオブリビオン。その名前は確か、子ども遣い『チャイルドマン』でしたっけね」
 チャイルドマン。通称変態おじさんと呼ばれていることもあるが、その性質は人当たりの良い表情と言葉で子どもを操り攫う。
「だいぶ厄介です。おそらく、潜んでいる集落はわかるんですが、そのどこにいるかは一切分かりません」
 ダークセイヴァーのとある集落に潜んでいることは間違いないが、その居場所は一切掴めていない。
「彼が関わっている事もあり、子供が次々と行方不明になっている……という事件は起きているみたいですね。住民はこれを吸血鬼の仕業と思っているようですが」
 吸血鬼の存在を隠れ蓑に、うまい事事態を進めているのだろう。
 故に、猟兵達にはまず調査を行ってもらう事から始まる。その詳細の説明を求めれば、ウインドは頷いて説明を始めた。
「場所は領主に納められた領地。集落とは言いますがそれなりに大きい場所ですね。このどこかに潜んでいるのですが、現時点では謎」
 そっと眼鏡を外して、しかめた顔を浮かべる。
「予知した内容では、"歌"が聞こえるそうです。それも、行方不明になった子供たちの」
 子供が消えるときに、この歌が響き渡るそうだ。手掛かりにはなりそうだが、これもまだ調べる必要があるだろう。
「正直、放っておけば子供が消えたまま戻ってきません。何に利用されるかも思いたくありませんが……」
 ふぅ、とウインドはため息を一つはいて眼鏡をかけなおし、真面目な顔で君達に向き直る。
「歌や言葉。人を楽しませ、関りを繋げるものを利用して笑顔を奪うっていうのは我慢ならねーですね。頼みますよ、ちゃんと成敗して、正しい歌を子供たちに教えてあげてください」
 そういうなり、彼女は転移の準備を始める。
 さぁ、活動の時間だ。犯人を追い詰め、歪んだ歌を止めに行こう。


トビカゼ
 トビカゼです。今回の事件はダークセイヴァー、その一つの領地で起きている出来事です。
 事件は子供たちが行方不明になるという内容、犯人も予知されていますがその居場所はわかりません。
 犯人を捜す第一章、犯人を追い詰める第二章。その後にボス戦の流れとなるでしょう。
 住民達は比較的話を聞いてくれますし、協力してくれますが吸血鬼が犯人と思い込んでいるため、それらにばかり意識が向きがちで問いただす内容によってはうまく情報が得られない場合もあります。
 ヒントとしては、住民達は領地の暮らしに満足している、という点でしょうか。

 以上となりますが、無事に犯人を追い詰め、この歪んだ歌を終わらせてあげてください。
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第1章 冒険 『誘う音色』

POW   :    街を歩き回る、笛の音がする方角を調べる

SPD   :    住民から話を聞く、子どもを尾行する

WIZ   :    これまでの事件を調べる、アイテムなどを活用する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エレアリーゼ・ローエンシュタイン
「…ああ、嫌。いつも、子供ばかりが狙われるのね」
「まずは手がかりから探すぞ。…ド変態野郎は、その後絶対ぶちのめす」

オルタナティブ・ダブルを使って、
手分けして街で耳を澄ませて、歌や笛の音が聞こえるかを確かめて回るの。
建物や通りを挟んだ反対側に分かれたり、二人が離れて動けるギリギリの距離までは散開して
第六感も働かせたいわ。
当たりを付けた場所を調べたら、手がかりがあってもなくても一度合流して
何事もなければ、また別の場所へ散開。
これの繰り返しね。

手がかりになる音や、様子のおかしい子、怪しい人なんかを見つけたら、二人で追いかけるのよ。



現地に降り立ったエレアリーゼ・ローエンシュタイン(飢え渇くオルドローズ・f01792)は不快感を表に出しながら集落を歩き回っていた。
「……ああ、嫌。いつも、子供ばかりが狙われるのね」
 子供ばかりが攫われる。いつだって小さくか弱い者たちは悪意の標的となりやすい。
「まずは手がかりから探すぞ。……ド変態野郎は、その後絶対ぶちのめす」
 もう一人の自分もまた不快感を表に出し、集落を探索する。耳を澄ませて、歌や笛の音という音という音を聞き逃さないように、二人は離れられる限界距離を維持して集落の至る所を回っていた。
「……見つからないわね」
「巧妙だな、どうやってやがる?」
 なかなか成果は出てこない。だが諦めずに同じことを繰り返しているうちに、耳に触る声が響いてきた。

 ―――おいで、おいで、一緒に歌おう。

「聞こえた……どっち?」
「いや、もう聞こえないが……」
 また、どこかで被害が出たのだろうか。歌はもう聞こえなくなったが、歌が聞こえた方角はわかる。
 急ぎそちらへ向かってみれば、小さな民家の扉が開け放たれており、足跡がしっかりと外へ続いていた。
「追いかけるか」
「……うん」
 足取りを追う。二人の目指す先には、領主の住まう豪邸が見えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

桐府田・丈華
「歌う人さらい・・・ボクの世界の外国にもそんなおとぎ話あたったっけ」
まずは自分の足で子供が消えた場所を見て回り
何か不審な点が無いかを調査
子供達がどこに向かったか、怪しい人物は居ないか等
一応子供達に何か変化があったり、歌が聞こえたらすぐにその場に行けるようにしておきまさ

丈華も人さらいの対象になるので
他の猟兵の仲間にもわかる手がかりを残しつつ、囮となり歌に付いていく



「歌う人さらい……ボクの世界の外国にもそんなおとぎ話あたったっけ」
 自分の暮らしていた世界のとあるおとぎ話を思い出しながら、桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)は子供が消えたという場所を見て回っていた。
 大体子供が消えたのは、彼らが住まう住居。部屋の扉が開いたままで、靴も履かずにそのまま出て行ったように見えるという話が被害者の家族からも聞けていた。
「直前の変化もない……となるとやっぱり歌?」
 結局直接的な手掛かりは歌なのだろうか。そんなことを思っていると、ふと耳に歌声が響いてきた。

 ―――楽しいよ、君も歌おう。

「……え?」
 耳に響く子供の声。ふと頷いてしまいそうになる、洗脳のようなものなのだろうか?
 ふと周囲を見渡せば、離れたところで歌を歌う子供の姿が目に入る。
 その子供は歌を歌ったまま丈華に背を向け、去っていく。
「……誘われてる気もするけど、行かなきゃわからないかな」
 猟兵でなければどうなっていたかわからないが、意識をしっかりと保ちながら追っていけば、丈華の道先にもまた領主の豪邸が目に入った。
 子供の姿は気が付けばない、この先に何かあるのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん、気になるのは、皆この事件が吸血鬼の仕業だと思い込んでいること
最初に言った誰かは、どうしてこの事件が吸血鬼の仕業だと分かったの?
どうして住民はその言葉を信じているの?

…うまく吸血鬼に罪を擦り付けた?
もし偶然ではなく、故意に誤った情報を流したとしたら…
吸血鬼の仕業だと言った人間が犯人の可能性がある

…後、この街の穏やかさも気になる
住民達は、領地の暮らしに満足している…?
よほど領主が優秀で慈悲深いのか、それとも…

私はこれまでの事件を調べる
…最初に吸血鬼の仕業と言ったのは誰なのか
最初に行方不明事件が起きたのは何時か
その前後に、何か変わったことが無かったか調べる



住民達が穏やかに暮らす集落、吸血鬼の仕業で子供達が行方不明になっている。
 この内容がリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)には引っかかっていた。
「……皆この事件が吸血鬼の仕業だと思い込んでいる? 最初に言った誰かは、どうしてこの事件が吸血鬼の仕業だと分かったの?」 あまりにおかしい。これだけ犯人が痕跡を残さず誘拐を行っているというのに、なぜ吸血鬼の仕業と分かったのか。
「吸血鬼に罪を擦り付けた……これが偶然ではなく故意なら……」
 敢えて言葉を口にし、思考の中で推測を整理していく。
 住民達が妙に穏やかな事、それは領地の施政に満足しており、信頼しきっているという事。
 これだけであれば領主は優秀で慈悲深く感じるが、なぜここまでしているのか。
「……動こう」
 確証を得るべきだ。リーヴァルディは急ぎ、聞き込みをして情報を集めに向かう。
 そして分かったことは、最初に吸血鬼の仕業と言ったのは領主であり、最初の行方不明事件が起きた時から領主が率先して、行方不明になった子供の調査を行った、という事だ。
「……見えてきた」
 リーヴァルディの中で、不信が確信へと変わり始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルファ・ユニ
足で探し回ったりとか、そういう捜索は得意じゃないんだけど…痕跡が歌ならこっちのものだ。全く、音楽を使ってそういうことする奴って許せないよね。

多く子供達がいなくなっている場所を過去の記録からいくつかピックアップして、趣味悪い歌をレコーディングしにいこうか。
ユニのクローネに歌声をサンプリングして、波形のデータを見よう。そのスケールや周波数に何か仕掛けられているものなら一目でわかるしどういう人が発したかも大まかにならこのpcで解析できる。
それにユニ、耳がいいからどこで音がしたかを聞き分けるのは得意だよ。



歌が響く。子供達の声に聞こえるが、耳障りで誘われるような歌だ。
「全く、音楽を使ってこういうことする奴って許せないよね……」
 領地の外れでアルファ・ユニ(愛染のミキシングエンジニア・f07535)不満げに歌声を聞いていた。
 この地点は子供が一人行方不明になったと思われる場所、近くには領主の館が見える広場。子供達が遊ぶ場所でもある。
「ここにも聞こえるか……よし」
 早速この歌を分析するために万能型PCクローネを開き、歌声の録音。即ちサンプリングを開始する。
「……洗脳……いや、催眠?」
 結果として、この歌声は間違いなくクロだ。
 微弱な催眠音波、誘引音波とでもいうのだろうか、発した人物は子供のようだ。
「……行方不明の子供、の声か」
 確認できたのは、それだ。集めていたデータから解析すると、この声の元は行方不明になった子供の可能性が高い。
 そして、耳を澄ませて音源を探ってみれば、歌は領主の屋敷から聞こえてくる。
「突撃……というわけにはいきそうにないけど、話をしに行こうか」
 答えはあそこにある。領主の屋敷へと、彼女は足を運ぶ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ライエル・シュヴァリエ
子供たちばかりが消える事件…子はいつの世も宝だ。その宝ばかりが消える事態を見過ごすわけにはいかんな。

俺が調べたいこととして、一つは消えた者達に子供という以外共通点があるかだ。例えば恵まれない境遇で育ったとか、親や他の人に余り関心を持たれてなかったとかな。歌や言葉という感情を揺さぶるもので誘惑するのなら、現状に満足してない者の方が乗りやすいだろうしな。

もう一つは子供が次々に消える事件が起きているのに、領民に不満が感じられないことだ。普通なら、対応ができてない領主に大なり小なり不満が募るはずだが…領主をそんなに信頼してるのか、そうならば何故か?

とりあえずはこんなものか。聞き込み、調査を始めよう


ラウンツ・ハーリッシュ
子供を狙うなんて酷いことするなぁ…子供の味方たるピエロとしては許せないよね~♪
 ということでまぁ地道に【コミュ力】をつかって【情報収集】しよっかな。なんか怪しいことは【言いくるめ】てなんとか情報を引き出したいところだね♪その上で尾行かな。
 流石にこの集落?村?どうでもいいけどいろいろ怪しいしね。住人が満足に暮らしてるってことはパッと思いつくのは生贄として差し出す、だろうけど、そうなると吸血鬼を犯人にしたがる理由がわからないしね~。うん、なかなか楽しそう☆



「やぁ、そこのご婦人、少しいいかな?」
「あら……?」
 集落で選択をする女性に目をつけ、ラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)紳士的な演技で話しかけた。
「少々お聞きしたいことが。ここ最近、怪しいことが起きているようですが、何かご存知ではないでしょうか?」
 丁寧に問いかければ、婦人はあらやだと照れながらラウンツに答えてくれた。
「子供達がいなくなってる事……だけれども、きっと大丈夫よ。領主様が何とかしてくれるから」
「ほほう、領主様。どのようなお方で?」
 この人物もまた、領主に対して絶対的な信頼を置いている。これはもはや妙でもある。生贄として何かを提供しているわけでもないが、実際に領主は近辺の危険な存在を退治しているというそうだ。
 話によっては小さい規模の吸血鬼を対処したことまであるという。
「へぇー……なるほど、ありがとう」
 一通り聞けたのはこの程度。やはり気になるのは領主自身についてだろう。
「おや?」
 そんなことを考えながら歩き回っていると、思考に耽るライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)の姿が目に入る。
「やぁ、何か思いついた?」
「ラウンツさんか。やはり領主が気になってね」
 事前の情報から既にライエルは領主を気にかけていた。だからこそまず自分の思考を整えていた。
「少し聞いてもらえるか」
「もちろん、楽しそうだしね☆」
 情報の整頓にもなるだろう、という事でライエルは自分の考えを話し始める。
「一通り聞いて回っても、領民達が領主そのものに不安を感じてない、これはそちらも感じていると思う」
「うん、さっきの人もそうだったね」
「普通ならば、対応しきれていないことに不満が募るはず……だが感じていない、それはなぜか、だ」
 結論はラウンツも同じところだった、そこさえわかれば答えになるのだが、なかなか簡単に尻尾はつかめない。
「消えた子供はどちらかと言えば親にはそこまで愛されていない。だが虐待まで受けている者はいないとの事」
「犯人は吸血鬼……これは領主が言ってたんだっけね」
 他の猟兵が集めた情報によればそうなる。そして領主は領民達を満足させて、徹底的に信頼を築き上げている。
「ここまでくると、領主を疑うべきかもしれん」
「だねぇ、行ってみちゃう?」
 領主の屋敷は完全に閉鎖されてるわけではない、であれば向かって確かめるべきだろう。
 二人はその調査の先は領主の屋敷へと向かい、他の猟兵達もまた領主の屋敷へと集いつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『すてきな領主さま』

POW   :    足で探す、領主を襲撃する

SPD   :    館に忍び込む、領主を尾行する

WIZ   :    領民と話をする、領主と問答する

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「なるほど、領主……ですか」
 猟兵達が集めてくれた情報聞いてウインドは頷く。
 そのほとんどは領主に関わるものか、領主の屋敷につながるものばかりだった。
「徹底的な住民に対してのフォローによって、自身の身の潔白を隠してる……ってことでしょうかね」
 そうであれば随分周到であり、簡単に尻尾を掴ませてくれない可能性は高い。
 幸い領主の屋敷へと直接入る事は許されているが、それは領主本人も隠し通せる自身があるからと推測された。
「となると領主を尋問して粗を探すなり、ばれずに屋敷を漁るなり……まぁ、後は強硬手段ですかね」
 手段自体は任せる、と後方支援に徹する彼女だが現段階ではとにかく無理をしないようにと君達に告げた。
 下手に動いて領主が何かしてもまずい。丁寧にかつ、大胆に追い詰めるのだ。
ライエル・シュヴァリエ
領主が怪しいのが皆の共通認識のようだな。俺は明確な証拠を掴むのではなく、疑いをかける根拠を集めるとしようか。

子供たちが攫われている以上、生かすためにも食糧や日用品が多く必要となるなず。領主の館に品物を収めてる商人を探し、見つけたらある日…つまり子供たちが消えるようになったのを境に納品する品物が増えてないか聞いてみよう。これだけでは明確な証拠にはならんが、疑う根拠にはなるだろう。

他には領主の館への人の出入りや動きを調べるとするか。面倒見なければならない人数が増える以上、使用人の雇う人数を増やすなり、今いる人が前以上に忙しく働くなど何かしらの動きはあるはずだ。

では、調査を始めようか。



 この地で最も猟兵達の嫌疑の目を集めているのは領主であることは間違いない。ライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)は明確な証拠をつかむことよりも、疑うべき根拠を集めることを優先していた。
「と、いうわけではあるんだが。どうなのだろうか」
 彼は館へ踏み込まず、領地にやってきているだろう商人を探して回っていた。幸いすぐに商人は見つかり、気楽に話に応じてくれた。
「ええ、そういえば随分娯楽品や食料、日用品を多く仕入れていますね。領主様なので多く扱うものと思っていたのですが」
「ほぉ、なるほど……いつ頃から、というのはあるだろうか?」
 確認してみれば、子供達の行方不明が発生し始めてから数日後から領主は多く商品を仕入れている。もちろんあの屋敷に住まう者で使うにしてもはるかに量は多い。
「しかし……使用人は増えていないのか」
「ええ、業務が忙しくなった様子もないですね」
 ふむ、と気がかりになっていた点をまとめ直す。日用品や食料は多く仕入れるようになったが、使用人は増えていない。
 誘拐された子供達はどう扱われているのか。
「……子供の歌声。誘拐の手ごまと……自分の駒にしている、とでも?」
 いやな予感がする。早く調査を進めて、領主を追い込まねばならないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…私は領主に直接会って話を聞きに行く
事前に2~3歳、幼く見えるように変装を施し領主を誘惑できないか試みる
私が空振りでも、こうして領主の意識を引き付けている間に
他の猟兵が情報を手に入れるかもしれない以上、
試さない手は無いんだけど……はぁ

礼儀作法に則り挨拶して存在感をみせ、普段と違って丁寧に話す
街の噂を聞きやってきた旅人を装い、
他の猟兵と共に旅をしてきたと告げる
素晴らしい善政を敷いていると領主を褒め讃えた後、
「どうして吸血鬼の仕業と断定したんでしょう?」と聞いてみる

最後に礼を言って退室…する前に
「御屋敷の中から子供の歌声が聞こえるけど、
実は領主様がさらったのかしら?」
…と煽って反応をみてみる



 嫌疑の目は領主。その考えは皆同じ、明確な答えを得るための一つとしてリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は領主の屋敷へ直接向かう。
 客人として直接話すために、領主の意識を引きつけ他の猟兵が動きやすくするためにもの行動だった。
「旅人をご案内していただき、ありがとうございます」
「いやいや、気にしないでくれ。何より君のような子はいくらでも歓迎だよ」
 領主の部屋。通された部屋で紅茶のカップを受け取りながらリーヴァるでぃは礼儀作法に則った挨拶を向けた。
 豪華な装飾、整えられた部屋には今二人だけ、事前にさらに幼く見えるように姿を変装した為か、領主は嬉しそうにリーヴァルディを迎え入れた。
「そうですか……様子を見させてもらいましたが、とても住民の皆様は満足しているようで、感服いたしました」
 確かに住民は満足している様子は見た。だが本心ではない。
 あくまで領主の様子を窺うための言葉の一つ。
「しかし今発生している行方不明事件、どうして吸血鬼の仕業と断定したんでしょう?」
 褒められて満足げな顔をした領主にそう告げれば、一瞬彼の眉が動く。
「どうして、と言われても吸血鬼でなければ難しいだろう。痕跡もなく、子供達を誘拐だからね」
「……そうですか」
 ぼかされた、というべきだろう。何か隠しているのは間違いない。
 だが、これ以上突っ込むと怪しまれるだろう、突くのは最後にするべきだと当たり障りのない問答を行う。
「それでは、そろそろ失礼します」
「ああ、また来てくれたまえ」
 だいぶ時間も稼げただろう。ゆっくりと席から立ちあがり、ドアに手をかける。
「御屋敷の中から子供の歌声が聞こえるけど、実は領主様がさらったのかしら?」
 そのまま外に出ようとする前に、小さく言葉をこぼす。
 だが、領主の答えはない。ふと振り向いてみれば、笑顔を向ける領主の不気味さだけが残っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルファ・ユニ
領主さんはこんなに無防備でいいのかな、自分のテリトリーを開けっぴろげにして。まぁとりあえず屋敷に入らないと話は進まないよね。
領主に近い人、使用人とかから変わったこと、領主に疑惑がかかるような明らかに不自然なことなどを聞き出す。子供たちの居る部屋も予測したいから、間取りも聞いて隠し部屋がないかとか。ただバレない自信があるってことは周りにもちゃんと手が行き渡ってるってことだ。結託している可能性も考えて【トロイメライ】を使用。
心地の良い音が聞こえたら、今だけユニは懐かしい、貴方の大切な人。
久しぶりだね、覚えてる?
ほら、子供たちと同じ。音波で操られてみなよ。



 綺麗な屋敷、整えられた空間。
「こんなに無防備でいいのかな、自分のテリトリーを開けっぴろげにして」
 誘拐犯だというのにこれだけ自信があるのかどうなのか、ともあれ屋敷に入らぬことには進まない。アルファ・ユニ(愛染のミキシングエンジニア・f07535)屋敷の調査もかねて内部をうろついて回っていた。
「パット見て回れるところに隠し部屋の類は見つからないか……」
 やはり、というところか。これだけ開放しているのは確実に隠し通せる自信があるからこそだろう。もしくは自身のパーソナルスペースに隠しているのか。
「あ、メイドさん、ちょっといいかな?」
 ふと通りかかった使用人の一人にユニは快楽音波を交えながら話しかけた。
 まるで目の前の彼女が大切の人だったかのように、使用人はふらふらとユニに向き直る。
「ねぇ、最近お仕事はどうなの? 領主さんはどんな感じに仕事してるの?」
「え、あ……はい。最近は子供向けの料理をよく作って……あ、でも領主様も手伝ってくれるんですよ。作った料理を子供達に持っていくって……私達にもごちそうしてくれて……」
 そこまで言うと、メイドはびくりと動きを止めた。
「あ、あ……歌が聞こえない……おじさま……おじさま……? あ、あああああああ!?」
 がくり、びくりと震え、メイドは動かなくなる。
「なんだ、何が……!?」
 慌ててユニが状態を確認すれば息がない。
 ざわざわと周囲が騒然としだす、使用人たちに領主が何かを仕掛けているのは確実だが、このままユニが調査を続けるのは不味い。
 慌ててユニは屋敷を後にすることになる。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラウンツ・ハーリッシュ
うーん、襲って簡単に尻尾だしてくれれば楽だけど、そう簡単にはいかなそうだよね~。確実な証拠も欲しいところだし、ここは館に潜入するのが良さそうだね♪
とはいえ、屋敷の間取り分からないし、これはもう【第六感】頼りに進むしかないかなぁ…あと、いくら信頼されてるからといってもそこまで不用心に証拠置いてると思えないし、【鍵開け】する必要もありそうだね。護身で【クイックドロウ】くらいはすぐ使える準備もしとかなきゃ☆
はてさて鬼が出るか蛇が出るか…はたまた何も出ないのか。まぁ楽しくやるさ♪


桐府田・丈華
「ここが子供達がいる館・・・」
操られているフリをして館の中へ入ります
子供達のいる場所まで来たら救出活動に入ります
拘束されてたりしたらユーベルコード等で解いて解放し同じく潜入している他の猟兵さんらと共に子供達を連れて脱出します
見張りがいれば倒します

失敗したら他の子供達と一緒に捕まり他の猟兵さんの助けを待ちます



「ここが子供達がいる館……」
 操られているフリをして館の中へ足を踏み入れた桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)はふらふらした様子を即座に駆け付けた使用人達に保護されるように手を引かれた。
 彼らは特に何も言わず、業務的に丈華を連れていく。まるで逆らえぬ何かがあるように、こうしなければ命がないと言わんばかりに。
「おお、また新しい子だね?」
 気が付けば丈華は領主の部屋へと連れてこられていた。領主は丈華の姿を見るなり嬉しそうな顔をして近づいてくる。
「さぁ、君も歌おう、皆の場所に行こうじゃないか」
 丈華を撫でるようにそっと頭に手をのせると、耳元で彼は囁く。
 
―――いっしょに歌おう。
―――みんなで歌って仲間を増やそう。

 そして、私の言う事を聞きなさい、と。
「っぐ!?」
 突如、丈華は歌を歌わねばいけない気がしてきた。いや、歌わないとまずいのだ、体が軋む、呪いのような何かが蝕んでくる。
 領主はあははと笑いながら、自分の部屋の本棚を動かす。隠し扉が見え、彼が扉を開けば奥から歌声。
「さぁ、いこうか」
 対処するにももう手遅れだ。このまま従うしかない。
 丈華がおとなしく諦めようとしたとき、後方から銃撃音が響き、領主と丈華の間に走り、振りほどく。
「いやはや、綺麗に尻尾を出してくれたねぇ?」
「おや」
 丈華が振り返れば、そこにはへらへらとしたラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)の姿があった。
 屋敷の情報が一切ない情報、運だよりの勘だよりではあったが幸運だったのか、ラウンツは丁度領主と丈華の現場へと接近できていた。
「ちょっとばかり荒いけどささっとみんなと合流しようか。もうこれが明確な証拠だよね☆」
 あっけにとられる領主を置き、ラウンツは丈華の元へと向かい、抱え上げる。
「オブリビオンというならユーベルコードの攻撃だ。痛みはあるが、君なら耐えれる、振りほどいて傷を癒してからリベンジと行こうか」
「……ありがとう」
 こればかりは運がよかった、下手すれば捕まったまま助けられるまで何もできなくなるところだったが、ラウンツのおかげで功を期した。
「それじゃあ領主さん、その子供達は後で迎えに来るよ。それまでゆっくり待っていてくれたまえよ」
 再び銃撃を連射、領主の足止めをするように威嚇射撃を繰り返すと、ラウンツは丈華を連れて領主の屋敷から飛び出した。
 明確に犯人だと確定したならば、一気に仕留めてしまうべきだろう。さぁ、これからが勝負だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『子ども遣い『チャイルドマン』』

POW   :    理不尽な言いつけ
【攻撃】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    財産喰らい
自身の身体部位ひとつを【対象の親もしくは同じくらい信頼している人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    操り人形
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的に幼い頃の姿】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・リトルライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ったく無茶しやがりましたね」
 不意の一撃でダメージを負った猟兵を癒しながら、ウインドは全員が無事に合流したことを安堵した。
「しかしまぁ、これであいつの目的も打破。このまま一気に叩ける状況になったので乗り込んで……」
 乗り込んでとっちめよう。と言おうとしたときに歌声が響く。領主の屋敷からの歌声、屋敷のバルコニーからだ。
「やぁ、よく来てくれたね。歓迎しよう」
 バルコニーには領主の姿。その後ろには幾人もの子供達の姿が見える。
 子供達は皆歌を歌い、その歌声は猟兵達にもよく聞こえるものだった。
「ふふ、みんないい子だ。こうやって友達を増やしてみんなで歌って暮らさせてあげたい、そう思わないか」
 意味の分からない自己主張を繰り返しながら、領主……いや、オブリビオン『チャイルドマン』は笑う。
「とはいえそろそろ次に行こう、次の街で彼らの友達を増やさねばね……だが、少々君達は子供の教育によろしくない」
 彼がそう言って指を鳴らすと、一斉に子供達は意識を失いようにバタバタと倒れだす。いや、子供達だけではない、使用人達も同様に手折れたかと思えばゆらり、ゆらりと操り人形のようにその手に武器を構え君達に向かってくる。
「さぁ、大人のいう事を聞くんだ、いいね?」
 理不尽に彼は命令を行う。
 猟兵達は、どう立ち向かうのか。
ライエル・シュヴァリエ
洗脳し意思を捻じ曲げ意のままにするような理不尽な奴は許してはおけん。己の欲求を満たすためのような奴ならなおさらだ。ここで終わらせよう。

子供達や使用人を突破してチャイルドマンに近づかねばならんな。【ダッシュ】して高速で移動しながら攻撃を【見切り】躱して突破、壁になってくるようなら【ジャンプ】で飛び越えていく。

チャイルドマンに接近できたら覚醒せし黒剣で古びた黒剣を漆黒のオーラを纏った大剣に変貌させ、【怪力】を発揮した一撃で斬り伏せる。もし、誰かを盾にするようなことをしたら、【2回攻撃】で一回目は剣の腹で軽めに弾き飛ばし、2回目で斬り伏せる。
「我が一撃は理不尽を斬り伏せ未来を掴む黒刃、ってな!」


リーヴァルディ・カーライル
…ん。子供達の意識を奪って操っている時点で説得力がない
たとえオブリビオンであろうと吸血鬼でない以上、
真実、善政のみを敷いていたのなら、見逃す選択肢もあったけど…
…この光景を見れば答えは言うまでもない

…手加減できる武器じゃない以上、
周囲の人間は他の猟兵に任せて私は領主を狙う
領主の視線を見切りながら【見えざる鏡像】を目立たないように発動
透明化して存在感を消し、第六感を駆使して察知されないように接近

隙を突いて背後から大鎌の刃を突き刺して生命力を吸収し
力を溜めた大鎌を怪力に任せてなぎ払い傷口を抉る2回攻撃を行う
倒しきれなければその後、他の猟兵と連携して挟み撃ちに
…嘘吐きな領主様には罰が必要…ね?



「黒騎士様お二人か。大変だね皆、一緒に立ち向かおう」
 立ち並ぶライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の姿を見て、チャイルドマンは子供達に囁いた。
 それと同時に、子供達は一斉に防陣を敷くように武器を構える。
「……チッ」
 その光景を見て、ライエルは苛立ちを隠せない。
 洗脳し、意思を捻じ曲げる理不尽。己の欲求の為に子供を利用するアレが許せなかった。
「終わらせよう……」
「……ん、同感だ。吸血鬼でない以上、善政を敷くなら見逃したかもしれないけど」
 剣を構えるライエルと同じように、鎌を構えると決意と共に言い放つ。
「……この光景を見れば答えは言うまでもない」
 ライエルが正面から駆け出し、リーヴァルディは側面に飛ぶ。作戦など離さなくても狙いは一つ。それぞれの手段で奴を狙うまでだ。
 子供達の振るうおぼつかない武器をやすやすと躱し、一足で子供達の中から飛び上がると、チャイルドマンを眼下に捉える。
「我が一撃は理不尽を斬り伏せ未来を掴む黒刃!」
 自身の魔力を捧げ、彼の持つ黒剣から漆黒のオーラが吹き上がると同時にその剣が大剣へと転ずると、そのまま怪力と落下速度を合わせた一撃をチャイルドマンへと振り下ろす。彼はそれを笑いながら受けた。
「ふふ、素晴らしい一撃だ……ああ、実に痛い。助けてくれないか、皆」
 チャイルドマンが笑えば、周囲の子供達が彼を守るように取り巻いていく。
「てめぇ……!」
 容赦なく子供を壁にする彼に、ライエルの怒りが爆発するが、このままでは攻め込めない。
「……嘘つき領主様には、罰が必要……ね?」
 そんなライエルに意識を持っていかれた彼の背後から大きな鎌が突き刺さる。
「ほぉ、まるで吸血鬼だ」
「過去が……そんなことを言わないでっ!」
 攻撃されても余裕を消さない彼に、自身の姿を消して奇襲したリーヴァルディはその鎌を力を込めて、傷を抉るようにして薙ぎ払う。
 連続で振るわれた一撃がチャイルドマンを吹き飛ばし、大地に転がす。
「……あぁ、実に苦しい。でもみんながいるからね」
 突如、彼の両腕が子供達の親の顔に変形したかと思うと、子供達に食らいつく。瞬時に子供達が地に伏せると同時に彼の傷が癒えていく。
「ふふ、ありがとう。次は……」
「それ以上させるか!」
 次の子供に手が伸びるより早く、ライエルが割り込むと同時に剣の殻で軽く子供を弾き、返す二撃目がチャイルドマンに突き刺さる。
「それ以上は許されない……!」
 再び姿を消したリーヴァルディが背後から鎌を突き立てる。
「おっと……"離れて"くれるかな」
 彼の言葉と同時に、二人は危険を察知する。咄嗟に飛びのくことで何も起きないが、飛びのかねば重い攻撃を受けていただろう。
「ふふ、もっともっと、楽しませてくれたまえ」
 彼は実に愉しそうに笑う。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エレアリーゼ・ローエンシュタイン
(少年人格・エーデルトラウトが表に
更に真の姿を解放、同じ薄紅の髪に赤い瞳、エレアリーゼの『双子の兄』の如き少年の姿に)

…正体現しやがったな
大人?教育?どの口が言う?
思い通りになる玩具を欲しがるだけの、お前こそまさにクソガキだろ
だったら仕置きが必要だよな

ブラッド・ガイストで鞭に血を伝わせる
…悪い、エル、少し身体を傷付ける
ああいう汚い奴…どうしても叩きのめさないと気が済まないんだ

使用人はどうしても邪魔な時だけ、手荒だけどなぎ払いで吹っ飛ばす
狙いはオブリビオンの首だけだ

隙を見てだまし討ち、2回攻撃でダメージを重ねる
捨て身の一撃だって構わない
念入りに傷口をえぐった上で引き裂いてやる
…お前だけは許さない



 子供を喰らい、命を啜り、利用する。そんなチャイルドマンの姿を見ていたエレアリーゼ・ローエンシュタイン(花芽・f01792)は……いや、エーデルトラウトは明確な怒りを向けていた。
「……大人? 教育? どの口が言う」
 少女のエレリアーゼの姿が、ゆらゆらと揺れてその体つきがゆっくりと変わっていく。
 自分の腕を爪で裂き、舞う鮮血を鞭に伝わせる。滴る血が武器の封印を解き、茨の鞭が獲物を求める様に猛り、動き出す。
「悪いエル、ああいう汚い奴……どうしても叩きのめさないと気が済まないんだ」
 大丈夫。そんな声が聞こえたかと思えば、エーデルトラウトは猟兵達と戦うチャイルドマンの元へと突撃した。
 無数の子供達と、使用人の間を縫い距離を取った猟兵達と入れ替わるように接近すると鞭を目の前に翻させ、迎撃と構えを取ると同時に背後に回り込み、連続で鞭を振るって茨の刃でチャイルドマンに深く深く傷をつける。
「思い通りになる玩具を欲しがるだけの、お前こそまさにクソガキだろ」
「ふふ、子供は得てして反抗的なものだ。君もそうだろう?」
 唐突な不意の一撃にもまだ余裕を見せる。その態度が完全にエーデルトラウトの怒りに火をつけた。
「ほざきやがれ、お前みたいなクソガキはオレが仕置きしてやる!」
 彼が何か口にするよりも早くチャイルドマンの懐に潜り込むと、押し付けたイバラの鞭で引き裂くように抉りこむ。
「お前だけは許さない……!」
「ふふ、実に教育のし甲斐があるよ……君は」
 よろよろと彼は立ち上がるが、今の一撃で大きなダメージを負ったようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルファ・ユニ
領主になりすまして、そうやって周りの人みんな洗脳して、信頼を得てたの?無茶苦茶だね。歌を使った犯行もなにもかも気に入らないな…

トンファーを引っさげ操られている子達の方へ向かう。攻撃をすることじゃなくて受けることメインで、戦闘中内蔵スピーカーからクローネでサンプリングした歌の位相を反転して流す。ノイズキャンセリングのように効果を歌声ごと打ち消す。上手くいけばそれでよし、違う要因で操られていて効果がないならトンファーから高圧電流を流して麻痺させる。そうやって駒数を減らす役に回ろう。
隙があれば聞こえる歌や仲間の戦闘で起きる大きな音をクラハライツに喰わせて【轟音圧殺砲】の音砲で領主様を撃ち抜く。



「領主に成りすまして、そうやって周りの人みんな洗脳して、信頼を得てたの? 無茶苦茶だね」
「いいや、違うよ。特に彼らの親たちは、ちょっと助けてあげればすぐに心を許した……ふふ、簡単なものだろう?」
 アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)の吐いた言葉にチャイルドマンは愉し気に反応した。嘲笑うように、逆撫でるようにこちらのペースを乱すのが彼のやり方なのだろう。
 だからこそ、歌を使った犯行も含めて何もかもが気に入らない。だからこそ奴の言葉に乗るつもりはない。
 ユニがトンファーを構えて向かうのは操られている子供達、一斉にユニに向かって手に持った武器を振るってくるのは想定済み、トンファーで拙い攻撃を受け流しながら、多くの子供達が集まってきたタイミングに合わせて内蔵スピーカーから突如歌が鳴り響く。
「……っ!?」
 その歌に最も反応を示したのはチャイルドマンだった。余裕を見せていた表情をユニに向けると、明確な殺意を彼女に見せた。
 理由は明白。位相を反転して流したチャイルドマンの歌が対消滅を起こすように周囲に響いていた歌をかき消し、彼の周りにいた子供達が次々と意識を手放し、倒れていく。
「歌を利用したお前は歌に裁かれるんだ」
 倒れていく子供達、反響する歌をスピーカー型の銃に食わせたかと思うと、凄まじい音砲が解き放たれチャイルドマンを吹き飛ばす。
 ゴロゴロと転がるチャイルドマンの周りには、もう僅かな子供達が残るだけ。
「……これだから、いい加減、私の言う事を聞きなさい……!」
 明確に、そしてようやく余裕のない表情を彼は見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラウンツ・ハーリッシュ
うーん…なかなか面倒だね~。「彼」を出したら出したでそれこそ操られてる人も倒しちゃいそうだし…
ところで「大人のいう事を聞け」ってことは僕が言ってもいう事きいてくれるのかな?ま、無理だろうけど☆
ということで目指すはチャイルドマンただ一人、多少の攻撃は【オーラ防御】と【激痛耐性】で耐えてでも一直線に向かっていこうか。「ヴァリアブル・ウェポン」を攻撃回数重視にして足止めに使うのもいいよね♪チャイルドマンに関しては【2回攻撃】で【フェイント】を織り交ぜつつ【零距離射撃】のヨルムンガンドを叩き込む。かな?
これでダメならもう仮面外すしかなくなっちゃうよね☆


桐府田・丈華
「さっきは危なかった・・・でもこのままやられっぱなしはやだからね!」
敗北しかけた事を反省し全力でチャイルドマンに立ち向かいます
「それじゃ、ボクのターンだ!」
カードデバイスからゲームキャラ達を召喚し連携プレイでチャイルドマンと交戦
他の猟兵ともうまく合わせて着実にダメージを
敵の技に怯んだらしますが気合を入れて抵抗
倒し終えたら子供達を保護し町に帰ります



「歌は歌によって裁かれる。いやぁ、滑稽だ☆」
 ラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)は追い詰められ始めたチャイルドマンを見やって笑う。
「けれども中々面倒だ。数が減っても『彼』は出せない」
 そっと仮面に手を添えるが、今自分の中から彼を開放することはできない。操られている子供も使用人も敵ではないが、この仮面の下の彼はきっと容赦などない。
「大人の人のいう事を聞け、って言っても僕の言うことまでは聞いてくれないよね?」
 ふふ、と子供達に語り掛けるが、反応は武器を向けるまま。残念だと笑いながら、仮面からそっと手を放す。
「ま、そういうわけで全力ではいけないけど」
「大丈夫、さっきのお返しもあるし、やられっぱなしは嫌だからね!」
 ラウンツの視線の先には桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)の姿。
 先ほどの事もあり、彼女は全力でチャイルドマンに立ち向かう気満々だ。
「おや、君はさっきの……もう一度言う事を聞きに来たのかい?」
「誰が! ボクのターンだ!」
 勢いよくデッキからカードを引くと、慣れた手つきでカードデバイスにカードをセットする。
「こい、ボクのキャラクター達!」
 剣士、ロボット、モンスター。様々なキャラクターが丈華の前に召喚され、一斉にチャイルドマンに襲い掛かる。
 頭部にⅠと書かれたキャラクター達は突出した力は持たないが、丈華の巧みな戦術によって、チャイルドマンを翻弄し、多方面から斬撃や射撃を繰り返し続ける。
「厄介な……ゲームばかりしてはいけませんよ……!」
「あっはは、そうか。じゃあゲームは一休みで道化のターンだ」
 丈華に向けて理不尽な言葉を向けようとした瞬間、子供達と使用人を弾き飛ばしたラウンツが割り込み、内臓した収束砲の砲門をチャイルドマンに向ける。
「っ……!? "それを撃ってはいけません"よ!」
「それは勿論さ☆」
 チャイルドマンがラウンツを対象に理不尽な言葉を向けるが、へらへらと彼は砲門を向けたまま攻撃を行わない。
「一斉攻撃だ、いけぇーっ!」
 呆気にとられたチャイルドマンに向けて、丈華がキャラクター達を一斉に飛び掛からせる。
「ははっ、良いタクティクスだ。こっちも追加さ!」
 丈華とラウンツの一斉攻撃により、ついにチャイルドマンは子供達も使用人からも引きはがされて吹き飛んでいく。
「ふ、ふふ……やってくれますね……ですが、まだ……まだですよ?」
 諦めが悪い。ぼろぼろになりながらも彼は手を伸ばす。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…まるで吸血鬼、か
真実を教えてあげるチャイルドマン
ただし、あなたの滅びと引き換えだけど…ね

…【限定解放・血の教義】を発動
吸血鬼化した生命力を術式に吸収させて力を溜める
第六感を駆使して暴走する限界を見切り、
“闇属性”の“過去を世界の外に排出する自然現象”を大鎌に纏わせて維持する

吸血鬼化した身体能力で接近し、怪力で大鎌をなぎ払い、
自分の魔法の反動で傷口を抉られながら、大鎌と魔法の2回攻撃を行う

…オブリビオンであるお前たちには、覚えがある存在感だと思うけど…?
これが、私の魔法。過去が、私の前に立たないで…!

…戦闘が終われば“【血の教義】で光の風”を放ち、巻き込まれた子供や大人達の傷を癒しておく



 周囲を囲む子供達も使用人達もチャイルドマンの周囲にはもういない。
「ああ、本当に悪い子達だ……大人のいう事を聞かない」
「聞きたくないだけだよ、チャイルドマン」
 満身創痍になりつつあるチャイルドマンの前に、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が再び立ちはだかった。
「君は……」
「……まるで吸血鬼、そういったわね。真実を教えてあげる、チャイルドマン」
 リーヴァルディの周囲で精霊のマナと吸血鬼のオドが交錯し、混じり合い、一つの力として顕現する。
「……限定解放。テンカウント」
 ―――血の教義。
 ダンピールとしてではなく、その身を吸血鬼と化した彼女の解放した力、暴走しかけるその闇の属性を大鎌に限界ギリギリで纏わせ、過去……即ちオブリビオンを排除する世界の理を力とする。
「はああああっ!!」
 強烈な鎌による一撃がチャイルドマンの腕を切り落とし、続けざまに放たれるリーヴァルディの魔術が胴を穿つ。
 だが、その反動は安くない、衝撃はリーヴァルディの傷口を抉る。
「ふふ、そうか……だがよくわかった。吸血鬼……これはどうかな」
「―――っ!」
 めきめきとチャイルドマンの腕が変貌する。その姿を見て、リーヴァルディの動きが止まる。
 その姿は彼女にしか見えない。親か、それ以上に信頼する人物の姿の顔。
「良い子だ、このままこっちにおいで」
 誘うように、チャイルドマンはリーヴァルディを誘う。
「―――過去がッ!!」
 吐き捨てるようにリーヴァルディは言い切った。
「私の前に、立たないで……っ!!」
 同時に放たれた魔力の奔流。凄まじい闇がチャイルドマンを飲み込み、その一切を否定する。
 凄まじい奔流がチャイルドマンを飲み込み、消えていったかと思えばふわりと柔らかい光が風に乗って倒れた子供達を、使用人達を優しく癒していく。

 戦いは終わった。子供達は次第にゆっくりと目を覚まし、操られていた者達も正気を取り戻し、欺かれていた大人たちは子供達の元へと駆け寄っていく。
 過ちと後悔が子供を、大人達の心に深い傷をつけていた。だが、誰かが小さく歌を歌いだした。
 チャイルドマンの歌ではない。誰もが知っているただの歌。
 だが、その小さな歌声は気が付けば子供達に、大人達に繋がり、響き渡っていく。

―――いっしょに歌おう。
―――楽しいよ、君も歌おう。
―――みんなが待ってる。みんなで一緒に。

 響き渡る歌声が、彼らの心をひとりでに癒していく。
 きっともう大丈夫だ、そんな答えが猟兵達には歌を通じて確かに湧き上がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト